(第1実施例)
以下、本発明の実施形態を示す第1実施例について図面を用いて説明する。本発明の遊技機をパチンコ遊技機(以下、単に遊技機という)に適用した実施例を図1〜図25に示す。
図1は、本実施例の遊技機1の正面図である。図1に示すように、遊技機1の前面部は、本体枠2、中枠3、前面枠4、上皿部5、下皿部6、施錠装置9、遊技盤20等を備えている。なお、図1では遊技盤20の詳細な図示を省略している。また、中枠3は前面枠4等が前面側に配置されているため、図1においては明示されていない。
本体枠2は木製の板状体を略長方形の枠状に組立てたものであり、遊技機1の外枠を構成している。中枠3はプラスチック製であり、本体枠2の内側に嵌め込まれて設置されており、外枠2に対して開閉可能に左端で軸支されている。中枠3は、上側2/3程度を占める枠体部と下側1/3程度を占める下板部とから構成されている。枠体部の前面側には遊技盤20と前面枠4とが重なるように設けられており、下板部の前面側には上皿部5と下皿部6が設けられている。
下板部には、遊技球を遊技盤20に発射する発射手段を構成する発射装置ユニット(図示略)、遊技球を発射装置ユニットに供給する球送り装置(図示略)が設けられている。
前面枠4は、中枠3の前面側に配置され、中枠3の左端で開閉可能に支持されている。前面枠4はプラスチック製であり、奥側に配置される遊技盤20の盤面を視認可能にするために、円形状の開口部4aが形成されている。前面枠4の裏面には、開口部4aに対応した形状とされるガラス板等の透明板(図示略)が装着されている。前面枠4における遊技盤20の周囲には、LED等のランプ類(図示略)が設けられている。これらのランプ類は、遊技効果を高めるためにゲーム進行に応じて点灯・消灯あるいは点滅する。
上皿部5は、前面枠4の下側に設けられ、中枠3の左端に開閉可能に支持されている。上皿部5は、皿外縁部5aと、遊技機1の内部から遊技球を排出するための排出口5bと、上皿部5の遊技球を下皿部6に排出する球抜きボタン5cとを備えている。皿外縁部5aの上面には、演出スイッチ5dや球貸ボタン5e等が設けられている。
下皿部6は、上皿部5の下方に設けられている。下皿部6の略中央には、遊技機1の内部から下皿部6に遊技球を排出するための排出口6aが設けられている。下皿部6の左端には灰皿7が設けられている。下皿部6の右端には、遊技者が発射装置ユニット(図示略)を操作するための発射ハンドル8が設けられている。発射ハンドル8には、遊技者が触れていることを検出する接触検知手段としてのタッチスイッチ8aが設けられている。発射ハンドル8の左側面には、遊技者が操作して遊技球の発射を一時的に停止する発射停止スイッチ8bが配置されている。
施錠装置9は、中枠3の右端中央の下方に設けられており、前面枠4を閉じた場合にこれを施錠するためのものである。
また、遊技機1には、遊技状態に応じた効果音等を発生させるためのスピーカ10a〜10dが設けられている。スピーカ10a〜10dは、遊技機1の上部に設けられた上部スピーカ10a、10bと遊技機1の下部に設けられた下部スピーカ10c、10dとからなる。さらに、遊技機1の左側には、プリペイドカードユニット13(CRユニット)が装着されている。
次に、本実施例の遊技盤20の表面構造について説明する。図2は遊技盤20の正面図であり、シャッター装置70により演出図柄表示装置25が不可視状態となっている場合を示している。
遊技盤20は、略長方形の木製の板状体であって中枠3に着脱可能に取り付けられているとともに、後述する裏機構盤102(図18参照)によりその背面側が覆われている。
図2に示すように、遊技盤20には、遊技盤20の表面に設けられた外レール22と内レール23とにより略円形状の遊技領域21が形成されている。遊技領域21内には、中央装置24、演出図柄表示装置25、普通図柄作動ゲート27、始動口28、大入賞装置(特別電動役物)33、左入賞口34、35、右入賞口36、37、第1装飾部材50、第2装飾部材60、シャッター装置70等の遊技装置が配設されている。なお、図示を省略しているが、遊技領域21には各遊技装置との位置バランスを考慮して多数の障害釘が配設されている。
中央装置24は遊技領域21の略中央部に配置され、演出図柄表示装置25が設けられている。大入賞装置33は遊技領域21における中央装置24の下方に配置されている。第1装飾部材50は遊技領域21における大入賞装置33の左側に配置され、第2装飾部材60は遊技領域21における大入賞装置33の右側に配置されており、装飾部材50、60はいわゆるサイド飾りを構成している。また、第1装飾部材50には、普通図柄表示装置56(図4参照)と左入賞口34、35がユニット化されており、第2装飾部材60には、特別図柄表示装置62(図7参照)と右入賞口36、37がユニット化されている。
演出図柄表示装置25は、遊技の進行に応じて種々の演出表示が可能な表示領域を有する表示装置であり、本実施例では12インチ程度の大型液晶表示装置を用いている。演出図柄表示装置25の表示領域は、任意の色で発光することが可能となっており、任意の識別情報を表示可能となっている。
シャッター装置70は、演出図柄表示装置25の前面側(遊技者に近い側)に配置されており、複数の遮蔽板71を用いて演出図柄表示装置25の前面側を開閉することで、遊技者が演出図柄表示装置25の表示領域を見ることができない不可視状態と、遊技者が演出図柄表示装置25を見ることができる可視状態とを切り替えることができる。
図3は、演出図柄表示装置25とシャッター装置70の正面図であり、(a)〜(c)はそれぞれシャッター装置70の状態が異なっている。図3(a)はシャッター装置70の遮蔽板71により演出図柄表示装置25の前面側が覆われている全閉状態を示し、図3(b)はシャッター装置70の遮蔽板71が演出図柄表示装置25の前面側に存在しない全開状態を示し、図3(c)はシャッター装置70の遮蔽板71がその場で回転した開放状態を示している。シャッター装置70が全開状態および開放状態の場合に演出図柄表示装置25の表示領域を見ることができる可視状態となり、全閉状態の場合に演出図柄表示装置25の表示領域を見ることができない不可視状態となる。シャッター装置70が図3(a)に示す全閉状態の場合に演出図柄表示装置25の表示領域で照射した光は、シャッター装置70の遮蔽板71の裏面側に照射される。なお、シャッター装置70の構成については後述する。
図2に戻り、普通図柄作動ゲート27は、中央装置24の左側に設けられている。普通図柄作動ゲート27の内部には、遊技球の通過を検知する普通図柄作動ゲート検知スイッチ27sが設けられている。遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過することで、後述の普通図柄が変動開始する。
始動口28は、中央装置24の中央位置の下方に設けられている。始動口28は、2つの入球口28a、28bが上下方向に並んで配置されている。上段側入球口28a(上始動口)は常時開口しており、下段側入球口28b(下始動口)はいわゆるチューリップ式で左右に一対の翼片部28cが開閉するように形成されている。普通図柄が当り図柄の組合せで停止表示された場合には、翼片部28cが開いて下段側入球口28bが開放される。つまり、下側入球口28bは普通電動役物として機能する。
始動口28の内部には、遊技球の入球を検知する始動口入球検知スイッチ28s(図19参照)と、翼片部28cを作動させるための始動口ソレノイド28d(図20参照)とが備えられている。この一対の翼片部28cが左右に開いた場合には、下段側入球口28bは遊技球の入球可能性が大きくなる開放状態となり、一対の翼片部28cが立設された場合には、下段側入球口28bは遊技球の入球可能性が小さくなる通常状態となる。遊技球が始動口28に入球することで、後述の特別図柄が変動開始する。
大入賞装置33は、始動口28の下方に配設されている。ここで、大入賞装置33は、帯状に開口された大入賞口33aと、この大入賞口33aを開放・閉鎖する開閉板33bと、この開閉板33bを開閉するための大入賞口ソレノイド33c(図20参照)と、遊技球の入球を検知する大入賞口入球検知スイッチ33s(図20参照)とから主に構成されている。
大入賞装置33の左斜め上方には、左入賞口34、35が設けられている。これらの内部には、それぞれ左入賞口入球検知スイッチ34s、35s(図20参照)が設けられている。大入賞装置33の右斜め上方には、右入賞口36、37が設けられている。これらの内部には、右入賞口入球検知スイッチ36s、37s(図20参照)が設けられている。
図4は、第1装飾部材50の正面図である。図4に示すように、第1装飾部材50には、特図保留表示部52と、普図保留表示部53と、遊技状態表示部55と、普通図柄表示部56が設けられている。
特図保留表示部52は、特別図柄変動中や特別遊技状態中に始動口28に入球した遊技球の数を4個まで保留可能として特別図柄保留数を表示するものである。次回の特別図柄の変動が開始する毎(特別図柄当否判定が行われる毎)に未始動回数(保留数)が消化され、特別図柄保留数が1個ずつ減少する。普図保留表示部53は、普通図柄変動中や下側入球口(普通電動役物)28bの開放中に普通図柄作動ゲート27を通過した遊技球の数を4個まで保留可能として普通図柄保留数を表示するものである。次回の普通図柄の変動が開始する毎(普通図柄当否判定が行われる毎)に未始動回数(保留数)が消化され、普通図柄保留数が1個ずつ減少する。普通図柄保留数と特別図柄保留数の増減は、後述の主制御部200の制御により行われる。
図5は、特図保留表示部52と普図保留表示部53による保留数表示を説明するための図である。特図保留表示部52と普図保留表示部53は、それぞれ2つのLEDからなる。これらの保留表示部52、53は、2個のLEDの消灯、点灯、および点滅を組み合わせることで、4個を上限として保留数を表示することができる。具体的には、図5に示すように、LEDが2つとも消灯している場合は保留数0個を示し、LEDが1つ点灯し1つ消灯している場合は保留数1個を示し、LEDが2つ点灯している場合は保留数2個を示し、LEDが1つ点滅し1つ点灯している場合は保留数3個を示し、LEDが2つ点滅している場合は保留数4個を示している。
遊技状態表示部55は、現在の特別図柄当否判定確率が高確率と通常確率(低確率)のどちらであるか、つまり、確率変動機能が作動しているか否かを表示するとともに、下側入球口(普通電動役物)28bを開放状態とする時間が延長される開放時間延長機能が作動しているか否かを表示する。
図6は、遊技状態表示部55による遊技状態表示を説明するための図であり、(a)は確率変動機能と開放時間延長機能が作動している状態を示し、(b)は開放時間延長機能のみが作動している状態を示している。遊技状態表示部55は、点灯および消灯が可能な2個のLED55a、55bから構成され、一方のLED55aにより確率変動機能の作動状態を表示し、他方のLED55bにより開放時間延長機能の作動状態を表示している。各LED55a、55bの点灯によって確率変動機能や開放時間延長機能の作動中が示され、各LED55a、55bの消灯によって確率変動機能や開放時間延長機能の非作動中が示される。
図4に戻り、普通図柄表示部56は1個のLEDから構成されており、このLEDにより普通図柄の表示が行われる。普通図柄表示部56を構成するLEDは、点灯および消灯が可能となっており、本実施例では当り表示を点灯、外れ表示を消灯、変動表示を点灯と消灯の繰り返しである点滅で、それぞれ行うものとしている。遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過した際に行われる普通図柄当否判定で当りと判定された場合には、普通図柄表示部56で停止表示される普通図柄が当り普通図柄の表示態様(点灯)に決定され、普通図柄当否判定で外れと判定された場合には、普通図柄表示部56で停止表示される普通図柄は外れ図柄の表示態様(消灯)に決定される。
普通図柄表示部56では、普通図柄作動ゲート27を遊技球が通過することにより普通図柄が変動開始し、所定時間経過後に普通図柄が当り普通図柄の表示態様あるいは外れ普通図柄の表示態様で停止表示される。そして、普通図柄が予め設定された当り普通図柄の表示態様で停止表示すると、下側入球口(普通電動役物)28bが所定時間(例えば1秒)開放される。
本実施例では、遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過した際に取得される普通図柄当否判定用乱数が用意されており、その乱数が下側入球口(普通電動役物)28bを作動させるか否かの普通図柄当否判定に用いられる。普通図柄当否判定用乱数には、予め当り値が設定されており、遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過したタイミングで取得された普通図柄当否判定用乱数が当り値と一致する場合に当りと判定される。そして、当りと判定された場合には、普通図柄表示部56で停止表示される普通図柄は、上記当り普通図柄の表示態様に決定される。一方、外れと判定された場合には、普通図柄表示部56で停止表示される普通図柄は外れ普通図柄の表示態様に決定される。なお、普通図柄当否判定および普通図柄の停止図柄の決定は、後述の主制御部200によって行われる。
図7は、第2装飾部材60の正面図である。図7に示すように、第2装飾部材60には、特別図柄表示部62、ラウンド数表示部63が設けられている。
本実施例の特別図柄は、特別図柄表示部62で表示される本特別図柄(以下、「本図柄」ともいう。)と演出図柄表示装置25で表示される疑似特別図柄(以下、「演出用図柄」ともいう。)とからなる。演出用図柄については後述する。特別図柄表示部62は、7個のLED62a〜62gから構成されており、これらのLED62a〜62gにより本図柄が表示される。特別図柄表示部62を構成する各LED62a〜62gは、点灯および消灯が可能となっており、これら各LED62a〜62gの点灯および消灯の組合せにより本図柄の複数の表示態様を表示できる。そして、7個のLED62a〜62gで表示される本図柄の組合わせのうち、特定の組合せが当り特別図柄(大当り図柄)の組合せとして設定されており、当り特別図柄以外の組合せが外れ特別図柄(外れ図柄)と設定されている。本実施形態の大当り図柄の組合せには、通常大当りを発生させる通常大当り図柄と、確変大当りを発生させる確変大当り図柄がある。本実施例では、本図柄の変動表示を各LED62a〜62gが点灯と消灯を繰り返す点滅表示で行うものとしている。
特別図柄表示部62では、始動口28を遊技球が通過することにより本図柄が変動開始し、所定時間経過後に本図柄が当り図柄の組合せあるいは外れ図柄の組合せで停止表示される。本実施例では、特別図柄当否判定用乱数が用意されている。特別図柄当否判定用乱数は、遊技球が始動口28に入球した際に取得されるもので、条件装置を作動させるか否かの特別図柄当否判定に用いられる。具体的には、特別図柄当否判定用乱数には、予め当否判定用の当り値が設定されており、遊技球が始動口28に入球したタイミングで取得された特別図柄当否判定用乱数が当り値と一致する場合に当りと判定される。そして、当りと判定された場合には、特別図柄表示部62で停止表示される本図柄は、上記当り図柄の組合せのいずれかに決定される。一方、外れと判定された場合には、特別図柄表示部62で停止表示される本図柄は、上記外れ図柄の組合せに決定される。特別図柄当否判定、本図柄の変動態様の決定、本図柄の停止図柄の決定は、後述の主制御部200によって行われるように構成されている。
特別図柄表示部62で表示された本図柄の組合せが当り特別図柄の組合せであった場合には、主制御部200は遊技者に相対的に有利な特別遊技状態を発生させる。特別遊技状態は、大入賞装置33を作動させることで、大入賞口33aへの遊技球の入球に関して遊技者に利益(賞球)を付与するものである。
特別遊技状態の発生により、大入賞装置(特別電動役物)33および条件装置が作動する。ここで、条件装置とは、役物連続作動装置が作動するための条件となる装置である。具体的には、条件装置は、後述の主制御部200のCPU400を主体として構成され、本図柄が大当り図柄で停止表示することで作動を開始し、役物連続作動装置を作動させるものである。また、役物連続作動装置とは、後述の主制御部200のCPU400を主体として構成され、大入賞装置33を連続して作動させ、大入賞口33aを連続して開放状態とする装置である。役物連続作動装置の作動開始により、大入賞口33aが連続して開放する特別遊技状態が開始される。なお、主制御部200のCPU400は特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段としての機能を有している。
大入賞装置33の作動開始により、大入賞口33aが開放して遊技球受入状態となる。この遊技球受入状態は、所定の終了条件成立により終了し、開放していた大入賞口33aが閉鎖状態となる。所定の終了条件として、遊技球受入状態の開始後における大入賞口33aの開放時間が所定開放時間(本実施例では30秒)に達したとき、もしくは遊技球受入状態の開始後、大入賞口33aに入球した遊技球数が所定数(本実施例では10個)に達したときとすることができる。
この遊技球受入状態の開始から終了までを1ラウンドとした場合、上述の役物連続作動装置は、所定ラウンドが終了したときに作動終了する。大入賞装置33では、遊技球受入状態が終了してから所定時間(例えば2秒)が経過した後に、大入賞口33aが開放して再び遊技球受入状態となり、次のラウンドが開始する。このような開始から終了までを1ラウンドとする遊技球受入状態は、所定の最高継続ラウンド数(15ラウンド)が終了して役物連続作動装置の作動が終了するまで繰り返し継続される。
本図柄が通常大当り図柄で停止表示した場合には、特別遊技状態の終了後の所定期間だけ、変動時間短縮機能および始動口(下始動口)としての下側入球口(普通電動役物)28bの開放時間を延長させる開放時間延長機能が作動する(いわゆる時短遊技状態となる)。変動時間短縮機能および開放時間延長機能の作動は、主制御部200の制御により行われるものであり、変動時間短縮機能には、普通図柄変動時間を短縮させる普通図柄変動時間短縮機能と、特別図柄変動時間を短縮させる特別図柄変動時間短縮機能とが含まれている。変動時間短縮機能および開放時間延長機能は、役物連続作動装置の作動終了後、次回条件装置が作動するまでの間、または本図柄の変動回数が所定回数(本例では100回)に到達するまで作動する。
本図柄が確変大当り図柄で停止表示した場合には、特別遊技状態の終了後、確率変動機能が作動して確率変動状態となる。確率変動状態は、主制御部200の制御により実現されるものであり、この確率変動状態では、上記変動時間短縮機能に加え、特別図柄当否判定の確率、すなわち特別図柄が大当り図柄で停止表示する確率を変更(向上)させる確率変動機能が作動する。確率変動機能は、役物連続作動装置の作動終了後、次回条件装置が作動するまでの間、または本図柄の変動回数が所定回数(本例では10000回)に到達するまで作動する。なお、主制御部200は、確率変動機能を作動させるための確率変動手段としての機能を有している。
特別図柄表示部62の右上には、ラウンド数表示部63が設けられている。ラウンド数表示部63は、特別遊技状態の最高継続ラウンド数が複数設定されている際に、いずれのラウンド数が選択されているかを示すものである。ラウンド数表示部63によるラウンド数の表示は、特別図柄が大当り図柄で停止表示されて特別遊技状態が発生する際に行われる。
次に、演出図柄表示装置25で表示される演出用図柄について説明する。演出図柄表示装置25の表示領域には、演出用図柄が表示される演出用図柄表示領域が設けられている。演出用図柄表示領域は、演出図柄表示装置25の表示画面の中央に大きく設けられており、右図柄が表示される右図柄表示領域、中図柄が表示される中図柄表示領域、左図柄が表示される左図柄表示領域からなる3つの図柄表示領域からなる。各図柄表示領域は、これらの表示領域の配置方向と略直交する向き、この場合、上下方向(縦方向)に図柄変動方向が設定されている。各図柄表示領域は、「1」〜「9」からなる図柄をそれぞれ表示可能となっている。演出用図柄は、上記本図柄の変動表示が開始されることにより変動表示を開始する。そして、本図柄が何れかの図柄で停止表示されると、この図柄に応じた図柄で停止表示される。演出用図柄では、3桁同一の偶数図柄の組合せが本図柄の通常大当り図柄に対応し、3桁同一の奇数図柄の組合せが本図柄の確変大当り図柄に対応し、それら以外の図柄の組合せが本図柄の外れ図柄に対応している。
次に、演出図柄表示装置25の前面側に配置されるシャッター装置70について説明する。図8、図10、図12は、シャッター装置70の内部構成を示す正面図である。図9、図11、図13は、遮蔽板71単体を示す図であり、(a)は正面図、(b)は右側面図である。図8、図10、図12では図示を省略しているが、シャッター装置70の前面側において遮蔽板71全体の周囲を覆うように無色透明のカバー部材が設けられている。図9(a)、図11(a)、図13(a)では、回転軸71aの図示を省略している。また、図9(b)、図11(b)、図13(b)では、紙面左側が前面側(手前側)、紙面右側が背面側(奥側)となっている。
図8は、遮蔽板71が演出図柄表示装置25の前面側を遮蔽し、演出図柄表示装置25の前面側(表示領域)が不可視状態となっている全閉状態(図3(a)参照)を示しており、図9は図8の状態に対応した遮蔽板71を示している。図10は、遮蔽板71が演出図柄表示装置25の表示領域の上方に移動し、演出図柄表示装置25の前面側(表示領域)が可視状態となっている全開状態(図3(b)参照)を示しており、図11は図10の状態に対応した遮蔽板71を示している。図12は、すべての遮蔽板71が開放して(遮蔽板71の表裏方向に回転して)水平状態となり、演出図柄表示装置25の表示領域が可視状態となっている開放状態(図3(c)参照)を示しており、図13は図12の状態に対応した遮蔽板71を示している。
図8に示すように、シャッター装置70は、演出図柄表示装置25の前面側(表示領域)を遮蔽するための遮蔽板71を有している。本実施例の遮蔽板71は複数設けられており、それらは互いに並列して配置されている。本実施例では、6枚の長方形板状の遮蔽板71が長手方向を水平として配置され、隣り合う遮蔽板71は互いに近接して隙間なく配置されている。
連結アーム74は、各遮蔽板71に設けられている。本実施例の連結アーム74は、略直線状に形成され、遮蔽板71の移動方向(図8における上下方向)にスライド可能となっている。また、図8における最下端に設けられている連結アーム74がベルト83に固定されている。
本第1実施例のシャッター装置70では、遮蔽板71を移動させる移動手段として、遮蔽板71の両外側に遮蔽板71の移動範囲に渡って環状のベルト83が設けられている。ベルト83は、連結アーム74に移動方向に沿って設けられている。ベルト83の上端にアイドル側の第1プーリ84が設けられ、ベルト83の下端に駆動側の第2プーリ85が設けられており、ベルト83は第1プーリ84と第2プーリ85との間を結ぶように配置されている。2つの第2プーリ85は連結軸86で連結されており、同期回転するように構成されている。第2プーリ85はギア87を介してモータ88と接続されている。モータ88は、例えばステッピングモータを用いることができる。本実施例では、1つのモータ88で2つのベルト83(第1プーリ84及び第2プーリ85)を回転させるように構成されている。モータ88は後述するサブ制御部260により制御される。なお、すべての遮蔽板71を移動させる連結アーム74、ベルト83、第1プーリ84及び第2プーリ85、ベルト83(第1プーリ84及び第2プーリ85)を駆動する駆動手段としてのモータ88が、本発明における遮蔽板移動手段に相当している。
ベルト83の上端付近には、第1センサ78が設けられている。第1センサ78は、上端の連結アーム74がベルト83によって移動する範囲における上限位置に設けられ、上端の連結アーム74が可動範囲の上限にきたことを検知する上限センサとして構成されている。第1センサ(上限センサ)78は、複数の遮蔽板71が演出図柄表示装置25の表示領域の上方に移動して、遮蔽板71が演出図柄表示装置25の表示領域の前面側に存在しない全開状態を検出するために用いられる。遮蔽板71が全開状態になると、第1センサ(上限センサ)78の出力はONになる。
ベルト83の下端付近には、第2センサ79が設けられている。第2センサ79は、下端の連結アーム74がベルト83によって移動する範囲における下限位置に設けられ、下端の連結アーム74が可動範囲の下限にきたことを検知する下限センサとして構成されている。第2センサ(下限センサ)79は、複数の遮蔽板71が演出図柄表示装置25の表示領域の下方に移動して、遮蔽板71が演出図柄表示装置25の表示領域の前面側を覆う全閉状態を検出するために用いられる。遮蔽板71が全閉状態になると、第2センサ(下限センサ)79の出力はONになる。なお、第2センサ(下限センサ)79が、複数の遮蔽板71が全閉状態になったことを検知する本発明の全閉状態検知手段に相当している。
これらのセンサ78、79としては例えば光センサを用いることができる。さらにシャッター装置70には、遮蔽板71を開閉するためのソレノイド80が設けられている。
図9(a)、図11(a)、図13(a)に示すように、遮蔽板71の左右両端に位置する短辺には、リブ71cが設けられている。図9(a)に示す遮蔽板71が垂直状態の場合には、リブ71cは遮蔽板71の板面から前面側に突出しており、図11(a)に示す遮蔽板71の下端が前方側に移動して傾斜した状態では、リブ71cは上方に向かって突出し、上方の遮蔽板71の下面に対向している。
また、図9(b)に示すように、遮蔽板71の長辺(板面の上下端辺)は、板面に対して傾斜するように構成されている。具体的には、図9(b)に示す遮蔽板71が垂直状態の場合において、遮蔽板71の上端と下端に位置する長辺は、前面側(遊技者側)が下方で背面側(演出図柄表示装置25の表示領域側)が上方となる傾斜面を構成している。上下方向に隣り合う遮蔽板71は、互いの上側傾斜面と下側傾斜面が対向しており、前面側から見たときに、互いの上側傾斜面と下側傾斜面が重なり合っている。このため、遮蔽板71が垂直状態の場合には、隣り合う遮蔽板71の傾斜面同士が干渉して、遮蔽板71は、上端が前方側かつ下端が後方側に移動する方向(図9(b)の反時計方向)には回転できず、上端が後方側かつ下端が前方側に移動する方向(図9(b)の時計方向)にのみ回転することができる。
図14は、シャッター装置70の枠部分を示す正面図であり、遮蔽板71、ソレノイド80、ベルト83等を取り除いた状態を示している。図14に示すように、シャッター装置70の枠部分には、連結アーム74を案内するための案内溝70aが形成されている。案内溝70aは、各連結アーム74に対応して設けられており、連結アーム74が嵌り込むことができる幅を有している。各案内溝70aは、対応する連結アーム74を案内するとともに、連結アーム74の移動範囲を規制する。
案内溝70aは、複数の遮蔽板71が、演出図柄表示装置25の表示領域の上方に移動した状態(全開状態)から、演出図柄表示装置25の前面側(表示領域)を遮蔽する状態(全閉状態)まで移動させることができるように形成されている。各案内溝70aの上端位置は、遮蔽板71が演出図柄表示装置25の表示領域の上方に移動した全開状態(図10参照)に対応し、各案内溝70aの下端位置は、遮蔽板71が演出図柄表示装置25の前面側を遮蔽する全閉状態(図8参照)に対応している。
図15、図16は、図8における連結アーム74、ソレノイド80等を拡大した斜視図である。図15は、遮蔽板71が演出図柄表示装置25の前面側を遮蔽する状態(全閉状態)を示し、図16は、遮蔽板71が上方に移動中の状態を示している。
図15に示すように、連結アーム74は、直線部74aと円筒部74bとを有している。直線部74aには、係合部74c、74dが形成されている。隣り合う連結アーム74は、係合部74c、74dにより互いに係合可能となっており、これにより連結アーム74の図8における下方向への移動が規制される。円筒部74bには、遮蔽板71の回転軸71aが貫通する貫通孔が形成されている。円筒部74bの上部には、連結アーム74が移動する際に直上の連結アーム74の円筒部74bが接触する受部74eが形成されている。
次に、シャッター装置70の遮蔽板71の移動について説明する。全閉状態においてモータ88を駆動することで、ベルト83が回転し、ベルト83に固定された最下端の連結アーム74が案内溝70aに沿って上方に移動する。このとき、遮蔽板71の長辺(板面の上下端辺)は背面側が高くなるように傾斜しているので(図9(b)参照)、遮蔽板71が上方に移動する際に、遮蔽板71の上端長辺が上方側の遮蔽板71の下端長辺から奥側(背面側)に入り込むととともに、上方側の遮蔽板71の下端長辺が前方に移動し、各遮蔽板71が重なりやすくなっている。遮蔽板71の上昇に伴い、上方に移動した連結アーム74の受部74eが直上の連結アーム74の円筒部74bの下方に接触する(図16参照)。
そして、各連結アーム74が直上の連結アーム74を押し上げるともに、下方の遮蔽板71が上方の遮蔽板71を押し上げ、連結アーム74に接続されたすべての遮蔽板71が重なり合った状態で、案内溝70aの上端位置まで移動する。下方の遮蔽板71が上方の遮蔽板71を押し上げる際には、下方の遮蔽板71のリブ71cが上方の遮蔽板71の背面側に接触するので、板面全体で接触する場合に比較して接触面積が少なくなり、各遮蔽板71がスムーズに重なり合うことができ、この結果、遮蔽板71の上昇が円滑に行われることとなる。このように、すべての遮蔽板71が演出図柄表示装置25の表示領域より上方に移動することで、演出図柄表示装置25の表示領域の前面側に遮蔽板71が存在しない全開状態となる(図3(b)、図10、図11参照)。なお、すべての遮蔽板71が演出図柄表示装置25の表示領域より上方に移動して全開状態となったときに、最上部の遮蔽板71の連結アーム74に設けられた検知片74sが第1センサ78内に介在した状態となり、これにより、すべての遮蔽板71が上限位置にあること(全開状態であること)を、第1センサ(上限センサ)78が検知した状態となる(図10参照)。
次に、全開状態においてモータ88を逆回転させることでベルト83が逆回転し、ベルト83に固定された最下端の連結アーム74が案内溝70aに沿って下方に移動する。他の連結アーム74は、それぞれの遮蔽板71の自重で下方に移動し、案内溝70aの下端位置で停止する。各遮蔽板71が展開(下降)する際にも、下方の遮蔽板71のリブ71cが上方の遮蔽板71の背面側に接触しているので、板面全体で接触する場合に比較して接触面積が少なくなり、各遮蔽板71がスムーズに展開することができ、この結果、遮蔽板71の下降が円滑に行われることとなる。各遮蔽板71の回転軸71aは、遮蔽板71の側辺における中央位置から上方にずらして設けられているので、各遮蔽板71は自重により垂直状態になりながら、演出図柄表示装置25の前面側で一枚ずつ展開する。そして、上下に隣り合う遮蔽板71の傾斜面同士(遮蔽板71の板面の上下端辺)が干渉して、各遮蔽板71は垂直状態で停止するので、各遮蔽板71が容易に同一面を構成することができる。このように、すべての遮蔽板71が演出図柄表示装置25の前面側に移動することで、演出図柄表示装置25の表示領域が遮蔽板71で覆われた全閉状態となる(図3(a)、図8、図9参照)。全閉状態は、第2センサ(下限センサ)79により検出される。
以上のように、演出図柄表示装置25の表示領域より上方に移動したすべての遮蔽板71は互いに重なり合った状態となるので、この互いに重なり合った遮蔽板71を、例えば、演出図柄表示装置25の表示領域周囲を囲む図示しないセンター役物の上部裏面側(センター役物の内部)に収納させるようにすれば、上方に移動したすべての遮蔽板71の存在を遊技者に気付かせないようにすることができる。そして、遊技の進行に応じて演出図柄表示装置25の表示領域上に表示される演出画像に合わせて遮蔽板71を下降させることにより、演出図柄表示装置25の表示領域全体が突然覆い隠されるといった斬新な演出が可能となる。
次に、シャッター装置70の複数の遮蔽板71を個別に開閉させる開閉機構について説明する。本実施例のソレノイド80は、可動鉄心(図示略)が紙面奥側に設けられており、この可動鉄心(図示略)が紙面垂直方向、つまり遮蔽板71の板面に対して直交する方向である表裏方向に移動する。
図8に示すように、6枚の遮蔽板71の各々の一側辺(一短辺)には、遮蔽板71の回転中心となる回転軸71aが設けられている。回転軸71aは、遮蔽板71の側辺(短辺)における中央位置から上方に少しずれて設けられており、遮蔽板71に外力が加わっていない場合では、遮蔽板71が自重によって垂直状態になる。また、図15に示すように、回転軸71aには、外力を受けて遮蔽板71を作動させるための作用軸71bが設けられている。作用軸71bは、回転軸71aの一端側(前面側からみて右端)に設けられている。作用軸71bは、回転軸71aの中心からずれて設けられているので、作用軸71bに外力が作用することで回転軸71aが回転する。
図15に示すように、ソレノイド80の可動鉄心(図示略)には、ブラケット89が接続されている。ブラケット89は、断面コの字状であり、溝状の凹部が遮蔽板71の移動方向(上下方向)に沿って形成され、遮蔽板71の移動方向の両端と遮蔽板71の回転軸71aに対向する側は開口している。
遮蔽板71が演出図柄表示装置25の表示領域を覆っている状態では、遮蔽板71の作用軸71bがブラケット89の凹部内に位置している。ブラケット89の凹部は、遮蔽板71の移動方向の両端が開口しているので、ベルト83が回転して遮蔽板71が移動する際に、遮蔽板71の作用軸71bはブラケット89の凹部を通過することができる。
ソレノイド80をオンオフすることで、ブラケット89が遊技機1の前後方向(紙面垂直方向)に移動する。ソレノイド80が通電されていないオフ状態のときには、遮蔽板71が垂直状態であり、演出図柄表示装置25の表示領域を遮蔽している閉鎖状態となる(図3(a)、図8、図9参照)。そして、通電によりソレノイド80がオン状態となり、可動鉄心(図示略)が遮蔽板71の前面側(遊技者側、つまり、図8の紙面手前側)に移動することで(吸引状態となることで)、ブラケット89が遮蔽板71の作用軸71bを遮蔽板71の前面側に向けて押圧する。これにより、遮蔽板71は回転軸71aを中心に回転して垂直状態から水平状態となり、個々の遮蔽板71がそれぞれ開放状態となる(図3(c)、図12、図13参照)。
また、図8に示すように、本実施例では、ソレノイド80が複数(本例では6枚)の遮蔽板71のそれぞれに対応して設けられており、各ソレノイド80は各遮蔽板71を他の遮蔽板71とは独立して開閉するように構成されている。これにより、複数の遮蔽板71のうち一部の遮蔽板71を他の遮蔽板71と独立して開閉させることができ、演出図柄表示装置25で画面上で行われる演出表示を、遊技者に対して部分的に視認可能とするといった斬新な演出が可能となる。なお、本第1実施例では、回転軸71a、作用軸71b、ソレノイド80およびブラケット89が、本発明の部分開閉手段に相当している。
以上のシャッター装置70の開閉機構の構成によれば、ソレノイド80の可動鉄心(図示略)がシャッター装置70の表裏方向に移動するので、遮蔽板71の移動方向(図8における上下方向)におけるソレノイド80の配置スペースを小さくすることができる。また、ソレノイド80がダイレクトに遮蔽板71を押圧するので、遮蔽板71の開閉機構を簡素にできるとともに、遮蔽板71が開閉する際の動きを円滑にすることができ、遮蔽板71が開閉する際の動作音を小さくすることができる。
次に、シャッター装置70の遮蔽板71に表示される装飾図柄について説明する。図17は、演出図柄表示装置25の表示領域が不可視状態となっている場合の演出図柄表示装置25とシャッター装置70の正面図である。
遮蔽板71としては、透光性を有する着色透明板(半透明板)が用いられる。着色透明板は、例えばポリカーボネート板やアクリル板等の透明板に暗い灰色や黒色等の明度の低い無彩色や、明度・彩度が共に低い有彩色の着色を施して構成することができる。本実施例では、黒色に着色された透明度の低い透明板(例えば、自動車の窓ガラスに紫外線対策や車内温度上昇防止のために採用される、所謂スモークフィルムやプライバシーガラスのような色の透明板)を遮蔽板71としている。
遮蔽板71の背面(遊技盤20の背面側の面)には、装飾図柄90が表示されている。装飾図柄90は、所定の色からなる任意の図柄として構成されている。本実施例の装飾図柄90は、半透明の青色からなる稲妻模様となっている。装飾図柄90は、透光性を有する透光性図柄として構成されており、例えば遮蔽板71の背面に半透明の青色の稲妻模様が印刷されたシールを貼付することにより構成することができる。そして、装飾図柄90は黒色透明の遮蔽板71の背面に設けられていることから、遮蔽板71の前面側から装飾図柄90を認識することは通常困難となる。また、本実施例では、装飾図柄90の光透過率が遮蔽板71の光透過率よりも高くなっている。
次に、装飾図柄90の表示について説明する。本実施例では、遊技者が装飾図柄90を視認不能な第1の状態と、遊技者が装飾図柄90を視認可能な第2の状態とを切り替えることができる。なお、装飾図柄90を用いた演出表示は、演出図柄表示装置25で演出用図柄(疑似特別図柄)等の変動表示が行われてない場合や、演出用図柄(疑似特別図柄)の変動表示中に行われる。具体的には、例えば、遊技者による遊技が行われていない場合のデモ画面の表示中、演出用図柄(疑似特別図柄)の変動表示中におけるリーチ発生や大当り発生の可能性を遊技者に報知する予告演出の表示中、リーチ演出が開始されてから終了するまでの間、大当り中におけるラウンドとラウンドの間等が例示できる。
まず、シャッター装置70で演出図柄表示装置25の表示領域を遮蔽すべく、複数の遮蔽板71を上方から下方に移動させる際に、その動きと連動して、演出図柄表示装置25の表示領域を上方から下方にかけて順次第1の表示色とする。そして、複数の遮蔽板71で演出図柄表示装置25の表示領域全体を遮蔽した状態(全閉状態)では、演出図柄表示装置25の表示領域全体を第1の表示色とする。この第1の表示色は、遮蔽板71の装飾図柄90を透過することができない表示色であり、暗い灰色や黒色等の明度の低い無彩色や、濃紺等の明度・彩度が共に低い黒色に近い有彩色を例示できる。本実施例では、第1の表示色を無地の黒色としている。
演出図柄表示装置25の表示領域全体を第1の表示色である黒色の表示とした場合には、演出図柄表示装置25の光源からは光が発せられない状態(非発光状態)となるので、演出図柄表示装置25の表示領域から遮蔽板71の背面には光が照射されない状態となる。つまり、第1の表示色である黒色は明度がゼロとなり、演出図柄表示装置25の光源の光量もゼロになる。このため、演出図柄表示装置25と遮蔽板71との間は明度の低い状態(暗い状態)となり、この状態では、遮蔽板71の背面に向けて光が照射されないので、装飾図柄90を光が透過することはない。このため、装飾図柄90の色(青色)が変化することなく、このような状況下において遊技者が遮蔽板71を前面側から見ると、遊技者は遮蔽板71が黒色であることは認識できるが、遮蔽板71の背面側の状態、即ち、遮蔽板71の背面に装飾図柄90が描かれていることは認識できない。この結果、遊技者にとって装飾図柄90が視認不能であり、かつ、遮蔽板71の色(黒色)のみが視認可能な第1の状態となる。以上のように、複数の遮蔽板71を上方から下方に移動させる際に、その動きと連動して、演出図柄表示装置25の表示領域を上方から下方にかけて順次第1の表示色とすることで、遊技者は演出図柄表示装置25の表示領域が上方から下方にかけて遮蔽板71により順次遮蔽されていくことを認識することができる。
次に、複数の遮蔽板71で演出図柄表示装置25の表示領域全体を遮蔽した状態(全閉状態)で、演出図柄表示装置25の表示領域全体を第1の表示色と異なる第2の表示色とする。この第2の表示色は、演出図柄表示装置25の表示領域で表示された際に遮蔽板71の装飾図柄90を透過することができる表示色である。具体的には、第2の表示色は第1の表示色より明度が高い無彩色や、第1の表示色より明度・彩度が共に高い有彩色とすることができ、本実施例では第2の表示色を無地の白色(第1の表示色より明度が高い無彩色)としている。
演出図柄表示装置25の表示領域全体を第2の表示色とした場合には、この第2の表示色を表示するために演出図柄表示装置25の光源から発せられる光は演出図柄表示装置25の表示領域を介して遮蔽板71に照射された状態となり、装飾図柄90を透過することができる。このため、稲妻模様の装飾図柄90が遮蔽板71上に青白い色となって現れ、装飾図柄90が視認可能な第2の状態となる(図17参照)。つまり、第2の表示色である白色は、第1の表示色である黒色に比べて明度が高く、白色の表示色を生成するための光を発する演出図柄表示装置25の光源の光量は、黒色の表示色を生成する場合に比べて多くなる。このため、演出図柄表示装置25と遮蔽板71との間は明度の高い状態(明るい状態)となり、この状態では、遮蔽板71の背面に向けて照射される白色の光は遮蔽板71の背面に到達し、装飾図柄90を透過することとなる。このとき、白色の光が青色の装飾図柄90を透過することで白色と青色が混ざり合って、装飾図柄90は遮蔽板71の背面において青白い色に変化する。また、装飾図柄90が設けられていない遮蔽板71の黒色部分は、光透過率が低いことから白色の光を吸収することが殆どなく、色の変化はほとんど生じない。このような状況下において遊技者が遮蔽板71を前面側から見ると、遊技者は遮蔽板71が黒色であることに加えて、遮蔽板71の背面に青白い色の装飾図柄90が描かれていることを認識できるようになる。この結果、遊技者には、遮蔽板71の前面側で視認不能であった装飾図柄90が青白い色で視認可能となり、装飾図柄90が遮蔽板71の前面側に出現したように見える。
次に、本実施例の遊技機1の裏面構造について図18に基づいて説明する。図18は遊技機1の裏機構盤102の正面図である。
図18に示すように、裏機構盤102は中枠3における遊技盤20の反対面に設けられており、一対のヒンジ103により中枠3に開閉可能に取り付けられている。裏機構盤102の左上方部には、タンク球切れ検知スイッチ104を内側面に備えた賞球タンク105が設けられている。賞球タンク105には、外部の補給装置から供給される払い出し用の遊技球が貯留されている。賞球タンク105の底面は、遊技機1の背面側からみて右下がりに構成されており、賞球タンク105の右側下方には、賞球タンク105と接続したタンクレール106が設けられている。タンクレール106は、裏機構盤102にネジ止めによって組み付けられるもので、賞球タンク105の右下角部から遊技球払出装置109の上方まで傾斜して形成されている。
タンクレール106の右側には、球抜きレバー107が設けられている。球抜きレバー107の下流側には、遊技球払出装置109が設けられている。また、タンクレール106の下流側であって、遊技球払出装置109の上方には、タンクレール106を流下してきた遊技球の進行方向を変えて遊技球払出装置109に誘導するためのケースレール(遊技球誘導通路)108が設けられている。
タンクレール106の左側であって賞球タンク105の下方には、振動モータ110が設けられている。振動モータ110は、裏機構盤102にネジ止めによって組み付けられるもので、タンク球切れ検知スイッチ104にて賞球タンク105内の遊技球がなくなったことが検知された際に、賞球タンク105を振動させ、賞球タンク105内に残留している遊技球を賞球タンク105から完全に排出させるためのものである。
タンクレール106の下方には、前面側に図柄表示装置(図示略)が取り付けられ、背面側に裏ケース111が設けられている。裏ケース111は、一対のヒンジ112により裏機構盤102に開閉可能に取り付けられている。裏ケース111の内部では、遊技制御に必要となる各種制御基板が収納された基板ケースとして、ランプインタフェース基板、主制御基板ケース、サブ制御基板ケース、演出表示制御基板ケースが、それぞれ遊技盤20の裏面に取り付けられている。
裏ケース111の下方には、左側に電源基板ケース116が設けられ、右側に払出制御基板118が設けられている。さらに裏機構盤102の右上方部には、大当たり、発射装置制御、球切れ、扉開放、賞球、貸球用等の遊技機枠用外部接続端子を備えた枠用外部端子基板122が設けられている。
次に、本実施例の遊技機1の電子制御装置について、図19に基づいて説明する。図19は、電子制御装置の概略構成を示すブロック図である。
図19に示すように、電子制御装置は、主制御部(遊技制御部)200と、その主制御部200に接続された副制御部230、260及び280とを含んで構成されている。副制御部は、賞球制御部(払出制御部)230、サブ制御部260及び演出表示制御部280から構成される。主制御部200は主制御基板200aを備え、副制御部230、260及び280は周辺制御基板として払出制御基板230a、サブ制御基板260a及び演出表示制御基板280aをそれぞれ備えている。
主制御部200は、遊技の進行を司るものであり、各副制御部230、260及び280に処理内容を指示する指令信号(コマンドデータ)を送信し、各副制御部230、260及び280は指令信号に基づいて各種制御を行うように構成されている。
例えば、主制御部200から払出制御部230には、賞球払出を指示する賞球指示信号、遊技開始許可を指示する遊技開始許可信号、各種発射制御コマンド等のコマンドが送信される。各種発射制御コマンドには、球送り許可・禁止、発射許可・禁止、遊技開始許可等が含まれている。また、主制御部200からサブ制御部260には、各種ランプ制御コマンド、各種音声制御コマンド、及び各種演出表示制御コマンドが送信される。
各制御部200、230、260及び280には、主電源129と接続された電源受電基板128から電源基板127と電源中継基板121とを介して電源が供給されている。また、電源立上げ時には、システムリセット信号が電源基板127および電源中継基板121を介して各制御部200、230、260及び280に送信される。なお、本実施例の遊技機1は、電源断時に主制御部200及び払出制御部230に作動電圧を供給する図示しないバックアップ電源部(図示略)を備えており、電源断時にも主制御部200及び払出制御部230のRAMデータが保持される。
主制御部200のCPU400は、CPUコア、内蔵RAM(以下、単にRAMともいう)、内蔵ROM(以下、単にROMともいう)等を備えており、ROMに格納された制御プログラムにより、RAMをワークエリアとして遊技機1全体の作動制御(遊技の基本進行制御)を司る。また、主制御部200は、CPU400が主体となって、ROMに格納された当否判定プログラムにより当否判定を行う当否判定手段を構成している。なお、本実施例の主制御部200の制御周期は4msに設定されている。
主制御部200には、盤用外部端子基板201、始動口入球検知スイッチ28s、普通図柄作動ゲート検知スイッチ27s、盤面中継基板210及び遊技枠中継基板220が接続されている。始動口入球検知スイッチ28sは、始動口28に遊技球が入球したことを検知するものである。普通図柄作動ゲート検知スイッチ27sは、普通図柄作動ゲート27を遊技球が通過したことを検知するものである。
次に、盤面中継基板210を図20に基づいて説明する。図20は、盤面中継基板210に接続された各種遊技装置を示すブロック図である。盤面中継基板210は、遊技盤20面に設けられた各種スイッチ等と主制御部200との間で、スイッチ信号等を中継するものである。
図20に示すように、盤面中継基板210には、図柄表示装置駆動基板211、入賞口入球検知スイッチ34s、35s、36s、37s、大入賞口入球検知スイッチ33s、各種ソレノイド28d、33cが接続されている。
図柄表示装置駆動基板211は、普通図柄表示部56および特別図柄表示部62を作動させるものである。入賞口入球検知スイッチ34s、35s、36s、37sは、各入賞口34、35、36、37への遊技球の入球を検知するものである。大入賞口入球検知スイッチ33sは、大入賞口33aに遊技球が入球したことを検知するものである。これらの遊技球検知スイッチは、近接スイッチあるいはフォトセンサ等により構成することができる。各種ソレノイド28d、33cとしては、下始動口としての下側入球口28bを開閉するための始動口ソレノイド28d、大入賞口を開閉するための大入賞口ソレノイド33c等がある。
次に、図19に戻り、払出制御部230について説明する。図19に示すように、払出制御部230には、枠用外部端子基板122、スイッチ中継端子基板231、CR接続基板234、発射制御部250等が接続されている。スイッチ中継端子基板231には、タンク球切れスイッチ232、下皿満タンスイッチ233が接続されている。タンク球切れスイッチ232は、枠用外部端子基板122にも接続されている。
タンク球切れスイッチ232は、賞球タンク105内の遊技球が球切れとなったことを検知するものである。タンク球切れスイッチ232の球切れ信号は、枠用外部端子基板122を介して外部の補給装置に送信され、補給装置から賞球タンク105に遊技球が補給される。下受け皿満タンスイッチ233は、下皿部6の下受け皿が満タン状態になったことを検知するものである。なお、払出制御部230の払出制御基板230aは、主制御基板200aのCPU400と同様の構成を有するCPUを備えている。本実施例の払出制御部230の制御周期は、主制御部200より短い2msに設定されている。
次に、サブ制御部260を図21に基づいて説明する。図21は、サブ制御部260に接続された各種遊技装置を示すブロック図である。サブ制御部260に設けられたサブ制御基板260aには、CPU、ROM、RAM、入出力ポート等を有する演算回路構成要素(図示略)とサウンドジェネレータ(図示略)が設けられており、入出力ポートにおいて主制御部200に接続されている。本実施例のサブ制御260の制御周期は、主制御部200より短い2msに設定されている。
図21に示すように、サブ制御部260には、ランプインタフェース基板261を介して、各種盤面LED基板263、各種遊技枠部LED基板264等が接続されている。ランプインターフェース基板261は、各種ランプ類の駆動回路が設けられており、サブ制御基板260aから独立した別基板として構成されている。盤面LED基板263および遊技枠LED基板264には、遊技効果LED基板等が接続されている。これらのランプ類はゲームの進行に対応して点灯・消灯又は点滅し、遊技効果を高めている。
さらに、サブ制御部260にはアンプ基板265が接続されている。アンプ基板265にはスピーカ266および音量スイッチ基板267が接続されている。スピーカ266からは、遊技の進行に対応して各種サウンド、音声等が出力される。音量スイッチ基板267は、図示しない音量スイッチの操作に従ってスピーカ266の出力音量の設定を行うものである。
また、サブ制御部260には、モード切替スイッチ268および演出スイッチ5dが接続されている。モード切替スイッチ268はディップスイッチとして構成されており、電源投入時に遊技場従業員が操作する。モード切替スイッチ268により、演出図柄表示装置25における背景や出現するキャラクタの変更等を行うことができる。演出スイッチ5dは、遊技者が遊技中に操作することで、演出図柄表示装置25における背景や出現するキャラクタの変更等を行うことを可能とするものである。
次に、演出表示制御部280を図22に基づいて説明する。図22は、演出表示制御部280に接続された各種遊技装置を示すブロック図である。演出表示制御部280に設けられた演出表示制御基板280aには、CPU、RAM、ROM、入出力ポート、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)等を有する演算回路構成要素(図示略)が設けられ、入出力ポートにおいてサブ制御部260に接続されている。
図22に示すように、演出表示制御部280には、演出図柄表示装置25を作動させる演出図柄表示装置駆動基板281が接続されている。演出表示制御部280は、CPUがROMに格納された制御プログラムに従ってRAMをワークエリアとして演出図柄表示装置25の表示制御を行う。演出表示制御部280による演出図柄表示装置25の表示制御は、サブ制御部260からのコマンドに基づいて行われる。また、演出表示制御基板280aのROMには、演出図柄表示装置25で表示される演出用の図柄画像データが格納されている。
次に、本実施例の遊技機1のシャッター装置70を用いたシャッター演出処理について説明する。なお、以下では、シャッター演出処理として、演出図柄表示装置25における演出用図柄(疑似特別図柄)の変動表示の開始からリーチ発生までの予告演出を例に説明する。図23、図24は、サブ制御部260のROMに格納されたプログラムに基づいてサブ制御部260のCPUが実行するシャッター制御処理の一例を示している。図25は、シャッター演出処理が行われている際の演出図柄表示装置25とシャッター装置70の作動を示している。
図23に示すように、まず、主制御部200から演出パターン指定コマンドを受信したか否かを判定する(S100)。演出パターン指定コマンドは、主制御部200により設定された特別図柄の変動パターンを指定するコマンドであり、演出図柄表示装置25における演出表示態様(疑似特別図柄の変動パターンなど)を指定するコマンドでもある。具体的には、特別図柄の変動時間やリーチ演出の有無、更にはシャッター装置70を用いた演出(シャッター全開演出、シャッター全閉演出、シャッター部分開閉演出)に関する情報を含んでいる。主制御部200は、本図柄の変動表示開始時に、特別図柄当否判定の結果に基づいて特別図柄の変動パターンを決定し、これに対応する演出パターン指定コマンドの選択を行う。主制御部200のROM等の記憶手段には、特別図柄の変動パターンが複数記憶されるとともに、それら変動パターンに対応する演出パターンを指定するための複数の演出パターン指定コマンドが記憶されており、この記憶されたコマンドの中から一のコマンドが選択される。主制御部200にて一の演出パターン指定コマンドが選択されると、その選択されたコマンドが主制御部200からサブ制御部260に対して出力される。サブ制御部260は、受信した演出パターン指定コマンドからシャッター装置70を用いた演出を行うか否かを判断することができる。
S100の判定処理の結果、演出パターン指定コマンドを受信してないと判定された場合には(S100:NO)、そのままシャッター制御処理を終了する。一方、演出パターン指定コマンドを受信したと判定された場合には(S100:YES)、タイマをセットする(S101)。このタイマは、サブ制御部260のCPUにより実行される制御プログラムによって構成されるもので、後述する全閉状態検出処理S206を行う際に用いられる。タイマは、モータ88の停止後に作動開始(計時を開始)し、所定時間(例えば0.5秒)作動するように設定される。本実施例では、サブ制御部260の制御周期が2msであるので、250回カウントすることで、タイマを0.5秒作動させることができる。つまり、S101の処理では、モータ88の停止後に計測する時間(カウント数)がセットされる。
次に、シャッター原点エラーが発生しているか否かを判定する(S102)。シャッター原点エラーは、遮蔽板71が上限位置に移動して全開状態(図3(b)、図10参照)となっていない場合に発生するエラーである。シャッター原点エラーが発生しているかどうかは、後述のS107で設定されるシャッター原点エラーフラグにより判定することができる。
この結果、シャッター原点エラーが発生していないと判定された場合には(S102:NO)、モータ88の回転軸が原点位置にあるか否か、換言すると、すべての遮蔽板71が上限位置にあること(全開状態であること)を、第1センサ78が検知しているか否かを判定する(S103)。
また、シャッター原点エラーが発生していると判定された場合には(S102:YES)、シャッター装置70を用いたシャッター演出を行うか否かを判定する(S104)。この結果、シャッター演出を行わないと判定された場合には(S104:NO)、そのままシャッター制御処理を終了する。一方、シャッター演出を行うと判定された場合には(S104:YES)、モータ88が原点位置にあるか否か、換言すると、すべての遮蔽板71が上限位置にあること(全開状態であること)を、第1センサ78が検知しているか否かを判定する(S103)。
S103の判定処理の結果、モータ88が原点位置にない、すなわち、すべての遮蔽板71が上限位置にあること(全開状態であること)を、第1センサ78が検知していないと判定された場合には(S103:NO)、モータ88を原点位置に復帰させ、すべての遮蔽板71を上方に移動させて全開状態とする原点復帰処理を行う(S105)。ここで、S102の処理でシャッター原点エラーが発生していないと判定されたにもかかわらず(S102:NO)、モータ88が原点位置にないと判定(S103:NO)される要因としては、次のようなことが挙げられる。すなわち、前回の特別図柄の変動時において、演出図柄表示装置25の表示領域を全閉状態とするシャッター装置70を用いた演出が行われ、今回の演出パターン指定コマンド受信時(S100)に、すべての遮蔽板71が上限位置に戻っていない場合(遮蔽板71の復帰処理中)に、シャッター原点エラーが発生しておらず(S102:NO)、かつモータ88が原点位置にない状態(S103:NO)となる。
次に、第1センサ78によりモータ88が原点に復帰したか否かを判定する(S106)。この結果、原点復帰処理(S105)を実行したにもかかわらず、モータ88が原点に復帰していないと判定された場合には(S106:NO)、シャッター原点エラーフラグを設定し、シャッター原点エラーを発生させ(S107)、モータ88の作動を停止させ(S108)、そのままシャッター制御処理を終了する。
S103の判定処理で、モータ88が原点位置にあると判定された場合(S103:YES)、およびS106の判定処理で、モータ88が原点に復帰したと判定された場合には(S106:YES)、シャッター演出を行うか否かを判定する(S109)。この結果、シャッター演出を行わないと判定された場合には(S109:NO)、そのままシャッター制御処理を終了する。
一方、シャッター演出を行うと判定された場合には(S109:YES)、シャッター演出処理を開始する(S200)。ここで、シャッター演出処理S200を図24と図25を用いて説明する。
シャッター演出処理S200の開始時には、演出図柄表示装置25の表示領域は遮蔽板71で覆われていない全開状態となっている(図25(a))。このとき、演出図柄表示装置25の表示領域(左・中・右図柄表示領域)では、演出用図柄(疑似特別図柄)の変動表示が既に開始されているものとする。この状態でモータ88の作動を開始させることで(S201)、遮蔽板71が下降し、演出図柄表示装置25の表示領域が遮蔽板71で覆われていく(図25(b)、図25(c))。
そして、遮蔽板71が下限位置に移動するまで(全開状態から全閉状態に移行するまで)、演出図柄表示装置25の表示領域で、遮蔽板下降時の画面表示を行う(S202)。遮蔽板下降時の演出表示は、演出図柄表示装置25の表示領域のうち遮蔽板71で覆われていない部分では演出用図柄の変動表示を継続し、遮蔽板71で覆われている部分の表示色を無地の黒色(第1の表示色)にすることで行われる。演出図柄表示装置25の表示領域では、遮蔽板71の下降に伴って黒色表示も下降し、黒色表示の割合が増加するとともに、演出用図柄の変動表示の割合が減少していく。これにより、遊技者は、演出図柄表示装置25の表示領域が徐々に遮蔽板71で覆われていくとともに、遮蔽板71で覆われていない部分では、演出用図柄の変動表示が継続して行われていると認識することができる。このとき、演出図柄表示装置25の表示領域のうち遮蔽板71で覆われている部分は黒色表示されているので、遮蔽板71の裏面に向けて光が照射されず、装飾図柄90を光が透過することはない。このため、装飾図柄90の色(青色)が変化することなく、遊技者は装飾図柄90を視認することはできない。
そして、遮蔽板71が下限位置まで移動した後で、モータ88の作動を停止させる(S203)。本実施例のモータ88は、回転数(ステップ数)により作動が制御され、モータ88の回転数(ステップ数)が所定数に達した場合にモータ88を作動停止させるように構成されている。これにより、遮蔽板71の下降が停止し、演出図柄表示装置25の表示領域全体が遮蔽板71で覆われた全閉状態となる(図25(d))。
次に、シャッター部分開閉演出を行うか否かを判定する(S204)。この結果、シャッター部分開閉演出を行わないと判定された場合には(S204:NO)、S212の処理に移行する。一方、シャッター部分開閉演出を行うと判定された場合には(S204:YES)、上述のS101の処理(図23参照)でセットされたタイマを作動開始させ(S205)、第2センサ(下限センサ)79がONであるか否か、すなわち遮蔽板71が全閉状態であるか否かを判定する(S206)。S205の処理でタイマの作動が開始されることにより、S101の処理でセットされたカウント数の減算が開始される。本実施例では、S101の処理でカウント数として「250」がセットされ、この「250」を0.2ms周期で1減算していく。したがって、このカウント数が「0(ゼロ)」になることで、0.5秒の計時が行われたこととなる。
この結果、第2センサ(下限センサ)79がONでない、すなわち遮蔽板71が全閉状態になっていないと判定された場合には(S206:NO)、タイマの残り時間(カウント数)がゼロより大きいか否かを判定する(S207)。この結果、タイマの残り時間(カウント数)がゼロより大きいと判定された場合には(S207:YES)、S205の処理に戻り、タイマの設定時間(本実施例では0.5秒)に基づく計時が終了するまで、第2センサ(下限センサ)79による全閉状態の検出処理S206を行う。このようにタイマを用い、モータ88が停止してから所定時間経過するまで全閉状態の検出を行うのは、モータ88が停止してからすべての遮蔽板71が全閉位置に移動するまでに若干のタイムラグがあるためである。
そして、S206の処理で第2センサ(下限センサ)79がONでない、すなわち遮蔽板71が全閉状態になっていないと判定され続けた状態(S206:NO)でタイマの残り時間(カウント数)がゼロになったと判定された場合(S207:NO)、すなわちモータ88が停止してから所定時間内に遮蔽板71の全閉状態が検出されなかった場合には、何らかの理由により遮蔽板71が全閉状態になっておらず、重なり合っている遮蔽板71が存在することが考えられる。このように遮蔽板71が整列していない状態で、シャッター部分開閉演出を行うとシャッター装置70が故障する可能性がある。このため、タイマ設定時間内に遮蔽板71の全閉状態が検出されなかった場合には(S207:NO)、S208〜S221のシャッター部分開閉演出を行わず、S212の処理に移行する。このように、サブ制御基板220のCPUが実行するS206とS207の処理が本発明の部分開閉キャンセル手段に相当している。
一方、S206の判定処理で、第2センサ(下限センサ)79がONであると判定された場合には(S206:YES)、ソレノイド80をオン状態にして遮蔽板71を開放させる(S208)。そして、シャッター部分開閉演出が終了するまで、演出図柄表示装置25の表示領域における開放した遮蔽板71に対応する部位で、遮蔽板開放時の演出表示を行う(S209、S210)。これにより、演出図柄表示装置25の表示領域における遮蔽板71が開放した部位が、遊技者から視認可能となる(図25(e))。本実施例では、演出図柄表示装置25の表示領域には「ABC」なるアルファベット文字の演出用図柄を表示しているが、これに限らず、遮蔽板開閉時専用の演出用図柄を表示してもよい。なお、本実施例では、6枚の遮蔽板71のうち中央に位置する2枚の遮蔽板71を部分的に開閉しているが、演出態様に応じて任意の1枚以上の遮蔽板71を開閉させればよい。また、本実施例では遮蔽板71を開放状態のまま維持しているが、遮蔽板71の開放と閉鎖を短時間で繰り返し行ってもよい。
そして、シャッター部分開閉演出の終了(S210:YES)により、ソレノイド80をオフ状態にして遮蔽板71を閉鎖させる(S211)。これにより、演出図柄表示装置25の表示領域全体が遮蔽板71で覆われた全閉状態となる(図25(d))。
次に、装飾図柄90を用いた装飾図柄演出を行うか否かを判定する(S212)。この結果、装飾図柄演出を行わないと判定された場合には(S212:NO)、S214の処理に移行する。
一方、装飾図柄演出を行うと判定された場合には(S212:YES)、演出図柄表示装置25の表示領域の表示色を無地の白色(第2の表示色)にする(S213)。これにより、演出図柄表示装置25の光源から発せられる光は演出図柄表示装置25の表示領域を介して遮蔽板71に照射され、装飾図柄90を透過する。このため、稲妻模様の装飾図柄90が遮蔽板71上に青白い色となって現れ、装飾図柄90が視認可能となる(図25(f))。そして、装飾図柄演出の終了により、演出図柄表示装置25の表示領域の表示色を無地の黒色(第1の表示色)にする(S214、S215)。これにより、遮蔽板71から装飾図柄90の表示が消失する(図25(d))。
次に、シャッター演出処理を終了させる場合には、モータ88の作動を開始させる(S216、S217)。これにより、遮蔽板71が上昇し、遮蔽板71で覆われていた演出図柄表示装置25の表示領域が徐々に視認可能となる(図25(g)、図25(h))。そして、遮蔽板71が上限位置に移動するまで(全閉状態から全開状態に移行するまで)、演出図柄表示装置25の表示領域で、遮蔽板上昇時の演出表示を行う(S218)。遮蔽板上昇時の演出表示は、演出図柄表示装置25の表示領域のうち遮蔽板71で覆われている部分における黒色表示を継続し、遮蔽板71で覆われていない部分で演出用図柄を変動表示することにより行われる。演出図柄表示装置25の表示領域では、遮蔽板71の上昇に伴って黒色表示も上昇し、黒色表示の割合が減少するとともに、演出用図柄の表示の割合が増加していく。このとき、演出図柄表示装置25の表示領域のうち遮蔽板71で覆われている部分は黒色表示されているので、遮蔽板71の裏面に向けて光が照射されず、装飾図柄90を光が透過することはない。このため、装飾図柄90の色(青色)が変化することなく、遊技者は装飾図柄90を視認することはできない。なお、図25(g)は、遮蔽板71が上昇して行く過程で、演出図柄表示装置25の表示領域の半分以上が未だ遮蔽板71により覆われ、表示領域下部で演出用図柄の変動表示が視認可能とされた状態を示している。また、図25(h)は、図25(g)の状態よりも更に遮蔽板71が上昇し、視認可能となった演出図柄表示装置25の左図柄表示領域において演出用図柄「7」が停止表示され、残りの演出用図柄(中図柄表示領域および右図柄表示領域に表示される演出用図柄)が変動表示している状態を示している。
そして、遮蔽板71が上限位置まで移動したときに、すなわちモータ88の回転数(ステップ数)が所定数に達したときに、モータ88の作動を停止させる(S219)。これにより、遮蔽板71の上昇が停止し、演出図柄表示装置25の表示領域全体が遮蔽板71で覆われていない全開状態となる(図25(i))。このとき、演出図柄表示装置25の表示態様は、左図柄表示領域および右図柄表示領域に各々同一の演出用図柄「7」が停止表示され、中図柄表示領域にて演出用図柄が変動表示しているリーチ状態となり、この後、リーチ演出表示が行われる。
次に、第1センサ78によりモータ88が原点に復帰したか否かを判定する(S220)。この結果、モータ88が原点に復帰していないと判定された場合には(S220:NO)、シャッター原点エラーフラグを設定し、シャッター原点エラーを発生させ(S221)、シャッター演出処理を終了させる。
このように、演出用図柄(疑似特別図柄)の変動開始時からリーチ演出表示が開始されるまでの間にシャッター装置70を用いた予告演出を行うことで、シャッター装置70を用いない予告演出に比べて遊技者の大当り対する期待感を一層高揚させることができ、遊技興趣を一層高めることができる。また、シャッター装置70の動作態様として、主制御部200から送信される演出パターン指定コマンドに対応する様々な動作態様を予め設定しておくことで、シャッター装置70を用いたシャッター演出を多彩にすることができる。
なお、本実施例では、シャッター装置70を用いたシャッター演出処理として、演出図柄表示装置25における演出用図柄(疑似特別図柄)の変動表示開始に伴って行われる予告演出を例に説明したが、このシャッター演出処理は、予告演出以外の様々な演出にも適用できる。例えば、遊技者による遊技が行われていない場合のデモ演出、演出用図柄(疑似特別図柄)がリーチ状態となってから行われるリーチ演出、特別遊技状態(大当り)の開始時に行われる大当りファンファーレ演出、特別遊技状態におけるラウンド遊技中に行われる大当りラウンド演出、一のラウンド終了時から次のラウンド開始までの間に行われる大当りラウンド間演出、特別遊技状態(大当り)の終了時に行われる大当りエンディング演出等に適用できる。
以上説明したように、全開状態のときには演出図柄表示装置25で演出用図柄の表示を行い、全開状態から全閉状態に移行する際には演出図柄表示装置25で遮蔽板71の下降に連動させた演出表示を行い、全閉状態には装飾図柄を用いた演出表示を行うことで、全開状態から全閉状態に至るまで、遮蔽板71の動きと演出図柄表示装置25の表示とを連動させた演出制御を行うことができる。これにより、従来にない画像と可動物とを融合した演出を行うことができ、多彩な演出態様を実現することができる。さらに、全閉状態から全開状態に移行する際には、演出図柄表示装置25で遮蔽板71の上昇に連動させた演出表示を行うことで、シャッター装置70の動きと演出図柄表示装置25の表示を連動させた演出から、演出図柄表示装置25の演出表示のみを用いた演出に円滑に移行することができる。
また、全閉状態において、遮蔽板71を開閉させ、演出図柄表示装置25における開放した遮蔽板71に対応する部位で演出表示を行うことで、遮蔽板71の複雑な動きと演出図柄表示装置25の表示とを連動させた演出制御を行うことができ、より多彩な演出態様を実現することができる。さらに、一部の遮蔽板71を開放状態とし他の遮蔽板71を閉鎖状態とする部分開閉演出を行うことで、演出図柄表示装置25の表示領域で行われる演出表示を、遊技者に対して部分的に視認可能とするといった斬新な演出が可能となる。
また、全開状態のときには演出図柄表示装置25で演出用図柄の表示を行い、全開状態から全閉状態に移行する際には演出図柄表示装置25で遮蔽板71の下降に連動させた演出表示を行い、全閉状態には装飾図柄を用いた演出表示を行うことで、全開状態から全閉状態に至るまで、遮蔽板71の動きと演出図柄表示装置25の表示とを連動させた演出制御を行うことができる。これにより、従来にない画像と可動物とを融合した演出を行うことができ、多彩な演出態様を実現することができる。さらに、全閉状態から全開状態に移行する際には、演出図柄表示装置25で遮蔽板71の上昇に連動させた演出表示を行うことで、シャッター装置70の動きと演出図柄表示装置25の表示を連動させた演出から、演出図柄表示装置25の演出表示のみを用いた演出に円滑に移行することができる。
また、上述のように、本実施例の遊技機1では、遮蔽板71を用いた多彩な演出を実現することができる反面、遮蔽板71の動作の不具合が発生する可能性があり得る。具体的には、遮蔽板71が全閉状態となった場合にすべての遮蔽板71が演出図柄表示装置25の前面側で整列した状態となるので、遮蔽板71が全閉状態になっていない場合には、隣り合う遮蔽板71が重なっている可能性がある。このため、遮蔽板71が全閉状態になっていない場合に、一部の遮蔽板71を他の遮蔽板71から独立して開閉させる部分開閉演出を行うと、隣り合う遮蔽板71が干渉して遮蔽板71の開閉動作を妨げ、遮蔽板71が正常に作動しないおそれがある。このため、本実施例の遊技機1のように、遮蔽板71の全閉状態が検出できない場合に、一部の遮蔽板71を他の遮蔽板71から独立して開閉させる部分開閉演出を行わないようにすることで、シャッター装置70の動作精度を向上させるとともに、遮蔽板の開閉機構(シャッター装置の駆動機構)の破損を防ぐことが可能となり、延いては遊技機全体としての品質向上を図ることができる。
(第2実施例)
次に、本発明の第2実施例について説明する。本第2実施例は、上記第1実施例に比較して、シャッター装置70における複数の遮蔽板71を移動させる遮蔽板移動手段および複数の遮蔽板71を個別に開閉させる部分開閉手段が異なっている。以下、上記第1実施例と異なる部分についてのみ説明する。
図26は、本第2実施例のシャッター装置70の内部構成を示す斜視図である。図26は、シャッター装置70が演出図柄表示装置25の前面側を遮蔽し、演出図柄表示装置25の表示領域が不可視状態となっている状態を示している。なお、図26では図示を省略しているが、シャッター装置70の前面側において遮蔽板71全体の周囲を覆うように無色透明のカバー部材が設けられている。
本第2実施例のシャッター装置では、遮蔽板71の両外側に、複数の遮蔽板71の配列方向(図26における上下方向)に延びるガイド軸72が設けられている。ガイド軸72には、各遮蔽板71に対応して遮蔽板ガイド73がスライド可能に設けられている。遮蔽板ガイド73には、連結アーム74を介して遮蔽板71の端部が接続されている。各遮蔽板71に接続された連結アーム74は、隣り合う遮蔽板71に接続された連結アーム74と互いに連結されている。ガイド軸72の下端には、スライド部材75が設けられている。スライド部材75にはガイド軸72が貫通しており、スライド部材75は、ガイド軸72に沿ってスライド可能になっている。スライド部材75は、ガイド軸72に沿って上下スライドすることで、連結アーム74を介して遮蔽板71を上方または下方に移動させる。
遮蔽板71の両外側には、スライド部材75をガイド軸72に沿って移動させるためのリードスクリュー76が設けられている。リードスクリュー76はスライド部材75を貫通するように設けられており、スライド部材75はリードスクリュー76に沿って上下方向に移動可能となっている。リードスクリュー76は外周面に螺旋状の凹凸が形成された雄ネジとなっており、スライド部材75は貫通部の内周面にリードスクリュー76の外周面の凹凸に噛み合う溝が形成された雌ネジとなっている。
各リードスクリュー76の下部には駆動手段としてのモータ77が設けられており、リードスクリュー76はモータ77により回転駆動される。2本のリードスクリュー76に設けられた各モータ77は、それぞれ同期回転するように構成されている。本第2実施例では、すべての遮蔽板71を移動させるスライド部材75と、スライド部材75を移動させる移動手段としてのリードスクリュー76と、リードスクリュー46を駆動する駆動手段としてのモータ77が、本発明における遮蔽板移動手段に相当している。
第1センサ78はガイド軸72の上端付近に設けられ、第2センサ79はガイド軸72の下端付近に設けられている。第1センサ78は、スライド部材75がガイド軸72に沿って移動する範囲における上限位置に設けられ、スライド部材75が可動範囲の上限にきたことを検知する。第2センサ79は、スライド部材75がガイド軸72に沿って移動する範囲における下限位置に設けられ、スライド部材75が可動範囲の下限にきたことを検知する。
次に、本第2実施例のシャッター装置70の遮蔽板71の移動について説明する。図27はシャッター装置20の斜視図である。図27は、すべての遮蔽板71が上方に移動してシャッター装置70が全開状態となり、演出図柄表示装置25が可視状態となっている場合を示している。
モータ77によりリードスクリュー76が回転駆動されることで、スライド部材75がリードスクリュー76に沿って上下方向に移動する。この結果、全閉状態においてモータ77を回転させることで、スライド部材75がガイド軸72に沿って上方に移動し、連結アーム74を押し上げる。連結アーム74はスライド部材75で押し上げられる過程で折り畳まれ、連結アーム74に接続されたすべての遮蔽板71が重なり合った状態で上方に移動する。これにより、すべての遮蔽板71が演出図柄表示装置25の表示領域より上方に移動し、図27に示すように演出図柄表示装置25の画面の前面側には遮蔽板71が存在しない状態(全開状態)となる。
また、全開状態においてモータ77を逆回転させることで、スライド部材75が下方に移動し、最下部の遮蔽板71がスライド部材75により下方に引っ張られることで、すべての遮蔽板71が下方に移動する。このとき、折り畳まれた連結アーム74が伸びていき、重なり合った遮蔽板71が演出図柄表示装置25の前面側で一枚ずつ展開する。これにより、すべての遮蔽板71が演出図柄表示装置25の前面側に移動し、演出図柄表示装置25の画面の前面側が遮蔽板71で覆われた状態(全閉状態)となる。
次に、本第2実施例におけるシャッター装置70の遮蔽板71を個別に開閉させる開閉機構について説明する。図28は、全開状態においてすべての遮蔽板71が開放し、演出図柄表示装置25の表示領域が可視状態となっている状態を示す斜視図であり、図29は、遮蔽板71の開閉機構を説明するための説明図である。
図29に示すように、6枚の遮蔽板71の各々の一側辺(一短辺)には、遮蔽板71の回転中心となる回転軸71aと、外力を受けて遮蔽板71を作動させるための作用軸71bが設けられている。回転軸71aは、遮蔽板71の側辺における中央位置から少しずれて設けられており、遮蔽板71に外力が加わっていない場合では、遮蔽板71が自重により垂直状態になる。なお、回転軸71aおよび作用軸71bはソレノイドアーム81の数に対応して設けられるが、図29では説明が煩雑になるのを避けるために、6枚の遮蔽板71のうち最上部の遮蔽板71に設けられた回転軸71aおよび作用軸71bを図示し、残りの5枚の遮蔽板71に対して設けられた回転軸71aおよび作用軸71bの図示を省略している。
作用軸71bは、遮蔽板71の一側辺における端部に設けられている。作用軸71bの上方には、ソレノイドアーム81の先端が位置している。ソレノイドアーム81の他端側はソレノイドスライダ82に接続されている。上下に並んだ2つのソレノイドアーム81の他端側が同一のソレノイドスライダ82に接続される。ソレノイドスライダ82はソレノイド80の可動鉄心と接続されている。ソレノイド80のオンオフを切り替えることで、ソレノイドスライダ82が上下方向に移動し、2つのソレノイドアーム81の先端が上下方向に移動する。
ソレノイド80が通電されていないオフ状態のときには、ソレノイドアーム81の先端が遮蔽板71の作用軸71bの上方に位置しており、遮蔽板71は閉鎖状態となる(図26参照)。このとき、遊技機1の前方側から演出図柄表示装置25の表示領域を見ることができない不可視状態となる。
そして、ソレノイド80に通電されオン状態となったときには、ソレノイドアーム81の先端が遮蔽板71の作用軸71bを下方に押し下げる(図29の破線で表したソレノイドアーム81を参照)。これにより、遮蔽板71は回転軸71aを中心に回転して垂直状態から水平状態となり、遮蔽板71が開放状態となる(図28参照)。このとき、遊技機1の前方側から演出図柄表示装置25の表示領域を見ることができる可視状態となる。なお、本第2実施例では、回転軸71a、作用軸71b、ソレノイド80、ソレノイドアーム81およびソレノイドスライダ82が、本発明の部分開閉手段に相当している。
以上のシャッター装置70の構成によっても、上記第1実施例と同様の効果を得ることができる。さらに、本実施例では、ソレノイド80が複数(本例では6枚)の遮蔽板71を複数(本例では3つ)のグループに分けた各グループに対応して設けられており、各ソレノイド80は一のグループに含まれる遮蔽板71を他のグループに含まれる遮蔽板71とは独立して開閉するように構成されている。具体的には、6枚の遮蔽板71に対して3個のソレノイド80と6個のソレノイドアーム81が設けられている。つまり、1個のソレノイド80で2個のソレノイドアーム81を作動させ、2枚の遮蔽板71を同時に開閉するように構成されている。これにより、複数の遮蔽板71のうち一部の遮蔽板71を他の遮蔽板71と独立して開閉させることができる。
(第3実施例)
次に、本発明の第3実施例について説明する。本第3実施例は、上記各実施例と比較して、シャッター装置70における遮蔽板71を移動させる遮蔽板移動手段が異なっている。以下、上記各実施例と同様の部分については説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
図30は、本第3実施例のシャッター装置70の斜視図であり、上記第2実施例の図26に対応している。遮蔽板71を部分的に開閉させる機構(ソレノイド80、ソレノイドアーム81など)は上記第2実施例と同様であるので、図示および説明を省略する。
図30に示すように、本第3実施例のシャッター装置70では、遮蔽板71を移動させる移動手段としてラック91が設けられている。スライド部材75には、ラック91と噛み合うピニオン92が設けられ、さらにピニオン92を回転させるための駆動手段としてのモータ(図示せず)が内蔵されている。なお、すべての遮蔽板71を移動させるスライド部材75と、スライド部材75を移動させる移動手段としてのラック91およびピニオン92と、ピニオン92を駆動する駆動手段としてのモータ(図示せず)が、本発明における遮蔽板71を移動させる遮蔽板移動手段に相当している。
スライド部材75のモータを回転させることでピニオン92が回転し、スライド部材75はラック91に沿って上下方向に移動可能となっている。この結果、全閉状態においてモータ(図示せず)を回転させることで、スライド部材75がガイド軸72に沿って上方に移動し、連結アーム74が押し上げられ、連結アーム74に接続されたすべての遮蔽板71が重なり合った状態で上方に移動する。これにより、すべての遮蔽板71が演出図柄表示装置25の表示領域より上方に移動し、演出図柄表示装置25の表示領域の前面側には遮蔽板71が存在しない状態となる。
また、全開状態においてスライド部材75のモータを逆回転させることでピニオン92が逆回転し、スライド部材75がラック91に沿って下方に移動し、最下部の遮蔽板71がスライド部材75により下方に引っ張られることで、すべての遮蔽板71が下方に移動する。このとき、折り畳まれた連結アーム74が伸びていき、重なり合った遮蔽板71が演出図柄表示装置25の前面側で一枚ずつ展開する。これにより、すべての遮蔽板71が演出図柄表示装置25の前面側に移動し、演出図柄表示装置25の表示領域の前面側が遮蔽板71で覆われた状態となる。
以上の第3実施例の構成によっても、上記各実施例と同様の効果を得ることができる。また、遮蔽板移動手段をラック91とピニオン92から構成することで、遮蔽板71の上下移動を速くすることができる。
(第4実施例)
次に、本発明の第4実施例について説明する。本第4実施例は、上記各実施例と比較して、シャッター装置70における遮蔽板71を部分的に開閉させる部分開閉手段が異なっている。以下、上記各実施例と同様の部分については説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
図31は、シャッター装置70において、遮蔽板71と遮蔽板71を個別に開閉させる開閉機構80、81のみを示している。図31に示すように、遮蔽板71の両外側には、部分開閉手段として、複数の遮蔽板71を個別に開閉させるためのソレノイド80とソレノイドアーム81が設けられている。本実施例では、ソレノイド80が各遮蔽板71に対して1つずつ設けられている。このように、ソレノイド80とソレノイドアーム81を、各遮蔽板71のそれぞれに対して1つずつ設けることで、各遮蔽板71を他の遮蔽板71から独立して開閉することが可能となっている。
本実施例では、ソレノイド80とソレノイドアーム81が遮蔽板71の一端側と他端側にそれぞれ3組ずつ配置されている。図31において右側に配置されたソレノイド80とソレノイドアーム81は、上から1段目、3段目、5段目の遮蔽板71に対応して設けられている。図31において左側に配置されたソレノイド80とソレノイドアーム81が上から2段目、4段目、6段目の遮蔽板71に対応して設けられている。
図32は、ソレノイド80とソレノイドアーム81による遮蔽板71の開閉を説明するための正面図であり、図32(a)は遮蔽板71が閉鎖している状態を示し、図32(b)は遮蔽板71が開放している状態を示している。
ソレノイド80が通電されていないオフ状態のときには、図32(a)に示すように、ソレノイドアーム81の先端が遮蔽板71の作用軸71bの上方に位置しており、遮蔽板71は閉鎖状態となる。このとき、遊技者が演出図柄表示装置25の表示領域を見ることができない不可視状態となる。
そして、通電によりソレノイド80がオン状態となり、図32(b)に示すように、ソレノイドアーム81の先端が遮蔽板71の作用軸71bを下方に押し下げる。これにより、遮蔽板71は回転軸71aを中心に回転して垂直状態から水平状態となり、遮蔽板71が開放状態となる。このとき、演出図柄表示装置25の表示領域を見ることができる可視状態となる。
以上の第4実施例の構成によれば、複数の遮蔽板71をそれぞれ独立して開閉することができるので、遮蔽板71でより複雑な動作をさせることができる。
(他の実施形態)
なお、上記各実施例では、本発明をパチンコ遊技機に適用した例について説明したが、本発明は図柄表示装置を備える遊技機であれば適用可能であり、いわゆる羽根物や権利物と称される遊技機や組合せ式遊技機等の弾球遊技機、さらには図33に示すような回胴式遊技機(スロットマシン)300にも適用可能である。図33に示す回胴式遊技機300には、外周面に複数種類の図柄が描かれたリールが回転するリール装置301、コインが投入されるメダル投入口302、リールを回転開始させる操作装置303、リールを回転停止させる停止ボタン304等が設けられている。リール装置301の上方には、遊技の進行に応じた種々の演出表示(ボーナス役や小役など所定の役に当選したか否かをキャラクタや図柄などを用いて演出表示する遊技補助演出表示、ボーナス役の当選を遊技者に報知するボーナス告知演出表示、ボーナス遊技の進行状況を遊技者に報知するボーナス遊技演出表示など)を行う可変表示装置305が設けられており、上記各実施例と同様の構成を有するシャッター装置306が可変表示装置305の前面側に設けられている。
また、上記各実施例では、遮蔽板71を垂直状態から水平状態まで90°回転させるように構成したが、遮蔽板71を回転させる角度は任意に設定できる。例えば、遮蔽板71を180°回転させ、表面と裏面を反転させるようにしてもよい。
また、上記各実施例では、複数の遮蔽板71を水平方向に並列配置したが、遮蔽板71の配置方向は水平以外でもよい。例えば複数の遮蔽板71を垂直方向に並列配置してもよい。
また、上記各実施例では、シャッター装置70が複数の遮蔽板71を備えるように構成したが、遮蔽板71は演出図柄表示装置25の前面側を遮蔽できればよく、遮蔽板71の枚数は1枚でも複数枚でもよい。
1…遊技機、70…シャッター装置、71…遮蔽板、72…ガイド軸、73…遮蔽板ガイド、74…連結アーム(遮蔽板移動手段)、75…スライド部材(遮蔽板移動手段)、76…リードスクリュー(遮蔽板移動手段)、77…モータ(駆動手段、遮蔽板移動手段)、78…第1センサ、79…第2センサ(全閉検出手段)、80…ソレノイド(部分開閉手段)、81…ソレノイドアーム(部分開閉手段)、83…ベルト(遮蔽板移動手段)、84,85…プーリ(遮蔽板移動手段)、86…連結軸、88…モータ(駆動手段、遮蔽板移動手段)、89…ブラケット(部分開閉手段)、90…装飾図柄(透光性図柄)、91…ラック(遮蔽板移動手段)、92…ピニオン(遮蔽板移動手段)、200…主制御部(当否判定手段、特別遊技状態発生手段)、230…払出制御部、250…発射制御部、260…サブ制御部(部分開閉キャンセル手段)、280…演出表示制御部。