JP5061021B2 - 移植機の苗トレイ送り装置 - Google Patents
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Description
この移植機にあっては、苗トレイを載置して支持する苗載せ台を横送り軸の回転によって苗トレイの横方向に間欠的に移動させ、苗トレイを横方向の一方に横送りする間に苗取出爪によってポット部から苗を1つずつ取り出して畝に苗を植え付ける植付体に送り、横一列のポット部から苗を取り出した時点で、苗トレイをポット部の縦方向の一ピッチ分だけ縦送りし、その後、再び苗トレイを、前記とは反対側に横送りして苗を取り出し、横一列のポット部から苗を取り出した時点で苗トレイを縦送りし、これを繰り返すことで、苗トレイ内の苗をすべて畝に植え付けるようにしている。
また、苗載せ台には、前記縦送りホイールの係合歯に係合してトレイ縦送り方向の回転を規制する縦送り規制具が設けられ、ホロワとロック解除レバーとは連動部材で連動連結されている。
すなわち、従来の移植機にあっては、苗載せ台は前方に行くに従って下方に移行する傾斜状の載置板を有し、この載置板に苗トレイを載置することで該苗トレイが支持され、苗トレイはそのポット部の縦配列方向が載置板の傾斜方向に一致するように載置板に載置され、苗トレイが軽いときには自重によって下方側に滑り落ちようとする力が小さいので縦送り不良となり、苗トレイが重いときには自由落下の速度が速く苗トレイが損傷する原因となっている。
前記係合歯に係合して縦送りホイールのトレイ縦送り方向の回転を規制する縦送り規制具を設け、
縦送りホイールをトレイ縦送り方向に回転させるためのホイール送り部材を設け、
このホイール送り部材がトレイ縦送り方向に回転した際には縦送りホイールを同行回転させ、該ホイール送り部材が復帰する際は縦送りホイールと相対回転するように、ホイール送り部材と縦送りホイールとの間にワンウェイクラッチを設け、
回転するカムと該カムに係合するホロワとを設け、
前記縦送り規制具と縦送りホイールの係合歯との係合を解除し、且つ、その後、縦送りホイールが係合歯の一ピッチ分回転するようにホイール送り部材を回転させると共に縦送り規制具を次の係合歯に係合させるように、カムがホロワを押動する力により作動する縦送り作動機構を設け、
カムがホロワから外れると、ホロワとホイール送り部材とがバネの付勢力によって元の
位置に復帰するように構成し、
前記縦送り作動機構は、カムがホロワを押動する力によりトレイ縦送り方向に回転する縦送りアームと、この縦送りアームがトレイ縦送り方向に回転した際に縦送り規制具に設けた係合部を押圧することにより縦送り規制具と縦送りホイールの係合歯との係合を解除するロック解除部材とを備え、
前記縦送りアームは、縦送り規制具と縦送りホイールの係合歯との係合が解除された後に、ホイール送り部材に係合して該ホイール送り部材をトレイ縦送り方向に回転させることを特徴とする。
また、縦送りアームはカムがホロワから外れるとバネの付勢力によって元の位置に復帰するように構成され、縦送りアームが復帰する際には、縦送り規制具と縦送りホイールの係合歯との係合が解除されないように、ロック解除部材が縦送り規制具の係合部から逃げるように構成されているのがよい。
また、ピッチの異なる係合歯を備えた縦送りホイールを回転軸芯方向に並べて設け、縦送り規制具を縦送りホイールの回転軸芯方向に移動させることにより、異なるピッチの縦送りホイールの1つを使用可能としてもよい。
図8,9において、1は、畝Rの長手方向に移動しながら該畝Rに野菜等のソイルブロック苗2を所定間隔をおいて植え付ける歩行型の移植機である。
なお、本実施形態では、歩行型の移植機を例示しているが、乗用型の移植機であってもよい。
該移植機1は、畝Rを跨いで該畝Rの長手方向に走行する走行体3と、この走行体3の後方側に設けられた移植装置4と、この移植装置4を支持する支持フレーム5と、走行体3を操向する操向ハンドル7と、育苗された苗2を備えた予備の苗トレイTを載せておくための予備苗載せ台8とを備えている。
この苗トレイTには、各ポット部Pに供給された床土に播種して育苗されたソイルブロック苗2が育成されている。
走行体3は、走行機体9と、この走行機体9を走行可能に支持する走行装置10と、走行機体9に搭載されたエンジン11等を有する。
走行装置10は、畝間溝Mを走行する前輪14と、この前輪14を支持する前輪支持アーム17と、前輪14の後方側に配置されたクローラ式走行装置15と、このクローラ式走行装置15を支持する伝動ケース19とを備え、該走行装置10は走行機体9の左右両側に設けられている。
架台13の前端側に設けられた左右方向の軸芯を有する筒状の軸サポート22に、左右方向の軸芯を有する左右一対の前輪支軸23の左右方向内端側が挿入されて該軸サポート22に軸芯回りに回転自在に支持されている。
左右各前輪支軸23の左右方向外端側に左右方向で同じ側にある前輪支持アーム17の取付具20が一体回転自在に外嵌されており、これにより、前輪支持アーム17が軸サポート22に上下揺動自在に支持されている。
そして、左右の前輪支持アーム17と左右の伝動ケース19とを伴に上下に揺動して左右の前輪14と左右のクローラ式走行装置15とを、走行機体9に対して同時に相対的に上下動することにより、走行機体9が接地面に対して昇降するよう構成されている。
メインフレーム26はミッションケース12から後方側に向けて延出されると共に後端側で上方側に向けて延出されている。
操向ハンドル7は、平面視で前方に向けて開放状の略コ字形に形成されており、左右両側部の前端側が左右のメインフレーム26に連結されている。
なお、畝2がマルチフィルムによって被覆されている場合には、植付体31の前方に、マルチフィルムに植付用の孔を形成する穿孔装置が設けられる。
苗載せ台29は、操向ハンドル7の前方側に位置しており、左右の側板33と、左右の側板33間に設けられていて苗トレイTの底部が載置されて該苗トレイTを支持する載置板34とを有する。
苗載せ台29は、支持フレーム5の後部側に設けられた前後一対のスライドレール35に左右方向移動可能に支持されている。
また、苗載せ台29(苗トレイT)はトレイ横送り機構によって、苗トレイTのポット部Pの横方向の一ピッチ分、間欠的に左右方向に往復横送り可能とされ、また、苗載せ台29には、その左右方向の移動域の左右両側の端部において、苗トレイTをポット部Pの縦配列方向の一ピッチ分、下方側に縦送りするトレイ縦送り機構が備えられている。
また、ポット部Pから取り出された苗2は、苗受取り位置に位置する植付体31の上方に移送されて植付体31へと放出可能とされている。
この植付体31は、上下移動範囲の上死点又はその付近の苗受取り位置において閉じた状態で苗取出し装置30から苗2が供給され、内部に苗2を保持した状態で下降すると共に、上下移動範囲の下死点側で畝Rに突入し且つ開くことにより、畝Rに植え穴を形成し、且つ該植え穴に苗2を放出する。
鎮圧輪32は、左右一対設けられていて、畝R上面の苗2の植付け位置の左右両側を転動し、植え穴に投入された苗2の左右両側の土を押圧して植え付けた苗2の株際に土寄せする。
前記苗トレイTを横送りするトレイ横送り機構について説明する。
図10〜12に示すように、苗載せ台29の左右両側方には、前後のスライドレール35に固定された左右の左右サポート部材39が設けられ、この左右サポート部材39間に、苗載せ台29の左右側板33を貫通すると共にエンドレスの螺旋溝を有する横送り軸40が配置され、この横送り軸40は前記サポート部材39側にブラケットや軸受部材等を介して左右軸廻り回転自在に取付けられている。
右側のサポート部材39には伝動ケース42が設けられ、この伝動ケース42内の動力伝達機構には、ミッションケース12から出力されたエンジン11からの動力が入力され、この伝動ケース42内に入力された動力は、該伝動ケース42内の動力伝達機構を経て横送り軸40に伝達されて、該横送り軸40が間欠的に回転駆動されるよう構成されている。
次に、苗トレイTの縦送り機構について説明する。
図1〜7及び図10〜12に示すように、左右側板33間の前下部には、縦送り駆動軸43が左右方向に配置されて左右軸回りに回転自在に設けられており、左右側板33間の後上部には、縦送り従動軸44が左右方向に配置されて左右軸回りに回転自在に設けられており、縦送り駆動軸43には左右一対の駆動スプロケット45が固定され、縦送り従動軸44には左右一対の従動スプロケット46が固定されている。
そして、縦送り駆動軸43が、図10に矢示Aで示す方向に回転することによって駆動スプロケット45が同行回転し、駆動スプロケット45が矢示A方向に回転することによりチェーン47がその上部側が前斜め下方に移動するように周方向に回走して搬送ピン48がポット部Pを前斜め下方側に押動し、苗トレイTが縦送り(苗トレイTのポット部Pの縦配列方向への送りが)可能とされている。
一方、前記横送り軸40の左右両側には、該横送り軸40と一体回転するカム49が設けられ、苗載せ台29には左右側板33にわたる縦送り作動軸50が左右方向の軸芯回りに回転自在に支持され、この縦送り作動軸50にはホロワ51が左右一対設けられ、一方のホロワ51は苗載せ台29(苗トレイT)がその左右移動域の一端側にまで移動したときに一方のカム49に係合し、他方のホロワ51は苗載せ台29(苗トレイT)がその左右移動域の他端側にまで移動したときに他方のカム49に係合し、ホロワ51がカム49に押動されることにより縦送り作動軸50が回転するよう構成されている。
この連動体52は、図6に示すように、縦送り作動軸50と一体回転する駆動側部材53と、縦送り作動軸50と相対回転する被駆動側部材54と、駆動側部材53から被駆動側部材54に駆動力を伝達するコイルスプリング等からなるスプリング55とを有する。
駆動側部材53及び被駆動側部材54は、側壁53a,54aと、該側壁53a,54aの上端から左右方向内方側に延出する上壁53b,54bとを有し、駆動側部材53の側壁53aは被駆動側部材54の側壁54aの外側面後部側に重ね合わされていると共に、駆動側部材53の上壁53bは被駆動側部材54の上壁54b上面に重ね合わされている。
駆動側部材53の側壁53aは縦送り作動軸50の前記ネジ軸部56に一体回転するように係合し、縦送り作動軸50の前記ネジ軸部56は、被駆動側部材54の側壁54aを相対回転するように挿通している。
前記構成の連動体52にあっては、図1の矢示B方向に回転するカム49にホロワ51が押動されると、駆動側部材53が縦送り作動軸50と共に該縦送り作動軸50の軸芯回りに上方側に回転し、駆動側部材53の上壁53bがスプリング55を上方に押動することにより該スプリング55を介してボルト58が上方に持ち上げられ、該ボルト58によって被駆動側部材54が上方に引き上げられる。
また、被駆動側部材54の前部には、前方側に向けて開放状とされたコ字形の(二股状の)嵌合部60が設けられている。
前記縦送り駆動軸43の左端側は苗載せ台29の左側の側板33から突出しており、この突出部分にスプライン軸部61と、該スプライン軸部61から左方に突出する支軸部62とが設けられている。
回転ホイール64は、前記支軸部62に相対回転自在に外嵌されたボス部65と、このボス部65に一体回転自在に外嵌固定されたホイール本体66と、このホイール本体66のクラッチシフタ63対向側に固定状に設けられたシフタ係合部材67とから構成されている。
シフタ係合部材67には、クラッチシフタ63に設けられた噛合部63aに係合する被噛合部67aが設けられ、クラッチシフタ63は、クラッチ操作レバー68の支軸69回りの回転操作によってシフトフォーク70を介して縦送り駆動軸43の軸方向に操作され、クラッチシフタ63の噛合部63aをシフタ係合部材67の被噛合部67aに歯合させることにより、回転ホイール64がクラッチシフタ63を介して縦送り駆動軸43と一体回転し、回転ホイール64が図1の矢示C方向(トレイ縦送り方向)に回転することにより、苗トレイTがポット部Pの縦配列方向前方側(下方側)に移送されるよう構成されている。
したがって、クラッチシフタ63の噛合部63aと回転ホイール64の被噛合部67aとの歯合を解除しておくことにより、例えば、縦送り従動軸44に設けた手動ハンドル24(図11参照)を回すことによって手動で縦送り駆動軸43を回転させることができる。
前記回転ホイール64には2枚の縦送りホイール71(円板状のラック)が一体回転自在に設けられている。
これら縦送りホイール71は、図4に示すように、リング円板状に形成され、回転ホイール64のホイール本体66に左右方向に並設状とされて外嵌固定されている。
各縦送りホイール71の外周には多数の係合歯72が所定ピッチで周方向全周にわたって設けられており、この縦送りホイール71が係合歯72の一ピッチ分、トレイ縦送り方向Cに回転することにより、苗トレイTがポット部Pの縦配列方向に、該ポット部Pの一ピッチ分縦送りされるよう構成されている。
各縦送りホイール71の外周の係合歯72と係合溝73との間は、縦送りホイール71の回転中心(回転ホイール64の回転中心)を中心とする円弧状のガイド部74とされている。
一方の縦送りホイール71と他方の縦送りホイール71とは、その係合歯72のピッチP1,P2が異なる以外は同様に形成されており、一方の縦送りホイール71と他方の縦送りホイール71とは同径に形成されている。
前記回転ホイール64のボス部65には支持筒75が軸芯回り回転自在に套嵌され、この支持筒75にはホイール送り部材76の一端側が固定され、このホイール送り部材76は支持筒75から下方側に向けて延出状とされている。
前記ボス部65と支持筒75との間には一方向にのみ回転動力を伝達するワンウェイクラッチ77が介装されており、このワンウェイクラッチ77によって、ホイール送り部材76がトレイ縦送り方向Cに回転したときには支持筒75,ワンウェイクラッチ77及び回転ホイール64を介して縦送りホイール71が同行回転し、ホイール送り部材76がトレイ縦送り方向Cとは反対側に回転したとき(復帰するとき)には、縦送りホイール71に対してホイール送り部材76が相対回転するよう構成されている。
縦送りホイール71の上方側には縦送りホイール71のトレイ縦送り方向Cの回転を規制する縦送り規制具79が設けられている。
この縦送り規制具79は縦送りホイール71の係合溝73に嵌る係合爪80を備え、この係合爪80が係合溝73に嵌って係合歯72に係合することで縦送りホイール71のトレイ縦送り方向Cの回転が規制される。
そして、縦送り規制具79が枢軸82回りに上方側に揺動することにより、係合爪80が係合溝73から離脱すると共に係合歯72から外れ、縦送りホイール71のトレイ縦送り方向Cへの回転が許容される。
また、縦送り規制具79の、係合爪80とボス81との間には、カム溝85が長手方向に形成されている。
前記位置決め機構86は、ボス81の外周に形成された左右一対の周溝87と、この周溝87に選択的に嵌合して縦送り規制具79を位置決めするボール88と、このボール88を周溝87に向けて付勢するコイルバネからなるバネ部材89と、このバネ部材89及びボール88を保持する保持筒90と、この保持筒90に螺合されたボルト91とを備えている。
なお、前記ブラケット92には、縦送り規制具79の上方側に位置していて、該縦送り規制具79の過度の上方揺動を規制する規制部92aが設けられている。
また、ボス81には、切替レバー93が設けられ、この切替レバー93を把持して、ボス81を左右方向に動かすと、ボール88が一方の周溝87からバネ部材89の付勢力に抗して離脱し、他方の周溝87に嵌合する。
この縦送り作動機構94は、主として、縦送りアーム95と、ロック解除ピン96(ロック解除部材)と、該ロック解除ピン96を支持するロック解除アーム97とを有する。
詳細には、この縦送りアーム95の上下中途部に左右方向の軸芯を有するボス98が設けられ、該ボス98が前記支持筒75に外嵌されることで、縦送りアーム95が支持筒75に回転自在に支持されている。
縦送りアーム95の下部側(縦送り駆動軸43より下方側)には、前側に左右方向の軸芯を有する連動ピン99が設けられ、後側に左右方向の軸芯回りに回転自在に支持された送りローラ100が設けられている。
また、前記送りローラ100には、連動体52の被駆動側部材54の嵌合部60が嵌合している。
縦送りアーム95の縦送り駆動軸43より上方側には、後方側に延出したバネ掛け部102が設けられ、このバネ掛け部102に設けた掛止ピン103に縦送りアーム戻しバネ104の一端側が引っ掛けられ、この縦送りアーム戻しバネ104の他端側は苗載せ台29側に設けられたバネ掛け部に引っ掛けれていて、この縦送りアーム戻しバネ104の付勢力は、縦送りアーム95を縦送り方向Cとは反対側に回転させるように作用し、縦送りアーム95はホイール送り部材76を介して縦送りアーム戻しバネ104の付勢力による縦送り方向Cとは反対側への回転が規制される。
縦送りアーム95の、縦送り駆動軸43より上方側で且つカム溝85より下方側に、ベアリング105を介して支軸106が左右方向の軸芯回りに回転自在に設けられ、この支軸106に前記ロック解除アーム97の一端側が固定され、該ロック解除アーム97の他端側に前記ロック解除ピン96が固定され、このロック解除ピン96はカム溝85を挿通しており、該ロック解除ピン96のカム溝85を挿通した部分にはカラー107が外嵌されている。
また、前記支軸106には、解除アーム戻しバネ109の一端側が引っ掛けられ、この解除アーム戻しバネ109の他端側は前記掛止ピン103に引っ掛けられていてロック解除アーム97を後方側に付勢している。
前記規制具戻しバネ84の付勢力は解除アーム戻しバネ109の付勢力より強い。
カム49は、その頂点49a(回転中心から最も遠い点)に至るまでホロワ51を下方に押動する。
ホロワ51がカム49に押動されると、縦送り作動軸50が回転して連動体52を図1の矢示d方向に揺動させ、連動体52は送りローラ100を介して縦送りアーム95をトレイ縦送り方向Cに回転させる。
このロック解除ピン96によって係合部110が押圧されることにより、縦送り規制具79が押し上げられて、該縦送り規制具79が枢軸82回りに上方揺動して、係合爪80が係合溝73から離脱すると共に係合歯72から外れる。
このとき、ロック解除ピン96(カラー107)が係合部110を押圧する反力によって、ロック解除ピン96はピン挿通孔108の上端に押し付けられるので、ロック解除アーム97は下方に揺動しないようになっている。
係合爪80が係合歯72から外れた後に、連動ピン99はピン挿通孔101の後端に達して連動ピン99がホイール送り部材76を押動する。
ホイール送り部材76が連動ピン99に押動されることにより、該ホイール送り部材76がトレイ縦送り方向Cに回転する。
このように、ホロワ51をカム49が押動する力によって、苗トレイTが縦送りされるので、苗トレイTの重量にかかわらず苗トレイTが確実にしかも所望の速さで縦送りされ、苗トレイTの縦送り不良又は苗トレイTの損傷が生じる惧れがない。
縦送りホイール71がトレイ縦送り方向Cに若干回転すると、図15及び図16に示すように、ロック解除ピン96がカム溝85の係合部110から前方側に外れる(ロック解除ピン96が係合部110を前方側に通り過ぎる)。
このとき、ロック解除ピン96がピン挿通孔108を下方移動すると共にロック解除アーム97が支軸106回りに下方揺動し、縦送り規制具79の下方揺動を許容する。
さらに、縦送りホイール71がトレイ縦送り方向Cに回転すると、ロック解除ピン96がカム溝85内を前方側に移動すると共に、係合爪80が縦送りホイール71のガイド部74上を摺動して次の係合溝73に嵌り、該係合爪80が次の係合歯72に自動的に係合する。
係合爪80が係合歯72に係合すると縦送りホイール71及びホイール送り部材76のトレイ縦送り方向Cの回転が規制され、ホイール送り部材76によって縦送りアーム95のトレイ縦送り方向Cの回転も規制される。
このとき、縦送りホイール71を確実に係合歯72に一ピッチ分トレイ縦送り方向Cに回転させるために、カム49が、まだホロワ51を押動するように構成されている。
これによって、苗トレイTが縦送り不足(縦送り不良)にならないように工夫されている。
カム49の頂点49aがホロワ51から外れると、縦送りアーム戻しバネ104の付勢力によって、縦送りアーム95,ホイール送り部材76及び連動体52が元の位置にもどる。
このとき、係合爪80が係合溝73に係合しているので縦送りホイール71は回転しないと共に、ホイール送り部材76はワンウェイクラッチ77によって縦送りホイール71に対して相対回転する。
さらに、縦送りアーム95が元の位置に復帰するときにおいて、該ロック解除ピン96が係合部110を通過して後方移動するときには、ロック解除アーム97が下方に揺動してロック解除ピン96が係合部110から逃げることにより、縦送り規制具79が上方に揺動する(係合爪80が係合歯72から外れる)ことはない。
前記実施形態の移植機1にあっては、図20に示すように、苗トレイTは苗載せ台29の上部後端側から載置板34に沿って前方(下方)へと装填され、苗載せ台29には、載置板34の傾斜方向中途部から苗2の取出し位置111にかけて、苗トレイTの載置板34からの浮き上がりを防止すべく苗トレイTの左右端部側の上側に位置する押さえ壁112を有するトレイ押さえ部材113が設けられており、苗トレイTの左右の端部側は、苗載せ台29の上部後端側から載置板34の傾斜方向前方側に移動することで、押さえ壁112の下側に入り込むように構成されている。
そのため、従来から、苗載せ台29には、苗2の葉を案内する丸棒材からなる苗ガイド115が設けられている。
この苗ガイド115は、一端側に、前記押さえ部材113の載置板傾斜方向後方において載置板34の上面側にボルト固定される取付部115aが設けられており、この取付部115aから載置板34に沿って後上方に延出された後、載置板34に直交する方向の上方側に立ち上がり、その後、押さえ壁112へと向けて延出されていると共に、押さえ壁112の手前で左右方向内方側に折曲されて押さえ壁112上に載置されている。
前記棒状の苗ガイド115では、苗トレイTの左右の端部側が押さえ壁112の下側に入り込む際において、レタス等の小さい苗2の葉が苗トレイTと押さえ壁112との間に挟まれる場合がある。
そこで、本実施形態にあっては、図21〜23に示すように、レタス等の小苗2の葉が苗トレイTと押さえ壁112との間に挟まれるのを防止する苗はさみ防止ガイド114が設けられている。
苗はさみ防止ガイド114の側壁114aは、苗トレイTの左右方向外側方で且つ苗ガイド115の左右方向内側方に(苗トレイTと苗ガイド115との間に)位置しており、該苗はさみ防止ガイド114の側壁114aの載置板傾斜方向の前部側が押さえ壁112の左右方向内側方に位置していると共に、該苗はさみ防止ガイド114の側壁114aの載置板傾斜方向の前部側が後部側よりも左右方向内方側に位置するように側壁114aが中途部で折曲されている。
前記構成の苗はさみ防止ガイド114により、苗トレイTの左右方向の端部側が押さえ壁112の下側に入る部分の前後において、苗2の左右方向外側方がカバーされる(覆われる)ので、レタス等の小苗2の葉が苗トレイTと押さえ壁112との間に挟まれるのが防止され、これにより、苗トレイTを縦送りする際に葉が引っ張られない、苗トレイTを縦送りする際に苗2を引き抜いてしまわない、苗取り出し時に葉が挟まっていることによる苗取り出しミスの発生を防ぐ等の効果がある。
28 逃がし機構
49 カム
51 ホロワ
52 連動体
71 縦送りホイール
72 係合歯
76 ホイール送り部材
77 ワンウェイクラッチ
79 縦送り規制具
84 規制具戻しバネ
94 縦送り作動機構
95 縦送りアーム
96 ロック解除部材
104 縦送りアーム戻しバネ
110 係合部
C トレイ縦送り方向
P ポット部
P1 係合歯のピッチ
P2 係合歯のピッチ
T 苗トレイ
Claims (5)
- 外周に多数の係合歯(72)が所定ピッチで形成された縦送りホイール(71)を前記係合歯(72)の一ピッチ分回転させることで、苗(2)が育苗されたポット部(P)を縦横に多数有する苗トレイ(T)がポット部(P)の一ピッチ分縦送りされるよう構成し、
前記係合歯(72)に係合して縦送りホイール(71)のトレイ縦送り方向(C)の回転を規制する縦送り規制具(79)を設け、
縦送りホイール(71)をトレイ縦送り方向(C)に回転させるためのホイール送り部材(76)を設け、
このホイール送り部材(76)がトレイ縦送り方向(C)に回転した際には縦送りホイール(71)を同行回転させ、該ホイール送り部材(76)が復帰する際は縦送りホイール(71)と相対回転するように、ホイール送り部材(76)と縦送りホイール(71)との間にワンウェイクラッチ(77)を設け、
回転するカム(49)と該カム(49)に係合するホロワ(51)とを設け、
前記縦送り規制具(79)と縦送りホイール(71)の係合歯(72)との係合を解除し、且つ、その後、縦送りホイール(71)が係合歯(72)の一ピッチ分回転するようにホイール送り部材(76)を回転させると共に縦送り規制具(79)を次の係合歯(72)に係合させるように、カム(49)がホロワ(51)を押動する力により作動する縦送り作動機構(94)を設け、
カム(49)がホロワ(51)から外れると、ホロワ(51)とホイール送り部材(76)とがバネ(104)の付勢力によって元の位置に復帰するように構成し、
前記縦送り作動機構(94)は、カム(49)がホロワ(51)を押動する力によりトレイ縦送り方向(C)に回転する縦送りアーム(95)と、この縦送りアーム(95)がトレイ縦送り方向(C)に回転した際に縦送り規制具(79)に設けた係合部(110)を押圧することにより縦送り規制具(79)と縦送りホイール(71)の係合歯(72)との係合を解除するロック解除部材(96)とを備え、
前記縦送りアーム(95)は、縦送り規制具(79)と縦送りホイール(71)の係合歯(72)との係合が解除された後に、ホイール送り部材(76)に係合して該ホイール送り部材(76)をトレイ縦送り方向(C)に回転させることを特徴とする移植機の苗トレイ送り装置。 - ロック解除部材(96)が縦送り規制具(79)の係合部(110)を通り過ぎた後に、縦送り規制具(79)を縦送りホイール(71)の次の係合歯(72)に係合させるべく、バネ(84)によって縦送り規制具(79)が縦送りホイール(71)に押し付けられるように付勢されていることを特徴とする請求項1に記載の移植機の苗トレイ送り装置。
- 縦送りアーム(95)はカム(49)がホロワ(51)から外れるとバネ(104)の付勢力によって元の位置に復帰するように構成され、縦送りアーム(95)が復帰する際には、縦送り規制具(79)と縦送りホイール(71)の係合歯(72)との係合が解除されないように、ロック解除部材(96)が縦送り規制具(79)の係合部(110)から逃げるように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の移植機の苗トレイ送り装置。
- カム(49)がホロワ(51)を押動した際に、縦送りアーム(95)をトレイ縦送り方向(C)に回転させるべくホロワ(51)の動きに縦送りアーム(95)を連動させる連動体(52)を設け、この連動体(52)に、縦送りアーム(95)のトレイ縦送り方向(C)の回転が規制された際にカム(49)によるホロワ(51)の押動を許容する逃がし機構(28)を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の移植機の苗トレイ送り装置。
- ピッチ(P1,P2)の異なる係合歯(72)を備えた縦送りホイール(71)を回転軸芯方向に並べて設け、縦送り規制具(79)を縦送りホイール(71)の回転軸芯方向に移動させることにより、異なるピッチ(P1,P2)の縦送りホイール(71)の1つを使用可能としたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の移植機の苗トレイ送り装置。
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