JP5076890B2 - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、強誘電体キャパシタを備えた不揮発性メモリに好適な半導体装置及びその製造方法に関する。
近年、デジタル技術の進展に伴い、大容量のデータを高速に処理又は保存する傾向が高まっている。このため、電子機器に使用される半導体装置の高集積化及び高性能化が要求されている。
そこで、半導体記憶装置(DRAM)の高集積化を実現するため、DRAMを構成する容量素子の容量絶縁膜として、珪素酸化物又は珪素窒化物に代えて、強誘電体材料又は高誘電率材料を用いる技術について、広く研究及び開発が行われている。
また、低電圧で且つ高速での書き込み動作及び読み出し動作が可能な不揮発性RAMを実現するため、容量絶縁膜として、自発分極特性を有する強誘電体膜を用いた強誘電体メモリ(FeRAM)についても、盛んに研究及び開発が行われている。
強誘電体メモリは、強誘電体のヒステリシス特性を利用して情報を記憶する。強誘電体メモリには、1対の電極間のキャパシタ誘電体膜として強誘電体膜を有する強誘電体キャパシタがメモリセル毎に設けられている。強誘電体では、電極間の印加電圧に応じて分極が生じ、印加電圧が取り除かれても、自発分極が残る。また、印加電圧の極性が反転されると、自発分極の極性も反転する。従って、自発分極を検出すれば情報を読み出すことができる。そして、強誘電体メモリには、動作が高速であり、消費電力が低く、書き込み/読み出しの耐久性が優れている等の特徴がある。
従来、強誘電体キャパシタの上部電極としては導電性酸化物膜が用いられており、これに接続される配線として、バリアメタル膜及びAl膜から構成されたものが公知である。この配線では、バリアメタル膜に100nm以上の厚さが要求され、厚さが150nmのチタン窒化膜が用いられることがある。一方、ロジック回路部では、厚さが60nmのチタン膜と厚さが30nmのチタン窒化膜の積層体がバリアメタル膜として用いられることがある。このように、強誘電体メモリ部とロジック回路部との間では、バリアメタル膜の構成が相違している。
また、強誘電体メモリに対しても微細化の要請がある。しかし、Al膜を含む配線を用いてこの要請に応えることは困難である。
そこで、これらの不都合を解消すべく、タングステンを含むプラグを用いることが検討されている。
しかしながら、このようなプラグを形成するためには、グルー膜としてチタン膜又はチタン窒化膜を形成した後に、高温の還元雰囲気中でタングステン膜を形成することが必要であり、この時に水素が発生する。この水素の多くはチタン窒化膜によりブロックされるが、水素が大量に発生した場合には、上部電極まで到達することがある。そして、上部電極を構成する導電性酸化物膜、例えばイリジウム酸化膜を還元してしまう。この結果、図6に示すように、体積収縮に伴って上部電極とプラグとの間に空隙が発生し、コンタクト抵抗が不安定になる。
また、チタン膜又はチタン窒化膜が導電性酸化物膜中の酸素によって酸化されて、コンタクト抵抗が上昇することもある。
これらの課題を解決すべく種々の上部電極の構造が提案されている(特許文献1〜5)。しかしながら、これらの構造によっても、コンタクト抵抗の上昇を十分に抑えて安定したものとすることは困難である。
特開2000−349246号公報 特開2000−349253号公報 特開平9−251983号公報 特開2000−133633号公報 特開2004−87978号公報
本発明の目的は、強誘電体キャパシタと配線との間のコンタクト抵抗を安定させることができる半導体装置及びその製造方法を提供することにある。
本願発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下に示す発明の諸態様に想到した。
本願発明に係る半導体装置には、半導体基板の上方に形成され、下部電極、強誘電体膜及び上部電極を備えた強誘電体キャパシタと、前記強誘電体キャパシタを覆い、前記上部電極まで到達するコンタクトホールが形成された層間絶縁膜と、前記コンタクトホール内に形成され、タングステンを含有する導体プラグと、前記層間絶縁膜上に形成され、前記導体プラグを介して前記上部電極に電気的に接続された配線と、が設けられている。そして、前記上部電極には、導電性酸化物膜と、前記導電性酸化物膜上に形成され、イリジウム膜、ルテニウム膜、ロジウム膜及びパラジウム膜からなる群から選択された1種であり、厚さが150nm以下であるキャップ膜と、が設けられている。前記導電性酸化物膜は、第1のイリジウム酸化膜と、前記第1のイリジウム酸化膜上に形成され、前記第1のイリジウム酸化膜より酸素の組成比が大きい第2のイリジウム酸化膜と、からなる。
本願発明に係る半導体装置の製造方法では、半導体基板の上方に、下部電極、強誘電体膜及び上部電極を備えた強誘電体キャパシタを形成した後に、前記強誘電体キャパシタを覆う層間絶縁膜を形成する。次に、前記層間絶縁膜に、前記上部電極まで到達するコンタクトホールを形成する。また、前記コンタクトホール内に、タングステンを含有する導体プラグを形成する。次いで、前記層間絶縁膜上に、前記導体プラグを介して前記上部電極に電気的に接続される配線を形成する。そして、前記強誘電体キャパシタを形成する際に、前記上部電極を形成するに当たり、導電性酸化物膜を形成した後に、前記導電性酸化物膜上にイリジウム膜、ルテニウム膜、ロジウム膜及びパラジウム膜からなる群から選択された1種の膜からなり、厚さが150nm以下であるキャップ膜を形成する。前記導電性酸化物膜として、第1の酸化物膜及び第2の酸化物膜を形成する。前記第1の酸化物膜として、第1のイリジウム酸化膜を形成し、前記第2の酸化物膜として、前記第1のイリジウム酸化膜上に、前記第1のイリジウム酸化膜より酸素の組成比が大きい第2のイリジウム酸化膜を形成する。
図1は、本発明の実施形態に係る方法によって製造する強誘電体メモリ(半導体装置)のメモリセルアレイの構成を示す回路図である。 図2Aは、本発明の第1の実施形態に係る強誘電体メモリの製造方法を工程順に示す断面図である。 図2Bは、図2Aに引き続き、強誘電体メモリの製造方法を工程順に示す断面図である。 図2Cは、図2Bに引き続き、強誘電体メモリの製造方法を工程順に示す断面図である。 図2Dは、図2Cに引き続き、強誘電体メモリの製造方法を工程順に示す断面図である。 図2Eは、図2Dに引き続き、強誘電体メモリの製造方法を工程順に示す断面図である。 図2Fは、図2Eに引き続き、強誘電体メモリの製造方法を工程順に示す断面図である。 図2Gは、図2Fに引き続き、強誘電体メモリの製造方法を工程順に示す断面図である。 図2Hは、図2Gに引き続き、強誘電体メモリの製造方法を工程順に示す断面図である。 図2Iは、図2Hに引き続き、強誘電体メモリの製造方法を工程順に示す断面図である。 図2Jは、図2Iに引き続き、強誘電体メモリの製造方法を工程順に示す断面図である。 図2Kは、図2Jに引き続き、強誘電体メモリの製造方法を工程順に示す断面図である。 図2Lは、図2Kに引き続き、強誘電体メモリの製造方法を工程順に示す断面図である。 図2Mは、図2Lに引き続き、強誘電体メモリの製造方法を工程順に示す断面図である。 図3は、Ir膜の厚さとタングステンプラグの異常酸化との関係を示すグラフである。 図4は、本発明の第2の実施形態に係る強誘電体メモリを示す断面図である。 図5Aは、本発明の第3の実施形態に係る強誘電体メモリの製造方法を工程順に示す断面図である。 図5Bは、図5Aに引き続き、強誘電体メモリの製造方法を工程順に示す断面図である。 図5Cは、図5Bに引き続き、強誘電体メモリの製造方法を工程順に示す断面図である。 図5Dは、図5Cに引き続き、強誘電体メモリの製造方法を工程順に示す断面図である。 図5Eは、図5Dに引き続き、強誘電体メモリの製造方法を工程順に示す断面図である。 図5Fは、図5Eに引き続き、強誘電体メモリの製造方法を工程順に示す断面図である。 図6は、上部電極とプラグとの間の空隙を示す電子顕微鏡写真である。
以下、本発明の実施形態について、添付の図面を参照して具体的に説明する。図1は、本発明の実施形態に係る方法によって製造する強誘電体メモリ(半導体装置)のメモリセルアレイの構成を示す回路図である。
このメモリセルアレイには、一の方向に延びる複数本のビット線3、並びにビット線3が延びる方向に対して垂直な方向に延びる複数本のワード線4及びプレート線5が設けられている。また、これらのビット線3、ワード線4及びプレート線5が構成する格子と整合するようにして、強誘電体メモリの複数個のメモリセルがアレイ状に配置されている。各メモリセルには、強誘電体キャパシタ(記憶部)1及びMOSトランジスタ(スイッチング部)2が設けられている。
MOSトランジスタ2のゲートはワード線4に接続されている。また、MOSトランジスタ2の一方のソース・ドレインはビット線3に接続され、他方のソース・ドレインは強誘電体キャパシタ1の一方の電極に接続されている。そして、強誘電体キャパシタ1の他方の電極がプレート線5に接続されている。なお、各ワード線4及びプレート線5は、それらが延びる方向と同一の方向に並ぶ複数個のMOSトランジスタ2により共有されている。同様に、各ビット線3は、それが延びる方向と同一の方向に並ぶ複数個のMOSトランジスタ2により共有されている。ワード線4及びプレート線5が延びる方向、ビット線3が延びる方向は、夫々行方向、列方向とよばれることがある。但し、ビット線3、ワード線4及びプレート線5の配置は、上述のものに限定されない。
このように構成された強誘電体メモリのメモリセルアレイでは、強誘電体キャパシタ1に設けられた強誘電体膜の分極状態に応じて、データが記憶される。
(第1の実施形態)
次に、本発明の第1の実施形態について説明する。但し、ここでは、便宜上、半導体装置の断面構造については、その製造方法と共に説明する。図2A乃至図2Lは、本発明の第1の実施形態に係る強誘電体メモリ(半導体装置)の製造方法を工程順に示す断面図である。
先ず、図2Aに示すように、シリコン基板等の半導体基板10に、例えばLOCOS(Local Oxidation of Silicon)法により、素子領域を画定する素子分離領域12を形成する。次いで、イオン注入法により、ドーパント不純物を導入することにより、ウェル14を形成する。次いで、素子領域に、ゲート絶縁膜16、ゲート電極(ゲート配線)18、絶縁膜19、サイドウォール絶縁膜20及びソース/ドレイン拡散層22を備えたトランジスタ24を形成する。このトランジスタ24が、図1中のMOSトランジスタ2に相当する。
次いで、全面に、例えばプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法により、例えば膜厚が200nmのSiON膜(シリコン酸化窒化膜)を形成する。更に、全面にプラズマTEOSCVD法により、例えば膜厚が600nmのシリコン酸化膜を形成する。これらのSiON膜及びシリコン酸化膜から層間絶縁膜26が構成される。次に、例えばCMP法により、層間絶縁膜26の表面を平坦化する。
次いで、図2Bに示すように、フォトリソグラフィー技術を用いて層間絶縁膜26に、ソース/ドレイン拡散層22に達するコンタクトホール32と、ゲート電極(ゲート配線)18に達するコンタクトホール(図示せず)とを形成する。次に、全面に、例えばスパッタ法により、膜厚が20nm〜60nmのTi膜を形成する。その後、例えばスパッタ法又はCVD法により、膜厚が30nm〜50nmのTiN膜を形成する。Ti膜及びTiN膜からバリアメタル膜(図示せず)が構成される。
次に、全面に、例えばCVD法により、膜厚が500nmのタングステン膜(図示せず)を形成する。CMP法により、層間絶縁膜26の表面が露出するまで、タングステン膜及びバリアメタル膜を研磨する。この結果、コンタクトホール32等内に埋め込まれ、タングステンを含有する導体プラグ34が形成される。
次いで、図2Cに示すように、全面に、例えばプラズマCVD法により、膜厚が100nmの酸化防止膜28を形成する。酸化防止膜28としては、例えばSiON膜又はシリコン窒化膜を形成する。次に、全面に、例えばプラズマTEOSCVD法により、膜厚が130nmのシリコン酸化膜30を形成する。続いて、窒素(N)雰囲気中で熱処理を行う。例えば、熱処理温度は650℃とし、熱処理時間は30分間〜60分間とする。
次に、図2Dに示すように、全面に、例えばスパッタ法又はCVD法により、膜厚が20nm〜100nm(例えば20nm)のチタン膜36aをPt膜密着層として形成する。更に、全面に、例えばスパッタ法により、膜厚が100nm〜300nm(例えば175nm)のPt膜36bを下部電極膜として形成する。チタン膜36a及びPt膜36bから強誘電体キャパシタの下部電極膜36が構成される。
次いで、同じく図2Dに示すように、全面に、例えばスパッタ法により、強誘電体膜38を形成する。強誘電体膜38としては、例えば膜厚が100nm〜250nm(例えば200nm)のPZT膜を形成する。なお、強誘電体膜38の形成方法はスパッタ法に限定されるものではない。例えば、ゾル・ゲル法、MOD(Metal Organic Deposition)法、MOCVD法等により強誘電体膜38を形成してもよい。
次いで、例えばRTA(Rapid Thermal Annealing)法により、酸素雰囲気中にて熱処理を行う。例えば、熱処理温度を650℃〜800℃(例えば750℃)とし、熱処理時間を30秒間〜120秒間(例えば60秒間)とする。
次いで、同じく図2Dに示すように、例えばスパッタ法又はMOCVD法により、例えば膜厚が10nm〜100nm(例えば50nm)のIrO膜40a及び膜厚が100nm〜300nmのIrO膜40bを連続して形成する。この際、工程劣化を抑えるために、IrO膜40bの酸素の組成比Yが、IrO膜40aの酸素の組成比Xより高くなるようにする。
更に、同じく図2Dに示すように、例えばスパッタ法又はMOCVD法により、膜厚が5nm〜150nm(例えば30nm)の貴金属キャップ膜40cを形成する。貴金属キャップ膜40cとしては、触媒作用がPtよりも小さい貴金属からなる膜、例えばイリジウム(Ir)膜、ルテニウム(Ru)膜、ロジウム(Rh)膜又はパラジウム(Pd)膜を形成することが好ましい。貴金属キャップ膜40cとしてIr膜を形成する場合の成膜温度は、例えば430℃とする。Ru膜を形成する場合の成膜温度は、例えば400℃とする。IrO膜40a、IrO膜40b及び貴金属キャップ膜40cから強誘電体キャパシタの上部電極膜40が構成される。
なお、IrO膜40b上にPt膜を形成した場合には、Ptの触媒作用により、後にプラズマTEOSCVD法等のCVD法で層間絶縁膜を形成する際に、原料中の水から水素が発生し、強誘電体膜38の特性が劣化してしまう。また、後に、上部電極膜40をエッチングした後に回復アニールを行うが、この際にPt膜の表面に突起(ヒロック)が発生することもある。
次いで、全面に、例えばスピンコート法により、フォトレジスト膜(図示せず)を形成し、フォトリソグラフィーにより、フォトレジスト膜を強誘電体キャパシタの上部電極の平面形状にパターニングする。続いて、図2Eに示すように、上部電極膜40をエッチングする。エッチングガスとしては、例えばArガス及びClガスを用いる。その後、フォトレジスト膜を除去する。なお、チタン窒化膜からなるハードマスクを用いて上部電極膜40のエッチングを行ってもよい。次いで、例えば酸素雰囲気にて、400℃〜700℃(例えば650℃)、30分間〜120分間(例えば60分間)の熱処理(回復アニール)を行う。この熱処理は、強誘電体膜38の膜質を向上するためのものである。貴金属キャップ膜40cが薄いので、酸素を強誘電体膜38まで十分に到達させることが可能であり、上部電極の大きさに拘わらず、強誘電体膜38を十分に回復させることができる。また、貴金属キャップ膜40cの表面にヒロックが発生することもない。
次いで、全面に、例えばスピンコート法により、フォトレジスト膜(図示せず)を形成し、フォトリソグラフィーにより、フォトレジスト膜を容量絶縁膜の平面形状にパターニングする。続いて、強誘電体膜をエッチングする。その後、フォトレジスト膜を除去する。次いで、酸素雰囲気にて、300℃〜400℃(例えば350℃)、30分間〜120分間(例えば60分間)の熱処理を行う。
次いで、同じく図2Eに示すように、例えばスパッタ法又はCVD法により、バリア膜44を形成する。バリア膜44としては、例えば膜厚が20nm〜150nmの酸化アルミニウム膜を形成する。酸化アルミニウム膜を形成する方法はスパッタ法又はCVD法に限定されないが、強誘電体膜38へのダメージを考慮すると、MOCVD法以外の方法を採用することが好ましい。次いで、酸素雰囲気にて、例えば400℃〜600℃、30分間〜120分間の熱処理を行う。
次いで、全面に、例えばスピンコート法により、フォトレジスト膜(図示せず)を形成し、フォトリソグラフィーにより、フォトレジスト膜を強誘電体キャパシタの下部電極の平面形状にパターニングする。続いて、バリア膜44及び下部電極膜36をエッチングする。この結果、下部電極が形成される。パターニングされた上部電極膜46、強誘電体膜38及び株電極膜36から強誘電体キャパシタ42が構成され、この強誘電体キャパシタ42が図1中の強誘電体キャパシタ1に相当する。また、バリア膜44は、上部電極膜40及び強誘電体膜38を覆うように残存する。その後、フォトレジスト膜を除去する。次いで、酸素雰囲気にて、例えば350℃〜600℃(例えば350℃)、30分間〜60分間の熱処理を行う。
次いで、全面に、例えばスパッタ法又はCVD法により、バリア膜46を形成する。バリア膜46としては、例えば膜厚が20nm〜50nmの酸化アルミニウム膜を形成する。バリア膜46により強誘電体キャパシタ42の全体が覆われる。
バリア膜46の形成後には、酸素雰囲気にて、例えば500℃〜700℃、30分間〜120分間の熱処理を行う。この結果、強誘電体膜38に酸素が供給され、強誘電体キャパシタ42の電気的特性が回復する。
次いで、図2Fに示すように、全面に、例えばプラズマTEOSCVD法により、例えば膜厚が1500nmのシリコン酸化物から構成される層間絶縁膜48を形成する。層間絶縁膜48としてシリコン酸化膜を形成する場合には、原料ガスとして、例えば、TEOSガスと酸素ガスとヘリウムガスとの混合ガスを用いる。なお、層間絶縁膜50として、例えば、絶縁性を有する無機膜等を形成してもよい。層間絶縁膜50の形成後、例えばCMP法により、層間絶縁膜48の表面を平坦化する。
次いで、NOガス又はNガス等を用いて発生させたプラズマ雰囲気にて、熱処理を行う。熱処理の結果、層間絶縁膜48中の水分が除去されると共に、層間絶縁膜48の膜質が変化し、層間絶縁膜48中に水分が入りにくくなる。この熱処理における基板温度は、例えば350℃とする。NOガスの流量は、例えば1000sccmとする。Nガスの流量は、例えば285sccmとする。対向電極のギャップは、例えば7.62mm(0.3インチ)とする。印加する高周波電力は、例えば525Wとする。チャンバ内の気圧は、例えば約400Pa(3Torr)とする。なお、熱処理を行った後に、NOガス等を用いて発生させたプラズマ雰囲気に層間絶縁膜48を暴露してもよい。熱処理により、層間絶縁膜48中に存在する水分が除去される。そして、NOガス等を用いて発生させたプラズマ雰囲気に層間絶縁膜48を暴露すると、層間絶縁膜48の膜質が変化し、層間絶縁膜48中に水分が入り込みにくくなる。
次に、図2Gに示すように、全面に、例えばスパッタ法又はCVD法により、バリア膜50を形成する。バリア膜50としては、例えば、膜厚が20nm〜100nmの酸化アルミニウム膜を形成する。平坦化された層間絶縁膜48上にバリア膜50が形成されるため、バリア膜50は平坦となる。
次に、図2Hに示すように、全面に、例えばプラズマTEOSCVD法により、層間絶縁膜52を形成する。層間絶縁膜52としては、例えば膜厚が100nm〜300nmのシリコン酸化膜を形成する。なお、層間絶縁膜52として、SiON膜又はシリコン窒化膜等を形成してもよい。次に、例えばCMP法により、層間絶縁膜52の表面を平坦化する。
次いで、図2Iに示すように、フォトリソグラフィー技術を用い、層間絶縁膜52、バリア膜50及び層間絶縁膜48に、強誘電体キャパシタ42の上部電極40まで達するコンタクトホール53と、強誘電体キャパシタ42の下部電極36まで達するコンタクトホール(図示せず)とを形成する。
次いで、酸素雰囲気にて、400℃〜600℃、30分間〜120分間(60分間)の熱処理を行う。基板温度は、例えば500℃〜600℃とする。この結果、強誘電体膜38に酸素が供給され、強誘電体キャパシタ42の電気的特性が回復する。なお、この熱処理を、酸素雰囲気中ではなく、オゾン雰囲気中で行ってもよい。オゾン雰囲気中にて熱処理が行われた場合にも、強誘電体膜38に酸素が供給されて、強誘電体キャパシタ42の電気的特性が回復する。
その後、図2Jに示すように、フォトリソグラフィー技術を用い、層間絶縁膜52、バリア膜50、層間絶縁膜48、バリア膜46、シリコン酸化膜30及び酸化防止膜28に、導体プラグ34まで達するコンタクトホール54を形成する。続いて、Arガスを用いたプラズマ洗浄を行う。この結果、導体プラグ34の表面に存在する自然酸化膜等が除去される。プラズマ洗浄の条件は、例えば熱酸化膜が10nm除去されるような条件とする。但し、後述のように、プラズマ洗浄を省略してもよい。
次に、全面に、例えばスパッタ法により、膜厚が20nm〜100nmのTiN膜56aをグルー膜として形成する。なお、グルー膜の形成に当たっては、スパッタ法によりTi膜を形成した後に、MOCVD法によりTiN膜を形成してもよい。なお、MOCVD法によりTiN膜を形成した後には、脱炭素除去処理として、400℃以上でN及びHのプラズマを用いたアニール処理を行う必要がある。但し、本実施形態では耐水素防止膜として機能する貴金属キャップ膜40cが形成され、その表面の異常凹凸の程度が極めて小さいため、Ti膜の異常酸化及び上部電極の還元という問題は生じない。
次いで、全面に、例えばCVD法により、膜厚が300nm〜600nmのタングステン膜56bを形成する。タングステン膜56bの形成に当たっては、例えば初期よりも後期において水素の供給量を多くする。その後、例えばCMP法により、層間絶縁膜52の表面が露出するまで、タングステン膜56b及びTiN膜56aを研磨する。この結果、図2Kに示すように、コンタクトホール53、54等内に埋め込まれ、タングステンを含有する導体プラグ56が形成される。
次いで、NOガス又はNガス等を用いて発生させたプラズマ雰囲気にて、熱処理を行う。熱処理の結果、タングステン膜56b等の研磨の際に層間絶縁膜52及び50中に入り込んだ水分が除去されると共に、層間絶縁膜52の膜質が変化し、層間絶縁膜52中に水分が入りにくくなる。また、この熱処理により、層間絶縁膜52の表面が窒化され、層間絶縁膜52の表面にSiON膜(図示せず)が形成される。この熱処理における基板温度は、例えば350℃とする。NOガスの流量は、例えば1000sccmとする。Nガスの流量は、例えば285sccmとする。対向電極のギャップは、例えば7.62mm(0.3インチ)とする。印加する高周波電力は、例えば525Wとする。チャンバ内の気圧は、例えば約400Pa(3Torr)とする。続いて、Arガスを用いたプラズマ洗浄を行う。この結果、導体プラグ56の表面に存在する自然酸化膜等が除去される。プラズマ洗浄の条件は、例えば熱酸化膜が10nm除去されるような条件とする。
次に、例えばスパッタ法により、膜厚が60nmのTi膜、膜厚が30nmのTiN膜、膜厚が360nmのAlCu合金膜、膜厚が5nmのTi膜、及び、膜厚が70nmのTiN膜(いずれも図示せず)を順次形成する。この結果、Ti膜、TiN膜、AlCu合金膜、Ti膜及びTiN膜からなる積層膜が形成される。次に、フォトリソグラフィー技術を用い、積層膜をパターニングする。この結果、図2Mに示すように、積層膜からなる配線(第1金属配線層)58が形成される。
次に、例えば高密度プラズマCVD(High Density Plasma enhanced
Chemical Vapor Deposition)法により、膜厚が750nmのシリコン酸化膜60を形成する。次いで、プラズマTEOSCVD法により、例えば膜厚が1100nmのシリコン酸化膜62を形成する。原料ガスとしては、例えば、TEOSガスと酸素ガスとヘリウムガスとの混合ガスを用いる。なお、シリコン酸化膜60及び62の形成方法は、上述のものに限定されるものではない。例えば、シリコン酸化膜60及び62の両方を、プラズマTEOSCVD法により形成してもよい。
次に、例えばCMP法により、シリコン酸化膜62の表面を平坦化する。続いて、NOガス等を用いて発生させたプラズマ雰囲気にて、熱処理を行う。熱処理の結果、シリコン酸化膜62及び60中の水分が除去されると共に、シリコン酸化膜62及び60の膜質が変化し、シリコン酸化膜62及び60中に水分が入り込みにくくなる。この熱処理における基板温度は、例えば350℃とする。
次いで、フォトリソグラフィー技術を用い、シリコン酸化膜62及び60に、配線58まで達するコンタクトホール63を形成する。その後、Arガスを用いたプラズマ洗浄を行う。この結果、配線58の表面に存在する自然酸化膜等が除去される。プラズマ洗浄の条件は、例えば熱酸化膜が25nm除去されるような条件とする。
次に、例えばスパッタ法により、膜厚が10nmのTi膜(図示せず)を形成する。更に、例えばMOCVD法により、膜厚が3.5μm〜7μmのTiN膜(図示せず)を形成する。Ti膜及びTiN膜からバリアメタル膜が構成される。次いで、例えばCVD法により、膜厚が300nm〜600nmのタングステン膜(図示せず)を形成する。
続いて、例えばCMP法により、シリコン酸化膜62の表面が露出するまで、タングステン膜及びバリアメタル膜を研磨する。この結果、コンタクトホール63内に埋め込まれ、タングステンを含有する導体プラグ64が形成される。
次に、NOガス又はNガス等を用いて発生させたプラズマ雰囲気にて、熱処理を行う。熱処理の結果、タングステン膜等の研磨の際にシリコン酸化膜62及び60中に入り込んだ水分が除去されると共に、シリコン酸化膜62及び60の膜質が変化し、シリコン酸化膜62及び60中に水分が入り込みにくくなる。この熱処理における基板温度は、例えば350℃とする。NOガスの流量は、例えば1000sccmとする。Nガスの流量は、例えば285sccmとする。対向電極のギャップは、例えば7.62mm(0.3インチ)とする。印加する高周波電力は、例えば525Wとする。チャンバ内の気圧は、例えば約400Pa(3Torr)とする。
次に、例えばスパッタ法により、膜厚が60nmのTi膜、膜厚が30nmのTiN膜、膜厚が360nmのAlCu合金膜、膜厚が5nmのTi膜、及び、膜厚が70nmのTiN膜(いずれも図示せず)を順次形成する。この結果、Ti膜、TiN膜、AlCu合金膜、Ti膜及びTiN膜からなる積層膜が形成される。次に、フォトリソグラフィー技術を用い、積層膜をパターニングする。この結果、積層膜からなる配線(第2金属配線層)66が形成される。
次に、例えば高密度プラズマCVD法により、膜厚が750nmのシリコン酸化膜68を形成する。次いで、プラズマTEOSCVD法により、例えば膜厚が1100nmのシリコン酸化膜70を形成する。なお、シリコン酸化膜68及び70の形成方法は、上述のものに限定されるものではない。例えば、シリコン酸化膜68及び70の両方を、プラズマTEOSCVD法により形成してもよい。
次に、例えばCMP法により、シリコン酸化膜70の表面を平坦化する。続いて、NOガス又はNガス等を用いて発生させたプラズマ雰囲気にて、熱処理を行う。熱処理の結果、シリコン酸化膜68及び70中の水分が除去されると共に、シリコン酸化膜68及び70の膜質が変化し、シリコン酸化膜68及び70中に水分が入り込みにくくなる。この熱処理における基板温度は、例えば350℃とする。NOガスの流量は、例えば1000sccmとする。Nガスの流量は、例えば285sccmとする。対向電極のギャップは、例えば7.62mm(0.3インチ)とする。印加する高周波電力は、例えば525Wとする。チャンバ内の気圧は、例えば約400Pa(3Torr)とする。
次いで、フォトリソグラフィー技術を用い、シリコン酸化膜68及び70に、配線66まで達するコンタクトホール72を形成する。その後、Arガスを用いたプラズマ洗浄を行う。この結果、配線66の表面に存在する自然酸化膜等が除去される。プラズマ洗浄の条件は、例えば熱酸化膜が25nm除去されるような条件とする。
次に、例えばスパッタ法により、膜厚が10nmのTi膜(図示せず)を形成する。更に、例えばMOCVD法により、膜厚が3.5μm〜7μmのTiN膜(図示せず)を形成する。Ti膜及びTiN膜からバリアメタル膜が構成される。次いで、例えばCVD法により、膜厚が300nm〜600nmのタングステン膜(図示せず)を形成する。
続いて、例えばCMP法により、シリコン酸化膜70の表面が露出するまで、タングステン膜及びバリアメタル膜を研磨する。この結果、コンタクトホール72内に埋め込まれ、タングステンを含有する導体プラグ74が形成される。
次に、NOガス又はNガス等を用いて発生させたプラズマ雰囲気にて、熱処理を行う。熱処理の結果、タングステン膜等の研磨の際にシリコン酸化膜70及び68中に入り込んだ水分が除去されると共に、シリコン酸化膜70及び68の膜質が変化し、シリコン酸化膜70及び68中に水分が入り込みにくくなる。この熱処理における基板温度は、例えば350℃とする。NOガスの流量は、例えば1000sccmとする。Nガスの流量は、例えば285sccmとする。
次に、例えばスパッタ法により、膜厚が60nmのTi膜、膜厚が30nmのTiN膜、膜厚が360nmのAlCu合金膜、膜厚が5nmのTi膜、及び、膜厚が70nmのTiN膜(いずれも図示せず)を順次形成する。この結果、Ti膜、TiN膜、AlCu合金膜、Ti膜及びTiN膜からなる積層膜が形成される。次に、フォトリソグラフィー技術を用い、積層膜をパターニングする。この結果、積層膜からなる配線(第3金属配線層)76が形成される。
次に、例えば高密度プラズマCVD法により、膜厚が700nmのシリコン酸化膜78を形成する。なお、シリコン酸化膜78の形成方法は、上述のものに限定されるものではない。例えば、シリコン酸化膜78を、プラズマTEOSCVD法により形成してもよい。
次に、NOガス又はNガス等を用いて発生させたプラズマ雰囲気にて、熱処理を行う。熱処理の結果、シリコン酸化膜78中の水分が除去されると共に、シリコン酸化膜78の膜質が変化し、シリコン酸化膜78中に水分が入り込みにくくなる。この熱処理における基板温度は、例えば350℃とする。NOガスの流量は、例えば1000sccmとする。Nガスの流量は、例えば285sccmとする。
次に、例えばCVD法により、膜厚が500nmのシリコン窒化膜80をシリコン酸化膜78上に形成する。シリコン窒化膜80により、水分の侵入が遮断され、水分により配線76、66及び58等が腐食するという弊害が防止される。
次に、フォトリソグラフィー技術を用い、シリコン窒化膜80及びシリコン酸化膜78に、電極パッドに達する開口部(図示せず)を形成する。その後、例えばスピンコート法により、例えば膜厚が2μm〜10μmのポリイミド膜82を形成する。次に、フォトリソグラフィー技術を用い、ポリイミド膜82に、電極パッドに達する開口部(図示せず)を形成する。このようにして、本実施形態に係る半導体装置を完成させる。
このようにして製造された半導体装置においては、触媒作用がPtよりも低い貴金属からなる貴金属キャップ膜40cが上部電極の最上部に存在している。このため、タングステン膜56bを形成する際に水素が発生しても、この水素はIrO膜40b及びIrO膜40aまで到達することはない。このため、上部電極の還元が抑制され、上部電極のコンタクト抵抗を安定させることができる。
また、本実施形態では、バリア膜50上に層間絶縁膜52が形成され、層間絶縁膜52上に配線58が形成されている。従って、バリア膜50の劣化が層間絶縁膜52によって抑制され、バリア膜50の機能が十分に発揮し得る。また、バリア膜50上に層間絶縁膜52を形成されているため、配線58を形成するためのパターニングの際に、バリア膜50までもがエッチングされるという事態を防止することができる。更に、配線58についても高い信頼性を得ることができる。
また、本実施形態では、導体プラグ56が、ソース/ドレイン拡散層14に直接接続されておらず、導体プラグ34を介してソース/ドレイン拡散層14に接続されている。
仮に、導体プラグ56をソース/ドレイン拡散層14に直接接続しようとする場合には、層間絶縁膜52及び48等のみならず、バリア膜50をもエッチングして、ソース/ドレイン拡散層14まで達するコンタクトホールを形成する必要がある。しかし、酸化アルミニウム膜等のバリア膜50のエッチング特性は層間絶縁膜52及び48等と大きく相違しているため、ソース/ドレイン拡散層14にダメージを与えることなく、かかるコンタクトホールを形成することは極めて困難である。
これに対し、本実施形態では、導体プラグ34を介しているため、ソース/ドレイン拡散層14にダメージを与えることなく、配線58とソース/ドレイン拡散層14とを電気的に接続することができる。従って、本実施形態によれば、信頼性の高い半導体装置を高い歩留りで製造することができる。
また、本実施形態では、層間絶縁膜26上に酸化防止膜28が形成されている。このため、シリコン酸化膜30等の形成の際に、導体プラグ34の表面の酸化を防止することができ、導体プラグ56と導体プラグ34との間のコンタクト抵抗を低く抑えることができる。
なお、本実施形態では、下部電極膜36の表面がPt膜36bであるため、自然酸化膜は生じにくく、コンタクトホール54を形成した後にプラズマ洗浄を行わなくとも、この部分ではコンタクト抵抗が上昇しにくい。また、上部電極膜40の表面が貴金属キャップ膜40cであるため、この部分でも自然酸化膜は生じにくく、コンタクト抵抗が上昇しにくい。従って、コンタクトホール54を形成した後のプラズマ洗浄を省略してもよい。プラズマ洗浄を省略する場合には、貴金属キャップ膜40cの膜厚が減少しないため、この減少を考慮して貴金属キャップ膜40cを厚めに形成しておく必要はない。従って、貴金属キャップ膜40cの加工が容易になる。なお、貴金属キャップ膜40cが形成されておらず、IrO膜40bが露出している場合には、プラズマ洗浄を行わなければ、上部電極のコンタクト抵抗が約3倍まで上昇してしまう。
ここで、貴金属キャップ膜40cの厚さについて説明する。貴金属キャップ膜40cには一定の酸素透過性が必要とされる。これは、上部電極形成時等に強誘電体膜38に生じたダメージを回復させるために、例えば600℃〜800℃の酸素雰囲気中で30分間〜60分間のアニール処理を行うためである。このアニール処理では、強誘電体メモリのメモリセルを構成するような小さい強誘電体キャパシタでは、上方及び側方から酸素が強誘電体膜38中に浸透する。一方、平滑キャパシタ等の大きい強誘電体キャパシタでは、側方からの浸透は不十分であるため、上方からの浸透が重要である。このため、このような大きな強誘電体キャパシタへの本発明の適用を考慮すると、貴金属キャップ膜40cに一定の酸素透過性が必要とされるのである。また、貴金属キャップ層Ir膜42cが厚すぎると、そのエッチングによる加工が困難となることもある。
そこで、本願発明者は、Ir膜の厚さと酸素透過性との関係について試験を行った。この試験では、ウェーハ上にタングステンプラグを形成し、その上に厚さが20nm〜190nmのIr膜を形成した。次に、ウェーハに対して400℃〜700℃の酸素雰囲気でのアニール処理を30分間行った。そして、タングステンプラグの異常酸化(突起状態)の有無の観察を行った。この結果を図3に示す。図3の横軸はIr膜の厚さを示している。また、縦軸は、タングステンプラグに異常酸化が生じない上限の温度(Irが酸素をバリアする温度)を示している。
図3に示すように、厚さが20nmの場合、430℃以下ではタングステンプラグは酸化しなかったが、430℃を超えると酸化した。一方、厚さが190nmの場合、650℃でもタングステンプラグは酸化しなかった。また、650℃では、Ir膜の厚さが約150nm以上では、タングステンプラグが酸化しなかった。このため、Ir膜の厚さは150nm以下とすることが好ましい。
例えば、一辺の長さが50μmの強誘電体キャパシタにおいては、貴金属キャップ膜40cの厚さが200nmの場合のスイッチング電荷量は、貴金属キャップ膜40cの厚さが75nm以下の場合の20%程度である。このことは、厚さが200nmの場合には強誘電体膜38が20%しか回復していないことを意味している。一方、貴金属キャップ膜40cが75nm以下の場合は、強誘電体キャパシタのサイズに拘わらず、そのスイッチング電荷量は貴金属キャップ膜40cがない場合と同程度となり、十分な回復が行われているといえる。従って、酸素を十分に透過させるためには、貴金属キャップ膜40cの厚さは75nm以下であることがより好ましい。このような傾向は、他の元素からなる貴金属キャップ膜40cにおいても同様である。
一方、貴金属キャップ膜40cが薄すぎると、従来のように、コンタクト抵抗が上昇したり、不安定となったりすることがある。このため、貴金属キャップ膜40cの厚さは5nm以上であることが好ましい。特に、コンタクトホール形成時のオーバーエッチングを考慮すると、15nm以上であることがより好ましい。つまり、貴金属キャップ膜40cの厚さは、15nm〜75nmであることが最も好ましい。
また、貴金属キャップ膜40cの成膜温度は、内部応力が生じにくいものとすることが好ましい。例えば、成膜温度が400℃以下であると、圧縮方向の応力が作用しやすくなる。また、成膜温度が500℃以上であると、引張方向の応力が作用しやすくなる。従って、成膜温度は400℃乃至500℃とすることが好ましい。
なお、Al膜を含む配線の代わりに、例えばダマシン法を採用してCu配線を形成してもよい。
また、Pt膜密着層としてチタン膜36aの代わりに、例えばスパッタ法又はCVD法により、膜厚が20nm〜100nm(例えば20nm)の酸化アルミニウム膜を形成してもよい。
また、強誘電体膜38を形成した後の熱処理を、アルゴンと酸素との混合ガスの雰囲気中で行ってもよい。この場合、例えば、熱処理温度を550℃〜650℃(例えば550℃)とし、熱処理時間を30秒間〜120秒間(例えば90秒間)とする。
また、IrO膜40aを形成した後でIrO膜40bを形成する前に、RTA法により、アルゴンと酸素との混合ガスの雰囲気中で熱処理を行ってもよい。この場合、例えば、熱処理温度を650℃〜800℃とし、熱処理時間を10秒間〜120秒間とする。この熱処理により、IrO膜40aが完全に結晶化すると共に、IrO膜40aと強誘電体膜38との界面がより良好なものとなる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図4は、本発明の第2の実施形態に係る強誘電体メモリ(半導体装置)を示す断面図である。
第2の実施形態では、配線(第1金属配線層)58と配線(第2金属配線層)66との間にバリア膜84が形成され、配線(第2金属配線層)66と配線(第3金属配線層)76との間にバリア膜86が形成されている。即ち、平坦化されたシリコン酸化膜62上にバリア膜84及びシリコン酸化膜65が順次形成され、その上に配線66が形成されている。また、平坦化されたシリコン酸化膜70上にバリア膜86及びシリコン酸化膜71が順次形成され、その上に配線76が形成されている。バリア膜84及び86は、例えば膜厚が50nmの酸化アルミニウム膜である。また、シリコン酸化膜65及び71の膜厚は、例えば100nmである。
第2の実施形態に係る半導体装置を製造するに当たっては、第1の実施形態と同様にしてシリコン酸化膜62の平坦化までの一連の処理を行った後、バリア膜84及びシリコン酸化膜65を順次形成する。その後、第1の実施形態と同様にして、配線66の形成からシリコン酸化膜70の平坦化までの一連の処理を行う。次いで、バリア膜86及びシリコン酸化膜71を順次形成する。
その後、第1の実施形態と同様にして、配線76の形成から、パッド開口部の形成までの処理を行い、半導体装置を完成させる。
このような第2の実施形態によれば、より多数のバリア膜が形成されているため、より高い水素バリア性を得ることができる。従って、歩留まりをより向上させることができる。
従って、特に加速寿命試験の一つであるPTHS(Pressure Temperature Humidity
Stress)試験(JEDEC規格等)においても、良好な試験結果を得ることができる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。第1及び第2の実施形態では、強誘電体キャパシタ42の構造がプレーナ型とされているが、第3の実施形態には、構造がスタック型の強誘電体キャパシタが設けられている。以下、第3の実施形態について詳細に説明するが、便宜上、その断面構造については、その製造方法と共に説明する。図5A乃至図5Fは、本発明の第3の実施形態に係る強誘電体メモリ(半導体装置)の製造方法を工程順に示す断面図である。
本実施形態では、先ず、図5Aに示すように、シリコン基板等の半導体基板311の表面にウェル312を形成する。次いで、半導体基板311の表面に、例えばSTI(shallow trench isolation)により素子分離領域313を形成する。続いて、ゲート絶縁膜314、ゲート電極315、キャップ膜316、サイドウォール317、ソース/ドレイン拡散層318及びシリサイド層319をウェル312の表面に形成することにより、スイッチング素子としてMOSトランジスタ320を形成する。このMOSトランジスタ320が、図1におけるMOSトランジスタ2に相当する。なお、各MOSトランジスタ320には、ソース及びドレイン用に2個のソース/ドレイン拡散層318を形成するが、その一方は、2個のMOSトランジスタ320間で共有させる。
次に、全面にシリコン酸窒化膜321(厚さ:200nm)を、MOSトランジスタ320を覆うようにして形成し、更に全面に層間絶縁膜としてシリコン酸化膜322(厚さ:1000nm)を形成し、CMP(化学機械的研磨)等によりシリコン酸化膜322を平坦化する。シリコン酸窒化膜321は、シリコン酸化膜322を形成する際のゲート絶縁膜314等の水素劣化を防止するために形成されている。その後、各シリサイド層319まで到達するコンタクトホールをシリコン酸化膜322及びシリコン酸窒化膜321に形成することにより、プラグコンタクト部を開口する。そして、コンタクトホール内にグルー膜323を形成した後、例えばCVD法によりW膜を埋め込み、CMPを行って平坦化することにより、導体プラグ324を形成する。
続いて、図5Bに示すように、シリコン酸化膜322上に、イリジウム膜325を、例えばスパッタ法で形成する。このときの条件としては、例えば基板温度を500℃とし、成膜パワを1kWとし、Arガスの流量を100sccmとし、チャンバ内の圧力を0.35Paとし、成膜時間を176秒間とする。この結果、厚さが250nm程度のイリジウム膜325が得られる。
次に、イリジウム膜325上に酸化イリジウム膜326を、例えばスパッタ法で形成する。このときの条件としては、例えば、基板温度を50℃とし、成膜パワを1kWとし、Arガスの流量を60sccmとし、Oガスの流量を60sccmとし、チャンバ内の圧力を0.37Paとし、成膜時間を10秒間とする。この結果、厚さが28nm程度の酸化イリジウム膜326が得られる。
次いで、酸化イリジウム膜326上に白金膜327を、例えばスパッタ法で形成する。このときの条件としては、例えば、基板温度を350℃とし、成膜パワを1kWとし、Arガスの流量を100sccmとし、チャンバ内の圧力を0.38Paとし、成膜時間を8秒間とする。この結果、厚さが15nm程度の白金膜327が得られる。
その後、白金膜327上に白金酸化物膜328を、例えばスパッタ法で形成する。このときの条件としては、例えば、基板温度を350℃とし、成膜パワを1kWとし、Arガスの流量を36sccmとし、Oガスの流量を144sccmとし、チャンバ内の圧力を6.2Paとし、成膜時間を22秒間とする。この結果、厚さが25nm程度の白金酸化物膜328が形成される。そして、白金酸化物膜328上に白金膜329を、例えばスパッタ法で形成する。このときの条件としては、例えば基板温度を100℃とし、成膜パワを1kWとし、Arガスの流量を100sccmとし、チャンバ内の圧力を0.4Paとし、成膜時間を32秒間とする。この結果、厚さが50nm程度の白金膜329が形成される。
これらのイリジウム膜325、酸化イリジウム膜326、白金膜327、白金酸化物膜328及び白金膜329からバリアメタル膜及び下部電極膜が構成される。バリアメタル膜及び下部電極膜として、次のような積層体を用いてもよい。例えば、(a)Ti膜上にIr膜が形成された積層体、(b)TiAlN膜上に、Ti膜及びIr膜が順次形成された積層体、(c)Ti膜上にPt膜が形成された積層体、(d)IrO膜上にPt膜が形成された積層体、(e)RuO膜上にPt膜が形成された積層体、(f)LSCO(La0.5Sr0.5CoO)膜上にPt膜が形成された積層体、(g)TiAlN膜上に、Ti膜及びPt膜が順次形成された積層体等を用いてもよい。つまり、Pt、Ir、Ru、Rh、Re、Os、Pd、SrRuO及びTiAlNからなる群から選択された少なくとも1種を含む金属又は金属酸化物の、単膜及び積層導電性膜を用いることができる。
上記の積層体を形成した後、例えば750℃で、Ar雰囲気中の急速加熱処理(RTA)を60秒間施すことにより、白金膜329を結晶化させる。次いで、図5Cに示すように、白金膜329上に強誘電体膜、例えばPLZT((Pb,La)(Zr,Ti)O)膜330を、例えばスパッタ法で形成し、その結晶化アニールを行う。PLZT膜330は、例えばMOCVD法により形成することもできるが、MOCVD法を用いる場合には、下部電極膜の構成を他のものに変更することが望ましい。
結晶化アニールの後、PLZT膜330上に上部電極膜331をスパッタリングにより形成する。上部電極膜331は、例えば互いに組成の異なる2層の酸化イリジウム膜と貴金属キャップ膜とから構成する。1層目の酸化イリジウム膜331aの形成では、例えば基板温度を室温とし、成膜パワを2kWとし、Arガスの流量を100sccmとし、Oガスの流量を59sccmとする。そして、酸化イリジウム膜331aは、例えば50nm程度とする。酸化イリジウム膜331aを形成した後には、アニールを行い、その後、2層目の酸化イリジウム膜331bを形成する。酸化イリジウム膜331bは、例えば75乃至125nm程度とする。続いて、例えばスパッタ法により、貴金属キャップ膜331cを酸化イリジウム膜331b上に形成する。このときの条件としては、例えば、基板温度を425℃以上とし、成膜パワを1kWとし、Arガスの流量を100sccmとし、成膜時間を21秒間とする。この結果、厚さが30nm程度の貴金属キャップ膜331cが形成される。続いて、半導体基板(ウェーハ)311の背面(裏面)の洗浄を行う。
そして、上部電極膜331、PLZT膜330、白金膜329、白金酸化物膜328、白金膜327、酸化イリジウム膜326及びイリジウム膜325をパターニングする際にハードマスクとして用いる窒化チタン膜(図示せず)及びTEOSを用いたシリコン酸化膜(図示せず)を順次形成する。窒化チタン膜は、例えば200℃で形成し、その厚さは200nm程度である。また、シリコン酸化膜は、例えば390℃で形成し、その厚さは390nm程度である。
次に、シリコン酸化膜及び窒化チタン膜をパターニングすることにより、スタック型の強誘電体キャパシタを形成する予定の領域のみにハードマスクを形成する。次いで、シリコン酸化膜及び窒化チタン膜をハードマスクとして用いたパターニング及びエッチング技術を用いて、上部電極膜331、PLZT膜330、白金膜329、白金酸化物膜328、白金膜327、酸化イリジウム膜326及びイリジウム膜325を一括して加工することにより、図5Dに示すように、スタック構造の強誘電体キャパシタを形成する。この強誘電体キャパシタが、図1における強誘電体キャパシタ1に相当する。その後、ハードマスク(シリコン酸化膜及び窒化チタン膜)を除去する。続いて、酸素雰囲気にて、例えば300℃〜500℃、30分間〜120分間の熱処理を行う。
次いで、全面に、例えばスパッタ法又はCVD法により、バリア膜335を形成する。バリア膜335としては、例えばスパッタ法又はCVD法により膜厚が50nmの酸化アルミニウム膜を形成する。続いて、成膜やエッチングプロセス等によるPLZT膜330へのダメージを回復するために、回復アニールを施す。例えば酸素雰囲気にて、500℃〜700℃、30分間〜120分間の熱処理を行う。
次に、全面に、例えばプラズマTEOSCVD法により、例えば膜厚が1500nmのシリコン酸化物から構成される層間絶縁膜336を形成する。層間絶縁膜336としてシリコン酸化膜を形成する場合には、原料ガスとして、例えば、TEOSガスと酸素ガスとヘリウムガスとの混合ガスを用いる。なお、層間絶縁膜336として、例えば、絶縁性を有する無機膜等を形成してもよい。層間絶縁膜336の形成後、例えばCMP法により、層間絶縁膜336の表面を平坦化する。
続いて、NOガス又はNガス等を用いて発生させたプラズマ雰囲気にて、熱処理を行う。熱処理の結果、層間絶縁膜336中の水分が除去されると共に、層間絶縁膜336の膜質が変化し、層間絶縁膜336中に水分が入りにくくなる。
その後、図5Eに示すように、全面に、例えばスパッタ法又はCVD法により、バリア膜338を形成する。バリア膜338としては、例えば、膜厚が50nm〜100nmの酸化アルミニウム膜を形成する。平坦化された層間絶縁膜336上にバリア膜338が形成されるため、バリア膜338は平坦となる。
次に、図5Fに示すように、全面に、例えばプラズマTEOSCVD法により、層間絶縁膜339を形成する。層間絶縁膜339としては、例えば膜厚が800nm〜1000nmのシリコン酸化膜を形成する。なお、層間絶縁膜339として、SiON膜又はシリコン窒化膜等を形成してもよい。次に、例えばCMP法により、層間絶縁膜339の表面を平坦化する。
その後、パターニング及びエッチング技術を用いて導体プラグ324まで到達するコンタクトホールを層間絶縁膜339、バリア膜338、層間絶縁膜336及びバリア膜335に形成する。
その後、第1の実施形態における導体プラグ56の形成と同様にして、導体プラグ56及び配線58を形成する。続いて、第2の実施形態と同様にして、シリコン酸化膜60の形成から、パッド開口部の形成までの処理を行い、半導体装置を完成させる。なお、強誘電体キャパシタに接続される配線56はプレート線に接続され、導体プラグ56を介してMOSトランジスタ320に接続される配線はビット線に接続される。
このようなスタック型の強誘電体キャパシタに応用した実施形態においても、第1の実施形態等と同様に、コンタクト抵抗を安定させることができると共に、強誘電体膜330のダメージを十分に回復させることができる。従って、歩留まりが向上すると共に、より厳しい条件下での寿命が向上する。
なお、本発明において、バリア膜は、酸化アルミニウム膜及び酸化チタン膜に限定されず、金属酸化膜又は金属窒化膜等の、少なくとも水素又は水の拡散を防止することができる膜であればよい。例えば、Al窒化膜、Al酸窒化膜、Ta酸化膜、Ta窒化膜及びZr酸化膜、Si酸窒化膜等を用いることができる。但し、金属酸化膜は緻密であるため、比較的薄い場合であっても、水素の拡散を確実に防止することが可能である。従って、微細化の観点からはバリア膜として金属酸化物を用いることが好ましい。
また、強誘電体膜を構成する物質の結晶構造は、ペロブスカイト型構造に限定されるものではなく、例えばBi層状構造であってもよい。また、強誘電体膜を構成する物質の組成も特に限定されるものではない。例えば、アクセプタ元素として、Pb(鉛)、Sr(ストロンチウム)、Ca(カルシウム)、Bi(ビスマス)、Ba(バリウム)、Li(リチウム)及び/又はY(イットリウム)が含有されていてもよく、ドナー元素として、Ti(チタン)、Zr(ジルコニウム)、Hf(ハフニウム)、V(バナジウム)、Ta(タンタル)、W(タングステン)、Mn(マンガン)、Al(アルミニウム)、Bi(ビスマス)及び/又はSr(ストロンチウム)が含有されていてもよい。
強誘電体膜を構成する物質の化学式としては、例えば、Pb(Zr,Ti)O、(Pb,Ca)(Zr,Ti)O、(Pb,Ca)(Zr,Ti,Ta)O、(Pb,Ca)(Zr,Ti,W)O、(Pb,Sr)(Zr,Ti)O、(Pb,Sr)(Zr,Ti,W)O、(Pb,Sr)(Zr,Ti,Ta)O、(Pb,Ca,Sr)(Zr,Ti)O、(Pb,Ca,Sr)(Zr,Ti,W)O、(Pb,Ca,Sr)(Zr,Ti,Ta)O、SrBi(TaNb1−X、SrBiTa、BiTi12、BiTi、及びBaBiTaが挙げられるが、これらに限定されない。また、これらにSiが添加されていてもよい。
また、本発明は強誘電体メモリへの適用に限定されるものではなく、例えば、DRAM等に適用されてもよい。DRAMに適用される場合には、強誘電体膜の代わりに、例えば、(BaSr)TiO膜(BST膜)、SrTiO膜(STO膜)、Ta膜等の高誘電体膜を用いればよい。なお、高誘電体膜とは、比誘電率が二酸化シリコンより高い誘電体膜のことである。
また、上部電極及び下部電極の組成も特に限定されない。下部電極は、例えば、Pt(プラチナ)、Ir(イリジウム)、Ru(ルテニウム)、Rh(ロジウム)、Re(レニウム)、Os(オスミウム)及び/又はPd(パラジウム)から構成されていてもよく、これらの酸化物から構成されていてもよい。上部電極の貴金属キャップ膜より下の層は、例えば、Pt、Ir、Ru、Rh、Re、Os及び/又はPdの酸化物から構成されていてもよい。また、上部電極は、複数の膜が積層されて構成されていてもよい。
更に、強誘電体メモリのセルの構造は、1T1C型に限定されるものでなく、2T2C型であってもよい。また、強誘電体メモリにおいては、強誘電体キャパシタ自体が、記憶部及びスイッチング部を兼用する構成となっていてもよい。この場合、MOSトランジスタのゲート電極の代わりに強誘電体キャパシタが形成されたような構造となる。即ち、半導体基板上にゲート絶縁膜を介して強誘電体キャパシタが形成される。
また、強誘電体膜の形成方法は特に限定されない。例えば、ゾル−ゲル法、有機金属分解(MOD)法、CSD(Chemical Solution Deposition)法、化学気相蒸着(CVD)法、エピタキシャル成長法、スパッタ法、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法等を採用することができる。
以上詳述したように、本発明によれば、強誘電体キャパシタの特性を低下させることなく、強誘電体キャパシタと配線との間のコンタクト抵抗を安定させることができる。

Claims (5)

  1. 半導体基板の上方に形成され、下部電極、強誘電体膜及び上部電極を備えた強誘電体キャパシタと、
    前記強誘電体キャパシタを覆い、前記上部電極まで到達するコンタクトホールが形成された層間絶縁膜と、
    前記コンタクトホール内に形成され、タングステンを含有する導体プラグと、
    前記層間絶縁膜上に形成され、前記導体プラグを介して前記上部電極に電気的に接続された配線と
    有し、
    前記上部電極は、
    導電性酸化物膜と、
    前記導電性酸化物膜上に形成され、イリジウム膜、ルテニウム膜、ロジウム膜及びパラジウム膜からなる群から選択された1種であり、厚さが150nm以下であるキャップ膜と、
    を有し、
    前記導電性酸化物膜は、
    第1のイリジウム酸化膜と、
    前記第1のイリジウム酸化膜上に形成され、前記第1のイリジウム酸化膜より酸素の組成比が大きい第2のイリジウム酸化膜と、
    からなることを特徴とする半導体装置。
  2. 前記導体プラグは、前記コンタクトホールの内面に沿って形成され、チタン又はタンタルを含有するグルー膜を有することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 半導体基板の上方に、下部電極、強誘電体膜及び上部電極を備えた強誘電体キャパシタを形成する工程と、
    前記強誘電体キャパシタを覆う層間絶縁膜を形成する工程と、
    前記層間絶縁膜に、前記上部電極まで到達するコンタクトホールを形成する工程と、
    前記コンタクトホール内に、タングステンを含有する導体プラグを形成する工程と、
    前記層間絶縁膜上に、前記導体プラグを介して前記上部電極に電気的に接続される配線を形成する工程と、
    を有し、
    前記強誘電体キャパシタを形成する工程は、
    前記上部電極を形成するに当たり、導電性酸化物膜を形成した後に、前記導電性酸化物膜上にイリジウム膜、ルテニウム膜、ロジウム膜及びパラジウム膜からなる群から選択された1種の膜からなり、厚さが150nm以下であるキャップ膜を形成する工程を有し、
    前記導電性酸化物膜として、第1の酸化物膜及び第2の酸化物膜を形成する工程を有し、
    前記第1の酸化物膜として、第1のイリジウム酸化膜を形成し、
    前記第2の酸化物膜として、前記第1のイリジウム酸化膜上に、前記第1のイリジウム酸化膜より酸素の組成比が大きい第2のイリジウム酸化膜を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  4. 前記導体プラグを形成する工程は、前記コンタクトホールの内面に沿って、チタン又はタンタルを含有するグルー膜を形成する工程を有することを特徴とする請求項に記載の半導体装置の製造方法。
  5. 前記強誘電体キャパシタを形成する工程は、
    前記第1の酸化物膜を形成した後で前記第2の酸化物膜を形成する前に、酸素を含有する雰囲気中で前記第1の酸化物膜及び前記強誘電体膜のアニール処理を行う工程を有することを特徴とする請求項又はに記載の半導体装置の製造方法。
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