JP5051695B2 - 弾球遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、ぱちんこ遊技機等の弾球遊技機に関し、特に弾球遊技機における表示装置への表示内容の制御技術に関する。
従来、各種の弾球遊技機のうち、いわゆる第1種ぱちんこ遊技機と呼ばれていた遊技機は、遊技盤の略中央に設けられた液晶ディスプレイなどの表示領域に複数の図柄を変動させながら表示する(以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という)。この遊技機は、複数列の図柄変動を停止させたときの図柄の組合せが特定の態様となった場合に、通常遊技より多くの賞球が得られる、いわゆる大当たりと呼ばれる特別遊技へと移行するものとして知られている(例えば、特許文献1参照)。表示領域における図柄の変動表示は、単に複数の図柄が変動表示されるだけでなく、いわゆるリーチ変動画面と呼ばれる状態のように、あと一つ図柄が揃えば大当たりとなる状態で変動表示の時間を通常よりも長くする等、遊技者の期待感を高めるための演出が図られている。リーチ演出も様々であり、変動表示時間の長さを変えたり、出現頻度を低く設定したモチーフやキャラクタを用いたりすることで大当たりの可能性の高さを示唆する表現方法が一般に多用される。
特開2003−230714号公報
しかし、滅多に登場しないモチーフやキャラクタを表示させることで大当たりへの期待感を煽ったとしても、そうしたリーチが結果的に外れになってしまえば、そうした演出の信用性を損ねることや遊技者の期待を裏切ることにもなりかねない。また、遊技者は一方的に煽られるだけで満足するほど単純でもない。一方、リーチ演出において大当たりが発生する場合にだけ遊技者の期待感を煽るというわけにもいかないため、外れの場合であっても演出としてはある程度の割合で遊技者の期待感を煽らざるを得ない。そのような演出の信用性を高く保つためには、たとえ結果として外れになったとしても遊技者に別の期待を与えるなど何らかの補填的な演出も必要であると本出願の発明者は考えるに至った。
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、弾球遊技機において遊技者の期待度を高く維持するための演出の技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の弾球遊技機は、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が抽選の契機となる始動入賞口と、始動入賞口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するための当否抽選を実行する当否抽選手段と、当否抽選の結果を演出的に示すための複数の図柄が変動表示される演出表示装置と、複数の図柄の変動表示における変動開始から停止までの態様が定められた複数の変動パターンを保持するパターン記憶手段と、当否抽選の結果に応じて複数の変動パターンからいずれかを選択する演出決定手段と、当否抽選の結果が当たりである可能性を予告的に示唆する演出である予告演出を図柄変動中に表示するか否か決定する予告決定を実行する予告決定手段と、選択された変動パターンにしたがって演出表示装置に図柄の変動を表示させるとともに、予告演出を表示する旨の決定があったときは図柄の変動とともに予告演出を演出表示装置に表示させる演出表示制御手段と、当否抽選が当たりであることを示す所定の停止図柄組合せにて図柄の変動が停止した場合に通常遊技よりも遊技者に有利となる遊技である特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、を備える。パターン記憶手段は、あと一つ図柄が揃えば当たりの停止図柄組合せとなり得るリーチ態様の表示を伴う複数種類のリーチ変動パターンを変動パターンとして保持し、予告決定手段は、予告演出を表示したにもかかわらず当否抽選の結果が外れであった場合、その図柄変動から特定回数の変動が経過するまでは予告演出の表示を制限し、特定回数の変動が経過した後は所定のリーチ変動パターンが選択されたときに強制的に予告演出を表示する旨を決定する。
ここで「予告的に示唆する演出」は、直接的に大当たりの可能性を文字や記号などで示す演出手法であってもよいし、頻繁には登場させない特定のモチーフやキャラクタを表示させることでその珍しさから大当たりの可能性を示唆する演出手法であってもよい。「予告演出」は、図柄の変動パターン選択処理とは別に表示有無が決定されるが、たとえば特定の期待度の高い変動パターンが選択された場合にのみ予告の表示有無を決定することとしてもよい。
遊技者に大当たりを期待させる予告演出を表示しながら実際には大当たりにならなかったような場合、遊技者の期待に反することとなりかねない。この態様によれば、予告演出しながら外れになった場合でも特定回数の変動後に期待度が高い同種の予告演出が再び出現する可能性があるため、その可能性を経験的に知る遊技者に新たな期待感を抱かせることができる。これにより、遊技者の落胆や失望を回避して不利益を補填することができる。また、そのような予告演出の強制的な再表示によりその演出に対する期待度を高く維持することができる。また、特定回数の変動が経過するまでは同種の予告演出の出現が制限されるので、しばらくの間その予告演出が出現しないことでその後の強制的な予告演出の再出現を期待することができる。
予告決定手段は、予告演出を表示したにもかかわらず当否抽選の結果が外れであった場合、予告演出の強制的な表示を特定回数の変動が経過した後で実行するか否かを抽選で決定し、予告演出の強制的な表示を実行する旨の決定をした場合に限り特定回数の変動が経過するまで予告演出の表示を制限してもよい。この態様によれば、強制的な予告演出の表示がなされない場合もあるため、しばらく同種の予告演出が出現しなかったとしても、それが予告演出の表示制限による現象なのか、偶然出現していないだけなのか判別が付かず、逆に遊技者の期待を煽ることができる。
予告決定手段は、特定回数の変動が経過した後で強制的に予告演出を表示する場合、特定回数の変動が経過するまでは、当否抽選の結果が外れの場合に限り予告演出の表示を制限してもよい。この態様によれば、特定回数の変動が経過するまでは同種の予告演出を出現させるのは大当たりの場合に限られることとなるため、その期間に同種の予告演出が出現すれば遊技者が大当たりの出現であると認識することができ、そうした期待感を高めさせることができる。
パターン記憶手段は、複数種類のリーチ変動パターンの中で図柄変動時間が相対的に長いパターンであって、当否抽選が当たりの場合に選択される確率が他のリーチ変動パターンと比べて相対的に高いパターンであるロングリーチ変動パターンを保持し、予告決定手段は、ロングリーチ変動パターンが選択された場合に予告決定を実行してもよい。ここで「ロングリーチ変動パターン」は、いわゆる「ロングリーチ」や「スーパーリーチ」と呼ばれる期待度ないし信頼度の高いリーチ態様であってもよい。この態様によれば、予告決定はロングリーチ変動パターンのときにだけ実行されるので、図柄変動の演出として期待度の高い場面に限って予告演出も出現することとなり、相対的に予告演出の期待度も高めることができる。またそうした期待度を、予告演出の強制的な再表示によって高く維持することができる。
予告決定手段は、予告演出の一態様として当否抽選の結果が当たりである可能性が高いことを予告的に示唆する特別予告演出を表示したにもかかわらず当否抽選の結果が外れであった場合に予告演出の表示の制限と強制的な予告演出の表示を実行してもよい。ここで、通常の予告演出はその種類の違いによって大当たりの可能性の高さを示唆するものであってもよく、その点、大当たりの可能性が高いことだけを示唆する特別予告演出とは区別されるものであってもよい。このように、複数種類用意された予告演出の中でもとくに期待度の高い演出として特別予告演出が表示され、そうした期待度の高さを強制的な再表示によって維持することができる。
なお、以上の構成要素の任意の組合せや、本発明の構成要素や表現を方法、装置、システム、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを格納した記録媒体、データ構造などの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明の弾球遊技機によれば、遊技者の期待度を高める演出の技術を提供することができる。
図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。以下、弾球遊技機として従来にいういわゆる第1種ぱちんこ遊技機を例に説明する。ぱちんこ遊技機10は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機10の遊技機枠は、外枠11、前枠12、透明板13、扉14、上球皿15、下球皿16、および発射ハンドル17を含む。外枠11は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機10を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠12は、外枠11の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠11へ開閉可能に取り付けられる。前枠12は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
透明板13は、ガラスなどにより形成され、扉14により支持される。扉14は、図示しないヒンジ機構により前枠12へ開閉可能に取り付けられる。上球皿15は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿16への遊技球の抜き取り等の機構を有する。下球皿16は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。上球皿15と下球皿16の間にはスピーカ18が設けられており、遊技状態などに応じた効果音が出力される。
遊技盤50は、外レール54と内レール56により区画された遊技領域52上に、アウト口58、特別図柄表示装置61、演出表示装置60、始動入賞口(以下、「始動口」という)62、センター飾り64、大入賞口66、作動口68、一般入賞口72を含む。さらに遊技領域52には、図示しない複数の遊技釘や風車などの機構が設置される。始動口62は、遊技球の入球を検出するための始動入賞検出装置74と、始動口62の拡開機構を拡開させるための普通電動役物ソレノイド76を備える。始動口62の拡開機構が拡開されたとき、始動口62の開口幅が拡がって入球容易性が向上する。始動入賞検出装置74は、始動口62への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す始動入賞情報を生成する。一般入賞口72は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置73を備える。一般入賞検出装置73は、一般入賞口72への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成する。大入賞口66は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置78と、大入賞口66を拡開させるための大入賞口ソレノイド80を備える。入賞検出装置78は、大入賞口66への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す大入賞口入賞情報を生成する。
大入賞口66は、特別図柄192が所定の態様にて停止したときに「大当たり」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。大入賞口66はアウト口58の上方等の位置に設けられる。大入賞口66の入賞検出装置78は、遊技球の通過を検出するセンサを備えて構成される。
遊技領域52の左方に設けられた特別図柄表示装置61および遊技領域52の略中央に設けられた演出表示装置60は、それぞれの画面に特別図柄192の変動と、特別図柄192に連動する装飾図柄190を含む演出画像の変動を表示する(以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という)。ここで、特別図柄192は、始動口62への遊技球の落入を契機として行われる抽選の結果に対応した図柄であり、その変動表示が停止されたときの図柄態様が当たりと定められた図柄であった場合、その停止図柄が表示されたタイミングが大当たり発生タイミングとなる。特別図柄表示装置61は、例えば7セグメントLEDで構成される表示手段である。演出表示装置60は、特別図柄192の変動表示と連動する形で装飾図柄190を変動表示する液晶ディスプレイである。装飾図柄190は、特別図柄192で示される抽選の結果表示を視覚的に演出するための図柄である。演出表示装置60は、装飾図柄190として、例えばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄変動の動画像を画面の中央領域に表示する。演出表示装置60は、この実施例では液晶ディスプレイで構成されるが、ドラムなどの機械式回転装置やLEDなどの他の表示手段で構成されてもよい。なお、特別図柄192は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、本実施例では演出表示装置60の左下方の特別図柄表示装置61にて目立たない大きさで表示させるが、特別図柄自体に演出的な役割をもたせて装飾図柄を表示させないような手法を採用する場合には、特別図柄を演出表示装置60のような液晶ディスプレイに表示させてもよい。作動口68は、遊技盤50の左側方位置に設けられる。作動口68は、通過検出装置69を含む。通過検出装置69は、作動口68への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。作動口68への遊技球の通過は始動口62の拡開機構を拡開させるか否かを決定する開放抽選の契機となる。作動口68を遊技球が通過すると、開放抽選の結果を示す図柄である普通図柄が普通図柄表示装置59に変動表示される。普通図柄表示装置59は演出表示装置60の右下方に設けられる。所定時間の経過後に普通図柄の変動表示が停止すると、通常、50%から80%程度の確率で始動口62が所定時間拡開する。
演出表示装置60の周囲には、センター飾り64が設けられる。センター飾り64は、遊技球の流路、特別図柄表示装置61および演出表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。演出表示装置60の下方には、抽選保留ランプ20が設けられ、その対称的な位置である遊技領域52の右下部には、普通図柄表示装置59の下に作動保留ランプ22が設けられている。抽選保留ランプ20は、4個のランプからなり、その点灯個数によって当否抽選の保留数を表示する。当否抽選の保留数は、図柄変動中または特別遊技中に始動口62へ入賞した抽選結果の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。作動保留ランプ22もまた4個のランプからなり、その点灯個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄の変動中に作動口68を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。操作ボタン82は、遊技者が遊技機へ所定の指示を入力するために操作するボタンである。操作ボタン82は、上球皿15近傍の外壁面に設けられる。
遊技者が発射ハンドル17を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿15に貯留された遊技球が1球ずつ内レール56と外レール54に案内されて遊技領域52へ発射される。遊技者が発射ハンドル17の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域52の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車に当たりながらその当たり方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口72や始動口62、大入賞口66の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿15または下球皿16に払い出される。一般入賞口72等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口58に落入した遊技球はアウト球として処理される。なお、各入賞口は遊技球が通過するゲートタイプのものを含み、本願において「落入」「入球」「入賞」というときは「通過」を含むものとする。
遊技球が始動口62に落入すると、特別図柄表示装置61および演出表示装置60において特別図柄192および装飾図柄190が変動表示される。特別図柄192および装飾図柄190の変動表示は、表示に先だって決定された表示時間の経過後に停止される。停止時の特別図柄192および装飾図柄190が大当たりを示す図柄である場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、大入賞口66の開閉動作が開始される。このときスロットマシンのゲームを模した装飾図柄190は、3つの図柄を一致させるような表示態様をとる。特別遊技において、大入賞口66は、約30秒間開放された後、または9球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。このような大入賞口66の開閉が所定回数、例えば15回繰り返される。
特別遊技が終了した後の通常遊技においては特定遊技の一つである変動短縮遊技(以下、適宜「時短」という)が開始される。変動短縮遊技においては、特別図柄および装飾図柄の変動時間が通常より短縮される。特別図柄および装飾図柄の変動時間は、所定の変動回数の変動表示がなされた後で元の変動時間に戻される。特別遊技が発生した場合であってそのときの当たり停止図柄が特定の態様であった場合、特別遊技の終了後に特定遊技の一つである確率変動遊技(以下、適宜「確変」という)がさらに開始される。確率変動遊技においては、通常の確率状態より当たりの確率が高い抽選が行われ、比較的早期に新たな特別遊技が発生する。
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。電源スイッチ40はぱちんこ遊技機10の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板102は、ぱちんこ遊技機10の全体動作を制御し、特に始動口62へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板104は、液晶ユニット42を備え、演出表示装置60における表示内容や複数の可動役物140の動作、遊技効果ランプ90の点灯を制御し、特にメイン基板102による抽選結果に応じて表示内容を変動させ、その演出の進行に沿って可動役物140や遊技効果ランプ90の点灯を作動させる。メイン基板102およびサブ基板104は、遊技制御装置100を構成する。セット基盤39は、賞球タンク44や賞球の流路、賞球を払い出す払出ユニット43等を含む。払出ユニット43は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク44から供給される遊技球を上球皿15へ払い出す。払出制御基板45は、払出ユニット43による払出動作を制御する。発射装置46は、上球皿15の貯留球を遊技領域52へ1球ずつ発射する。発射制御基板47は、発射装置46の発射動作を制御する。電源ユニット48は、ぱちんこ遊技機10の各部へ電力を供給する。
図3は、本実施例におけるぱちんこ遊技機10の機能ブロックを示す。ぱちんこ遊技機10において、遊技制御装置100は、始動口62、大入賞口66、一般入賞口72、作動口68、特別図柄表示装置61、演出表示装置60、普通図柄表示装置59、操作ボタン82、スピーカ18、遊技効果ランプ90、可動役物140のそれぞれと電気的に接続されており、各種制御信号の送受信を可能とする。遊技制御装置100は、遊技の基本動作だけでなく、図柄変動表示や可動役物140、電飾等の演出的動作も制御する。遊技制御装置100は、遊技の基本動作を含むぱちんこ遊技機10の全体動作を制御するメイン基板102と、図柄の演出等を制御するサブ基板104とに機能を分担させた形態で構成される。遊技制御装置100は、ハードウエア的にはデータやプログラムを格納するROMやRAM、演算処理に用いるCPU等の素子を含んで構成される。
本実施例におけるメイン基板102は、入球判定手段110、当否抽選手段112、図柄決定手段114、保留制御手段116、メイン表示制御手段118、特別遊技制御手段120、特定遊技実行手段122、開閉制御手段124を備える。本実施例におけるサブ基板104は、パターン記憶手段130、演出決定手段132、演出表示制御手段134、役物制御手段136、予告決定手段200を備える。なお、メイン基板102に含まれる各機能ブロックは、いずれかがメイン基板102ではなくサブ基板104に搭載されるかたちで構成されてもよい。同様に、サブ基板104に含まれる各機能ブロックは、いずれかがサブ基板104ではなくメイン基板102に搭載されるかたちで構成されてもよい。
入球判定手段110は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段110は、始動入賞情報を受け取ると遊技球が始動口62に入賞したと判断し、大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が大入賞口66に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口72に入賞したと判断する。入球判定手段110は、通過情報を受け取ると遊技球が作動口68を通過したと判断する。
当否抽選手段112は、始動口62への遊技球の入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するために乱数の値を当否抽選値として取得する。たとえば、当否抽選値は「0」から「65535」までの値範囲から取得される。なお、本願にいう「乱数」は、数学的に発生させる乱数でなくてもよく、ハードウエア乱数やソフトウエア乱数などにより発生させる疑似乱数でもよい。当否抽選手段112は、当否判定で参照する当否テーブルを複数保持する。複数の当否テーブルには、当たりまたは外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられた当たりの範囲設定に応じて当否確率が定まる。当否抽選手段112は、通常時には通常確率による当否判定のための当否テーブルを参照し、確率変動時には通常確率より当たりの確率が高くなる当否テーブルを参照する。当否抽選手段112は、複数の当否テーブルのうちいずれかを参照し、当否抽選値が当たりであるか否かを判定する。当否抽選手段112による判定結果は、特別図柄表示装置61において特別図柄の形で変動表示される。また、当否抽選手段112による判定結果を演出的に示す装飾図柄が演出表示装置60において変動表示される。
図柄決定手段114は、特別図柄表示装置61に表示させる特別図柄の停止図柄と変動パターンを、当否抽選手段112による抽選の結果に応じて決定する。また、図柄決定手段114は、普通図柄表示装置59に表示させる普通図柄の停止図柄を抽選により決定する。停止図柄は、図柄変動の終了時に表示すべき図柄である。図柄決定手段114は、特別図柄や普通図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルや、変動パターンを決定するために参照すべきパターン決定テーブルを保持する。
図柄決定手段114は、特別図柄を決定するための図柄決定抽選値を取得し、当否抽選手段112による当否判定結果と図柄決定抽選値とに応じて特別図柄の停止図柄を決定する。図柄決定手段114は、当否抽選手段112による当否判定結果に応じて複数の変動パターンからいずれかのパターンを選択する。図柄決定手段114は、決定した停止図柄および変動パターンを示すデータをメイン表示制御手段118および演出決定手段132へ送出する。
図柄決定手段114は、特別図柄を変動表示させるときの変動開始から停止までの変動態様が定められた複数種の変動パターンを記憶する。複数種の変動パターンは、長短様々な変動時間をもつ。すなわち、各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄の変動が停止される。
図柄決定手段114は、遊技球が作動口68を通過した場合に、普通図柄を決定するための抽選乱数を取得し、その抽選乱数に応じて普通図柄の停止図柄を決定する。普通図柄の停止図柄が特定の図柄であった場合、開閉制御手段124が始動口62の普通電動役物を所定時間拡開する。
保留制御手段116は、当否抽選手段112により取得された当否抽選値を保留球として保持する。当否抽選値は、その保留数が所定の上限に達するまで蓄積される。保留数の上限は4である。
メイン表示制御手段118は、当否抽選手段112による抽選の結果を、図柄決定手段114により決定された変動パターンにしたがって特別図柄の変動表示として特別図柄表示装置61に表示させる。メイン表示制御手段118は、特別図柄の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出表示制御手段134へ送信することにより、メイン表示制御手段118および演出表示制御手段134による変動表示が同期し、連動が保たれる。メイン表示制御手段118は、普通図柄の変動を普通図柄表示装置59に表示させる。
特別遊技制御手段120は、当否抽選手段112による当否抽選結果が当たりであった場合に、特別遊技の実行処理を制御する。特別遊技は、大入賞口66の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、1回の開閉を単位とした1回または複数回の単位遊技で構成される。単位遊技は例えば15回を上限として繰り返され、1回の単位遊技において大入賞口66を約30秒間開放させる。特別遊技制御手段120は、単位遊技の継続回数が上限回数に達していなければ、現在の単位遊技の終了後に次の単位遊技を開始させる。単位遊技の上限回数を消化した場合には、特別遊技を終了させる。
特定遊技実行手段122は、遊技状態を通常状態から特定遊技状態へ移行させる制御と、特定遊技状態から通常状態へ戻す制御を実行する。本実施例における特定遊技には、当否抽選の当選確率を通常確率の状態から高確率の状態へ切り替える確変と、図柄変動時間を通常時間より短時間へ切り替える時短とがある。
特定遊技実行手段122は、当否抽選値が確変状態へ移行すべき値であった場合に、特別遊技後の遊技状態を確変状態へ移行させる。確変状態は原則として次の大当たりが発生するまで続行され、その間は当否抽選手段112による当たり判定の確率が高い値のまま維持される。また、特定遊技実行手段122は、当否抽選値の如何に関わらず、特別遊技後に遊技状態を時短の状態へ移行させる。時短は、特別遊技後の特別図柄の変動回数が所定回数、たとえば100回に至るまで継続される。
開閉制御手段124は、始動口62の普通電動役物や大入賞口66の開閉を制御する。開閉制御手段124は、普通図柄が特定の図柄で停止されると、普通電動役物ソレノイド76に開放指示を送り、始動口62を開放させる。また、開閉制御手段124は、特別遊技中、大入賞口ソレノイド80に開放指示を送り、大入賞口66を開放させる。
パターン記憶手段130は、装飾図柄を含む演出画像の変動パターンとして変動表示における変動開始から停止までの変動過程が定められた複数の変動パターンデータを保持する。変動パターンには、通常の外れ図柄を表示するときの変動パターンと、あと一つ図柄が揃えば大当たりとなるリーチ状態を経て外れ図柄を表示するときのリーチ変動パターンと、リーチ状態を経て大当たり図柄を表示するときのリーチ変動パターンが含まれる。特に、リーチ変動パターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれる。とくに変動時間の長いリーチ変動パターンをロングリーチ変動パターンと呼ぶ。各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段132は、特別図柄の変動パターンに応じて、特別図柄と変動時間が等しい演出画像の変動パターンを選択する。
演出決定手段132は、装飾図柄の停止図柄の組合せとその配置および変動パターンを、当否抽選手段112による抽選の結果、特別図柄の停止図柄、特別図柄の変動パターンに応じて決定する。演出決定手段132は、装飾図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルや、変動パターンを決定するために参照すべきパターンテーブルを保持する。このパターンテーブルによれば、当否抽選が当たりの場合にロングリーチ変動パターンを選択する確率は、当否抽選が当たりの場合に他のリーチ変動パターンを選択する確率よりも高い。これにより、ロングリーチ変動パターンは他のリーチ変動パターンよりも大当たりが発生する期待度ないし信頼度が高いリーチパターンと位置づけられ、遊技者にも経験的にそのように認識される。
装飾図柄の停止図柄は、3つの図柄の組合せとして形成され、たとえば当否抽選手段112による判定結果が特別遊技への移行を示す場合は「777」や「111」のように3つの図柄が揃った組合せが選択される。この場合、装飾図柄として揃える数字には、特別図柄と同じ数字が選ばれるのが好ましい。たとえば、特別図柄が「3」の場合は装飾図柄が「333」となる。当否抽選手段112による判定結果が特別遊技へ移行しない旨を示す場合は、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組合せが選択される。ただし、当否判定結果が特別遊技へ移行しない旨を示す場合であって、リーチ付きの外れを示す特別図柄の変動パターンが選択された場合は、「191」や「727」のように一つだけ図柄が揃っていない組合せを選択する。演出決定手段132は、装飾図柄の停止図柄と演出画像の変動パターンの情報を演出表示制御手段134へ送る。
演出表示制御手段134は、当否抽選手段112による当否抽選の結果として、選択された変動パターンデータにしたがって演出表示装置60へ演出画像を変動表示させる。演出表示制御手段134は、遊技効果ランプ90の点灯および消灯や、スピーカ18からの音声出力などの演出処理をさらに制御する。
役物制御手段136は、演出表示制御手段134から受け取る指示にしたがい、演出表示装置60における演出内容や遊技効果ランプ90の点滅過程に沿って、可動役物140を演出的に動作させる。
予告決定手段200は、予告演出を図柄変動中に表示するか否かを決定する予告決定を当否抽選がなされるたびに実行する。予告演出は、当否抽選の結果が当たりである可能性を予告的に示唆する演出である。たとえば図柄変動の背景として特定のモチーフやキャラクタを表示するものであってもよいし、図柄変動を覆うように表示する特定のモチーフやキャラクタであってもよい。予告演出として複数種類の演出内容が用意され、その種類ごとに大当たり発生の可能性が異なるよう出現頻度が設定される。予告決定は、予告演出の種類と変動パターンの種類とが対応付けられた予告対応テーブルに基づいて実行される。その結果、大当たりの期待度が高い変動パターンのときに出現しやすい予告演出や、大当たりの期待度が比較的高くない変動パターンのときに出現しやすい予告演出など、予告演出の種類に応じて大当たりの期待度も異なることとなる。複数種類の予告演出の中で大当たり発生の可能性が高い予告演出をとくに特別予告演出と呼ぶ。予告演出を表示する旨の決定があったときは、予告決定手段200が選択した予告演出を、演出表示制御手段134が図柄の変動とともに演出表示装置60に表示させる。
予告決定手段200は、特別予告演出を表示したにもかかわらず当否抽選の結果が外れであった場合(そのような状態を以下「予告失敗」と呼ぶ)、同種の特別予告演出をしばらく時間が経過してから再び強制的に表示させる演出(以下、「強制再予告演出」と呼ぶ)を実行する。強制再予告演出は、予告失敗から特定回数の変動が経過した後に強制的に同種の予告演出を表示させるものである。本実施例における特定回数とは、たとえば30回の図柄変動である。予告決定手段200は、予告失敗をしたときに強制再予告演出を実行すべきか否か決定する。強制再予告演出を実行する旨の決定をした場合、予告決定手段200は、予告失敗から30回の変動が経過した後でロングリーチ変動パターンが演出決定手段132によって選択されたときに強制再予告演出を実行する。これにより、特別予告演出が表示されて抽選が外れになってしまっても、しばらく時間が経過した後に再び同じチャンスが訪れるように遊技者を意識させることができる。また、特別予告演出が表示されたにもかかわらず抽選が外れてしまったことによる不利益感を薄めることができる。
以上のように損失補填的な動作がなされることは遊技者であれば経験的に知ることができるので、予告失敗があっても強制再予告演出の出現を遊技者に期待させることができる。また、予告失敗があっても強制再予告演出がしばらく後に出現する可能性があるがゆえに、その時点で遊技を終了させるよりも強制再予告演出が出現するまでは遊技を継続させた方が得策であるといった動機を遊技者に与えることにもなり、遊技の継続を望む遊技店側にもメリットがある。
予告決定手段200が強制再予告演出を実行する旨の決定をした場合、30回の変動が経過するまでは特別予告演出の表示を制限する。これにより、しばらく時間が経過するまで同種の特別予告演出が出現しないこととなるので、その現象を見て遊技者が強制再予告演出の出現可能性を知ることができ、遊技者の期待を高めさせることができる。ただし、当否抽選が当たりとなった場合には30回の変動が経過する前であっても特別予告演出の出現を妨げない。これにより、30回の変動が経過する前にもかかわらず特別予告演出が出現すれば、逆に遊技者は抽選が当たりである可能性が高いと認識することができ、遊技者の期待を高めさせることができる。
本実施例においては、強制再予告演出を実行するまでの図柄変動の特定回数は、固定的な回数である。特定回数の図柄変動が経過した後であっても、ロングリーチ変動パターンが選択されるまでは強制再予告演出は実行されないため、実際には予告失敗から強制再予告演出までの変動回数は一定ではない。しかし、特定回数が固定的であるため、回数が固定されていない場合と比べて、強制再予告演出がなされるまでの図柄変動回数を経験によって遊技者が強く認識することができる。
なお、本実施例においては30回の変動が経過するまで特別予告演出の表示を制限するが、変形例においては他種の予告演出も含めた複数またはすべての予告演出の表示を制限してもよい。また、本実施例においては当否抽選がなされるたびに予告決定を実行する例を説明したが、変形例においてはリーチ変動パターンが選択された場合にだけ予告決定を実行したり、ロングリーチ変動パターンが選択された場合にだけ特別予告演出を表示したりする構成であってもよい。
図4は、予告演出を図柄変動の背景としての形式で表示させる例を模式的に示す。本図の予告演出は、ロングリーチ変動パターンに伴って表示される予告演出である。図柄変動画面210には、複数の装飾図柄190が変動表示される。本図では、二つの装飾図柄190がリーチ態様で表示されたタイミングで予告オブジェクト212がその背景のかたちで表示される。予告オブジェクト212は、たとえば雲をモチーフとした映像である。通常の図柄変動中は予告オブジェクト212と同様のオブジェクトを表示させないため、本図のようなモチーフの映像は、予告演出特有の映像となる。本図では、図柄変動画面210を半分近く占めるほどの大きさをもつ雲の映像を予告オブジェクト212として表示させ、しかも確変を伴う大当たりを意味する「7」のリーチ態様が表示されたタイミングでこの予告オブジェクト212を表示させている。そのため、遊技者はこの予告オブジェクト212が表示されれば大当たりのチャンスが到来したことを直観的に認識することができ、また予告オブジェクト212の表示自体がそうしたチャンスを暗示する役割を果たす。
図5は、予告演出を変動図柄に覆い被さるオブジェクトの形式で表示させる第1の例を模式的に示す。本図の予告演出もまたロングリーチ変動パターンに伴って表示される予告演出である。本図(a)では、図柄変動画面210に通常の図柄変動表示として「7」のリーチ態様が表示されるとともに、残り一つの図柄が変動表示されたままの状態である。その変動表示されたままの図柄が、次の本図(b)において予告オブジェクト212によって覆い隠される。予告オブジェクト212によって覆い隠された図柄は覆い隠された状態のまま停止されるので、そのように隠れた状態で図柄停止されることを経験的に知る遊技者は、大当たり態様での停止を期待することとなる。予告オブジェクト212が移動して図柄が現れた状態が本図(c)であり、装飾図柄190の停止図柄組合せが本図のようにすべて現れる。ここでは停止図柄が外れ停止図柄組合せである状態が示される。本図の変形例としては、三つの装飾図柄190がすべて停止した状態で、その停止図柄組合せが外れの態様であった場合に予告オブジェクト212が現れて少なくとも一部の図柄を覆い隠し、予告オブジェクト212が移動して図柄が現れたときには当たり停止図柄組合せで図柄が揃っている状態になるといった演出の仕方でもよい。あるいは、確変を伴わない当たりの停止図柄組合せで停止した状態で予告オブジェクト212が現れて図柄を覆い隠し、予告オブジェクト212が移動して図柄が現れたときには確変を伴う当たりの停止図柄組合せで図柄が揃っている状態になるといった演出の仕方でもよい。
図6は、予告演出を変動図柄に覆い被さるオブジェクトの形式で表示させる第2の例を模式的に示す。本図の予告演出もまたロングリーチ変動パターンに伴って表示される予告演出である。本図(a)では、図柄変動画面210に通常の図柄変動表示としてリーチ態様でないかたちで二つの図柄が停止されるとともに、残り一つの図柄が変動表示されたままの状態である。このとき本図(b)のように予告オブジェクト212が現れて、停止されている図柄の一つが予告オブジェクト212により覆い隠される。予告オブジェクト212が移動して図柄が現れた状態が本図(c)であり、現れた図柄はもう一つの停止図柄との組合せがリーチ態様となる図柄に差し替えられている。その後のリーチ態様での図柄変動は、通常のリーチ変動パターンと同様である。
以上、図4〜6のように、リーチ態様となる前に出現する予告演出やリーチ態様となった後に出現する予告演出など、様々な種類の予告演出が用意され、それぞれ当否抽選の結果やそのときの変動パターンに応じて選択される。これらの予告演出のうちいずれを特別予告演出と位置づけるかの設計は自由であるが、少なくとも特別予告演出が大当たりのときに表示される確率は、他の予告演出が大当たりのときに表示される確率よりも高くなるよう設計される。以上のような表示態様をもつ特別予告演出が表示されたにもかかわらず抽選が外れであった場合、すなわち図5(c)のような状態となった場合に、所定期間後の強制再予告演出をすべきか否かが決定される。
図7は、予告失敗から強制再予告演出までの過程を示すタイムチャートである。本図の水平軸は、左から右へ向かって時間の経過を表しており、各目盛りは10回転分の特別図柄の図柄変動を表す。まず予告失敗が生じたときに、強制再予告演出をすべきか否かが決定され、強制再予告演出をすべき旨の決定がなされた場合は、その図柄変動から30回転目までは予告制限期間となる。予告制限期間では、当否抽選が当たりとならない限り特別予告演出は再び表示されない。30回転を経過した後、はじめてロングリーチ変動パターンが選択されたときに強制的に特別予告演出を表示させる。この時点で強制予告期間は終了する。強制予告期間は、予告の表示有無にかかわらず大当たりが発生した場合にもそのタイミングで終了する。ロングリーチ変動パターンに伴って強制再予告演出が実行された時点以降は再び通常の予告期間として図柄変動ごとの通常の予告決定が実行される。
図8は、ぱちんこ遊技機における基本的な動作過程を示すフローチャートである。まず、遊技球が始動口62、一般入賞口72、大入賞口66などへ入賞した場合や、遊技球が作動口68を通過した場合の処理を実行し(S10)、特別遊技中でなければ(S12のN)、当否抽選などの通常遊技の制御処理を実行し(S14)、特別遊技中であれば(S12のY)、特別遊技の制御処理を実行し(S16)、S10からS16までの処理における各種入賞に応じた賞球払出を処理する(S18)。
図9は、図8におけるS14の通常遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。通常遊技制御処理において、当否抽選値の保留がなされている場合であって(S30のY)、図柄変動が表示中でなければ(S32のN)、当否抽選手段112が当否判定処理を実行する(S34)。その判定結果に応じてメイン表示制御手段118が変動表示を開始するとともに、変動開始コマンドを演出表示制御手段134へ送信し、これを受信した演出表示制御手段134が変動パターンデータにしたがって演出画像の変動表示を開始する(S36)。S30において当否抽選値が保留されていなかった場合は(S30のN)、S32からS36までの処理がスキップされ、S32において図柄変動が表示中であった場合は(S32のY)、S34およびS36の処理がスキップされる。続いて、図柄変動表示がすでに開始されていれば(S38のY)、図柄変動表示処理を実行し(S40)、図柄変動表示が開始されていないときは(S38のN)、S40をスキップする。
図10は、図9におけるS34の当否判定処理を詳細に示すフローチャートである。当否判定処理においては、当否抽選手段112が当否抽選値を取得し(S42)、その当否抽選値に基づいて当否を判定する(S44)。図柄決定手段114は、当否判定結果に基づいて特別図柄の停止図柄を決定し(S46)、特別図柄の変動パターンを選択する(S48)。演出決定手段132は、当否判定結果や特別図柄に合わせて装飾図柄の停止図柄組合せを決定し(S50)、装飾図柄の変動パターンを選択する(S52)。予告決定手段200は、装飾図柄の変動パターンや当否判定結果に応じて予告演出をするか否かと予告演出の種類を決定する(S54)。すでに強制再予告演出を実行する決定がなされた状態の場合は(S56のY)、強制再予告演出の制御を処理し(S64)、強制再予告演出を実行する決定がなされていない状態の場合はS58に進む(S56のN)。S58においては、S54の予告決定により特別予告演出をする旨の決定がなされている場合であって(S58のY)、S44の当否判定結果が外れであった場合は(S60のN)、予告失敗であるとして強制再予告演出制御をすべきか否かを決定する(S62)。S44の当否判定結果が当たりであった場合は(S60のY)、S62をスキップする。S58において特別予告演出をする旨の予告決定がなされていなければ(S58のN)、S60以降をスキップする。
図11は、図10におけるS64の強制再予告演出の制御処理を詳細に示すフローチャートである。予告失敗から30回の図柄変動が経過する前の場合(S100のY)、当否判定結果が外れであれば(S108のN)、図10のS54で予告決定された場合の予告演出をキャンセルして予告演出の出現を制限し(S110)、当否抽選が当たりであればS110をスキップして予告演出の出現を妨げない。予告失敗から30回の図柄変動が経過した後の場合(S100のN)、ロングリーチ変動パターンが選択されていれば(S102のY)、その図柄変動とともに強制的に特別予告演出を再表示する旨を決定し(S104)、強制再予告演出の制御状態をリセットして通常状態に戻す(S106)。ロングリーチ変動パターンが選択されていなければ(S102のN)、S104とS106をスキップする。
図12は、図8におけるS16を詳細に示すフローチャートである。まず、大入賞口66が開放済でなければ(S70のN)、演出表示制御手段134が特別遊技の演出処理を開始し(S72)、開閉制御手段124が大入賞口66を開放する(S74)。大入賞口66が開放済であればS72およびS74をスキップする(S70のY)。大入賞口66が開放されてから所定の開放時間が経過した場合(S76のY)、または、開放時間が経過していないものの(S76のN)、大入賞口66へ遊技球が9球以上入球した場合(S78のY)、開閉制御手段124が大入賞口66を閉鎖させる(S80)。開放時間が経過しておらず(S76のN)、大入賞口66への入球数も9球以上に達していない場合は(S78のN)、S80以降の処理をスキップしてS16のフローを終了する。
S80における大入賞口66の閉鎖後、単位遊技のラウンド数が15に達していた場合(S82のY)、演出表示制御手段134は特別遊技の演出処理を終了させ(S84)、特別遊技制御手段120は特別遊技を終了させる(S86)。ラウンド数が15に達していなければ(S82のN)、ラウンド数に1を加算してS16のフローを終了する(S90)。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例はあくまで例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
上記の実施例においては、図柄の変動パターンを選択する処理とは別個に予告演出の有無や予告演出の種類を決定する例を説明した。変形例においては、予告演出を表示させるか否かや、どの種類の予告演出を表示させるかが変動パターンの中に定義されている方式で本発明を実現してもよい。
上記の実施例においては、特別予告演出を表示したにもかかわらず抽選が外れたときに強制再予告演出を実行する例を説明したが、変形例においては、特別予告演出以外の予告演出をしながら抽選が外れとなった場合にも強制再予告演出を実行する構成であってもよい。
上記の実施例においては、特定のモチーフ画像を表示する形式で予告演出する例を説明した。変形例においては、そうした画像表示による予告演出に加えて音声出力やランプ点灯の演出も実行する形式で予告演出してもよい。あるいは、画像表示による形式に代えて音声出力やランプ点灯による形式の予告演出を実行してもよい。
上記の実施例においては、いわゆる第1種ぱちんこ遊技機を例に説明したが、当然ながらそのような機種に限定する趣旨ではなく、予告演出を実行するための装置を有する機種であればどのような機種であっても実現可能である。たとえば、複数の第1種ぱちんこ遊技機を複合させたような機種であってもよいし、第1種ぱちんこ遊技機と第2種ぱちんこ遊技機を複合させたような機種であってもよい。あるいは、第3種ぱちんこ遊技機やアレンジボールなどの機種であってもよい。
ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す図である。 ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す図である。 本実施例におけるぱちんこ遊技機の機能ブロックを示す図である。 予告演出を図柄変動の背景としての形式で表示させる例を模式的に示す。 予告演出を変動図柄に覆い被さるオブジェクトの形式で表示させる第1の例を模式的に示す。 予告演出を変動図柄に覆い被さるオブジェクトの形式で表示させる第2の例を模式的に示す。 予告失敗から強制再予告演出までの過程を示すタイムチャートである。 ぱちんこ遊技機における基本的な動作過程を示すフローチャートである。 図8におけるS14の通常遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。 図9におけるS34の当否判定処理を詳細に示すフローチャートである。 図10におけるS64の強制再予告演出の制御処理を詳細に示すフローチャートである。 図8におけるS16を詳細に示すフローチャートである。
符号の説明
10 ぱちんこ遊技機、 50 遊技盤、 52 遊技領域、 60 演出表示装置、 61 特別図柄表示装置、 62 始動口、 100 遊技制御装置、 102 メイン基板、 104 サブ基板、 112 当否抽選手段、 114 図柄決定手段、 118 メイン表示制御手段、 120 特別遊技制御手段、 122 特定遊技実行手段、 130 パターン記憶手段、 132 演出決定手段、 134 演出表示制御手段、 190 装飾図柄、 192 特別図柄、 200 予告決定手段、 210 図柄変動画面、 212 予告オブジェクト。

Claims (1)

  1. 遊技領域が形成された遊技盤と、
    前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が抽選の契機となる始動入賞口と、 前記始動入賞口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するための当否抽選を実行する当否抽選手段と、
    前記当否抽選の結果を演出的に示すための複数の図柄が変動表示される演出表示装置と、
    前記複数の図柄の変動表示における変動開始から停止までの態様が定められた複数の変動パターンを保持するパターン記憶手段と、
    前記当否抽選の結果に応じて前記複数の変動パターンからいずれかを選択する演出決定手段と、
    前記当否抽選の結果が当たりである可能性を予告的に示唆する演出である所定種類の予告演出を図柄変動中に表示するか否か決定する予告決定を実行する予告決定手段と、
    前記選択された変動パターンにしたがって前記演出表示装置に図柄の変動を表示させるとともに、前記所定種類の予告演出を表示する旨の決定があったときは前記図柄の変動とともに前記所定種類の予告演出を前記演出表示装置に表示させる演出表示制御手段と、
    前記当否抽選が当たりであることを示す所定の停止図柄組合せにて前記図柄の変動が停止した場合に通常遊技よりも遊技者に有利となる遊技である特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、を備え、
    前記パターン記憶手段は、あと一つ図柄が揃えば当たりの停止図柄組合せとなり得るリーチ態様の表示を伴う複数種類のリーチ変動パターンを前記変動パターンとして保持し、
    前記予告決定手段は、前記所定種類の予告演出を表示したにもかかわらず前記当否抽選の結果が外れであった場合、その図柄変動から所定の固定回数である特定回数の変動が経過するまでは、少なくとも当否抽選の結果が外れとなる場合には前記所定種類の予告演出を含む複数またはすべての種類の予告演出を表示させず、当否抽選の結果が当りとなる場合には前記所定種類の予告演出を再度表示させ得るとともに、前記特定回数の変動が経過した後の所定の強制予告期間においては所定のリーチ変動パターンが選択されたときに強制的に前記予告演出を表示する旨を決定し、前記予告演出を表示した場合または当否抽選の結果が当りとなった場合に前記強制予告期間を終了することを特徴とする弾球遊技機。
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