JP2010210463A - プローブカード、プローブカードの製造方法および半導体集積回路装置の製造方法 - Google Patents

プローブカード、プローブカードの製造方法および半導体集積回路装置の製造方法 Download PDF

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Yasuhiro Motoyama
康博 本山
Iwao Natori
巌 名取
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清吾 中村
Yasunori Narizuka
康則 成塚
Kenji Kawakami
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Abstract

【課題】狭パッドピッチに対応し、高速測定を行うプローブ検査に対応できるプローブカードおよびその製造技術を提供する。
【解決手段】プローブカードを形成する薄膜シートの製造工程において、金属膜21Aを覆うポリイミド膜41、配線23を覆うポリイミド膜44A、44B、および配線27を覆うポリイミド膜45のそれぞれの表面に対し、部分的に研磨もしくはエッチングによる平坦化および薄型化処理を施す。その平坦化処理を施す領域は、狭ピッチで金属膜21Aおよび配線23、27が配置される平面で中心に近い領域IAとする。
【選択図】図23

Description

本発明は、プローブカード、プローブカードの製造技術および半導体集積回路装置の製造技術に関し、特に、半導体集積回路の製造に用いる手法と同様の手法で形成するプローブシートを備えたプローブカード、そのプローブカードの製造技術、および半導体集積回路装置の電極パッドにそのプローブカードの探針を押し当てて行う半導体集積回路の電気的検査に適用して有効な技術に関するものである。
半導体集積回路装置の検査技術としてプローブ検査がある。このプローブ検査は、所定の機能どおりに動作するか否かを確認する機能テストや、DC動作特性およびAC動作特性のテストを行って良品/不良品を判別するテスト等を含む。プローブ検査においては、ウエハ出荷対応(品質の差別化)、KGD(Known Good Die)対応(MCP(Multi-Chip Package)の歩留り向上)、およびトータルコスト低減などの要求から、ウエハ状態でプローブ検査を行う技術が用いられている。
国際特許公開WO2006/097982号パンフレット(特許文献1)は、プローブ検査時に、検査対象のチップ内に形成された回路を破壊しないよう探針を低荷重でテストパッドに接触させることのできるプローブカードを開示している。
国際特許公開WO2006/097982号パンフレット
近年、半導体集積回路装置の多機能化が進行し、1個の半導体チップ(以下、単にチップと記す)に複数の回路を作りこむことが進められている。また、半導体集積回路装置の製造コストを低減するために、半導体素子および配線を微細化して、半導体チップ(以下、単にチップと記す)の面積を小さくし、半導体ウエハ(以下、単にウエハと記す)1枚当たりの取得チップ数を増加することが進められている。そのため、テストパッド(ボンディングパッド)数が増加するだけでなく、テストパッドの配置が狭ピッチ化し、テストパッドの面積も縮小されてきている。このようなテストパッドの狭ピッチ化に伴って、上記プローブ検査にカンチレバー状の探針を有するプローバを用いようとした場合には、探針をテストパッドの配置位置に合わせて設置することが困難になってしまう課題が存在する。
上記パッドの狭ピッチ化にテスト技術が追従できない課題は、極めて深刻である。つまり、フォトリソグラフィおよびエッチング技術等の半導体チップ製造技術の向上により、半導体素子の微細化による集積回路部分のシュリンクが可能になっても、上記パッドの狭ピッチ化が困難なため、チップ全体を効率的にシュリンクすることが困難になる。
本発明者らは、半導体集積回路装置の製造技術を用いて形成された探針を有するプローバを用いることにより、テストパッドが狭ピッチ化したチップに対してもプローブ検査が実現できる技術について検討している。その中で、本発明者らは、以下のようなさらなる課題を見出した。
すなわち、上記探針は、半導体集積回路装置の製造技術を用い、シリコン等からなるウエハを型材として金属膜およびポリイミド膜の堆積や、それらのパターニング等を実施することにより形成されたシート状の薄膜プローブの一部であり、検査対象であるチップと対向する薄膜プローブの主面側に設けられている。
図56は、本発明者らが検討した上記シート状の薄膜プローブの要部構造を示す要部断面図である。上記のように、ウエハを型材として接触端子(探針)101を形成し、その上部をポリイミド膜102で覆うことから、ポリイミド膜102の表面には、型材となったウエハから突出している接触端子101の形状が反映し、凹凸が形成される。ポリイミド膜102上には配線103を形成し、その配線103を覆うようにポリイミド膜104を形成することから、ポリイミド膜104の表面には、配線103の形状ばかりでなく下層のポリイミド膜102の表面の凹凸形状も反映し、ポリイミド膜102より大きな凹凸が形成される。さらにその上層に配線105および配線105を覆うポリイミド膜106が形成されて多層配線構造となっていると、同様の理由からポリイミド膜106の表面には、さらに大きな凹凸が形成される。
上記のようなポリイミド膜102、104の表面の凹凸は、ポリイミド膜102、104のそれぞれの表面にてパターニングされる配線103、105の幅および隣接間隔の設計にも大きく影響し、配線103、105の幅および隣接間隔に限界値が生じてくる。すなわち、配線103、105を形成する際のフォトリソグラフィ処理にポリイミド膜102、104の表面の凹凸が影響し、配線103の幅L1(接触端子101上の配線103の幅はL3で図示)、配線103間の距離S1、配線105の幅L2(接触端子101上の配線105の幅はL4で図示)および配線105間の距離S2が設計値と異なる値となってしまう不具合が懸念される。そのため、配線103、105の幅方向での端部がポリイミド膜102、104の表面の凹部にてパターニングされないように、配線103間の距離S1および配線105間の距離S2を所定量だけ確保することが求められる。しかしながら、配線103間の距離S1および配線105間の距離S2を所定量確保することにより、前述のテストパッドの狭ピッチ化に伴う探針(接触端子101)のテストパッドの配置位置に合わせての設置が困難となることが懸念される。
また、上記のような配線103、105のパターニングを行った場合には、配線103間の距離S1および配線105間の距離S2を所定量確保したことによって、前述のテストパッドの狭ピッチ化に対応させるためには、配線103の幅L1および配線105の幅L2を所定値以上には大きくできなくなることになる。そのため、配線103、105の抵抗値が大きくなってしまい、特に、ポリイミド膜102に比べて表面に大きな凹凸が形成されたポリイミド膜104の表面でパターニングされた配線105は、抵抗値が大きくなり過ぎ、プローブ検査で使用する実配線として用いることができなくなってしまう不具合が懸念される。そこで、図57に示すように、配線105の本数を減らし、配線105の幅L2および配線105間の距離S2の双方を所望の値とする手段が考えられる。しかしながら、配線105の本数が減ったことで、配線105と配線103とを平面で重ね合わせられなくなる個所が生じ、配線105を覆うポリイミド膜106の表面の凹凸が図56の構造よりさらに大きくなってしまうことになる。そのため、さらに多層に配線を形成することが困難となってしまう。
また、図58に示すように、上記シート状の薄膜プローブがプローブカードに組み込まれた際には、緩衝材となる柔軟なエラストマ107が最上層のポリイミド膜106に貼付され、このエラストマ107を介して薄膜プローブが押圧具108によって押圧される構成となる。この時、上記のようにシート状の薄膜プローブを形成するポリイミド膜、特にエラストマ107と接する最上層のポリイミド膜106の表面に凹凸が形成されていると、ポリイミド膜106の表面の凸部から凹部へ向かってエラストマ107の一部が流動するように変形する。このエラストマ107の流動は、相対的に大きな凹部、特に平面サイズが大きな凹部へ向かっての流動量が大きくなり、相対的に小さな凹部へ向かっての流動量が小さくなる。このように、エラストマ107全体で不均一な流動量となることから、接触端子101の先端の高さにばらつきE1が生じ、エラストマ107がシート状の薄膜プローブを押圧する圧力も不均一となる。ここで、接触端子101の先端の高さにばらつきE1が生じていると、対応するチップのテストパッドと接触できなくなる接触端子101が出てくる。そのため、すべての接触端子101を対応するチップのテストパッドと接触させるために、プローブカードはチップに向かってさらに大きな圧力で押圧することになる。しかしながら、プローブ検査が実施されるチップにおいて、層間絶縁膜としてCVD(Chemical Vapor Deposition)法で成膜された酸化シリコン膜より誘電率が低く機械的強度の小さい絶縁膜が用いられている場合には、プローブカード(接触端子101)から加わる荷重が増加したことによって、層間絶縁膜を破損してしまう不具合が懸念される。
また、上記シート状の薄膜プローブ中では、1本の配線の幅が薄膜プローブ中で設定された領域ごとに異なっている場合がある。ここで、図59は、薄膜プローブ109の構造を説明する平面図であり、図60は、図59の一部を拡大し、1本の配線103もしくは配線105で幅が変わる部分近辺を示した要部平面図である。薄膜プローブ109は、中心を含む領域109Aと、領域109Aを取り囲む領域109Bとが設定されており、領域109Aでの配線103もしくは配線105幅は、領域109Bにおける幅よりも狭くなっている。これは、領域109Aでは、前述のテストパッドの狭ピッチ化に伴って探針(接触端子101)も狭ピッチ化することから、配線103、105については幅を狭くして隣接する配線103、105と接触(短絡)しないようにする必要があるからである。一方、領域109Aを取り囲む領域109Bでは、配線抵抗を極力小さくするために、配線103、105の幅を領域109Aよりも広くしている。しかしながら、1本の配線103、105において異なる幅が存在することから、上層、下層または隣接する配線との間の距離に影響される配線103、105のインピーダンス制御が困難となる。そのため、このような途中で幅が変化する配線103、105を有する薄膜プローブ109では、高速な動作信号を扱うことができずに、高速測定が困難となってしまう。
上記インピーダンス制御のみに着目した場合、領域109Bにおいても配線103、105の幅は領域109Aでの幅に合わせて狭く形成する手段が考えられる(図61および図62参照)。しかしながら、配線103、105の幅が領域109Aでも狭くなったことによって、配線103、105の抵抗値が所望の値より大きくなってしまう不具合が懸念される。また、薄膜プローブ109は、領域109Bにてプローブカードへの取り付けが行われることから、領域109Bにおける配線103、105の幅が狭くなったことによって領域109Bにおける薄膜プローブ109の強度が低下し、薄膜プローブ109をプローブカードに取り付ける際に、薄膜プローブ109を破損してしまう不具合が懸念される。これらの不具合を考慮して、配線103、105のうち、インピーダンス制御が必要となる配線103A、105Aのみを領域109Aおよび領域109Bの双方で狭い配線幅で形成し、通常信号配線および電源配線となる他の配線103、105については、領域109Bにおける幅が領域109Aにおける幅よりも大きくする手段が考えられる(図63および図64参照)。しかしながら、このような平面パターンとなった配線103、103A、105、105Aでも、ポリイミド膜102、104の表面に前述の凹凸が生じていることから、インピーダンス制御に関わる配線間距離の制御が難しくなり、1層目の配線103、103Aのみでしかインピーダンス制御ができなくなってしまう不具合が懸念される。そのため、薄膜プローブ109内で多層配線構造を形成することが困難となり、複数のチップに対して一括して接触端子101を接触させてプローブ検査を行う、いわゆる多数個取りや、テストパッドが複数列で配置されて多数となった場合のように、より多数の配線103、105が必要となる場合に対応できなくなってしまう不具合が懸念される。
本発明の一つの目的は、狭パッドピッチに対応可能なプローブカードおよびその製造技術を提供することにある。
本発明の一つの目的は、高速測定を行うプローブ検査に対応できるプローブカードおよびその製造技術を提供することにある。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
(1)本発明によるプローブカードは、複数のチップ形成領域を有し、前記複数のチップ形成領域の各々が半導体集積回路と前記半導体集積回路と電気的に接続された複数の電極とを有する半導体ウエハに対し、前記半導体ウエハの前記複数の電極に接触可能な複数の接触端子を有する薄膜プローブシートを対向させて保持し、押圧機構からの荷重によって前記薄膜プローブシートの前記複数の接触端子の先端を前記半導体ウエハの前記複数の電極に接触させて前記半導体集積回路の電気的検査を行うプローブカードであって、
前記薄膜プローブシートは、
平面で、中心を含む第1領域と、前記第1領域を取り囲む第2領域とに区画され、
前記複数の接触端子上に形成され、かつ、複数の第1スルーホールを有する第1絶縁膜と、
前記第1絶縁膜上に形成され、かつ、前記複数の第1スルーホールを介して対応する前記複数の接触端子に電気的に接続される複数の第1配線と、
前記第1絶縁膜および前記複数の第1配線上に形成され、複数の第2スルーホールを有する第2絶縁膜と、
前記第2絶縁膜上に形成され、かつ、前記複数の第2スルーホールを介して対応する前記複数の第1配線に電気的に接続される複数の第2配線と、
を有し、
前記第2領域における前記複数の第1配線および前記複数の第2配線の幅は、前記第1領域における前記複数の第1配線および前記複数の第2配線の幅よりも大きく、
前記第2領域における前記第2絶縁膜の膜厚は、前記第1領域における前記第2絶縁膜の膜厚より厚いものである。
(2)本発明によるプローブカードの製造方法は、複数のチップ形成領域を有し、前記複数のチップ形成領域の各々が半導体集積回路と前記半導体集積回路と電気的に接続された複数の電極とを有する半導体ウエハに対し、前記半導体ウエハの前記複数の電極に接触可能な複数の接触端子を有する薄膜プローブシートを対向させて保持し、押圧機構からの荷重によって前記薄膜プローブシートの前記複数の接触端子の先端を前記半導体ウエハの前記複数の電極に接触させて前記半導体集積回路の電気的検査を行うプローブカードの製造方法であって、
前記薄膜プローブシートは、
(a)結晶性を有し、平面で、中心を含む第1領域と、前記第1領域を取り囲む第2領域とに区画された第1ウエハを用意する工程、
(b)前記第1ウエハの第1主面を選択的に異方性エッチングして、前記第1領域に角錐型または角錐台形型の複数の第1穴部を形成する工程、
(c)前記第1ウエハの前記第1主面上に第1マスキング膜を選択的に形成する工程、
(d)前記第1マスキング膜をマスクとして、前記第1ウエハの前記第1主面上の前記第1マスキング膜が形成されていない領域に前記複数の第1穴部を埋め込む複数の第1金属膜を形成する工程、
(e)前記第1マスキング膜を除去した後、前記第1ウエハ上に前記複数の第1金属膜を覆い、前記複数の第1金属膜上で複数の突起部を有する第1絶縁膜を形成する工程、
(f)前記複数の突起部を除去し、前記第1絶縁膜の表面を平坦化する工程、
(g)前記(f)工程後、前記第1絶縁膜に前記複数の第1金属膜の各々に達する複数の第1スルーホールを形成する工程、
(h)前記第1絶縁膜上に前記複数の第1スルーホールを介して前記複数の第1金属膜に接続する複数の第1配線を形成する工程、
(i)前記第1絶縁膜上に前記複数の第1配線を覆う第2絶縁膜を形成する工程、
(j)前記第1領域上において、前記第2絶縁膜を薄型化し、かつ表面を平坦化する工程、
(k)前記(j)工程後、前記第2絶縁膜に前記複数の第1配線の各々に達する複数の第2スルーホールを形成する工程、
(l)前記第2絶縁膜上に前記複数の第2スルーホールを介して前記複数の第1配線に接続する複数の第2配線を形成する工程、
(m)前記第2絶縁膜上に前記複数の第2配線を覆う第3絶縁膜を形成する工程、
(n)前記第1領域上において、前記第3絶縁膜の表面を平坦化する工程、
(o)前記(n)工程後、前記第1ウエハを除去し前記複数の接触端子を形成する工程、
を含む工程によって形成され、
前記第2領域上における前記複数の第1配線および前記複数の第2配線の幅は、前記第1領域上における前記複数の第1配線および前記複数の第2配線の幅よりも大きく形成するものである。
(3)本発明による半導体集積回路装置の製造方法は、
(a)複数のチップ形成領域を有し、前記複数のチップ形成領域の各々が半導体集積回路と前記半導体集積回路と電気的に接続された複数の電極とを有する半導体ウエハを供給する工程、
(b)前記半導体ウエハの前記複数の電極に接触可能な複数の接触端子を有する薄膜プローブシートと、前記薄膜プローブシートの前記複数の接触端子を前記半導体ウエハの前記複数の電極に接触させるための押圧機構を供給する工程、
(c)前記押圧機構によって、前記薄膜プローブシートの前記複数の接触端子の先端を前記半導体ウエハの前記複数の電極に接触させて前記半導体集積回路の電気的検査を行う工程、
を含み、
前記薄膜プローブシートは、
平面で、中心を含む第1領域と、前記第1領域を取り囲む第2領域とに区画され、
前記複数の接触端子上に形成され、かつ、複数の第1スルーホールを有する第1絶縁膜と、
前記第1絶縁膜上に形成され、かつ、前記複数の第1スルーホールを介して対応する前記複数の接触端子に電気的に接続される複数の第1配線と、
前記第1絶縁膜および前記複数の第1配線上に形成され、複数の第2スルーホールを有する第2絶縁膜と、
前記第2絶縁膜上に形成され、かつ、前記複数の第2スルーホールを介して対応する前記複数の第1配線に電気的に接続される複数の第2配線と、
を有し、
前記第2領域における前記複数の第1配線および前記複数の第2配線の幅は、前記第1領域における前記複数の第1配線および前記複数の第2配線の幅よりも大きく、
前記第2領域における前記第2絶縁膜の膜厚は、前記第1領域における前記第2絶縁膜の膜厚より厚いものである。
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
プローブ検査が行われるチップの狭パッドピッチ化に対応可能なプローブカードを製造できる。
また、高速測定を行うプローブ検査に対応できるプローブカードを製造できる。
本発明の実施の形態1であるプローブカードを用いてプローブ検査を行う対象の半導体チップ領域が形成された半導体ウエハの平面図である。 本発明の実施の形態1であるプローブカードを用いてプローブ検査を行う対象の半導体チップの平面図である。 本発明の実施の形態1であるプローブカードの要部断面図である。 本発明の実施の形態1であるプローブカードの下面の要部平面図である。 図4中のA−A線に沿った断面図である。 本発明の実施の形態1であるプローブカードを形成する薄膜シートの要部平面図である。 本発明の実施の形態1であるプローブカードを形成する薄膜シートの要部平面図である。 本発明の実施の形態1であるプローブカードを形成する薄膜シートの要部平面図である。 本発明の実施の形態1であるプローブカードを形成する薄膜シートの要部平面図である。 本発明の実施の形態1であるプローブカードを形成する薄膜シートの要部平面図である。 本発明の実施の形態1であるプローブカードを形成する薄膜シートの製造方法を説明する要部断面図である。 図11に続く薄膜シートの製造工程中の要部断面図である。 図12に続く薄膜シートの製造工程中の要部断面図である。 図13に続く薄膜シートの製造工程中の要部断面図である。 図14に続く薄膜シートの製造工程中の要部断面図である。 図15に続く薄膜シートの製造工程中の要部断面図である。 図16に続く薄膜シートの製造工程中の要部断面図である。 本発明の実施の形態1であるプローブカードを形成する薄膜シートの製造工程中の要部平面図である。 図17に続く薄膜シートの製造工程中の要部断面図である。 図19に続く薄膜シートの製造工程中の要部断面図である。 図20に続く薄膜シートの製造工程中の要部断面図である。 図21に続く薄膜シートの製造工程中の要部断面図である。 図22に続く薄膜シートの製造工程中の要部断面図である。 図23に続く薄膜シートの製造工程中の要部断面図である。 本発明の実施の形態1であるプローブカードを形成する薄膜シートの要部断面図である。 本発明の実施の形態2であるプローブカードを形成する薄膜シートの要部平面図である。 本発明の実施の形態2であるプローブカードを形成する薄膜シートの要部平面図である。 本発明の実施の形態2であるプローブカードを形成する薄膜シートの要部平面図である。 本発明の実施の形態2であるプローブカードを形成する薄膜シートの要部平面図である。 本発明の実施の形態2であるプローブカードを用いてプローブ検査を行う対象の半導体チップの平面図である。 本発明の実施の形態2であるプローブカードを用いてプローブ検査を行う対象の半導体チップの平面図である。 本発明の実施の形態2であるプローブカードを形成する薄膜シートの要部平面図である。 図32中のB−B線に沿った断面図である。 図32中のC−C線に沿った断面図である。 本発明の実施の形態2であるプローブカードを形成する薄膜シートの要部断面図である。 本発明の実施の形態2であるプローブカードを形成する薄膜シートの要部平面図である。 本発明の実施の形態2であるプローブカードを形成する薄膜シートの要部平面図である。 本発明の実施の形態2であるプローブカードを形成する薄膜シートの要部平面図である。 本発明の実施の形態2であるプローブカードを形成する薄膜シートの要部平面図である。 本発明の実施の形態2であるプローブカードを形成する薄膜シートの要部平面図である。 本発明の実施の形態2であるプローブカードを形成する薄膜シートの要部平面図である。 本発明の実施の形態2であるプローブカードを形成する薄膜シートの要部断面図である。 本発明の実施の形態2であるプローブカードを形成する薄膜シートの要部断面図である。 本発明の実施の形態2であるプローブカードを形成する薄膜シートの製造方法を説明する要部断面図である。 図44に続く薄膜シートの製造工程中の要部断面図である。 図45に続く薄膜シートの製造工程中の要部断面図である。 図46に続く薄膜シートの製造工程中の要部断面図である。 図47に続く薄膜シートの製造工程中の要部断面図である。 図48に続く薄膜シートの製造工程中の要部断面図である。 図49に続く薄膜シートの製造工程中の要部断面図である。 図50に続く薄膜シートの製造工程中の要部断面図である。 本発明の実施の形態3であるプローブカードを形成する薄膜シートの製造方法を説明する要部断面図である。 図52に続く薄膜シートの製造工程中の要部断面図である。 図53に続く薄膜シートの製造工程中の要部断面図である。 図54に続く薄膜シートの製造工程中の要部断面図である。 本発明者らが検討したシート状の薄膜プローブの要部構造を示す要部断面図である。 本発明者らが検討したシート状の薄膜プローブの要部構造を示す要部断面図である。 本発明者らが検討したシート状の薄膜プローブの要部構造を示す要部断面図である。 本発明者らが検討したシート状の薄膜プローブの構造を示す平面図である。 図59の一部を拡大して示す要部平面図である。 本発明者らが検討したシート状の薄膜プローブの構造を示す平面図である。 図61の一部を拡大して示す要部平面図である。 本発明者らが検討したシート状の薄膜プローブの構造を示す平面図である。 図63の一部を拡大して示す要部平面図である。
本願発明を詳細に説明する前に、本願における用語の意味を説明すると次の通りである。
デバイス面とは、ウエハの主面であって、その面にリソグラフィにより、複数のチップ領域に対応するデバイスパターンが形成される面をいう。
接触端子またはプローブとは、各チップ領域上に設けられた電極パッドに接触させて電気的特性の検査を行うための針、プローブ、突起等をいう。
薄膜プローブ(membrane probe)、薄膜プローブカード、または突起針配線シート複合体とは、上記のような検査対象と接触する前記接触端子(突起針)とそこから引き回された配線とが設けられ、その配線に外部接触用の電極が形成された薄膜をいい、たとえば厚さ10μm〜100μm程度のものをいい、シリコンウエハを半導体集積回路の製造に用いるのと同様な、ウエハプロセス、すなわちフォトリソグラフィ技術、CVD(Chemical Vapor Deposition)技術、スパッタリング技術およびエッチング技術などを組み合わせたパターニング手法によって、配線層およびそれに電気的に接続された先端部(接触端子)を一体的に形成されたもの等を言う。もちろん、プロセスは複雑になるが、一部を別に形成して、後に合体させることも可能である。
プローブカードとは、検査対象となるウエハと接触する接触端子および多層配線基板などを有する構造体をいい、プローバもしくは半導体検査装置とは、フロッグリング、プローブカードおよび検査対象となるウエハを載せるウエハステージを含む試料支持系を有する検査装置をいう。
プローブ検査とは、ウエハ工程が完了したウエハに対してプローバを用いて行われる電気的試験であって、チップ領域の主面上に形成された電極に上記接触端子の先端を当てて半導体集積回路の電気的検査を行うことをいい、所定の機能通りに動作するか否かを確認する機能テストやDC動作特性およびAC動作特性のテストを行って良品/不良品を判別するものである。各チップに分割してから(またはパッケージング完了後)行われる選別テスト(最終テスト)とは区別される。
ポゴピン(POGO pin)またはスプリングプローブとは、接触ピン(プランジャ(接触針))をばね(コイルスプリング)の弾性力で電極(端子)に押し当てる構造を有し、必要に応じてその電極への電気的接続を行うようにした接触針をいい、たとえば金属製の管(保持部材)内に配置されたばねが金属ボールを介して接触ピンへ弾性力を伝える構成となっている。
テスタ(Test System)とは、半導体集積回路を電気的に検査するものであり、所定の電圧および基準となるタイミング等の信号を発生するものをいう。
テスタヘッドとは、テスタと電気的に接続し、テスタより送信された電圧および信号を受け、電圧および詳細なタイミング等の信号を半導体集積回路に対して発生し、ポゴピンなどを介してプローブカードへ信号を送るものをいう。
フロッグリングとは、ポゴピンなどを介してテスタヘッドおよびプローブカードと電気的に接続し、テスタヘッドより送られてきた信号を後述するプローブカードへ送るものをいう。
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。
また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良い。
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、実施例等において構成要素等について、「Aからなる」、「Aよりなる」と言うときは、特にその要素のみである旨明示した場合等を除き、それ以外の要素を排除するものでないことは言うまでもない。
同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
また、材料等について言及するときは、特にそうでない旨明記したとき、または、原理的または状況的にそうでないときを除き、特定した材料は主要な材料であって、副次的要素、添加物、付加要素等を排除するものではない。たとえば、シリコン部材は特に明示した場合等を除き、純粋なシリコンの場合だけでなく、添加不純物、シリコンを主要な要素とする2元、3元等の合金(たとえばSiGe)等を含むものとする。
また、本実施の形態を説明するための全図において同一機能を有するものは原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
また、本実施の形態で用いる図面においては、平面図であっても図面を見易くするために部分的にハッチングを付す場合がある。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(実施の形態1)
本実施の形態1のプローブカードを用いたプローブ検査は、複数のチップが区画されたウエハ状の基板WHに対して行うものであり、そのチップとしては、複数の機能の半導体集積回路が形成されたSoC(System on Chip)構造のチップを例示することができる。図1は、それら複数のチップ(チップ形成領域)CHP1が区画されたウエハWHの平面図である。なお、本実施の形態1のプローブカードを用いたプローブ検査は、これら複数のチップCHP1が区画されたウエハWHに対して行うものである。また、図2は、そのチップCHP1の平面と、その一部を拡大したものを図示している。このチップCHP1は、たとえば単結晶シリコン基板からなる。また、チップCHP1の主面の周辺部には、チップCHP1内に形成されている半導体集積回路と電気的に接続する多数のパッド(電極)PD1が配置されている。
また、上記チップCHP1は、ウエハの主面に区画された多数のチップ領域に半導体製造技術を使って1層以上の層間絶縁膜および配線層を形成することで種々の半導体集積回路や入出力端子(ボンディングパッド)を形成し、次いで入出力端子上に上記の方法でパッドPD1を形成した後、ウエハをダイシングしてチップ領域を個片化することにより製造することができる。また、本実施の形態1において、上記プローブ検査は、前述のようにウエハWHをダイシングする前に各チップ領域に対して実施するものであり、以後プローブ検査(パッドPD1とプローブとが接触する工程)を説明する際に、特に明記しない場合には、チップCHP1はウエハWHをダイシングする前の各チップ領域を示すものとする。
図3は、本実施の形態1のプローブカードの要部断面図である。図3に示すように、本実施の形態1のプローブカードは、多層配線基板1、薄膜シート(薄膜プローブシート)2、テスタヘッドTHD、フロッグリングFGRおよびカードホルダCHDなどから形成されている。テスタヘッドTHDとフロッグリングFGRとの間、およびフロッグリングFGRと多層配線基板1との間は、それぞれ複数本のポゴピンPGPを介して電気的に接続され、それによりテスタヘッドTHDと多層配線基板1との間が電気的に接続されている。カードホルダCHDは、多層配線基板1をプローバに機械的に接続するもので、かつポゴピンPGPからの圧力によって多層配線基板1に反りが生じてしまうことを防ぐ機械的強度を持つ。
図4は本実施の形態1のプローブカードの下面の要部平面図であり、図5は図4中のA−A線に沿った断面図である。図5中では、プローブカードの断面の一部をさらに拡大して示している。
図4および図5に示すように、本実施の形態1のプローブカードは、図3で示した部材の他に、たとえばプランジャ3などを含んでいる。薄膜シート2はコンタクトリング4Cおよびプロセスリング4Pによって多層配線基板1の下面に固定され、プランジャ3は多層配線基板1の上面に取り付けられている。多層配線基板1の中央部には開口部5が設けられ、この開口部5内において、薄膜シート2は接着リング6に接着されている。
薄膜シート2の下面には、たとえば四角錐型または四角錐台形型の複数のプローブ(接触端子)7が形成されている。薄膜シート2内には、プローブ7の各々と電気的に接続し、各々のプローブ7から薄膜シート2の端部まで延在する複数の配線(第2配線)が形成されている。多層配線基板1の下面には、この複数の配線の端部とそれぞれ電気的に接触する複数の受け部(図示は省略)が形成されており、この複数の受け部は、多層配線基板1内に形成された配線(第1配線)を通じて多層配線基板1の上面に設けられた複数のポゴ(POGO)座8と電気的に接続している。このポゴ座8は、テスタからの信号をプローブカードへ導入するピンを受ける機能を有する。
本実施の形態1において、薄膜シート2は、たとえばポリイミドを主成分とする薄膜から形成されており、柔軟性を有する。プローブ7が形成された領域の薄膜シート2を上面(裏面)から押圧具(押圧機構)9を介してプランジャ3が押圧し、押圧具9を押し出すことによって薄膜シート2を引き伸ばし、各プローブ7の先端の位置をそれぞれが対応するパッドPD1と対向する位置となるように調整する。プランジャ3はナット11によって筐体12に固定され、筐体12はナット13によってプランジャ保持具3Cに固定され、プランジャ保持具3Cはボルト3Dによって加重治具14に固定される。加重治具14に固定される。プランジャ3内には、ばね3Aが内蔵されており、このばね3Aの弾性力によって一定の押圧力が押しピン3Bを介して押圧具9および薄膜シート2へ伝わる構造となっている。本実施の形態1において、押圧具9の材質としては、42アロイを例示することができる。また、押圧具9は、たとえばエポキシ系の柔軟な緩衝材(エラストマ)9Aを介して薄膜シート2を押圧する構造となっている。
多層配線基板1および張り出しリング15は、それぞれボルト16A、16Bによって連結治具17に取り付けられることにより、連結治具17を介して接続されている。張り出しリング15は、薄膜シート2のうちプローブ7が形成された領域を多層配線基板1の下面より張り出させるために用いられる。また、加重治具14と接着リング6とは、ボルト16Cによって連結されている。また、張り出しリング15にはボルト16Dによってばね押さえ治具18が取り付けられ、ばね押さえ治具18と加重治具14(ボルト16C)との間にはばね19が設置されている。図示は省略するが、このばね19は、たとえば多層配線基板1の平面において約8個所〜12個所に配置されている。ばね19の弾性力は、プローブ検査時においてプローブ7がパッドPD1と接触し、プローブカードがパッドPD1に向かって押し込まれた際に加重治具14(ボルト16C)に作用する。この時、ナット11、13およびボルト16Cによる固定によって、加重治具14、押圧具9、接着リング6およびプランジャ3は一体となっていることから、ばね19の弾性力は、これら一体となった部材をパッドPD1に向かって押し下げるように作用する。その結果、プランジャ3内のばね3Aから薄膜シート2へ伝わる押圧力は、薄膜シート2の引き伸ばしのみに用いられることになる。
上記のような本実施の形態のプローブカードによれば、低荷重でプローブ7をパッドPD1に接触させることができるので、チップCHP1がパッドPD1下にも配線および素子が配置された構造を有している場合でも、プローブ検査時にプローブ7がパッドPD1に接触する際の荷重によってその配線および素子が破壊されてしまうことを防ぐことができる。
また、チップCHP1において、回路動作を早くするために上層の配線と下層の配線との間の層間絶縁膜として機械的強度が低く比誘電率の低い絶縁膜(たとえばSiOC等の比誘電率が約3.0未満のシリカガラス系のCVDによるLow−k(低誘電率)絶縁膜または炭素含有シリコン酸化物系のCVDによるLow−k絶縁膜、並びにCVDに限らず、これらと類似の組成で多孔質にされたもの等)を用いた場合には、プローブ検査時にパッドPD1にプローブが接触する際の荷重にて絶縁膜や回路の破壊を引き起こしやすくなってしまうことが懸念される。しかしながら、本実施の形態1のプローブカードを用いることにより、低荷重でプローブ7をパッドPD1に接触させることができるので、そのような不具合を防ぐことが可能となる。
また、本実施の形態1のプローブカードによれば、低荷重でプローブ7をパッドPD1に接触させることができるので、プローブ7とパッドPD1とが接触した際にプローブ7に与えてしまうダメージを大幅に減少することができる。
押圧具9は、プランジャ3の押しピン3Bの先端を窪み9Bで受ける相対的に上部の押しピン受け部9Cと、相対的に下部の薄膜シート押圧部9Dとから形成されており、その薄膜シート押圧部9Dの下面が薄膜シート2上の緩衝材9Aと接している。プローブ検査時にウエハWHが載置されるウエハステージ(図示は省略)において、ウエハWHを載置する表面にうねりが存在する場合には、たとえばその表面にウエハWHを真空吸着した際に、そのうねりやウエハWHを真空吸着している吸着穴に倣ってウエハWHが変形し、そのうねりや吸着穴の形状がウエハWHに反映されることになる。このような状況下で各プローブ7の先端をそれぞれが対応するパッドPD1と接触させようとすると、そのうねり等の影響によって一部のプローブ7が対応するパッドPD1と接触できなくなる不具合が懸念される。しかしながら、本実施の形態1のプローブカードにおいては、プランジャ3の押しピン3Bが押圧具9に設けられた窪み9Bを押圧することで押圧具9が薄膜シート2を押圧する構造とすることにより、押圧具9は、そのうねり等の形状に倣って傾きつつ薄膜シート2を押圧することが可能となる。すなわち、すべてのプローブ7を対応するパッドPD1に確実に接触させることが可能となる。
プランジャ保持具3Cに設けられ、ボルト3Dが通されている穴3Eは、ボルト3Dの径(たとえば2mm程度)より大きな開口径(たとえば2.5mm程度)で形成されている。ボルト3Dは、このような穴3Eを通って加重治具14に達し、プランジャ保持具3Cと加重治具14とを締め上げることによって固定している。薄膜シート2の上面における押圧具9の貼付位置に誤差が生じている場合には、プランジャ3の押しピン3Bの先端と押圧具9の窪み9Bとの相対的な位置にずれが生じ、押しピン3Bの先端と窪み9Bとが正確に対向できなくなってしまう不具合が懸念される。そこで、本実施の形態1のように、プランジャ保持具3Cに設けられた穴3Eの開口径をボルト3Dの径より大きく形成しておくことにより、ボルト3Dを締める前にプランジャ保持具3Cの位置を修正することによって押しピン3Bの先端と窪み9Bとの相対的な位置ずれを修正し、押しピン3Bの先端と窪み9Bとを正確に対向させた状態でボルト3Dを締め上げてプランジャ保持具3Cと加重治具14とを固定することが可能となる。
図6は上記薄膜シート2のプローブ7が形成された領域の一部を拡大して示した要部平面図である。
上記プローブ7は、薄膜シート2中にて平面四角形状にパターニングされた金属膜21Aの一部であり、金属膜21Aのうちの薄膜シート2の下面に四角錐型または四角錐台形型に飛び出した部分である。プローブ7は、薄膜シート2の主面において上記チップCHP1に形成されたパッドPD1の位置に合わせて配置されており、図6ではパッドPD1(図6中では破線で図示)に対応するプローブ7の配置について示している。また、図6においては、2つのチップCHP1のチップ外周CHP1Aの一部も図示されている(一点差線で図示)。
金属膜21Aは、たとえば下層からロジウム膜およびニッケル膜が順次積層して形成されている。金属膜21A上にはポリイミド膜が成膜され、そのポリイミド膜上には各金属膜21Aと電気的に接続する配線23が形成されている。また、配線23と同じ配線層においては、金属膜21Aとは電気的に接続されていない配線23Aも形成されている。配線23は、前記ポリイミド膜に形成されたスルーホール24の底部で金属膜21Aと接触している。また、前記ポリイミド膜および配線23、23A上には、他のポリイミド膜が成膜されている。そのポリイミド膜には、一部の配線23に達するスルーホール26が選択的に形成され、ポリイミド膜22上にはスルーホール26の底部で配線23と接触する配線27が形成されている。また、配線27と同じ配線層においては、金属膜21Aおよび配線23とは電気的に接続されていない配線27Aも形成されている。これらポリイミド膜および配線27、27A上には、他のポリイミド膜が成膜されている。
本実施の形態1では、一辺で対向して隣接する2個のチップCHP1に対して一度にプローブ検査を実施する。ここで、図7〜図10は、薄膜シート2のうち、検査対象の2個のチップCHP1に対応する領域を示した要部平面図であり、図中において一点鎖線で囲まれている領域がチップCHP1の外形に相当する。また、図7〜図10は、ぞれぞれ、1層目の配線層に形成された配線23の平面パターン、図7の平面パターンに配線23と同じ配線層で形成された配線23Aを加えた平面パターン、2層目の配線層に形成された配線27の平面パターン、および図9の平面パターンに配線27と同じ配線層で形成された配線27Aを加えた平面パターンを図示したものである。前述したように、配線23A、27Aは、金属膜21Aとは電気的に接続しない配線である。
図7〜図10に示した平面パターンは、薄膜プローブシートにおける多層配線を形成するための配線チャネルの一例を示している。上記配線チャネルに実際の配線23、27を適宜割り付けることによって、各々のプローブ7を多層配線基板の配線を介して、対応するポゴ座8(図4参照)に電気的に接続することができる。
金属膜21Aと電気的に接続された配線23の一部は、薄膜シート2の外周に向かって引き回され、多層配線基板1(図3〜図5参照)に設けられた複数の受け部のうちの対応するものと電気的に接続される。また、他の配線23には配線27が接続され、各々の配線27は薄膜シート2の外周に向かって引き回され、多層配線基板1に設けられた複数の受け部のうちの対応するものと電気的に接続される。
本実施の形態1では、平面でプローブ7の近傍となる領域においては、配線23と、配線23と電気的に接続する配線27もしくは配線23とは電気的に接続しない配線27Aとが重なるように各配線の平面パターンを形成する。また、プローブ7の上部には、配線23および配線27(もしくは配線27A)の両方が配置される平面パターンとする(図6参照)。このような平面パターンとすることにより、プローブ7の各々の上部において薄膜シート2の厚さを均一にすることができる。それにより、プローブ検査時においては、押圧具9(図5参照)から加わる荷重が均等に各々のプローブ7に加わるようにすることができる。その結果、プローブ7の各々と対応するパッドPD1(図2参照)とのコンタクト性を向上することが可能となる。
また、本実施の形態1では、薄膜シート2中の各配線層において、配線の配置間隔および配線の配置密度が均一になるように配線のパターンを形成する。たとえば、配線23が形成されている配線層において、配線23の配置間隔が開き過ぎている個所には、金属膜21Aとは電気的に接続しない配線23Aを配置することによって、この配線層における配線の配置間隔および配線の配置密度を均一にすることができる(図6参照)。この配線23Aは、配線23を形成した工程で同時に形成することができる。また、前述した配線27Aは、配線27が形成されている配線層において配線27の配置間隔が開き過ぎている個所に配置されたものであり、この配線27Aを配置することによって、この配線層における配線の配置間隔および配線の配置密度を均一にすることができる(図6参照)。このように、薄膜シート2中の各配線層において、配線の配置間隔および配線の配置密度が均一になるように配線のパターンを形成することにより、薄膜シート2のうち特にプローブ7の近傍では剛性および厚さを均一にすることができる。それにより、プローブ7の近傍では、薄膜シート2に皺および撓みが発生することを防ぐことができるので、プローブ7の各々と対応するパッドPD1とのコンタクト性を向上することが可能となる。
次に、上記の本実施の形態の薄膜シート2の製造工程について図11〜図24を用いて説明する。これら図11〜図24(図18を除く)は、薄膜シート2の製造工程中の要部断面図であり、平面で中心に近い領域(第1領域)IAおよび領域IAを取り囲む領域(第2領域)OAのそれぞれの要部を示している。
まず、図11に示すように、厚さ0.2mm〜0.8mm程度のシリコンからなるウエハ(第1ウエハ)31を用意し、熱酸化法によってこのウエハ31の両面に膜厚0.5μm程度の酸化シリコン膜32を形成する。続いて、フォトレジスト膜をマスクとしてウエハ31の主面(第1主面)側の酸化シリコン膜32をエッチングし、ウエハ31の主面側の酸化シリコン膜32にウエハ31に達する開口部を形成する。次いで、残った酸化シリコン膜32をマスクとし、強アルカリ水溶液(たとえば水酸化カリウム水溶液)を用いてウエハ31を異方的にエッチングすることによって、ウエハ31の主面に(111)面に囲まれた四角錐型または四角錐台形型の穴(第1穴部)33を形成する。
次に、図12に示すように、上記穴33の形成時にマスクとして用いた酸化シリコン膜32をフッ酸およびフッ化アンモニウムの混合液によるウェットエッチングにより除去する。続いて、ウエハ31に熱酸化処理を施すことにより、穴33の内部を含むウエハ31の全面に膜厚0.5μm程度の酸化シリコン膜34を形成する。次いで、穴33の内部を含むウエハ31の主面に導電性膜35を成膜する。この導電性膜35は、たとえば膜厚0.1μm程度のクロム膜および膜厚1μm程度の銅膜を順次スパッタリング法または蒸着法によって堆積することによって成膜することができる。
次に、ウエハ31の主面上にフォトレジスト膜(第1マスキング膜)を成膜し、フォトリソグラフィ技術によって後の工程で金属膜21Aが形成される領域(図6も参照)のフォトレジスト膜を除去し、開口部を形成する。
続いて、導電性膜35を電極とした電解めっき法により、上記フォトレジスト膜の開口部の底部に現れた導電性膜35上に硬度の高い導電性膜39および導電性膜40を順次堆積する。本実施の形態においては、導電性膜39をロジウム膜とし、導電性膜40をニッケル膜とすることを例示できる。ここまでの工程により、導電性膜39、40から前述の金属膜(第1金属膜)21Aを形成することができる。また、穴33内の導電性膜39、40が前述のプローブ7となる。なお、導電性膜35は、後の工程で除去されるが、その工程については後述する。
金属膜21Aにおいては、後の工程で前述のプローブ7が形成された時に、ロジウム膜から形成された導電性膜39が表面となり、導電性膜39がチップ10のパッドPD1に直接接触することになる。そのため、導電性膜39としては、硬度が高く耐磨耗性に優れた材質を選択することが好ましい。また、導電性膜39はパッドPD1に直接接触するため、プローブ7によって削り取られたパッドPD1の屑が導電性膜39に付着すると、その屑を除去するクリーニング工程が必要となり、プローブ検査工程が延びてしまうことが懸念される。そのため、導電性膜39としては、パッドPD1を形成する材料が付着し難い材質を選択することが好ましい。そこで、本実施の形態1においては、導電性膜39として、これらの条件を満たすロジウム膜を選択している。それにより、そのクリーニング工程の省略もしくはクリーニング工程の頻度を低減することができる。
また、上記導電性膜40(ニッケル膜)は、上記導電性膜39(ロジウム膜)に比較して硬度が低い。一般に硬度が大きいロジウム等の膜は、その内部応力が高いため、膜厚を大きくすることが困難である。従って、本実施の形態1ではプローブ7を比較的硬度の大きいロジウム膜と比較的硬度の小さいニッケル膜との2層構造とすることを採用した。
次に、図13に示すように、上記金属膜21A(導電性膜39、40)の成膜に用いたフォトレジスト膜を除去した後、金属膜21Aおよび導電性膜35を覆うようにポリイミド膜41Aを成膜する。
次に、図14に示すように、上記ポリイミド膜41A上にポリイミド膜41Bを成膜し、ポリイミド膜41A、41Bからなるポリイミド膜(第1絶縁膜)41を形成する。この時、金属膜21A上のポリイミド膜41の表面には凸部(突起部)が形成される。続いて、領域OAのポリイミド膜41BをCMP(Chemical Mechanical Polishing)等による部分研磨もしくはエッチングにより除去する。
次に、図15に示すように、ポリイミド膜41の表面に部分研磨もしくはエッチングを施し、ポリイミド膜41の表面を平坦化する。この時、平坦化されるのは、本実施の形態1のプローブカードを組み立てた時に、少なくとも平面で接着リング6(平面円形)の内側となる領域とする。ポリイミド膜41の表面に凹凸が残ったまま次工程以降を進めると、ポリイミド膜41上に形成される配線および上層のポリイミド膜にその凹凸形状が反映されて、所望の寸法でその配線を形成できなくなったり、上層のポリイミド膜の表面にはさらに大きな凹凸が形成されてしまったりする不具合の発生が懸念される。一方、本実施の形態1のように、ポリイミド膜41の表面を平坦化しておくことにより、ポリイミド膜41上に形成される配線および上層のポリイミド膜にその凹凸形状が反映されてしまう不具合の発生を防ぐことができる。
次に、図16に示すように、ポリイミド膜41に、金属膜21Aに達する前述のスルーホール(第1スルーホール)24を形成する。このスルーホール24は、フォトレジスト膜をマスクとしたドライエッチング、アルミニウム膜をマスクとしたドライエッチングまたはレーザを用いた穴開け加工によって形成することができる。
続いて、図17に示すように、スルーホール24の内部を含むポリイミド膜41上に導電性膜42を成膜する。この導電性膜42は、たとえば膜厚0.1μm程度のクロム膜および膜厚1μm程度の銅膜を順次スパッタリング法または蒸着法によって堆積することによって成膜することができる。続いて、その導電性膜42上にフォトレジスト膜を形成した後に、そのフォトレジスト膜をフォトリソグラフィ技術によってパターニングし、フォトレジスト膜に導電性膜42に達する開口部を形成する。次いで、めっき法により、その開口部内の導電性膜42上に導電性膜43を成膜する。本実施の形態1においては、導電性膜43として銅膜、または銅膜およびニッケル膜を下層から順次堆積した積層膜を例示することができる。
次に、上記フォトレジスト膜を除去した後、導電性膜43をマスクとして導電性膜42をエッチングすることにより、導電性膜42、43からなる配線(第1配線)23、23A(図6も参照)を形成する。配線23は、スルーホール24の底部にて金属膜21Aと電気的に接続することができる。また、図6を用いて前述したように、配線23Aは金属膜21Aとは電気的に接続していない配線である。
ここで、図18は、上記配線23の領域IAおよび領域OAのそれぞれにおける要部平面を示している。この図18に示すように、配線23は、領域IAと領域OAとの境界で幅が変わり、領域OAでの幅W1は、領域IAでの幅W2より大きくなっている。たとえば、本実施の形態1のプローブカードを1GHzの検査信号を用いたプローブ検査で使用する場合には、幅W1は50μm程度とし(図21の膜厚T1を20μm程度とした場合)、幅W2は20μm程度とする(図21の膜厚T2を8μm程度とした場合)ことを例示できる。このように、配線23の幅を領域毎に変化させる理由については、後の工程で形成する配線27の説明をする際に、併せて詳述する。
また、領域IAと領域OAの境界となる配線23の幅が変化する部分23Cでは、配線23は平面順テーパー形状となり、幅W2から幅W1へ徐々に変化した構造となっている。それにより、この幅が変化する部分23Cへ応力が集中してしまうことを緩和できるようになり、配線23が断線してしまうような不具合を防止できるようになる。
次に、図19に示すように、ウエハ31の主面にポリイミド膜(第2絶縁膜)44A、44Bを順次成膜する。次いで、図20に示すように、領域IAにおけるポリイミド膜44A、44Bの表面に部分研磨もしくはエッチングを施し、ポリイミド膜44A、44Bの表面を平坦化する。この時、平坦化されるのは、本実施の形態1のプローブカードを組み立てた時に、少なくとも平面で接着リング6(平面円形)の内側となる領域とする。
次に、図21に示すように、前述のスルーホール24を形成した工程と同様の工程により、ポリイミド膜44A、44Bに配線23に達するスルーホール(第2スルーホール)26(図6も参照)を形成する。続いて、配線23、23Aを形成した工程と同様の工程により、スルーホール26の底部で配線23と接続する配線(第2配線)27、および配線23とは電気的に接続しない配線27Aを形成する。配線27は、前述の配線23と同様に、領域IAと領域OAとの境界で幅が変わり、領域OAでの幅が領域IAでの幅より大きい平面パターンとなっており、領域IAと領域OAの境界となる配線27の幅が変化する部分では、配線27は平面順テーパー形状となり、幅が徐々に変化した構造となっている。
たとえば、図21に示されている配線23、27が、それぞれインピーダンス制御が必要な配線(検査信号が伝達される配線)および基準電位(GND)と電気的に接続する配線であるとする。さらに、前述の通り、配線23、27は、平面で薄膜シート2の中心に近い領域IAで幅が小さく、領域IAを取り囲む領域OAで幅が大きくなっている。このように異なる配線幅としているのは、検査対象のウエハWH(図1参照)に形成されたパッドPD(図2参照)の配置ピッチの狭ピッチ化に伴ってプローブ7も狭ピッチ化することと、配線23、27の抵抗値を可能な限り増加させないためである。すなわち、領域IAにおける配線23、27は、幅を小さくして隣接する配線23、27と接触(短絡)しないようにし、領域OAにおける配線23、27は、幅を大きくすることで配線23、27の抵抗値の増加を抑制している。配線23のインピーダンス制御は、配線23、27の幅と、配線23と配線27との間の距離とによって影響されることから、このような状況下において、配線23と配線27との間のポリイミド膜44A、44Bの総膜厚が均一であると、高速な動作信号を扱うことができずに、高速測定が困難となってしまうことが懸念される。そこで、本実施の形態1のように、配線23、27の幅が小さくなる領域IAにおけるポリイミド膜44A、44Bの表面に部分研磨もしくはエッチングを施して、配線23、27の幅が大きくなる領域OAでのポリイミド膜44A、44Bの総膜厚T1が、領域IAでのポリイミド膜44A、44Bの総膜厚T2より厚くなるようにする。たとえば、本実施の形態1のプローブカードを1GHzの検査信号を用いたプローブ検査で使用する場合には、前記総膜厚T1は20μm程度とし(図21の領域OAにおける配線23の幅を50μm程度とした場合)、前記総膜厚T2は8μm程度とする(図21の領域IAにおける配線23の幅を20μm程度とした場合)ことを例示できる。それにより、配線23、27の幅が変化する場合でも、配線23、27の抵抗値上昇を抑制しつつ配線23のインピーダンス制御が可能となる。さらに、多層配線基板1(図3〜図5参照)中でも、薄膜シート2と同等のインピーダンス制御を行うことにより、本実施の形態1のプローブカード全体でインピーダンス制御を行うことができるようになる。
また、領域OAにおける配線23と配線27との間を、配線23のインピーダンス制御ができる程度に離間できるのであれば、図14を用いて説明した領域OAにおけるポリイミド膜41Bの除去工程は省略してもよい。それにより、本実施の形態1の薄膜シート2を短いTAT(Turn Around Time)で製造できるようになる。
本実施の形態1のような配線層間のポリイミド膜44A、44Bの表面の部分研磨もしくはエッチングによる配線23のインピーダンス制御方法を採用しない場合には、配線抵抗の上昇抑制を考慮すると、前述の領域OAにおける大きな幅で配線23、27を形成する手段が考えられる。しかしながら、領域IAでも配線23、27が大きな幅で形成されることになり、領域IAではプローブ7の狭ピッチ化に配線23、27の配置が対応できなくなり、配線層が多層化してしまい、薄膜シート2の製造コストが上昇してしまうことが懸念される。一方、本実施の形態1のように、配線23、27の幅が大きくなる領域OAでのポリイミド膜44A、44Bの総膜厚T1が、配線23、27の幅が小さくなる領域IAでのポリイミド膜44A、44Bの総膜厚T2より厚くなるようにすることにより、配線23、27の配線抵抗の上昇を抑制しつつ、領域IAではプローブ7の狭ピッチ化に対応させて配線23、27の配置し、かつ配線層数の増加も防ぐことができるようになる。それにより、薄膜シート2の製造コストの上昇を防ぎ、安価に薄膜シート2を製造できるようになる。
次に、図22に示すように、ポリイミド膜41、44A、44Bを形成した工程と同様の工程によって、ポリイミド膜(第3絶縁膜)45を形成する。続いて、図23に示すように、領域IAにおけるポリイミド膜45の表面に部分研磨もしくはエッチングを施し、領域IAにおけるポリイミド膜45の表面を平坦化する。この時、平坦化されるのは、本実施の形態1のプローブカードを組み立てた時に、少なくとも平面で接着リング6(平面円形)の内側となる領域とする。
次に、図24に示すように、たとえばフッ酸とフッ化アンモニウムの混合液を用いたエッチングによって、ウエハ31の裏面の酸化シリコン膜32を除去する。続いて、強アルカリ水溶液(たとえば水酸化カリウム水溶液)を用いたエッチングにより、薄膜シート2を形成するための型材であるウエハ31を除去する。次いで、残った酸化シリコン膜34をエッチングにより除去する。この時、酸化シリコン膜34はフッ酸およびフッ化アンモニウムの混合液を用いてエッチングする。
続いて、導電性膜35をエッチングにより除去し、本実施の形態1の薄膜シート2を製造する。この時、導電性膜35に含まれるクロム膜は過マンガン酸カリウム水溶液を用いてエッチングし、導電性膜35に含まれる銅膜はアルカリ性銅エッチング液を用いてエッチングする。ここまでの工程により、プローブ7を形成する導電性膜39(図12参照)であるロジウム膜がプローブ7の表面に現れる。前述したように、ロジウム膜が表面に形成されたプローブ7においては、プローブ7が接触するチップCHP1のパッドPD1の材料が付着し難く、ニッケルより硬度が高く、かつ酸化され難く接触抵抗を安定させることができる。
上記のような工程で製造した本実施の形態1の薄膜シート2によれば、領域IAにおいて、金属膜21Aおよび配線23、27を覆うポリイミド膜41、44Aの表面に凹凸が残ってしまうことを防ぐことができる。それにより、図25に示すように、領域IAにおける配線23、27を形成する際のフォトリソグラフィ処理にポリイミド膜41、44Aの表面形状が影響し、配線23、27の幅L11(プローブ7上の配線23、27の幅はL13で図示)、および配線23、27間の距離S11が設計値と異なる値となってしまう不具合を防ぐことができる。その結果、配線23、27の幅方向での端部がポリイミド膜41、44Aの表面の凹部にてパターニングされてしまうことを考慮するする必要がなくなるので、配線23、27間の距離S11をその凹部を考慮した値だけ確保する必要もなくなり、かつ、配線23、27の幅L11、L13を共通とすることができるようになる。すなわち、配線23、27を狭ピッチで配置することが可能となるので、狭ピッチ化したパッドPD1(図2参照)の配置位置に合わせてプローブ7を配置することが可能となり、たとえば隣り合うパッドPD1の配置ピッチLP(図2参照)が50μm程度に狭まった場合でも対応することが可能となる。なお、本実施の形態1では、配線23、27の幅L11、L13をそれぞれ約16μmおよび約23μmとし、配線23、27間の距離S11を約16μmとすることを例示できる。
また、配線23、27を狭ピッチで配置することが可能となることから、配線層数を増やすことなく最低限の配線層数で必要な配線23、27を配置できるようになる。さらに、金属膜21Aおよび配線23、27を覆うポリイミド膜41、44Aの表面に対して施す研磨もしくはエッチングについては、ポリイミド膜41、44Aの表面の全域とせず、領域IAのみとしている。これらのことから、本実施の形態1の薄膜シート2の製造コストを低減することが可能となる。
また、上記のように、配線23、27間の距離S11を狭めて配線23、27が狭ピッチで配置できるようになることにより、配線23、27の幅L11、L13を極力狭めることなくパッドPD1の狭ピッチ化に対応できるようになる。それにより、配線23、27の抵抗値の上昇を抑制できるようになり、プローブ検査で使用する実配線として用いることができなくなってしまう不具合を防ぐことができる。また、上記のように、配線23、27の幅L11、L13を共通とできることから、配線23と配線27とを可能な限り平面で重ね合わせられるようになり、これら配線23、27上を覆うポリイミド膜45の表面に形成される凹凸を抑制できるようになる。それにより、薄膜シート2中にさらに多層に配線を形成する場合でも、所望の寸法およびパターンの配線を容易に形成することが可能となる。また、本実施の形態1での説明は省略するが、配線23、27上を覆うポリイミド膜45の表面に形成される凹凸を抑制できるようになることから、さらに多層に配線層を形成する必要が生じた場合でも、所望の寸法およびパターンの配線を容易に形成していくことが可能となり、全配線層で敗戦の設計ルールを共通化することが可能となる。
ところで、本実施の形態1の薄膜シート2は、前述のようにプローブカードに組み込まれた際には、柔軟な緩衝材9Aを介して薄膜シート2が押圧具9によって押圧される構成となる(図5参照)。ここで、薄膜シート2を形成するポリイミド膜、特に緩衝材9と接する最上層のポリイミド膜45の表面に凹凸が形成されていると、ポリイミド膜45の表面の凸部から凹部へ向かって緩衝材9Aの一部が流動するように変形する。この緩衝材9Aの流動は、相対的に大きな凹部、特に平面サイズが大きな凹部へ向かっての流動量が大きくなり、相対的に小さな凹部へ向かっての流動量が小さくなる。このように、緩衝材9A全体で不均一な流動量となることから、プローブ7の先端の高さにばらつきが生じ、緩衝材9Aが薄膜シート2を押圧する圧力も不均一となる。このようにプローブ7の先端の高さにばらつきが生じていると、対応するチップCHP1のパッドPD1と接触できなくなるプローブ7が出てくる。そのため、すべてのプローブ7を対応するチップCHP1のパッドPD1と接触させるために、プローブカードはチップCHP1に向かってさらに大きな圧力で押圧することになる。しかしながら、プローブ検査が実施されるチップCHP1において、層間絶縁膜としてCVD法で成膜された酸化シリコン膜より誘電率が低く機械的強度の小さい絶縁膜が用いられている場合には、プローブカード(プローブ7)から加わる荷重が増加したことによって、層間絶縁膜を破損してしまう不具合が懸念される。しかしながら、前述のように、本実施の形態1の薄膜シート2においては、最上層のポリイミド膜45の表面、特に押圧具9が押圧することになる領域IAでの凹凸が解消されている。それにより、プローブ7の先端の高さにばらつきが生じてしまうことを防ぐことが可能となるので、プローブカードは、全てのプローブ7をチップCHP1のパッドPD1に接触させるに当たってチップCHP1に向かって加える圧力を大きく減少することができ、1つのプローブ7から1つのパッドに加わる荷重、すなわち、押圧具9からプローブ7の各々に加わる荷重は、0.01N〜0.1N程度以下とすることが可能となる。その結果、プローブ検査が実施されるチップCHP1において、層間絶縁膜としてCVD法で成膜された酸化シリコン膜より誘電率が低く機械的強度の小さい絶縁膜が用いられている場合でも、層間絶縁膜を破損してしまう不具合を避けることが可能となる。このように、プローブ7のパッドPD1へのコンタクト性に着目した場合には、最上層のポリイミド膜45の表面全面での凹凸の解消を考慮する必要はなく、押圧具9から押圧される領域IAのみで凹凸が解消されていればよく、本実施の形態1のように領域IAのみでポリイミド膜45の表面の研磨またはエッチングを施すようにすることで、薄膜シート2の製造コストを低減することができる。
また、本実施の形態1のような領域IAにおけるポリイミド膜41、44A、44B、45の表面の研磨またはエッチングを実施しない場合には、プローブ7とパッドPD1との低荷重での接触の実現を目的として、押圧具9からプローブ7に加わる荷重を均一にするために、薄膜シート2の厚さを全体で均一化するための他の手段を講じなければならない。たとえば、各配線層において、プローブ7上には配線23、27もしくはプローブ7とは電気的に接続していないダミー配線である配線23A、27Aを配置し、平面でプローブ7の間となる部分においても、プローブ7上には配線23、27もしくは配線23A、27Aを配置する等の手段である。一方、本実施の形態1によれば、そのような薄膜シート2の厚さを均一化するための配線23、27もしくは配線23A、27Aの配置ルールを考慮せずに配線23、27もしくは配線23A、27Aを配置できるようになるので、ダミー配線となる配線23A、27Aを最低限必要なもの(たとえば、薄膜シート2の剛性を薄膜シート2内で均一化するための配線23A、27A)のみに減らすことができる。
また、本実施の形態1によれば、前述のように、薄膜シート2中の配線23、27は、平面で中心に近い領域IAと領域IAを取り囲む領域OAとの境界で幅が変わり、領域OAでの幅は、領域IAでの幅より大きくすることで、領域IAではパッドPD1の狭ピッチ化に伴う配線23、27の狭ピッチ化に対応し、領域OAでは配線23、27の配線抵抗の増大抑制に対応している(図18参照)。また、対向する配線23、27が、それぞれインピーダンス制御が必要な配線(検査信号が伝達される配線)および基準電位(GND)と電気的に接続する配線である場合に、図21に示したように配線23、27の幅が大きくなる領域OAでのポリイミド膜44A、44Bの総膜厚T1が、領域IAでのポリイミド膜44A、44Bの総膜厚T2より厚くなるようにしている。それにより、配線23、27の抵抗値上昇を抑制しつつ配線23のインピーダンス制御を可能としている。このようなポリイミド膜44A、44Bの領域OA、IAそれぞれでの膜厚の制御手順は、前述のように、まず、配線23、27の配線幅が広くなる領域OAでのインピーダンスに合わせた膜厚でポリイミド膜44A、44Bを成膜し、その後、配線23、27の配線幅が狭くなる領域IAでのインピーダンスが制御できる膜厚となるように領域IAでのポリイミド膜44A、44Bを研磨もしくはエッチングによって薄くするものである。このような手段により、本実施の形態1においては、薄膜シート2の全体で特性インピーダンスの制御ができるようになる。その結果、本実施の形態1の薄膜シート2が組み込まれたプローブカードは、高速な動作信号を扱う高速測定に対応させることができるようになる。
前述のように、本実施の形態1のプローブカードを用いたプローブ検査は、チップCHP1が区画されたウエハWH(図1参照)に対して行うものである。上記高速測定が求められるプローブ検査にプローブカードが対応できない場合には、チップCHP1を個片化してパッケージングした後にその高速測定を行うことになる。しかしながら、パッケージング後の測定では、ウエハレベルで測定を行う場合に比べて工程が先へ進んでしまっていることから、測定の結果、不良と判定されてしまったチップCHP1が多発してしまった場合には、製造コストが増大してしまう不具合を招くことになる。しかしながら、本実施の形態1によれば、ウエハレベルでチップCHP1に対する高速測定を行えるようになるので、製造コストの増大を防ぐことが可能となる。
(実施の形態2)
前記実施の形態1では、薄膜シート2中に2層の配線層を形成する場合について説明したが、本実施の形態2では、薄膜シート2中にさらに多層の配線層を形成する場合について説明する。
前記実施の形態1で説明した薄膜シート2は、一辺で対向して隣接する2個のチップCHP1に対応するものであったが(図7〜図10参照)、本実施の形態2の薄膜シート2は、さらに多数のチップCHP1に対応するものや、チップ数は1つであるがパッドPD1の数がさらに多数のチップCHP1に対応するもの等、薄膜シート2中にさらに多層の配線層が必要となるものである。ここで、図26〜図29は、薄膜シート2のうち、検査対象の4個のチップCHP1に対応する領域を示した要部平面図であり、図中において一点鎖線で囲まれている領域がチップCHP1の外形に相当する。また、図26〜図29は、ぞれぞれ、1層目の配線層に形成された配線23の平面パターン、図26の平面パターンに配線23と同じ配線層で形成された配線23Aを加えた平面パターン、2層目の配線層に形成された配線27の平面パターン、および図28の平面パターンに配線27と同じ配線層で形成された配線27Aを加えた平面パターンを図示したものである。前記実施の形態1でも説明したように、配線23A、27Aは、プローブ7となる金属膜21A(図5および図6参照)とは電気的に接続しない配線である。また、図30は、パッドPD1がグリッド配置により多数設けられている場合のチップCHP1の平面図である。
また、前記実施の形態1では、チップCHP1がSoC構造である場合について説明したが、本実施の形態2においては、たとえば図31に示すようなLCD(Liquid Crystal Display)ドライバ回路(半導体集積回路)が形成されたチップCHP1のように、平面外周が長辺および短辺からなるような他種のチップCHP1であってもよい。
図31に示したLCDドライバ回路が形成されたチップCHP1では、チップCHP1の主面の周辺部には、LCDドライバ回路と電気的に接続する多数のパッドPD1が配置されており、図31中におけるチップCHP1の上側の長辺および両短辺に沿って配列されたパッドPD1は出力端子となり、チップCHP1の下側の長辺に沿って配列されたパッドPD2は入力端子となっている。LCDドライバの出力端子数は入力端子数より多いことから、隣り合ったパッドPD1の間隔をできる限り広げるために、パッドPD1はチップCHP1の上側の長辺および両短辺に沿って2列で配列され、チップCHP1の上側の長辺および両短辺に沿って互いの列のパッドPD1が互い違いに配列されている。本実施の形態2において、隣り合うパッドPD1が配置されているピッチLPは、たとえば約40μm以下である。また、本実施の形態2において、パッドPD1は平面矩形であり、チップCHP1の外周と交差(直交)する方向に延在する長辺の長さLAは約100μmであり、チップCHP1の外周に沿って延在する短辺の長さLBは約18μmである。また、隣り合うパッドPD1が配置されているピッチLPが約40μmであり、パッドPD1の短辺の長さLBが約18μmであることから、隣り合うパッドPD1の間隔は約22μmとなる。
図32は上記薄膜シート2の下面のプローブ7が形成された領域の一部を拡大して示した要部平面図であり、図33は図32中のB−B線に沿った要部断面図であり、図34は図32中のC−C線に沿った要部断面図である。
前記実施の形態1でも説明したように、プローブ7は、薄膜シート2中にて平面六角形状にパターニングされた金属膜21Aおよび金属膜21Aと同様の金属膜21Bの一部であり、金属膜21A、21Bのうちの薄膜シート2の下面に四角錐型または四角錐台形型に飛び出した部分である。プローブ7は、薄膜シート2の主面において上記チップCHP1に形成されたパッドPD1の位置に合わせて配置されている。これらプローブ7のうち、プローブ7Aは、2列で配列されたパッドPD1のうちの相対的にチップCHP1の外周に近い配列(以降、第1列と記す)のパッドPD1に対応し、プローブ7Bは、2列で配列されたパッドPD1のうちの相対的にチップCHP1の外周から遠い配列(以降、第2列と記す)のパッドPD1に対応している。また、最も近い位置に存在するプローブ7Aとプローブ7Bとの間の距離は、図32が記載された紙面の左右方向の距離LXと上下方向の距離LYとで規定され、距離LXは前述の隣り合うパッドPD1が配置されているピッチLPの半分の約20μmとなる。また、本実施の形態2において、距離LYは、約45μmとなる。また、図35に示すように、ポリイミド膜41の表面からプローブ7A、7Bの先端までの高さLZ(針高さ)は、50μm以下(大きくとも90μm以下)、更に望ましくは30μm以下で揃えられている。
上記したように、金属膜21A、21Bの一部は四角錐型または四角錐台形型に形成されたプローブ7A、7Bとなり、ポリイミド膜41には金属膜21A、21Bに達するスルーホール24が形成される。そのため、プローブ7Aが形成された金属膜21Aおよびスルーホール24の平面パターンと、プローブ7Bが形成された金属膜21Bおよびスルーホール24の平面パターンとが同じ方向で配置されるようにすると、隣り合う金属膜21Aと金属膜21Bとが接触してしまい、プローブ7A、7Bからそれぞれ独立した入出力を得られなくなってしまう不具合が懸念される。そこで、本実施の形態2では、図32に示すように、プローブ7Bが形成された金属膜21Bおよびスルーホール24の平面パターンは、プローブ7Aが形成された金属膜21Aおよびスルーホール24の平面パターンを180°回転したパターンとしている。それにより、平面でプローブ7Aおよびスルーホール24が配置された金属膜21Aの幅広の領域と、平面でプローブ7Bおよびスルーホール24が配置された金属膜21Bの幅広の領域とが、紙面の左右方向の直線上に配置されないようになり、金属膜21Aおよび金属膜21Bの平面順テーパー状の領域が紙面の左右方向の直線上に配置されるようになる。その結果、隣り合う金属膜21Aと金属膜21Bとが接触してしまう不具合を防ぐことができる。また、狭ピッチでパッドPD1が配置されても、それに対応した位置にプローブ7A、7Bを配置することが可能となる。
また、パッドPD1の数がさらに多い場合には、3列以上で配列されている場合もある。図36は3列で配列されたパッドPD1に対応した薄膜シート2の要部平面図であり、図37は4列で配列されたパッドPD1に対応した薄膜シート2の要部平面図である。チップCHP1のサイズが同じであれば、パッドPD1の配列数が増えるに従って、図32を用いて説明した距離LXがさらに狭くなるので、上記金属膜21A、21Bを含む金属膜が接触してしまうことがさらに懸念される。そこで、図36および図37に示すように、金属膜21A、21B、21C、21Dを、たとえば図22に示した金属膜21Aの平面パターンを45°回転させたものとすることで、金属膜21A、21B、21C、21Dが互いに接触してしまう不具合を防ぐことが可能となる。また、ここでは図32に示した金属膜21Aの平面パターンを45°回転させた例について説明したが、45°に限定するものではなく、金属膜21A、21B、21C、21Dの互いの接触を防ぐことができるのであれば他の回転角でもよい。なお、金属膜21Cには、プローブ7Bが対応するパッドPD1よりさらにチップCHP1内の内側に配置されたパッドPD1に対応するプローブ7Cが形成され、金属膜21Dには、プローブ7Cが対応するパッドPD1よりさらにチップCHP1内の内側に配置されたパッドPD1に対応するプローブ7Dが形成されている。
ここで、図38〜図41は、LCDドライバ回路が形成されたチップCHP1のプローブ検査に用いられる薄膜シート2のうち、検査対象の4個のチップCHP1に対応する領域を示した要部平面図であり、図中において一点鎖線で囲まれている領域がチップCHP1の外形に相当する。検査対象の4個のチップCHP1は、長辺で対向して隣接し、連続している。また、図38〜図41は、ぞれぞれ、1層目の配線層に形成された配線23の平面パターン、図38の平面パターンに配線23と同じ配線層で形成された配線23Aを加えた平面パターン、2層目の配線層に形成された配線27の平面パターン、および図40の平面パターンに配線27と同じ配線層で形成された配線27Aを加えた平面パターンを図示したものである。
ここで、本実施の形態2における、薄膜シート2中の配線のインピーダンス制御例について図42および図43を用いて説明する。図42は、第1層目の配線である配線23についてインピーダンス制御が必要な場合を示し、図43は、第3層目の配線である配線46についてインピーダンス制御が必要な場合を示しており、いずれの場合も対向する第2層目の配線である配線27が基準電位(GND)と電気的に接続している。また、図42および図43は、前記実施の形態1でも説明した平面で薄膜シート2の中心に近い領域IAの一部の断面を示しており、この領域IAでは、配線23、27、46を狭ピッチで配置するために、小さな幅で配線23、27、46が形成されている。
前記実施の形態1でも説明したように、配線23、27、46は、平面で薄膜シート2の中心に近い領域IAでは狭ピッチ化に対応するために幅を小さく、領域IAを取り囲む領域OAでは配線抵抗の上昇を抑制するために幅を大きくパターニングされている。また、前記実施の形態1でも説明したように、領域IAでは、インピーダンス制御が必要な配線23もしくは配線46と対向する配線27との間のポリイミド膜44Aもしくはポリイミド膜45を研磨またはエッチングといった手段によって薄くすることにより、領域IAではインピーダンス制御が必要な配線23もしくは配線46と対向する配線27との間の距離S21を狭めている。
本実施の形態2の薄膜シート2では、インピーダンス制御が必要な配線は、配線23が形成された配線層もしくは配線46が形成された配線層のどちらか一方に集約されている。以下、配線46がインピーダンス制御される配線である場合の薄膜シート2の製造工程について、図44〜図51を用いて説明する。これら図44〜図51は、薄膜シート2の製造工程中の要部断面図であり、平面で中心に近い領域IAおよび領域IAを取り囲む領域OAのそれぞれの要部を示している。
本実施の形態2の薄膜シート2の製造工程は、金属膜21Aを形成するまでの工程は前記実施の形態1と同様である(図11および図12参照)。その後、図44に示すように、金属膜21Aおよび導電性膜35を覆うようにポリイミド膜41を成膜する。次にポリイミド膜41に、金属膜21Aに達するスルーホール24を形成する。前記実施の形態1と同様に、このスルーホール24は、フォトレジスト膜をマスクとしたドライエッチング、アルミニウム膜をマスクとしたドライエッチングまたはレーザを用いた穴開け加工によって形成することができる。
次に、図45に示すように、前記実施の形態1において図17を用いて説明した工程と同様の工程により、配線23、23A(図6も参照)を形成する。配線23は、スルーホール24の底部にて金属膜21Aと電気的に接続することができる。本実施の形態2においても、前記実施の形態1と同様に、配線23は、領域IAと領域OAとの境界で幅が変わり、領域OAでの幅W1は、領域IAでの幅W2より大きくなっている。また、領域IAと領域OAの境界となる配線23の幅が変化する部分23Cでは、配線23は平面順テーパー形状となり、幅W2から幅W1へ徐々に変化した構造となっている。それにより、この幅が変化する部分23Cへ応力が集中してしまうことを緩和できるようになり、配線23が断線してしまうような不具合を防止できるようになる(図18参照)。
次に、図46に示すように、ウエハ31の主面にポリイミド膜44Aを成膜する。続いて、図47に示すように、領域OAおよび領域IAの一部におけるポリイミド膜44Aの表面にCMP等による部分研磨もしくはエッチングを施し、ポリイミド膜44Aを部分的に薄くし、かつポリイミド膜44Aの表面を部分的に平坦化する。この時、少なくとも平面で接着リング6(図5参照)の内側となる領域のポリイミド膜44Aの表面は、全て平坦化される。
次に、図48に示すように、前述のスルーホール24を形成した工程と同様の工程により、ポリイミド膜44Aに配線23に達するスルーホール26を形成する。続いて、配線23、23Aを形成した工程と同様の工程により、スルーホール26の底部で配線23と接続する配線27、および配線23とは電気的に接続しない配線27Aを形成する。配線27は、前述の配線23と同様に、領域IAと領域OAとの境界で幅が変わり、領域OAでの幅が領域IAでの幅より大きい平面パターンとなっており、領域IAと領域OAの境界となる配線27の幅が変化する部分では、配線27は平面順テーパー形状となり、幅が徐々に変化した構造となっている。
次に、図49に示すように、ポリイミド膜41、44A形成した工程と同様の工程によって、ウエハ31の主面上にポリイミド膜45を形成する。続いて、領域IAにおけるポリイミド膜45の表面に部分研磨もしくはエッチングを施し、領域IAにおけるポリイミド膜45の表面を平坦化する。この時、平坦化されるのは、プローブカードを組み立てた時に、少なくとも平面で接着リング6(図5参照)の内側となる領域とする。
次に、図50に示すように、前述のスルーホール24、26を形成した工程と同様の工程により、ポリイミド膜45に配線27に達するスルーホール45Aを形成する。続いて、配線23、23A、27、27Aを形成した工程と同様の工程により、スルーホール45Aの底部で配線27と接続する配線46、および配線23、27とは電気的に接続しない配線を形成する。配線46は、前述の配線23、27と同様に、領域IAと領域OAとの境界で幅が変わり、領域OAでの幅が領域IAでの幅より大きい平面パターンとなっており、領域IAと領域OAの境界となる配線46の幅が変化する部分では、配線46は平面順テーパー形状となり、幅が徐々に変化した構造となっている。この時、配線46下のポリイミド膜45は、領域IAにおいて表面に部分研磨もしくはエッチングが施されて薄くなっていることから、配線27、46の幅が大きくなる領域OAでのポリイミド膜45の膜厚は、配線27、46の幅が小さくなる領域IAでのポリイミド膜45の膜厚より厚くなる。それにより、配線46の幅が変化する場合でも、配線46の抵抗値上昇を極力抑制しつつ、配線46のインピーダンス制御が可能となる。
また、前述したように、本実施の形態2では、薄膜シート2中にてインピーダンス制御が必要な配線は、配線46であり、インピーダンス制御が必要な配線は配線46が形成された配線層に集約された構造とする。それにより、薄膜シート2中の配線層が3層以上となった場合でも、薄膜シート2中の配線のインピーダンス制御を目的とした配線層間のポリイミド膜の表面の部分研磨もしくはエッチングは、1層のみとすることが可能となる。その結果、本実施の形態2の薄膜シート2を短いTATで製造できるようになり、製造コストも低減することができるようになる。
次に、図51に示すように、ポリイミド膜41、44A、45を形成した工程と同様の工程によって、ポリイミド膜47を形成する。続いて、領域IAにおけるポリイミド膜47の表面に部分研磨もしくはエッチングを施し、領域IAにおけるポリイミド膜47の表面を平坦化する。この時、平坦化されるのは、プローブカードを組み立てた時に、少なくとも平面で接着リング6(図5参照)の内側となる領域とする。
その後、前記実施の形態1において図24を用いて説明した工程と同様の工程を経て本実施の形態2の薄膜シート2を製造する。
上記のような工程で製造した本実施の形態2の薄膜シート2によっても、前記実施の形態1の薄膜シート2と同様の効果を得ることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態3では、プローブ検査時における、プローブ7のパッドPD1へのコンタクト性の向上に着目した薄膜シート2の製造工程について説明する。以下、本実施の形態3の薄膜シート2の製造工程について、図52〜図55を用いて説明する。これら図52〜図55は、薄膜シート2の製造工程中の要部断面図である。
本実施の形態3の薄膜シート2の製造工程は、ポリイミド膜44Aを形成するまでの工程は前記実施の形態2と同様である。その後、図52に示すように、フォトレジスト膜をマスクとしたドライエッチング、アルミニウム膜をマスクとしたドライエッチングまたはレーザを用いた穴開け加工によってポリイミド膜44Aに配線23に達するスルーホール26を形成する。続いて、配線23、23Aを形成した工程と同様の工程により、スルーホール26の底部で配線23と接続する配線27、および配線23とは電気的に接続しない配線27A(図6参照)を形成する。
次に、図53に示すように、ポリイミド膜41、44A形成した工程と同様の工程によって、ウエハ31の主面上にポリイミド膜45を形成する。続いて、図54に示すように、平面で薄膜シート2の中心に近くなる領域IA(前記実施の形態1における図11〜図24、前記実施の形態2における図44〜図51、およびこれらの図に対応する説明参照)におけるポリイミド膜45の表面に部分研磨もしくはエッチングを施し、領域IAにおけるポリイミド膜45の表面を平坦化する。この時、平坦化されるのは、プローブカードを組み立てた時に、少なくとも平面で接着リング6(図5参照)の内側となる領域とする。すなわち、プローブカードを組み立て後に、押圧具9によって押圧されるポリイミド膜45の表面すべて全て平坦化される。
その後、前記実施の形態1において図24を用いて説明した工程と同様の工程を経て本実施の形態3の薄膜シート2を製造する(図55参照)。
上記のような工程で形成された本実施の形態3の薄膜シート2によれば、最上層のポリイミド膜45の表面、特に押圧具9が押圧することになる領域IAでの凹凸が解消されている。それにより、押圧具9からの荷重が全てのプローブ7に均一に加わるようになり、プローブ7の先端の高さにばらつきが生じてしまうことを防ぐことができる。それにより、プローブ7とチップCHP1のパッドPD1とのコンタクト性を大幅に向上することができる。
また、プローブカードは、全てのプローブ7をチップCHP1のパッドPD1に接触させるに当たってチップCHP1に向かって加える圧力を大きく減少することが可能となる。その結果、プローブ検査が実施されるチップCHP1(図2参照)において、層間絶縁膜としてCVD法で成膜された酸化シリコン膜より誘電率が低く機械的強度の小さい絶縁膜が用いられている場合でも、層間絶縁膜を破損してしまう不具合を避けることが可能となる。このように、プローブ7のパッドPD1へのコンタクト性に着目した場合には、最上層のポリイミド膜45の表面のみで凹凸が解消されていればよい。また、ポリイミド膜45の表面全面での凹凸の解消を考慮する必要はなく、押圧具9から押圧される領域IAのみで凹凸が解消されていればよい。すなわち、本実施の形態3のように領域IAのみでポリイミド膜45の表面の研磨またはエッチングを施すようにすることで、薄膜シート2の製造コストを低減することができる。
上記のような工程で製造した本実施の形態3の薄膜シート2によっても、前記実施の形態1の薄膜シート2と同様の効果を得ることができる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
本発明のプローブカード、プローブカードの製造方法および半導体集積回路装置の製造方法は、半導体集積回路装置の製造工程におけるプローブ検査工程、そこで用いられるプローブカードおよびそのプローブカードの製造工程に広く適用することができる。
1 多層配線基板
2 薄膜シート(薄膜プローブシート)
3 プランジャ
3A ばね
3B 押しピン
3C プランジャ保持具
3D ボルト
3E 穴
4C コンタクトリング
4P プロセスリング
5 開口部
6 接着リング
7、7A、7B、7C、7D プローブ(接触端子)
8 ポゴ座
9 押圧具(押圧機構)
9A 緩衝材(エラストマ)
9B 窪み
9C 押しピン受け部
9D 薄膜シート押圧部
11 ナット
12 筐体
13 ナット
14 加重治具
15 張り出しリング
16A〜16D ボルト
17 連結治具
18 ばね押さえ治具
19 ばね
21A、21B、21C、21D 金属膜(第1金属膜)
23 配線(第1配線)
23A 配線
23C 幅が変化する部分
24 スルーホール(第1スルーホール)
26 スルーホール(第2スルーホール)
27 配線(第2配線)
27A 配線
31 ウエハ(第1ウエハ)
32 酸化シリコン膜
33 穴(第1穴部)
34 酸化シリコン膜
35 導電性膜
39、40 導電性膜(第1金属膜)
41 ポリイミド膜(第1絶縁膜)
41A、44B ポリイミド膜(第1絶縁膜)
42、43 導電性膜
44A、44B ポリイミド膜(第2絶縁膜)
45 ポリイミド膜(第3絶縁膜)
45A スルーホール
46 配線
47 ポリイミド膜
101 接触端子(探針)
102 ポリイミド膜
103、103A 配線
104 ポリイミド膜
105、105A 配線
106 ポリイミド膜
107 エラストマ
108 押圧具
109 薄膜プローブ
109A、109B 領域
CHD カードホルダ
CHP1 チップ(チップ形成領域)
CHP1A チップ外周
FRG フロッグリング
IA 領域(第1領域)
OA 領域(第2領域)
PD1 パッド(電極)
PGP ポゴピン
THD テスタヘッド
W1 幅
W2 幅
WH ウエハ

Claims (40)

  1. 複数のチップ形成領域を有し、前記複数のチップ形成領域の各々が半導体集積回路と前記半導体集積回路と電気的に接続された複数の電極とを有する半導体ウエハに対し、前記半導体ウエハの前記複数の電極に接触可能な複数の接触端子を有する薄膜プローブシートを対向させて保持し、押圧機構からの荷重によって前記薄膜プローブシートの前記複数の接触端子の先端を前記半導体ウエハの前記複数の電極に接触させて前記半導体集積回路の電気的検査を行うプローブカードであって、
    前記薄膜プローブシートは、
    平面で、中心を含む第1領域と、前記第1領域を取り囲む第2領域とに区画され、
    前記複数の接触端子上に形成され、かつ、複数の第1スルーホールを有する第1絶縁膜と、
    前記第1絶縁膜上に形成され、かつ、前記複数の第1スルーホールを介して対応する前記複数の接触端子に電気的に接続される複数の第1配線と、
    前記第1絶縁膜および前記複数の第1配線上に形成され、複数の第2スルーホールを有する第2絶縁膜と、
    前記第2絶縁膜上に形成され、かつ、前記複数の第2スルーホールを介して対応する前記複数の第1配線に電気的に接続される複数の第2配線と、
    を有し、
    前記第2領域における前記複数の第1配線および前記複数の第2配線の幅は、前記第1領域における前記複数の第1配線および前記複数の第2配線の幅よりも大きく、
    前記第2領域における前記第2絶縁膜の膜厚は、前記第1領域における前記第2絶縁膜の膜厚より厚いことを特徴とするプローブカード。
  2. 請求項1記載のプローブカードにおいて、
    前記第1領域における前記第1絶縁膜の膜厚は、前記第2領域における前記第1絶縁膜の膜厚より厚いことを特徴とするプローブカード。
  3. 請求項1記載のプローブカードにおいて、
    前記第2領域における前記第1絶縁膜の膜厚は、前記第1配線および前記第2配線の少なくとも一方のインピーダンス制御ができる膜厚であることを特徴とするプローブカード。
  4. 請求項3記載のプローブカードにおいて、
    前記複数の第1配線もしくは前記複数の第2配線のうち、インピーダンス制御が必要な配線の上層もしくは下層に配置された前記第1配線もしくは前記第2配線には、前記半導体集積回路の前記電気的検査時に基準電位または電源電位が供給されることを特徴とするプローブカード。
  5. 請求項3記載のプローブカードにおいて、
    インピーダンス制御が必要な配線は、前記複数の第1配線もしくは前記複数の第2配線の一方に集約されていることを特徴とするプローブカード。
  6. 請求項1記載のプローブカードにおいて、
    前記複数の接触端子のうち、隣接する2つの配置ピッチは、80μm以下であることを特徴とするプローブカード。
  7. 請求項1記載のプローブカードにおいて、
    前記複数の電極は、前記複数のチップ形成領域の各々の外周に沿って複数列配置またはグリッドパッド配置されていることを特徴とするプローブカード。
  8. 請求項7記載のプローブカードにおいて、
    前記複数の電極は、前記複数のチップ形成領域の各々の外周に沿って第1列および第2列を含む複数列で配置され、
    前記第1列に含まれる前記電極と前記第2列に含まれる前記電極とは、前記チップ形成領域の前記外周に沿った方向で互い違いに配置されていることを特徴とするプローブカード。
  9. 請求項1記載のプローブカードにおいて、
    前記薄膜プローブシートの前記複数の接触端子が対応する前記半導体ウエハの前記複数の電極は、2以上の前記チップ形成領域に渡って形成されていることを特徴とするプローブカード。
  10. 請求項1記載のプローブカードにおいて、
    前記複数の第1配線と前記複数の第2配線とは、互いに前記第1領域における前記幅と前記第2領域における前記幅とが同じとなるように形成されていることを特徴とするプローブカード。
  11. 請求項1記載のプローブカードにおいて、
    前記複数の接触端子の前記先端を前記半導体ウエハの前記複数の電極に接触させた時に、前記押圧機構から前記複数の接触端子の各々に加わる荷重は、均一であることを特徴とするプローブカード。
  12. 請求項1記載のプローブカードにおいて、
    前記複数の接触端子の前記先端を前記半導体ウエハの前記複数の電極に接触させた時に、前記押圧機構から前記複数の接触端子の各々に加わる荷重は、0.1N以下であることを特徴とするプローブカード。
  13. 請求項12記載のプローブカードにおいて、
    前記半導体集積回路は、前記半導体ウエハ上に層間絶縁膜および配線層をそれぞれ1層以上積層することで形成され、
    前記層間絶縁膜は、CVD法で成膜された酸化シリコン膜に比べて誘電率が低いことを特徴とするプローブカード。
  14. 複数のチップ形成領域を有し、前記複数のチップ形成領域の各々が半導体集積回路と前記半導体集積回路と電気的に接続された複数の電極とを有する半導体ウエハに対し、前記半導体ウエハの前記複数の電極に接触可能な複数の接触端子を有する薄膜プローブシートを対向させて保持し、押圧機構からの荷重によって前記薄膜プローブシートの前記複数の接触端子の先端を前記半導体ウエハの前記複数の電極に接触させて前記半導体集積回路の電気的検査を行うプローブカードの製造方法であって、
    前記薄膜プローブシートは、
    (a)結晶性を有し、平面で、中心を含む第1領域と、前記第1領域を取り囲む第2領域とに区画された第1ウエハを用意する工程、
    (b)前記第1ウエハの第1主面を選択的に異方性エッチングして、前記第1領域に角錐型または角錐台形型の複数の第1穴部を形成する工程、
    (c)前記第1ウエハの前記第1主面上に第1マスキング膜を選択的に形成する工程、
    (d)前記第1マスキング膜をマスクとして、前記第1ウエハの前記第1主面上の前記第1マスキング膜が形成されていない領域に前記複数の第1穴部を埋め込む複数の第1金属膜を形成する工程、
    (e)前記第1マスキング膜を除去した後、前記第1ウエハ上に前記複数の第1金属膜を覆い、前記複数の第1金属膜上で複数の突起部を有する第1絶縁膜を形成する工程、
    (f)前記複数の突起部を除去し、前記第1絶縁膜の表面を平坦化する工程、
    (g)前記(f)工程後、前記第1絶縁膜に前記複数の第1金属膜の各々に達する複数の第1スルーホールを形成する工程、
    (h)前記第1絶縁膜上に前記複数の第1スルーホールを介して前記複数の第1金属膜に接続する複数の第1配線を形成する工程、
    (i)前記第1絶縁膜上に前記複数の第1配線を覆う第2絶縁膜を形成する工程、
    (j)前記第1領域上において、前記第2絶縁膜を薄型化し、かつ表面を平坦化する工程、
    (k)前記(j)工程後、前記第2絶縁膜に前記複数の第1配線の各々に達する複数の第2スルーホールを形成する工程、
    (l)前記第2絶縁膜上に前記複数の第2スルーホールを介して前記複数の第1配線に接続する複数の第2配線を形成する工程、
    (m)前記第2絶縁膜上に前記複数の第2配線を覆う第3絶縁膜を形成する工程、
    (n)前記第1領域上において、前記第3絶縁膜の表面を平坦化する工程、
    (o)前記(n)工程後、前記第1ウエハを除去し前記複数の接触端子を形成する工程、
    を含む工程によって形成され、
    前記第2領域上における前記複数の第1配線および前記複数の第2配線の幅は、前記第1領域上における前記複数の第1配線および前記複数の第2配線の幅よりも大きく形成することを特徴とするプローブカードの製造方法。
  15. 請求項14記載のプローブカードの製造方法において、
    前記(f)工程、前記(j)工程および前記(n)工程における前記平坦化は、研磨もしくはエッチングによって行うことを特徴とするプローブカードの製造方法。
  16. 請求項14記載のプローブカードの製造方法において、
    前記(e)工程もしくは前記(f)工程は、
    (e1)前記第2領域上において、前記第1絶縁膜を薄型化する工程、
    を含むことを特徴とするプローブカードの製造方法。
  17. 請求項14記載のプローブカードの製造方法において、
    前記第2領域における前記第1絶縁膜の膜厚は、前記第1配線および前記第2配線の少なくとも一方のインピーダンス制御ができる膜厚であることを特徴とするプローブカードの製造方法。
  18. 請求項17記載のプローブカードの製造方法において、
    前記複数の第1配線もしくは前記複数の第2配線のうち、インピーダンス制御が必要な配線の上層もしくは下層に配置された前記第1配線もしくは前記第2配線には、前記半導体集積回路の前記電気的検査時に基準電位または電源電位が供給されることを特徴とするプローブカードの製造方法。
  19. 請求項18記載のプローブカードの製造方法において、
    前記インピーダンス制御が必要な配線は、前記複数の第1配線もしくは前記複数の第2配線の一方に集約することを特徴とするプローブカードの製造方法。
  20. 請求項14記載のプローブカードの製造方法において、
    前記複数の接触端子のうち、隣接する2つの配置ピッチは、80μm以下であることを特徴とするプローブカードの製造方法。
  21. 請求項14記載のプローブカードの製造方法において、
    前記複数の電極は、前記複数のチップ形成領域の各々の外周に沿って複数列配置またはグリッドパッド配置されていることを特徴とするプローブカードの製造方法。
  22. 請求項21記載のプローブカードの製造方法において、
    前記複数の電極は、前記複数のチップ形成領域の各々の外周に沿って第1列および第2列を含む複数列で配置され、
    前記第1列に含まれる前記電極と前記第2列に含まれる前記電極とは、前記チップ形成領域の前記外周に沿った方向で互い違いに配置されていることを特徴とするプローブカードの製造方法。
  23. 請求項14記載のプローブカードの製造方法において、
    前記薄膜プローブシートの前記複数の接触端子が対応する前記半導体ウエハの前記複数の電極は、2以上の前記チップ形成領域に渡って形成されていることを特徴とするプローブカードの製造方法。
  24. 請求項14記載のプローブカードの製造方法において、
    前記複数の第1配線と前記複数の第2配線とは、互いに前記第1領域における前記幅と前記第2領域における前記幅とが同じとなるように形成することを特徴とするプローブカードの製造方法。
  25. 請求項14記載のプローブカードの製造方法において、
    前記複数の接触端子の前記先端を前記半導体ウエハの前記複数の電極に接触させた時に、前記押圧機構から前記複数の接触端子の各々に加わる荷重は、均一であることを特徴とするプローブカードの製造方法。
  26. 請求項14記載のプローブカードの製造方法において、
    前記複数の接触端子の前記先端を前記半導体ウエハの前記複数の電極に接触させた時に、前記押圧機構から前記複数の接触端子の各々に加わる荷重は、0.1N以下であることを特徴とするプローブカードの製造方法。
  27. 請求項26記載のプローブカードの製造方法において、
    前記半導体集積回路は、前記半導体ウエハ上に層間絶縁膜および配線層をそれぞれ1層以上積層することで形成され、
    前記層間絶縁膜は、CVD法で成膜された酸化シリコン膜に比べて誘電率が低いことを特徴とするプローブカードの製造方法。
  28. (a)複数のチップ形成領域を有し、前記複数のチップ形成領域の各々が半導体集積回路と前記半導体集積回路と電気的に接続された複数の電極とを有する半導体ウエハを供給する工程、
    (b)前記半導体ウエハの前記複数の電極に接触可能な複数の接触端子を有する薄膜プローブシートと、前記薄膜プローブシートの前記複数の接触端子を前記半導体ウエハの前記複数の電極に接触させるための押圧機構を供給する工程、
    (c)前記押圧機構によって、前記薄膜プローブシートの前記複数の接触端子の先端を前記半導体ウエハの前記複数の電極に接触させて前記半導体集積回路の電気的検査を行う工程、
    を含み、
    前記薄膜プローブシートは、
    平面で、中心を含む第1領域と、前記第1領域を取り囲む第2領域とに区画され、
    前記複数の接触端子上に形成され、かつ、複数の第1スルーホールを有する第1絶縁膜と、
    前記第1絶縁膜上に形成され、かつ、前記複数の第1スルーホールを介して対応する前記複数の接触端子に電気的に接続される複数の第1配線と、
    前記第1絶縁膜および前記複数の第1配線上に形成され、複数の第2スルーホールを有する第2絶縁膜と、
    前記第2絶縁膜上に形成され、かつ、前記複数の第2スルーホールを介して対応する前記複数の第1配線に電気的に接続される複数の第2配線と、
    を有し、
    前記第2領域における前記複数の第1配線および前記複数の第2配線の幅は、前記第1領域における前記複数の第1配線および前記複数の第2配線の幅よりも大きく、
    前記第2領域における前記第2絶縁膜の膜厚は、前記第1領域における前記第2絶縁膜の膜厚より厚いことを特徴とする半導体集積回路装置の製造方法。
  29. 請求項28記載の半導体集積回路装置の製造方法において、
    前記第1領域における前記第1絶縁膜の膜厚は、前記第2領域における前記第1絶縁膜の膜厚より厚いことを特徴とする半導体集積回路装置の製造方法。
  30. 請求項28記載の半導体集積回路装置の製造方法において、
    前記第2領域における前記第1絶縁膜の膜厚は、前記第1配線および前記第2配線の少なくとも一方のインピーダンス制御ができる膜厚であることを特徴とする半導体集積回路装置の製造方法。
  31. 請求項30記載の半導体集積回路装置の製造方法において、
    前記複数の第1配線もしくは前記複数の第2配線のうち、インピーダンス制御が必要な配線の上層もしくは下層に配置された前記第1配線もしくは前記第2配線には、前記半導体集積回路の前記電気的検査時に基準電位または電源電位が供給されることを特徴とする半導体集積回路装置の製造方法。
  32. 請求項30記載の半導体集積回路装置の製造方法において、
    インピーダンス制御が必要な配線は、前記複数の第1配線もしくは前記複数の第2配線の一方に集約されていることを特徴とする半導体集積回路装置の製造方法。
  33. 請求項28記載の半導体集積回路装置の製造方法において、
    前記複数の接触端子のうち、隣接する2つの配置ピッチは、80μm以下であることを特徴とする半導体集積回路装置の製造方法。
  34. 請求項28記載の半導体集積回路装置の製造方法において、
    前記複数の電極は、前記複数のチップ形成領域の各々の外周に沿って複数列配置またはグリッドパッド配置されていることを特徴とする半導体集積回路装置の製造方法。
  35. 請求項34記載の半導体集積回路装置の製造方法において、
    前記複数の電極は、前記複数のチップ形成領域の各々の外周に沿って第1列および第2列を含む複数列で配置され、
    前記第1列に含まれる前記電極と前記第2列に含まれる前記電極とは、前記チップ形成領域の前記外周に沿った方向で互い違いに配置されていることを特徴とする半導体集積回路装置の製造方法。
  36. 請求項28記載の半導体集積回路装置の製造方法において、
    前記薄膜プローブシートの前記複数の接触端子が対応する前記半導体ウエハの前記複数の電極は、2以上の前記チップ形成領域に渡って形成されていることを特徴とする半導体集積回路装置の製造方法。
  37. 請求項28記載の半導体集積回路装置の製造方法において、
    前記複数の第1配線と前記複数の第2配線とは、互いに前記第1領域における前記幅と前記第2領域における前記幅とが同じとなるように形成されていることを特徴とする半導体集積回路装置の製造方法。
  38. 請求項28記載の半導体集積回路装置の製造方法において、
    前記複数の接触端子の前記先端を前記半導体ウエハの前記複数の電極に接触させた時に、前記押圧機構から前記複数の接触端子の各々に加わる荷重は、均一であることを特徴とする半導体集積回路装置の製造方法。
  39. 請求項28記載の半導体集積回路装置の製造方法において、
    前記複数の接触端子の前記先端を前記半導体ウエハの前記複数の電極に接触させた時に、前記押圧機構から前記複数の接触端子の各々に加わる荷重は、0.1N以下であることを特徴とする半導体集積回路装置の製造方法。
  40. 請求項39記載の半導体集積回路装置の製造方法において、
    前記半導体集積回路は、前記半導体ウエハ上に層間絶縁膜および配線層をそれぞれ1層以上積層することで形成され、
    前記層間絶縁膜は、CVD法で成膜された酸化シリコン膜に比べて誘電率が低いことを特徴とする半導体集積回路装置の製造方法。
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JP2009057563A Pending JP2010210463A (ja) 2009-03-11 2009-03-11 プローブカード、プローブカードの製造方法および半導体集積回路装置の製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014160050A (ja) * 2013-01-25 2014-09-04 Kyocera Corp プローブカード用基板およびプローブカード

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