JP7144386B2 - 装飾被膜面の形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、新規な装飾被膜面の形成方法に関するものである。
従来、建築物、土木構造物等の壁面に対し、種々の模様を有する装飾被膜を形成することが行われている。このような装飾被膜の一例として、複数の被覆材を部分的に塗り重ねて模様を形成した装飾被膜が挙げられる。
例えば、特許文献1には、下塗り塗料を全面に塗付し、下塗り塗料の乾燥前に、下塗り塗料より濃い色の塗料(模様付け塗料)を凸凹のある立方体合成スポンジや、合成スポンジローラー等の塗付具で部分的に模様付けする方法が記載されている。しかしながら、凸凹のある塗付具で模様付けした場合、模様に偏りが生じやすく、美観性に欠く場合がある。
特開2008-266911号公報
本発明はこのような問題点に鑑みなされたもので、模様のバランス(配置)が良好な美観性の高い装飾被膜面の形成方法を提供することを目的とするものである。特に、本発明は、自然な濃淡を有する模様(ぼかし模様等)を容易かつ効果的に形成することができる装飾被膜面の形成方法を提供することを目的とするものである。
このような課題を解決するため、本発明者は鋭意検討の結果、少なくとも1種の被覆材を特定の模様ローラーを用いて塗付する装飾被膜面の形成方法に想到し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、以下の特徴を有するものである。
1.装飾被膜面の形成方法であって、
少なくとも1種の被覆材を、模様ローラーを用いて塗付する工程を含み、
上記模様ローラーは、円筒状の芯材の外周面に吸液材層を有し、
上記吸液材層は、硬度及び/または密度が異なる少なくとも2種以上の吸液材が積み重なるように混在し、径方向の断面が円形状であり、吸液材層の外周面が平らであることを特徴とする装飾被膜面の形成方法。
本発明は、少なくとも1の被覆材を、特定の模様ローラーを用いて塗付することにより、模様のバランス(配置)が良好な美観性の高い装飾被膜面、特に、自然な濃淡を有する模様(ぼかし模様等)を容易かつ効果的に形成することができる。
図1は、本発明で使用可能な模様ローラーの一例である。 図2は、本発明で使用可能な模様ローラーの一例を示す径方向の断面図である。 図3は、本発明で使用可能な模様ローラーの一例を示す軸方向の断面図である。 図4は、本発明の模様ローラーを用いた被膜形成方法の一例である。 図5は、本発明で使用可能な模様ローラーの一例を示す径方向の断面図である。 図6は、本発明で使用可能な模様ローラーの一例を示す径方向、軸方向の断面図である。
A:吸液材層
As:吸液材層の外周面
At:径方向
a1~a5:吸液材
B:芯材
Bs:芯材の外表面
C:補強材
D:ハンドル軸
E:ハンドル
F:被塗面(基材)
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
本発明は、少なくとも1種の被覆材を、模様ローラーを用いて塗付する工程を含む装飾面の形成方法に関するものである。
<模様ローラー>
本発明で用いる模様ローラーは、被覆材を塗付しつつ被膜に模様を形成する模様形成用のローラーである。このような模様ローラーとしては、例えば図1に示すようなものであり、円筒状の芯材の外周面に吸液材層が備わったものである。
円筒状の芯材は、軸を備えたハンドルを装着できるように空洞となっており、該空洞に、ハンドルを装着して使用することができるものである。円筒状の芯材としては、特に限定されないが、プラスチック製、木製、金属製等の芯材を用いることができ、また、ハンドルの軸と芯材との密着性を高めるために、ハンドルの軸と芯材の間に、プラスチック製、ゴム製、ガラス製、金属製、繊維製等の補強材を用いることもできる。
図2に、模様ローラーの径方向の断面図を示す。吸液材層(図2:A)は、硬度及び/または密度が異なる少なくとも2種以上の吸液材(図2:a1~a5)が混在し、径方向(図1参照)の断面が円形状であることを特徴とするものである。このような特定の模様ローラーを使用することにより、濃淡が混在する自然なぼかし模様を容易かつ効果的に付与することができる。
吸液材としては、被覆材を含むことができるものであれば特に限定されないが、例えば、フェルト、不織布、スポンジ材(ウレタン系、メラミン系、アクリル系、ナイロン系)等が挙げられ、これらの硬度、密度のいずれかまたは両方が異なる少なくとも2種以上(好ましくは3種以上)のものを混合して使用する。本発明では、2種以上(好ましくは3種以上)のスポンジ材(好ましくはウレタン系スポンジ材を含む)を組み合わせて使用することが好ましい。各吸液材の硬度は、好ましくは10~3000N(より好ましくは20~2000N、さらに好ましくは30~1500N)、密度は、好ましくは1~300kg/m(より好ましくは3~200kg/m、さらに好ましくは5~150kg/m)である。このような吸液材を組み合わせた吸液材層を有する模様ローラーを使用することにより、各吸液材の変形具合や被覆材の転写性等に対応した模様を形成することができる。ここで言う、「硬度」とは、JIS K6400-2に準じ、試験片の厚さ40%まで圧縮したときの力から測定される硬さ(C法)の値である。また、「密度」とは、JIS K7222に準じ、試験片の重量及び寸法から算出される見掛け密度の値である。
上記吸液材の個々の外形は特に限定されないが、好ましくは外不定形の立体形のものである。また、その個々の大きさは、好ましくは1~30mm(より好ましくは2~20mm)である。本発明では、大きさの異なる複数の吸液材が混在することが好ましい。このような場合、硬度及び/または密度に加え大きさも異なる吸液材が芯材の外周面にランダムに混在するため、本発明の効果を一層高めることができる。なお、ここで言う「大きさ」は、外形の最長軸であり、例えば、一辺が所定寸法の升目を有する篩いにより篩い分けされて測定されるものである。
本発明の吸液材層は、上記吸液材が2種類以上混在するものであり、径方向の断面が円形状であることを特徴とするものである。なお、径方向の断面が円形状とは、径方向の断面(=径方向の投影図)において、吸液材層の外周面(輪郭)(図2:As)が、実質的に正円形状(好ましくは円形度が0.95~1.05)であるものである。より具体的には、吸液材層の外周面の高低差(凹凸差)が3mm以下(より好ましくは1mm以下、さらに好ましくは凹凸を有さない)のものである。なお、本発明の吸液材層は、図3に示すように、軸方向(図1参照)の断面において、外周面(図3:As)は平ら(直線状)であり、高低差(凹凸差)が好ましくは3mm以下(より好ましくは1mm以下、さらに好ましくは凹凸を有さない)のものである。このような吸液材層は、例えば、図4(I)のように被塗面と一様に接触することができるため、各吸液材の変形具合や被覆材の転写性等に対応した自然な濃淡を有する模様を容易に形成することができる。一方、吸液材層の外周面に凹凸を有する場合には、図4(II)のように被塗面に対して、部分的に接触するため、模様に偏りを生じやすく、ぼかし模様のような自然な濃淡を有する模様は得られにくい。
また、吸液材層は、図2のように径方向(図2:At)に少なくとも1種の吸液材が固定されていればよいが、例えば図5(I)のように、2種以上が積み重なるように固定されている形態がより好ましい。さらには、図5(II)のように、径方向に複数の吸液材がランダムに混在するように積み重なるように固定された態様がいっそう好ましい。このような吸液材層を有するローラーを使用することにより、本発明の効果を高めることができる
吸液材層の厚みは、個々の吸液材の大きさにもよるが、好ましくは50mm以下(より好ましくは1~30mm、さらに好ましくは2~15mm)である。また、吸液材層の厚みは、径方向の断面が円形状である限り、例えば、図6のように均一でなくてもよいが、図2、図3、図5のように均一であるのが好ましい。このような厚みの範囲を満たす場合、本発明の効果を高めることができる。
上記吸液材層の形成方法としては、芯材の外周面に、複数種の吸液材を径方向の断面が円形状になるように固定化できればよく、例えば、
(1)複数種の吸液材を混合し接着剤等を介してシート状に成形し、芯材の外周面に固定化する方法、
(2)複数種の吸液材を混合し接着剤等を介して円筒状に成形し、芯材の外周面に固定化する方法、
等が挙げられる。上記(1)(2)において、吸液材を成形する場合、圧縮成形することが好ましい。これにより、本発明の効果を高めることができる。また、上記(1)において、吸液材をシート状に成形する場合は、少なくとも一方の面(好ましくは両面)を平ら(好ましくは高低差が3mm以上、より好ましくは1mm以上の凹凸を有さないよう)に成形することが好ましい。この平らな面を吸液材層の外周面となるように芯材の外周面に固定化することにより、本発明の効果を安定的に得ることができる。
また、模様ローラーのローラー外径(図1:R)は、所望の模様に応じて適宜設定すればよいが、好ましくは20~60mm(より好ましくは30~50mm)である。また、ローラー外径は、均一であることが好ましい。また、ローラー長さ(図1:L)は、特に限定されないが、好ましくは50~30mm(より好ましくは80~200mm)である。
<被覆材>
本発明における被覆材としては、特に限定されず、公知のクリヤー塗料、着色塗料等が使用できる。このような被覆材としては、結合材を含むもの、あるいは結合材と顔料を含むもの等を使用できる。本発明では、顔料や染料の種類、混合比率等を調整することにより、色、光沢等を設定することができる。
結合材としては、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、酢酸ビニル樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂、エチレン樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル・酢酸ビニル樹脂、アクリル・ウレタン樹脂、アクリル・シリコン樹脂、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体等、あるいはこれらの複合系等を挙げることができる。これらの1種または2種以上を使用することができる。
また、結合材の形態としては、溶剤可溶型樹脂、無溶剤形樹脂、非水分散型樹脂、水可溶型樹脂、水分散型樹脂等が挙げられる。このうち本発明では、水可溶型樹脂及び/または水分散型樹脂が好適である。これらは架橋反応性を有するものであってもよく、またその形態は特に限定されず、1液型、2液型のいずれであってもよい。
顔料としては、特に限定されないが、着色顔料、体質顔料等の顔料等を使用することができる。
着色顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、カーボンブラック、ランプブラック、ボーンブラック、黒鉛、黒色酸化鉄、銅クロムブラック、コバルトブラック、銅マンガン鉄ブラック、べんがら、モリブデートオレンジ、パーマネントレッド、パーマネントカーミン、アントラキノンレッド、ペリレンレッド、キナクリドンレッド、黄色酸化鉄、チタンイエロー、ファーストイエロー、ベンツイミダゾロンイエロー、クロムグリーン、コバルトグリーン、フタロシアニングリーン、群青、紺青、コバルトブルー、フタロシアニンブルー、キナクリドンバイオレット、ジオキサジンバイオレット、アルミニウム顔料、パール顔料、光輝性顔料等が挙げられる。これら着色顔料の1種または2種以上を用いることにより任意の色相に着色することができる。本発明では、着色顔料として、アルミニウム顔料、パール顔料、光輝性顔料等を含む場合、金属(メタリック)調、錆調等の意匠性を付与し、美観性の高い装飾被膜面を形成することができる。
体質顔料としては、例えば、重質炭酸カルシウム、寒水石、軽微性炭酸カルシウム、ホワイトカーボン、タルク、カオリン、クレー、陶土、チャイナクレー、珪藻土、バライト粉、硫酸バリウム、沈降性硫酸バリウム、珪砂、珪石粉、石英粉、樹脂ビーズ、ガラスビーズ、中空バルーン等が挙げられ、これらの1種または2種以上を使用することができる。体質顔料の種類、混合比率等を適宜設定することにより、被覆材を所望の光沢度に調整することができる。
上記顔料の混合比率は、樹脂固形分100重量部に対して、顔料が好ましくは5~500重量部(より好ましくは20~400重量部、さらに好ましくは30~300重量部)である。
本発明の被覆材は、上記成分以外に、本発明の効果を著しく阻害しない範囲内において、公知の添加剤、例えば、骨材、染料、増粘剤、湿潤剤、凍結防止剤、造膜助剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、抗菌剤、分散剤、消泡剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、触媒、希釈溶媒等を含むものであってもよい。被覆材は、上述の各成分を常法により均一に混合することで製造することができる。
<装飾被膜面の形成方法>
本発明の装飾被膜面の形成方法は、少なくとも1種の被覆材を、上記模様ローラーを用いて塗付する工程を含むことを特徴とする。具体的には、被塗面に、塗装する被覆材を、吸液材層に含ませた模様ローラーを用いて塗付するものである。
本発明における被塗面は、好ましくは、建築物、土木構造物等の基材表面、特に、内外壁、天井、建具等の表面を構成する基材である。このような基材としては、例えば、石膏ボード、コンクリート、モルタル、磁器タイル、煉瓦、セメント板、繊維混入セメント板、セメント珪酸カルシウム板、パーライト板、ALC板、サイディング板、押出成形板、合板、木質板、鋼板、プラスチック板、ガラス板、等が挙げられる。これら基材の表面は、何らかの表面処理(例えば、シーラー、サーフェーサー、フィラー等)が施されたものでもよく、既に塗膜が形成されたものや、壁紙が貼り付けられたものであってもよい。
本発明では、塗装に用いる被覆材を吸液材層に、単位面積あたり、好ましくは、0.001g/cm以上0.5g/cm以下(より好ましくは、0.005g/cm以上0.3g/cm以下)の付着量で含ませた模様ローラーで塗付することが好ましい。このような範囲を満たす場合、吸液材層中の各吸液材に含まれる被覆材の量や変形具合に応じて、被覆材が転写され、自然な濃淡を有する模様を容易に形成することができる。
なお、単位面積あたりの付着量とは、(実際に模様ローラーに含ませた被覆材の量(g))/(吸液材層最表面の表面積(cm))で求められる値であり、ここでいう被覆材の付着量とは、固形分と揮発成分を含めた被覆材全量のことであり、また、塗付直前に希釈剤にて希釈する場合、該希釈剤の量も包含される量のことである。
また、吸液材層最表面の表面積(cm)とは、ローラー外径(cm)×3.14×ローラー長さ(cm)で求められる値である。
また、模様ローラーの吸液材層に被覆材を付着させる方法としては、被覆材や溶媒、希釈剤等が付着していない乾燥状態の模様ローラーを用い、所定量の被覆材をパレット等に流し込み、該パレット上で模様ローラーを転がし、さらには新聞紙等でしごいて付着量を調整しながら該模様ローラーの吸液材層表面に被覆材を付着させることができる。
また、被塗面への塗付け量は、好ましくは0.1g/m以上500g/m以下(好ましくは1g/m以上400g/m以下、さらに好ましくは2g/m以上300g/m以下)である。このような場合、本発明の効果を十分に得ることができる。
被塗面に対し、被覆材を塗付する場合、全面に塗付しても、部分的(不連続)に塗付してもよい。本発明では、被塗面の全面に上記模様ローラーを転動させ、塗付することが好ましい。このような場合、ランダムな色調変化を有する自然な模様を容易かつ効率的に形成でき、美観性向上の点で有利である。
具体的な装飾被膜面の形成方法としては、
(S1)被塗面に、少なくとも1種の被覆材を、上記模様ローラーを用いて塗付する工程(以下「(S1)工程」ともいう)を含むものであればよく、所望の模様形成に応じて、例えば、
(S1-1)被塗面に、第1被覆材を、上記模様ローラーを用いて塗付する工程、
(S1-2)次いで、第2被覆材を、上記模様ローラーを用いて塗付する工程、
(S1-3)次いで、第3被覆材を、上記模様ローラーを用いて塗付する工程、
等、(S1)工程を複数回繰り返して行うこともできる。この場合、各被覆材(第1被覆材、第2被覆材、第3被覆材、・・)は、同一であっても、先の工程で塗付した被覆材とは別異のものであってもよいが、先の工程で塗付した被覆材とは異色の被覆材を用いることにより、よりいっそう美観性に優れた装飾被膜面を形成することができる。
また、(S1-2)工程、(S1-3)工程において、第2被覆材、第3被覆材を塗付するタイミングは、特に限定されないが、先の工程で塗付した被覆材が非流動状態となった後が好ましい。なお、本発明において、「非流動状態」とは、被覆材を塗付した後、被膜の流動性が失われた状態のことをいい、具体的には、次工程の被覆材を塗付しても滲みを生じない程度、あるいは各被覆材が互いに混ざらない程度に乾燥・硬化した状態のことをいう。この「非流動状態」には、JIS K5400に規定される指触乾燥、半硬化乾燥、硬化乾燥等の状態も含まれる。本発明では、先の工程で塗付した被覆材の指触乾燥後(より好ましくは半硬化乾燥後、さらに好ましくは硬化乾燥後)に、次工程の被覆材を塗付することが好ましい。なお、本発明において、乾燥・硬化は、好ましくは常温(5~40℃)で行えばよい。
また、上記(S1)工程の前に、予め、被塗面に、下塗材を全面(または不連続)に塗付する工程((S0)工程)を含むこともできる。下塗材を塗付することにより、耐久性等の諸物性の向上だけでなく、適宜色相を選定することで、上記(S1)工程で形成される模様の色相とあいまって、より優れた意匠を得ることができる。
下塗材としては、特に限定されないが、上記に示すような、結合材、顔料等、また、水、溶剤、消泡剤、増粘剤、造膜助剤、レベリング剤、可塑剤、凍結防止剤、pH調整剤、分散剤、防黴剤、防藻剤、抗菌剤、防腐剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、分散剤、骨材等の公知の添加剤等が含まれるものである。また、下塗材の塗付方法としては、特に限定されず、刷毛塗り、スプレー塗装、ローラー塗装等種々の方法を採用することができる。また、塗付け量は、使用する下塗材にもよるが、好ましくは30g/m以上500g/m以下である。
また、下塗材を塗付した後、上記(S1)工程において被覆材を塗付するタイミングは、ベース塗料が未乾燥状態でも、乾燥状態でも、特に限定されないが、本発明では、ベース塗料(先に塗付した被覆材)が非流動状態となった後に行うことが好ましい。
本発明の装飾被膜面の形成方法では、本発明の効果を阻害しない限り、表面保護、耐候性向上、耐汚染性等の目的で、最表面にクリヤー被覆材を塗付して、クリヤー層を設けることもできる。
以下に実施例を示し、本発明の特徴をより明確にする。
被覆材として、以下のものを用意した。
・被覆材1
アクリル樹脂エマルション、顔料(カーボンブラック、黄色酸化鉄、体質顔料)を主成分とする黒色系被覆材(加熱残分:40重量%、顔料比率:樹脂固形分100重量部に対し10重量部)
・被覆材2
アクリル樹脂エマルション、顔料(アルミニウム顔料、赤色酸化鉄、カーボンブラック)を主成分とする金属(メタリック)調被覆材(加熱残分:24重量%、顔料比率:樹脂固形分100重量部に対し25重量部)
・下塗材1
アクリル樹脂エマルション、顔料(酸化チタン、カーボンブラック、体質顔料)を主成分とする濃灰色系被覆材(加熱残分:41重量%、顔料比率:樹脂固形分100重量部に対し34重量部)
(実施例1)
基材(スレート板)に対し、下塗材1を塗付け量120g/mで全面にローラー塗りし(繊維質ローラーを使用)、指触乾燥以上の状態となるように2時間乾燥させた。
次いで、被覆材1を、水で希釈割合80%希釈し(希釈後の加熱残分:22重量%)、単位面積あたり0.08g/cmで含ませた図5(II)に示す円形状の吸液材層を有する模様ローラー(吸液材層の厚み:10mm、スポンジ質材a1:硬度45~60N、密度50~100kg/m、スポンジ質材a2:硬度75~110N、密度15~30kg/m、スポンジ質材a3:硬度110~140N、密度15~50kg/m、スポンジ質材a4:硬度110~300N、密度30~85kg/m、スポンジ質材a5:硬度1000~1500N、密度10~20kg/m)を全面に転動させて塗付(塗付け量4g/m)し、24時間乾燥させた。塗装及び乾燥は、全て標準状態にて行った。以上の方法より、濃灰色系の下地材層の上に、黒色の濃淡が混在するぼかし模様が得られ、美観性の高い装飾被膜面が得られた。
(実施例2)
基材(スレート板)に対し、下塗材1を塗付け量120g/mで全面にローラー塗りし(繊維質ローラーを使用)、指触乾燥以上の状態となるように2時間乾燥させた。
次いで、被覆材2を水で希釈割合50%希釈し(希釈後の加熱残分:16重量%)、単位面積あたり0.03g/cmで含ませた図5(II)に示す円形状の吸液材層を有する模様ローラー(吸液材層の厚み:10mm、スポンジ質材a1:硬度45~60N、密度50~100kg/m、スポンジ質材a2:硬度75~110N、密度15~30kg/m、スポンジ質材a3:硬度110~140N、密度15~50kg/m、スポンジ質材a4:硬度110~300N、密度30~85kg/m、スポンジ質材a5:硬度1000~1500N、密度10~20kg/m)を全面に転動させて塗付(塗付け量40g/m)し、24時間乾燥させた。塗装及び乾燥は、全て標準状態にて行った。以上の方法より、濃灰色系の下地材層の上に、メタリック調の濃淡が混在するぼかし模様が得られ、美観性の高い装飾被膜面が得られた。


Claims (1)

  1. 装飾被膜面の形成方法であって、
    少なくとも1種の被覆材を、模様ローラーを用いて塗付する工程を含み、
    上記模様ローラーは、円筒状の芯材の外周面に吸液材層を有し、
    上記吸液材層は、硬度及び/または密度が異なる少なくとも2種以上の吸液材が積み重なるように混在し、径方向の断面が円形状であり、吸液材層の外周面が平らであることを特徴とする装飾被膜面の形成方法。

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