この発明の一実施例として移植機の一例である野菜移植機を図面に基づき詳細に説明する。この野菜移植機1は、走行車輪2・3を有する走行部1aによって畝Uを跨いだ状態で機体を進行させながら、供給装置4・植付装置5等からなる植付部1bでトレイ内の移植株を畝Uの上面に植付ける構成となっている。作業者は、畝U間を歩きながら機体後方に設けた操縦ハンドル6で適宜機体を操向操作する。以下、各部の構成について説明する。
走行部1aは、走行部ミッションケース7の前部にエンジン9が配置されている。エンジン9の左側面部には該エンジンの動力で駆動する油圧ポンプ10が設けられている。また、エンジン9の上側には燃料タンク11等が設けられ、その上部をボンネット12が覆っている。走行部ミッションケース7の背面部に側面視長方形の左右に長い連結フレーム13が一体に設けられており、この連結フレームの背面右端部に走行部1aと操縦ハンドル6をつなぐメインフレーム14の前端部が固着連結されている。メインフレーム14は、後方に延び、途中で斜め上向きに湾曲し、そのまま植付部1bの後方位置まで延びている。そして、その後端部に操縦ハンドル6の前端部が回動調節自在に取り付けられており、操縦ハンドル6の左右グリップ6aは高さ調節できるようになっている。
走行部ミッションケース7の左右側面から突出する左右回動筒部15に左右走行伝動ケース16が一体に取り付けられ、その走行伝動ケースの先端部に駆動走行車輪である左右後輪2が軸支されている。また、エンジン9の下側に前後方向のピボット軸17aを中心に揺動自在に設けた前輪支持フレーム17の左右両端部に左右前輪支持ロッド18が高さ調節可能に取り付けられ、該ロッドの下端部に各々従動走行車輪である左右前輪3が軸支されている。
走行部1aには機体に対し左右後輪2を上下動させて機体位置を制御する機体制御機構が設けられている。この機体制御機構は、走行部ミッションケース7の上に配置した油圧バルブユニット20から後方に向けて昇降シリンダ21が設けられ、該シリンダのピストンロッドの先端部に天秤杆22が上下方向の軸まわりに回動自在に取り付けられている。ピストンロッドは、前後両端が油圧バルブユニット20とメイフレーム14に取り付けた取付部材23とに支持されたガイド軸24に沿って摺動するようになっている。天秤杆22の左右両端部と、左右回動筒部15に固着した左右スイングアーム25とが、左右連結ロッド26を介して連結されている。左側の連結ロッド26は、ローリングシリンダ27が組み込まれており、該シリンダを伸縮作動させることにより長さを変えられるようになっている。
昇降シリンダ21及びローリングシリンダ27は、前記油圧ポンプ10から供給される作動油を油圧バルブユニット20内の制御バルブ(図示せず)で制御して作動させられる。昇降シリンダ21を伸縮作動させると、左右の後輪2が同方向に同量だけ機体に対し上下動し、機体が昇降する。また、ローリングシリンダ27を伸縮作動させると、左右の後輪2が逆方向に同量だけ機体に対し上下動し、機体が左右に傾斜する。
植付部1bは、前記連結フレーム13の上面に走行部ミッションケース7から伝動される植付部ミッションケース30の下部が固着され、該植付部ミッションケース30の上部に第一植付伝動ケース31の基部が固着され、更に該第一植付伝動ケース31の先端部に第二植付伝動ケース32の基部が固着されている。そして、第一植付伝動ケース31と第二植付伝動ケース32に後述する植付装置5の各作動機構が連結されており、この第一植付伝動ケース31と第二植付伝動ケース32にて植付装置5への植付駆動伝動系D1が構成されている。植付装置5の後記植付具42は、走行部1aの後部側に配置している。また、植付部ミッションケース30の上部に基部を固着したフレーム34に、育トレイが載せられる予備載台36が取り付けられている。
図3に示すように、植付部ミッションケース30の入力軸30aは該ケースの下端部から前方に突出しており、これを走行部ミッションケース7のPTO取出部7aに挿入することにより、該PTO取出部内の走行部側の軸に伝動連結するようになっている。また、植付部ミッションケース30は、前記連結フレーム13にボルト35…によって着脱自在に取り付けられている。このため、ボルト35…を外し、PTO取出部7aから入力軸31aを抜くことにより、走行部1aから植付部1bごと取り外せることができ、植付部1bのメンテナンスが容易に行える。
側面視において、植付部ミッションケース30は連結フレーム13から後方上向きに設けられ、且つ第一植付伝動ケース31は植付部ミッションケース30の上端部から後方下向きに設けられ、且つ第二植付伝動ケース32は第一植付伝動ケース31の下端部から水平方向に設けられている。この構成とすることにより、機体の前後長を必要以上に長くすることなく、第二植付伝動ケース32の下側に前記天秤杆22が移動するためのスペースが確保されている。
供給装置4は、メインフレーム14の上方後方側に配置されており複数個のソイルブロック苗等の移植株Sを縦方向と横方向とに多数収容したトレイTを後側が高くなるように傾斜して載置支持すると共に、縦及び横方向に間欠移動するトレイ供給装置40と、このトレイ供給装置40の前方側に配置されていて取出爪41によって前記トレイTから移植株を一つずつ取出して植付具42へと搬送する取出装置43とから構成されている。
尚、トレイTは、薄肉に形成されて可撓性を有するプラスチック製で、縦方向及び横方向に所定のピッチで碁盤目状に配列された多数のポット部Pを有し、ポット部Pの開口縁部が互に平面状に連結されて成型されている。そして、ポット部Pに充填した床土に播種し育苗することで、ソイルブロック苗等の移植株Sが育成されている。
取出装置43は、前記取出爪41を具備すると共に、この取出爪41を駆動させる爪駆動機構44を有する。取出爪41は左右一対の先端が尖った丸棒材で構成されており、先端側ほど相互に近接するように設けられている。爪駆動機構44は、取出爪41をトレイTと植付具42との間で取出爪41を姿勢変更しながら往復駆動させるもので、一対の取出爪41が取付けられる爪支持体45と、一対の取出爪41の進退を案内する爪案内体46と、前記爪支持体45及び爪案内体46をそれぞれ長手方向往復動自在に支持する支持具47とを具備している。
この爪駆動機構44は、メインフレーム14と植付部ミッションケース30との間に両端が固定された連結フレーム48に下端が溶接固定された板材からなる支持体49に取付けられた伝動ケース50に取付支持されている。この伝動ケース50は、左右両側に突出する入力軸51と右側に突出する出力軸52とを備えており、入力軸51の右側先端に設けた受動スプロケット53と前記植付部ミッションケース30の右側に突出する駆動軸54の先端に設けた駆動スプロケット55との間に駆動チェーン56を設けて、エンジン9からの動力が伝達される。この入力軸51の右側先端に設けた受動スプロケット53と植付部ミッションケース30の駆動軸54の駆動スプロケット55と両スプロケット53・55の間に設けた駆動チェーン56にて、取出装置43への移植株取出し駆動伝動系D2が構成されている。そして、前記出力軸52は、歯車伝動機構を介して入力軸51に連動連結されており、この出力軸52によってトレイ供給装置40が駆動される。
前記入力軸51の伝動ケース50の左側に突出した先端にはクランク57が設けられ、このクランク57にクランクピン58が側方に突設され、また、入力軸51には、クランク57と同軸心で駆動カム59が設けられている。伝動ケース50の左側下部には、揺動アーム60の下部が揺動軸61を介して左右軸廻りに回動自在に枢結されており、この揺動アーム60の中途部には上下方向(アーム長手方向)に延びる溝カム62が形成され、この溝カム62には、クランク57のクランクピン58に外嵌されたローラ63が挿通係合されている。
揺動アーム60の上部には支持具47がピン64を介して枢結され、この支持具47は、パイプ製の爪支持体45を軸方向移動自在に挿通案内する筒部47aを備えており、前記爪支持体45がトレイTに向かって出退可能とされている。また、この爪支持体45の先端部に、ポット部P内の移植株Sのブロック土に斜め方向から突き刺される前記一対の取出爪41が取付けられている。
また、伝動ケース50の上面には板状の支持部材65がボルトにより取付固定され、支持具47にはブラケット66を介して遊転自在にローラ67が取付けられ、このローラ67は、支持部材65にピン68を介して揺動自在に取付けられた案内板69に形成されたカム溝70に係合されている。前記案内板69は下方への突出腕の先端に転動ローラ71を有し、この転動ローラ71は駆動カム59上に当接されていて、駆動カム59の図5で反時計方向の回転により案内板69をピン68を中心として揺動可能にしている。また、案内板69は、支持部材65との間に介装されたスプリング72によって、ローラ71が駆動カム59に押し付けられる方向に付勢されている。
爪支持体45の基端部に設けた基体73と、爪支持体45を内嵌保持する支持具47の筒部47aとの間には、爪支持体45を後退させる方向に付勢するコイルスプリング74が介装されており、爪支持体45の前端部には爪取付具75が嵌合固定されている。この爪取付具75に一対の取出爪41の基部がそれぞれ軸76を介して枢支されており、一対の取出爪41は爪取付具75に対して先端が遠近移動するように揺動可能になっている。
支持具47の下端部には、押出リンク77がピン78を介して回動自在に枢結されている。この押出リンク77の先端部には長溝79が形成され、爪取付具75の突出腕に設けたピン80と係合されている。押出リンク77には、クランク57のクランクピン58と当接可能な略円弧状のカム板81が設けられている。前記爪支持体45・基体73及び爪取付具75には、前記爪案内体46が長手方向摺動自在に挿入され、該爪案内体46は丸棒等で形成されていて、その前端に取出爪41を挿通案内する案内孔を備えた案内部82が設けられ、後端に側面視L字状の作動部材83が装着され、中途部に止め具84が固着され、この止め具84と基体73との間にコイルスプリング85が圧縮状に嵌装されている。
前記支持具47には作動片86が枢支され、スプリングによって図5で時計方向に付勢されており、この作動片86は1本の足と両腕とを有する略T字形状であり、一方の腕にはロック部86aが、他方の腕には解除部86bが、足には押動部86cが形成されている。前記爪案内体46に固着の作動部材83は爪案内体46と平行な部分を有し、この平行部分は支持具47によって回り止め状態で摺動が案内されており、その摺動面に突出した前記作動片86のロック部86aと係合して、爪案内体46の突出方向の移動が規制されている。
前記爪支持体45の後端の基体73にはロックアーム87が枢支されており、このロックアーム87はスプリングによって図5で時計方向に付勢されており、先端部に支持具47の係合部88と係合可能な鉤部89が形成されている。前記構成において、図5に示す状態から、入力軸51が反時計方向に回転すると、クランク57が同行回転してクランクピン58に嵌合されたローラ63がカム板81を押動して押出リンク77がトレイT側へと揺動され、これによって、図5に示すように、支持具47に対して爪取付具75及び爪支持体45がトレイT側へ向けて押動され、コイルスプリング74,85を圧縮する。これにより、取出爪41は突出して移植株Sのブロック土を突き刺し、かつ爪支持体45が後退するための復元力が保有されることになる。
尚、取出爪41が突出して移植株Sのブロック土を突き刺す際にあっては、取出爪41が案内部82の案内孔に規制されて、左右の取出爪41の先端間距離が狭められながら該取出爪41がブロック土に突き刺されるように構成されている。また、爪支持体45は突出した状態でロックアーム87の鉤部89が支持具47の係合部88と係合することによりその状態が保持され、揺動アーム60及び案内板69は揺動しない。
この状態から、さらに入力軸51が反時計方向に回転すると、ローラ63が揺動アーム60の溝カム62内を摺動することで揺動アーム60が揺動軸61廻りにトレイTから離反する方向に揺動して、爪支持体45,爪案内体46及び支持具47と共に取出爪41がトレイTに対して後退し、移植株Sのブロック土がポット部Pから取り出される。
その後、さらに入力軸51が反時計方向に回転すると、爪支持体45,爪案内体46及び支持具47と共に取出爪41がトレイTから離反する方向に移動すると共に、ローラ67がカム溝70の前上がり状部分を摺動して、取出爪41等が略下向き姿勢に変更し、移植株Sを下向き姿勢にすると共に、移植株Sを植付具42の前部上方に位置させる。
そして、取出爪41が略下向き姿勢にされた状態に移動してきたときに作動片86の押動部86cが支持部材65に位置調節自在に設けたロック解除部材と当接する。作動片86が回動されると、まず作動片86のロック部86aによる作動部材83に対するロックが解除され、スプリング85の付勢力により爪案内体46が突出して、取出爪41に保持されている移植株Sを取出爪41から押し出し離脱させ、植付具42に上方から落下投入する。その後にさらに作動片86が回動すると、解除部86bによりロックアーム87を押し上げて鉤部89と係合部88との係合が解除され、コイルスプリング74の付勢力により爪案内体46を伴って爪支持体45が後退する。
その後は、入力軸51の、図5の反時計方向の回転によって、図5に示す状態に移動し、前記作動を繰り返す。トレイ供給装置40は、トレイTを載置する載台90を備えており、この載台90は、左右方向に配置された上下一対の案内レール91a・91bに左右方向移動自在に支持されている。この上案内レール91aは、メインフレーム14の後端に固着された横フレーム92と左右上連結体93にて連結支持されており、下案内レール91bは、第二植付伝動ケース32と支持体49と各々左右連結体94にて連結支持されている。そして、上下一対の案内レール91a・91bは、その左右端を左右縱フレーム95にて連結しており、平面視で矩形状の強度の強いフレーム構成になっている。
また、載台90はトレイTの底部を横一列のポット部Pに亘って支持する載置板96を有し(従って、この載置板96の上面がトレイTを載置支持する載置面96aとされている)、この載置板96は左右方向に対向配置された一対の側板97間に配置されていて、載置板96の左右端部が左右側板97の対向面(左右方向内面)に固定されている。
左右側板97間上部には、縦移動軸99が左右方向に配置されて設けられており、また、トレイTの縦方向(上下方向)のポット部P間の間隙に係合する後述の送りロッド221を備える送り具215が取付けられている。したがって、トレイTが送りロッド221によって押動されて縦移動可能とされている。尚、左右の側板97は前記縦移動99以外に他の連結部材によって連結されている。
このトレイ供給装置40には、トレイTの縦横の寸法が同じで且つポット部Pの開口の大きさは異なるがポット部Pの開口間の間隔が略同じ(即ち、縦横の配列方向のポット部Pの中心間のピッチ及びポット部Pの数の異なる)2種類のトレイTが装着されるようになっている(後述)。
載台90の載置板96の上端部には、樹脂材にてスノコ状に形成した平板よりなる延長載部300が回動自在に設けられている。即ち、載置板96の上端部に設けた回動支点軸301に延長載部300の基部が回動自在に装着されており、載置板96のトレイTを載置する載置面96aの延長線上に位置する傾斜状態Z1と載置面96aの延長線から前方に折れ曲がった前方傾斜状態Z2とに姿勢変更自在に設けられている。そして、この延長載部300に一体に設けたアーム302と後述の(供給装置4及び植付装置5へ伝動する植付クラッチの入・切操作と機体の昇降操作をする)植付昇降レバー203とを操作ワイヤ303にて連結し、機体旋回の為に植付昇降レバー203にて植付クラッチの切操作又は機体の上昇操作をすると、操作ワイヤ303を介して延長載部300を載置板96の載置面96aの延長線上に位置する傾斜状態Z1から載置面96aの延長線から前方に折れ曲がった前方傾斜状態Z2に姿勢変更するように連係している。
304は載台90の載置板96の上端部の左右両側に各々設けた左右トレイ受け具であって、載置板96の上端部の左右両側位置で各々上方に延びて内側に折れ曲がった形状をしており、この内側に折れ曲がった部分でトレイTの左右両側の移植株が無い側部上面を支持できる構成となっている。即ち、延長載部300を載置板96の載置面96aの延長線上に位置する傾斜状態Z1から載置面96aの延長線から前方に折れ曲がった前方傾斜状態Z2に姿勢変更した時に、左右トレイ受け具304がトレイTの左右両側部を支えて、トレイTが前方に倒れたり折れ曲がったりして移植株が損傷することを防止する。
305は延長載部300の前方傾斜状態の角度を規制する調節ボルトであって、該調節ボルト305の先端が延長載部300に一体に設けたアーム302と接当することによって、延長載部300の前方傾斜状態Z2の角度を規制する。即ち、調節ボルト305をアーム302側に突出させるほど、延長載部300の前方傾斜状態Z2に姿勢変更した時に調節ボルト305の先端がアーム302に接当するのが早くなり、前方傾斜状態の角度が小さくなる。柔らかい素材で形成されたトレイTの場合は、延長載部300の前方傾斜状態の角度を大きくすると、トレイTが前方に折れ曲がってしまい移植株を傷めるので、調節ボルト305を調節して、延長載部300の前方傾斜状態の角度を小さくする。
上記のように機体の旋回時に植付昇降レバー203にて植付クラッチの切操作又は機体の上昇操作をすると、操作ワイヤ303を介して延長載部300を載置板96の載置面96aの延長線上に位置する傾斜状態Z1から載置面96aの延長線から前方に折れ曲がった前方傾斜状態Z2に姿勢変更するから、操縦ハンドル6の左右グリップ6aを握って機体後部を押し下げて機体の旋回操作をする作業者の方に向かって延びている延長載部300が前方に向けて自動的に姿勢変更する為、作業者は延長載部300が邪魔にならず作業性良く旋回作業が行える。
尚、上記実施例では、植付昇降レバー203にて植付クラッチの切操作又は機体の上昇操作をすると、操作ワイヤ303を介して延長載部300を載置板96の載置面96aの延長線上に位置する傾斜状態Z1から載置面96aの延長線から前方に折れ曲がった前方傾斜状態Z2に姿勢変更するように連係した例を示したが、操縦ハンドル6の基部に歪センサを設けて、機体旋回時に作業者が操縦ハンドル6の左右グリップ6aを握って機体後部を押し下げて機体の旋回操作をすると、該歪センサがこの機体後部を押し下げて機体の旋回操作を行なうことにより歪を検出し、該検出に基づいて電動モータにて延長載部300を載置板96の載置面96aの延長線上に位置する傾斜状態Z1から載置面96aの延長線から前方に折れ曲がった前方傾斜状態Z2に姿勢変更するように構成しても良い。
ここで前記トレイTの横移動機構について説明すると、載台90の左右両側方に配置されて左右縱フレーム95に取付支持された左右軸受部材104間に、左右側板97を貫通すると共に同ピッチで切られた左右ネジの谷部を結合した特殊ネジ(ナピヤネジ)が形成された横移動軸105が左右軸廻り回転自在に支持され、この横移動軸105には、その軸上の特殊ネジに係合するスライダ106が外嵌されている。このスライダ106は、載台90の載置板96の背面に設けられた左右一対の係合片107に係合されている。
前記横移動軸105には、出力軸52から伝動ケース108内の巻掛け伝動機構108aを経て動力が伝達されて、該横移動軸105が間欠的に回転駆動され、横移動軸105を間欠的に回転駆動すると、スライダ106が間欠的に左右方向に移動すると共に横移動軸105に形成されたネジの端部で折り返して、載台90が左右方向に往復移動されるようになっている。この伝動ケース108内の巻掛け伝動機構108aにて載台駆動系D3が構成されている。
そして、横移動軸105は、取出爪41によって移植株Sをポット部Pから取出す際にあっては停止されており、移植株Sをポット部Pから取出した後に回転して、ポット部Pの横配列方向(左右方向)に1ピッチだけ載台90を移動させるように間欠回転するように構成されている。尚、選択的に使用される2種類のトレイTのポット部Pの横方向のピッチに対応した横移動量を選択できるように、伝動ケース50内で横移動量が切換え可能とされている。
次に、トレイTの縦移動機構について説明すると、横移動軸105とともに回転する縦移動作動軸110に左右のアーム111,111を設け、それぞれ先端に後述の送り具215に作用可能に左右一対の牽制ローラー216,216が備えられている。
そして、載台90が左右の端部まで移動したときに、縦移動作動軸110の対応する方の牽制ローラー216,216が送り具215に作用することによりトレイTをポット部Pの縦配列方向(左右方向に直交する配列方向)にポット部Pの1ピッチだけ移送する。
これによって、横一列のポット部Pからのソイルブロックの移植株Sの取出しを終えた時点で、トレイTがポット部Pの縦方向の間隔に相当する分縦移動されるようになっている。トレイTの移植株Sが取り出された後の部分は、載置板96の下面側へと折り返されるようになっており、図7及び図9に示すように、載台90の下部は、円弧状に形成されていて、トレイTを案内する案内部材114が、左右両端側及び中央部に取付固定されている。
310は横移動軸105を駆動回転して載台90を左右移動させる電動モータで、操作パネル202に設けて供給スイッチ311を押すと、作動して横移動軸105を駆動回転して載台90を左右一側端(例えば、機体左右中心とオフセットした操縦ハンドル6と機体左右方向で反対側の位置)に向けて、案内レール91aに設けた載台移動端検出センサ312により載台90が左右一側端にまで移動したことを検出するまで移動させる。
従って、載台90にトレイTを載せて移植作業を開始する際に、該供給スイッチ311を押すと、載台90は左右一側端(例えば、機体左右中心とオフセットした操縦ハンドル6と機体左右方向で反対側の位置)まで移動して停止するので、移植作業開始時に必ずトレイTの端の移植株から取出装置43が移植株を取出すことができ、移植株を無駄にすることなく、且つ、作業性良く移植作業が行える。
また、機体旋回時に(植付昇降レバー203にて植付クラッチの切操作又は機体の上昇操作をすると)電動モータ310を作動させて、載台90を機体左右中心とオフセットした操縦ハンドル6と機体左右方向で反対側の端位置まで移動させ、旋回が終了すると(植付昇降レバー203にて植付クラッチの入操作又は機体の下降操作をすると)電動モータ310が作動した分だけ逆作動して載台90を元の位置に戻すように構成すると、機体の旋回時に操縦ハンドル6の左右グリップ6aを握って機体後部を押し下げて機体の旋回操作をする作業者の方に向かって延びている延長載部300が操縦ハンドル6と左右方向で機体の反対側に移動するので、操縦ハンドル6前方に載台90がなくなり、作業者は延長載部300が邪魔にならず作業性良く旋回作業が行える。
更に、傾斜地での旋回時において、機体左右傾斜検出用の振り子200にて検出した圃場面の高い側に電動モータ310を作動させて載台90を移動する構成にすると、バランス良く機体の旋回が行えて、旋回作業が容易に行なえる。
左右両側の案内部材114には、それぞれトレイTのポット部Pの底部が載置板96から離反する方向に移動する(浮き上がる)のを防止すべくトレイT上面の左右側縁側を押さえる押さえ部材115が設けられている。この押さえ部材115は弾性変形自在な鋼棒材を折曲して形成されており、基部側115aが案内部材114に取付固定され、中途部がトレイTの上面に接当してこれを弾圧し(単に接当するだけでもよい)、先端側はトレイTから離反するように構成されている。
左右各押さえ部材115の、トレイT縦移動方向後方側には、トレイTの載置面96aから離反する方向の移動を規制する規制手段116が配置されている。この規制手段116は、弾性変形自在な鋼棒材を折曲して形成され、中途部がトレイTの上面左右側縁側に接当する押さえ部116aとされ、一端側が押さえ部116aをトレイT側に弾圧させるように側板97に取り付けられる取付部116bとされ、他端側がアーチ状に形成されたつまみ部116cとされている。
前記取付部116bは、ボルト93によって側板97に回動自在に取り付けられており、押さえ部116aがトレイTの載置面96aから離反する方向の移動を規制する規制姿勢(図9乃至図12に実線で示す)から、つまみ部116cを把持して押さえ部116aを引き上げると共に取付部116b廻りに規制手段116を左右方向外方に回動させることで、トレイTが載置板96上に垂直方向から載置可能とされる退避姿勢(図12に仮想線で示す)へと、規制手段116が姿勢変更自在とされている。
前記載台90の載置板96には、右側(左側でもよい)の規制手段116の近傍に位置してトレイTの通過を検出する検出手段117が設けられている。この検出手段117は、トレイTの右端側のポット部Pの底部に接当する接当部材118と、この接当部材118をポット部P側へと付勢する付勢部材119と、マイクロスイッチ等の接触センサ120とから構成されている。
接当部材118は、トレイ縦移動方向後方側が載置板96の下面側に固定された支持部材121に支軸122を介して左右軸廻りに回動自在に支持されていて、載置板96に形成した開口部123を介して載置板96の載置面96a側に出退自在に突出可能とされている。また、接当部材118には載置板96の下面に接当して、接当部材118の突出方向(開口部123からトレイT側に突出する方向)の回動を規制するストッパ124が固定されて設けられている。
付勢部材119は、バネ板等から形成されており、トレイ縦移動方向後方側が支持部材121に固定され、トレイ縦移動方向前方側が接当部材118の下面に接当しており、その弾性力によって接当部材118を突出方向に付勢している。接触センサ120は支持部材121に取付固定されており、その接触子120aが付勢部材119の中途部に接触している。
従って、接当部材118は、図9に仮想線で示すようにトレイTが検出手段117上を通過している間は、ポット部Pによって押圧されて載置板96の下面側へと退避して、付勢手段119を介して接触センサ120の接触子120aを押圧し、トレイTの存在を検出する。そして、図9に実線で示すように、トレイTが検出手段117上を通過すると、最後部のポット部Pが接当部材118から離反し、付勢部材119によって接当部材118が載置面96a側に突出すると共に、接触センサ120の接触子120aの押圧が解除されて、トレイTが検出手段117から離反したこと、すなわちトレイTの通過を検出する。
尚、検出手段117がトレイTの通過を検出すると、その検出信号によって、ブザー、ランプ等からなる報知手段が作動され、トレイTを補給しなければならないことを作業者に報せる。また、図例では(図9)、ポット部Pの縦配列方向の後から2つ目のポット部Pが、取出爪41による取出し位置にきたときに、検出手段117がトレイTの通過を検出し、トレイTを補給するようになっているが、これよりもポット部Pの縦配列方向後方側でトレイTの通過を検出するようにしてもよい。
作業者はトレイTが検出手段117を通過したことが報知手段の作動にて分かると、左右の規制手段116を退避姿勢に姿勢変更させて、トレイTを載置板96上に載置補給した後、左右の規制手段116を規制姿勢にもどす。前記のように、検出手段117は規制手段116の近傍に設けられているので、トレイTの浮き上がりによる検出手段117の誤作動が防止できる。従って、検出手段117を設ける場所は、規制手段117によってトレイTの浮き上がりを規制できる範囲内であれば、どこでもよい。
尚、規制手段116は、トレイTの上面左右側縁側を押圧しなくても、接当させるだけでトレイTの浮き上がりを規制するようにしてもよく、また、接当部材118をトレイTの上壁(ポット部Pの開口縁を連結する部分)下面に接当させるようにしてもよい。また、検出手段117としては、マイクロスイッチ又はリミットスイッチ等の接触センサの接触子を直接トレイT又は接当部材118に接当させるようにしてもよい。
ここで、入力軸51からの動力伝達機構及びトレイTの横移動機構の横移動量の切換え機構について説明する。図13乃至図15に示すように、入力軸51には欠歯歯車125がスプライン嵌合され、また、伝動ケース50内には、入力軸51及び出力軸52と平行に配置されて軸心廻りに回転自在に支持された中間軸126が設けられ、この中間軸126には、前記欠歯歯車125に噛合する伝動歯車127がスプライン嵌合されていて、入力軸51から中間軸126に間欠的に動力が伝達され、該中間軸126が間欠回転する。
また、中間軸126には、軸心方向に間隔をおいて配置された第1横移動駆動歯車128と第2横移動駆動歯車129とが中間軸の軸心廻りに相対回転自在に外嵌され、一方、出力軸52には、第1横移動駆動歯車128に噛合する第1横移動従動歯車130と、第2横移動駆動歯車129に噛合する第2横移動従動歯車131とが一体回転自在に外嵌されている。
また、中間軸126には、これら第1横移動駆動歯車128と第2横移動駆動歯車129との間にスプライン嵌合されていて、中間軸126と一体回転自在で且つ軸心方向移動自在とされたシフタ132が設けられている。このシフタ132には、第1横移動駆動歯車128に形成された第1噛合歯133に噛合する第1係合歯134が設けられると共に、第2横移動駆動歯車129に形成された第2噛合歯135に噛合する第2係合歯136が設けられている。
従って、シフタ132を軸心方向に移動させて第1係合歯134を第1噛合歯133に噛合させると、第1横移動駆動歯車128、シフタ132、第1横移動従動歯車130を介して動力が伝達され、また、第2係合歯136を第2噛合歯135に噛合させると、第2横移動駆動歯車129、シフタ132、第2横移動従動歯車131を介して動力が伝達されて、出力軸52が間欠回転され、前述したように、この出力軸52から横移動軸105に動力が伝達されて、該横移動軸105が間欠的に回転される。
そして、第1横移動駆動歯車128と第1横移動従動歯車130との回転比は、第2横移動駆動歯車129と第2横移動従動歯車131との回転比よりも大きくて、ポット部Pのピッチの異なる2種類のトレイTに対応して、該トレイTの横移動量が2段階に切換えられるようになっている。前記伝動ケース50の上面には、横送切換レバー137が配置されると共に、伝動ケース50には、該ケース50の上壁に形成された挿通孔138に上下軸廻りに回動自在に挿通された回動軸139が設けられ、この回動軸139の下端部には、シフタ132の周溝132aに挿入されるシフトピン140が固着されており、回動軸139の軸心廻りの回動動作によってシフトピン140が回動軸139の軸心廻りに揺動してシフタ132を中間軸126の軸心方向に移動させことができるようになっている。
回動軸139の上部は挿通孔138から突出され、その突出部分の下部側に連動プレート141の一端側が一体回動するように嵌合され、この連動プレート141の他端側には係合ピン142が固定されている。回動軸139の突出部分の中間部には、カラー143が相対回動自在に外嵌され、回動軸139の突出部分の上部はネジ軸部144とされ、そのネジ軸部144に当板145及びワッシャ146が外嵌されると共に、ナット147が螺合されている。
カラー143には前記横移動切換えレバー137が相対回動自在に外嵌され、この横移動切換えレバー137には、バネ受け部148が一体形成されている。また、カラー143の、横移動切換えレバー137と、連動プレート141及び当板145との間には、それぞれねじりコイルバネ149が外嵌されており、これらバネ149は互いに逆方向に捩じられていると共に該バネ149の一端部は係合ピン142に、他端部は横移動切換えレバー137のバネ受け部148に掛止されている。
従って、横移動切換えレバー137を回動軸139の軸心廻りに回動操作するとバネ149を介して連動プレート141が同行回動し、回動軸139が回動され、シフタ132が中間軸126の軸心方向に移動されることとなり、横移動切換えレバー137を図15に実線で示す位置から仮想線で示す位置に、又は仮想線で示す位置から実線で示す位置に回動操作することで、トレイTの横移動量の切換えがなされるように構成されている。
また、このトレイTの横移動量の切換え時において、第1係合歯134が第1噛合歯133に、又は第2係合歯136が第2噛合歯135に噛み合わないと、一方のバネ149がねじられて、回動軸139及び連動レバー125等が回動しなくても横移動切換えレバー137の回動操作が許容されるようになっており、この状態において、第1又は第2噛合歯133,135が第1又は第2係合歯134,136に噛み合う位置になると、前記ねじられた一方のバネ149の付勢力によって、回動軸139及び連動レバー125等が回動し、トレイTの横移動量の切換えが完了する。
従って、トレイTの横移動量の切換え時にあっては、横移動切換えレバー137を操作するのに、第1又は第2係合歯134,136と第1又は第2噛合歯133,135とが噛み合うように各部のタイミングを合わせる必要がなく、横移動切換えレバー137を操作するだけで、バネチャージ機能により、切換えタイミングの合った位置で自動的に切換わるように構成され、トレイTの横移動量の切換えの容易化が図れている。
伝動ケース50の上部には、ネジ孔150が形成されると共に、該ネジ孔150に螺合されるノブボルト151を備えており、横送切換レバー137には、第1係合歯134を第1噛合歯133に噛合させた状態と、第2係合歯136を第2噛合歯135に噛合させた状態とにおいて、前記ネジ孔150に一致する一対の挿通孔152が貫通形成されており、第1係合歯134を第1噛合歯133に噛合させた状態又は第2係合歯136を第2噛合歯135に噛合させた状態で、ネジ孔150にノブボルト151を螺合させることによって、横送切換レバー137を固定できるようになっている。
植付装置5は、下端が尖ったカップ状の植付具42を備えている。この植付具42は、前側部材42aと後側部材42bとからなっており、植付具42の後方に位置する前側部材回動軸161Aに回動自在に支持された左右前側部材取付アーム162Aに前側部材42aが一体に取り付けられ、植付具42の前方に位置する後側部材回動軸161Bに回動自在に支持された左右後側部材取付アーム162Bに後側部材42bが一体に取り付けられている。よって、回動軸161A・161Bを支点にして両部材42a・42bが回動すると、植付具42の下部が開閉する。前側部材取付アーム162Aと後側部材取付アーム162Bに形成された長穴に遊嵌する連動ピン163によって、前側部材42aと後側部材42bは互いに連動して回動する。前側部材取付アーム162Aの脚部162aAと後側部材取付アーム162Bの脚部162aBとの間に、前側部材42a及び後側部材42bを閉じる側に付勢するスプリング164が張設されている。この植付具42は、下記の作動機構によって所定の動作を行う。
第二植付伝動ケース32から上方に突出する支持部33aに後リンク支持アーム167Aが回動自在に取り付けられ、その支持アーム167Aに基部が枢着された後リンク168Aの後端に前側部材回動軸161Aが連結されている。後リンク168Aの中間部には、第二植付伝動ケース32の後端部に設けた後リンク駆動アーム169Aが連結されている。また、植付部ミッションケース30に前リンク支持アーム167Bが回動自在に取り付けられ、その支持アームに基部が枢着された前リンク168Bの後端に後側部材回動軸161Bが連結されている。前リンク168Bの中間部には、第一植付伝動ケース31の後端部に設けた前リンク駆動アーム169Bが連結されている。両駆動アーム169A・169Bが駆動回転すると、後リンク168A及び前リンク168Bが基部の位置を前後に変動させつつ上下に揺動し、植付具42が一定姿勢のまま上下動する。
後リンク168Aの基部には開閉アーム171が回動自在に取り付けられ、その開閉アーム171の先端部と前側部材取付アーム162Aとが開閉ロッド172で連結されている。また、後リンク168Aの中間部には後リンク駆動アーム169Aと一体に回転する開閉カム173が取り付けられている。この開閉カムのカムフォロアとしてのローラ174が開閉アーム171に設けられている。植付具42が下死点付近にある位置から上昇する行程で、開閉カム173がローラ174に係合するようになっている。開閉カム173がローラ174に係合すると、開閉ロッド172が引かれ、前側部材42aと後側部材42bが互いに連動して回動し、植付具42が開く。開閉カム173がローラ174に係合しない時は、スプリング164の張力によって植付具42が閉じている。
植付具42が上死点にある時に、供給装置4により移植株が落下供給される。供給された移植株は、前側部材回動軸161Aと後側部材回動軸161Bに取り付けられている筒状の移植株案内176を通って植付具内に導かれる。移植株を保持した植付具42が下降し、下死点では植付具42の下部が畝の表土部に突き刺さり、移植用穴を形成する。これとほぼ同期して植付具42が開き、保持していた移植株を上記移植用穴の中に開放する。そのまま植付具42が上昇し、上死点付近まで上昇すると植付具42が閉じる。
尚、植付具42の移植株植付性能を維持する為に、植付具42が圃場に移植株を植付けて上昇する過程で植付具42の外周面及び内周面にゴム材等よりなるスクレパーを摺接させて、植付具42に付着した泥土を落とす構成が知られている。この植付具42の内周面に摺接するスクレーパは、植付具42が開いて上昇している過程で植付具42内にスクレーパが入り植付具42の上昇により植付具42の内周面の泥土を落とす構成であるが、植付具42内にスクレーパが入った直後に植付具42を少し閉じる構成にするとスクレーパーの植付具42内周面に摺接する抵抗が大きくなって良く泥土を落とすことができる。
177は筒状の固定案内であって、前記下案内レール91bの前側に固定アーム178にて前に傾斜した姿勢で固定されており、前記取出爪41がトレイTから取出し移植株Sを植付具42に上方から落下投入する際に、該移植株Sを植付具42の案内176まで案内する為に設けられている。この固定案内177の前に傾斜した姿勢は、取出爪41から移植株Sを爪案内体46が突出して押し出し離脱させる方向と同じ方向に傾斜してあり、取出爪41下方にある植付具42に上方から確実に移植株を落下投入することができると共に、取出爪41から押し出されて離脱した移植株Sの姿勢もこの前に傾斜した姿勢の固定案内177にて安定した状態で植付具42に落下投入され、移植株の植付姿勢がとても良い。また、固定案内177は載台90を左右移動自在に支持する下案内レール91bに固定されているので、載台90上のトレイTと固定案内177との位置関係は、常に一定であり、取出爪41にてトレイTから取出し移植株Sは確実に固定案内177内に安定して落下投入され、更に、移植株の植付姿勢が安定する。
植付位置の後方には、左右一対の鎮圧輪180が配置されている。該左右鎮圧輪180は、メインフレーム14の前後中間部に固着した支持枠186に上下に揺動自在に支持された揺動フレーム187の中途部に回転自在に装着されている。そして、該揺動フレーム187の後端部の左右中央位置より上方に向けてロッド188が延設されており、該ロッド188の上端部は、メインフレーム14の後端部に基部が固設された支持アーム189の貫通孔189aを貫通して支持されている。そして、ロッド188には錘190が貫通して設けられており、この錘190の個数を調節することにより、左右鎮圧輪180の鎮圧荷重が調節できるようになっている。尚、191はヘアピンであって、ロッド188が支持アーム189の貫通孔189aから抜けるのを防止するものである。
この左右鎮圧輪180は、下部ほど互いの間隔が狭くなるように斜めに取り付けられ、機体の進行に伴って畝面を転動し、移植株が植付けられた後の移植穴の周囲の土を崩落させて穴を埋め戻すと共に、その跡を軽く鎮圧するようになっている。192は畝上面を検出するセンサであって、該センサ192が上下回動すると、その回動をリンク機構193にて上下制御バルブ20aに伝え、センサ192の角度が元に戻る方向に昇降シリンダ21を作動させる。これにより、畝の上面から機体までの高さを一定に維持するように機体を昇降制御し、畝の高さの変更に係わらず常に移植株の植付深さが一定になるように制御され、植付後の移植株の成育が良い。
また、上記センサ192はメイフレーム14に左側が軸支された回動軸194に後端部が固着され先端が前方に向けて延設されたアーム195に軸196にて回動自在に軸支されている。そして、回動軸194は植付深さ調節レバー197の基部が連繋されており、植付深さ調節レバー197を係合案内198の調節係合部に係合係止して固定状態にすると、回動軸194は回動が固定され、従って、アーム195の軸196は上下高さが固定されるので、センサ192は畝上面に摺接しながらその軸196回りに回動して、上記のように畝の高さ変更に係わらず常に移植株の植付深さが一定になるように制御される。そして、植付深さ調節レバー197を係合案内198の調節係合部に対して位置調節して係合係止して固定状態にすることにより、アーム195の軸196の上下高さ位置を調節できるので、畝に対する機体高さを制御する基準位置を自由に設定できるので、移植株の植付深さが調節できる。
尚、油圧バルブユニット20内の左右傾斜制御バルブ20bは左右傾斜検出用の振り子200の動きに連動して切り替わるようになっており、機体が左右に傾斜するとローリングシリンダ27が適宜作動し、機体を左右水平に戻すように制御する。操縦ハンドル6は両端が後方に延びる平面視略コ字形をしており、その両端部に左右グリップ6aが取り付けられている。旋回時や路上走行時には、作業者が左右グリップ6aを握って操縦する。
左右グリップ6aの下側には各々左右サイドクラッチレバー201が設けられている。また、操縦ハンドル6の基部には操作パネル202が設けられ、該操作パネル202に、供給装置4及び植付装置5へ伝動する植付クラッチの入・切操作と機体の昇降操作をする植付昇降レバー203、メインクラッチの入・切操作をするメインクラッチレバー204等が設けられている。図中の符号205は移植株の植付間隔を調節する株間調節レバーである。
上記の野菜移植機1にて野菜の移植株を圃場に移植する作業について、説明する。先ず、載台90に野菜移植株が育生されたトレイTを装填する。そして、作業者は機体の後部で操縦ハンドル6の左右グリップ6aを握って右後輪2の後方の畝溝を歩きながら、メインクラッチレバー204を入操作して左右前輪3と左右後輪2を畝溝に沿わせて機体を進行させ、植付昇降レバー203を操作して植付クラッチを入操作し且つ機体制御機構を制御状態にして、移植作業を行なう。この時、左右往復移動する載台90のトレイTから取出爪41が移植株を一つずつ取出して植付具42へ落下投入する。そして、植付具42が畝に移植株を植付けた後に、左右一対の鎮圧輪180がその移植株の左右側部を軽く鎮圧する。
そして、特に、上下方向に往復動して圃場に移植株を植付ける植付装置5と載台90から移植株を取出して下方に位置する植付装置5に移送する取出装置43とを装備した移植機において、植付装置5への植付駆動伝動系D1を機体の左側方に配置すると共に、取出装置43への取出し駆動伝動系D2を機体の右側方に配置した移植機としたので、植付駆動伝動系D1と取出し駆動伝動系D2とが機体の左右両側に振り分けて配設され、植付装置5と取出装置43との駆動伝動系が合理的で簡潔な構成となり、小型でコンパクトな構成となって、機械の操縦及び操作性(機体の取扱い性)が非常に良くて、能率の良い良好な移植株の移植作業が行なえる。また、小型の機体構成であるから、その収納保管場所も狭くて良く優れている。
また、側面視において、植付部ミッションケース30は連結フレーム13から後方上向きに設けられ、且つ第一植付伝動ケース31は植付部ミッションケース30の上端部から後方下向きに設けられ、且つ第二植付伝動ケース32は第一植付伝動ケース31の下端部から水平方向に設けられているので、機体の前後長を必要以上に長くすることなく、第二植付伝動ケース32の下側に前記天秤杆22が移動するためのスペースを確保することができ、機体の前後長を短くした非常にコンパクトで簡潔な構成となっている。
更に、植付部ミッションケース30の左側方に機体前後方向に配置した第一植付伝動ケース31と第二植付伝動ケース32とにて植付装置5への植付駆動伝動系D1を構成すると共に、植付部ミッションケース30の右側方に取出装置43の伝動ケース50へ動力を伝動する伝動部を配置して取出装置43への取出し駆動伝動系D2を構成したので、植付部ミッションケース30から植付装置5と取出装置43との駆動伝動構成を植付部ミッションケース30を母体にして簡潔に構成できる。
更に、載台90から移植株を取出す取出装置43への取出し駆動伝動系D2を機体の右側方に配置すると共に、該取出し駆動伝動系D2から載台90を左右動する載台駆動系D3を設け、該載台駆動系D3を取出し駆動伝動系D2と同じ右側に配置した移植機としたので、関連のある取出装置43の駆動伝動系と載台90を左右動する駆動伝動系が直列状となり、取出装置43と載台90との駆動伝動が簡潔で安定したものとなり、載台90から取出装置43が確実に移植株を取出すことができ、移植株の植付性能が良い。
図19は他の例を示し、載台90のトレイ戻し経路Rよりも下方にトレイTの横移動機構と同様の構成の横移動軸320にスライダ321を外嵌し、該スライダ321にバランスウエイト322を取付けて、バランスウエイト322を載台90の左右移動方向と逆になるように左右移動する構成としている。即ち、載台90が右端に来た時にバランスウエイト322は左端にあり、載台90が左端に来た時にバランスウエイト322は右端に移動する構成とし、載台90の左右移動に伴う機体の左右重心の変動をバランスウエイト322にて補正し、機体の走行性能を向上させて移植作業が適正に行える。尚、323はチェン伝動機構であって、横移動軸105から横移動軸320に回転動力を伝動する。
また、前記載台90のトレイTの横移動機構の横移動軸105から駆動を取って、載台90のトレイTの横移動機構と同様の構成で予備載台36を機体左右方向に往復移動させる構成とし、且つ、その左右移動は載台90の左右移動方向とは逆に移動する構成とすれば、載台90の左右移動に伴う機体の左右重心の変動を予備載台36の左右横移動にて補正し、機体の走行性能を向上させて移植作業が適正に行える。
図20は他の例を示し、傾斜地での移植作業時に自動的に予備載台36が傾斜地の高い方向に移動して、機体の左右バランスを修正し、傾斜地で適正な走行性能が発揮できて良好な移植作業が行えるようにしたものである。即ち、予備載台36を機体前後方向に設けた支持軸330回りに回動自在に支持された支持アーム331に固定して設け、該支持アーム331の下端部と前記ローリングシリンダ27の伸縮動とを操作ワイヤ332にて連係している。従って、機体左側が傾斜地の低い側である場合にはローリングシリンダ27は縮小して左後輪2が下動した状態となっているので、このローリングシリンダ27の縮小により操作ワイヤ332にて予備載台36が機体右側の傾斜地の高い側に移動する。逆に、機体左側が傾斜地の高い側である場合にはローリングシリンダ27は伸張して左後輪2が上動した状態となっているので、このローリングシリンダ27の伸張により操作ワイヤ332にて予備載台36が機体左側の傾斜地の高い側に移動する。
尚、上記実施例においては、畝に移植する作業例を示したが、平らな圃場に移植株を移植する場合も同様である。また、野菜苗としては、キャベツや白菜等の葉菜類の苗・大根やさつま芋等の根菜類の苗・南瓜や西瓜等の果菜類の移植株が挙げられるが、他に、い草や花等の如何なる苗でも良い。
(トレイ供給装置)
次に、トレイ供給装置について説明する。トレイ供給装置40は、内部構成の透視側面図を図21に示すように、整列配置のポット群を一体に形成したトレイTを載せて傾斜案内するための載置板96と、この載置板96から受けたトレイTを下方に屈曲させて載置板96の下側に反転案内するための外ガイド213と、この外ガイド213から排出されたトレイTを収容するトレイ受け214と、外ガイド213に沿ってトレイTをその裏面側から所定距離づつ送り移動させる送り具215と、この送り具215に作用する周回動作可能な牽制ローラ216とから構成される。
この牽制ローラ216は、横移動軸105によって左右移動可能に支持したトレイ供給装置40が、その左右側端位置に達した位置で送り具215に作用可能に構成する。この場合、トレイTの屈曲送りのためにその内周部に形成されるデッドスペース内の低位置に横移動軸105を配置することにより、送り具215との干渉を招くことなく、コンパクト化とともに低重心化を図ることができる。
(送り具)
送り具215は、その要部拡大側面図を図22に示すように、トレイTの裏面側のポット間溝部Dに係合可能な送りロッド221と、この送りロッド221を揺動可能に支持する送りアーム222と、送りロッド221と連結する中継リンク223とを備える。
送りロッド221は、コ字状に屈曲した形状で、トレイTの裏面側のポット間溝部Dに進入可能な左右一直線状に延びる進入部分221aを先端部に備え、また、基端部には支軸221bを設けて送りアーム222の先端部に軸支するとともに、基端アーム221cを設けて揺動可能に中継リンク223と連結することにより、トレイTのポット間溝部Dに対して進入部分221aが進退可能に構成する。支軸221bには、進入用の付勢具としてトルクスプリング224を設けて進入部分221aが、トレイを潰すことなく、トレイTのポット間溝部Dに進入する方向に付勢する。また、必要により、進入部分221aをポット間溝部Dから強制退避させるレバー225を送りロッド221に設ける。なお、進入部分221aは、トレイTの左右幅にわたって設けられている。
送りアーム222は、基端部に支軸222aを設けて先端部の送りロッド221の送り動作範囲で揺動可能に軸支するとともに、送りロッド221を送り位置から復行動作させる歩進制御カム222bを設ける。この歩進制御カム222bは、牽制ローラ216の作用を受けてトレイTのポット部Pの長さを超える範囲で送りロッド221を復行可能に形成する。また、送りアーム222に送り用の付勢具としてスプリング226を設けて送りロッド221の送り方向に付勢するとともに、進入部分221aの直上のポット部P0の送り位置を取出し位置に合わせるために、送り動作の限度位置設定用のストッパ227を設ける。
中継リンク223は、先端部に形成した長孔連結部223aによって送りロッド221の基端アーム221cと揺動可能に連結し、また、基端部を送りアーム222の支軸222aに軸支するとともに、送りロッド221を揺動制御して進入部分221aをトレイTから退避動作させる係合制御カム223cを設ける。この係合制御カム223cは、牽制ローラ216の作用に応じて進入部分221aがポット間溝部Dから退避可能に形成する。
送りアーム222の歩進制御カム222bおよび中継リンク223の係合制御カム223bの相互関係は、ポット間溝部Dから進入部分221aがまっすぐ抜けるように、係合制御カム223bにより、中継リンク223を介して送りロッド221の進入部分221aをポット間溝部Dから退避させつつ、歩進制御カム222bにより、送りアーム222を僅かに復行動作させ、さらに隣接のポット部P1まで進入部分221aを移動させる範囲で牽制ローラ216が作用するように両カムの外形を構成する。
(作動)
上記構成のトレイ供給装置40の作動について説明すると、トレイ供給装置40は、牽制ローラ216が送りアーム222の歩進制御カム222bおよび中継リンク223の係合制御カム223bに共通に作用することにより、係合制御カム223bが中継リンク223を介して送りロッド221の進入部分221aを取出し位置にあるポット部P0の直下のポット間溝部Dから退避させつつ、歩進制御カム222bにより送りアーム222が僅かに復行動作してポット間溝部Dから進入部分221aがまっすぐ抜け、これに続く送りアーム222の復行動作により隣接のポット部P1まで進入部分221aが移動する。
さらに牽制ローラ216が周回して係合制御カム223bおよび歩進制御カム222bが解放されると、トルクスプリング224の付勢力によってトレイTの裏面側から送りロッド221の進入部分221aが隣接のポット部P1を押圧し、次いで、スプリング226の付勢力によって送りアーム222がストッパ227の規制位置まで揺動する過程で隣接のポット部P1の直下のポット間溝部Dに進入することによって隣接のポット部P1が取出し位置に位置決めされることにより、1ピッチ分の距離をトレイTが送り移動される。
トレイTが送り移動されると、取出装置43が作動して移植株を取出す。この取出動作は、トレイTの表面側から移植株の主軸を避けてポット部Pの下半位置に取出爪41を作用することから、この作用点の直近位置である直下のポット間溝部Dを進入部分221aによって位置決めすることにより、取出爪41の作用点について高精度の位置合せが可能となる。また、ポット間溝部Dに進入部分221aを係合した状態で取出装置43を作動することにより、進入部分221aによってトレイTが拘束されることから、位置ずれを招くことなく、ポット部Pから移植株を取出すことができる。
取出装置43の作動のタイミングについては、牽制ローラ216の周回回転数を取出装置43の動作回転数の1/2以下とすることにより、トレイTの送り動作時間が180度未満で取出装置43の取出し周期より短かくなることから、横移動軸105による横移動速度が小さくなる左右側端位置において、牽制ローラ216が送り具215に作用するタイミングの誤差があっても、トレイTからの取出し動作までにトレイTの確実な送り動作が可能となり、取出装置43が移植株を植付装置5に渡すことにより、移植株が圃場に植付けられる。
このように、トレイ供給装置40は、上記トレイTの裏面側に形成されているポット間溝部Dに係合して所定位置まで送り動作する送り具215を備えることから、取出装置43がトレイ供給装置40から移植株を順次取出して植付装置5に受渡すことにより移植株の植付けを行い、このとき、トレイ供給装置40の送り具215がトレイTの裏面のポット間溝部Dに係合して所定の位置まで送り動作することから、ポット単位のトレイ送りによって送り精度が確保され、固定配置の取出装置43によって移植株を確実に取出して植付装置5に受渡すことが可能となる。
したがって、トレイTの屈曲送りに要するデッドスペース内で送り具215を構成することにより、トレイTの外側に及ぶチェーン式の送り機構の如くの大きな幅寸法を要することなく、コンパクトでかつ送り精度に優れたトレイ供給装置を構成することができる。
また、送り具215は、前記ポット間溝部Dに係合する送りロッド221と、その送りアーム222とによって構成するとともに、それぞれの揺動制御用のカムを設けた簡易な揺動制御機構を設けることにより、送りロッド221はポット間溝部Dに対する係合制御が可能となり、また、送りアーム222は送りロッド221を介してトレイTを送り移動制御が可能となることから、ポット単位によるトレイTの高精度の送りが可能となり、次いで送りロッド221と送りアーム222を戻す制御によって、次のポット部Pについて同様に繰返してトレイTの最後のポット部Pまでの送りが可能となる。
この場合において、前記送りロッド221は、前記ポット間溝部Dに進入する側に付勢する付勢具224を設けることにより、送りロッド221は、牽制時を除き、付勢具224によりポット間溝部Dに進入保持されることから、トレイTの移動に必要な係合状態が簡易なカム構成によって確保することができる。
また、前記取出装置43は、前記送り具215が係合している直上のポット部P0について取出し動作することから、取出し対象となるポット部P0が送り具215の係合を受けて拘束された状態で取出装置43による取出し動作が行われることから、位置ずれが抑えられて移植株の確実な取出しが可能となる。
また、前記送りアーム222は、送り動作方向に付勢する付勢具であるスプリング226と、送り動作の限度位置を定めるストッパ227とを備えることから、牽制時を除き、付勢具226により送り動作し、ストッパ227により限度位置に保持されることから、高精度かつ安定した位置決めが可能となるので、簡易なカム駆動によって取出装置43による適正な取出しが可能となる。
そのほかに、送りアーム222のスプリング226は、送りロッド221のトルクスプリング224より強く設定することにより、送りロッド221を退避させた後で送りアーム222を戻すことができる。
歩進制御カム222bによる送りアーム222の復行動作量については、ポット間ピッチが長短の異なる2種類のトレイ、例えば、16X8配列の128穴トレイと20X10配列の200穴トレイについて、長ピッチ以上で短ピッチの2倍以下とすることにより、縦送りの切替えを要することなく、共通に適用することができる。
進入部分221aの直径寸法については、ポット間溝部Dの隙間寸法より大きく設定することにより、トルクスプリング224の作用によってガタ無く確実にトレイを固定することができる。
歩進制御カム222bは、係合制御カム223bより長く形成することにより、係合制御カム223bの解放による作動終了後に送りアーム222がゆっくり動作することから、進入部分221aがポット間溝部Dに対して確実に進入することができる。
また、送りロッド221と中継リンク223のそれぞれの支点がトレイTの底面より下方に位置することから、トレイTを送るときに中継リンク223がトレイTの側に押されるので、送りロッド221が逃げることなく送り方向に作用する。さらに、送りロッド221をポット間溝部Dから抜くときは、送りアーム222を僅かに戻しながら行うことでまっすぐに抜くことができ、逆に、ポット間溝部Dに入れるときは、カムによってゆっくり戻すことにより、送りロッド221をスムーズに入れることができる。
外ガイド213については、前端部が重なったまま追加されたトレイTが引っ掛かるように、トレイTの側縁部が入る隙間寸法を側縁部の厚さ程度に狭くすることにより、後に続くトレイTの前端部の重なりを防止することができる。
(別構成例)
次に、送り具の別の構成例について説明する。送り具230は、その要部拡大側面図を図23に示すように、トレイTの裏面側のポット間溝部Dに係合可能な送りロッド231と、この送りロッド231を揺動可能に支持する送りアーム232と、この送りアーム232と平行して送りロッド231と連結する平行ロッド233とを備える。
送りロッド231は、トレイTの裏面側のポット間溝部Dに進入可能な進入部分231aを先端部に備え、また、基端部には支軸231bを設けて送りアーム232の先端部に軸支するとともに、基端アーム231cを設けて揺動可能に平行ロッド233と連結し、また、基端部に係合制御カム231dを設けて牽制ローラ216により送りロッド231の作用に応じてトレイTのポット間溝部Dから進入部分231aが退避可能に構成する。
送りアーム232は、基端部に支軸232aを設けて先端部の送りロッド231の送り動作範囲を揺動可能に軸支するとともに、送りロッド231を送り位置から復行動作させる歩進制御カム232bを設ける。この歩進制御カム232bは、牽制ローラ216の作用を受けてトレイTのポット部Pの長さを超える範囲で送りロッド231を復行可能に形成する。また、送りアーム232にスプリング236を設けて送りロッド231の送り方向に付勢する。
平行ロッド233は、先端部に形成した長孔連結部233aに送りロッド231の基端アーム231cを連結し、また、基端部を送りアーム232の基端部に設けた長さ調節用のアジャスタ232cに軸支するとともに、送りロッド231の基端アーム231cとの間にスプリング234を設けて長孔連結部233aの可動範囲で進入部分231aがトレイTのポット間溝部Dに進入する方向に付勢する。
上記構成の送り具230の作動は、牽制ローラ216が係合制御カム231dと歩進制御カム232bに作用することにより、送りロッド231のスプリング234と送りアーム232のスプリング236の付勢力に抗して、送りロッド231がトレイT裏面のポット間溝部Dから進入部分231aが退避するとともに、送りアーム232が復行動作して隣接のポット部P1まで進入部分231aが移動する。
さらに牽制ローラ216が周回して係合制御カム231dおよび歩進制御カム232bが解放されると、スプリング234の付勢力によってトレイTの裏面側から送りロッド231の進入部分231aが隣接のポット部P1を押圧し、次いで、スプリング236の付勢力によって送りアーム232が送り方向に揺動する過程で隣接のポット部P1の直下のポット間溝部Dに進入することによって隣接のポット部P1が送り移動され、この繰返ししによってトレイTが順次送り移動される。
この送り具230によるトレイの送り過程において、平行ロッド233の長孔連結部233aが送りロッド231の基端アーム231cの揺動範囲を規制し、ポット間溝部Dに対する進入部分231aの進入深さを抑えることによってトレイTの送り移動がスムーズになり、また、ポット間溝部Dからの退避量を抑えることによって係合制御カム231dによる退避動作の安定高速化が可能となる。さらに、平行ロッド233のアジャスタ232cにより、送り位置おける進入部分231aの進入深さの微調整が可能となる。