JP5083219B2 - 変倍光学系、撮像装置及びデジタル機器 - Google Patents

変倍光学系、撮像装置及びデジタル機器 Download PDF

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Description

本発明は、複数のレンズ群からなり、光軸方向にレンズ群の間隔を変えることで変倍を行う変倍光学系、その変倍光学系を備える撮像装置及びその撮像装置を搭載したデジタル機器に関し、特に超小型化に適した変倍光学系に関するものである。
近年、携帯電話機や携帯情報端末(PDA:PERSONAL DIGITAL ASSISTANT)の普及が目覚しく、これらの機器に、コンパクトなデジタルスチルカメラユニットやデジタルビデオユニットが内蔵される仕様が一般化してきている。これらの機器では、サイズやコストの制約が非常に厳しいことから、通常のデジタルスチルカメラ等に比べて低画素数で小型の撮像素子と、プラスチックレンズ1〜3枚程度からなる単焦点光学系とを備えた撮像装置が一般的に用いられている。携帯情報端末に搭載される撮像装置も高画素化・高機能化が急速に進んでいる中で、高画素撮像素子に対応でき、且つ撮影者から離れた被写体をも撮影可能とする、携帯電話機等に搭載できるコンパクトな変倍光学系が要求されている。
従来、例えば特許文献1には、負正負3成分の変倍光学系において、第1レンズ群を固定とすることで小型化を図った変倍光学系が開示されている。しかし、提案されている光学系は、第1レンズ群内のパワー配置や、第2レンズ群の硝材が最適化されていないため、非点収差や色収差の補正が不十分となっている。
また、特許文献2には、負正負正4成分の変倍光学系において、光軸を直角に折り曲げて光学ユニットの薄型化を図るようにした所謂屈曲光学系と呼ばれる変倍光学系が開示されている。しかし、光学的パワーを有するプリズムを含んでいるため、コスト高となる上、薄型化は図っているものの、光学全長としては非常に長いため、ユニット体積の観点からは小型化が不十分である。
さらに、特許文献3には、負正負正4成分の変倍光学系において、4つのレンズ群を全て可動とすることにより、広画角化とバックフォーカスとを両立させた変倍光学系が開示されている。しかし、可動群が多くなり、また球面収差や非点収差の補正が不十分であるため、より一層の変倍光学系の小型化は困難である。
特開2005−55725号公報 特開2004−205796号公報 特開2001−116992号公報
従来提案されている変倍光学系は、レンズ枚数や変倍群の多さ、或いは変倍移動量の大きさから、ユニット体積としてのコンパクト化が十分に図られていない。また、変倍光学系の更なるコンパクト化を達成しようとすると、収差補正が不十分となる課題があった。
本発明はこのような技術的課題に鑑みてなされたものであり、変倍光学系の超コンパクト化を達成しつつ、色収差・非点収差等の諸収差を十分に補正することができる変倍光学系、撮像装置及びデジタル機器を提供することを目的とする。
本発明は、上記技術的課題を解決するために、以下のような構成を有する変倍光学系、撮像装置及びデジタル機器を提供するものである。なお、以下の説明において使用されている用語は、本明細書においては次の通り定義されているものとする。
(a)屈折率は、d線の波長(587.56nm)に対する屈折率である。
(b)アッベ数は、d線、F線(486.13nm)、C線(656.28nm)に対する屈折率を各々nd、nF、nC、アッベ数をνdとした場合に、
νd=(nd−1)/(nF−nC)
の定義式で求められるアッベ数νdをいうものとする。
(c)面形状に関する表記は、近軸曲率に基づいた表記である。
(d)光学的パワーの表記において、接合レンズを構成している各単レンズについては、該単レンズのレンズ面の両側が空気であるとした場合の光学的パワーをいうものとする。(e)非球面サグ(sag)量とは、レンズの面頂点と最大有効半径に対する非球面曲線上の点との間の光軸方向の距離と、近軸曲率に基づく球面サグ量との差分を表すパラメータである。
(f)複合型非球面レンズ(基板となる球面ガラス材料の上に薄い樹脂材料を塗布して非球面形状としたレンズ)に用いる樹脂材料は、基板ガラス材料の付加的機能しかないため、単独の光学部材としては取扱わず、基板ガラス材料が非球面を有する場合と同等の扱いとし、レンズ枚数も1枚と考える。その際、レンズ屈折率も、基板となっているガラス材料の屈折率を用いるものとする。
(g)屈曲光学系の場合は、プリズムをレンズ枚数として数える。
(h)レンズについて、「凹」、「凸」又は「メニスカス」という表記を用いた場合、これらは光軸近傍(レンズの中心付近)でのレンズ形状を表しているもの(近軸曲率に基づいた表記)とする。
1.物体側から順に、負の光学的パワーを有する第1レンズ群と、正の光学的パワーを有する第2レンズ群と、負の光学的パワーを有する第3レンズ群と、正の光学的パワーを有する第4レンズ群とからなり、広角端から望遠端への変倍時に前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間隔が狭くなる変倍光学系において、前記第2レンズ群内に少なくとも1面の非球面が具備され、且つ、下記(1)〜(3)の条件式を満たし、前記第1レンズ群は、正の光学的パワーを有する物体側に凸のメニスカスレンズを有し、前記メニスカスレンズは、下記(5)の条件式を満たし、前記第1レンズ群は、広角端から望遠端への変倍時に固定であって、下記(9)の条件式を満たし、4つのレンズ群で構成されることを特徴とする変倍光学系。
0.2<T1/(fw×ft)1/2<1.2 ・・・(1)
ΔN2>0.15 ・・・(2)
Δν2>20 ・・・(3)
N1p≧1.8 ・・・(5)
0.1<h1/TLw ・・・(9)
但し、T1:前記第1レンズ群のレンズ最前面から前記第1レンズ群のレンズ最後
面までの光軸上厚み
fw:広角端での全光学系の合成焦点距離
ft:望遠端での全光学系の合成焦点距離
ΔN2:前記第2レンズ群内のレンズについて、正レンズの屈折率平均値と
負レンズの屈折率平均値の差
Δν2:前記第2レンズ群内のレンズについて、正レンズのアッベ数平均値
と負レンズのアッベ数平均値の差
N1p:前記メニスカスレンズの屈折率
h1:最も物体側レンズ面の広角端での有効光路半径
TLw:物体距離無限時における、広角端での最も物体側レンズ面の面頂点から像面までの光軸上距離
この構成によれば、最も物体側に位置する第1レンズ群が負の光学的パワーを持った、いわゆる負リードの光学系とされている。このため、物体側から大きな角度で入射してくる光線を、第1レンズ群の負の光学的パワーによりいち早く緩めることができ、光学全長や前玉径のサイズのコンパクト化を図る点で有利となる。さらに、負リードの構成では光学系のコンパクト化を図った場合でも、誤差感度の上昇を抑制し得る。これらの点は、変倍比が2〜4倍程度のズームレンズにおいて特に顕著となる。また、負正負正4成分とすることで、変倍移動量の短縮による変倍光学系ユニットのコンパクト化、テレセントリック性の確保、球面収差・色収差・非点収差の良好な補正が可能となる。さらに、第2レンズ群内に少なくとも1面の非球面が具備されているので、第2レンズ群の光学的パワーの増加に伴って増大する球面収差を補正することができる。
さらに、コンパクト化や光学性能に鑑みて上記条件式(1)〜(4)を満たすことを要件としている。条件式(1)の上限を上回ると、光学全長をコンパクトに維持しようとする場合、第2レンズ群の実質的な変倍移動量が小さくなる。このため、第2レンズ群の光学的パワーが強くなり、レンズの曲率半径を小さくせざるを得ないため製造難易度が高くなる。一方、条件式(1)の下限を下回ると、第1レンズ群内の負レンズの光学的パワーが弱くなって後側主点が像面から遠ざかる。このため、同じ焦点距離を維持しようとすると、相対的にバックフォーカスの確保が困難となり、また射出瞳を像面から遠ざけることが困難となる傾向が顕著となる。ΔN2が条件式(2)の下限を下回ると、ペッツバール和の増加に伴う非点収差が顕著となる。Δν2が条件式(3)の下限を下回ると、軸上色収差の補正が不十分となる。N1pが条件式(5)の下限を下回ると、第1レンズ群の厚みが厚くなりすぎ、コンパクトサイズを維持しようとすると第2レンズ群の誤差感度が増加するため、調整が必要となって生産コストの上昇を招来する。
第1レンズ群に、物体側に凸の正メニスカスレンズを具備させることで、非点収差が良好に補正されるようになる。また、条件式(5)の下限を下回ると、当該正メニスカスレンズの像側面の曲率半径が小さくなり、実効的な第1レンズ群と第2レンズ群との間隔が狭くなる。このため、レンズ鏡筒が干渉し易くなり、結果として変倍光学系のサイズアップに繋がる傾向がある。
第1レンズ群が固定とされているので、レンズ群の駆動装置の負荷を大幅に低減することが可能となる。また、第1レンズ群を変倍時に可動とする場合には、第1レンズ群の外側に駆動装置を配置しなければならず、このことは外径方向のサイズアップを招来する。従って、第1レンズ群を固定とすることで、外径方向の小型化に対して非常に有効である。また、条件式(9)を満たすことで、第1レンズ群の光学性能の適正化を図ることができる。h1/TLwが条件式(9)の下限を下回ると、第1レンズ群の光学的パワーが強くなりすぎ、偏芯誤差感度が高くなる。このため、組立時に調整を行う必要が生じ、製造コストのアップに繋がる
変倍光学系の超小型化を図る場合、レンズは製造限界の都合上、一定のスペースを必ず占有するため、レンズユニットの全空間に対するレンズの空間占有比率が相対的に高くなる。そのため、製造難度よりレンズ単品の精度向上を優先させてでも、レンズ群数やレンズ枚数を極力減らす必要がある。従って、4成分の変倍光学系とすることで、超小型化に有利な構成とすることができる。特に、負正負正4成分とすることで、他のズームタイプよりもコンパクト化と高性能化とのバランス、すなわちコンパクト化とフォーカス性能、製造誤差感度、像面入射角のテレセントリック性とのバランスを最適なものとすることができる。
.前記第2レンズ群が、下記(6)の条件式を満たすことを特徴とする1に記載の変倍光学系。
0.6<f2/fw<2.0 ・・・(6)
但し、f2:前記第2レンズ群の合成焦点距離
上記条件式(6)を満たす変倍光学系によれば、光学性能や製造難易度の面で一層優れた変倍光学系とすることができる。f2/fwが条件式(6)の上限を上回ると、第2レンズ群の光学的パワーが弱すぎ、変倍光学系のコンパクト性を維持した状態で2〜4倍程度の変倍比を得ることが困難となる。一方、条件式(6)の下限を下回ると、第2レンズ群の偏芯誤差感度が非常に高くなり、製造難易度が高くなる。
.前記第2レンズ群は、少なくとも2枚の正レンズと、少なくとも1枚の負レンズとから構成されることを特徴とする1又は2に記載の変倍光学系。
この構成によれば、第2レンズ群が正負のレンズを含んでいるので、第2レンズ群で軸上色収差及び球面収差の補正を行わせることができる。また、コンパクト化を追及すると、変倍群の移動量を抑えるために第2レンズ群内の正レンズの光学的パワーを増加させる必要があるが、正レンズを2枚有する構成とすることで、その光学的パワーを分散させることができる。これにより、正レンズの誤差感度を低減することができる。
.前記第2レンズ群は、物体側から順に、正レンズ、負レンズ、正レンズの3枚で構成されていることを特徴とする3に記載の変倍光学系。
この構成によれば、物体側から正負正の順でレンズを配置することで、第2レンズ群内でレンズ調整を行う場合の誤差感度を、最適にバランスさせることができる。
.無限遠物体から近距離物体へのフォーカシングが、前記第3レンズ群を像側に移動させることによって行われ、下記(7)の条件式を満たすことを特徴とする1から4のいずれかに記載の変倍光学系。
1.5<|f3/fw|<6.0 ・・・(7)
但し、f3:前記第3レンズ群の合成焦点距離
第3レンズ群でフォーカシングすることで、繰り出しによる光学全長の増加や前玉レンズ径の増大を招くことなく、近距離物体まで鮮明な画像を得ることができる。また、条件式(7)を満たすことで、第3レンズ群の光学性能や製造難易度の面で一層優れた変倍光学系とすることができる。f3/fwが条件式(7)の上限を上回ると、第3レンズ群のフォーカス移動量が大きくなる。このため、コンパクト性を維持しようとした時に、変倍レンズ群の移動量が制約されることになり、所望の変倍比を得ることが難しくなる。一方、条件式(7)の下限を下回ると、第3レンズ群の光学的パワーが強くなりすぎ、偏芯誤差感度が高くなって、レンズの組立が困難となる。
.前記第3レンズ群が、広角端から望遠端への変倍時に、物体側に凸形状の軌跡を描くように移動するものであって、下記(8)の条件式を満たすことを特徴とする1から5のいずれかに記載の変倍光学系。
|D3/(fw×ft)1/2|<1.5 ・・・(8)
但し、D3:広角端から望遠端への変倍時における前記第3レンズ群の移動量
第3レンズ群を、広角端から望遠端への変倍時において、物体側に凸形状の軌跡を描くように移動させることで、第3レンズ群の変倍負担を軽減できる。そして、条件式(8)を満たすことで、第3レンズ群の偏芯誤差感度を抑制することができる。条件式(8)の上限を上回ると、第3レンズ群の偏芯誤差感度が高くなりすぎる。このため、レンズの製造難易度が高くなる。
.前記第2レンズ群の物体側に開口絞りが備えられ、前記開口絞りは絞り径が固定であることを特徴とする1からのいずれかに記載の変倍光学系。
この構成によれば、第2レンズ群の物体側に開口絞りを配置することで、第1レンズ群
の前玉径を極力小さくすることができる。一方で、第1レンズ群と第2レンズ群との間隔は光学全長に与える影響が大きく、可変絞り機構を挿入するために当該間隔を広げるよう構成すると、例えば2〜3倍程度光学全長を長くする必要が生じる。そこで、絞り径を固定として絞り部材を簡略化することで、光軸方向の薄肉化が達成できるようになる。
.前記第2レンズ群の像側に、光量を調節する機構が配置され、下記(10)の条件式を満たすことを特徴とする1からのいずれかに記載の変倍光学系。
T12/(fw×ft)1/2<0.3 ・・・(10)
但し、T12:望遠端における、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との光軸上間隔
光量調節機構を配置するに際しては、像面の中心と周辺との光量ムラを避けるため、全光束が同一位置を通過する絞り位置に配置することが好ましい。一方で、第1レンズ群と第2レンズ群との間隔は光学全長に与える影響が大きく、当該間隔を広げると2〜3倍程度光学全長が長くなり得る。このため、厚みのある光量調節機構を絞り位置に配置することは難しい。そこで第2レンズ群の像側に光量調節機構を設けることにより、絞り位置とほぼ同等程度に光量ムラを抑え、かつコンパクト性も維持することが可能となる。なお、光量調節機構としては、例えば、絞りによる回折の影響を抑えるためのNDフィルタやメカニカルシャッタ等を用いることができる。なお、条件式(10)の上限を上回ると、第2レンズ群の実質的な変倍移動量が小さくなる。このため、第2レンズ群の光学的パワーが強くなり、製造難易度が高くなる傾向があるので好ましくない。
.前記第4レンズ群は、広角端から望遠端への変倍時に固定であって、下記(11)の条件式を満たすことを特徴とする1からのいずれかに記載の変倍光学系。
1.0<|EPw/fw|<8.0 ・・・(11)
但し、EPw:広角端における、最大画角の主光線の射出瞳位置から像面までの距離
第4レンズ群を変倍時固定とすることで、変倍のための機械的な機構(鏡筒機構)を簡略化することができ、位置精度も向上させることができる。条件式(11)を満たすことで、第4レンズ群が変倍時固定の光学系において、光学特性を良好なものとすることができる。条件式(11)の上限を上回ると、コンパクトな光学全長を維持した際に、第1レンズ群の光学的パワーが増加するため、誤差感度の増大が顕著になる。一方、条件式(11)の下限を下回ると、像面への光線入射角のテレセントリック性が崩れ、撮像素子の受光面手前に画素に対応したレンズアレイを配置したとしても、周辺照度低下を防ぐことが難しくなる。
10.変倍時に可動のレンズ群が、変倍群とズーミングに伴う像面変動補正群との2つのレンズ群のみであることを特徴とする1からのいずれかに記載の変倍光学系。
可動群が変倍群の一つである場合、構成によってはズーミングに伴う像面変動補正が行えず、不連続な変倍となってしまうことがある。しかし、上記構成を採ることで、いずれの構成でも連続的な変倍が可能となる。また、3群以上の可動群がある場合に比べて、レンズ群の駆動装置が占有する体積を減少させることができ、変倍光学系ユニットの小型化を図ることができる。
11.前記第1レンズ群が、物体側から順に、1枚の負レンズと1枚の正レンズとからなり、下記(12)の条件式を満たすことを特徴とする1から10のいずれかに記載の変倍光学系。
0.15<|f1n/f1p|<0.50 ・・・(12)
但し、f1p:前記第1レンズ群内の正レンズの焦点距離
f1n:前記第1レンズ群内の負レンズの焦点距離
第1レンズ群のレンズ配列を物体側から順に負正とすることで、広角端でのバックフォーカス確保が容易となり、また広画角な軸外光の非点収差、倍率色収差を良好に補正することができる。なお、|f1n/f1p|が条件式(12)の上限を上回ると、特に広角端での非点収差、歪曲収差の補正が不十分となる。一方、条件式(12)の下限を下回ると、第1レンズ群を構成する各レンズのパワーが非常に強くなるため、製造難易度が高くなる。
12.少なくとも1枚の樹脂材料製レンズを有することを特徴とする1から11のいずれかに記載の変倍光学系。
この構成によれば、樹脂材料製レンズを用いることで、安定した品質での大量生産が可能となり、大幅なコストダウンを図ることができる。
13.前記樹脂材料製レンズは、樹脂材料中に最大長が30ナノメートル以下の粒子を分散させてなる素材を用いて成形したレンズであることを特徴とする12に記載の変倍光学系。
一般に透明な樹脂材料に微粒子を混合させると、光の散乱が生じ透過率が低下するため、光学材料として使用することは困難である。しかし、微粒子の大きさを透過光束の波長より小さくすることにより、散乱が実質的に発生しないようにできる。樹脂材料は温度が上昇することにより屈折率が低下してしまうが、例えば無機の微粒子は温度が上昇すると屈折率が上昇する。そこで、これらの温度依存性を利用して互いに打ち消しあうように作用させることにより、屈折率変化がほとんど生じないようにすることができる。具体的には、母材となる樹脂材料に最大長が30ナノメートル以下の粒子を分散させることで、屈折率の温度依存性が極めて低い樹脂材料とすることができる。例えばアクリルに酸化ニオブ(Nb)の微粒子を分散させることで、温度変化による屈折率変化を小さくすることができる。従って、少なくとも1枚のレンズに、このような粒子を分散させた樹脂材料を用いることにより、本発明に係る変倍光学系の全系の環境温度変化に伴うバックフォーカスずれを小さく抑えることができる。
14.前記第4レンズ群内の正レンズが、樹脂材料製レンズであることを特徴とする12又は13に記載の変倍光学系。
この構成によれば、前記正レンズが樹脂材料製レンズとされているので、コンパクト性を損ねることなくコストダウンを図ることが可能となる。また、前記正レンズが温度変化するとバックフォーカスに影響を与えるため、30ナノメートル以下の粒子を分散させた材料を用いれば、この影響を大幅に軽減することができる。
15.1から14のいずれかに記載の変倍光学系と、光学像を電気的な信号に変換する撮像素子とを備え、前記変倍光学系が前記撮像素子の受光面上に被写体の光学像を形成可能とされていることを特徴とする撮像装置。この構成によれば、携帯電話機や携帯情報端末等に搭載可能な超小型でかつ高精細でありながら、変倍が可能な撮像装置を実現し得る。
16.15に記載の撮像装置と、前記撮像装置及び撮像素子に被写体の静止画撮影及び動画撮影の少なくとも一方の撮影を行わせる制御部とを具備し、前記撮像装置の変倍光学系が、前記撮像素子の受光面上に被写体の光学像を形成可能に組み付けられていることを特徴とするデジタル機器。
17.前記デジタル機器は、携帯端末であることを特徴とする17に記載のデジタル機器。
16、17の構成によれば、高精細を保ったままで変倍可能な撮像装置を搭載したデジタル機器を実現し得る。なお、前記携帯端末とは、携帯電話機や携帯情報端末等に代表される、携帯することを常態とするデジタル機器のことである。
本発明によれば、十分なコンパクト化を達成しつつ、変倍域全域にわたって収差が良好に補正された変倍光学系を提供できるようになり、特に変倍比が2〜4倍程度の変倍光学系、及びこれを搭載した撮像装置若しくはデジタル機器を、安価に、且つ小型化が十分達成された態様で提供することができる。
本発明に係る変倍光学系の構成を模式的に示す図である。 本発明に係る変倍光学系を搭載したカメラ付携帯電話機の外観構成図であって、(a)は、その操作面を示す外観構成図、(b)は、操作面の裏面を示す外観構成図である。 本発明に係る変倍光学系を具備するデジタル機器の一例としての携帯電話機の撮像に係る機能部の構成を示す機能ブロック図である。 本発明の実施例1に係る変倍光学系の広角端光路図を示す断面図である。 実施例2に係る変倍光学系の広角端光路図を示す断面図である。 実施例3に係る変倍光学系の広角端光路図を示す断面図である。 実施例4に係る変倍光学系の広角端光路図を示す断面図である。 実施例5に係る変倍光学系の広角端光路図を示す断面図である。 実施例6に係る変倍光学系の広角端光路図を示す断面図である。 実施例7に係る変倍光学系の広角端光路図を示す断面図である。 実施例8に係る変倍光学系の広角端光路図を示す断面図である。 実施例9に係る変倍光学系の広角端光路図を示す断面図である。 実施例10に係る変倍光学系の広角端光路図を示す断面図である。 実施例11に係る変倍光学系の広角端光路図を示す断面図である。 参考例12に係る変倍光学系の広角端光路図を示す断面図である。 実施例1におけるレンズ群の球面収差、非点収差及び歪曲収差を示す収差図である。 実施例2におけるレンズ群の球面収差、非点収差及び歪曲収差を示す収差図である。 実施例3におけるレンズ群の球面収差、非点収差及び歪曲収差を示す収差図である。 実施例4におけるレンズ群の球面収差、非点収差及び歪曲収差を示す収差図である。 実施例5におけるレンズ群の球面収差、非点収差及び歪曲収差を示す収差図である。 実施例6におけるレンズ群の球面収差、非点収差及び歪曲収差を示す収差図である。 実施例7におけるレンズ群の球面収差、非点収差及び歪曲収差を示す収差図である。 実施例8におけるレンズ群の球面収差、非点収差及び歪曲収差を示す収差図である。 実施例9におけるレンズ群の球面収差、非点収差及び歪曲収差を示す収差図である。 実施例10におけるレンズ群の球面収差、非点収差及び歪曲収差を示す収差図である。 実施例11におけるレンズ群の球面収差、非点収差及び歪曲収差を示す収差図である。 参考例12におけるレンズ群の球面収差、非点収差及び歪曲収差を示す収差図である。 実施例及び参考例におけるレンズ群の移動方向を示す模式図である。
符号の説明
1、1A〜1L 変倍光学系
11、Gr1 第1レンズ群
12、Gr2 第2レンズ群
13、Gr3 第3レンズ群
14、Gr4 第4レンズ群
15、ST 光学絞り
16、SR 撮像素子
AX 光軸
2 携帯電話機(デジタル機器)
27 撮像装置
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態につき説明する。
<変倍光学系の構成の説明>
図1は、本発明に係る変倍光学系1の構成例を示す光路図(広角端の光路図)である。この変倍光学系1は、光学像を電気的な信号に変換する撮像素子16の受光面(像面)上に被写体の光学像を形成するものであって、物体側から順に、負の光学的パワーを有する第1レンズ群11、正の光学的パワーを有する第2レンズ群12、負の光学的パワーを有する第3レンズ群13及び正の光学的パワーを有する第4レンズ群14が配列され、広角端から望遠端への変倍時に前記第1レンズ群11と前記第2レンズ群12との間隔が狭くなる変倍光学系である。なお、図1で例示した変倍光学系1は、後述する実施例1の変倍光学系1A(図4参照)と同じ構成である。
ここでは、第1レンズ群11が、両凹の負レンズ111と物体側に凸の正メニスカスレンズ112とから構成され、第2レンズ群12が、両凸正レンズ121と、物体側に凸の負メニスカスレンズ122及び両凸正レンズ123の接合レンズとから構成され、第3レンズ群13が両凹の負レンズ131のみで構成され、また第4レンズ群14が像側に凸の正メニスカスレンズ141のみで構成されている例を示している。なお、第2レンズ群12の物体側には光学絞り15が配置されている。このような変倍光学系1の像側には、ローパスフィルタ17を介して撮像素子16が配置され、これにより物体側の被写体光学像が、変倍光学系1によりその光軸AXに沿って適宜な変倍比で撮像素子16の受光面まで導かれ、撮像素子16により前記被写体の光学像が撮像されるものである。
この変倍光学系1は、負正負正4成分の光学系であって、最も物体側に位置する第1レンズ群11が負の光学的パワーを持った、負リードの光学系である。このため、物体側から大きな角度で入射してくる光線を、第1レンズ群11の負の光学的パワーによりいち早く緩めることができ、光学全長や前玉径のサイズのコンパクト化を図る点で有利である。さらに、負リードの構成では光学系のコンパクト化を図った場合でも、誤差感度の上昇を抑制できる利点がある。また、負正負正4成分とすることで、変倍移動量の短縮による変倍光学系ユニットのコンパクト化、テレセントリック性の確保、球面収差・色収差・非点収差の良好な補正が可能となる。
第1レンズ群11は、少なくとも1枚の負レンズ(負レンズ111)と、少なくとも1枚の正レンズ(正メニスカスレンズ112)とを含んで構成されることが望ましい。これにより、倍率色収差を良好に補正することができる。ここでは、第1レンズ群11に負レンズと正レンズとが1枚ずつ含まれている例を示しているが、各々複数枚含んでいても良い。また、光軸AXを例えば直角に折り曲げるプリズムを含んでいても良い。しかし、第1レンズ群11はプリズムも含めて4枚以下のレンズで構成することが望ましい。これにより、レンズ枚数削減によるコスト低減を達成することができる。なお、両凹の負レンズ111に代えて、物体側に凸の負メニスカスレンズを用いることも、好ましい実施形態の一つである。
第2レンズ群12は、図1で例示しているように、少なくとも2枚の正レンズ(両凸正レンズ121、両凸正レンズ123)と、少なくとも1枚の負レンズ(負メニスカスレンズ122)とを含むことが望ましい。これにより、第2レンズ群12で軸上色収差及び球面収差の補正を行わせることができる。また、コンパクト化を追及すると、変倍群の移動量を抑えるために第2レンズ群12内の正レンズの光学的パワーを増加させる必要があるが、本実施形態では両凸正レンズ121及び両凸正レンズ123にその光学的パワーを分散させることができる。これにより、正レンズの誤差感度を低減することができる。
特に、第2レンズ群12は、物体側から順に、正レンズ、負レンズ、正レンズの3枚で構成されていることが望ましい。図1に示す第2レンズ群12は、物体側から順に両凸正レンズ121、負メニスカスレンズ122及び両凸正レンズ123の3枚が配列されており、かかる望ましいレンズ配列を備えている。この構成によれば、物体側から正負正の順でレンズを配置することで、第2レンズ群12内でレンズ調整を行う場合の誤差感度を、最適にバランスさせることができる。
とりわけ、第2レンズ群12は、物体側から順に、両凸の単レンズ、負レンズと正レンズとの接合レンズの順に配置することが特に望ましい。因みに、図1に示す第2レンズ群12は、かかるレンズ配列要件も満たしている。このレンズ配列によれば、第2レンズ群12全体の変倍負担を各レンズに適切に分配することが可能となり、誤差感度を一層低減することができる。また、軸上色収差の補正を十分に行うことができる。
また、第2レンズ群12内には、少なくとも1面の非球面が具備される。図1の例では、両凸正レンズ121の両面、負メニスカスレンズ122の物体側及び両凸正レンズ123の像側の4つのレンズ面のうち、少なくとも1面が非球面とされる。勿論、複数面を非球面としても良く、全ての面を非球面としても良い。この非球面の存在により、第2レンズ群12の光学的パワーの増加に伴って増大する球面収差を良好に補正することができる。とりわけ、第2レンズ群12内の正レンズ、つまり両凸正レンズ121及び/又は両凸正レンズ123に非球面を設けることが望ましい。これにより、コンパクト化に伴う第2レンズ群12のパワー増大により発生する球面収差とコマ収差を良好に補正することができる。
なお、第2レンズ群12に限らず、他のレンズ群に非球面が具備させることが望ましい。特に、空気と面している全てのレンズ面が、非球面であることが望ましい。すなわち、負レンズ111、正メニスカスレンズ112、両凸正レンズ121、負メニスカスレンズ122及び両凸正レンズ123の接合レンズ、両凹の負レンズ131及び正メニスカスレンズ141の全てのレンズの物体側及び像側のレンズ面が、非球面とされていることが望ましい。これにより、超コンパクト化と高画質化の両立を図ることができる。
また、図1では第2レンズ群12に接合レンズが含まれている例を示しているが、他のレンズ群に接合レンズを含ませても良い。このように、変倍光学系1に少なくとも1組の接合レンズを具備させることにより、コンパクト化と誤差感度の低減とを両立させることができる。
さらに変倍光学系1は、光軸AX上における第1レンズ群11のレンズ最前面(負レンズ111の物体側面)から第1レンズ群11のレンズ最後面(正メニスカスレンズ112の像側面)までの光軸上厚みをT1、広角端、望遠端での全光学系の合成焦点距離をそれぞれfw、ft、正負レンズの屈折率差、すなわち両凸正レンズ121及び両凸正レンズ123の屈折率平均値と負メニスカスレンズ122の屈折率との差をΔN2、正負レンズのアッベ数差、すなわち両凸正レンズ121及び両凸正レンズ123のアッベ数平均値と負メニスカスレンズ122のアッベ数との差をΔν2、第1レンズ群11内のレンズの屈折率の最大値をN1とするとき、下記(1)〜(4)の条件式を満たすものとされる。
0.2<T1/(fw×ft)1/2<1.2 ・・・(1)
ΔN2>0.15 ・・・(2)
Δν2>20 ・・・(3)
N1≧1.8 ・・・(4)
条件式(1)の上限を上回ると、光学全長をコンパクトに維持しようとする場合、第2レンズ群12の実質的な変倍移動量が小さくなる。このため、第2レンズ群12の光学的パワーが強くなり、レンズの曲率半径を小さくせざるを得ないため製造難易度が高くなる。一方、条件式(1)の下限を下回ると、第1レンズ群11内の負レンズ111の光学的パワーが弱くなって後側主点が像面から遠ざかる。このため、同じ焦点距離を維持しようとすると、相対的にバックフォーカスの確保が困難となり、また射出瞳を像面から遠ざけることが困難となる傾向が顕著となる。ΔN2が条件式(2)の下限を下回ると、ペッツバール和の増加に伴う非点収差が顕著となる。Δν2が条件式(3)の下限を下回ると、軸上色収差の補正が不十分となる。N1が条件式(4)の下限を下回ると、第1レンズ群11の厚みが厚くなりすぎ、コンパクトサイズを維持しようとすると第2レンズ群12の誤差感度が増加するため、調整が必要となって生産コストの上昇を招来する。
ここで、上記条件式(1)においては、下記(1)’の条件式を満たすことが望ましい。
0.3<T1/(fw×ft)1/2<0.8 ・・・(1)’
条件式(1)’を満足することで、第2レンズ群12の実質的な変倍移動量の減少に伴って、第2レンズ群12の誤差感度が高くならず、レンズの調整が不要となる。また、レンズ外径の大きい第1レンズ群11内の各レンズ芯厚が薄くならないため、レンズの製造難易度が高くならない。
上記条件式(2)の屈折率(平均値)差ΔN2は、下記(2)’の条件式を満たすことが望ましい。
ΔN2>0.20 ・・・(2)’
条件式(2)’を満足することで、第2レンズ群12内での非点収差の補正が不十分とならず、レンズ群の組立誤差に伴う性能バラツキが大きくなる傾向が顕著とならない。
また、上記条件式(3)のアッベ数(平均値)差をΔν2は、下記(3)’の条件式を満たすことが望ましい。
Δν2>25 ・・・(3)’
条件式(3)’を満足することで、望遠端での軸上コントラストが回折限界に比して低くならない。このため、望遠端でのF値の暗さと相まって、鮮明な画像を得ることの難易度が高くならない。
さらに、上記条件式(4)については、下記(4)’の条件式を満たすことが望ましい。
N1≧1.85 ・・・(4)’
条件式(4)’を満足することで、第1レンズ群内のレンズの曲率半径が小さくならず、レンズ製造難易度が高くならない。
第1レンズ群11は、正の光学的パワーを有する物体側に凸のメニスカスレンズ(図1に例示する正メニスカスレンズ112)を有し、この正メニスカスレンズ112の屈折率をN1pとするとき、下記(5)の条件式を満たすことが望ましい。
N1p≧1.8 ・・・(5)
第1レンズ群11に、物体側に凸の正メニスカスレンズ112を具備させることで、非点収差が良好に補正されるようになる。また、条件式(5)の下限を下回ると、当該正メニスカスレンズ112の像側面の曲率半径が小さくなり、実効的な第1レンズ群11と第2レンズ群12との間隔が狭くなる。このため、レンズ鏡筒が干渉し易くなり、結果として変倍光学系1のサイズアップに繋がる傾向がある。
ここで、上記条件式(5)におけるN1pは、下記(5)’の条件式を満たすことがより望ましい。
N1p≧1.85 ・・・(5)’
条件式(5)’を満足することで、正メニスカスレンズ112の曲率半径が小さくならないことから、レンズの製造難易度が高くならない。
変倍光学系1において、第2レンズ群12の合成焦点距離をf2とするとき、当該第2レンズ群12が、下記(6)の条件式を満たすことが望ましい。
0.6<f2/fw<2.0 ・・・(6)
f2/fwが条件式(6)の上限を上回ると、第2レンズ群12の光学的パワーが弱すぎ、変倍光学系1のコンパクト性を維持した状態で2〜4倍程度の変倍比を得ることが困難となる。一方、条件式(6)の下限を下回ると、第2レンズ群12の偏芯誤差感度が非常に高くなり、製造難易度が高くなる。
ここで、上記条件式(6)におけるf2/fwの関係は、下記(6)’の条件式を満たすことが望ましい。
0.8<f2/fw<1.8 ・・・(6)’
条件式(6)’を満足することで、第2レンズ群12の光学的パワーが弱くならないため、変倍時に必要な第2レンズ群12の移動量が増加せず、光学全長が長くならない。また、第2レンズ群12の偏芯誤差感度が一層高くならないで、レンズ間の調整が必須とならない。このため、生産コスト高を抑えることができる。
変倍光学系1のフォーカシング構成について、無限遠物体から近距離物体へのフォーカシングが、第3レンズ群13(両凹負レンズ131)を像側に移動させることによって行われることが好ましい。この場合、第3レンズ群13の合成焦点距離をf3とするとき、下記(7)の条件式を満たすことが望ましい。
1.5<|f3/fw|<6.0 ・・・(7)
フォーカシングは、例えば第1レンズ群11を移動させることによって行うこともできる。しかし、第3レンズ群13でフォーカシングすることで、繰り出しによる光学全長の増加や前玉レンズ径の増大を招くことなく、近距離物体まで鮮明な画像を得ることができる。また、条件式(7)を満たすことで、第3レンズ群13の光学性能や製造難易度の面で一層優れた変倍光学系1とすることができる。f3/fwが条件式(7)の上限を上回ると、第3レンズ群13のフォーカス移動量が大きくなる。このため、コンパクト性を維持しようとした時に、変倍レンズ群の移動量が制約されることになり、所望の変倍比を得ることが難しくなる。一方、条件式(7)の下限を下回ると、第3レンズ群13の光学的パワーが強くなりすぎ、偏芯誤差感度が高くなって、レンズの組立が困難となる。
変倍光学系1において、変倍時に移動させるレンズ群は、適宜に設定することができる。その中で、第3レンズ群13が、広角端から望遠端への変倍時に、物体側に凸形状の軌跡を描くように移動するものとし、広角端から望遠端への変倍時における第3レンズ群13の移動量をD3とするとき、下記(8)の条件式を満たすことが望ましい。
|D3/(fw×ft)1/2|<1.5 ・・・(8)
第3レンズ群13を、広角端から望遠端への変倍時において、物体側に凸形状の軌跡を描くように移動させることで、第3レンズ群13の変倍負担を軽減できる。そして、条件式(8)を満たすことで、第3レンズ群13の偏芯誤差感度を抑制することができる。条件式(8)の上限を上回ると、第3レンズ群13の偏芯誤差感度が高くなりすぎる。このため、レンズの製造難易度が高くなる。
上記条件式(8)の関係は、下記(8)’の条件式を満たすことが望ましい。
D3/(fw×ft)1/2<1.0 ・・・(8)’
条件式(8)’を満足することで、偏芯誤差感度の上昇による軸外性能のバラツキが大きくならない。このため、前記バラツキを調整する作業が不要となり、生産コストが高騰しない。
これに対し、第1レンズ群11は、広角端から望遠端への変倍時に固定とすることが望ましい。第1レンズ群11を固定とすれば、レンズ群の駆動装置の負荷を大幅に低減することが可能となる。また、第1レンズ群11を変倍時に可動とする場合には、第1レンズ群11の外側に駆動装置を配置しなければならず、このことは外径方向のサイズアップを招来する。従って、第1レンズ群11を固定とすることで、外径方向の小型化に対して非常に有効である。
第1レンズ群11を固定とする場合、最も物体側のレンズ面、すなわち負レンズ111の物体側のレンズ面の広角端での有効光路半径をh1、物体距離無限時における広角端での負レンズ111の物体側レンズ面の面頂点から像面までの光軸AX上の距離をTLwとするとき、下記(9)の条件式を満たすことが望ましい。
0.1<h1/TLw ・・・(9)
h1/TLwが条件式(9)の下限を下回ると、第1レンズ群11の光学的パワーが強くなりすぎ、偏芯誤差感度が高くなる。このため、組立時に調整を行う必要が生じ、製造コストのアップに繋がる。
なお、変倍時に可動のレンズ群が、変倍群とズーミングに伴う像面変動補正群との2つのレンズ群のみであることが望ましい。図1に示す変倍光学系1の場合、例えば、第2レンズ群12と第3レンズ群13のみを変倍時に移動させる変倍構成とすることが望ましい。可動群が変倍群の一つである場合、構成によってはズーミングに伴う像面変動補正が行えず、不連続な変倍となってしまうことがある。しかし、上記構成を採ることで、いずれの構成でも連続的な変倍が可能となる。また、3群以上の可動レンズ群がある場合に比べて、レンズ群の駆動装置が占有する体積を減少させることができ、変倍光学系1の小型化を図ることができる。
本発明において、光学絞り15(開口絞り)の配置位置は特に限定されるものではないが、図1に示すように、第2レンズ群12の物体側に配置されることが望ましい。また、光学絞り15は絞り径が固定であることが望ましい。
第2レンズ群12の物体側に光学絞り15を配置することで、第1レンズ群11の前玉径を極力小さくすることができる。一方で、第1レンズ群11と第2レンズ群12との間隔は光学全長に与える影響が大きく、可変絞り機構を挿入するために当該間隔を広げるよう構成すると、例えば2〜3倍程度光学全長を長くする必要が生じる。そこで、絞り径を固定として絞り部材を簡略化することで、第1レンズ群11と第2レンズ群12との間隔を必要以上に広げる必要がなくなり、光軸方向の薄肉化が達成できるようになる。
図1では図示省略しているが、第2レンズ群12の像側に、光量調節機構を配置することが望ましい。ここで光量調節機構としては、例えば、絞りによる回折の影響を抑えるためのNDフィルタやメカニカルシャッタ等を用いることができる。一般に、光量調節機構を配置するに際しては、像面の中心と周辺との光量ムラを避けるため、全光束が同一位置を通過する絞り位置に配置することが好ましく、図1に例では第2レンズ群12の物体側に光量調節機構を配置することが好ましいと言える。しかしながら、第1レンズ群11と第2レンズ群12との間隔は光学全長に与える影響が大きく、当該間隔を広げると2〜3倍程度光学全長が長くなり得る。このため、厚みのある光量調節機構を絞り位置に配置することは難しい。そこで、光学絞り15に近い第2レンズ群12の像側に光量調節機構を設けることにより、絞り位置とほぼ同等程度に光量ムラを抑え、かつコンパクト性も維持することができる。
第2レンズ群12の像側に光量調節機構を配置する場合、望遠端における、第1レンズ群11と第2レンズ群12との光軸AX上の間隔をT12とするとき、下記(10)の条件式を満たすことが望ましい。
T12/(fw×ft)1/2<0.3 ・・・(10)
条件式(10)の上限を上回ると、光学全長をコンパクトに維持しようとする場合、第2レンズ群12の実質的な変倍移動量が小さくなる。このため、第2レンズ群12の光学的パワーが強くなり、製造難易度が高くなる傾向があるので好ましくない。
本実施形態に係る変倍光学系1は、第3レンズ群13の像側に、正の光学的パワーを有する第4レンズ群14(正メニスカスレンズ141)を具備している。かかる第4レンズ群14を設けることにより、撮像素子16の受光面への軸外光線の入射角度をテレセントリックに近づけることができる。
この第4レンズ群14は、広角端から望遠端への変倍時に固定とすることが望ましい。これにより、変倍のための機械的な機構(鏡筒機構)を簡略化することができ、位置精度も向上させることができる。
さらに、広角端における、最大画角の主光線の射出瞳位置から像面までの距離をEPwとするとき、下記(11)の条件式を満たすことが望ましい。
1.0<|EPw/fw|<8.0 ・・・(11)
条件式(11)の上限を上回ると、コンパクトな光学全長を維持した際に、第1レンズ群11の光学的パワーが増加するため、誤差感度の増大が顕著になる。一方、条件式(11)の下限を下回ると、像面への光線入射角のテレセントリック性が崩れ、撮像素子16の受光面手前に画素に対応したレンズアレイを配置したとしても、周辺照度低下を防ぐことが難しくなる。
上記条件式(11)の|EPw/fw|の関係は、下記(11)’の条件式を満たすことが望ましい。
1.5<|EPw/fw|<6.0 ・・・(11)’
条件式(11)’を満足することで、広角端と望遠端での撮像素子16の受光面への軸外光線入射角度の差が大きくなりすぎることがなく、変倍時における周辺照度低下が顕著とならない。
図1では、負正負正4成分の変倍光学系1を例示しているが、さらに他のレンズ群を追加することもできる。しかし、4つのレンズ群のみから構成される変倍光学系1は、超小型化を図る場合に有利である。すなわち、変倍光学系1の超小型化を図る場合、レンズは製造限界の都合上、一定のスペースを必ず占有するため、レンズユニットの全空間に対するレンズの空間占有比率が相対的に高くなる。そのため、製造難度よりレンズ単品の精度向上を優先させてでも、レンズ群数やレンズ枚数を極力減らす必要がある。従って、4成分の変倍光学系1とすることで、超小型化に有利な構成とすることができる。特に、負正負正4成分とすることで、他のズームタイプよりもコンパクト化と高性能化とのバランス、すなわちコンパクト化とフォーカス性能、製造誤差感度、像面入射角のテレセントリック性とのバランスを最適なものとすることができる。
とりわけ、物体側から順に、負レンズと物体側に凸の正メニスカスレンズから成る第1レンズ群、両凸レンズと、負レンズと正レンズの接合レンズとから成る第2レンズ群、負レンズから成る第3レンズ群、正レンズから成る第4レンズ群を含む構成とすることが望ましい。第1レンズ群のレンズ配列を物体側から順に負正とすることで、広角端でのバックフォーカス確保が容易となり、また広画角な軸外光の非点収差、倍率色収差を良好に補正することができる。第2レンズ群を正負正の構成とするのは、2枚の正レンズを用いることで誤差感度を低減するためと、レンズ調整を行う場合の誤差感度を最適にバランスさせるためである。第3レンズ群を負レンズとするのは、光学全長短縮化と非点収差補正を両立するためである。第4レンズ群を正レンズとするのは、上述したように撮像素子の受光面への軸外光線入射角度をテレセントリックに近づけるためである。かかる要件を図1に示す変倍光学系1は満たしており、ここに示す意味においても、変倍光学系1は好ましい構成を備えている。
図1に示すように、第1レンズ群11が、物体側から順に、1枚の負レンズ(負レンズ111)と1枚の正レンズ(正メニスカスレンズ112)との2枚からなるだけでなく、正メニスカスレンズ112の焦点距離をf1p、負レンズ111の焦点距離をf1nとするとき、下記(12)の条件式を満たすことが望ましい。
0.15<|f1n/f1p|<0.50 ・・・(12)
|f1n/f1p|が条件式(12)の上限を上回ると、特に広角端での非点収差、歪曲収差の補正が不十分となる。一方、条件式(12)の下限を下回ると、第1レンズ群を構成する負レンズ111及び正メニスカスレンズ112のパワーが非常に強くなるため、製造難易度が高くなる。
変倍光学系1は、望遠端において、最も像側に位置するパワーを有するレンズ面、図1の例では正メニスカスレンズ141の像側面の面頂点から像面までの光軸AX上の距離(空気換算長)をLbとするとき、下記(13)の条件式を満たすことが望ましい。
Lb/fw<1.2 ・・・(13)
条件式(13)の上限を上回ると、望遠端において、撮像素子16の受光面への軸外光線入射角度のテレセントリック性が崩れてしまい、周辺照度の低下が顕著となる。
第2レンズ群12は、下記(14)の条件式を満たすことが望ましい。
0.2<f2/ft<0.9 ・・・(14)
条件式(14)の上限を上回ると、第2レンズ群12のパワーが弱すぎて2〜4倍程度の変倍比を得ることが困難である。一方、条件式(14)の下限を下回ると、第2レンズ群12の誤差感度が非常に高くなり、製造が困難となる。
上記条件式(14)のf2/ftの関係は、下記(14)’の条件式を満たすことがより望ましい。
0.3<f2/ft<0.8 ・・・(14)’
条件式(14)’を満足することで、第2レンズ群12のパワーが弱くないため、変倍に際して必要な第2レンズ群12の移動量が増加せず、光学全長が長くならない。また、第2レンズ群12の偏芯誤差感度が高くならず、レンズ間の調整作業が不要となり、製造コスト高とならない。
次に、変倍光学系1の構成材料について説明する。上記第1〜第4レンズ群11〜14を構成する各レンズの材質については特に制限はなく、各種ガラス材料や樹脂(プラスチック)材料からなる光学材料を用いることができる。しかし、樹脂材料を用いれば、軽量で、且つインジェクションモールド等により大量生産が可能であることから、ガラス材料で作製する場合に比して、製造コストの抑制や変倍光学系1の軽量化の面で有利である。従って、変倍光学系1に、少なくとも1枚の樹脂材料製レンズを具備させることが望ましい。勿論、2枚以上の樹脂材料製レンズを具備させても良い。
なお、樹脂材料製レンズを少なくとも2枚用いる場合には、第3レンズ群13中の負レンズ(図1の場合は両凹負レンズ131)と、第4レンズ群14中の正レンズ(正メニスカスレンズ141)を樹脂材料にて構成することが望ましい。この場合、環境温度変化に伴うバックフォーカスずれを小さく抑えることができる。
この樹脂材料製レンズとしては、樹脂材料中に最大長が30ナノメートル以下の粒子、特に無機粒子を分散させてなる素材を用いて成形したレンズを用いることが望ましい。このような樹脂材料製レンズを用いることで、上述した通り樹脂材料製レンズの温度変化による屈折率変化を極めて小さくすることができる。
ここで、屈折率の温度変化について詳細に説明する。屈折率の温度変化Aは、ローレンツ・ローレンツの式に基づいて、屈折率nを温度tで微分することにより、下記(15)式にて表すことができる。
樹脂材料の場合は、一般に(15)式中の第1項に比べ第2項の寄与が小さく、ほぼ無視できる。例えば、PMMA樹脂の場合、線膨張係数αは7×10−5であり、上記(15)式に代入すると、A=−1.2×10−4[/℃]となり、実測値とおおむね一致する。具体的には、従来は−1.2×10−4[/℃]程度であった屈折率の温度変化Aを、絶対値で8×10−5[/℃]未満に抑えることが好ましい。好ましくは絶対値で6×10−5[/℃]未満にすることが好ましい。6×10−5[/℃]未満にすることで、環境温度変化時におけるバックフォーカス変動量を約半分に抑制することが可能となる。なお、上記変倍光学系1に適用可能な樹脂材料の屈折率の温度変化A(=dn/dT)を
表1に示す。
この場合、第4レンズ群14、又は第4レンズ群14よりも像側にさらにレンズ群が存在している場合は当該レンズ群内の正レンズが、樹脂材料製レンズであることが望ましい。これにより、コンパクト性を損ねることなくコストダウンを図ることが可能となる。また、前記正レンズが温度変化時にバックフォーカスに影響を与えるため、30ナノメートル以下の無機粒子を分散させた材料とした場合には、この影響を大幅に軽減することができる。
変倍光学系1において、非球面ガラスレンズを用いる場合、その非球面ガラスレンズをモールドで成形しても構わないし、或いはガラス材料と樹脂材料との複合型としても勿論構わない。モールドタイプは大量生産に向く反面、硝材が限定されてしまう。一方の複合型は、基板と成り得るガラス材料が非常に多く、設計の自由度が高い利点がある。高屈折材料を用いた非球面レンズは、一般的にモールド成形が難しいので、片面非球面の場合には複合型の利点を最大限活用することができる。
また、変倍光学系1は、光学絞り15の代わりに、撮像素子16に対して遮光を行う機能を有するメカニカルシャッタを配置しても良い。かかるメカニカルシャッタは、例えば撮像素子16としてCCD(CHARGE COUPLED DEVICE)方式のものが用いられた場合に、スミア防止に効果がある。
変倍光学系1に備えられている各レンズ群や絞り、シャッター等の駆動の駆動源としては、従来公知のカム機構やステッピングモータを用いることができる。また、移動量が少ない場合や駆動群の重量が軽い場合には、超小型の圧電アクチュエータを用いれば、駆動部の体積や電力消費の増加を抑えつつ、各群を独立に駆動させることも可能で、変倍光学系1を含む撮像レンズ装置の更なるコンパクト化が図れるようになる。
撮像素子16は、当該変倍光学系1により結像された被写体の光像の光量に応じて、R、G、B各成分の画像信号に光電変換して所定の画像処理回路へ出力するものである。例えば撮像素子16としては、CCDが2次元状に配置されたエリアセンサの各CCDの表面に、R(赤)、G(緑)、B(青)のカラーフィルタが市松模様状に貼り付けられた、いわゆるベイヤー方式と呼ばれる単板式カラーエリアセンサで構成されたものを用いることができる。このようなCCDイメージセンサの他、CMOSイメージセンサ、VMISイメージセンサ等も用いることができる。
ローパスフィルタ17は、撮像素子16の受光面上に配置され、ノイズ成分を除去する平行平板状の光学部品である。このローパスフィルタ17として、例えば所定の結晶軸方向が調整された水晶等を材料とする複屈折型ローパスフィルタや、必要とされる光学的な遮断周波数特性を回折効果により実現する位相型ローパスフィルタ等が適用可能である。なお、ローパスフィルタ17は必ずしも備える必要はなく、また、前述の光学的なローパスフィルタ17に代えて、撮像素子16の画像信号に含まれるノイズを低減するために赤外線カットフィルタを用いるようにしてもよい。さらに、光学的ローパスフィルタ17の表面に赤外線反射コートを施して、両方のフィルタ機能を一つで実現してもよい。
<変倍光学系を組み込んだデジタル機器の説明>
次に、以上説明したような変倍光学系1が組み込まれたデジタル機器について説明する。図2は、本発明に係るデジタル機器の一実施形態を示す、カメラ付携帯電話機2の外観構成図である。なお、本発明において、デジタル機器としては、デジタルスチルカメラ、ビデオカメラ、デジタルビデオユニット、携帯情報端末(PDA:PERSONAL DIGITAL ASSISTANT)、パーソナルコンピュータ、モバイルコンピュータ、又はこれらの周辺機器(マウス、スキャナ、プリンタ等)を含むものとする。
図2(a)は、携帯電話機2の操作面を、図2(b)は、操作面の裏面、つまり背面を表している。携帯電話機2には、上部にアンテナ21、操作面には、長方形のディスプレイ22、画像撮影モードの起動及び静止画と動画撮影の切り替えを行う画像切替ボタン23、変倍(ズーミング)を制御する変倍ボタン24、シャッターボタン25及びダイヤルボタン26が備えられている。変倍ボタン24は、その上端部分に望遠を表す「T」の印字が、下端部分に広角を表す「W」の印字がされ、印字位置が押下されることで、それぞれの変倍動作が指示可能な2接点式のスイッチ等で構成されている。さらに、この携帯電話機2には、先に説明した変倍光学系1によって構成された撮像装置27が内蔵されている。
図3は、上記携帯電話機2の撮像に係る電気的な機能構成を示す機能ブロック図である。この携帯電話機2は、撮像機能のために、撮像部30、画像生成部31、画像データバッファ32、画像処理部33、駆動部34、制御部35、記憶部36、及びI/F部37を備えて構成される。
撮像部30は、撮像装置27と撮像素子16とを備えて構成される。撮像装置27は、図1に示したような変倍光学系1と、光軸方向にレンズを駆動し変倍及びフォーカシングを行うための図略のレンズ駆動装置等とを備えて構成される。被写体からの光線は、変倍光学系1によって撮像素子16の受光面上に結像され、被写体の光学像となる。
撮像素子16は、変倍光学系1により結像された被写体の光学像をR(赤),G(緑),B(青)の色成分の電気信号(画像信号)に変換し、R、G、B各色の画像信号として画像生成部31に出力する。撮像素子16は、制御部35の制御により、静止画あるいは動画のいずれか一方の撮像、又は撮像素子16における各画素の出力信号の読出し(水平同期、垂直同期、転送)等の撮像動作が制御される。
画像生成部31は、撮像素子16からのアナログ出力信号に対し、増幅処理、デジタル変換処理等を行うと共に、画像全体に対して適正な黒レベルの決定、γ補正、ホワイトバランス調整(WB調整)、輪郭補正及び色ムラ補正等の周知の画像処理を行って、画像信号から各画素の画像データを生成する。画像生成部31で生成された画像データは、画像データバッファ32に出力される。
画像データバッファ32は、画像データを一時的に記憶するとともに、この画像データに対し画像処理部33により後述の処理を行うための作業領域として用いられるメモリであり、例えば、RAM(RANDOM ACCESS MEMORY)等で構成される。
画像処理部33は、画像データバッファ32の画像データに対し、解像度変換等の画像処理を行う回路である。また、必要に応じて画像処理部33に、変倍光学系1では補正しきれなかった収差を補正させるように構成することも可能である。
駆動部34は、制御部35から出力される制御信号により、所望の変倍及びフォーカシングを行わせるように変倍光学系1の複数のレンズ群を駆動する。
制御部35は、例えばマイクロプロセッサ等を備えて構成され、撮像部30、画像生成部31、画像データバッファ32、画像処理部33、駆動部34、記憶部36及びI/F部37の各部の動作を制御する。すなわち、該制御部35により、被写体の静止画撮影及び動画撮影の少なくとも一方の撮影を、撮像装置27及び撮像素子16が実行するよう制御される。
記憶部36は、被写体の静止画撮影又は動画撮影により生成された画像データを記憶する記憶回路であり、例えば、ROM(READ ONLY MEMORY)やRAMを備えて構成される。つまり、記憶部36は、静止画用及び動画用のメモリとしての機能を有する。
I/F部37は、外部機器と画像データを送受信するインターフェースであり、例えば、USBやIEEE1394等の規格に準拠したインターフェースである。
以上の通り構成された携帯電話機2の撮像動作について説明する。静止画を撮影するときは、まず、画像切替ボタン23を押すことで、画像撮影モードを起動する。ここでは、画像切替ボタン23を一度押すことで静止画撮影モードが起動し、その状態でもう一度画像切替ボタン23を押すことで動画撮影モードに切り替わる。つまり、画像切替ボタン23からの指示を受けた携帯電話機2本体の制御部35が、物体側の被写体の静止画撮影及び動画撮影の少なくとも一方の撮影を撮像装置27及び撮像素子16に実行させる。
静止画撮影モードが起動すると、制御部35は、撮像装置27及び撮像素子16に静止画の撮影を行わせるように制御すると共に、撮像装置27の図略のレンズ駆動装置を駆動し、フォーカシングを行う。これにより、ピントの合った光学像が撮像素子16の受光面に周期的に繰り返し結像され、R、G、Bの色成分の画像信号に変換された後、画像生成部31に出力される。その画像信号は、画像データバッファ32に一時的に記憶され、画像処理部33により画像処理が行われた後、表示用メモリ(図略)に転送され、ディスプレイ22に導かれる。そして、撮影者はディスプレイ22を覗くことで、主被写体をその画面中の所望の位置に収まるように調整することができる。この状態でシャッターボタン25を押すことで、静止画像を得ることができる。すなわち、静止画用のメモリとしての記憶部36に画像データが格納される。
このとき、被写体が撮影者から離れた位置にある、あるいは近くの被写体を拡大したいためズーム撮影を行うときには、変倍ボタン24の上端「T」の印字部分を押下すると、その状態が検出され、制御部35は押下時間に応じて変倍のためのレンズ駆動を実行し、変倍光学系1に連続的にズーミングを行わせる。また、ズーミングし過ぎた場合など、被写体の拡大率を下げたい場合には、変倍ボタン24の下端「W」の印字部分を押下することでその状態が検出され、制御部35が変倍光学系1を制御することにより、押下時間に応じて連続的に変倍が行われる。このようにして、撮影者から離れた被写体であっても、変倍ボタン24を用いてその拡大率を調節することができる。そして、通常の等倍撮影と同様、主被写体がその画面中の所望の位置に収まるように調整し、シャッターボタン25を押すことで、拡大された静止画像を得ることができる。
また、動画撮影を行う場合には、画像切替ボタン23を一度押すことで静止画撮影モードを起動した後、もう一度画像切替ボタン23を押して動画撮影モードに切り替える。これにより、制御部35は、撮像装置27及び撮像素子16を制御し動画の撮影を行わせる。後は静止画撮影のときと同様にして、撮影者はディスプレイ22を覗き、撮像装置27を通して得た被写体の像が、その画面中の所望の位置に収まるように調整する。このとき、静止画撮影と同様に、変倍ボタン24を用いて被写体像の拡大率を調節することができる。この状態でシャッターボタン25を押すことで、動画撮影が開始される。この撮影中、変倍ボタン24により、被写体の拡大率を随時変えることも可能である。
動画撮影時、制御部35は、撮像装置27及び撮像素子16に動画の撮影を行わせるように制御すると共に、撮像装置27の図略のレンズ駆動装置を駆動し、フォーカシングを行う。これにより、ピントの合った光学像が撮像素子16の受光面に周期的に繰り返し結像され、R、G、Bの色成分の画像信号に変換された後、画像生成部31に出力される。その画像信号は、画像データバッファ32に一時的に記憶され、画像処理部33により画像処理が行われた後、表示用メモリに転送され、ディスプレイ22に導かれる。ここで、もう一度シャッターボタン25を押すことで、動画撮影は終了する。撮影された動画像は、動画用のメモリとしての記憶部36に導かれて格納される。
<変倍光学系のより具体的な実施形態の説明>
以下、図1に示したような変倍光学系1、すなわち図2に示したようなカメラ付携帯電話機2に搭載される撮像装置27を構成する変倍光学系1の具体的構成を、図面を参照しつつ説明する。
[実施例1]
図4は、実施例1の変倍光学系1Aにおけるレンズ群の配列を示す、光軸(AX)を縦断した断面図(光路図)である。この図4、及び以下に示す図5〜図15の光路図は、広角端(W)におけるレンズ配置を示している。実施例1及び以下に示す実施例2〜11及び参考例12を通じて、これらのレンズ群は、図の物体側(図4における左側)から順に、全体として負の光学的パワーを有する第1レンズ群(Gr1)、正の光学的パワーを有する第2レンズ群(Gr2)、負の光学的パワーを有する第3レンズ群(Gr3)、及び正の光学的パワーを有する第4レンズ群(Gr4)から構成されている。つまり、最も物体側に位置する第1レンズ群(Gr1)が負の光学的パワーを有する負リードの構成であって、負正負正4成分の変倍光学系とされている。
図4に示した実施例1の変倍光学系1Aは、各レンズ群が物体側から順に、以下のように構成されている。第1レンズ群(Gr1)は、全体として負の光学的パワーを有し、両凹の負レンズ(第1レンズL1)と物体側に凸の正メニスカスレンズ(第2レンズL2)から成る。第2レンズ群(Gr2)は、全体として正の光学的パワーを有し、両凸の正レンズ(第3レンズL3)と、物体側に凸の負メニスカスレンズ(第4レンズL4)と両凸正レンズ(第5レンズL5)の接合レンズとから成る。この第2レンズ群(Gr2)の物体側には、変倍時に該第2レンズ群(Gr2)と共に移動する光学絞り(ST)が備えられている。第3レンズ群(Gr3)は、負の光学的パワーを有する両凹の負レンズ(第6レンズL6)1枚で構成されている。第4レンズ群(Gr4)は、正の光学的パワーを有する像側に凸の正メニスカスレンズ(第7レンズL7)1枚で構成されている。この第4レンズ群(Gr4)の像側には、平行平板(FT)を介して撮像素子(SR)の受光面が配置されている。前記平行平板(FT)は、光学的ローパスフィルタ、赤外カットフィルタ、撮像素子16のカバーガラス等に相当するものである。
なお、上記光学絞り(ST)に代えてメカニカルシャッタを配置するようにしても良い。また、図4では連続的な変倍光学系を示しているが、よりコンパクト化を目指して、同一の光学構成での2焦点切り替え変倍光学系としても良い。特に広角端から望遠端への変倍時に第1レンズ群(Gr1)の移動軌跡がUターン(像側に凸の軌道を描くように移動)し、結果として広角端と望遠端での光学全長が略同一となる場合には、2焦点切り替え変倍光学系とすることで、第1レンズ群(Gr1)を変倍時固定とすることが可能なため駆動機構を含めたユニットサイズの小型化に大きな効果がある。これらの点は、以下に説明する実施例2〜11及び参考例12においても同様である(以下では説明を省略する)。
図4において各レンズ面に付されている番号ri(i=1,2,3,・・・)は、物体側から数えたときのi番目のレンズ面(ただし、レンズの接合面は1つの面として数えるものとする。)であり、riに「*」印が付されている面は非球面であることを示すものである。なお、前記光学絞り(ST)、平行平板(FT)の両面、撮像素子(SR)の受光面も1つの面として扱っている。このような扱いは、後述する他の実施例についての光路図(図5〜図15)でも同様で、図中の符号の意味は、基本的に図4と同様である。但し、全く同一のものであるという意味ではなく、例えば、各図を通じて、最も物体側のレンズ面には同じ符号(r1)が付けられているが、これらの曲率等が実施形態を通じて同一であるという意味ではない。
このような構成の下で、物体側から入射した光線は光軸AXに沿って、順に第1、第2、第3及び第4レンズ群(Gr1、Gr2、Gr3、Gr4)及び平行平板(FT)を通過し、撮像素子(SR)の受光面に物体の光学像を形成する。そして、撮像素子(SR)において、平行平板(FT)において修正された光学像が電気的な信号に変換される。この電気信号は、必要に応じて所定のデジタル画像処理や画像圧縮処理等が施されて、デジタル映像信号として携帯電話機や携帯情報端末等のメモリに記録されたり、有線あるいは無線により他のデジタル機器に伝送されたりする。
図28は、これらレンズ群の変倍時における移動方向を示した模式図である。この図28には、実施例1のみならず、後述する実施例2以降の各レンズ群の移動方向も同時に示してある。図28においても、これまでと同様左側が物体側であり、その物体側から第1レンズ群(Gr1)、第2レンズ群(Gr2)、第3レンズ群(Gr3)及び第4レンズ群(Gr4)の順に並んで配置されている。この図において、符号Wは焦点距離が最も短い、すなわち画角が最も大きい広角端を示しており、符号Tは焦点距離が最も長い、すなわち画角が最も小さい望遠端を示している。また、符号Mは焦点距離が広角端(W)と望遠端(T)との中間点を表している。実際のレンズ群は光軸に沿った直線上を移動させられるが、この図においては、広角端(W)、中間点(M)及び望遠端(T)におけるレンズ群の位置を、図の上から下へ並べる形で表している。
図28(a)に示すように、この実施例1では、第2レンズ群(Gr2)が物体側に直線的に移動し、第3レンズ群(Gr3)が中間点(M)で移動速度をシフトする態様で、物体側に直線的に移動する。一方、第1レンズ群(Gr1)及び第4レンズ群(Gr4)は固定とされる。なお、光学絞り(ST)は、変倍時に第2レンズ群(Gr2)と共に移動する。但し、以下の実施例も含め、これらレンズ群の移動の向きや移動量等は、当該レンズ群の光学的パワーやレンズ構成等に依存して変わり得るものである。例えば、図28において、第2レンズ群(Gr2)のように直線的に移動するように描かれているものであっても、それは物体側又は像側に凸の曲線である場合なども含み、Uターン形状である場合なども含むものである。
実施例1の変倍光学系1Aにおける、各レンズのコンストラクションデータを表2、表3に示す。この変倍光学系1Aでは、第1、2、3、6、7レンズ(L1、L2、L3、L6、L7)が両面非球面レンズとされ、第5レンズ(L5)が片面非球面レンズとされている。また、第7レンズ(L7)が樹脂レンズとされ、その他のレンズはガラスレンズとされている。さらに、上述した条件式(1)〜(14)を、実施例1の光学系に当てはめた場合のそれぞれの数値を、後掲の表28に示す。
表2に示したものは、左から順に、各レンズ面の番号、各面の曲率半径(単位はmm)、広角端(W)、中間点(M)及び望遠端(T)における、無限遠合焦状態での光軸上の各レンズ面の間隔(軸上面間隔)(単位はmm)、各レンズの屈折率、そしてアッベ数である。軸上面間隔M、Tの空欄は、左のW欄の値と同じであることを表している。また、軸上面間隔は、対向する一対の面(光学面、撮像面を含む)間の領域に存在する媒質が空気であるとして換算した距離である。ここで、各レンズ面の番号ri(i=1,2,3,…)は、図4に示したように、光路上の物体側から数えてi番目の光学面であり、riに*が付された面は非球面(非球面形状の屈折光学面または非球面と等価な屈折作用を有する面)であることを示す。なお、光学絞り(ST)、平行平面板(FT)の両面及び撮像素子(SR)の受光面の各面は平面であるために、それらの曲率半径は∞である。
光学面の非球面形状は、面頂点を原点、物体から撮像素子に向かう向きをz軸の正の方向とするローカルな直交座標系(x,y,z)を用い、下記(16)式により定義する。
ただし、z:高さhの位置でのz軸方向の変位量(面頂点基準)
h:z軸に対して垂直な方向の高さ(h2=x2+y2
c:近軸曲率(=1/曲率半径)
A、B、C、D、E、F、G:それぞれ4、6、8、10、12、14、16次の非球面係数
k:円錐係数
上記(16)式から分かるように、表2に示した非球面レンズに対する曲率半径は、レンズの面頂点付近の値を示している。また表3は、非球面とされている面(表2においてriに*が付された面)の円錐係数kと非球面係数A、B、C、D、E、F、Gの値とをそれぞれ示すものである。
以上のようなレンズ配置、構成のもとでの、実施例1における全光学系の球面収差(LONGITUDINAL SPHERICAL ABERRATION)、非点収差(ASTIGMATISM)、及び歪曲収差(DISTORTION)を、図16の左側から順に示す。この図において、上段は広角端(W)、中段は中間点(M)、下段は望遠端(T)における各収差を表している。また、球面収差と非点収差の横軸は焦点位置のずれをmm単位で表しており、歪曲収差の横軸は歪量を全体に対する割合(%)で表している。球面収差の縦軸は、入射高で規格化した値で示してあるが、非点収差と歪曲収差の縦軸は像の高さ(像高)(単位mm)で表してある。
さらに球面収差の図には、一点鎖線で赤色(波長656.28nm)、実線で黄色(いわゆるd線;波長587.56nm)、そして破線で青色(波長435.84nm)と、波長の異なる3つの光を用いた場合の収差がそれぞれ示してある。また、非点収差の図中、符号sとtはそれぞれサジタル(ラディアル)面、タンジェンシャル(メリディオナル)面における結果を表している。さらに、非点収差及び歪曲収差の図は、上記黄線(d線)を用いた場合の結果である。この図16からわかるように、実施例1の変倍光学系1Aは、広角端(W)、中間点(M)、望遠端(T)のいずれにおいても、歪曲収差がほぼ5%以内と優れた光学特性を示している。また、この実施例1における広角端(W)、中間点(M)及び望遠端(T)における焦点距離(単位mm)及びF値を、後掲の表26及び表27にそれぞれ示す。これらの表から、本発明では、短焦点で明るい光学系が実現できていることがわかる。
[実施例2]
図5は、実施例2の変倍光学系1Bにおけるレンズ群の配列を示す、光軸(AX)を縦断した断面図である。この実施例2の変倍光学系1Bは、各レンズ群が物体側から順に、全体として負の光学的パワーを有する第1レンズ群(Gr1)、光学絞り(ST)、全体として正の光学的パワーを有する第2レンズ群(Gr2)、負の光学的パワーを有する第3レンズ群(Gr3)及び正の光学的パワーを有する第4レンズ群(Gr4)からなる。さらに詳しくは、第1レンズ群(Gr1)は物体側から順に、両凹の負レンズ(L1)と物体側に凸の正メニスカスレンズ(L2)とからなる。第2レンズ群(Gr2)は物体側から順に、両凸の正レンズ(L3)と両凹の負レンズ(L4)とからなる。第3レンズ群(Gr3)は、物体側に凸の負メニスカスレンズ(L5)1枚からなる。第4レンズ群(Gr4)は、物体側に凸の正メニスカスレンズ(L6)1枚からなる。
このようなレンズ構成の実施例2に係る変倍光学系1Bにおいては、広角端(W)から望遠端(T)への変倍時に、図28(b)に示すように、第2レンズ群(Gr2)が物体側に直線的に移動し、第3レンズ群(Gr3)が物体側に凸を描くようにUターン移動する。一方、第1レンズ群(Gr1)及び第4レンズ群(Gr4)は固定とされる。なお、光学絞り(ST)は、変倍時に第2レンズ群(Gr2)と共に移動する。
次に、実施例2に係る変倍光学系1Bにおける、各レンズのコンストラクションデータを表4及び表5に示す。これらの表及び図5に示すように、この実施例2では、すべてのレンズ(L1〜L6)が両面非球面レンズとされている。また、第5、6レンズ(L5、L6)が樹脂レンズとされ、その他のレンズはガラスレンズとされている。
[実施例3]
図6は、実施例3の変倍光学系1Cにおけるレンズ群の配列を示す、光軸(AX)を縦断した断面図である。この実施例3の変倍光学系1Cは、各レンズ群が物体側から順に、全体として負の光学的パワーを有する第1レンズ群(Gr1)、光学絞り(ST)、全体として正の光学的パワーを有する第2レンズ群(Gr2)、負の光学的パワーを有する第3レンズ群(Gr3)及び正の光学的パワーを有する第4レンズ群(Gr4)からなる。さらに詳しくは、第1レンズ群(Gr1)は物体側から順に、両凹の負メニスカスレンズ(L1)と、物体側に凸の正メニスカスレンズ(L2)とからなる。第2レンズ群(Gr2)は物体側から順に、両凸の正レンズ(L3)と両凹の負レンズ(L4)とからなる。第3レンズ群(Gr3)は、物体側に凸の負メニスカスレンズ(L5)1枚からなる。第4レンズ群(Gr4)は、物体側に凸の正メニスカスレンズ(L6)1枚からなる。
このようなレンズ構成の実施例3に係る変倍光学系1Cにおいては、広角端(W)から望遠端(T)への変倍時に、図28(c)に示すように、第1レンズ群(Gr1)は、像側に凸の軌道を描くように移動され、第2レンズ群(Gr2)は物体に近付く方向に直線的に移動され、第3レンズ群(Gr3)は、物体側に凸の軌道を描くように移動される。一方、第4レンズ群(Gr4)は固定とされる。なお、光学絞り(ST)は、変倍時に第2レンズ群(Gr2)と共に移動する。
次に、実施例3に係る変倍光学系1Cにおける、各レンズのコンストラクションデータを表6及び表7に示す。これらの表及び図6に示すように、この実施例3では、全てのレンズ(L1〜L6)が両面非球面レンズとされている。また、第1、5、6レンズ(L1、L5、L6)が樹脂レンズとされ、その他のレンズはガラスレンズとされている。
[実施例4]
図7は、実施例4の変倍光学系1Dにおけるレンズ群の配列を示す、光軸(AX)を縦断した断面図である。この実施例4の変倍光学系1Dは、各レンズ群が物体側から順に、全体として負の光学的パワーを有する第1レンズ群(Gr1)、光学絞り(ST)、全体として正の光学的パワーを有する第2レンズ群(Gr2)、負の光学的パワーを有する第3レンズ群(Gr3)及び正の光学的パワーを有する第4レンズ群(Gr4)からなる。さらに詳しくは、第1レンズ群(Gr1)は物体側から順に、両凹の負レンズ(L1)と物体側に凸の正メニスカスレンズ(L2)とからなる。第2レンズ群(Gr2)は物体側から順に、両凸正レンズ(L3)と、物体側に凸の負メニスカスレンズ(L4)と物体側に凸の正メニスカスレンズ(L5)の接合レンズとからなる。第3レンズ群(Gr3)は、物体側に凸の負メニスカスレンズ(L6)1枚からなる。第4レンズ群(Gr4)は、両凸の正レンズ(L7)1枚からなる。
このようなレンズ構成の実施例4に係る変倍光学系1Dにおいては、広角端(W)から望遠端(T)への変倍時に、図28(b)に示したように、第2レンズ群(Gr2)は物体側に直線的に移動し、第3レンズ群(Gr3)は物体側に凸を描くようにUターン移動する。一方、第1レンズ群(Gr1)及び第4レンズ群(Gr4)は固定とされる。なお、光学絞り(ST)は、変倍時に第2レンズ群(Gr2)と共に移動する。
次に、実施例4に係る変倍光学系1Dにおける、各レンズのコンストラクションデータを表8及び表9に示す。これらの表及び図7に示すように、この実施例4では、第1、2、3、6、7レンズ(L1、L2、L3、L6、L7)が両面非球面レンズとされ、第5レンズ(L5)が片面非球面レンズとされている。また、第6、7レンズ(L6、L7)が樹脂製レンズとされ、その他のレンズはガラスレンズとされている。
[実施例5]
図8は、実施例5の変倍光学系1Eにおけるレンズ群の配列を示す、光軸(AX)を縦断した断面図である。この実施例5の変倍光学系1Bは、各レンズ群が物体側から順に、全体として負の光学的パワーを有する第1レンズ群(Gr1)、光学絞り(ST)、全体として正の光学的パワーを有する第2レンズ群(Gr2)、負の光学的パワーを有する第3レンズ群(Gr3)及び正の光学的パワーを有する第4レンズ群(Gr4)からなる。さらに詳しくは、第1レンズ群(Gr1)は物体側から順に、両凹の負レンズ(L1)と物体側に凸の正メニスカスレンズ(L2)とからなる。第2レンズ群(Gr2)は物体側から順に、両凸の正レンズ(L3)と両凹の負レンズ(L4)とからなる。第3レンズ群(Gr3)は、物体側に凸の負メニスカスレンズ(L5)1枚からなる。第4レンズ群(Gr4)は、両凸の正レンズ(L6)1枚からなる。
このようなレンズ構成の実施例5に係る変倍光学系1Eにおいては、広角端(W)から望遠端(T)への変倍時に、図28(b)に示すように、第2レンズ群(Gr2)が物体側に直線的に移動し、第3レンズ群(Gr3)が物体側に凸を描くようにUターン移動する。一方、第1レンズ群(Gr1)及び第4レンズ群(Gr4)は固定とされる。なお、光学絞り(ST)は、変倍時に第2レンズ群(Gr2)と共に移動する。
次に、実施例5に係る変倍光学系1Eにおける、各レンズのコンストラクションデータを表10及び表11に示す。これらの表及び図8に示すように、この実施例5では、すべてのレンズ(L1〜L6)が両面非球面レンズとされている。また、第5、6レンズ(L5、L6)が樹脂レンズとされ、その他のレンズはガラスレンズとされている。
[実施例6]
図9は、実施例6の変倍光学系1Fにおけるレンズ群の配列を示す、光軸(AX)を縦断した断面図である。この実施例6の変倍光学系1Fは、各レンズ群が物体側から順に、全体として負の光学的パワーを有する第1レンズ群(Gr1)、光学絞り(ST)、全体として正の光学的パワーを有する第2レンズ群(Gr2)、負の光学的パワーを有する第3レンズ群(Gr3)及び正の光学的パワーを有する第4レンズ群(Gr4)からなる。さらに詳しくは、第1レンズ群(Gr1)は物体側から順に、両凹の負レンズ(L1)と物体側に凸の正メニスカスレンズ(L2)とからなる。第2レンズ群(Gr2)は物体側から順に、両凸の正レンズ(L3)と両凹の負レンズ(L4)とからなる。第3レンズ群(Gr3)は、物体側に凸の負メニスカスレンズ(L5)1枚からなる。第4レンズ群(Gr4)は、両凸の正レンズ(L6)1枚からなる。
このようなレンズ構成の実施例6に係る変倍光学系1Fにおいては、広角端(W)から望遠端(T)への変倍時に、図28(a)に示すように、第2レンズ群(Gr2)が物体側に直線的に移動し、第3レンズ群(Gr3)が中間点(M)で移動速度をシフトする態様で、物体側に直線的に移動する。一方、第1レンズ群(Gr1)及び第4レンズ群(Gr4)は固定とされる。なお、光学絞り(ST)は、変倍時に第2レンズ群(Gr2)と共に移動する。
次に、実施例6に係る変倍光学系1Fにおける、各レンズのコンストラクションデータを表12及び表13に示す。これらの表及び図9に示すように、この実施例6では、すべてのレンズ(L1〜L6)が両面非球面レンズとされている。また、第5、6レンズ(L5、L6)が樹脂レンズとされ、その他のレンズはガラスレンズとされている。
[実施例7]
図10は、実施例7の変倍光学系1Gにおけるレンズ群の配列を示す、光軸(AX)を縦断した断面図である。この実施例7の変倍光学系1Gは、各レンズ群が物体側から順に、全体として負の光学的パワーを有する第1レンズ群(Gr1)、光学絞り(ST)、全体として正の光学的パワーを有する第2レンズ群(Gr2)、負の光学的パワーを有する第3レンズ群(Gr3)及び正の光学的パワーを有する第4レンズ群(Gr4)からなる。さらに詳しくは、第1レンズ群(Gr1)は物体側から順に、物体側に凸の負メニスカスレンズ(L1)と物体側に凸の正メニスカスレンズ(L2)とからなる。第2レンズ群(Gr2)は物体側から順に、両凸の正レンズ(L3)と両凹の負レンズ(L4)とからなる。第3レンズ群(Gr3)は、物体側に凸の負メニスカスレンズ(L5)1枚からなる。第4レンズ群(Gr4)は、両凸の正レンズ(L6)1枚からなる。
このようなレンズ構成の実施例7に係る変倍光学系1Gにおいては、広角端(W)から望遠端(T)への変倍時に、図28(a)に示すように、第2レンズ群(Gr2)が物体側に直線的に移動し、第3レンズ群(Gr3)が中間点(M)で移動速度をシフトする態様で、物体側に直線的に移動する。一方、第1レンズ群(Gr1)及び第4レンズ群(Gr4)は固定とされる。なお、光学絞り(ST)は、変倍時に第2レンズ群(Gr2)と共に移動する。
次に、実施例7に係る変倍光学系1Gにおける、各レンズのコンストラクションデータを表14及び表15に示す。これらの表及び図10に示すように、この実施例7では、すべてのレンズ(L1〜L6)が両面非球面レンズとされている。また、第5、6レンズ(L5、L6)が樹脂レンズとされ、その他のレンズはガラスレンズとされている。
[実施例8]
図11は、実施例8の変倍光学系1Hにおけるレンズ群の配列を示す、光軸(AX)を縦断した断面図である。この実施例8の変倍光学系1Hは、各レンズ群が物体側から順に、全体として負の光学的パワーを有する第1レンズ群(Gr1)、光学絞り(ST)、全体として正の光学的パワーを有する第2レンズ群(Gr2)、負の光学的パワーを有する第3レンズ群(Gr3)及び正の光学的パワーを有する第4レンズ群(Gr4)からなる。さらに詳しくは、第1レンズ群(Gr1)は物体側から順に、物体側に凸の負メニスカスレンズ(L1)と物体側に凸の正メニスカスレンズ(L2)とからなる。第2レンズ群(Gr2)は物体側から順に、両凸の正レンズ(L3)と物体側に凸の負メニスカスレンズ(L4)とからなる。第3レンズ群(Gr3)は、両凹の負レンズ(L5)1枚からなる。第4レンズ群(Gr4)は、物体側に凸の正メニスカスレンズ(L6)1枚からなる。
このようなレンズ構成の実施例8に係る変倍光学系1Hにおいては、広角端(W)から望遠端(T)への変倍時に、図28(a)に示すように、第2レンズ群(Gr2)が物体側に直線的に移動し、第3レンズ群(Gr3)が中間点(M)で移動速度をシフトする態様で、物体側に直線的に移動する。一方、第1レンズ群(Gr1)及び第4レンズ群(Gr4)は固定とされる。なお、光学絞り(ST)は、変倍時に第2レンズ群(Gr2)と共に移動する。
次に、実施例8に係る変倍光学系1Hにおける、各レンズのコンストラクションデータを表16及び表17に示す。これらの表及び図11に示すように、この実施例8では、すべてのレンズ(L1〜L6)が両面非球面レンズとされている。また、全てのレンズ(L1〜L6)がガラスレンズとされている。
[実施例9]
図12は、実施例9の変倍光学系1Iにおけるレンズ群の配列を示す、光軸(AX)を縦断した断面図である。この実施例9の変倍光学系1Iは、各レンズ群が物体側から順に、全体として負の光学的パワーを有する第1レンズ群(Gr1)、光学絞り(ST)、全体として正の光学的パワーを有する第2レンズ群(Gr2)、負の光学的パワーを有する第3レンズ群(Gr3)及び正の光学的パワーを有する第4レンズ群(Gr4)からなる。さらに詳しくは、第1レンズ群(Gr1)は物体側から順に、両凹の負レンズ(L1)と物体側に凸の正メニスカスレンズ(L2)とからなる。第2レンズ群(Gr2)は物体側から順に、両凸正レンズ(L3)と、物体側に凸の負メニスカスレンズ(L4)と両凸の正レンズ(L5)の接合レンズとからなる。第3レンズ群(Gr3)は、両凹の負レンズ(L6)1枚からなる。第4レンズ群(Gr4)は、両凸の正レンズ(L7)1枚からなる。
このようなレンズ構成の実施例9に係る変倍光学系1Iにおいては、広角端(W)から望遠端(T)への変倍時に、図28(a)に示すように、第2レンズ群(Gr2)が物体側に直線的に移動し、第3レンズ群(Gr3)が中間点(M)で移動速度をシフトする態様で、物体側に直線的に移動する。一方、第1レンズ群(Gr1)及び第4レンズ群(Gr4)は固定とされる。なお、光学絞り(ST)は、変倍時に第2レンズ群(Gr2)と共に移動する。
次に、実施例9に係る変倍光学系1Iにおける、各レンズのコンストラクションデータを表18及び表19に示す。これらの表及び図12に示すように、この実施例9では、第1、2、3、6、7レンズ(L1、L2、L3、L6、L7)が両面非球面レンズとされている。また、第6、7レンズ(L6、L7)が樹脂製レンズとされ、その他のレンズはガラスレンズとされている。
[実施例10]
図13は、実施例10の変倍光学系1Jにおけるレンズ群の配列を示す、光軸(AX)を縦断した断面図である。この実施例10の変倍光学系1Jは、各レンズ群が物体側から順に、全体として負の光学的パワーを有する第1レンズ群(Gr1)、光学絞り(ST)、全体として正の光学的パワーを有する第2レンズ群(Gr2)、負の光学的パワーを有する第3レンズ群(Gr3)及び正の光学的パワーを有する第4レンズ群(Gr4)からなる。さらに詳しくは、第1レンズ群(Gr1)は物体側から順に、物体側に凸の負メニスカスレンズ(L1)と物体側に凸の正メニスカスレンズ(L2)とからなる。第2レンズ群(Gr2)は物体側から順に、両凸正レンズ(L3)と、物体側に凸の負メニスカスレンズ(L4)と両凸の正レンズ(L5)の接合レンズとからなる。第3レンズ群(Gr3)は、両凹の負レンズ(L6)1枚からなる。第4レンズ群(Gr4)は、両凸の正レンズ(L7)1枚からなる。
このようなレンズ構成の実施例10に係る変倍光学系1Jにおいては、広角端(W)から望遠端(T)への変倍時に、図28(a)に示すように、第2レンズ群(Gr2)が物体側に直線的に移動し、第3レンズ群(Gr3)が中間点(M)で移動速度をシフトする態様で、物体側に直線的に移動する。一方、第1レンズ群(Gr1)及び第4レンズ群(Gr4)は固定とされる。なお、光学絞り(ST)は、変倍時に第2レンズ群(Gr2)と共に移動する。
次に、実施例10に係る変倍光学系1Jにおける、各レンズのコンストラクションデータを表20及び表21に示す。これらの表及び図13に示すように、この実施例10では、第1、2、3、6、7レンズ(L1、L2、L3、L6、L7)が両面非球面レンズとされている。また、第6、7レンズ(L6、L7)が樹脂製レンズとされ、その他のレンズはガラスレンズとされている。
[実施例11]
図14は、実施例11の変倍光学系1Kにおけるレンズ群の配列を示す、光軸(AX)を縦断した断面図である。この実施例11の変倍光学系1Kは、各レンズ群が物体側から順に、全体として負の光学的パワーを有する第1レンズ群(Gr1)、光学絞り(ST)、全体として正の光学的パワーを有する第2レンズ群(Gr2)、負の光学的パワーを有する第3レンズ群(Gr3)及び正の光学的パワーを有する第4レンズ群(Gr4)からなる。さらに詳しくは、第1レンズ群(Gr1)は物体側から順に、両凹の負レンズ(L1)と物体側に凸の正メニスカスレンズ(L2)とからなる。第2レンズ群(Gr2)は物体側から順に、物体側に凸の正メニスカスレンズ(L3)と、両凸の正レンズ(L4)と像側に凸の負メニスカスレンズ(L5)の接合レンズとからなる。第3レンズ群(Gr3)は、物体側に凸の負メニスカスレンズ(L6)1枚からなる。第4レンズ群(Gr4)は、両凸の正レンズ(L7)1枚からなる。
このようなレンズ構成の実施例11に係る変倍光学系1Kにおいては、広角端(W)から望遠端(T)への変倍時に、図28(b)に示すように、第2レンズ群(Gr2)が物体側に直線的に移動し、第3レンズ群(Gr3)が物体側に凸を描くようにUターン移動する。一方、第1レンズ群(Gr1)及び第4レンズ群(Gr4)は固定とされる。なお、光学絞り(ST)は、変倍時に第2レンズ群(Gr2)と共に移動する。
次に、実施例11に係る変倍光学系1Kにおける、各レンズのコンストラクションデータを表22及び表23に示す。これらの表及び図14に示すように、この実施例11では、第1、3、6、7レンズ(L1、L3、L6、L7)が両面非球面レンズとされ、第5レンズ(L5)が片面非球面レンズとされている。また、第6、7レンズ(L6、L7)が樹脂製レンズとされ、その他のレンズはガラスレンズとされている。
参考例12]
図15は、参考例12の変倍光学系1Lにおけるレンズ群の配列を示す、光軸(AX)を縦断した断面図である。この参考例12の変倍光学系1Lは、各レンズ群が物体側から順に、全体として負の光学的パワーを有する第1レンズ群(Gr1)、光学絞り(ST)、全体として正の光学的パワーを有する第2レンズ群(Gr2)、負の光学的パワーを有する第3レンズ群(Gr3)及び正の光学的パワーを有する第4レンズ群(Gr4)からなる。さらに詳しくは、第1レンズ群(Gr1)は物体側から順に、両凹の負レンズ(L1)と両凸の正レンズ(L2)とからなる。第2レンズ群(Gr2)は物体側から順に、両凸の正レンズ(L3)と、両凸の正レンズ(L4)と両凹の負レンズ(L5)の接合レンズとからなる。第3レンズ群(Gr3)は、物体側に凸の負メニスカスレンズ(L6)1枚からなる。第4レンズ群(Gr4)は、両凸の正レンズ(L7)1枚からなる。
このようなレンズ構成の参考例12に係る変倍光学系1Lにおいては、広角端(W)から望遠端(T)への変倍時に、図28(b)に示すように、第2レンズ群(Gr2)が物体側に直線的に移動し、第3レンズ群(Gr3)が物体側に凸を描くようにUターン移動する。一方、第1レンズ群(Gr1)及び第4レンズ群(Gr4)は固定とされる。なお、光学絞り(ST)は、変倍時に第2レンズ群(Gr2)と共に移動する。
次に、参考例12に係る変倍光学系1Lにおける、各レンズのコンストラクションデータを表24及び表25に示す。これらの表及び図15に示すように、この参考例12では、第1、2、3、6、7レンズ(L1、L2、L3、L6、L7)が両面非球面レンズとされ、第5レンズ(L5)が片面非球面レンズとされている。また、第6、7レンズ(L6、L7)が樹脂製レンズとされ、その他のレンズはガラスレンズとされている。
以上のようなレンズ配置、構成のもとでの、上記実施例2〜11及び参考例12の変倍光学系1B〜1Lの球面収差、非点収差、そして歪曲収差を図17〜図27にそれぞれ示す。これらの図において、球面収差の図には、図16と同様に、一点鎖線で赤色、実線で黄色、そして破線で青色と、波長の異なる3つの光を用いた場合の収差がそれぞれ示してある。いずれの実施例におけるレンズ群も、広角端(W)、中間点(M)、望遠端(T)のいずれにおいても、歪曲収差がほぼ5%以内と優れた光学特性を示している。
また、この実施例2〜11及び参考例12の各変倍光学系1B〜1Lにおける広角端(W)、中間点(M)、そして望遠端(T)における焦点距離(単位mm)及びF値を、表26及び表27にそれぞれ示す。これらの表から、実施例1と同様に、短焦点で、明るい光学系が実現できていることがわかる。
また、この実施例2〜11及び参考例12の各変倍光学系1B〜1Lに、上述した条件式(1)〜(14)を当てはめた場合のそれぞれの数値を、表28、表29に示す。
以上説明したように、上記実施例1〜11に係る変倍光学系1A〜1Kによれば、とりわけ変倍比が2〜4倍程度の変倍光学系において、変倍域全域にわたって各種の収差が良好に補正され、且つ、超小型化が達成できるズームレンズを安価に提供することができる。

Claims (17)

  1. 物体側から順に、負の光学的パワーを有する第1レンズ群と、正の光学的パワーを有する第2レンズ群と、負の光学的パワーを有する第3レンズ群と、正の光学的パワーを有する第4レンズ群とからなり、広角端から望遠端への変倍時に前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間隔が狭くなる変倍光学系において、
    前記第2レンズ群内に少なくとも1面の非球面が具備され、且つ、
    下記(1)〜(3)の条件式を満たし、
    前記第1レンズ群は、正の光学的パワーを有する物体側に凸のメニスカスレンズを有し、
    前記メニスカスレンズは、下記(5)の条件式を満た
    前記第1レンズ群は、広角端から望遠端への変倍時に固定であって
    下記(9)の条件式を満たすことを特徴とする変倍光学系。
    0.2<T1/(fw×ft)1/2<1.2 ・・・(1)
    ΔN2>0.15 ・・・(2)
    Δν2>20 ・・・(3)
    N1p≧1.8 ・・・(5)
    0.1<h1/TLw ・・・(9)
    但し、T1:前記第1レンズ群のレンズ最前面から前記第1レンズ群のレンズ最後面までの光軸上厚み
    fw:広角端での全光学系の合成焦点距離
    ft:望遠端での全光学系の合成焦点距離
    ΔN2:前記第2レンズ群内のレンズについて、正レンズの屈折率平均値と負レンズの屈折率平均値の差
    Δν2:前記第2レンズ群内のレンズについて、正レンズのアッベ数平均値と負レンズのアッベ数平均値の差
    N1p:前記メニスカスレンズの屈折率
    h1:最も物体側レンズ面の広角端での有効光路半径
    TLw:物体距離無限時における、広角端での最も物体側レンズ面の面頂点から像面までの光軸上距離
  2. 前記第2レンズ群が、下記(6)の条件式を満たすことを特徴とする請求項1に記載の変倍光学系。
    0.6<f2/fw<2.0 ・・・(6)
    但し、f2:前記第2レンズ群の合成焦点距離
  3. 前記第2レンズ群は、少なくとも2枚の正レンズと、少なくとも1枚の負レンズとから構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の変倍光学系。
  4. 前記第2レンズ群は、物体側から順に、正レンズ、負レンズ、正レンズの3枚で構成されていることを特徴とする請求項3に記載の変倍光学系。
  5. 無限遠物体から近距離物体へのフォーカシングが、前記第3レンズ群を像側に移動させることによって行われ、
    下記(7)の条件式を満たすことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の変倍光学系。
    1.5<|f3/fw|<6.0 ・・・(7)
    但し、f3:前記第3レンズ群の合成焦点距離
  6. 前記第3レンズ群が、広角端から望遠端への変倍時に、物体側に凸形状の軌跡を描くように移動するものであって、
    下記(8)の条件式を満たすことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の変倍光学系。
    |D3/(fw×ft)1/2|<1.5 ・・・(8)
    但し、D3:広角端から望遠端への変倍時における前記第3レンズ群の移動量
  7. 前記第2レンズ群の物体側に開口絞りが備えられ、
    前記開口絞りは絞り径が固定であることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の変倍光学系。
  8. 前記第2レンズ群の像側に、光量を調節する機構が配置され、
    下記(10)の条件式を満たすことを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の変倍光学系。
    T12/(fw×ft)1/2<0.3 ・・・(10)
    但し、T12:望遠端における、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との光軸上間隔
  9. 前記第4レンズ群は、広角端から望遠端への変倍時に固定であって、
    下記(11)の条件式を満たすことを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の変倍光学系。
    1.0<|EPw/fw|<8.0 ・・・(11)
    但し、EPw:広角端における、最大画角の主光線の射出瞳位置から像面までの距離
  10. 変倍時に可動のレンズ群が、変倍群とズーミングに伴う像面変動補正群との2つのレンズ群のみであることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の変倍光学系。
  11. 前記第1レンズ群が、物体側から順に、1枚の負レンズと1枚の正レンズとからなり、
    下記(12)の条件式を満たすことを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の変倍光学系。
    0.15<|f1n/f1p|<0.50 ・・・(12)
    但し、f1p:前記第1レンズ群内の正レンズの焦点距離
    f1n:前記第1レンズ群内の負レンズの焦点距離
  12. 少なくとも1枚の樹脂材料製レンズを有することを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載の変倍光学系。
  13. 前記樹脂材料製レンズは、樹脂材料中に最大長が30ナノメートル以下の粒子を分散させてなる素材を用いて成形したレンズであることを特徴とする請求項12に記載の変倍光学系。
  14. 前記第4レンズ群内の正レンズが、樹脂材料製レンズであることを特徴とする請求項12又は13に記載の変倍光学系。
  15. 請求項1から14のいずれかに記載の変倍光学系と、光学像を電気的な信号に変換する撮像素子とを備え、
    前記変倍光学系が前記撮像素子の受光面上に被写体の光学像を形成可能とされていることを特徴とする撮像装置。
  16. 請求項15に記載の撮像装置と、
    前記撮像装置及び撮像素子に被写体の静止画撮影及び動画撮影の少なくとも一方の撮影を行わせる制御部と、を具備し、
    前記撮像装置の変倍光学系が、前記撮像素子の受光面上に被写体の光学像を形成可能に組み付けられていることを特徴とするデジタル機器。
  17. 前記デジタル機器は、携帯端末であることを特徴とする請求項16に記載のデジタル機器。
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