JP5067990B2 - 展示ケース - Google Patents

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JP5067990B2
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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、種々の展示品を陳列し観覧に供するために使用される展示ケースに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、博物館や美術館等において使用される陳列ケースとしては、少なくとも前面に透明なガラス戸等の戸板を装着したものが一般的であり、その戸板を引戸式に開閉できるようにしたものが多い。その際、単なる引戸式のものにすると、隣接する戸板の端部同士が重合するため、格調を損ねる上に、視界が部分的に遮られ、観覧者に良い印象を与えることができないという不具合が生じる。そこで、各戸板を全て可動式のものにし、各レールを2枚の戸板を同時に重合配置し得るいわゆるダブルレール構造にした改良品が開発されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このようなものであれば、閉止時はダブルレールの一方に戸板を支持させることができ、開成時は特定のダブルレールを引き出して該レールに支持された戸板を隣接するダブルレール側へ移動させることができる。ところが、ダブルレールのうち通常は空いているレールが閉止時の戸板よりも前方に位置することとなり、このレールを隠蔽するために上下の化粧板が戸板から突出してしまい、外観上、見栄えが悪くなるという不具合を有している。さらに、ダブルレールには通常のレールの倍のレール巾が必要であり、それが前後可動であることから、レール全体をコンパクトに構成することができず、展示ケースにも大きな動作空間を確保しなければならないという問題が生じる。
【0004】
このような不具合を解消するために、近年、前記戸板の上下縁部を幅方向に沿って移動可能に支持する支持部材と、この支持部材をガイドすべく少なくとも隣接する戸板にまで連続的に延びるガイドレールと、前記戸板をガイドレールとともに閉止位置と該閉止位置から前方に引き出した開閉可能位置との間で前後方向に出入り自在に案内する支持機構とを具備してなり、前記支持機構を介して前方に引き出された戸板を、同時に前方に引き出された前記ガイドレールに沿って幅方向に移動させるようにしているものがある。このような構成のものであると、閉止位置において全ての戸板が面一になる上、ダブルレールのものに比べて、化粧板等も戸板の前面から突出することがなく、すっきりとした外観で格調の高い展示ケースを提供することが可能となる。
【0005】
しかしながら、このように戸板が幅方向に移動可能に支持されている場合、特に、端部の戸板を完全に開成することが難しく、端部側の展示品の出し入れが行い難い等の問題点があった。従来、端部の戸板を開成させるための対応としては、展示ケースの開口部の開口側縁部よりも外方に、戸板の引き込みスペースを設ける等するのが一般的である。ところが、通常、前記戸板が片持ち的になって支持部材から脱落することを有効に防止するために、その移動範囲を該戸板の約半幅に制限しておくことが望ましいため、たとえ戸板の引き込みスペースを確保したとしても、前記開口部の開口側縁部までを略完全に開成させることは難しいものであった。さらに、前記開口部の開口側縁部の極めて近傍に壁面が位置し、前述したような引き込みスペースを設けることが難しい場合もある。
【0006】
このような課題に鑑み、本発明では、閉止位置での気密性を確保するとともに、開閉可能位置では前記開口部の端部側を略完全に開放して展示品の出し入れを良好に行い得るような展示ケースを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、本発明の展示ケースは、ケース本体と、閉止位置において前記ケース本体に設けた開口部を略面一に閉止する位置に配置されるように構成したガラス板等の透明剛体を主体として形成される戸板とを具備するものにおいて、前記戸板を前記閉止位置と該戸板が開閉可能な状態となる開閉可能位置との間で戸板の厚み方向である前後方向に略沿って出入自在に支持する支持機構と、前記開閉可能位置において前記戸板の端部側を開閉可能に蝶持する蝶持機構とを具備してなり、前記支持機構により閉止位置から開閉可能位置へと移動させた戸板を前記蝶持機構を介して開閉するようにしており、支持機構が、ケース本体側に設けた複数の固定部と、この固定部に対して前後方向に移動可能に設けてあるとともに前記蝶持機構の一部を支持する可動部とを具備してなり、前記可動部が、前記閉止位置と前記開閉可能位置との間を前記固定部に対して移動して前記戸板を前後方向に出入自在としてなり、前記固定部側に正逆方向に回転可能に設けた複数のピニオン部と、前記可動部側に設けてなり前記ピニオン部の回転運動を前記可動部の直線運動へと変換する複数のラック部とを具備しており、ピニオン部が、前記ケース本体の幅方向の略全長に亘って設けた駆動軸に支持されており、各ラック部にはそれぞれ突起を設けてあり、なおかつ各ラック部に対応する各固定部にはそれぞれ、前記突起を案内してスライドさせるためのスライド溝を形成してある
【0008】
このような構成のものにおいて、先ず戸板が閉止位置にある状態では、該戸板が、開口部を略面一に閉止するように位置するので、ケース本体内の展示空間の気密性を有効に高めることが可能となる。そして、ケース本体内へ展示物を出し入れするべく前記戸板を開成する際には、前記支持機構により、該戸板を例えば開口部の前方に位置する等の開閉可能位置へと引き出すようにする。このように、戸板が、閉止位置と開閉可能位置とを取るようにすると、厚み方向の略同位置で閉止位置と開閉可能位置とを取るものに比べ、閉止位置では前記開口部の開口縁部と戸板とを確実に密着させるようにする等の簡単な構成でケース本体の気密性を確保できる。また、開閉可能位置では、気密性にこだわる必要がなくなるため、戸板の開閉機構の構成の自由度等が向上する。特に、本発明では、開閉機構として蝶持機構を利用し、この蝶持機構により戸板の端部を開閉可能としているので、幅方向にスライドさせる場合と比較して、簡単な構成で、また、開口部の開口側縁部よりも外方に戸板の引き込みスペースを設ける等しなくとも、確実に開口部の端部側を開成することが可能となり、展示空間の端部側に配置した展示物の出し入れ等も非常に行い易いものとなる。
【0009】
前記開口部の端部を略完全に開成し得るようにするには、蝶持機構が、前記開口部において略鉛直方向に沿って位置する開口側縁部と、この開口側縁部に対応する戸板の側縁部との間に設けてあることが望ましい。
【0010】
また、この場合の好適な実施の態様としては、蝶持機構が、前記開口部の開口側縁部側又は前記戸板の側縁部側の何れか一方側に設けた軸部と、この軸部を介して前記戸板が前記開口部に対して回転可能となるように少なくとも前記戸板の側縁部側又は前記開口部の開口側縁部側の他方側に設けた軸受部とを具備しているものが挙げられる。
【0014】
さらに、戸板をより安定に支持し、且つその前後方向への移動をより安定なものとするためには、支持機構が、前記戸板の上縁部及び下縁部の両方に設けてあることが望ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0016】
この展示ケースAは、例えば、美術館等に設置されるもので、図1〜図3に示すように、ケース本体1内に、少なくとも底面11、背面12及び天井面13によって囲まれる位置に展示品を陳列するための展示空間Sを形成するとともに、その展示空間Sの開口部たる前面開口部14を閉止する位置に複数の戸板2を面一に設けた構成からなる。
【0017】
ケース本体1には、図1及び図2に示すように、前面開口部14の上縁部14aよりも上方に上化粧板15を設けるとともに、図1及び図3に示すように、下縁部14bよりも下方に下化粧板16を設けて、ケース本体1の上方空間及び下方空間の前面を隠蔽し、これら上下化粧板15、16間に前記戸板2を鉛直姿勢で設けている。これら上化粧板15の上端及び下化粧板16の下端は、ヒンジ(図示せず)によって蝶着してあるとともに、ガススプリング等の付勢手段Fによって開成方向に付勢してあり、通常は、図示しないラッチロックやマグネットキャッチ等に保持されてその先端面を戸板2の前面に近接して対向し得る位置に位置付けてある。そして、前記戸板2を前方へ引き出す際には、適当な操作によってそのロック状態若しくはキャッチ状態を解除して前記上下化粧板15、16を開成し、戸板2の前方から退避させ得るようにしている。また、これら上下化粧板15、16の前面は、戸板2の閉止位置Pにおいて、該戸板2の前面と面一になる位置に設けてある。
【0018】
戸板2は、図1〜図3に示すように、透明剛体であるガラス板からなるもので、その上下縁部2a、2bには、幅方向に沿った保護枠21が取り付けてある。なお、本実施の形態では、前記ケース本体1の前面開口部14を閉止する位置に三枚の戸板2を設けている。
【0019】
このような構成のものにおいて、本実施の形態では、図2〜図4に示すように、前記展示ケースAが、前記戸板2を閉止位置P(図2〜図4中実線参照)と前記戸板2が開閉可能な状態となる開閉可能位置Q(図2〜図4中想像線参照)との間で、その厚み方向である前後方向に略沿って出入自在に支持する支持機構3を具備し、この支持機構3により前記戸板2の閉止位置Pと開閉可能位置Qとを異なる位置として、前記閉止位置Pでの気密性を高めるようにしている。さらに、本実施の形態では、前記前面開口部14を閉止する位置に三枚の戸板2を設けているが、図1及び図5に示すように、これら三枚の戸板2のうち両端側の戸板2を前記開閉可能位置Qにおいて蝶持機構4により開閉可能に支持される端部戸板2Aとし、全ての戸板2を閉止位置Pから開閉可能位置Qへと前方へ引き出した後、前記端部戸板2Aを蝶持機構4を介して開閉することにより、前面開口部14の開口側縁部14c側を略完全に開成させて展示空間Sの端部側への展示物の出し入れ等を容易に行い得るようにしている。さらに、本実施の形態では、図1及び図6に示すように、二枚の端部戸板2Aに挟まれた中央の戸板2をガイド機構5により該戸板2の幅方向である左右方向に移動可能な中央戸板2Bとし、展示空間Sの中央部も確実に開放できるようにしている。
【0020】
以下、前記支持機構3、蝶持機構4及びガイド機構5について説明する。
【0021】
支持機構3は、図2〜図4、図7〜図10に示すように、前記ケース本体1側の上下端部に幅方向に沿って間欠的に設けた固定部31と、この固定部31に対して前後方向に移動可能となるように前記戸板2側に設けてある可動部32とを具備し、前記可動部32が、前記固定部31に対して前後方向に移動することにより、前記閉止位置Pと前記開閉可能位置Qとの間で前記戸板2を前後方向に出入自在としている。さらに、本実施の形態では、前記固定部31側にピニオン部6を正逆方向に回転可能に設けるとともに、前記可動部32側に前記ピニオン部6の回転運動を前記可動部32の直線運動へと変換するラック部7を設け、前記可動部32の前後方向への直線的な移動を可能としている。
【0022】
固定部31は、前記前面開口部14の上縁部14a側及び下縁部14b側に上下に対をなして設けた正面視略門形状のもので、L字形状の取付部材t1をボルト等の取付具で止着することにより前記ケース本体1に取り付けてある。前面開口部14の上縁部14a側及び下縁部14b側に設けてある固定部31は、基本的には略同様の構成を有するものであるため、以下、下縁部14b側の固定部31を例にとって説明する。この固定部31は、具体的には、一対の対向する起立壁311と、これら起立壁311の上端部側を連結する頂壁312と、前記起立壁311において前記頂壁312より若干下方位置の内面側から互いに相寄る方向へと突出して設けた一対の水平壁313とから構成される。前記起立壁311には、前記水平壁313よりさらに下方位置に貫通孔311aが設けてあり、この貫通孔311aに前記ピニオン部6を支持する駆動軸8がその軸心を水平方向に略一致させて正逆方向に回転可能に取り付けてある。前記ピニオン部6は、外周に歯部61を有する周知の歯車である。また、前記駆動軸8は、前記ケース本体1の幅方向の略全長に亘って設けてあり、各戸板2を支持する適宜箇所に間欠的に前記ピニオン部6が取り付けてある。さらに、この駆動軸8の適宜箇所には、該駆動軸8を正逆方向に回転させるために駆動するモータ部Mと、前記駆動軸8の回転を適宜減速調整するための減速部Nとが設けてある。なお、図10中符号Rで示すものは、前記駆動軸8の回転位置を適切な位置で決定するために利用されるリミットスイッチである。
【0023】
可動部32は、前記前面開口部14の上下縁部14a、14bに幅方向に沿って位置するように設けた長尺部材である可動部本体321を主体として構成されるもので、この可動部本体321は、前記ピニオン部6の歯部61と噛合する位置に設けたラック部7により前後方向に移動可能に支持されている。ラック部7は、前後方向に延出して設けた略直方体状のもので、その下面に前記ピニオン部6の歯部61と噛合する歯部71を有する周知の棒状の歯車である。また、このラック部7には、前記固定部31の水平壁313上を前後方向に転動して前記ラック部7の前後方向への移動を補助する左右に対をなす補助車輪72がその前後方向二箇所に設けてある。さらに、ラック部7は、その後端部及び前後方向中央部の上面側から突出した突起部73を具備し、移動時、この突起部73を前記固定部31の頂壁312の下面に設けたスライド溝314内でスライドさせることにより、該ラック部7を蛇行することなく適正に前後方向に移動し得るように案内させている。さらに、この突起部73は、戸板2が開閉可能位置Qまで移動した際に、前記スライド溝314の後向面314aに当たって、該戸板2を開閉可能位置Qよりも前方に移動させることを禁止するストッパとしての役割も果たしている。そして、このラック部7の移動方向の先端部側である前面側には、前記可動部本体321が設けてある。この可動部本体321には、図11に示すように、その幅方向両端部321a側に、蝶持機構4の一部を構成する軸保持部41が支持させてあるとともに、図7に示すように、その幅方向の略全域に亘ってガイド機構5の一部を構成するローラ52が適宜箇所に間欠的に突設してある。
【0024】
蝶持機構4は、図11に示すように、前記前面開口部14において略鉛直方向に沿って位置する開口側縁部14cと、この開口側縁部14cに対応する端部戸板2Aの外側の側縁部2cとの間に設けてあり、前記端部戸板2Aの側縁部2cを開閉可能に支持するものである。具体的には、上下の前記可動部本体321の前面側にその上下端部41aを取り付けた軸保持部41と、この軸保持部41に保持させた軸部42と、この軸部42に対して正逆方向に回転可能となるように前記戸板2の側縁部2c側に設けた軸受部43とを具備している周知の蝶番機構である。前記軸保持部41は、前記前面開口部14の開口上下寸法と略等しい上下寸法を有するものである。また、軸受部43も、前記端部戸板2Aの上下寸法と略等しい上下寸法を有するもので、前記端部戸板2Aの背面側に設けた上下の保護枠21にその上下端部43aを適宜の手段で取り付けてある。このような構成のものにおいて、前記開閉可能位置Qにある前記端部戸板2Aを開成する際には、該端部戸板2Aの回転端側である内側の側縁部2d側に吸着把手等(図示せず)を取り付け、図5に示すように、前記蝶持機構4を介して前方へ向って鉛直軸心回りに回転することにより、端部戸板2Aを開成する。なお、図示していないが、端部戸板2Aが閉止位置Pにある時及び閉止位置Pから開閉可能位置Qへと移動する時に、該端部戸板2Aが蝶持機構4を介して回転しないように確実にロックするとともに、開閉可能位置Qでは簡単にロックを解除して端部戸板2Aを開成することができるようなロック機構を前記端部戸板2A近傍に設けるようにしている。
【0025】
ガイド機構5は、図7に示すように、前記戸板2のうち中央戸板2Bの上下縁部2a、2bの内側に沿って設けた案内溝51と、前記案内溝51内を巾方向に沿って転動可能に設けたローラ52とを具備している。案内溝51は、前記中央戸板2Bの上下縁部2a、2bの内側に沿って設けた保護枠21の内面21a側に巾方向に沿って連続して設けてある。具体的には、前記保護枠21の内面側から後方に向って突出した上下壁511と、これら上下壁511の突出端側から互いに相寄る方向へ鉛直方向に略沿って延出した一対の後壁512とを具備している。この案内溝51は、前記ローラ52を転動可能に収容し得る奥行寸法及び上下寸法を有している。一方、ローラ52は、前記可動部本体321に水平軸心回りに回転可能に軸着してあり、前記可動部本体321の巾方向に沿った複数箇所に略等ピッチで設けてある。
【0026】
なお、図11に示すように、前記戸板2のうち端部戸板2Aの上下縁部2a、2bの内側に設けた保護枠21の内面21a側にも前記案内溝51と略同様の構成を有する溝部mが設けてあるが、この溝部mは、前記保護枠21の内面21a側から後方に向って突出した上下壁m1のみから構成されており、前記蝶持機構4を介して前記端部戸板2Aを前記可動部本体321に対し開閉する際に、この溝部mが開閉動作を妨げないようにしている。
【0027】
次に、この展示ケースAの戸板2を開成する場合の取扱方法を説明する。
【0028】
先ず、各戸板2が図1及び図4に示す面一な閉止位置Pにある状態で、前記上下化粧板15、16を回動退避させた後、モータ部Mを駆動させることによって、駆動軸8を回転させる。この駆動軸8の回転とともに前記ピニオン部6が回転し、このピニオン部6の回転移動がラック部7の前方への直線移動へと変換されるようにする。ラック部7が前方へ直線移動することによって、可動部32が前方へ移動することとなり、全ての戸板2が、図4中想像線に示すように、蝶持機構4及びガイド機構5とともに開閉可能位置Qへと移動する。次に、前記前面開口部14を開成させて展示空間S内の展示物の出し入れや清掃等を行うには、先ず、端部戸板2Aを開成する。端部戸板2Aを開成させる際には、例えば、この端部戸板2Aの回転端部側である内側の側縁部2d側に吸着把手等(図示せず)を取り付け、図5に示すように、回転支持端側である外側の側縁部2cに設けた蝶持機構4を介して前方に向って鉛直軸心回りに回転させて開成する。このようにすると、展示空間Sの端部側が略完全に開成することとなり、展示物の出し入れ等が非常に行い易いものとなる。
【0029】
さらに、展示空間Sの中央部を開成して、展示物の出し入れ等を行うには、中央戸板2Bを幅方向へ移動させるようにすればよい。その際には、例えば、中央戸板2Bに対して吸着把手等(図示せず)を用いて幅方向へ牽引操作を行って、図6に示すように、中央戸板2Bを、前記ガイド機構5を介して幅方向にスライド移動させる。具体的には、前記中央戸板2Bの上下縁部2a、2bに設けた案内溝51内を前記可動部本体321側に設けたローラ52を転動させるようにする。
【0030】
一方、以上とは逆の操作を行うことにより、開成した前面開口部14を再び前記戸板2によって閉止することができる。
【0031】
このような構成のものであると、閉止位置Pでは、ケース本体1の気密性を確保できる上、開閉可能位置Qでは、気密性にこだわる必要がなくなるため、戸板2の開閉機構の構成の自由度等が向上するものである。特に、本実施の形態では、端部側に位置する端部戸板2Aを開閉可能にする開閉機構として蝶持機構4を利用しているので、幅方向にスライドさせる場合と比較して、簡単な構成で、また、従来のように開口部の開口側縁部よりも外方に戸板の引き込みスペースを設ける等しなくとも、確実に前面開口部14の端部側を開成することが可能となり、展示空間Sの端部側に配置した展示物の出し入れ等も非常に行い易いものとなる。
【0032】
蝶持機構4が、前記前面開口部14において略鉛直方向に沿って位置する開口側縁部14cと、この開口側縁部14cに対応する端部戸板2Aの側縁部2cとの間に設けてあるので、前記前面開口部14の端部側を略完全に開成し得るようにすることが可能である。
【0033】
蝶持機構4が、前記前面開口部14の開口側縁部14c側に設けた軸保持部41に保持させた軸部42と、この軸部42に対して回転可能となるように前記端部戸板2Aの側縁部2c側に設けた軸受部43とを具備しているので、簡単な構成で端部戸板2Aを開閉可能に蝶持することができる。
【0034】
支持機構3が、ケース本体1側に設けた固定部31と、この固定部31に対して前後方向に移動可能に設けてあるとともに前記蝶持機構4の一部を支持する可動部32とを具備してなり、前記可動部32が、前記閉止位置Pと前記開閉可能位置Qとの間を前記固定部31に対して移動して前記戸板2を前後方向に出入自在としているので、簡単な構成で、電気的な同期駆動も取り易い戸板2を移動させるための支持機構3を構成することができる。
【0035】
さらに、この場合に、支持機構3が、前記固定部31側に正逆方向に回転可能に設けたピニオン部6と、前記可動部32側に設けてなり前記ピニオン部6の回転運動を前記可動部32の直線運動へと変換するラック部7とを具備しているので、簡単な構成で且つ機構的な同期も図り易い構成で、前記可動部32を直線的に前後移動させることが可能となる。
【0036】
ピニオン部6が、前記ケース本体1の幅方向の略全長に亘って設けた駆動軸8に支持されているので、戸板2が多数配置されている場合に、機構的な同期を図って、全戸板2を適正に前後移動させることができる。
【0037】
支持機構3が、前記戸板2の上縁部2a及び下縁部2bの両方に設けてあるので、戸板2をより安定に支持し、且つその前後方向への移動をより安定なものとすることができる。
【0038】
なお、本発明における構成は、以上説明したものに限定されないのは勿論である。例えば、本実施の形態では、前記前面開口部を閉止する位置に複数枚の戸板を設けるようにしていたが、これに限定されす、戸板は、1枚ものであってもよい。さらに、蝶持機構の構成も、上述したものに限定されず、端部戸板2Aを開閉可能に蝶持するものであれば、どのような構成のものであってもよい。その他の構成も本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【0039】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような構成で実施され以下に記載されるような効果を奏する。
【0040】
すなわち、本発明は、前記戸板を前記閉止位置と該戸板が開閉可能な状態となる開閉可能位置との間で戸板の厚み方向である前後方向に略沿って出入自在に支持する支持機構と、前記開閉可能位置において前記戸板の端部側を開閉可能に蝶持する蝶持機構とを具備してなり、前記支持機構により閉止位置から開閉可能位置へと移動させた戸板を前記蝶持機構を介して開閉するようにしているので、閉止位置では、ケース本体の気密性を確保できる上、開閉可能位置では、気密性にこだわる必要がなくなるため、戸板の開閉機構の構成の自由度等が向上するものである。特に、本発明では、開閉機構として蝶持機構を利用しているので、確実に開口部の端部側を開成することが可能となり、展示空間の端部側に配置した展示物の出し入れや清掃等も非常に行い易いものとなる。
【0041】
蝶持機構が、前記開口部において略鉛直方向に沿って位置する開口側縁部と、この開口側縁部に対応する戸板の側縁部との間に設けてあるならば、前記開口部の端部側を略完全に開成し得る。
【0042】
蝶持機構が、蝶持機構が、前記開口部の開口側縁部側又は前記戸板の側縁部側の何れか一方側に設けた軸部と、この軸部を介して前記戸板が前記開口部に対して回転可能となるように少なくとも前記戸板の側縁部側又は前記開口部の開口側縁部側の他方側に設けた軸受部とを具備しているならば、簡単な構成で戸板を開閉可能に蝶持することができる。
【0043】
支持機構が、ケース本体側に設けた固定部と、この固定部に対して前後方向に移動可能に設けてあるとともに前記蝶持機構の一部を支持する可動部とを具備してなり、前記可動部が、前記閉止位置と前記開閉可能位置との間を前記固定部に対して移動して前記戸板を前後方向に出入自在としているならば、簡単な構成で、電気的な同期駆動も取り易い戸板を移動させるための支持機構を構成することができる。
【0044】
さらに、この場合に、支持機構が、前記固定部側に正逆方向に回転可能に設けたピニオン部と、前記可動部側に設けてなり前記ピニオン部の回転運動を前記可動部の直線運動へと変換するラック部とを具備しているならば、簡単な構成且つ機構的な同期も図り易い構成で、前記可動部を直線的に前後移動させることが可能となる。
【0045】
ピニオン部が、前記ケース本体の幅方向の略全長に亘って設けた駆動軸に支持されているならば、戸板が多数配置されている場合に、機構的な同期を図って、全戸板を適正に前後移動させることができる。
【0046】
支持機構が、前記戸板の上縁部及び下縁部の両方に設けてあるならば、戸板をより安定に支持し、且つその前後方向への移動をより安定なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態において戸板が閉止位置にある状態を示す展示ケースの全体斜視図。
【図2】同戸板の上部構造を示す要部拡大側断面図。
【図3】同戸板の下部構造を示す要部拡大側断面図。
【図4】同戸板の取扱方法を説明するための模式的な平断面図。
【図5】同戸板の取扱方法を説明するための模式的な平断面図。
【図6】同戸板の取扱方法を説明するための模式的な平断面図。
【図7】同要部を示す分解斜視図。
【図8】同支持機構を示す側面図。
【図9】同支持機構を示す背面図。
【図10】同要部を示す平面図。
【図11】同要部を示す拡大斜視図。
【符号の説明】
1…ケース本体
14…開口部(前面開口部)
14c…開口側縁部
2…戸板
2a…上縁部
2b…下縁部
2c…側縁部
3…支持機構
31…固定部
32…可動部
4…蝶持機構
42…軸部
43…軸受部
6…ピニオン部
7…ラック部
8…駆動軸
A…展示ケース
P…閉止位置
Q…開閉可能位置

Claims (4)

  1. ケース本体と、閉止位置において前記ケース本体に設けた開口部を略面一に閉止する位置に配置されるように構成したガラス板等の透明剛体を主体として形成される戸板とを具備する展示ケースにおいて、
    前記戸板を前記閉止位置と該戸板が開閉可能な状態となる開閉可能位置との間で戸板の厚み方向である前後方向に略沿って出入自在に支持する支持機構と、
    前記開閉可能位置において前記戸板の端部側を開閉可能に蝶持する蝶持機構とを具備してなり、
    前記支持機構により閉止位置から開閉可能位置へと移動させた戸板を前記蝶持機構を介して開閉するようにしており、
    支持機構が、ケース本体側に設けた複数の固定部と、この固定部に対して前後方向に移動可能に設けてあるとともに前記蝶持機構の一部を支持する可動部とを具備してなり、
    前記可動部が、前記閉止位置と前記開閉可能位置との間を前記固定部に対して移動して前記戸板を前後方向に出入自在としてなり、
    前記固定部側に正逆方向に回転可能に設けた複数のピニオン部と、前記可動部側に設けてなり前記ピニオン部の回転運動を前記可動部の直線運動へと変換する複数のラック部とを具備しており、
    ピニオン部が、前記ケース本体の幅方向の略全長に亘って設けた駆動軸に支持されており、
    各ラック部にはそれぞれ突起を設けてあり、
    なおかつ各ラック部に対応する各固定部にはそれぞれ、前記突起を案内してスライドさせるためのスライド溝を形成してある
    ことを特徴とする展示ケース。
  2. 蝶持機構が、前記開口部において略鉛直方向に沿って位置する開口側縁部と、この開口側縁部に対応する戸板の側縁部との間に設けてあることを特徴とする請求項1記載の展示ケース。
  3. 蝶持機構が、前記開口部の開口側縁部側又は前記戸板の側縁部側の何れか一方側に設けた軸部と、この軸部を介して前記戸板が前記開口部に対して回転可能となるように少なくとも前記戸板の側縁部側又は前記開口部の開口側縁部側の他方側に設けた軸受部とを具備していることを特徴とする請求項2記載の展示ケース。
  4. 支持機構が、前記戸板の上縁部及び下縁部の両方に設けてあることを特徴とする請求項1、2又は3記載の展示ケース。
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