JP5095089B2 - 固体高分子電解質、並びに、固体高分子型燃料電池及びその製造方法 - Google Patents

固体高分子電解質、並びに、固体高分子型燃料電池及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、固体高分子電解質、並びに、固体高分子型燃料電池及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、車載用動力源、定置型小型発電器、コジェネレーションシステム等として好適な固体高分子型燃料電池及びその製造方法、並びに、こられに用いられる固体高分子電解質に関する。
固体高分子型燃料電池は、固体高分子電解質膜の両面に電極が接合された膜電極接合体(MEA)を基本単位とする。また、固体高分子型燃料電池において、電極は、一般に、拡散層と触媒層の二層構造をとる。拡散層は、触媒層に反応ガス及び電子を供給するためのものであり、カーボンペーパー、カーボンクロス等が用いられる。また、触媒層は、電極反応の反応場となる部分であり、一般に、白金等の電極触媒を担持したカーボンと固体高分子電解質との複合体からなる。
このようなMEAを構成する電解質膜あるいは触媒層内電解質には、耐酸化性に優れたパーフルオロ系電解質(高分子鎖内にC−H結合を含まない電解質。例えば、ナフィオン(登録商標、デュポン社製)、アシプレックス(登録商標、旭化成(株)製)、フレミオン(登録商標、旭硝子(株)製)等。)を用いるのが一般的である。
また、パーフルオロ系電解質は、耐酸化性に優れるが、一般に極めて高価である。そのため、固体高分子型燃料電池の低コスト化を図るために、炭化水素系電解質(高分子鎖内にC−H結合を含み、C−F結合を含まない電解質)、又は、部分フッ素系電解質(高分子鎖内にC−H結合とC−F結合の双方を含む電解質)の使用も検討されている。
しかしながら、固体高分子型燃料電池を車載用動力源等として実用化するためには、解決すべき課題が残されている。例えば、炭化水素系電解質は、パーフルオロ系電解質に比べて安価であるが、過酸化物ラジカルにより劣化しやすいという問題がある。一方、パーフルオロ系電解質は炭化水素系電解質に比べて耐酸化性に優れているが、燃料電池のような過酷な条件下では、パーフルオロ系電解質であっても過酸化物ラジカルによって徐々に劣化し、フッ素イオンが溶出するという問題がある(非特許文献1参照)。
そこでこの問題を解決するために、従来から種々の提案がなされている。
例えば、特許文献1には、スルホン化ポリフェニレンサルファイド膜に含まれるスルホン酸基の水素原子の一部をMg、Ca、Al又はLaで置換したプロトン伝導性高分子膜が開示されている。同文献には、スルホン酸基の水素原子の一部をMg等で置換すると、プロトン伝導度は低下するが、耐酸化性が向上する点が記載されている。
特開2004−018573号公報 D.E.Curtin et al., Journal of Power Science 131(2004)41-48
しかしながら、特許文献1に開示されたプロトン伝導性高分子膜において、高い耐酸化性を得るためには、多量の金属イオンを添加する必要がある。その結果、膜の電気伝導度が著しく低下する。一方、膜の電気伝導度を高くするために金属イオンの添加量を少なくすると、高い耐久性は得られない。
さらに、炭化水素系電解質は、高分子鎖内にC−H結合を有しているので、プロトン伝導性置換基のプロトンの一部を金属イオンで置換することによってこれを保護したとしても、それ以外の部分において過酸化物ラジカルによる劣化は避けられない。そのため、特許文献1に開示されたプロトン伝導性高分子電解質膜を固体高分子型燃料電池に適用しても、実用上、十分な耐久性は得られない。
本発明が解決しようとする課題は、高い電気伝導度と高い耐久性の双方を備えた固体高分子電解質を提供することにある。また、本発明が解決しようとする他の課題は、燃料電池のような過酷な条件下で使用した場合であっても、優れた耐久性を示す固体高分子電解質を提供することにある。さらに、本発明が解決しようとする他の課題は、このような固体高分子電解質を用いた固体高分子型燃料電池を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係る固体高分子電解質は、
陽イオン交換基を備えたパーフルオロ系電解質と、
前記陽イオン交換基のプロトンの一部を置換する金属イオンとを備え、
前記金属イオンは、サマリウム(Sm)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、及び、エルビウム(Er)のイオンから選ばれる少なくとも1つであり、
次の(1)式で表される前記金属イオンのイオン交換率が0.01〜50%であることを要旨とする。
イオン交換率=(前記金属イオンのmol数×前記金属イオンの価数/前記パーフルオロ系電解質に含まれる陽イオン交換基の総モル数)×100 ・・・(1)
また、本発明に係る固体高分子型燃料電池は、本発明に係る固体高分子電解質を用いたことを要旨とする。
さらに、本発明に係る固体高分子型燃料電池の製造方法は、以下の構成を備えていることを要旨とする。
(1)前記固体高分子型燃料電池の製造方法は、
パーフルオロ系電解質に備えられる陽イオン交換基のプロトンの一部を金属イオンに置換する工程と、
前記パーフルオロ系電解質を用いて単セルを作製する工程と、
を備えている。
(2)前記金属イオンは、サマリウム(Sm)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、及び、エルビウム(Er)のイオンから選ばれる少なくとも1つである。
(3)前記固体高分子型燃料電池の製造方法は、
次の(1)式で表される前記金属イオンのイオン交換率が0.01〜50%となるように、前記陽イオン交換基のプロトンの一部を前記金属イオンに置換するものである。
イオン交換率=(前記金属イオンのmol数×前記金属イオンの価数/前記パーフルオロ系電解質に含まれる陽イオン交換基の総モル数)×100 ・・・(1)
パーフルオロ系電解質に含まれる陽イオン交換基のプロトンの一部を、ある特定の金属イオンで置換すると、高い電気伝導度と高い耐久性とを同時に達成することができる。また、本発明に係る固体高分子電解質は、パーフルオロ系電解質をベースとしているので、これを燃料電池に適用した場合であっても、従来の電解質に比べて高い耐久性を示す。
以下、本発明の一実施の形態について詳細に説明する。本発明に係る固体高分子電解質は、陽イオン交換基を備えたパーフルオロ系電解質と、陽イオン交換基のプロトンの一部を置換する金属イオンとを備えている。
本発明において、「パーフルオロ系電解質」とは、高分子鎖内にC−F結合を含み、かつC−H結合を含まない固体高分子電解質をいう。パーフルオロ系電解質は、フルオロカーボン構造(−CF−、−CFCl−)の他、クロロカーボン構造(−CCl−)や、その他の構造(例えば、−O−、−S−、−C(=O)−、−N(R)−等。但し、「R」は、アルキル基)を備えていてもよい。また、その分子構造は、特に限定されるものではなく、直鎖状又は分岐状のいずれであっても良く、あるいは環状構造を備えていても良い。
パーフルオロ系電解質に備えられる陽イオン交換基の種類は、特に限定されるものではない。陽イオン交換基としては、スルホン酸基、カルボン酸基、ホスホン酸基、スルホンイミド基等がある。パーフルオロ系電解質には、これらの陽イオン交換基の内、いずれか1種類のみが含まれていても良く、あるいは、2種以上が含まれていても良い。また、これらの陽イオン交換基は、直鎖状の高分子鎖に直接結合していても良く、あるいは、分枝状の高分子鎖の主鎖又は側鎖のいずれかに結合していても良い。
中でも、陽イオン交換基がスルホン酸基であるパーフルオロ系電解質(パーフルオロカーボンスルホン酸)は、耐久性が高いことに加えて、高いプロトン伝導性を示すので、本発明に係る固体高分子電解質の構成材料として特に好適である。
パーフルオロ系電解質としては、具体的には、デュポン社製ナフィオン(登録商標)、旭化成(株)製アシプレックス(登録商標)、旭硝子(株)製フレミオン(登録商標)等、及びこれらの誘導体がある。
パーフルオロ系電解質に含まれる陽イオン交換基の量は、特に限定されるものではなく、固体高分子電解質の用途、要求される特性等に応じて、任意に選択することができる。一般に、陽イオン交換基の量が多くなるほど、電気伝導度は高くなるが、陽イオン交換基の量が多くなりすぎると、水に対して溶解又は膨潤しやすくなる。
但し、陽イオン交換基のプロトンの一部が金属イオンにより置換されると、陽イオン交換基間が金属イオンによりイオン的に架橋される。そのため、従来の電解質に比べて陽イオン交換基の量が多い場合であっても、水に対して溶解又は膨潤しにくくなる。
陽イオン交換基のプロトンの一部を置換する金属イオンは、具体的には、バナジウム(V)、マンガン(Mn)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、鉄(Fe)、ルテニウム(Ru)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、銀(Ag)、セリウム(Ce)、ネオジウム(Nd)、プラセオジム(Pr)、サマリウム(Sm)、コバルト(Co)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、ハフニウム(Hf)、又は、エルビウム(Er)のイオンが好ましい。陽イオン交換基のプロトンは、これらの金属イオンのいずれか1つにより置換されていても良く、あるいは、2以上の金属イオンにより置換されていても良い。また、陽イオン交換基のプロトンは、予め(使用前に)金属イオンのいずれか1つにより置換されているのが好ましい。
これらの中でも、セリウム(Ce)のイオンは、高い電気伝導度と高い耐酸化性の双方を同時に達成することができるので、陽イオン交換基のプロトンを置換する金属イオンとして特に好適である。
また、微量の遷移金属イオンの存在は、電解質の耐久性を劣化させる原因となるが、電解質中の遷移金属イオン(特に、Feイオン)は、耐久性を向上させる作用がある。
陽イオン交換基のプロトンと交換する金属イオンの割合(以下、これを「イオン交換率」という)は、次の(1)式により表すことができる。
イオン交換率=(金属イオンのmol数×金属イオンの価数/パーフルオロ素系電解質に含まれる陽イオン交換基の総モル数)×100 ・・・(1)
一般に、イオン交換率が高くなるほど、耐酸化性は向上するが、電気伝導度は低下する傾向がある。最適なイオン交換率は、金属イオンの種類によって異なる。
耐酸化性に優れた固体高分子電解質を得るためには、イオン交換率は、0.01%以上が好ましい。
例えば、パーフルオロ系電解質が1000g/当量〜1200g/当量のパーフルオロカーボンスルホン酸膜(膜厚45μm)であり、かつ、金属イオンがCe3+である場合において、イオン交換率が0.01%以上であるときには、フッ素イオン溶出速度は、カソード側及びアノード側とも、1.0μg/cm・hr以下となる。
また、例えば、パーフルオロ系電解質が1000g/当量〜1200g/当量のパーフルオロカーボンスルホン酸膜(膜厚45μm)であり、かつ、金属イオンがCe3+である場合において、イオン交換率が0.5%以上であるときには、フッ素イオン溶出速度は、カソード側及びアノード側とも、0.5μg/cm・hr以下となる。
なお、「フッ素イオン溶出速度」とは、1wt%の過酸化水素と10ppmのFe2+イオンを含む水溶液200ml中に7×7cmの電解質膜を浸漬し、100℃×8hr保持した後に水溶液中に溶出した単位時間・単位面積当たりのFイオンの量を言う。
また、例えば、パーフルオロ系電解質が1000g/当量〜1200g/当量のパーフルオロカーボンスルホン酸膜(膜厚45μm)であり、かつ、金属イオンがFe2+である場合において、イオン交換率が0.2%以上であるときには、フッ素イオン溶出速度は、カソード側及びアノード側とも、約0.05μg/cm・hr以下となる。
一方、高い電気伝導度を得るためには、イオン交換率は、60%以下が好ましい。
例えば、パーフルオロ系高分子電解質が1000g/当量〜1200g/当量のパーフルオロカーボンスルホン酸膜(膜厚45μm)であり、かつ、金属イオンがCe3+である場合において、イオン交換率が60%以下であるときには、膜抵抗は、75Ωcm以下となる。
また、例えば、パーフルオロ系高分子電解質が1000g/当量〜1200g/当量のパーフルオロカーボンスルホン酸膜(膜厚45μm)であり、かつ、金属イオンがCe3+である場合において、イオン交換率が50%以下であるときには、膜抵抗は、30Ωcm以下となる。
また、例えば、パーフルオロ系高分子電解質が1000g/当量〜1200g/当量のパーフルオロカーボンスルホン酸膜(膜厚45μm)であり、かつ、金属イオンがCe3+である場合において、イオン交換率が20%以下であるときには、膜抵抗は、25Ωcm以下となる。
なお、「膜抵抗」とは、固体高分子電解質膜の水中での平面方向の交流抵抗をいう。
本発明に係る固体高分子電解質は、水溶性の金属塩を含む水溶液中にパーフルオロ系高分子電解質を浸漬し、所定温度で所定時間保持することにより得られる。これによりパーフルオロ系高分子電解質に含まれる陽イオン交換基のプロトンの一部が金属イオンに置換された固体高分子電解質が得られる。
この場合、金属塩の種類は、特に限定されるものではなく、少なくとも水溶性であればよい。金属塩としては、具体的には、硝酸塩、塩化物、硫酸塩等が好適である。水溶液中に溶解させる金属塩の量は、要求されるイオン交換率に応じて、最適な量を選択する。
また、イオン交換を行う際の温度及び時間も、特に限定されるものではない。一般に、金属塩を含む水溶液の温度が高くなるほど、イオン交換速度が速くなる。効率よくイオン交換を行うためには、水溶液の温度は、室温以上が好ましく、さらに好ましくは、50℃以上、さらに好ましくは、80℃以上である。
水溶液への浸漬時間は、イオン交換が十分に行われるように、水溶液の温度に応じて、最適な時間を選択する。通常、1〜数十時間程度である。
次に、本発明に係る固体高分子型燃料電池について説明する。固体高分子型燃料電池は、一般に、電解質膜の両面に電極が接合された膜電極接合体(MEA)を備えている。固体高分子型燃料電池は、通常、このようなMEAを、ガス流路を備えたセパレータで挟持して単セルとし、これを複数個積層したものからなる。
MEAを構成する電解質膜は、固体高分子電解質のみからなる場合と、多孔質材料、長繊維材料、短繊維材料等からなる補強材を含む複合体からなる場合がある。
また、MEAを構成する電極は、通常、触媒層と拡散層の二層構造を取るが、触媒層のみによって構成される場合もある。電極が触媒層と拡散層の二層構造を取る場合、電極は、触媒層を介して電解質膜に接合される。
触媒層は、電極反応の反応場となる部分であり、電極触媒又は電極触媒を担持した担体と、その周囲を被覆する触媒層内電解質とを備えている。一般に、電極触媒には、MEAの使用目的、使用条件等に応じて最適なものが用いられる。固体高分子型燃料電池の場合、電極触媒には、白金、白金合金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム等又はこれらの合金が用いられる。触媒層に含まれる電極触媒の量は、MEAの用途、使用条件等に応じて最適な量が選択される。
触媒担体は、微粒の電極触媒を担持すると同時に、触媒層における電子の授受を行うためのものである。触媒担体には、一般に、カーボン、活性炭、フラーレン、カーボンナノフォン、カーボンナノチューブ等が用いられる。触媒担体表面への電極触媒の担持量は、電極触媒及び触媒担体の材質、MEAの用途、使用条件等に応じて最適な担持量が選択される。
触媒層内電解質は、固体高分子電解質膜と電極との間でプロトンの授受を行うためのものである。触媒層内電解質には、通常、固体高分子電解質膜を構成する材料と同一の材料が用いられるが、異なる材料を用いても良い。触媒層内電解質の量は、MEAの用途、使用条件等に応じて最適な量が選択される。
拡散層は、触媒層との間で電子の授受を行うと同時に、反応ガスを触媒層に供給するためのものである。拡散層には、一般に、カーボンペーパ、カーボンクロス等が用いられる。また、撥水性を高めるために、カーボンペーパ等の表面に、ポリテトラフルオロエチレン等の撥水性高分子の粉末とカーボンの粉末との混合物(撥水層)をコーティングしたものを拡散層として用いても良い。
本発明に係る固体高分子型燃料電池は、このようなMEAを構成する電解質膜又は触媒層内電解質として、本発明に係る固体高分子電解質を用いたことを特徴とする。この場合、本発明に係る固体高分子電解質のみを用いてMEAを構成しても良く、あるいは、他の固体高分子電解質と組み合わせてMEAを構成しても良い。
上述した方法を用いてパーフルオロ系電解質に備えられる陽イオン交換基のプロトンの一部を金属イオンに置換し、得られたパーフルオロ系電解質を用いて単セルを作製し、この単セルを所定個数積層すれば、本発明に係る固体高分子型燃料電池が得られる。
次に、本発明に係る固体高分子電解質の作用について説明する。
燃料電池においては、電極反応の副反応により過酸化水素が生成し、これが燃料電池内で分解して過酸化物ラジカルとなる。過酸化物ラジカルは、燃料電池内の電解質を攻撃し、電解質を劣化させる。過酸化物ラジカルによるパーフルオロ系電解質の劣化プロセスの詳細は明らかではないが、高分子に存在する「水素を含有する末端基」が過酸化物ラジカルにより攻撃されることが主な原因と考えられている。
パーフルオロ系電解質には、その合成プロセスにおいて形成された活性の高い末端基が少量含まれ、これが劣化の起点になると言われている。例えば、高分子の末端にCFX(但し、X=COOH)がある場合、その劣化は、以下のような反応により進行すると考えられている(非特許文献1参照)。
まず、末端にある酸基から水素が引き抜かれ、パーフルオロカーボンラジカル(R-CF・)、二酸化炭素及び水が生成する(ステップ1、(2)式参照)。パーフルオロカーボンラジカル(R-CF・)は、ヒドロキシラジカルと反応して中間生成物(R-CFOH)を形成し、これがさらに酸フッ化物(R-COF)と1当量のフッ化水素になる(ステップ2、(3)式参照)。さらに、酸フッ化物(R-COF)が加水分解することによって、さらに1当量のフッ化水素と別の末端酸基を生成する(ステップ3、(4)式参照)。
-CFCOOH+・OH → R-CF・+CO+HO ・・・(2)
-CF・+・OH → R-CFOH → R-COF+HF ・・・(3)
-COF+HO → R-COOH+HF ・・・(4)
このようなパーフルオロ系電解質において、これに含まれる陽イオン交換基のプロトンの一部を金属イオンで置換すると、過酸化物ラジカルによる劣化が抑制される。その理由の詳細は不明であるが、
(1)「水素を含有する末端基」の一種である陽イオン交換基のプロトンの一部を金属イオンで置換することによって、陽イオン交換基が過酸化物ラジカルに対して不活性になるため、あるいは、
(2)H→HO+O、又は、・OH→HO+Oの反応を加速させ、不安定活性種が電解質を攻撃する前に分解するため、
と考えられる。
また、プロトンを置換する金属イオンとして、特定の金属イオンを用いると、その詳細は不明であるが、高い電気伝導度(低い膜抵抗)を維持したまま、耐酸化性を向上させることができる。そのため、これを燃料電池用の電解質に適用すれば、高出力、かつ、耐久性に優れた燃料電池が得られる。
(参考例1〜5)
水100mlに硝酸セリウム(Ce(NO)・6HO)を適量溶かし、厚さ45μm、7×7cmのパーフルオロ系電解質膜(ナフィオン(登録商標)112)を入れ、90℃×1hr加熱した。その後、純水100mlで90℃×30分間の温水洗浄を2回行った。さらに、イオン交換水で数回洗浄した後、80℃×2hrの真空乾燥を行い、重量Eを求めた。また、各処理膜のCe3+のイオン交換率は、陽イオン交換容量滴定(0.005N NaOH)で求めた。
次に、1wt%の過酸化水素とFeを10ppm(塩化第1鉄(FeCl)で加えた)含む水溶液200mlを調製し、これをポリテトラフルオロエチレン内筒の容器に処理膜と共に入れ、100℃×8hrの浸漬試験を行った。浸漬試験終了後、溶出したFイオンの濃度をオリオン社製のイオン選択性電極で調べた。また、イオン交換水で膜を洗浄後、80℃×2hrの真空乾燥を行い、重量Eを求めた。さらに、測定された重量E及び重量Eを用いて、次の(5)式により、重量変化ΔWを求めた。
ΔW={(E−E)/E}×100 ・・・(5)
(比較例1〜3)
硝酸セリウムに代えて、硝酸ランタン(La(NO))を用いた以外は、参考例1〜5と同一の手順に従い、陽イオン交換基のプロトンの一部をLa3+で置換した電解質膜(比較例1、2)を作製した。La3+で置換した電解質膜、及び、無処理のパーフルオロ系高分子電解質(比較例3)について、参考例1〜5と同一条件下で、Fイオン溶出量及び浸漬試験前後における重量変化ΔWを求めた。
表1に、Fイオン濃度及び膜重量変化ΔWを示す。表1より、Ce3+でイオン交換した膜(参考例1〜5)は、いずれも、無処理膜(比較例3)に比べて、重量減少が小さく、かつ、Fイオンの溶出が抑制されていることがわかる。また、La3+でイオン交換した膜(比較例1、2)と、これとほぼ同量のCe3+イオンで置換した膜(参考例1、3)とを比較すると、Ce3+イオンで置換した方が、重量減少が少なく、かつ、Fイオンの溶出量が少ないことがわかる。
Figure 0005095089
(参考例6、実施例7〜12、参考例13〜18)
参考例1〜5と同様の手順に従い、陽イオン交換基のプロトンの10%を各種金属イオンでイオン交換処理した膜を調製した。得られた膜について、参考例1〜5と同一の条件下で、Fイオンの溶出量を測定した。
表2に、イオン交換に用いた薬品とFイオンの溶出量を示す。表2に記載された各種金属イオンでイオン交換処理した膜は、いずれも、イオン交換率10%のLa置換処理膜(比較例2)に比べて、フッ素イオンの排出が抑制されていることがわかる。
Figure 0005095089
(参考例19)
ナフィオン(登録商標、デュポン社製)112(EW:1100、6×6cm)膜の乾燥重量を測定し、その全スルホン酸基のモル数を算出した。Ce3+イオン1つがスルホン酸基3つを交換すると考え、スルホン酸基の全量の10%にあたるCe3+イオンのモル数を算出した。
次に、算出されたモル数に相当するCe3+イオンを含む硝酸セリウム水溶液に膜を浸漬し、室温で24時間保持した。イオン交換終了後、膜を60℃のお湯で洗った。
得られた膜の両面に触媒層をホットプレスにより転写し、MEAを得た。
(比較例4)
硝酸セリウムに代えて、硝酸ランタンを用いた以外は、参考例19と同一の手順に従い、スルホン酸基の全量の10%に相当するプロトンをLa3+イオンでイオン交換した電解質膜を作製した。得られた膜の両面に触媒層をポットプレスにより転写し、MEAを得た。
(比較例5)
ナフィオン(登録商標)112膜を金属イオンでイオン交換することなく、そのまま用いた以外は、参考例19と同一の手順に従い、MEAを作製した。
参考例19及び比較例4、5で得られたMEAを用いて燃料電池を作製し、開回路条件で燃料電池を作動させた。なお、アノードには、圧力:1ata、流量:500ml/minの純水素を流し、カソードには、圧力:1ata、流量:500ml/minの空気を流した。48時間の運転後、燃料電池から排出された水を回収し、水に含まれるFイオンの濃度をオリオン社製のイオン選択性電極で測定した。さらに、Fイオンの溶出量から単位面積・単位時間当たりのFイオンの溶出速度を算出した。
無処理の膜を用いた比較例5の場合、カソード側及びアノード側のFイオン溶出速度は、それぞれ、6.53(μg/cmhr)及び6.19(μg/cmhr)であった。また、La3+イオンで置換した膜を用いた比較例4の場合、カソード側及びアノード側のFイオン溶出速度は、それぞれ、0.24(μg/cmhr)及び0.11(μg/cmhr)であり、無処理の膜に比べて、Fイオンの溶出速度が小さくなった。
これに対し、Ce3+イオンで置換した膜を用いた参考例19の場合、カソード側及びアノード側のFイオン溶出速度は、それぞれ、0.03(μg/cmhr)及び0.03(μg/cmhr)であり、La3+イオンで置換した膜に比べて、Fイオンの溶出速度がさらに小さくなった。以上の結果から、Ce3+イオンの方が、La3+イオンより、膜の劣化を抑制する効果が大きいことがわかった。
(参考例20)
参考例19と同一の手順に従い、Ce3+イオンによるイオン交換率が0〜100%である膜を作製した。得られた膜について、膜交流抵抗(膜抵抗)を測定した。
次に、この膜の両面に触媒層をホットプレスにより転写し、MEAを得た。さらに、得られたMEAを用いて燃料電池を作製し、参考例19と同一の条件下で、カソード側及びアノード側のFイオンの溶出速度を求めた。
図1に、イオン交換率とFイオンの溶出速度及び膜抵抗との関係を示す。なお、図1において、「□」は、カソード側のFイオン溶出速度であり、「●」は、アノード側のFイオン溶出速度である。
図1より、イオン交換率が0%である場合、カソード側及びアノード側のFイオン溶出速度は、いずれも6μg/cmhrを超えているのに対し、Ce3+イオンによるイオン交換率を0.01%以上にすると、カソード側及びアノード側のFイオン溶出速度は、いずれも1μg/cmhr以下となった。一方、Ce3+イオンによるイオン交換率が50%を超えると、膜抵抗は急激に増大した。図1より、Ce3+イオンによるイオン交換率を0.01〜60%(好ましくは、0.01〜50%)とすると、低い膜抵抗(高い電気伝導度)と高い耐久性を同時に達成できることがわかる。
(参考例21)
パーフルオロ系電解質(ナフィオン(登録商標)112膜、EW1100)の両面に触媒層を接合し、MEA(423mg)を得た。次に、目的とするイオン交換率に相当するFeCl・4HOをはかり取り、100mLの水に溶解させた。このFeCl水溶液(23℃)にMEAを18時間浸漬し、陽イオン交換基(−SOH)の一部をFe2+イオンで置換した。規定時間経過後、MEAを取り出し、超純水で数回洗浄した。さらに、MEAを50℃のオーブンで1〜2時間乾燥させた。
なお、イオン交換率は、0.2%、30%、40%及び60%の4種類とした。また、イオン交換率の調整は、FeCl水溶液に溶解させるFeClの量を変化させることにより行った。さらに、イオン交換率の確認は、同一条件下でイオン交換を行ったMEAを20%硝酸水溶液に浸漬し、60℃で24時間かけてFeイオンを抽出させ、抽出液に含まれるFeイオン量を測定することにより行った。
(比較例6)
FeCl水溶液によるイオン交換処理を行わなかった以外は、参考例21と同一条件下でMEAを作製した。
参考例21及び比較例6で作製したMEAを用いて、燃料電池評価装置にて発電試験を実施した。試験条件は、以下の通りである。
アノード側: 純水素、圧力0.1ata
カソード側: 空気、圧力0.05ata
セル温度 : 80℃
加湿器温度: 80℃/45℃(カソード/アノード)
電流密度 : 0.1A/cm
所定の運転時間が経過した後、燃料電池から排出された水を回収し、水に含まれるFイオンの濃度をオリオン社製のイオン選択性電極で測定した。さらに、Fイオンの溶出量からFイオン溶出率を算出した。なお、「Fイオン溶出率」とは、上述した条件下において水中に溶出した単位面積・単位時間当たりのFイオンの量(μg/cmhr)をいう。図2に、Fイオン溶出率の経時変化を示す。図2より、Fe2+イオンによるイオン交換率が0.2〜60%の範囲において、Fイオンの溶出が著しく抑制されることがわかる。
(参考例22)
参考例19と同様にして、硫酸鉄(II)、硝酸鉄(III)よりFe2+、Fe3+イオンをそれぞれ10%イオン交換した電解質膜を作製し、Fイオンの溶出速度を算出した。その結果、Fe2+を交換した膜では、カソード0.03(μg/cmhr)、アノード0.05(μg/cmhr)であり、Fe3+を交換した膜では、カソード0.03(μg/cmhr)、アノード0.03(μg/cmhr)であり、いずれも劣化を抑制する効果が見られた。
(参考例23)
20wt%電解質(ナフィオン(登録商標))を含む電解質ソリューション(デュポン社製、DE2020、EW:1100)の重量を量り、それに含まれる電解質の量からスルホン酸基の10%に当たるCe3+のモル数を算出した。そのモル数のCe3+を含む硝酸セリウムをソリューションに添加し、24時間室温で放置し、イオン交換した電解質ソリューション及び白金担持カーボン、水、エタノール、プロピレングリコールを用いて触媒インクを作製した。その後、触媒シート化し、ホットプレスにより電解質膜(ナフィオン(登録商標)112)に転写したMEAを用いて参考例19と同様にしてFイオン溶出量を測定した。その結果、カソード0.02(μg/cmhr)、アノード0.04(μg/cmhr)であり、触媒層内電解質にイオン交換しても劣化を抑制する効果が見られた。
(参考例24)
参考例23と同様にして硝酸鉄を添加し、10%イオン交換した電解質ソリューションを用いた触媒を作製し、MEA化し、F溶出量を測定した。その結果、カソード0.01(μg/cmhr)、アノード0.03(μg/cmhr)であり、劣化を抑制する効果が見られた。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能である。
例えば、パーフルオロ系電解質に対して本発明を適用すると最も大きな効果が得られるが、本発明は、炭化水素系電解質あるいは部分フッ素系電解質に対しても適用することができる。
本発明に係る固体高分子型燃料電池は、車載用動力源、定置型小型発電器、コジェネレーションシステム等に適用することができる。また、本発明に係る固体高分子電解質の用途は、固体高分子型燃料電池の電解質膜あるいは触媒層内電解質に限定されるものではなく、水電解装置、ハロゲン化水素酸電解装置、食塩電解装置、酸素及び/又は水素濃縮器、湿度センサ、ガスセンサ等の各種電気化学デバイスに用いられる電解質膜、電極材料等としても用いることができる。
Ce3+イオンによるイオン交換率とFイオンの溶出速度及び膜抵抗との関係を示す図である。 Fe2+イオンによるイオン交換率の異なる各種の電解質膜を用いた固体高分子型燃料電池から排出されるFイオン溶出率の経時変化を示す図である。

Claims (5)

  1. 陽イオン交換基を備えたパーフルオロ系電解質と、
    前記陽イオン交換基のプロトンの一部を置換する金属イオンとを備え、
    前記金属イオンは、サマリウム(Sm)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、及び、エルビウム(Er)のイオンから選ばれる少なくとも1つであり、
    次の(1)式で表される前記金属イオンのイオン交換率が0.01〜50%である固体高分子電解質。
    イオン交換率=(前記金属イオンのmol数×前記金属イオンの価数/前記パーフルオロ系電解質に含まれる陽イオン交換基の総モル数)×100 ・・・(1)
  2. 膜抵抗(膜厚45μmの膜にしたときの膜の水中での平面方向の交流抵抗)が30Ωcm以下である請求項1に記載の固体高分子電解質。
  3. 前記パーフルオロ系電解質は、パーフルオロカーボンスルホン酸である請求項1又は2に記載の固体高分子電解質。
  4. 請求項1から3までのいずれかに記載の固体高分子電解質を用いた固体高分子型燃料電池。
  5. 以下の構成を備えた固体高分子型燃料電池の製造方法。
    (1)前記固体高分子型燃料電池の製造方法は、
    パーフルオロ系電解質に備えられる陽イオン交換基のプロトンの一部を金属イオンに置換する工程と、
    前記パーフルオロ系電解質を用いて単セルを作製する工程と、
    を備えている。
    (2)前記金属イオンは、サマリウム(Sm)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、及び、エルビウム(Er)のイオンから選ばれる少なくとも1つである。
    (3)前記固体高分子型燃料電池の製造方法は、
    次の(1)式で表される前記金属イオンのイオン交換率が0.01〜50%となるように、前記陽イオン交換基のプロトンの一部を前記金属イオンに置換するものである。
    イオン交換率=(前記金属イオンのmol数×前記金属イオンの価数/前記パーフルオロ系電解質に含まれる陽イオン交換基の総モル数)×100 ・・・(1)
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