JP2005139318A - 酸性基含有ポリベンズイミダゾール系化合物を含む組成物 - Google Patents

酸性基含有ポリベンズイミダゾール系化合物を含む組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】 簡潔な製膜プロセスで成形できるとともに、高温高湿下での膜膨潤を抑えながら高いイオン伝導特性を示すとともに、メタノール透過性が低い高分子電解質膜を得る。
【解決手段】 特定の構造を有するスルホン酸基含有ポリアリーレンエーテル系化合物と特定の酸性基含有ポリベンズイミダゾール系化合物を含む組成物により、上記特性に優れた高分子電解質膜を得ることができる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、酸性基含有ポリベンズイミダゾール系化合物とスルホン酸基を有するポリアリーレネーテル系化合物を構成成分とする高分子電解質膜として有用な組成物に関するものである。
液体電解質のかわりに高分子固体電解質をイオン伝導体として用いる電気化学的装置の例として、水電解槽や燃料電池を挙げることができる。これらに用いられる高分子膜は、カチオン交換膜としてプロトン導電率とともに化学的、熱的、電気化学的および力学的に十分安定なものでなくてはならない。このため、長期にわたり使用できるものとしては、主に米デュポン社製の「ナフィオン(登録商標)」を代表例とするパーフルオロカーボンスルホン酸膜が使用されてきた。しかしながら、100℃を越える条件で運転しようとすると、膜の含水率が急激に落ちるほか、膜の軟化も顕著となり燃料電池として十分な性能を発揮することはできない。また、膜のコストが高すぎることも燃料電池技術の確立の障害として指摘されている。さらに、水電解槽への使用においては生成ガスの拡散現象による電流効率の損失も問題とされている。
このような欠点を克服するため、芳香族環含有ポリマーにスルホン酸基を導入した高分子電解質膜が種々検討されている。例えば、高耐熱、高耐久性のポリマーとして知られるポリベンズイミダゾールなどの芳香族ポリアゾール系のポリマーにスルホン酸基を導入して上記目的に利用することが考えられる。このようなポリマー構造として、スルホン酸を含有したポリベンズイミダゾールについては、例えば非特許文献1における3,3’−ジアミノベンジジンと3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸または2,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸から合成するものが、特許文献1では1,2,4,5−ベンゼンテトラミンと2,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸を主成分として合成するものが報告されている。しかしこれらの報告では、スルホン酸含有ポリベンズイミダゾールの溶解性や耐熱性などには注意が向けられているが、電解質膜用途などスルホン酸基が持つ電気化学的特性について顧みられることはなかった。特に、これらの物は、耐熱性、耐溶剤性、機械的特性とイオン伝導特性を両立させる点で劣り、高分子電解質膜などには使用するには不適であった。
また、スルホン酸基よりは耐熱性に優れると考えられるホスホン酸基を有する芳香族ポリマーについて、固体高分子電解質としての応用という視点から着目したものはあまりみられない。わずかに散見される例として、4,4’−(2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチリデン)ビス(2−アミノフェノール)からなるポリベンズオキサゾールにおいて、ジカルボン酸成分の5〜50%を3,5−ジカルボキシフェニルホスホン酸とするポリマーが報告されており(特許文献2)、溶解性の良さと複合材料としての可能性に着目しているが、燃料電池用途の固体高分子電解質としては考慮されることはなかった。実際、このポリマーはアルコール溶解性が特徴であり、メタノールを燃料とする燃料電池用の固体高分子電解質として使用することに適さないことは明白である。また、イオン伝導性も低い値しか示さないことからも、燃料電池用の固体高分子電解質には適さないと言える。
一方、芳香族ポリアリーレンエーテルケトン類や芳香族ポリアリーレンエーテルスルホン類などの、芳香族ポリアリーレンエーテル化合物を高分子固体電解質膜としての有望な骨格構造としてとらえ、例えば、ポリアリールエーテルスルホンをスルホン化したもの(非特許文献2)、ポリエーテルエーテルケトンをスルホン化したもの(特許文献3)、等が報告されている。しかしながら、これらの高分子電解質膜は、イオン伝導性は良い性能を示すものの、高温高湿条件になると膜の膨潤が激しくなり、イオン伝導膜としての使用が困難となる欠点を有している。この欠点を克服するため、これらの酸性基含有ポリマーを塩基性ポリマーとブレンドすることにより、高分子鎖間の酸/塩基結合を利用して高温高湿下での電解質膜の膨潤を抑えようとする試みが報告されている(非特許文献3、4、 、特許文献4,5)。しかし、これらのブレンド膜では、塩基性ポリマーの混合割合を増していくと電解質膜のイオン伝導性が低下してしまうほか、酸/塩基ポリマー混合溶液としたときに沈殿が生じてしまうため、酸性基含有ポリマーをあらかじめアミン塩などにしておくことでようやく均一溶液と出来るものであり、製膜後酸処理が必要となる煩雑な製造工程を要するものであった。
最近、スルホン酸基やホスホン酸基が含有するポリベンズイミダゾール系ポリマーの報告とそのなかでの他のポリマーとの組成物の記載がみられるが、具体的な組み合わせにより得られる効果については述べられていない(例えば、特許文献6)。
USP−5312895号公報 USP5,498,784号公報 特開平6−93114号公報 国際特許公開番号WO99−54407, 国際特許公開番号WO99−54389 国際特許公開番号WO03−068853 ジャーナル・オブ・ポリマー・サイエンス(Journal of Polymer Science Polymer Chemistry、1977年、15巻、P.1309 ジャーナル・オブ・メンブラン・サイエンス(Journal of Membrane Science)、(オランダ)1993年、83巻、P.211−220 ソリッド・ステート・アイオニクス」(Solid State Ionics、1999年、125巻、P.243 ジャーナル・オブ・アプライド・ポリマー・サイエンス(Journal of Applied Polymer Science)、1999年、74巻、P.67
本発明の目的は、イオン伝導性優れたスルホン酸基含有ポリアリーレンエーテル系化合物に酸性基含有ポリベンズイミダゾール系化合物を含有させることにより、簡潔な製膜プロセスで成形できるとともに、高温高湿下での膜膨潤を抑えながら高いイオン伝導特性を示すとともに、メタノール透過性が低い高分子電解質膜を得ることにある。
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、特定の芳香環上にスルホン酸基および/またはホスホン酸基を有するポリベンズイミダゾール系化合物とともに特定のスルホン酸基含有ポリアリーレンエーテル系化合物を含有していることを特徴とする組成物により、上記目的が達成されることを見いだすに至った。
すなわち本発明は、下記(1)〜(15)により達成される。
(1)下記の式(1)で示される構成成分を含むポリベンズイミダゾール系化合物とともに、下記の式(2)および下記の式(3)で示される構成成分を含むポリアリーレンエーテル系化合物を含有していることを特徴とする組成物。
Figure 2005139318

ただし、式(1)においては、m1は1から4の整数を表し、R1はイミダゾール環を形成できる4価の芳香族結合ユニットを、R2は2価の芳香族結合ユニットを表し、R1およびR2はいずれも芳香環の単環であっても複数の芳香環の結合体あるいは縮合環であっても良く、安定な置換基を有していても良い。Zは、スルホン酸基および/またはホスホン酸基を表し、その一部が塩構造となっていても良い。
Figure 2005139318

ただし、Arは2価の芳香族基、Yはスルホン基またはケトン基、XはHまたは1価のカチオン種を示す。
Figure 2005139318

ただし、Ar’は2価の芳香族基を示す。
(2)ポリベンズイミダゾール系化合物が下記の式(4)と式(5)で示される構造で表される結合ユニットをn1:(1−n1)のモル比で構成成分として含むことを特徴とする第1の発明に記載の組成物。
Figure 2005139318
ただし、式(4)および式(5)においては、m2は1から4の整数を表し、Arは2価の芳香族結合ユニットを表し、X1は−O−、−SO2−、−C(CH32−、−C(CF32−、−OPhO−より群から選ばれる1種以上であり、Phは2価の芳香族結合ユニットを表すものとする。また、モル比は、0.2≦n1≦1.0の式を満たす。
(3)ポリベンズイミダゾール系化合物が下記の式(6)と式(7)で示される構造で表される結合ユニットをn2:(1−n2)のモル比で構成成分として含むことを特徴とする第1の発明に記載の組成物。
Figure 2005139318
ただし、式(6)および式(7)においては、m3は1から4の整数を表し、Arは芳香族結合ユニットを表し、X2は−O−、−SO2−、−S−、−CH2−,−OPhO−より群から選ばれる1種以上であり、Phは2価の芳香族結合ユニットを表すものとする。また、モル比は、0.2≦n2≦1.0の式を満たす。
(4)ポリアリーレンエーテル系化合物が下記の式(2)とともに下記の式(8)で示される構成成分を含むことを特徴とする第1に発明に記載の組成物。
Figure 2005139318
ただし、Arは2価の芳香族基、Yはスルホン基またはケトン基、XはHまたは1価のカチオン種を示す。
Figure 2005139318
ただし、Ar’は2価の芳香族基を示す。
(5)ポリアリーレンエーテル系化合物が下記の式(9)とともに下記の式(10)で示される構成成分を含むことを特徴とする第1の発明に記載の組成物。
Figure 2005139318
ただし、XはHまたは1価のカチオン種を示す。
(6)ポリアリーレンエーテル系化合物中に含まれるスルホン酸基量が0.3〜3.5当量/kgであることを特徴とする第1に発明に記載の組成物。
(7)酸性基含有ポリベンズイミダゾール系化合物とポリアリーレンエーテル系化合物割合が、重量比で5:95〜50:50であることを特徴とする第1に発明に記載の組成物。
(8)第1の発明に記載の組成物を含有することを特徴とするイオン伝導膜。
(9)平均厚さ50μmの膜を作製し、5Mメタノール水溶液を用いて25℃で測定したメタノール透過速度が7mmol/m2・sec以下の値を示すことを特徴とする第8の発明に記載のイオン伝導膜。
(10)第8の発明に記載のイオン伝導膜と電極とを含有することを特徴とする複合体。
(11)第10の発明に記載の複合体を含有することを特徴とする燃料電池。
(12)メタノールを燃料とすることを特徴とする第11の発明に記載の燃料電池。
(13)第10の発明に記載の複合体を含有することを特徴とする水電解装置。
(14)第1の発明に記載の組成物を含有することを特徴とする接着剤。
(15)第1の発明に記載の組成物と溶剤とを含有する溶液を、キャスト厚が10〜1000μmの範囲となるようにキャストする工程と、キャストした溶液を乾燥させる工程とを含むことを特徴とする第8の発明に記載のイオン伝導膜の製造方法。
本発明の組成物は、加工性、機械特性に優れるとともに、高温高湿下での膜膨潤を抑えながら、高いイオン伝導特性を示す高分子電解質膜となる。さらに、本発明で得られた高分子電解質膜はメタノールやガスの透過性が低い特徴を有している。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における酸性基含有ポリベンズイミダゾール系化合物は、下記の式(1)で表される構造を含んでいることを特徴としている。
Figure 2005139318
ただし、式(1)においては、m1は、1から4の整数を表し、R1はイミダゾール環を形成できる4価の芳香族結合ユニットを、R2は2価の芳香族ユニットを表し、R1およびR2はいずれも芳香環の単環であっても複数の芳香環の結合体あるいは縮合環であっても良く、安定な置換基を有していても良い。Zは、スルホン酸基および/またはホスホン酸基を表し、その一部が塩構造となっていても良い。
上記の式(1)で示す構造を含む本発明の酸性基含有ポリベンズイミダゾール系化合物を合成する経路は特には限定されないが、通常は化合物中のイミダゾール環を形成し得る芳香族テトラミン類およびそれらの誘導体よりなる群から選ばれる一種以上の化合物と、芳香族ジカルボン酸およびその誘導体よりなる群から選ばれる一種以上の化合物との反応により合成することができる。その際、使用するジカルボン酸の中にスルホン酸基やホスホン酸基、またはそれらの塩を含有するジカルボン酸を使用することで、得られるポリベンズイミダゾール中にスルホン酸基やホスホン酸基を導入することができる。スルホン酸基やホスホン酸基を含むジカルボン酸はそれぞれ一種以上組み合わせて使用することが出来るが、スルホン酸基含有ジカルボン酸とホスホン酸基含有ジカルボン酸を同時に使用することも可能である。
ここで、本発明のポリベンズイミダゾール系化合物の構成要素であるベンズイミダゾール系結合ユニットや、スルホン酸基および/またはホスホン酸基を有する芳香族ジカルボン酸結合ユニットや、スルホン酸基もホスホン酸基も有さない芳香族ジカルボン酸結合ユニットや、その他の結合ユニットは、ランダム重合および/または交互的重合により結合していることが好ましい。また、これらの重合形式は一種に限られず、二種以上の重合形式が同一の化合物中で並存していてもよい。
上記の式(1)で示される構成成分を含むスルホン酸基含有ポリベンズイミダゾール系化合物のうち、下記の式(4)と(5)で示される構造で表される結合ユニットをn1:(1−n1)のモル比で構成成分として含むものが特に好ましい。
Figure 2005139318
ただし、式(2)および式(3)においては、m2は1から4の整数を表し、Arは2価の芳香族結合ユニットを表し、X1は−O−、−SO2−、−C(CH32−、−C(CF32−、−OPhO−より群から選ばれる1種以上であり、Phは2価の芳香族結合ユニットを表すものとする。また、モル比は、0.2≦n1≦1.0の式を満たす。
上記の式(4)、(5)において、m1が5よりも大きいと、得られるポリマーの耐水性が劣る傾向にあり、モル比n1が0.2よりも小さいと、十分なイオン伝導性を示さない傾向となる。
上記の式(1)で示される構成成分を含むスルホン酸基含有ポリベンズイミダゾール系化合物を与える芳香族テトラミンの具体例としては、特に限定されるものではないが、たとえば、1,2,4,5−テトラアミノベンゼン、3,3’−ジアミノベンジジン、3,3’,4,4’−テトラアミノジフェニルエーテル、3,3’,4,4’−テトラアミノジフェニルチオエーテル、3,3’,4,4’−テトラアミノジフェニルスルホン、2,2−ビス(3,4−ジアミノフェニル)プロパン、ビス(3,4−ジアミノフェニル)メタン、2,2−ビス(3,4−ジアミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(3,4−ジアミノフェノキシ)ベンゼン、などおよびこれらの誘導体が挙げられる。これらのうち、式(4)、式(5)で表される結合ユニットを形成することができる、3,3’,4,4’−テトラアミノジフェニルエーテル、3,3’,4,4’−テトラアミノジフェニルスルホン、2,2−ビス(3,4−ジアミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,4−ジアミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(3,4−ジアミノフェノキシ)ベンゼンおよびこれらの誘導体が特に好ましい。
これらの芳香族テトラミン類の誘導体の具体例としては、塩酸、硫酸、リン酸などの酸との塩などを挙げることができる。また、これらの化合物は単独で使用してもよいが、同時に複数使用することもできる。さらに、これらの化合物は、必要に応じて塩化すず(II)や亜リン酸化合物などの公知の酸化防止剤を含んでいてもよい。
上述の式(1)の構造を与えるスルホン酸基含有ジカルボン酸は、芳香族系ジカルボン酸中に1個から4個のスルホン酸基を含有するものを選択することができるが、具体例としては、例えば、2,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸、3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸、2,5−ジカルボキシ−1,4−ベンゼンジスルホン酸、4,6−ジカルボキシ−1,3−ベンゼンジスルホン酸、2,2’−ジスルホ−4,4’−ビフェニルジカルボン酸、3,3’−ジスルホ−4,4’−ビフェニルジカルボン酸、等のスルホン酸含有ジカルボン酸及びこれらの誘導体を挙げることができる。誘導体としては、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属塩や、アンモニウム塩、アルキルアンモニウム塩などをあげることができる。スルホン酸基含有ジカルボン酸の構造は特にこれらに限定されることはない。上述の式(1)におけるm1は、1から4の整数より選ばれる。m1が5以上であると、ポリマーの耐水性が低下する傾向が出てくるので好ましくない。
スルホン酸基含有ジカルボン酸はそれら単独だけでなく、スルホン酸基およびホスホン酸基を含有しないジカルボン酸とともに共重合の形で導入することができる。スルホン酸基含有ジカルボン酸とともに使用できるジカルボン酸例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、ターフェニルジカルボン酸、2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン等ポリエステル原料として報告されている一般的なジカルボン酸を使用することができ、ここで例示したものに限定されるものではない。
スルホン酸基を含有するジカルボン酸の純度は特に制限されるものではないが、98%以上が好ましく、99%以上がより好ましい。スルホン酸基を含有するジカルボン酸を原料として重合されたポリイミダゾールは、スルホン酸基を含有しないジカルボン酸を用いた場合に比べて、重合度が低くなる傾向が見られるため、スルホン酸基を含有するジカルボン酸はできるだけ純度が高いものを用いることが好ましい。スルホン酸基含有ジカルボン酸とともにスルホン酸基を含有しないジカルボン酸を使用する場合、スルホン酸基含有ジカルボン酸を全ジカルボン酸中の20モル%以上とすることでスルホン酸の効果を明確にすることができる。スルホン酸のきわだった効果を引き出すためには、50モル%以上であることがさらに好ましい。スルホン酸基を有する芳香族ジカルボン酸の含有率が20モル%未満の場合には、本発明のポリベンズイミダゾール系化合物の導電率が低下して固体高分子電解質の材料として適さないものとなる傾向がある。
上記の式(1)で示される構成成分を含むホスホン酸基含有ポリベンズイミダゾール系化合物としては、下記の式(6)と式(7)で示される構造で表される結合ユニットをn2:(1−n2)のモル比で構成成分として含むものが特に好ましい。
Figure 2005139318
ただし、式(6)および式(7)においては、m3は1から4の整数を表し、Arは芳香族結合ユニットを表し、X2は−O−、−SO2−、−S−、−CH2−,−OPhO−より群から選ばれる1種以上であり、Phは2価の芳香族結合ユニットを表すものとする。また、モル比は、0.2≦n2≦1.0の式を満たす。
上記の式(6)、(7)において、m3が5よりも大きいと、得られるポリマーの耐水性が劣る傾向にあり、モル比n2が0.2よりも小さいと、十分なイオン伝導性を示さない傾向となる。
上記の式(1)で示されるホスホン酸基含有ポリイミダゾールを与える芳香族テトラミンの具体例としては、特に限定されるものではないが、たとえば、1,2,4,5−テトラアミノベンゼン、3,3’−ジアミノベンジジン、3,3’,4,4’−テトラアミノジフェニルエーテル、3,3’,4,4’−テトラアミノジフェニルチオエーテル、3,3’,4,4’−テトラアミノジフェニルスルホン、2,2−ビス(3,4−ジアミノフェニル)プロパン、ビス(3,4−ジアミノフェニル)メタン、2,2−ビス(3,4−ジアミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(3,4−ジアミノフェノキシ)ベンゼン、などおよびこれらの誘導体が挙げられる。これらのうち、上記の式(6)、式(7)で表される結合ユニットを形成することが出来る、3,3’,4,4’−テトラアミノジフェニルエーテル、3,3’,4,4’−テトラアミノジフェニルスルホン、3,3’,4,4’−テトラアミノジフェニルチオエーテル、ビス(3,4−ジアミノフェニル)メタン、1,4−ビス(3,4−ジアミノフェノキシ)ベンゼンおよびこれらの誘導体が特に好ましい。
これらの芳香族テトラミン類の誘導体の具体例としては、塩酸、硫酸、リン酸などの酸との塩などを挙げることができる。また、これらの化合物は単独で使用してもよいが、同時に複数使用することもできる。さらに、これらの化合物は、必要に応じて塩化すず(II)や亜リン酸化合物などの公知の酸化防止剤を含んでいてもよい。
上記の式(1)で示されるホスホン酸基を有するポリベンズイミダゾール系化合物を合成する際に用いるホスホン酸基を有する芳香族ジカルボン酸およびその誘導体としては、特に限定されるものではなく、芳香族ジカルボン酸骨格中に1個から4個のホスホン酸基を有する化合物を好適に使用することができる。具体例としては、2,5−ジカルボキシフェニルホスホン酸、3,5−ジカルボキシフェニルホスホン酸、2,5−ビスホスホノテレフタル酸、4,6−ビスホスホノイソフタル酸などのホスホン酸基を有する芳香族ジカルボン酸およびこれらの誘導体を挙げることができる。芳香族ジカルボン酸骨格中に5個以上のホスホン酸基を有すると、ポリマーの耐水性が低下する傾向が出てくるので好ましくない。
ここで、これらのホスホン酸基を有する芳香族ジカルボン酸のホスホン酸誘導体としては、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属塩や、アンモニウム塩、アルキルアンモニウム塩などをあげることができる。また、これらの化合物は単独で使用してもよいが、同時に複数使用することもできる。さらに、これらの化合物は、必要に応じて塩化すず(II)や亜リン酸化合物などの公知の酸化防止剤を含んでいてもよい。
そして、ホスホン酸基を有する芳香族ジカルボン酸の構造はこれらに限定されることはないが、ここに示したようなフェニルホスホン酸基型のホスホン酸基を有する芳香族ジカルボン酸が好ましい。
本発明のポリベンズイミダゾール系化合物の合成に用いる、ホスホン酸基を有する芳香族ジカルボン酸の純度は特に限定されるものではないが、97%以上が好ましく、98%以上がより好ましい。ホスホン酸基を有する芳香族ジカルボン酸を原料として重合されたポリベンズイミダゾール系化合物は、スルホン酸基およびホスホン酸基を有さない芳香族ジカルボン酸を原料として用いた場合に比べて、重合度が低くなる傾向が見られるため、ホスホン酸基を有する芳香族ジカルボン酸はできるだけ純度が高いものを用いることが好ましい。すなわち、芳香族ジカルボン酸の純度が97%未満の場合には、得られるポリベンズイミダゾール系化合物の重合度が低下して固体高分子電解質の材料として適さないものとなる傾向がある。
上記のホスホン酸基を有する芳香族ジカルボン酸はそれら単独だけで使用してもよいが、スルホン酸基およびホスホン酸基を含有しない芳香族ジカルボン酸とともに共重合反応することにより、本発明のホスホン酸基を有するポリベンズイミダゾール系化合物の合成に用いてもよい。ホスホン酸基を有する芳香族ジカルボン酸とともに使用できるスルホン酸基およびホスホン酸基を有さない芳香族ジカルボン酸としては、特に限定されるものではないが、たとえば、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、ターフェニルジカルボン酸、2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンなどのポリエステル原料として報告されている一般的な芳香族ジカルボン酸を使用することができる。
また、これらの化合物は単独で使用してもよいが、同時に複数使用することもできる。さらに、これらの化合物は、必要に応じて塩化すず(II)や亜リン酸化合物などの公知の酸化防止剤を含んでいてもよい。
本発明のポリベンズイミダゾール系化合物の合成において、ホスホン酸基を有する芳香族ジカルボン酸とともにスルホン酸基およびホスホン酸基を有さない芳香族ジカルボン酸を使用する場合、全芳香族ジカルボン酸中におけるホスホン酸基を有する芳香族ジカルボン酸の含有率を20モル%以上となるように配合することで、本発明のポリベンズイミダゾール系化合物がホスホン酸基を有することによる優れた効果を明確にすることができる。また、本発明のポリベンズイミダゾール系化合物がホスホン酸基を有することによるきわだった効果を引き出すためには、ホスホン酸基を有する芳香族ジカルボン酸の含有率を50モル%以上となるように配合することがさらに好ましい。ホスホン酸基を有する芳香族ジカルボン酸の含有率が20モル%未満の場合には、本発明のポリベンズイミダゾール系化合物の導電率が低下して固体高分子電解質の材料として適さないものとなる傾向がある。
ここで、上記のスルホン酸基を有する芳香族ジカルボン酸およびホスホン酸基を有する芳香族ジカルボン酸は、それら単独だけで使用してもよいが、両者を共重合反応することにより、本発明のスルホン酸基および/またはホスホン酸基を有するポリベンズイミダゾール系化合物の合成に用いてもよい。
また、このとき、上記のスルホン酸基を有する芳香族ジカルボン酸およびホスホン酸基を有する芳香族ジカルボン酸は、それらのみで混合使用してもよいが、スルホン酸基およびホスホン酸基を含有しない芳香族ジカルボン酸とともに共重合反応することにより、本発明のスルホン酸基および/またはホスホン酸基を有するポリベンズイミダゾール系化合物を合成しても良い。
上述の芳香族テトラミン類およびそれらの誘導体よりなる群から選ばれる一種以上の化合物と、芳香族ジカルボン酸およびその誘導体よりなる群から選ばれる一種以上の化合物とを用いて、スルホン酸基および/またはホスホン酸基を有するポリベンズイミダゾール系化合物を合成する方法は、特に限定されるものではないが、たとえば、J.F.Wolfe,Encyclopedia of Polymer Science and Engineering,2nd Ed.,Vol.11,P.601(1988)に記載されるようなポリリン酸を溶媒とする脱水、環化重合により合成することができる。また、ポリリン酸のかわりにメタンスルホン酸/五酸化リン混合溶媒系を用いた同様の機構による重合を適用することもできる。なお、熱安定性の高いポリベンズイミダゾール系化合物を合成するには、一般によく使用されるポリリン酸を用いた重合が好ましい。
さらに、本発明のポリベンズイミダゾール系化合物を得るには、たとえば、適当な有機溶媒中や混合原料モノマー融体の形での反応でポリアミド構造などを有する前駆体ポリマーを合成しておき、その後の適当な熱処理などによる環化反応で目的のポリベンズイミダゾール構造に変換する方法なども使用することができる。
また、本発明のポリベンズイミダゾール系化合物を合成する際の反応時間は、個々の原料モノマーの組み合わせにより最適な反応時間があるので一概には規定できないが、従来報告されているような長時間をかけた反応では、スルホン酸基および/またはホスホン酸基を有する芳香族ジカルボン酸などの原料モノマーを含む系では、得られたポリベンズイミダゾール系化合物の熱安定性が低下してしまう場合もあり、この場合には反応時間を本発明の効果の得られる範囲で短くすることが好ましい。このように反応時間を短くすることにより、スルホン酸基および/またはホスホン酸基を有するポリベンズイミダゾール系化合物も熱安定性の高い状態で得ることができる。
そして、本発明のポリベンズイミダゾール系化合物を合成する際の反応温度は、個々の原料モノマーの組み合わせにより最適な反応温度があるので一概には規定できないが、従来報告されているような高温による反応では、スルホン酸基および/またはホスホン酸基を有する芳香族ジカルボン酸などの原料モノマーを含む系では、得られたポリベンズイミダゾール系化合物へのスルホン酸基および/またはホスホン酸基の導入量の制御が不能となる場合もあり、この場合には反応温度を本発明の効果の得られる範囲で低くすることが好ましい。このように反応温度を低くすることにより、酸性基の量が多いポリベンズイミダゾール系化合物へのスルホン酸基および/またはホスホン酸基の導入量の制御を可能とすることができる。
また、本発明のポリベンズイミダゾール系化合物の合成後においては繰り返し単位を構成することになる原料モノマーが複数の種類からなる場合には、該繰返し単位同士はランダム重合および/または交互的重合により結合していることで、高分子電解質膜の材料として安定した性能を示す特徴を持つ。ここで、本発明のポリベンズイミダゾール系化合物をランダム重合および/または交互的重合の重合形式により合成するには、すべてのモノマー原料を重合初期から当量性を合わせた配合割合で仕込んでおく方法で作ることが好ましい。
なお、ポリベンズイミダゾール系化合物をランダム重合や交互的重合ではなくブロック重合により合成することもできるが、その際には、当量性をずらした配合割合のモノマー原料の仕込み条件で第一成分のオリゴマーを合成し、さらにモノマー原料を追加して第二成分も含めて当量性が合う形に配合割合を調整した上で重合を行なうことが好ましい。
本発明のスルホン酸基および/またはホスホン酸基を有するポリベンズイミダゾール系化合物の分子量は、特に限定されるものではないが、1,000以上であることが好ましく、3,000以上であればより好ましい。また、この分子量は1,000,000以下であることが好ましく、200,000以下であればより好ましい。この分子量が1,000未満の場合には、粘度の低下によりポリベンズイミダゾール系化合物から良好な性質を備えた成形物を得ることが困難となる。また、この分子量が1,000,000を超えると粘度の上昇によりポリベンズイミダゾール系化合物を成形することが困難になる。また、本発明のスルホン酸基および/またはホスホン酸基を有するポリベンズイミダゾール系化合物の分子量は、実質的には濃硫酸中で測定した場合の対数粘度で評価することができる。そして、この対数粘度は0.25以上であることが好ましく、特に0.40以上であればより好ましい。また、この対数粘度は10以下であることが好ましく、特に8以下であればより好ましい。この対数粘度が0.25未満の場合には、粘度の低下によりポリベンズイミダゾール系化合物から良好な性質を備えた成形物を得ることが困難となる。また、この分子量が10を超えると粘度の上昇によりポリベンズイミダゾール系化合物を成形することが困難になる。
本発明におけるポリベンズイミダゾール系化合物とともに使用されるポリアリーレンエーテル系化合物としては、下記一般式(2)とともに一般式(3)で示される構成成分を含むことを特徴とする。
Figure 2005139318
ただし、Arは2価の芳香族基、Yはスルホン基またはケトン基、XはHまたは1価のカチオン種を示す。
Figure 2005139318
ただし、Ar’は2価の芳香族基を示す。
本発明におけるポリアリーレンエーテル系化合物は、耐熱性、加工性、イオン伝導性にすぐれた、特にイオン伝導膜として有用な高分子材料を提供するものである。すなわち、電子吸引性の芳香環上にスルホン酸基を導入したモノマーとして、3,3’−ジスルホ−4,4‘−ジクロロジフェニルスルホン誘導体またはその類似化合物を用いてポリアリーレンエーテルを合成することにより、高温でもスルホン酸基が脱離しにくいポリマーを提供することができるとともに、3,3’−ジスルホ−4,4‘−ジクロロジフェニルスルホン誘導体またはその類似化合物とともに2,6−ジクロロベンゾニトリルまたはその類似化合物を併用していることにより、重合性の低い3,3’−ジスルホ−4,4‘−ジクロロジフェニルスルホン誘導体またはその類似化合物を使用していても短時間で高重合度のポリアリーレンエーテル化合物が得られる特徴も有している。
上記一般式(3)で示される構成成分は、下記一般式(8)で示される構成成分であることが好ましい。
Figure 2005139318

ただし、Ar’は2価の芳香族基を示す。
また、本発明のスルホン酸基含有ポリアリーレンエーテル系化合部においては上記一般式(2)および一般式(3)で示される以外の構造単位が含まれていてもかまわない。このとき、上記一般式(2)または一般式(3)で示される以外の構造単位は本発明のスルホン酸を導入したポリアリーレンエーテルの50重量%以下であることが好ましい。50質量%以下とすることにより、本発明のスルホン酸基含有ポリアリーレンエーテル系化合物の特性を活かした組成物とすることができる。
本発明のスルホン酸基含有ポリアリーレンエーテル系化合物としては、スルホン酸基含有量が0.3〜3.5meq/gの範囲にあることが好ましい。0.3meq/gよりも少ない場合には、イオン伝導膜として使用したときに十分なイオン伝導性を示さない傾向があり、3.5meq/gよりも大きい場合にはイオン伝導膜を高温高湿条件においた場合に膜膨潤が大きくなりすぎて使用に適さなくなる傾向がある。なお、スルホン酸基含有量はポリマー組成より計算することができる。特に好ましくは1.0〜3.0meq/gである。
本発明のスルホン酸基含有ポリアリーレンエーテル系化合物としては、下記一般式(9)とともに一般式(10)で示される構成成分を含むものが特に好ましい。ビフェニレン構造を有していることにより高温高湿条件での寸法安定性に優れるとともに、フィルムの強靱性も高いものとなる。
Figure 2005139318
ただし、XはHまたは1価のカチオン種を示す。
本発明のスルホン酸基含有ポリアリーレンエーテル系化合物は、下記一般式(11)および一般式(12)で表される化合物をモノマーとして含む芳香族求核置換反応により重合することができる。一般式(11)で表される化合物の具体例としては、3,3’−ジスルホ−4,4’−ジクロロジフェニルスルホン、3,3’−ジスルホ−4,4’−ジフルオロジフェニルスルホン、3,3’−ジスルホ−4,4’−ジクロロジフェニルケトン、3,3’−ジスルホ−4,4’−ジフルオロジフェニルスルホン、およびそれらのスルホン酸基が1価カチオン種との塩になったもの等が挙げられる。1価カチオン種としては、ナトリウム、カリウムや他の金属種や各種アミン類等でも良く、これらに制限される訳ではない。一般式(12)で表される化合物としては、2,6−ジクロロベンゾニトリル、2,6−ジフルオロベンゾニトリル、2,4−ジクロロベンゾニトリル、2,4−ジフルオロベンゾニトリル、等を挙げることができる。
Figure 2005139318
ただし、Yはスルホン基またはケトン基、Xは1価のカチオン種、Zは塩素またはフッ素を示す。本発明において、上記2,6−ジクロロベンゾニトリルおよび2,4−ジクロロベンゾニトリルは、異性体の関係にあり、いずれを用いたとしても良好なイオン伝導性、耐熱性、加工性および寸法安定性を達成することができる。その理由としては両モノマーとも反応性に優れるとともに、小さな繰り返し単位を構成することで分子全体の構造をより硬いものとしていると考えられている。
上述の芳香族求核置換反応において、上記一般式(11)、(12)で表される化合物とともに各種活性化ジフルオロ芳香族化合物やジクロロ芳香族化合物をモノマーとして併用することもできる。これらの化合物例としては、4,4’−ジクロロジフェニルスルホン、4,4’−ジフルオロジフェニルスルホン、4,4’−ジフルオロベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、デカフルオロビフェニル等が挙げられるがこれらに制限されることなく、芳香族求核置換反応に活性のある他の芳香族ジハロゲン化合物、芳香族ジニトロ化合物、芳香族ジシアノ化合物なども使用することができる。
また、上述の一般式(2)で表される構成成分中のArおよび上述の一般式(3)で表される構成成分中のAr’は、一般には芳香族求核置換重合において上述の一般式(11)、(12)で表される化合物とともに使用される芳香族ジオール成分モノマーより導入される構造である。このような芳香族ジオールモノマーの例としては、4,4’−ビフェノール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ハイドロキノン、レゾルシン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン等があげられるが、この他にも芳香族求核置換反応によるポリアリーレンエーテル系化合物の重合に用いることができる各種芳香族ジオールを使用することもできる。これら芳香族ジオールは、単独で使用することができるが、複数の芳香族ジオールを併用することも可能である。
本発明のスルホン酸基含有ポリアリーレンエーテル系化合物を芳香族求核置換反応により重合する場合、上記一般式(11)および一般式(12)で表せる化合物を含む活性化ジフルオロ芳香族化合物及び/またはジクロロ芳香族化合物と芳香族ジオール類を塩基性化合物の存在下で反応させることで重合体を得ることができる。重合は、0〜350℃の温度範囲で行うことができるが、50〜250℃の温度であることが好ましい。0℃より低い場合には、十分に反応が進まない傾向にあり、350℃より高い場合には、ポリマーの分解も起こり始める傾向がある。反応は、無溶媒下で行うこともできるが、溶媒中で行うことが好ましい。使用できる溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジフェニルスルホン、スルホランなどを挙げることができるが、これらに限定されることはなく、芳香族求核置換反応において安定な溶媒として使用できるものであればよい。これらの有機溶媒は、単独でも2種以上の混合物として使用されても良い。塩基性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等があげられるが、芳香族ジオール類を活性なフェノキシド構造にしうるものであれば、これらに限定されず使用することができる。芳香族求核置換反応においては、副生物として水が生成する場合がある。この際は、重合溶媒とは関係なく、トルエンなどを反応系に共存させて共沸物として水を系外に除去することもできる。水を系外に除去する方法としては、モレキュラーシーブなどの吸水材を使用することもできる。芳香族求核置換反応を溶媒中で行う場合、得られるポリマー濃度として5〜50重量%となるようにモノマーを仕込むことが好ましい。5重量%よりも少ない場合は、重合度が上がりにくい傾向がある。一方、50重量%よりも多い場合には、反応系の粘性が高くなりすぎ、反応物の後処理が困難になる傾向がある。重合反応終了後は、反応溶液より蒸発によって溶媒を除去し、必要に応じて残留物を洗浄することによって、所望のポリマーが得られる。また、反応溶液を、ポリマーの溶解度が低い溶媒中に加えることによって、ポリマーを固体として沈殿させ、沈殿物の濾取によりポリマーを得ることもできる。
また、本発明のスルホン酸基含有ポリアリーレンエーテル系化合物は、後で述べる方法により測定したポリマー対数粘度が0.1以上であることが好ましい。対数粘度が0.1よりも小さいと、イオン伝導膜として成形したときに、膜が脆くなりやすくなる。還元比粘度は、0.3以上であることがさらに好ましい。一方、還元比粘度が5を超えると、ポリマーの溶解が困難になるなど、加工性での問題が出てくるので好ましくない。なお、対数粘度を測定する溶媒としては、一般にN−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミドなどの極性有機溶媒を使用することができるが、これらに溶解性が低い場合には濃硫酸を用いて測定することもできる。
本発明の酸性化含有ポリマーは、本発明のポリベンズイミダゾール系化合物とともに混合して使用されるが、酸性基含有ポリベンズイミダゾール系化合物とポリアリーレンエーテル系化合物の割合が、重量比で5:95〜50:50であることが好ましい。酸性基含有ポリベンズイミダゾールの含有率が5重量%より少ない場合は、イオン伝導膜として高温高湿時の膨潤性が高くなりすぎる傾向となり、50重量%より多い場合には、寸法安定性はよいもののイオン伝導特性が低くなってしまう傾向があるからである。
本発明のポリベンズイミダゾール系化合物とポリアリーレンエーテル系化合物を含有する組成物を得るには、本発明のポリベンズイミダゾール系化合物と本発明の酸性基含有ポリマーを混合することにより得ることが出来る。そして、この混合されたポリマー組成物は、重合溶液、単離したポリマー、および再溶解させたポリマー溶液等から押し出し、紡糸、圧延、キャストなど任意の方法で繊維やフィルムに成形することができる。これらの成形過程の中では、適当な溶媒に溶解した溶液から成形することが好ましい。溶解する溶媒としては、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチルホスホンアミドなど非プロトン極性溶媒や、ポリリン酸、メタンスルホン酸、硫酸、トリフルオロ酢酸などの強酸から適切なものを選ぶことができるがこれらに限定されるものではない。これらのうち、特に有機溶媒系から成形することが好ましい。これらの溶媒は、可能な範囲で複数を混合して使用してもよい。また、溶解性を向上させる手段として、臭化リチウム、塩化リチウム、塩化アルミニウムなどのルイス酸を有機溶媒に添加したものを溶媒としてもよい。溶液中のポリマー濃度は0.1〜50重量%の範囲であることが好ましい。低すぎると成形性が悪化し、高すぎると加工性が悪化する。
これまで報告されている、酸性基含有ポリマーとポリベンズイミダゾール等の塩基性ポリマーからなるブレンド組成物は、ポリマー間の酸塩基相互作用で、ポリマーの溶解時に沈殿が起こってしまう。そのため、アミン化合物などを添加することで、酸性基ポリマーを塩にすることで、両ポリマーを同一溶媒に溶解させている。このため、例えばイオン伝導膜に成形した後、プロトン伝導性を付与するためには、酸処理をしてアミン塩をはずす工程が必要であった。本発明の酸性基含有ポリベンズイミダゾールは塩基性ポリマー鎖内に酸性基を有しているため、加えたスルホン酸基含有ポリアリーレンエーテル系化合物と塩を形成して沈殿することがない特徴を有している。このため、両ポリマーをそのまま同一溶媒に均一に溶解することが出来、イオン伝導膜として成形した後、そのままプロトン伝導特性を示すという利点を有している。
溶液から成形体を得る方法は公知の方法を用いることができる。例えば加熱、減圧乾燥、ポリマーを溶解する溶媒と混和できるポリマー非溶媒への浸漬などによって、溶媒を除去しスルホン酸基および/またはホスホン酸基含有ポリベンズイミダゾールとポリアリーレンエーテル系化合物を含む組成物の成形体を得ることができる。溶媒が有機溶媒の場合は、加熱又は減圧乾燥で溶媒を留去させることが好ましい。溶媒が強酸の場合には、水、メタノール、アセトンなどに浸漬することが好ましい。
また、必要に応じて本発明の酸性基含有ポリベンズイミダゾール、ポリアリーレンエーテル系化合物とともに、他のポリマーと複合された形で繊維やフィルムに成形することもできる。複合化に使用できるポリマーとしては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル類、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6,10、ナイロン12などのポリアミド類、ポリメチルメタクリレート、ポリメタクリル酸エステル類、ポリメチルアクリレート、ポリアクリル酸エステル類などのアクリレート系樹脂、ポリアクリル酸系樹脂、ポリメタクリル酸系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンやジエン系ポリマーを含む各種ポリオレフィン、ポリウレタン系樹脂、酢酸セルロース、エチルセルロースなどのセルロース系樹脂、ポリアリレート、アラミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリベンズオキサゾール、ポリベンズチアゾールなどの芳香族系ポリマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ノボラック樹脂、ベンゾオキサジン樹脂などの熱硬化性樹脂等、特に制限はない。これらのポリマーとの樹脂組成物として使用する場合には、本発明のポリベンズイミダゾール系化合物とポリアリーレンエーテル系化合物は、樹脂組成物全体の50重量%以上100重量%未満含まれていることが好ましい。より好ましくは70重量%以上100重量%未満である。本発明のポリベンズイミダゾール系化合物とポリアリーレンエーテル系化合物の含有量が樹脂組成物全体の50重量%未満の場合には、この樹脂組成物を含むイオン伝導膜は良好なイオン伝導性が得られない傾向にあり、また、酸性基を含有するユニットが非連続相となり伝導するイオンの移動度が低下する傾向にある。なお、本発明の組成物は、必要に応じて、例えば酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、粘着付与剤、可塑剤、架橋剤、粘度調整剤、静電気防止剤、抗菌剤、消泡剤、分散剤、重合禁止剤、などの各種添加剤を含んでいても良い。
本発明の酸性基含有ポリベンズイミダゾール系ポリマーとポリアリーレンエーテル系化合物を含む組成物は、高温高湿下での寸法安定に優れているとともに、イオン伝導性にも優れており、フィルム、膜状にして燃料電池などのイオン交換膜として使用するのに適している。さらに、本発明の組成物は溶解性に優れていることから、本発明のイオン交換膜と電極との接合体を作製するときのバインダー樹脂等の塗料として利用することもできる。
本発明のスルホン酸基含有ポリベンズイミダゾール化合物とポリアリーレンエーテル系化合物を含む膜を成形する好ましい方法は、溶液からのキャストである。キャストした溶液から前記のように溶媒を除去して膜を得ることができる。溶媒の除去は、乾燥することが膜の均一性からは好ましい。また、ポリマーや溶媒の分解や変質をさけるため、減圧下でできるだけ低い温度で乾燥することが好ましい。キャストする基板には、ガラス板やポリテトラフルオロエチレン板などを用いることができる。溶液の粘度が高い場合には、基板や溶液を加熱して高温でキャストすると溶液の粘度が低下して容易にキャストすることができる。キャストする際の溶液の厚みは特に制限されないが、10〜1000μmであることが好ましい。薄すぎると膜としての形態を保てなくなり、厚すぎると不均一な膜ができやすくなる。より好ましくは100〜500μmである。溶液のキャスト厚を制御する方法は公知の方法を用いることができる。例えば、アプリケーター、ドクターブレードなどを用いて一定の厚みにしたり、ガラスシャーレなどを用いてキャスト面積を一定にして溶液の量や濃度で厚みを制御することができる。キャストした溶液は、溶媒の除去速度を調整することでより均一な膜を得ることができる。例えば、加熱する場合には最初の段階では低温にして蒸発速度を下げたりすることができる。また、水などの非溶媒に浸漬する場合には、溶液を空気中や不活性ガス中に適当な時間放置しておくなどしてポリマーの凝固速度を調整することができる。本発明の膜は目的に応じて任意の膜厚にすることができるが、イオン伝導性の面からはできるだけ薄いことが好ましい。具体的には200μm以下であることが好ましく、50μm以下であることがさらに好ましく、20μm以下であることが最も好ましい。
本発明のイオン伝導膜は、メタノールを燃料とするダイレクトメタノール型燃料電池にも有用であることが特徴である。平均厚さ50μmの膜を作製し、5Mメタノール水溶液を用いて25℃で測定したメタノール透過速度が7mmol/m2・sec以下の値を示すイオン伝導膜が好ましい(測定法については後述する)。メタノール透過速度は4mmol/m2・sec以下であればさらに好ましく、1mmol/m2・sec以下であればより好ましい。このようなメタノール透過性を示すときに特に優れた発電特性を示すためである。なお、膜厚が異なるとメタノール透過速度は一般に大きく異なる傾向を示す。このためメタノール透過性評価は平均厚み50μmの試料を作成して評価しているが、実際に燃料電池用イオン伝導膜として使用する際には、特に膜厚を限定しているわけではない。平均厚み50μmの膜とは、実質上は平均厚み48μmから平均厚み52μmの範囲に入っているものを示すものとする。
また、上述した本発明のイオン伝導膜またはフィルム等を電極に設置することによって、本発明のイオン伝導膜またはフィルム等と電極との接合体を得ることができる。この接合体の作製方法としては、従来から公知の方法を用いて行うことができ、例えば、電極表面に接着剤を塗布しイオン伝導膜と電極とを接着する方法またはイオン伝導膜と電極とを加熱加圧する方法等がある。この中でも本発明のスルホン酸基含有ポリアリーレンエーテル系化合物およびその樹脂組成物を主成分とした接着剤を電極表面に塗布して接着する方法が好ましい。イオン伝導膜と電極との接着性が向上し、また、イオン伝導膜のイオン伝導性を損なうことが少なくなると考えられるためである。
上述したイオン伝導膜またはフィルム等と電極との接合体を用いて、燃料電池を作製することもできる。本発明のイオン伝導膜またはフィルム等は、耐熱性、加工性、イオン伝導性および寸法安定性に優れているため、高温での運転にも耐えることができ、作製が容易で、良好な出力を有する燃料電池を提供することができる。また、メタノールを直接燃料とする燃料電池として使用することも好ましい。
以下本発明を実施例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されることはない。なお、各種測定は次のように行った。
溶液粘度:ポリベンズイミダゾール系化合物の場合は、ポリマー粉末を0.5g/dlの濃度で濃硫酸に溶解し、30℃の恒温槽中でオストワルド粘度計を用いて粘度測定を行い、対数粘度[ln(ta/tb)]/cで評価した(taは試料溶液の落下秒数、tbは溶媒のみの落下秒数、cはポリマー濃度)。ポリアリーレンエーテル系化合物の場合は、ポリマー粉末を0.5g/dlの濃度でN−メチルピロリドンに溶解し、30℃の恒温槽中でウベローデ型粘度計を用いて粘度測定を行い、対数粘度で評価した。
TGA:島津製作所製熱重量測定計(TGA-50)を用い、アルゴン雰囲気中、昇温速度10℃/minで測定を行った(途中、150℃で30分保持して水分を十分除去する)。
イオン伝導性測定:自作測定用プローブ(ポリテトラフルオロエチレン製)上で短冊状膜試料の表面に白金線(直径:0.2mm)を押しあて、80℃95%RHの恒温・恒湿オーブン(株式会社ナガノ科学機械製作所、LH−20−01)中に試料を保持し、白金線間のインピーダンスをSOLARTRON社1250FREQUENCY RESPONSE ANALYSERにより測定した。極間距離を変化させて測定し、極間距離とC−Cプロットから見積もられる抵抗測定値をプロットした勾配から以下の式により膜と白金線間の接触抵抗をキャンセルした導電率を算出した。
導電率[S/cm]=1/膜幅[cm]x膜厚[cm]x抵抗極間勾配[Ω/cm]
メタノール透過速度:イオン交換膜の液体燃料透過速度はメタノールの透過速度として、以下の方法で測定した。25℃に調整した5M(モル/リットル)のメタノール水溶液に24時間浸漬した平均厚み50μmのイオン交換膜(平均厚みが48μmから52μmの範囲に入っているものを平均厚み50μmの膜とする)をH型セルに挟み込み、セルの片側に100mlの5Mメタノール水溶液を、他方のセルに100mlの超純水(18MΩ・cm)を注入し、25℃で両側のセルを撹拌しながら、イオン交換膜を通って超純水中に拡散してくるメタノール量をガスクロマトグラフを用いて測定することで算出した(イオン交換膜の面積は、2.0cm2)。
発電評価:Pt/Ru触媒担持カーボン(田中貴金属工業株式会社TEC61E54)に少量の超純水およびイソプロピルアルコールを加えて湿らせた後、デュポン社製20%ナフィオン溶液(品番:SE−20192)を、Pt/Ru触媒担持カーボンとナフィオンの重量比が2.5:1になるように加えた。次いで撹拌してアノード用触媒ペーストを調製した。この触媒ペーストを、ガス拡散層となる東レ製カーボンペーパーTGPH−060に白金の付着量が2mg/cm2になるようにスクリーン印刷により塗布乾燥して、アノード用電極触媒層付きカーボンペーパーを作製した。また、Pt触媒担持カーボン(田中貴金属工業株式会社TEC10V40E)に少量の超純水およびイソプロピルアルコールを加えて湿らせた後、デュポン社製20%ナフィオン溶液(品番:SE−20192)を、Pt触媒担持カーボンとナフィオンの重量比が2.5:1となるように加え、撹拌してカソード用触媒ペーストを調製した。この触媒ペーストを、撥水加工を施した東レ製カーボンペーパーTGPH−060に白金の付着量が1mg/cm2となるように塗布・乾燥して、カソード用電極触媒層付きカーボンペーパーを作製した。上記2種類の電極触媒層付きカーボンペーパーの間に、膜試料を、電極触媒層が膜試料に接するように挟み、ホットプレス法により130℃、8MPaにて3分間加圧、加熱することにより、膜−電極接合体とした。この接合体をElectrochem社製評価用燃料電池セルFC25−02SPに組み込み、燃料電池発電試験機(株式会社東陽テクニカ製)を用いて発電試験を行った。発電は、セル温度40℃で、アノードおよびカソードにそれぞれ40℃に調整した2mol/lのメタノール水溶液(1.5ml/min)および高純度酸素ガス(80ml/min)を供給しながら行った。
スルホン酸基含有量:窒素雰囲気下で一晩乾燥した試料の重量をはかり、水酸化ナトリウム水溶液と撹拌処理した後、塩酸水溶液による逆滴定でイオン交換容量(IEC)を求めた。
吸湿率:乾燥重量を測定したフィルムをガラス中サンプル瓶に入れ、80℃の恒温・恒湿オーブン(株式会社ナガノ科学機械製作所、LH−20−01)中で湿度条件を設定して1時間放置した。直ちに密栓をして取りだしたサンプルは室温まで冷却した後重量測定し、フィルムの重量増加分として吸湿率を求めた。
引張試験:常態での引張試験は東洋ボールドウィン製テンシロンUTMIIを、水中での引張試験は東洋ボールドウィン製テンシロンUTMIIIを用いて、大きさを揃えて切り出したフィルム片を用いて測定した。
実施例1
3,3’,4,4‘−テトラアミノジフェニルスルホン(略号:TAS)1.500g(5.389x10-3mole)、2,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸モノナトリウム(略号:STA、純度99%)1.445g(5.389x10-3mole)、ポリリン酸(五酸化リン含量75%)20.48g、五酸化リン16.41gを重合容器に量り取る。窒素を流し、オイルバス上ゆっくり撹拌しながら100℃まで昇温 する。100℃で1時間保持した後、150℃に昇温 して1時間、200℃に昇温 して4時間重合した。重合終了後放冷し、水を加えて重合物を取り出し、家庭用ミキサーを用いてpH試験紙中性になるまで水洗を繰り返した。得られたポリマーは80℃で終夜減圧乾燥した。ポリマーの対数粘度は、1.71を示した。本酸性基含有ポリベンズイミダゾールポリマーをTTS100と称する。
3,3’−ジスルホ−4,4’−ジクロロジフェニルスルホン2ナトリウム塩(略号:S−DCDPS)4.5199g(0.00920mole)、2,6−ジクロロベンゾニトリル(略号:DCBN)4.3108g(0.01501mole)、4,4’−ビフェノール4.5086g(0.02421mole)、炭酸カリウム3.8484g(0.02784mole)、モレキュラーシーブ2.61gを100ml四つ口フラスコに計り取り、窒素を流した。35mlのNMPを入れて、150℃で一時間撹拌した後、反応温度を195−200℃に上昇させて系の粘性が十分上がるのを目安に反応を続けた(約5時間)。放冷の後、沈降しているモレキュラーシーブを除いて水中にストランド状に沈殿させた。得られたポリマーは、沸騰水中で1時間洗浄した後、乾燥した。ポリマーの対数粘度は1.12を示した。本スルホン酸基含有ポリアリーレンエーテルポリマーをSPAE−1と称する。得られたSPAE−1ポリマー4gをNMP10gに溶解し、1gのTTS100を10gのNMPに溶解した溶液と混合した。得られた混合液は、ホットプレート上ガラス板に約200μm厚にキャストし、フィルム状になるまでNMPを留去した後、水中に一晩以上浸漬した。得られたフィルムは、希硫酸(濃硫酸6ml、水300ml)中で1時間沸騰水処理して塩をはずした後、純水でさらに1時間煮沸することで酸成分を除去した。得られたフィルムのIRスペクトルを図1に示す。本フィルムのイオン伝導性を測定したところ、0.034S/cmの値を示し、メタノール透過速度は2.97mmol/m2・secを示した。本フィルムの熱重量測定による3%重量減少温度(200℃での試料重量を基準にして測定)は369℃であった。1cm角に切り出した本フィルムを100℃熱水に1時間浸漬したが、フィルム形態は良好に保持されていた。80℃で測定した吸湿率は、50%RH,65%RH,80%RH,95%RH条件でそれぞれ5.4%、9.9%、12.0%、21.5%を示した。また、本フィルムの引張り試験結果を、両単独フィルムと比較して表1に示す。とくに、水中において、単独フィルムより弾性率、強度、伸度とも高い良い特性を示すことがわかる。
Figure 2005139318
実施例2
実施例1において、S−DCDPSとDCBNの混合比を70:30(モル比)として、スルホン酸基含有ポリアリーレンエーテルを合成した。得られたポリマーの対数粘度は0.97を示した。本スルホン酸基含有ポリアリーレンエーテルポリマーをSPAE−2と称する。得られたSPAE−2ポリマー4gをNMP10gに溶解し、1gのTTS100を10gのNMPに溶解した溶液と混合した。得られた混合液は、ホットプレート上ガラス板に約200μm厚にキャストし、フィルム状になるまでNMPを留去した後、水中に一晩以上浸漬した。得られたフィルムは、希硫酸(濃硫酸6ml、水300ml)中で1時間沸騰水処理して塩をはずした後、純水でさらに1時間煮沸することで酸成分を除去した。得られたフィルムのIRスペクトルを図1に示す。本フィルムのイオン伝導性を測定したところ、0.16S/cmの値を示し。本フィルムの熱重量測定による3%重量減少温度(200℃での試料重量を基準にして測定)は363℃であった。1cm角に切り出した本フィルムを100℃熱水に1時間浸漬したが、フィルム形態は良好に保持されていた。80℃で測定した吸湿率は、50%RH,65%RH,80%RH,95%RH条件でそれぞれ8.1%、11.9%、18.6%、36.0%を示した。また、本フィルムの引張り試験結果を、両単独フィルムと比較して表2に示す。とくに、水中において、単独フィルムより高い強度特性を示すことがわかる。
Figure 2005139318


実施例3
実施例1において、SPAE−1ポリマー粉末を希硫酸処理して酸型スルホン酸ポリマーとしてから、混合フィルムを作製した。両ポリマーの混合溶液も濁りが生じることはなく、実施例1と同様に良好なフィルムを得ることができた。
比較例1
実施例2で合成したSPAE−2のみでフィルムを作製し、80℃95%RHにおけるイオン伝導度を測定したところ0.0.39S/cmを示した。しかし、1cm角に切り出した本フィルムを100℃熱水に浸漬したところ、フィルムは大きく膨潤し、形態崩れが顕著であった。
実施例3
実施例1で得られたポリマーから作製したフィルムを用いて、発電評価を実施した。電流密度0.15A/cm2において電圧0.22Vを示し、良好な発電特性を示した。
実施例6
40%Pt/Ir触媒担持カーボンとナフィオン(登録商標)(EW=1100)を、重量比で2.5:1となるように、Pt/Ir触媒担持カーボンにデュポン社製20%ナフィオン(登録商標)溶液を加えることで調整した。次いで、撹拌することでアノード用触媒ペーストを調製した。また、Pt/Ir触媒担持カーボンの代わりに40%Pt触媒担持カーボンを用いて、同様の手法により、カソード用触媒ペーストを調整した。この触媒ペーストを、スクリーン印刷により、東レ製カーボンペーパーTGPH−060に塗布乾燥して、アノードおよびカソード電極をそれぞれ作製した。両電極間に実施例1で得られたポリマーから作製したフィルムを、電極触媒層が膜試料と接するように挟み、130℃にて4分間、加圧・加熱することにより、電極とイオン交換膜を接合した。この接合体をElectrochem社製の測定セルFC25−02SPに組み込んだ後、アノード側より超純水を流しながら両電極間に電圧を徐々に印加した所、アノード側から酸素ガス、カソード側から水素ガスが発生した。
本発明のポリベンズイミダゾール系化合物およびポリアリーレンエーテル化合物を含む組成物により、イオン伝導性だけでなく耐熱性、加工性、機械特性、寸法安定性および物質透過抑制性に優れた、高分子電解質材料を提供することができる。これらは、イオン伝導膜として、水素やメタノールを原料として使用する燃料電池や水電解槽に使うことができるが、各種電池用電解質、表示素子、センサー、バインダー類、添加剤などとしても利用することも期待される。
実施例1で得られたブレンドフィルムのIRスペクトルである。

Claims (15)

  1. 下記の式(1)で示される構成成分を含むポリベンズイミダゾール系化合物とともに、下記の式(2)および下記の式(3)で示される構成成分を含むポリアリーレンエーテル系化合物を含有していることを特徴とする組成物。
    Figure 2005139318

    ただし、式(1)においては、m1は1から4の整数を表し、R1はイミダゾール環を形成できる4価の芳香族結合ユニットを、R2は2価の芳香族結合ユニットを表し、R1およびR2はいずれも芳香環の単環であっても複数の芳香環の結合体あるいは縮合環であっても良く、安定な置換基を有していても良い。Zは、スルホン酸基および/またはホスホン酸基を表し、その一部が塩構造となっていても良い。
    Figure 2005139318


    ただし、Arは2価の芳香族基、Yはスルホン基またはケトン基、XはHまたは1価のカチオン種を示す。
    Figure 2005139318


    ただし、Ar’は2価の芳香族基を示す。
  2. ポリベンズイミダゾール系化合物が下記の式(4)と式(5)で示される構造で表される結合ユニットをn1:(1−n1)のモル比で構成成分として含むことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
    Figure 2005139318





    ただし、式(4)および式(5)においては、m2は1から4の整数を表し、Arは2価の芳香族結合ユニットを表し、X1は−O−、−SO2−、−C(CH32−、−C(CF32−、−OPhO−より群から選ばれる1種以上であり、Phは2価の芳香族結合ユニットを表すものとする。また、モル比は、0.2≦n1≦1.0の式を満たす。
  3. ポリベンズイミダゾール系化合物が下記の式(6)と式(7)で示される構造で表される結合ユニットをn2:(1−n2)のモル比で構成成分として含むことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
    Figure 2005139318





    ただし、式(6)および式(7)においては、m3は1から4の整数を表し、Arは芳香族結合ユニットを表し、X2は−O−、−SO2−、−S−、−CH2−,−OPhO−より群から選ばれる1種以上であり、Phは2価の芳香族結合ユニットを表すものとする。また、モル比は、0.2≦n2≦1.0の式を満たす。
  4. ポリアリーレンエーテル系化合物が下記の式(2)とともに下記の式(8)で示される構成成分を含むことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
    Figure 2005139318


    ただし、Arは2価の芳香族基、Yはスルホン基またはケトン基、XはHまたは1価のカチオン種を示す。
    Figure 2005139318


    ただし、Ar’は2価の芳香族基を示す。
  5. ポリアリーレンエーテル系化合物が下記の式(9)とともに下記の式(10)で示される構成成分を含むことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
    Figure 2005139318




    ただし、XはHまたは1価のカチオン種を示す。
  6. ポリアリーレンエーテル系化合物中に含まれるスルホン酸基量が0.3〜3.5当量/kgであることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  7. 酸性基含有ポリベンズイミダゾール系化合物とポリアリーレンエーテル系化合物割合が、重量比で5:95〜50:50であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  8. 請求項1に記載の組成物を含有することを特徴とするイオン伝導膜。
  9. 平均厚さ50μmの膜を作製し、5Mメタノール水溶液を用いて25℃で測定したメタノール透過速度が7mmol/m2・sec以下の値を示すことを特徴とする請求項8に記載のイオン伝導膜。
  10. 請求項8に記載のイオン伝導膜と電極とを含有することを特徴とする複合体。
  11. 請求項10に記載の複合体を含有することを特徴とする燃料電池。
  12. メタノールを燃料とすることを特徴とする請求項11に記載の燃料電池。
  13. 請求項10に記載の複合体を含有することを特徴とする水電解装置。
  14. 請求項1に記載の組成物を含有することを特徴とする接着剤。
  15. 請求項1に記載の組成物と溶剤とを含有する溶液を、キャスト厚が10〜1000μmの範囲となるようにキャストする工程と、キャストした溶液を乾燥させる工程とを含むことを特徴とする請求項8に記載のイオン伝導膜の製造方法。
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