(第1の実施例)
図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。以下、弾球遊技機として従来にいういわゆる第1種ぱちんこ遊技機を例に説明する。ぱちんこ遊技機10は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機10の遊技機枠は、外枠11、前枠12、透明板13、扉14、上球皿15、下球皿16、および発射ハンドル17を含む。外枠11は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機10を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠12は、外枠11の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠11へ開閉可能に取り付けられる。前枠12は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
透明板13は、ガラスなどにより形成され、扉14により支持される。扉14は、図示しないヒンジ機構により前枠12へ開閉可能に取り付けられる。上球皿15は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿16への遊技球の抜き取り等の機構を有する。下球皿16は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。上球皿15と下球皿16の間にはスピーカ18が設けられており、遊技状態などに応じた効果音が出力される。
遊技盤50は、外レール54と内レール56により区画された遊技領域52上に、アウト口58、特別図柄表示装置61、演出表示装置60、始動入賞口(以下、「始動口」という)62、センター飾り64、大入賞口66、作動口68、一般入賞口72を含む。さらに遊技領域52には、図示しない複数の遊技釘や風車などの機構が設置される。始動口62は、遊技球の入球を検出するための始動入賞検出装置74と、始動口62の拡開機構を拡開させるための普通電動役物ソレノイド76を備える。始動口62の拡開機構が拡開されたとき、始動口62の開口幅が拡がって入球容易性が向上する。始動入賞検出装置74は、始動口62への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す始動入賞情報を生成する。一般入賞口72は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置73を備える。一般入賞検出装置73は、一般入賞口72への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成する。大入賞口66は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置78と、大入賞口66を拡開させるための大入賞口ソレノイド80を備える。入賞検出装置78は、大入賞口66への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す大入賞口入賞情報を生成する。
大入賞口66は、特別図柄192が所定の態様にて停止したときに「大当たり」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。大入賞口66はアウト口58の上方等の位置に設けられる。大入賞口66の入賞検出装置78は、遊技球の通過を検出するセンサを備えて構成される。
遊技領域52の左方に設けられた特別図柄表示装置61および遊技領域52の略中央に設けられた演出表示装置60は、それぞれの画面に特別図柄192の変動と、特別図柄192に連動する装飾図柄190を含む演出画像の変動を表示する(以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という)。ここで、特別図柄192は、始動口62への遊技球の落入を契機として行われる抽選の結果に対応した図柄であり、その変動表示が停止されたときの図柄態様が当たりと定められた図柄であった場合、その停止図柄が表示されたタイミングが大当たり発生タイミングとなる。特別図柄表示装置61は、例えば7セグメントLEDで構成される表示手段である。演出表示装置60は、特別図柄192の変動表示と連動する形で装飾図柄190を変動表示する液晶ディスプレイである。装飾図柄190は、特別図柄192で示される抽選の結果表示を視覚的に演出するための図柄である。演出表示装置60は、装飾図柄190として、例えばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄変動の動画像を画面の中央領域に表示する。演出表示装置60は、この実施例では液晶ディスプレイで構成されるが、ドラムなどの機械式回転装置やLEDなどの他の表示手段で構成されてもよい。なお、特別図柄192は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、第1の実施例では演出表示装置60の左下方の特別図柄表示装置61にて目立たない大きさで表示させるが、特別図柄自体に演出的な役割をもたせて装飾図柄を表示させないような手法を採用する場合には、特別図柄を演出表示装置60のような液晶ディスプレイに表示させてもよい。作動口68は、遊技盤50の左側方位置に設けられる。作動口68は、通過検出装置69を含む。通過検出装置69は、作動口68への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。作動口68への遊技球の通過は始動口62の拡開機構を拡開させるか否かを決定する開放抽選の契機となる。作動口68を遊技球が通過すると、開放抽選の結果を示す図柄である普通図柄が普通図柄表示装置59に変動表示される。普通図柄表示装置59は演出表示装置60の右下方に設けられる。所定時間の経過後に普通図柄の変動表示が停止すると、通常、50%から80%程度の確率で始動口62が所定時間拡開する。
演出表示装置60の周囲には、センター飾り64が設けられる。センター飾り64は、遊技球の流路、特別図柄表示装置61および演出表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。演出表示装置60の下方には、抽選保留ランプ20が設けられ、その対称的な位置である遊技領域52の右下部には、普通図柄表示装置59の下に作動保留ランプ22が設けられている。抽選保留ランプ20は、4個のランプからなり、その点灯個数によって当否抽選の保留数を表示する。当否抽選の保留数は、図柄変動中または特別遊技中に始動口62へ入賞した抽選結果の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。作動保留ランプ22もまた4個のランプからなり、その点灯個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄の変動中に作動口68を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。さらに演出表示装置60の上方および下方には、それぞれ遊技効果ランプ90が設けられている。操作ボタン82は、遊技者が遊技機へ所定の指示を入力するために操作するボタンである。操作ボタン82は、上球皿15近傍の外壁面に設けられる。
遊技者が発射ハンドル17を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿15に貯留された遊技球が1球ずつ内レール56と外レール54に案内されて遊技領域52へ発射される。遊技者が発射ハンドル17の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域52の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車に当たりながらその当たり方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口72や始動口62、大入賞口66の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿15または下球皿16に払い出される。一般入賞口72等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口58に落入した遊技球はアウト球として処理される。なお、各入賞口は遊技球が通過するゲートタイプのものを含み、本願において「落入」「入球」「入賞」というときは「通過」を含むものとする。
遊技球が始動口62に落入すると、特別図柄表示装置61および演出表示装置60において特別図柄192および装飾図柄190が変動表示される。特別図柄192および装飾図柄190の変動表示は、表示に先だって決定された表示時間の経過後に停止される。停止時の特別図柄192および装飾図柄190が大当たりを示す図柄である場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、大入賞口66の開閉動作が開始される。このときスロットマシンのゲームを模した装飾図柄190は、3つの図柄を一致させるような表示態様をとる。特別遊技において、大入賞口66は、約30秒間開放された後、または9球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。このような大入賞口66の開閉が所定回数、例えば15回繰り返される。
特別遊技が終了した後の通常遊技においては特定遊技の一つである変動時間短縮遊技(以下、適宜「時短」という)が開始される。変動時間短縮遊技においては、特別図柄および装飾図柄の変動時間が通常より短縮される。特別図柄および装飾図柄の変動時間は、所定の変動回数の変動表示がなされた後で元の変動時間に戻される。特別遊技が発生した場合であってそのときの当たり停止図柄が特定の態様であった場合、特別遊技の終了後に特定遊技の一つである確率変動遊技(以下、適宜「確変」という)がさらに開始される。確率変動遊技においては、通常の確率状態より当たりの確率が高い抽選が行われ、比較的早期に新たな特別遊技が発生する。
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。電源スイッチ40はぱちんこ遊技機10の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板102は、ぱちんこ遊技機10の全体動作を制御する主制御装置として機能し、特に始動口62へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板104は、液晶ユニット42を備え、演出表示装置60における表示内容や複数の可動役物140の動作、遊技効果ランプ90の点灯を制御し、特にメイン基板102による抽選結果に応じて表示内容を変動させ、その演出の進行に沿って可動役物140や遊技効果ランプ90の点灯を作動させる。したがってサブ基板104は、遊技における演出の動作を制御する副制御装置として機能する。メイン基板102およびサブ基板104は、遊技制御装置100を構成する。セット基板39は、賞球タンク44や賞球の流路、賞球を払い出す払出ユニット43等を含む。払出ユニット43は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク44から供給される遊技球を上球皿15へ払い出す。払出制御基板45は、払出ユニット43による払出動作を制御する。発射装置46は、上球皿15の貯留球を遊技領域52へ1球ずつ発射する。発射制御基板47は、発射装置46の発射動作を制御する。電源ユニット48は、ぱちんこ遊技機10の各部へ電力を供給する。
図3は、第1の実施例におけるぱちんこ遊技機10の機能ブロックを示す。ぱちんこ遊技機10において、遊技制御装置100は、始動口62、大入賞口66、一般入賞口72、作動口68、特別図柄表示装置61、演出表示装置60、普通図柄表示装置59、操作ボタン82、スピーカ18、遊技効果ランプ90、可動役物140のそれぞれと電気的に接続されており、各種制御信号の送受信を可能とする。遊技制御装置100は、遊技の基本動作だけでなく、図柄変動表示や可動役物140、電飾等の演出的動作も制御する。遊技制御装置100は、遊技の基本動作を含むぱちんこ遊技機10の全体動作を制御するメイン基板102と、図柄の演出等を制御するサブ基板104とに機能を分担させた形態で構成される。遊技制御装置100は、ハードウエア的にはデータやプログラムを格納するROMやRAM、演算処理に用いるCPU等の素子を含んで構成される。
第1の実施例におけるメイン基板102は、入球判定手段110、当否抽選手段112、図柄決定手段114、変動パターン決定手段115、保留制御手段116、メイン表示制御手段118、特別遊技制御手段120、特定遊技実行手段122、開閉制御手段124を備える。第1の実施例におけるサブ基板104は、パターン記憶手段130、図柄態様決定手段131、演出決定手段132、演出表示制御手段134、役物制御手段136を備える。なお、メイン基板102に含まれる各機能ブロックは、いずれかがメイン基板102ではなくサブ基板104に搭載されるかたちで構成されてもよい。同様に、サブ基板104に含まれる各機能ブロックは、いずれかがサブ基板104ではなくメイン基板102に搭載されるかたちで構成されてもよい。
入球判定手段110は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段110は、始動入賞情報を受け取ると遊技球が始動口62に入賞したと判断し、大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が大入賞口66に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口72に入賞したと判断する。入球判定手段110は、通過情報を受け取ると遊技球が作動口68を通過したと判断する。
当否抽選手段112は、始動口62への遊技球の入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するために乱数の値を当否抽選値として取得する。たとえば、当否抽選値は「0」から「65535」までの値範囲から取得される。なお、本願にいう「乱数」は、数学的に発生させる乱数でなくてもよく、ハードウエア乱数やソフトウエア乱数などにより発生させる疑似乱数でもよい。当否抽選手段112は、当否判定で参照する当否テーブルを複数保持する。複数の当否テーブルには、当たりまたは外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられた当たりの範囲設定に応じて当否確率が定まる。当否抽選手段112は、通常時には通常確率による当否判定のための当否テーブルを参照し、確率変動時には通常確率より当たりの確率が高くなる当否テーブルを参照する。当否抽選手段112は、複数の当否テーブルのうちいずれかを参照し、当否抽選値が当たりであるか否かを判定する。当否抽選手段112による判定結果は、特別図柄表示装置61において特別図柄の形で変動表示される。また、当否抽選手段112による判定結果を演出的に示す装飾図柄が演出表示装置60において変動表示される。
図柄決定手段114は、図柄決定抽選を実行することにより特別図柄を決定するための図柄決定抽選値を取得し、当否抽選手段112による当否判定結果と図柄決定抽選値とに応じて特別図柄の停止図柄を決定する。具体的には、図柄決定手段114は、図柄決定テーブルを保持する。図柄決定手段114は、図柄決定抽選値を取得するとこの図柄決定テーブルを参照し、当否抽選値が大当たりを示すものか否かに応じて、取得した図柄決定抽選値に対応付けられた特別図柄を選択する。図柄決定手段114は、決定した停止図柄を示すデータをメイン表示制御手段118、図柄態様決定手段131、演出決定手段132へ送出する。
図柄決定手段114は、遊技球が作動口68を通過した場合に、普通図柄を決定するための抽選乱数を取得し、その抽選乱数に応じて普通図柄の停止図柄を決定する。普通図柄の停止図柄が特定の図柄であった場合、開閉制御手段124が始動口62の普通電動役物を所定時間拡開する。
変動パターン決定手段115は、パターン決定抽選値と図柄の変動過程が定められた変動パターンとの対応関係が互いに異なる複数のパターン選択テーブルであって、変動パターンを決定するために参照すべき複数のパターン選択テーブルを保持する。複数のパターン選択テーブルのそれぞれには、変動パターンとその変動パターンを決定するための抽選値との対応関係が定められている。複数のパターン選択テーブルには、通常時において参照される通常パターン選択テーブルと、変動時間短縮時に参照される時短パターン選択テーブルが含まれる。
ここでいう変動時間短縮時とは、時短状態の場合や、当否抽選結果の保留数が3個以上になった場合をいう。時短パターン選択テーブルは、通常パターン選択テーブルより、最高変動時間が短い変動パターンを含んでいる。例えば、時短パターン選択テーブルには、パターン決定抽選値と10秒以下の変動時間の変動パターンとが対応付けられている。時短パターン選択テーブルは公知であるため、これ以上の説明を省略する。
また、複数のパターン選択テーブルには、通常時において参照される特別なテーブルとして、通常パターン選択テーブルとは異なる対応関係が定められた複数種の特殊パターン選択テーブルが含まれる。第1の実施例では、変動パターン決定手段115は、第1特殊パターン選択テーブルおよび第2特殊パターン選択テーブルの2種類の特殊パターン選択テーブルを保持する。変動パターン決定手段115は、以上の様々なパターン選択テーブルのうち一つを参照して、取得されたパターン決定抽選値に対応する変動パターンを選択する。変動パターン決定手段115は、いずれのパターン選択テーブルを参照するかを示す情報を演出決定手段132へ送信する。
変動パターン決定手段115は、変動パターンを決定するために変動パターン決定抽選を実施する。具体的には、変動パターン決定手段115は、始動口62への入球を契機にパターン決定抽選値を取得する。このため変動パターン決定手段115は、抽選値を取得する抽選手段としても機能する。変動パターン決定手段115は、当否抽選および図柄決定抽選の結果に応じて、取得したパターン決定抽選値にパターン選択テーブルにおいて対応付けられた変動パターンを選択する。
図柄決定手段114は、決定した変動パターンを示すデータを変動パターン番号として、メイン表示制御手段118、図柄態様決定手段131、演出決定手段132へ送出する。変動パターン決定手段115は、特別図柄を変動表示させるときの変動開始から停止までの変動態様が定められた複数種の変動パターンを記憶する。複数種の変動パターンは、長短様々な変動時間をもつとともに、その変動時間にて複数の図柄で構成される装飾図柄による図柄変動も実行されることを前提として規定される。各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄および装飾図柄の変動が停止される。
保留制御手段116は、当否抽選手段112により取得された当否抽選値を保留球として保持する。当否抽選値は、その保留数が所定の上限に達するまで蓄積される。保留数の上限は4である。
メイン表示制御手段118は、当否抽選手段112による抽選の結果を、図柄決定手段114により決定された変動パターンにしたがって特別図柄の変動表示として特別図柄表示装置61に表示させる。メイン表示制御手段118は、特別図柄の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出表示制御手段134へ送信することにより、メイン表示制御手段118および演出表示制御手段134による変動表示が同期し、連動が保たれる。メイン表示制御手段118は、普通図柄の変動を普通図柄表示装置59に表示させる。
特別遊技制御手段120は、当否抽選手段112による当否抽選結果が当たりであった場合に、特別遊技の実行処理を制御する。特別遊技は、大入賞口66の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、1回の開閉を単位とした複数回の単位遊技で構成される。単位遊技は例えば15回を上限として繰り返され、1回の単位遊技において大入賞口66を約30秒間開放させる。特別遊技制御手段120は、単位遊技の継続回数が上限回数に達していなければ、現在の単位遊技の終了後に次の単位遊技を開始させる。単位遊技の上限回数を消化した場合には、特別遊技を終了させる。
特定遊技実行手段122は、遊技状態を通常状態から特定遊技状態へ移行させる制御と、特定遊技状態から通常状態へ戻す制御を実行する。第1の実施例における特定遊技には、当否抽選の当選確率を通常確率の状態から高確率の状態へ切り替える確変と、図柄変動時間を通常時間より短時間へ切り替える時短とがある。
特定遊技実行手段122は、当否抽選値が当たりを示す値であり、さらに図柄決定抽選値が確変状態へ移行すべき値であった場合に、特別遊技後の遊技状態を確変状態へ移行させる。確変状態は原則として次の大当たりが発生するまで続行され、その間は当否抽選手段112による当たり判定の確率が高い値のまま維持される。また、特定遊技実行手段122は、当否抽選値の如何に関わらず、特別遊技後に遊技状態を時短の状態へ移行させる。時短は、特別遊技後の特別図柄の変動回数が所定回数、たとえば100回に至るまで継続される。
開閉制御手段124は、始動口62の普通電動役物や大入賞口66の開閉を制御する。開閉制御手段124は、普通図柄が特定の図柄で停止されると、普通電動役物ソレノイド76に開放指示を送り、始動口62を開放させる。また、開閉制御手段124は、特別遊技中、大入賞口ソレノイド80に開放指示を送り、大入賞口66を開放させる。
パターン記憶手段130は、装飾図柄190の変動において演出表示装置60に表示させる演出的な画像内容とその表示過程が定められた複数の演出パターンを保持する。演出パターンには、装飾図柄190の変動表示における変動開始から停止までの変動過程と演出過程が定められた複数の変動演出パターンと、装飾図柄の変動表示とは別に表示されて大当たりへの期待度の高さを予告的に示唆する複数の予告演出パターンとが含まれる。
演出決定手段132は、当否抽選手段112による抽選の結果、特別図柄の停止図柄、特別図柄の変動パターンに応じて変動演出パターンを決定する。演出決定手段132は、変動演出パターンを決定するために参照すべきパターンテーブルを保持する。演出決定手段132は、決定した変動演出パターンの情報を演出表示制御手段134へ送る。
変動演出パターンには、通常の外れの図柄組合せを表示するときのパターンと、3つの装飾図柄190の組合せが停止表示される有効ライン上の一つの装飾図柄190の変動表示中に当該有効ライン上の他の装飾図柄190が変動停止してあと一つが揃えば当たりとなる状態であるリーチ状態を経て外れの図柄組合せを表示するときのパターンと、リーチ状態を経て大当たりの図柄組合せを表示するときのパターンが含まれる。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれる。特に、変動時間が相対的に短いリーチ変動演出パターンは「ノーマルリーチ」と呼ばれ、変動時間が相対的に長いリーチ変動演出パターンは「スーパーリーチ」と呼ばれる。各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段132は、特別図柄の変動パターンに応じて、変動時間が等しい演出画像の変動演出パターンを選択する。
図柄態様決定手段131は、装飾図柄190の停止図柄の組合せとその配置を、当否抽選手段112による抽選の結果、特別図柄の停止図柄、特別図柄の変動パターン、装飾図柄190の変動演出パターンに応じて決定する。図柄態様決定手段131は、決定した停止図柄の組合せを示す情報を演出表示制御手段134へ送信する。図柄態様決定手段131は、装飾図柄190の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルを保持する。
装飾図柄190の停止図柄は、3つの図柄の組合せとして形成され、たとえば当否抽選手段112による判定結果が特別遊技への移行を示す場合は「777」や「111」のように3つの図柄が揃った組合せが選択される。この場合、装飾図柄190として揃える数字には、特別図柄と同じ数字が選ばれるのが好ましい。たとえば、特別図柄が「3」の場合は装飾図柄190が「333」となる。当否抽選手段112による判定結果が特別遊技へ移行しない旨を示す場合は、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組合せが選択される。ただし、当否判定結果が特別遊技へ移行しない旨を示す場合であって、リーチ付きの外れを示す特別図柄の変動パターンや装飾図柄190の変動演出パターンが選択された場合は、「191」や「727」のように一つだけ図柄が揃っていない組合せを選択する。
予告演出パターンは、特定のキャラクタやモチーフの画像、アニメーション、映像などを一時的に画面表示させる演出パターンや、特定の音声を出力する演出パターンである。予告演出パターンによる演出は、図柄変動と並行して実行され、その図柄変動が大当たり態様にて停止する期待度が高いことを予告的に示唆する。例えば、キャラクタの画像を一つだけ画面に表示させるだけの通常予告演出や、多数のキャラクタの群れを画面の一端から他端へ通過させるように表示させる群予告演出がある。また、予告演出の表示過程を複数段階に分け、表示させる段階数を可変にして段階数が多いほど大当たりへの期待度が高くなるように設定されるステップアップ予告演出がさらに含まれる。
予告演出パターンには、装飾図柄190の表示態様がリーチ状態となった後のタイミングで演出が実行されて図柄の最終的な停止態様を予告するパターンと、装飾図柄190が一つも停止していないタイミングで演出が実行されてリーチ状態となることを同時に予告するパターンとがある。
演出決定手段132は、当否抽選の結果に応じて演出表示装置60に予告演出を表示させるか否かを所定の予告抽選により決定するとともに、表示させるべき予告演出パターンを決定する。演出決定手段132は、予告演出を表示させるか否かを決定するために参照すべき予告決定テーブルと、予告演出パターンの種類を選択するときに参照すべき予告種類テーブルとを保持する。予告決定テーブルは、当否抽選の結果に応じて異なる欄が参照されるように設定されており、当否抽選が当たりの場合は外れの場合よりも高い確率で予告演出を表示させるよう、当否抽選の結果と予告演出を表示するか否かの対応関係が定められる。これにより、予告演出が表示されること自体で大当たりへの期待度の高さを示唆することができる。
演出表示制御手段134は、当否抽選手段112による当否抽選の結果として、選択された変動演出パターンデータにしたがって演出表示装置60へ装飾図柄190を含む演出画像を変動表示させる。したがって、演出表示制御手段134は、選択された演出パターンにしたがって演出を実行する演出実行手段として機能する。
演出表示制御手段134は、予告演出を表示させる旨が演出決定手段132により決定された場合、選択された予告演出パターンにしたがった予告演出を演出表示装置60へ表示させる。演出表示制御手段134は、遊技効果ランプ90の点灯および消灯や、スピーカ18からの音声出力などの演出処理をさらに制御する。
役物制御手段136は、演出表示制御手段134から受け取る指示にしたがい、演出表示装置60における演出内容や遊技効果ランプ90の点滅過程に沿って、可動役物140を演出的に動作させる。したがって、役物制御手段136もまた、選択された演出パターンにしたがって演出を実行する演出実行手段として機能する。
図4は、第1の実施例に係る通常パターン選択テーブルを示す図である。参照すべきパターン選択テーブルとして、通常は通常パターン選択テーブルが選択されている。通常パターン選択テーブルでは、当否抽選の結果に応じて、パターン決定抽選値と変動パターン番号とが対応付けられている。具体的には、まず当否抽選の結果が当たりの場合、「01」〜「08」の変動パターン番号の各々が、「0」〜「255」のパターン決定抽選値の中の所定範囲と対応付けられている。また、当否抽選の結果が外れの場合、「11」〜「20」の変動パターン番号の各々が、「0」〜「255」のパターン決定抽選値の中の所定範囲と対応付けられている。なお、「01」〜「08」の変動パターン番号には、「45秒」から「100秒」までの異なる複数種類の変動時間がそれぞれ定められている。また、「11」〜「40」の変動パターン番号には、「10秒」から「95秒」までの異なる複数種類の変動時間がそれぞれ定められている。
変動パターン番号「01」〜「04」、「11」〜「14」は、上述のスーパーリーチとなる演出に対応する変動パターン番号とされている。演出決定手段132は、変動パターン番号「01」〜「04」、「11」〜「14」のいずれかが選択された場合、スーパーリーチとなる演出を実行する演出パターンを選択する。また、変動パターン番号「05」〜「08」、「15」〜「18」は、上述のノーマルリーチとなる演出に対応する変動パターン番号とされている。演出決定手段132は、変動パターン番号「05」〜「08」、「15」〜「18」のいずれかが選択された場合、ノーマルリーチとなる演出を実行する演出パターンを選択する。変動パターン番号「19」および「20」は、リーチとならない演出に対応する変動パターン番号とされている。演出決定手段132は、変動パターン番号「19」または「20」が選択された場合、リーチとならない演出を実行する演出パターンを選択する。
なお、変動パターン番号「01」〜「08」の各々は、変動パターン番号「11」〜「18」の各々に対応する変動パターン番号とされている。演出決定手段132は、変動パターン番号として「01」〜「08」のいずれかが選択された場合、変動パターン番号「11」〜「18」のうち対応する変動パターン番号が選択されたときの演出パターンと途中までの演出過程が共通する演出パターンを選択する。例えば当否抽選の結果が当たりとなって、変動パターン「01」が選択された場合、演出決定手段132は、キャラクタAが敵キャラクタBと戦い、変動パターン番号「11」が選択されたときに表示される格闘シーンと共通するシーンを経て勝利する演出が演出表示装置60に表示される演出パターンを選択する。また、例えば当否抽選の結果が外れとなって、変動パターン「11」が選択された場合、演出決定手段132は、キャラクタAが敵キャラクタBと戦い、変動パターン番号「01」が選択されたときに表示される格闘シーンと共通するシーンを経て敗北する演出が演出表示装置60に表示される演出パターンを選択する。
さらに、変動パターン番号「11」〜「14」は概ね同じ確率で選択されるのに対し、変動パターン番号「01」〜「04」は、番号が小さい方が高い確率で選択されるよう、パターン決定抽選値と変動パターン番号とが対応付けられている。また、変動パターン番号「15」〜「18」も概ね同じ確率で選択されるのに対し、変動パターン番号「05」〜「08」は、番号が小さい方が高い確率で選択されるよう、パターン決定抽選値と変動パターン番号とが対応付けられている。これにより、番号が小さい変動パターン番号が決定されたときに選択される演出パターンに含まれる、上記「共通する演出過程」が、当否抽選の結果が当たりである可能性、すなわち「期待度」が高いことを示唆するものとしている。
図5は、第1の実施例に係る起動時パターン選択テーブルを示す図である。第1の実施例では、変動パターン決定手段115は、ぱちんこ遊技機10の起動時に、通常状態において変動パターンを選択するときに参照されるパターン選択テーブルとして、この起動時パターン選択テーブルを選択する。また、変動パターン決定手段115は、ぱちんこ遊技機10が起動されてから所定期間が経過したときに、通常状態において変動パターンを選択するときに参照すべきパターン選択テーブルを起動時パターン選択テーブルから通常パターン選択テーブルに変更する。なお、第1の実施例においてぱちんこ遊技機10を起動する、とは、ぱちんこ遊技機10の電源をオンにして遊技制御装置100に電力が供給される状態になることや、ぱちんこ遊技機10のリセットボタン(図示せず)が押されて、ぱちんこ遊技機10の電源がオンにされたまま遊技制御装置100が再起動される場合をいう。
起動時パターン選択テーブルにおいても、当否抽選の結果に応じて、パターン決定抽選値と変動パターン番号とが対応付けられている。例えば当否抽選の結果が当たりであった場合に選択され得る変動パターン番号、当否抽選の結果の結果が外れであった場合に選択され得る変動パターン番号、およびそれらの変動パターン番号の各々が示す特別図柄192の変動時間は、通常パターン選択テーブルと同様である。
しかし、起動時パターン選択テーブルでは、スーパーリーチまたはノーマルリーチとなる確率、すなわちリーチとなる確率が通常パターン選択テーブルよりも高くなるよう、パターン決定抽選値と変動パターン番号とが対応付けられている。具体的には、起動時パターン選択テーブルでは、当否抽選の結果が外れであった場合におけるリーチとなる確率、すなわち変動パターン番号「11」〜「18」が選択される確率が、通常パターン選択テーブルよりも高くなるようパターン決定抽選値と変動パターン番号とが対応付けられている。一方、当否抽選の結果の結果が当たりであった場合におけるパターン決定抽選値と変動パターン番号との対応関係は通常パターン選択テーブルと同様となっている。
さらに、起動時パターン選択テーブルでは、通常パターン選択テーブルに対し、スーパーリーチとなる確率、すなわち変動パターン番号「01」〜「04」、「11」〜「14」が選択される確率が、ノーマルリーチとなる確率、すなわち変動パターン番号「05」〜「08」、「15」〜「18」が選択される確率より高い幅で引き上げられている。このため、通常パターン選択テーブルでは、当否抽選の結果が外れであった場合におけるスーパーリーチとなる確率はノーマルリーチとなる確率よりも低いが、起動時パターン選択テーブルでは、当否抽選の結果が外れであった場合におけるスーパーリーチとなる確率がノーマルリーチとなる確率と同様とされている。これによって、通常パターン選択テーブルを参照して変動パターンを選択しているときには頻繁に見ることができないスーパーリーチであっても、起動時パターン選択テーブルを参照して変動パターンを選択しているときには相対的に高い頻度で見ることが可能となる。
このように変動パターン決定手段115は、ぱちんこ遊技機10の起動時に、リーチ状態となる演出パターンに対応する変動パターン番号が通常パターン選択テーブルよりも高い確率で選択される起動時パターン選択テーブルを、通常状態において変動パターンを選択するときに参照すべきパターン選択テーブルとして選択する。これにより、遊技機の起動後、所定期間が経過するまでの間は、リーチ状態となる演出を遊技者により多く見せることが可能となる。このため、例えば、普段はあまり頻繁に見ることの出来ないリーチ状態であっても、開店時など早期に来店する遊技者は見ることができる可能性を増加させることができる。このため、開店時など遊技者の早期の来店をより喚起することができる。
なお、このような態様に限定されないことは勿論であり、例えば変動パターン決定手段115は、ぱちんこ遊技機10の起動時に、「特定のリーチ状態」となる演出パターンに対応する変動パターン番号が通常パターン選択テーブルよりも高い確率で選択される起動時パターン選択テーブルを、通常状態において変動パターンを選択するときに参照すべきパターン選択テーブルとして選択する。この「特定のリーチ状態」は、例えば通常パターン選択テーブルを参照した場合では選択される可能性が相対的に低い変動パターン番号に対応する演出パターンに含まれる演出内容であってもよい。これによって、開店時にこのぱちんこ遊技機10で遊技を楽しむときに、普段はなかなか表示されないレアな演出を高い確率で楽しむことができるため、開店時など早期の来客を喚起することができる。
以上のように、起動時パターン選択テーブルは、ノーマルリーチやスーパーリーチなどのリーチ状態となる演出パターンに対応する変動パターン番号が通常パターン選択テーブルよりも高い確率で選択される。リーチ状態となる演出パターンは、リーチ状態とならない演出パターンよりも演出のために長時間を要することから、起動時パターン選択テーブルは、特別図柄192の変動時間も長い変動パターンが、通常パターン選択テーブルより高い確率で選択されることになる。したがって起動時パターン選択テーブルでは、含まれる変動パターンによる特別図柄192の平均変動時間の設計値が、通常パターン選択テーブルよりも長くなるよう、パターン決定抽選値と変動パターン番号とが対応付けられている。
これに対して、起動時パターン選択テーブルにおいて、含まれる変動パターンによる特別図柄192の平均変動時間の設計値が通常パターン選択テーブルよりも短くなるよう、パターン決定抽選値と変動パターン番号とが対応付けられていてもよい。この場合、変動パターン決定手段115は、ぱちんこ遊技機10の起動時に、含まれる変動パターンによる特別図柄192の平均変動時間の設計時が通常パターン選択テーブルよりも短い起動時パターン選択テーブルを、通常状態において変動パターンを選択するときに参照すべきパターン選択テーブルとして選択する。また、変動パターン決定手段115は、ぱちんこ遊技機10が起動されてから所定期間の経過後、変動パターンを選択するときに参照すべきパターン選択テーブルを起動時パターン選択テーブルから通常パターン選択テーブルに変更する。
このような起動時パターン選択テーブルが、通常状態において参照されて変動パターン番号が選択される場合、通常パターン選択テーブルが参照されているときよりも、当否抽選が保留されている当否抽選値を素早く消化することが可能となる。このため、遊技開始から早期に当たりとなる可能性が高い状態とすることができる。このため、このように遊技開始から早期に当たりとなりたい遊技者の開店時における来店を喚起することができる。
なお、変動パターンを選択するときに参照すべきパターン選択テーブルとして起動時パターン選択テーブルが選択されている場合は、変動パターン番号「01」〜「04」の各々と変動パターン番号「11」〜「14」の各々との間で共通する演出過程が示唆する「期待度」は、通常パターン選択テーブルが選択されている場合と異なるものとなっている。具体的には、上述のように、起動時パターン選択テーブルは、当否抽選の結果が外れであった場合におけるリーチとなる確率が通常パターン選択テーブルよりも高くなり、当否抽選の結果が当たりであった場合におけるリーチとなる確率は通常パターン選択テーブルと同じになるようパターン決定抽選値と変動パターン番号とが対応付けられている。このため、各々の共通演出内容が示唆する期待度は、参照すべきパターン選択テーブルとして起動時パターン選択テーブルが選択されている方が、通常パターン選択テーブルが選択されているときよりも低くなっている。例えば、変動パターン「01」が選択された場合と変動パターン番号「11」が選択された場合とで共通する、上述したキャラクタAと敵キャラクタBとの格闘シーンは、参照すべきパターン選択テーブルとして起動時パターン選択テーブルが選択されている方が、通常パターン選択テーブルが選択されているときよりも低い期待度を示唆する。こうして、ぱちんこ遊技機10が起動されてから所定期間が経過するまでの間、当否抽選の結果が当たりとなる確率を変更することなくリーチ状態となる確率を高めている。
図6は、ぱちんこ遊技機における基本的な動作過程を示すフローチャートである。まず、遊技球が始動口62、一般入賞口72、大入賞口66などへ入賞した場合や、遊技球が作動口68を通過した場合の処理を実行し(S10)、特別遊技中でなければ(S12のN)、当否抽選などの通常遊技の制御処理を実行し(S14)、特別遊技中であれば(S12のY)、特別遊技の制御処理を実行し(S16)、S10からS16までの処理における各種入賞に応じた賞球払出を処理する(S18)。
図7は、図6におけるS14の通常遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。通常遊技制御処理において、当否抽選値の保留がなされている場合であって(S30のY)、図柄変動が表示中でなければ(S32のN)、当否抽選手段112が当否判定処理を実行する(S34)。その判定結果に応じてメイン表示制御手段118が変動表示を開始するとともに、変動開始コマンドを演出表示制御手段134へ送信し、これを受信した演出表示制御手段134が変動パターンデータにしたがって演出画像の変動表示を開始する(S36)。S30において当否抽選値が保留されていなかった場合は(S30のN)、S32からS36までの処理がスキップされ、S32において図柄変動が表示中であった場合は(S32のY)、S34およびS36の処理がスキップされる。続いて、図柄変動表示がすでに開始されていれば(S38のY)、図柄変動表示処理を実行し(S40)、図柄変動表示が開始されていないときは(S38のN)、S40をスキップする。
図8は、図7におけるS34の当否判定処理を詳細に示すフローチャートである。当否抽選手段112が当否抽選値を読み出して(S42)、その当否抽選値に基づいて当否を判定する(S44)。図柄決定手段114は、当否判定結果に基づいて特別図柄の停止図柄を決定する(S46)。特別図柄が決定されると、変動パターン決定手段115は、特別図柄の変動パターンを決定する(S48)。
特別図柄の変動パターン決定処理を終了すると、変動パターン決定手段115は、パターン選択テーブル変更処理を実施する(S50)。パターン選択テーブル変更処理を終了すると、演出決定手段132は、装飾図柄190の停止図柄を決定すると共に(S52)、受信した変動パターン番号に基づいて演出パターンを決定する(S54)。
図9は、図8におけるS50の第1の実施例に係るパターン選択テーブル変更処理の手順を詳細に示すフローチャートである。変動パターン決定手段115は、通常状態では起動時パターン選択テーブルを参照しているか否かを判定する(S100)。ここで、この「通常状態では」とは、通常遊技状態のうち時短状態などの特定遊技状態にないときをいう。変動パターン決定手段115は、このように通常状態において参照するパターン選択テーブルを示す通常状態テーブルフラグを保持する。変動パターン決定手段115は、変動パターンを選択するときに参照すべきパターン選択テーブルを選択するときに、この通常状態テーブルフラグを、選択する起動時パターン選択テーブルまたは通常パターン選択テーブルを示す値に設定する。変動パターン決定手段115は、この通常状態テーブルフラグを参照して、通常状態では起動時パターン選択テーブルを参照しているか否かを判定する。したがって、例えば特定遊技状態として時短状態に移行しており、時短パターン選択テーブルを参照して変動パターンを選択している場合であっても、変動パターン決定手段115は、通常状態では起動時パターン選択テーブルを参照しているか否かを判定する。
通常状態では起動時パターン選択テーブルを参照していない、すなわち通常状態では通常パターン選択テーブルを参照して変動パターンを選択している場合(S100のN)、通常状態において参照すべきパターン選択テーブルの変更を回避し、本フローチャートにおける処理を終了する。
通常状態では起動時パターン選択テーブルを参照して変動パターンを選択している場合(S100のY)、変動パターン決定手段115は、変動パターンの選択履歴構築処理する(S102)。変動パターンの選択履歴構築処理されると、変動パターン決定手段115は、変動回数カウンタの値がN1か否かを判定する(S104)。第1の実施例では、N1は100に設定されている。変動回数カウンタの値がN1と判定された場合、すなわち、ぱちんこ遊技機10の起動時からの特別図柄192の変動回数が100回に達した場合(S104のY)、変動パターン決定手段115は、通常状態において参照すべきパターン選択テーブルを起動時パターン選択テーブルから通常パターン選択テーブルに変更する(S106)。
変動回数カウンタの値がN1に達していない場合、すなわち、ぱちんこ遊技機10の起動時からの特別図柄192の変動回数が100回に達していない場合(S104のN)、変動パターン決定手段115は、変動パターンの選択履歴がテーブル変更条件を満たしたか否かを判定する(S108)。
ここで、第1の実施例では、スーパーリーチの演出を含む演出パターンに対応する所定の変動パターン番号がすべて1回以上選択されることをテーブル変更条件としている。具体的には、変動パターン決定手段115は、変動パターン番号「01」または「11」が選択されたことを示す第1フラグと、変動パターン番号「02」または「12」が選択されたことを示す第2フラグと、変動パターン番号「03」または「13」が選択されたことを示す第3フラグと、変動パターン番号「04」または「14」が選択されたことを示す第4フラグを保持する。例えば、変動パターン番号「01」または「11」が選択された場合、変動パターン決定手段115は、第1フラグをオンに設定する。変動パターン決定手段115は、対応する変動パターン番号が選択されたときに第2フラグ〜第4フラグも同様にオンに設定する。この設定は、後述するS102で行われる。
変動パターン決定手段115は、第1フラグ〜第4フラグ全てがオンに設定されているか否かを判定することによって、テーブル変更条件を満たしたか否かを判定する。変動パターンの選択履歴がテーブル変更条件を満たさない場合(S108のN)、変動回数カウンタの値を1つインクリメントして、本フローチャートにおけす処理を終了する。
変動パターンの選択履歴がテーブル変更条件を満たす場合(S108のY)、変動パターン決定手段115は、通常状態において参照すべきパターン選択テーブルを起動時パターン選択テーブルから通常パターン選択テーブルに変更する(S106)。このように変動パターンの選択履歴がテーブル変更条件を満たす場合は、スーパーリーチの演出を一通り遊技者が見たことになる。したがって、もはや起動時パターン選択テーブルを参照して変動パターンを選択する意義は薄くなるため、第1の実施例では、このような変動パターンの選択履歴がテーブル変更条件を満たす場合に、通常状態において参照すべきパターン選択テーブルを起動時パターン選択テーブルから通常パターン選択テーブルに変更している。
なお、このような態様に限られないことは勿論であり、例えば変動パターン決定手段115は、例えば特定のリーチ状態の演出を含む演出パターンに対応する変動パターンが選択されたことを、テーブル変更条件としてもよい。このとき、この「特定のリーチ状態」は、例えば通常パターン選択テーブルを参照した場合では選択される可能性が相対的に低い変動パターン番号に対応する演出パターンに含まれる演出内容であってもよい。これによって、普段はなかなか表示されないレアな演出を遊技者が見た時点でパターン選択テーブルを変更することができる。
図10は、図9におけるS102の変動パターンの選択履歴構築処理の詳細な手順を示すフローチャートである。変動パターン決定手段115は、スーパーリーチに対応する変動パターン番号「01」〜「04」、「11」〜「14」のいずれかが選択されたか否かを判定する(S120)。スーパーリーチに対応するこれらの変動パターン番号が選択されていない場合(S120のN)、本フローチャートにおける処理を終了する。
スーパーリーチに対応する変動パターン番号が選択された場合(S120のY)、変動パターン決定手段115は、第1フラグ〜第4フラグのうち対応するフラグがオフとなっているか否かを判定することにより、同じスーパーリーチに対応する変動パターン番号が未選択か否かを判定する(S122)。第1フラグ〜第4フラグのうち対応するフラグがオンにされており、同じスーパーリーチに対応する変動パターン番号がすでに選択されている場合(S122のN)、本フローチャートにおける処理を終了する。第1フラグ〜第4フラグのうち対応するフラグがオフのままであり、同じスーパーリーチに対応する変動パターン番号が未選択の場合(S122のY)、変動パターン決定手段115は、第1フラグ〜第4フラグのうち対応するフラグをオンに設定することによってその変動パターンの変動履歴を構築する(S124)。
図11は、図6におけるS16を詳細に示すフローチャートである。まず、大入賞口66が開放済でなければ(S70のN)、演出表示制御手段134が特別遊技の演出処理を開始し(S72)、開閉制御手段124が大入賞口66を開放する(S74)。大入賞口66が開放済であればS72およびS74をスキップする(S70のY)。大入賞口66が開放されてから所定の開放時間が経過した場合(S76のY)、または、開放時間が経過していないものの(S76のN)、大入賞口66へ遊技球が9球以上入球した場合(S78のY)、開閉制御手段124が大入賞口66を閉鎖させる(S80)。開放時間が経過しておらず(S76のN)、大入賞口66への入球数も9球以上に達していない場合は(S78のN)、S80以降の処理をスキップしてS16のフローを終了する。
S80における大入賞口66の閉鎖後、単位遊技のラウンド数が15に達していた場合(S82のY)、演出表示制御手段134は特別遊技の演出処理を終了させ(S84)、特別遊技制御手段120は特別遊技を終了させる(S86)。ラウンド数が15に達していなければ(S82のN)、ラウンド数に1を加算してS16のフローを終了する(S90)。
(第2の実施例)
図12は、第2の実施例に係る第2通常パターン選択テーブルを示す図である。なお、図4に示す通常パターン選択テーブルを、第2の実施例では「第1通常パターン選択テーブル」として説明する。また、特に言及しない限り、第2の実施例に係るぱちんこ遊技機の構成および動作は、第1の実施例に係るぱちんこ遊技機10と同様である。
第2通常パターン選択テーブルでは、第1通常パターン選択テーブルと同様に、当否抽選の結果に応じて、パターン決定抽選値と変動パターン番号とが対応付けられている。例えば当否抽選の結果が当たりであった場合に選択され得る変動パターン番号、当否抽選の結果の結果が外れであった場合に選択され得る変動パターン番号、およびそれらの変動パターン番号の各々が示す特別図柄192の変動時間は、第2通常パターン選択テーブルも第1通常パターン選択テーブルと同様である。
第2通常パターン選択テーブルでは、スーパーリーチまたはノーマルリーチとなる確率、すなわちリーチとなる確率が第1通常パターン選択テーブルよりも低くなるよう、パターン決定抽選値と変動パターン番号とが対応付けられている。具体的には、第2通常パターン選択テーブルでは、当否抽選の結果が外れであった場合におけるリーチとなる確率、すなわち変動パターン番号「11」〜「18」が選択される確率が、第1通常パターン選択テーブルよりも低くなるようパターン決定抽選値と変動パターン番号とが対応付けられている。一方、当否抽選の結果の結果が当たりであった場合におけるパターン決定抽選値と変動パターン番号との対応関係は第1通常パターン選択テーブルと同様となっている。
以上のように、第2通常パターン選択テーブルは、ノーマルリーチやスーパーリーチなどのリーチ状態となる演出パターンに対応する変動パターン番号が通常パターン選択テーブルよりも低い確率で選択される。リーチ状態となる演出パターンは、リーチ状態とならない演出パターンよりも演出のために長時間を要することから、起動時パターン選択テーブルは、特別図柄192の変動時間も長い変動パターンが、通常パターン選択テーブルより低い確率で選択されることになる。したがって第2通常パターン選択テーブルでは、含まれる変動パターンによる特別図柄192の平均変動時間の設計値が、第1通常パターン選択テーブルよりも短くなるよう、パターン決定抽選値と変動パターン番号とが対応付けられている。
図13は、第2の実施例に係る第3通常パターン選択テーブルを示す図である。第3通常パターン選択テーブルでは、第1通常パターン選択テーブルと同様に、当否抽選の結果に応じて、パターン決定抽選値と変動パターン番号とが対応付けられている。例えば当否抽選の結果が当たりであった場合に選択され得る変動パターン番号、当否抽選の結果の結果が外れであった場合に選択され得る変動パターン番号、およびそれらの変動パターン番号の各々が示す特別図柄192の変動時間は、第3通常パターン選択テーブルも第1通常パターン選択テーブルと同様である。
第3通常パターン選択テーブルでは、スーパーリーチまたはノーマルリーチとなる確率、すなわちリーチとなる確率が第1通常パターン選択テーブルよりも高くなるよう、パターン決定抽選値と変動パターン番号とが対応付けられている。具体的には、第3通常パターン選択テーブルでは、当否抽選の結果が外れであった場合におけるリーチとなる確率、すなわち変動パターン番号「11」〜「18」が選択される確率が、第1通常パターン選択テーブルよりも高くなるようパターン決定抽選値と変動パターン番号とが対応付けられている。一方、当否抽選の結果の結果が当たりであった場合におけるパターン決定抽選値と変動パターン番号との対応関係は第1通常パターン選択テーブルと同様となっている。
以上のように、第3通常パターン選択テーブルは、ノーマルリーチやスーパーリーチなどのリーチ状態となる演出パターンに対応する変動パターン番号が通常パターン選択テーブルよりも高い確率で選択される。リーチ状態となる演出パターンは、リーチ状態とならない演出パターンよりも演出のために長時間を要することから、第3通常パターン選択テーブルは、特別図柄192の変動時間も長い変動パターンが、通常パターン選択テーブルより高い確率で選択されることになる。したがって第3通常パターン選択テーブルでは、含まれる変動パターンによる特別図柄192の平均変動時間の設計値が、通常パターン選択テーブルよりも長くなるよう、パターン決定抽選値と変動パターン番号とが対応付けられている。
変動パターン決定手段115は、ぱちんこ遊技機10が起動されたときに、含まれる変動パターンによる特別図柄192の平均変動時間の設計値がこのように互いに異なる第1通常パターン選択テーブル、第2通常パターン選択テーブル、および第3通常パターン選択テーブルの中から、通常状態において参照すべきパターン選択テーブルを決定する。変動パターン決定手段115は、以後、ぱちんこ遊技機10の起動が終了するまで、このときに選択したパターン選択テーブルを参照して変動パターンを選択する。これにより、例えば複数の日にまたがって同じ機種のぱちんこ遊技機で遊技を楽しむ場合や、複数の台を移動しながら同じ機種のぱちんこ遊技機10で遊技を楽しむ場合において、同じ機種であっても異なる傾向の演出を遊技者に提供することができる。
このため、例えば起動時に第2通常パターン選択テーブルが選択されたぱちんこ遊技機10では、起動時に第1通常パターン選択テーブルが選択されたぱちんこ遊技機10よりも、遊技開始から早期に当たりとなる可能性が高い状態とすることができる。このため、このように遊技開始から早期に当たりとなりたい遊技者のニーズに合致した設定状態となる。
また、変動パターン決定手段115は、ぱちんこ遊技機10が起動されたときに、通常状態において変動パターンを選択するときに参照すべきパターン選択テーブルを、リーチ状態となる演出パターンに対応する変動パターン番号「01」〜「08」、「11」〜「18」の選択確率が互いに異なる複数のパターン選択テーブルの中から決定するということもできる。これにより、例えば同じぱちんこ遊技機10であっても、リーチ状態となる確率が相対的に高い遊技機と、リーチ状態になる確率が相対的に低い遊技機とを設けることができる。このため、例えば起動時に第3通常パターン選択テーブルが選択されたぱちんこ遊技機10では、起動時に第1通常パターン選択テーブルが選択されたぱちんこ遊技機10よりも高い頻度でリーチとなる演出を見ることが可能となる。
このように、起動時に第1〜第3通常パターン選択テーブルのいずれかを、通常状態において変動パターンを選択するときに参照すべきパターン選択テーブルとして選択することによって、同一の機種においても、演出の傾向が異なるぱちんこ遊技機10を設けることができる。このため、遊技機毎の演出の傾向の違いに遊技者の興味を引かせることが可能となる。
なお、ぱちんこ遊技機10の例えば裏面に、起動時のパターン選択テーブルを、第1通常パターン選択テーブル、第2通常パターン選択テーブル、および第3通常パターン選択テーブルのうちいずれかを指定するためのテーブル選択スイッチが設けられていてもよい。この場合、変動パターン決定手段115は、ぱちんこ遊技機10の起動時にテーブル選択スイッチによってどのパターン選択テーブルが選択されているか判定する。変動パターン決定手段115は、こうしてテーブル選択スイッチによって選択されているパターン選択テーブルを、通常状態において変動パターンを選択するときに参照すべきパターン選択テーブルとして選択する。
このようにテーブル選択スイッチを設けることによって、例えばホールの従業員が開店前に、通常状態において変動パターンを選択するときに参照すべきパターン選択テーブルを設定することが可能となる。このため、例えばホールでイベントを行う場合など、当否抽選の結果が当たりとなる回数を増やしたい場合は、通常状態において参照すべきパターン選択テーブルとして平均変動時間が相対的に短い第2通常パターン選択テーブルを設定しておくことにより、より多く特別図柄192を変動させることができる。逆に、イベントなどを行わない平日など、ホールがそれほど混み合わないときは、通常状態において参照すべきパターン選択テーブルとして平均変動時間が相対的に長い第3通常パターン選択テーブルを設定しておくことにより、リーチ状態となる可能性を高めて遊技者に遊技をゆっくりと楽しんでもらう設定とすることもできる。
パターン選択テーブルの種類は当たりとなる確率に影響を与えないため、どのパターン選択テーブルが選択された場合においても、当たりとなる確率において有利または不利となることはないと考えられる。また、リーチ状態となったときは、遊技者はストップボタンを押すことによって遊技球が減ることを抑制することができるため、遊技球の消化についても有利または不利となることはないと考えられる。このため、このように通常状態において参照すべきパターン選択テーブルをテーブル設定ボタンで設定可能とすることにより、遊技者に有利または不利を与えることを回避しつつ、通常状態において参照すべきパターン選択テーブルホールの状況に応じて設定することができ、このテーブル設定ボタンをホール経営の一部に利用することができる。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例はあくまで例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
10 ぱちんこ遊技機、 50 遊技盤、 52 遊技領域、 60 演出表示装置、 61 特別図柄表示装置、 62 始動口、 90 遊技効果ランプ、 100 遊技制御装置、 102 メイン基板、 104 サブ基板、 112 当否抽選手段、 114 図柄決定手段、115 変動パターン決定手段、 118 メイン表示制御手段、 120 特別遊技制御手段、 122 特定遊技実行手段、 130 パターン記憶手段、 132 演出決定手段、 134 演出表示制御手段。