JP5065674B2 - 半導体集積回路装置の製造方法 - Google Patents

半導体集積回路装置の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、半導体集積回路装置の製造技術に関し、特に、半導体集積回路装置の電極パッドにプローブカードの探針を押し当てて行う半導体集積回路の電気的検査に適用して有効な技術に関するものである。
特開2006−118945号公報(特許文献1)には、半導体集積回路装置の製造技術を用いて形成された探針(接触端子)、絶縁フィルムおよび引き出し用配線を有するプローバにおいて、ダミー金属膜を引き出し用配線と探針(接触端子)との間に設けることで空間領域を設け、探針(接触端子)の高さを調節する技術が開示されている。
特開2006−118945号公報
半導体集積回路装置の検査技術としてプローブ検査がある。このプローブ検査は、所定の機能どおりに動作するか否かを確認する機能テストや、DC動作特性およびAC動作特性のテストを行って良品/不良品を判別するテスト等を含む。プローブ検査においては、ウエハ出荷対応(品質の差別化)、KGD(Known Good Die)対応(MCP(Multi-Chip Package)の歩留り向上)、およびトータルコスト低減などの要求から、ウエハ状態でプローブ検査を行う技術が用いられている。
近年、半導体集積回路装置の多機能化が進行し、1個の半導体チップ(以下、単にチップと記す)に複数の回路を作りこむことが進められている。また、半導体集積回路装置の製造コストを低減するために、半導体素子および配線を微細化して、半導体チップ(以下、単にチップと記す)の面積を小さくし、半導体ウエハ(以下、単にウエハと記す)1枚当たりの取得チップ数を増加することが進められている。そのため、テストパッド(ボンディングパッド)数が増加するだけでなく、テストパッドの配置が狭ピッチ化し、テストパッドの面積も縮小されてきている。このようなテストパッドの狭ピッチ化に伴って、上記プローブ検査にカンチレバー状の探針を有するプローバを用いようとした場合には、探針をテストパッドの配置位置に合わせて設置することが困難になってしまう課題が存在する。
上記パッドの狭ピッチ化にテスト技術が追従できない課題は、極めて深刻である。つまり、フォトリソグラフィおよびエッチング技術等の半導体チップ製造技術の向上により、半導体素子の微細化による集積回路部分のシュリンクが可能になっても、上記パッドの狭ピッチ化が困難なため、チップ全体を効率的にシュリンクすることが困難になる。
本発明者らは、半導体集積回路装置の製造技術を用いて形成された探針を有するプローバを用いることにより、テストパッドが狭ピッチ化したチップに対してもプローブ検査が実現できる技術について検討している。その中で、本発明者らは、以下のようなさらなる課題を見出した。
すなわち、上記探針は、半導体集積回路装置の製造技術を用い、シリコン等からなるウエハを型材として金属膜およびポリイミド膜の堆積や、それらのパターニング等を実施することにより形成されたシート状の薄膜プローブの一部であり、検査対象であるチップと対向する薄膜プローブの主面側に設けられている。型材となるウエハにおいては、探針が形成される部分が選択的に異方性エッチングされ、側面が底面(開口部)に対して約70.5°の角度をなす四角錐型の穴が複数形成される。この穴の外形が探針の外形となる。
本発明者らが検討した探針は、高さが15μm程度と比較的低いため、検査対象のウエハ上に異物が付着していると、その異物と薄膜プローブが接触することによって探針および探針の周辺のシートが破損してしまう不具合が懸念される。また、検査対象のウエハから薄膜プローブに付着した異物が再度検査対象のウエハと接触することによって検査対象のウエハを傷つけてしまう不具合も懸念される。
上記のような不具合の対策として、本発明者らは、上記型材となるウエハに形成する穴を深く形成することを検討した。しかしながら、前述したようにこの穴は異方性エッチングにより形成する四角錐型の穴であることから、深く形成しようとすると底辺(開口部)が拡大し、狭ピッチで穴を配置できなくなることから、複数の探針を狭ピッチで形成することが困難になってしまう課題が存在する。検査対象のウエハから薄膜プローブに付着した異物が再度検査対象のウエハと接触することによって検査対象のウエハを傷つけてしまう不具合も懸念される。
また、上記特開2006−118945号公報に開示された技術においては、プローバの製造工程上、ダミー金属膜がエッチングにより浸食されてしまうことを防ぐために、ダミー金属膜の側面周囲をポリイミド膜で覆っている。このポリイミド膜が存在するために、チップのテストパッドが狭ピッチ化した際に、それらテストパッドに配置位置合わせてプローバの探針(接触端子)を狭ピッチ化することが困難になる課題が存在する。
本発明の一つの目的は、半導体集積回路装置の小型化を促進できる技術を提供することにある。
本発明の一つの目的は、半導体集積回路装置の製造歩留まりを向上できる技術を提供することにある。
本発明の一つの目的は、狭パッドピッチに対応可能なプローバを提供することにある。
本発明の一つの目的は、半導体集積回路装置の製造技術によって形成された探針を有する薄膜プローブを用いたプローブ検査時において、薄膜プローブおよび検査対象のウエハの破損を防ぐことができる技術を提供することにある。
本発明の前記目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
半導体集積回路装置の製造方法は、
(a)複数のチップ形成領域を有し、前記複数のチップ形成領域の各々が半導体集積回路と前記半導体集積回路と電気的に接続された複数の電極とを有する半導体ウエハを供給する工程、
(b)前記半導体ウエハの前記複数の電極に接触可能な複数の接触端子を有する薄膜プローブシートと、前記薄膜プローブシートの前記複数の接触端子を前記半導体ウエハの前記複数の電極に接触させるための押圧機構を供給する工程、
(c)前記押圧機構によって、前記薄膜プローブシートの前記複数の接触端子の先端を前記半導体ウエハの前記複数の電極に接触させて前記半導体集積回路の電気的検査を行う工程、
を含み、
前記薄膜プローブシートは、
前記複数の接触端子上に形成され、かつ、複数のスルーホールを有する絶縁膜と、
前記絶縁膜上に形成され、かつ、前記複数のスルーホールを介して対応する前記複数の接触端子に電気的に接続される複数の第1配線とを有し、
前記複数の接触端子の各々は、第1金属膜と前記第1金属膜上に積層して形成された第2金属膜とを含み、
前記第1金属膜は、前記先端に向かって伸びる傾斜面部と、前記傾斜面部から上方に向かって伸びる側面部を有し、
前記第2金属膜は、前記第1金属膜の前記傾斜面部と前記側面部とに囲まれた第1部分と、
前記第1金属膜の前記側面部から上方に突出する第2部分とを有し、
前記絶縁膜は、前記第2絶縁膜の前記第2部分を覆うように形成され、かつ、前記複数の接触端子間において、前記第1金属膜の前記側面部の上方に位置する裏面部を有し、
前記複数の第1配線は、前記複数のスルーホールを介して前記第2金属膜の前記第2部分に接続され、
前記電気的検査を行う工程は、前記半導体ウエハと前記絶縁膜の前記裏面部とで規定された高さが確保された状態で行われるものである。
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
半導体集積回路装置の小型化を促進でき、製造歩留まりを向上することができる。
本願発明を詳細に説明する前に、本願における用語の意味を説明すると次の通りである。
デバイス面とは、ウエハの主面であって、その面にリソグラフィにより、複数のチップ領域に対応するデバイスパターンが形成される面をいう。
接触端子またはプローブとは、各チップ領域上に設けられた電極パッドに接触させて電気的特性の検査を行うための針、プローブ、突起等をいう。
薄膜プローブ(membrane probe)、薄膜プローブカード、または突起針配線シート複合体とは、上記のような検査対象と接触する前記接触端子(突起針)とそこから引き回された配線とが設けられ、その配線に外部接触用の電極が形成された薄膜をいい、たとえば厚さ10μm〜100μm程度のものをいい、シリコンウエハを半導体集積回路の製造に用いるのと同様な、ウエハプロセス、すなわちフォトリソグラフィ技術、CVD(Chemical Vapor Deposition)技術、スパッタリング技術およびエッチング技術などを組み合わせたパターニング手法によって、配線層およびそれに電気的に接続された先端部(接触端子)を一体的に形成されたもの等を言う。もちろん、プロセスは複雑になるが、一部を別に形成して、後に合体させることも可能である。
プローブカードとは、検査対象となるウエハと接触する接触端子および多層配線基板などを有する構造体をいい、プローバもしくは半導体検査装置とは、フロッグリング、プローブカードおよび検査対象となるウエハを載せるウエハステージを含む試料支持系を有する検査装置をいう。
プローブ検査とは、ウエハ工程が完了したウエハに対してプローバを用いて行われる電気的試験であって、チップ領域の主面上に形成された電極に上記接触端子の先端を当てて半導体集積回路の電気的検査を行うことをいい、所定の機能通りに動作するか否かを確認する機能テストやDC動作特性およびAC動作特性のテストを行って良品/不良品を判別するものである。各チップに分割してから(またはパッケージング完了後)行われる選別テスト(最終テスト)とは区別される。
ポゴピン(POGO pin)またはスプリングプローブとは、接触ピン(プランジャ(接触針))をばね(コイルスプリング)の弾性力で電極(端子)に押し当てる構造を有し、必要に応じてその電極への電気的接続を行うようにした接触針をいい、たとえば金属製の管(保持部材)内に配置されたばねが金属ボールを介して接触ピンへ弾性力を伝える構成となっている。
テスタ(Test System)とは、半導体集積回路を電気的に検査するものであり、所定の電圧および基準となるタイミング等の信号を発生するものをいう。
テスタヘッドとは、テスタと電気的に接続し、テスタより送信された電圧および信号を受け、電圧および詳細なタイミング等の信号を半導体集積回路に対して発生し、ポゴピンなどを介してプローブカードへ信号を送るものをいう。
フロッグリングとは、ポゴピンなどを介してテスタヘッドおよびプローブカードと電気的に接続し、テスタヘッドより送られてきた信号を後述するプローブカードへ送るものをいう。
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。
また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良い。
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、実施例等において構成要素等について、「Aからなる」、「Aよりなる」と言うときは、特にその要素のみである旨明示した場合等を除き、それ以外の要素を排除するものでないことは言うまでもない。
同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
また、材料等について言及するときは、特にそうでない旨明記したとき、または、原理的または状況的にそうでないときを除き、特定した材料は主要な材料であって、副次的要素、添加物、付加要素等を排除するものではない。たとえば、シリコン部材は特に明示した場合等を除き、純粋なシリコンの場合だけでなく、添加不純物、シリコンを主要な要素とする2元、3元等の合金(たとえばSiGe)等を含むものとする。
また、本実施の形態を説明するための全図において同一機能を有するものは原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
また、本実施の形態で用いる図面においては、平面図であっても図面を見易くするために部分的にハッチングを付す場合がある。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態1のプローブカードの要部断面図である。図1に示すように、本実施の形態1のプローブカードは、多層配線基板1、薄膜シート(薄膜プローブシート)2、テスタヘッドTHD、フロッグリングFGRおよびカードホルダCHDなどから形成されている。テスタヘッドTHDとフロッグリングFGRとの間、およびフロッグリングFGRと多層配線基板1との間は、それぞれ複数本のポゴピンPGPを介して電気的に接続され、それによりテスタヘッドTHDと多層配線基板1との間が電気的に接続されている。カードホルダCHDは、多層配線基板1をプローバに機械的に接続するもので、かつポゴピンPGPからの圧力によって多層配線基板1に反りが生じてしまうことを防ぐ機械的強度を持つ。
図2は、本実施の形態1のプローブカードの下面の要部平面図であり、図3は図2中のA−A線に沿った断面図である。
図2および図3に示すように、本実施の形態のプローブカードは、図1で示した部材の他に、たとえばプランジャ3などを含んでいる。薄膜シート2は押さえリング4によって多層配線基板1の下面に固定され、プランジャ3は多層配線基板1の上面に取り付けられている。多層配線基板1の中央部には開口部5が設けられ、この開口部5内において、接着リング(リング状治具)6を介して薄膜シート2の上面(第3主面)は、プランジャ3と接着されている。
薄膜シート2の下面(第2主面)には、たとえば4角錐型または4角錐台形型の複数のプローブ(接触端子)7が形成されている。薄膜シート2内には、プローブ7の各々と電気的に接続し、各々のプローブ7から薄膜シート2の探部まで延在する複数の配線が形成されている。多層配線基板1の下面または上面には、この複数の配線の端部とそれぞれ電気的に接触する複数の受け部(図示は省略)が形成されており、この複数の受け部は、多層配線基板1内に形成された配線(第3配線)を通じて多層配線基板1の上面に設けられた複数のポゴ(POGO)座8と電気的に接続している。このポゴ座8は、テスタからの信号をプローブカードへ導入するピンを受ける機能を有する。
本実施の形態1において、薄膜シート2は、たとえばポリイミドを主成分とする薄膜から形成されている。このような薄膜シート2は柔軟性を有することから、本実施の形態1では、チップ(半導体集積回路装置)のパッドにすべてのプローブ7を接触させるために、プローブ7が形成された領域の薄膜シート2を上面から押圧具(押圧機構)9を介してプランジャ3が押圧する構造となっている。すなわち、プランジャ3内に配置されたばね3Aの弾性力によって一定の圧力を押圧具9に加えるものである。本実施の形態において、押圧具9の材質としては、42アロイを例示することができる。
ここで、検査対象のチップ表面に形成されたテストパッド(ボンディングパッド)数が増加すると、それに伴って各テストパッドのそれぞれに信号を送るためのポゴピンPGPの本数が増加することになる。また、ポゴピンPGPの本数が増加することによって、多層配線基板1に加わるポゴピンPGPからの圧力も増加することになるので、多層配線基板1の反りを防ぐためにカードホルダCHDを厚くする必要が生じる。さらに、薄膜シート2に形成された各プローブ7を対応するテストパッドに確実に接触させるために、薄膜シート2の中心領域IA(図3参照)および接着リングを境に外周側となり中心領域IAを取り囲む外周領域OA(図3参照)のそれぞれに張力を加える構造とした場合には、多層配線基板1の表面から薄膜シート2のプローブ面までの高さHT(図1参照)に限界が生じる。その高さHTの限界値よりカードホルダCHDの厚さのほうが大きくなった場合には、薄膜シート2がカードホルダCHD内に埋もれてしまうことになり、プローブ7をテストパッドに確実に接触させることができなくなる不具合が懸念される。
そこで、本実施の形態1では、上記薄膜シート2の中心領域IAのみに張力を加えた状態で薄膜シート2と接着リング6とを接着し、外周領域OAには張力を加えない構造とする。この時、接着リング6の材質としては、Si(シリコン)と同程度の熱膨張率の金属(たとえば、42アロイ)を選択し、薄膜シート2と接着リング6とを接着する接着剤としては、エポキシ系接着剤を用いることを例示できる。それにより、上記薄膜シート2のプローブ面までの高さHTを規定する接着リング6の高さを高くすることができるので、その高さHTも高くなり、薄膜シート2がカードホルダCHD内に埋もれてしまう不具合を避けることができる。すなわち、カードホルダCHDが厚くなった場合でも、プローブ7をテストパッドに確実に接触させることが可能となる。
上記のような手段を用いる代わりに、図4に示すように、多層配線基板1の中央部に補助基板SBを取り付け、その補助基板SBに薄膜シート2を取り付ける構造として、多層配線基板1の表面から薄膜シート2のプローブ面までの高さHTを向上させてもよい。多層配線基板1と同様に、補助基板SB内には複数の配線が形成され、さらにこれら配線の端部とそれぞれ電気的に接触する複数の受け部(図示は省略)が形成されている。多層配線基板1に設けられた受け部と補助基板SBに設けられた受け部とは、たとえばそれぞれ対応するもの同士がはんだによって電気的に接続されている。はんだを用いる代わりに、異方性導電ゴムを介して多層配線基板1と補助基板SBとを圧着する手段、もしくは多層配線基板1および補助基板SBのそれぞれの表面に上記受け部と電気的に接続するCu(銅)めっき製の突起部を形成し、対応する突起部同士を圧着する手段を用いてもよい。
本実施の形態1において、上記プローブカードを用いてプローブ検査(電気的検査)を行う対象としては、複数の機能の半導体集積回路が形成されたSoC(System on Chip)構造のチップを例示することができる。図5は、それら複数のチップ(チップ形成領域)10が区画されたウエハWHの平面図である。なお、本実施の形態のプローブカードを用いたプローブ検査は、これら複数のチップ10が区画されたウエハWHに対して行うものである。また、図6は、そのチップ10の平面と、その一部を拡大したものを図示している。このチップ10は、たとえば単結晶シリコン基板からなる。また、チップ10の主面の周辺部には、チップ10内に形成されている半導体集積回路と電気的に接続する多数のパッド(電極)11が配置されている。
また、上記チップ10は、ウエハの主面に区画された多数のチップ領域に半導体製造技術を使って種々の半導体集積回路や入出力端子(ボンディングパッド)を形成し、次いで入出力端子上に上記の方法でパッド11を形成した後、ウエハをダイシングしてチップ領域を個片化することにより製造することができる。また、本実施の形態1において、上記プローブ検査は、ウエハをダイシングする前に各チップ領域に対して実施するものである。なお、以後プローブ検査(パッド11とプローブ7とが接触する工程)を説明する際に、特に明記しない場合には、チップ10はウエハをダイシングする前の各チップ領域を示すものとする。
図7は上記薄膜シート2のプローブ7が形成された領域の一部を拡大して示した要部平面図であり、図8は薄膜シート2の要部断面図である。図8においては、プローブ7が形成された領域がB−B領域に示され、薄膜シート2がプローブカードの接着リング6(図3参照)に接着された際に接着リング6の下に位置する領域がA−A領域およびC−C領域に示されている。
上記プローブ7は、薄膜シート2中にて平面四角形状にパターニングされた金属膜21Aの一部であり、金属膜21Aのうちの薄膜シート2の下面に4角錐型または4角錐台形型に飛び出した部分である。プローブ7は、薄膜シート2の主面において上記チップ10に形成されたパッド11の位置に合わせて配置されており、図7ではパッド11(図7中では破線で図示)に対応するプローブ7の配置について示している。また、図7においては、2つのチップ10のチップ外周10Aの一部も図示されている(一点差線で図示)。
金属膜21Aは、たとえば下層からロジウム膜およびニッケル膜が順次積層して形成されている。金属膜21A上にはポリイミド膜(第1絶縁膜)22が成膜され、ポリイミド膜22上には各金属膜21Aと電気的に接続する配線(第1配線)23が形成されている。また、配線23と同じ配線層においては、金属膜21Aとは電気的に接続されていない配線23Aも形成されている。配線23は、ポリイミド膜22に形成されたスルーホール(第1スルーホール)24の底部で金属膜21Aと接触している。また、ポリイミド膜22および配線23、23A上には、ポリイミド膜(第2絶縁膜)25が成膜されている。ポリイミド膜25には一部の配線23に達するスルーホール(第2スルーホール)26が選択的に形成され、ポリイミド膜22上にはスルーホール26の底部で配線23と接触する配線(第2配線)27が形成されている。また、配線27と同じ配線層においては、金属膜21Aおよび配線23とは電気的に接続されていない配線27Aも形成されている。ポリイミド膜25および配線27、27A上には、ポリイミド膜28が成膜されている。
図8に示すように、薄膜シート2には、接着リング6下となる位置6A(A−A領域およびC−C領域参照)で段差が生じている。このような段差が生じた部分においては、他の部分に比べてポリイミド膜22、25、28の厚みが不均一となる。また、配線23、23A、27、27Aの厚みおよび幅も不均一となるため、薄膜シート2の応力に対する機械的強度が低下しやすい。そこで、本実施の形態1においては、この段差が生じた部分で薄膜シート2を接着リング6に接着することで、その段差の生じた部分に応力が加わり難くしている。それにより、応力が加わることによって薄膜シート2がその段差の生じた部分で破損してしまうことを防ぐことができる。薄膜シート2にこのような段差が生じる理由とその目的とについては、薄膜シート2の製造工程と併せて後述する。
本実施の形態1では、一辺で対向して隣接する2個のチップ10に対して一度にプローブ検査を実施する。ここで、図9〜図12は、薄膜シート2のうち、検査対象の2個のチップ10に対応する領域を示した要部平面図であり、図中において一点鎖線で囲まれている領域がチップ10の外形に相当する。また、図9〜図12は、ぞれぞれ、1層目の配線層に形成された配線23の平面パターン、図9の平面パターンに配線23と同じ配線層で形成された配線23Aを加えた平面パターン、2層目の配線層に形成された配線27の平面パターン、および図11の平面パターンに配線27と同じ配線層で形成された配線27Aを加えた平面パターンを図示したものである。前述したように、配線23A、27Aは、金属膜21Aとは電気的に接続しない配線である。
図9〜図12に示した平面パターンは、薄膜プローブシートにおける多層配線を形成するための配線チャネルの一例を示している。上記配線チャネルに実際の配線23、27を適宜割り付けることによって、各々のプローブ7を多層配線基板の配線を介して、対応するポゴ座8(図2参照)に電気的に接続することができる。
金属膜21Aと電気的に接続された配線23の一部は、薄膜シート2の外周に向かって引き回され、多層配線基板1(図1および図2参照)に設けられた複数の受け部のうちの対応するものと電気的に接続される。また、他の配線23には配線27が接続され、各々の配線27は薄膜シート2の外周に向かって引き回され、多層配線基板1に設けられた複数の受け部のうちの対応するものと電気的に接続される。
本実施の形態1では、平面でプローブ7の近傍となる領域においては、配線23と、配線23と電気的に接続する配線27もしくは配線23とは電気的に接続しない配線27Aとが重なるように各配線の平面パターンを形成する。また、プローブ7の上部には、配線23および配線27(もしくは配線27A)の両方が配置される平面パターンとする(図7参照)。このような平面パターンとすることにより、プローブ7の各々の上部において薄膜シート2の厚さを均一にすることができる。それにより、プローブ検査時においては、押圧具9(図3参照)から加わる荷重が均等に各々のプローブ7に加わるようにすることができる。その結果、プローブ7の各々と対応するパッド11(図6および図7参照)とのコンタクト性を向上することが可能となる。
また、本実施の形態1では、薄膜シート2中の各配線層において、配線の配置間隔および配線の配置密度が均一になるように配線のパターンを形成する。たとえば、配線23が形成されている配線層において、配線23の配置間隔が開き過ぎている個所には、金属膜21Aとは電気的に接続しない配線23Aを配置することによって、この配線層における配線の配置間隔および配線の配置密度を均一にすることができる(図7参照)。この配線23Aは、配線23を形成した工程で同時に形成することができる。また、前述した配線27Aは、配線27が形成されている配線層において配線27の配置間隔が開き過ぎている個所に配置されたものであり、この配線27Aを配置することによって、この配線層における配線の配置間隔および配線の配置密度を均一にすることができる(図7参照)。このように、薄膜シート2中の各配線層において、配線の配置間隔および配線の配置密度が均一になるように配線のパターンを形成することにより、薄膜シート2のうち特にプローブ7の近傍では剛性および厚さを均一にすることができる。それにより、プローブ7の近傍では、薄膜シート2に皺および撓みが発生することを防ぐことができるので、プローブ7の各々と対応するパッド11とのコンタクト性を向上することが可能となる。
次に、上記の本実施の形態の薄膜シート2の製造工程について図13〜図24を用いて説明する。図13〜図24のうち、図13、図16、図20および図22は、各工程における前記図7に対応する領域を示した要部平面図であり、図14、図15、図17、図18、図19、図21、図23および図24は、各工程における前記図8に対応する領域を示した要部断面図である。
まず、図13および図14に示すように、厚さ0.2mm〜0.8mm程度のシリコンからなるウエハ(第1ウエハ)31を用意し、熱酸化法によってこのウエハ31の両面に膜厚0.5μm程度の酸化シリコン膜32を形成する。続いて、フォトレジスト膜をマスクとしてウエハ31の主面(第1主面)側の酸化シリコン膜32をエッチングし、ウエハ31の主面側の酸化シリコン膜32にウエハ31に達する開口部を形成する。次いで、残った酸化シリコン膜32をマスクとし、強アルカリ水溶液(たとえば水酸化カリウム水溶液)を用いてウエハ31を異方的にエッチングすることによって、ウエハ31の主面に(111)面に囲まれた4角錐型または4角錐台形型の穴(第1穴部)33を形成する。
次に、図15に示すように、上記穴33の形成時にマスクとして用いた酸化シリコン膜32をフッ酸およびフッ化アンモニウムの混合液によるウェットエッチングにより除去する。続いて、ウエハ31に熱酸化処理を施すことにより、穴33の内部を含むウエハ31の全面に膜厚0.5μm程度の酸化シリコン膜34を形成する。次いで、穴33の内部を含むウエハ31の主面に導電性膜35を成膜する。この導電性膜35は、たとえば膜厚0.1μm程度のクロム膜および膜厚1μm程度の銅膜を順次スパッタリング法または蒸着法によって堆積することによって成膜することができる。
つぎに、図16および図17に示すように、フォトリソグラフィ技術によってパターニングされたフォトレジスト膜(第1マスキング膜)36をマスクとし、めっき法によりウエハ31の主面のフォトレジスト膜36が存在しない領域(第1領域)に膜厚10μm〜20μm程度の銅膜(第1薄膜)37を選択的に堆積する。この時、フォトレジスト膜36は、ウエハ31の主面のうち、前述の金属膜21Aが形成される領域(図7および図8も参照)と、プローブカードが組み立てられた際に接着リング6より外側となる領域(接着リング6下となる位置6A(図8も参照)より外側の領域)を覆う。銅膜37は、めっき法で成膜することにより均一な膜厚で成膜することができる。この銅膜37は、プローブ7の表面の金属およびポリイミド膜22に対してエッチング選択比を有する材料である。
なお、以降の工程を説明する平面図においては、各部材の構成をわかりやすくするために、銅膜37の図示を省略する。
次に、図18に示すように、上記フォトレジスト膜36を除去した後、ウエハ31の主面上にフォトレジスト膜(第2マスキング膜)38を成膜し、フォトリソグラフィ技術によって後の工程で金属膜21Aが形成される領域(図7および図8も参照)のフォトレジスト膜38を除去し、開口部を形成する。
続いて、導電性膜35を電極とした電解めっき法により、上記フォトレジスト膜38の開口部の底部に現れた導電性膜35上に硬度の高い導電性膜(第1金属膜)39および導電性膜(第2金属膜)40を順次堆積する。本実施の形態においては、導電性膜39をロジウム膜とし、導電性膜40をニッケル膜とすることを例示できる。ここまでの工程により、導電性膜39、40から前述の金属膜21Aを形成することができる。また、穴33内の導電性膜39、40が前述のプローブ7となる。なお、導電性膜35は、後の工程で除去されるが、その工程については後述する。
金属膜21Aにおいては、後の工程で前述のプローブ7が形成された時に、ロジウム膜から形成された導電性膜39が表面となり、導電性膜39がチップ10のパッド11に直接接触することになる。そのため、導電性膜39としては、硬度が高く耐磨耗性に優れた材質を選択することが好ましい。また、導電性膜39はパッド11に直接接触するため、プローブ7によって削り取られたパッド11の屑が導電性膜39に付着すると、その屑を除去するクリーニング工程が必要となり、プローブ検査工程が延びてしまうことが懸念される。そのため、導電性膜39としては、パッド11を形成する材料が付着し難い材質を選択することが好ましい。そこで、本実施の形態1においては、導電性膜39として、これらの条件を満たすロジウム膜を選択している。それにより、そのクリーニング工程の省略もしくはクリーニング工程の頻度を低減することができる。
また、上記導電性膜40(ニッケル膜)は、上記導電性膜39(ロジウム膜)に比較して硬度が低い。一般に硬度が大きいロジウム等の膜は、その内部応力が高いため、膜厚を大きくすることが困難である。従って、本実施の形態1ではプローブ7を比較的硬度の大きいロジウム膜と比較的硬度の小さいニッケル膜との2層構造とすることを採用した。
次に、上記金属膜21A(導電性膜39、40)の成膜に用いたフォトレジスト膜38を除去した後、図19に示すように、金属膜21A、導電性膜35および銅膜37を覆うようにポリイミド膜22(図8も参照)を成膜する。
次に、図20および図21に示すように、ポリイミド膜22に、金属膜21Aに達する前述のスルーホール24を形成する。このスルーホール24は、フォトレジスト膜をマスクとしたドライエッチング、アルミニウム膜をマスクとしたドライエッチングまたはレーザを用いた穴あけ加工によって形成することができる。
続いて、スルーホール24の内部を含むポリイミド膜22上に導電性膜42を成膜する。この導電性膜42は、たとえば膜厚0.1μm程度のクロム膜および膜厚1μm程度の銅膜を順次スパッタリング法または蒸着法によって堆積することによって成膜することができる。続いて、その導電性膜42上にフォトレジスト膜を形成した後に、そのフォトレジスト膜をフォトリソグラフィ技術によってパターニングし、フォトレジスト膜に導電性膜42に達する開口部を形成する。次いで、めっき法により、その開口部内の導電性膜42上に導電性膜43を成膜する。本実施の形態1においては、導電性膜43として銅膜、または銅膜およびニッケル膜を下層から順次堆積した積層膜を例示することができる。
次に、上記フォトレジスト膜を除去した後、導電性膜43をマスクとして導電性膜42をエッチングすることにより、導電性膜42、43からなる配線23、23Aを形成する。配線23は、スルーホール24の底部にて金属膜21Aと電気的に接続することができる。また、図7および図8を用いて前述したように、配線23Aは金属膜21Aとは電気的に接続していない配線である。
次に、図22および図23に示すように、ウエハ31の主面に前述のポリイミド膜25を成膜する。続いて、上記スルーホール24を形成した工程と同様の工程により、配線23に達するスルーホール26(図7および図8も参照)を形成する。
続いて、配線23、23Aを形成した工程と同様の工程により、スルーホール26の底部で配線23と接続する配線27、および配線23とは電気的に接続しない配線27Aを形成する。続いて、図21に示すように、ポリイミド膜25を形成した工程と同様の工程によって、ポリイミド膜28を形成する。
次に、図24に示すように、たとえばフッ酸とフッ化アンモニウムの混合液を用いたエッチングによって、ウエハ31の裏面の酸化シリコン膜34を除去する。続いて、強アルカリ水溶液(たとえば水酸化カリウム水溶液)を用いたエッチングにより、薄膜シート2を形成するための型材であるウエハ31を除去する。次いで、残った酸化シリコン膜34をエッチングにより除去する。この時、酸化シリコン膜34はフッ酸およびフッ化アンモニウムの混合液を用いてエッチングする。
続いて、導電性膜35および銅膜37を順次エッチングにより除去し、図7および図8に示した本実施の形態1の薄膜シート2を製造する。この時、導電性膜35に含まれるクロム膜は過マンガン酸カリウム水溶液を用いてエッチングし、導電性膜35に含まれる銅膜および銅膜37はアルカリ性銅エッチング液を用いてエッチングする。ここまでの工程により、プローブ7を形成する導電性膜39(図18参照)であるロジウム膜がプローブ7の表面に現れる。前述したように、ロジウム膜が表面に形成されたプローブ7においては、プローブ7が接触するチップ10のパッド11の材料が付着し難く、Niより硬度が高く、かつ酸化され難く接触抵抗を安定させることができる。また、銅膜37の除去によって、前記図8に示した接着リング6下となる位置6A(A−A領域およびC−C領域参照)で段差が生じる。
必要に応じて、上記スルーホール24、配線23およびポリイミド膜25を形成する工程を繰り返すことによって、さらに配線を多層に形成してもよい。
ここで、図25は、本実施の形態1の薄膜シート2のうちのプローブ7付近を拡大して示した要部断面図である。
図25に示すように、積層膜である金属膜21Aで構成されたプローブ7は、プローブ検査時にチップ10のパッドと接触する先端7Aを有し、さらに、前記先端7Aに向かって伸びる傾斜面部21Bと、ポリイミド膜22の裏面22Aから下方へ伸びる(前記傾斜面部21Bから上方に向かって伸びる)側面部21Cとを有している。金属膜21Aは、傾斜面部21Bおよび側面部21Cで囲まれた第1部分と、側面部21Cの上端部からポリイミド膜22の裏面22Aの上部へ突出した第2部分との2つの部分から形成された構造となり、ポリイミド膜22に形成されたスルーホール24はその第2部分上に形成されている。すなわち、スルーホール24を介して金属膜21Aに接続する配線23は、金属膜21Aのうちの第2部分に接続することになる。
金属膜21Aの側面部21Cの高さH1は、除去された銅膜37(たとえば図24参照)の厚さ(本実施の形態1では10μm〜20μm程度)で規定される。また、プローブ7の実質的な高さは、ポリイミド膜22の裏面22Aからプローブ7の先端7Aまでの高さH2で規定される。
銅膜37を用いずに薄膜シート2を製造した場合には、金属膜21Aに側面部21Cに相当する部分が存在しなくなり、プローブ7の実質的な高さH2は、傾斜面部21Bで囲まれた部分のみの高さで規定されてしまうことになる。この傾斜面部21Bで囲まれた部分のみでプローブ7の実質的な高さH2を増加しようとすると、その高さH2の増加に伴って傾斜面部21Bで囲まれた部分の平面サイズ(傾斜面部21Bの上端部で囲まれる領域)が大きくなり、隣接する2つのプローブを狭ピッチかつ電気的に分離した状態で配置することが困難になる不具合を生じてしまう。
一方、本実施の形態1によれば、前述したように、薄膜シート2の製造工程中にポリイミド膜22の裏面22Aの下となる部分において金属膜21Aと同程度の平面サイズを有する銅膜37を設け、最終的にその銅膜37を除去することでプローブ7の実質的な高さH2を増加している。それにより、金属膜21Aの傾斜面部21Bで囲まれた部分の平面サイズを大きくすることなくプローブ7の実質的な高さH2を増加することが可能となる。その結果、プローブ7の実質的な高さH2を増加しても隣接する2つのプローブを狭ピッチかつ電気的に分離した状態で配置することが可能となる。たとえば、金属膜21Aの傾斜面部21Bで囲まれた部分の平面サイズが同じであった場合に、銅膜37を用いずに製造した薄膜シート2においてプローブ7の実質的な高さH2が15μm程度であるとすると、銅膜37を用いて製造する本実施の形態1の薄膜シート2においては、プローブ7の実質的な高さH2には銅膜37の膜厚分の高さが加算されて25μm〜35μm程度にすることができる。
上記のように、プローブ7の高さH2が増加した本実施の形態1の薄膜シート2を用いてプローブカードを形成し、そのプローブカードを用いてプローブ検査を行うことにより、検査対象のウエハWH(チップ10)の表面に異物が付着していた場合でも薄膜シート2(ポリイミド膜22の裏面22A)とその異物とが接触してしまう可能性を大幅に低減することができる。すなわち、薄膜シート2とその異物とが接触してしまうことによって薄膜シート2が破損してしまうことを防ぐことができる。また、薄膜シート2とその異物とが接触してしまうことを防止できるので、検査対象のチップ10(ウエハWH)から薄膜シート2に付着した異物が再度検査対象のチップ10と接触することによって検査対象のチップ10を傷つけてしまう不具合も防ぐことができる。
また、プローブ7の高さH2が増加した本実施の形態1の薄膜シート2を用いた場合には、プローブ7によって削り取られたパッド11の屑をプローブ7から除去するクリーニング処理を実施する場合でも、そのクリーニング処理を容易に実施することができる。このクリーニング処理は、たとえばプローブ7の先端を研磨シートに擦りつけることで行うが、プローブ7の高さH2が増加していることから、薄膜シート2(ポリイミド膜22の裏面22A)に研磨シート上の異物(パッド11の屑等)が接触して薄膜シート2に転写して刺さることもなく、クリーニング処理後の検査で検査対象のチップ10(ウエハWH)を破損してしまうことを防ぐことができる。このようなクリーニング処理を実施することにより、プローブ7とパッド11とを再び良好に接触させることができるようになるので、プローブ7とパッド11との間の電気的導通を再び良好にすることができる。
(実施の形態2)
次に、本実施の形態2の薄膜シート2の製造工程について図26〜図31を用いて説明する。図26〜図31は、各工程における前記実施の形態1の図8に対応する領域を示した要部断面図である。
本実施の形態2の薄膜シート2の製造工程は、前記実施の形態1において図13〜図15を用いて説明した工程までは同様である。その後、図26に示すように、ウエハ31の主面に膜厚10μm〜20μm程度のポリイミド膜37Aを成膜する。次いで、そのポリイミド膜37Aを選択的に除去し、ポリイミド膜37Aを所定の領域にのみ残す。この時、前記実施の形態1で説明した金属膜21Aが形成される領域(図7および図8を参照)と、プローブカードが組み立てられた際に接着リング6(図3参照)より外側となる領域(接着リング6下となる位置6A(図8も参照)より外側の領域)のポリイミド膜37Aが除去される。次いで、ウエハ31の主面に膜厚0.1μm程度の薄い金属膜(第2薄膜)37Bを成膜する。この金属膜37は、プローブ7の表面の金属およびポリイミド膜22に対してエッチング選択比を有する材料であり、本実施の形態2では、ニッケル膜を例示することができる。
次に、図27に示すように、前記実施の形態1において図18を用いて説明した工程と同様に、ウエハ31の主面上にフォトレジスト膜38を成膜し、フォトリソグラフィ技術によって後の工程で金属膜21Aが形成される領域(図7および図8も参照)のフォトレジスト膜38を除去し、開口部を形成する。
続いて、導電性膜35を電極とした電解めっき法により、上記フォトレジスト膜38の開口部の底部に現れた導電性膜35上に、前記実施の形態1と同様の導電性膜39および導電性膜40を順次堆積、これら導電性膜39および導電性膜40から金属膜21Aを形成する。
次に、金属膜21A(導電性膜39、40)の成膜に用いたフォトレジスト膜38を除去した後、図28に示すように、金属膜21A、導電性膜35および金属膜37Bを覆うようにポリイミド膜22(図8も参照)を成膜する。
次に、図29に示すように、前記実施の形態1において図20〜図23を用いて説明した工程と同様の工程を経て、スルーホール24、配線23、23A、ポリイミド膜25、スルーホール26、配線27、27Aおよびポリイミド膜28を形成する。
次に、図30に示すように、たとえばフッ酸とフッ化アンモニウムの混合液を用いたエッチングによって、ウエハ31の裏面の酸化シリコン膜34を除去する。続いて、強アルカリ水溶液(たとえば水酸化カリウム水溶液)を用いたエッチングにより、薄膜シート2を形成するための型材であるウエハ31を除去する。次いで、残った酸化シリコン膜34をエッチングにより除去する。この時、酸化シリコン膜34はフッ酸およびフッ化アンモニウムの混合液を用いてエッチングする。
次に、図31に示すように、ポリイミド膜37Aを除去する。このポリイミド膜37Aの除去は、金属膜37Bをエッチングストッパとしたウェットエッチングまたはドライエッチングや、レーザを用いた加工により行うことができる。次いで、金属膜37Bをエッチングにより除去し、前記実施の形態1の薄膜シート2と同様の本実施の形態2の薄膜シート2を製造する(図7および図8参照)。
上記のような本実施の形態2によっても、前記実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
たとえば、前記実施の形態においては、薄膜シートの製造工程中において銅膜を用いることによって、薄膜シートに形成されるプローブの高さを増加させる例について説明したが、銅以外の材料からなる薄膜を用いてもよい。その薄膜の材料としては、均一な膜厚で成膜でき、プローブの表面となるロジウムおよびポリイミド膜に対してエッチング選択比を有する材料であることが求められる。
本発明の半導体集積回路装置の製造方法およびプローブカードは、半導体集積回路装置の製造工程におけるプローブ検査工程に広く適用することができる。
本発明の実施の形態1であるプローブカードの要部断面図である。 本発明の実施の形態1であるプローブカードの下面の要部平面図である。 図2中のA−A線に沿った断面図である。 本発明の実施の形態1であるプローブカードの要部断面図である。 本発明の実施の形態1であるプローブカードを用いてプローブ検査を行う対象の半導体チップ領域が形成された半導体ウエハの平面図である。 本発明の実施の形態1であるプローブカードを用いてプローブ検査を行う対象の半導体チップの平面図である。 本発明の実施の形態1であるプローブカードを形成する薄膜シートの要部平面図である。 本発明の実施の形態1であるプローブカードを形成する薄膜シートの要部断面図である。 本発明の実施の形態1であるプローブカードを形成する薄膜シートの要部平面図である。 本発明の実施の形態1であるプローブカードを形成する薄膜シートの要部平面図である。 本発明の実施の形態1であるプローブカードを形成する薄膜シートの要部平面図である。 本発明の実施の形態1であるプローブカードを形成する薄膜シートの要部平面図である。 本発明の実施の形態1であるプローブカードを形成する薄膜シートの製造方法を説明する要部平面図である。 本発明の実施の形態1であるプローブカードを形成する薄膜シートの製造方法を説明する要部断面図である。 図14に続く薄膜シートの製造工程中の要部断面図である。 本発明の実施の形態1であるプローブカードを形成する薄膜シートの製造工程中の要部平面図である。 図15に続く薄膜シートの製造工程中の要部断面図である。 図17に続く薄膜シートの製造工程中の要部断面図である。 図18に続く薄膜シートの製造工程中の要部断面図である。 本発明の実施の形態1であるプローブカードを形成する薄膜シートの製造工程中の要部平面図である。 図18に続く薄膜シートの製造工程中の要部断面図である。 図20に続く薄膜シートの製造工程中の要部平面図である。 図21に続く薄膜シートの製造工程中の要部断面図である。 図23に続く薄膜シートの製造工程中の要部断面図である。 本発明の実施の形態1であるプローブカードを形成する薄膜シートの要部拡大断面図である。 本発明の実施の形態2であるプローブカードを形成する薄膜シートの製造方法を説明する要部断面図である。 図26に続く薄膜シートの製造工程中の要部断面図である。 図27に続く薄膜シートの製造工程中の要部断面図である。 図28に続く薄膜シートの製造工程中の要部断面図である。 図29に続く薄膜シートの製造工程中の要部断面図である。 図30に続く薄膜シートの製造工程中の要部断面図である。
符号の説明
1 多層配線基板
2 薄膜シート(薄膜プローブシート)
3 プランジャ
3A ばね
4 押さえリング
5 開口部
6 接着リング(リング状治具)
7 プローブ(接触端子)
7A 先端
8 ポゴ座
9 押圧具(押圧機構)
10 チップ(チップ形成領域)
10A チップ外周
11 パッド(電極)
21A 金属膜
21B 傾斜面部
21C 側面部
22 ポリイミド膜(第1絶縁膜)
22A 裏面
23 配線(第1配線)
23A 配線
24 スルーホール(第1スルーホール)
25 ポリイミド膜(第2絶縁膜)
26 スルーホール(第2スルーホール)
27 配線(第2配線)
27A 配線
28 ポリイミド膜
31 ウエハ(第1ウエハ)
32 酸化シリコン膜
33 穴(第1穴部)
34 酸化シリコン膜
35 導電性膜
36 フォトレジスト膜(第1マスキング膜)
37 銅膜(第1薄膜)
37A ポリイミド膜
37B 金属膜(第2薄膜)
38 フォトレジスト膜(第2マスキング膜)
39 導電性膜(第1金属膜)
40 導電性膜(第2金属膜)
42、43 導電性膜
CHD カードホルダ
FGR フロッグリング
IA 中心領域
OA 外周領域
PGP ポゴピン
SB 補助基板
THD テスタヘッド
WH ウエハ

Claims (4)

  1. (a)複数のチップ形成領域を有し、前記複数のチップ形成領域の各々が半導体集積回路と前記半導体集積回路と電気的に接続された複数の電極とを有する半導体ウエハを供給する工程、
    (b)前記半導体ウエハの前記複数の電極に接触可能な複数の接触端子を有する薄膜プローブシートと、前記薄膜プローブシートの前記複数の接触端子を前記半導体ウエハの前記複数の電極に接触させるための押圧機構を供給する工程、
    (c)前記押圧機構によって、前記薄膜プローブシートの前記複数の接触端子の先端を前記半導体ウエハの前記複数の電極に接触させて前記半導体集積回路の電気的検査を行う工程、
    を含み、
    前記薄膜プローブシートは、
    前記複数の接触端子上に形成され、かつ、複数のスルーホールを有する絶縁膜と、
    前記絶縁膜上に形成され、かつ、前記複数のスルーホールを介して対応する前記複数の接触端子に電気的に接続される複数の第1配線とを有し、
    前記複数の接触端子の各々は、第1金属膜と前記第1金属膜上に積層して形成された第2金属膜とを含み、
    前記第1金属膜は、前記先端に向かって伸びる傾斜面部と、前記傾斜面部から上方に向かって伸びる側面部を有し、
    前記第2金属膜は、前記第1金属膜の前記傾斜面部と前記側面部とに囲まれた第1部分と、
    前記第1金属膜の前記側面部から上方に突出する第2部分とを有し、
    前記絶縁膜は、前記第2金属膜の前記第2部分を覆うように形成され、かつ、前記複数の接触端子間において、前記第1金属膜の前記側面部の上方に位置する裏面部を有し、
    前記第1部分の上表面の外周部は、前記絶縁膜と接触し、
    前記第2部分は前記第1部分の上表面の中央部に配置され、
    前記複数の第1配線は、前記複数のスルーホールを介して前記第2金属膜の前記第2部分に接続され、
    前記電気的検査を行う工程は、前記半導体ウエハと前記絶縁膜の前記裏面部とで規定された高さが確保された状態で行われることを特徴とする半導体集積回路装置の製造方法。
  2. 請求項1記載の半導体集積回路装置の製造方法において、
    前記第1金属膜は、前記第2金属膜より硬度が高い金属材料で形成され、
    前記(c)工程において、前記複数の接触端子の前記第1金属膜が前記半導体ウエハの前記複数の電極に接触することを特徴とする半導体集積回路装置の製造方法。
  3. 請求項2記載の半導体集積回路装置の製造方法において、
    前記第1金属膜は、ロジウムを主成分とし、
    前記第2金属膜は、ニッケルを主成分とすることを特徴とする半導体集積回路装置の製造方法。
  4. 請求項1記載の半導体集積回路装置の製造方法において、
    前記(c)工程の後、さらに前記半導体ウエハを前記複数のチップ形成領域に沿って分割することによって、複数の半導体チップを形成する工程を含むことを特徴とする半導体集積回路装置の製造方法。
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