JP2010160198A - ズームレンズ及び撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、コンパクトで全ズーム範囲にわたり高い光学性能を有する。
【解決手段】物体側から順に、負の焦点距離を持つ第1レンズ群、正の焦点距離を持つ第2レンズ群、負の焦点距離を持つ第3レンズ群、正の焦点距離を持つ第4レンズ群を有し、広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群は第2レンズ群との空気間隔を減少させながら像側へ向かって凸状の軌道を描いて移動し、第2レンズ群及び第3レンズ群は互いの空気間隔を広げながら共に物体側へ移動し、第2レンズ群の最も物体側の面が物体側に凸面を向け且つ非球面を有し、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと正レンズとによって構成される接合レンズを第2レンズ群に一つ含むように構成され、当該接合レンズが条件式(1)0.3<RCL/f2<1.0を満足する。但し、RCL:第2レンズ群を構成する接合レンズの接合面の曲率半径、f2:第2レンズ群の焦点距離とする。
【選択図】図3
【解決手段】物体側から順に、負の焦点距離を持つ第1レンズ群、正の焦点距離を持つ第2レンズ群、負の焦点距離を持つ第3レンズ群、正の焦点距離を持つ第4レンズ群を有し、広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群は第2レンズ群との空気間隔を減少させながら像側へ向かって凸状の軌道を描いて移動し、第2レンズ群及び第3レンズ群は互いの空気間隔を広げながら共に物体側へ移動し、第2レンズ群の最も物体側の面が物体側に凸面を向け且つ非球面を有し、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと正レンズとによって構成される接合レンズを第2レンズ群に一つ含むように構成され、当該接合レンズが条件式(1)0.3<RCL/f2<1.0を満足する。但し、RCL:第2レンズ群を構成する接合レンズの接合面の曲率半径、f2:第2レンズ群の焦点距離とする。
【選択図】図3
Description
本発明は、ズームレンズ及び撮像装置に関し、例えば高いズーム倍率を持ち、更には撮影画角を十分に広角化可能なデジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、或は監視カメラ等に適したズームレンズ及び当該ズームレンズを使用した撮像装置に関する。
近年、デジタルスチルカメラの市場は非常に大きなものとなっており、ユーザのデジタルスチルカメラに対する要望も多岐にわたっている。高画質化、小型化、薄型化は言うまでもなく、更に近年では撮影レンズの高倍率化や広角化への要望も非常に大きくなっている。
一般に、最も物体側のレンズ群が負の屈折力を有するネガティブリードタイプのズームレンズは、前玉径を小さくし易く小型化に有利であるため、広角化に適したタイプとして多く用いられている。
また、固体撮像素子を用いた撮像装置においては、像側がテレセントリックであるズームレンズが、像面照度を均一にすることができるので望ましい。このようなズームレンズとしては最も像側のレンズ群が正の屈折力を持つものが適している。
ネガティブリードタイプで最も像側のレンズ群が正の屈折力を持つズームレンズとしては、物体側から像側へ順に、負、正、負、正の屈折力を持つ4つのレンズ群から成る4群ズームレンズが知られている(例えば特許文献1)。
一方、ネガティブリードタイプのズームレンズとしては、物体側から像側へ順に、負、正、正の屈折力を持つ3つのレンズ群から成る小型ズームレンズも知られている(例えば特許文献2参照)。
ところで上述した特許文献1に記載された4群構成のズームレンズのように、ズーム倍率が4〜5倍程度と変倍比が小さいものや、半画角が38°程度と撮影画角が狭いものが殆どである。現状、それ以上の高倍率比と広画角の双方を達成し、なお且つ小型で高画質なズームレンズの発明には至っていない。
また、上述した特許文献2に記載された3群構成のズームレンズのように、その多くは変倍比が3倍程度であり、それ以上の十分な変倍比を実現することは困難となっている。
一般に、広角化・高倍率化には良好な収差補正を行う必要があるため、レンズの必要枚数が多くなる。従って、現在では広角化・高倍率化と同時に、簡素なレンズ構成で良好な収差補正が可能な小型化されたズームレンズが要請されている。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、コンパクトで全ズーム範囲にわたって高い光学性能を有し、撮像手段として固体撮像素子を用いた撮像装置に好適なズームレンズ及び当該ズームレンズを用いた撮像装置を提案しようとするものである。
かかる課題を解決するため本発明では、物体側から順に、負の焦点距離を持つ第1レンズ群、正の焦点距離を持つ第2レンズ群、負の焦点距離を持つ第3レンズ群、正の焦点距離を持つ第4レンズ群を有し、広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群は第2レンズ群との空気間隔を減少させながら像側へ向かって凸状の軌道を描いて移動し、第2レンズ群及び第3レンズ群は互いの空気間隔を広げながら共に物体側へ移動するズームレンズにおいて、第2レンズ群の最も物体側の面が、当該物体側に凸面を向け且つ非球面を有し、尚且つ、当該物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと正レンズとによって構成される接合レンズを当該第2レンズ群に一つ含むように構成され、第2レンズ群の接合レンズが、以下の条件式(1)を満足する。
(1)0.3<RCL/f2<1.0
但し、
RCL :第2レンズ群を構成する接合レンズの接合面の曲率半径
f2 :第2レンズ群の焦点距離
とする。
(1)0.3<RCL/f2<1.0
但し、
RCL :第2レンズ群を構成する接合レンズの接合面の曲率半径
f2 :第2レンズ群の焦点距離
とする。
この条件式(1)は、接合レンズの接合面の曲率半径を規定するものであり、この上限を超えて接合面の曲率半径が緩くなり過ぎると、接合面における軸上色収差及び色コマ収差(コマ収差の色毎の違い)の補正が困難となるため良くない。
一方、条件式(1)は、この下限を超えて接合面の曲率半径が強くなり過ぎると、屈折力が大きくなってしまう分だけ第2レンズ群における軸上色収差及び色コマ収差の発生が大きくなり過ぎてしまって画質劣化を招いてしまう。
ここで、第2レンズ群中の最も物体側のレンズ面は、第1レンズ群を射出した軸外主光線が大きく屈折するため、軸外諸収差を発生させないように物体側に凸面を向けた配置が取られている。また、これは第1レンズ群を発散した軸上光線に対する球面収差や、軸外光線に対するコマ収差の発生を抑えるためにも好ましい配置である。
またズームレンズでは、第2レンズ群の最も物体側の面に非球面が施されている。これによりズームレンズは、第2レンズ群により球面収差やコマ収差等を良好に補正することが可能となり、光学系の高倍率化や広角化を行った際にも光学性能を確保し易いという利点がある。
さらにズームレンズでは、色収差の補正を良好に行うため、第2レンズ群中に負メニスカスレンズと正レンズとにより構成される接合レンズを配置し、当該負メニスカスレンズの物体側の面は、物体側へ凸面を向けるように構成されている。ズームレンズでは、このような構成とすることにより、接合レンズが正弦条件を満足し易くするため、球面収差やコマ収差の発生を低減することが可能となる。
また、本発明のズームレンズは、第1レンズ群を構成する2枚のレンズが、以下の条件式(2)、(3)を満足するように構成されている。
(2)0.3<(R21−R12)/(R12+R21)<0.5
(3)0.1<(|Sg21|+|Sg12|)/|f1|<0.3
但し、
R21 :第1レンズ群中の正レンズの物体側の面の近軸曲率半径
R12 :第1レンズ群中の負レンズの像側の面の近軸曲率半径
f1 :第1レンズ群の焦点距離
f(Δsag)値 :近軸曲率半径のサグ量−非球面形状のサグ量
Sg21:第1レンズ群中の正レンズにおける物体側の面の有効径位置におけるf(Δsag)値
Sg12:第1レンズ群中の負レンズにおける像側の面の有効径位置におけるf(Δsag)値
とする。
(2)0.3<(R21−R12)/(R12+R21)<0.5
(3)0.1<(|Sg21|+|Sg12|)/|f1|<0.3
但し、
R21 :第1レンズ群中の正レンズの物体側の面の近軸曲率半径
R12 :第1レンズ群中の負レンズの像側の面の近軸曲率半径
f1 :第1レンズ群の焦点距離
f(Δsag)値 :近軸曲率半径のサグ量−非球面形状のサグ量
Sg21:第1レンズ群中の正レンズにおける物体側の面の有効径位置におけるf(Δsag)値
Sg12:第1レンズ群中の負レンズにおける像側の面の有効径位置におけるf(Δsag)値
とする。
なお、第1レンズ群中の負レンズにおける像側面の有効径位置>R12の場合、光軸から径方向への距離(R12に相当)の位置におけるf(Δsag)値とする。
このように本発明のズームレンズでは、第1レンズ群中の負レンズにおける像側面の有効径位置>R12の場合には、光軸から径方向への距離(R12に相当)の位置におけるf(Δsag)値と近似することが出来るようになされている。
この条件式(2)は、第1レンズ群の2枚のレンズ間に出来る空気レンズのシェイプファクターを規定するものである。条件式(2)においては、この下限を超えて小さくなると、当該空気レンズの面の曲率が緩くなり、レンズ面における屈折力が弱くなるため光学系の小型化を実現することが困難になる。
また条件式(2)においては、この下限を超える場合、物体側から空気レンズに入射する最大画角付近の光線の入射角度が大きくなり易いため、撮影画角の広角化を図る際の軸外諸収差の補正も困難になってしまう。
一方、条件式(2)においては、この上限を超えて大きくなると、空気レンズの面の曲率が強くなり過ぎるため、広角端側における軸外収差および望遠端側における軸上収差の発生が多くなる。そのうえ、第1レンズ群の正レンズにおけるコバ厚の確保と偏芯敏感度の低減が困難となるため、ズームレンズ鏡筒の製造時における生産性が悪くなってしまう。
条件式(3)は、第1レンズ群内の負レンズの像側面と正レンズの物体面に形成された非球面形状を規定するものである。この条件式(3)においては、下限を超えると、負レンズと正レンズとの間に構成される空気レンズの両面の非球面形状が球面に近づくことを意味する。その場合、第1レンズ群における非球面レンズの補正効果がなくなってしまうことにより、諸軸外収差が大きくなり過ぎ、特に広角端における非点収差の補正が困難となって光学性能の低下を招くことになる。
また条件式(3)においては、上限を超えると、非球面形状による諸収差の補正が過剰となり、第1レンズ群としての収差補正が困難となるうえ、偏芯敏感度も大きくなるためズームレンズ鏡筒の製造が困難になってしまう。
更に本発明のズームレンズは、第3レンズ群が、物体側から順に正レンズと負レンズとを結合した全体として負の屈折力を持つ接合レンズのみからなる簡素な構成でなり、これにより全光学系の小型化を図るようになされている。
ここで、この第3レンズ群は、以下の条件式(4)、(5)を満足するように構成されている。
(4)ν3p>45
(5)10<ν3p−ν3n<30
(6)1.0<(R3a+R3b)/(R3a−R3b)<6.0
但し、
ν3p :第3レンズ群の接合レンズを構成する正レンズのアッベ数
ν3n :第3レンズ群の接合レンズを構成する負レンズのアッベ数
R3a :第3レンズ群の最も物体側のレンズ面の曲率半径
R3b :第3レンズ群の最も像側のレンズ面の曲率半径
とする。
(4)ν3p>45
(5)10<ν3p−ν3n<30
(6)1.0<(R3a+R3b)/(R3a−R3b)<6.0
但し、
ν3p :第3レンズ群の接合レンズを構成する正レンズのアッベ数
ν3n :第3レンズ群の接合レンズを構成する負レンズのアッベ数
R3a :第3レンズ群の最も物体側のレンズ面の曲率半径
R3b :第3レンズ群の最も像側のレンズ面の曲率半径
とする。
この条件式(4)は、第3レンズ群を構成している接合レンズにおける正レンズの材料のアッベ数を規定するものであり、条件式(5)は、接合レンズにおける正レンズの材料のアッベ数と負レンズの材料のアッベ数との差を規定するものである。
第3レンズ群では、条件式(4)の下限を超えて正レンズの材料を選定したり、または条件式(5)の上限を超えて第3レンズ群の接合レンズを構成した場合、負レンズの材料のアッベ数が小さくなり過ぎるので好ましくない。一般的に、アッベ数の小さい硝材は分散と同時に部分分散も大きくなるため、特に高倍率のズームレンズにおいては望遠側の2次スペクトル(2次分散)が増大し易くなる。
また、第3レンズ群では、条件式(5)の下限を超えて接合レンズを構成すると、正レンズ及び負レンズ間におけるアッベ数の差が小さくなり過ぎるため、第3レンズ群を接合レンズによって構成するメリットがなくなってしまうので好ましくない。
条件式(6)は、第3レンズ群のシェイプファクターを規定するものである。第3レンズ群では、条件式(6)の上限を超えてレンズ面の曲率が強すぎると、手ブレ補正を行う際の防振時に像面の倒れが多く発生して画質劣化につながる。
また、第3レンズ群では、条件式(6)の下限を超えると、接合レンズの構成が適切ではなくなり、当該第3レンズ群における接合レンズでの色収差を補正することが困難になる。
加えて、本発明のズームレンズは、第3レンズ群を光軸に対して略垂直方向へ移動(シフト)させることにより、像をシフトさせることが可能である。
実際上、ズームレンズにおいては、第3レンズ群を光軸に対して略垂直方向へ移動させ、像ブレを検出する検出系、各レンズ群をシフトさせる駆動系、及び検出系の出力に基づいて駆動系にシフト量を付与する制御系を組み合わせることにより、防振光学系として機能させ得るようになされている。
特に、このズームレンズにおいては、構成枚数が少なく且つレンズ径も小さな第3レンズ群を光軸に対して垂直方向へシフトすることにより、防振ユニットの小型化やアクチュエータへの負荷の軽減、並びに省電力化を図ることができる。
さらに、ズームレンズにおいては、上述した条件式(4)〜(6)を満足するように第3レンズ群を構成することにより、当該第3レンズ群をシフトさせた際の偏芯収差の発生を低減し得、少ない収差変動で像をシフトさせ得るようになされている。
更に本発明のズームレンズは、第1レンズ群が物体側から順に、少なくとも像側の面に非球面を有した当該像側に凹面を向けた負レンズと、少なくとも物体側の面に非球面を有した当該物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズの2枚からなり、以下の条件式(7)、(8)を満足するように構成されている。
(7)nd12>1.9
(8)νd12<22
但し、
nd12 : 第1レンズ群を構成する正メニスカスレンズのd線の屈折率
νd12 :第1レンズ群を構成する正メニスカスレンズのアッベ数
とする。
(7)nd12>1.9
(8)νd12<22
但し、
nd12 : 第1レンズ群を構成する正メニスカスレンズのd線の屈折率
νd12 :第1レンズ群を構成する正メニスカスレンズのアッベ数
とする。
この条件式(7)及び(8)は、第1レンズ群を構成する正メニスカスレンズの屈折率及びアッベ数を規定する条件式である。
ズームレンズでは、条件式(7)の範囲を超えると、正メニスカスレンズの曲率を大きくする必要があり、広角端での像面湾曲の収差補正が困難となり光学性能の劣化を引き起こすと共に、コバ厚の確保が困難となり鏡筒製造上の困難さも伴うことになる。
またズームレンズでは、条件式(8)の範囲を超えると、第1レンズ群で発生する色収差の補正が困難となり、光学性能の低下を招くことになる。
さらに本発明のズームレンズでは、第2レンズ群の接合レンズを構成する2枚のレンズが、以下の条件式(9)を満足するように構成されていることにより、更なる色収差(軸上色収差、色コマ収差)を良好に補正し得るようになされている。
(9)40<ν2p−ν2n<70
但し、
ν2p :第2レンズ群中の接合レンズを構成する正レンズのアッベ数
ν2n :第2レンズ群中の接合レンズを構成する負メニスカスレンズのアッベ数
とする。
(9)40<ν2p−ν2n<70
但し、
ν2p :第2レンズ群中の接合レンズを構成する正レンズのアッベ数
ν2n :第2レンズ群中の接合レンズを構成する負メニスカスレンズのアッベ数
とする。
条件式(9)は、第2レンズ群の接合レンズにおける正レンズの材料のアッベ数と負メニスカスレンズの材料のアッベ数との差を規定するものである。
ズームレンズでは、この条件式(9)の上限を超えて大きくなり過ぎる場合、負メニスカスレンズの材料のアッベ数が小さくなり過ぎることにより色分散が大きくなるため、色収差の発生が大きくなり過ぎるのでよろしくない。
またズームレンズでは、この条件式(9)の下限を超えて小さくなり過ぎる場合、接合レンズを構成したとき正レンズと負メニスカスレンズとの間におけるアッベ数の差が小さくなり過ぎるため、色収差の補正が困難になってしまう。
なお本発明のズームレンズにおいては、負の焦点距離を持つ第1レンズ群及び正の焦点距離を持つ第4レンズ群を光軸方向へ移動させることによりフォーカシングを行うことが好ましい。
特にズームレンズは、第4レンズ群をフォーカシングのためのレンズ群として用いることにより、シャッターユニットやアイリスユニットの駆動制御を行う駆動系や、第3レンズ群をシフトさせる防振駆動系との干渉を回避し易くすることができる。それに伴ってズームレンズは、小型化を図ることもできる。
また、本発明の撮像装置においては、ズームレンズと、当該ズームレンズによって形成された光学像を電気的信号に変換する撮像素子とを具え、
ズームレンズは、
物体側から順に、負の焦点距離を持つ第1レンズ群、正の焦点距離を持つ第2レンズ群、負の焦点距離を持つ第3レンズ群、正の焦点距離を持つ第4レンズ群を有し、広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群は第2レンズ群との空気間隔を減少させながら像側へ向かって凸状の軌道を描いて移動し、第2レンズ群及び第3レンズ群は互いの空気間隔を広げながら共に物体側へ移動し、
第2レンズ群の最も物体側の面が、当該物体側に凸面を向け且つ非球面を有し、尚且つ、当該物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと正レンズとによって構成される接合レンズを当該第2レンズ群に一つ含むように構成され、
第2レンズ群の接合レンズが、以下の条件式(1)を満足する。
(1)0.3<RCL/f2<1.0
但し、
RCL:第2レンズ群を構成する接合レンズの接合面の曲率半径
f2:第2レンズ群の焦点距離
とする。
ズームレンズは、
物体側から順に、負の焦点距離を持つ第1レンズ群、正の焦点距離を持つ第2レンズ群、負の焦点距離を持つ第3レンズ群、正の焦点距離を持つ第4レンズ群を有し、広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群は第2レンズ群との空気間隔を減少させながら像側へ向かって凸状の軌道を描いて移動し、第2レンズ群及び第3レンズ群は互いの空気間隔を広げながら共に物体側へ移動し、
第2レンズ群の最も物体側の面が、当該物体側に凸面を向け且つ非球面を有し、尚且つ、当該物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと正レンズとによって構成される接合レンズを当該第2レンズ群に一つ含むように構成され、
第2レンズ群の接合レンズが、以下の条件式(1)を満足する。
(1)0.3<RCL/f2<1.0
但し、
RCL:第2レンズ群を構成する接合レンズの接合面の曲率半径
f2:第2レンズ群の焦点距離
とする。
撮像装置におけるズームレンズにおいて、この条件式(1)は、接合レンズの接合面の曲率半径を規定するものであり、この上限を超えて接合面の曲率半径が緩くなり過ぎると、接合面における軸上色収差及び色コマ収差(コマ収差の色毎の違い)の補正が困難となるため良くない。
一方、条件式(1)は、この下限を超えて接合面の曲率半径が強くなり過ぎると、屈折力が大きくなってしまう分だけ第2レンズ群における軸上色収差及び色コマ収差の発生が大きくなり過ぎてしまって画質劣化を招いてしまう。
本発明によれば、物体側から順に、負の焦点距離を持つ第1レンズ群、正の焦点距離を持つ第2レンズ群、負の焦点距離を持つ第3レンズ群、正の焦点距離を持つ第4レンズ群を有し、広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群は第2レンズ群との空気間隔を減少させながら像側へ向かって凸状の軌道を描いて移動し、第2レンズ群及び第3レンズ群は互いの空気間隔を広げながら共に物体側へ移動するズームレンズにおいて、第2レンズ群の最も物体側の面が、当該物体側に凸面を向け且つ非球面を有し、尚且つ、当該物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと正レンズとによって構成される接合レンズを当該第2レンズ群に一つ含むように構成され、第2レンズ群の接合レンズが、以下の条件式(1)を満足する。
(1)0.3<RCL/f2<1.0
但し、
RCL :第2レンズ群を構成する接合レンズの接合面の曲率半径
f2 :第2レンズ群の焦点距離
とする。
(1)0.3<RCL/f2<1.0
但し、
RCL :第2レンズ群を構成する接合レンズの接合面の曲率半径
f2 :第2レンズ群の焦点距離
とする。
これによりズームレンズによれば、撮像手段として固体撮像素子を用いた撮像装置に好適でありながら、従来よりも広角化及び高変倍比化し得ると共にコンパクトで全ズーム範囲にわたって高い光額性能を有することができる。
また、本発明によれば、ズームレンズと、当該ズームレンズによって形成された光学像を電気的信号に変換する撮像素子とを具え、ズームレンズは、物体側から順に、負の焦点距離を持つ第1レンズ群、正の焦点距離を持つ第2レンズ群、負の焦点距離を持つ第3レンズ群、正の焦点距離を持つ第4レンズ群を有し、広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群は第2レンズ群との空気間隔を減少させながら像側へ向かって凸状の軌道を描いて移動し、第2レンズ群及び第3レンズ群は互いの空気間隔を広げながら共に物体側へ移動し、第2レンズ群の最も物体側の面が、当該物体側に凸面を向け且つ非球面を有し、尚且つ、当該物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと正レンズとによって構成される接合レンズを当該第2レンズ群に一つ含むように構成され、第2レンズ群の接合レンズが、以下の条件式(1)を満足する。
(1)0.3<RCL/f2<1.0
但し、
RCL :第2レンズ群を構成する接合レンズの接合面の曲率半径
f2 :第2レンズ群の焦点距離
とする。
(1)0.3<RCL/f2<1.0
但し、
RCL :第2レンズ群を構成する接合レンズの接合面の曲率半径
f2 :第2レンズ群の焦点距離
とする。
これにより撮像装置のズームレンズによれば、撮像手段として固体撮像素子を用いた撮像装置に好適でありながら、従来よりも広角化及び高変倍比化し得ると共にコンパクトで全ズーム範囲にわたって高い光額性能を有することができる。
以下、発明を実施するための最良の形態(以下、実施の形態とする)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.実施の形態(ズームレンズ)
2.数値実施例(第1数値実施例、第2数値実施例、条件式に対応した諸数値)
3.撮像装置及びデジタルスチルカメラ
4.他の実施の形態
1.実施の形態(ズームレンズ)
2.数値実施例(第1数値実施例、第2数値実施例、条件式に対応した諸数値)
3.撮像装置及びデジタルスチルカメラ
4.他の実施の形態
<1.実施の形態>
[1−1.ズームレンズの構成]
本発明のズームレンズは、物体側から順に、負の焦点距離を持つ第1レンズ群、正の焦点距離を持つ第2レンズ群、負の焦点距離を持つ第3レンズ群、正の焦点距離を持つ第4レンズ群を有している。
[1−1.ズームレンズの構成]
本発明のズームレンズは、物体側から順に、負の焦点距離を持つ第1レンズ群、正の焦点距離を持つ第2レンズ群、負の焦点距離を持つ第3レンズ群、正の焦点距離を持つ第4レンズ群を有している。
具体的には、広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群は第2レンズ群との空気間隔を減少させながら像側へ向かって凸状の軌道を描いて移動し、第2レンズ群及び第3レンズ群は互いの空気間隔を広げながら共に物体側へ移動するズームレンズにおいて、第2レンズ群の最も物体側の面が、物体側に凸面を向け且つ非球面を有し、尚且つ、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと正レンズとによって構成される接合レンズを当該第2レンズ群に一つ含むように構成されている。
ここで、第2レンズ群中の最も物体側のレンズ面は、第1レンズ群を射出した軸外主光線が大きく屈折するため、軸外諸収差を発生させないように物体側に凸面を向けた配置が取られている。また、これは第1レンズ群を発散した軸上光線に対する球面収差や、軸外光線に対するコマ収差の発生を抑えるためにも好ましい配置である。
またズームレンズでは、第2レンズ群の最も物体側の面が非球面形状に施されている。これによりズームレンズは、第2レンズ群により球面収差やコマ収差等を良好に補正することが可能となり、光学系の高倍率化や広角化を行った際にも光学性能を確保し易いという利点がある。
さらにズームレンズでは、色収差の補正を良好に行うため、第2レンズ群中に負メニスカスレンズと正レンズとにより構成される接合レンズを配置し、当該負メニスカスレンズの物体側の面は、物体側へ凸面を向けるように構成されている。ズームレンズでは、このような構成とすることにより、接合レンズが正弦条件を満足し易くするため、球面収差やコマ収差の発生を低減することが可能となる。
なお、第2レンズ群の接合レンズは、以下の条件式(1)を満足するように構成されている。
(1)0.3<RCL/f2<1.0
但し、
RCL :第2レンズ群を構成する接合レンズの接合面の曲率半径
f2 :第2レンズ群の焦点距離
とする。
(1)0.3<RCL/f2<1.0
但し、
RCL :第2レンズ群を構成する接合レンズの接合面の曲率半径
f2 :第2レンズ群の焦点距離
とする。
この条件式(1)は、接合レンズの接合面の曲率半径を規定するものであり、これを満足することにより正弦条件を満足し易くなる。条件式(1)は、上限を超えて接合面の曲率半径が緩くなり過ぎると、接合面における軸上色収差及び色コマ収差(コマ収差の色毎の違い)の補正が困難となるため良くない。
一方、条件式(1)は、この下限を超えて接合面の曲率半径が強くなり過ぎると、屈折力が大きくなってしまう分だけ第2レンズ群における軸上色収差及び色コマ収差の発生が大きくなり過ぎてしまって画質劣化を招いてしまう。
また、本発明のズームレンズは、図1に示すような第1レンズ群GR1を構成する2枚のレンズ(負レンズL11及び正レンズL12)が、以下の条件式(2)、(3)を満足するように構成されている。
(2)0.3<(R21−R12)/(R12+R21)<0.5
(3)0.1<(|Sg21|+|Sg12|)/|f1|<0.3
但し、図1、図2(A)及び(B)に示すように、
R21 :第1レンズ群GR1中の正レンズL12の物体側の面の近軸曲率半径
R12 :第1レンズ群GR1中の負レンズL11の像側の面の近軸曲率半径
f1 :第1レンズ群GR1の焦点距離
f(Δsag)値 :近軸曲率半径のサグ量SgSP−非球面形状のサグ量SgASP
Sg21:第1レンズ群GR1中の正レンズL12における物体側の面の有効径位置ΔHにおけるf(Δsag)値
Sg12:第1レンズ群GR1中の負レンズL11における像側の面の有効径位置ΔHにおけるf(Δsag)値
とする。
(2)0.3<(R21−R12)/(R12+R21)<0.5
(3)0.1<(|Sg21|+|Sg12|)/|f1|<0.3
但し、図1、図2(A)及び(B)に示すように、
R21 :第1レンズ群GR1中の正レンズL12の物体側の面の近軸曲率半径
R12 :第1レンズ群GR1中の負レンズL11の像側の面の近軸曲率半径
f1 :第1レンズ群GR1の焦点距離
f(Δsag)値 :近軸曲率半径のサグ量SgSP−非球面形状のサグ量SgASP
Sg21:第1レンズ群GR1中の正レンズL12における物体側の面の有効径位置ΔHにおけるf(Δsag)値
Sg12:第1レンズ群GR1中の負レンズL11における像側の面の有効径位置ΔHにおけるf(Δsag)値
とする。
なお、図2(B)に示したように、第1レンズ群GR1中の負レンズL11における像側面の有効径位置ΔH>R12の場合、光軸から径方向への距離(R12に相当)の位置におけるf(Δsag)値とする。
このように本発明のズームレンズでは、第1レンズ群GR1中の負レンズL11における像側面の有効径位置ΔH>R12の場合には、光軸から径方向への距離(R12に相当)の位置におけるf(Δsag)値と近似することが出来るようになされている。
条件式(2)は、第1レンズ群の2枚のレンズ間に出来る空気レンズのシェイプファクターを規定するものである。この条件式(2)においては、下限を超えて小さくなると、当該空気レンズの面の曲率が緩くなり、レンズ面における屈折力が弱くなるため光学系の小型化を実現することが困難になる。
また条件式(2)においては、下限を超える場合、物体側から空気レンズに入射する最大画角付近の光線の入射角度が大きくなり易いため、撮影画角の広角化を図る際の軸外諸収差の補正も困難になってしまう。
一方、条件式(2)においては、上限を超えて大きくなると、空気レンズの面の曲率が強くなり過ぎるため、広角端側における軸外収差および望遠端側における軸上収差の発生が多くなる。そのうえ、第1レンズ群GR1の正レンズL12におけるコバ厚の確保と偏芯敏感度の低減が困難となるため、ズームレンズ鏡筒の製造時における生産性が悪くなってしまう。
条件式(3)は、第1レンズ群GR1内の負レンズL11の像側面と正レンズL12の物体面に形成された非球面形状を規定するものである。条件式(3)においては、この下限を超えると、負レンズL11と正レンズL12との間に構成される空気レンズの両面の非球面形状が球面に近づくことを意味する。その場合、第1レンズ群GR1における非球面レンズの補正効果がなくなってしまうことにより、諸軸外収差が大きくなり過ぎ、特に広角端における非点収差の補正が困難となって光学性能の低下を招く。
また条件式(3)においては、この上限を超えると、非球面形状による諸収差の補正が過剰となり、第1レンズ群GR1としての収差補正が困難となるうえ、偏芯敏感度も大きくなるためズームレンズ鏡筒の製造が困難になってしまう。
更に本発明のズームレンズは、第3レンズ群が、物体側から順に正レンズと負レンズとを結合した全体として負の屈折力を持つ接合レンズのみからなる簡素な構成でなり、これにより全光学系の小型化を図るようになされている。
ここで、この第3レンズ群は、以下の条件式(4)、(5)を満足するように構成されている。
(4)ν3p>45
(5)10<ν3p−ν3n<30
(6)1.0<(R3a+R3b)/(R3a−R3b)<6.0
但し、
ν3p :第3レンズ群の接合レンズを構成する正レンズのアッベ数
ν3n :第3レンズ群の接合レンズを構成する負レンズのアッベ数
R3a :第3レンズ群の最も物体側のレンズ面の曲率半径
R3b :第3レンズ群の最も像側のレンズ面の曲率半径
とする。
(4)ν3p>45
(5)10<ν3p−ν3n<30
(6)1.0<(R3a+R3b)/(R3a−R3b)<6.0
但し、
ν3p :第3レンズ群の接合レンズを構成する正レンズのアッベ数
ν3n :第3レンズ群の接合レンズを構成する負レンズのアッベ数
R3a :第3レンズ群の最も物体側のレンズ面の曲率半径
R3b :第3レンズ群の最も像側のレンズ面の曲率半径
とする。
この条件式(4)は、第3レンズ群を構成している接合レンズにおける正レンズの材料のアッベ数を規定するものであり、条件式(5)は、接合レンズにおける正レンズの材料のアッベ数と負レンズの材料のアッベ数との差を規定するものである。
第3レンズ群では、条件式(4)の下限を超えて正レンズの材料を選定したり、または条件式(5)の上限を超えて第3レンズ群の接合レンズを構成した場合、負レンズの材料のアッベ数が小さくなり過ぎるので好ましくない。一般的に、アッベ数の小さい硝材は分散と同時に部分分散も大きくなるため、特に高倍率のズームレンズにおいては望遠側の2次スペクトル(2次分散)が増大しやすくなる。
また、第3レンズ群では、条件式(5)の下限を超えて接合レンズを構成すると、正レンズ及び負レンズ間におけるアッベ数の差が小さくなり過ぎるため、第3レンズ群を接合レンズによって構成するメリットがなくなってしまうので好ましくない。
この条件式(6)は、第3レンズ群のシェイプファクターを規定するものである。第3レンズ群では、条件式(6)の上限を超えてレンズ面の曲率が強すぎると、手ブレ補正を行う際の防振時に像面の倒れが多く発生して画質劣化につながる。
また、第3レンズ群では、条件式(6)の下限を超えると、接合レンズの構成が適切ではなくなり、当該第3レンズ群における接合レンズでの色収差を補正することが困難になる。
加えて、本発明のズームレンズは、第3レンズ群を光軸に対して略垂直方向へ移動(シフト)させることにより、像をシフトさせることが可能である。
実際上、ズームレンズにおいては、第3レンズ群を光軸に対して略垂直方向へ移動させ、像ブレを検出する検出系、各レンズ群をシフトさせる駆動系、及び検出系の出力に基づいて駆動系にシフト量を付与する制御系を組み合わせることにより、防振光学系として機能させ得るようになされている。
特に、このズームレンズにおいては、構成枚数が少なく且つレンズ径も小さな第3レンズ群を光軸に対して垂直方向へシフトすることにより、防振ユニットの小型化やアクチュエータへの負荷の軽減、並びに省電力化を図ることができる。
さらに、ズームレンズにおいては、上述した条件式(4)〜(6)を満足するように第3レンズ群を構成することにより、当該第3レンズ群をシフトさせた際の偏芯収差の発生を低減し得、少ない収差変動で像をシフトさせ得るようになされている。
更に本発明のズームレンズは、第1レンズ群が物体側から順に、少なくとも像側の面に非球面を有した像側に凹面を向けた負レンズと、少なくとも物体側の面に非球面を有した物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズの2枚からなり、以下の条件式(7)、(8)を満足するように構成されている。
(7)nd12>1.9
(8)νd12<22
但し、
nd12 : 第1レンズ群を構成する正メニスカスレンズのd線の屈折率
νd12 :第1レンズ群を構成する正メニスカスレンズのアッベ数
とする。
(7)nd12>1.9
(8)νd12<22
但し、
nd12 : 第1レンズ群を構成する正メニスカスレンズのd線の屈折率
νd12 :第1レンズ群を構成する正メニスカスレンズのアッベ数
とする。
この条件式(7)及び(8)は、第1レンズ群を構成する正メニスカスレンズの屈折率及びアッベ数を規定する条件式である。
ズームレンズでは、条件式(7)の範囲を超えると、正メニスカスレンズの曲率を大きくする必要があり、広角端での像面湾曲の収差補正が困難となり光学性能の劣化を引き起こすと共に、コバ厚の確保が困難となり鏡筒製造上の困難さも伴うことになる。
またズームレンズでは、条件式(8)の範囲を超えると、第1レンズ群で発生する色収差の補正が困難となり、光学性能の低下を招くことになる。
さらに本発明のズームレンズでは、第2レンズ群の接合レンズを構成する2枚のレンズが、以下の条件式(9)を満足するように構成されていることにより、更なる色収差(軸上色収差、色コマ収差)を良好に補正し得るようになされている。
(9)40<ν2p−ν2n<70
但し、
ν2p :第2レンズ群中の接合レンズを構成する正レンズのアッベ数
ν2n :第2レンズ群中の接合レンズを構成する負メニスカスレンズのアッベ数
とする。
(9)40<ν2p−ν2n<70
但し、
ν2p :第2レンズ群中の接合レンズを構成する正レンズのアッベ数
ν2n :第2レンズ群中の接合レンズを構成する負メニスカスレンズのアッベ数
とする。
この条件式(9)は、第2レンズ群の接合レンズにおける正レンズの材料のアッベ数と負メニスカスレンズの材料のアッベ数との差を規定するものである。
ズームレンズでは、この条件式(9)の上限を超えて大きくなり過ぎる場合、負レンズの材料のアッベ数が小さくなり過ぎることにより色分散が大きくなるため、色収差の発生が大きくなり過ぎるのでよろしくない。
またズームレンズでは、この条件式(9)の下限を超えて小さくなり過ぎる場合、接合レンズを構成したとき正レンズと負メニスカスレンズとの間におけるアッベ数の差が小さくなり過ぎるため、色収差の補正が困難になってしまう。
なお本発明のズームレンズにおいては、負の焦点距離を持つ第1レンズ群及び正の焦点距離を持つ第4レンズ群を光軸方向へ移動させることによりフォーカシングを行うことが好ましい。
特にズームレンズは、第4レンズ群をフォーカシングのためのレンズ群として用いることにより、シャッターユニットやアイリスユニットの駆動制御を行う駆動系や、第3レンズ群をシフトさせる防振駆動系との干渉を回避し易くすることができる。それに伴ってズームレンズは、小型化を図ることもできる。
<2.数値実施例>
次に、本発明のズームレンズに対して具体的な数値を適用した数値実施例について、以下、図面及び図表を用いて説明する。なお、数値実施例において使用する記号の意味は、次の通りである。
次に、本発明のズームレンズに対して具体的な数値を適用した数値実施例について、以下、図面及び図表を用いて説明する。なお、数値実施例において使用する記号の意味は、次の通りである。
「FNo」はFナンバー、「f」はレンズ系全体の焦点距離、「ω」は対角の半画角、「si」は物体側から数えてi番目の面、「ri」は面siの曲率半径、「di」は物体側からi番目の面とi+1番目の面との間の軸上面間隔、「ni」は第iレンズのd線(波長587.6nm)における屈折率、「νi」は第iレンズのd線(波長587.6nm)におけるアッベ数である。
面番号に関して「ASP」は当該面が非球面形状であることを示し、「STO」は当該面が開口絞りになっていることを示し、「INFINITY」は当該面が平面で構成されていることを示している。
また、本発明のズームレンズは、レンズ面が非球面形状に形成されたものがあり、その非球面形状は、次式の数1によって定義されるものとする。
x=cy2/(1+(1−(1+k)c2y2)1/2)+Ay4+By6+…
但し、 x:レンズ面頂点からの光軸方向の距離
y:光軸と垂直な方向の高さ
c:レンズ頂点での近軸曲率
k:コーニック定数(円錐定数)
A、B、C、……:非球面係数 ……(1)
とする。
但し、 x:レンズ面頂点からの光軸方向の距離
y:光軸と垂直な方向の高さ
c:レンズ頂点での近軸曲率
k:コーニック定数(円錐定数)
A、B、C、……:非球面係数 ……(1)
とする。
[2−1.第1数値実施例]
図3において、1は全体として第1数値実施例におけるズームレンズを示し、物体側から順に、負の焦点距離を持つ第1レンズ群GR1、正の焦点距離を持つ第2レンズ群GR2、負の焦点距離を持つ第3レンズ群GR3、正の焦点距離を持つ第4レンズ群GR4を有する。
図3において、1は全体として第1数値実施例におけるズームレンズを示し、物体側から順に、負の焦点距離を持つ第1レンズ群GR1、正の焦点距離を持つ第2レンズ群GR2、負の焦点距離を持つ第3レンズ群GR3、正の焦点距離を持つ第4レンズ群GR4を有する。
広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群GR1は第2レンズ群GR2との空気間隔を減少させながら像側へ向かって凸状の軌道を描いて移動し、第2レンズ群GR2及び第3レンズ群GR3は互いの空気間隔を広げながら共に物体側へ移動するズームレンズ1において、第2レンズ群GR2の最も物体側の面が、物体側に凸面を向け且つ非球面を有し、尚且つ、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL22と正レンズL23とによって構成される接合レンズCL2を当該第2レンズ群GR2に一つ含むように構成されている。
ここで、第2レンズ群GR2中の最も物体側の面r5は、第1レンズ群を射出した軸外主光線が大きく屈折するため、軸外諸収差を発生させないように物体側に凸面を向けた配置が取られている。また、これは第1レンズ群GR1を発散した軸上光線に対する球面収差や、軸外光線に対するコマ収差の発生を抑えるためにも好ましい配置である。
またズームレンズ1では、第2レンズ群GR2の最も物体側の面r5に非球面形状が施されている。これによりズームレンズ1は、第2レンズ群GR2により球面収差やコマ収差等を良好に補正することが可能となり、光学系の高倍率化や広角化を行った際にも光学性能を確保し易いという利点がある。
さらにズームレンズ1では、色収差の補正を良好に補正するため、第2レンズ群GR2中に負メニスカスレンズL22と正レンズL23とにより構成される接合レンズCL2を配置し、当該負メニスカスレンズL22の物体側の面r5は、物体側へ凸面を向けるように構成されている。ズームレンズ1は、このような構成とすることにより、接合レンズCL2が正弦条件を満足し易くするため、球面収差やコマ収差の発生を低減することが可能となる。
更にズームレンズ1は、第3レンズ群GR3が、物体側から順に正レンズL31と負レンズL32とを結合した全体として負の屈折力を持つ接合レンズCL3のみからなる簡素な構成でなり、これにより全光学系の小型化を図るようになされている。
加えてズームレンズ1は、第3レンズ群GR3を光軸に対して略垂直方向へ移動(シフト)させることにより、像をシフトさせることが可能である。
実際上、ズームレンズ1においては、第3レンズ群GR3を光軸に対して略垂直方向へ移動させ、像ブレを検出する検出系、各レンズ群をシフトさせる駆動系、及び検出系の出力に基づいて駆動系にシフト量を付与する制御系を組み合わせることにより、防振光学系として機能させ得るようになされている。
特に、このズームレンズ1においては、構成枚数が少なく且つレンズ径も小さな第3レンズ群GR3を光軸に対して垂直方向へシフトすることにより、防振ユニットの小型化やアクチュエータへの負荷の軽減、並びに省電力化を図ることができる。
更にズームレンズは、第1レンズ群GR1が物体側から順に、少なくとも像側の面r2に非球面形状を有した当該像側に凹面を向けた負レンズL11と、少なくとも物体側の面r3に非球面を有した当該物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL12の2枚から構成されている。
なおズームレンズ1においては、負の焦点距離を持つ第1レンズ群GR1及び正の焦点距離を持つ第4レンズ群GR4を光軸方向へ移動させることによりフォーカシングを行うことが好ましい。
特にズームレンズ1は、第4レンズ群GR4をフォーカシングのためのレンズ群として用いることにより、シャッターユニットやアイリスユニットの駆動制御を行う駆動系や、第3レンズ群GR3をシフトさせる防振駆動系との干渉を回避し易くすることができる。それに伴ってズームレンズ1は、小型化を図ることもできるようになされている。
因みにズームレンズ1は、開口絞りSTOが第3レンズ群GR3の物体側に配置されていると共に、第4レンズ群GR4の正メニスカスレンズL4と像面IMGとの間には、IRカットフィルタCFと、像面IMGを保護するためのシールガラスSGとが配置されている。
このようにズームレンズ1では、上述したようなレンズエレメント構成とすることによって、高変倍比化及び広角化を実現すると共に、レンズ系の諸収差を良好に補正し得るようになされている。
表1には、第1数値実施例のズームレンズ1に具体的数値を適用したときのレンズデータを、FナンバーFNo、レンズ系全長の焦点距離f及び画角ωと共に示す。
このズームレンズ1においては、第1レンズ群GR1における負レンズL11の物体側の面(r1)、負レンズL11の像側の面(r2)、正メニスカスレンズL12の物体側の面(r3)、正メニスカスレンズL12の像側の面(r4)、第2レンズ群GR2における負メニスカスレンズL22の物体側の面(r5)が非球面形状に形成されている。
またズームレンズ1においては、第2レンズ群GR2における正レンズL23の像側の面(r7)、第3レンズ群GR3における負レンズL32の像側の面(r11)、第4レンズ群GR4における正メニスカスレンズL4の物体側の面(r12)及び像側の面(r13)が非球面形状に形成されている。
表2には、ズームレンズ1において、第1レンズ群GR1が第2レンズ群GR2との空気間隔を減少させながら像側へ向かって凸状の軌道を描いて移動し、第2レンズ群GR2及び第3レンズ群GR3が互いの空気間隔を広げながら共に物体側へ移動するときに可変する面間隔(可変面間隔)を示す。
すなわちズームレンズ1では、広角端から望遠端までの変倍に際し、第1レンズ群GR1と第2レンズ群GR2との間の間隔d4、開口絞りSTO〜第3レンズ群GR3との間の間隔d8、第3レンズ群GR3と第4レンズ群GR4との間の間隔d11、第4レンズ群GR4とIRカットフィルタCFとの間の間隔d13が変化する。
そこで、表2では、第1数値実施例のズームレンズ1において広角端(f=4.43)、中間焦点位置(f=10.69)、望遠端(f=25.82)における各間隔の各数値を左から順に示している。
続いて、第1数値実施例のズームレンズ1における非球面の4次、6次、8次及び10次の非球面係数「A」、「B」、「C」及び「D」をコーニック定数(円錐定数)「K」と共に、表3に示す。なお、表3において、「E−01」は10を底とする指数表現、即ち「10−1」を表しており、例えば「0.12345E−05」は「0.12345×10−5」を表している。
次に、第1数値実施例のズームレンズ1における条件式(1)〜(9)の対応値を表4に示す。
次に、第1数値実施例のズームレンズ1における諸収差を図4乃至図6に示す。ここで、図4は広角端における諸収差(球面収差、非点収差、歪曲収差)を示し、図5は中間焦点距離位置における諸収差(球面収差、非点収差、歪曲収差)を示し、図6は望遠端における諸収差(球面収差、非点収差、歪曲収差)を示す。
また、球面収差図においては、実線がd線における値を示し、破線がg線における値を示す。非点収差図においては、実線がサジタル像面における値を示し、破線がメリディオナル像面における値を示す。
この図4乃至図6における諸収差図(球面収差、非点収差及び歪曲収差)及び上述した表1乃至表4から、第1数値実施例のズームレンズ1は、広角端における撮影画角(ω)が約40度以上、かつ、6倍近いズーム比(f25.82/f4.43)を示しながら、各レンズ群の厚みが薄く、全体として小型化されていると共に、諸収差が良好に補正され、優れた光学性能を有することが分かる。
[2−2.第2数値実施例]
図7において、10は全体として第2数値実施例におけるズームレンズを示し、物体側から順に、負の焦点距離を持つ第1レンズ群GR1、正の焦点距離を持つ第2レンズ群GR2、負の焦点距離を持つ第3レンズ群GR3、正の焦点距離を持つ第4レンズ群GR4を有する。
図7において、10は全体として第2数値実施例におけるズームレンズを示し、物体側から順に、負の焦点距離を持つ第1レンズ群GR1、正の焦点距離を持つ第2レンズ群GR2、負の焦点距離を持つ第3レンズ群GR3、正の焦点距離を持つ第4レンズ群GR4を有する。
具体的には、広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群GR1は第2レンズ群GR2との空気間隔を減少させながら像側へ向かって凸状の軌道を描いて移動し、第2レンズ群GR2及び第3レンズ群GR3は互いの空気間隔を広げながら共に物体側へ移動するズームレンズ10において、第2レンズ群GR2の最も物体側の面が、物体側に凸面を向け且つ非球面を有し、且つ、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL22と正レンズL23とによって構成される接合レンズCL2を当該第2レンズ群GR2に一つ含むように構成されている。
ここで、第2レンズ群GR2中の最も物体側の面r5は、第1レンズ群を射出した軸外主光線が大きく屈折するため、軸外諸収差を発生させないように物体側に凸面を向けた配置が取られている。また、これは第1レンズ群GR1を発散した軸上光線に対する球面収差や、軸外光線に対するコマ収差の発生を抑えるためにも好ましい配置である。
またズームレンズ10では、第2レンズ群GR2の最も物体側に配置された正レンズL21と開口絞りSTOとが一体化された状態で形成されている。
さらにズームレンズ10では、第2レンズ群GR2の最も物体側の面r5に非球面が施されている。これによりズームレンズ10は、第2レンズ群GR2により球面収差やコマ収差等を良好に補正することが可能となり、光学系の高倍率化や広角化を行った際にも光学性能を確保し易いという利点がある。
さらにズームレンズ10では、色収差の補正を良好に補正するため、第2レンズ群GR2中に負メニスカスレンズL22と正レンズL23とにより構成される接合レンズCL2を配置し、当該負メニスカスレンズL22の物体側の面r7は、物体側へ凸面を向けるように構成されている。ズームレンズ10は、このような構成とすることにより、接合レンズCL2が正弦条件を満足し易くするため、球面収差やコマ収差の発生を低減することが可能となる。
更にズームレンズ10は、第3レンズ群GR3が、物体側から順に正レンズL31と負レンズL32とを結合した全体として負の屈折力を持つ接合レンズCL3のみからなる簡素な構成でなり、これにより全光学系の小型化を図るようになされている。
加えてズームレンズ10は、第3レンズ群GR3を光軸に対して略垂直方向へ移動(シフト)させることにより、像をシフトさせることが可能である。
実際上、ズームレンズ10においては、第3レンズ群GR3を光軸に対して略垂直方向へ移動させ、像ブレを検出する検出系、各レンズ群をシフトさせる駆動系、及び検出系の出力に基づいて駆動系にシフト量を付与する制御系を組み合わせることにより、防振光学系として機能させ得るようになされている。
特に、このズームレンズ10においては、構成枚数が少なく且つレンズ径も小さな第3レンズ群GR3を光軸に対して垂直方向へシフトすることにより、防振ユニットの小型化やアクチュエータへの負荷の軽減、並びに省電力化を図ることができる。
更にズームレンズ10は、第1レンズ群GR1が物体側から順に、少なくとも像側の面に非球面を有した当該像側に凹面を向けた負レンズL11と、少なくとも物体側の面に非球面を有した当該物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL12の2枚から構成されている。
なおズームレンズ10においては、負の焦点距離を持つ第1レンズ群GR1及び正の焦点距離を持つ第4レンズ群GR4を光軸方向へ移動させることによりフォーカシングを行うことが好ましい。
特にズームレンズ10は、第4レンズ群GR4をフォーカシングのためのレンズ群として用いることにより、シャッターユニットやアイリスユニットの駆動制御を行う駆動系や、第3レンズ群GR3をシフトさせる防振駆動系との干渉を回避し易くすることができる。それに伴ってズームレンズ10は、小型化を図ることもできるようになされている。
因みにズームレンズ10は、第4レンズ群GR4の正メニスカスレンズL4と像面IMGとの間に、IRカットフィルタCFと、像面IMGを保護するためのシールガラスSGとが配置されている。
このようにズームレンズ10では、上述したようなレンズエレメント構成とすることによって、高変倍比化及び広角化を実現すると共に、レンズ系の諸収差を良好に補正し得るようになされている。
表5には、第2数値実施例のズームレンズ10に具体的数値を適用したときのレンズデータを、FナンバーFNo、レンズ系全長の焦点距離f及び画角ωと共に示す。
このズームレンズ10においては、第1レンズ群GR1における負レンズL11の物体側の面(r1)、負レンズL11の像側の面(r2)、正メニスカスレンズL12の物体側の面(r3)、正メニスカスレンズL12の像側の面(r4)、第2レンズ群GR2における正レンズL21の物体側の面(r5)、正レンズL21の像側の面(r6)が非球面形状に形成されている。
またズームレンズ10においては、第3レンズ群GR3における正レンズL31の物体側の面(r10)、第4レンズ群GR4における正メニスカスレンズL4の物体側の面(r13)及び像側の面(r14)が非球面形状に形成されている。
表6には、ズームレンズ10において、第1レンズ群GR1が第2レンズ群GR2との空気間隔を減少させながら像側へ向かって凸状の軌道を描いて移動し、第2レンズ群GR2及び第3レンズ群GR3が互いの空気間隔を広げながら共に物体側へ移動するときに可変する面間隔(可変面間隔)を示す。
すなわちズームレンズ10では、広角端から望遠端までの変倍に際し、第1レンズ群GR1と第2レンズ群GR2との間の間隔d4、第2レンズ群GR2と第3レンズ群GR3との間の間隔d9、第3レンズ群GR3と第4レンズ群GR4との間の間隔d12、第4レンズ群GR4とIRカットフィルタCFとの間の間隔d14が変化する。
そこで、表6では、第2数値実施例のズームレンズ10において広角端(f=4.43)、中間焦点位置(f=10.69)、望遠端(f=25.82)における各間隔の各数値を左から順に示している。
続いて、第2数値実施例のズームレンズ10における非球面の4次、6次、8次及び10次の非球面係数「A」、「B」、「C」及び「D」をコーニック定数(円錐定数)「K」と共に、表7に示す。なお、表7においても、「E−01」は10を底とする指数表現、即ち「10−1」を表しており、例えば「0.12345E−05」は「0.12345×10−5」を表している。
次に、第2数値実施例のズームレンズ10における条件式(1)〜(9)の対応値を表4に示す。
次に、第2数値実施例のズームレンズ10における諸収差を図8乃至図10に示す。ここで、図8は広角端における諸収差(球面収差、非点収差、歪曲収差)を示し、図9は中間焦点距離位置における諸収差(球面収差、非点収差、歪曲収差)を示し、図10は望遠端における諸収差(球面収差、非点収差、歪曲収差)を示す。
また、球面収差図においては、実線がd線における値を示し、破線がg線における値を示す。非点収差図においては、実線がサジタル像面における値を示し、破線がメリディオナル像面における値を示す。
この図8乃至図10における諸収差図(球面収差、非点収差及び歪曲収差)及び上述した表5乃至表8から、第2数値実施例のズームレンズ10は、広角端における撮影画角(ω)が約40度以上、かつ、6倍近いズーム比(f25.82/f4.43)を示しながら、各レンズ群の厚みが薄く、全体として小型化されていると共に、諸収差が良好に補正され、優れた光学性能を有することが分かる。
<3.撮像装置及びデジタルスチルカメラ>
[3−1.撮像装置の構成]
次に、本発明の撮像装置について説明する。この撮像装置は、本発明のズームレンズと、当該ズームレンズによって形成された光学像を電気的信号に変換するための例えばCCD(Charge Coupled Device)センサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ等でなる撮像素子とを具えている。
[3−1.撮像装置の構成]
次に、本発明の撮像装置について説明する。この撮像装置は、本発明のズームレンズと、当該ズームレンズによって形成された光学像を電気的信号に変換するための例えばCCD(Charge Coupled Device)センサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ等でなる撮像素子とを具えている。
このズームレンズは、物体側から順に、負の焦点距離を持つ第1レンズ群、正の焦点距離を持つ第2レンズ群、負の焦点距離を持つ第3レンズ群、正の焦点距離を持つ第4レンズ群を有している。
具体的には、広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群は第2レンズ群との空気間隔を減少させながら像側へ向かって凸状の軌道を描いて移動し、第2レンズ群及び第3レンズ群は互いの空気間隔を広げながら共に物体側へ移動するズームレンズにおいて、第2レンズ群の最も物体側の面が、物体側に凸面を向け且つ非球面を有し、且つ、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと正レンズとによって構成される接合レンズを当該第2レンズ群に一つ含むように構成されている。
ここで、第2レンズ群中の最も物体側のレンズ面は、第1レンズ群を射出した軸外主光線が大きく屈折するため、軸外諸収差を発生させないように物体側に凸面を向けた配置が取られている。また、これは第1レンズ群を発散した軸上光線に対する球面収差や、軸外光線に対するコマ収差の発生を抑えるためにも好ましい配置である。
またズームレンズでは、第2レンズ群の最も物体側の面に非球面が施されている。これによりズームレンズは、第2レンズ群により球面収差やコマ収差等を良好に補正することが可能となり、光学系の高倍率化や広角化を行った際にも光学性能を確保し易いという利点がある。
さらにズームレンズでは、色収差の補正を良好に補正するため、第2レンズ群中に負メニスカスレンズと正レンズとにより構成される接合レンズを配置し、当該負メニスカスレンズの物体側の面は、物体側へ凸面を向けるように構成されている。ズームレンズは、このような構成とすることにより、接合レンズが正弦条件を満足し易くするため、球面収差やコマ収差の発生を低減することが可能となる。
なお、第2レンズ群の接合レンズは、以下の条件式(1)を満足するように構成されている。
(1)0.3<RCL/f2<1.0
但し、
RCL :第2レンズ群を構成する接合レンズの接合面の曲率半径
f2 :第2レンズ群の焦点距離
とする。
(1)0.3<RCL/f2<1.0
但し、
RCL :第2レンズ群を構成する接合レンズの接合面の曲率半径
f2 :第2レンズ群の焦点距離
とする。
この条件式(1)は、接合レンズの接合面の曲率半径を規定するものであり、この上限を超えて接合面の曲率半径が緩くなり過ぎると、接合面における軸上色収差及び色コマ収差(コマ収差の色毎の違い)の補正が困難となるため良くない。
一方、条件式(1)は、この下限を超えて接合面の曲率半径が強くなり過ぎると、屈折力が大きくなってしまう分だけ第2レンズ群における軸上色収差及び色コマ収差の発生が大きくなり過ぎるため画質劣化を招いてしまう。
また、本発明のズームレンズは、第1レンズ群を構成する2枚のレンズが、以下の条件式(2)、(3)を満足するように構成されている。
(2)0.3<(R21−R12)/(R12+R21)<0.5
(3)0.1<(|Sg21|+|Sg12|)/|f1|<0.3
但し、
R21 :第1レンズ群中の正レンズの物体側の面の近軸曲率半径
R12 :第1レンズ群中の負レンズの像側の面の近軸曲率半径
f1 :第1レンズ群の焦点距離
f(Δsag)値 :近軸曲率半径のサグ量−非球面形状のサグ量
Sg21:第1レンズ群中の正レンズにおける物体側の面の有効径位置におけるf(Δsag)値
Sg12:第1レンズ群中の負レンズにおける像側の面の有効径位置におけるf(Δsag)値
とする。
(2)0.3<(R21−R12)/(R12+R21)<0.5
(3)0.1<(|Sg21|+|Sg12|)/|f1|<0.3
但し、
R21 :第1レンズ群中の正レンズの物体側の面の近軸曲率半径
R12 :第1レンズ群中の負レンズの像側の面の近軸曲率半径
f1 :第1レンズ群の焦点距離
f(Δsag)値 :近軸曲率半径のサグ量−非球面形状のサグ量
Sg21:第1レンズ群中の正レンズにおける物体側の面の有効径位置におけるf(Δsag)値
Sg12:第1レンズ群中の負レンズにおける像側の面の有効径位置におけるf(Δsag)値
とする。
なお、第1レンズ群中の負レンズにおける像側面の有効径位置>R12の場合、光軸から径方向への距離(R12に相当)の位置におけるf(Δsag)値とする。
この条件式(2)は、第1レンズ群の2枚のレンズ間に出来る空気レンズのシェイプファクターを規定するものである。条件式(2)においては、この下限を超えて小さくなると、当該空気レンズの面の曲率が緩くなり、レンズ面における屈折力が弱くなるため光学系の小型化を実現することが困難になる。
また条件式(2)においては、この下限を超える場合、物体側から空気レンズに入射する最大画角付近の光線の入射角度が大きくなり易いため、撮影画角の広角化を図る際の軸外諸収差の補正も困難になってしまう。
一方、条件式(2)においては、この上限を超えて大きくなると、空気レンズの面の曲率が強くなり過ぎるため、広角端側における軸外収差および望遠端側における軸上収差の発生が多くなる。そのうえ、第1レンズ群のレンズにおけるコバ厚の確保と偏芯敏感度の低減が困難となるため、ズームレンズ鏡筒の製造時における生産性が悪くなってしまう。
この条件式(3)は、第1レンズ群内の負レンズの像側面と正レンズの物体面に形成された非球面形状を規定するものである。条件式(3)においては、この下限を超えると、負レンズと正レンズとの間に構成される空気レンズの両面の非球面形状が球面に近づくことを意味する。その場合、第1レンズ群における非球面レンズの補正効果がなくなってしまうことにより、諸軸外収差が大きくなり過ぎ、特に広角端における非点収差の補正が困難となって光学性能の低下を招く。
また条件式(3)においては、この上限を超えると、非球面形状による諸収差の補正が過剰となり、第1レンズ群としての収差補正が困難となるうえ、偏芯敏感度も大きくなるためズームレンズ鏡筒の製造が困難になってしまう。
更に本発明のズームレンズは、第3レンズ群が、物体側から順に正レンズと負レンズとを結合した全体として負の屈折力を持つ接合レンズのみからなる簡素な構成でなり、これにより全光学系の小型化を図るようになされている。
ここで、この第3レンズ群は、以下の条件式(4)、(5)を満足するように構成されている。
(4)ν3p>45
(5)10<ν3p−ν3n<30
(6)1.0<(R3a+R3b)/(R3a−R3b)<6.0
但し、
ν3p :第3レンズ群の接合レンズを構成する正レンズのアッベ数
ν3n :第3レンズ群の接合レンズを構成する負レンズのアッベ数
R3a :第3レンズ群の最も物体側のレンズ面の曲率半径
R3b :第3レンズ群の最も像側のレンズ面の曲率半径
とする。
(4)ν3p>45
(5)10<ν3p−ν3n<30
(6)1.0<(R3a+R3b)/(R3a−R3b)<6.0
但し、
ν3p :第3レンズ群の接合レンズを構成する正レンズのアッベ数
ν3n :第3レンズ群の接合レンズを構成する負レンズのアッベ数
R3a :第3レンズ群の最も物体側のレンズ面の曲率半径
R3b :第3レンズ群の最も像側のレンズ面の曲率半径
とする。
この条件式(4)は、第3レンズ群を構成している接合レンズにおける正レンズの材料のアッベ数を規定するものであり、条件式(5)は、接合レンズにおける正レンズの材料のアッベ数と負レンズの材料のアッベ数との差を規定するものである。
第3レンズ群では、条件式(4)の下限を超えて正レンズの材料を選定したり、または条件式(5)の上限を超えて第3レンズ群の接合レンズを構成した場合、負レンズの材料のアッベ数が小さくなり過ぎるので好ましくない。一般的に、アッベ数の小さい硝材は分散と同時に部分分散も大きくなるため、特に高倍率のズームレンズにおいては望遠側の2次スペクトル(2次分散)が増大しやすくなる。
また、第3レンズ群では、条件式(5)の下限を超えて接合レンズを構成すると、正レンズ及び負レンズ間におけるアッベ数の差が小さくなり過ぎるため、第3レンズ群を接合レンズによって構成するメリットがなくなってしまうので好ましくない。
この条件式(6)は、第3レンズ群のシェイプファクターを規定するものである。第3レンズ群では、条件式(6)の上限を超えてレンズ面の曲率が強すぎると、手ブレ補正を行う際の防振時に像面の倒れが多く発生して画質劣化につながる。
また、第3レンズ群では、条件式(6)の下限を超えると、接合レンズの構成が適切ではなくなり、当該第3レンズ群における接合レンズでの色収差を補正することが困難になる。
加えて、本発明のズームレンズは、第3レンズ群を光軸に対して略垂直方向へ移動(シフト)させることにより、像をシフトさせることが可能である。
実際上、ズームレンズにおいては、第3レンズ群を光軸に対して略垂直方向へ移動させ、像ブレを検出する検出系、各レンズ群をシフトさせる駆動系、及び検出系の出力に基づいて駆動系にシフト量を付与する制御系を組み合わせることにより、防振光学系として機能させ得るようになされている。
特に、このズームレンズにおいては、構成枚数が少なく且つレンズ径も小さな第3レンズ群を光軸に対して垂直方向へシフトすることにより、防振ユニットの小型化やアクチュエータへの負荷の軽減、並びに省電力化を図ることができる。
さらに、ズームレンズにおいては、上述した条件式(4)〜(6)を満足するように第3レンズ群を構成することにより、当該第3レンズ群をシフトさせた際の偏芯収差の発生を低減し得、少ない収差変動で像をシフトさせ得るようになされている。
更に本発明のズームレンズは、第1レンズ群が物体側から順に、少なくとも像側の面に非球面を有した像側に凹面を向けた負レンズと、少なくとも物体側の面に非球面を有した物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズの2枚からなり、以下の条件式(7)、(8)を満足するように構成されている。
(7)nd12>1.9
(8)νd12<22
但し、
nd12 : 第1レンズ群を構成する正メニスカスレンズのd線の屈折率
νd12 :第1レンズ群を構成する正メニスカスレンズのアッベ数
とする。
(7)nd12>1.9
(8)νd12<22
但し、
nd12 : 第1レンズ群を構成する正メニスカスレンズのd線の屈折率
νd12 :第1レンズ群を構成する正メニスカスレンズのアッベ数
とする。
この条件式(7)及び(8)は、第1レンズ群を構成する正メニスカスレンズの屈折率及びアッベ数を規定する条件式である。
ズームレンズでは、条件式(7)の範囲を超えると、正メニスカスレンズの曲率を大きくする必要があり、広角端での像面湾曲の収差補正が困難となり光学性能の劣化を引き起こすと共に、コバ厚の確保が困難となり鏡筒製造上の困難さも伴うことになる。
またズームレンズでは、条件式(8)の範囲を超えると、第1レンズ群で発生する色収差の補正が困難となり、光学性能の低下を招くことになる。
さらに本発明のズームレンズでは、第2レンズ群の接合レンズを構成する2枚のレンズが、以下の条件式(9)を満足するように構成されていることにより、更なる色収差(軸上色収差、色コマ収差)を良好に補正し得るようになされている。
(9)40<ν2p−ν2n<70
但し、
ν2p :第2レンズ群中の接合レンズを構成する正レンズのアッベ数
ν2n :第2レンズ群中の接合レンズを構成する負メニスカスレンズのアッベ数
とする。
(9)40<ν2p−ν2n<70
但し、
ν2p :第2レンズ群中の接合レンズを構成する正レンズのアッベ数
ν2n :第2レンズ群中の接合レンズを構成する負メニスカスレンズのアッベ数
とする。
この条件式(9)は、第2レンズ群の接合レンズにおける正レンズの材料のアッベ数と負メニスカスレンズの材料のアッベ数との差を規定するものである。
ズームレンズでは、この条件式(9)の上限を超えて大きくなり過ぎる場合、負レンズの材料のアッベ数が小さくなり過ぎることにより色分散が大きくなるため、色収差の発生が大きくなり過ぎるのでよろしくない。
またズームレンズでは、この条件式(9)の下限を超えて小さくなり過ぎる場合、接合レンズを構成したとき正レンズと負メニスカスレンズとの間におけるアッベ数の差が小さくなり過ぎるため、色収差の補正が困難になってしまう。
なお本発明のズームレンズにおいては、第1レンズ群及び第4レンズ群を光軸方向へ移動させることによりフォーカシングを行うことが好ましい。特にズームレンズは、第4レンズ群をフォーカシングのためのレンズ群として用いることにより、シャッターユニットやアイリスユニットの駆動制御を行う駆動系や、第3レンズ群をシフトさせる防振駆動系との干渉を回避し易くすることができる。それに伴ってズームレンズは、小型化を図ることもできる。
[3−2.デジタルスチルカメラの構成]
図9に示すように、上述した撮像装置を搭載するデジタルスチルカメラ100は、撮像機能を担うカメラブロック15と、当該カメラブロック15により撮像された画像信号に対してアナログデジタル変換処理等の信号処理を行うカメラ信号処理部20とを有する。
図9に示すように、上述した撮像装置を搭載するデジタルスチルカメラ100は、撮像機能を担うカメラブロック15と、当該カメラブロック15により撮像された画像信号に対してアナログデジタル変換処理等の信号処理を行うカメラ信号処理部20とを有する。
またデジタルスチルカメラ100は、画像信号の記録再生処理等を行う画像処理部30と、撮影された画像等を表示するLCD(Liquid Crystal Display)40と、メモリーカード51への書込/読出を行うリーダライタ50とを有する。
更に加えてデジタルスチルカメラ100は、当該カメラ全体を制御するCPU(Central Processing Unit)60と、ユーザによる操作入力のための入力部70と、カメラブロック15内のレンズの駆動を制御するレンズ駆動制御部80とを有するようになされている。
カメラブロック15は、ズームレンズ1(又は10)を含む光学系と、例えばCCD(Charge Coupled Device)センサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ等でなる撮像素子12とが組み合わされた構成を有している。
カメラ信号処理部20は、撮像素子12からの出力信号に対するデジタル信号への変換処理、ノイズ除去、画質補正、輝度・色差信号への変換処理等の信号処理を行うようになされている。
画像処理部30は、所定の画像データフォーマットに基づく画像信号の圧縮符号化・伸張復号化処理や、解像度等のデータ仕様の変換処理等を行うようになされている。
メモリーカード51は、着脱自在な半導体メモリから構成されている。リーダライタ50は、画像処理部30によって符号化された画像データをメモリーカード51に書き込み、またメモリーカード51に記録された画像データを読み出すようになされている。
CPU60は、デジタルスチルカメラ100内の各回路ブロックを統括的に制御するようになされており、入力部70からの指示入力信号等に基づいて各回路ブロックを制御するようになされている。
入力部70は、例えば、シャッタ操作を行うためのシャッタレリーズボタンや、動作モードを選択するための選択スイッチ等により構成され、ユーザによる操作に応じた指示入力信号をCPU60へ出力する。
レンズ駆動制御部80は、CPU60からの制御信号に基づいて、ズームレンズ1(又は10)内のレンズを駆動する図示しないモータ等を制御するようになされている。
次に、デジタルスチルカメラ100の動作を簡単に説明する。デジタルスチルカメラ100では、撮影の待機状態のとき、CPU60による制御の下で、カメラブロック15により撮像された画像信号をカメラ信号処理部20を介してLCD40へ出力し、カメラスルー画像として表示するようになされている。
またデジタルスチルカメラ100は、入力部70からのズーミングのための指示入力信号が入力されると、CPU60がレンズ駆動制御部80に制御信号を出力し、レンズ駆動制御部80の制御に基づいてズームレンズ1(又は10)内の所定のレンズを移動する。
そしてデジタルスチルカメラ100は、入力部70からの指示入力信号によりカメラブロック15の図示しないシャッタが切られると、撮像された画像信号をカメラ信号処理部20から画像処理部30へ出力する。
画像処理部30では、カメラ信号処理部20から供給された画像信号に対して所定の圧縮符号化した後、所定のデータフォーマットのデジタルデータに変換し、これをリーダライタ50を介してメモリーカード51に書込むようになされている。
なおフォーカシングは、例えばシャッタレリーズボタンが半押し、或は記録のために全押しされた場合に、CPU60からの制御信号に基づいてレンズ駆動制御部80がズームレンズ1(又は10)内の例えば第4レンズ群GR4を移動させることにより行われる。
またメモリーカード51に記録された画像データを再生する場合、CPU60が入力部70に対する操作に応じてリーダライタ50によりメモリーカード51から画像データを読み出し、画像処理部30により伸張復号化処理した後、これをLCD40へ出力する。
LCD40では、画像処理部30により伸張復号化処理された画像データに基づいて再生画像を表示するようになされている。
因みに、この実施の形態では、本発明の撮像装置をデジタルスチルカメラに適用するようにした場合について説明したが、例えば、ビデオカメラといった他の撮像装置等に適用することも可能である。
<4.他の実施の形態>
その他、上述した各実施の形態及び各第1、第2数値実施例において示した各部の具体的な形状や構造並びに数値は、本発明を実施するに際して行う具体化のほんの一例を示したものに過ぎず、これらによって、本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。
その他、上述した各実施の形態及び各第1、第2数値実施例において示した各部の具体的な形状や構造並びに数値は、本発明を実施するに際して行う具体化のほんの一例を示したものに過ぎず、これらによって、本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。
また上述の実施の形態においては、第4レンズ群GR4として単一の正メニスカスレンズL4を用いるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、正の屈折力を持つものであれば、複数レンズ構成や接合レンズを用いるようにしても良い。
さらに上述の実施の形態においては、撮像装置を例えばデジタルスチルカメラ100に搭載する場合を一例として示したが、撮像装置を搭載する対象としては、これに限られるものではなく、デジタルビデオカメラ、携帯電話機、カメラが搭載されたパーソナルコンピュータ、カメラが組み込まれたPDA等のその他種々の電子機器に広く適用することができる。
1、10……ズームレンズ、12……撮像素子、15……カメラブロック、30……画像処理部、40……LCD、50……リーダライタ、51……メモリーカード、60……CPU、70……入力部、80……レンズ駆動制御部。
Claims (12)
- 物体側から順に、負の焦点距離を持つ第1レンズ群、正の焦点距離を持つ第2レンズ群、負の焦点距離を持つ第3レンズ群、正の焦点距離を持つ第4レンズ群を有し、広角端から望遠端への変倍に際して、上記第1レンズ群は上記第2レンズ群との空気間隔を減少させながら像側へ向かって凸状の軌道を描いて移動し、上記第2レンズ群及び上記第3レンズ群は互いの空気間隔を広げながら共に物体側へ移動するズームレンズにおいて、
上記第2レンズ群の最も物体側の面が、当該物体側に凸面を向け且つ非球面を有し、尚且つ、当該物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと正レンズとによって構成される接合レンズを当該第2レンズ群に一つ含むように構成され、
上記第2レンズ群の上記接合レンズが、以下の条件式(1)を満足するズームレンズ。
(1)0.3<RCL/f2<1.0
但し、
RCL :第2レンズ群を構成する接合レンズの接合面の曲率半径
f2 :第2レンズ群の焦点距離
とする。 - 上記第1レンズ群を構成する2枚のレンズが、以下の条件式(2)、(3)を満足する
請求項1に記載のズームレンズ。
(2)0.3<(R21−R12)/(R12+R21)<0.5
(3)0.1<(|Sg21|+|Sg12|)/|f1|<0.3
但し、
R21 :第1レンズ群中の正レンズの物体側の面の近軸曲率半径
R12 :第1レンズ群中の負レンズの像側の面の近軸曲率半径
f1 :第1レンズ群の焦点距離
f(Δsag)値 :近軸曲率半径のサグ量−非球面形状のサグ量
Sg21:第1レンズ群中の正レンズにおける物体側の面の有効径位置におけるf(Δsag)値
Sg12:第1レンズ群中の負レンズにおける像側の面の有効径位置におけるf(Δsag)値
とする。
なお、第1レンズ群中の負レンズにおける像側面の有効径位置>R12の場合、光軸から径方向への距離(R12に相当)の位置における上記f(Δsag)値とする。 - 上記第3レンズ群が、物体側から順に正レンズと負レンズとを接合した全体として負の屈折力をもつ接合レンズのみで構成される
請求項2に記載のズームレンズ。 - 上記第3レンズ群が、物体側から順に正レンズと負レンズとを接合した全体として負の屈折力をもつ接合レンズのみで構成され、以下の条件式(4)、(5)を満足する
請求項3に記載のズームレンズ。
(4)ν3p>45
(5)10<ν3p−ν3n<30
但し、
ν3p :第3レンズ群の接合レンズを構成する正レンズのアッベ数
ν3n :第3レンズ群の接合レンズを構成する負レンズのアッベ数
とする。 - 上記第3レンズ群を構成するレンズに関して、以下の条件式(6)を満足する
請求項4に記載のズームレンズ。
(6)1.0<(R3a+R3b)/(R3a−R3b)<6.0
但し、
R3a :第3レンズ群の最も物体側のレンズ面の曲率半径
R3b :第3レンズ群の最も像側のレンズ面の曲率半径
とする。 - 上記第1レンズ群が物体側から順に、少なくとも像側の面に非球面を有した当該像側に凹面を向けた負レンズと、少なくとも物体側の面に非球面を有した当該物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズの2枚から構成され、以下の条件式(7)、(8)を満足する
請求項5に記載のズームレンズ。
(7)nd12>1.9
(8)νd12<22
但し、
nd12 : 第1レンズ群を構成する正レンズのd線の屈折率
νd12 :第1レンズ群を構成する正レンズのアッベ数
とする。 - 上記第2レンズ群の接合レンズが、以下の条件式(9)を満足する
請求項6に記載のズームレンズ。
(9)40<ν2p−ν2n<70
但し、
ν2p :第2レンズ群中の接合レンズを構成する正レンズのアッベ数
ν2n :第2レンズ群中の接合レンズを構成する負メニスカスレンズのアッベ数
とする。 - 上記第3レンズ群を光軸に対して垂直方向へシフトさせることにより像ブレを補正する像ブレ補正機能を有する
請求項7に記載のズームレンズ。 - 上記第3レンズ群が、物体側から順に正レンズと負レンズとを接合した全体として負の屈折力をもつ接合レンズのみで構成される
請求項1に記載のズームレンズ。 - 上記第3レンズ群が、物体側から順に正レンズと負レンズを接合した全体として負の屈折力をもつ接合レンズのみで構成され、以下の条件式(4)、(5)を満足する
請求項1に記載のズームレンズ。
(4)ν3p>45
(5)10<ν3p−ν3n<30
但し、
ν3p :第3レンズ群の接合レンズを構成する正レンズのアッベ数
ν3n :第3レンズ群の接合レンズを構成する負レンズのアッベ数
とする。 - 上記第3レンズ群を構成するレンズに関して、以下の条件式(6)を満足する
請求項1に記載のズームレンズ。
(6)1.0<(R3a+R3b)/(R3a−R3b)<6.0
但し、
R3a :第3レンズ群の最も物体側のレンズ面の曲率半径
R3b :第3レンズ群の最も像側のレンズ面の曲率半径
とする。 - ズームレンズと、当該ズームレンズによって形成された光学像を電気的信号に変換する撮像素子とを具え、
上記ズームレンズは、
物体側から順に、負の焦点距離を持つ第1レンズ群、正の焦点距離を持つ第2レンズ群、負の焦点距離を持つ第3レンズ群、正の焦点距離を持つ第4レンズ群を有し、広角端から望遠端への変倍に際して、上記第1レンズ群は上記第2レンズ群との空気間隔を減少させながら像側へ向かって凸状の軌道を描いて移動し、上記第2レンズ群及び上記第3レンズ群は互いの空気間隔を広げながら共に物体側へ移動し、
上記第2レンズ群の最も物体側の面が、当該物体側に凸面を向け且つ非球面を有し、尚且つ、当該物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと正レンズとによって構成される接合レンズを当該第2レンズ群に一つ含むように構成され、
上記第2レンズ群の上記接合レンズが、以下の条件式(1)を満足する撮像装置。
(1)0.3<RCL/f2<1.0
但し、
RCL :第2レンズ群を構成する接合レンズの接合面の曲率半径
f2 :第2レンズ群の焦点距離
とする。
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