JP2017051811A - 遊技機 - Google Patents

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Hisanori Sakaki
尚徳 榊
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Abstract

【課題】駆動機構を複雑化することなく複雑な動作を表現することが可能で装飾効果に優れる遊技機を提供すること。【解決手段】所定条件に基づいて動力を発生させる駆動手段(第1モータ417、第1駆動ギア417Gおよび第1被動ギア418)と、該駆動手段の駆動に基づいて、第1変位、および第1変位とは異なる第2変位を実行することが可能な変位手段(ピニオン419)と、第1変位および第2変位のうち一方の変位を遅延させ得る変位遅延手段(ラック407R、スリット406Sおよびオイルダンパ423)と、を有する可動手段として可動装置を構成する。【選択図】 図24

Description

本発明は、パチンコ機やスロットマシンに代表される遊技機に関するものである。
パチンコ機やスロットマシンなどの遊技機には、例えば下記特許文献1に開示されているように、演出用の可動装置としての揺動装飾装置10を配置し、これにより装飾効果を高めるようにしたものがある。この揺動装飾装置10は、駆動装置14により駆動される最下端揺動板13a、該最下端揺動板13aに連動する可撓板12および複数の揺動板13を備え、駆動装置14により最下端揺動板13aを揺動させることにより、上記各部材が一斉に連動して揺動する構成となっている。
特開2008−161434号公報
上記特許文献1に記載の遊技機における演出効果をさらに高めるようにするには、例えば揺動板に複雑な動作をさせたり、複数の揺動板を別々に動作させる構成とすることも考えられるが、このような動作を実現しようとすると、駆動機構を複雑化することが必要となり、結果的に揺動装飾装置の大型化を招いたり、配線が絡まりやすくなったりするといった種々の問題が生じる虞がある。
本発明は、かかる問題点に鑑みて案出されたものであり、駆動機構を複雑化することなく複雑な動作を表現することが可能で装飾効果に優れる遊技機を提供することを目的とする。
本発明にかかる遊技機は、上記目的を達成するために、
所定条件に基づいて動力を発生させる駆動手段と、
前記駆動手段の駆動に基づいて、第1変位、および第1変位とは異なる第2変位を実行することが可能な変位手段と、
前記第1変位および第2変位のうち一方の変位を遅延させ得る変位遅延手段と、を有する可動手段と、
前記変位手段による第1変位または第2変位に連動して移動する可動部と、
前記可動部の移動にともなって遮蔽および/または露出される発光部と、
を備え、
前記可動部として、前記第1変位または第2変位に連動して径方向に出入動作し得る複数の可動片が環状に配置され、
前記可動片が、光を前方へ反射し得る鏡面部を備えることを特徴とする。
本発明によれば、駆動機構を複雑化することなく複雑な動作を表現することができる。
パチンコ機の一例を示す正面図。 図1のパチンコ機の正面側の斜視図。 図1のパチンコ機の前面枠の斜視図。 遊技盤の一例を示す正面図。 図1のパチンコ機の背面の構成を示す分解斜視図。 図4の遊技盤の背面側の斜視図。 図4の遊技盤の背面図。 パチンコ機の電気的構成の一例を示すブロック図。 可変表示装置ユニットの正面図。 可変表示装置ユニットの背面図。 可変表示装置ユニットの左側面図。 可変表示装置ユニットの右側面図。 可変表示装置ユニットの平面図。 可変表示装置ユニットの底面図。 可変表示装置ユニットの分解斜視図。 可動片が縮小した状態における可動装置の正面図。 可動片が縮小した状態における可動装置の斜視図。 可動片が拡大した状態における可動装置の正面図。 可動片が拡大した状態における可動装置の斜視図。 可動片が拡大した状態における可変表示装置ユニットの正面図。 図16のA−A線部断面図。 可動部材と基体との取付状況を示す斜視図。 可動部材と本体部との取付状況を示す断面図。 第1動力伝達機構の斜視図。 第1動力伝達機構を含む可動部材および基体の正面側から視た分解斜視図。 第1動力伝達機構を含む可動部材および基体の背面側から視た分解斜視図。 可動部材と本体部との取付状況を示す分解断面図。 オイルダンパのリンク機構の正面側から視た斜視図。 オイルダンパのリンク機構の背面側から視た斜視図。 可動片の正面側から視た斜視図。 可動片の背面側から視た斜視図。 可動片が縮小した状況を示す正面図。 縮小した状態における可動片と発光部との位置関係を示す正面図。 可動片が拡大した状況を示す正面図。 拡大した状態における可動片と発光部との位置関係を示す正面図。 基体の正面図。 第2動力伝達機構を含む回転体付近の正面側から視た斜視図。 第2動力伝達機構を含む回転体付近の背面側から視た斜視図。 第2動力伝達機構を含む回転体付近の側面図。 第2動力伝達機構を含む回転体付近の正面側から視た分解斜視図。 第2動力伝達機構を含む回転体付近の背面側から視た分解斜視図。 第2動力伝達機構を含む回転体付近の分解側面図。 可動部材の(a)動作前の状況および(b)可動片が拡大する状況を示す正面図。 可動部材の(a)回転する状況および(b)可動片が縮小する状況を示す正面図。 可動部材が反転する状況を示す正面図。 可動装置の他の例における動作前の初期状態を示す模式正面図。 可動装置の他の例における第1変移を実行した状態を示す模式正面図。 可動装置の他の例における第2変移を実行した状態を示す模式正面図。 可動基材の模式斜視図。 可動基材の動作前の初期状態を示す模式正面図。 可動基材の動作後の状態を示す模式正面図。
以下、本発明の最良の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
ここでは、遊技機としてパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)を挙げる。
(パチンコ機正面側の構成)
図1はパチンコ機10の正面図、図2はパチンコ機10の斜視図、図3はパチンコ機10の前面枠の斜視図である。図1および図2に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11の一側部に開閉可能に支持された開閉部材である内枠12とを備えている。以下に、外枠11と内枠12との構成を個別に説明する。
上記外枠11は、木製の板材により全体として矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。なお、外枠11は樹脂やアルミニウム等の軽金属により構成されていてもよい。このように構成することにより、パチンコ機の軽量化を図ることができるからである。
一方、上記内枠12の開閉軸線はパチンコ機10の正面からみてハンドル(後述する遊技球発射ハンドル18)設置箇所の反対側(図1のパチンコ機10の左側)で上下に延びるように設定されており、この開閉軸線を軸心にして内枠12が前方側に十分に開放できるようになっている。このような構成とするのは、内枠12の開閉軸線がハンドル設置箇所側(図1のパチンコ機10の右側)で上下方向にあるとすると、内枠12を開放する際に遊技球発射ハンドル18の頭部等が隣なりのパチンコ機やカードユニット(球貸しユニット)に干渉することになり、内枠12を十分に開放できないからである。また、内枠12は合成樹脂、具体的にはABSアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂から成る。こうすることで、粘性が高く衝撃に強くでき、低コストで製造できるという利点が発揮される。
また、内枠12は、その最下部に下皿ユニット13を有し、内枠12の左側の上下方向の開閉軸線を軸心にして開閉自在に取り付けられた前面枠セット14と、樹脂ベース25(図5参照)と、この樹脂ベース25の後側に取り付けられる後述の遊技盤30とを備えている。これらの各構成を以下に詳細に説明する。
上記下皿ユニット13は、前面枠セット14の一部として前面枠ベース部材に固定されている。この下皿ユニット13の前面側には、下皿15と球抜きレバー17と遊技球発射ハンドル18と演出ボタン79が設けられている。球受皿としての下皿15は、下皿ユニット13のほぼ中央部に設けられており、後述の上皿が満タンになった場合等に排出口16より排出される遊技球を停留する役割がある。上記球抜きレバー17は、下皿15内の遊技球を抜くためのものであり、この球抜きレバー17を図1で左側に移動させることにより、下皿15の底面の所定箇所が開口され、下皿15内に停留された遊技球を下皿15の底面の開口部分を通して遊技者の持球貯留箱(ドル箱)に排出することができる。上記遊技球発射ハンドル18は、下皿15よりも右方で手前側に突出するように配設されている。遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に応じて、発射ソレノイドを備えた遊技球発射装置によって遊技球が後述する遊技盤30の方へ打ち込まれるようになっている。前面枠セット14の上部には、スピーカからの音を出力するための音出力口24が設けられている。
一方、前面枠セット14の下部(上述の下皿15の上方位置)には、遊技球の受皿としての上皿19が前面枠セット14と一体的に設けられている。この上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射装置38の方へ導出するための球受皿である。また、上皿19の左下方には、装飾図柄表示装置42の背景を変える等の操作を遊技者が行なうための演出ボタン79が設けられている。
加えて、前面枠セット14にはその周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり遊技状態時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が左右対称に設けられ、大当たり遊技状態時に点灯や点滅を行うことにより、大当たり遊技状態中であることを報知する構成である。
また、窓部101の下方には貸球操作部120が配設されており、貸球操作部120には球貸しボタンと、返却ボタンと、度数表示部とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置された図示しないカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部120が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。球貸しボタンは、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿19に供給される。返却ボタンは、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。度数表示部はカード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置部から上皿に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部120が不要となる。故に、貸球操作部120の設置部分に、飾りシール等が付されるようになっている。これにより、カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との貸球操作部の共通化が図れる。
次に、図4を用いて遊技盤30の構成を説明する。図4は遊技盤30の構成を示す正面図である。遊技盤30は、一般入賞口を備える一般入賞装置31、可変入賞装置32、上始動口33aと下始動口33b(作動チャッカ33bで構成)とから成る第1の始動入賞装置33、第2の始動口を備える第2の始動入賞装置34(スルーゲートで構成)、特別図柄表示装置(主表示ユニット37)、普通図柄表示装置(主表示ユニット37)、装飾図柄表示装置42を備える可変表示装置ユニット35等が設けられている。主表示ユニット37は、第1表示部および第2表示部で構成されている。第1表示部は、特別図柄表示装置および保留ランプで構成され、第2表示部は、普通図柄表示装置および保留ランプで構成されている。これらの一般入賞装置31、可変入賞装置32、第1の始動入賞装置33、第2の始動入賞装置34、可変表示装置ユニット35等は、遊技盤30における、ルータ加工によって形成された各貫通穴にそれぞれに配設され、遊技盤30前面側から木ネジ等により取り付けられている。また、下始動口33bの入口には、一対の開閉羽根60が設けられており、遊技球を案内する開放位置と、下始動口33b内に遊技球が入りにくくなる閉塞位置を採りうる。開閉羽根60は、遊技盤30の裏面側に配設されたソレノイドSL1によって駆動される。また、下始動口33bの下方には、大入賞口(収容部の入口)61が配置されている。大入賞口61については、後に言及する。大入賞口61内には、入球検出スイッチSW1が設けられている。
前述の一般入賞装置31、可変入賞装置32および第1の始動入賞装置33に遊技球が入球し、当該入球が後述する検出スイッチ(入賞口スイッチ、カウントスイッチ、作動口スイッチ等)で検出され、この検出スイッチの出力に基づいて、上皿19(または下皿15)へ所定数の賞品球が払い出される。その他に、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、各種入賞装置等に入球しなかった遊技球はこのアウト口36を通って図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、各種部材(役物)が配設されている。
上記特別図柄表示装置は、第1の始動入賞装置33への入賞をトリガとして識別情報としての特別図柄を変動表示し、上記装飾図柄表示装置42は特別図柄の変動表示に対応した装飾図柄を変動表示し、上記普通図柄表示装置は第2の始動入賞装置34の通過をトリガとして普通図柄を変動表示する。
上記特別図柄表示装置は、後にも言及する主表示ユニット37における第1表示部の9個のLEDセグメントで構成されており、後述する主制御装置261により表示内容が制御される。
上記装飾図柄表示装置42は液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。装飾図柄表示装置42には、例えば上、中、及び下の3箇所に識別情報としての図柄が表示される。これら図柄がスクロールされて装飾図柄表示装置42に可変表示されるようになっている。なお本形態では、装飾図柄表示装置42(液晶表示装置)は例えば10インチ或いは12インチサイズの大型の液晶ディスプレイを備えている。
上記普通図柄表示装置は、後述する主表示ユニット37内に配置された普通図柄用の2個のランプ(以下、第1ランプおよび第2ランプとも称す)を備えている。普通図柄表示装置は、遊技球が第2の始動入賞装置34を通過する毎に例えば第1および第2ランプによる表示図柄(普通図柄)が変動し、具体的には、第1および第2ランプが交互に光り、第1ランプで停止した場合に第1の始動入賞装置33の下始動口33bが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。遊技球が第2の始動入賞装置34を通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ801aにて点灯表示されるようになっている。なお、第1および第2ランプは、装飾図柄表示装置42の一部で変動表示される複数個の表示部としても良い。
上記可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい開状態と通常の閉状態とに繰り返し作動されるようになっているが、その具体的な構成については後述する。簡略に触れれば、特別図柄表示装置が特定の表示態様となった場合(装飾図柄表示装置42の停止後の確定図柄が予め設定した特定の図柄の組み合せとなった場合)に特別遊技状態が発生する。そして、可変入賞装置32が受球状態となり、遊技球の入賞を許す。具体的には、所定時間(例えば30秒)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、可変入賞装置32の受球状態が所定回数繰り返し開放される。遊技球が第1の始動入賞装置33を通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ800aにて点灯表示されるようになっている。なお、保留ランプ800aは、装飾図柄表示装置42の一部で変動表示される構成等であっても良い。
また、遊技盤30には、遊技球発射装置から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するためのレールユニット50が取り付けられており、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球はレールユニット50を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。レールユニット50はリング状をなす金属板にて構成されており、内外二重に一体形成された内レール51と外レール52とを有する。内レール51および外レール52の後側端縁(遊技盤30に対向する端縁)には、所定間隔をおいて複数個所に鋲56が設けられており、内レール51および外レール52は該鋲56を打ちつけるようにして遊技盤30に取り付けられている。内レール51は上方の約1/4ほどを除いて略円環状に形成され、一部(主に左側部)が内レール51に向かい合うようにして外レール52が形成されている。かかる場合、内レール51と外レール52とにより誘導レールが構成され、これら各レール51、52が所定間隔を隔てて並行する部分(向かって左側の部分)により球案内通路が形成されている。なお、球案内通路は、遊技盤30との当接面を有した溝状、すなわち手前側を開放した溝状に形成されている。
内レール51の先端部分(図4の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、内レール51および外レール52間の球案内通路から遊技盤30の上部へと案内された遊技球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止されるようになっている。
尚、遊技領域は、レールユニット50の内周部(内外レール)により略円形状に区画形成されており、特に本形態では、遊技盤30の盤面上に区画される遊技領城が従来よりもはるかに大きく構成されている。
(パチンコ機の背面構成)
次に、パチンコ機10の背面の構成を説明する。図5はパチンコ機10の背面の構成を示す分解斜視図である。
先ず、パチンコ機10の背面構成について全体の概要を説明する。パチンコ機10にはその背面(実際には内枠12および遊技盤30の背面)において、各種制御基板が上下左右に並べられるようにしてまたは前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給するための遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。本形態では、各種制御基板を3つの取付台に分けて搭載して3つの制御基板ユニットを構成し、それら制御基板ユニットを個別に内枠12または遊技盤30の裏面に装着するようにしている。この場合、主制御基板、電源監視基板、これら基板を収容する基板ボックスおよび該基板ボックスを封印する封印ユニットから構成される主制御装置261を一つにユニット化し、表示制御基板、該表示制御基板を収容する基板ボックスおよび装飾図柄表示装置42から構成される表示制御装置45とサブ制御基板および該サブ制御基板を収容する基板ボックスから構成されるサブ制御装置262とを後述する外包部材82に搭載してユニット化し、さらに払出制御基板、該払出制御基板を収容する基板ボックス(払出制御基板ケース)および該基板ボックスを封印する封印ユニットから構成される払出制御装置311と電源基板、発射制御基板およびこれら基板を収容する基板ボックス(電源・発射制御基板ケース203A)から構成される電源・発射制御装置とを1つの取付台に搭載してユニット化している。ここでは便宜上、各ユニットを上記の順に「第1制御基板ユニット201」、「第2制御基板ユニット202」および「第3制御基板ユニット203」と称することとする。
また、払出機構および保護カバーも上記第3制御基板ユニット203に一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここでは第3制御基板ユニット203を「裏パックユニット203」とも称する。各ユニット201〜203の詳細な構成については後述する。
第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202および裏パックユニット203は、ユニット単位で何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されており、更に、これに加え、一部に支軸部を設けて内枠12または遊技盤30の裏面に対して開閉できる構成となっている。これは、各ユニット201〜203やその他構成が前後に重ねて配置されても、隠れた構成等を容易に確認することを可能とするための工夫でもある。
上述した第1制御基板ユニット201は、その遊技の進行を統括する主制御基板及び電源の監視を司る電源監視基板を有する。上記主制御基板と電源監視基板とは透明樹脂材料等よりなる基板ボックスに収容されて構成されている。この基板ボックスは、略直方体形状のボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、これらボックスベースとボックスカバーとは封印ユニットによって開封不能に連結されることにより、基板ボックスが封印される。
尚、封印ユニットはボックスベースとボックスカバーとを開封不能に連結する構成であれば任意の構成が適用でき、また、封印ユニットによる封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期にかつ容易に発見可能とするものである。
第2制御基板ユニット202は、主制御基板からの指示に従い前記装飾図柄表示装置42の表示制御を司る表示制御装置45と主制御基板からの指示に従い音声ランプ制御を司るサブ制御基板とを有する。上記表示制御装置45は、装飾図柄表示装置42および表示制御基板がユニットとして構成され、透明樹脂材料等よりなる基板ボックスに収容されて後述する外包部材82の背面側に取り付けられている。上記サブ制御基板は透明樹脂材料等よりなる基板ボックスに収容され、上記表示制御装置45の背面側に取り付けられている。
次に、前記第3制御基板ユニット(裏パックユニット)203は、払出制御基板、電源基板、発射制御基板及びカードユニット接続基板を有している。上記払出制御基板により賞品球や貸出球の払出が制御され、上記電源基板および発射制御基板により各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力されるとともに遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に従い発射ソレノイドの制御が行われる。また、上記カードユニット接続基板は、パチンコ機前面の貸球操作部120(図1参照)および図示しないカードユニットに電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御基板に出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板は不要である。
上記払出制御基板は、透明樹脂材料等よりなる払出制御基板ケース(図示せず)内に収納されており、上記電源基板および発射制御基板は、透明樹脂材料等よりなる電源・発射制御基板ケース203A内に収納されている。また、上記カードユニット接続基板は透明樹脂材料等よりなるカードユニット接続基板ケース(図示せず)内に収納されている。特に、払出制御基板では、前述した主制御基板と同様、基板ケース(被包手段)を構成するボックスベースとボックスカバーとが封印ユニット(封印手段)によって開封不能に連結されることにより、基板ボックスが封印される。
上記払出制御基板は状態復帰スイッチと電気的に接続されており、例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチが押下されると、払出モータがゆっくりと正回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られるようになっている。
裏パックユニット203は、樹脂成形された裏パック351と遊技球の払出機構部352とを一体化したものである。
裏パック351は例えばABS樹脂により成型されており、略平坦状のベース部353と、パチンコ機後方に突出し横長の略直方体形状をなす保護カバー部354とを有する。保護カバー部354は左右側面および上面が閉鎖されかつ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも電動役物ユニット(センター役物)を囲むのに十分な大きさを有する(但し本形態では、前述のサブ制御基板も合わせて囲む構成となっている)。保護カバー部354の背面には多数の通気孔が設けられている。この通気孔は各々が長孔状をなし、それぞれの通気孔が比較的近い位置で隣り合うよう設けられている。従って、隣り合う通気孔間にある樹脂部分を切断することにより、裏パック351の背面を容易に開口させることができる。つまり、通気孔間の樹脂部分を切断してその内部の表示制御装置等を露出させることで、所定の検定等を容易に実施することができる。
また、ベース部353には、保護カバー部354を迂回するようにして払出機構部352が配設されている。すなわち、裏パック351の最上部には上方に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列(2条)の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出モータ等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払い出された遊技球は図示しない払出通路等を通じて前記上皿19に供給される。
タンクレール356と、当該タンクレール356に振動を付加するためのバイブレータ359とが一体化するようにユニット化されており、仮にタンクレール356付近で球詰まりが生じた際、バイブレータ359が駆動されることで球詰まりが解消されるようになっている。
上記払出機構部352には、前記払出制御基板から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込むための電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチの切替操作により電源ONまたは電源OFFとされるようになっている。
なお、内枠12の右上側には、内枠12が外枠11に対して開かれたことを検出する内枠開検出スイッチ(図示せず)が設けられており、内枠12が開かれると、内枠開検出スイッチからホール内(パチンコ店内)用コンピュータヘ出力されるようになっている。また、上記内枠開検出スイッチの左方には、前面枠開検出スイッチ(図示せず)が設けられており、前面枠セット14が開かれると、前面枠開検出スイッチからホール内(パチンコ店内)用コンピュータヘ出力されるようになっている。
(パチンコ機の電気的構成及び各種制御処理)
次に、図8を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。パチンコ機10は、電源装置313と、電源監視装置540と、主制御装置261と、サブ制御装置262と、払出制御装置311と、表示制御装置45等を備えている。以下に、これらの装置を個別に詳細に説明する。尚、電源監視装置540と主制御装置261とは、上記したように封印ユニットで封印されている。
次いで、主制御装置261の構成について説明する。主制御装置261には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU501が搭載されている。MPU501には、該MPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM503と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
RAM503は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのエリアが備えられている。
なお、MPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路542からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU501へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理が即座に実行される。
主制御装置261のMPU501には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、電源監視装置540内のRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、発射制御装置312、サブ制御装置262、特別図柄表示装置、普通図柄表示装置、特別図柄保留表示装置800、普通図柄保留表示装置801や、その他図示しないスイッチ群などが接続されている。なお、特別図柄表示装置は上記したように9個のLEDセグメントで構成されており、普通図柄表示装置は上記したように普通図柄用の第1および第2ランプで構成されており、特別図柄保留表示装置800は上記したように特別図柄に関する保留球の個数を表示する保留ランプ800aで構成されており、普通図柄保留表示装置801は上記したように普通図柄に関する保留球の個数を表示する保留ランプ801aで構成されている。
払出制御装置311は、払出モータ358aにより賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU511は、そのMPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、主制御装置261のRAM503と同様に、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM513には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのエリアが備えられている。
なお、主制御装置261のMPU501と同様、MPU511のNMI端子にも、停電時の発生による電源遮断時に停電監視回路542から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU511へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理が即座に実行される。
払出制御装置311のMPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、主制御装置261、払出モータ358aがそれぞれ接続されている。
発射制御装置312は、発射ソレノイドによる遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射ソレノイドは、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、払出制御装置311からカードユニットとの接続状態であることを示す接続信号が出力されていること、遊技者が遊技球発射ハンドル18に触れていることをセンサ信号により検出していること、発射を停止させるための発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、発射制御装置312は発射許可信号を主制御装置261に出力する。発射許可信号を入力した主制御装置261は、発射ソレノイド制御信号を発射制御装置312に出力する。これにより発射制御装置312は発射ソレノイド制御信号に応じて発射ソレノイドを駆動し、その結果、遊技球発射ハンドルの操作量に応じた強さで遊技球が発射される。
サブ制御装置262は、主制御装置261からのコマンドに基づいて装飾図柄の変動表示に応じた演出用スピーカ810等の鳴動制御及び演出用ランプ811の点灯(点滅)制御、並びに、主制御装置261からのコマンドに基づいて表示制御装置45へのコマンドを編集して表示制御装置45に送信する機能を果たすものである。サブ制御装置262のMPU550には、そのMPU550により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM551と、ワークメモリ等として使用されるRAM552とを備えている。MPU550には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン553を介して入出力ポート554が接続されている。入出力ポート554には、スピーカ、ランプ、演出ボタン79、後述する第1モータ417および第2モータ410、装飾図柄表示装置42における変動表示中において所定の表示演出を実行させるための演出用ボタン79、及び主制御装置261がそれぞれ接続されている。演出用ボタン79としては、例えば所定のキャラクタが順次出現する態様によって大当たり状態の可能性が大きいことを予告するステップアップ予告等の表示演出用ボタン等が挙げられる。なお、演出用ボタン79が押されると、所定の演出実行のための演出指定コマンドが生成されて、装飾図柄表示装置42に送信されようになっている。
表示制御装置45は、装飾図柄表示装置42における装飾図柄の変動表示を制御するものである。表示制御装置45は、ワークRAM等として使用されるRAM523を有するMPU521と、ROM(プログラムROM)522と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、画像コントローラ526と、入力ポート527と、出力ポート529とを備えている。
MPU521は、サブ制御装置262から送信されてくる図柄表示コマンド(停止図柄コマンド、変動パターンコマンド、確定コマンド等)を入力ポート527を介して受信するとともに、受信コマンドを解析し、又は受信コマンドに基づき所定の演算処理を行って画像コントローラ526の制御(具体的には画像コントローラ526に対する内部コマンドの生成)を実施する。プログラムROM522は、MPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値を記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶保持されている。RAM523は、MPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。
画像コントローラ526は、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)で構成されている。VDPは、装飾図柄表示装置42に組み込まれたLCDドライバ(液晶駆動回路)を直接操作する一種の描画回路であり、ICチップ化されているため、「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は描画処理専用のソフトウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。画像コントローラ526は、MPU521、ビデオRAM524等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM524に記憶される表示データを、キャラクタROM525から所定のタイミングで読み出して、出力ポート529を介して装飾図柄表示装置42に出力して表示させる。
ビデオRAM524は、装飾図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM524の内容を書き換えることにより装飾図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は装飾図柄表示装置42に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM525には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。特に、ビットマップ形式の図柄画像データにはそれぞれ図柄コード(図柄番号)が付与されており、コマンドレベルでは各図柄画像を図柄コードだけで管理可能としている。なお、キャラクタROM525を複数設け、各キャラクタROM525に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、プログラムROM522に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM525に記憶する構成とすることも可能である。
電源装置313は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部541を備えている。この電源部541は、電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電圧を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を、電源監視装置540、サブ制御装置262、払出制御装置311、表示制御装置45等に対して供給する。なお、主制御装置261に対しては、電源監視装置540を介して動作電圧(12ボルト及び5ボルトの電圧)が供給される。また、発射制御装置312に対しては、主制御装置261を介して動作電圧(12ボルト及び5ボルトの電圧)が供給される。
電源監視装置540は、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、リセット信号を出力するリセット回路544と、を備えている。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置261のMPU501及び払出制御装置311のMPU511の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、NMI割込処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチが押下された場合に、主制御装置261及び払出制御装置311へ、バックアップデータをクリアするためのRAM消去信号SG2を出力する回路である。なお、払出制御装置311への信号の送信は、主制御装置261を介して行われる。
主制御装置261及び払出制御装置311は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、それぞれのバックアップデータをクリアする。
リセット回路544は、主制御装置261、払出制御装置311、サブ制御装置262、及び表示制御装置45を初期化するため、リセット信号を出力する回路である。なお、リセット回路544からのリセット信号は、主制御装置261に対しては直接与えられるが、払出制御装置311、サブ制御装置262、及び表示制御装置45に対しては、電源装置313を介して与えられるようになっている。
ここで、特別図柄表示装置、普通図柄表示装置、及び装飾図柄表示装置42の表示内容について説明する。なお、本実施形態のパチンコ機10においては、大当たりの発生を示すための図柄として特別図柄表示装置で表示される特別図柄と、装飾図柄表示装置42で表示される装飾図柄との2種類が設けられている。装飾図柄は、特別図柄と同期して変動が行われる図柄であり、特別図柄の変動開始と同時に(又はほぼ同時期に)変動を開始し、また特別図柄の変動停止と同時に(またはほぼ同時期に)変動を停止するものである。この装飾図柄は、遊技者に多種多様な表示演出を行って飽きにくい遊技性を備えるために設けられている。
先ず、特別図柄表示装置の表示内容について説明する。特別図柄の変動表示は、9個のLEDセグメントの点灯パターンの変化により表現される。この特別図柄の変動表示は遊技球の始動入賞装置33への入賞に基づいて開始され、一定時間後に特別図柄の変動表示が同時に停止する。その停止後に、大当たりを示す点灯パターンあるいは外れを示す点灯パターンが表示され、外れの場合は、始動入賞装置33への入賞に基づいて再度の変動表示が行われる。遊技球が始動入賞装置33に入賞した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が特別図柄保留表示装置800の保留ランプ800aにて点灯表示されるようになっている。
次いで、装飾図柄表示装置42の表示内容について説明する。装飾図柄表示装置42の表示画面には、例えば、上段・中段・下段に区分けされた3つの表示領域に3つの装飾図柄列Z1〜Z3が表示される。これら装飾図柄列Z1〜Z3は、右から左にスクロール表示される。装飾図柄は、例えば「1」〜「9」の数字からなる主図柄と、主図柄より小さい副図柄とにより構成され、これら各主図柄および副図柄によって装飾図柄の図柄列が形成される。装飾図柄で形成される各図柄列では、数字の昇順又は降順に主図柄が配列されると共に各主図柄の間にそれぞれ副図柄が配列されている。始動入賞装置33への入賞すなわち始動入賞が発生すると、装飾図柄の変動表示が行われ、変動パターンに応じた一定時間の経過後に変動表示が停止し、装飾図柄表示装置42には縦3×横3の9個の装飾図柄が表示結果として表示される。大当たり抽選に当選した変動表示においては、9個の装飾図柄のうち垂直あるいは斜めの一直線上に同一の主図柄が3つ揃って停止するように表示制御装置45により制御が行われ、遊技者に大当たりの発生が示される。一方、大当たり抽選に外れた変動表示においては、9個の装飾図柄のうち垂直あるいは斜めのいずれにも同一の主図柄が3つ揃って停止しないように表示制御装置45により制御が行われ、遊技者に外れの発生が示される。
次いで、普通図柄表示装置の表示内容について説明する。普通図柄の変動表示は、第1ランプ(外観が○形状)と、第2ランプ(外観が×形状)とが交互に点灯することにより表現される。この普通図柄の変動表示は遊技球が第2の始動入賞装置34を通過することを条件として開始され、一定時間後に普通図柄の変動表示が停止する。そして、第1ランプで停止した場合に第1の始動入賞装置33が所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。遊技球が第2の始動入賞装置34を通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が普通図柄保留表示装置801の保留ランプ801aにて点灯表示されるようになっている。
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。本形態では、主制御装置261内のMPU501は、遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり抽選や特別図柄表示装置の図柄表示の設定などを行うこととしている。具体的には、特別図柄に関連するカウンタ群と、普通図柄に関連するカウンタ群とを備えている。先ず、特別図柄に関連するカウンタ群について説明する。特別図柄に関連するカウンタ群としては、大当たりの抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、特別図柄表示装置の大当たり図柄の選択に使用する大当たり図柄カウンタC2と、特別図柄表示装置が外れ変動する際の停止パターンの選択(装飾図柄の変動においてはリーチとするか完全外れとするかのリーチ抽選に相当する)に使用する停止パターン選択カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する種別を決定する変動種別カウンタCS1〜CS3とを備えている。
ここで、変動パターンとは、変動表示の特徴が共通するものを区分した場合における各パターン(形態)を意味している。
上記カウンタC1〜C3,CINI1,CS1〜CS3、は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM503には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる保留球格納エリア700が設けられており、これらの各エリアには、始動入賞装置33への遊技球の入賞タイミングに合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。
次いで、各カウンタの具体的な内容について詳述する。
大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜738の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり738)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINI1の値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINI1は、大当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜738)、タイマ割込毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で繰り返し更新される。大当たり乱数カウンタC1は定期的に(本形態ではタイマ割込毎に1回)更新され、遊技球が始動入賞装置33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリア700に格納される。大当たりとなる乱数の値の数は、低確率時と高確率時とで2種類設定されており、低確率時に大当たりとなる乱数の値の数は2で、その値は「373,727」であり、高確率時に大当たりとなる乱数の値の数は14で、その値は「59,109,163,211,263,317,367,421,479,523,577,631,683,733」である。なお、高確率時とは、特別図柄の組み合せが予め定められた確率変動図柄である特定図柄の組み合せによって大当たりになり付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確変の時をいい、通常時(低確率時)とはそのような確変状態でない場合をいう。
大当たり図柄カウンタC2は、大当たりの際、特別図柄表示装置における特別図柄の変動停止時の図柄を決定するものであり、例えば0〜4の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり4)に達した後0に戻る構成となっている。例えば、大当たり図柄カウンタC2の値が「0」、「1」の場合の停止図柄は、9個のLEDセグメントが特定の点灯パターンで停止し、この場合の停止図柄の組み合せは非特定図柄(通常の大当たり図柄)を意味する。
大当たり図柄カウンタC2の値が「2」、「3」、「4」の場合の停止図柄は、9個のLEDセグメントが上記とは別の特定の点灯パターンで停止し、この場合の停止図柄の組み合せは特定図柄(確率変動図柄)を意味する。
大当たり図柄カウンタC2は定期的に(本形態ではタイマ割込毎に1回)更新され、遊技球が始動入賞装置33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリア700に格納される。
停止パターン選択カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。本形態では、特別図柄の変動表示は、9つのLEDセグメントで表現するように構成され、変動表示時間を特別図柄の変動表示時間に同期させることとしている。一方、装飾図柄の場合は、3つの装飾図柄が停止するので、リーチが存在する。従って、装飾図柄の場合は、リーチ抽選を、停止パターン選択カウンタC3によって決定している。即ち、装飾図柄の場合では、リーチ発生した後に最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチ発生しない「完全外れ」とを抽選することとしている。例えば、停止パターン選択カウンタC3=0〜201が完全外れに該当し、停止パターン選択カウンタC3=202〜208が前後外れリーチに該当し、停止パターン選択カウンタC3=209〜238が前後外れ以外リーチに該当する。
ここで、リーチとは、装飾図柄表示装置42の表示画面に表示される装飾図柄が変動表示を開始した後、先に停留する図柄の組み合せが同一図柄(複数の有効ラインがある装飾図柄においてはいずれかの有効ライン上で同一図柄)であって大当たりの条件を満たしており、変動表示が続いている図柄の表示結果如何によっては大当たりとなることを遊技者に示唆して大当たりの図柄の組み合せを遊技者に期待させる表示であり、興趣演出の1種である。興趣演出とは、変動表示の途中で装飾図柄表示装置42の表示画面にリーチに代表される所定の図柄を現出させたり、スピーカから特定の音声を出力したり、或いは、振動用のモータによって遊技球発射ハンドル18を振動させる等、通常とは異なる態様を変動表示に伴わせて変動表示後の表示結果が大当たりとなることを遊技者に期待させる演出である。
なお、停止パターン選択カウンタC3は定期的に(本形態ではタイマ割込毎に1回)更新され、遊技球が始動入賞装置33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリア700に格納される。
変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS2は、例えば0〜240の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり240)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS3は、例えば0〜162の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり162)に達した後0に戻る構成となっている。
変動種別カウンタCS1によって、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等のリーチの種別のような大まかな図柄変動態様が決定され、変動種別カウンタCS2によって、例えばノーマルリーチA、ノーマルリーチB等のようにさらに細かな図柄変動態様が決定され、変動種別カウンタCS2によって、例えばすべり停止変動の場合の変動時間の加減算が決定される。従って、これらの変動種別カウンタCS1〜CS3を組み合わせることで、変動パターンの多種多様性を容易に実現できる。また、カウンタCS1〜CS3および大当たり乱数カウンタC1の値に基づいて、後述する可動装置401を動かすか否かの決定ならびに該可動装置401をどのように動かすかの決定がなされる。例えば、リーチの種別として、上記のようなもの以外にも、スーパーリーチ1、スーパーリーチ2およびスペシャルリーチを含むものとし、スーパーリーチ1のときは後述する最前部LED416Fから回転体405を通して光を照射し、スーパーリーチ2のときは上記回転体405の発光に加えて該回転体405を回転させ、スペシャルリーチのときは、上記回転体405の発光および回転に加えて、後述する可動片407を拡大し回転させるとともに、放射状LED416Rから光を照射して可動片407の鏡面部407Mで反射させるようにする、といった態様等が可能である。
カウンタCS1〜CS3は、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、特別図柄表示装置による特別図柄及び装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動開始時における変動パターン決定に際してカウンタCS1〜CS3のバッファ値が取得される。
次いで、普通図柄に関連するカウンタ群について説明する。普通図柄に関連するカウンタ群としては、当たりの抽選に使用する当たり乱数カウンタC4と、当たり乱数カウンタC4の初期値設定に使用する初期値乱数カウンタCINI2とを備えている。
上記当たり乱数カウンタC4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM503には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる保留球格納エリア701が設けられており、これらの各エリアには、第2の始動入賞装置34への遊技球の通過に合わせて、当たり乱数カウンタC4の値が格納される。
次いで、上記当たり乱数カウンタC4,初期値乱数CINI2の具体的な内容について詳述する。当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻る構成となっている。そして、当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の当たり初期値乱数カウンタCINI2の値が当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。なお、初期値乱数カウンタCINI2は、当たり乱数カンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜250)、タイマ割込毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で繰り返し更新される。当たり乱数カウンタC4は定期的に(本形態ではタイマ割込毎に1回)更新され、遊技球が第2の始動入賞装置34を通過したタイミングでRAM503の保留球格納エリア701に格納される。当たり乱数カウンタC4の当たりとなる乱数の値の数は149で、その値は「5〜153」である。
なお、各カウンタの大きさや範囲は一例にすぎず任意に変更できる。但し、不規則性を重視すれば、大当たり乱数カウンタC1、停止パターン選択カウンタC3、当たり乱数カウンタC4、変動種別カウンタCS1〜CS3の大きさは何れも異なる素数とし、いかなる場合にも同期しない数値としておくのが望ましい。
尚、主制御装置261内のMPU501により実行される各制御処理の詳細については、ここでは詳細説明を省く。
しかし、要約すれば、上述のように、始動入賞装置33への入賞により、主制御装置261において所定の確率の当否抽選がなされ、当たりに際しては、特別遊技状態に移行するのであり、これに伴って可変入賞装置32が入賞球の受球状態となるものである。
(可変入賞装置と捕集部)
この実施例においては、上記の可変入賞装置32は、次のように構成されている。
この可変入賞装置32の基本構成は、遊技盤30の横方向に複数の遊技球を通過させることのできる幅を持つ大入賞口61からの入球を収容部(図示せず)に収容し、該収容部に設けた排出部から検出センサ(図示せず)に至って検出するように構成されている。
そして、前記遊技盤30の遊技領域に、窓部101と遊技盤30との間の流下空間を流下する遊技球を入球させる始動入賞装置33(33a及び33b:図4参照)が設けられ、前記始動入賞装置33への入球により、主制御装置261によって、所定の確率の当否抽選が行われ、該当たり抽選によって遊技状態が特別遊技状態に移行し、該特別遊技状態において、少なくとも1回、前記可変入賞装置32が、非受球状態から受球状態に切り替わり、前記受球状態において、前記大入賞口61から収容部に収容された規定数の入賞球を、前記検出センサにより検出することによって規定数の賞球を払い出すように構成してある。
(特徴構成)
本実施形態のパチンコ機10においては、図4に示すように、可変表示装置ユニット35に可動装置401が設けられている。図9は可変表示装置ユニット35の正面図、図10は可変表示装置ユニット35の背面図、図11は可変表示装置ユニット35の左側面図、図12は可変表示装置ユニット35の右側面図、図13は可変表示装置ユニット35の平面図、図14は可変表示装置ユニット35の底面図、図15は可変表示装置ユニット35の分解斜視図である。
可変表示装置ユニット35は、図4に示すように、遊技領域の中央部に配置され、電動役物ユニットあるいはセンター役物とも称されるものであり、図9および図15に示すように、装飾図柄表示装置42を中央に備え、該装飾図柄表示装置42の上辺部、下辺部、左辺部および右辺部をセンターフレーム43で包囲するようにして構成され、遊技領域内の大きな面積を占める大型の役物となっている。センターフレーム43は、装飾を施した上枠部43T、下枠部43B、左枠部43Lおよび右枠部43Rよりなる。センターフレーム43の外周にはネジ孔を有するフランジ43Fが設けられており、木ネジ等により遊技盤30上に固定されるようになっている。
センターフレーム43の上枠部43Tは、全体的に両端から中央へかけて上方へやや緩やかに隆起し、さらにその中央部が上方へやや急峻に山状に隆起して山形突起部431が形成されている。該山形突起部431の両側の山裾部には、図15に示すように、上方に向かって開口する右上入球口432Rおよび左上入球口432Lがそれぞれ設けられている。センターフレーム43の上方へ飛来した遊技球は、上記山形突起部431より右下または左下へ転動して流下し、そのうちの一部の遊技球はその途上で右上入球口432Rまたは左上入球口432Lに入球し、それ以外の遊技球はセンターフレーム43の右下方または左下方へ離脱して遊技領域をさらに流下していく。あるいは、センターフレーム43の上枠部43T上を転動することなく直接的に右上入球口432Rまたは左上入球口432Lに入球することもある。上記右上入球口432Rには、上枠部43Tの内部で右下方向へ延びて右枠部43Rの内部を下方に延びる球誘導路図示せず)が連通し、上記左上入球口432Lには、上枠部43Tの内部で左下方向へ延びて左枠部43Lの内部を下方に延びる球誘導路図示せず)が連通している。
下枠部43Bには、全体的に下方に凹むように湾曲する概略円弧状のステージ374が形成されている。該ステージ374の中央部すなわち下端部は上方に若干隆起し、その頂部に、内奥側へ向けて下傾する溝状誘導部374aが形成され、この隆起部分の左右両側部に、前面側へ向けて下傾する溝状誘導部374b、374bがそれぞれ形成されている。また、上記ステージ374中央部の溝状誘導部374aの内奥側端に当接する壁面(遊技盤30に平行な壁面)に、開口375が設けられるとともに、上記ステージ374中央部の溝状誘導部374aの直下部には排出口376が設けられ、該開口375と排出口376とは下枠部43Bの内部で連通している。
左枠部43Lの下端部には、図15に示すように、上記ステージ374へ向けて開口する袖開口377が設けられ、右枠部43Rの下端部にも同様の袖開口図示せず)が設けられている。
上記上枠部43Tの右上入球口432Rまたは左上入球口432Lに入球した遊技球は、上枠部43T内部から右枠部43R内部へ延びる球誘導路内を流下し、上記袖開口からステージ374へ案内される一方、上枠部43T内部から左枠部43L内部へ延びる球誘導路内を流下し、上記袖開口377からステージ374へ案内される。こうしてステージ374の両側(両袖)から出てきた遊技球は、ステージ374上を転動して左右に往復し、多くはその途上で前記溝状誘導部374b、374bに案内されてステージ374の前面側へ転落したり、あるいは稀に中央部でうまく溝状誘導部374aに案内されて開口375に入り、排出口376から前面側へ排出され、直下に位置する第1の始動口33に高確率で入球することとなる。
上記センターフレーム43は、遊技盤30の中央に穿設した貫通孔に前側から嵌装され、前述の通りフランジ43Fで木ネジ等により遊技盤30の前面に固定されるが、貫通孔から後方へ突出した部分を覆うようにして、後方被覆部材44が遊技盤30に裏側から取り付けられる。後方被覆部材44は、正面視概略矩形状で4辺から周壁が前方へ延出した概略皿状の外形を有し、中央の大部分の面積を占める長方形状の中央開口44Cが穿設されて図10に示すように後方被覆部材44の裏面に取り付けられた装飾図柄表示装置42の表示面が表側へ露出するようになっているとともに、中央開口44Cの上方には中央上部開口44Tが穿設されて可動装置401が裏側へ露出するようになっている。後方被覆部材44における周壁の前側端縁からはネジ孔を有するフランジ44Fが外側へ延出しており、木ネジ等により遊技盤30の裏面に固定されるようになっている。図15に示すように、センターフレーム43の下枠部43Bにおけるステージ374より後上方部は横長に延びる壇状となっているが、この部分を上方から覆う装飾カバー部材46が、後方被覆部材44における中央開口44Cの前下部に固定されるようになっている(図9では図示省略)。装飾カバー部材46は、上面部をはじめ大部分に装飾がなされるとともに、左右各4個ずつ、計8個の保留ランプ800aが横1列に配置されている。
上記センターフレーム43の上枠部43Tは、前述の通り遊技球を内外で左下方向又は右下方向に案内し流下させるように機能するものであるが、さらに、装飾演出を行う上でも大きな割合を占める部位となっている。以下、上記センターフレーム43の上枠部43Tの装飾演出について説明する。
上枠部43Tには前記したように山形突起部431が形成されているが、図9および図15に示すように、この山形突起部431を含む上枠部43Tの中央部の前面には、正面視概略円形で内奥へ凹入する凹部433が形成され、該凹部433内に、可動装置401が設置されている。
可動装置401は、図17および図21に示すように、基体402と後方カバー403とから主として構成される本体部401Bの前面側に、可動部材404および回転体405が可動に支持された構成となっている。
基体402は、図25および図26に示すように、全体的に正面視概略円形で上端が鈍角をなして上方へ突出する形状を有し、周縁に前方へ延出する周壁が形成された皿状の透明樹脂よりなる部材となっており、中央からは中空で丸棒状の支軸突起402Pが前方へ延出している。基体402における裏面の左側部には、駆動源である第1モータ417が支持固定されており、駆動軸の先端に固定された第1駆動ギア417Gから可動部材404へ回転が伝達されるようになっている。
基体402の前面部には、該基体402の正面形状にほぼ等しい外形をそれぞれ有する第1LED基板408および背面板409がこの順に嵌着固定されている。該第1LED基板408および背面板409の中央部には、回転盤406よりやや小径の円形の開口408S、409Sがそれぞれ穿設されている。図25に示すように、背面板409の開口409Sの周縁には、概略矩形状に凹入する切欠409Eがほぼ等間隔に8箇所にそれぞれ配置形成され、第1LED基板408上には各切欠409E内に周部LED408Lがそれぞれ前方に向けて配置されている。また、背面板409の上端縁にも、中央を含む所定間隔をおいた5箇所に概略矩形状に凹入する切欠409Fがそれぞれ配置形成され、第1LED基板408上には各切欠409F内に上部LED408Eがそれぞれ前方に向けて配置されている。上記周部LED408Lは、後述の可動部材404の回転盤406を通して前方へ光を照射するものである。一方、図9および図15に示すように、センターフレーム43の上枠部43Tにおける山形突起部431の前面部であって凹部433より上側の位置には、光透過性を有する装飾窓434が形成されており、上記上部LED408Eは、該装飾窓434を通して後方から前方へ光を照射するものとなっている。
図16ないし図19、図25および図26に示すように、基体402の右側部、右下部、左下部および左側部には、略U字状に延出しネジ挿通孔が穿設されたネジ挿通片402Fがそれぞれ形成されており、該ネジ挿通片402Fで基体402がセンターフレーム43の上枠部43Tに裏面側からネジにより固定されるようになっている。図26に示すように、基体402の裏面における左側近傍、右側近傍および下端近傍には、円柱状に突出し内部にネジ穴を有する螺入部402Sがそれぞれ形成され、該螺入部402Sで後述する後方カバー403が固定されるようになっている。
後方カバー403は、図17に示すように、基体402にほぼ対応する正面形状を有して該基体402の背面側をほぼ覆うやや奥行のある透明樹脂よりなる部材となっており、中央よりやや上寄りの位置には、図10にも示すように、回転体405を駆動する駆動源である第2モータ410が支持固定されている。後方カバー403の左側部、右側部および下端部には、ネジ挿通孔が穿設されたネジ挿通部がそれぞれ形成され、後方カバー403が各ネジ挿通部で上述の基体402の螺入部402Sにネジにより固定されるようになっている(図示せず)。図10および図17に示すように、後方カバー403の裏面側には背面基板411が固定されており、各部のモータおよびLEDの配線を中継するようになっている。
可動部材404は、図22および図23に示すように、円板状の回転盤406の前面側に複数(6個)の可動片407が支持されて構成されている。回転盤406は、図25および図26に示すように、円板状体の中心に、前後にやや突出する円筒部406Dを有する透明樹脂よりなる成形体であり、該円筒部406Dが図22に示すように前記基体402の支軸突起402Pに外嵌されて回転自在に軸支されるようになっている。図25および図26に示すように、円筒部406Dの外側からは、径方向に沿って放射状に延びる複数本(6本)のスリット406Sが等間隔に設けられ、図26に示すように、回転盤406の裏面には、各スリット406Sの一方側に隣接して円柱状のピニオン支軸406Pがそれぞれ後方へ延出している。回転盤406の裏面には、細小な凹凸が全面に密に形成され、これにより光拡散性を有するようになっている(図示せず)。図25および図26に示すように、回転盤406の円筒部406Dを間隔をおいて外側から包囲するようにして、第1被動ギア418が後方から嵌装される。該第1被動ギア418には、大径に環状配置された前側歯部418Fおよび小径に環状配置された後側歯部418Rが前後に段をなすように一体的に形成されている。該第1被動ギア418の前側歯部418Fに咬合しながら6個のピニオン419が上記ピニオン支軸406Pにそれぞれ嵌装され、さらに、第1被動ギア418の後側歯部418Rより僅かに大径で該後側歯部418Rを挿通し得るとともに前側歯部418Fよりも小径の円状開口を有する円環状の押え板420が、上記6個のピニオン419および前側歯部418Fを後方から覆うとともに後側歯部418Rを挿通しながら、ピニオン支軸406Pの先端に固定され、これにより、第1被動ギア418が回転盤406の円筒部406Dの周りに回転自在に保持されるようになっている。第1被動ギア418の後側歯部418Rには、前記第1モータ417の第1駆動ギア417Gが咬合して、該第1モータ417の回転が第1被動ギア418に伝達されるようになっている。即ち、上記第1駆動ギア417G、第1被動ギア418、ピニオン419等により、上記第1モータ417の動力を可動部材404に伝達して可動片407をスライド動作させるとともに回転盤406を回転させるように駆動する第1動力伝達機構が構成されている。さらにまた、回転盤406の円筒部406Dの後端には第2駆動ギア421が後方から嵌着、固定され、該第2駆動ギア421は、図28および図29にも示すように、第2被動ギア422を介してオイルダンパ423に連動連結されるようになっており、これにより回転盤406が所定レベル以下の低トルクでは回転しないように制動されるようになっている。なお同図に示すように、第2駆動ギア421ないし第2被動ギア422は第1動力伝達機構には連動連結されておらず、したがって、第1モータ417とオイルダンパ423との間で、回転盤406を介することなく直接的に動力が伝達されることはないように構成されている。図25および図26に示すように、第2被動ギア422およびオイルダンパ423には後方から支持部材424が嵌着され、該支持部材424は前記基体402の裏面に取り付けられる。
可動片407は、図30および図31に示すように、正面視概略扇状に外側へ拡大する形状をなして回転盤406に平行に拡がる平板部407Pの外周部における両端よりやや内側の位置から、引き続き正面視概略扇状に外側へ拡大するとともに、前面が約45°の傾斜角度で傾斜しながら、前方へ次第に膨出するように延びる立体部407Cが一体的に成形され、これら平板部407Pおよび立体部407Cの裏面に、これらに対応する正面視概略扇形状の厚板状の基台407Bが固定された構成となっている。上記平板部407Pおよび立体部407Cの表面には全体的にメッキ(本実施例ではピンク色)が施され、これにより立体部407Cの前面が鏡面部407Mとなっており、また立体部407Cの外周面は波状に凹凸する形状に成形されている。また、基台407Bの裏面における中央部には、径方向に延びるラック407Rが一体的に成形され、該ラック407Rは前記回転盤406におけるスリット406Sの側縁に係合し得る断面鉤形状に形成されている。可動片407は、前記回転盤406の前面側から、ラック407Rをスリット406S内に挿入し側縁に係合させるとともに、該ラック407Rを前記第1動力伝達機構のピニオン419に咬合させるようにして取り付けられている。これにより、可動片407は、第1モータ417の動力が第1動力伝達機構により伝達されて、スリット406に沿って即ち回転盤406の径方向に沿って内外に出入り(拡大・縮小)するようにスライド動作するようになっている。
可動片407は、図22、図32および図34に示すように、回転盤406の前面に6個が円環状に並ぶように配置され、6個の可動片407が一斉に(同時に)放射状に拡大および縮小するように駆動される。図22および図32に示すように、6個の可動片407が最も縮小するように中心寄りに位置すると、6個の可動片407の平板部407P同士がほぼ隙間なく隣接し合って概略円環をなし、このとき、立体部407Cは平板部407Pよりもやや幅狭であるため、立体部407C同士の間にはスリット状の間隔部407Sが形成される。
可動部材404の前側には、図40および図41に示すように、それぞれ概略円板状の支持板412、第2LED基板416、光拡散板413および回転体405がこの順に取り付けられている。
支持板412は、樹脂製の概略円板状体となっており、中央には、軸挿通孔の周縁から対向する1対の支持壁が軸を両側から挟むように前後に延出した構成を有する軸挿通部412Pおよびその両側のネジ挿通孔412Sが形成され、外周縁には、第2LED基板416のコネクタに対応する第1切欠412Eと、後述する放射状LED416Rに対応する第2切欠412Fとが、それぞれ内側へ概略矩形状に凹入する形状となるように、間隔をおいて円環状に配置形成されている。
第2LED基板416は、中央に上記支持板412の軸挿通部412Pおよびネジ挿通孔412Sにそれぞれ対応する嵌挿孔416Pおよびネジ挿通孔416Sを有し、図40に示すように、前面には外周に沿って円環状に複数(10個)のLEDがそれぞれ前向きにしてほぼ等間隔に配置され、外周と中心との中間の位置にも円環状に複数(5個)のLEDがそれぞれ前向きにして配置されていて、後述する回転体405の外周部および中間部をそれぞれ透過させて前方へ光が照射されるようになっている(以下、これら同心円状(二重丸状)に配置された計15個のLEDを最前部LED416Fとも称す)。また図41に示すように、裏面には、外周に沿って円環状に複数(8個)のLED416Rがそれぞれ外向きにして、即ち放射状に拡がる方向に向けて配置されている(以下、これらLED416Rを「放射状LED416R」とも称す)。第2LED基板416の配線は、上記支持板412の第1切欠412Eから前記基体402の支軸突起402Pの内部を通して前記背面基板411に接続される。
光拡散板413は、中央に上記支持板412の軸挿通部412Pおよびネジ挿通孔412Sにそれぞれ対応する嵌挿孔413Pおよびネジ挿通孔413Sを有し、中央部が後方へやや陥入するとともに周縁部が後方へ丸く湾曲しながらやや延出して上記第2LED基板416の外周縁までを覆う形状(ただし裏面の放射状LED416Rは覆わず露出させるようにして)となるように成形され、表面には全体に微細な凹凸が密に形成されて(図示せず)光拡散性を有するものとなっている。
上記支持板412、第2LED基板416および光拡散板413は、上記支持板412の軸挿通部412Pを第2LED基板416および光拡散板413の嵌挿孔416P、413Pに嵌挿するようにして、前記基体402の支軸突起402Pの先端にこの順に前方へ重ねるようにして配置され、ネジ挿通孔412S、416S、413Sからネジ425を螺入することにより固定されるようになっている。
回転体405は、図16、図17、図37および図38に示すように、5枚の花弁を有するハイビスカスの花の形状を模し、前面が中心から外周へかけて、前方へ緩やかに膨出してから中間部で後方へ緩やかに反り返るように湾曲するとともに、表面に多数の皺を含む不規則な凹凸が形成され、周縁も不定形に凹凸する形状となるように樹脂を成形して得られた部材となっている。回転体405の背後には前述の通り6個の可動片407が円環状に並ぶように配置されているが、これら可動片407は、回転体405が表すハイビスカスの花に対して、その萼片を表すものとなっている。回転体405の中央部は、特定色(紫色)を有するがほぼ透明に近く、中間部から外周縁部にかけて、光透過性を保持したままで次第に上記特定色(紫色)が濃くなっていくように(したがって特に境界が形成されないように)着色がなされている。図41に示すように、回転体405の裏面も平面ではなく、多数の凹凸形状を有するとともに全体的に緩やかに湾曲する形状となっているが、前面に対比すればより平坦に近く、したがって、上記のように前面が中間部で前方へ膨出する形状となっていることから、回転体405は全体として、中心部および外周部が比較的に薄く、中間部ほど厚みが大きい形状となっており、これにより、前後方向に通過する光をレンズ様に屈折させるようになっている。
図40、図41および図42に示すように、前記支持板412、第2LED基板416および光拡散板413の後方からは駆動軸414が挿通され、その先端部(前端部)が回転体405の中心部に裏側から固定されるようになっており、これとともに、回転体405の中心部には前側から装飾突起体415が固定されるようになっている。図40に示すように、駆動軸414の先端部は、側方から切削されて断面部分円形状で軸方向に平行な平面部を有する形状に成形され、該平面部から駆動軸414の径方向に沿って延びるネジ孔が穿設されている。図41に示すように、回転体405の中心部には、軸方向に平行な矩形状の平面部と、該平面部の両側から正面視略U字状に延びる湾曲面部とを有して全体として正面視略D字形状をなして後方へ延出する周壁部405Pが形成され、該周壁部405Pの内部には、上記平面部の内側面に沿って、断面長方形状に回転体405を厚み方向(前後方向)に貫通する角孔と、上記湾曲面部の内側面に沿って、断面略U字形状に回転体405を厚み方向(前後方向)に貫通するU字孔とが穿設され、該角孔とU字孔とは一体的に連通しており、上記平面部にはネジ挿通孔が穿設されている。装飾突起体415は、雌しべを模し、表面全体に多数の粒状体を有する形状となるように、光透過性を有し薄く特定色(ピンク)に着色された樹脂を成形して得られたものとなっており、基端部からは、矩形状の挿入片415Tが後方へ延出し、該挿入片415Tにはネジ挿通孔が穿設されている。上記回転体405における周壁部405P内の角孔には、前側から上記装飾突起体415の挿入片415Tが挿通され、U字孔には、後側から上記駆動軸414の先端部が挿通され、周壁部405Pの平面部および装飾突起体415の挿入片415Tのネジ挿通孔に外側からネジ426が挿通されて駆動軸414の先端部に螺入され、これにより、回転体405および装飾突起体415が駆動軸414の先端に固定される。
図37ないし図41に示すように、駆動軸414の後端部には第3被動ギア427が固定されており、該第3被動ギア427は前記第2モータ410の駆動軸に固定された第3駆動ギア428に咬合していて、これにより、前後方向に延びる駆動軸414を介し第2モータ410の回転が伝達されて回転体405が回転駆動されるようになっている。即ち、上記駆動軸414、第3被動ギア427および第3駆動ギア428により第2動力伝達機構が構成されている。
また、第2動力伝達機構には回転位置検知センサ(フォトセンサ)429が設けられている。該回転位置検知センサ429は、上記第3被動ギア427に連動連結されて回転駆動される円板状の遮光板429Dと、上記遮光板429Dの厚さより大きい間隔をおいて平行に2本の角柱状体が基台から延出した構成のゲート部429Gとを備えるものとなっており、前記基体402の裏面に取り付けられている(この取付構造は図示省略)。該ゲート部429Gの両角柱状体における一対の対向面のうち一方に発光素子が、他方に受光素子がそれぞれ配置されており、両角柱状体が遮光板429Dを両面側から挟むようにして配置されている。遮光板429Dには外周から径方向に沿って中心側へ延びる1本のスリット429Sが形成されており、遮光板429Dの回転にともないスリット429Sが上記ゲート部429Gを通過すると、発光素子からの光が該スリット429Sを通って受光素子に受光されることにより、該スリット429Sの通過が検知される。これにより、回転体405の回転位置が検知され、該回転体405が図16に示す所定の角度位置(初期位置)で停止するように制御されるようになっている。
なお、上記駆動軸414は、前記基体402の後方から、支軸突起402P内に挿通され、図32に示すように、その先端部が該支軸突起402Pの先端から突出して、上述の通り支持板412、第2LED基板416および光拡散板413に挿通されて回転体405の中心部に裏側から固定されるようになっている。
図43ないし図45は、可動装置401の動作を説明する模式図である。以下、同図に基づき可動装置401の動作について、特に可動部材404の動作を中心として順次記述する。
(1)図43(a)に示すように、6個の可動片407が最も縮小した中心寄りの位置にあるときには、これら可動片407が回転体405の背後に殆ど隠れて前方からは視認し難い状態にある一方、周部LED408Lが可動片407の外側にほぼ全的に露出するとともに、一部が回転体405の周縁部に隠れる程度であってそれ以外の大部分が回転体405の外側に露出している。したがってこの状態では、周部LED408Lを発光させると、この発光が、回転盤406を透過して拡散し、一部は回転体405の周縁部も透過することになるが、いずれにせよ殆ど遮蔽されることなく前方へ照射されることとなる。
またこの状態で、第2LED基板416の放射状LED416Rを発光させると、放射状に照射された光が各可動片407の鏡面部407Mの周縁部でほぼ直角に反射して前方へ照射され、その途上で回転体405の周縁部を透過するので、該回転体405の凹凸形状ないし厚みの相違により屈折するとともに、該回転体405の周縁部における紫色の着色により同色を帯びた発光が得られる。
なお、図33および図35には、上記可動片407、周部LED408Lおよび放射状LED416Rの位置関係を、第2LED基板416も含めて図示している。
(2)上記の状態で、第1モータ417を回転させ、第1動力伝達機構を介し、回転盤406を一方向(反時計回り方向)に回転させる方向に動力を伝達させると、まず、図43(b)に矢印A1で示すように、6個の可動片407が一斉に放射状に拡大して、回転体405の周縁より外側へはみ出す。
このとき、回転盤406は前述の通り、オイルダンパで制動されることにより、所定レベルを超える高トルクがかからないうちは回転が規制されており、一方、可動片407のスライド動作は特に規制されておらず低トルクでも容易に駆動されるので、第1動力伝達機構から動力が伝達されると、回転盤406にまだ大きなトルクがかかっておらず回転が開始されないうちに、先に可動片407のみが駆動されて拡大する方向にスライド動作する。このように動作初期に回転盤406の回転が規制されることにより、可動片407の拡大動作が確実になされ、例えば可動片407の拡大動作が遅れたり、あるいは可動片407の拡大動作がなされないまま回転盤406の回転のみがなされたりするといった不具合が起こり難いようになっている。
(3)可動片407が限界位置まで拡大すると、回転盤406に第1動力伝達機構からの動力が直接的に伝達されることとなり、トルクが所定レベルを超えると、図44(a)に示すように、回転盤406が矢印A2で示す一方向(反時計回り方向)に回転を開始する。
このとき、可動片407は8個の周部LED408Lを結ぶ円環に交差する位置にあり、回転盤406が上記のように回転すると、これとともに各可動片407が8個の周部LED408Lの前を順次通過していくように周回することとなるが、周部LED408Lは約45°毎に、可動片407は約60°毎にそれぞれ配置されているから、全ての可動片407が8個の周部LED408Lの位置を同時に通過することはなく、少しずつずれるようにして通過していく。したがって、可動片407が周回するにつれ、隣接する可動片407の間の間隔部407Sから断続的に各周部LED408Lが露出する、即ち各可動片407が各周部LED408Lを遮蔽および露出しながら周回するが、各周部LED408Lが一斉に露出および遮蔽されるのではなく、時間間隔をおいて、即ち位相をずらして露出および遮蔽されることとなる。このように回転盤406が回転する間、周部LED408Lを発光させると、各周部LED408Lが照射される光が位相をずらして露出および遮蔽されることとなり、これにより発光態様に変化が付与されることとなる。なお言うまでもないが、可動片407が放射状に拡大するのにともない、可動片407の間の間隔部407Sの幅も拡大し、そのぶん周部LED408Lからの光が露出される領域(露光領域)が大きく確保される。
またこのとき、各可動片407の鏡面部407Mは、回転体405の周縁より外側へ完全にはみ出しているというわけではなく、内側には引き続き回転体405の背後に隠れている部分もあるが、これより外側の部分は、前方を遮るものがなくほぼ開放された状態で露出している。したがって、第2LED基板416の放射状LED416Rから照射された光が、鏡面部407Mで反射した後、一部(内側の光)は引き続き回転体405の周縁部を透過して前方へ照射されるが、それ以外(外側の光)は回転体405を透過することなく直接的に前方へ照射される。これにより、より強い反射光も得られることとなる。さらにこのとき、可動片407が放射状LED416Rからの光を反射しながら周回するが、この放射状LED416Rからの光は周部LED408Lの場合とは異なって遮蔽されるわけではなく、また多少の幅をもって照射されるので、可動片407が周回しても反射光の様態がそれほど大きく変容するものではないものの、放射状LED416Rも8個となっているから、各放射状LED416Rからの光が同時に可動片407で反射するのではなく、位相をずらして反射することとなり、そのぶん発光態様に変化が付与される。
(4)この後、回転盤406の回転を停止し、第1モータ417を逆回転させ、回転盤406を反対方向(時計回り方向)に回転させる方向に動力を伝達させると、図44(b)に矢印A3で示すように、6個の可動片407が一斉に縮小して、元の中心寄りの位置に戻り、回転体405の背後に殆ど隠れた状態に復帰する。この場合にも、回転盤406は、オイルダンパで制動されることにより、所定レベルを超えるトルクがかからないうちは回転が規制されるので、第1動力伝達機構から動力が伝達されると、回転盤406にまだ大きなトルクがかかっておらず回転が開始されないうちに、先に可動片407のみが駆動されて縮小する方向にスライド動作する。
(5)可動片407が限界位置まで縮小すると、回転盤406に第1動力伝達機構からの動力が直接的に伝達されることとなり、トルクが所定レベルを超えると、図45に示すように、可動片407が縮小した状態で、回転盤406が矢印A4で示す逆方向(時計回り方向)に回転(反転)を開始する。
この場合には、周部LED408Lからの発光が殆ど遮蔽されることなく前方へ照射されるとともに、第2LED基板416の放射状LED416Rから照射され可動片407の鏡面部407Mの周縁部で反射した光が、回転体405の周縁部を透過して前方へ照射される状態で、回転盤406が回転することとなる。
(6)この後、回転盤406の回転を停止すると、前記図43(a)に示す、動作前の状況に復帰する。
上記のようにして、可動片407および回転盤406を含む可動部材404が第1モータ417および第1動力伝達機構により駆動されて動作するが、他方、回転体405は、第1モータ417および第1動力伝達機構とは別の第2モータ410および第2動力伝達機構により駆動されて動作するようになっているので、上記可動部材404の動作からは独立して動作することができる。
本実施形態においては、可動部材404が図44(a)に示す反時計回り方向A2に回転すると、この回転方向とは逆方向の時計回り方向A5に回転体405が回転駆動されるようになっており、これにより動作態様が多彩化されている。このように、回転体405の動作を可動部材404の動作と同期させて行うことにより複合的な動作態様とすることができるが、このように両者の動作を同期させる以外にも、回転体405の動作を可動部材404の動作とずらして行ったり、回転体405の動作と可動部材404の動作とを交互に行ったりするなど、両者の動作のタイミングを任意に組み合わせるように制御することもできる。さらには、両者の動作を互いに無関係なタイミングで個別に行うようにすることも可能である。
また、本実施形態においては、回転体405の回転動作とあわせて、第2LED基板416の最前部LED416Fを発光させ、回転体405を透過させて前方へ光が照射されるようになっており、これにより、光が回転体405を透過することで該回転体405の凹凸形状ないし厚みの相違により屈折するとともに該回転体405の紫色を帯びた発光が得られるだけでなく、回転する回転体405を光が透過することで、より発光が多彩化される。この最前部LED416Fの発光も、回転体405の回転動作と関連させて、あるいは無関係に、任意のタイミングで行うようにすることができる。
(作用)
上述の通り、パチンコ機10は、光を照射し得る発光部である周部LED408Lと、該周部LED408Lから照射される光を遮蔽および露出するように移動し得る可動部材404とを備える構成となっている。即ち、可動部材404が、回転盤406と、該回転盤406上に円環状に配置された複数(6個)の可動片407とを有して構成され、該可動片407が回転盤406とともに周部LED408Lの前を周回するように回転することにより、可動片407の間の間隔部407Sから断続的に露光されるようになっている。
上記パチンコ機10の構成によれば、周部LED408Lから照射される光を可動部材404が移動して遮蔽および露出することにより、発光態様に変化やメリハリが付与されており、しかもこのとき、周部LED408Lから照射される光を点滅させることによってではなく可動部材404を移動させることによって発光態様を変化させているから、光の出没による視覚的変化だけでなく、可動部材404の動きによる視覚的変化も併せて得ることができ、そのぶん装飾効果がさらに良好となっている。
また、可動部材404の可動片407に光を照射し得る発光部(可動部材用発光部)として放射状LED416Rを備えるので、可動片407が光を照射されることにより、発光態様にさらに変化が付与されて装飾効果がいっそう良好となっている。さらにまた、可動片407が発光部である周部LED408Lからの光を遮蔽したときにも、可動部材用発光部である放射状LED416Rの発光によってこれを補うことができ、したがって、周部LED408Lから照射される光が遮蔽されることによって暗くなり過ぎるという不具合が回避されている。
また、可動部材404の可動片407が、可動部材用発光部である放射状LED416Rからの光を前方へ反射し得る鏡面部407Mを備えるので、可動片407が放射状LED416Rから光を照射されるだけでなく、照射された光を鏡面部407Mで前方へ反射することにより、可動片407がより強く光を反射することとなってそのぶん装飾効果がさらに良好となっている。
また、可動部材404が、発光部である周部LED408Lから光が照射される位置を通過し得る開放部として、可動片407の間の間隔部407Sを備えるものとなっている。可動部材は、例えばそれ自体が光の照射位置を通過するだけでも、光を遮蔽ないし露出することができるが、上記パチンコ機10の構成によれば、可動部材404の回転移動につれて開放部である6箇所の間隔部407Sが回転移動することで、周部LED408Lから照射される光がより効果的に露出および遮蔽されるようになっている。換言すれば、可動部材404の一度の回転移動によって、発光部1箇所(1個の周部LED408L)あたり光の露出および遮蔽をより多く(ここでは6度)実現することができて効率的となっている。したがって、簡単な構成により、発光部である周部LED408Lから照射される光を効果的に遮蔽および露出し得る可動部材404となっている。
また、発光部が、間隔をおいて配置された複数の光源すなわち8個の周部LED408Lから構成され、可動部材404が、周部LED408Lの位置関係と異なる位置関係をおいて配置された複数の開放部すなわち6箇所の間隔部407Sを備えるので、可動部材404が回転移動するにつれて、6箇所の間隔部407Sが、8個の周部LED408Lから光が照射される位置をそれぞれ通過して光を露出および遮蔽することとなり、したがって多数の箇所で光の露出および遮蔽がなされて装飾効果が良好となっている。さらにこのとき、8個の周部LED408Lの位置関係と6箇所の間隔部407Sの位置関係が異なることにより、8個の周部LED408Lからの光が一斉に露出および遮蔽されるのではなく、時間間隔をおいて、即ち位相をずらして露出および遮蔽されることとなり、したがってそのぶん発光態様にさらに変化が付与されるようになっている。
また、可動部材404が、環状に配置された複数すなわち6個の可動片407を備え、該6個の可動片407が周方向に沿って回転動作し得るとともに、径方向に沿って出入動作し得るので、より変化に富んだ動作が表出されるようになっている。
また、6個の可動片407が所定間隔をおいて配置され、該6個の可動片407の背面側に、該可動片407が径方向に沿って外側へ移動した位置では該可動片407に隠蔽され、該可動片407が径方向に沿って内側へ移動した位置では該可動片407よりも外側に露出する位置に光源である周部LED408Lが配置されているので、6個の可動片407が径方向に沿って内側へ移動した位置にあるときには、背面側の周部LED408Lが全的に露出して光が全的に前方へ照射され、一方、6個の可動片407が径方向に沿って外側へ移動した位置にあるときには、該6個の可動片407の間隔部407Sが開放部となり、該6個の可動片407が回転動作するにつれて、6箇所の開放部すなわち間隔部407Sが、背面側の周部LED408Lの位置をそれぞれ通過して光を露出および遮蔽することとなる。即ち、可動片407の回転動作および出入動作にともなって光の露出および遮蔽がなされて発光態様がより多彩化されている。
また、複数の可動片407と同心でかつ該複数の可動片407から独立して回転し得る回転体405を備えるので、可動片407の回転動作および出入動作とともに回転体405の回転動作がなされることにより、より多彩な動作が表出されるようになっている。
また、回転体405が光透過性を有し、該回転体405の背面側に光源である最前部LED416Fが配置されているので、回転体405を通して背面側の最前部LED416Fから光が照射されることで、発光態様がより多彩化されるようになっている。
また、回転体405が厚みの不均一な概略板状体となっているので、背面側の最前部LED416Fからの光が単に透過するだけでなく屈折しながら透過することとなり、これにより発光態様がより多彩化されるようになっている。
また、パチンコ機10は、所定条件に基づいて動力を発生させる駆動手段(第1モータ417、第1駆動ギア417Gおよび第1被動ギア418)と、該駆動手段の駆動に基づいて、第1変位、および第1変位とは異なる第2変位を実行することが可能な変位手段(ピニオン419)と、第1変位および第2変位のうち一方の変位を遅延させ得る変位遅延手段(ラック407R、スリット406Sおよびオイルダンパ423)と、を有する可動手段として可動装置401を備えるので、駆動機構が複雑化して可動手段がむやみに大型化するといったこともなくコンパクトに構成され、また、個々の変位をさせる駆動手段を個別に設けることなく、駆動手段が変位手段(ピニオン419)に複数の変位(第1変位および第2変位)をさせるとともに各変位を別々のタイミングで行うことができるようになっており、また、配線が絡まりやすくなったりするといった問題も回避されている。
また、変位手段(ピニオン419)による第1変位に連動する第1可動部(可動片407)と、変位手段(ピニオン419)による第2変位に連動する第2可動部(回転盤406)と、を備え、上記変位遅延手段は、第1可動部(可動片407)の動作範囲を制限する制限手段(スリット406S)を備え、駆動手段が発動している最中に制限手段(スリット406S)によって第1可動部(可動片407)の動作が制限されたことに応じて変位手段(ピニオン419)が第1変位状態から第2変位状態へ変換されるので、駆動機構が複雑化してむやみに大型化することもなく可動手段である可動装置401がコンパクトに構成され、また、駆動手段を複数の可動部(可動片407、回転盤406)のそれぞれに対応して個別に設けることなく、複数の可動部の動作を別々のタイミングで行わせることができるようになっており、また、配線が絡まりやすくなったりするといった問題も回避されている。
また、変位手段(ピニオン419)が第2可動部(回転盤406)に設けられるとともに、該第2可動部(回転盤406)の動作方向を規定する規定手段(円筒部406Dおよび支軸突起402P)を備え、変位手段(ピニオン419)は、第1可動部(可動片407)の動作が制限手段(スリット406S)によって制限されていない状態では、駆動手段の動力に基づいて第2可動部(回転盤406)に対する特定方向に動作する第1変位(即ちピニオン支軸406Pを中心とする周方向への回転)を実行することにより第1可動部(可動片407)を動作させ、第1可動部(可動片407)が制限手段(スリット406S)によって制限される動作範囲の限界に達したことに応じて特定方向への動作(即ち第1変位としてのピニオン支軸406Pを中心とする周方向への回転)が制限され、規定手段により規定された動作方向に沿って第2可動部を追従させて動作する第2変位(即ち円筒部406Dを支軸突起402Pに軸支することにより該支軸突起402Pを中心とする周方向に規定しながら回転盤406を回転動作させること)を実行する構成となっている。第2可動部上に第1可動部を配置する場合には、例えば仮に第1可動部の駆動機構を第2可動部に配置したとすると、配線が絡まりやすくなることが考えられるが、上記パチンコ機10の構成によればこのような不具合を生じることもない。
また、変位遅延手段は、第1可動部(可動片407)を動作させる動力よりも大きく、第2可動部(回転盤406)を動作させる動力よりも小さい抵抗力を第2可動部(回転盤406)に対して付与する抵抗力付与手段(オイルダンパ423)を備えるので、第1可動部(可動片407)と第2可動部(回転盤406)とが同じ期間に動作することが防止されるようになっている。
(変更態様)
上記パチンコ機10には、例えば以下に列挙するように様々な変更を加えることが可能である。
(1)前記実施形態においては、可動部材404の可動片407が発光部である周部LED408Lの前を周回するように回転することにより、該周部LED408Lから照射される光を遮蔽および露出するようになっていたが、可動部材としては、このような回転動作をするもの以外にも、例えば揺動動作、スライド動作等の任意の動作をするものであってもよく、例えば、可動部材が発光部の前をスライド移動して光を蓋様に遮蔽および露出するもの等も可能である。
また、前記実施形態の可動部材404のように光の遮蔽および露出の両方を行うもの以外にも、光の遮蔽および露出のいずれか一方のみを行うものとしてもよく、例えば、可動部材が発光部の前を一方向のみに回転移動したりスライド移動したりすることにより、光を遮蔽する動作(遮光動作)のみを行うようにするか、あるいは光を露出する動作(露光動作)のみを行うようにすること等も可能である。また、この遮光動作ないし露光動作は、一度に行うようにしても、あるいは、例えば可動部材を小刻みに移動させることにより次第に行うようにしてもよい。
(2)前記実施形態においては、発光部が複数の光源すなわち8個の周部LED408Lから構成され、可動部材404が複数すなわち6個の可動片407を有して構成されていたが、例えば光源および可動片の少なくとも一方を1個のみで構成するようにしてもよい。また、例えば、可動部材として、回転動作やスライド動作し得る遮光板に、1または複数の、スリット状、丸孔状等の任意の形状の開放部を形成したもの等も可能である。
(3)前記実施形態においては、第1モータ417の動力を第1動力伝達機構で伝達することにより、可動片407の出入(拡大・縮小)動作および回転盤406の回転動作が順次なされるようになっていたが、これら2つの動作を別々の駆動源および動力伝達機構により互いに独立して行う構成とし、両動作を相互に関連させて、あるいは無関係に、任意のタイミングで行うように制御するようにしてもよい。
(4)前記実施形態においては、回転盤406がオイルダンパ423で制動されることにより、所定レベルを超える高トルクがかからないうちは回転が規制されるようになっていたが、回転盤の回転を規制する機構(抵抗力付与手段)としては、上記のようなもの以外にも、例えば回転盤に制動片(ブレーキ・シュー)を圧接して制動する制動機構等を設けるようにしてもよい。
(5)前記実施形態においては、発光系および動力系の制御を同一の基板(サブ制御基板)で行うようになっていたが、発光系および動力系の制御は同一基板で同じ制御を行うようにしても、あるいは個別の制御を行うようにしてもよい。あるいはまた、発光系および動力系の制御を個別の基板で個別に行うようにしてもよい。
(6)前記実施形態においては、第1可動部である可動片407および変位手段であるピニオン419が、第2可動部である回転盤406に設けられていたが、可動片407およびピニオン419を回転盤406以外の部材、例えば往復動可能に構成されたスライド板等に設けるようにしてもよい。
(7)前記実施形態においては、6個のピニオン419が、それぞれのピニオン支軸406Pを中心とする回転(第1変位)と、回転盤406の支軸突起402Pを中心とする回転(第2変位)とを行うことにより、可動片407および回転盤406を逐次動作させるように構成されていたが、例えば、可動片407および回転盤406にかえて、直線方向等に動作し得る部材を設けるとともに、各ピニオン419にかえて、直線方向等への変位を含む複数の変位を行い得る部材を設けるようにしてもよい。
また、例えば、可動片407および回転盤406にかえて、同一方向に動作し得る複数の部材を設けるとともに、各ピニオン419にかえて、同一方向への複数の変位を行い得る部材を設けるようにしてもよい。
(8)前記実施形態においては、前項(4)でも述べたように、オイルダンパ423が(第2駆動ギア421を介して)回転盤406に抵抗力を付与するように構成されていたが、例えば、オイルダンパ423が(ピニオン419およびラック407Rを介して)可動片407に抵抗力を付与するように構成してもよい。この場合、回転盤406の動作範囲を制限する制限手段を設ける(例えば、所定回転角度範囲内に回転を規制された大径のギアを第2駆動ギア421に連動連結する等)ようにすれば、回転盤406の(所定回転数の)回転動作が停止(制限)された後に可動片407を動作させる構成とすることができる。換言すれば、前記実施形態においては第1変位に続く第2変位に連動して行うようにしていた第2可動部としての回転盤406の回転動作を、第1変位に連動する第1可動部としての可動片407の動作よりも先行して行う構成(即ち前記実施形態における第1変位と第2変位とを順序を入れ替えて行う構成)とすることができる。
(9)図46ないし図48は、可動装置の他の例を示す模式図である。同図に示す可動装置601は、遊技機の前面部に設けられた横長の長方形状の演出窓部602に、第1可動部である可動体603と、第2可動部である可動基材604とが配設された構成となっている。
可動体603は、図47に示すように、自動車を模した形状を有し、前面部が後輪を模した形状に成形されたピニオン603Pを回転駆動するモータが内蔵された(図示せず)構成となっている。該モータの配線は後述する可動基材604のスリット604Sを通して中継基板に接続されている。可動体603の頂部には、自動車の後退方向(図47では右方)に延びる横断幕603Fが固定されており、該横断幕603Fの一方面(図47では前面)には「大当り!!」の文字列が配されている。該横断幕603Fの後端(図47では右端)には、略T字形状の係止部603Eが形成され、一方、演出窓部602の右側縁の右側には、横断幕603Fの上下に係止片606が配置固定されていて、横断幕603Fの係止部603Eが係止片606に係止してこれ以上の進行方向(図47では左方)への移動が制限されるようになっている。即ち、横断幕603Fの係止部603Eと係止片606とが制限手段を構成している。
可動基材604は、図49に示すように、やや長く延びる長方形状であって長手方向が遊技機の左右方向に一致するように平伏状態で配置される、十分な可撓性を有する基材シート604Bの前側端縁となる一方長縁における一方端部(図49では右端部)に、ガレージを模した長方形状の可撓性を有する板材よりなる遮蔽板605が上方に延出するように立設され、該遮蔽板605よりやや内方の位置(図49では前後方向中央よりやや前寄りの位置)に、基材シート604Bの一方端(図49では右端)近傍から中央よりやや他方端寄りの位置(図49では中央よりやや左寄りの位置)まで、長さ方向に延びるガイド溝604Gが配置形成され、該ガイド溝604G内にはラックが形成されていて、可動体603のピニオン603Pが咬合するようになっている。基材シート604Bの幅方向ほぼ中央部には、ガイド溝604Gと平行かつ略同一長さで厚さ方向に貫通するスリット604Sが配置形成されている。該スリット604Sと基材シート604Bの他方長縁(図49では後側端縁)との間には、山を模した形状の可撓性を有する板材よりなる第1書割部604Mおよび2本の木を模した形状の可撓性を有する板材よりなる第2書割部604Tが、基材シート604Bの長さ方向に間隔をおいて並置されている。
図46に示すように、演出窓部602の裏面側には、正面視で演出窓部602の両側縁および下縁をやや間隔をおいて外側から包囲する略U字形状となるように、横長の長方形状のシート材の両側部を上方に湾曲してなるレール部材607が配置されており、可動基材604は該レール部材607上に載置するように配置されている。該レール部材607の上面には、抵抗力付与手段として細かい凹凸が一面に形成されており(図示せず)、可動基材604が所定水準以上の力を付与されると動く程度の摩擦力がレール部材607との間に生じるようになっている。図50に示すように、動作前の初期状態では、可動基材604は一方端部(図50では左端部)がレール部材607の一方端部(図50では左端部)にほぼ揃う位置で保持され、第2書割部604Tおよび遮蔽板605が演出窓部602から前方へ露出するように位置し、この状態で、矢印A5に示すように他方端部側方向(図50では右方向)へ、可動基材604とレール部材607との間の摩擦力を上回る力を付与すると、図51に示すように、可動基材604がレール部材607上でこの方向にスライド移動して、第1書割部604Mが演出窓部602から前方へ露出する位置にくる。
上記のようにレール部材607を正面視略U字形状に構成し、可撓性を有する可動基材604をこのレール部材607上で形状を追従させながらスライド移動させる構成とすることにより、可動基材604およびレール部材607が左右方向に余分なスペースを占有することがなく、可動装置601がコンパクトに構成されている。
本変更態様においては、図46に示すように、動作前の初期状態では、可動体603は遮蔽板605の背後に隠れた位置にあり、自動車がガレージ内に格納された状態を模している。始動口入賞時の抽選で当選となった場合、図柄変動中の所定のタイミングで、第1変位として、変位手段であるピニオン603Pがモータにより回転駆動されてガイド溝604G内のラック上を転動し、これにより、矢印A6に示すように可動体603が遮蔽板605の背後から、前方へ露出する位置へ向けて(図46では左方へ)移動し、自動車がガレージ内から屋外へ進出してくる動作が表現される。このとき、可動体603は軽量に構成され、また特に動作を規制されていないため、まだ可動基材604がレール部材607上でスライド移動せずに初期位置に保持されているうちに、モータにより軽く駆動力が付与された時点で上記の動作(第1変位)を実行することができる。
図47に示すように、横断幕603Fを後方に翻して「大当り!!」の文字列を前方に表示しながら可動体603が前進(図47では左方へ移動)し、限界位置まで達すると、横断幕603Fの係止部603Eが係止片606に係止して、これ以上の進行方向(図47では左方)への可動体603の移動が制限される。
上記のように可動体603の移動が制限された状態で、ピニオン603Pが矢印A7に示すように引き続き前進方向(図47では反時計回り方向)に回転駆動され、この駆動力が可動基材604とレール部材607との間の摩擦力を上回ると、第2変位として、可動基材604がピニオン603Pの回転により手繰り寄せられるようにして、矢印A8に示すように可動体603の進行方向とは逆方向(図47では右方向)にスライド移動し、これにより、図47に示すように第2書割部604Tおよび遮蔽板605が演出窓部602から前方へ露出する状態から、図48に示すように第1書割部604Mが演出窓部602から前方へ露出する状態へと変移するようにスクロールし、この第2変位によって、自動車に対し背景が後方へ流れていくような動作が表現される。
本変更態様に係る可動装置601によれば、所定条件に基づいて動力を発生させる駆動手段(可動体603に内臓されたモータ)と、該駆動手段の駆動に基づいて、第1変位、および第1変位とは異なる第2変位を実行することが可能な変位手段(ピニオン603P)と、第1変位および第2変位のうち一方の変位を遅延させ得る変位遅延手段(ガイド溝604G、ラックおよびレール部材607上面の凹凸)と、を有する可動手段となっているので、駆動機構が複雑化して可動手段がむやみに大型化するといったこともなくコンパクトに構成され、また、個々の変位をさせる駆動手段を個別に設けることなく、駆動手段が変位手段(ピニオン603P)に複数の変位(第1変位および第2変位)をさせるとともに各変位を別々のタイミングで行うことができるようになっており、また、配線が絡まりやすくなったりするといった問題も回避されている。
(10)前記実施形態においては、パチンコ機10が例示されていたが、遊技機としては、パチンコ機以外にも、スロット機、パチンコ機とスロット機を融合させた遊技機も例示される。
スロット機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。
この場合、有価物体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
パチンコ機とスロット機を融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、有価物体として球を使用するとともに、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
なお本明細書は、次に掲げる発明をいずれも開示している。
本発明にかかる遊技機は、上記目的を達成するために、手段A1として、
光を照射し得る発光部と、
該発光部から照射される光を遮蔽および/または露出するように移動し得る可動部材とを備えることを特徴とする。
なお、上記発光部は、遊技者側へ向けて光を照射し得る発光部としてもよい。
上記手段A1の構成によれば、発光部から照射される光を可動部材が移動して遮蔽および/または露出することにより、発光態様に変化やメリハリが付与され、しかもこのとき、発光部から照射される光を点滅させることによってではなく可動部材を移動させることによって発光態様を変化させているから、光の出没による視覚的変化だけでなく、可動部材の動きによる視覚的変化も併せて得ることができ、そのぶん装飾効果をさらに向上させることができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段A2として、手段A1の遊技機において、
前記可動部材に光を照射し得る発光部(以下、「可動部材用発光部」とも称す)を備えることを特徴とする。
なお、上記可動部材用発光部は、遊技者とは反対側に位置する発光部としてもよい。
上記手段A2の構成によれば、可動部材が光を照射されることにより、発光態様にさらに変化が付与されて装飾効果がいっそう向上する。さらにまた、可動部材が発光部からの光を遮蔽したときにも、可動部材用発光部の発光によってこれを補うことができ、したがって、発光部から照射される光が遮蔽されることによって暗くなり過ぎるという不具合が回避される。
また、本発明にかかる遊技機は、手段A3として、手段A2の遊技機において、
前記可動部材が、可動部材用発光部からの光を前方へ反射し得る鏡面部を備えることを特徴とする。
なお、本発明において、「前方」とは遊技機における前方を意味し、また、この「前方」を「遊技者」と置換してもよい。
また、「鏡面部」は「反射部」としてもよい。
上記手段A3の構成によれば、可動部材が可動部材用発光部から光を照射されるだけでなく、照射された光を鏡面部で前方へ反射することにより、可動部材がより強く光を反射することとなってそのぶん装飾効果がさらに向上する。
また、本発明にかかる遊技機は、手段A4として、手段A1から手段A3のいずれかの遊技機において、
前記可動部材が、前記発光部から光が照射される位置を通過し得る開放部を備えることを特徴とする。
可動部材は、例えばそれ自体が光の照射位置を通過するだけでも、光を遮蔽および/または露出することができるが、上記手段A4の構成によれば、可動部材の移動につれて開放部が移動することで、発光部から照射される光をより効果的に露出および遮蔽することができる。換言すれば、可動部材の一度の移動によって光の露出および遮蔽をより多く実現することができて効率的である。したがって、簡単な構成により、発光部から照射される光を効果的に遮蔽および/または露出し得る可動部材とすることができる。
なお、可動部材用発光部も備える場合、開放部から外れた位置に可動部材用発光部を備えることが望ましい。
また、本発明にかかる遊技機は、手段A5として、手段A4の遊技機において、
前記発光部が、間隔をおいて配置された複数の光源から構成され、
前記可動部材が、前記複数の光源の位置関係と異なる位置関係をおいて配置された複数の開放部を備えることを特徴とする。
なお、本発明において、複数の光源ないし複数の開放部の「位置関係」とは、例えば光源ないし開放部が直線状に配列される場合には光源ないし開放部の間隔のことであり、例えば光源ないし開放部が円環状に配列される場合には、隣り合う2つの光源ないし開放部と中心とを結ぶ直線のなす内角のことである。
上記手段A5の構成によれば、可動部材が移動するにつれて、複数の開放部が、複数の光源から光が照射される位置をそれぞれ通過して光を露出および遮蔽することとなり、したがって複数個所で光の露出および遮蔽がなされて装飾効果がより向上する。さらにこのとき、複数の光源の間隔と複数の開放部の間隔が異なることにより、複数の光源からの光が一斉に露出および遮蔽されるのではなく、時間間隔をおいて、即ち位相をずらして露出および遮蔽されることとなり、したがってそのぶん発光態様にさらに変化が付与される。
また、本発明にかかる遊技機は、手段A6として、手段A1から手段A5のいずれかの遊技機において、
前記可動部材が、環状に配置された複数の可動片を備え、
該複数の可動片が周方向に回転動作し得るとともに、径方向に出入動作し得ることを特徴とする。
上記手段A6の構成によれば、可動片が回転動作するだけでなく出入動作することにより、より変化に富んだ動作が表出される。
また、本発明にかかる遊技機は、手段A7として、手段A6の遊技機において、
前記複数の可動片が所定間隔をおいて配置され、該複数の可動片の背面側に、該可動片が径方向に沿って外側へ移動した位置では該可動片に隠蔽され、該可動片が径方向に沿って内側へ移動した位置では該可動片よりも外側に露出する位置に光源が配置されていることを特徴とする。
上記手段A7の構成によれば、複数の可動片が径方向に沿って内側へ移動した位置にあるときには、背面側の光源が全的に露出して光が全的に前方へ照射され、一方、複数の可動片が径方向に沿って外側へ移動した位置にあるときには、該複数の可動片の間隔が開放部となり、該複数の可動片が回転動作するにつれて、複数の間隔すなわち開放部が、背面側の光源の位置をそれぞれ通過して光を露出および遮蔽することとなる。即ち、可動片の回転動作および出入動作にともなって光の露出および遮蔽がなされて発光態様がより多彩化される。
また、本発明にかかる遊技機は、手段A8として、手段A6から手段A7のいずれかの遊技機において、
前記複数の可動片と同心でかつ該複数の可動片から独立して回転し得る回転体を備えることを特徴とする。
上記手段A8の構成によれば、可動片の回転動作および出入動作とともに回転体の回転動作がなされることにより、より多彩な動作が表出される。
また、本発明にかかる遊技機は、手段A9として、手段A8の遊技機において、
前記回転体が光透過性を有し、該回転体の背面側に光源が配置されていることを特徴とする。
上記手段A9の構成によれば、回転体を通して背面側の光源から光が照射されることで、発光態様がより多彩化される。
また、本発明にかかる遊技機は、手段A10として、手段A9の遊技機において、
前記回転体が厚みの不均一な概略板状体となっていることを特徴とする。
上記手段A10の構成によれば、回転体の厚みが不均一であることによって、背面側の光源からの光が単に透過するだけでなく屈折しながら透過することとなり、これにより発光態様がより多彩化される。
また、本発明にかかる遊技機は、手段B1として、
所定条件に基づいて動力を発生させる駆動手段と、
前記駆動手段の駆動に基づいて、第1変位、および第1変位とは異なる第2変位を実行することが可能な変位手段と、
前記第1変位および第2変位のうち一方の変位を遅延させ得る変位遅延手段と、を有する可動手段を備えることを特徴とする。
上記手段B1の構成によれば、駆動機構が複雑化して可動手段がむやみに大型化するといったことがなく、また、個々の変位をさせる駆動手段を個別に設けることなく、駆動手段が変位手段に複数の変位をさせるとともに各変位を別々のタイミングで行うことができ、また、配線が絡まりやすくなったりするといった問題を生じることもない。
また、本発明にかかる遊技機は、手段B2として、手段B1の遊技機において、
前記変位手段による第1変位に連動する第1可動部と、
前記変位手段による第2変位に連動する第2可動部と、を備え、
前記変位遅延手段は、前記第1可動部の動作範囲を制限する制限手段を備え、
前記駆動手段が発動している最中に前記制限手段によって前記第1可動部の動作が制限されたことに応じて前記変位手段が第1変位状態から第2変位状態へ変換されることを特徴とする。
上記手段B2の構成によれば、駆動機構が複雑化して可動手段がむやみに大型化するといったことがなく、また、駆動手段を複数の可動部のそれぞれに対応して個別に設けることなく、複数の可動部の動作を別々のタイミングで行わせることができ、また、配線が絡まりやすくなったりするといった問題を生じることもない。
また、本発明にかかる遊技機は、手段B3として、手段B2の遊技機において、
前記変位手段が前記第2可動部に設けられるとともに、該第2可動部の動作方向を規定する規定手段を備え、
前記変位手段は、
前記第1可動部の動作が前記制限手段によって制限されていない状態では、前記駆動手段の動力に基づいて前記第2可動部に対する特定方向に動作する第1変位を実行することにより前記第1可動部を動作させ、
前記第1可動部が前記制限手段によって制限される動作範囲の限界に達したことに応じて特定方向への動作が制限され、前記規定手段により規定された動作方向に沿って前記第2可動部を追従させて動作する第2変位を実行することを特徴とする。
例えば、第2可動部上に第1可動部を配置する場合、第1可動部の駆動機構を第2可動部に配置すると配線が絡まりやすくなることが考えられるが、上記手段B3の構成によればこのような不具合を生じることもない。
また、本発明にかかる遊技機は、手段B4として、手段B2または手段B3の遊技機において、
前記変位遅延手段は、前記第1可動部を動作させる動力よりも大きく、前記第2可動部を動作させる動力よりも小さい抵抗力を前記第2可動部に対して付与する抵抗力付与手段を備えることを特徴とする。
上記手段B4の構成によれば、第1可動部と第2可動部とが同じ期間に動作することを防止することができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段C1として、手段A1から手段B4のいずれかの遊技機において、
遊技機がパチンコ機であることを特徴とする。
パチンコ機の基本構成としては、操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて有価物体の一例である球を所定の遊技領域に発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(または作動ゲートを通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報(図柄等)が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カード書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
パチンコ機にあっては、発光部から照射される光を可動部材が移動して遮蔽および/または露出することにより、発光態様に変化やメリハリが付与され、しかもこのとき、光の出没による視覚的変化だけでなく、可動部材の動きによる視覚的変化も併せて得ることができ、そのぶん装飾効果がさらに向上したパチンコ機が得られる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段C2として、手段A1から手段B4のいずれかの遊技機において、
遊技機がスロット機であることを特徴とする。
スロット機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。
この場合、有価物体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
スロット機にあっては、発光部から照射される光を可動部材が移動して遮蔽および/または露出することにより、発光態様に変化やメリハリが付与され、しかもこのとき、光の出没による視覚的変化だけでなく、可動部材の動きによる視覚的変化も併せて得ることができ、そのぶん装飾効果がさらに向上したスロット機が得られる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段C3として、手段A1から手段B4のいずれかの遊技機において、
遊技機がパチンコ機とスロット機を融合させた遊技機であることを特徴とする。
パチンコ機とスロット機を融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、有価物体として球を使用するとともに、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
パチンコ機とスロット機を融合させた遊技機にあっては、発光部から照射される光を可動部材が移動して遮蔽および/または露出することにより、発光態様に変化やメリハリが付与され、しかもこのとき、光の出没による視覚的変化だけでなく、可動部材の動きによる視覚的変化も併せて得ることができ、そのぶん装飾効果がさらに向上した、パチンコ機とスロット機を融合させた遊技機が得られる。
本発明は、パチンコ機やスロットマシン等の遊技機であれば広汎に実施することが可能である。
406S:スリット(変位遅延手段)
407R:ラック(変位遅延手段)
417:第1モータ(駆動手段)
417G:第1駆動ギア(駆動手段)
418:第1被動ギア(駆動手段)
419:ピニオン(変位手段)
423:オイルダンパ(変位遅延手段)

Claims (1)

  1. 所定条件に基づいて動力を発生させる駆動手段と、
    前記駆動手段の駆動に基づいて、第1変位、および第1変位とは異なる第2変位を実行することが可能な変位手段と、
    前記第1変位および第2変位のうち一方の変位を遅延させ得る変位遅延手段と、を有する可動手段と、
    前記変位手段による第1変位または第2変位に連動して移動する可動部と、
    前記可動部の移動にともなって遮蔽および/または露出される発光部と、
    を備え、
    前記可動部として、前記第1変位または第2変位に連動して径方向に出入動作し得る複数の可動片が環状に配置され、
    前記可動片が、光を前方へ反射し得る鏡面部を備えることを特徴とする遊技機。
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