JP7128167B2 - 装飾被膜面の形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、新規な装飾被膜面の形成方法に関するものである。
従来、建築物、土木構造物等の壁面に対し、種々の模様を有する装飾被膜を形成することが行われている。このような装飾被膜の一例として、複数の被覆材を部分的に塗り重ねて模様を形成した装飾被膜が挙げられる。
例えば、特許文献1には、下塗り塗料を全面に塗付し、下塗り塗料の乾燥前に、下塗り塗料より濃い色の塗料(模様付け塗料)を凸凹のある立方体合成スポンジや、合成スポンジローラー等の塗付具で部分的に模様付けする方法が記載されている。しかしながら、凸凹のある塗付具で模様付けした場合、模様に偏りが生じやすく、美観性に欠く場合がある。
特開2008-266911号公報
本発明はこのような問題点に鑑みなされたもので、模様のバランス(配置)が良好な美観性の高い装飾被膜面の形成方法を提供することを目的とするものである。特に、本発明は、自然な濃淡を有する模様(ぼかし模様等)を容易かつ効果的に形成することができる装飾被膜面の形成方法を提供することを目的とするものである。
このような課題を解決するため、本発明者は鋭意検討の結果、特定の模様被膜形成工程、及び特定の調整工程を含む装飾被膜面の形成方法に想到し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、以下の特徴を有するものである。
1.少なくとも2種以上の着色領域が混在する装飾被膜面の形成方法であって、
被塗面に、異色である少なくとも2種の被覆材をそれぞれ順に塗付する工程を含み、前の工程で先に塗付された被覆材が非流動状態となった後に、次工程の被覆材を、模様ローラーを用いて塗付する模様被膜形成工程、
上記模様被膜形成工程で形成された被膜に対し、上記2種の被覆材から少なくとも1種を選択して部分的に塗付する調整工程、
を含み、
上記模様ローラーは、円筒状の芯材の外周面に吸液材層を有し、該吸液材層は、硬度及び/または密度が異なる少なくとも2種以上の吸液材が混在し、径方向の断面が円形状であることを特徴とする装飾被膜面の形成方法。
2.上記模様被膜形成工程は、
被塗面に、第1被覆材を塗付する第1工程、
上記第1被覆材が非流動状態となった後に、上記第2被覆材を、上記模様ローラーを用いて塗付する第2工程、
を含むことを特徴とする1.に記載の装飾被膜面の形成方法。
本発明は、被塗面に、異色である少なくとも2種の被覆材をそれぞれ順に塗付する工程を含み、前の工程で先に塗付された被覆材が非流動状態となった後に、次工程の被覆材を特定の模様ローラーを用いて塗付し、さらに形成された模様被膜に対し、上記2種の被覆材から少なくとも1種を選択して部分的に塗付することにより、模様のバランス(配置)が良好な美観性の高い模様被膜、特に、自然な濃淡を有する模様(ぼかし模様等)を容易かつ効果的に形成することができる。
図1は、本発明で使用可能な模様ローラーの一例である。 図2は、本発明で使用可能な模様ローラーの一例を示す径方向の断面図である。 図3は、本発明で使用可能な模様ローラーの一例を示す軸方向の断面図である。 図4は、本発明の模様ローラーを用いた被膜形成方法の一例である。 図5は、本発明で使用可能な模様ローラーの一例を示す径方向の断面図である。 図6は、本発明で使用可能な模様ローラーの一例を示す径方向、軸方向の断面図である。
A:吸液材層
As:吸液材層の外周面
At:径方向
a1~a5:吸液材
B:芯材
Bs:芯材の外表面
C:補強材
D:ハンドル軸
E:ハンドル
F:被塗面(基材)
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
本発明は、少なくとも2種以上の着色領域が混在する装飾被膜面の形成方法であって、被覆材として、異色である少なくとも2種の被覆材を用いることを特徴とする。その工程としては、被塗面に、上記2種の被覆材をそれぞれ順に塗付する工程を含む模様被膜形成工程、及び調整工程を含むことを特徴とする。
模様被膜形成工程は、上記2種の被覆材をそれぞれ順に塗付する工程を含み、前の工程で先に塗付された被覆材が非流動状態となった後に、次工程の被覆材を、特定の模様ローラーを用いて塗付することを特徴とするものである。
調整工程は、形成された模様被膜の模様(意匠)を調整する工程であり、模様被膜形成工程で形成された模様被膜に対し、上記2種の被覆材から少なくとも1種を選択して部分的に塗付することを特徴とするものである。
本発明で形成される装飾被膜面は、正面から視認した場合に、少なくとも2種以上の着色領域(例えば、着色領域A、着色領域B、・・等)が混在するものである。具体的に、模様被膜形成工程として、被塗面に、第1被覆材と、第2被覆材の2種の被覆材を順に塗付し、模様被膜を形成し、次いで、調整工程として、上記第1被覆材と、第2被覆材の被覆材から少なくとも1種を選択し部分的に塗付することにより模様被膜の模様を調整し、装飾被膜面を形成したものである。
第1被覆材と第2被覆材としては、異色であれば特に限定されないが、色差(△E)が3以上(より好ましくは5以上)であるものを使用することが好ましい。このように色差(△E)が特定の値であることにより、美観性の高い被膜を形成することができる。色差(△E)の上限は特に限定されないが、好ましくは90以下であり、所望の意匠に応じて設定することができる。例えば、統一感のある落ち着いた意匠を形成する場合には、色差(△E)の上限は20以下とすることが好ましい。一方、着色領域同士のコントラストが明瞭なアクセント意匠を形成する場合には、色差(△E)を20超90以下とすることが好ましい。
なお、本発明における色差(△E)は、色彩色差計を用いて測定される値である。具体的には、標準白紙に、すきま250μmのフィルムアプリケータを用いてそれぞれの被覆材を塗り、塗面を水平に置いて標準状態(気温23℃、相対湿度50%。以下同様。)で48時間乾燥したときの被膜のL値、a値、b値(測定点3箇所以上の平均値)より下記式にて算出することができる。
<式>△E={(L*1-L*2+(a*1-a*2+(b*1-b*20.5
(式中、L*1、a*1、b*1はそれぞれ第1被覆材のL、a、b。L*2、a*2、b*2はそれぞれ第2被覆材のL、a、b
また、第1被覆材と、第2被覆材の2種の被覆材は、任意の色調を組み合わせることにより、種々の意匠(模様)を形成することができる。本発明では、例えば、第1被覆材に対して、第2被覆材の色を濃い色調に設定することができる。第2被覆材として濃い色調の被覆材を不連続に塗付することにより、着色領域同士の境界が視認されやすく、美観性の高い装飾面を安定して形成することができる。なお、ここで言う「濃い」とは、第1被覆材よりも明度L(CIE L、a、b色空間)が低いことを示す。
(模様被膜形成工程)
まず、模様被膜形成工程について説明する。
模様被膜形成工程は、装飾被膜面のベースとなる模様被膜を形成する工程であり、その方法としては、例えば、
被塗面に、第1被覆材を塗付する第1工程、
上記第1被覆材が非流動状態となった後に、上記第2被覆材を、模様ローラーを用いて塗付する第2工程、
を含む方法等が挙げられる。
上記第1工程において、第1被覆材は、被塗面に対し全面、または不連続に塗付することができる。第1被覆材を塗付することにより、耐久性等の諸物性の向上だけでなく、適宜色相を選定することで、上記第2工程で形成される模様の色相とあいまって、より優れた意匠を得ることができる。
第1被覆材の塗付け量は、被塗面の種類・状態、仕上がり等を勘案して適宜設定すればよいが、全面に塗付する場合には、好ましくは30~500g/m、より好ましくは80~400g/m、さらに好ましくは90~300g/mである。第1被覆材の塗付け量が上記範囲を満たす場合、被塗面の全面を覆う連続的な被膜が形成されやすい。一方、不連続に塗付する場合には、好ましくは500g/m以下(より好ましくは100g/m以下、さらに好ましくは5~90g/m、特に好ましくは10~80g/m)である。なお、本発明において「a~b」は「a以上b以下」と同義である。
第1被覆材を塗付する際の塗付器具としては、例えば、スプレー、ローラー、ブラシ(刷毛等を含む)、押圧具(叩き具等を含む)等が挙げられる。このうち、ローラーとしては、例えば、繊維質ローラー、多孔質(スポンジ質)ローラー等が挙げられ、押圧具としては、例えば、スポンジ、フェルト、織布、不織布等を有するものが使用できる。
上記第2工程において、第2被覆材を塗付するタイミングは、第1被覆材(先に塗付した被覆材)が非流動状態となった後であれば、特に限定されない。本発明において、「非流動状態」とは、第1被覆材を塗付した後、被膜の流動性が失われた状態のことをいい、具体的には、第2被覆材を塗付しても滲みを生じない程度、あるいは各被覆材が互いに混ざらない程度に乾燥・硬化した状態のことをいう。この「非流動状態」には、JIS K5400に規定される指触乾燥、半硬化乾燥、硬化乾燥等の状態も含まれる。本発明では、第1被覆材の指触乾燥後(より好ましくは半硬化乾燥後、さらに好ましくは硬化乾燥後)に、第2被覆材を塗付することが好ましい。なお、本発明において、乾燥・硬化は、好ましくは常温(5~40℃)で行えばよい。
本発明とは異なり、第1被覆材が流動状態であるうちに第2被覆材を塗付すると、塗装工程中、塗付器具(模様ローラー)において次第に第1被覆材と第2被覆材が混ざってしまい、形成される被膜の仕上がり性が不安定化するおそれがある。さらに、被塗面においても各被覆材が混ざり合い、模様に偏りを生じやすくなってしまう。これに対し、本発明では、第1被覆材が非流動状態となった後に、第2被覆材を塗付することによって、各被覆材が混ざりにくく、安定した仕上がりを付与することができ、模様のバランス(配置)が良好な美観性の高い模様被膜を得ることができる。特に、被塗面が大面積である場合に顕著な効果を得ることができる。
上記第2工程において用いる模様ローラーは、第2被覆材を塗付しつつ被膜に模様を形成する模様形成用のローラーである。このような模様ローラーとしては、例えば図1に示すようなものであり、円筒状の芯材の外周面に吸液材層が備わったものである。
円筒状の芯材は、軸を備えたハンドルを装着できるように空洞となっており、該空洞に、ハンドルを装着して使用することができるものである。円筒状の芯材としては、特に限定されないが、プラスチック製、木製、金属製等の芯材を用いることができ、また、ハンドルの軸と芯材との密着性を高めるために、ハンドルの軸と芯材の間に、プラスチック製、ゴム製、ガラス製、金属製、繊維製等の補強材を用いることもできる。
図2に、模様ローラーの径方向の断面図を示す。吸液材層(図2:A)は、硬度及び/または密度が異なる少なくとも2種以上の吸液材(図2:a1~a5)が混在し、径方向(図1参照)の断面が円形状であることを特徴とするものである。このような特定の模様ローラーを使用することにより、濃淡が混在する自然なぼかし模様を容易かつ効果的に付与することができる。
吸液材としては、被覆材を含むことができるものであれば特に限定されないが、例えば、フェルト、不織布、スポンジ材(ウレタン系、メラミン系、アクリル系、ナイロン系)等が挙げられ、これらの硬度、密度のいずれかまたは両方が異なる少なくとも2種以上(好ましくは3種以上)のものを混合して使用する。本発明では、2種以上(好ましくは3種以上)のスポンジ材(好ましくはウレタン系スポンジ材を含む)を組み合わせて使用することが好ましい。各吸液材の硬度は、好ましくは10~3000N(より好ましくは20~2000N、さらに好ましくは30~1500N)、密度は、好ましくは1~300kg/m(より好ましくは3~200kg/m、さらに好ましくは5~150kg/m)である。このような吸液材を組み合わせた吸液材層を有する模様ローラーを使用することにより、各吸液材の変形具合や被覆材の転写性等に対応した模様を形成することができる。ここで言う、「硬度」とは、JIS K6400-2に準じ、試験片の厚さ40%まで圧縮したときの力から測定される硬さ(C法)の値である。また、「密度」とは、JIS K7222に準じ、試験片の重量及び寸法から算出される見掛け密度の値である。
上記吸液材の個々の外形は特に限定されないが、好ましくは外不定形の立体形のものである。また、その個々の大きさは、好ましくは1~30mm(より好ましくは2~20mm)である。本発明では、大きさの異なる複数の吸液材が混在することが好ましい。このような場合、硬度及び/または密度に加え大きさも異なる吸液材が芯材の外周面にランダムに混在するため、本発明の効果を一層高めることができる。なお、ここで言う「大きさ」は、外形の最長軸であり、例えば、一辺が所定寸法の升目を有する篩いにより篩い分けされて測定されるものである。
本発明の吸液材層は、上記吸液材が2種類以上混在するものであり、径方向の断面が円形状であることを特徴とするものである。なお、径方向の断面が円形状とは、径方向の断面(=径方向の投影図)において、吸液材層の外周面(輪郭)(図2:As)が、実質的に正円形状(好ましくは円形度が0.95~1.05)であるものである。より具体的には、吸液材層の外周面の高低差(凹凸差)が3mm以下(より好ましくは1mm以下、さらに好ましくは凹凸を有さない)のものである。なお、本発明の吸液材層は、図3に示すように、軸方向(図1参照)の断面において、外周面(図3:As)は平ら(直線状)であり、高低差(凹凸差)が好ましくは3mm以下(より好ましくは1mm以下、さらに好ましくは凹凸を有さない)のものである。このような吸液材層は、例えば、図4(I)のように被塗面と一様に接触することができるため、各吸液材の変形具合や被覆材の転写性等に対応した自然な濃淡を有する模様を容易に形成することができる。一方、吸液材層の外周面に凹凸を有する場合には、図4(II)のように被塗面に対して、部分的に接触するため、模様に偏りを生じやすく、ぼかし模様のような自然な濃淡を有する模様は得られにくい。
また、吸液材層は、図2のように径方向(図2:At)に少なくとも1種の吸液材が固定されていればよいが、例えば図5(I)のように、2種以上が積み重なるように固定されている形態がより好ましい。さらには、図5(II)のように、径方向に複数の吸液材がランダムに混在するように積み重なるように固定された態様がいっそう好ましい。このような吸液材層を有するローラーを使用することにより、本発明の効果を高めることができる
吸液材層の厚みは、個々の吸液材の大きさにもよるが、好ましくは50mm以下(より好ましくは1~30mm、さらに好ましくは2~15mm)である。また、吸液材層の厚みは、径方向の断面が円形状である限り、例えば、図6のように均一でなくてもよいが、図2、図3、図5のように均一であるのが好ましい。このような厚みの範囲を満たす場合、本発明の効果を高めることができる。
上記吸液材層の形成方法としては、芯材の外周面に、複数種の吸液材を径方向の断面が円形状になるように固定化できればよく、例えば、
(1)複数種の吸液材を混合し接着剤等を介してシート状に成形し、芯材の外周面に固定化する方法、
(2)複数種の吸液材を混合し接着剤等を介して円筒状に成形し、芯材の外周面に固定化する方法、
等が挙げられる。上記(1)(2)において、吸液材を成形する場合、圧縮成形することが好ましい。これにより、本発明の効果を高めることができる。また、上記(1)において、吸液材をシート状に成形する場合は、少なくとも一方の面(好ましくは両面)を平ら(好ましくは高低差が3mm以上、より好ましくは1mm以上の凹凸を有さないよう)に成形することが好ましい。この平らな面を吸液材層の外周面となるように芯材の外周面に固定化することにより、本発明の効果を安定的に得ることができる。
また、模様ローラーのローラー外径(図1:R)は、所望の模様に応じて適宜設定すればよいが、好ましくは20~60mm(より好ましくは30~50mm)である。また、ローラー外径は、均一であることが好ましい。また、ローラー長さ(図1:L)は、特に限定されないが、好ましくは50~30mm(より好ましくは80~200mm)である。
上記模様ローラーを用いて第2被覆材を塗付する場合、第2被覆材を吸液材層に、単位面積あたり、好ましくは、0.001g/cm以上0.5g/cm以下(より好ましくは、0.005g/cm以上0.3g/cm以下)の付着量で含ませた模様ローラーで塗付することが好ましい。このような範囲を満たす場合、吸液材層中の各吸液材に含まれる被覆材の量や変形具合に応じて、被覆材が転写され、自然な濃淡を有する模様を容易に形成することができる。
なお、単位面積あたりの付着量とは、(実際に模様ローラーに含ませた被覆材の量(g))/(吸液材層最表面の表面積(cm))で求められる値であり、ここでいう被覆材の付着量とは、固形分と揮発成分を含めた被覆材全量のことであり、また、塗付直前に希釈剤にて希釈する場合、該希釈剤の量も包含される量のことである。
また、吸液材層最表面の表面積(cm)とは、ローラー外径(cm)×3.14×ローラー長さ(cm)で求められる値である。
また、模様ローラーの吸液材層に被覆材を付着させる方法としては、被覆材や溶媒、希釈剤等が付着していない乾燥状態の模様ローラーを用い、所定量の被覆材をパレット等に流し込み、該パレット上で模様ローラーを転がし、さらには新聞紙等でしごいて付着量を調整しながら該模様ローラーの吸液材層表面に被覆材を付着させることができる。
また、第2被覆材の塗付け量は、好ましくは0.1g/m以上500g/m以下(好ましくは1g/m以上400g/m以下、さらに好ましくは2g/m以上300g/m以下)である。このような場合、本発明の効果を十分に得ることができる。
第2被覆材は、被塗面に対して、全面に塗付しても、部分的(不連続)に塗付してもよい。本発明では、被塗面の全面に上記模様ローラーを転動させ、塗付することが好ましい。このような場合、ランダムな色調変化を有する自然な模様を容易かつ効率的に形成でき、美観性向上の点で有利である。
本発明における被覆材は、塗付時に各種溶媒で希釈することができる。被覆材の希釈割合は、被覆材に対して、好ましくは0~150重量%(より好ましくは0~100重量%)の割合とする。本発明では、第1工程の被覆材(先に塗付した被覆材)の希釈割合よりも、第2工程(次工程)の被覆材の希釈割合が大きいことが好ましい。例えば、第1被覆材として希釈割合の小さい(好ましくは0~50重量%、より好ましくは0~40重量%)被覆材を被塗面全面に塗付し、第2被覆材として希釈割合の大きい(好ましくは1~150重量%、より好ましくは2~100重量%)被覆材を模様ローラーを用いて塗付する態様が好適である。この場合、異色の着色領域が混在し、コントラストを有し、ランダムな色調変化を有する自然な模様を容易かつ効率的に形成できる。
(調整工程)
調整工程は、上記模様被膜形成工程によって形成された模様被膜の模様(意匠)のバランスを調整する工程であり、上記模様被膜形成工程で使用した少なくとも2種の被覆材から1種以上を選択、(例えば、第1被覆材、または第2被覆材から1種以上を選択)して部分的に塗付し、不連続な被膜を形成する。上記2種の被覆材から被覆材を選択する際には、形成された模様被膜の模様のバランス(配置)を確認し、必要な被覆材を適宜選択すればよく、必要に応じて2種を選択して塗付することもできる。
調整工程において、被覆材を塗付する際の塗付器具としては、所望の模様バランスとなるように不連続な被膜を形成可能なものであれば特に限定されないが、例えば、スポンジ等の押圧具、凹凸模様ローラー、あるいは上記模様形成工程と同様の模様ローラー等を用いることができる。本工程では、このような塗付器具を用いて、部分的に被覆材が塗着するように塗付することが好ましい。被覆材の塗付け量は、所望の模様により適宜設定すればよいが、好ましくは0.1g/m以上500g/m以下(好ましくは1g/m以上400g/m以下、さらに好ましくは2g/m以上300g/m以下)である。被覆材の塗付け量が上記範囲を満たす場合、不連続な被膜が形成されやすく、模様被膜の模様(意匠)を容易に調整することができる。
調整工程において被覆材を塗付するタイミングは、模様被膜形成工程において形成された模様被膜が非流動状態となった後であれば、特に限定されず、指触乾燥、半硬化乾燥、硬化乾燥等の状態後に、選択した被覆材を塗付することが好ましい。また、調製工程において2種以上の被覆材を塗付する場合は、先に塗付された被覆材が非流動状態となった後であれば、特に限定されず、指触乾燥、半硬化乾燥、硬化乾燥等の状態後に、選択した被覆材を塗付することが好ましい。なお、本発明において、乾燥・硬化は、好ましくは常温(5~40℃)で行えばよい。
<被塗面>
本発明における被塗面は、好ましくは、建築物、土木構造物等の基材表面、特に、内外壁、天井、建具等の表面を構成する基材である。このような基材としては、例えば、石膏ボード、コンクリート、モルタル、磁器タイル、煉瓦、セメント板、繊維混入セメント板、セメント珪酸カルシウム板、パーライト板、ALC板、サイディング板、押出成形板、合板、木質板、鋼板、プラスチック板、ガラス板、等が挙げられる。これら基材の表面は、何らかの表面処理(例えば、シーラー、サーフェーサー、フィラー等)が施されたものでもよく、既に塗膜が形成されたものや、壁紙が貼り付けられたものであってもよい。
<被覆材>
本発明における被覆材としては、樹脂、及び顔料を含むものが使用できる。本発明では、顔料の種類、混合比率等を調整することにより、色、光沢等を設定することができる。樹脂と顔料の混合比率は、樹脂固形分100重量部に対して、顔料が好ましくは5~500重量部(より好ましくは20~400重量部、さらに好ましくは30~300重量部)である。
樹脂としては、例えば、水溶性樹脂、水分散性樹脂、溶剤可溶形樹脂、無溶剤形樹脂、非水分散形樹脂等、あるいはこれらを複合したもの等が挙げられる。これらは架橋反応性を有するものであってもよく、またその形態は特に限定されず、1液型、2液型のいずれであってもよい。本発明では特に、水分散性樹脂及び/または水溶性樹脂が好適に用いられる。使用可能な樹脂の種類としては、例えば、セルロース、ポリビニルアルコール、エチレン樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アクリルシリコン樹脂、フッ素樹脂等、あるいはこれらの複合系等を挙げることができる。なお、本発明では、セメント等の水硬性結合材は、被膜の色を制限するおそれがあるため使用しないことが望ましい。
顔料としては、公知の着色顔料、体質顔料等が使用できる。このうち、着色顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、カーボンブラック、ランプブラック、ボーンブラック、黒鉛、黒色酸化鉄、銅クロムブラック、コバルトブラック、銅マンガン鉄ブラック、べんがら、モリブデートオレンジ、パーマネントレッド、パーマネントカーミン、アントラキノンレッド、ペリレンレッド、キナクリドンレッド、黄色酸化鉄、チタンイエロー、ファーストイエロー、ベンツイミダゾロンイエロー、クロムグリーン、コバルトグリーン、フタロシアニングリーン、群青、紺青、コバルトブルー、フタロシアニンブルー、キナクリドンバイオレット、ジオキサジンバイオレット、アルミニウム顔料、パール顔料、光輝性顔料等が挙げられる。これら着色顔料の1種または2種以上を用いることにより任意の色相に着色することができる。
体質顔料としては、例えば、重質炭酸カルシウム、寒水石、軽微性炭酸カルシウム、ホワイトカーボン、タルク、カオリン、クレー、陶土、チャイナクレー、珪藻土、バライト粉、硫酸バリウム、沈降性硫酸バリウム、珪砂、珪石粉、石英粉、樹脂ビーズ、ガラスビーズ、中空バルーン等が挙げられ、これらの1種または2種以上を使用することができる。体質顔料の種類、混合比率等を適宜設定することにより、被覆材を所望の光沢度に調整することができる。
本発明の被覆材は、上記成分以外に、本発明の効果を著しく阻害しない範囲内において、公知の添加剤、例えば、骨材、染料、増粘剤、湿潤剤、凍結防止剤、造膜助剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、抗菌剤、分散剤、消泡剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、触媒、希釈溶媒等を含むものであってもよい。被覆材は、上述の各成分を常法により均一に混合することで製造することができる。
本発明の装飾被膜面の形成方法では、本発明の効果を阻害しない限り、表面保護、耐候性向上、耐汚染性等の目的で、最表面にクリヤー被覆材を塗付して、クリヤー層を設けることもできる。
以下に実施例を示し、本発明の特徴をより明確にする。
被覆材として、以下のものを用意した。
・第1被覆材
アクリル樹脂エマルション、顔料(酸化チタン、カーボンブラック、体質顔料)を主成分とする濃灰色系被覆材(加熱残分:41重量%、顔料比率:樹脂固形分100重量部に対し34重量部)
・第2被覆材1
アクリル樹脂エマルション、顔料(カーボンブラック、黄色酸化鉄、体質顔料)を主成分とする黒色系被覆材(加熱残分:40重量%、顔料比率:樹脂固形分100重量部に対し10重量部)
・第2被覆材2
アクリル樹脂エマルション、顔料(アルミニウム顔料、赤色酸化鉄、カーボンブラック)を主成分とする金属(メタリック)調被覆材(加熱残分:24重量%、顔料比率:樹脂固形分100重量部に対し25重量部)
(実施例1)
基材(スレート板)に対し、第1被覆材を塗付け量120g/mで全面にローラー塗りし(繊維質ローラーを使用)、指触乾燥以上の状態となるように2時間乾燥させた。
次いで、第2被覆材1を、水で希釈割合80%希釈し(希釈後の加熱残分:22重量%)、単位面積あたり0.08g/cmで含ませた図5(II)に示す円形状の吸液材層を有する模様ローラー(吸液材層の厚み:10mm、スポンジ質材a1:硬度45~60N、密度50~100kg/m、スポンジ質材a2:硬度75~110N、密度15~30kg/m、スポンジ質材a3:硬度110~140N、密度15~50kg/m、スポンジ質材a4:硬度110~300N、密度30~85kg/m、スポンジ質材a5:硬度1000~1500N、密度10~20kg/m)を全面に転動させて塗付(塗付け量4g/m)し、24時間乾燥させた。
次いで、形成された模様被膜の模様を目視で確認し、第1被覆材を塗付け量10g/m(塗着量5.7g/m)不連続に叩き塗りし[スポンジ質材(硬度110~140N、密度15~50kg/m)からなる押圧具を使用]、24時間乾燥させた。塗装及び乾燥は、全て標準状態にて行った。以上の方法より、濃灰色系の下地材層の上に、黒色の濃淡が混在するぼかし模様がバランスよく配置された美観性の高い装飾被膜面が得られた。
(実施例2)
基材(スレート板)に対し、第1被覆材を塗付け量120g/mで全面にローラー塗りし(繊維質ローラーを使用)、指触乾燥以上の状態となるように2時間乾燥させた。
次いで、第2被覆材2を水で希釈割合50%希釈し(希釈後の加熱残分:16重量%)、単位面積あたり0.03g/cmで含ませた図5(II)に示す円形状の吸液材層を有する模様ローラー(吸液材層の厚み:10mm、スポンジ質材a1:硬度45~60N、密度50~100kg/m、スポンジ質材a2:硬度75~110N、密度15~30kg/m、スポンジ質材a3:硬度110~140N、密度15~50kg/m、スポンジ質材a4:硬度110~300N、密度30~85kg/m、スポンジ質材a5:硬度1000~1500N、密度10~20kg/m)を全面に転動させて塗付(塗付け量40g/m)し、24時間乾燥させた。
次いで、形成された模様被膜の模様を目視で確認し、第1被覆材を塗付け量10g/m(塗着量5.7g/m)不連続に叩き塗りし[スポンジ質材(硬度110~140N、密度15~50kg/m)からなる押圧具を使用]、24時間乾燥させた。塗装及び乾燥は、全て標準状態にて行った。以上の方法より、濃灰色系の下地材層の上に、メタリック調の濃淡が混在するぼかし模様がバランスよく配置された美観性の高い装飾被膜面が得られた。


Claims (2)

  1. 少なくとも2種以上の着色領域が混在する装飾被膜面の形成方法であって、
    被塗面に、異色である少なくとも2種の被覆材をそれぞれ順に塗付する工程を含み、前の工程で先に塗付された被覆材が非流動状態となった後に、次工程の被覆材を、模様ローラーを用いて塗付する模様被膜形成工程、
    上記模様被膜形成工程で形成された被膜に対し、上記2種の被覆材から少なくとも1種を選択して部分的に塗付する調整工程、
    を含み、
    上記模様ローラーは、円筒状の芯材の外周面に吸液材層を有し、該吸液材層は、硬度及び/または密度が異なる少なくとも2種以上の吸液材が混在し、径方向の断面が円形状であることを特徴とする装飾被膜面の形成方法。
  2. 上記模様被膜形成工程は、
    被塗面に、第1被覆材を塗付する第1工程、
    上記第1被覆材が非流動状態となった後に、上記第2被覆材を、上記模様ローラーを用いて塗付する第2工程、
    を含むことを特徴とする請求項1に記載の装飾被膜面の形成方法。


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