JP7128167B2 - 装飾被膜面の形成方法 - Google Patents
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Description
1.少なくとも2種以上の着色領域が混在する装飾被膜面の形成方法であって、
被塗面に、異色である少なくとも2種の被覆材をそれぞれ順に塗付する工程を含み、前の工程で先に塗付された被覆材が非流動状態となった後に、次工程の被覆材を、模様ローラーを用いて塗付する模様被膜形成工程、
上記模様被膜形成工程で形成された被膜に対し、上記2種の被覆材から少なくとも1種を選択して部分的に塗付する調整工程、
を含み、
上記模様ローラーは、円筒状の芯材の外周面に吸液材層を有し、該吸液材層は、硬度及び/または密度が異なる少なくとも2種以上の吸液材が混在し、径方向の断面が円形状であることを特徴とする装飾被膜面の形成方法。
2.上記模様被膜形成工程は、
被塗面に、第1被覆材を塗付する第1工程、
上記第1被覆材が非流動状態となった後に、上記第2被覆材を、上記模様ローラーを用いて塗付する第2工程、
を含むことを特徴とする1.に記載の装飾被膜面の形成方法。
As:吸液材層の外周面
At:径方向
a1~a5:吸液材
B:芯材
Bs:芯材の外表面
C:補強材
D:ハンドル軸
E:ハンドル
F:被塗面(基材)
模様被膜形成工程は、上記2種の被覆材をそれぞれ順に塗付する工程を含み、前の工程で先に塗付された被覆材が非流動状態となった後に、次工程の被覆材を、特定の模様ローラーを用いて塗付することを特徴とするものである。
調整工程は、形成された模様被膜の模様(意匠)を調整する工程であり、模様被膜形成工程で形成された模様被膜に対し、上記2種の被覆材から少なくとも1種を選択して部分的に塗付することを特徴とするものである。
<式>△E={(L*1-L*2)2+(a*1-a*2)2+(b*1-b*2)2}0.5
(式中、L*1、a*1、b*1はそれぞれ第1被覆材のL*、a*、b*。L*2、a*2、b*2はそれぞれ第2被覆材のL*、a*、b*)
まず、模様被膜形成工程について説明する。
模様被膜形成工程は、装飾被膜面のベースとなる模様被膜を形成する工程であり、その方法としては、例えば、
被塗面に、第1被覆材を塗付する第1工程、
上記第1被覆材が非流動状態となった後に、上記第2被覆材を、模様ローラーを用いて塗付する第2工程、
を含む方法等が挙げられる。
円筒状の芯材は、軸を備えたハンドルを装着できるように空洞となっており、該空洞に、ハンドルを装着して使用することができるものである。円筒状の芯材としては、特に限定されないが、プラスチック製、木製、金属製等の芯材を用いることができ、また、ハンドルの軸と芯材との密着性を高めるために、ハンドルの軸と芯材の間に、プラスチック製、ゴム製、ガラス製、金属製、繊維製等の補強材を用いることもできる。
(1)複数種の吸液材を混合し接着剤等を介してシート状に成形し、芯材の外周面に固定化する方法、
(2)複数種の吸液材を混合し接着剤等を介して円筒状に成形し、芯材の外周面に固定化する方法、
等が挙げられる。上記(1)(2)において、吸液材を成形する場合、圧縮成形することが好ましい。これにより、本発明の効果を高めることができる。また、上記(1)において、吸液材をシート状に成形する場合は、少なくとも一方の面(好ましくは両面)を平ら(好ましくは高低差が3mm以上、より好ましくは1mm以上の凹凸を有さないよう)に成形することが好ましい。この平らな面を吸液材層の外周面となるように芯材の外周面に固定化することにより、本発明の効果を安定的に得ることができる。
また、吸液材層最表面の表面積(cm2)とは、ローラー外径(cm)×3.14×ローラー長さ(cm)で求められる値である。
調整工程は、上記模様被膜形成工程によって形成された模様被膜の模様(意匠)のバランスを調整する工程であり、上記模様被膜形成工程で使用した少なくとも2種の被覆材から1種以上を選択、(例えば、第1被覆材、または第2被覆材から1種以上を選択)して部分的に塗付し、不連続な被膜を形成する。上記2種の被覆材から被覆材を選択する際には、形成された模様被膜の模様のバランス(配置)を確認し、必要な被覆材を適宜選択すればよく、必要に応じて2種を選択して塗付することもできる。
本発明における被塗面は、好ましくは、建築物、土木構造物等の基材表面、特に、内外壁、天井、建具等の表面を構成する基材である。このような基材としては、例えば、石膏ボード、コンクリート、モルタル、磁器タイル、煉瓦、セメント板、繊維混入セメント板、セメント珪酸カルシウム板、パーライト板、ALC板、サイディング板、押出成形板、合板、木質板、鋼板、プラスチック板、ガラス板、等が挙げられる。これら基材の表面は、何らかの表面処理(例えば、シーラー、サーフェーサー、フィラー等)が施されたものでもよく、既に塗膜が形成されたものや、壁紙が貼り付けられたものであってもよい。
本発明における被覆材としては、樹脂、及び顔料を含むものが使用できる。本発明では、顔料の種類、混合比率等を調整することにより、色、光沢等を設定することができる。樹脂と顔料の混合比率は、樹脂固形分100重量部に対して、顔料が好ましくは5~500重量部(より好ましくは20~400重量部、さらに好ましくは30~300重量部)である。
アクリル樹脂エマルション、顔料(酸化チタン、カーボンブラック、体質顔料)を主成分とする濃灰色系被覆材(加熱残分:41重量%、顔料比率:樹脂固形分100重量部に対し34重量部)
アクリル樹脂エマルション、顔料(カーボンブラック、黄色酸化鉄、体質顔料)を主成分とする黒色系被覆材(加熱残分:40重量%、顔料比率:樹脂固形分100重量部に対し10重量部)
・第2被覆材2
アクリル樹脂エマルション、顔料(アルミニウム顔料、赤色酸化鉄、カーボンブラック)を主成分とする金属(メタリック)調被覆材(加熱残分:24重量%、顔料比率:樹脂固形分100重量部に対し25重量部)
基材(スレート板)に対し、第1被覆材を塗付け量120g/m2で全面にローラー塗りし(繊維質ローラーを使用)、指触乾燥以上の状態となるように2時間乾燥させた。
次いで、第2被覆材1を、水で希釈割合80%希釈し(希釈後の加熱残分:22重量%)、単位面積あたり0.08g/cm2で含ませた図5(II)に示す円形状の吸液材層を有する模様ローラー(吸液材層の厚み:10mm、スポンジ質材a1:硬度45~60N、密度50~100kg/m3、スポンジ質材a2:硬度75~110N、密度15~30kg/m3、スポンジ質材a3:硬度110~140N、密度15~50kg/m3、スポンジ質材a4:硬度110~300N、密度30~85kg/m3、スポンジ質材a5:硬度1000~1500N、密度10~20kg/m3)を全面に転動させて塗付(塗付け量4g/m2)し、24時間乾燥させた。
次いで、形成された模様被膜の模様を目視で確認し、第1被覆材を塗付け量10g/m2(塗着量5.7g/m2)不連続に叩き塗りし[スポンジ質材(硬度110~140N、密度15~50kg/m3)からなる押圧具を使用]、24時間乾燥させた。塗装及び乾燥は、全て標準状態にて行った。以上の方法より、濃灰色系の下地材層の上に、黒色の濃淡が混在するぼかし模様がバランスよく配置された美観性の高い装飾被膜面が得られた。
基材(スレート板)に対し、第1被覆材を塗付け量120g/m2で全面にローラー塗りし(繊維質ローラーを使用)、指触乾燥以上の状態となるように2時間乾燥させた。
次いで、第2被覆材2を水で希釈割合50%希釈し(希釈後の加熱残分:16重量%)、単位面積あたり0.03g/cm2で含ませた図5(II)に示す円形状の吸液材層を有する模様ローラー(吸液材層の厚み:10mm、スポンジ質材a1:硬度45~60N、密度50~100kg/m3、スポンジ質材a2:硬度75~110N、密度15~30kg/m3、スポンジ質材a3:硬度110~140N、密度15~50kg/m3、スポンジ質材a4:硬度110~300N、密度30~85kg/m3、スポンジ質材a5:硬度1000~1500N、密度10~20kg/m3)を全面に転動させて塗付(塗付け量40g/m2)し、24時間乾燥させた。
次いで、形成された模様被膜の模様を目視で確認し、第1被覆材を塗付け量10g/m2(塗着量5.7g/m2)不連続に叩き塗りし[スポンジ質材(硬度110~140N、密度15~50kg/m3)からなる押圧具を使用]、24時間乾燥させた。塗装及び乾燥は、全て標準状態にて行った。以上の方法より、濃灰色系の下地材層の上に、メタリック調の濃淡が混在するぼかし模様がバランスよく配置された美観性の高い装飾被膜面が得られた。
Claims (2)
- 少なくとも2種以上の着色領域が混在する装飾被膜面の形成方法であって、
被塗面に、異色である少なくとも2種の被覆材をそれぞれ順に塗付する工程を含み、前の工程で先に塗付された被覆材が非流動状態となった後に、次工程の被覆材を、模様ローラーを用いて塗付する模様被膜形成工程、
上記模様被膜形成工程で形成された被膜に対し、上記2種の被覆材から少なくとも1種を選択して部分的に塗付する調整工程、
を含み、
上記模様ローラーは、円筒状の芯材の外周面に吸液材層を有し、該吸液材層は、硬度及び/または密度が異なる少なくとも2種以上の吸液材が混在し、径方向の断面が円形状であることを特徴とする装飾被膜面の形成方法。 - 上記模様被膜形成工程は、
被塗面に、第1被覆材を塗付する第1工程、
上記第1被覆材が非流動状態となった後に、上記第2被覆材を、上記模様ローラーを用いて塗付する第2工程、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の装飾被膜面の形成方法。
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2019
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