(実施例1)
本実施例のぱちんこ遊技機においては、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が複数混在する。その複数の遊技としての第1の遊技と第2の遊技とが、同時に実行されないように制御される。またこれらの遊技性を両立させるために、本実施例のぱちんこ遊技機は、複数の始動入賞口、複数の特別図柄表示装置、複数の保留ランプ、複数の大入賞口を備える。すなわち、遊技球が第1始動入賞口または第2始動入賞口に入球すると、第1の抽選、第2の抽選がそれぞれ実行され、その抽選結果が「大当り」であった場合、大入賞口が開閉を繰り返す特別遊技が開始される。その結果、いずれかの大入賞口が開放されて遊技球が入球すると、その都度所定数の賞球が払い出され、遊技者に有利な状態となる。本実施例では、大当りとして、通常の大当り(「通常大当り」という)と特定の大当り(「特定大当り」)が設けられている。通常大当りは通常の特別遊技(「通常特別遊技」という)への移行を示し、特定大当りは特定の特別遊技(「特定特別遊技」)への移行を示す。通常特別遊技は、16回の単位遊技(特別遊技が継続する場合の単位となる遊技)を含む。一方、特定特別遊技は、16回、11回または6回の単位遊技を含む。
すなわち、通常特別遊技の単位遊技数(ラウンド数)の上限値、つまり継続上限回数は16回(16ラウンド)である。一方、特定特別遊技の単位遊技数の上限値、つまり継続上限回数は16回(16ラウンド)、11回(11ラウンド)または6回(6ラウンド)である。ただし、特定特別遊技は、大入賞口の開放時間が短い単位遊技(「特定単位遊技」という)が含まれる点で、特定単位遊技が含まれない通常特別遊技とは異なる。
すなわち、通常特別遊技については、長開放の単位遊技(「通常単位遊技」という)が初回ラウンドから最終ラウンドにわたって設定されている。本実施例では、その通常単位遊技の終了条件として、大入賞口が開放されてから所定数以上の入球(10球以上入賞)または所定時間(30秒)の経過が設定されている。
一方、特定特別遊技は、特定単位遊技にて開始され、設定されたラウンドから通常単位遊技に切り替えられる。本実施例では、その特定単位遊技の終了条件として、大入賞口が開放されてから所定数以上の入球(10球以上入賞)または所定の短時間(0.2秒)の経過が設定されている。このため、特定単位遊技が実行されるラウンドにおいて大入賞口に入球させるのは困難であり、実質的に出玉(賞球)を期待することができない。本実施例では、このような特定特別遊技として、その通常単位遊技の開始ラウンド(特定単位遊技から通常単位遊技へ切り替えられるラウンド)が異なる複数種類の特定特別遊技が設けられている。なお、本実施例では、特定特別遊技として最終ラウンドに到るまで特定単位遊技のみが繰り返され、通常単位遊技への切り替えられないものも設けられている。
このように、特定特別遊技へ移行されると、特定単位遊技から通常単位遊技へ切り替えられるまで出玉は期待できない。言い換えれば、通常単位遊技への切り替え以降のラウンドは出玉を獲得できるラウンドであるため、特典ラウンドと位置づけられている。通常特別遊技は、初回ラウンドから特典ラウンドということになる。本実施例では通常遊技中の図柄変動演出から特別遊技中の大当り演出にわたり、この特典ラウンドへ突入できるか否かを示唆するバトル演出が表示される。味方キャラクタが敵キャラクタに勝利したタイミングで特典ラウンドへ移行されるようになるため、そのバトル演出の展開により遊技者の期待感を煽る遊技性が実現される。以下、このような遊技性およびそれを実現するための構成および処理について説明する。
図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。
ぱちんこ遊技機10は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機10の遊技機枠は、外枠11、前枠12、透明板13、扉14、上球皿15、下球皿16、および発射ハンドル17を含む。外枠11は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機10を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠12は、外枠11の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠11へ開閉可能に取り付けられる。前枠12は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
透明板13は、ガラスなどにより形成され、扉14により支持される。扉14は、図示しないヒンジ機構により前枠12へ開閉可能に取り付けられる。上球皿15は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿16への遊技球の抜き取り等の機構を有する。下球皿16は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。上球皿15と下球皿16の間にはスピーカ18が設けられており、遊技状態などに応じた効果音が出力される。
遊技盤50は、外レール54と内レール56により区画された遊技領域52上に、アウト口58、第1特別図柄表示装置70、第2特別図柄表示装置71、演出表示装置60、第1始動入賞口62、第2始動入賞口63、センター飾り64、第1大入賞口91、第2大入賞口92、作動口68、一般入賞口72を含む。さらに遊技領域52には、図示しない複数の遊技釘や風車などの機構が設置される。なお、以下の説明において第1始動入賞口62と第2始動入賞口63とを特に区別しない場合には単に「始動入賞口」と表記し、第1大入賞口91と第2大入賞口92とを特に区別しない場合には単に「大入賞口」と表記する場合がある。
第1始動入賞口62は第1の遊技に対応する始動入賞口として設けられ、第2始動入賞口63は第2の遊技に対応する始動入賞口として設けられる。第1始動入賞口62および第2始動入賞口63は、遊技球の発射強弱によっていずれかを目標にした打ち分けが可能な程度に互いに離れた位置に設けられる。すなわち、本実施例では遊技領域52が中央に設けられたセンター飾り64(飾り部材)により右側の流路と左側の流路とに分岐されるように構成されている。そして、第1始動入賞口62と第2始動入賞口63は、遊技者の意思にしたがった遊技球の発射強弱によっていずれか一方への入球を狙うことが可能となるよう、それぞれ遊技領域52の左側と右側に離れて設置され、一方を狙った遊技球が他方へ入球しがたい構成となっている。例えば、第1始動入賞口62は遊技領域52の左側を狙って比較的弱めに発射したときに入球しやすくなるような位置に設けられ、第2始動入賞口63は遊技領域52の右側を狙って比較的強めに発射したときに入球しやすくなるような位置に設けられる。第1大入賞口91は、第1始動入賞口62に向けて打球された遊技球が入球し得る位置に設けられ、第2大入賞口92は、第2始動入賞口63に向けて打球された遊技球が入球し得る位置に設けられている。
第1始動入賞口62は、始動入賞検出装置74を備える。始動入賞検出装置74は、第1始動入賞口62への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1始動入賞情報を生成する。第2始動入賞口63は、始動入賞検出装置75と、普通電動役物65と、普通電動役物65を開閉させるための普通電動役物ソレノイド76を備える。始動入賞検出装置75は、第2始動入賞口63への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2始動入賞情報を生成する。普通電動役物ソレノイド76の駆動力により普通電動役物65が拡開されると、第2始動入賞口63への入球容易性が高まる。また、時短中においては普通電動役物65の1回の開放時間が通常状態よりも長く設定されるので、遊技球は第2始動入賞口63に入球しやすくなる。また、第2始動入賞口63は図示するとおり遊技領域52の右側における狭い通路に設けられているので、右側を狙って強めに打球した遊技球の多くが少なくとも第2始動入賞口63の近傍に集まるので、第2始動入賞口63の入球可能性は高い。これに対して第1始動入賞口62には普通電動役物が設置されておらず、しかも狭い通路から離れた位置に設けられている。したがって、第1始動入賞口62よりも第2始動入賞口63の方が入球可能性が相対的に高くなるような配置または構成の関係となっている。
一般入賞口72は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置73を備える。一般入賞検出装置73は、一般入賞口72への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成する。
第1大入賞口91は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置78と、第1大入賞口91を開閉させるための大入賞口ソレノイド80を備える。入賞検出装置78は、第1大入賞口91への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1大入賞口入賞情報を生成する。第1大入賞口91は、通常単位遊技の実行時に開放される横長方形状の入賞口であり、遊技領域52の中央下部においてアウト口58の上方の位置に設けられている。第1大入賞口91は、第1特別図柄192または第2特別図柄193が通常大当りを示す所定態様にて停止し、通常特別遊技へ移行されたときに開放状態となる。また、特定特別遊技において通常単位遊技に切り替えられたときにも開放状態となる。
第2大入賞口92は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置79と、第2大入賞口92を開閉させるための大入賞口ソレノイド81を備える。入賞検出装置79は、第2大入賞口92への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2大入賞口入賞情報を生成する。第2大入賞口92は、特定単位遊技の実行時に開放される横長方形状の入賞口であり、アウト口58の右上方の位置、つまり遊技者がいわゆる右打ち等通常と異なる打ち方をしない限り遊技球が入球しない位置に設けられている。第2大入賞口92は、第1特別図柄192または第2特別図柄193が特定大当りを示す所定態様にて停止し、特定特別遊技へ移行されたときに開放状態となる。
遊技領域52の略中央には演出表示装置60が設けられ、遊技領域52の左下方には第1の遊技に対応する第1特別図柄表示装置70と、第2の遊技に対応する第2特別図柄表示装置71が設けられている。第1特別図柄表示装置70には第1の遊技に対応する第1特別図柄192の変動が表示され、第2特別図柄表示装置71には第2の遊技に対応する第2特別図柄193の変動が表示される。第1特別図柄192は第1始動入賞口62への遊技球の入球を契機として行われる第1の抽選の結果に対応した図柄であり、第2特別図柄193は、第2始動入賞口63への遊技球の入球を契機として行われる第2の抽選の結果に対応した図柄である。第1特別図柄192または第2特別図柄193の変動表示が停止されたときの図柄態様が大当りと定められた図柄であった場合、その停止図柄が表示されたタイミングが大当りの発生タイミングとなる。第1特別図柄表示装置70および第2特別図柄表示装置71は、例えば7セグメントLEDで構成される表示手段である。
演出表示装置60の表示領域194には第1特別図柄192に連動する装飾図柄190または第2特別図柄193に連動する装飾図柄190の変動が表示される。演出表示装置60は、たとえば液晶ディスプレイである。装飾図柄190は、第1特別図柄192で示される第1の抽選の結果表示または第2特別図柄193で示される第2の抽選の結果表示を視覚的に演出するための図柄である。演出表示装置60は、装飾図柄190として、例えばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄変動の動画像を表示領域194に表示する。演出表示装置60は、この実施例では液晶ディスプレイで構成されるが、機械式のドラムやLEDなどの他の表示手段で構成されてもよい。なお、第1特別図柄192および第2特別図柄193は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、本実施例では演出表示装置60の左下方の第1特別図柄表示装置70および第2特別図柄表示装置71にて目立たない大きさで表示させるが、特別図柄自体に演出的な役割をもたせて装飾図柄を表示させないような手法を採用する場合には、特別図柄を演出表示装置60のような液晶ディスプレイに表示させてもよい。
作動口68は、遊技盤50の右側方位置に設けられる。作動口68は、通過検出装置69を含む。通過検出装置69は、作動口68への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す作動口通過情報を生成する。作動口68への遊技球の通過は第2始動入賞口63の拡開機構を拡開させるか否かを決定する開放抽選の契機となる。作動口68を遊技球が通過すると、開放抽選の結果を示す図柄である普通図柄が普通図柄表示装置59に変動表示される。普通図柄表示装置59は第1大入賞口91の右方に設けられる。所定時間の経過後に普通図柄の変動表示が所定の当り態様にて停止すると、第2始動入賞口63の普通電動役物65が所定時間拡開する。通常状態においては、普通図柄が当り態様で停止する確率は低確率に設定されるが、時短中にはその確率が高確率に変動する。そのため、通常状態においては第2始動入賞口63の普通電動役物65が開放される確率も低いが、時短中にはその開放される確率が高くなる。また時短中においては、普通図柄の変動表示時間が短縮されるとともに、普通電動役物65が開放状態となる時間が相対的に長くなるよう設定される。このように、時短中以外は普通電動役物65が開放されにくいのに対し、時短中は普通電動役物65が開放されやすく、しかも開放される回数や開放時間も増加する。したがって、時短中であるか否かで第2始動入賞口63への入球容易性が大きく異なり、その結果時短中であるか否かによって始動入賞口への入賞に対する出玉に大きな差が生じる。時短中は遊技者が出玉をほとんど減らさずに遊技を進行させることができるので、時短中であるか否かに応じて異なる遊技性を実現することができる。このように、時短中は第1始動入賞口62を狙って打球するよりも第2始動入賞口63を狙って打球する方が入球可能性が高まるので、図柄変動および抽選の回数も多くすることができる。
演出表示装置60の周囲には、センター飾り64が設けられる。センター飾り64は、遊技球の流路、演出表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。遊技効果ランプ90がセンター飾り64の上部および下部に設けられ、点滅等することで演出の役割を果たす。第1の遊技に対応する第1特図保留ランプ20は第1特別図柄表示装置70の上方に設けられ、第2の遊技に対応する第2特図保留ランプ21は第2特別図柄表示装置71の上方に設けられ、普通図柄変動に対応する普図保留ランプ22は普通図柄表示装置59の下方に設けられる。第1特図保留ランプ20および第2特図保留ランプ21は、それぞれ2個のランプからなり、それぞれの点灯個数または点滅個数によって第1の遊技および第2の遊技のそれぞれにおける当否抽選値の保留数を表示する。
第1特図保留ランプ20における当否抽選値の保留数は、第1特別図柄192の変動中、第1特別遊技の実行中、第2特別遊技の実行中のうちいずれかの間に第1始動入賞口62へ入賞した抽選結果の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。第2特図保留ランプ21における当否抽選値の保留数は、第2特別図柄193の変動中、第1特別遊技の実行中、第2特別遊技の実行中のうちいずれかの間に第2始動入賞口63へ入賞した抽選結果の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。普図保留ランプ22もまた2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄の変動中に作動口68を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。操作ボタン82は、遊技者が遊技機側所定の指示を入力するために操作するボタンである。操作ボタン82は、上球皿15近傍の外壁面に設けられる。
遊技者が発射ハンドル17を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿15に貯留された遊技球が1球ずつ内レール56と外レール54に案内されて遊技領域52へ発射される。遊技者が発射ハンドル17の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。本実施例では、その時間間隔が1分間あたり100球の遊技球が打ち出されるよう設計されている。遊技領域52の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車に当りながらその当り方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口72や第1始動入賞口62、第2始動入賞口63、第1大入賞口91、第2大入賞口92の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿15または下球皿16に払い出される。一般入賞口72等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口58に落入した遊技球はアウト球として処理される。なお、各入賞口は遊技球が通過するゲートタイプのものを含み、本願において「落入」「入球」「入賞」というときは「通過」を含むものとする。
遊技球が第1始動入賞口62に入球すると、第1特別図柄表示装置70において第1特別図柄192が変動表示され、演出表示装置60の表示領域194において装飾図柄190が変動表示される。遊技球が第2始動入賞口63に入球すると、第2特別図柄表示装置71において第2特別図柄193が変動表示され、演出表示装置60の表示領域194において装飾図柄190が変動表示される。第1特別図柄192、第2特別図柄193、装飾図柄190の変動表示は、表示に先だって決定された表示時間の経過後に停止される。停止時の第1特別図柄192または第2特別図柄193と装飾図柄190とが大当りを示す図柄である場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、第1大入賞口91または第2大入賞口92の開閉動作が開始される。通常大当りである場合、スロットマシンのゲームを模した装飾図柄190は、3つの図柄を一致させるような表示態様をとる。通常特別遊技においては、大入賞口が約30秒間開放された後、または10球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。このような大入賞口の開閉が所定回数(本実施例では16回)繰り返される。すなわち、大入賞口の開放開始から所定時間(30秒)または所定数(10球以上)の入球が通常特別遊技を構成する単位遊技の終了条件とされている。通常特別遊技においては、このように大入賞口の開放時間の上限値が比較的長く設定された長開放の単位遊技(通常単位遊技)が16ラウンドにわたって設定されている。
一方、特定大当りである場合には、装飾図柄190は、3つの図柄を連続する奇数または偶数の図柄とする表示態様をとる。特定特別遊技は16回、11回または6回の単位遊技からなり、大入賞口の開放時間が短い特定単位遊技にて開始され、所定ラウンドから通常単位遊技に切り替えられるか、または最終ラウンドまで特定単位遊技が繰り返される。特定単位遊技は、大入賞口の開放開始から所定の短時間(本実施例では0.2秒)または所定数(10球以上)の入球が終了条件とされている。つまり、特定単位遊技における大入賞口の開放態様は極短開放であるため遊技球の入球は困難であり、実質的に賞球は期待できないものとなっている。したがって、特定特別遊技においては、特定単位遊技から如何に早く通常単位遊技に切り替えられるかが、出玉を多く獲得できるか否かを決めることになる。
本実施例では後述のように、特定特別遊技としてその途中のラウンドにて通常単位遊技に切り替えられるものと切り替えられないものとが設けられ、また、切り替えられるものについて切り替わりラウンドが異なるものが複数種類設けられている。したがって、いずれの特定特別遊技が実行されるかが、遊技者の得失に影響するようになる。本実施例では、このように特定特別遊技として大入賞口の短開放を含む開閉パターンが設定され、それにより出玉に影響する遊技を実現しつつ、その出玉獲得可能性について遊技者の期待感を煽る演出が行われる。各特別遊技における大入賞口の開閉動作および演出内容の詳細については後述する。
特別遊技が終了した後の通常遊技においては、原則として、特定遊技の一つである変動時間短縮遊技(以下、適宜「時短」という)が開始される。変動時間短縮遊技においては、特別図柄および装飾図柄の変動時間が通常より短縮される。特別図柄および装飾図柄の変動時間は、所定の変動回数の変動表示がなされた後で元の変動時間に戻される。すなわち、時短は、所定の終期、例えば第1特別図柄192と第2特別図柄193の変動表示の合計が所定の終了条件回数、例えば100回に達するまで継続される。特別遊技が発生した場合であってそのときの当り停止図柄が特定の態様であった場合、特別遊技の終了後に特定遊技の一つである確率変動遊技(以下、適宜「確変」という)がさらに開始される。確率変動遊技においては、通常の確率状態より当りの確率が高い抽選が行われ、比較的早期に新たな特別遊技が発生する。
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。電源スイッチ40はぱちんこ遊技機10の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板102は、ぱちんこ遊技機10の全体動作を制御し、特に第1始動入賞口62や第2始動入賞口63へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板104は、液晶ユニット42を備え、演出表示装置60における表示内容や遊技効果ランプ90の点灯を制御し、特にメイン基板102による抽選結果に応じて表示内容を変動させ、その演出の進行に沿って可動役物140や遊技効果ランプ90の点灯を作動させる。メイン基板102およびサブ基板104は、遊技制御装置100を構成する。裏セット機構39は、賞球タンク44や賞球の流路、賞球を払い出す払出ユニット43等を含む。払出ユニット43は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク44から供給される遊技球を上球皿15へ払い出す。払出制御基板45は、払出ユニット43による払出動作を制御する。発射装置46は、上球皿15の貯留球を遊技領域52へ1球ずつ発射する。発射制御基板47は、発射装置46の発射動作を制御する。電源ユニット48は、ぱちんこ遊技機10の各部へ電力を供給する。
図3は、本実施例におけるぱちんこ遊技機10の機能ブロックを示す。ぱちんこ遊技機10において、遊技制御装置100は、第1始動入賞口62、第2始動入賞口63、第1大入賞口91、第2大入賞口92、一般入賞口72、作動口68、第1特別図柄表示装置70、第2特別図柄表示装置71、演出表示装置60、普通図柄表示装置59、操作ボタン82、スピーカ18、遊技効果ランプ90のそれぞれと電気的に接続されており、各種制御信号の送受信を可能とする。遊技制御装置100は、遊技の基本動作だけでなく、図柄変動表示や電飾等の演出的動作も制御する。遊技制御装置100は、遊技の基本動作を含むぱちんこ遊技機10の全体動作を制御するメイン基板102と、図柄の演出等を制御するサブ基板104とに機能を分担させた形態で構成される。遊技制御装置100は、ハードウエア的にはデータやプログラムを格納するROMやRAM、演算処理に用いるCPU等の素子を含んで構成される。
本実施例におけるメイン基板102は、入球判定手段110、当否抽選手段112、図柄決定手段114、変動パターン決定手段115、保留制御手段116、メイン表示制御手段118、特別遊技制御手段120、特図調整手段156、特定遊技実行手段122、入球制御手段150、特別遊技作動条件保持手段176を備える。本実施例におけるサブ基板104は、パターン記憶手段130、図柄態様決定手段131、演出決定手段132、演出動作制御手段134を備える。なお、メイン基板102に含まれる各機能ブロックは、いずれかがメイン基板102ではなくサブ基板104に搭載されるかたちで構成されてもよい。同様に、サブ基板104に含まれる各機能ブロックは、いずれかがサブ基板104ではなくメイン基板102に搭載されるかたちで構成されてもよい。
入球判定手段110は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段110は、第1始動入賞情報を受け取ると遊技球が第1始動入賞口62に入賞したと判断し、第2始動入賞情報を受け取ると遊技球が第2始動入賞口63に入賞したと判断する。入球判定手段110は、第1大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が第1大入賞口91に入賞したと判断し、第2大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が第2大入賞口92に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口72に入賞したと判断する。入球判定手段110は、作動口通過情報を受け取ると遊技球が作動口68を通過したと判断する。
当否抽選手段112は、第1始動入賞口62への入球に対応する第1の抽選を実行する第1抽選手段161、第2始動入賞口63への入球に対応する第2の抽選を実行する第2抽選手段162、作動口68への入球に対応する普図抽選手段163を含む。
第1の抽選の結果は、第1特別図柄表示装置70において第1特別図柄192の形で変動表示され、演出表示装置60の表示領域194において装飾図柄190の形で変動表示される。第2の抽選の結果は、第2特別図柄表示装置71において第2特別図柄193の形で変動表示され、演出表示装置60の表示領域194において装飾図柄190の形で変動表示される。第1抽選手段161および第2抽選手段162は、図柄変動を開始するにあたり、その図柄変動に対応する抽選の結果を演出決定手段132へ送信する。
第1抽選手段161は、第1始動入賞口62への入球を契機に、第1の抽選のために乱数の値を第1抽選値として取得する。第2抽選手段162は、第2始動入賞口63への入球を契機に、第2の抽選のために乱数の値を第2抽選値として取得する。なお、以下の説明において第1抽選値と第2抽選値とを特に区別しない場合には、両抽選値を適宜「当否抽選値」と総称する。
第1抽選手段161および第2抽選手段162は、それぞれ第1始動入賞口62、第2始動入賞口63への遊技球の入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するために乱数の値を当否抽選値として取得する。例えば、当否抽選値は「0」から「65535」までの値範囲から取得される。なお、本願にいう「乱数」は、数学的に発生させる乱数でなくてもよく、ハードウエア乱数やソフトウエア乱数などにより発生させる疑似乱数でもよい。当否抽選手段112は、当否判定で参照する当否テーブルを複数保持する。複数の当否テーブルには、当りまたは外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられた当りの範囲設定に応じて当否確率が定まる。
第1抽選手段161および第2抽選手段162は、通常状態では通常確率による当否判定のための当否テーブル(以下、適宜「通常当否テーブルという」)を参照し、確変状態では通常確率より当りの確率が高くなる当否テーブル(以下、適宜「確変当否テーブルという」)を参照する。本実施例では、通常当否テーブルにおいては当否抽選値が0〜199の範囲に該当したときにのみ大当りとなる。確変当否テーブルにおいては大当りの範囲が拡大され、当否抽選値が0〜199の範囲に該当する場合だけでなく、200〜1999の範囲に該当する場合にも大当りとなる。このように、大当りに該当する範囲は遊技状態に応じて変化する。
本実施例では、上述のように、特別遊技の単位遊技の終了条件が、大入賞口の開放開始から30秒経過または10球以上の入球とされた通常単位遊技のみを含む通常特別遊技と、大入賞口の開放開始から0.2秒経過または10球以上の入球とされた特定単位遊技を含む特定特別遊技とが設けられている。前者の30秒という開放時間は、設計上、大入賞口に複数の遊技球が入球可能な時間値であり、その単位遊技において多くの出玉が期待される。これに対し、後者の0.2秒という開放時間は、設計上、10球以上の入球はおろか、大入賞口への入球そのものを実質的に阻止可能な時間値であり、その単位遊技における出玉は期待できないものである。すなわち、大入賞口の開放時に既に遊技領域52に滞在している遊技球があることを考慮しても、遊技領域52にある遊技釘や風車などの機構により遊技球の流下方向に変化が与えられる特性上、大入賞口の開放期間に入球させることは困難となっている。すなわち、通常特別遊技は大入賞口のトータルの開放時間が比較的長く多くの出玉が得られるのに対し、特定特別遊技は大入賞口のトータルの開放時間が比較的短く、通常特別遊技ほど多くの出玉は期待できない。しかし、特定特別遊技であっても特定単位遊技から通常単位遊技へ早期に切り替えられる特別遊技が実行される場合には、相応の出玉が得られるようになる。
第1抽選手段161および第2抽選手段162は、複数の当否テーブルのうちいずれかを参照し、当否抽選値が当りであるか否かを判定する。第1抽選手段161による判定結果は第1特別図柄表示装置70において第1特別図柄192の形で変動表示され、第2抽選手段162による判定結果は第2特別図柄表示装置71において第2特別図柄193の形で変動表示される。また、当否抽選手段112による判定結果を演出的に示す装飾図柄が演出表示装置60において変動表示される。普図抽選手段163は、作動口68を遊技球が通過したときに抽選値を取得することにより抽選を実行する。普図抽選手段163による抽選の結果は、普通図柄表示装置59において普通図柄の形で変動表示される。
図柄決定手段114は、第1図柄決定手段164、第2図柄決定手段165、普図決定手段166を含む。第1図柄決定手段164は、第1特別図柄192を決定するための図柄抽選値を取得し、第1抽選手段161による当否判定結果と図柄抽選値とに応じて第1特別図柄192の停止図柄を決定する。第2図柄決定手段165は、第2特別図柄193を決定するための図柄抽選値を取得し、第2抽選手段162による当否判定結果と図柄抽選値とに応じて第2特別図柄193の停止図柄を決定する。停止図柄は、図柄変動の終了時に表示すべき図柄である。第1図柄決定手段164および第2図柄決定手段165は、それぞれ第1特別図柄192、第2特別図柄193の停止図柄を決定するために参照する図柄範囲テーブルを保持する。図柄決定手段114は、決定した停止図柄を示すデータをメイン表示制御手段118、図柄態様決定手段131、演出決定手段132へ送出する。
普図決定手段166は、遊技球が作動口68を通過した場合に、普通図柄を決定するための抽選乱数を取得し、その抽選乱数に応じて普通図柄の停止図柄を決定する。停止図柄は、図柄変動の終了時に表示すべき図柄である。普図決定手段166は、普通図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルを保持する。決定された停止図柄が所定の図柄となった場合に普通図柄が当りに該当したと判定され、その停止図柄にて普通図柄の変動表示が停止された後に、開閉制御手段124が第2始動入賞口63の普通電動役物65を所定時間拡開する。
変動パターン決定手段115は、第1変動パターン決定手段167および第2変動パターン決定手段168を含む。第1変動パターン決定手段167は、第1特別図柄192を変動表示させるときの変動開始から停止までの変動態様が定められた複数種の変動パターンを記憶する。第2変動パターン決定手段168は、第2特別図柄193を変動表示させるときの変動開始から停止までの変動態様が定められた複数種の変動パターンを記憶する。複数種の変動パターンは、長短様々な変動時間をもつとともに、その変動時間にて複数の図柄で構成される装飾図柄による図柄変動も実行されることを前提として規定される。各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄および装飾図柄の変動が停止される。
第1変動パターン決定手段167および第2変動パターン決定手段168は、それぞれ変動パターンを決定するために参照すべき複数のパターン選択テーブルを保持する。複数のパターン選択テーブルには、複数の変動パターンと抽選値との対応関係としてそれぞれ異なる関係が定められている。第1変動パターン決定手段167および第2変動パターン決定手段168は、それぞれ変動パターンを決定するためのパターン抽選値を取得する。第1変動パターン決定手段167および第2変動パターン決定手段168は、それぞれ遊技状態に応じたパターン選択テーブルにしたがい、当否抽選の結果とパターン抽選値に応じて複数種の変動パターンからいずれかの変動パターンを選択する。変動パターン決定手段115は、決定した変動パターンを示すデータをメイン表示制御手段118、図柄態様決定手段131、演出決定手段132へ送出する。
本実施例では、当否判定結果が外れの場合、スーパーリーチ、ノーマルリーチ、リーチなしのいずれの変動パターンも選択される可能性がある。このリーチ演出は、リーチ付きの変動パターンが選択されたときに、装飾図柄190によりあと一つ図柄が揃えば当り図柄組み合わせとなる状態を経る図柄変動が表示されるものであり、大当りとなる前兆を示唆して遊技者の期待感を高める演出である。
保留制御手段116は、第1保留手段169、第2保留手段170、普図保留手段171を含む。第1保留手段169は、第1抽選手段161により取得された当否抽選値(第1抽選値)を保留球として保持する。第2保留手段170は、第2抽選手段162により取得された当否抽選値(第2抽選値)を保留球として保持する。普図保留手段171は、普図抽選手段163により取得された当否抽選値を保留球として保持する。当否抽選値は、その保留数が所定の上限に達するまで蓄積される。いずれの当否抽選値についても保留数の上限は4である。
メイン表示制御手段118は、第1特図制御手段172、第2特図制御手段173、普図制御手段174を含む。第1特図制御手段172は、第1抽選手段161による抽選の結果として決定された変動パターンにしたがって第1特別図柄192の変動表示として第1特別図柄表示装置70に表示させる。第2特図制御手段173は、第2抽選手段162による抽選の結果として決定された変動パターンにしたがって第2特別図柄193の変動表示として第2特別図柄表示装置71に表示させる。第1特図制御手段172および第2特図制御手段173は、第1特別図柄192および第2特別図柄193の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出動作制御手段134へ送信する。これにより、メイン表示制御手段118および演出動作制御手段134による変動表示が同期し、連動が保たれる。普図制御手段174は、普図抽選手段163による抽選の結果を普通図柄の変動表示として普通図柄表示装置59に表示させる。
特別遊技作動条件保持手段176は、第1大入賞口91や第2大入賞口92の開放を伴う単位遊技を複数回含む特別遊技へ移行するための特別遊技作動条件を保持する。特別遊技作動条件保持手段176は、通常特別遊技作動条件保持手段178と特定特別遊技作動条件保持手段180を含む。通常特別遊技作動条件保持手段178は、通常特別遊技へ移行するための条件である通常特別遊技作動条件を保持する。通常特別遊技作動条件は、当否抽選が通常特別遊技へ移行する旨を示す結果となり、その抽選に対応する図柄変動が停止したことを条件の内容とする。特定特別遊技作動条件保持手段180は、特定特別遊技へ移行するための条件である特定特別遊技作動条件を保持する。特定特別遊技作動条件は、当否抽選が特定特別遊技へ移行する旨を示す結果となり、その抽選に対応する図柄変動が停止したことを条件の内容とする。
特別遊技作動条件保持手段176、すなわち通常特別遊技作動条件保持手段178および特定特別遊技作動条件保持手段180は、特別遊技の終了後に確変状態へ移行させるための条件である確変特別遊技移行条件を保持する。確変特別遊技移行条件が成立するか否かは、当否抽選手段112による当否抽選の結果や図柄決定手段114が決定した特別図柄の種類によって判定される。
特別遊技制御手段120は、当否抽選手段112による当否抽選結果が通常大当りであった場合に、通常特別遊技の実行処理を制御する。通常特別遊技は、大入賞口の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、複数回の単位遊技で構成される。特別遊技制御手段120は、単位遊技の継続回数が上限回数(本実施例では16回)に達していなければ、現在の単位遊技の終了後に次の単位遊技を開始させる。単位遊技が上限回数を消化した場合に特別遊技を終了させる。特別遊技制御手段120は、当否抽選手段112による当否抽選結果が特定大当りであった場合に、特定特別遊技の実行処理を制御する。特定特別遊技は、大入賞口の開閉動作を複数回数連続して継続可能に設定された遊技であり、複数回の単位遊技で構成される。特別遊技制御手段120は、単位遊技の継続回数が上限回数(本実施例では16回、11回または6回)に達していなければ、現在の単位遊技の終了後に次の単位遊技を開始させる。
特別遊技制御手段120は、通常特別遊技制御手段125と特定特別遊技制御手段127とを含む。通常特別遊技制御手段125は、当否抽選が通常特別遊技への移行を示す結果となって通常特別遊技作動条件が成立したときに通常特別遊技を実行する。通常特別遊技制御手段125は、通常特別遊技として通常単位遊技を16回繰り返し、1回の単位遊技において大入賞口を約30秒間開放させる。特定特別遊技制御手段127は、特定特別遊技として16回、11回または6回を上限とした単位遊技を実行する。すなわち、特定特別遊技は複数種類設けられ、いずれも特定単位遊技にて開始され、単位遊技が上限回数まで繰り返し継続される過程で通常単位遊技に切り替えられるものと、切り替えられないものとがある。また、特定単位遊技から通常単位遊技に切り替えられるタイミング(特定特別遊技の開始から何番目の単位遊技にて通常単位遊技に切り替えられるか)が異なる複数種類の特定特別遊技が設けられている。特定単位遊技においては、大入賞口が約0.2秒開放される。
特定遊技実行手段122は、遊技状態を通常状態から特定遊技状態へ移行させる制御と、特定遊技状態から通常状態へ戻す制御を実行する。本実施例における特定遊技には、当否抽選の当選確率を通常確率の状態から高確率の状態へ切り替える確変と、図柄変動時間を通常時間より短時間へ切り替える時短とがある。
特定遊技実行手段122は、当否抽選値が確変状態へ移行すべき値であった場合に、特別遊技後の遊技状態を確変状態へ移行させる。確変状態は原則として次の大当りが発生するまで続行され、その間は当否抽選手段112による当り判定の確率が高い値のまま維持される。また、特定遊技実行手段122は、当否抽選値の如何に関わらず、特別遊技後に遊技状態を時短の状態へ移行させる。時短は、特別遊技後の特別図柄の変動回数が所定回数、例えば100回に至るまで継続される。ただし、確変中における時短は、確変と同様に次の大当りが発生するまで継続される。
入球制御手段150は、開閉パターン決定手段123および開閉制御手段124を含み、大入賞口および始動口への遊技球の入球容易性を制御する。入球制御手段150は、第1大入賞口91および第2大入賞口92の開閉機構や、第2始動入賞口63の拡開機構の駆動を制御する。なお、本実施例においては、第1大入賞口91の開閉機構が、遊技球の特定領域の通過許容度を変化させるよう動作可能な「調整手段」として機能する。開閉パターン決定手段123は、第1大入賞口91および第2大入賞口92の開閉態様がそれぞれ定められた複数種類の開閉パターンから当否抽選の結果に応じた開閉パターンを選択する。各大入賞口の開閉パターンの詳細については後述する。
開閉制御手段124は、第1開閉制御手段153および第2開閉制御手段154を含む。第1開閉制御手段153は、開閉パターン決定手段123により選択された開閉パターンにしたがって大入賞口ソレノイド80に開放指示を送り、第1大入賞口91の開閉を制御する。第2開閉制御手段154は、開閉パターン決定手段123により選択された開閉パターンにしたがって大入賞口ソレノイド81に開放指示を送り、第2大入賞口92の開閉を制御する。開閉制御手段124は、また、普通図柄が特定の図柄で停止されると、普通電動役物ソレノイド76に開放指示を送り、第2始動入賞口63の拡開機構を動作させてこれを拡開させる。開閉制御手段124は、また、通常特別遊技後の確変状態および時短状態においては第2始動入賞口63の拡開機構を通常状態に比べて長い時間拡開させる開放延長を実行する。
特図調整手段156は、第1特別図柄192および第2特別図柄193のうち、一方を変動表示させる間は他方の変動表示の開始を待機させる。本実施例において、特図調整手段156は、第1特別図柄192よりも第2特別図柄193の変動表示を優先的に実行する。すなわち、第2保留手段170に当否抽選値が保留されている間は、第1保留手段169に当否抽選値が保留されていても、第2保留手段170に保留された当否抽選値の消化を優先させる。これにより、第2特別図柄193の変動終了ごとに第2始動入賞口63への入球を確保するかぎり、第2の抽選を継続的に実行させることが可能になる。その結果、出玉のある大当りを発生させやすくなるが、その理由については後述する。特図調整手段156は、第1特別図柄192および第2特別図柄193のうち、一方が当り態様で停止されたときは他方の変動表示の開始を待機させる。この場合、特別遊技を実行する間は特別図柄の変動表示は開始されないので、遊技者は特別遊技に集中することができる。
パターン記憶手段130は、装飾図柄190の変動において演出表示装置60に表示させる演出的な画像内容とその表示過程が定められた複数の演出パターンを保持する。演出パターンには、装飾図柄190の変動表示における変動開始から停止までの変動過程と演出過程が定められた複数の変動演出パターンと、装飾図柄の変動表示とは別に表示されて大当りへの期待度の高さを予告的に示唆する複数の予告演出パターンとが含まれる。パターン記憶手段130は、また、通常特別遊技および特定特別遊技のそれぞれにおいて演出表示装置60に表示させる大当り演出の画像内容とその表示過程が定められた複数の演出パターンを保持する。
演出決定手段132は、通常演出決定手段133および特別演出決定手段135を含む。通常演出決定手段133は、通常遊技中における当否抽選手段112による抽選の結果、特別図柄の停止図柄、特別図柄の変動パターンに応じて変動演出パターンを決定する。通常演出決定手段133は、変動演出パターンを決定するために参照すべきパターンテーブルを保持する。通常演出決定手段133は、決定した変動演出パターンおよび予告演出パターンを含む演出パターンを示す情報を演出動作制御手段134へ送る。特別演出決定手段135は、通常特別遊技または特定特別遊技に移行された場合、いずれの特別遊技に移行されたかに応じて演出パターンを決定する。特別演出決定手段135は、演出パターンを決定するために参照すべきパターンテーブルを保持する。特別演出決定手段135は、決定した演出パターンを示す情報を演出動作制御手段134へ送る。
変動演出パターンには、通常の外れの図柄組合せを表示するときのパターンと、あと一つ図柄が揃えば大当りとなるリーチ状態を経て外れの図柄組合せを表示するときのパターンと、リーチ状態を経て大当りの図柄組合せを表示するときのパターンが含まれる。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれる。各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段132は、特別図柄の変動パターンに応じて、変動時間が等しい演出画像の変動演出パターンを選択する。
図柄態様決定手段131は、装飾図柄の停止図柄の組合せとその配置を、当否抽選手段112による抽選の結果、特別図柄の停止図柄、特別図柄の変動パターン、装飾図柄の変動演出パターンに応じて決定する。図柄態様決定手段131は、決定した停止図柄の組合せを示す情報を演出動作制御手段134へ送信する。図柄態様決定手段131は、装飾図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルを保持する。
装飾図柄の停止図柄は、3つの図柄の組合せとして形成され、例えば当否抽選手段112による判定結果が通常特別遊技への移行を示す場合は「777」や「111」のように3つの図柄が揃った組合せが選択される。この場合、装飾図柄として揃える数字には、特別図柄と同じ数字が選ばれるのが好ましい。例えば、特別図柄が「3」の場合は装飾図柄が「333」となる。当否抽選手段112による判定結果が特別遊技へ移行しない旨を示す場合は、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組合せが選択される。ただし、当否判定結果が特別遊技へ移行しない旨を示す場合であって、リーチ付きの外れを示す特別図柄の変動パターンや装飾図柄の変動演出パターンが選択された場合は、「191」や「727」のように一つだけ図柄が揃っていない組合せを選択する。
予告演出パターンは、特定のキャラクタやモチーフの画像、アニメーション、映像などを一時的に画面表示させる演出パターンや、特定の音声を出力する演出パターンである。予告演出パターンによる演出は、図柄変動と並行して実行され、その図柄変動が大当り態様にて停止する期待度が高いことを予告的に示唆する。例えば、キャラクタの画像を一つだけ画面に表示させるだけの通常予告演出や、多数のキャラクタの群れを画面の一端から他端へ通過させるように表示させる群予告演出がある。また、予告演出の表示過程を複数段階に分け、表示させる段階数を可変にして段階数が多いほど大当りへの期待度が高くなるように設定されるステップアップ予告演出がさらに含まれる。
予告演出パターンには、装飾図柄190の表示態様がリーチ状態となった後のタイミングで演出が実行されて図柄の最終的な停止態様を予告するパターンと、装飾図柄190が一つも停止していないタイミングで演出が実行されてリーチ状態となることを同時に予告するパターンとがある。
演出決定手段132は、当否抽選の結果に応じて演出表示装置60に予告演出を表示させるか否かを所定の予告抽選により決定するとともに、表示させるべき予告演出パターンを決定する。演出決定手段132は、予告演出を表示させるか否かを決定するために参照すべき予告決定テーブルと、予告演出パターンの種類を選択するときに参照すべき予告種類テーブルとを保持する。予告決定テーブルは、当否抽選の結果に応じて異なる欄が参照されるように設定されており、当否抽選が当りの場合は外れの場合よりも高い確率で予告演出を表示させるよう、当否抽選の結果と予告演出を表示するか否かの対応関係が定められる。これにより、予告演出が表示されること自体で大当りへの期待度の高さを示唆することができる。
演出動作制御手段134は、表示制御手段137および音声制御手段138を含む。表示制御手段137は、通常遊技中の演出表示を制御する通常演出表示制御手段142と、特別遊技中および小当り遊技中の演出表示を制御する特別演出表示制御手段144を含む。通常演出表示制御手段142は、当否抽選手段112による当否抽選の結果として、選択された変動演出パターンデータにしたがって演出表示装置60へ装飾図柄を含む演出画像を変動表示させる。通常演出表示制御手段142は、予告演出を表示させる旨が演出決定手段132により決定された場合、選択された予告演出パターンにしたがった予告演出を演出表示装置60へ表示させる。特別演出表示制御手段144は、通常特別遊技および特定特別遊技について設定された演出パターンデータにしたがって、演出表示装置60へ演出画像を表示させる。表示制御手段137は、さらに遊技効果ランプ90の点灯および消灯などの演出処理を制御する。音声制御手段138は、スピーカ18からの音声出力などの演出処理を制御する。
次に、本実施例における特徴的な遊技の進行制御の内容について説明する。本実施例では、特別遊技へ移行された際の出玉獲得可能性を、通常遊技から特別遊技へわたって継続しうる一貫した演出により示唆する。具体的には、その示唆演出としてバトル演出が表示され、そのバトル演出において登場する味方キャラクタが敵キャラクタに勝利すれば、通常単位遊技が開始され、大入賞口への入球、およびそれによる賞球(出玉)が確保されるようになる。
図4は、確変中に演出表示装置に表示される画面例を表す図である。同図(a)〜(d)は、その演出過程の一例を表している。図5は、バトル演出に登場するキャラクタの種類とその属性を示す概念図である。なお、本実施例では、確変中でない通常状態(非確変状態)においては従来の遊技機と同様に、変動中に当りまたは外れの示唆を完結させるノーマルリーチやスーパーリーチ等の演出が表示されるが、確変中においてのみ、変動中のバトルリーチから特別遊技中の大当りバトルにわたって継続されうるバトル演出が表示される。
図4(a)に示すように、演出表示装置60の表示領域194には、その略中央の領域に装飾図柄190が変動表示される。本実施例では、当否抽選が大当りとなった所定の遊技状態において、通常遊技と特別遊技を跨ぐようにバトル演出が表示される。同図(a)および(b)には、そのバトル演出の導入部分であるバトルリーチ演出が例示されている。このバトル演出は、味方キャラクタと敵キャラクタとの間で勝敗を決めるゲームの演出であり、図柄変動表示に付加的に表示される図柄変動演出、その後の大当り演出わたって表示されうる。基本的には、味方キャラクタが敵キャラクタに勝利してストーリーが完結した場合、それが通常単位遊技の開始または通常単位遊技への切り替わりを示唆する。したがって、遊技者は、そのバトル演出において勝利した場合に大入賞口の長開放が開始されることを予見し、多くの賞球を期待することができる。なお、本実施例では当否抽選の結果が大当りの場合にのみバトル演出が選択されるように設定されている。このため、遊技者は、バトルリーチ演出が開始された時点で大当りが確定したことを認識することができる。
図5に示すように、本実施例では、敵キャラクタと対戦する味方キャラクタの候補としてキャラクタA,B,Cの3種類が設定されている。キャラクタAは最も弱く、敵キャラクタと対戦して勝利する可能性は低く設定されている。キャラクタBの強さは中程度で、敵キャラクタと対戦して勝利する可能性は中程度に設定されている。キャラクタCは最も強く、敵キャラクタと対戦して勝利する可能性が高く設定されている。言い換えれば、キャラクタAよりもキャラクタB、キャラクタBよりもキャラクタCが出現したときに高い確率で通常単位遊技へ移行できるよう、大入賞口の開閉パターンと演出パターンとの対応づけがなされている。したがって、遊技者は、キャラクタAよりもキャラクタB、キャラクタBよりもキャラクタCが出現したときに、多くの賞球を期待することができる。
ただし、本実施例では、いずれかの味方キャラクタが敗北したとしても、さらに強い味方キャラクタが存在すれば、その強い味方キャラクタが登場する。すなわち、バトル演出において弱い味方キャラクタが出現しても、後に強い味方キャラクタが控えているので、弱い味方キャラクタが出現したからといって、出玉が期待できなくなるわけではない。このようなバトル演出の発展により、遊技者は通常単位遊技へ切り替わるとの期待感を高めるようになる。ただし、味方キャラクタの切り替えによりバトル演出の段階が進むにつれ、その間に実行される特定単位遊技により特定特別遊技全体のラウンド数が消化され、残りのラウンド数が少なくなる。このため、特定特別遊技へ移行した場合には、バトル演出において早期に勝利することが多くの出玉を獲得する条件にもなっている。
なお、バトル演出においてはこのように、弱いキャラクタから強いキャラクタが順次出現するように設定されているが、キャラクタAが最初に登場するとは限らず、キャラクタBまたはキャラクタCが最初に登場する場合もある。キャラクタCが最初に登場すると、キャラクタA,Bが最初に登場する場合よりも早期に勝利が得られる可能性があるが、キャラクタCが敗北すると、特定特別遊技はそこで終了されることになる。このため、強い味方キャラクタの登場は通常単位遊技への移行期待度を高めるものの、特別遊技そのものを早期に終了させてしまう可能性もあり、ハイリスク・ハイリターンであるともいえる。
図4に戻り、このバトル演出は、図柄変動演出としてのバトルリーチ、および大当り演出としての大当りバトルにより構成される。すなわち、バトル演出が開始されると、まず、図4(a)に示すようなバトルリーチ演出が表示される。図示の例では、バトルリーチへの移行が示されるとともに、味方キャラクタと敵キャラクタが表示されている。遊技者は、この画面を見て今回の味方キャラクタを把握することができる。いずれの味方キャラクタが初回に登場するかはパターン抽選により決定される。図示のようにキャラクタAが表示された場合には敵キャラクタに敗北する可能性が高いため、後述する演出パターンのような例であれば、バトル演出が図柄変動演出から大当り演出に引き継がれる可能性が高くなる。
バトル演出が大当り演出に引き継がれる場合、図4(b)に示すように、味方キャラクタが敗北する内容が表示される。ここでは、当否抽選の結果は大当りであるものの、装飾図柄190として3つの図柄が揃わない図柄組合せが停止表示される。当り図柄組合せが表示されたにもかかわらずバトル演出に敗北するという演出内容では遊技者に違和感を与える可能性があるため、それを避けるものである。図示の例では、3つの図柄が遊技者に認識し難くなるよう透過表示されているが、これらの図柄を表示領域194の隅部に目立たぬように停止表示させてもよい。あるいは、中央の最終停止図柄を停止表示させることなく、大当り演出に移行させてもよい。例えば、その中央の図柄をダミー図柄として変動を継続または消去し、表示領域194の隅部に目立たぬよう第4の図柄を停止表示させてもよい。この第4の図柄は、画面中央の左右の図柄とともに大当り図柄組合せを構成する。
このようにして特別遊技へ移行されると、大当り演出として、図4(c)および(d)に示すような大当りバトルが展開される。図示の例では、第1ラウンドにおいて出玉のない特定単位遊技が開始されるとともにキャラクタBが登場してバトルが開始されている。そして、第2ラウンドから第4ラウンドにおいてもそのキャラクタBによるバトルが継続し、第5ラウンドにおいてキャラクタBが敵キャラクタに勝利している。このように味方キャラクタが勝利すると、その次ラウンド(この場合は第6ラウンド)から出玉のある通常単位遊技(「特典ラウンド」ともいう)へ切り替えられるようになる。なお、このように味方キャラクタが勝利すると、大当りバトルは終了され、残りのラウンドにおいて勝利したキャラクタを賞賛する大当り演出が表示される。図示の例ではキャラクタBが勝利したため、最強のキャラクタCは現れることなく、第6ラウンドからキャラクタBを賞賛する演出が表示される。なお、図示の例では示さなかったが、例えば大当りバトルにて勝利したときに、特別遊技の残りのラウンドを表示させるようにしてもよい。そして、それ以降ラウンドが消化されるごとに、その残りラウンドがカウントダウンされるような表示を行ってもよい。図示に沿った例では、例えば図4(d)の画面において「残り11ラウンド!」のような表示を行ってもよい。
すなわち、仮に図4(d)の画面において現在のラウンドである「第5ラウンド」のような表示をさせると、バトル演出がその結末に到っていないにもかかわらず特別遊技のラウンドが既に進行していることに遊技者が違和感をおぼえる可能性がある。これに対し、上述のように残りラウンド数を表示させるようにすれば、遊技者は単にあと何ラウンド利益状態が続くかを認識するだけであり、そうした違和感をもたなくなる。一方、大当りバトルに突入せずに特別遊技の当初から通常単位遊技にて開始される場合、具体的には図6の開閉パターン1に伴わせる演出の場合には、従来の演出形態と同様にラウンドごとに現在のラウンド数を表示させるようにしてもよい。
このように、本実施例では、特別遊技における大入賞口の開閉パターンと、バトル演出の内容および展開とが、出玉獲得可能性の観点から対応づけられている。以下、そのような遊技性を実現するための構成および処理動作について説明する。
図6は、特別遊技における大入賞口の開閉パターンを示すタイムチャートである。本実施例では合計6種類の開閉パターンが設けられており、図中上段から順に開閉パターン1〜6が示されている。横軸は時間の経過を示している。図中の「1」〜「16」は、特別遊技のラウンドを示している。
開閉パターン1は、通常特別遊技に適用される開閉パターンであり、16ラウンドを有し、1ラウンドあたりに大入賞口が1回開放され、その開放時間が30秒の長開放に設定されている。つまり、通常単位遊技にて開始され、また通常単位遊技にて終了する。既に述べたように、通常単位遊技においては第1大入賞口91が開放される。本実施例では、大入賞口の開放期間が1ラウンドの期間に相当する。ラウンド間のインターバル時間(「ラウンド間時間Δt1」という)は1秒に設定されている。なお、変形例においては、ラウンド間時間Δt1として異なる時間を設定してもよい。
開閉パターン2は、第1の特定特別遊技に適用される開閉パターンであり、16ラウンドを有し、1ラウンドあたりに大入賞口が1回開放される。大入賞口の開放時間は、第5ラウンドまでが0.2秒の短開放に設定され、第6ラウンド以降が30秒の長開放に設定されている。つまり、特定単位遊技にて開始され、その特定単位遊技が第5ラウンドまで継続し、第6ラウンドにて通常単位遊技に切り替えられる。既に述べたように、特定単位遊技においては第2大入賞口92が開放され、通常単位遊技においては第1大入賞口91が開放される。特定単位遊技間のインターバル時間および特定単位遊技と通常単位遊技とのインターバル時間(「ラウンド間時間Δt2」という)は5秒に設定されている。これは、特定単位遊技が継続される期間においてバトル演出の表示時間を確保するために十分な時間を設定したものである。なお、変形例においては、ラウンド間時間Δt2として異なる時間を設定してもよい。
開閉パターン3は、第2の特定特別遊技に適用される開閉パターンであり、16ラウンドを有し、1ラウンドあたりに大入賞口が1回開放される。第1ラウンドから第10ラウンドまで特定単位遊技となり、第11ラウンド以降が通常単位遊技となる。つまり、特定単位遊技が第10ラウンドまで継続し、第11ラウンドにて通常単位遊技に切り替えられる。ラウンド間時間Δt1,Δt2については上述のとおりである。
開閉パターン4は、第3の特定特別遊技に適用される開閉パターンであり、16ラウンドを有し、1ラウンドあたりに大入賞口が1回開放される。第1ラウンドから第16ラウンドまで特定単位遊技となる。つまり、開閉パターン4が選択された場合、通常単位遊技へ切り替えられることはなく、特別遊技が終了するまで大入賞口の短開放が継続されるため、実質的に出玉は得られないことになる。ラウンド間時間Δt2については上述のとおりである。
開閉パターン5は、第4の特定特別遊技に適用される開閉パターンであり、11ラウンドを有し、1ラウンドあたりに大入賞口が1回開放される。第1ラウンドから第11ラウンドまで特定単位遊技となるため、特別遊技が終了するまで大入賞口の短開放が継続され、実質的に出玉は得られないことになる。ラウンド間時間Δt2については上述のとおりである。ラウンド数が少ない分、特別遊技そのものは比較的早期に終了される。
開閉パターン6は、第5の特定特別遊技に適用される開閉パターンであり、6ラウンドを有し、1ラウンドあたりに大入賞口が1回開放される。第1ラウンドから第6ラウンドまで特定単位遊技となるため、特別遊技が終了するまで大入賞口の短開放が継続され、実質的に出玉は得られないことになる。ラウンド間時間Δt2については上述のとおりである。ラウンド数が最も少なく、特別遊技そのものが早期に終了される。
なお、図示のように、特別遊技が開始された直後の時刻t1からt2までの時間には、開閉パターンの種類に応じて、特別遊技の実行開始を示すデモンストレーション演出(「開始デモ演出」という)、バトル演出のつなぎ演出、特別遊技の実行終了を示す終了演出などが表示される。具体的には、開閉パターン1の場合には、時刻t2以降の通常特別遊技の大当り演出に先立って、その開始デモ演出が表示される。開閉パターン2〜5の場合には、時刻t1以前のバトルリーチと、時刻t2以降の大当りバトルとのつなぎ演出が表示される。例えば、時刻t2の大当りバトルにて登場するキャラクタのカットインなどの演出が表示される。開閉パターン6の場合には、時刻t2から開始される大当り終了演出の一部が表示される。開閉パターン2〜5の場合、特定単位遊技が連続的に実行される期間(時刻t2〜t3、t3〜t4など)には大当りバトルの演出が表示される。具体的演出内容については次述する。なお、変形例においては、開閉パターン2〜5の場合に時刻t1から時刻t2の間につなぎ演出を表示させるのではなく、時刻t1から時刻t3まで初回の大当りバトルの演出を表示させるようにしてもよい。
図7〜図9は、バトル演出の演出過程を例示するタイミングチャートである。各図の最上段には特別図柄の変動態様が示され、その下段にはバトル演出の演出パターンが示されている。横軸は時間の経過を示している。このバトル演出は、通常遊技中に図柄変動とともに表示される図柄変動演出と、特別遊技中に表示される大当り演出とを、その演出内容において一貫させるように表示される。つまり、図柄変動演出はバトルの内容を含むリーチ演出(バトルリーチ)となり、大当り演出はバトルの内容を含む大当りバトルとなる。なお、各図において、大入賞口の開閉パターンとの関係が点線にて示されている。
図7に示すように、演出パターン1は、バトルリーチにおいてキャラクタAが登場し、勝利するパターンである。この場合、バトル演出は実質上、大当り演出の前に終了する。本実施例では、大当り演出(点線矢印)においてキャラクタAを賞賛する演出内容が表示されるが、変形例においては、バトル演出とは関係のない演出内容を表示させてもよい。この場合、バトルリーチにおいて味方キャラクタが勝利するため、特別遊技が開始されると図示のように、出玉のある通常単位遊技が開始される。すなわち、バトルリーチにおいて勝利すると、遊技者の利益が最も高くなる。
演出パターン2は、バトルリーチにおいてキャラクタAが敗北し、大当り演出に最初に登場したキャラクタBが勝利するパターンである。この場合、バトル演出は実質上、キャラクタBが勝利したときに終了する。その後の大当り演出(点線矢印)においてはキャラクタBを賞賛する演出内容が表示されるが、変形例においては、バトル演出とは関係のない演出内容を表示させてもよい。この場合、第5ラウンドにおいて味方キャラクタが勝利するため、第6ラウンドから出玉のある通常単位遊技が開始される。すなわち、出玉を獲得できるラウンドは残りの11ラウンドとなるため、演出パターン1が表示される場合よりも利益状態は低くなる。なお、時刻t1〜t2のつなぎ演出では、大当り演出にて最初に登場する味方キャラクタのカットインが表示される(以下、同様)。
演出パターン3は、バトルリーチにおいてキャラクタAが敗北し、大当り演出に最初に登場するキャラクタBも敗北するが、次に登場するキャラクタCが勝利するパターンである。この場合、バトル演出は実質上、キャラクタCが勝利したときに終了する。その後の大当り演出(点線矢印)においてはキャラクタCを賞賛する演出内容が表示されるが、変形例においては、バトル演出とは関係のない演出内容を表示させてもよい。この場合、第10ラウンドにおいて味方キャラクタが勝利するため、第11ラウンドから出玉のある通常単位遊技、つまり通常特別遊技が開始される。この場合、出玉を獲得できるラウンドは残りの6ラウンドとなるため、演出パターン2が表示される場合よりも利益状態はさらに低くなる。
演出パターン4は、バトルリーチにおいてキャラクタAが敗北し、大当り演出に最初に登場するキャラクタBも敗北し、さらに次に登場する最強のキャラクタCも敗北するパターンである。この場合、バトル演出は実質上、キャラクタCが敗北したときに終了する。その後の大当り演出(一点鎖線矢印)においては、敵キャラクタが猛威をふるう終了演出が表示されるが、変形例においては、バトル演出とは関係のない演出内容を表示させてもよい。この場合、味方キャラクタの勝利がないため、16ラウンドの全てにわたり出玉のない特定単位遊技が実行される。すなわち、出玉を獲得できるラウンドがなく、利益状態は最も低くなる。
図8に示すように、演出パターン5は、バトルリーチにおいてキャラクタBが登場し、勝利するパターンである。大当り演出(点線矢印)においてはキャラクタBを賞賛する演出内容が表示されるが、バトル演出とは関係のない演出内容を表示させてもよい。この場合、バトルリーチにおいて味方キャラクタが勝利するため、演出パターン1の場合と同様に、特別遊技が開始されると出玉のある通常単位遊技が開始される。すなわち、バトルリーチにおいて勝利すると、遊技者の利益が最も高くなる。ただし、後述のように、バトルリーチにおいてキャラクタBが登場する確率は、キャラクタAが登場する確率よりも低く設定されている。
演出パターン6は、バトルリーチにおいてキャラクタBが敗北し、大当り演出にて登場したキャラクタCが勝利するパターンである。その後の大当り演出(点線矢印)においてはキャラクタCを賞賛する演出内容が表示されるが、バトル演出とは関係のない演出内容を表示させてもよい。この場合、第5ラウンドにおいて味方キャラクタが勝利するため、第6ラウンドから出玉のある通常単位遊技が開始される。すなわち、演出パターン2と同様に、出玉を獲得できるラウンドは残りの11ラウンドとなる。
演出パターン7は、バトルリーチにおいてキャラクタBが敗北し、大当り演出にて登場するキャラクタCも敗北するパターンである。この場合、バトル演出は実質上、キャラクタCが敗北したときに終了する。その後の大当り演出(一点鎖線矢印)においては、敵キャラクタが猛威をふるう終了演出が表示されるが、バトル演出とは関係のない演出内容を表示させてもよい。この場合、味方キャラクタの勝利がないため、全てのラウンドにわたり出玉のない特定単位遊技が実行される。ただし、キャラクタCが早期に敗北するため、特別遊技は第11ラウンドにて終了する。すなわち、演出パターン4の場合よりも特別遊技が早期に終了され、出玉のない特別遊技の期間は短くなる。
図9に示すように、演出パターン8は、バトルリーチにおいて最強のキャラクタCが登場し、勝利するパターンである。大当り演出(点線矢印)においてはキャラクタCを賞賛する演出内容が表示されるが、バトル演出とは関係のない演出内容を表示させてもよい。この場合、バトルリーチにおいて味方キャラクタが勝利するため、演出パターン1および5の場合と同様に、特別遊技が開始されると出玉のある通常単位遊技が開始される。ただし、後述のように、バトルリーチにおいてキャラクタCが登場する確率は、キャラクタA,Bが登場する確率よりも低く設定されている。
演出パターン9は、バトルリーチにおいて最強のキャラクタCが登場するものの、敗北するパターンである。この場合、大当り演出(一点鎖線矢印)においては、敵キャラクタが猛威をふるう終了演出が表示されるが、バトル演出とは関係のない演出内容を表示させてもよい。ただし、このように最強のキャラクタCが早期に敗北する確率は低く設定され、各キャラクタの期待度が担保されるようになっている。この場合、特別遊技は第6ラウンドにて終了し、最も短いものとなる。
以上に述べた演出パターンは、図柄変動に先立って行われる当否抽選、図柄抽選およびパターン抽選等を通じて決定される。以下、その詳細について説明する。
図10は、図柄判定テーブルを模式的に示す図である。図10(a)は当否判定結果が大当りであった場合に参照するテーブルであり、図10(b)は当否判定結果が外れであった場合に参照するテーブルである。
第1図柄決定手段164および第2図柄決定手段165は、図柄判定においてこの図柄判定テーブルを参照する。各図柄判定テーブルには、「0」〜「12」の数字で表される特別図柄と図柄抽選値との対応関係が定められている。なお、第1図柄決定手段164が取得する図柄抽選値を「第1図柄抽選値」、第2図柄決定手段165が取得する図柄抽選値を「第2図柄抽選値」ともいう。特別図柄の種類は当否判定結果と対応付けられており、「1」〜「12」の数字が大当りに対応し、「0」の記号が外れに対応する。
図10(a)に示す特別図柄「1」〜「12」のうち、特別図柄「1」〜「9」は確変移行を伴う大当り(「確変大当り」ともいう)を示し、特別図柄「10」〜「12」は確変移行を伴わない大当り(「非確変大当り」ともいう)を示している。各特別遊技には、図柄抽選値「0〜255」が割り振られており、確変大当りとなる確率(特別図柄「1」〜「9」のいずれかが選択される確率)は約65%、非確変大当りとなる確率(特別図柄「10」が選択される確率)は約35%とされている。つまり、本実施例においては、第1の遊技および第2の遊技ともに大当りとなった場合の確変移行確率が65%に設定されている。また、図示のように、特別図柄「1」,「5」,「8」は、第1図柄抽選値よりも第2図柄抽選値のほうが大きな範囲は対応づけられている。また、特別図柄「2」,「3」,「6」は、第2図柄抽選値にのみ対応づけられている。一方、図10(b)に示すように、特別図柄「0」は当否判定結果が外れの場合における全範囲の図柄抽選値に対応付けられている。
図11は、開閉パターン判定テーブルを模式的に示す図である。
開閉パターン決定手段123は、大入賞口の開閉パターンの決定に際してこの開閉パターン判定テーブルを参照する。この開閉パターン判定テーブルにおいては、特別図柄「1」〜「12」と開閉パターン1〜6(図6参照)が対応づけられている。図示のように、特別図柄「1」,「5」,「8」に対して開閉パターン1が対応づけられ、特別図柄「2」,「6」に対して開閉パターン2が対応づけられている。また、特別図柄「3」に対して開閉パターン3、特別図柄「4」および「10」に対して開閉パターン4、特別図柄「7」および「11」に対して開閉パターン5、特別図柄「9」および「12」に対して開閉パターン6が、それぞれ対応づけられている。したがって、図10に示した図柄判定テーブルと対比させると、第2の遊技のほうが第1の遊技よりも通常単位遊技の割合が多い開閉パターンが選択される可能性が高くなっている。特定単位遊技から通常単位遊技へ切り替わる開閉パターンは、第2の遊技についてのみ選択対象となっている。つまり、第2の遊技のほうが、多くの出玉が得られる特別遊技が選択される可能性が高くなっている。また、非確変大当りとなった場合には、特定単位遊技のみにより構成された開閉パターン、つまり出玉のない特別遊技が選択されるようになっている。
図12は、パターン選択テーブルを模式的に示す図である。図12は当否抽選結果に応じて参照されるテーブルであり、決定された特別図柄の停止図柄に応じて(a)〜(g)のいずれかのテーブルが選択される。(a)〜(f)は当否抽選結果が大当りとなったときに参照されるテーブルを示し、(g)は当否抽選結果が外れとなったときに参照されるテーブルを示す。(a)は特別図柄が「1」のとき、(b)は特別図柄が「2」,「3」,「4」,「10」のとき、(c)は特別図柄が「5」のとき、(d)は特別遊技が「6」,「7」,「11」のとき、(e)は特別遊技が「8」のとき、(f)は特別図柄が「9」,「12」のとき、(g)は特別図柄が「0」のときに、それぞれ参照されるテーブルを示す。なお、「特殊」はバトル演出を伴う「特殊変動パターン」を示している。
第1変動パターン決定手段167および第2変動パターン決定手段168は、それぞれ第1特別図柄192、第2特別図柄193の変動開始に先立ってパターン抽選値「0〜255」のいずれかを取得し、決定された特別図柄に対応したパターン選択テーブルを参照して各特別図柄の変動パターン(変動時間)を決定する。
図12に示すように、特別図柄が「1」の場合には特殊変動パターン1または特殊変動パターン2が選択される。これら特殊変動パターン1,2は、図7に示した演出パターン1に対応する。特別図柄が「2」,「3」,「4」,「10」の場合には特殊変動パターン3または特殊変動パターン4が選択される。これら特殊変動パターン3,4は、図7に示した演出パターン2,3,4に対応する。特別図柄が「5」の場合には特殊変動パターン5または特殊変動パターン6が選択される。これら特殊変動パターン5,6は、図8に示した演出パターン5に対応する。特別図柄が「6」,「7」,「11」の場合には特殊変動パターン7または特殊変動パターン8が選択される。これら特殊変動パターン7,8は、図8に示した演出パターン6,7に対応する。特別図柄が「8」の場合には特殊変動パターン9または特殊変動パターン10が選択される。これら特殊変動パターン9,10は、図9に示した演出パターン8に対応する。特別図柄が「9」,「12」の場合には特殊変動パターン11または特殊変動パターン12が選択される。これら特殊変動パターン11,12は、図9に示した演出パターン9に対応する。いずれの特殊変動パターンもバトルリーチとなるが、傾向として、バトルリーチにて勝利する変動パターンについては、変動時間が30秒の相対的に長い変動パターンが選択される確率が高くなっている。
一方、特別図柄が「0」の場合には、特殊変動パターンが選択対象とはされず、バトル演出とは無関係の変動パターンが選択される。当否抽選結果が外れであるため、変動時間の短いリーチなしの変動パターンが選択されるように設定されている。すなわち、本実施例では、当否抽選結果が大当りとなった場合には、必ずバトルリーチとなる。このため、バトルリーチの変動パターンが表示された場合、遊技者は、大当りの発生を認識できるようになり、その大当りが出玉のある大当りか否か、確変大当りであるか否かにつき、期待感が煽られるようになる。
図13は、変動演出パターン選択テーブルを模式的に示す図である。(a)は当否抽選結果が大当りとなった場合に参照されるテーブルであり、(b)は当否抽選結果が外れとなった場合に参照されるテーブルである。
通常演出決定手段133は、図示の変動演出パターン選択テーブルを参照し、決定された第1特別図柄192または第2特別図柄193の変動パターンに応じて変動演出パターンを決定する。図13(a)に示すように当否抽選結果が大当りとなり、特殊変動パターン1〜12のいずれかが選択された場合には、図7〜図9に示した演出パターン1〜9のそれぞれに対応する変動演出パターンが選択される。また、図13(b)に示すように当否抽選結果が外れとなった場合には、リーチ演出を伴わない図柄変動演出の変動演出パターンが選択される。
図14は、大当り演出パターン選択テーブルを模式的に示す図である。
特別演出決定手段135は、図示の大当り演出パターン選択テーブルを参照し、決定された大当り(特別遊技)の種類に応じて大当り演出パターンを決定する。なお、図10にも示したように、大当りの種類は特別図柄に対応づけられているため、この大当り演出パターン選択テーブルにおいては、特別図柄の停止図柄と大当り演出パターンとが対応づけられている。大当り演出パターン1〜9は、図7〜図9に示した演出パターン1〜9にそれぞれ対応する。
図示のように、各大当り演出パターンは、図7〜図9に示した大入賞口の開閉パターンに応じた演出時間が予め設定されている。例えば、大当り演出パターン1の場合、長開放(30秒)の通常単位遊技が16ラウンドでそのラウンド間時間が1秒であるため、(30+1)×16秒という時間値が設定されている。大当り演出パターン2の場合、短開放(0.2秒)の特定単位遊技が5ラウンドでそのラウンド間時間が5秒、長開放(30秒)の通常単位遊技が11ラウンドでそのラウンド間時間が1秒であるため、(0.2+5)×5+(30+1)×11秒という時間値が設定されている。本実施例では、特定単位遊技が実行される期間については、大入賞口の開閉パターンに基づく特別遊技の実行時間と、大当り演出の表示時間とが整合するように設定されている。つまり、大入賞口の開閉パターンに応じた表示時間で所定のストーリーが展開される演出内容が設定される。0.2秒の短開放の間に入球数による単位遊技終了条件(10球以上入賞)が成立することは実質的にないためである。一方、通常単位遊技が実行される期間については、その通常単位遊技の終了タイミングに応じて演出を終了させられるよう、演出が途中で終了しても遊技者に違和感を与えない演出内容が設定されている。例えば、途中で終了されてもストーリーに影響のない所定の演出を垂れ流し的に表示させる演出内容となっている。30秒の長開放の間に入球数による単位遊技終了条件(10球以上入賞)が成立することがあり得るためである。また、味方キャラクタについても、図7〜図9に示したように弱いキャラクタの後に強いキャラクタが出現するように設定されている。
図15は、ぱちんこ遊技機における基本的な動作過程を示すフローチャートである。
まず、遊技球が第1始動入賞口62、第2始動入賞口63、一般入賞口72、第1大入賞口91、第2大入賞口92などへ入賞した場合の処理を実行する(S10)。そして、通常遊技中であれば(S12のY)、当否抽選などの通常遊技の制御処理を実行し(S14)、通常遊技中でなければ(S12のN)、特別遊技の制御処理を実行し(S16)、S10からS16までの処理における各種入賞に応じた賞球払出を処理する(S18)。
図16は、図15におけるS14の通常遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。まだ図柄変動表示が開始されていない場合(S30のN)、第2特別図柄193の変動表示タイミングであれば(S32のY)、第2の遊技のための抽選判定処理が実行される(S34)。そして、第2特別図柄193および装飾図柄190の図柄変動が開始される(S40)。一方、第2特別図柄193の変動表示タイミングでなく(S32のN)、第1特別図柄192の変動表示タイミングであれば(S36のY)、第1の遊技のための抽選判定処理が実行される(S38)。そして、第1特別図柄192および装飾図柄190の図柄変動が開始される(S40)。
なお、第1特別図柄192の変動表示タイミングであるか、第2特別図柄193の変動表示タイミングであるかは、第2保留手段170に抽選値が保留されているか否かに応じて決定される。本実施例では上述のように、第2保留手段170が保留する抽選値を第1保留手段169が保留する抽選値よりも優先的に消化し、第1特別図柄192よりも第2特別図柄193の変動表示を優先的に実行する。したがって、第2保留手段170が抽選値を保留していれば、次の変動表示タイミングには第2特別図柄193の変動表示が開始されることになる。第2保留手段170が抽選値を保留しておらず、第1保留手段169のみが抽選値を保留している場合、次の変動表示タイミングには第1特別図柄192の変動表示が開始されることになる。
第2特別図柄193の変動表示タイミングでなく、第1特別図柄192の変動表示タイミングでもなければ(S36のN)、本図のフローを終了する。既に図柄変動表示が開始されている場合は(S30のY)、その変動表示処理を実行する(S42)。そして、所定の変動時間が経過して図柄表示の停止タイミングに達したときは(S44のY)、図柄変動をあらかじめ決定された停止図柄にて停止する(S46)。このとき、大当りであれば(S48のY)、特別遊技へ移行する(S49)。大当りでなければ(S48のN)、S49の処理をスキップして本図のフローを終了する。図柄表示の停止タイミングに達していない場合には(S44のN)、S46以降の処理をスキップして本図のフローを終了する。
図17は、図16におけるS34およびS38の抽選判定処理を詳細に示すフローチャートである。ここでは便宜上、同図に基づいてS34およびS38の各処理について説明する。
S34の抽選判定処理においては、まず、第2抽選手段162が、第2保留手段170から読み出した第2当否抽選値を用いて当否判定テーブルを参照し、当否を判定する(S50)。そして、当否判定の結果が大当りである場合には(S52のY)、図柄抽選値を取得して図10(a)に示した図柄判定テーブルを参照し、第2特別図柄193の停止図柄を決定する(S54)。続いて、第2変動パターン決定手段168が、その停止図柄(大当りの種類)に基づいて図12に示したパターン選択テーブルを参照し、第2特別図柄193の変動パターンを決定する(S56)。また、開閉パターン決定手段123が、その停止図柄に基づいて図11に示した開閉パターン判定テーブルを参照し、大入賞口の開閉パターンを決定する(S58)。続いて、通常演出決定手段133が、図13(a)の変動演出パターン選択テーブルを参照して第2特別図柄193の変動パターンに対応する装飾図柄190の変動演出パターンを決定する。また、特別演出決定手段135が、図14の大当り演出パターン選択テーブルを参照して第2特別図柄193に対応する大当り演出パターンを決定する。(S60)。
一方、当否判定の結果が外れである場合(S52のN)、第2図柄決定手段165が図10(b)に示した図柄判定テーブルを参照し、第2特別図柄193の停止図柄を決定する(S62)。続いて、第2変動パターン決定手段168が、その停止図柄に基づいて図12(g)に示したパターン選択テーブルを参照し、第2特別図柄193の変動パターンを決定する(S64)。続いて、通常演出決定手段133が、図13(b)の変動演出パターン選択テーブルを参照して第2特別図柄193の変動パターンに対応する装飾図柄190の変動演出パターンを決定する(S66)。
同様に、S38の抽選判定処理においては、まず、第1抽選手段161が、第1保留手段169から読み出した第1当否抽選値を用いて当否判定テーブルを参照し、当否を判定する(S50)。そして、当否判定の結果が大当りである場合には(S52のY)、図柄抽選値を取得して図柄判定テーブルを参照し、第1特別図柄192の停止図柄を決定する(S54)。続いて、第1変動パターン決定手段167が、その停止図柄に基づいてパターン選択テーブルを参照し、第1特別図柄192の変動パターンを決定する(S56)。また、開閉パターン決定手段123が、その停止図柄に基づいて開閉パターン判定テーブルを参照し、大入賞口の開閉パターンを決定する(S58)。続いて、通常演出決定手段133が、変動演出パターン選択テーブルを参照して第1特別図柄192の変動パターンに対応する装飾図柄190の変動演出パターンを決定する。また、特別演出決定手段135が、大当り演出パターン選択テーブルを参照して第1特別図柄192に対応する大当り演出パターンを決定する。(S60)。
一方、当否判定の結果が外れである場合(S52のN)、第1図柄決定手段164が図柄判定テーブルを参照し、第1特別図柄192の停止図柄を決定する(S62)。続いて、第1変動パターン決定手段167が、その停止図柄に基づいてパターン選択テーブルを参照し、第1特別図柄192の変動パターンを決定する(S64)。続いて、通常演出決定手段133が、変動演出パターン選択テーブルを参照して第1特別図柄192の変動パターンに対応する装飾図柄190の変動演出パターンを決定する(S66)。
図18は、図15におけるS16の特別遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。当否抽選の結果が大当りであった場合(S90のY)、既に特別遊技(通常特別遊技または特定特別遊技)が開始済みであって(S92のY)、第1大入賞口91または第2大入賞口92(単に「大入賞口」ともいう)が開放済でなければ(S98のN)、大入賞口の開放処理を実行し(S100)、開放済みであれば(S98のY)、大入賞口の閉鎖処理を実行する(S102)。その結果、大入賞口が閉鎖状態になっていれば(S104のY)、S106へ移行する。閉鎖状態でなければ(S104のN)、S106以降の処理をスキップして本処理を一旦終了する。一方、S92において特別遊技が開始済みでない場合は(S92のN)、S34またはS38の処理にて決定された開閉パターンを設定するとともに(S93)、大当り演出パターンを設定する(S94)。そして、特別遊技を開始して(S95)、その開始デモ演出の表示を開始し(S96)、本処理を一旦終了する。
S106においては、特別遊技中の演出であるデモ演出中であるか否かを判定する。なお、ここでいう「デモ演出」は、開始デモ演出および終了デモ演出を含む。デモ演出中でなければ(S106のN)、特別遊技終了条件が満たされたか否かを判定する。ここでは、後述する終了フラグがオンになっていれば、特別遊技終了条件が満たされることになる。特別遊技終了条件が満たされていれば(S110のY)、その終了フラグをオフにしたうえで(S112)、終了デモ演出の表示を開始する(S114)。特別遊技終了条件が満たされていなければ(S110のN)、本処理を一旦終了する。S106にてデモ演出中であると判定され(S106のY)、終了デモ演出が終了した場合(S116のY)、特別遊技を終了し(S118)、時短や確変の特定遊技状態を開始する(S120)。終了デモ演出が終了していない場合は(S116のN)、S118およびS120の処理をスキップする。大当りでない場合は(S90のN)、本図のS92以降のフローをスキップする。
図19は、図18におけるS100の開放処理を詳細に示すフローチャートである。
設定された開閉パターンに基づく第1大入賞口91または第2大入賞口92の所定の開放タイミングとなったとき(S122のY)、開閉制御手段124は、開閉パターンの動作を設定し(S124)、第1大入賞口91、第2大入賞口92をそれぞれ開放させる(S126)。すなわち、第1開閉制御手段153が第1大入賞口91を開放させ、第2開閉制御手段154が第2大入賞口92を開放させる。開放タイミングでないときは(S122のN)、S124およびS126の処理をスキップする。
図20は、図18におけるS102の閉鎖処理を詳細に示すフローチャートである。
設定された開閉パターンに基づく第1大入賞口91または第2大入賞口92の所定の閉鎖タイミングとなったとき、開閉制御手段124は第1大入賞口91、第2大入賞口92をそれぞれ閉鎖させる。すなわち、特別遊技中において、入球数による単位遊技の終了条件が満たされるか(S130のY)、または開放時間による単位遊技の終了条件が満たされれば(S132のY)、大入賞口を閉鎖する(S134)。なお、特定単位遊技における入球数による終了条件は大入賞口への10球以上の入球であり、開放時間による終了条件は、大入賞口の開放開始から0.2秒の経過である。しかし、0.2秒の開放は極めて短いため、その間に10球以上の入球は事実上不可能である。したがって、特定単位遊技においては事実上、入球数による終了条件が成立することはなく、開放時間による終了条件のみで判定されることになる。一方、通常単位遊技における入球数による終了条件は大入賞口への10球以上の入球であり、開放時間による終了条件は、大入賞口の開放開始から30秒の経過である。このとき、継続上限回数に達していれば(S136のY)、終了フラグをオンにする(S138)。継続上限回数に達していなければ(S136のN)、S138の処理をスキップする。本実施例においてこの継続上限回数は16回,11回または6回であり、通常特別遊技および特定特別遊技のいずれであるか、また特定特別遊技の種類によって異なる。入球数による終了条件および開放時間による終了条件のいずれも満たされていなければ(S130のN,S132のN)、S134以降の処理をスキップする。
以上に説明したように、本実施例においては、大当りによる特別遊技中の演出(特別遊技演出)と、その大当りの契機となる図柄変動中の演出(図柄変動演出)について、特定の敵キャラクタを打ち負かすべく味方キャラクタが登場するよう各演出パターンの組み合わせが設定されている。そして、味方キャラクタの強さと勝敗への期待度(つまり、出玉獲得可能性)とが整合するようパターン抽選値が割り当てられている。このため、通常遊技と特別遊技とを跨ぐ演出に一貫性をもたせつつ、その演出内容により遊技者に認知される出玉獲得期待度への信頼性を維持することが可能となる。図柄変動演出と特別遊技演出とを一貫させることで長い演出を見せることができ、特に味方キャラクタの勝敗の行方が出玉に影響するため、演出が終了するまで遊技者の緊張感を保つことができる。例えば、最終的に確定される大当りの種類のみを煽る演出とは異なり、その演出過程で出玉獲得可能性がリアルタイムに変化する遊技性を実現でき、遊技者の興味を持続させることができるようになる。
(実施例2)
実施例2は、バトル演出において遊技者の技術介入的要素が取り入れられる点で実施例1と相違するが、その他の構成および動作は実施例1と共通する。このため、以下の説明においては実施例1との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略する。
図21は、実施例2に係るバトル演出の演出過程を例示するタイミングチャートである。各図の最上段には特別図柄の変動態様が示され、その下段にはバトル演出の演出パターンが示されている。横軸は時間の経過を示している。図22は、大当り演出パターン選択テーブルを模式的に示す図である。
図21に示すように、本実施例では、実施例1における演出パターン1〜9(図7〜図9参照)に加え、演出パターン11〜14が追加される。演出パターン11は、バトルリーチにおいてキャラクタAが敗北したため、大当り演出においてチャレンジタイムとしてゲームが表示されるものである。図示の例では、特定特別遊技の第1ラウンドから第5ラウンドがチャレンジタイムとされ、その大入賞口の短開放中に第2大入賞口92への入球が促される。その結果、遊技者が第2大入賞口92への入球を狙って遊技球を打ち出し、その入球が成功すると、第6ラウンドにてキャラクタBが登場して大当りバトルが開始され、そのキャラクタBの勝利により第11ラウンド以降において通常単位遊技が開始される。すなわち、チャレンジタイムにおいて第2大入賞口92への入球が検出された場合に、残りの6ラウンドで出玉を獲得可能とするものである。
演出パターン12は、同様にチャレンジタイムとして第2大入賞口92への入球が促される。その結果、第2大入賞口92への入球が失敗して第6ラウンドから大当りの終了演出が表示されるものの、第9ラウンドにてキャラクタAが復活して大当りバトルが開始され、そのキャラクタAの勝利により第11ラウンド以降において通常単位遊技が開始されている。すなわち、チャレンジタイムにおいて第2大入賞口92への入球が検出されなかった場合であっても、残りの6ラウンドで出玉を獲得可能とするものである。
演出パターン13は、同様にチャレンジタイムとして第2大入賞口92への入球が促される。その結果、第2大入賞口92への入球が成功したため、第6ラウンドにてキャラクタBが登場して大当りバトルが開始されるが、そのキャラクタBの敗北により第11ラウンド以降に大当りの終了演出が表示される。このとき、その第11ラウンド以降も特定単位遊技が継続され、第16ラウンドにて終了される。すなわち、チャレンジタイムにおいて第2大入賞口92への入球が検出されても、出玉を獲得できないものである。
演出パターン14は、同様にチャレンジタイムとして第2大入賞口92への入球が促される。その結果、第2大入賞口92への入球が失敗して第6ラウンドから大当りの終了演出が表示されるものである。この終了演出は第16ラウンドまで継続される。すなわち、チャレンジタイムにおいて第2大入賞口92への入球が検出されなかったために、出玉を獲得できないものである。
なお、大入賞口の開閉パターンの決定に際しては、例えば図11に示した開閉パターン判定テーブルにおいて、特別図柄番号「7」,「11」および「12」に対して開閉パターン4を対応させるように置き換えたテーブルを用いることができる。
本実施例ではこのような遊技性を実現するため、特別演出決定手段135が、そのチャレンジタイムが適用されるラウンドの期間において入賞検出装置79による第2大入賞口入賞情報を監視する。この始動入賞情報は、入球判定手段110から送信される。そして、第2大入賞口92への入球が検出されれば、次のキャラクタが大当りバトルに出現して勝利する演出内容、または敗北して終了する演出内容を決定する。入球が検出されなければ、既に敗北したキャラクタが終了演出の途中で復活する演出内容、または終了演出にて終了する演出内容を決定する。
具体的には、図22に示す大当り演出パターン選択テーブルが設けられ、特別図柄として「13」が選択されると、特別演出決定手段135は、演出パターン11および12に対応する大当り演出パターン10を決定する。この大当り演出パターン10は、バトルリーチからチャレンジタイム終了までの演出内容が定義され、その後の演出内容については演出パターン11に対応するものと、演出パターン12に対応するものの2種類が事後的に選択可能とされている。図示の例では、演出パターン11に対応するキャラクタBが勝利する部分演出パターンと、演出パターン12に対応する復活演出の部分演出パターンが予め用意され、第2大入賞口92への入球有無によっていずれかを決定する。
また、特別図柄として「14」が選択されると、演出パターン13に対応する大当り演出パターン11が決定され、特別図柄として「15」が選択されると、演出パターン14に対応する大当り演出パターン12が決定される。なお、チャレンジタイムにおいては第2大入賞口92の短開放が行われるが、本実施例の遊技性を実現するためには、その入球可能性がある程度確保される必要がある。このため、本実施例における特定単位遊技の大入賞口の開放時間を例えば0.5秒〜1秒程度に設定するなど、実施例1の場合よりも入球困難性を緩和してもよい。
また、チャレンジタイムが継続されるラウンド(図示の例では第5ラウンド)と、後続のラウンド(図示の例では第6ラウンド)との間の期間である境界ラウンド間時間を、他のラウンド間時間よりも長くしてもよい。例えば、他のラウンド間時間を5秒とした場合に、境界ラウンド間時間を10秒程度にしてもよい。本実施例では、第5ラウンドまでのチャレンジタイムにおいて遊技者の技術介入を伴わせるため、その結果如何によって、後続の演出内容を切り替える時間が必要となるためである。このように境界ラウンド間時間を十分にとることで、演出制御(演出の調整)を安定かつ確実に行えるようになる。
また、本実施例では、チャレンジタイムにおいて成功した場合であっても、後続の5ラウンド分の特定単位遊技の期間にて新たな大当りバトルや復活演出を表示させるようにした。変形例においては、例えば図7に示した演出パターン2のように、第6ラウンドから通常単位遊技としてもよい。その場合も境界ラウンド間時間を十分にとることで、演出制御(演出の調整)を安定かつ確実に行えるようになる。
さらに、本実施例では、チャレンジタイムを5ラウンドの期間に固定し、仮に第4ラウンド以前に第2大入賞口92への入球を成功させても、新たな大当りバトル(Bバトル)の演出表示が開始されるのは第6ラウンド以降とした。変形例においては、チャレンジタイムにおいて第2大入賞口92への入球があり次第、新たな大当りバトルの演出表示を開始させるようにしてもよい。このように、第2大入賞口92への入球タイミングに応じて新たな大当りバトルの開始タイミングが変化することにより、その新たな大当りバトルの演出時間の長さも変化するようになり、演出表示のバリエーションがより豊かになる。例えば、早期に入球があった場合には、比較的長い大当りバトルのムービーを表示させたりしてもよい。また、チャレンジタイムの終了間際に入球があった場合には、プレミア的な希少性の高いカットインを表示させるなどしてもよい。このように、遊技者による技術介入の結果に応じて演出態様を変化させるといった斬新な遊技性を実現することができる。
(実施例3)
実施例3は、大入賞口の開閉パターンの構成と、その開閉パターンとバトル演出との組み合わせ設定が実施例1と相違するが、その他の構成および動作は実施例1と共通する。このため、以下の説明においては実施例1との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略する。
図23は、実施例3における特別遊技における大入賞口の開閉パターンを示すタイムチャートである。本実施例においても合計6種類の開閉パターンが設けられており、図中上段から順に開閉パターン1〜6が示されている。横軸は時間の経過を示している。図中の「1」〜「16」は、特別遊技のラウンドを示している。
本実施例では、特定特別遊技において先の特定単位遊技が終了してから次の単位遊技における大入賞口の開放が開始されるまでの時間であるラウンド間時間の長さについて、実施例1よりもバリエーションを増やすとともに、大入賞口の開放時間(ラウンド時間)とラウンド間時間とを合わせた期間において1回のバトルがなされる構成を有する。
開閉パターン1は、通常特別遊技に適用される開閉パターンであるが、これについては実施例1と同様にであるため、その説明を省略する。
開閉パターン2は、第1の特定特別遊技に適用される開閉パターンであり、16ラウンドを有し、1ラウンドあたりに大入賞口が1回開放される。大入賞口の開放時間は、第1ラウンドが0.2秒の短開放に設定され、第2ラウンド以降が30秒の長開放に設定されている。つまり、特定単位遊技にて開始され、第2ラウンドにて通常単位遊技に切り替えられる。第1ラウンドと第2ラウンドとのラウンド間時間Δt21は30秒に設定されている。
開閉パターン3は、第2の特定特別遊技に適用される開閉パターンであり、16ラウンドを有し、1ラウンドあたりに大入賞口が1回開放される。第1ラウンドから第2ラウンドまで特定単位遊技となり、第3ラウンド以降が通常単位遊技となる。つまり、特定単位遊技が第2ラウンドまで継続し、第3ラウンドにて通常単位遊技に切り替えられる。第1ラウンドと第2ラウンドとのラウンド間時間Δt22は20秒に設定され、第2ラウンドと第3ラウンドとのラウンド間時間Δt21は30秒に設定されている。
開閉パターン4は、第3の特定特別遊技に適用される開閉パターンであり、16ラウンドを有し、1ラウンドあたりに大入賞口が1回開放される。第1ラウンドから第16ラウンドまで特定単位遊技となる。つまり、開閉パターン4が選択された場合、通常単位遊技へ切り替えられることはなく、特別遊技が終了するまで大入賞口の短開放が継続されるため、実質的に出玉は得られないことになる。一方、第1ラウンドと第2ラウンドとのラウンド間時間Δt22、第2ラウンドと第3ラウンドとのラウンド間時間Δt22はいずれも20秒に設定されている。
開閉パターン5は第4の特定特別遊技に適用される開閉パターンであり、開閉パターン6は第5の特定特別遊技に適用される開閉パターンであるが、これについては実施例1と同様であるため、その説明を省略する。一方、演出パターンについては、開閉パターンと次のように対応づけられている。
すなわち、開閉パターン2に対しては、実施例1にて説明した演出パターン2,6が対応づけられる。演出パターン2は、バトルリーチにおいてキャラクタAが敗北し、大当り演出に最初に登場したキャラクタBが第1ラウンドのラウンド時間およびその直後のラウンド間時間Δt21に表示される演出過程で勝利するパターンである。第2ラウンド以降の大当り演出においてはキャラクタBを賞賛する演出内容が表示される。このため、第2ラウンドから出玉のある通常単位遊技が開始される。演出パターン6については、バトルリーチにおいてキャラクタBが敗北し、大当り演出に最初に登場したキャラクタCが勝利する以外は同様であるため、その説明を省略する。
開閉パターン3に対しては、演出パターン3が対応づけられる。演出パターン3は、バトルリーチにおいてキャラクタAが敗北し、大当り演出に最初に登場するキャラクタBも敗北するが、次に登場するキャラクタCが勝利するパターンである。キャラクタBは、第1ラウンドのラウンド時間およびその直後のラウンド間時間Δt22に表示される演出過程で敗北し、キャラクタCは、第2ラウンドのラウンド時間およびその直後のラウンド間時間Δt21に表示される演出過程で勝利する。第3ラウンド以降の大当り演出においてはキャラクタCを賞賛する演出内容が表示される。このため、第3ラウンドから出玉のある通常単位遊技が開始される。
開閉パターン4に対しては、演出パターン4が対応づけられる。演出パターン4は、バトルリーチにおいてキャラクタAが敗北し、大当り演出に最初に登場するキャラクタBも敗北し、さらに次に登場する最強のキャラクタCも敗北するパターンである。キャラクタBは、第1ラウンドのラウンド時間およびその直後のラウンド間時間Δt22に表示される演出過程で敗北し、キャラクタCは、第2ラウンドのラウンド時間およびその直後のラウンド間時間Δt22に表示される演出過程で敗北する。第3ラウンド以降の大当り演出においては、敵キャラクタが猛威をふるう終了演出が表示される。この場合、味方キャラクタの勝利がないため、16ラウンドの全てにわたり出玉のない特定単位遊技が実行される。
なお、開放パターン1に対応づけられる演出パターン1,5,8、開放パターン5に対応づけられる演出パターン7、開放パターン6に対応づけられる演出パターン9については実施例1と同様であるため、その説明を省略する。
以上の構成において、大入賞口の開閉パターンが特別図柄の停止図柄に対応づけられ、特別図柄の変動パターンがパターン抽選値に対応づけられ、変動演出パターンが変動パターンに対応づけられ、大当り演出パターンが特別図柄の停止図柄に対応づけられている点については、実施例1と同様である。各パターンは、実施例1と同様のテーブルを用いて決定される。すなわち、本実施例では、開閉パターンによってラウンド間時間の設定が異なっており、そのラウンド間時間の設定が、特別図柄の停止図柄に応じて決定されるようになる。
本実施例では、ラウンド間時間を比較的長くすることで大当りバトルの演出表示時間を確保している。このラウンド間時間は、特別図柄の停止図柄に応じて決定されるため、演出表示時間もその停止図柄によって決められるようになる。このように特別図柄の決定に応じて大当り演出の演出内容および演出表示時間を簡易に設定できるようになっている。バトルリーチと大当りバトルにより一貫した演出が形成されるが、その組み合わせは、変動パターン抽選の結果と図柄抽選の結果に基づくことになる。また、同じ表示時間であっても、その内容については変動パターンと特別図柄との組み合わせによって変わるため、簡易な処理により演出内容のバリエーションも豊富になるという利点がある。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例はあくまで例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
(変形例1)
上記実施例では、バトルリーチが表示されると大当りが確定する構成としたが、バトルリーチが表示されても外れの可能性があるように構成してもよい。具体的には、図13(b)の変動パターンとしてバトルリーチを含めてもよい。あるいは、バトルリーチを特別遊技の直前の図柄変動のみでなく、複数変動繰り返し表示する演出パターンが設けられてもよい。例えば、バトルリーチの2回目までは外れがあり得るが、3回目のバトルリーチが表示されれば大当り確定となるようにしてもよい。このように設定することで、遊技のバリエーションを増やすことができる。
ただし、「大当りの確定を前提にその出玉獲得性を煽る遊技性」を遊技者に強く印象づけるためには、上記実施例のようにバトル演出の表示によって大当りが確定するものであるのが好ましい。同様の観点から、上記実施例では、バトルリーチの停止図柄として当り図柄組合せを透過表示させるなど、遊技者に識別困難とする例を示したが、変形例においては、バトルリーチの停止図柄として当り図柄組合せを透過表示等させることなく明示的に表示させてもよい。そして、遊技者が大当りを認識し、その大当りの種類について期待感を煽られるようにしてもよい。
(変形例2)
上記実施例では、特定単位遊技を実質的に出玉のないものとしたが、少量の入球が可能な程度に大入賞口の開放時間を設定してもよい。このようにすることで、例えば、図7〜図9に示す演出パターン4,7,9に出玉の差を設けることが可能となる。すなわち、上記実施例では、バトルリーチにおいてキャラクタA,B,Cのいずれが登場しても、最終的に敗北に終われば出玉が得られない構成となっていた。このため、バトルリーチにおいて最強のキャラクタCが登場した場合のほうが、出玉のない特別遊技を早期に終了させることができ、また出玉のない期間の打ち出しにより持ち玉が減ること(無駄玉が増えること)を抑えることができることから、むしろ有利となることがあった。これに対し、本変形例のように特定単位遊技においてもある程度の出玉を確保できるようにすれば、逆に、特定単位遊技数が多いほうが利益になるといった遊技性が実現される。言い換えれば、最強のキャラクタCが登場して敗北すれば出玉獲得の観点から最も不利となる状態を構成できる。つまり、バトルリーチにおいて最強のキャラクタが登場すると、勝利する可能性が高いが、負ければ出玉獲得において最も不利となるといったように、ハイリスク・ハイリターンの遊技性を実現でき、遊技者に興趣溢れる遊技を提供することができる。
(変形例3)
上記実施例では、バトル演出においてキャラクタA,B,Cの順に登場する例を示したが、例えばキャラクタAの次にキャラクタCを登場させ、期待度が一気に高まるような演出パターンを設けてもよい。
(変形例4)
上記実施例では、バトル演出において単一の敵キャラクタに対して複数の味方キャラクタが登場する例を示した。変形例においては、敵キャラクタを複数設けてもよい。また、複数の敵キャラクタを順次登場させる一方、味方キャラクタを単一とし、その味方キャラクタが順次登場する敵キャラクタを全て打ち負かしたときに特定単位遊技から通常単位遊技へ切り替えられるようにしてもよい。その場合も、敵キャラクタは、弱いキャラクタから登場し、続いて強いキャラクタが登場するものであってよい。また、一貫した演出はバトル演出に限られる必要はなく、演出上特定の目的が設定されて段階的に展開しうる他の演出であってもよい。そして、演出過程でその目的が達成されたときに、特定単位遊技から通常単位遊技へ切り替えられるようにしてもよい。
(変形例5)
上記実施例では、特定特別遊技として16ラウンド、11ラウンド、6ラウンドといったように異なるラウンド数を有する複数種類の特別遊技を設けたが、変形例においては、例えば16ラウンドに統一するなど、共通のラウンド数としてもよい。このように、ラウンド数を固定することで、遊技者は、バトル演出が進むごとに残りラウンド数を認識できるようになり、より早期に通常単位遊技へ切り替えられることを望むようになる。その結果、バトル演出による煽りの効果をより引き立てることができる。
(変形例6)
上記実施例においては、第1当否抽選値および第2当否抽選値の双方が保留されているときには、第2当否抽選値を優先的に消化させて第2特別図柄193を連続的に変動表示させるようにした。それにより、一旦大当りが発生して入球容易状態へ移行されると、第2始動入賞口に積極的に遊技球を打ち出すことにより、出玉の獲得可能性を高められるようにした。変形例においては、特図調整手段156は、第1始動入賞口62および第2始動入賞口63のうちいずれに遊技球が入球したかの順序にしたがって第1特別図柄192と第2特別図柄193とを選択的に変動表示させてもよい。その場合、例えば第1始動入賞口62、第1始動入賞口62、第2始動入賞口63の順序で入球したときは、第1特別図柄192、第1特別図柄192、第2特別図柄193の順序で変動表示される。特図調整手段156は保留制御手段116を監視して当否抽選値の保留順序を記憶する。それにより、どちらの特別図柄を変動させるべきかが遊技球の入球順、すなわち保留制御手段116における当否抽選値の保留順序にしたがって決定されるので、遊技者は変動の順序を視覚的に把握しやすくなる。
あるいは、特図調整手段156は、第1特別図柄192の変動表示と第2特別図柄193の変動表示とを、入球順序にかかわらず予め定められた調整規則(消化順序設定)に基づいた順序にて表示させてもよい。例えば、第1特別図柄192の変動表示と第2特別図柄193の変動表示とを交互に表示することを優先してもよい。例えば、第1当否抽選値および第2当否抽選値の双方が保留されているとき、第1特別図柄192と第2特別図柄193とが交互に変動表示される。それにより、いずれの特別図柄を変動させるべきかが遊技球の入球順に関係なく単純に交互に入れ替わるので、遊技者は変動の順序を感覚的に把握しやすくなる。
(変形例7)
上記実施例では述べなかったが、大当りのほかに小当りを設け、それによる小当り遊技と短開放特別遊技とを紛らわせる遊技性を取り入れてもよい。その場合、第1の抽選または第2の抽選が「小当り」と呼ばれる所定の結果になった場合は、大入賞口の短時間の開放がなされる小当り遊技が実行される。小当り遊技は、1回の単位遊技を含む特殊遊技として実行されるが、その1回の単位遊技に複数回の大入賞口の開放を設定してもよい。例えば、図6に示した開閉パターン6と同様の開閉パターンを伴う小当り遊技を設定してもよい。これにより、その開閉パターンにしたがう大入賞口の開放がなされた場合、それが特定特別遊技によるものか、小当り遊技によるものかを遊技者に分かり難くすることができる。短開放特別遊技については確変移行を確保するようにすれば、その確変移行可能性について遊技者の期待感を煽る遊技性を実現することができる。
(変形例8)
上記実施例では、通常単位遊技においては第1大入賞口91を開放させ、特定単位遊技においては第2大入賞口92を開放させるようにした。変形例においては、通常単位遊技において第2大入賞口92を開放させ、特定単位遊技において第1大入賞口91を開放させるようにしてもよい。あるいは、第1大入賞口91および第2大入賞口92が、それぞれ通常単位遊技においても特定単位遊技においても開放しうるよう、大入賞口の開閉パターンが設けられてもよい。また、例えば第2大入賞口92を第2始動入賞口63のように拡開式とするなど、特定単位遊技として開閉される大入賞口の構成を、通常単位遊技として開閉される大入賞口の構成と異ならせてもよい。また、大入賞口を1つとしてもよい。具体的には、第1大入賞口91および第2大入賞口92の一方を共用の大入賞口とし、他方を省略してもよい。