JP5085094B2 - 高炉鋳床の連続精錬方法 - Google Patents
高炉鋳床の連続精錬方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5085094B2 JP5085094B2 JP2006300638A JP2006300638A JP5085094B2 JP 5085094 B2 JP5085094 B2 JP 5085094B2 JP 2006300638 A JP2006300638 A JP 2006300638A JP 2006300638 A JP2006300638 A JP 2006300638A JP 5085094 B2 JP5085094 B2 JP 5085094B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- hot metal
- impeller
- place
- blast furnace
- slag
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Description
また、脱硫は吸熱反応であるため、高炉からの出銑後の最も高温時期である溶銑流路内を流れる過程で脱硫処理することが最も望ましい。
特許文献1は、高炉の傾注樋にて溶銑と精錬剤とを強制的に攪拌し、溶銑中に精錬剤を巻き込ませることによって、溶銑の精錬を行う精錬方法である。
特許文献2は、高炉から出銑された溶銑に脱硫剤を添加することで脱硫処理を行う方法である。この脱硫処理を行う方法では、溶銑樋を流れる溶銑に脱硫剤を添加した後、脱硫剤を添加した溶銑を傾斜壁を介して急速流下(落下)させることで、脱硫を行っている。
特許文献2や特許文献3に示すように、溶銑に脱硫剤を添加し、脱硫剤を添加した溶銑を落下させることで脱硫剤を溶銑中に巻き込ませるという方法では、溶銑に対する攪拌力が十分でない場合があり、反応効率がよくない場合があった。また、特許文献2及び特許
文献3では、溶銑をどの程度落下させるか等の条件が開示されておらず、実際に実施しても、十分な脱硫が得られないのが実情である。
即ち、本発明における課題解決のための技術的手段は、高炉鋳床の溶銑流路内を流れる溶銑に精錬剤を添加し、1基のインペラを溶銑に浸漬して回転させることにより溶銑と精錬剤とを混合することで溶銑を連続的に精錬する高炉鋳床の連続精錬方法において、前記溶銑流路内に溶銑を落下させるための段差を配置し、この段差の下流側に前記インペラを配置し、このインペラの下流側に前記精錬剤を添加する添加場所を定め、この添加場所の下流側に前記インペラで溶銑を攪拌した後に生成されたスラグを取り除く場所を定めており、
前記インペラの幅が式(1)を満たすように設定し、前記段差が式(2)〜式(4)を満たすように設定し、前記精錬剤を添加する添加場所が式(5)を満たすように設定し、前記スラグを取り除く場所が式(6)を満たすように設定したうえで、溶銑を精錬する点にある。
0<L/D≦1.5 ・・・(2)
H/Z≧1 ・・・(3)
θ≧30 ・・・(4)
0<M/D≦0.8 ・・・(5)
1.2≦R/D≦5 ・・・(6)
ただし、
d:インペラの幅(m)
D:溶銑流路の最大幅(m)
L:段差からインペラまでの距離(m)
H:段差の高さ(m)
Z:溶銑の深さ(m)
θ:段差の勾配(deg)
M:インペラの回転軸中心から添加場所までの距離(m)
R:インペラの回転軸中心からスラグを取り除く場所までの距離(m)
発明者は、精錬剤を溶銑中に確実に巻き込ませることで、精錬処理の効率を向上させる方法について様々な角度から検証した。
さ,段差の勾配(傾斜角度),精錬剤を添加する添加場所,インペラの回転軸の位置に対
するスラグの取り除く位置を変更して、脱硫処理又は脱珪処理を行う実験を行った。
実験の結果、インペラの幅が式(1)を満たし、段差が式(2)〜式(4)を満たし、精錬剤を添加する添加場所が式(5)を満たし、溶銑流路におけるスラグを取り除く位置が式(6)を満たすようにすれば、精錬剤を溶銑中に確実に巻き込ませることができ、精錬処理の効率が向上することを見出した。
前記溶銑流路内に溶銑を落下させるための段差を配置し、この段差の下流側に前記インペラを配置し、このインペラの下流側に前記精錬剤を添加する添加場所を定め、この添加場所の下流側に前記インペラで溶銑を攪拌した後に生成されたスラグを取り除く場所を定めており、前記インペラの幅が式(1a)を満たすように設定し、前記段差が式(2a)〜式(4a)を満たすように設定し、前記精錬剤を添加する添加場所が式(5a)を満たすように設定し、前記スラグを取り除く場所が式(6a)を満たすように設定したうえで、溶銑を精錬する点にある。
0<L/D≦1.0 ・・・(2a)
H/Z≧2.2 ・・・(3a)
θ≧45 ・・・(4a)
0<M/D≦0.66 ・・・(5a)
1.2≦R/D≦4.4 ・・・(6a)
ただし、
d:インペラの幅(m)
D:溶銑流路の最大幅(m)
L:段差からインペラまでの距離(m)
H:段差の高さ(m)
Z:溶銑の深さ(m)
θ:段差の勾配(deg)
M:インペラの回転軸中心から添加場所までの距離(m)
R:インペラの回転軸中心からスラグを取り除く場所までの距離(m)
インペラの幅が式(1a)を満たし、段差が式(2a)〜式(4a)を満たし、精錬剤を添加する添加場所が式(5a)を満たし、溶銑流路におけるスラグを取り除く位置が式(6a)を満たすようにすれば、精錬剤を溶銑中に確実に巻き込ませることができ、精錬処理の効率が向上する。
図1、2に示すように、高炉の周りには高炉鋳床1が設けられており、この高炉鋳床1は高炉2から出銑された溶銑が流れる出銑樋4を有している。
出銑樋4は、高炉2から出銑した溶銑を、溶銑を入れる溶銑鍋や混銑車等に導く溶銑流路である。図1の左側から右側へ溶銑が流れる。ゆえに、図1の左側を上流、図1の右側を下流と呼ぶ。
出銑樋4の上流側には、第1排滓樋5が分岐形成されており、この第1排滓樋5の分岐点よりも下流側には溶銑上に浮かぶスラグ6が第1排滓樋5に流れるように案内する第1潜り堰7が設けられている。潜り堰とは、矩形状のものであって、下部が出銑樋4の底部から離れ、上部が溶銑から突出している堰のことで、溶銑上に浮かぶスラグを堰止め、溶銑自体を下側から通すものである。
水平に延びる水平部8bと、この水平部8bから出銑樋4の下流側の底部4b(後述するインペラ10が配置された側の底部)へ向けて傾斜する傾斜部8cとを有している。
段差部8の下流側には回転によって溶銑を攪拌するインペラ10が配置され、このインペラ10の下流側には精錬剤を添加する添加装置12が配置されている。
図5に示すように、出銑樋4は、底部4aや底部4bを構成する底壁20と、この底壁20から立ち上がる側壁21とを有し、側壁21が底壁20の両端部から上方にいくにしたがって徐々に外側に移行するような断面台形状となっている。底壁20及び側壁21は、不定形の耐火物を流し込むことで形成されている。
インペラ10の羽根16の枚数は4枚とされている。各羽根16はその枚数に対応して回転軸15に対し均等な角度(例えば、90deg)の間隔で回転軸15に取り付けられて
いる。
また、連続精錬方法では、溶銑の精錬処理を行う前に、インペラ10の下流側に精錬剤を添加する添加場所を定め、この添加場所の下流側にインペラ10で攪拌した後に発生したスラグ14を取り除く場所を定めている。具体的には、インペラ10の下流側に添加装置12を設け、この添加装置12の下流側に第2排滓樋13、第2潜り堰18を設けたことにある。
インペラ10の幅が式(1)を満たすように、当該インペラの幅が設定されている。
0.3≦d/D<1 ・・・(1)
ただし、
d:インペラの幅(m)
D:溶銑流路の最大幅(m)
図3、4に示すように、インペラの幅dは、互いに対向しているそれぞれの羽根16の幅(回転軸15から突出している長さ)と回転軸15の直径とを加算したものである(d=d1+d2+d1)。
銑樋4を流れる溶銑の湯面幅が溶銑流路の最大幅Dとなる。
なお、出銑樋4において、溶銑流路の最大幅Dを採用する場所は、インペラ10を浸漬した場所(攪拌場所)の近傍であることが好ましい。
0<L/D≦1.5 ・・・(2)
H/Z≧1 ・・・(3)
θ≧30 ・・・(4)
ただし、
L:段差からインペラまでの距離(m)
H:段差の高さ(m)
Z:溶銑の深さ(m)
θ:段差の勾配(deg)
図3、4に示すように、段差からインペラまでの距離Lは、溶銑と段差部8の傾斜部8cとが接触している接触部分Tから羽根16を回転させたときの軌道Kまでの水平距離のことである。言い換えれば、段差からインペラまでの距離Lは、溶銑と段差部8の傾斜部8cとが接触している接触部分Tから羽根16の先端部までの水平距離である。
精錬剤を添加する添加場所が式(5)を満たすように、当該添加場所は設定されている。
ただし、
M:インペラの回転軸中心から添加場所までの距離(m)
前記添加場所とは添加装置12の位置のことで、詳しくは、添加装置12に設けた精錬剤を添加する筒状の剤投入ランス17の位置のことである。式(5)に示すMは、詳しくは、インペラ10の回転軸15の中心(軸芯)から剤投入ランス17の中心(軸芯)までの水平距離のことである。
1.2≦R/D≦5 ・・・(6)
ただし、
R:インペラの回転軸中心からスラグを取り除く場所までの距離(m)
前記スラグ14を取り除く場所とは、第2排滓樋13の位置のことで、詳しくは、第2排滓樋13において下流側の側壁13a(側壁13aの上端)の位置のことである。式(6)に示すRは、インペラ10の回転軸15の中心から第2排滓樋13の下流側の側壁13a(側壁13aの上端)までの水平距離のことである。
高炉2から出銑した溶銑は、第1潜り堰7下を通過して段差部8に向けて下流側へ流れ、スラグ6は第1排滓樋5に流れる。そして、段差部8の水平部8b上を流れていた溶銑は、段差部8の傾斜部8cに到達し、傾斜部8cに沿ってさらに下流側に流れることとな
る。
傾斜部8cに到達した溶銑は傾斜部8cに沿って流れるが、このとき、当該溶銑は段差部8(水平部8b)から出銑樋4の底部4bに向けて落下することとなる。段差部8から落下した溶銑は、段差部8から落下したことで攪拌される。
脱珪処理又は脱硫処理された溶銑は、第2潜り堰18下を通過して段差部8に向けて下流側へ流れ、インペラ10の攪拌又精錬剤の添加によって生成されたスラグ14は第2排滓樋13に流れることになる。
なお、出銑樋4は、図5に示すような出銑する前に断面視で台形状であるものを使用した。
脱珪酸素効率ηO2は、脱珪剤中の酸素分に対して溶銑中のSiの酸化に使用された酸素分の割合を示したものである。
溶銑へ添加された脱硫剤(精錬剤)が効率的に脱硫反応に寄与したかを表す指標として、式(8)に示される脱硫効率ηSを用いた。
Al2O3−8M.Al(in mass%)を用いた。
従来ような機械的な攪拌のみの精錬では、同じ脱珪剤原単位で比較した場合、脱珪酸素効率ηO2は30〜40%であった。それを鑑み、まず、脱珪酸素効率ηO2は高効率である50%以上になることを基準とした。この場合、出銑時の珪素[Si]が0.38〜0.42mass%であったが、処理後の珪素[Si]は、0.25mass%以下となる。
れを鑑み、まず、脱硫効率ηSは高効率である50%以上になることを基準とした。この
場合、出銑時の硫黄[S]が0.022〜0.023mass%であったが、処理後の硫黄[
S]は、0.010mass%以下とした。
脱珪酸素効率ηO2の基準を50%以上とすることで、本処理の後工程に行われる脱りん処理における効率(脱りん時間の短縮、脱りん量の向上)を向上させることができる。
また、脱硫効率ηSが50%未満の場合、さらに追加の脱硫工程が必要となる場合があ
り、生産性低下や熱ロスを招くため、操業上好ましくない。したがって、脱硫効率ηSは
50%以上確保する必要がある。
したがって、高炉2より出銑される溶銑の珪素[Si]が比較的高濃度である場合には、脱珪酸素効率ηO2の基準を60%以上とすることが好ましい。
また、後工程で起こる可能性のある復硫に対応するために、脱硫効率ηSを60%以上
とすることが好ましい。
なお、表2,表3に示す直線樋とは、図1に示すような出銑樋4の直線部分にてインペラ10を浸漬させると共に、精錬剤を添加したことを示している。また、表2,表3に示す丸樋とは、図12に示すような出銑樋4の円弧部分にてインペラ10を浸漬させると共に、精錬剤を添加したことを示している。丸樋の場合は、溶銑流路の最大幅Dは円弧部分におけるものとした。
高炉鋳床での精錬処理では、出銑樋4を流れる溶銑に対して脱珪処理又は脱流処理行う
ことから、連続的に脱珪剤又は脱流剤を添加する必要がある。
精錬処理では、連続的に精錬剤を添加する場合であっても精錬剤を確実に溶銑に巻き込ませることが重要である。溶銑流路の最大幅Dに対してインペラ10の幅dが小さければ、インペラ10の回転によって生じる攪拌渦も小さくなり(攪拌力小)、一部或いは大部分の精錬剤が溶銑中に巻き込まれずに反応に寄与しないまま上流から下流へと流れていき、その結果、反応効率が低下する。
一方で、表2や図6に示すように、0.3≦d/D<1のとき、即ち、溶銑流路の最大幅Dに対してインペラ10の幅dが十分大きければ、攪拌力は大であると考えられ、脱珪酸素効率ηO2は50%以上となる(実施例1〜44)。
なお、式(1)を満たす場合で、d/D≒1のとき、出銑樋4に対するインペラ10の上下方向の位置によっては、インペラ10が出銑樋4に接する。即ち、インペラ10の幅dと溶銑流路の最大幅Dとが同じとなる場合がある。この条件ではインペラ10が出銑樋4と接触してインペラ10自体を回転させることができず操業として成り立たない。式(1)の適用にあっては、インペラ10と出銑樋4とが接触しない範囲、即ち、インペラ10が回転できる条件で式(1)を満たすようにするのは当然である。
0.55≦d/D<1 ・・・(1a)
を高炉鋳床の連続精錬方法の条件として採用することは非常に好ましい。
[段差及び段差の位置について]
出銑樋4に段差を設けることで溶銑を落下させ、この落下によって溶銑に乱流を発生させることができる。溶銑の乱流によって、溶銑は攪拌されるため精錬剤を溶銑に巻き込ませる効果が期待できる。
これに加え、段差部8の傾斜部8cが邪魔板として働いて溶銑の流れに乱れを起こし、その結果、戻ってきた未反応の精錬剤を溶銑に巻き込ませるという邪魔板効果も期待できる。
このように、段差を設けることで溶銑の攪拌を引き起こさせ、未反応の精錬剤を溶銑に巻き込ませるという効果を得ることができるため、段差による攪拌とインペラ10による機械攪拌との両者を合わせることで、溶銑に精錬剤を確実に巻き込ませることができることが期待できる。
表3や図7に示すように、L/Dの値が1.5よりも大きいとき、脱珪酸素効率ηO2が50%未満となった(比較例52〜57)。
よる溶銑の攪拌では精錬剤を溶銑に巻き込ませるという巻き込み効果は非常に小さく、実質的に、インペラ10の攪拌のみで精錬剤を溶銑に巻き込ませているのと同じである。
なお、L/D=0であるときは、段差とインペラ10との両者の位置が同じであることを意味するが、この条件ではインペラ10自体を回転させることができず操業として成り立たないため、L/D=0を除外し、0<L/D≦1.5とした。
0<L/D≦1.0 ・・・(2a)
を高炉鋳床の連続精錬方法の条件として採用することは非常に好ましい。
[段差の高さについて]
段差の高さHが大きくなればなるほど、溶銑の落下する落下エネルギーは大きくなる。落下エネルギーが大きいと、溶銑に対する精錬剤の巻き込み効果が大になって、反応効率が向上する。
H/Z≧2.2 ・・・(3a)
を高炉鋳床の連続精錬方法の条件として採用することは非常に好ましい。
[段差の勾配について]
段差の勾配θが大きくなればなるほど、溶銑に対する精錬剤の巻き込み効果が大になる(反応効率が向上する)。表2,図9に示すように、段差の勾配θが30degを超えると
、脱珪酸素効率ηO2が50%以上となった(実施例1〜44)。表3,図9に示すように、逆に、段差の勾配θが30deg未満であると、脱珪酸素効率ηO2が50%未満となった(比較例51,52)。なお、段差の勾配θを90degの最大値にしても脱珪酸素効率ηO2が50%以上であった。
θ≧45 ・・・(4a)
を高炉鋳床の連続精錬方法の条件として採用することは非常に好ましい。
[添加場所について]
精錬剤の添加場所については、溶銑を機械的に攪拌するインペラ10の位置に対して上流側と下流側との2パターン考えることができる。添加装置12の剤投入ランス17をインペラ10よりも上流側に配置した場合、溶銑にほとんど巻き込まれずに下流側へと流れる精錬剤の量が多かった。
表2,図10に示すように、攪拌場所に対する精錬剤の添加場所を示すM/Dにおいて、M/D≦0.8であれば、脱珪酸素効率ηO2は50%以上を確保することができる(実施例1〜44)。
表3,図10に示すように、M/Dの値が0.8を超えると、攪拌場所と添加場所とが非常に離れてしまうため、攪拌によって精錬剤を溶銑に巻き込ませることができず、脱珪酸素効率ηO2が50%未満になったと考えられる(比較例58〜60)。
図10に示すように、脱珪酸素効率ηO2が60%以上となる条件、即ち、
0<M/D≦0.66 ・・・(5a)
を高炉鋳床の連続精錬方法の条件として採用することは非常に好ましい。
[スラグを取り除く場所について]
攪拌位置の近く、即ち、インペラ10を配置した場所の近くに、スラグ14を取り除く場所(第2排滓樋13)を設けてしまうと、攪拌処理後のスラグ14中に溶銑が混入し、スラグ14と溶銑とが分離されないまま、スラグ14に溶銑が混ざった状態で当該スラグ14が第2排滓樋13へと流れてしまう虞がある。その結果、鉄ロスとなるばかりか、スラグ14に溶銑が混入したことでスラグ14の特性が変化する。
一方で、インペラ10を配置した場所から遠く離れた場所に第2排滓樋13を設けてしまうと、スラグ14が第2排滓樋13へ排滓される前にスラグ14が固まってしまう。その結果、インペラ10の近傍に初期に添加した精錬剤によって生成するスラグ14が堆積し、操業に支障をきたす虞がある。
また、R/D<1.2のときは、インペラ10の場所と第2排滓樋13とが近すぎるため、スラグ14に溶銑が混入し、脱珪酸素効率ηO2が50%以上であるものの、スラグ14に含まれる鉄成分が増加してしまう(比較例61,62)。
図11に示すように、脱珪酸素効率ηO2が60%以上となる条件、即ち、
1.2≦R/D≦4.4 ・・・(6a)
を高炉鋳床の連続精錬方法の条件として採用することは非常に好ましい。
上記の実施の形態では、出銑樋4が断面視で台形状の場合について説明したが、図13(b)に示すように、溶銑の流動に伴う浸食によって出銑樋4が断面視で略円弧状に変化しても本発明に示した条件を採用しても何ら問題がない。また、図13(a)に示すように、出銑樋4が断面視で略矩形状であっても本発明に示した条件を採用しても何ら問題が
ない。
2 高炉
4 出銑樋
5 第1排滓樋
8 段差部
10 インペラ
12 添加装置
13 第2排滓樋
17 剤投入ランス
Claims (2)
- 高炉鋳床の溶銑流路内を流れる溶銑に精錬剤を添加し、1基のインペラを溶銑に浸漬して回転させることにより溶銑と精錬剤とを混合することで溶銑を連続的に精錬する高炉鋳床の連続精錬方法において、
前記溶銑流路内に溶銑を落下させるための段差を配置し、この段差の下流側に前記インペラを配置し、このインペラの下流側に前記精錬剤を添加する添加場所を定め、この添加場所の下流側に前記インペラで溶銑を攪拌した後に生成されたスラグを取り除く場所を定めており、
前記インペラの幅が式(1)を満たすように設定し、
前記段差が式(2)〜式(4)を満たすように設定し、
前記精錬剤を添加する添加場所が式(5)を満たすように設定し、
前記スラグを取り除く場所が式(6)を満たすように設定したうえで、溶銑を精錬することを特徴とする高炉鋳床の連続精錬方法。
0.3≦d/D<1 ・・・(1)
0<L/D≦1.5 ・・・(2)
H/Z≧1 ・・・(3)
θ≧30 ・・・(4)
0<M/D≦0.8 ・・・(5)
1.2≦R/D≦5 ・・・(6)
ただし、
d:インペラの幅(m)
D:溶銑流路の最大幅(m)
L:段差からインペラまでの距離(m)
H:段差の高さ(m)
Z:溶銑の深さ(m)
θ:段差の勾配(deg)
M:インペラの回転軸中心から添加場所までの距離(m)
R:インペラの回転軸中心からスラグを取り除く場所までの距離(m) - 高炉鋳床の溶銑流路内を流れる溶銑に精錬剤を添加し、1基のインペラを溶銑に浸漬して回転させることにより溶銑と精錬剤とを混合することで溶銑を連続的に精錬する高炉鋳床の連続精錬方法において、
前記溶銑流路内に溶銑を落下させるための段差を配置し、この段差の下流側に前記インペラを配置し、このインペラの下流側に前記精錬剤を添加する添加場所を定め、この添加場所の下流側に前記インペラで溶銑を攪拌した後に生成されたスラグを取り除く場所を定めており、
前記インペラの幅が式(1a)を満たすように設定し、
前記段差が式(2a)〜式(4a)を満たすように設定し、
前記精錬剤を添加する添加場所が式(5a)を満たすように設定し、
前記スラグを取り除く場所が式(6a)を満たすように設定したうえで、溶銑を精錬することを特徴とする高炉鋳床の連続精錬方法。
0.55≦d/D<1 ・・・(1a)
0<L/D≦1.0 ・・・(2a)
H/Z≧2.2 ・・・(3a)
θ≧45 ・・・(4a)
0<M/D≦0.66 ・・・(5a)
1.2≦R/D≦4.4 ・・・(6a)
ただし、
d:インペラの幅(m)
D:溶銑流路の最大幅(m)
L:段差からインペラまでの距離(m)
H:段差の高さ(m)
Z:溶銑の深さ(m)
θ:段差の勾配(deg)
M:インペラの回転軸中心から添加場所までの距離(m)
R:インペラの回転軸中心からスラグを取り除く場所までの距離(m)
Priority Applications (9)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006300638A JP5085094B2 (ja) | 2006-11-06 | 2006-11-06 | 高炉鋳床の連続精錬方法 |
CN2006800424445A CN101310028B (zh) | 2005-12-08 | 2006-12-08 | 连续精炼方法及连续精炼设备 |
PCT/JP2006/324512 WO2007066748A1 (ja) | 2005-12-08 | 2006-12-08 | 連続精錬方法および連続精錬設備 |
BRPI0620031-1A BRPI0620031A2 (pt) | 2005-12-08 | 2006-12-08 | método de refinamento contìnuo e mecanismo de refinamento contìnuo |
CN201210204848.7A CN102703636B (zh) | 2005-12-08 | 2006-12-08 | 连续精炼方法及连续精炼设备 |
CN201410350529.6A CN104073585B (zh) | 2005-12-08 | 2006-12-08 | 连续精炼方法及连续精炼设备 |
CN201410351304.2A CN104141026B (zh) | 2005-12-08 | 2006-12-08 | 连续精炼方法及连续精炼设备 |
KR1020087012545A KR101000652B1 (ko) | 2005-12-08 | 2006-12-08 | 고로주상의 연속 정련 방법 및 고로주상설비 |
AU2006323664A AU2006323664B2 (en) | 2005-12-08 | 2006-12-08 | Continuous refining method and continuous refining equipment |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006300638A JP5085094B2 (ja) | 2006-11-06 | 2006-11-06 | 高炉鋳床の連続精錬方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008115432A JP2008115432A (ja) | 2008-05-22 |
JP5085094B2 true JP5085094B2 (ja) | 2012-11-28 |
Family
ID=39501624
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006300638A Expired - Fee Related JP5085094B2 (ja) | 2005-12-08 | 2006-11-06 | 高炉鋳床の連続精錬方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5085094B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010049989A (ja) * | 2008-08-22 | 2010-03-04 | Fujikura Ltd | 面状発光装置 |
CN117431354B (zh) * | 2023-12-20 | 2024-03-15 | 江苏沙钢集团有限公司 | 一种高炉渣铁沟布置系统 |
Family Cites Families (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS54137420A (en) * | 1978-04-17 | 1979-10-25 | Nippon Steel Corp | Continuous silicon removal of molten pig iron |
JPS5757812A (en) * | 1980-09-26 | 1982-04-07 | Kawasaki Steel Corp | Molten iron desulfurizing device |
JPS62136511A (ja) * | 1985-12-06 | 1987-06-19 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 樋精錬方法 |
JPS63105914A (ja) * | 1986-10-23 | 1988-05-11 | Kawasaki Steel Corp | 溶銑の精錬処理方法 |
JPS63140021A (ja) * | 1986-12-03 | 1988-06-11 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 溶銑の予備処理方法 |
JPS63317611A (ja) * | 1987-06-19 | 1988-12-26 | Nippon Steel Corp | 鋳床溶銑予備処理装置 |
JPH0339411A (ja) * | 1989-07-06 | 1991-02-20 | Kawasaki Steel Corp | 溶銑の連続製錬方法 |
-
2006
- 2006-11-06 JP JP2006300638A patent/JP5085094B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2008115432A (ja) | 2008-05-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5651283B2 (ja) | 銅を転化するためのプロセス | |
JP2018066030A (ja) | 高清浄鋼の製造方法 | |
JP2016138307A (ja) | 高清浄鋼の製造方法 | |
JP5085094B2 (ja) | 高炉鋳床の連続精錬方法 | |
JP6686838B2 (ja) | 高清浄鋼の製造方法 | |
JP5453751B2 (ja) | 溶鋼精錬用取鍋及び溶鋼の精錬方法 | |
JP2015218390A (ja) | 機械式攪拌とガス攪拌とを併用した溶銑の脱硫方法 | |
KR101000652B1 (ko) | 고로주상의 연속 정련 방법 및 고로주상설비 | |
JP5085095B2 (ja) | 高炉鋳床設備 | |
JP5078319B2 (ja) | 連続精錬方法 | |
JP5085096B2 (ja) | 高炉鋳床の連続精錬方法及び高炉鋳床設備 | |
KR101423604B1 (ko) | 용탕 처리 장치 및 그 처리 방법 | |
JP3996622B2 (ja) | 連続脱珪方法 | |
JP5433941B2 (ja) | 高清浄度軸受鋼の溶製方法 | |
JP4839658B2 (ja) | 軸受鋼の精錬方法 | |
JP6416634B2 (ja) | 溶銑鍋における脱珪および脱硫方法 | |
JP2014177674A (ja) | 精錬用攪拌体及び溶融鉄の精錬方法 | |
JP6337681B2 (ja) | 溶鋼の減圧精錬方法 | |
JP6954246B2 (ja) | 溶銑の脱硫処理方法 | |
JP4333343B2 (ja) | 溶銑脱珪傾注樋およびそれを用いた溶銑脱珪処理方法 | |
JP5078318B2 (ja) | 高炉鋳床の連続精錬方法 | |
JP6052436B2 (ja) | 脱硫処理後の溶銑の復硫防止方法 | |
JP2005146335A (ja) | 溶銑の脱りん方法 | |
JP6289204B2 (ja) | 溶銑鍋における脱珪および脱硫方法 | |
JPH059552A (ja) | 上吹きランス方式の取鍋精錬装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20080926 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20111108 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120107 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20120904 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20120905 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150914 Year of fee payment: 3 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |