JP5078319B2 - 連続精錬方法 - Google Patents

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  • Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)

Description

本発明は、溶銑を連続的に精錬する連続精錬方法に関する。
高炉で還元されて出銑された溶銑は、通常0.3〜0.7%程度の珪素[Si]の他に、4.3〜4.6%程度の炭素[C],0.09〜0.13%程度のりん[P]を含んでいる。この溶銑を精錬して所定の鋼とするには、炭素[C]やりん[P]を所定濃度まで低減する必要があるが精錬効率の観点から脱炭,脱りんに先立って珪素[Si]や硫黄[S]を極力低濃度(例えば、珪素[Si]0.25%)まで除去しておくことが望ましい。そこで、従来から、高炉から出銑した溶銑に対して脱珪,脱硫等の予備処理が行われている(例えば、特許文献1,特許文献2)。
特許文献1には脱硫処理の方法が開示されており、取鍋内に収容された溶銑に脱硫剤を添加し、当該溶銑にインペラ(攪拌羽根)を浸漬してインペラを回転させることにより、脱硫を行う方法である。
一方で、特許文献2には脱珪処理の方法が開示されており、高炉鋳床の溶銑流路に脱珪反応槽を設けて、脱珪搬送槽内の溶銑中に脱珪剤を添加して当該溶銑をインペラで攪拌することにより脱珪を行う方法である。
特公昭45−31053号 特開昭54−137420号
上述したように脱硫処理及び脱珪処理では、両処理ともに溶銑をインペラで攪拌して処理を行う方法であるが、脱硫処理では取鍋に溶銑を収容した状態で溶銑を攪拌するのに対し、脱珪処理においては、脱硫処理とは異なり、高炉鋳床の溶銑流路を連続的に流れる溶銑を攪拌している。
したがって、特許文献1の脱硫処理のように、滞留している溶銑を満遍なく攪拌して脱硫処理を行うことは比較的容易であるが、特許文献2のように、連続的に流れる溶銑を満遍なくインペラで攪拌して脱珪処理や脱硫処理を行うことは未だ難しく、精錬効率が低下すると共に、バラツキ無く安定的に脱珪や脱硫を行うことができないという問題が現場から挙がってきている。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、精錬効率が向上すると共に、バラツキ無く安定的に脱珪や脱硫を行うことができる連続精錬方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は、次の手段を講じた。
即ち、本発明における課題解決のための技術的手段は、高炉鋳床の溶銑流路内を流れる溶銑に精錬剤を添加し、インペラを溶銑に浸漬して回転させることにより溶銑と精錬剤とを混合することで溶銑を連続的に精錬する連続精錬方法おいて、前記溶銑に浸漬して回転させる前記インペラの羽根を側面視で長方形状又は台形状とすると共に、式(1),式(1)’を満たすような形状とし、且つ前記羽根の枚数を3〜6枚にして、前記溶銑流路の直径又は幅に対する羽根の幅を式(2)を満たすようにしておくと共に、当該インペラを、式(3),式(4)を満たすように溶銑に浸漬する点にある。
b0≧b1 ・・・(1)
0.37≦b1/Z≦0.72 ・・・(1)’
0.2≦d/D≦0.8 ・・・(2)
0<h1/Z≦0.4 ・・・(3)
0<h2/Z≦0.4 ・・・(4)
ただし、
b0:羽根の基部の高さ(m)
b1:羽根の先端部の高さ(m)
d:羽根の幅(m)
D:溶銑流路の最大幅(m)
Z:溶銑流路内に流れる溶銑の最大深さ(m)
h1:羽根基部の上端から溶銑上面までの距離(m)
h2:羽根基部の下端から溶銑流路の底部の最深部までの距離(m)
発明者は、高炉鋳床の溶銑流路を流れる溶銑を満遍なく攪拌することで、脱珪処理又は脱硫処理時に精錬効率が向上すると共に、バラツキ無く安定的に脱珪又は脱硫を行う方法について様々な角度から検証した。
具体的には、インペラの枚数及び羽根の幅を変更した複数のインペラを製作し、当該インペラを用いて、溶銑に対するインペラの浸漬度合い(羽根基部の上端から溶銑上面までの距離h1,羽根基部の下端から溶銑流路の底部の最深部までの距離を変更しながら、脱珪処理又は脱硫処理の実験を行った。
実験の結果、前記溶銑に浸漬して回転させる前記インペラの羽根の枚数を3〜6枚し、且つ当該羽根を式(1),式(2)を満たすようにしておくと共に、当該インペラを、式(3),式(4)を満たすようにすることで、溶銑流路を連続的に流れる場合であっても精錬効率が向上し且つバラツキ無く安定的に脱珪又は脱硫を行うことができることを見出した。
本発明によれば、精錬効率が向上すると共に、バラツキ無く安定的に脱珪又は脱硫を行うことができる。
本発明の連続精錬方法を適用する高炉設備の一例について説明する。ただし、本発明の連続精錬方法はこの設備のみに適用されるものではない。
まず、以下の実施の形態では、溶銑を精錬する精錬剤の1つとして脱珪剤を用いた脱珪処理について説明するが、脱硫剤を用いた場合でも同様である。即ち、本発明は溶銑中に精錬剤を効率的に巻き込ませ、精錬剤と溶銑との反応界面積を大きくすることで反応速度を向上させるための最適な手段を示したものであり、脱珪処理と同様に脱硫処理であっても、精錬剤の種類や組成に依存せず精錬特性が高いことは同じである。
図1〜3に示すように、高炉の周りには高炉鋳床1が設けられており、この高炉鋳床1は高炉2から出銑された溶銑が流れる出銑樋4(溶銑流路)を有している。
前記出銑樋4の中途部には排滓樋5が分岐形成されており、出銑樋4の分岐部分の下流近傍には、排滓樋5に溶銑のスラグ6が流れるように案内する潜り堰7が設けられている。
また、出銑樋4の分岐部分よりも下流側には、平面視略円形状の円形樋8が設けられている。出銑樋4には複数のインペラ10が配置されている。詳しくは、円形樋8を流れる溶銑を攪拌するインペラ10a(攪拌羽根)が配置されるか、又は、前記分岐部分と円形樋8との間に他のインペラ10bが配置されている。インペラ10a又はインペラ10bの近傍に精錬剤11を添加する添加装置12が設けられている。
したがって、高炉2から出銑した溶銑は出銑樋4を上流から下流に向かって流れ、溶銑上のスラグ6は潜り堰7で堰止められて排滓樋5に流れると共に、溶銑自体は円形樋8に
向かって流れることとなる。そして、添加装置12で精錬剤11を溶銑に添加しつつ溶銑に浸漬させたインペラ10a又はインペラ10bを回転させることによって連続的に流れる溶銑の脱珪処理を行うことができる。
図4に示すように、出銑樋4は、底壁20と、この底壁20から立ち上がる側壁21とを有し、側壁21が底壁20の両端部から上方にいくにしたがって徐々に外側に移行するような断面台形状となっている。底壁20及び側壁21は、不定形の耐火物を流し込むことで形成されている。
次に、連続精錬方法で使用するインペラの構造について詳しく説明する。
図3,4に示すように、インペラ10a又はインペラ10bは耐火物などで構成されており、筒状又は棒状の回転軸15と、回転軸15の先端に設けられた複数の羽根16とを有している。各羽根16は回転軸15の先端から径外方向に突出した略矩形状のものである。各羽根16の基部(回転軸15との接合部)の高さb0は、羽根16の先端部(突出先端部)の高さb1よりも大きくなるように設定されている。
即ち、インペラ10a又はインペラ10bの各羽根16の高さb0,b1は式(1)を満たすように設定されている。
b0≧b1 ・・・(1)
言い換えれば、図5(a)〜(c)に示すように、羽根16の先端部の縦壁17と羽根16の横壁18との角度θが90°以上となるように、インペラ10a又はインペラ10bの羽根16は構成されている。インペラ10a又はインペラ10bの羽根部16の形状は、図5に示すように、側面視で長方形状であっても、台形状であっても、円弧状(先端部の面取り状)であってもよい。
インペラ10a又はインペラ10bの枚数は3〜6枚に設定されている。具体的には、この実施例では、図1〜5及び図6(a)に示すように、羽根16の枚数は4枚とされている。各羽根16はその枚数に対応して回転軸15に対し均等な角度で回転軸15に取り付けられている。羽根16の枚数が4枚であるときは、各羽根16間の配置角度が略90°となるように各羽根16は回転軸15に取り付けられている。
なお、図6(b)に示すように、羽根16の枚数が3枚であるときは、各羽根16間の配置角度が略120°となるように各羽根16は回転軸15に取り付けられている。
図6(c)に示すように、羽根16の枚数が6枚であるときは、各羽根16間の配置角度が略60°となるように各羽根16は回転軸15に取り付けられている。
さて、図4に示すように、羽根16の幅dを、最も離れている2枚の羽根16に着目し、それぞれの突出長さ(羽根16の基部から羽根16の先端部までの長さ)を合計したもの、言い換えれば、基準となる1つの羽根16の突出長さd1と、この羽根16より最も離れている他の羽根16の突出長さd2との合計としたとき、当該羽根16の幅dは式(2)を満たすように設定される。
0.2≦d/D≦0.8 ・・・(2)
ただし、
D:溶銑流路の最大幅(m)
具体的には、図6(a)に示すように、羽根16の枚数が4枚であるときは、第1の羽根16aの突出長さd1と第2の羽根16bの突出長さd2との合計が羽根16の幅dとされる。
図6(b)に示すように、羽根16の枚数が3枚であるときは、第1の羽根16aの突出長さd1と第2の羽根16cの突出長さd2との合計が羽根16の幅dとされる。
図6(c)に示すように、羽根16の枚数が6枚であるときは、例えば、第1の羽根16aの突出長さd1と、第4の羽根16dの突出長さd2との合計が羽根16の幅dとさ
れる。ゆえに、インペラ10a又はインペラ10bの羽根16の幅dは当該インペラ10の配置場所に応じて変更されるようになっている。
式(2)の溶銑流路の最大幅Dは、出銑樋4に溶銑を流した際に、溶銑と出銑樋4(出銑樋4の側壁21)とが接触している接触部分における当該出銑樋4の最大幅である。言い換えれば、溶銑流路の最大幅Dは、出銑樋4に溶銑を通過させた際、出銑樋4内を流れる溶銑の最大幅である。図4に示すように、出銑樋4の形状が断面視で、台形状であるときには、出銑樋4を流れる溶銑の湯面幅が溶銑流路の最大幅Dとなる。
なお、式(2)において、溶銑流路の最大幅Dを採用する場合、出銑樋4の直線部分に配置されるインペラ10bに対しては、当該インペラ10bを浸漬した場所(攪拌場所)の近傍におけるものを採用し、円形樋8に配置されるインペラ10aに対しては、当該インペラ10aを浸漬した場所(攪拌場所)の近傍におけるものが採用する。
インペラの構成は以上であるが、このように構成したインペラを下記のように用いることによって効率的な連続脱珪処理を行うことができる。以下、連続精錬方法ついて説明する。
まず、高炉2の出銑口から出銑樋4に溶銑を出銑した際、出銑樋4を流れる溶銑に添加装置12を用いて精錬剤11を添加する。このとき、上記のように構成したインペラ10a,10bを式(3),式(4)を満たすように溶銑内に浸漬して回転させ、溶銑と精錬剤とを混合する。
0<h1/Z≦0.4 ・・・(3)
0<h2/Z≦0.4 ・・・(4)
ただし、
Z:溶銑流路内に流れる溶銑の最大深さ(m)
h1:羽根基部の上端から溶銑上面までの距離(m)
h2:羽根基部の下端から溶銑流路の底部の最深部までの距離(m)
なお、インペラ10を溶銑に浸漬した際、h1/Z+h2/Z+b0/Z=1.0の関係式を満たしており、この式と式(3)及び式(4)とを満たすように、羽根16の高さb1を設定するようにしている。
さらに、インペラの羽根の形状を、式(1)’を満たすようなものとしている。
0.37≦b1/Z≦0.72 ・・・(1)’
ただし、
b1:羽根の先端部の高さ(m)
Z:溶銑流路内に流れる溶銑の最大深さ(m)
脱珪処理が終了した溶銑は、下流に流れて溶銑を運搬する混銑車(トピートカー)に装入される。
このようにすることで、脱珪効率が向上すると共に、バラツキ無く安定的に脱珪を行うことができる。
以下、羽根16の枚数が3〜6枚で且つ式(1),式(2)を満たすようにインペラ10を製作し、当該インペラ10を用いて脱珪処理を行った実施例と、式(1),式(2)を満たさないインペラ10を製作し、当該インペラ10を用いて脱珪処理を行った比較例とを例示して説明する。なお、実施条件は表1の通りである。
Figure 0005078319
溶銑中の珪素[Si]は、脱珪剤11中の酸素[O]と反応して、Si+2O=SiOの反応式にしたがって(SiO)として溶銑から除去される。溶銑へ添加された脱珪剤11が効率的に脱珪反応に寄与したかを表す指標として、式(5)に示される脱珪酸素効率を用いた。
脱珪酸素効率は、脱珪剤11中の酸素分に対して溶銑中のSiの酸化に使用された酸素分の割合を示したものである。
Figure 0005078319
表2,図7〜10は複数のインペラ10を用いて脱珪処理を行った際の脱珪酸素効率についてまとめたものである。以下、表2,図7〜10に示した結果について説明をする。
なお、表2の攪拌位置の欄での「樋」とは出銑樋4の直線部分であることを示し、「円形反応樋」とは円形樋8であることを示している。
実際の操業においては、溶銑通過速度と脱珪剤の投入速度との制約から投入できる脱珪剤の最大原単位は60kg/tonであり、脱珪酸素効率が60%未満の場合、出銑時の最大珪素[Si]が約0.7mass%と高濃度のときには、過半量の処理後の珪素[Si]
が0.25mass%を超えることになってしまう。ゆえに、脱珪酸素効率を60%以上確保
する必要がある。
Figure 0005078319
[インペラの羽根の枚数について]
表2や図7に示すように、羽根16の枚数が3枚未満であり羽根16の枚数が少ないと、脱珪酸素効率が60%未満となった(比較例12,13)。これは羽根16の枚数が少ないのでインペラ10を回転させたときに脱珪剤11を溶銑に巻き込ませる能力(攪拌能力)が低くなったことが原因と考えられる。
一方で、羽根16の枚数を6枚よりも多くすると脱珪酸素効率が60%未満となった(比較例14)。これは、羽根16の枚数が多すぎるため、インペラ10を回転させたときに脱珪反応で生じるスラグ6が羽根16に付着し易くなってスラグ6が当該羽根16にまとわり着いて団子状に固まってしまうことが原因と考えられる。団子状のスラグ6が付着したままインペラ10を回転しても攪拌力は弱く、そのため反応効率が悪くなる。
したがって、羽根16の枚数は、攪拌能力を高くできると共に、スラグ6がまとわりつき難い3枚〜6枚にするのがよく、このようにすることで、脱珪酸素効率を60%以上にすることができた。
[羽根の幅と溶銑流路の最大幅の関係について]
表2や図8に示すように、羽根16の幅と溶銑流路の最大幅との関係がd/D<0.2であるとき、脱珪酸素効率が60%未満となった(比較例19,20)。
これはインペラ10を浸漬したときに溶銑流路の最大幅に対してインペラ10の浸漬幅(幅d)が小さいことを意味しており、インペラ10を回転させても、インペラ10の近傍を流れる一部の溶銑にしか攪拌力を与えることができず、インペラ10から離れて流れる溶銑に対して十分な攪拌力を与えることができないことが原因と考えられる。
即ち、出銑樋4を形成する側壁4a側を流れる溶銑はインペラ10の羽根16から離れた所を通過するため、あまり攪拌されることがない。攪拌力を十分に与えられていない溶銑は、そのまま上流から下流に向けて流れてしまい脱珪剤11との混合が十分に行われない。
一方で、羽根16の幅と溶銑流路の最大幅との関係がd/D>0.8であるとき、脱珪酸素効率が60%未満となった(比較例15,16)。
これは、インペラ10を浸漬したときに溶銑流路の最大幅に対してインペラ10の浸漬幅(幅d)が大きすぎることを意味しており、インペラ10を回転させても脱珪剤11を当該溶銑内に引き込ませるための渦を溶銑の表面に発生させることができず、反対に反応効率が悪くなった。
したがって、羽根16の幅と溶銑流路の最大幅との関係は、溶銑流路の直径又は幅に対して羽根16の幅dが大き過ぎず小さ過ぎない式(2)のようにするのがよく、このようにすることで、脱珪酸素効率を60%以上にすることができた。
[溶銑の最大深さと、羽根の基部の上端から溶銑上面までの距離について]
表2や図9に示すように、羽根16の基部の上端が溶銑上面と面一になっている、即ち、溶銑の最大深さと羽根16の基部の上端から溶銑上面までの距離との関係がh1/Z=0であるとき、脱珪酸素効率が60%未満となった(比較例14,15,21)。
これはインペラ10を回転させても、羽根16の基部の上端が溶銑の上面(浴面)、即ち、脱珪剤11と溶銑の浴面との界面を回転しているだけになり、脱珪剤11を十分に溶銑内に巻き込ませることができないことが原因と考えられる。
一方で、溶銑の最大深さと羽根16の基部の上端から溶銑上面までの距離との関係がh1/Z>0.4であるとき、脱珪酸素効率が60%未満となった(比較例20)。
これは溶銑に対してインペラ10の羽根16を深く沈めてインペラ10を回転させても、インペラ10の近傍を流れる一部の溶銑にしか攪拌力を与えることができず、羽根16の上方を流れる溶銑に対しては十分な攪拌力を与えることができないことが原因と考えら
れる。羽根16の上方を流れる溶銑は、そのまま上流から下流に向けて流れてしまい脱珪剤11との混合が十分に行われることがない。
したがって、溶銑の最大深さと羽根16の基部の上端から溶銑上面までの距離との関係は、インペラ10が溶銑に対して浮き過ぎず沈み過ぎない式(3)のようにするのがよく、このようにすることで、脱珪酸素効率を60%以上にすることができた。
[溶銑の最大深さと、羽根の基部の下端から溶銑流路の底部の最深部までの距離について]
表2や図10に示すように、羽根16の先端の下端が溶銑流路の底部の最深部に接触している状態になっている。即ち、h2/Z=0のときは、溶銑流路の底部の最深部と羽根16とが接触して操業自体が成り立たない。
一方で、インペラ10の羽根16を溶銑流路の底部の最深部から離し、溶銑の最大深さと羽根16の先端の下端から溶銑流路の底部の最深部までの距離との関係を、h2/Z>0.4にしたとき脱珪酸素効率が60%未満となった(比較例13,21,22)。
これは溶銑に対してインペラ10の羽根16をあまり沈めていないために、インペラ10の近傍を流れる一部の溶銑にしか攪拌力を与えることができず、羽根16の下方を流れる溶銑に対しては十分な攪拌力を与えることができないことが原因と考えられる。羽根16の下方を流れる溶銑は、そのまま上流から下流に向けて流れてしまい脱珪剤11との混合が十分に行われることがない。
したがって、溶銑の最大深さと羽根16の先端の下端から溶銑流路の底部の最深部までの距離との関係は、インペラ10が溶銑に対して浮き過ぎず沈み過ぎない式(4)のようにするのがよく、このようにすることで、脱珪酸素効率を60%以上にすることができた。
以上、インペラ10の羽根16の枚数を3〜6枚にすると共に、羽根を式(1),式(2)を満たすようにし、このインペラ10を、脱珪処理を行う際に、式(3),式(4)を満たすように溶銑に浸漬して回転させることによって、脱珪効率が向上すると共に、バラツキ無く安定的に脱珪を行うことができる。
脱珪処理と同様に当該インペラを用いて脱硫処理を行った実施例について説明する。なお実施条件は表3のとおりである。また表4に実施結果を示す。
Figure 0005078319
Figure 0005078319
溶銑へ添加された脱硫剤(精錬剤)が効率的に脱硫反応に寄与したかを表す指標として、式(6)に示される脱硫効率を用いた。
Figure 0005078319
脱珪処理と同様に脱硫処理においても、インペラの羽根の枚数、および式(1)〜(4)を満たせば、脱硫効率が向上することが分かる。
脱硫効率が50%未満の場合、さらに追加の脱硫工程が必要となる場合があり、生産性低下や熱ロスを招くため、操業上好ましくない。したがって、脱硫効率は50%以上確保する必要がある。
本発明は、上記の実施形態に限定されない。上記の実施形態では1つのインペラ10で溶銑を攪拌して脱珪処理又は脱硫処理を行っているが、インペラ10は樋4(出銑樋4の直線部分)或いは円形樋8内に複数設けても良い。
上記の実施の形態では、出銑樋4が断面視で台形状の場合について説明したが、図11に示すように、溶銑の流動に伴う浸食によって出銑樋4が断面視で略円弧状に変化しても本発明に示した条件を採用しても何ら問題がない。
本発明は、高炉から出銑した溶銑を連続的に精錬する方法に利用することができる。
図1は、高炉設備における高炉鋳床の概略平面図である。 図2は、高炉鋳床の概略側面図である。 図3は、溶銑供給路及びインペラの斜視図である。 図4は、インペラの浸漬状態を示す浸漬図である。 図5は、インペラの羽根の概略形状図である。 図6は、羽根の配置を説明する配置図である。 図7は、羽根の枚数と脱珪酸素効率との関係をまとめた図である。 図8は、d/Dと脱珪酸素効率との関係をまとめた図である。 図9は、h1/Zと脱珪酸素効率との関係をまとめた図である。 図10は、h2/Zと脱珪酸素効率との関係をまとめた図である。 図11は、他の出銑樋にインペラを浸漬したときの概略断面図である。
符号の説明
1 高炉鋳床
2 高炉
4 出銑樋
5 排滓樋
8 反応槽
10 インペラ
12 添加装置

Claims (1)

  1. 高炉鋳床の溶銑流路内を流れる溶銑に精錬剤を添加し、インペラを溶銑に浸漬して回転させることにより溶銑と精錬剤とを混合することで溶銑を連続的に精錬する連続精錬方法おいて、
    前記溶銑に浸漬して回転させる前記インペラの羽根を側面視で長方形状又は台形状とすると共に、式(1),式(1)’を満たすような形状とし、且つ前記羽根の枚数を3〜6枚にして、
    前記溶銑流路の直径又は幅に対する羽根の幅を式(2)を満たすようにしておくと共に、当該インペラを、式(3),式(4)を満たすように溶銑に浸漬することを特徴とする連続精錬方法。
    b0≧b1 ・・・(1)
    0.37≦b1/Z≦0.72 ・・・(1)’
    0.2≦d/D≦0.8 ・・・(2)
    0<h1/Z≦0.4 ・・・(3)
    0<h2/Z≦0.4 ・・・(4)
    ただし、
    b0:羽根の基部の高さ(m)
    b1:羽根の先端部の高さ(m)
    d:羽根の幅(m)
    D:溶銑流路の最大幅(m)
    Z:溶銑流路内に流れる溶銑の最大深さ(m)
    h1:羽根基部の上端から溶銑上面までの距離(m)
    h2:羽根基部の下端から溶銑流路の底部の最深部までの距離(m)
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