JPH1014330A - 野菜移植機の苗取出装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 苗株の葉のからみ付きを防止すること。 【解決手段】 苗トレイを載置する苗載台と、同苗載台
上の苗トレイから苗株を取出す位置と苗株を放出する位
置との間で移動自在に取付けた一対の苗取出爪と、同苗
取出爪の先端側周面に沿って進退して、苗取出爪の苗株
放出位置にて苗株を下方へ押出す苗押出し具と、同苗押
出し具により押出された苗株を受けて、畝上に植付ける
苗植付爪とを具備し、苗押出し具には、一対の苗取出爪
の先端側にそれぞれ遊嵌した一対のリング状の押出し体
と、各押出し体を支持する支持体とを設けた野菜植機に
おいて、苗取出爪に、上記支持体の苗の葉のからみ付き
を防止するからみ付き防止具を取付けると共に、同から
み付き防止具は、上記押出し体の直上方位置にて各苗取
出爪の外周面にそれぞれ遊嵌した筒状のからみ付き防止
体と、両からみ付き防止体を一体的に連結すると共に、
上記支持体と苗の葉との間を仕切る仕切体とを具備し
た。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、野菜移植機の苗取
出装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、野菜移植機の一形態として、苗ト
レイを載置する苗載台と、同苗載台上の苗トレイから苗
株を取出す位置と苗株を放出する位置との間で移動自在
に取付けた一対の苗取出爪と、同苗取出爪の先端側周面
に沿って進退して、苗取出爪の苗株放出位置にて苗株を
下方へ押出す苗押出し具と、同苗押出し具により押出さ
れた苗株を受けて、畝上に植付ける苗植付爪とを具備し
たものがある。

【０００３】そして、苗押出し具は、一対の苗取出爪の
先端側にそれぞれ遊嵌した一対のリング状の押出し体
と、各押出し体を支持する支持体とから形成しており、
各支持体は各苗取出爪に略沿わせて配置している。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上記した野
菜移植機では、各支持体を各苗取出爪に略沿わせて配置
しているために、各押出し板に連結している各支持体の
下端部の部分と、各苗取出爪との間が狭くなって間障が
形成されており、両苗取出爪により挾持した苗の葉が上
記間隙に挾まって、ぶら下がり状態となり、苗植付爪に
苗株が受け渡されず、結果的に畝に欠株が発生するとい
う不具合があった。

【０００５】

【課題を解決するための手段】そこで、本発明では、苗
トレイを載置する苗載台と、同苗載台上の苗トレイから
苗株を取出す位置と苗株を放出する位置との間で移動自
在に取付けた一対の苗取出爪と、同苗取出爪の先端側周
面に沿って進退して、苗取出爪の苗株放出位置にて苗株
を下方へ押出す苗押出し具と、同苗押出し具により押出
された苗株を受けて、畝上に植付ける苗植付爪とを具備
し、苗押出し具には、一対の苗取出爪の先端側にそれぞ
れ遊嵌した一対のリング状の押出し体と、各押出し体を
支持する支持体とを設けた野菜植機において、苗取出爪
に、上記支持体の苗の葉のからみ付きを防止するからみ
付き防止具を取付けると共に、同からみ付き防止具は、
上記押出し体の直上方位置にて各苗取出爪の外周面にそ
れぞれ遊嵌した筒状のからみ付き防止体と、両からみ付
き防止体を一体的に連結すると共に、上記支持体と苗の
葉との間を仕切る仕切体とを具備することを特徴とする
野菜移植機の苗取出装置を提供せんとするものである。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面
を参照しながら説明する。

【０００７】図１及び図２に示すＹは、本発明に係る苗
取出装置Ｃを具備する野菜移植機であり、同野菜移植機
Ｙは、ベースフレーム１の前側上部にエンジン２を搭載
するとともに、同エンジン２に伝動ベルト3aで連動する
発電機３を搭載している。

【０００８】また、エンジン２の後方にミッションケー
ス４を配設し、同ミッションケース４には、左右伝動ケ
ース５，５を上下揺動可能に支持するとともに、同左右
伝動ケース５，５に左右の駆動輪となる後輪６，６を取
付けている。

【０００９】また、前記ベースフレーム１の前部に、左
右支持軸7a,7b を介して左右のアクスルフレーム７，７
を上下揺動可能に支持するとともに、同アクスルフレー
ム７，７に左右の前輪８，８を取付けている。９は、畝
Ｇに沿って転動する一対のガイド輪であり、前記支持軸
7a,7b に遊転可能に支持されている。

【００１０】さらに、ベースフレーム１の後端には、中
間フレーム11を介して後部フレーム12を連設しており、
同後部フレーム12上であって、前記ミッションケース４
の後方に苗載台13を具備する苗供給装置Ａを配設すると
ともに、左右の後輪６，６の間には苗植付装置Ｂを配設
し、さらに、同苗植付装置Ｂの上方には、苗取出爪37を
具備する苗取出装置Ｃを配設している。

【００１１】これら苗供給装置Ａ、苗植付装置Ｂ、苗取
出装置Ｃで移植装置を構成し、苗株ａは、苗供給装置Ａ
の苗トレイ14から苗取出装置Ｃにより取出すと共に、苗
植付装置Ｂに供給して、同苗植付装置Ｂにより畝Ｇに移
植するようにしている。

【００１２】なお、図１中、15は前記苗植付装置Ｂの下
方に設けた覆土輪、16は後部フレーム12の後端に連設し
た操向ハンドル、17は主変速レバー18や株間変速レバー
19を支持する操作盤、20は植付深さ調節レバー、21は左
右サイドクラッチレバー、22は昇降レバーである。

【００１３】また、23は植付クラッチレバーであり、同
レバー23の操作によって移植装置へのエンジン２からの
動力の伝達を入切り操作可能としている。

【００１４】ここで、移植装置についてさらに詳述す
る。

【００１５】苗供給装置Ａは、前記苗載台13の他、同苗
載台13の左側に配設した縦送りチェン24等からなる苗縦
送り機構25と、苗載台13の後部に配設した搬送軸26等か
らなる苗載台横送り機構27とを具備して苗載台13を左右
往復可能に構成するとともに、苗載台13の左右移動終端
時に、同苗載台13に載置した苗トレイ14の縦送りを行う
ように構成している。なお、苗載台横送り機構27は、苗
載台13の右側に配設した横送り駆動ケース29に連動連結
している。

【００１６】苗トレイ14には、多数のセル14a を形成し
ており、同セル14a は、上端開口部より下端底部側に向
けて漸次狭幅状としたポット状に形成している。

【００１７】苗植付装置Ｂは、ミッションケース４に植
付伝動ケース30を介して取付けており、開閉自在な分割
された爪体31a,31b からなるホッパ形の苗植付爪31を具
備している。32は作孔装置、33は作孔体である。

【００１８】苗取出装置Ｃは、左右一対の苗取出爪37,3
7 を具備しており、同苗取出爪37,37 により上記苗供給
装置Ａの左右往復移動する苗載台13上の苗トレイ14から
１株分の苗株ａを取出し、この取り出した苗株ａを、苗
植付装置Ｂの苗植付爪31に放出・供給し、操向ハンドル
16の操作による機体の走行中に、畝Ｇに一定間隔毎に苗
株ａの移植を行うようにしている。

【００１９】図３において、45は、苗取出爪37,37 を駆
動する苗取出爪駆動軸であり、同駆動軸45は、後述する
植付クラッチケース38の出力軸38b に第一伝達チェン42
を介して連動連結している。

【００２０】また、同苗取出爪駆動軸45には、図３に示
すように、ロータリケース51とクランクアーム52とを取
付け、同クランクアーム52の先端には、左右一対の苗取
出爪37,37 を開閉させる開閉カム53を一体的に取付けた
カム軸54を設けている。56は、苗取出爪37を支持する揺
動板である。図４に示す57は、前記した開閉カム53の両
側面に突設した閉カム面で、側面部における他の平坦部
は開カム面58であり、同開カム面58から閉カム面57に至
るまでを上り勾配部59としている。60は下り勾配であ
る。

【００２１】かかる開閉カム面58,57 及び上り・下り勾
配部59,60 には、苗取出爪37を支持する前記した揺動板
56に突出長さ調節自在に設けた爪開閉ねじ体61の内側端
部が摺接し、同ねじ体61が開カム面58に摺接していると
きは苗取出爪37の先端部が開状態となっており、爪開閉
ねじ体61が閉カム面57に摺接すると、苗取出爪37の先端
部が閉状態となる。

【００２２】すなわち、上り勾配部59に開閉ねじ体61が
摺接している状態において、苗取出爪37は閉動作を行
い、閉カム面57では閉じた状態を維持することになる。

【００２３】72は、苗押出操作板であり、同苗押出操作
板70の先端部に苗押出し具73を取付けており、同苗押出
し具73は、左右一対の棒状の支持体73a,73a と、各支持
体73a,73a の先端に取付けたリング状の押出し体73b,73
b とから形成し、各押出し体73b,73b を各苗取出爪16,1
6 の先端側部に遊嵌している。

【００２４】上記した苗供給措置Ａ、苗植付装置Ｂ、苗
取出装置Ｃの駆動は、エンジン２からの出力によるもの
である。

【００２５】すなわち、図２に示すように、ミッション
ケース４の上方に、図示しない植付クラッチを内蔵する
植付クラッチケース38を配設し、ミッションケース４の
出力軸4aに無段変速ベルト39と変速プーリ40とを介して
植付クラッチケース38の入力軸38a とを連動連結してい
る。

【００２６】植付クラッチケース38の出力軸38b には、
第一伝達チェン42を介してカウンター軸43を回転自在に
連結すると共に、同カウンター軸43は第二伝達チェン44
を介して、前記横送り駆動ケース29の入力軸29a に連動
連結している。

【００２７】また、前述したように、上記第一伝達チェ
ン42を介して、植付クラッチケース38の出力軸38b に苗
取出爪駆動軸45を連動連結し、同駆動軸45により苗取出
爪37を作動させるようにしている。

【００２８】上記のような構成において、本発明の要旨
は、前記した左右一対の苗取出爪37,37 に苗の葉Ｎのか
らみ付きを防止するためのからみ付き防止具74を取付け
たことにあり、以下に、からみ付き防止具74につい図３
〜図５を参照しながら説明する。

【００２９】すなわち、からみ付き防止具74は、図３〜
図５に示すように、上記押出し体73b,73b の直上方位置
にてそれぞれ遊嵌した筒状のからみ付き防止体74a,74a
と、両からみ付き防止体74a,74a を一体的に連結すると
共に、上記支持体73a,73a と苗の葉Ｎとの間を仕切る前
後一対の仕切体74b,74b とから形成している。73c は、
からみ付き防止具74の上方への移動を規制する規制片で
ある。

【００３０】そして、各押出し体73b,73b に連結してい
る各支持体73a,73a の下端部の部分と、各苗取出爪37,3
7 との間が狭くなって形成される間隙t が、一対のから
み付き防止体74a,74a と仕切体74b,74b とにより閉塞さ
れて、苗押出し作動時に苗の葉Ｎが上記間隙ｔに挾まる
ことがないようにしている。

【００３１】図６は、第二実施例としてのからみ付き防
止具74を示しており、同からみ付き防止具74は、筒状の
からみ付き防止体74a を苗押出し具73の支持体73a の先
端に取付体74b を介して取付けて、同からみ付き防止体
74a を押出し体としても機能させている。

【００３２】このようにして、からみ付き防止体74a を
押出し体としても機能させることにより、苗押出し作動
時に苗の葉Ｎが苗取出爪37と、苗押出し具73の支持体73
a との間に形成される間隙に挾まらないようにしてい
る。

【００３３】図７は、第三実施例としてのからみ付き防
止具74を示しており、同からみ付き防止具74は、左右一
対の筒状のからみき防止体74a,74a を、それぞれ苗取出
爪37と支持体73a と押出し体73b の外周に遊嵌し、両か
らみ付き防止体74a,74a を連結片74c により連結すると
共に、各からみ付き防止体74a の下部に係止孔74d を形
成して、同係止孔74d を介して押出し体73b にからみ付
き防止体74a を係止している。

【００３４】このようにして、からみ付き防止体74a に
より苗取出爪37と支持体73a と押出し体73b とを一緒に
囲繞することにより、苗取出爪37と支持体73a との間に
形成される間隙ｔを閉塞して、同間隙ｔに苗の葉Ｎが挾
まらないようにしている。

【００３５】

【発明の効果】本発明によれば、次のような効果が得ら
れる。

【００３６】すなわち、本発明では、苗押出し具の支持
体に苗の葉がからみ付くのを防止するためのからみ付き
防止具を設けると共に、同からみ付き防止具は、上記押
出し体の直上方位置にて各苗取出爪の外周面にそれぞれ
遊嵌した筒状のからみ付き防止体と、両からみ付き防止
体を一体的に連結すると共に、上記支持体と苗の葉との
間を仕切る仕切体とを具備しているために、各押出し部
に連結している各支持体の下端部の部分と各苗取出爪と
の間が狭くなって形成される間隙が、一対のからみ付き
防止体と仕切体とにより閉塞されて、苗の葉が上記間隙
に挾まることがなくなり、確実に苗株を苗植付爪に受け
渡すことができて、欠株の発生を防止することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る野菜移植機の側面図。

【図２】同野菜移植機の平面図。

【図３】苗取出装置の正面説明図。

【図４】同苗取出装置の側面説明図。

【図５】からみ付き防止具の斜視説明図。

【図６】第二実施例としてのからみ付き防止具の正面
図。

【図７】第三実施例としてのからみ付き防止具の正面
図。

【符号の説明】

Ｙ 野菜移植機 ａ 苗株 b1 上端開口部 b2 下端底部 b3 テーパ側壁 14 苗トレイ 31 苗植付爪 37 苗取出爪

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 蔵屋 芳明 大阪府大阪市北区茶屋町１番32号 ヤンマ ー農機株式会社内 (72)発明者 大垣 洋三 兵庫県尼崎市猪名寺２丁目18番１号 株式 会社神崎高級工機製作所内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 苗トレイを載置する苗載台と、同苗載台
   上の苗トレイから苗株を取出す位置と苗株を放出する位
   置との間で移動自在に取付けた一対の苗取出爪と、同苗
   取出爪の先端側周面に沿って進退して、苗取出爪の苗株
   放出位置にて苗株を下方へ押出す苗押出し具と、同苗押
   出し具により押出された苗株を受けて、畝上に植付ける
   苗植付爪とを具備し、苗押出し具には、一対の苗取出爪
   の先端側にそれぞれ遊嵌した一対のリング状の押出し体
   と、各押出し体を支持する支持体とを設けた野菜植機に
   おいて、 苗取出爪に、上記支持体の苗の葉のからみ付きを防止す
   るからみ付き防止具を取付けると共に、 同からみ付き防止具は、上記押出し体の直上方位置にて
   各苗取出爪の外周面にそれぞれ遊嵌した筒状のからみ付
   き防止体と、両からみ付き防止体を一体的に連結すると
   共に、上記支持体と苗の葉との間を仕切る仕切体とを具
   備することを特徴とする野菜移植機の苗取出装置。