JP5085919B2 - 多重積層物の転倒防止装置 - Google Patents

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Description

本発明は、多重積層物の転倒防止装置に関する。さらに詳しくは、剛体物を2層以上に積層した多重積層物、例えば石塔や墓、その他これらに類する物において、地震その他の振動が加わったときに振動を吸収して、転倒するのを防止する転倒防止装置に関する。
多重積層物の一例である墓の転倒防止装置としては、特許文献1,2,3に記載のものがある。特許文献1,2の従来技術は、上下に位置する墓材(石材)同士をボルトや連結棒で強固に連結するものである。この転倒防止技術は、剛体結合するものであるため、振動強度が弱い場合は耐えられるが、振動強度が強いとボルトや連結棒が切断されたり、墓材の連結部が破損したりして、結局は墓石全体の倒壊につながることが多い。
また、特許文献3の従来技術は、上下に位置する墓材(石材)に形成した貫通孔の内部に中子を入れておき、振動が加わっても中子が上側の墓石の離脱転倒を防止するというものである。しかし、この従来技術では、上下振動が大きくなって、中子の高さを越えて上側の墓石が振動するようになると、簡単に上側の墓石が離脱落下して倒壊するという欠点がある。
特開2005−42382 特開2005−76191 特開2005−16289
本発明は上記事情に鑑み、大きな振動が加わっても転倒防止ができる多重積層物の転倒防止装置を提供することを目的とする。
第1発明の多重積層物の転倒防止装置は、多重積層物の上側積層物に固定される上側振動吸収板と、下側積層物に固定される下側振動吸収板と、前記両振動吸収板を上下位置に配置した状態で互いに離間しないように連結する連結ピンとからなり、該連結ピンは、前記上側振動吸収板または前記下側振動吸収板に係合する基端部と、前記下側振動吸収板または前記上側振動吸収板に螺合する先端部と、前記基端部と前記先端部との間に形成されており、取付け用の工具が嵌合する角胴部を有することを特徴とする。
第2発明の多重積層物の転倒防止装置は、第1発明において、前記両振動吸収板が、平坦な形状の板バネであることを特徴とする。
第3発明の多重積層物の転倒防止装置は、第1発明において、前記両振動吸収板が、椀状に形成された皿バネであることを特徴とする。
第4発明の多重積層物の転倒防止装置は、第1発明において、前記連結ピンに、上側振動吸収板と下側振動吸収板を連結した状態で互いの離間を防止する方向の付勢力を与える付勢バネを取付けていることを特徴とする。
第5発明の多重積層物の転倒防止装置は、第1発明において、前記連結ピンと前記上側積層物または前記下側積層物との間に水平振動吸収部が取付けられていることを特徴とする。
第6発明の多重積層物の転倒防止装置は、第4発明において、前記付勢バネの付勢力に抗して、連結ピンの先端を螺合させる下側振動吸収板または上側振動吸収板に近づけるための補助バネを設けたことを特徴とする。
第7発明の多重積層物の転倒防止装置は、第1発明において、前記多重積層物の前記上側積層物と下側積層物の間に中間積層物が介在されており、前記中間積層物には、前記連結ピンを通す空洞が形成されていることを特徴とする。
第8発明の多重積層物の転倒防止装置は、多重積層物の上側積層物または下側積層物に固定される振動吸収板と、前記振動吸収板を前記下側積層物または前記上側積層物に対し、離間しないように連結する連結ピンとからなり、前記連結ピンは、前記振動吸収板に係合される上側連結ピンと、該上側連結ピンに螺合される固定ボルトとからなり、前記上側連結ピンは、前記振動吸収板に係合する基端部と、雌ネジ部を形成した先端部と、前記基端部と前記先端部との間に形成されており、取付け用の工具が嵌合する角胴部を有することを特徴とする。
第1発明によれば、つぎの効果を奏する。
a)連結ピンの角胴部に工具を嵌合させて、工具によって連結ピンを回転させると、先端部が下側振動板または上側振動板に螺合していき、基端部は元々上側振動板または下側振動板に係合しているので、上側積層物と下側積層物が連結ピンで連結された状態となる。
b)そして、上下振動が加わったとき、上下の振動吸収板が振動を吸収すると共に、互いに連結ピンで離脱しないように結合されているので、上下の積層物が一体となり上側積層物が揺れ動いて倒れることがない。このため多重積層物の転倒防止効果が高い。
c)また、振動を吸収して逃がすことによって転倒防止装置自体や上下の積層物も破損が生じにくいので、破損防止効果も高い。よって、大きな振動に対しても充分に耐えることができる。
第2発明によれば、板バネを用いているので、振動吸収能力が高く、しかも単純な構造であるので破損しにくい。
第3発明によれば、皿バネを用いているので、大きな振動強度に対しても充分に耐えて振動吸収することができる。
第4発明によれば、上下の振動吸収板を離間を防止する方向に付勢する付勢バネによっても、上下振動が吸収されるので、振動吸収能力が大きく、転倒防止効果がより高くなる。
第5発明によれば、上下振動の吸収に加えて、水平振動吸収部によって水平振動が吸収されるので、転倒防止効果がさらに高くなり、地震等への耐久力が大きく向上する。
第6発明によれば、補助バネが付勢バネに抗して連結ピンの先端を下側振動吸収板または上側振動吸収板に近づけるので、組立開始時における連結ピンの位置合わせが容易に行え、組立て作業が円滑に行えることになる。
第7発明によれば、上側積層物と下側積層物の間に中間積層物のある多重積層物であっても、中間積層物の空洞を通して連結ピンが上側積層物と下側積層物を互いに結合するので、上中下の積層物の転倒と破壊を防止できる。
第8発明によれば、つぎの効果を奏する。
a)上側連結ピンの角胴部に工具を嵌合させて、工具によって上側連結ピンを回転させると、先端部が固定ボルトに螺合していき、上側積層部と下側積層部が連結ピンで連結された状態となる。
b)下側積層物または上側積層物は振動吸収板を用いなくても、固定ボルトと連結ピンによって、下側積層物と上側積層物が互いに連結され、かつ上側積層物または下側積層物に取付けられた振動吸収板によって、上下の積層物の転倒と破壊を防止できる。
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
以下の実施形態では、墓や石塔などの多層積層物について説明する。多層積層物の段数については制限がなく、2層以上であればどのような多段であってもよい。以下の各図で、Uは上側積層物の一部、Lは下側積層物の一部を示すが、これらはどのような形状、大きさのものであってもよい。また、各図は各段のうちの任意の段の上下層を示しているもので、本実施形態の転倒防止装置1はどの段数の上下積層物間にも適用することができる。
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態に係る転倒防止装置の断面図である。図2の(A)図は上側振動吸収板の断面図と平面図、(B)図は下側振動吸収板の断面図と平面図である。図3の(A)図は連結ピンの正面図、(B)図は底面図である。図4は(A)図は工具の平面図、(B)図は側面図である。図5は転倒防止装置の取付操作の説明図である。
図1において、Urは上側積層物Uの下面に形成された凹部で、Lrは下側積層物Lの上面に形成された凹部である。これら各凹部Ur,Lrは、いずれも、大径凹部とその中心に更に深く形成された小径凹部からなる。
本実施形態の転倒防止装置1は、概ね上側振動吸収板2Aと下側振動吸収板3Aと、それらを連結する連結ピン10Aから構成されている。
前記上側振動吸収板2Aは、図2の(A)図に示すように、平板状の丸形の板バネである。この上側振動吸収板2Aの中心には連結孔4が形成され、周辺部の4ヵ所にはボルト挿通孔5が形成されている。ボルト挿通孔5は4ヵ所であるが、3ヵ所であっても5ヵ所以上であってもよい。また、板バネとしての形状は、丸形に限らず、長方形や四角形などの任意の形状であってよい。
前記下側振動吸収板3Aは、図2の(B)図に示すように、平板状の丸形の板バネである。この下側振動吸収板3Aの中心には連結孔6が形成され、この連結孔6には雌ネジが形成されている。そして、下側振動吸収板3Aの周辺部の4ヵ所にはボルト挿通孔7が形成されている。ボルト挿通孔7は4ヵ所であるが、3ヵ所であっても5ヵ所以上であってもよい。また、板バネとしての形状は、丸形に限らず、長方形や四角形などの任意の形状であってよい。
上記の上側振動吸収板2Aおよび下側振動吸収板3Aは、振動吸収のための弾性を備えていればよく、そのような機能を果すことができれば、どのような形状、寸法、材料であってもよい。なお、防錆を考慮すると材料にはSUSを用いることが好ましい。
図1に示すように、前記上側振動吸収板2Aは、上側積層物Uの凹部Ur内の底面にボルト20で固定される。ボルト20は、その根部(図示省略)を上側積層物U内に埋め込んだもので、予め形成された孔に挿入後、根部を膨張させて固定する公知の埋め込みボルト等が用いられる。また、ボルト20の先端部には雄ネジが切られ、ナット21を螺合できるようになっている。したがって、前記上側振動吸収板2Aは、埋め込まれているボルト20にボルト挿通孔5を通し、ナット21を締め込むことによって凹部Ur内に固定されることになる。
前記下側振動吸収板3Aは、下側積層物Lの凹部Lr内の底面にボルト20で固定される。ボルト20は、その根部(図示省略)を下側積層物L内に埋め込んだもので、予め形成された孔に挿入後、根部を膨張させて固定する公知の埋め込みボルト等が用いられる。また、ボルト20の先端部には雄ネジが切られ、ナット21を螺合できるようになっている。したがって、前記下側振動吸収板3Aは、埋め込まれているボルト20にボルト挿通孔7を通し、ナット21を締め込むことによって凹部Lr内に固定されることになる。
図1に示す連結ピン10Aは、上側振動吸収板2Aと下側振動吸収板3Aを互いに連結しておき、振動時に上側振動吸収板2Aと下側振動吸収板3Aに撓みを発生させながら、互いに離脱しないように結合するために設けられている。
この連結ピン10Aの詳細は、図3に示すとおりである。連結ピン10の上端から下端に向けて順に、大径頭部11、第1胴部12、角胴部13、第2胴部14、首部15、雄ネジ部16が形成されている。なお、角胴部13以外は断面円形の部材である。
前記大径胴部11の外径は、上側振動吸収板2Aの連結孔4より大きく、前記第1胴部12の外径は連結孔4に入る大きさである。前記角胴部13は後述する工具40のスパナ部が嵌合するよう断面が四角ないし六角になっている。
前記第2胴部14は下側振動吸収板3Aの連結孔6には入らず、前記首部15は連結孔6に遊貫し、前記雄ネジ部16は連結孔6の雌ネジに螺合するようになっている。この雄ネジ部16の先端は、尖っていると前記連結孔6に通しやすいという利点があるが、尖っていなくてもよい。なお、前記各部11〜16の長さは上下側振動吸収板2A,3Aの取付間隔等に合わせておけばよい。
図4の(A),(B)は本発明の各実施形態における転倒防止装置の取付作業に用いられる取付ハンドル40を示している。
この取付ハンドル40は全体として薄く長い形状の工具で、先端にスパナ部41が形成され、基端部に握り42が形成されている。このように細長い形状にしたのは、上下の墓石の間の小さな隙間に差し込むためである。
つぎに、前記転倒防止装置1の取付方法を説明する。
前記上側振動吸収板2Aの上側積層物Uへの取付けと、前記下側振動吸収板3Aの下側積層物Lへの取付けは、既述の方法によって行われる。
また、連結ピン10Aはその第1胴部12を上側振動吸収板2Aの連結孔4に通しておく。この場合、大径頭部11によって連結ピン10Aは下へ抜け落ちることはない。
上記の準備ができたところで、下側積層物Lの直上方に上側積層物Uをクレーン等の任意の荷役装置で吊り下げていく。連結ピン10Aの先端部(雄ネジ部16)を下側振動吸収板3Aの連結孔6に臨ませ、連結ピン10Aを回転させながら徐々に降ろしていく。連結ピン10Aの回転には前記取付ハンドル40を用いる。
図5に示すように、取付ハンドル40のスパナ部41を連結ピン10Aの角胴部13に差し込み、握り部42を持って回転させると、雄ネジ部16が連結孔6の雌ネジに螺合していく。このとき上側積層物Uと下側積層物Lの隙間が段々小さくなっていくが、取付ハンドル40は薄いので、回転操作が妨げられることはない。雄ネジ部16が連結孔5に入りきると、図1に示すように、首部15が連結孔6に遊貫した状態となる。この状態で、連結ピン10Aは上側振動吸収板2Aと下側振動吸収板3Aに対し、自由に回転することになるが、雄ネジ部16と雌ネジが干渉するので、連結ピン10Aが下側振動吸収板3Aから抜け出ることはない。
上記の取付操作の間、図5に示すように、上側積層物Uと下側積層物Lの間には数mm程度のゴムパッキン45を挟んでおくと、取付ハンドル40の操作空間が確保されるので、操作がしやすくなる。このゴムパッキン45は、取付完了後、取り除いてもよく、そのまま敷き込んでおいてもよい。ゴムパッキン45を取り除いた場合は、上側積層物Uが下側積層物Lの上面に広い面積で接触するので安定して定置できる。
図1は、取付完了後の転倒防止装置1を示すものであるが(図示は上下積層物U,Lの間に隙間があいており、ゴムパッキン45を残置した状態を示しているが、ゴムパッキン45を取り除くと、上下積層物U,Lが密着する状態となる)、この状態で、上下振動が加わると、上側積層物Uが上方に飛び跳ねたり揺れ動こうとする動きが生ずる。しかし、この動きは、連結ピン10Aが上下の振動吸収板2A,3Aを連結していることで拘束され、上側積層物Uは下側積層物Lと一体化され揺れ動きや飛び跳ねは生じない。
また、この際に、上下の振動吸収板2A,3Aは互いに相手部材側へ引っ張られて撓みが生ずるが、その撓みは、上下の振動吸収板2A,3A自体の弾性によって吸収される。したがって、剛体部分へ直接大きな力が加わらないので、多重積層物自体の損傷も生じにくい。
とりわけ多重積層物が墓石のような石材の場合は、剛性は強いが脆性が低いため損壊しやすいが、このような脆性の不足する石材であっても損壊を防止する効果が高くなる。
(第2実施形態)
図6は本発明の第2実施形態に係る転倒防止装置の断面図である。
本実施形態は、連結ピン10Bを第1実施形態とは逆に上下反転して取付けたものである。この場合、連結ピン10Bの雄ネジ部16は上側振動吸収板2Aの連結孔4にねじ通す必要があるので、連結孔4の内側に雌ネジが形成されることになる。したがって、下側振動吸収板3Aの連結孔6はネジ溝なしの孔となる。その余の構成は、第1実施形態と実質同一であり、取付方法も同様である。この実施形態においても、第1実施形態と同様の高い転倒防止効果が得られる。
(第3実施形態)
図7は本発明の第3実施形態に係る転倒防止装置の断面図である。
本実施形態は、連結ピン10Cの先端部に長い雄ネジ部16を形成したものである。つまり、角胴部13から先端には雄ネジ部16のみ形成され、第2胴部14と首部15が無い形状となっている。
上側振動吸収板2Aとの結合はネジ螺合となるので、上側振動吸収板2Aの連結孔4には雌ネジが形成されている。
なお、連結ピン10Cを上下逆に配置して用いる場合は、下側振動吸収板3Aの連結孔に雌ネジを形成するとよい。
その余の構成は、第1実施形態と同様である。この実施形態においても、第1実施形態と同様の高い転倒防止効果が得られる。
(第4実施形態)
図8は本発明の第4実施形態に係る転倒防止装置の断面図である。
本実施形態は、図6に示す第2実施形態の連結ピンの下端部にコイルバネ30を取付けた連結ピン10Dを用いたものである。すなわち、連結ピン10Dは、大径頭部11の上方部分の第1胴部12にコイルバネ30を外挿している。このコイルバネ30は、連結ピン10Dを上側振動吸収板2Aにねじ込んだ状態では、大径頭部11と下側振動吸収板3Aの裏面との間にあって圧縮された状態となるため、連結ピン10D全体を下方へ引張り付勢することになる。このため加振時において、上側積層物Uが上下振動をしようとしたとき、下側振動吸収板3Aとコイルバネ30の両方で振動を吸収するので、振動吸収効果が高い。また、連結ピンが上側振動吸収板2Aとねじ結合するタイプであると、ねじ山同士の摩擦力が高まり、結合力が強くなるという利点もある。
なお、本実施形態では、図7に示す連結ピン10Cに上記コイルバネ30を組合わせるように構成してもよい。
その余の構成は、第1実施形態と同様であり、本実施形態においても高い転倒防止効果が得られる。
(第5実施形態)
図9は本発明の第5実施形態に係る転倒防止装置の断面図である。
本実施形態では、図1に示す第1実施形態の連絡ピンに上方に引張り付勢するコイルバネ30を取付けた連結ピン10Eを用いたものである。すなわち、この連結ピン10Eは、第1胴部12を長くして、この外周にコイルバネ30を外挿している。このコイルバネ30は、連結ピン10Eを下側振動吸収板3Aにねじ込んだ状態では、大径頭部11と上側振動吸収板2Aとの間にあって圧縮された状態となるため、連結ピン10E全体を上方へ引張り付勢することになる。このため加振時において、上側積層物Uが上下振動をしようとしたとき、上側振動吸収板2Aとコイルバネ30の両方で振動を吸収するので、振動吸収効果が高い。この連結ピンも下側振動吸収板3Aとねじ結合するタイプであると、ねじ山同士の摩擦力が高まり、結合力が強くなり、さらに分解時には連結ピンがコイルバネ30で上方へ引き上げられるので、分解作業が容易になるという利点もある。
その余の構成は、第1実施形態と同様であり、本実施形態においても高い転倒防止効果が得られる。
(第6実施形態)
図10は本発明の第6実施形態に係る転倒防止装置の断面図である。図11は(A)図は振動吸収板の平面図、(B)図は振動吸収板の断面図である。図12の(A)図は連結ピンの平面図、(B)図は連結ピンの正面図である。図13は転倒防止装置の取付操作の説明図である。
本実施形態は、皿バネ状の上側振動吸収板2Bと下側振動吸収板3Bを用いたものである。上側振動吸収板2Bの突出した中央部と下側振動吸収板3Bの突出した中央部は互いに向き合わせて配置されるため、連結ピン10Fは短尺でよく、また、上下の凹部Ur、Lrも中央部に小径の凹部を形成する必要がなく、天面と底面がフラットな凹部に形成したものであってよい。
前記上下の振動吸収板2B,3Bは、図11に示すように、椀状に形成された皿バネである。この上下の振動吸収板2B,3Bの中心には連結孔4が形成され、周辺部の4ヵ所にはボルト挿通孔5が形成されている。ボルト挿通孔5は4ヵ所であるが、3ヵ所であっても5ヵ所以上であってもよい。また、連結孔4には雌ネジが形成されている。さらに、連結孔4から半径方向外側に適数本のスリット9が形成されている。このスリット9は皿バネを撓みやすくするもので、その本数や長さは、必要な撓みやすさが得られるよう任意に設定すればよい。また、必要がなければスリット9を設けなくてもよい。
上記の上側振動吸収板2Bおよび下側振動吸収板3Bは、振動吸収のための弾性を備えていればよく、そのような機能を果すことができれば、どのような形状、寸法、材料の皿バネであってもよい。なお、防錆を考慮すると材料にはSUSを用いることが好ましい。
図10に示すように、前記上側振動吸収板2Bは、上側積層物Uの凹部Ur内の底面にボルト20で固定される。また、前記下側振動吸収板3Bは、下側積層物Lの凹部Lr内の底面にボルト20で固定される。ボルト20は、その根部(図示省略)を上側積層物U内また、下側積層物L内に埋め込んだもので、予め形成された孔に挿入後、根部を膨張させて固定する公知の埋め込みボルト等が用いられる。また、ボルト20の先端部には雄ネジが切られ、ナット21を螺合できるようになっている。
したがって、前記上下の振動吸収板2B,3Bは、埋め込まれているボルト20にボルト挿通孔5を通し、ナット21を締め込むことによって凹部Ur内また凹部Lr内に固定されることになる。
図10に示す連結ピン10Fは、上側振動吸収板2Bと下側振動吸収板3Bを互いに連結しておき、振動時に上側振動吸収板2Bと下側振動吸収板3Bに撓みを発生させながら、互いに離脱しないように結合するために設けられている。
この連結ピン10Fの詳細は、図12に示すとおりである。連結ピン10Fの上端から下端に向けて順に、第1雄ネジ部17、角胴部13、第2胴部14、首部15、第2雄ネジ部16が形成されている。第1胴部12は存在しない。前記第1雄ネジ部17は、上側振動吸収板2Bの連結孔4の雄ネジに螺合するネジである。前記角胴部13は後述する工具40のスパナ部が嵌合するよう断面が四角ないし六角になっている。
前記中間胴部14は下側振動吸収板3Bの連結孔6には入らず、前記首部15は連結孔6に遊貫し、前記雄ネジ部16は連結孔6の雌ネジに螺合するようになっている。なお、前記各部11〜17の長さは上下側振動吸収板2B,3Bの取付間隔等に合わせておけばよい。
つぎに、前記実施形態の取付方法を、図13に併せ参照して説明する。
上側振動吸収板2Bの上側積層物Uへの取付けと、下側振動吸収板3Bの下側積層物Lへの取付けは、既述の方法によって行われる。
まず、連結ピン10Fの第2雌ネジ部16を下側振動吸収板3Bの連結孔6にねじ込むと、図10に示すように、首部15が連結孔6に遊貫した状態となる。
上記の準備ができたところで、下側積層物Lの直上方に上側積層物Uをクレーン等の任意の荷役装置で吊り下げながら徐々に降ろしていく。連結ピン10Fの回転には前記取付ハンドル40を用い、図13に示すように、取付ハンドル40のスパナ部41を連結ピン10Fの角胴部13に差し込み、握り部42を持って回転させると、第1雄ネジ部17が上側振動吸収板2Bの連結孔4の雌ネジに螺合していく。このとき上側積層物Uと下側積層物Lの隙間が段々小さくなっていくが、取付ハンドル40は薄いので、回転操作が妨げられることはない。この状態で、第1雄ネジ部17が連結孔4の雌ネジと螺合するので、連結ピン10Fが上側振動吸収板2Bから抜け出ることはない。
上記の取付操作の間、図13に示すように、上側積層物Uと下側積層物Lの間には数mm程度のゴムパッキン45を挟んでおくと、取付ハンドル40の操作空間が確保されるので、操作がしやすくなる。このゴムパッキン45は、取付完了後、取り除いてもよく、そのまま敷き込んでおいてもよい。ゴムパッキン45を取り除いた場合は、上下積層物U,Lの間に隙間がなくなる。この場合、上側積層物Uが下側積層物Lの上面に安定的に定置されることになる。
図10は、取付完了後の転倒防止装置を示すものであるが、この状態で、上下振動が加わると、上側積層物Uが上方に飛び跳ねたり揺れ動こうとする動きが生ずる。しかし、この動きは、連結ピン10Fが上下の振動吸収板2B,3Bを連結していることで、拘束され、上側積層物Uは下側積層物Lと一体化され揺れ動きや飛び跳ねは生じない。
また、この際に、上下の振動吸収板2B,3Bは互いに相手部材側へ引っ張られて撓みが生ずるが、その撓みは、上下の振動吸収板2B,3B自体の弾性によって吸収される。したがって、剛体部分へ直接大きな力が加わらないので、多重積層物自体の損傷も生じにくい。
とりわけ多重積層物が墓石のような石材の場合は、剛性は強いが脆性が低いため損壊しやすいが、このような脆性の不足する石材であっても損壊を防止する効果が高くなる。
(第7実施形態)
図14は本発明の第7実施形態に係る転倒防止装置の断面図である。
本実施形態は、上下の振動吸収板2B,3Bの連結孔6,7の内縁を上下にやや長く形成し、雌ネジのネジ長さを長くしたものである。この場合、連結ピン10Fと上下の振動吸収板2B,3Bとの結合力が強くなるので、振動への耐久力が向上する。この実施形態においても、第6実施形態と同様の高い転倒防止効果が得られる。
(第8実施形態)
図15は本発明の第8実施形態に係る転倒防止装置の断面図である。
本実施形態は、第6実施形態の連結ピン10Fの代りに連結ピン10Gを用いたものである。この連結ピン10Gは、第1雄ネジ部17と角胴部13との間に、第2首部18と第2胴部19を形成したものである。その余の構成は、図12に示す連絡ピン10Fと同一である。
この実施形態では、上下の振動吸収板2B,3Bの連結孔4,6に対し、上下の首部18,15で嵌合されるので、ネジによる結合よりも耐久力が高くなるという利点がある。なお、図示の状態では上下積層物U,L間に隙間があるが、隙間を無くして定置した状態で使う場合は、連結ピン10Gの2ヵ所の首部18,15が上下の振動吸収板2B,3Bの連結孔4,6に嵌合するようにすればよい。
この実施形態においても、第6実施形態と同様の高い転倒防止効果が得られる。
(第9実施形態)
図16は本発明の第9実施形態に係る転倒防止装置の断面図である。図17は図16に示す水平振動吸収部の平面断面図である。
本実施形態は、図8に示す第4実施形態において、連結ピン10Hと上側積層物Uとの間に水平振動吸収部50を付加したものである。
下側積層物Lの凹部Lrに取付ける下側振動吸収板3Aやコイルバネ30は図8の実施形態と実質同一のため同一符号を付して説明を省略する。連結ピン10Hは、下端から上端に向けて、大径頭部11、第1胴部12、角胴部13、雄ネジ部16が形成されたものである。
上側積層物Uの凹部Urに取付ける水平振動吸収部50は、図16および図17に示すように構成されている。
外側ケース51はボルト20とナット21で上側積層物Uの凹部Urに固定されており、この外側ケース51の内部に内側ケース52が入れられている。外側ケース51と内側ケース52は、いずれも丸筒状のケースであり、外側ケース51の下端にはバネ座53が形成され、内側ケース52の上端にもバネ座が形成されている。そして、吸振バネ53がこの外側ケース51と内側ケース52の間に入れられている。
前記吸振バネ53は、巻形状が三角形であり、数段の巻段数を有している。本明細書では、巻形状の長軸方向における変化具合を巻姿というが、この巻姿は変化せず長軸方向で同一の定形巻バネと長軸方向で変化する螺旋巻バネの両方を用いることができる。
図示の定形巻バネは、三角形の頂点が各段で同じ位置にある定形巻バネである。螺旋巻バネは、巻姿としてバネの頂点が各段で少しずつ円周方向にズレており螺旋状に変化するバネである。
図17に示す吸振バネ53は、外側ケース51の内周面と内側ケース52の外周面に接触しており、振動外力は、バネが撓むことにより吸収する。そして、各頂点が放射状に散在することから全方位における振動外力を効果的に吸収することができる。この吸振効果は、外側ケース51の内壁と内側ケース52の外壁間のドーナツ状の円筒形空間内で、壁面に密着した状態で吸振バネ53が撓み変形することで行われるが、撓み変形は曲げ変形などに比べ大きな力を要するので、小さな部材を用いる割には吸収エネルギーを大きくとれ、それゆえ吸振効果が高くなる。
本実施形態では、振動吸収板3Aによる上下振動の吸収に加え、水平振動吸収部50による水平方向の振動も吸収するので、多重積層物の転倒防止効果は一層高くなる。
図16は3段の多重積層物を示しているが、下側積層物Lと上側積層物Uとの間だけでなく、上側積層物Uとその上段の上側積層物U2との間にも、本実施形態の転倒防止装置を適用することができる。
(第10実施形態)
図18は本発明の第10実施形態に係る転倒防止装置の断面図である。
本実施形態は、図16に示す第9実施形態とは逆に、水平振動吸収部50を連結ピン10Hと下側積層物Lとの間に設けたものである。水平振動吸収部50や連結ピン10Hの構造は、図16の第9実施形態と同一である。
この実施形態においても第9実施形態と同様に、上下振動に加えて水平振動を吸収することができ、高い転倒防止効果を発揮することができる。
(第11実施形態)
図19は本発明の第11実施形態に係る転倒防止装置の組立作業時の断面図、図20は同転倒防止装置の組立完了後の断面図である。
本実施形態は、図9に示す第5実施形態の連結ピンに位置合せ用の補助バネ60を取付けた連結ピン10Iを用いたものである。その余の構成は第5実施形態と実質同様であり、とくに、上側振動吸収板2A、下側振動吸収板3A、上下の吸収板2A,3A同士を互いに引っ張り付勢するコイルバネ30も第5実施形態と実質同一のものである。連結ピン10Iも第5実施形態の連結ピン10Eと、ほぼ同様であり、上端から下端に向けて順に、大径頭部11、第1胴部12、角胴部13、首部15、雄ネジ部16が形成されたものである。
上側積層物Uに形成する凹部は、上側振動吸収板2Aを取付けるための凹部Urの外、その中心部から上方に向けて形成した第2の凹部Ur2が設けられており、この凹部Ur2の内部に連結ピン10Iの上方部分とコイルバネ30、補助バネ60が収まるようになっている。
前記補助バネ60は、取付作業の初期に、連結ピン10Iの下端の雄ネジ部16を下側振動吸収板3Aの中央部に形成されている連結孔6に臨ませるようにするために設けられている。したがって、そのバネ力は、連結ピン10Iを上方に付勢するコイルバネ30に抗して連結ピン10Iを下方に押し下げるに足るものであればよい。
仮に、補助バネ60が無い場合、組付け当初において、雄ネジ部16が連結孔6の雄ネジに臨むときに連結ピン10Iが逃げて入りにくいが、本実施形態では補助バネ60が連結ピン10Iを押し下げるので、雄ネジ部16が連結孔6に入りやすくなり、組付け作業が容易となる。
つぎに、前記転倒防止装置の取付方法を説明する。
前記上側振動吸収板2Aの上側積層物Uへの取付けと、前記下側振動吸収板3Aの下側積層物Lへの取付けは、既述の方法によって行われる。また、連結ピン10Iはその第1胴部12を上側振動吸収板2Aの連結孔4に通しておく。
上記の準備ができたところで、下側積層物Lの直上方に上側積層物Uをクレーン等の任意の荷役装置で吊り下げていく。連結ピン10Iの先端部(雄ネジ部16)を下側振動吸収板3Aの連結孔6に臨ませ、連結ピン10Iを回転させながら徐々に降ろしていく。連結ピン10Iの回転には取付ハンドル40を用いる。
図19に示すように、取付ハンドル40で連結ピン10Iを回転させると、雄ネジ部16が連結孔6の雌ネジに螺合していく。このとき、雄ネジ部16が連結孔6に位置合わせがしやすくなることは、既述のとおりである。
雄ネジ部16が連結孔6に入りきると、図20に示すように、雄ネジ部16が連結孔6の雌ネジにねじ込まれて、連結ピン10Iが下側振動吸収板3Aから抜け出ることはない。そして、この状態で、上側積層物Uが上下振動をしようとしたとき、上側振動吸収板2Aとコイルバネ30の両方で振動を吸収するので、振動吸収効果が高い。また、連結ピン10Iは下側振動吸収板3Aとねじ結合するので、ねじ山同士の摩擦力が高まり、結合力が強くなり、さらに分解時には連結ピンがコイルバネ30で上方へ引き上げられるので、分解作業が容易になるという利点もある。
この第11実施形態においては、上下の振動吸収板として、平板状の板バネ2A,3A用いる代りに、図10に示すような皿バネ状のもの2B,3Bを用いてもよい。
また、連結ピン10Iは上下を逆転させて、取付けてもよい。この配置は平板状の振動吸収板2A,3Aに対してだけでなく、皿バネ状の振動吸収板2B,3Bに対しても同様である。
(第12実施形態)
図21は本発明の第12実施形態に係る転倒防止装置の組立作業時の断面図、図22は同転倒防止装置の組立完了後の断面図である。
本実施形態は、上側積層物Uと下側積層物Lとの間に中間積層物Mを有する多層積層物を連結する転倒防止装置である。
上側積層物Uに取付けた上側振動吸収板2Aと、下側積層物Lに取付けた下側振動吸収板3Aは、図19に示す第11実施形態のものと実質同一である。中間積層物Mには、後述する連結ピン10Jを通すための空洞Mrが形成されている。
本実施形態で用いられる連結ピン10Jは、上側連結ピン10と下側連結ピン70とから構成されている。
前記上側連結ピン10は、図19に示す連結ピン10Iと実質同一のものである。すなわち、上端から下端に向けて順に、大径頭部11、第1胴部12、角胴部13、首部15、雄ネジ部16が形成されたものである。
また、連結ピン10を上方に付勢するコイルバネ30と下方に付勢する補助バネ60も用いられているが、これらは必須ではなく、図1に示すようなバネ30,60を用いないピンのみを用いたものであってもよい。
前記下側連結ピン70は、外周に雄ネジを切ったボルト71と、その上端の丸棒部72と、丸棒部72に固定されたナット部73から構成されている。ナット部73の内周には雌ネジが切られており、この雌ネジに前記上側連結ピンの雄ネジ部16が螺合するようになっている。
この下側連結ピン70は、ボルト71を下側振動吸収板3Aの連結孔6の雌ネジに螺合させたうえで、ナット74で締め付けて固定している。ナット75はナット74の緩み止め用として用いられている。
つぎに、前記転倒防止装置の取付方法を説明する。
図21に示すように、取付ハンドル40で上側連結ピン10を回転させると、雄ネジ部16がナット73の雌ネジに螺合していく。このとき、補助バネ60により雄ネジ部16がナット73に位置合わせがしやすくなることは、第11実施形態と同様である。
雄ネジ部16がナット73に入ると、図22に示すように、雄ネジ部16がナット73の雌ネジにねじ込まれて、上側連結ピン10が下側振動吸収板3Aにねじ込まれている下側連結ピン70に対し連結される。そして、この状態で、上側積層物Uや中間積層物Mが上下振動をしようとしたとき、上側振動吸収板2Aおよび下側振動吸収板3Aとコイルバネ30の両方で振動を吸収するので、振動吸収効果が高い。
この第12実施形態においては、上下の振動吸収板として、平板状の板バネ2A,3Aを用いる代りに、図10に示すような皿バネ状のもの2B,3Bを用いてもよい。
また上側連結ピン10と下側連結ピン70は上下逆に配置してもよい。この配置は、平板状の振動吸収板2A,3Aに対してだけでなく、皿バネ状の振動吸収板2B,3Bに対しても同様である。
(第13実施形態)
図23は本発明の第13実施形態に係る転倒防止装置の組立作業時の断面図である。
本実施形態は、上側積層物Uに上側振動吸収板2Aを取付け、下側積層物Lには下側振動吸収板を用いていない転倒防止装置である。
上側積層物Uに取付けた上側振動吸収板2Aと、付勢バネ30、補助バネ60は図19に示すものと実質同一である。
本実施形態で用いられる連結ピン10Kは、上側連結ピン10と固定ボルト80とから構成されている。
前記上側連結ピン10は、上端から下端に向けて順に、大径頭部11、第1胴部12、角胴部13、ナット部18が形成されたものである。
前記固定ボルト80は、植込み型のボルト81で構成され、その先端に雄ネジ82が形成されている。この雄ネジ82は前記上側連結ピン10のナット部18に螺合するようになっている。
この固定ボルト80は、ボルト81を下側積層物Lに植込んで固定されている。なお、固定ボルト80の下側積層物Lに対する固定方法は、植込みに限らず、固定ボルト80を適当なプレートに溶接等で取付け、そのプレートを下側積層物Lにボルト等で締結したり、固定ボルト80の下端を筒状テーパに形成し、そのテーパ部が差し込まれる外側パイプを下側積層物Lに植込んで固定しておく方法でもよく、さらに固定ボルト80の下端部をU字状に曲げておき、そのU字状部を下側積層物Lに植込む方法など、種々の方法を採用することができる。
この実施形態では、付勢バネ30によって常時、連結ピン10Kを引き上げている方が振動吸収効果が高い。なお、補助バネ60は必須ではないが、用いると上側連結ピン10のナット部18を固定ボルト80の雄ネジ部82に臨ませやすくなる。
図23は、取付完了後の転倒防止装置を示すものであるが、上下振動が加わると、上側積層物Uが上方に飛び跳ねたり揺れ動こうとする動きが生ずる。しかし、この動きは、連結ピン10Kが付勢バネ30を撓ませて振動を吸収し、さらに振動が大きくなると、上側振動吸収板2Aが撓むことによって振動が吸収される。よって、上側積層物Uは下側積層物Lと一体化され揺れ動きや飛び跳ねは生じない。
この第13実施形態においては、振動吸収板として、平板状の板バネ2Aを用いる代りに図10に示すような皿バネ状のもの2Bを用いてもよい。
また、振動吸収板を下側積層物Lに取付けて、上側連ピン10と固定ボルト80を上下逆に配置してもよい。
さらに、図23の実施形態において、上側連結ピン10の下端に雄ネジを形成し、固定ボルト80の上端にナットを固定したものを用いてもよい。
本発明は剛体物を2層以上に積層した多重積層物であれば、どのようなものにも適用できる。多重積層物の例としては、石塔や墓、石柱があげられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の第1実施形態に係る転倒防止装置の断面図である。 (A)図は上側振動吸収板の断面図と平面図、(B)図は下側振動吸収板の断面図と平面図である。 (A)図は連結ピンの正面図、(B)図は底面図である。 (A)図は工具の平面図、(B)図は側面図である。 転倒防止装置の取付操作の説明図である。 本発明の第2実施形態に係る転倒防止装置の断面図である。 本発明の第3施形態に係る転倒防止装置の断面図である。 本発明の第4実施形態に係る転倒防止装置の断面図である。 本発明の第5実施形態に係る転倒防止装置の断面図である。 本発明の第6実施形態に係る転倒防止装置の断面図である。 (A)図は振動吸収板の平面図、(B)図は振動吸収板の断面図である。 (A)図は連結ピンの平面図、(B)図は連結ピンの正面図である。 転倒防止装置の取付操作の説明図である。 本発明の第7実施形態に係る転倒防止装置の断面図である。 本発明の第8実施形態に係る転倒防止装置の断面図である。 本発明の第9実施形態に係る転倒防止装置の断面図である。 図16に示す水平振動吸収部の平面断面図である。 本発明の第10実施形態に係る転倒防止装置の断面図である。 本発明の第11実施形態に係る転倒防止装置の組立作業時の断面図である。 同転倒防止装置の組立完了後の断面図である。 本発明の第12実施形態に係る転倒防止装置の組立作業時の断面図である。 同転倒防止装置の組立完了後の断面図である。 本発明の第13実施形態に係る転倒防止装置の組立作業時の断面図である。
1 転倒防止装置
2A,2B 上側振動吸収板
3A,3B 下側振動吸収板
10A 〜10K 連結ピン
50 水平振動吸収部
U 上側積層物
L 下側積層物
M 中間積層物

Claims (8)

  1. 多重積層物の上側積層物に固定される上側振動吸収板と、
    下側積層物に固定される下側振動吸収板と、
    前記両振動吸収板を上下位置に配置した状態で互いに離間しないように連結する連結ピンとからなり、
    該連結ピンは、前記上側振動吸収板または前記下側振動吸収板に係合する基端部と、前記下側振動吸収板または前記上側振動吸収板に螺合する先端部と、前記基端部と前記先端部との間に形成されており、取付け用の工具が嵌合する角胴部を有する
    ことを特徴とする多重積層物の転倒防止装置。
  2. 前記両振動吸収板が、平坦な形状の板バネである
    ことを特徴とする請求項1記載の多重積層物の転倒防止装置。
  3. 前記両振動吸収板が、椀状に形成された皿バネである
    ことを特徴とする請求項1記載の多重積層物の転倒防止装置。
  4. 記連結ピンに、上側振動吸収板と下側振動吸収板を連結した状態で互いの離間を防止する方向の付勢力を与える付勢バネを取付けている
    ことを特徴とする請求項1記載の多重積層物の転倒防止装置。
  5. 前記連結ピンと前記上側積層物または前記下側積層物との間に水平振動吸収部が取付けられている
    ことを特徴とする請求項1記載の多重積層物の転倒防止装置。
  6. 前記付勢バネの付勢力に抗して、連結ピンの先端を螺合させる下側振動吸収板または上側振動吸収板に近づけるための補助バネを設けた
    ことを特徴とする請求項4記載の多重積層物の転倒防止装置。
  7. 前記多重積層物の前記上側積層物と下側積層物の間に中間積層物が介在されており、
    前記中間積層物には、前記連結ピンを通す空洞が形成されている
    ことを特徴とする請求項1記載の多重積層物の転倒防止装置。
  8. 多重積層物の上側積層物または下側積層物に固定される振動吸収板と、
    前記振動吸収板を前記下側積層物または前記上側積層物に対し、離間しないように連結する連結ピンとからなり、
    前記連結ピンは、前記振動吸収板に係合される上側連結ピンと、該上側連結ピンに螺合される固定ボルトとからなり、
    前記上側連結ピンは、前記振動吸収板に係合する基端部と、雌ネジ部を形成した先端部と、前記基端部と前記先端部との間に形成されており、取付け用の工具が嵌合する角胴部を有する
    ことを特徴とする多重積層物の転倒防止装置。
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