JP5621782B2 - ズームレンズ及び撮像装置 - Google Patents

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Description

本発明は、4群のレンズ群から構成され、各レンズ群の間隔を変えることにより変倍を行うズームレンズ、及び該ズームレンズを備えた撮像装置に関する。
近年、CCD(Charged Coupled Device)型イメージセンサ或いはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)型イメージセンサ等の固体撮像素子を用いた撮像装置の高性能化及び小型化に伴い、撮像装置を備えた携帯電話や携帯情報端末が普及しつつある。これらの機器では、サイズやコストの制約が非常に厳しいことから、通常のデジタルスチルカメラ等に比べて低画素数で小型の固体撮像素子と、プラスチックレンズ1〜4枚程度からなる単焦点光学系とを備えた撮像装置が一般的に用いられている。しかし、携帯情報端末に搭載される撮像装置も高画素化及び高機能化が急速に進んでおり、高画素撮像素子に対応でき、且つ撮影者から離れた被写体を撮像可能とするだけではなく、室内での撮影のように被写体との距離を離すことができない場合にも撮影可能とするために、携帯電話機等に搭載できる小型で広角の変倍光学系が要求されている。
厚みが薄いタイプの携帯情報端末には、プリズム等の反射光学素子を用いて光軸を90度屈曲させる屈曲光学系が多く用いられており、負正負正4成分の変倍光学系において、第1レンズ群に上記反射光学素子を用いて厚み方向の小型化を図った変倍光学系が特許公報に開示されている(特許文献1,2参照)。
特開2007−93955号公報 特開2006−284790号公報
近年では、撮像装置全体の小型化を目的とし、画素ピッチを小さくすることにより小型化と高画素化を両立させた固体撮像素子が開発されている。画素ピッチが小さくなることにより、1画素に入射する光の量も小さくなり、また、回折限界付近の高周波成分も解像する必要が出てくるので、撮像レンズには小型化と高性能化と共に、よりFナンバーの小さな明るい光学系が求められている。
しかしながら、特許文献1,2のような変倍光学系では望遠端におけるFナンバーが暗く、また屈曲光学系により薄型化を図っているものの、光学全長としては長いため、ユニット体積の観点からは小型化が不十分である。
本発明はかかる問題に鑑みてなされたものであり、従来タイプより小型でありながらも、Fナンバーが小さく、更に諸収差が良好に補正されたズームレンズ及び該ズームレンズを備えた撮像装置を提供することを目的とする。
上記目的は下記に記載した発明により達成される。
1.物体側より順に、負の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、負の屈折力を有する第3レンズ群と、正の屈折力を有する第4レンズ群とから構成され、各レンズ群の間隔を変えることにより変倍を行うズームレンズにおいて、
広角端から望遠端に至る変倍で前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間隔が縮小し、
前記第1レンズ群は光線を反射させることで光路を屈曲させる作用を有する反射光学素子と、前記第1レンズ群の最も像側に負の1nレンズと正の1pレンズから成る接合レンズと、を含み、
前記第2レンズ群は物体側より順に正の2p1レンズと負の2nレンズと正の2p2レンズとから成り、前記2p1レンズと前記2nレンズは空気間隔を有するとともに前記2nレンズと前記2p2レンズが接合されており、
前記第3レンズ群は1枚の負レンズから成り、
以下の条件式を満足することを特徴とするズームレンズ。
0.30<n2n−n2p2<0.50・・・(1)
30<ν2p2−ν2n<60・・・・・・・(2)
30<ν1n−ν1p<50・・・・・・・・(4)
1.6<(r12n+r22n)/(r12n−r22n)<3.0・・・(5)
但し、
n2n:前記2nレンズの屈折率
n2p2:前記2p2レンズの屈折率
ν2p2:前記2p2レンズのアッベ数
ν2n:前記2nレンズのアッベ数
ν1n:前記1nレンズのアッベ数
ν1p:前記1pレンズのアッベ数
r12n:前記2nレンズの物体側の近軸曲率半径
r22n:前記2nレンズの像側の近軸曲率半径
小型で収差の良好に補正されたズームレンズを得るための本発明の基本構成は物体側から順に、負の屈折力を有すると共に光線を反射させることで光路を屈曲させる作用を有する反射光学素子を含む第1レンズ群と、正の屈折力を有すると共に3枚のレンズから成る第2レンズ群と、負の屈折力を有すると共に単レンズから成る第3レンズ群と、正の屈折力を有する第4レンズ群から構成される。
第1レンズ群を負の構成にすることにより、物体側から大きな角度で入射してくる光線をいち早く緩めることができ、前玉径のコンパクト化を図る点で有利となる。また、第1レンズ群内に反射光学素子を備えることにより、撮像装置の奥行き方向の寸法を小さくすることができる。
また、本ズームレンズにおいては、第1レンズ群と第2レンズ群との合成パワーは常に正パワーであり、広角端から望遠端に至る変倍で、第1レンズ群と第2レンズ群との間隔が縮小する。従って、広角端においては第1レンズ群と第2レンズ群との間隔が変倍中で最も離間する。その上で、第2レンズ群が正の屈折力を有することにより、第1レンズ群と第2レンズ群とのパワー配置はレトロフォーカス配置となる。依って、ズームレンズの全長を短くしながらも比較的長いバックフォーカスを確保できるので、ズームレンズの最も像側の面と固体撮像素子の間に光学的ローパスフィルタ若しくは赤外線カットフィルタ等を配置するスペースを確保することができる。
一方、広角端から望遠端に至る変倍で第1レンズ群と第2レンズ群との間隔が縮小するので、両レンズ群は一つの正パワーを有するレンズ群とみなすことができる。その上で、第3レンズ群が負の屈折力を有することにより、第1レンズ群と第2レンズ群の合成の正の屈折力と第3レンズの負の屈折力のパワー配置は、「正・負」となり、テレフォト配置となる。従って、本ズームレンズは比較的長い焦点距離を確保しつつ、光学全長を抑えることができる。
また、第3レンズ群を単レンズとすることにより、第3レンズ群全体が大きくなることを抑えることができるので、変倍のためのスペースを確保し、且つコストを抑えることができる。更に、第3レンズ群全体の軽量化をすることができるので、変倍時におけるアクチュエータの負荷を抑えることができる。
また、第4レンズ群が正の屈折力を有することにより、固体撮像素子の撮像面周辺部に結像する光束の主光線入射角度(主光線と光軸の成す角度)を小さく抑えることができ、所謂テレセントリック特性を確保することができる。
また、第2レンズ群は、物体側より順に正の2p1レンズと負の2nレンズと正の2p2レンズとから成る。最も物体側に正の屈折力を有する2p1レンズを配置することで、第1レンズ群の負のパワーによって発散されてくる光を効率よく収斂し、球面収差を効果的に補正できる。
第2レンズ群を構成する各レンズを通過する光束は太く、球面収差やコマ収差への影響が比較的大きいことから、製造誤差による収差への影響は他のレンズ群に比べ大きくなる。そこで、2nレンズと2p2レンズを接合レンズとすると、部品要素が減少し、更に、レンズ間の位置精度を向上させることが可能となり、製造誤差の影響を抑えることができるので生産性が良くなる。また、負レンズと正レンズのダブレットとなるため、球面収差や色収差が効率的に補正できる。
また、固体撮像素子の高画素化に伴い、より明るいズームレンズが求められた際に、Fナンバーを小さくすることによって発生する球面収差について、負の屈折力を有する2nレンズと正の屈折力を有する2p2レンズとを配置することによって、負レンズと正レンズの組み合わせにより、Fナンバーを小さくすることにより発生した球面収差を効果的に補正し、更に色収差やコマ収差を効果的に補正することができる。
条件式(1)は2nレンズと2p2レンズの屈折率の差を規定している。条件式(1)の下限値を上回ることで、屈折率の高い負レンズと屈折率の低い正レンズの組み合わせとなり、2p1レンズで補正し切れなかった球面収差やコマ収差を効果的に補正することができる。一方、上限値を下回ることで入手し易い硝材で構成することができる。
また、以下の条件式を満足することがより望ましい。
0.32<n2n−n2p2<0.45
条件式(2)は2p2レンズと2nレンズのアッベ数の差を規定している。条件式(2)の下限値を上回ることで、分散の大きい負レンズと分散の小さい正レンズの組み合わせとなり、色収差を効果的に補正することができる。一方、上限値を下回ることで入手し易い硝材で構成することができる。
また、以下の条件式を満足することがより望ましい。
35<ν2p2−ν2n<55
条件式(4)は1pレンズと1nレンズのアッベ数の差を規定している。条件式(4)の下限値を上回ることで、分散の大きい負レンズと分散の小さい正レンズの組み合わせとなり、望遠側における色収差を効果的に補正することができる。一方、上限値を下回ることで広角側において第1レンズ群と第2レンズ群の間隔が広がることによる色収差の補正不足を防ぐことができる。
条件式(5)は2nレンズのシェーピングファクターを規定している。条件式(5)の下限値を上回ることで、2nレンズは強いメニスカス形状となり、接合面の発散作用が大きくなるので、2p1レンズで補正し切れなかった球面収差を効率的に補正することができる。一方、上限値を下回ることによって、接合面の曲率の増大によるコマフレア等の高次収差の発生を抑えることができる。
2.前記第1レンズ群の、前記1nレンズと前記1pレンズから成る負の屈折力の接合レンズは、以下の条件式を満足することを特徴とする前記1に記載のズームレンズ。
1.5<|f1b/fT|<4.0・・・(3)
但し、
f1b:前記第1レンズ群の最も像側の接合レンズの合成焦点距離
fT:望遠端における全系の焦点距離
広角端から望遠端に至る変倍で第1レンズ群と第2レンズ群の間隔が縮小するので、第1レンズ群を通過する光束は徐々に太くなり、第1レンズ群で発生する球面収差や軸上色収差は大きくなる。そこで、第1レンズ群の最も像側に負の1nレンズと正の1pレンズとから成る負の屈折力を有する接合レンズを配置することにより、望遠側で発生する球面収差や軸上色収差を効率的に補正できる。
条件式(3)は第1レンズ群の接合レンズの合成焦点距離と望遠端における全系の焦点距離の比を規定している。条件式(3)の上限値を下回ることで接合レンズは適度な負の屈折力を有し、望遠側で発生する球面収差を効率的に補正することができる。一方で、下限値を上回ることによって、レンズの屈折力の増大による収差の発生を抑えることができる。
また、以下の条件式を満足ずることがより望ましい。
2.0<|f1b/fT|<3.0
3.前記第2レンズ群の前記2p2レンズは、以下の条件式を満足することを特徴とする前記1又は前記2に記載のズームレンズ。
0.8<(r12p2+r22p2)/(r12p2−r22p2)<−0.4・・・(6)
但し
12p2:前記2p2レンズの物体側の近軸曲率半径
r22p2:前記2p2レンズの像側の近軸曲率半
条件式(6)は2p2レンズのシェーピングファクターを規定している。条件式(6)の上限値を下回ることによって、2p2レンズの主点位置が物体側に移動するので、2p1レンズとの主点間隔が小さくなり、接合レンズにおける2p2レンズの屈折力の影響が大きくなる。このため、正の屈折力を2p1レンズと2p2レンズで分担することにより、各レンズの屈折力を小さくすることができるので、各収差の発生を抑えることができる。一方、下限値を上回ることによって、接合面の曲率半径の増大によるコマフレア等の高次収差の発生を抑えることができる。
4.以下の条件式を満足することを特徴とする前記1〜3の何れか1項に記載のズームレンズ。
3.0<f2n2p2/f2p1<10.0・・・(7)
但し、
f2n2p2:前記2nレンズと前記2p2レンズとの合成焦点距離
f2p1:前記2p1レンズの焦点距離
条件式(7)は2nレンズと2p2レンズの合成焦点距離と、2p1レンズの焦点距離との比を規定している。2p1レンズと、2nレンズと2p2レンズの合成レンズは「正・正」の構成となっており、条件式(7)の下限値を上回ることによって、第2レンズ群の主点位置が物体側に移動するので、望遠端において第1レンズ群と第2レンズ群の合成の正の屈折力が大きくなり、ズームレンズの小型化が可能となる。一方、上限値を下回ることによって、2p1レンズの屈折力の過度な増大による収差の発生を抑えることができる。
5.前記第1レンズ群は、最も物体側に負の屈折力を有して物体側に凸面を向けたメニスカス形状のレンズを有することを特徴とする前記1〜4の何れか1項に記載のズームレンズ。
第1レンズ群の最も物体側に、物体側に凸を向けたメニスカスレンズを配置することにより、光線の入射角が小さくなり、像面湾曲やコマ収差等の収差の発生を抑えることができる。
6.前記第1レンズ群は、最も物体側に負の屈折力のレンズを有し、以下の条件式を満足することを特徴とする前記1〜5の何れか1項に記載のズームレンズ。
1.0<|f1a/fW|<3.0・・・(8)
但し、
f1a:前記第1レンズ群の最も物体側のレンズの焦点距離
fW:広角端における全系の焦点距離
条件式(8)は第1レンズ群の最も物体側のレンズの焦点距離と広角端における全系の焦点距離の比を規定している。条件式(8)の上限値を下回ることによって、レンズが適度な負の屈折力を有し、広角端において、広い画角を確保することができる。一方、下限値を上回ることによって、レンズの屈折力の増大による収差の発生を抑えることができる。
また、以下の条件式を満足することがより望ましい。
1.5<|f1a/fW|<2.5
7.前記ズームレンズは、以下の条件式を満足することを特徴とする前記1〜6の何れか1項に記載のズームレンズ。
0.8<|f3/fW|<2.0・・・(9)
但し、
f3:前記第3レンズ群の焦点距離
fW:広角端における全系の焦点距離
条件式(9)は第3レンズ群の焦点距離と広角端における全系の焦点距離の比を規定している。条件式(9)の上限を下回ることによって、第3レンズ群が適度な負の屈折力を有し、ズームレンズの小型化が可能となる。一方、下限値を上回ることによって、第3レンズ群の屈折力の増大による収差の発生を抑えることができる。
また、以下の条件式を満足することがより望ましい。
1.0<|f3/fW|<1.5
8.前記第3レンズ群は、プラスチックから成り、少なくとも1面が非球面に形成されていることを特徴とする前記1〜7の何れか1項に記載のズームレンズ。
第2レンズ群、第3レンズ群及び第4レンズ群は「正・負・正」の構成になっているため、第3レンズ群を通る光線高さは比較的小さく、第3レンズ群は外形の小さなレンズとなる。従って、手間のかかる研磨加工により製造するガラスレンズと比較すれば、射出成形により製造されるプラスチックレンズで構成することによって、安価に大量生産が可能となる。また、射出成形は非球面レンズを容易に製造することが可能なため、非球面レンズによって、各収差を効果的に補正することが可能となる。更に、プラスチックレンズはプレス温度を低くできることから、成形金型の損耗を抑えることができ、その結果、成形金型の交換回数やメンテナンス回数を減少させ、コスト低減を図ることができる。
9.前記第3レンズ群が光軸方向に移動することにより、無限遠と有限距離との間の合焦を行うことを特徴とする前記1〜8の何れか1項に記載のズームレンズ。
第3レンズ群によって合焦を行うことによって、繰り出しによる光学全長の増加や前玉レンズ径の増大を招くことなく、近距離物体まで鮮明な画像を得ることができる。
10.前記第4レンズ群は変倍時にも合焦時にも移動することがないことを特徴とする前記1〜9の何れか1項に記載のズームレンズ。
第4レンズ群は固体撮像素子に最も近いレンズ群であり、第4レンズ群で変倍時や合焦時に移動を行うと、固体撮像素子との距離が近づき、最終レンズでもゴミやキズの影響を受け易くなることがある。それに対し、第4レンズ群を移動しないことによって、最終レンズと固体撮像素子との距離が固定されるので、ゴミやキズの影響を抑えることができる。
11.前記1〜10の何れか1項に記載のズームレンズを備えたことを特徴とする撮像装置。
従来タイプより小型でありながらも、Fナンバーが小さく、更に諸収差が良好に補正されたズームレンズを備えた撮像装置を得ることができる。
本発明のズームレンズ及び該ズームレンズを備えた撮像装置によれば、従来タイプより小型でありながらも、Fナンバーが小さく、更に諸収差が良好に補正されるという効果を奏する。
携帯電話機の外観図である。 撮像装置の断面図である。 実施例1のズームレンズの断面図である。 実施例1の広角端における収差図である。 実施例1の中間焦点距離における収差図である。 実施例1の望遠端における収差図である。 実施例2のズームレンズの断面図である。 実施例2の広角端における収差図である。 実施例2の中間焦点距離における収差図である。 実施例2の望遠端における収差図である。 実施例3のズームレンズの断面図である。 実施例3の広角端における収差図である。 実施例3の中間焦点距離における収差図である。 実施例3の望遠端における収差図である。 実施例4のズームレンズの断面図である。 実施例4の広角端における収差図である。 実施例4の中間焦点距離における収差図である。 実施例4の望遠端における収差図である。 実施例5のズームレンズの断面図である。 実施例5の広角端における収差図である。 実施例5の中間焦点距離における収差図である。 実施例5の望遠端における収差図である。
先ず、携帯情報端末としての携帯電話機の一例を図1の外観図に基づいて説明する。なお、図1(A)は折り畳んだ携帯電話機を開いて内側から見た図であり、図1(B)は折り畳んだ携帯電話機を開いて外側から見た図である。
図1において、携帯電話機Tは、表示画面D1,D2を備えたケースとしての上筐体11と、操作ボタンBを備えた下筐体12とがヒンジ13を介して連結されている。撮像装置は上筐体11内の表示画面D2の下方に内蔵されていて、上筐体11の外表面にズームレンズの第1レンズL1が露出している。
なお、この撮像装置を上筐体11内の表示画面D2の上方や側面に配置してもよい。また、携帯電話機Tは折り畳み式に限定されるものではない。
次に、上記の携帯電話等に内蔵され、ズームレンズを備えた撮像装置について図2の断面図を参照して説明する。
本撮像装置に内蔵されるズームレンズは、第1レンズ群Gr1、第2レンズ群Gr2、第3レンズ群Gr3及び第4レンズ群Gr4の4群から構成されている。
第1レンズ群Gr1は、第1レンズL1、反射光学素子PRM、第2レンズL2(1nレンズ)及び第3レンズL3(1pレンズ)から成り、全体として負の屈折力を有している。なお、反射光学素子PRMは例えば直角プリズムである。
物体からの光線は第1レンズL1を透過した後、反射光学素子PRMで反射して直角に屈曲され、接合レンズである第2レンズL2及び第3レンズL3を透過する。従って、第1レンズL1の光軸OAと第2レンズL2及び第3レンズL3の光軸OBは略直角に交差している。なお、第1レンズ群Gr1は筐体31に固定されていて、移動することはない。
第2レンズ群Gr2は、第4レンズL4(2p1レンズ)、及び第5レンズL5(2nレンズ)と第6レンズL6(2p2レンズ)との接合レンズから成り、全体として正の屈折力を有している。第2レンズ群Gr2は鏡枠32に保持されていて、変倍時には鏡枠32が不図示の駆動手段によって駆動され、第2レンズ群Gr2は光軸OBに沿って進退する。なお、第4レンズL4の前方には絞りSが配置されている。
第3レンズ群Gr3は、1枚の第7レンズL7から成り、負の屈折力を有している。第3レンズ群Gr3は鏡枠33に保持されていて、変倍時には鏡枠23が不図示の駆動手段によって駆動され、第3レンズ群Gr3は光軸OBに沿って進退する。また、第3レンズ群Gr3は変倍が終了した後に、無限遠と有限距離との間の合焦のために光軸OBに沿って移動する。
第4レンズ群Gr4は、1枚の第8レンズL8から成り、正の屈折力を有している。第4レンズ群Gr4は筐体31に固定されていて、移動することはない。
平行平板Fは、光学的ローパスフィルタやIRカットフィルタであるが、固体撮像素子のシールガラスであってもよい。
以上の如く第1レンズ群Gr1、第2レンズ群Gr2、第3レンズ群Gr3及び第4レンズ群Gr4から構成されたズームレンズにより、物体の光像は第4レンズ群Gr4の後方に位置する撮像素子21の撮像面Iに結像する。なお、撮像素子21はプリント配線板22に実装され、プリント配線板22は筐体31に固定されている。
ズームレンズを始めとする各部材が筐体31に装着された後は、蓋部材34によって被覆される。
以下に本発明のズームレンズの実施例を示す。各実施例に使用する記号は下記の通りである。
f:撮像レンズ全系の焦点距離
fB:バックフォーカス(最後部に位置する平行平板を空気換算したときの値)
F:Fナンバー
2Y:固体撮像素子の撮像面対角線長
R:曲率半径
D:軸上面間隔
Nd:レンズ材料のd線に対する屈折率
νd:レンズ材料のアッベ数
2ω:画角
L:レンズ全長
また、各実施例において、各面番号の後に「*」が記載されている面が非球面形状を有する面であり、非球面の形状は、面の頂点を原点とし、光軸方向にX軸を取り、光軸と垂直方向の高さをhとして以下の数1で表す。
但し、
Ai:i次の非球面係数
R:曲率半径
K:円錐定数
また、非球面係数においては10のべき乗数(例えば2.5×10−02)をE(例えば2.5E−02)を用いて表している。
[実施例1]
・全体諸元を以下に示す。
f 4.57〜7.46〜12.56
F 3.09〜4.21〜 5.60
ズーム比 2.75
2Y 5.712
・面データを以下に示す。
面番号 R(mm) D(mm) Nd νd 有効半径(mm)
1 16.036 0.400 1.90370 31.3 3.56
2 5.414 1.469 3.13
3 ∞ 5.263 1.84670 23.8 3.02
4 ∞ 0.692 2.42
5 -8.292 0.400 1.60310 60.7 2.34
6 16.844 0.863 1.92290 20.9 2.32
7 -47.226 d1(可変) 2.30
8(絞り) ∞ -0.400 2.07
9(*) 4.529 1.427 1.59200 67.0 2.08
10(*) -14.904 0.784 2.08
11 10.687 0.658 1.90370 31.3 1.93
12 3.452 1.809 1.49700 81.6 1.77
13(*) -9.968 d2(可変) 1.72
14(*) -7.875 0.764 1.54470 56.2 1.67
15(*) 4.842 d3(可変) 1.77
16(*) 10.887 2.055 1.54470 56.2 3.03
17(*) -8.551 0.500 3.05
18 ∞ 0.145 1.51680 64.2 2.97
19 ∞ 2.96
・非球面係数を以下に示す。
第9面
K=0.00000E+00,A4=-0.12865E-02,A6=-0.25566E-03,A8=0.59066E-05,A10=-0.35576E-06,A12=-0.11679E-05
第10面
K=0.00000E+00,A4=0.90262E-03,A6=-0.59106E-03,A8=0.12607E-03,A10=-0.26978E-04,A12=0.11799E-05
第13面
K=0.00000E+00,A4=0.68016E-03,A6=0.85807E-03,A8=-0.34213E-03,A10=0.10128E-03,A12=-0.11056E-04
第14面
K=0.00000E+00,A4=-0.10089E-01,A6=0.13666E-01,A8=-0.88298E-02,A10=0.34045E-02,A12=-0.71040E-03,A14=0.59563E-04
第15面
K=0.00000E+00,A4=-0.12342E-01,A6=0.15561E-01,A8=-0.92910E-02,A10=0.32767E-02,A12=-0.61889E-03,A14=0.47102E-04
第16面
K=0.00000E+00,A4=-0.18300E-02,A6=0.20409E-03,A8=0.16125E-04,A10=-0.24733E-05,A12=0.95434E-07
第17面
K=0.00000E+00,A4=0.22282E-02,A6=-0.75710E-03,A8=0.14572E-03,A10=-0.11224E-04,A12=0.32698E-06
・変倍時の各種データを以下に示す。
広角 中間 望遠
f 4.57 7.46 12.57
F 3.09 4.21 5.60
fB 1.77 1.76 1.77
2ω 66.6 41.4 24.9
L 28.98 28.96 28.98
d1 7.000 4.031 0.900
d2 2.455 2.841 4.490
d3 1.518 4.100 5.582
・レンズ群データを以下に示す。
群 始面 焦点距離(mm)
1 1 -6.36
2 8 5.73
3 14 -5.39
4 16 9.13
・前述の各条件式に対応する値を以下に示す。
n2n−n2p2=0.407
ν2p2−ν2n=50.3
|f1b/fT|=2.408
ν1n−ν1p=39.8
(r12n+r22n)/(r12n−r22n)=1.954
(r12p2+r22p2)/(r12p2−r22p2)=−0.486
f2n2p2/f2p1=8.131
|f1a/fW|=2.016
|f3/fW|=1.180
図3はズームレンズの断面図であって、図3(a)は広角端における断面図、図3(b)は中間における断面図、図3(c)は望遠端における断面図である。なお、反射光学素子PRMをその光路長と等価な平行平板として表しており、他の実施例におけるズームレンズの断面図においても同様である。図4は広角端における収差図、図5は中間焦点距離における収差図、図6は望遠端における収差図である。
本ズームレンズは、広角端から望遠端への変倍時に、第2レンズ群Gr2が光軸方向に沿って物体側に移動し、第3レンズ群Gr3が光軸方向に沿って物体側に移動して、各レンズ群の間隔を変えることにより変倍を行うことができる。残りのレンズ群は変倍時に固定されている。また、第3レンズ群Gr3を移動させることによって無限遠と有限距離との間の合焦を行うことができる。なお、第4レンズL4と第6レンズL6はガラスモールドレンズ、第7レンズL7と第8レンズL8はプラスチック材料から形成されており、それ以外のレンズはガラス材料による研磨レンズを想定している。
また、ズームレンズ全長の短縮に伴って、第1レンズ群Gr1の負のパワーによって発散されてくる光を短い距離で収斂する必要が出てくるため、第4レンズGr4の屈折力が強くなる傾向がある。そのため第4レンズL4の偏芯誤差感度が増大してしまう。そこで、第4レンズL4を調芯することによって、全系で発生する片ボケと呼ばれる画面内の非対称なボケを低減させることができる。本実施例においては、広角端のほうが望遠端よりもFナンバーが小さいため、焦点深度が浅く片ボケの影響を受け易く、広角端においてこの調芯を行うことを前提としている。
ここで調芯とは、レンズを光軸に対して偏芯させることによって、第4レンズL4以外に起因する片ボケをキャンセルさせて低減させることをいう。なお、光軸に対して偏芯させる場合、平行偏芯だけでなく、傾き偏芯を行ってもよい。また、片ボケを低減させるのではなく、軸上コマ収差を低減させる目的で調芯を行ってもよい。
[実施例2]
・全体諸元を以下に示す。
f 4.50〜7.37〜12.36
F 3.09〜4.23〜 5.60
ズーム比 2.75
2Y 5.712
・面データを以下に示す。
面番号 R(mm) D(mm) Nd νd 有効半径(mm)
1 16.186 0.400 1.90370 31.3 3.59
2 5.389 1.478 3.14
3 ∞ 5.244 1.84670 23.8 3.04
4 ∞ 0.712 2.44
5 -8.038 0.400 1.62040 60.3 2.36
6 16.165 0.893 1.92290 20.9 2.35
7 -41.475 d1(可変) 2.33
8(絞り) ∞ -0.400 2.06
9(*) 4.450 1.522 1.59200 67.0 2.07
10(*) -24.000 0.784 2.03
11 13.207 0.400 1.90370 31.3 1.89
12 3.679 1.725 1.55330 71.7 1.79
13(*) -9.238 d2(可変) 1.74
14(*) -7.882 0.500 1.53050 55.7 1.67
15(*) 4.350 d3(可変) 1.75
16(*) 7.918 2.360 1.53050 55.7 3.10
17(*) -9.232 0.638 3.05
18 ∞ 0.145 1.51680 64.2 2.94
19 ∞ 2.93
・非球面係数を以下に示す。
第9面
K=0.00000E+00,A4=-0.80508E-03,A6=-0.28702E-03,A8=0.59039E-04,A10=-0.13413E-04,A12=0.30875E-06
第10面
K=0.00000E+00,A4=0.11991E-02,A6=-0.49333E-03,A8=0.11716E-03,A10=-0.29390E-04,A12=0.18122E-05
第13面
K=0.00000E+00,A4=0.95975E-03,A6=0.43519E-03,A8=-0.11841E-03,A10=0.38922E-04,A12=-0.38874E-05
第14面
K=0.00000E+00,A4=-0.15458E-01,A6=0.19098E-01,A8=-0.11687E-01,A10=0.46483E-02,A12=-0.11413E-02,A14=0.14953E-03,A16=-0.74854E-05
第15面
K=0.00000E+00,A4=-0.19003E-01,A6=0.22170E-01,A8=-0.13667E-01,A10=0.55552E-02,A12=-0.14041E-02,A14=0.19428E-03,A16=-0.10994E-04
第16面
K=0.00000E+00,A4=-0.22839E-02,A6=0.37247E-03,A8=-0.19323E-04,A10=0.12432E-05,A12=-0.37042E-07
第17面
K=0.00000E+00,A4=0.25911E-02,A6=-0.55882E-03,A8=0.72992E-04,A10=-0.24699E-05,A12=-0.72330E-08
・変倍時の各種データを以下に示す。
広角 中間 望遠
f 4.50 7.37 12.36
F 3.09 4.23 5.60
fB 1.27 1.27 1.30
2ω 67.5 41.9 25.3
L 28.99 28.99 29.01
d1 6.919 3.999 0.900
d2 3.233 3.637 5.361
d3 1.497 4.013 5.388
・レンズ群データを以下に示す。
群 始面 焦点距離(mm)
1 1 -6.20
2 8 5.82
3 14 -5.21
4 16 8.44
・前述の各条件式に対応する値を以下に示す。
n2n−n2p2=0.350
ν2p2−ν2n=40.4
|f1b/fT|=2.322
ν1n−ν1p=39.5
(r12n+r22n)/(r12n−r22n)=1.772
(r12p2+r22p2)/(r12p2−r22p2)=−0.430
f2n2p2/f2p1=4.379
|f1a/fW|=2.024
|f3/fW|=1.159
図7はズームレンズの断面図であって、図7(a)は広角端における断面図、図7(b)は中間における断面図、図7(c)は望遠端における断面図である。図8は広角端における収差図、図9は中間焦点距離における収差図、図10は望遠端における収差図である。
本ズームレンズは、広角端から望遠端への変倍時に、第2レンズ群Gr2が光軸方向に沿って物体側に移動し、第3レンズ群Gr3が光軸方向に沿って物体側に移動して、各レンズ群の間隔を変えることにより変倍を行うことができる。残りのレンズ群は変倍時に固定されている。また、第3レンズ群Gr3を移動させることによって無限遠と有限距離との間の合焦を行うことができる。なお、第4レンズL4と第6レンズL6はガラスモールドレンズ、第7レンズL7と第8レンズL8はプラスチック材料から形成されており、それ以外のレンズはガラス材料による研磨レンズを想定している。
また、本実施例では、広角端における第4レンズによる調芯を前提としている。
[実施例3]
・全体諸元を以下に示す。
f 4.18〜6.66〜11.50
F 3.17〜4.20〜 5.60
ズーム比 2.75
2Y 5.712
・面データを以下に示す。
面番号 R(mm) D(mm) Nd νd 有効半径(mm)
1 20.330 0.400 1.88300 40.8 3.70
2 5.731 1.446 3.23
3 ∞ 5.309 1.84670 23.8 3.13
4 ∞ 0.755 2.44
5 -7.414 0.400 1.56880 56.0 2.35
6 15.979 0.839 1.92290 20.9 2.33
7 -83.206 d1(可変) 2.30
8(絞り) ∞ 0.000 1.85
9(*) 4.100 1.460 1.59200 67.0 1.96
10(*) -110.519 0.400 1.92
11 5.777 0.400 1.90370 31.3 1.84
12 2.883 1.762 1.49700 81.6 1.71
13(*) -17.287 d2(可変) 1.62
14(*) -44.959 0.500 1.53050 55.7 1.60
15(*) 3.040 d3(可変) 1.66
16(*) 15.051 2.421 1.53050 55.7 3.15
17(*) -4.696 0.900 3.21
18 ∞ 0.500 1.51680 64.2 2.98
19 ∞ 2.93
・非球面係数を以下に示す。
第9面
K=0.00000E+00,A4=-0.12187E-02,A6=-0.44343E-04,A8=-0.26551E-04,A10=0.10028E-05,A12=-0.44275E-06
第10面
K=0.00000E+00,A4=0.31600E-03,A6=-0.42536E-03,A8=0.14596E-03,A10=-0.42847E-04,A12=0.36834E-05
第13面
K=0.00000E+00,A4=0.32486E-02,A6=-0.45824E-04,A8=0.10909E-03,A10=0.55701E-05,A12=-0.32582E-05
第14面
K=0.00000E+00,A4=-0.16478E-01,A6=0.14232E-01,A8=-0.92199E-02,A10=0.34961E-02,A12=-0.71040E-03,A14=0.59563E-04
第15面
K=0.00000E+00,A4=-0.19271E-01,A6=0.16248E-01,A8=-0.10542E-01,A10=0.39007E-02,A12=-0.77105E-03,A14=0.62141E-04
第16面
K=0.00000E+00,A4=-0.12439E-02,A6=0.24814E-03,A8=-0.55012E-05,A10=-0.88920E-08
第17面
K=0.00000E+00,A4=0.28368E-02,A6=-0.12210E-03,A8=0.24703E-04,A10=-0.76532E-06
・変倍時の各種データを以下に示す。
広角 中間 望遠
f 4.18 6.67 11.50
F 3.17 4.20 5.60
fB 1.74 1.71 1.69
2ω 71.3 46.0 27.2
L 28.46 28.43 28.41
d1 6.290 3.569 0.500
d2 2.456 2.913 4.791
d3 1.713 3.978 5.169
・レンズ群データを以下に示す。
群 始面 焦点距離(mm)
1 1 -5.76
2 8 5.39
3 14 -5.35
4 16 7.05
・前述の各条件式に対応する値を以下に示す。
n2n−n2p2=0.407
ν2p2−ν2n=50.3
|f1b/fT|=2.043
ν1n−ν1p=35.2
(r12n+r22n)/(r12n−r22n)=2.992
(r12p2+r22p2)/(r12p2−r22p2)=−0.714
f2n2p2/f2p1=3.162
|f1a/fW|=2.189
|f3/fW|=1.279
図11はズームレンズの断面図であって、図11(a)は広角端における断面図、図11(b)は中間における断面図、図11(c)は望遠端における断面図である。図12は広角端における収差図、図13は中間焦点距離における収差図、図14は望遠端における収差図である。
本ズームレンズは、広角端から望遠端への変倍時に、第2レンズ群Gr2が光軸方向に沿って物体側に移動し、第3レンズ群Gr3が光軸方向に沿って物体側に移動して、各レンズ群の間隔を変えることにより変倍を行うことができる。残りのレンズ群は変倍時に固定されている。また、第3レンズ群Gr3を移動させることによって無限遠と有限距離との間の合焦を行うことができる。なお、第4レンズL4と第6レンズL6はガラスモールドレンズ、第7レンズL7と第8レンズL8はプラスチック材料から形成されており、それ以外のレンズはガラス材料による研磨レンズを想定している。
また、本実施例では、広角端における第4レンズによる調芯を前提としている。
[実施例4]
・全体諸元を以下に示す。
f 4.17〜6.96〜11.46
F 3.13〜4.28〜 5.60
ズーム比 2.75
2Y 5.712
・面データを以下に示す。
面番号 R(mm) D(mm) Nd νd 有効半径(mm)
1 13.465 0.400 1.90370 31.3 3.70
2 4.547 1.550 3.13
3 ∞ 5.100 1.90370 31.3 3.07
4 ∞ 0.609 2.57
5 -11.214 0.400 1.63850 55.5 2.51
6 10.132 0.993 1.92290 20.9 2.49
7 967.514 d1(可変) 2.44
8(絞り) ∞ 0.000 1.95
9(*) 4.486 1.534 1.58910 61.4 2.01
10(*) -13.829 0.816 1.99
11 11.698 0.400 1.90370 31.3 1.81
12 2.846 2.070 1.58910 61.4 1.68
13(*) -9.542 d2(可変) 1.65
14(*) -13.600 0.700 1.53050 55.7 1.62
15(*) 3.499 d3(可変) 1.74
16(*) 14.798 2.032 1.53050 55.7 3.04
17(*) -5.551 0.420 3.18
18 ∞ 0.500 1.51680 64.2 3.09
19 ∞ 3.06
・非球面係数を以下に示す。
第9面
K=0.00000E+00,A4=-0.13836E-02,A6=-0.35486E-03,A8=0.72102E-04,A10=-0.17349E-04,A12=0.68091E-06
第10面
K=0.00000E+00,A4=0.80129E-03,A6=-0.48983E-03,A8=0.11920E-03,A10=-0.29969E-04,A12=0.20069E-05
第13面
K=0.00000E+00,A4=0.29050E-04,A6=0.24238E-04,A8=0.56053E-05,A10=0.85510E-05,A12=-0.23055E-05
第14面
K=0.00000E+00,A4=-0.19149E-01,A6=0.14382E-01,A8=-0.96269E-02,A10=0.43559E-02,A12=-0.11413E-02,A14=0.14953E-03,A16=-0.74854E-05
第15面
K=0.00000E+00,A4=-0.22422E-01,A6=0.18170E-01,A8=-0.12188E-01,A10=0.53726E-02,A12=-0.14040E-02,A14=0.19428E-03,A16=-0.10994E-04
第16面
K=0.00000E+00,A4=-0.27150E-02,A6=0.45941E-03,A8=-0.16538E-04,A10=0.49293E-06
第17面
K=0.00000E+00,A4=-0.25226E-04,A6=0.27389E-03
・変倍時の各種データを以下に示す。
広角 中間 望遠
f 4.17 6.96 11.46
F 3.13 4.28 5.60
fB 1.29 1.28 1.29
2ω 71.6 44.1 27.2
L 28.49 28.48 28.49
d1 6.248 3.363 0.500
d2 2.560 2.908 4.437
d3 1.619 4.156 5.490
・レンズ群データを以下に示す。
群 始面 焦点距離(mm)
1 1 -5.70
2 8 5.56
3 14 -5.17
4 16 7.88
・前述の各条件式に対応する値を以下に示す。
n2n−n2p2=0.315
ν2p2−ν2n=30.1
|f1b/fT|=2.961
ν1n−ν1p=34.6
(r12n+r22n)/(r12n−r22n)=1.643
(r12p2+r22p2)/(r12p2−r22p2)=−0.541
f2n2p2/f2p1=5.302
|f1a/fW|=1.863
|f3/fW|=1.241
図15はズームレンズの断面図であって、図15(a)は広角端における断面図、図15(b)は中間における断面図、図15(c)は望遠端における断面図である。図16は広角端における収差図、図17は中間焦点距離における収差図、図18は望遠端における収差図である。
本ズームレンズは、広角端から望遠端への変倍時に、第2レンズ群Gr2が光軸方向に沿って物体側に移動し、第3レンズ群Gr3が光軸方向に沿って物体側に移動して、各レンズ群の間隔を変えることにより変倍を行うことができる。残りのレンズ群は変倍時に固定されている。また、第3レンズ群Gr3を移動させることによって無限遠と有限距離との間の合焦を行うことができる。なお、第4レンズL4と第6レンズL6はガラスモールドレンズ、第7レンズL7と第8レンズL8はプラスチック材料から形成されており、それ以外のレンズはガラス材料による研磨レンズを想定している。
また、本実施例では、広角端における第4レンズによる調芯を前提としている。
[実施例5]
・全体諸元を以下に示す。
f 4.46〜7.31〜12.26
F 3.15〜4.24〜 5.60
ズーム比 2.75
2Y 5.712
・面データを以下に示す。
面番号 R(mm) D(mm) Nd νd 有効半径(mm)
1 639.785 0.400 1.88300 40.8 3.83
2 8.958 1.181 3.48
3 ∞ 5.638 1.84670 23.8 3.38
4 ∞ 0.647 2.70
5 -11.476 0.400 1.72920 54.7 2.63
6 20.379 0.871 1.92290 20.9 2.61
7 -54.636 d1(可変) 2.58
8(絞り) ∞ 0.000 1.84
9* 4.174 1.428 1.69350 53.2 2.00
10* -26.728 0.200 1.98
11 6.453 0.400 1.90370 31.3 1.92
12 2.590 2.260 1.49700 81.4 1.76
13* -131.666 d2(可変) 1.74
14* -22.697 0.500 1.53050 55.7 1.71
15* 3.671 d3(可変) 1.72
16* 86.644 1.863 1.53050 55.7 3.36
17* -4.922 1.911 3.14
18 ∞ 0.500 1.51680 64.2 2.94
19 ∞ 2.92
・非球面係数を以下に示す。
第9面
K=0.00000E+00,A4=-0.80636E-03,A6=-0.98475E-04,A8=-0.96060E-05,A10=0.29740E-05,A12=-0.49744E-06
第10面
K=0.00000E+00,A4=0.14495E-02,A6=-0.42534E-03,A8=0.13496E-03,A10=-0.30766E-04,A12=0.26415E-05
第13面
K=0.00000E+00,A4=0.35485E-03,A6=0.27051E-03,A8=0.13544E-03,A10=-0.80179E-04,A12=0.11369E-04
第14面
K=0.00000E+00,A4=0.64614E-02,A6=0.44697E-03,A8=-0.13644E-02,A10=0.25407E-03
第15面
K=0.00000E+00,A4=0.96015E-02,A6=0.32668E-03,A8=-0.13886E-02,A10=0.25047E-03
第16面
K=0.00000E+00,A4=-0.90200E-03,A6=0.16311E-03,A8=0.45890E-04,A10=-0.72724E-05,A12=0.47914E-06,A14=-0.87290E-08
第17面
K=0.00000E+00,A4=0.14212E-02,A6=-0.86719E-04,A8=0.22770E-04,A10=0.53370E-05,A12=-0.95692E-06,A14=0.47861E-07,
・変倍時の各種データを以下に示す。
広角 中間 望遠
f 4.46 7.31 12.27
F 3.15 4.24 5.60
fB 2.80 2.75 2.73
2ω 67.9 42.0 25.5
L 28.51 28.46 28.44
d1 6.656 3.549 0.500
d2 1.503 1.899 3.431
d3 1.591 4.302 5.820
・レンズ群データを以下に示す。
群 始面 焦点距離(mm)
1 1 -6.69
2 8 5.37
3 14 -5.92
4 16 8.84
・前述の各条件式に対応する値を以下に示す。
n2n−n2p2=0.407
ν2p2−ν2n=50.1
|f1b/fT|=2.243
ν1n−ν1p=33.8
(r12n+r22n)/(r12n−r22n)=2.341
(r12p2+r22p2)/(r12p2−r22p2)=−0.961
f2n2p2/f2p1=−21.881
|f1a/fW|=2.308
|f3/fW|=1.327
図19はズームレンズの断面図であって、図19(a)は広角端における断面図、図19(b)は中間における断面図、図19(c)は望遠端における断面図である。図20は広角端における収差図、図21は中間焦点距離における収差図、図22は望遠端における収差図である。
本ズームレンズは、広角端から望遠端への変倍時に、第2レンズ群Gr2が光軸方向に沿って物体側に移動し、第3レンズ群Gr3が光軸方向に沿って物体側に移動して、各レンズ群の間隔を変えることにより変倍を行うことができる。残りのレンズ群は変倍時に固定されている。また、第3レンズ群Gr3を移動させることによって無限遠と有限距離との間の合焦を行うことができる。なお、第4レンズL4と第6レンズL6はガラスモールドレンズ、第7レンズL7と第8レンズL8はプラスチック材料から形成されており、それ以外のレンズはガラス材料による研磨レンズを想定している。
また、本実施例では、広角端における第4レンズによる調芯を前提としている。
ここで、プラスチック材料は温度変化時の屈折率変化が大きいため、第7レンズL7や第8レンズL8をプラスチックレンズで構成した際に、周囲温度が変化した際に、撮像レンズ全系の像点位置が変動してしまうという問題を抱えてしまう。
そこで最近では、プラスチック材料中に無機微粒子を混合させ、プラスチック材料の温度変化を小さくできることが分かってきた。詳細に説明すると、一般に透明なプラスチック材料に微粒子を混合させると、光の散乱が生じ透過率が低下するため、光学材料として使用することは困難であったが、微粒子の大きさを透過光束の波長より小さくすることにより、散乱が実質的に発生しないようにできる。プラスチック材料は温度が上昇することにより屈折率が低下してしまうが、無機粒子は温度が上昇すると屈折率が上昇する。そこで、これらの温度依存性を利用して互いに打ち消し合うように作用させることにより、屈折率変化が殆ど生じないようにすることができる。具体的には、母材となるプラスチック材料に最大長が20ナノメートル以下の無機粒子を分散させることにより、屈折率の温度依存性の極めて低いプラスチック材料となる。例えばアクリルに酸化ニオブ(Nb)の微粒子を分散させることで、温度変化による屈折率変化を小さくすることができる。本発明において、第7レンズL7や第8レンズL8に、このような無機粒子を分散させたプラスチック材料を用いることにより、撮像レンズ全系の温度変化時の像点位置変動を小さく抑えることが可能となる。
また近年、撮像装置を低コストに且つ大量に実装する方法として、予め半田がポッティングされた基板に対し、ICチップその他の電子部品と光学素子とを載置したままリフロー処理(加熱処理)し、半田を溶融させることにより電子部品と光学素子とを基板に同時実装するという技術が提案されている。
このようなリフロー処理を用いて実装を行うためには、電子部品と共に光学素子を約200〜260度に加熱する必要があるが、このような高温下では熱可塑性樹脂を用いたレンズでは熱変形し或いは変色して、その光学性能が低下してしまうという問題点がある。このような問題を解決するための方法の一つとして、耐熱性能に優れたガラスモールドレンズを使用し、小型化と高温環境での光学性能を両立する技術が提案されているが、熱可塑性樹脂を用いたレンズよりもコストが高いため、撮像装置の低コスト化の要求に応えられないという問題があった。
そこで、撮像レンズの材料にエネルギー硬化性樹脂を使用することで、ポリカーボネイト系やポリオレフィン系のような熱可塑性樹脂を用いたレンズに比べ、高温に曝されたときの光学性能の低下が小さいため、リフロー処理に有効であり、且つガラスモールドレンズよりも製造し易く安価となり、撮像レンズを組み込んだ撮像装置の低コストと量産性を両立できる。なお、エネルギー硬化性樹脂とは、熱硬化性樹脂及び紫外線硬化性樹脂の何れをも指すものとする。
また、本発明のプラスチックレンズを前述のエネルギー硬化性樹脂も用いて形成してもよい。
Gr1 第1レンズ群
Gr2 第2レンズ群
Gr3 第3レンズ群
Gr4 第4レンズ群
L1 第1レンズ
L2 第2レンズ
L3 第3レンズ
L4 第4レンズ
L5 第5レンズ
L6 第6レンズ
L7 第7レンズ
L8 第8レンズ
PRM 反射光学素子
F 平行平板
I 撮像面
S 絞り
T 携帯電話機

Claims (11)

  1. 物体側より順に、負の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、負の屈折力を有する第3レンズ群と、正の屈折力を有する第4レンズ群とから構成され、各レンズ群の間隔を変えることにより変倍を行うズームレンズにおいて、
    広角端から望遠端に至る変倍で前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間隔が縮小し、
    前記第1レンズ群は光線を反射させることで光路を屈曲させる作用を有する反射光学素子と、前記第1レンズ群の最も像側に負の1nレンズと正の1pレンズから成る接合レンズと、を含み、
    前記第2レンズ群は物体側より順に正の2p1レンズと負の2nレンズと正の2p2レンズとから成り、前記2p1レンズと前記2nレンズは空気間隔を有するとともに前記2nレンズと前記2p2レンズが接合されており、
    前記第3レンズ群は1枚の負レンズから成り、
    以下の条件式を満足することを特徴とするズームレンズ。
    0.30<n2n−n2p2<0.50
    30<ν2p2−ν2n<60
    30<ν1n−ν1p<50
    1.6<(r12n+r22n)/(r12n−r22n)<3.0
    但し、
    n2n:前記2nレンズの屈折率
    n2p2:前記2p2レンズの屈折率
    ν2p2:前記2p2レンズのアッベ数
    ν2n:前記2nレンズのアッベ数
    ν1n:前記1nレンズのアッベ数
    ν1p:前記1pレンズのアッベ数
    r12n:前記2nレンズの物体側の近軸曲率半径
    r22n:前記2nレンズの像側の近軸曲率半径
  2. 前記第1レンズ群の、前記1nレンズと前記1pレンズから成る負の屈折力の接合レンズは、以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
    1.5<|f1b/fT|<4.0
    但し、
    f1b:前記第1レンズ群の最も像側の接合レンズの合成焦点距離
    fT:望遠端における全系の焦点距離
  3. 前記第2レンズ群の前記2p2レンズは、以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のズームレンズ
    0.8<(r12p2+r22p2)/(r12p2−r22p2)<−0.4
    但し
    12p2:前記2p2レンズの物体側の近軸曲率半径
    r22p2:前記2p2レンズの像側の近軸曲率半径
  4. 以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のズームレンズ。
    3.0<f2n2p2/f2p1<10.0
    但し、
    f2n2p2:前記2nレンズと前記2p2レンズとの合成焦点距離
    f2p1:前記2p1レンズの焦点距離
  5. 前記第1レンズ群は、最も物体側に負の屈折力を有して物体側に凸面を向けたメニスカス形状のレンズを有することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のズームレンズ。
  6. 前記第1レンズ群は、最も物体側に負の屈折力のレンズを有し、以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のズームレンズ。
    1.0<|f1a/fW|<3.0
    但し、
    f1a:前記第1レンズ群の最も物体側のレンズの焦点距離
    fW:広角端における全系の焦点距離
  7. 前記ズームレンズは、以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載のズームレンズ。
    0.8<|f3/fW|<2.0
    但し、
    f3:前記第3レンズ群の焦点距離
    fW:広角端における全系の焦点距離
  8. 前記第3レンズ群は、プラスチックから成り、少なくとも1面が非球面に形成されていることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載のズームレンズ。
  9. 前記第3レンズ群が光軸方向に移動することにより、無限遠と有限距離との間の合焦を行うことを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載のズームレンズ。
  10. 前記第4レンズ群は変倍時にも合焦時にも移動することがないことを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載のズームレンズ。
  11. 請求項1〜10の何れか1項に記載のズームレンズを備えたことを特徴とする撮像装置。
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