JP4870346B2 - 遊技機 - Google Patents
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本発明は上述した従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は大当たり確率が多様に変化するゲーム性を持つ遊技機を提供することである。
(遊技盤の構成)
まず、本実施形態による遊技機に用いられる遊技盤の構成について、図1を参照しながら詳細に説明する。図1は、遊技盤14の正面図である。
図1において、遊技盤14の盤面の左方には、発射装置により発射された遊技球を遊技盤14の盤面の上方に誘導するガイドレール30が設けられており、遊技盤14の盤面のうち遊技球が通過可能な領域には、遊技盤14の盤面を通過する遊技球の進路を変更するための遊技釘32が複数設けられている。
始動入賞口38の下方には、通常時は閉鎖状態であるが特賞状態となったときは、所定パターンで開放状態となって遊技球を入賞可能とする大入賞口40が設けられており、大入賞口40には、遊技球が入賞したことを検出する大入賞口センサ(後述)が設けられている。また、大入賞口40内の中央部には、大入賞口40が開放状態となったときに遊技球を入賞可能とするV入賞口(図示せず)が設けられている。
なお、以下、領域34に表示される図柄表示画面において3つの領域に表示される図柄が大当たり図柄となったときに生起する遊技状態を「特賞状態」という。
次に、遊技機1における主基板の構成について、図2を参照しながら説明する。図2は、主基板200の構成を示すブロック図である。
主基板200は、図2に示されているように、遊技制御プログラムに基づいて遊技機1の遊技状態を制御するCPU220と、所定領域にあらかじめCPU220の遊技制御プログラム等を格納しているROM230と、ROM230等から読み出したデータやCPU220の演算過程で必要な演算結果を格納するRAM240と、外部装置とのデータの入出力を媒介するI/O250とで構成されており、これらは、データを転送するための信号線であるバス260で相互にかつデータ授受可能に接続されている。
また、同図に示されているように、始動記憶数がRAM240に記憶されることによって始動記憶カウンタ241が、図柄の変動回数がRAM240に記憶されることによって図柄変動回数カウンタ242が、それぞれ実現される。
CPU220は、マイクロプロセッシングユニットMPU等からなり、図示しないリセット回路からのリセット信号により所定の動作クロック(例えば、4[ms])で1サイクルを実行可能な遊技制御プログラムに基づいて動作するようになっている。また、CPU220は、ROM230の所定領域に格納されている遊技制御プログラムを起動させ、図4のフローチャートに示されている遊技制御処理を実行するようになっている。
初めに、遊技制御処理について図4を参照しながら説明する。図4は、遊技制御処理を示すフローチャートである。
遊技制御処理は、CPU220において実行されると、図4に示されているように、まず、ステップS100に移行するようになっている。
ステップS100では、電源が投入されてから初めて実行する処理か否かを判定し、初めて実行する処理であると判定したとき(Yes)は、ステップS101に移行して、RAM240の初期化や初期データのセット等の初期化処理を実行し、ステップS102に移行する。
ステップS104では、変動パターン決定処理(後述する図6参照)を実行する。その後、ステップS105に移行し、大当たり処理(後述する図8参照)を実行する。その後、ステップS102に移行し、乱数値が更新される。
図5は、図4中のステップS103に対応する始動入賞処理の内容を示すフローチャートである。同図においては、始動入賞口への入賞が検出されたか判断され(ステップS201)、その入賞が検出されない場合はそのまま処理が終了となる。始動入賞口への入賞が検出された場合、次に始動記憶数が上限値(本例では「4」)であるか判断され(ステップS201→S202)、上限値である場合はそのまま処理が終了となる。
その後、処理は終了となる。
図6は、図4中のステップS104に対応する変動パターン決定処理の内容を示すフローチャートである。同図においては、図柄変動停止中かどうか判断され(ステップS401)、図柄変動停止中でない場合はそのまま処理が終了となる。図柄変動停止中である場合、始動記憶が有るかどうか判断される(ステップS401→S402)。始動記憶が無い場合は、そのまま処理が終了となる。
最後に始動記憶カウンタから「1」を減算する(ステップS409)。
図7は、図6中のステップS407において送信される変動開始指令コマンドに基づいて行われる図柄変動処理の内容を示すフローチャートである。同図においては、主基板から変動開始指令コマンドを受信したか判断される(ステップS301)。
変動開始指令コマンドを受信したと判断された場合、受信した変動開始指令コマンドに基づく図柄変動表示処理が行われる(ステップS301→S302)。この場合、始動記憶数「0」から「4」までの各々の変動時間は、始動記憶4個目に始動入賞しづらくなるように、短く設定されている。ただし、特定条件が成立している場合は、変動時間が長くなる。例えば、リーチ演出時には、変動時間が長くなる。このリーチの発生条件については後述する。
ステップS301において、変動開始指令コマンドを受信していないと判断された場合は、その他の制御処理が行われた後(ステップS301→S303)、処理が終了となる。
図8は、図4中のステップS105に対応する大当たり処理の内容を示すフローチャートである。同図においては、大当たり発生条件が成立しているか判断され(ステップS501)、成立していない場合はそのまま処理が終了となる。大当たり発生条件が成立している場合、大入賞口開閉処理が行われる(ステップS501→S502)。つまり、抽選結果に応じて遊技者に有利な遊技状態に遷移することになる。
その後、変動回数カウンタが「0」にリセットされる(ステップS503)。
図9には、各始動記憶数における図柄変動時間の具体例が示されている。ここでは始動記憶上限値を「4」とし、従来一般的に使われている変動時間仕様(以下、従来例と呼ぶ)と本発明での変動時間とを比較する。
同図には、始動記憶数「0」から「4」までの値における、変動時間が示されている。変動時間については、従来例の他、本発明における設定例1、設定例2、設定例3の場合の値が示されている。さらに、同図には、これらの変動時間に基づいてシミュレーションによって算出した、1時間あたりの始動記憶4個目到達頻度が示されている。
同図を参照すると、1時間あたりの始動記憶4個目到達頻度は、従来例の場合「65.9」、設定例1の場合「2.9」、設定例2の場合「3.0」、設定例3の場合「3.0」である。
以下、このシミュレーションの内容について、説明する。
「始動口入賞率」、及び各記憶個数における「図柄変動時間」から「始動記憶4個目到達頻度」を算出するシミュレーション結果が図10〜図13に示されている。図10は従来例の場合のシミュレーション結果、図11は設定例1の場合のシミュレーション結果、図12は設定例2の場合のシミュレーション結果、図13は設定例3の場合のシミュレーション結果、である。
これらの図において、「始動口入賞率」とは、遊技球の発射1発に対して始動入賞口に入賞する確率である。「図柄停止状態」とは、図柄が停止しており記憶数もゼロの状態である。
(b)「変動時間→発射数換算」とは、各変動時間がそれぞれ発射何発に相当するかを算出した値である。通常の遊技機における遊技球の発射時間間隔は1分間あたり(60秒あたり)、100発となっているので、記憶数nにおける変動時間をTn、その時の発射数をKnとおくと、
Kn=100/60×Tn
となる。ただし、n=0〜4である。なお、停止状態の場合はn=−1とする。
1−(上記(c)+上記(d))
=1−(1/Kn+S)=1−(60/100×1/Tn+S)
となる。この値(始動記憶数がnの時の状態維持確率)をJnとおく。
以上の数値を元に、発明者は、発射6000発(1時間遊技)における各始動記憶状態の到達頻度をシミュレートした。
この算出において、初期状態として、発射0の時は停止状態の確率=1、他の状態確率=0となる。
(1)停止確率は、「その状態を維持する確率+前回の記憶0状態から転落する確率」となる。
(2)記憶0確率は「前回から記憶0状態を維持する確率+前回の停止状態から昇格する確率+前回の記憶1状態から転落する確率」となる。
(3)記憶1確率は「前回から記憶1状態を維持する確率+前回の記憶0状態から昇格する確率+前回の記憶2状態から転落する確率」となる。記憶2確率は「前回から記憶2状態を維持する確率+前回の記憶1状態から昇格する確率+前回の記憶3状態から転落する確率」となる。記憶3確率は「前回から記憶3状態を維持する確率+前回の記憶2状態から昇格する確率+前回の記憶4状態から転落する確率」となる。
(4)記憶4確率は「記憶4状態を維持する確率+前回の記憶3状態から昇格する確率」となる。
一般式として発射数mを打ったときの始動記憶数nに滞在している確率をP(m、n)とおくと、
P(m、n)
=P(m−1、n)×Jn+P(m−1、n−1)×S+P(m−1、n+1)×Dn
となる。
ここで発射数1から6000までの記憶数n個状態における確率の総和
ΣP(m、n)[m=1〜6000]
が、1時間における記憶数n個状態の発射玉数となる。
これをHnとおけば、Hn×Sが記憶(n+1)個の状態に到達する頻度となる。
ここで最終的に求める値は始動記憶4個目到達頻度なのでH3×Sで得られる。
図9に戻り、同図中の設定例1は変動時間を一律3.3秒に設定したものである。この秒数に設定すると、遊技者はどの始動記憶数に滞在していても始動記憶4個目への到達期待感を常に抱きながら遊技し続けることができる。
設定例2は始動記憶3個目の変動時間を13.3秒に、他の始動記憶の変動時間を2.0秒に設定したものである。この秒数に設定すると記憶3個目まで到達する頻度は少なくなるが、一度記憶3個目まで到達するとその際の変動時間は13.3秒と長いため次の記憶4個に到達するチャンスが一気にアップし、この間においては遊技者の期待感を一点集中的に高めることのできる遊技性を有する仕様となっている。
次に、上述した通常の図柄変動時間設定とは異なる特定の変動パターンについて説明する。
変動パターンのうち停止時間が通常の図柄変動と比べて長い変動秒数を有する特定の変動パターンが選択された場合については、その変動パターンが変動している間は図柄の停止が通常の場合よりも遅れる。このため、始動記憶数が貯まりやすくなり、当然ながら始動記憶上限まで入賞する可能性、すなわち高確率で大当たりを抽選する可能性が増すことになる。
またこのリーチの変動時間、及び発生条件を変化させることにより始動記憶上限に到達する機会が状態に応じて変化するので通常時にも飽きが来ないゲーム性を提供できる。従来のリーチの役割は、図柄の抽選結果に応じて大当たりに近いことを報知する演出が主であったが、本発明においてはその役割を兼ねると共に、高確率での抽選機会を得るきっかけにもなり得る。
ここで、もともと始動記憶が有している大当たり抽選確率は固定となっているにも関わらず、最終的な大当たり確率が変化していることに注意する。大当たり抽選確率を別に操作しなくても、リーチ出現率を変えることにより、結果として大当たりの当選確率を多様に変えることが可能になっているというのが本発明における最も重要なポイントの1つである。
具体的な例として、始動権利の記憶数の上限値を「4」とし、記憶数0個から3個までの場合の大当たり当選確率を1/400、記憶4個の場合の大当たり当選確率を1/16と設定した場合、リーチ発生条件の設定として以下に挙げるような設定例が考えられる。
リーチ発生確率を図柄変動回数によって変化するように設定する。大当たり終了後を起点として図柄変動回数に応じてリーチ発生確率を、図18のように定める。
同図のようにリーチ確率を定めると、大当たり終了後の1回転目から50回転目までの間はリーチ確率が通常よりもアップし、その分大当たりの当選確率も増加する。これに対し、51回転目から200回転目までの間は最もリーチが発生しづらい設定になっている。しかしながら、200回転目を超えるとリーチ発生率が若干アップし、さらに1000回転目を超えた場合には高確率でリーチが発生する状態となる。このため、容易に大当たりを獲得できる。
リーチ発生確率を遊技機の状態に応じて変化するように設定する。モードを複数設定し、条件に応じて各モ一ドに移行するように、図19のように定める。
同図では、4つのモードA、モードB、モードC、モードDそれぞれについて、異なるリーチ発生確率が定められている。そして、各モードは相互に他のモードに移行できるようになっている。
具体的なモード移行条件として、(1)特定のリーチが発生した場合、(2)前回のモード移行後から数えて特定の図柄変動回数を超えた場合、(3)特定のリーチが特定回数出現しなかった場合、等にモード移行するように設定する。
本発明においては、始動記憶が上限の場合に限り大当たり確率が他と比較して高く設定されると共に、各始動記憶状態における図柄変動時間は始動記憶上限値までの始動入賞の可能性を低くするよう短く設定される。ただし、リーチなど特定の変動パターンが選択された場合には変動時間が延長されて、始動記憶の上限まで始動入賞の可能性が向上する機能を有している。これにより、特定の変動パターンが出現した時の大当たり期待感が増大しスリル溢れる遊技性を満喫できる。
20 表示装置
30 ガイドレール
32 遊技釘
34 領域
38 始動入賞口
40 大入賞口
42 アウト口
50 大入賞口ソレノイド
52、52a ランプ
54 スピーカ
131 始動入賞口センサ
132 大入賞口センサ
150 表示制御基板
152 ランプ制御基板
154 効果音制御基板
156 賞球払出制御基板
157 賞球払出装置
158 外部端子
159 ホールコンピュータ
160 発射制御基板
161 発射装置
200 主基板
220 CPU
231、232 大当たり抽選テーブル
233a〜233d、234 変動パターン決定用テーブル
241 始動記憶カウンタ
242 変動回数カウンタ
250 I/O
260 バス
Claims (3)
- 始動入賞口への遊技球の入賞に応答して、遊技者に有利な遊技状態である特賞状態を生起させるか否かを決定するための抽選を実行する抽選手段と、
前記抽選手段により抽選が実行された場合に、図柄表示装置において、図柄の変動表示を行った後に、当該抽選の結果に応じた態様で図柄の停止表示を行う表示制御手段と、を備える遊技機であって、
前記図柄の変動表示が行われた回数をカウントするカウンタと、
前記特賞状態を生起させることが決定された場合に、前記カウンタのカウント値をリセットするリセット手段と、
前記図柄の変動表示の開始時に、変動パターンが登録されているテーブルに基づいて、当該変動表示の変動パターンを決定する変動パターン決定手段と、を備え、
前記テーブルとして、始動記憶数が上限値である場合に対応するテーブルと、前記カウンタのカウント値に対応させて設定された複数のテーブルと、を有し、
前記変動パターン決定手段は、前記図柄の変動表示の開始時に、現在の前記始動記憶数が前記上限値である場合には、前記始動記憶数が上限値である場合に対応するテーブルを選択して、現在の前記始動記憶数が前記上限値ではない場合には、前記複数のテーブルのうちから、前記カウンタの現在のカウント値に応じたテーブルを選択して、選択したテーブルに基づいて、前記変動パターンを決定することを特徴とする遊技機。 - 前記複数のテーブルでは、リーチ演出を表示する変動パターンが決定される確率が、互いに異なるように設定されていることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
- 前記複数のテーブルのうち、対応する前記カウント値が最も大きいテーブルでは、他のテーブルと比較して、前記リーチ演出を表示する変動パターンが決定される確率が高くなるように設定されていることを特徴とする請求項2記載の遊技機。
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