JP2012124126A - 高分子電解質組成物、高分子電解質膜、固体高分子形燃料電池用触媒層および膜電極接合体 - Google Patents
高分子電解質組成物、高分子電解質膜、固体高分子形燃料電池用触媒層および膜電極接合体 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2012124126A JP2012124126A JP2010276147A JP2010276147A JP2012124126A JP 2012124126 A JP2012124126 A JP 2012124126A JP 2010276147 A JP2010276147 A JP 2010276147A JP 2010276147 A JP2010276147 A JP 2010276147A JP 2012124126 A JP2012124126 A JP 2012124126A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polymer electrolyte
- membrane
- ion
- electrolyte membrane
- group
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/30—Hydrogen technology
- Y02E60/50—Fuel cells
Landscapes
- Fuel Cell (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Conductive Materials (AREA)
- Inert Electrodes (AREA)
Abstract
【解決手段】炭化水素系の高分子電解質と、高分子電解質に含有される金属イオンと、を有し、金属イオンの標準電極電位が、水素イオンの標準電極電位より高く、かつ白金イオン(Pt2+)の標準電極電位より低いことを特徴とする高分子電解質組成物。
【選択図】なし
Description
この課題に対し、高分子材料分野では、従来から例えばヒンダードフェノール系酸化防止剤等の酸化防止剤が、加工時の溶融劣化や、経時的に生じる酸化劣化を抑制する目的で広範に用いられている。しかしながら、ラジカル耐性の向上を求めて、このような酸化防止剤を燃料電池用高分子電解質膜に用いたとしても、固体高分子形燃料電池の長期安定性の改善には不十分であった。したがって、良好なラジカル耐性を有し、燃料電池の長期安定性を可能とする高分子電解質膜の実現が切望されていた。
本実施形態の高分子電解質組成物に用いられる高分子電解質は、イオン交換基を有する高分子電解質であることが好ましい。その理由は、このようにイオン交換基を有する高分子電解質を用いて燃料電池用の高分子電解質膜を得たとき、該高分子電解質膜のイオン伝導性が良好になるためである。
本発明で用いられる高分子電解質としては、炭化水素系高分子電解質が用いられる。なお、炭化水素系高分子電解質とは、当該高分子電解質を構成する元素重量含有比で表してハロゲン原子が15重量%以下である高分子電解質を意味する。かかる炭化水素系高分子電解質は、前記のフッ素系高分子電解質と比較して安価であるという利点を有するため、より好ましい、特に好適な炭化水素系高分子電解質とは実質的にハロゲン原子を含有していないものであり、このような炭化水素系高分子電解質は燃料電池の作動時に、ハロゲン化水素を発生して、他の部材を腐食させたりする恐れがない。
(A)主鎖が脂肪族炭化水素からなる高分子に、イオン交換基が導入された高分子電解質;
(B)主鎖が脂肪族炭化水素からなり、主鎖の一部の水素原子がフッ素原子で置換された高分子に、イオン交換基が導入された高分子電解質;
(C)主鎖が芳香環を有する高分子に、イオン交換基が導入された高分子電解質;
(D)主鎖が、シロキサン基やフォスファゼン基等の無機の単位構造を有する高分子にイオン交換基が導入された高分子電解質;
(E)(A)〜(D)に使用する高分子の主鎖を構成する構造単位から2種以上を選び、それらを組み合わせた共重合体に、イオン交換基が導入された高分子電解質;
(F)主鎖や側鎖に窒素原子を含む炭化水素系高分子に、硫酸やリン酸等の酸性化合物をイオン結合により導入した高分子電解質
Z、Z’は互いに独立にカルボニル基又はスルホニル基を表し、X、X’、X”は互いに独立にオキシ基又はチオキシ基を表す。Yは直接結合もしくは下記式(100)で示される基を表す。pは0、1または2を表し、q、rは互いに独立に1、2または3を表す)
また、これらの2価の芳香族基は置換基を有していてもよく、この置換基の説明は前記Ar1〜Ar9の場合と同様である。
一方、「イオン交換基を実質的に有しないブロック」とは、かかるブロックを構成する構造単位1個当たりに、イオン交換基が平均0.1個以下のセグメントであることを意味し、平均0.05個以下であるとさらに好ましく、平均0個すなわちイオン交換基が皆無であるブロックが特に好ましい。
前記のようなミクロ相分離構造を形成している膜は、イオン伝導性に係る親水性ドメインと、機械強度や耐水性に係る疎水性ドメインとを有し、これらの性能を高度に維持することができ、燃料電池用の高分子電解質膜として好適である。そして、このようなミクロ相分離構造を形成している高分子電解質膜は、該疎水性ドメインが支持基材との間に良好な接着性を発現し、該親水性ドメインが積層フィルムから支持基材を剥離する際に良好に作用することが期待される。
また、イオン交換基を有しないブロックを構成する構造単位としては、(12)、(14)、(16)、(18)、(20)及び(22)からなる群より選ばれる1つ以上であると好ましい。このような構造単位からなるブロック(イオン交換基を実質的に有しないブロック)を有する高分子電解質は優れた寸法安定性を発現できるという利点もあり、燃料電池用の高分子電解質膜として有用なものとなる。
本実施形態の高分子電解質組成物は、標準電極電位が水素より高く、かつ白金より低い金属イオンを含有することを特徴とするものである。ここで、本実施形態の高分子電解質組成物に用いられる炭化水素系高分子電解質は、上述の通り、スルホ基等のイオン交換基を有するものであるから、通常、高分子電解質組成物が含有する金属イオンは、炭化水素系高分子電解質のイオン交換基と塩を形成している。
Ir3++3e− ⇔ Ir 1.156V
Pd2++2e− ⇔ Pd 0.915V
Ag++e− ⇔ Ag 0.799V
Fe3++e− ⇔ Fe2+ 0.771V
Rh3++3e− ⇔ Rh 0.758V
Cu++e− ⇔ Cu 0.520V
Cu2++2e− ⇔ Cu 0.340V
Bi3++3e− ⇔ Bi 0.317V
Cu2++e− ⇔ Cu+ 0.159V
Sn4++2e− ⇔ Sn2+ 0.15V
Au++e− ⇔ Au 1.83V
Ce4++e− ⇔ Ce3+ 1.71V
Pt2++2e− ⇔ Pt 1.188V
Ni2++2e− ⇔ Ni −0.257V
Co2++2e− ⇔ Co −0.277V
Fe2++2e− ⇔ Fe −0.44V
次に、上述の炭化水素系高分子電解質、および金属イオンを用いた、本実施形態の高分子電解質膜の製造方法について説明する。
(2)キャスト製膜法において、炭化水素系高分子電解質と溶媒とからなる炭化水素系高分子電解質溶液に、溶媒に可溶な金属イオンの塩を投入し、キャスト製膜する方法。
(3)キャスト製膜法で作製した金属イオンを含まない炭化水素系高分子電解質膜を、金属イオンを含む水溶液に浸漬させることでイオン交換させる方法。
まず、(1)の方法について説明する。(1)の方法では、予め高分子電解質と金属イオンとをイオン交換させて高分子電解質組成物を得ることとしており、当該高分子電解質組成物を製膜することで目的とする高分子電解質膜を得る。
本発明の高分子電解質膜は、以下の(i)〜(iv)の工程を含むキャスト製膜法を用いて製造される高分子電解質膜が好ましい。
(i)上述のような高分子電解質組成物を、該高分子電解質組成物を溶解し得る有機溶媒に溶解し、高分子電解質組成物溶液を調製する工程;
(ii)前記(i)で得られた高分子電解質組成物溶液を、比較的平滑な表面を有する支持基材上に流延塗工し、該支持基材上に高分子電解質組成物の流延膜を形成する工程;
(iii)前記(ii)で支持基材上に形成された流延膜から、前記有機溶媒を除去して、該支持基材上に高分子電解質膜を形成する工程;
(iv)前記(iii)の工程を行った後、支持基材と高分子電解質膜とを分離する工程
まず、(i)では高分子電解質組成物溶液を調製する。ここで該高分子電解質組成物溶液調製に使用する有機溶媒としては、使用する1種又は2種以上の高分子電解質組成物を溶解し得るものが選ばれる。また、高分子電解質組成物に加えて、他の高分子や添加剤などの成分を用いる場合は、これら他の成分も共に溶解し得るものが好ましい。
該有機溶媒は、使用する高分子電解質組成物を溶解し得る溶媒であり、具体的には、この高分子電解質組成物を、25℃で1重量%以上の濃度で溶解し得る有機溶媒を意味する。好適には、高分子電解質組成物を5〜50重量%の濃度で溶解し得る有機溶媒を用いることが好ましい。
次に、(ii)の工程について説明する。
この工程は、前記(i)で得られた高分子電解質組成物溶液を支持基材上に流延塗工する工程である。該流延塗工の方法としては、ローラーコート法、スプレイコート法、カーテンコート法、スロットコート法、スクリーン印刷法などの各種手段を用いることができるが、好ましくは、一定間隔の隙間(クリアランス)が設けられたダイと呼ばれる金型により、所定の幅及び厚みに賦型する手段が挙げられる。
次に(iii)の工程に関し説明する。
この工程は前記(ii)において前記支持基材上に形成された流延膜に含有される前記有機溶媒を除去して、該支持基材上に高分子電解質膜を形成する工程である。このような除去には、乾燥又は洗浄溶媒による洗浄が推奨される。このような乾燥と洗浄とを組み合わせて、前記有機溶媒を除去することがより一層好ましく、乾燥と洗浄とを組み合わせる場合には、まず乾燥を行って、前記支持基材上に形成された延膜に含有される前記有機溶媒のほとんどを除去した後、洗浄溶媒による洗浄を行うことが特に好ましい。
次に(iv)の工程に関し説明する。(iv)の工程においては、前記(iii)において形成された第2の積層フィルムから支持基材を剥離などによって除去することにより高分子電解質膜を得る。
得られる高分子電解質膜は、好適なキャスト製膜法により得られたものであるため、実質的に無多孔質のものとなる。なお、ここでいう実質的に無多孔質とは、ボイドなどの微小貫通孔が高分子電解質膜に形成されていないことを意味する。ただし、この高分子電解質膜は、燃料電池作動を阻害しない程度の少数量のボイド又は小さい径のボイドであれば、当該ボイドを有するような膜であってもよい。
次に(2)の方法について説明する。本発明の高分子電解質膜は、上述のキャスト製膜法により製膜される。
この(2)の方法においても上述の(1)の方法と同様に、酸処理工程は行わない。酸処理工程を経ることで、高分子電解質膜に含有される銅および/または銀イオンが膜外に流出してしまう恐れがあるためである。
最後に(3)の方法について説明する。本発明の高分子電解質膜は、上述のキャスト製膜法により製膜される。
また、以上のような高分子電解質組成物を用いると、本実施形態の高分子電解質膜を好適に形成することが可能となる。
また、洗浄後の第2の積層フィルムは、支持基材を除去した後、残存又は付着している洗浄溶媒を乾燥除去させてもよいし、洗浄後の第2の積層フィルムをそのまま加熱等することで残存又は付着している洗浄溶媒を乾燥除去した後、支持基材を除去してもよい。
その他の成分としては、通常の高分子に使用される可塑剤、安定剤、離型剤、保水剤等の添加剤が挙げられる。
これらその他の成分は、キャスト製膜法を用いる際に、使用する高分子電解質溶液を調製する際に、該高分子電解質溶液にこれらの成分を添加しておけばよい。
次に、本発明の高分子電解質膜を備えた燃料電池の好ましい一実施態様について、添付の図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の好適な一実施態様の燃料電池のセルについての縦断面図である。図1では、燃料電池10は、高分子電解質膜12と、これを挟む一対の触媒層14a,14bとから構成された膜−電極接合体(MEA)20を備えている。高分子電解質膜12は、上述の本実施形態で得られる高分子電解質膜である。
燃料電池に用いる高分子電解質膜の長期安定性を、高分子電解質膜を構成する高分子電解質の分子量の変化により確かめた。
下記条件でゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による測定を行い、ポリスチレン換算を行うことによって高分子電解質の重量平均分子量及び数平均分子量を算出した。測定におけるGPC条件を下記の表2に示す。
測定に供するポリマーをキャスト製膜法により成膜したポリマー膜を得、得られたポリマー膜を適当な重量になるように裁断した。裁断したポリマー膜の乾燥重量を加熱温度110℃に設定されたハロゲン水分率計を用いて測定した。次いで、このようにして乾燥させたポリマー膜を0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液5mLに浸漬した後、更に50mLのイオン交換水を加え、2時間放置した。その後、ポリマー膜が浸漬された溶液に、0.1mol/Lの塩酸を徐々に加えることで滴定を行い、中和点を求めた。そして、裁断したポリマー膜の乾燥重量と中和に要した塩酸の量から、ポリマーのイオン交換容量(単位:meq/g)を算出した。
高分子電解質膜に吸着した金属イオン量の測定には、誘導結合プラズマ発光分析装置(ICP発光)を用いた。
未処理電解質膜を金属水溶液に浸漬し、浸漬前後での金属水溶液中の金属イオン量から、高分子電解質膜に吸着した金属イオン量を算出した。測定におけるICP発光測定条件を下記の表3に示す。
アルゴン雰囲気下、共沸蒸留装置を備えたフラスコに、DMSO600ml、トルエン200mL、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸ナトリウム 26.5g(106.3mmol)、末端クロロ型である下記ポリエーテルスルホン(住友化学製スミカエクセルPES3600P(下記式(化6)、Mn=2.7×104、Mw=4.5×104)10.0g、2,2’−ビピリジル 43.8g(280.2mmol)を入れて攪拌した。その後、バス温を150℃まで昇温し、トルエンを加熱留去することで系内の水分を共沸脱水した後、 60℃に冷却した。
合成例1で得られた高分子電解質をN,N−ジメチルスルホキシドに溶解して、濃度が10重量%の高分子電解質溶液(A)を調製した。
得られた高分子電解質溶液(A)を、スロットダイを用いて、支持基材である巾300mmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡績社製、E5000グレード)に連続的に流延塗布して、連続的に熱風ヒーター乾燥炉へと搬送し、溶媒を除去した。得られた高分子電解質膜中間体を1N硫酸に2時間浸漬後、2時間水洗を行い、更に風乾し、支持基材から剥離することで高分子電解質膜(未処理電解質膜)1を作製した。高分子電解質膜1の膜厚は30μmであった。
7cm×20cmに裁断した高分子電解質膜1を、別途用意した0.2ppm/Lの硫酸銅水溶液1.0Lに5時間浸漬した(濃度は銅の重量換算)。この間、スターラーで硫酸銅水溶液を攪拌しながら、25℃で保持した。浸漬処理後、膜を取り出し、イオン交換水で洗浄した後に、室温雰囲気下で自然乾燥させることにより、銅イオンとイオン交換した高分子電解質膜2を得た。高分子電解質膜2において高分子電解質1のスルホ基のモル数に対する、銅イオンを対イオンとするスルホン酸塩型の基のモル数の割合は0.20%であった。
7cm×20cmに裁断した高分子電解質膜1を、別途用意した0.2ppm/Lの硫酸鉄水溶液1.0Lに5時間浸漬した(濃度は鉄の重量換算)。この間、スターラーで硫酸鉄水溶液を攪拌しながら、25℃で保持した。浸漬処理後、膜を取り出し、イオン交換水で洗浄した後に、室温雰囲気下で自然乾燥させることにより、鉄イオンとイオン交換した高分子電解質膜3を得た。高分子電解質膜3において高分子電解質1のスルホ基のモル数に対する、鉄イオンを対イオンとするスルホン酸塩型の基のモル数の割合は0.23%であった。
5cm×6cmに裁断した高分子電解質膜1を、別途用意した3ppmの硝酸パラジウム水溶液1.0gと超純水150gを混合した溶液に24時間浸漬した(濃度はパラジウムの重量換算)。この間、スターラーで硫酸パラジウム水溶液を攪拌しながら、25℃で保持した。浸漬処理後、膜を取り出し、イオン交換水で洗浄した後に、室温雰囲気下で自然乾燥させることにより、パラジウムイオンとイオン交換した高分子電解質膜4を得た。高分子電解質膜4において高分子電解質1のスルホ基のモル数に対する、パラジウムイオンを対イオンとするスルホン酸塩型の基のモル数の割合は0.007%であった。
5cm×6cmに裁断した高分子電解質膜1を、別途用意した1600ppm/Lの硫酸セリウム水溶液100mLに24時間浸漬した(濃度はセリウムの重量換算)。この間、スターラーで硫酸セリウム水溶液を攪拌しながら、25℃で保持した。浸漬処理後、膜を取り出し、イオン交換水で洗浄した後に、室温雰囲気下で自然乾燥させることにより、セリウムイオンとイオン交換した高分子電解質膜5を得た。高分子電解質膜5において高分子電解質1のスルホ基のモル数に対する、セリウム(III)イオンを対イオンとするスルホン酸塩型の基のモル数の割合は0.79%であった。
市販の5質量%ナフィオン(登録商標)溶液(アルドリッチ社製、溶媒:水と低級アルコールの混合物)3.15gに、50質量%の白金が担持された白金担持カーボン(エヌ・イー・ケムキャット社製、商品名:SA50BK)を0.50g投入し、さらに水3.23g及びエタノール21.83gを加えた。得られた混合物を1時間超音波処理した後、スターラーで6時間攪拌して触媒インクを得た。
高分子電解質膜1,2,3,4,5の各々について、片面の中央部における3cm×15cmの領域に、スプレー法にて上記の触媒インクを塗布した。この際、吐出口から膜までの距離は6cm、ステージ温度は75℃に設定した。同様にして重ね塗りをした後、溶媒を除去してアノード触媒層を形成させた。アノード触媒層として2.1mgの固形分(白金目付け:0.6mg/cm2)が塗布された。
続いて、もう一方の面に同様に触媒インクを塗布して、カソード触媒層を形成させて、高分子電解質膜1,2,3,4,5の各々についてMEAを得た。カソード触媒層として2.1mgの固形分(白金目付け:0.6mg/cm2)が塗布された。
上記で得られた各MEAの両外側に、ガス拡散層としてカーボンペーパーと、ガス通路用の溝を切削加工したカーボン製セパレータとを配し、さらにその外側に集電体及びエンドプレートを順に配置し、これらをボルトで締め付けることによって、有効電極面積45cm2の燃料電池セルを組み立てた。
高分子電解質膜2を用いて作製したMEAを備える燃料電池セルを80℃に保ち、アノードに加湿水素と二酸化炭素の混合ガス(混合比 加湿水素:二酸化炭素=80vol%:20vol%)、カソードに加湿空気をそれぞれ供給した。各ガスの加湿は、水の入ったバブラーにガスを通すことにより行った。水素用バブラーの水温は65℃、空気用バブラーの水温は65℃とした。また、水素と二酸化炭素の混合ガスの流量は113mL/min、空気のガス流量は370mL/minとした。この条件において、0.2A/cm2において1600時間の連続発電を実施した。
また、この発電条件において、0.6Vにおける電流密度は0.63A/cm2であった。
すなわち、膜中のポリアリーレン系ブロック共重合体4mgに対し、ジメチルスルホキシド8mlを添加し溶解させた後、水酸化テトラメチルアンモニウムの25%メタノール溶液10μLを100℃で2時間反応させ、放冷後、得られた溶液の重量平均分子量(Mw)をゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定した。
高分子電解質膜4を用いて作製したMEAを備える燃料電池セルを95℃に保ちながら、低加湿状態の水素(70mL/分、背圧0.1MPaG)と低加湿状態の空気(174mL/分、背圧0.05MPaG)をセルに導入し、開回路と一定電流での負荷変動試験を行った。この条件で燃料電池セルを200時間作動させた後、膜−電極接合体を取り出してエタノール/水の混合溶液に投入し、さらに超音波処理することで触媒層を取り除いた。そして、残った高分子電解質膜4の親水セグメントの分子量を次の手順で測定した。すなわち、膜中のポリアリーレン系ブロック共重合体4mgに対し、ジメチルスルホキシド8mlを添加し溶解させた後、水酸化テトラメチルアンモニウムの25%メタノール溶液10μLを100℃で2時間反応させ、放冷後、得られた溶液の分子量をゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定した。
電圧が0.6Vとなるときの電流密度の値を測定したところ、0.40A/cm2であった。
実施例1において、高分子電解質膜1を用いて作製したMEAを備える燃料電池セルを用いる以外は全て同じ方法で連続発電試験を実施した。
また、この発電条件において、0.6Vにおける電流密度は0.55A/cm2であった。
実施例1において、高分子電解質膜3を用いて作製したMEAを備える燃料電池セルを用いる以外は全て同じ方法で連続発電試験を実施した。試験後のMwは測定不可能であり、著しく劣化したことがわかった。
また、この発電条件において、0.6Vにおける電流密度は0.43A/cm2であった。
実施例2において、高分子電解質膜1を用いて作製したMEAを備える燃料電池セルを用いる以外は全て同じ方法で連続発電試験を実施した。
実施例2と同じ方法で、電圧が0.6Vとなるときに電流密度の値を測定したところ、0.34A/cm2であった。
実施例2において、高分子電解質膜5を用いて作製したMEAを備える燃料電池セルを用いる以外は全て同じ方法で連続発電試験を実施した。
実施例2と同じ方法で、電圧が0.6Vとなるときに電流密度の値を測定したところ、0.69A/cm2であった。
Claims (8)
- 炭化水素系の高分子電解質と、前記高分子電解質に含有される金属イオンと、を有し、
前記金属イオンの標準電極電位が、水素イオンの標準電極電位より高く、かつ白金イオン(Pt2+)の標準電極電位より低いことを特徴とする高分子電解質組成物。 - 前記金属イオンの標準電極電位が、二価銅イオン(Cu2+)の標準電極電位より高く、かつ白金イオン(Pt2+)の標準電極電位より低いことを特徴とする請求項1に記載の高分子電解質組成物。
- 前記金属イオンが、銀イオンおよびパラジウムイオンからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属イオンであることを特徴とする請求項2に記載の高分子電解質組成物。
- 前記高分子電解質は、複数の−SO3A1で示される基(A1は、水素原子または対イオンを表す。A1が2価以上の対イオンの場合、A1はさらに他の置換基と結合していてもよい。)を有し、
前記高分子電解質に含有される−SO3A2で示される基(A2は、前記金属イオンを表す。A2が2価以上の金属イオンの場合、A2はさらに他の置換基と結合していてもよい。)のモル数が、前記複数の−SO3A1で示される基のモル数に対し、0.001%以上1%未満であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の高分子電解質組成物。 - 請求項1から4のいずれか1項に記載の高分子電解質組成物を有することを特徴とする高分子電解質膜。
- 請求項1から4のいずれか1項に記載の高分子電解質組成物を含有することを特徴とする固体高分子形燃料電池用触媒層。
- 請求項5に記載の高分子電解質膜を有することを特徴とする膜電極接合体。
- 請求項6に記載の固体高分子形燃料電池用触媒層を有することを特徴とする膜電極接合体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010276147A JP2012124126A (ja) | 2010-12-10 | 2010-12-10 | 高分子電解質組成物、高分子電解質膜、固体高分子形燃料電池用触媒層および膜電極接合体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010276147A JP2012124126A (ja) | 2010-12-10 | 2010-12-10 | 高分子電解質組成物、高分子電解質膜、固体高分子形燃料電池用触媒層および膜電極接合体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012124126A true JP2012124126A (ja) | 2012-06-28 |
Family
ID=46505341
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010276147A Pending JP2012124126A (ja) | 2010-12-10 | 2010-12-10 | 高分子電解質組成物、高分子電解質膜、固体高分子形燃料電池用触媒層および膜電極接合体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2012124126A (ja) |
Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004018573A (ja) * | 2002-06-13 | 2004-01-22 | Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd | プロトン伝導性高分子膜 |
JP2006099999A (ja) * | 2004-09-28 | 2006-04-13 | Asahi Glass Co Ltd | 固体高分子形燃料電池用電解質膜、その製造方法及び固体高分子形燃料電池用膜電極接合体 |
JP2006164966A (ja) * | 2004-11-11 | 2006-06-22 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 固体高分子電解質膜電極接合体及びこれを利用する固体高分子電解質形燃料電池 |
JP2006244721A (ja) * | 2005-02-28 | 2006-09-14 | Toyota Motor Corp | 燃料電池及び燃料電池の製造方法 |
JP2006338912A (ja) * | 2005-05-31 | 2006-12-14 | Toyota Central Res & Dev Lab Inc | 固体高分子電解質、並びに、固体高分子型燃料電池及びその製造方法 |
JP2011249116A (ja) * | 2010-05-26 | 2011-12-08 | Daido Gakuen | 固体高分子形燃料電池 |
-
2010
- 2010-12-10 JP JP2010276147A patent/JP2012124126A/ja active Pending
Patent Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004018573A (ja) * | 2002-06-13 | 2004-01-22 | Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd | プロトン伝導性高分子膜 |
JP2006099999A (ja) * | 2004-09-28 | 2006-04-13 | Asahi Glass Co Ltd | 固体高分子形燃料電池用電解質膜、その製造方法及び固体高分子形燃料電池用膜電極接合体 |
JP2006164966A (ja) * | 2004-11-11 | 2006-06-22 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 固体高分子電解質膜電極接合体及びこれを利用する固体高分子電解質形燃料電池 |
JP2006244721A (ja) * | 2005-02-28 | 2006-09-14 | Toyota Motor Corp | 燃料電池及び燃料電池の製造方法 |
JP2006338912A (ja) * | 2005-05-31 | 2006-12-14 | Toyota Central Res & Dev Lab Inc | 固体高分子電解質、並びに、固体高分子型燃料電池及びその製造方法 |
JP2011249116A (ja) * | 2010-05-26 | 2011-12-08 | Daido Gakuen | 固体高分子形燃料電池 |
Non-Patent Citations (4)
Title |
---|
平光雄介他: "金属イオン交換電解質膜を用いた固体高分子形燃料電池の耐久性評価", 第51回電池討論会 講演要旨集, JPN6014030665, 8 November 2010 (2010-11-08), pages 448, ISSN: 0002860523 * |
森功也他: "ロバストPJ・不純物影響度のデータベース化−PEFCのセル劣化におよぼすシステム由来の金属イオンの影", 第49回電池討論会 講演要旨集, JPN6014030662, 5 November 2008 (2008-11-05), pages 30, ISSN: 0002860522 * |
田中健二他: "ロバストPJ・不純物影響度のデータベース化−金属イオンによるPEFC劣化抑制に関する研究−", 第50回電池討論会 講演要旨集, JPN6014030661, 30 November 2009 (2009-11-30), pages 378, ISSN: 0002860521 * |
電気化学会編, 第5版 電気化学便覧, JPN6010036615, 2000, pages 91 - 95, ISSN: 0002860524 * |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
WO2011046233A1 (ja) | 高分子電解質膜、膜-電極接合体、及び固体高分子形燃料電池 | |
JP5326262B2 (ja) | 高分子電解質膜の製造方法及び高分子電解質膜 | |
JP5621180B2 (ja) | 高分子電解質膜の製造方法及び高分子電解質膜 | |
WO2007032541A1 (ja) | 高分子電解質、並びに、これを用いた高分子電解質膜、 膜−電極接合体及び燃料電池 | |
WO2010150762A1 (ja) | 固体高分子電解質組成物、及びイオン交換膜、膜/電極接合体、燃料電池 | |
JP2008140779A (ja) | 膜−電極接合体 | |
JP2009206086A (ja) | 高分子電解質組成物及びその製造方法、並びに燃料電池 | |
US20100159350A1 (en) | Membrane-electrode assembly, method for production thereof, and solid polymer fuel cell | |
JP2005038834A (ja) | 高分子電解質複合膜、その製造方法及びその用途 | |
EP2169751A1 (en) | Membrane-electrode assembly, method for producing the same and solid polymer fuel cell | |
EP2169748A1 (en) | Membrane-electrode assembly, method for producing the same and solid polymer fuel cell | |
JP2008053084A (ja) | 燃料電池用膜・電極接合体及び燃料電池 | |
JP2008115340A (ja) | スルホン酸基含有ポリマー、その組成物及びその用途 | |
KR20240064714A (ko) | 전기화학 반응을 위한 양성자 교환 막 | |
JP2008031466A (ja) | 高分子電解質エマルションの製造方法、および高分子電解質エマルション | |
JP2008120956A (ja) | スルホン酸基含有ポリマー、その製造方法及びその用途 | |
JP4720091B2 (ja) | イオン交換膜 | |
JP3651684B1 (ja) | イオン交換膜 | |
JP2009021235A (ja) | 膜−電極−ガス拡散層接合体及びこれを備える燃料電池 | |
WO2012099118A1 (ja) | 高分子電解質膜、膜電極接合体、燃料電池 | |
JP2008053101A (ja) | 燃料電池用膜・電極接合体及び燃料電池 | |
JP2012124126A (ja) | 高分子電解質組成物、高分子電解質膜、固体高分子形燃料電池用触媒層および膜電極接合体 | |
JP2005139318A (ja) | 酸性基含有ポリベンズイミダゾール系化合物を含む組成物 | |
JP2005243492A (ja) | イオン伝導膜 | |
JP4720090B2 (ja) | スルホン酸基含有高分子電解質膜及びそれを用いた物品 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20131106 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140722 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20140723 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140918 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20141014 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20150303 |