JP5097370B2 - 装飾体開閉ユニット - Google Patents
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Description
例えば、遊技盤に設けられた始動入賞口に遊技球が入賞すると、遊技盤中の可変表示装置に表示される図柄が変動を開始し、所定時間経過後に停止した図柄が予め定めた大当たり図柄となった場合に大当たり状態となり、遊技者が大量の出球を獲得できるようになっている。このような遊技機では、遊技の興趣を高めるために様々な表示演出が行われる。
また、本出願人の提案に係る特許文献2には、遊技盤の盤面と平行な左右方向へ往復移動する第1可動役物と、遊技盤の前後方向へ往復移動する第2可動役物と、を備えた役物装置が開示されている。これによれば、遊技内容の複雑、高度化に対応した演出を実現することができる。
また、特許文献3にも第1の可動部材と第2の可動部材を動作させるための構成が開示されている。
しかし、何れの従来技術にあっても、ギヤ機構を用いて各可動役物を左右、前後に定速で進退させるため、スピード感、躍動感に欠けるという問題があった。即ち、可動部品はそのままの姿勢を維持したまま前後左右に単純移動するに過ぎず、遊技内容に関わる演出対して、高い多様性、スピード感、躍動感を求める遊技者の要求を十分に満たすには至っていない。このように可動部品の動作内容に更なる多様性が求められているにも関わらず、例えば扇子形状の部品を開閉動作させるといった意外性を有した動作を実現するための機構はこれまで提案されていない。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、例えば複数のパーツから成る扇子形状の装飾体を、遊技盤面上において盤面に沿って開閉動作させることによって遊技進行上特徴的な演出効果を発揮させることができるようにした装飾体開閉ユニット、遊技盤、及びパチンコ遊技機を提供することを目的としている。
本発明の装飾体開閉ユニットを遊技盤面の適所に配置することにより、複数の装飾体片を互いに連動させながら開閉動作させることができる。各装飾体片を開放動作する際には、回転軸を開放方向へ回動させることにより第1の装飾体片を開放方向へ回動開始させることにより、他の後続装飾体片が連動して順次開放動作を開始する。特に、閉止状態においては装飾体が隠蔽されている一方で、開放状態においてスピーディに突然出現するように構成することにより、意外性を有した演出効果を発揮することができる。また、複数の装飾体片を開放動作させるに際して、開放動作初期と開放動作終了時期には中間期間よりも大きな負荷がかかるために開放動作に要するトルクを大きくする必要がある。このため、各期間毎に加えるトルクを異ならせることにより、全体としてスピーディ且つスムーズな動作が可能となる。
開放動作中における開放動作開始初期、中間期間、及び開放動作終了時期は、閉止動作においては夫々閉止動作開始初期、中間期間、及び閉止動作終了時期に相当しており、閉止動作開始初期と閉止動作終了時期においては夫々中間期間よりも強いトルクを出力しない限りスムーズ且つスピーディな閉止動作を実現できない。
更に、駆動モータにより開閉駆動される装飾体から加わる負荷の強弱に応じて駆動モータからの出力の強弱を対応させるようにしたので、装飾体の開閉動作を全体としてスピーディー且つスムーズに実施することが可能となる。
図1及び図2は本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機を構成する遊技盤の正面図であり、図1は装飾体開放状態、図2は装飾体閉止状態(退避状態)を示す図である。図3は本発明の装飾体開閉ユニットの分解斜視図、図4(a)乃至(d)は装飾体が閉止位置から開放位置に開放動作する状態を示す背面図であり、図5(a)(b)(c)及び(d)は装飾体が閉止位置から開放位置に開放動作する際の装飾体駆動機構の動作説明図である。
この遊技盤1は、パチンコ遊技機本体の正面に配置されて各種盤面部品を搭載する板部材であり、矩形環状の図示しない遊技盤取付け枠の内側に着脱自在に装着される。この遊技盤取付け枠の一側端縁には、遊技盤の前面を覆うガラス板を備えた図示しないガラス扉枠が開閉自在に軸支されている。また、遊技盤の裏面には、液晶画面、主制御基板とサブ制御基板等、遊技の進行、演出に関わる裏部品を組み付けた合成樹脂製の機構板(何れも図示せず)が開閉自在に装着されている。遊技盤1における遊技領域2の周囲には、図示しない打球装置から発射された遊技球を遊技領域2の上部に案内したり、アウト球回収口3に案内する外レールL1、及び内レールL2が設けられている。また、遊技領域2のほぼ中央部の開口4内には、液晶表示装置やCRT等で構成され、各種の図柄をカラー画像等で変動表示する図柄変動表示装置(可変表示装置)等が配置されている。開口4内に設置される図示しない図柄変動表示装置の下方には、始動入賞口5が配置されていて、始動入賞口5に遊技球が入るたびに、図柄変動表示装置により複数種類の図柄が変動表示され、表示図柄が所定図柄にて停止すると、遊技者に有利な特別遊技状態が発生するようになっている。更に、遊技盤1の遊技領域2には、図示しない多数の遊技釘が突設されており、これらの遊技釘は、遊技球の落下速度を遅くすると共に、落下方向を複雑に変化させて遊技進行上の興趣を高めている。
この装飾体開閉ユニット10においては、装飾体11は開閉動作可能な扇子形状を有しており、扇子の要部(基端部)11a付近を回転軸15a、31によって盤面と略平行な左右方向へ開閉動作するように支持されている。
即ち、装飾体開閉ユニット10は、遊技盤の盤面と直交する方向へ延びる回転軸31により扇子形状を有した装飾体11の要部(基端部)11a付近を支持されることにより、遊技盤面と略平行な方向へ開閉動作する装飾体11と、回転軸31を回転させて装飾体11を駆動する装飾体駆動機構30と、を備えている。
即ち、装飾体11は、回転軸31と一体化され且つ装飾体駆動機構30により回転軸31が開放方向へ回動する際に最初に開放動作する第1の装飾体片15と、回転軸31に遊動的に軸支され且つ第1の装飾体片15の開放角度が所定角度に達した時点以降に連動部材16を介して連動して開放動作を開始する第2の装飾体片20と、回転軸31に遊動的に軸支され且つ第2の装飾体片20の開放角度が所定角度に達した時点以降に連動部材21を介して連動して開放動作を開始する第3の装飾体片25と、を備えている。
なお、装飾体片の個数は任意であり、2個以上であればよい。
各連動部材16、21は、夫々第1及び第2の装飾体片15、20に固定された円弧状の長穴を有したガイド部材16a、21aと、第2、及び第3の装飾体片20、25に夫々設けられ各ガイド部材16a、21aによってガイドされるピンとしての被ガイド部材16b、21bと、を備えている。つまり、各ガイド部材16a、21aは、第1及び第2の装飾体片15、20から閉動作方向へ突出した円弧状の環状体であり、被ガイド部材16b、21bは第1及び第2の装飾体片15、20と夫々隣接する他の装飾片20、25側に設けられ各ガイド部材16a、21aの長穴内に嵌合してスライド移動する。
第2及び第3の装飾体片20、25の軸穴20a、25aは夫々回転軸31に嵌合して相対回転するため、回転軸31の摩耗による折れ等を防止すべく、回転軸を金属材料にて構成するのが好ましい。
図3中に符号60で示した各部材はベース板40上のギヤ群33、34、35や装飾体11を前面側から保護するカバーであり、これらのカバー60はベース板40に固定される。
また、これらの各構成要素を支持したベース板40を、遊技盤1の開口4の下端縁に固定することにより、装飾体開閉ユニット10の取付けが行われる。
まず、図4(a)、図5(a)に示す閉止状態(退避状態)においては、畳まれた状態にある装飾体11は開口の下端縁4aよりも下方へ退避しており、このとき第1の装飾体片15に設けた突起51はフォトインタラプタ50を構成する発光素子と受光素子との間に入り込んでおり、フォトインタラプタ50からの検知信号を受けた制御手段36はパルスモータである駆動モータ32への通電を遮断する。
なお、カバー60の適所に、第2及び第3の装飾体片20、25が夫々閉止位置にあるときに各装飾体片を閉止位置に停止させる第1のストッパ部材61、及び第2のストッパ部材62を設ける。
このストッパ部材61、62を弾性を有した樹脂、ゴム等から成るダンパーとすることにより、勢いよく閉止位置に戻ってきた各装飾体片20、25の緩衝効果を発揮させて各装飾体片の損傷を防止し、その耐久性を高めることができる。
なお、駆動モータ32としてパルスモータを使用する場合、開放動作の初期は装飾体片側から加わる負荷が大きいために大きな出力を確保する必要があり、そのためにパルスレートを通常速度の半分程度に少なくして確実な初期動作の実現を可能とする。開放動作の初期段階を過ぎた後は、通常の早い速度にて開放動作を継続する。全開直前の段階では再びパルスレートを下げて駆動する。
このように全開状態に至る直前、及び直後の期間における駆動モータの出力が高トルクとなるように制御することにより、各装飾体片が全開となった瞬間の反動を抑えつつ、全開状態を維持することが可能となる。
第1及び第2の装飾体片15、20が通常速度にて更に開放方向へ回動し、所定の開放角度に達すると、図4(c)に示すように第2の装飾体片20から延びるガイド部材21aの長穴内に嵌合している被ガイド部材21bが長穴の終端部に当接するため、第2の装飾体片のそれ以降の開放方向への回動によって第3の装飾体片25が連動して開放方向へ回動開始する。
なお、上述のように全ての装飾体片が開放状態に達した時にその開放状態を確実に維持する為に、駆動モータ32のパルスレートを通常速度の半分程度に低減させて駆動することにより確実な開放動作、開放停止状態を実現する。
このように本発明の装飾体片の開放動作においては、開放動作開始初期(0ステップから10ステップまでの期間)、中間期間(10ステップ以降、195ステップまでの期間)、及び開放動作終了時期(195ステップ以降、205ステップまでの期間)における駆動モータ出力を異ならせることにより、確実な開放動作の実現を可能としている。
なお、装飾体11が開扇状態(全開状態)にあることを検知するセンサを別個に設け、このセンサからの検知信号に基づいて駆動モータを停止させるようにしてもよい。
このように駆動モータが閉止方向へ回動することにより開放状態にあった全ての装飾体片が閉止方向へ回動し、第1の装飾体片以外の装飾体片20、25が各ストッパ部材61、62と当接することにより閉止方向への回動を停止する。
前記のように装飾体片の開放動作においては、開放動作開始初期、中間期間、及び開放動作終了時期における駆動モータ出力を異ならせることにより、確実な開放動作の実現を可能としているが、閉止動作においても全く同様の制御を行う。即ち、開放動作における開放動作開始初期、中間期間、及び開放動作終了時期は、夫々閉止動作における閉止動作終了時期、中間期間、及び閉止動作開始初期に夫々対応しており、制御手段36は、閉止動作開始初期と閉止動作終了時期の各出力を中間期間での出力よりも高くするように制御する。このように制御することにより、ストッパ部材による緩衝作用を受けない装飾片15が閉止位置に達した瞬間の反動、衝撃を抑えつつ閉止状態を維持することが可能となる。
また、制御手段36が駆動モータを閉止方向に回転させた結果、十分な時間が経過しているにも関わらずフォトインタラプタが突起51を検知した旨の信号を出力してこない場合には、所定時間(例えば、10分後、20分後)経過した後に駆動モータを駆動するリトライ処理を実行する。これによりフォトインタラプタが突起51を検知すれば駆動モータを停止してリトライ処理を終了する。
なお、パチンコ遊技機の詳細な構成については図示説明していないが、本願発明の技術的範囲中にパチンコ遊技機、及び遊技盤が含まれることに疑いがない。
5…始動入賞口、10…装飾体開閉ユニット、11…装飾体、15、20、25…装飾体片、15a…回転軸、16、21…連動部材、16a…ガイド部材、16b…被ガイド部材、20a…軸穴、21…連動部材、21a…ガイド部材、21b…被ガイド、22、26…スペーサ、30…装飾体駆動機構、31…回転軸、32…駆動モータ、32a…出力軸、33…駆動ギヤ、34…中間ギヤ、35…最終ギヤ、36…制御手段、40…ベース板、45…プリント基板、46…LED、50…フォトインタラプタ、51…突起、60…カバー、61、62…ストッパ部材、70…主制御基板、71…演出制御基板、72…ランプ制御基板
Claims (2)
- 回転軸を中心として遊技盤面と略平行な方向へ開閉動作する装飾体と、前記回転軸を正逆回転させることにより該装飾体を開閉動作させる駆動モータを制御する制御手段と、を備えた装飾体開閉ユニットであって、
前記装飾体は、前記回転軸によって最下降位置である閉止位置から全開位置である開放位置までの間を夫々開閉自在に軸支された複数の装飾体片と、各装飾体片を連動して開放動作させる一方の連動部材、及び他方の連動部材と、を備え、
前記装飾体は、前記回転軸と一体化され且つ前記駆動モータにより該回転軸が開放方向へ回動する際に最初に開放動作する第1の装飾体片と、前記回転軸に遊動的に軸支され且つ該第1の装飾体片の開放角度が所定角度に達した時点以降に前記一方の連動部材を介して開放動作を開始する第2の装飾体片と、を少なくとも備え、
少なくとも一つの前記装飾体片を閉止位置に停止させるダンパーとしてのストッパ部材を備え、
前記駆動モータが閉止方向へ回動することにより開放状態にあった全ての前記装飾体片が閉止方向へ回動し、前記装飾体片が前記ストッパ部材と当接することにより閉止方向への回動を停止し、
前記装飾体の前方にカバーを備えると共に、前記装飾体の後方にベース板を備え、
前記ストッパ部材は、前記カバー又はベース板により支持されており、
前記装飾体は、前記第2の装飾体片に対して前記他方の連動部材を介して連動して開放動作を開始する第3の装飾体片を備え、
前記第2の装飾体片を閉止位置にて停止させる第1のストッパ部材と、前記第3の装飾体片を閉止位置にて停止させる第2のストッパ部材とは、その高さ位置を異ならせて配置され、
前記制御手段は、前記装飾体の開放動作に際しては、開放動作開始初期、中間期間、及び開放動作終了時期における駆動モータ出力を夫々異ならせ、開放動作開始初期と開放動作終了時期の各出力を中間期間での出力よりも高くするように制御することを特徴とする装飾体開閉ユニット。 - 前記制御手段は、前記装飾体の閉止動作に際して、閉止動作開始初期、中間期間、及び閉止動作終了時期における駆動モータ出力を夫々異ならせ、閉止動作開始初期と閉止動作終了時期の各出力を中間期間での出力よりも高くするように制御することを特徴とする請求項1に記載の装飾体開閉ユニット。
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