図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。以下、弾球遊技機として従来にいういわゆる第1種ぱちんこ遊技機を例に説明する。ぱちんこ遊技機10は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機10の遊技機枠は、外枠11、前枠12、透明板13、扉14、上球皿15、下球皿16、および発射ハンドル17を含む。外枠11は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機10を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠12は、外枠11の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠11へ開閉可能に取り付けられる。前枠12は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
透明板13は、ガラスなどにより形成され、扉14により支持される。扉14は、図示しないヒンジ機構により前枠12へ開閉可能に取り付けられる。上球皿15は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿16への遊技球の抜き取り等の機構を有する。下球皿16は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。上球皿15と下球皿16の間にはスピーカ18が設けられており、遊技状態などに応じた効果音が出力される。
遊技盤50は、外レール54と内レール56により区画された遊技領域52上に、アウト口58、特別図柄表示装置61、演出表示装置60、始動入賞口(以下、「始動口」という)62、センター飾り64、大入賞口66、作動口68、一般入賞口72を含む。さらに遊技領域52には、図示しない複数の遊技釘や風車などの機構が設置される。始動口62は、遊技球の入球を検出するための始動入賞検出装置74と、始動口62の拡開機構を拡開させるための普通電動役物ソレノイド76を備える。始動口62の拡開機構が拡開されたとき、始動口62の開口幅が拡がって入球容易性が向上する。始動入賞検出装置74は、始動口62への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す始動入賞情報を生成する。一般入賞口72は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置73を備える。一般入賞検出装置73は、一般入賞口72への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成する。大入賞口66は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置78と、大入賞口66を拡開させるための大入賞口ソレノイド80を備える。入賞検出装置78は、大入賞口66への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す大入賞口入賞情報を生成する。
大入賞口66は、特別図柄192が所定の態様にて停止したときに「大当たり」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。大入賞口66はアウト口58の上方等の位置に設けられる。大入賞口66の入賞検出装置78は、遊技球の通過を検出するセンサを備えて構成される。
遊技領域52の左方に設けられた特別図柄表示装置61および遊技領域52の略中央に設けられた演出表示装置60は、それぞれの画面に特別図柄192の変動と、特別図柄192に連動する装飾図柄190を含む演出画像の変動を表示する(以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という)。ここで、特別図柄192は、始動口62への遊技球の落入を契機として行われる抽選の結果に対応した図柄であり、その変動表示が停止されたときの図柄態様が当たりと定められた図柄であった場合、その停止図柄が表示されたタイミングが大当たり発生タイミングとなる。特別図柄表示装置61は、例えば7セグメントLEDで構成される表示手段である。演出表示装置60は、特別図柄192の変動表示と連動する形で装飾図柄190を変動表示する液晶ディスプレイである。装飾図柄190は、特別図柄192で示される抽選の結果表示を視覚的に演出するための図柄である。演出表示装置60は、装飾図柄190として、例えばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄変動の動画像を画面の中央領域に表示する。演出表示装置60は、この実施例では液晶ディスプレイで構成されるが、ドラムなどの機械式回転装置やLEDなどの他の表示手段で構成されてもよい。なお、特別図柄192は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、本実施例では演出表示装置60の左下方の特別図柄表示装置61にて目立たない大きさで表示させるが、特別図柄自体に演出的な役割をもたせて装飾図柄を表示させないような手法を採用する場合には、特別図柄を演出表示装置60のような液晶ディスプレイに表示させてもよい。作動口68は、遊技盤50の左側方位置に設けられる。作動口68は、通過検出装置69を含む。通過検出装置69は、作動口68への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。作動口68への遊技球の通過は始動口62の拡開機構を拡開させるか否かを決定する開放抽選の契機となる。作動口68を遊技球が通過すると、開放抽選の結果を示す図柄である普通図柄が普通図柄表示装置59に変動表示される。普通図柄表示装置59は演出表示装置60の右下方に設けられる。所定時間の経過後に普通図柄の変動表示が停止すると、通常、50%から80%程度の確率で始動口62が所定時間拡開する。
演出表示装置60の周囲には、センター飾り64が設けられる。センター飾り64は、遊技球の流路、特別図柄表示装置61および演出表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。演出表示装置60の下方には、抽選保留ランプ20が設けられ、その対称的な位置である遊技領域52の右下部には、普通図柄表示装置59の下に作動保留ランプ22が設けられている。抽選保留ランプ20は、4個のランプからなり、その点灯個数によって当否抽選の保留数を表示する。当否抽選の保留数は、図柄変動中または後述する特別遊技中に始動口62へ入賞した抽選結果の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。作動保留ランプ22もまた4個のランプからなり、その点灯個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄の変動中に作動口68を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。さらに演出表示装置60の上方および下方には、それぞれ遊技効果ランプ90が設けられている。操作ボタン82は、遊技者が遊技機へ所定の指示を入力するために操作するボタンである。操作ボタン82は、上球皿15近傍の外壁面に設けられる。
遊技者が発射ハンドル17を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿15に貯留された遊技球が1球ずつ内レール56と外レール54に案内されて遊技領域52へ発射される。遊技者が発射ハンドル17の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域52の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車に当たりながらその当たり方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口72や始動口62、大入賞口66の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿15または下球皿16に払い出される。一般入賞口72等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口58に落入した遊技球はアウト球として処理される。なお、各入賞口は遊技球が通過するゲートタイプのものを含み、本願において「落入」「入球」「入賞」というときは「通過」を含むものとする。
遊技球が始動口62に落入すると、特別図柄表示装置61および演出表示装置60において特別図柄192および装飾図柄190が変動表示される。特別図柄192および装飾図柄190の変動表示は、表示に先立って決定された表示時間の経過後に停止される。停止時の特別図柄192および装飾図柄190が大当たりを示す図柄である場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、大入賞口66の開閉動作が開始される。このときスロットマシンのゲームを模した装飾図柄190は、3つの図柄を一致させるような表示態様をとる。
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。電源スイッチ40はぱちんこ遊技機10の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板102は、ぱちんこ遊技機10の全体動作を制御し、特に始動口62へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板104は、液晶ユニット42を備え、演出表示装置60における表示内容や複数の可動役物140の動作、遊技効果ランプ90の点灯を制御し、特にメイン基板102による抽選結果に応じて表示内容を変動させ、その演出の進行に沿って可動役物140や遊技効果ランプ90の点灯を作動させる。メイン基板102およびサブ基板104は、遊技制御装置100を構成する。セット基盤39は、賞球タンク44や賞球の流路、賞球を払い出す払出ユニット43等を含む。払出ユニット43は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク44から供給される遊技球を上球皿15へ払い出す。払出制御基板45は、払出ユニット43による払出動作を制御する。発射装置46は、上球皿15の貯留球を遊技領域52へ1球ずつ発射する。発射制御基板47は、発射装置46の発射動作を制御する。電源ユニット48は、ぱちんこ遊技機10の各部へ電力を供給する。
図3は、本実施例におけるぱちんこ遊技機10の機能ブロックを示す。ぱちんこ遊技機10において、遊技制御装置100は、始動口62、大入賞口66、一般入賞口72、作動口68、特別図柄表示装置61、演出表示装置60、普通図柄表示装置59、操作ボタン82、スピーカ18、遊技効果ランプ90、可動役物140のそれぞれと電気的に接続されており、各種制御信号の送受信を可能とする。遊技制御装置100は、遊技の基本動作だけでなく、図柄変動表示や可動役物140、電飾等の演出的動作も制御する。遊技制御装置100は、遊技の基本動作を含むぱちんこ遊技機10の全体動作を制御するメイン基板102と、図柄の演出等を制御するサブ基板104とに機能を分担させた形態で構成される。遊技制御装置100は、ハードウエア的にはデータやプログラムを格納するROMやRAM、演算処理に用いるCPU等の素子を含んで構成される。
本実施例におけるメイン基板102は、入球判定手段110、当否抽選手段112、図柄決定手段114、保留制御手段116、メイン表示制御手段118、特別遊技制御手段120、特定遊技実行手段122、開閉制御手段124を備える。本実施例におけるサブ基板104は、パターン記憶手段130、演出決定手段132、演出表示制御手段134、役物制御手段136を備える。なお、メイン基板102に含まれる各機能ブロックは、いずれかがメイン基板102ではなくサブ基板104に搭載されるかたちで構成されてもよい。同様に、サブ基板104に含まれる各機能ブロックは、いずれかがサブ基板104ではなくメイン基板102に搭載されるかたちで構成されてもよい。
入球判定手段110は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段110は、始動入賞情報を受け取ると遊技球が始動口62に入賞したと判断し、大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が大入賞口66に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口72に入賞したと判断する。入球判定手段110は、通過情報を受け取ると遊技球が作動口68を通過したと判断する。
当否抽選手段112は、始動口62への遊技球の入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するために乱数の値を当否抽選値として取得する。たとえば、当否抽選値は「0」から「65535」までの値範囲から取得される。なお、本願にいう「乱数」は、数学的に発生させる乱数でなくてもよく、ハードウエア乱数やソフトウエア乱数などにより発生させる擬似乱数でもよい。当否抽選手段112は、当否判定で参照する当否テーブルを複数保持する。複数の当否テーブルには、当たりまたは外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられた当たりの範囲設定に応じて当否確率が定まる。当否抽選手段112は、通常時には通常確率による当否判定のための当否テーブルを参照し、確率変動時には通常確率より当たりの確率が高くなる当否テーブルを参照する。当否抽選手段112は、複数の当否テーブルのうちいずれかを参照し、当否抽選値が当たりであるか否かを判定する。当否抽選手段112による判定結果は、特別図柄表示装置61において特別図柄の形で変動表示される。また、当否抽選手段112による判定結果を演出的に示す装飾図柄が演出表示装置60において変動表示される。
図柄決定手段114は、特別図柄表示装置61に表示させる特別図柄の停止図柄と変動パターンを、当否抽選手段112による抽選の結果に応じて決定する。また、図柄決定手段114は、普通図柄表示装置59に表示させる普通図柄の停止図柄を抽選により決定する。停止図柄は、図柄変動の終了時に表示すべき図柄である。図柄決定手段114は、特別図柄や普通図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルや、変動パターンを決定するために参照すべきパターン決定テーブルを保持する。
図柄決定手段114は、特別図柄を決定するための図柄決定抽選値を取得し、当否抽選手段112による当否判定結果と図柄決定抽選値とに応じて特別図柄の停止図柄を決定する。図柄決定手段114は、当否抽選手段112による当否判定結果に応じて複数の変動パターンからいずれかのパターンを選択する。図柄決定手段114は、決定した停止図柄および変動パターンを示すデータをメイン表示制御手段118および演出決定手段132へ送出する。
図柄決定手段114は、特別図柄を変動表示させるときの変動開始から停止までの変動態様が定められた複数種の変動パターンを記憶する。複数種の変動パターンは、長短様々な変動時間をもつ。すなわち、各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄の変動が停止される。
図柄決定手段114は、遊技球が作動口68を通過した場合に、普通図柄を決定するための抽選乱数を取得し、その抽選乱数に応じて普通図柄の停止図柄を決定する。普通図柄の停止図柄が特定の図柄であった場合、開閉制御手段124が始動口62の普通電動役物を所定時間拡開する。
保留制御手段116は、当否抽選手段112により取得された当否抽選値を保留球として保持する。当否抽選値は、その保留数が所定の上限に達するまで蓄積される。保留数の上限は4である。
メイン表示制御手段118は、当否抽選手段112による抽選の結果を、図柄決定手段114により決定された変動パターンにしたがって特別図柄の変動表示として特別図柄表示装置61に表示させる。メイン表示制御手段118は、特別図柄の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出表示制御手段134へ送信することにより、メイン表示制御手段118および演出表示制御手段134による変動表示が同期し、連動が保たれる。メイン表示制御手段118は、普通図柄の変動を普通図柄表示装置59に表示させる。
特別遊技制御手段120は、当否抽選手段112による当否抽選結果が当たりであった場合に、特別遊技の実行処理を制御する。特別遊技は、大入賞口66の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、1回の開閉を単位とした1回または複数回の単位遊技で構成される。特別遊技制御手段120は、単位遊技の継続回数が上限回数に達していなければ、現在の単位遊技の終了後に次の単位遊技を開始させる。単位遊技の上限回数を消化した場合には、特別遊技を終了させる。
ここで、特別遊技制御手段120は、読み出した当否抽選値が所定の第1範囲内または所定の第2範囲内の値であった場合に特別遊技を実行する。特別遊技では、30秒経過するまで、または30秒経過前に9球以上の遊技球が落入するまで大入賞口66を開放させて一旦閉鎖させる単位遊技が繰り返される。このとき、このように大入賞口66が1回開放される間に遊技球が少なくとも1球以上特定領域へ落入することを条件に所定回数(本実施形態では15回)を限度として、大入賞口66を開閉させる上記の単位遊技が繰り返される。
特定遊技実行手段122は、遊技状態を通常状態から特定遊技状態へ移行させる制御と、特定遊技状態から通常状態へ戻す制御を実行する。特定遊技実行手段122は、読み出した当否抽選値が所第1範囲内の値であった場合に、特別遊技の実行終了後に特定遊技として確率変動遊技を開始する。確率変動遊技中においては、通常の確率状態より当たりの確率が高い設定で当否抽選が行われ、比較的早期に新たな特別遊技が発生しやすくなる。以下、「確率変動」を必要に応じて「確変」と略して説明する。確変状態は原則として次の大当たりが発生するまで続行され、その間は当否抽選手段112によって当たりと判定される確率が高い値のまま維持される。また、特定遊技実行手段122は、読み出した当否抽選値が第2範囲内の値であった場合に、特別遊技の実行終了後に確変状態に移行させず、通常の確率状態に移行させる。
また、特定遊技実行手段122は、当否抽選値の如何に関わらず、特別遊技が終了した後の通常遊技において特定遊技の一つである変動短縮遊技(以下、適宜「時短」という)を開始する。時短中においては、特定遊技実行手段122は特別図柄および装飾図柄の変動時間を通常より短縮する。特定遊技実行手段122は、特別遊技後の特別図柄の変動回数が所定回数(本実施形態では100回)に至るまで時短を継続させ、所定の変動回数の変動表示がなされた後で特別図柄および装飾図柄の変動時間を元の変動時間に戻す。
開閉制御手段124は、始動口62の普通電動役物や大入賞口66の開閉を制御する。開閉制御手段124は、普通図柄が特定の図柄で停止されると、普通電動役物ソレノイド76に開放指示を送り、始動口62を開放させる。また、開閉制御手段124は、特別遊技中、大入賞口ソレノイド80に開放指示を送り、大入賞口66を開放させる。
パターン記憶手段130は、装飾図柄を含む演出画像の変動パターンとして変動表示における変動開始から停止までの変動過程が定められた複数の変動パターンデータを保持する。変動パターンには、通常の外れ図柄を表示するときのパターンと、あと一つ図柄が揃えば大当たりとなるリーチ状態を経て外れ図柄を表示するときのパターンと、リーチ状態を経て大当たり図柄を表示するときのパターンが含まれる。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれる。各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段132は、特別図柄の変動パターンに応じて、特別図柄と変動時間が等しい演出画像の変動パターンを選択する。
演出決定手段132は、装飾図柄の停止図柄の組合せとその配置および変動パターンを、当否抽選手段112による抽選の結果、特別図柄の停止図柄、特別図柄の変動パターンに応じて決定する。演出決定手段132は、装飾図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルや、変動パターンを決定するために参照すべきパターンテーブルを保持する。
装飾図柄の停止図柄は、3つの図柄の組合せとして形成され、たとえば当否抽選手段112による判定結果が特別遊技への移行を示す場合は「777」や「111」のように3つの図柄が揃った組合せが選択される。この場合、装飾図柄として揃える数字には、特別図柄と同じ数字が選ばれるのが好ましい。たとえば、特別図柄が「3」の場合は装飾図柄が「333」となる。当否抽選手段112による判定結果が特別遊技へ移行しない旨を示す場合は、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組合せが選択される。ただし、当否判定結果が特別遊技へ移行しない旨を示す場合であって、リーチ付きの外れを示す特別図柄の変動パターンが選択された場合は、「191」や「727」のように一つだけ図柄が揃っていない組合せを選択する。演出決定手段132は、装飾図柄の停止図柄と演出画像の変動パターンの情報を演出表示制御手段134へ送る。
演出表示制御手段134は、当否抽選手段112による当否抽選の結果として、選択された変動パターンデータにしたがって演出表示装置60へ演出画像を変動表示させる。演出表示制御手段134は、遊技効果ランプ90の点灯および消灯や、スピーカ18からの音声出力などの演出処理をさらに制御する。したがって、演出表示制御手段134は、選択された変動パターンにしたがって演出を実行する演出実行手段として機能する。
役物制御手段136は、演出表示制御手段134から受け取る指示にしたがい、演出表示装置60における演出内容や遊技効果ランプ90の点滅過程に沿って、可動役物140を演出的に動作させる。
ここで、本実施形態に係るパターン記憶手段130は、擬似連続変動演出が表示される擬似連続変動パターンを複数保持する。擬似連続変動演出とは、当否抽選の結果を表すための装飾図柄190の1回の変動表示の間に、装飾図柄190停止させたように表示する半停止状態に一時的にすることにより擬似的に装飾図柄190を複数回変動表示させたように見せる演出をいう。ここで、本実施形態において、装飾図柄190を「半停止状態にする」、すなわち「半停止させる」とは、装飾図柄190を下方向へ継続的に移動させ、上下方向に揺れているように変動させることにより当たりまたは外れを示す装飾図柄190の組合せが表示される有効ライン付近に装飾図柄190を停留させ、装飾図柄190が有効ライン上であたかも停止したように表示することをいう。なお、装飾図柄190を停止させずにあたかも停止したように半停止させる態様は、このような態様に限られないことは勿論である。このように、擬似連続変動演出を表示させることにより、1回の装飾図柄190の変動中に装飾図柄を擬似的に連続した複数回変動させることができる。
さらに、本実施形態に係るぱちんこ遊技機10は、ミッション演出を実行することが可能となっている。ミッション演出とは、ミッションを提示することにより、指定期間内にそのミッションを達成するよう遊技者に指令する演出をいう。ミッションとは、例えば、「5回転以内に5を止めろ!」、「3分以内に7でリーチをかけろ!」など、指定期間内に特定の演出が実行されることを内容とする条件をいう。ミッションは、達成することで特別遊技が実行される可能性の増大に繋がることを示唆する条件として利用される。
パターン記憶手段130は、ミッション演出を演出表示装置60に表示させるためのミッション演出パターンを複数保持する。演出決定手段132は、新たに抽選を実施することによりミッション演出を実行するか否かを決定する。演出表示制御手段134は、選択されたミッション演出パターンにしたがって演出表示装置60にミッション演出を表示させる。
パターン記憶手段130は、第1ミッションを示す第1ミッションデータ、および第2ミッションを示す第2ミッションデータがそれぞれ複数種類保持している。第1ミッションは、それを満たす演出が実行されたときに装飾図柄190が半停止状態となることを示唆する条件として利用され、第2ミッションは、それを満たす演出が実行されたときに装飾図柄190が当否抽選の結果が当たりであったことを示す態様で停止表示されることを示唆する条件として利用される。さらに、パターン記憶手段130は、連続ミッション演出において、第1ミッションおよび第2ミッションを達成させる期間を指定する指定期間を示す指定期間データを複数種類保持している。
なお、本実施形態におけるパターン記憶手段130は、制限時間を示す指定期間データを保持する。但し、パターン記憶手段130が装飾図柄190の変動の制限回数を示す指定期間データを保持してもよい。この場合の制限回数は1回でもよく複数回でもよい。例えば装飾図柄190の変動の制限回数が1回のときに第1ミッションおよび第2ミッションを達成させる場合、1回の擬似連続変動演出を実行中に第1ミッションおよび第2ミッションを達成させることを遊技者に指令することになる。
パターン記憶手段130は、ミッション演出パターンとして、連続ミッション演出パターンを保持する。連続ミッション演出パターンは、第1ミッションおよび第2ミッションを提示することにより、第1ミッション、第2ミッションの順に順次達成させる演出を実行させることを遊技者に指令する連続ミッション演出を表示させるミッション演出パターンである。演出決定手段132は、連続ミッション演出パターンを選択する場合、連続ミッション演出において表示される第1ミッション、第2ミッション、および指定期間を示す第1ミッションデータ、第2ミッションデータ、および指定期間データもパターン記憶手段130に保持された複数種類のデータの中から一緒に選択する。演出表示制御手段134は、連続ミッション演出パターンが選択された場合、一緒に選択された第1ミッションデータが示す第1ミッション、第2ミッションデータが示す第2ミッション、および指定期間データが示す指定期間を、連続ミッション演出においてそれぞれ演出表示装置60に表示させる。
図4(a)は、連続ミッション演出において最初に演出表示装置60に表示される一例を示す図である。連続ミッション演出パターンが選択された場合、演出表示制御手段134は、連続ミッション演出として、遊技者に連続ミッション演出であることを示すための「連続して達成しろ!」の文字と共に、選択された指定期間データを利用して指定期間を示す文字を、選択された第1ミッションデータを利用して第1ミッションの内容を示す文字を、および選択された第2ミッションデータを利用して第2ミッションの内容を示す文字を、それぞれ演出表示装置60に表示させる。図4(a)に示す例では、指定期間を示すものとして「5分以内に」の文字が表示されている。また、第1ミッションの内容を示すものとして「1をとめろ!」の文字が、第2ミッションの内容を示すものとして「3でリーチをかけろ!」の文字が、それぞれ演出表示装置60に表示されている。
図4(b)は、図4(a)のように表示された直後における演出表示装置60の表示態様を示す図である。演出表示制御手段134は、図4(a)のように表示させた後、指定期間を示す文字と、「連続して達成しろ!」の文字を演出表示装置60から消去する。次に演出表示制御手段134は、指定期間から経過時間を減算した残り時間を演出表示装置60に表示させる。
図5は、第1ミッションの具体的な内容を示すテーブルである。パターン記憶手段130は、第1ミッションのうち指定期間以外の演出に関する条件として、図5に示すように、「〜をとめろ!」など、装飾図柄190の停止態様に関する条件や、「雨を降らせろ!」など、装飾図柄190以外の予告演出に関する条件を第1ミッションデータとして保持している。ここで、予告演出とは、図柄変動と合わせて、変動する図柄が重ねられるように表示される特定の演出を演出表示装置60に表示させることにより、大当たりの可能性の変化を遊技者に示唆する演出をいう。図5に示すように、本実施形態に係るパターン記憶手段130は、リーチ状態における装飾図柄190の停止態様に関する第1ミッションを示す第1ミッションデータを保持していない。
図6は、第2ミッションの具体的な内容を示すテーブルである。パターン記憶手段130は、第2ミッションのうち指定期間以外の演出に関する条件として、例えば「1でリーチをかけろ!」など、リーチ状態における装飾図柄190の停止態様に関する条件や、例えばスーパーリーチにおいて、「キャラクタAを出せ!」など、スーパーリーチ状態において表示される演出に関する条件を第2ミッションデータとして保持している。ここで、スーパーリーチとは、左右の装飾図柄190を停止させてリーチ状態とした後すぐに残りの中央の装飾図柄190を停止させるのではなく、中央の装飾図柄190を変動させたまま所定の演出を演出表示装置60に表示させた後、中央の装飾図柄190を停止させる演出をいう。図6に示すように、本実施形態に係るパターン記憶手段130は、リーチ状態における装飾図柄190の停止態様に関する第2ミッションを示す第2ミッションデータを保持している。このように、第2ミッションがリーチ状態における装飾図柄190の停止態様に関するものとなっているため、第2ミッションを達成させることにより、そのまま装飾図柄190を当たり態様で停止させることができ、遊技を円滑に進行させることができる。
図7は、ぱちんこ遊技機における基本的な動作過程を示すフローチャートである。まず、遊技球が始動口62、一般入賞口72、大入賞口66などへ入賞した場合や、遊技球が作動口68を通過した場合の処理を実行し(S10)、特別遊技中でなければ(S12のN)、当否抽選などの通常遊技の制御処理を実行し(S14)、特別遊技中であれば(S12のY)、特別遊技の制御処理を実行し(S16)、S10からS16までの処理における各種入賞に応じた賞球払出を処理する(S18)。
図8は、図7におけるS14の通常遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。通常遊技制御処理において、当否抽選値の保留がなされている場合であって(S30のY)、図柄変動が表示中でなければ(S32のN)、当否抽選手段112が当否判定処理を実行する(S34)。その判定結果に応じてメイン表示制御手段118が変動表示を開始するとともに、変動開始コマンドを演出表示制御手段134へ送信し、これを受信した演出表示制御手段134が変動パターンデータにしたがって演出画像の変動表示を開始する(S36)。S30において当否抽選値が保留されていなかった場合は(S30のN)、S32からS36までの処理がスキップされ、S32において図柄変動が表示中であった場合は(S32のY)、S34およびS36の処理がスキップされる。続いて、図柄変動表示がすでに開始されていれば(S38のY)、図柄変動表示処理を実行し(S40)、図柄変動表示が開始されていないときは(S38のN)、S40をスキップする。
なお、S40において、演出表示制御手段134は、ミッション演出を表示させることが決定されている場合、演出決定手段132によって選択されたミッション演出パターンにしたがってミッション演出を演出表示装置60に表示させる。ここで、演出表示制御手段134は、連続ミッション演出パターンが選択されている場合、一緒に選択された第1ミッションデータ、第2ミッションデータ、および指定期間データを利用して、第1ミッション、第2ミッション、および指定期間から経過した時間を減算した残りの期間を表示させる。例えば、指定期間として「5分以内」など時間によって指定期間が特定される場合、演出表示制御手段134は、1秒毎に残り時間を減数して演出表示装置60に表示する。指定期間が終了すると、演出表示制御手段134は、例えば「残念」などと表示した後、表示されていた第1ミッション演出または第2ミッション演出を消去する。
図9は、図8におけるS34の当否判定処理を詳細に示すフローチャートである。まず、当否抽選手段112が当否抽選値を読み出して(S100)、その当否抽選値に基づいて当否を判定する(S102)。図柄決定手段114は、当否判定結果に基づいて特別図柄の停止図柄を決定し(S104)、特別図柄の変動パターンを選択する(S106)。メイン基板102は、当否判定結果を示す当否情報および特別図柄の変動パターンを示す変動パターン識別情報をサブ基板104に送信する。
演出表示制御手段134は、連続ミッション演出を表示しているときは連続ミッション演出フラグをオンに設定している。当否情報および変動パターン識別情報を受信すると、演出決定手段132は、連続ミッション演出フラグを参照し、連続ミッション演出が表示されているか否かを判定する(S108)。連続ミッション演出が表示されている場合(S108のY)、演出決定手段132は、受信した変動パターン識別情報が示す特別図柄192の変動時間と、指定期間のうち残っている期間とを比較することにより、指定期間の終了前に特別図柄192が変動を終了するか否かを判定する(S110)。指定期間の終了前に特別図柄192が変動を終了する場合(S110のY)、演出決定手段132は、第1演出決定処理を実行する(S112)。連続ミッション演出が表示されているが、指定期間の終了前に特別図柄192の変動が終了しない場合(S110のN)、演出決定手段132は、第2演出決定処理を実施する(S114)。
連続ミッション演出が表示されていない場合(S108のN)、演出決定手段132は、新たに抽選を実施することにより、連続ミッション演出を表示させるか否かを決定する(S116)。連続ミッション演出を表示させると決定した場合(S116のY)、演出決定手段132は、パターン記憶手段130に保持されたミッション演出パターンの中から連続ミッション演出パターンを選択する(S117)。このとき演出決定手段132は、連続ミッション演出において表示させる第1ミッション、第2ミッション、および指定期間を示す第1ミッションデータ、第2ミッションデータ、および指定期間データを、パターン記憶手段130に保持された複数種類のデータの中から選択し、S112の処理に移行する。連続ミッション演出を表示させないと決定した場合(S116のN)、演出決定手段132は、第3演出決定処理を実施する(S118)。
図10は、図9におけるS112を詳細に示すフローチャートである。演出決定手段132は、受信した当否情報を利用して、読み出した当否抽選値が第1範囲内または第2範囲内の値か否かを判定することにより、当否抽選の結果が当たりか否かを判定する(S120)。当たりの場合(S120のY)、演出決定手段132は、当たりを示す装飾図柄190の停止態様を決定する(S122)。このとき、当否抽選の結果が当たりであるため第1ミッションおよび第2ミッションの双方を順次達成させる演出を実行する必要がある。このため、演出決定手段132は、選択された第2ミッションデータを利用して、表示されている第2ミッションが装飾図柄190の停止態様に関するものか否かを判定する。装飾図柄190の停止態様に関するものである場合、演出決定手段132は、装飾図柄190の停止態様を、表示されている第2ミッションを達成させるものに決定する。
装飾図柄190の停止態様が決定されると、演出決定手段132は、受信した変動パターン識別情報を利用して、特別図柄の変動時間と同様の変動時間を有する擬似連続変動パターンをパターン記憶手段130に保持された複数種類の擬似連続変動パターンの中から選択する。このとき、演出決定手段132は、装飾図柄190を一度だけ半停止状態とした後停止表示させる擬似連続変動パターンを選択する。
上述のように当否抽選の結果が当たりであるため、第1ミッションおよび第2ミッションの双方を順次達成させる演出を実行する必要がある。このため、擬似連続変動パターンの選択に際して、演出決定手段132は、選択された第1ミッションデータおよび第2ミッションデータを利用して、表示されている第1ミッションおよび第2ミッションの各々について、装飾図柄190の停止態様に関するものではなく予告演出に関するものか否かを判定する。第1ミッションまたは第2ミッションが予告演出に関するものである場合、演出決定手段132は、パターン記憶手段130に格納された複数種類の擬似連続変動パターンの中から、予告演出に関する第1ミッションまたは第2ミッションを達成させる擬似連続変動演出を実行する擬似連続変動パターンを選択する。
さらに、演出決定手段132は、選択された第1ミッションデータを利用して、表示されている第1ミッションが装飾図柄190の半停止態様に関するものか否かを判定する。表示されている第1ミッションが装飾図柄190の半停止態様に関するものである場合、演出決定手段132は、表示された第1ミッションを達成させる半停止態様で装飾図柄190を半停止状態とする擬似連続変動パターンを選択する(S124)。
当否抽選の結果が外れの場合(S120のN)、演出決定手段132は、新たに抽選を実施することにより、表示されている第1ミッションを達成させる演出を実行するか否かを決定する(S126)。このように、当否抽選の結果が外れであった場合においても、表示されている第1ミッションを達成させる演出を実行させる場合を設けることにより、第1ミッションを達成させる演出が実行されても最終的に特別遊技が実行されるとは限らないものとすることができる。さらに、当否抽選の結果が当たりであったことを示す態様で図柄が停止表示される確率を信頼度として、表示されている第1ミッションを達成させる演出を実行させると決定する確率をS126において調整することにより、提示された第1ミッションを達成させる演出を実行したときの信頼度を、ミッション演出が表示されていないときの通常の信頼度よりも高くすることができる。これによって、第1ミッションを達成させる演出が実行されたときに信頼度が高くなり、さらに第2ミッションを達成させる演出が実行されたときに最終的に当たりとなる、という遊技性を遊技者に提供することができる。これにより、複数段階でミッションを達成させる連続ミッション演出において、各段階のミッションへの遊技者の興味が低下することを抑制することができる。
第1ミッションを達成させると決定した場合(S126のY)、演出決定手段132は、まず外れを示す装飾図柄190の停止態様を決定する(S128)。このとき、当否抽選の結果が外れであるため、第1ミッションを達成させる演出を実行しても第2ミッションを達成させる演出を実行させることを回避する必要がある。このため、演出決定手段132は、選択された第2ミッションデータを利用して、表示されている第2ミッションが装飾図柄190の停止態様に関するものか否かを判定する。装飾図柄190の停止態様に関するものである場合、演出決定手段132は、装飾図柄190の停止態様を、表示されている第2ミッションを達成させないものに決定する。
装飾図柄190の停止態様が決定されると、演出決定手段132は、受信した変動パターン識別情報を利用して、特別図柄の変動時間と同様の変動時間を有する擬似連続変動パターンを、パターン記憶手段130に保持された複数種類の擬似連続変動パターンの中から選択する。このとき、上述のように、第1ミッションを達成させると決定されているが、当否抽選の結果が外れのため第2ミッションを未達とする演出を実行させる必要がある。このため、演出決定手段132は、選択された第1ミッションデータおよび第2ミッションデータを利用して、表示されている第1ミッションおよび第2ミッションの各々について、装飾図柄190の停止態様に関するものではなく予告演出に関するものか否かを判定する。第1ミッションまたは第2ミッションが予告演出に関するものである場合、演出決定手段132は、パターン記憶手段130に格納された複数種類の擬似連続変動パターンの中から、予告演出に関する第1ミッションを達成させ、予告演出に関する第2ミッションを達成させない擬似連続変動演出を実行する擬似連続変動パターンを選択する。
さらに、演出決定手段132は、選択された第1ミッションデータを利用して、表示されている第1ミッションが装飾図柄190の半停止態様に関するものか否かを判定する。表示されている第1ミッションが装飾図柄190の半停止態様に関するものである場合、演出決定手段132は、表示された第1ミッションを達成させる半停止態様で装飾図柄190を半停止状態とする擬似連続変動パターンを選択する(S130)。
擬似連続変動パターンが選択されると、演出決定手段132は、今まで表示されていた第1ミッションに代えて新たな第1ミッションを表示させるため、パターン記憶手段130に格納された複数種類の第1ミッションデータの中から第1ミッションデータを再選択する(S132)。なお、演出決定手段132は、第1ミッションを再選択しなくてもよい。この場合、演出表示制御手段134は、「クリア!」と表示するまで表示していたと第1ミッション演出を再び表示させる。また、演出決定手段132は、「クリア!」と表示するまで表示していたと第1ミッション演出を、他の第1ミッションよりも高い確率で選択してもよい。
第1ミッションを達成させないと決定した場合(S126のN)、演出決定手段132は、外れを示す装飾図柄190の停止態様を決定する(S134)。このとき、当否抽選の結果が外れであるため、第1ミッションおよび第2ミッションを達成させない演出を実行する必要がある。このため、演出決定手段132は、選択された第1ミッションデータおよび第2ミッションデータを利用して、表示されている第1ミッションおよび第2ミッションの各々について、装飾図柄190の停止態様に関するものか否かを判定する。第1ミッションまたは第2ミッションが装飾図柄190の停止態様に関するものである場合、演出決定手段132は、装飾図柄190の停止態様を、装飾図柄190の停止態様に関する第1ミッションまたは第2ミッションを達成させないものに決定する。
装飾図柄190の停止態様が決定されると、演出決定手段132は、受信した変動パターン識別情報を利用して、特別図柄の変動時間と同様の変動時間を有する変動パターンをパターン記憶手段130に保持された複数種類の変動パターンの中から選択する。このとき、上述のように、第1ミッションを達成させないと決定されており、且つ当否抽選の結果が外れであるため、第1ミッションおよび第2ミッションの双方を達成させない演出を実行する必要がある。このため、演出決定手段132は、選択された第1ミッションデータおよび第2ミッションデータを利用して、表示されている第1ミッションおよび第2ミッションの各々について、装飾図柄190の停止態様に関するものではなく予告演出に関するものか否かを判定する。第1ミッションまたは第2ミッションが予告演出に関するものである場合、演出決定手段132は、パターン記憶手段130に格納された複数種類の変動パターンの中から、予告演出に関する第1ミッションまたは第2ミッションを達成させない演出を実行する変動パターンを選択する。
演出決定手段132は、このとき擬似連続変動パターンを選択してもよく、擬似連続変動演出ではない通常の演出を表示させる通常の変動パターンを選択してもよい。演出決定手段132は、擬似連続変動パターンを選択する場合は、選択された第1ミッションデータを利用して、表示されている第1ミッションが装飾図柄190の半停止態様に関するものか否かを判定する。表示されている第1ミッションが装飾図柄190の半停止態様に関するものである場合、演出決定手段132は、表示された第1ミッションを達成させない態様で装飾図柄190を半停止状態とする擬似連続変動パターンを選択する(S136)。
なお、演出決定手段132は、装飾図柄190の半停止態様を決定してもよい。演出表示制御手段134は、擬似連続変動パターンが選択された場合に、決定された半停止態様で装飾図柄190を半停止状態としてもよい。例えば第1ミッションが「1をとめろ!」など装飾図柄190の半停止態様に関するものである場合、演出決定手段132は、第1ミッションの達成、未達に応じた装飾図柄190の半停止態様を決定する。また、メイン基板102から受信した変動パターン情報に基づいて擬似連続変動パターンを選択する。演出表示制御手段134は、擬似連続変動パターンが選択されていた場合に、決定された半停止態様で装飾図柄190を半停止状態とする。このように第1ミッションに対応する装飾図柄190の半停止態様を擬似連続変動パターンの選択とは別に決定することによっても、第1ミッションの達成および未達を適切に制御することが可能となる。
また、例えば第1ミッションが「雨を降らせろ!」などの予告演出に関するものである場合、演出決定手段132は、第1ミッションの達成、未達に応じた第1の予告演出パターンを選択してもよい。さらに、例えば第2ミッションが「雪を降らせろ!」などの予告演出に関するものである場合、第2ミッションの達成、未達に応じた第2の予告演出パターンを選択してもよい。演出表示制御手段134は、擬似連続変動パターンが選択されていた場合に、選択された第1の予告演出パターンにしたがった予告演出を、装飾図柄190が変動を開始した後、半停止する前に演出表示装置60に表示させる。また、選択された第2の予告演出パターンにしたがった予告演出を、装飾図柄190が半停止した後、停止する前に演出表示装置60に表示させる。このように第1ミッションまたは第2ミッションに対応する予告演出を、擬似連続変動パターンの選択とは別に選択することによっても、第1ミッションおよび第2ミッションの達成および未達を適切に制御することができる。
これらの例では擬似連続変動パターンの選択とは別に、第1ミッションや第2ミッションを達成させる装飾図柄190の半停止態様を決定し、または予告演出パターンを選択する。これにより、装飾図柄190が変動を開始してから半停止状態となるまでの間、および装飾図柄190が半停止状態となってから変動停止するまでの間の各々において、第1ミッションおよび第2ミッションの達成、未達に合わせて表示する演出内容を独立して決定することが可能となる。
例えば、当否抽選が当たりを示す結果となった場合、演出決定手段132は、第1ミッションを達成させる装飾図柄190の半停止態様を決定し、または予告演出パターンを選択する。しかし、当否抽選が外れを示す結果となった場合、第2ミッションが未達になれば第1ミッションは達成でも未達でもよいため、演出決定手段132は、抽選などにより高い自由度で装飾図柄190の半停止態様を決定し、または予告演出パターンを選択することができる。
さらに、例えば2回連続して半停止状態となった後に変動が停止する、いわゆる3段の擬似連続変動において、上述の第1ミッションおよび第2ミッションの他に、第3ミッションを表示させてもよい。この場合、第3ミッションは、第1ミッションと同様に、それを満たす演出が実行されたときに装飾図柄190が半停止状態となることを示唆する条件として利用される。このような態様では、パターン記憶手段130は、第3ミッションを示す第3ミッションデータがそれぞれ複数種類保持し、この中から第3ミッションデータを選択してもよく、また、第3ミッションを表示するために第1ミッションデータを選択してもよい。演出表示制御手段134は、連続ミッション演出として、「連続して達成しろ!」の文字と共に、第3ミッション、第1ミッション、および第2ミッションを演出表示装置60に表示させる。
このような擬似連続変動において例えば当否抽選が当たりを示す結果となった場合は、装飾図柄190が変動を開始してから1回目の半停止状態となるまでの部分的な変動である第1部分変動、および1回目の半停止後、2回目の半停止状態となるまでの部分的な変動である第2部分変動の各々において、第3ミッションおよび第1ミッションを達成させるよう装飾図柄190の半停止態様を決定し、または予告演出パターンを選択する。しかし、当否抽選が外れを示す結果となった場合、第2ミッションが未達になれば第3ミッションまたは第1ミッションは未達でもよい。このため、演出決定手段132は、第1ミッションを達成させる演出を第1部分変動中に実施するか抽選によって高い自由度で決定することができる。また、第3ミッションを達成させる場合は、さらに第1ミッションを達成させる演出を第2部分変動中に実施するか抽選によって決定することができる。このように各々の部分変動においてミッションを達成させるか否かを決定可能とすることにより、自由度の高い演出決定を実現することができる。
図11(a)は、図4(b)の状態から、図10のS120において当否抽選の結果が外れと判定され、S126において第1ミッションを達成させると決定された場合に表示される連続ミッション演出において、第1ミッションを達成させる演出を実行したときの演出表示装置60の表示態様を示す図である。この場合、上述のように、第1ミッションを達成させるが第2ミッションを達成させない擬似連続変動演出を表示させる擬似連続変動パターンがすでに選択されている。演出表示制御手段134は、図8のS40において、選択された擬似連続変動パターンにしたがって、まず第1ミッションを達成させる演出を演出表示装置60に表示させる。図4(b)に示すように、この例における第1ミッションは「1をとめろ!」であることから、演出表示制御手段134は、3つの装飾図柄190のいずれかを「1」を示す装飾図柄190で半停止状態とする。このとき、演出表示制御手段134は、装飾図柄190をリーチ状態や当たりを示す態様で半停止状態としないことは勿論である。
演出表示制御手段134は、第1ミッションを達成させる演出を演出表示装置60に表示させると、第1ミッションの内容を示す文字を演出表示装置60から消去し、図11(a)に示すように「クリア!」の文字を第1ミッションが表示されていた位置に表示させる。これによって、遊技者に、あと第2ミッションを達成させる演出が表示されることにより大当たりになることを示唆することができる。
図11(b)は、図11(a)の状態から、さらに第2ミッションを達成させない演出を実行したときの演出表示装置60の表示態様を示す図である。演出表示制御手段134は、すでに決定された装飾図柄190の停止態様にしたがって、第2ミッションを達成させず且つ当否抽選の結果が外れであったことを示す態様で装飾図柄190を停止表示させる。図11(b)に示すように、この例における第2ミッションは「3でリーチをかけろ!」であることから、演出表示制御手段134は、3でリーチをかける以外の外れを示す態様で、装飾図柄190を停止表示させる。
図11(c)は、図11(b)のように表示された直後における演出表示装置60の表示態様を示す図である。装飾図柄190を外れ態様で停止表示させたため、演出表示制御手段134は、メイン基板102から受信する当否情報や変動パターン情報に基づいて新たな装飾図柄190の変動を開始させる。このとき、演出表示制御手段134は、再選択された第1ミッションデータが示す第1ミッションを、「クリア!」の文字に代えて演出表示装置60に表示させる。図11(c)に示す例では、「2をとめろ!」の文字を、新たな第1ミッションとして演出表示装置60に表示させている。これによって、第1ミッションを達成させる演出を表示させた後、すでに達成した第1ミッションを新たな内容に変化させることができ、第1ミッションを達成させることに遊技者を再び傾注させることが可能となる。
図12(a)は、図11(c)の状態から、図10のS120において当否抽選の結果が当たりと判定された場合に表示される連続ミッション演出において、第1ミッションを達成させる演出を実行したときの演出表示装置60の表示態様を示す図である。この場合、上述のように、第1ミッションおよび第2ミッションの双方を達成させる擬似連続変動演出を表示させる擬似連続変動パターンが選択されている。演出表示制御手段134は、図8のS40において、選択された擬似連続変動パターンにしたがって、まず第1ミッションを達成させる演出を演出表示装置60に表示させる。図11(c)に示す例では第1ミッションは「2をとめろ!」であることから、演出表示制御手段134は、3つの装飾図柄190のいずれかを「2」を示す装飾図柄190で半停止状態とする。このとき、演出表示制御手段134は、装飾図柄190をリーチ状態や当たりを示す態様で半停止状態としないことは勿論である。演出表示制御手段134は、第1ミッションを達成させる演出を演出表示装置60に表示させると、第1ミッションの内容を示す文字を演出表示装置60から消去し、図12(a)に示すように「クリア!」の文字を第1ミッションが表示されていた位置に表示させる。
図12(b)は、図12(a)の状態から、さらに第2ミッションを達成させる演出を実行したときの演出表示装置60の表示態様を示す図である。演出表示制御手段134は、決定された停止態様で装飾図柄190を停止させる。このとき、装飾図柄190の停止態様は、上述のように第1ミッションを達成させると共に当否抽選の結果が当たりであったことを示すものに予め決定されている。このため、演出表示制御手段134は、第2ミッションを達成させ且つ当否抽選の結果が当たりであったことを示す態様で装飾図柄190を停止表示させる。図12(b)に示すように、この例における第2ミッションは「3でリーチをかけろ!」であることから、演出表示制御手段134は、3でリーチをかけるよう、左および右の装飾図柄190を「3」の数字を示すもので停止表示させる。演出表示制御手段134は、第2ミッションを達成させる演出を演出表示装置60に表示させると、第2ミッションの内容を示す文字を演出表示装置60から消去し、図12(b)に示すように「クリア!」の文字を第2ミッションが表示されていた位置に表示させる。
図12(c)は、図12(b)のように表示された直後における演出表示装置60の表示態様を示す図である。演出表示制御手段134は、最終的に当たりを示す態様で装飾図柄190を停止表示させる。図12(b)に示す例では3でリーチ状態としているため、演出表示制御手段134は、中央の装飾図柄190を同じく「3」の数字を示すもので停止表示させて、「333」と最終的に当たりを示す態様で装飾図柄190を停止表示させる。演出表示制御手段134は、装飾図柄190を停止表示させると、図12(c)に示すように、「クリア!」の文字を消去して新たに「大当たり!」の文字を演出表示装置60に表示させる。
図13は、図9におけるS114を詳細に示すフローチャートである。演出決定手段132は、当否抽選の結果に応じて装飾図柄190の停止態様を決定する(S140)。このとき、当否抽選の結果にかかわらず指定期間内に第1ミッションおよび第2ミッションを達成させることが困難である。このため、演出決定手段132は、選択された第1ミッションデータおよび第2ミッションデータを利用して、第1ミッションが装飾図柄190の半停止態様に関するものか否か、および第2ミッションが装飾図柄190の停止態様に関するものか否かを判定する。演出決定手段132は、第1ミッションが装飾図柄190の半停止態様に関するものである場合、装飾図柄190の停止態様を第1ミッションを達成させないものに決定し、第2ミッションが装飾図柄190の停止態様に関するものである場合、装飾図柄190の停止態様を第2ミッションを達成させないものに決定する。
次に演出決定手段132は、受信した変動パターン識別情報を利用して、特別図柄の変動時間と同様の変動時間を有する変動パターンをパターン記憶手段130に保持された変動パターンの中から選択する。このとき、演出決定手段132は、選択された第1ミッションデータおよび第2ミッションデータを利用して、表示されている第1ミッションおよび第2ミッションの各々について装飾図柄190の停止態様に関するものではなく予告演出に関するものか否かを判定する。第1ミッションまたは第2ミッションが予告演出に関するものである場合、演出決定手段132は、パターン記憶手段130に格納された変動パターンの中から、予告演出に関する第1ミッションまたは第2ミッションを達成させない変動パターンを選択する。
さらに、演出決定手段132は、変動パターンとして、擬似連続変動パターンおよび通常の変動パターンのいずれも選択することができる。擬似連続変動パターンを選択する場合、演出決定手段132は、選択された第1ミッションデータを利用して、表示されている第1ミッションが装飾図柄190の半停止態様に関するものか否かを判定する。表示されている第1ミッションが装飾図柄190の半停止態様に関するものである場合、演出決定手段132は、表示された第1ミッションを達成させない半停止態様で装飾図柄190を半停止状態とする擬似連続変動パターンを選択する(S142)。
図14は、図9におけるS118を詳細に示すフローチャートである。演出決定手段132は、受信した当否情報を利用して、読み出した当否抽選値が第1範囲内または第2範囲内の値か否かを判定することにより、当否抽選の結果が当たりか否かを判定する(S150)。当たりの場合(S150のY)、演出決定手段132は、通常通り当たりを示す装飾図柄190の停止態様を決定し(S152)、外れの場合(S150のN)、通常通り外れを示す装飾図柄190の停止態様を決定する(S154)。装飾図柄190の停止態様を決定すると、演出決定手段132は、通常通り変動パターンを、パターン記憶手段130に格納された複数種類の変動パターンの中から選択する(S156)。このとき演出決定手段132は、通常の変動パターンを選択してもよく、擬似連続変動パターンを選択してもよい。
図15は、図7におけるS16を詳細に示すフローチャートである。まず、大入賞口66が開放済でなければ(S70のN)、演出表示制御手段134が特別遊技の演出処理を開始し(S72)、開閉制御手段124が大入賞口66を開放する(S74)。大入賞口66が開放済であればS72およびS74をスキップする(S70のY)。大入賞口66が開放されてから所定の開放時間が経過した場合(S76のY)、または、開放時間が経過していないものの(S76のN)、大入賞口66へ遊技球が9球以上入球した場合(S78のY)、開閉制御手段124が大入賞口66を閉鎖させる(S80)。開放時間が経過しておらず(S76のN)、大入賞口66への入球数も9球以上に達していない場合は(S78のN)、S80以降の処理をスキップしてS16のフローを終了する。
S80における大入賞口66の閉鎖後、単位遊技のラウンド数が15に達していた場合(S82のY)、演出表示制御手段134は特別遊技の演出処理を終了させ(S84)、特別遊技制御手段120は特別遊技を終了させる(S86)。ラウンド数が15に達していなければ(S82のN)、ラウンド数に1を加算してS16のフローを終了する(S90)。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例はあくまで例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
10 ぱちんこ遊技機、 50 遊技盤、 52 遊技領域、 60 演出表示装置、 61 特別図柄表示装置、 62 始動口、 90 遊技効果ランプ、 100 遊技制御装置、 112 当否抽選手段、 114 図柄決定手段、 118 メイン表示制御手段、 120 特別遊技制御手段、 122 特定遊技実行手段、 130 パターン記憶手段、 132 演出決定手段、 134 演出表示制御手段。