以下に、本発明にかかるパチンコ遊技機の第一実施例を、図1〜図11に基づいて説明する。
図1に示すように、パチンコ遊技機の遊技盤1には、その遊技盤面2に略円形の誘導レール3で囲繞された遊技領域4が設けられており、該遊技領域4の略中央に「仏像」をデザイン化して形成されたセンターケース5が配設されている。このセンターケース5の下部には、ドットマトリックス表示器からなる特別図柄表示装置6が組み付けられており、該特別図柄表示装置6の表示画面7には、三つの特別図柄A,B,Cが変動表示される。尚、前記特別図柄表示装置6としては、液晶表示器、CRT表示器等を用いることも可能である。
特別図柄表示装置6の右側部には、4個のパイロットランプを備えた第一の特別図柄始動記憶数表示装置8aが配設されている。この第一の特別図柄始動記憶数表示装置8aは、後述する主制御基板60(図9参照)の記憶装置RAMの一部領域に記憶された第一の特別図柄始動記憶数をパイロットランプの点灯数によって表示する。また、特別図柄表示装置6の左側部には、4個のパイロットランプを備えた第二の特別図柄始動記憶数表示装置8bが配設されている。この第二の特別図柄始動記憶数表示装置8bは、後述する主制御基板60(図9参照)の記憶装置RAMの一部領域に記憶された第二の特別図柄始動記憶数をパイロットランプの点灯数によって表示する。
一方、遊技領域4には、センターケース5の左側稍下方に位置させて三個の発光ダイオードを備えた普通図柄表示装置9が配設されている。この三個の発光ダイオードは、後述する普通図柄始動ゲート12が具備する普通図柄始動スイッチS3 (図9参照)から遊技球検知信号が発生すると点滅し、所定時間経過後に停止して種々の組合せの点灯態様を表示する。この三個の発光ダイオードの点灯態様によって普通図柄が構成されている。そして、この普通図柄が所定の当り図柄態様の場合には、後述する普通電動役物13が開放される。また、普通図柄表示装置9の側傍には、四個の発光ダイオードを備えた普通図柄始動記憶数表示装置11が設けられており、後述する普通図柄始動スイッチS3 (図9参照)からの遊技球検知信号が、主制御基板60(図9参照)の記憶装置RAMの一部領域に記憶された場合に、その記憶数を発光ダイオードの点灯数によって表示する。
また、遊技領域4には、センターケース5の右側方に位置させて、普通図柄始動ゲート(普通図柄始動領域)12が配設されており、遊技球の通過により、該普通図柄始動ゲート12が具備する普通図柄始動スイッチS3 (図9参照)から遊技球検出信号が発生すると、前記普通図柄表示装置9の発光ダイオードの点滅による普通図柄の変動が開始され、所定時間経過後に停止して種々の組み合わせの点灯態様が表示されることとなる。また、普通図柄の変動中にあっては、普通図柄始動スイッチS3 からの遊技球検知信号数が普通図柄始動記憶数として主制御基板60(図9参照)の記憶装置RAMの一部領域に記憶され、当該変動が終了すると、その普通図柄始動記憶数に基づいて普通図柄の変動が再び開始される。
また、遊技領域4には、センターケース5の右側稍下方に位置させて、内部を第一の特別図柄始動領域14とするとともに、可動翼片15,15により入賞口を兼ねた入り口の開口度を変化させるようにした普通電動役物13が配設されている。そして前記普通図柄表示装置9の図柄表示結果が所定の当り図柄態様の場合には、普通電動役物ソレノイド56(図9参照)を駆動源として可動翼片15,15が所定時間(例えば約 0.2秒間)拡開されて、第一の特別図柄始動領域14に遊技球が入り易い状態となる。この第一の特別図柄始動領域14は特別図柄始動スイッチS1 (図9参照)を備えており、該特別図柄始動スイッチS1 による遊技球の入賞検知に伴って、前記特別図柄表示装置6の表示画面7に特別図柄A,B,Cを変動表示する図柄生成行程が実行されることとなる。また、特別図柄A,B,Cの変動中にあっては、特別図柄始動スイッチS1 からの遊技球検知信号数が第一の特別図柄始動記憶数として主制御基板60(図9参照)の記憶装置RAMの一部領域に記憶され、当該変動が終了すると、その第一の特別図柄始動記憶数に基づいて特別図柄A,B,Cの変動が再び開始される。
また、遊技領域4には、センターケース5の直下に位置させて、内部を第二の特別図柄始動領域16とする入賞口17が配設されている。この第二の特別図柄始動領域16は特別図柄始動スイッチS2 (図9参照)を備えており、該特別図柄始動スイッチS2 による遊技球の入賞検知に伴って、前記特別図柄表示装置6の表示画面7に特別図柄A,B,Cを変動表示する図柄生成行程が実行されることとなる。また、特別図柄A,B,Cの変動中にあっては、特別図柄始動スイッチS2 からの遊技球検知信号数が第二の特別図柄始動記憶数として主制御基板60(図9参照)の記憶装置RAMの一部領域に記憶され、当該変動が終了すると、その第二の特別図柄始動記憶数に基づいて特別図柄A,B,Cの変動が再び開始される。尚、この第二の特別図柄始動記憶数に基づく特別図柄A,B,Cの変動は、上述した第一の特別図柄始動記憶数に基づく特別図柄A,B,Cの変動に優先して実行されるように主制御基板60(図9参照)によって制御される。
さらに、遊技領域4には、センターケース5の右斜め下方に位置させて、可変入賞装置18が配設されている。該可変入賞装置18は、横長矩形状に開口された大入賞口19と、該大入賞口19を開閉する横長矩形状の開閉板20とを備えており、該開閉板20が大入賞口ソレノイド55(図9参照)を駆動源とする駆動機構(図示省略)によって、前方に傾倒して大入賞口19を開放する開放位置と、この開放位置から後方に起立して大入賞口19を閉鎖する閉鎖位置とに開閉制御されるようになっている。
そして、前記特別図柄表示装置6の表示画面7に変動表示される特別図柄A,B,Cが、所定の組み合わせの当り図柄態様で確定表示された場合に大当たりとしての特別遊技作動が実行される。この特別遊技作動は、開閉板20が前方に傾倒して開き、その開放状態で開閉板20の上面の案内作用を介して、大入賞口19内へ遊技球を案内するとともに、所定開放時間(例えば30秒間)の満了、またはその所定開放時間中における所定個数(例えば9個)の遊技球の入賞により開閉板20が起立して大入賞口19が閉鎖されるまでの開閉板20の作動態様を1ラウンドとして、該ラウンドを後述する遊技制御手段によって選定されるラウンド数で繰り返すものとなっている。可変入賞装置18の内部には、1ラウンド毎の入賞個数を計数するカウントスイッチS4 (図9参照)が設けられている。
その他、遊技領域4には、複数の一般入賞口21が配設されており、その内部に具備する一般入賞スイッチS5 (図9参照)による遊技球の入賞検知に伴って所定数の賞球が払い出される。また、遊技領域4には、複数の遊技釘(図示省略)が所定配列状態で植設されている。
前記センターケース5には、図1,図2に示すように、本発明の要部にかかる可動演出部材22が配設されている。該可動演出部材22は、内空筐体状に形成された「仏像の手」の部分によって構成されており、可動演出部材駆動装置23によって遊技盤面2に対して略平行に駆動制御される。可動演出部材駆動装置23は、図3〜図7に示すように、駆動モータ24により回転駆動される駆動ギア25と、該駆動ギア25に噛合された第一従動ギア26と、該第一従動ギア26に中間ギア28を介して噛合された第二従動ギア27とを備えており、これらがギアケース29に組み付けられて移動不能に位置保持されている。ここで、第一従動ギア26と第二従動ギア27は、その歯数が同一であり、中間ギア28を介して相互に同方向に同一速度で回転するようになっている。また、駆動ギア25も第一従動ギア26及び第二従動ギア27と同じ歯数のギアが用いられており、駆動ギア25が一回転すると第一従動ギア26及び第二従動ギア27も一回転するようになっている。この第一従動ギア26と第二従動ギア27には、その中心から夫々前方に突設された回転軸30,31の先端にリンク部材32,33が固着されており、該リンク部材32,33が回転軸30,31の回転に伴って夫々同軸回転するようになっている。該リンク部材32,33には、回転軸30,31の中心から同方向に同一長さ突出した軸受け部34,35が設けられており、該軸受け部34,35には、可動演出部材22の後壁部36(図5参照)から後方に夫々突成された支軸37,38が回転可能に連結されている。
そして、前記回転軸30,31とリンク部材32,33及び支軸37,38とによって四節の平行リンク機構が構成されており、駆動モータ24によって駆動ギア25が回転駆動されると、第一従動ギア26と第二従動ギア27が同方向に回転し、該第一従動ギア26と第二従動ギア27の回転に伴ってリンク部材32,33が同方向に回転することにより、該リンク部材32,33の軸受け部34,35に支軸37,38が回転可能に連結されている可動演出部材22が、図7(A),(B)に示すように、上下左右の姿勢を維持したままで移動するようになっている。ここで、図7(B)は図7(A)の位置からリンク部材32,33が180°回転したときの可動演出部材22の移動状態を示し、図7(B)の位置からリンク部材32,33がさらに180°回転すると、図7(A)の位置に戻ることとなる。尚、前記駆動モータ24には、モータ軸の回転角度を検出すロータリーエンコーダ等の位置センサー57(図9参照)が設けられており、該位置センサー57によってモータ軸の回転角度に基づく可動演出部材22の移動位置を検知してその検知信号が主制御基板60(図9参照)に送出されるようになっている。
この可動演出部材22の移動範囲内の異なる位置には、後述する表示板部47の裏面に有色光を照射する光源39,40が配設されている。該光源39,40には、夫々少なくとも赤系色と青系色とで選択的に発光する多色発光ダイオードが用いられており、該光源39,40は、前記ギアケース29から前方に延成されて、回転軸30,31が挿通される支持筒部41,42(図6参照)の上下に連成された取付基板43,44(図5(B)参照)に固定されている。また、該光源39,40は、図4(B)等に示すように、リンク部材32,33の回転軌跡a,bと干渉しない位置に配設されており、可動演出部材22の後壁部36に開口された照射口45(図5(B)参照)から可動演出部材22内に赤系色光と青系色光とを選択的に照射し得るようになっている。そして、該光源39,40は、遊技の進行状況に応じて移動制御される可動演出部材22の後述する表示板部47が、該光源39,40の前方位置に移動したときに、赤系色と青系色の何れかの色で発光するように、後述する遊技制御手段によって発光制御されるようになっている。
一方、可動演出部材22は、その前面の一部に表示板部47(図5参照)を備えている。該表示板部47は透明な合成樹脂などの透光性材質を素材に用いて形成されており、可動演出部材22の前壁部48に開口された取付孔49に嵌着させて配設されている。
表示板部47の裏面には、図8(A),(B)に示すように、互いに略補色関係をなす赤系色と青系色のその何れか一方の色で透光性の第一演出図柄50と、他方の色で透光性の第二演出図柄51とが設けられており、さらに該第一演出図柄50と第二演出図柄51以外の部分に暗色の遮光部52が設けられている。また、第一演出図柄50と第二演出図柄51とが相互に干渉する部分は白色部53となっている。この第一演出図柄50、第二演出図柄51及び白色部53は、所定の色の透光性インキを印刷することにより設けられており、遮光部52は所定の色の遮光性インキを印刷することにより設けられている。尚、表示板部47の素材に白色の透光性材質を用いることも可能であり、この場合には前記白色部53の印刷形成が不要となる。
一方、表示板部47の表面は、透光性の鏡面層54で被覆されている。該鏡面層54は、表示板部47の表面にクロム、アルミニウム等を真空蒸着又はスパッタリングすることによって設けたり、クロム、アルミニウム等の金属を真空蒸着又はスパッタリングした透光性樹脂フィルムを、表示板部47の表面に圧着させることによって設けられ得る。また、この鏡面層54上に黄色クリアー塗装を施すことにより、「仏像」の他の部分の色と同様に金色に見えるようにすることもできる。この透光性の鏡面層54は、表面側からの入射光の鏡面反射作用と裏面側からの入射光の透過作用が得られる所謂マッジクミラーとなっている。
尚、前記第一演出図柄50と第二演出図柄51は、相互に異なる図柄であれば何でもよく、図11に示した「仏」と「徳」に限定されるものではない。
図9は、上述のパチンコ遊技機の遊技制御手段を構成する制御回路のブロック図を示すものである。
マイクロコンピュータにより構成される主制御基板60には、パチンコ遊技機の遊技作動等を制御するための基板回路が設けられており、この基板回路上には主制御用中央制御装置CPUが配設されている。この主制御用中央制御装置CPUは、遊技に関する統括的な制御を処理実行するものである。また、該主制御用中央制御装置CPUによって、普通図柄始動ゲート(普通図柄始動領域)12を遊技球が通過することに起因して当り・外れを判定する普通当り判定手段と、第一の特別図柄始動領域14または第二の特別図柄始動領域16を遊技球が通過することに起因して当り・外れを判定する大当り判定手段が構成されている。さらに、主制御用中央制御装置CPUは、図柄始動条件の成立を契機として、予め定められた1ラウンド以上の複数段階の中から何れかのラウンド数を選定し、前記表示画面7に所定の当り図柄態様が確定表示された場合に、選定されたラウンド数で開閉板20を開閉制御して特別遊技作動を実行する制御内容を備えている。
主制御用中央制御装置CPUには、演算処理に用いる動作プログラムを格納する記憶装置ROMと、必要なデータを随時読み書き可能な記憶装置RAMとが、データを読み書きするアドレスを指定する情報を一方的に伝えるアドレスバス(図示省略)と、データのやり取りを行うデータバス(図示省略)を介して接続され、主制御基板60の基板回路を構成している。前記記憶装置ROMには、制御プログラムや、大当り特別乱数テーブル、大当り図柄乱数テーブル、ハズレ図柄乱数テーブル、リーチ乱数テーブル、リーチ図柄乱数テーブル、リーチ態様乱数テーブル、ラウンド乱数テーブル、普通当り乱数テーブル、普通当り図柄乱数テーブル等の固定データが格納されている。そして特別図柄A,B,Cの図柄始動条件が成立すると主制御用中央制御装置CPUによって所要乱数テーブルの乱数値の抽選が行われ、大当り特別乱数値、大当り図柄乱数値、ハズレ図柄乱数値、リーチ乱数値、リーチ図柄乱数値、リーチ態様乱数値、ラウンド乱数値等が選出される。ここで、ラウンド乱数値の選出により、例えば2回,8回,15回のラウンド数の中から何れかのラウンド数が選定される。また、普通図柄の図柄始動条件が成立すると主制御用中央制御装置CPUによって所要乱数テーブルの乱数値の抽選が行われ、普通当り乱数値、普通当り図柄乱数値が選出される。一方、記憶装置RAMには、特別図柄始動スイッチS1 ,S2 、普通図柄始動スイッチS3 ,カウントスイッチS4 ,一般入賞スイッチS5 からの球検知信号数が一時的に記憶される記憶エリア、ソフトタイマを構成するレジスタ領域及びワークエリア等が設けられている。
さらに、上記主制御基板60の基板回路には、所定のクロックパルスを出力するクロック装置(図示省略)が設けられ、主制御用中央制御装置CPUに接続されている。そして主制御用中央制御装置CPUは一定間隔のクロックパルスによって、時系列的に演算処理を行い、一連の処理作動を順次実行する。また、このクロック装置により出力されたクロックパルスをカウントして、時間を計測するタイマーTMも接続されている。
また、上記主制御基板60の基板回路には、主制御用中央制御装置CPUが周辺機器とデータ通信を行う入力ポート(図示省略)及び出力ポート(図示省略)が設けられており、該出力ポートを介して主制御基板60からの制御指令信号が、図柄表示制御基板62,音源制御基板63,光源制御基板64,払出制御基板65の各入力ポートに向けて発信されるようになっている。また、主制御基板60の入力ポートには、特別図柄始動スイッチS1 ,S2 が接続されるとともに、盤面中継基板61を介して、位置センサー57,普通図柄始動スイッチS3 ,カウントスイッチS4 ,一般入賞スイッチS5 が接続されている。そして、主制御基板60は、所定時間毎(例えば2ms毎)に上記位置センサー57及び各スイッチS1 〜S5 の検出状態を調べ、信号入力があるとその信号が波形整形回路により波形整形されて主制御用中央制御装置CPUに入力され、その情報を記憶装置RAMに記憶する。また、主制御基板60の出力ポートには、盤面中継基板61を介して駆動モータ24,大入賞口ソレノイド55,普通電動役物ソレノイド56が接続されており、これらが主制御用中央制御装置CPUが送出する制御指令信号に基づいて作動される。
また、主制御用中央制御装置CPU及び上記各制御基板62,63,64,65に設置されている各中央制御装置CPUは、所定のデータの処理を行う演算ユニット(ALU)を連成した演算装置と、この演算装置に入出力するデータや読み込んだ命令を保管しておくレジスタと、命令を解読するデコーダ等によって構成されている。そして、主制御用中央制御装置CPUは、所定の形式で生成した制御指令信号を各制御基板62,63,64,65に夫々送信し、各制御基板62,63,64,65の中央制御装置CPUがこの制御指令信号に従って所定の制御を処理実行することとなる。
上記図柄表示制御基板62には、特別図柄表示装置6の表示画面7に表示される図柄表示態様を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、図柄表示態様を制御処理する図柄制御用中央制御装置CPUと、演出プログラムが格納されている記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きする記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとを備えてなる。この記憶装置ROMには、上述した特別図柄A,B,Cの図柄形態及び表示パターンが記憶され、さらに当りパターン,リーチ態様パターン等の固定データやその動作プログラムが記憶されている。
また、図柄表示制御基板62は、主制御基板60からの制御指令信号を入力ポートを介して受信すると、図柄制御用中央制御装置CPUにおいて演算処理し、所定の図柄変動を演出する特別図柄A,B,Cと普通図柄の各変動パターンデータを、出力ポートを介して表示用ドライバに夫々送信する。該表示用ドライバは、前記各変動パターンデータに従って、特別図柄表示装置6の表示画面7に所定の変動パターンで特別図柄A,B,Cを変動表示させる一方、普通図柄表示装置9に所定の変動パターンで普通図柄を変動表示させる。そして、この表示用ドライバ及び図柄表示制御基板62と前記主制御基板60とによって、特別図柄A,B,Cと普通図柄の変動開始から図柄確定に至る一連の図柄生成行程を夫々選定し、その選定された図柄生成行程を特別図柄表示装置6の表示画面7及び普通図柄表示装置9に夫々表示する図柄制御手段が構成されている。
一方、上記音源制御基板63には、スピーカから発生する効果音等を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、音響を制御する音源制御用中央制御装置CPUと、動作プログラムや音響発生パターン等の固定データが記憶されている記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きする記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとを備えてなる。この音源制御基板63は、特別図柄のリーチ作動実行時や特別遊技作動の実行時あるいは賞球払い出し時に、上記の主制御基板60より入力ポートを介して受信した制御指令信号を音源制御用中央制御装置CPUで演算処理し、所定の音データを出力ポートを介してサウンドジェネレータに送信して、スピーカから所定の効果音を出力させる。
また、上記光源制御基板64には、光源39,40やパチンコ遊技機に備えられた発光ダイオードや装飾ランプ等の電飾装置を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、光源39,40や電飾装置の点灯,点滅等を制御する光源制御用中央制御装置CPUと、動作プログラムや、点滅パターン等の固定データが記憶されている記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きする記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとを備えてなる。この光源制御基板64は、特別図柄のリーチ作動実行時や特別遊技作動の実行時あるいは賞球払い出し時に、上記の主制御基板60より入力ポートを介して受信した制御指令信号を光源制御用中央制御装置CPUで演算処理し、所定の光演出データを出力ポートを介して光源作動基板に送信し、光源39,40や、電飾装置の発光ダイオードや装飾ランプ等を所定態様で点灯,点滅させる。また、光源制御基板64には光源作動基板を介して特別図柄始動記憶数表示装置8a,8bと普通図柄始動記憶数表示装置11とが接続されており、これらが具備するパイロットランプや発光ダイオードが主制御基板60からの制御指令信号に基づいて点灯,点滅される。
さらに、上記払出制御基板65には、遊技球の貸球や賞球等を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、貸球ユニットや賞球ユニット等が具備する各種ソレノイドを作動させて、所定の貸球や賞球の供給を制御する払出制御用中央制御装置CPUと、動作プログラム,貸球や賞球の球数パターン等の固定データが記憶されている記憶装置ROMと、球数カウントデータ等の必要なデータを読み書きする記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとを備えてなる。この払出制御基板65は、入力ポートを介して主制御基板60から制御指令信号を受信し、該制御指令信号に従い、払出制御用中央制御装置CPUで演算処理し、所定のデータを出力ポートを介して払出中継基板に送信し、このデータにより貸球ユニットや賞球ユニット等が具備する図示しない各種ソレノイドを作動させて、所定の貸球や賞球の払い出しを実行する。
次に、図9に示した制御回路による制御態様をパチンコ遊技機の作動に従って説明する。
遊技球が図示しない球発射装置より遊技盤面2の遊技領域4に発射され、この遊技球が普通図柄始動ゲート12を通過し、普通図柄始動スイッチS3 がON作動すると、その信号を認識した主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUは、記憶装置ROMに記憶されている普通当り乱数テーブルと普通当り図柄乱数テーブルから抽選によって、普通当り乱数値と普通当り図柄乱数値を夫々選出し、これらの各乱数値を一旦、記憶装置RAMに格納する。尚、遊技球が普通図柄始動ゲート12を連続的に通過した場合には、普通図柄始動スイッチS3 のON作動に基づいて抽選される上記各乱数値が、発生順に主制御基板60の記憶装置RAMに記憶されるとともに、普通図柄始動スイッチS3 による遊技球検出数が普通図柄始動記憶数として主制御基板60の記憶装置RAMに記憶され、上述したように普通図柄始動記憶数表示装置11の発光ダイオードがその始動記憶数に応じて順次点灯されて、普通図柄始動記憶数を最高4個まで表示する。この発光ダイオードは普通図柄表示装置9の普通図柄が変動開始する度に消灯されて、始動記憶数が減少する。尚、始動記憶数が満杯(4個)となっている場合には、普通図柄始動ゲート12を遊技球が通過しても無効となる。
そして、普通図柄始動スイッチS3 のON作動、若しくは主制御基板60の記憶装置RAMに記憶されている普通図柄始動記憶数の消化の何れかによる普通図柄始動条件の成立を契機として普通図柄の図柄変動が開始されると、主制御用中央制御装置CPUは、普通当り乱数値を判定し、その結果に基づき、普通図柄表示装置9普通図柄表示装置9に表示される普通図柄表示態様を制御するための図柄制御指令信号を図柄表示制御基板62に送信する。そして、普通当り乱数値が所定の当り乱数値である場合、図柄表示制御基板62は、普通当り図柄乱数値に従い普通図柄を当り態様で停止させて確定表示する。このように普通図柄が当り態様で確定表示されると、主制御基板60は、制御指令信号を送信し、盤面中継基板61を介して普通電動役物ソレノイド56を駆動して、普通電動役物13の可動翼片15,15を所定時間(例えば0.2秒間)逆ハ字形に外側方に拡開させて傾動位置に変換する。
一方、遊技領域4を転動する遊技球が第一の特別図柄始動領域14または第二の特別図柄始動領域16を通過し、特別図柄始動スイッチS1 または特別図柄始動スイッチS2 がON作動して球検知信号が送出されると、その信号を主制御基板60が認識する。この信号により、主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUは、記憶装置ROMに記憶されている各乱数テーブルから抽選によって、大当り特別乱数値、大当り図柄乱数値、ハズレ図柄乱数値、リーチ乱数値、リーチ図柄乱数値、リーチ態様乱数値及びラウンド乱数値を夫々選出し、これらの各乱数値を一旦、記憶装置RAMに格納する。
さらには、特別図柄始動スイッチS1 または特別図柄始動スイッチS2 からの球検知信号に基づき、主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUで演算処理して賞球指令信号を払出制御基板65に送信するとともに、賞球作動に連動する賞球音の発生指令信号を音源制御基板63に、賞球ランプ等の発生指令信号を光源制御基板64に夫々送信する。主制御基板60から賞球指令信号を受信した払出制御基板65は、記憶装置ROMや記憶装置RAMの記憶データを用いて払出制御用中央制御装置CPUにて演算処理を行い、その結果に従って賞球ユニットの図示しないソレノイドを作動させて所定数量の賞球を払い出す。これと同期して、賞球音の発生指令信号を受けた音源制御基板63は、記憶装置ROMや記憶装置RAMの記憶データを用いて音源制御用中央制御装置CPUにて演算処理を行い、その結果に従ってスピーカより所定の賞球払出音を上記賞球の払出時に合わせて出力する。同時に光源制御基板64でも、受信した賞球ランプの発生指令信号に従って光源制御用中央制御装置CPUが記憶装置ROMや記憶装置RAMの記憶データを用いて演算処理を行い、その結果に従って電飾装置の発光ダイオードや装飾ランプ等を点灯、点滅させる。
尚、遊技球が第一の特別図柄始動領域14または第二の特別図柄始動領域16を連続的に通過した場合には、特別図柄始動スイッチS1 ,S2 による遊技球検知数が主制御基板60の記憶装置RAMに夫々記憶され、その記憶に基づいて上述したように特別図柄始動記憶数表示装置8a,8bのパイロットランプがその始動記憶数に応じて順次点灯されて、特別図柄始動記憶数を夫々最高4個まで表示する。このパイロットランプは表示画面7の特別図柄A,B,Cが変動開始する度に消灯されて、記憶数が減少する。尚、始動記憶数が夫々満杯(四個)となっている場合には、第一の特別図柄始動領域14または第二の特別図柄始動領域16を遊技球が通過しても無効となる。
そして、特別図柄始動スイッチS1 ,S2 の遊技球通過によるON作動、若しくは主制御基板60の記憶装置RAMに記憶されている特別図柄始動記憶数の消化の何れかによる図柄始動条件の成立を契機として特別図柄A,B,Cの図柄変動が開始されると、主制御用中央制御装置CPUは、大当り特別乱数値を判定し、大当り図柄乱数値とハズレ図柄乱数値の何れか一方を有効とするとともに、リーチ乱数値に従ってリーチとするかどうかを判定する。そして、これらの結果に基づき、特別図柄表示装置6で実行される特別図柄表示態様を制御するための図柄制御指令信号を図柄表示制御基板62に送信する。
上記図柄制御指令信号を受けた図柄表示制御基板62の図柄制御用中央制御装置CPUは、該図柄制御指令信号に従って、記憶装置ROMに記憶されている所定の動作プログラムを用いて、表示画面7で演出する図柄表示態様を決定する。そして、該図柄表示態様に従って特別図柄A,B,Cを順次停止し、特別図柄A,B,Cを確定表示する図柄生成行程を実行する。
また、主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUは、音響作動と発光作動を上記図柄表示態様に連動させるため、音響制御指令信号を音源制御基板63に送信するとともに、電飾制御指令信号と演出制御指令信号を光源制御基板64に送信する。音響制御指令を受けた音源制御基板63は、記憶装置ROMに記憶されている動作プログラム等を用いて音源制御用中央制御装置CPUで演算処理を行い、得られた所定の音データをサウンドジェネレータを介してスピーカより出力する。また前記光源制御基板64では、電飾制御指令信号に従って、記憶装置ROMに記憶されている動作プログラム等を用いて光源制御用中央制御装置CPUで演算処理を行い、得られた所定の光演出データに基づいて、光源作動基板を介して、電飾装置の発光ダイオードまたは装飾ランプを点灯、点滅させる。また、光源制御基板64は、演出制御指令信号に基づいて、光源作動基板を介して光源39,40を所定態様で点灯、点滅させる。
上述の大当り特別乱数値が所定の当り乱数値である場合、主制御基板60は、大当り図柄乱数値,ラウンド乱数値を有効とするとともに、リーチ図柄乱数値,リーチ態様乱数値を有効とし、図柄表示制御基板62に所定の図柄制御指令信号を送信する。そして、図柄表示制御基板62は、リーチ図柄乱数値に従い特別図柄をA=Cで停止して、リーチ態様乱数値に従い所定のリーチ変動態様によるリーチ作動を実行した後、大当り図柄乱数値に従って、所定の当り図柄態様の特別図柄A,B,Cを確定表示する。同時に音源制御基板63及び光源制御基板64が所定の効果音と電飾演出を発生させる。尚、リーチ態様乱数値によって選定されるリーチ変動態様としては、ロングリーチ、低速スクロール、逆走行、低速走行からの加速走行、図柄の反転等、種々の変動態様がある。
このように所定の当り図柄態様が確定表示されると、主制御基板60は可変入賞装置18を作動させて大当りとしての特別遊技作動を実行する。即ち、大入賞口ソレノイド55が開放駆動されて開閉板20が開放位置に変換された後、閉鎖位置へ復帰する開閉ラウンドが開始される。この開閉ラウンドによって大入賞口19が開放され、この開放は所定開放時間(例えば30秒間)が経過するか、この所定制限時間内で、カウントスイッチS4 により所定個数(例えば9個)の遊技球の入賞検知がなされるまで継続される。そして、一旦開閉板20が閉鎖位置に変換されて1ラウンドが終了した後、再び大入賞口19が開放されて次ラウンドへ移行する。このような開閉ラウンドがラウンド乱数値の選出により選定されたラウンド数分だけ実行されると特別遊技作動が終了する。
一方、大当り特別乱数値が所定の当り乱数値でない場合には、主制御基板60は、上述のハズレ図柄乱数値に基づく図柄制御指令信号を図柄表示制御基板62に送信し、該図柄表示制御基板62は、この図柄制御指令信号に従って、特別図柄A,B,Cをハズレ図柄態様で表示する。ここで、ハズレ図柄乱数値が当り図柄態様を選出していた場合には、再びハズレ図柄乱数テーブルでハズレ図柄乱数値を選出して、ハズレ図柄態様を表示する。また、リーチ乱数値によりリーチ作動を実行する場合にあっては、リーチ図柄乱数値に従って、特別図柄をA=Cで一旦表示し、リーチ態様乱数値に従って、所定のリーチ変動態様によるリーチ作動を発生させるようにした後、ハズレ図柄態様を確定表示する。
かかる構成にあって、遊技の進行状況に応じて主制御基板60から送信される演出制御指令信号によって、駆動モータ24が駆動され、可動演出部材22が所定態様で移動制御される。そして、該可動演出部材22の表示板部47が光源39と光源40の前方位置に移動したとき、第一演出図柄50または第二演出図柄51の色に対応する光色で光源39,40が所定態様で発光制御される。この駆動モータ24の駆動と光源39,40を発光させる遊技の進行状況としては、大当りとなる確率が比較的高い複数種類のリーチ作動時が好適である。ここで、表示板部47に設けられている第一演出図柄50を青系色、第二演出図柄51を赤系色とした場合、図10(A)に示すように、遊技の進行状況に応じて第一演出図柄50の色と同じ青系色光が表示板部47の裏面側から照射されると、該青系色光は第一演出図柄50と白色部53に吸収されることなく表示板部47の表面側へ透過する。また、該青系色光は赤系色の第二演出図柄51に吸収されるため、減色混合により第二演出図柄51が暗色となって周囲の遮光部52の色と同化し、この暗色は表示板部47の表面を被覆する鏡面層54(図8(B)参照)によって表示板部47の表面側からは目視不能となる。これにより、図11(A)に示すように、表示板部47の表面に青系色の第一演出図柄50を表出させることができる。
一方、遊技の進行状況に応じて第二演出図柄51の色と同じ赤系色光が表示板部47の裏面側から照射されると、図10(B)に示すように、該赤系色光は第二演出図柄51と白色部53に吸収されることなく表示板部47の表面側へ透過する。また、該赤系色光は青系色の第一演出図柄50に吸収されるため、減色混合により第一演出図柄50が暗色となって周囲の遮光部52の色と同化し、この暗色は表示板部47の表面を被覆する鏡面層54(図8(B)参照)によって表示板部47の表面側からは目視不能となる。これにより、図11(B)に示すように、表示板部47の表面に赤系色の第二演出図柄51を表出させることができる。
このように本発明によれば、可動演出部材22の表示板部47に設けられた第一演出図柄50と第二演出図柄51とが相互に干渉する部分を、照射された光の色と同じ色となる白色部53にするとともに、第一演出図柄50と第二演出図柄51以外の部分を暗色の遮光部52にしたことにより、表示板部47の表面側に第一演出図柄50または第二演出図柄51を照射された光の色で鮮やかに表出させることができる。そして、該表示板部47を備えた可動演出部材22が、その移動範囲内の異なる位置に夫々配設された光源39,40の前方位置に移動したときに、該光源39,40を第一演出図柄50または第二演出図柄51の色に対応する光色で発光させて、表示板部47の表面に第一演出図柄50または第二演出図柄51の何れかを表出させるようにしたことによって、二種類の演出図柄を異なる色で選択的に表示することが可能となり、これによって演出図柄の表示時におけるインパクト性が高く、従来構成に比して可動演出部材22による演出効果を大幅に高めことができる。また、移動制御される可動演出部材22には表示板部47を設けるだけでよく、可動演出部材22内への給電ケーブルの配線が不要であるため、可動演出部材22の移動範囲や移動態様を自由に設定することできる。
また、この第一実施例にあっては、光源39,40に、少なくとも赤系色と青系色とで選択的に発光する単一の多色発光ダイオードが適用できるため、光源の配設構成を簡単化することができる。
図12,図13は第二実施例を示し、この第二実施例は、赤系色で発光する光源39a及び青系色で発光する光源39bと、赤系色で発光する光源40a及び青系色で発光する光源40bとが、可動演出部材22の移動範囲内の異なる位置に配設されており、遊技の進行状況に応じて移動制御される可動演出部材22の表示板部47が、前記光源39a,39bの前方位置または前記光源40a,40bの前方位置に移動したときに、第一演出図柄50または第二演出図柄51の色に対応する光色の光源を選択的に発光させて、表示板部47の裏面に赤系色光または青系色光を照射させることにより、表示板部47の表面に第一演出図柄50または第二演出図柄51の何れかを表出させるようにしたものである。ここで、赤系色で発光する光源39a,40aには、赤系色で発光する単色発光ダイオードやランプが好適に用いられ、青系色で発光する光源39b,40bには、青系色で発光する単色発光ダイオードやランプが好適に用いられ得る。その他の構成は第一実施例と同じであり、第一実施例と共通する構成部分に第一実施例と同一の符号を付して重複説明を省略する。この第二実施例にあっては、赤系色光または青系色光を照射する光源として単色発光ダイオードやランプを用い得るので、多色発光ダイオードを用いる場合に比して安価であり、製造コストを低減することができる。
尚、上述した各実施例では、可動演出部材22の前壁部48の一部に表示板部47を設けた構成について説明したが、これに代えて、前壁部48の全体を透光性材質からなる表示板部47とすることも可能である。また、表示板部47の裏面側に第一演出図柄50、第二演出図柄51、白色部53及び遮光部52を設けているが、これらを表示板部47の表面側に設けて鏡面層54を積層するようにしてもよい。また、可動演出部材22を可動演出部材駆動装置23によって駆動される「仏像の手」の部分としたが、可動演出部材22及び可動演出部材駆動装置23の構成はこれに限定されるものではなく、可動演出部材22は遊技盤面2に対して略平行に駆動制御されるものであればよい。