本実施例のぱちんこ遊技機においては、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が複数混在する。その複数の遊技としての第1の遊技と第2の遊技とが、同時に実行されないように制御される。またこれらの遊技性を両立させるために、本実施例のぱちんこ遊技機は、複数の始動入賞口、複数の特別図柄表示装置、複数の保留ランプ、複数の大入賞口を備える。すなわち、遊技球が第1始動入賞口または第2始動入賞口に入球すると、第1の抽選、第2の抽選がそれぞれ実行され、その抽選結果が「大当り」であった場合、大入賞口が開閉を繰り返す特別遊技が開始される。その結果、いずれかの大入賞口が開放されて遊技球が入球すると、その都度所定数の賞球が払い出され、遊技者に有利な状態となる。本実施例における1回の特別遊技は、最大16回の単位遊技を含み、単位遊技ごとにいずれかの大入賞口の開閉が行われる。
本実施例では、複数回の特別遊技の実行を、あたかも1回の特別遊技が継続しているかのように見せるための演出(以下では、「特殊演出」とも呼ぶ。)を提供する。これにより、1回の特別遊技が長期間、例えば32回の単位遊技に亘り継続するかのように遊技者に感得させることにより、1回の大当りによる出玉量を見かけ上多くし、遊技の興趣の向上させる。以下、このような遊技性を実現するための構成および処理について説明する。
図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。ぱちんこ遊技機10は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機10の遊技機枠は、外枠11、前枠12、透明板13、扉14、上球皿15、下球皿16、および発射ハンドル17を含む。外枠11は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機10を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠12は、外枠11の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠11へ開閉可能に取り付けられる。前枠12は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
透明板13は、ガラスなどにより形成され、扉14により支持される。扉14は、図示しないヒンジ機構により前枠12へ開閉可能に取り付けられる。上球皿15は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿16への遊技球の抜き取り等の機構を有する。下球皿16は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。上球皿15と下球皿16の間にはスピーカ18が設けられており、遊技状態などに応じた効果音が出力される。
遊技盤50は、外レール54と内レール56により区画された遊技領域52上に、アウト口58、第1特別図柄表示装置70、第2特別図柄表示装置71、演出表示装置60、第1始動入賞口62、第2始動入賞口63、センター飾り64、第1大入賞口91、第2大入賞口92、作動口68、一般入賞口72を含む。さらに遊技領域52には、図示しない複数の遊技釘や風車などの機構が設置される。なお、以下の説明において第1始動入賞口62と第2始動入賞口63とを特に区別しない場合には単に「始動入賞口」と表記し、第1大入賞口91と第2大入賞口92とを特に区別しない場合には単に「大入賞口」と表記する場合がある。
第1始動入賞口62は第1の遊技に対応する始動入賞口として設けられ、第2始動入賞口63は第2の遊技に対応する始動入賞口として設けられる。当否抽選は、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する抽選であり、第1始動入賞口62または第2始動入賞口63へ入球があるたびに実行される。第1始動入賞口62と第2始動入賞口63とは、遊技領域52のセンター飾り64の下方位置に上下に並ぶように配置されている。第1大入賞口91は、第1始動入賞口62および第2始動入賞口63に向けて打球された遊技球が入球し得る位置に設けられ、第2大入賞口92は、遊技領域52の右側を狙って比較的強めに発射したときに遊技球が入球し得る位置に設けられている。言い換えれば、第2大入賞口92は、第1始動入賞口62および第2始動入賞口63に向けて打球された遊技球が入球することは困難な位置に設けられている。
第1始動入賞口62は、始動入賞検出装置74を備える。始動入賞検出装置74は、第1始動入賞口62への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1始動入賞情報を生成する。第2始動入賞口63は、始動入賞検出装置75と、普通電動役物65と、普通電動役物65を開閉させるための普通電動役物ソレノイド76を備える。始動入賞検出装置75は、第2始動入賞口63への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2始動入賞情報を生成する。普通電動役物ソレノイド76の駆動力により普通電動役物65が拡開されると、第2始動入賞口63への入球容易性が高まる。また、時短中においては普通電動役物65の1回の開放時間が通常状態よりも長く設定されるので、遊技球は第2始動入賞口63に入球しやすくなる。
なお、本実施例では、図示のように普通電動役物65が拡開していない状態においては第2始動入賞口63がその直上の第1始動入賞口62によって遮蔽され、その入球が規制される態様となる。また、入球容易状態でない限り普通電動役物65の拡開頻度は低く、第2始動入賞口63への入球はほぼ期待できない。このように、非時短状態(非入球容易状態)において第2始動入賞口63へ入球させることは、第1始動入賞口62へ入球させるより困難となる。一方、時短状態になると、普通電動役物65が高頻度で、かつ、長く拡開されることにより第2始動入賞口63への入球容易性が高められ、第1始動入賞口62へ入球させるよりもむしろ第2始動入賞口63へ入球させる方が容易となる。このため、第2始動入賞口63の入球容易性が低い状態においては主に第1始動入賞口62へ入球させ、第2始動入賞口63の入球容易性が高められた状態においては主に第2始動入賞口63へ入球させる遊技性となる。
一般入賞口72は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置73を備える。一般入賞検出装置73は、一般入賞口72への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成する。
第1大入賞口91は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置78と、第1大入賞口91を開閉させるための大入賞口ソレノイド80を備える。入賞検出装置78は、第1大入賞口91への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1大入賞口入賞情報を生成する。第1大入賞口91は、通常単位遊技の実行時に開放される横長方形状の入賞口であり、遊技領域52の中央下部においてアウト口58の上方の位置に設けられている。第1大入賞口91は、第1特別図柄192が大当りを示す所定態様にて停止し、特別遊技へ移行されたときに開放状態にされる。
第2大入賞口92は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置79と、第2大入賞口92を開閉させるための大入賞口ソレノイド81を備える。入賞検出装置79は、第2大入賞口92への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2大入賞口入賞情報を生成する。第2大入賞口92は、特定単位遊技の実行時に開放される横長方形状の入賞口であり、アウト口58の右上方の位置、つまり遊技者がいわゆる右打ち等通常と異なる打ち方をしない限り遊技球が入球しない位置に設けられている。第2大入賞口92は、第2特別図柄193が大当りを示す所定態様にて停止し、特別遊技へ移行されたときに開放状態にされる。
遊技領域52の略中央には演出表示装置60が設けられ、遊技領域52の左下方には第1の遊技に対応する第1特別図柄表示装置70と、第2の遊技に対応する第2特別図柄表示装置71が設けられている。第1特別図柄表示装置70には第1の遊技に対応する第1特別図柄192の変動が表示され、第2特別図柄表示装置71には第2の遊技に対応する第2特別図柄193の変動が表示される。第1特別図柄192は第1始動入賞口62への遊技球の入球を契機として行われる第1の抽選の結果に対応した図柄であり、第2特別図柄193は、第2始動入賞口63への遊技球の入球を契機として行われる第2の抽選の結果に対応した図柄である。第1特別図柄192または第2特別図柄193の変動表示が停止されたときの図柄態様が大当りと定められた図柄であった場合、その停止図柄が表示されたタイミングが大当りの発生タイミングとなる。第1特別図柄表示装置70および第2特別図柄表示装置71は、例えば7セグメントLEDで構成される表示手段である。
演出表示装置60の表示領域194には第1特別図柄192に連動する装飾図柄190または第2特別図柄193に連動する装飾図柄190の変動が表示される。演出表示装置60は、たとえば液晶ディスプレイである。装飾図柄190は、第1特別図柄192で示される第1の抽選の結果表示または第2特別図柄193で示される第2の抽選の結果表示を視覚的に演出するための図柄である。演出表示装置60は、装飾図柄190として、例えばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄変動の動画像を表示領域194に表示する。演出表示装置60は、この実施例では液晶ディスプレイで構成されるが、機械式のドラムやLEDなどの他の表示手段で構成されてもよい。なお、第1特別図柄192および第2特別図柄193は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、本実施例では演出表示装置60の左下方の第1特別図柄表示装置70および第2特別図柄表示装置71にて目立たない大きさで表示させるが、特別図柄自体に演出的な役割をもたせて装飾図柄を表示させないような手法を採用する場合には、特別図柄を演出表示装置60のような液晶ディスプレイに表示させてもよい。
作動口68は、遊技盤50の左側方位置に設けられる。作動口68は、通過検出装置69を含む。通過検出装置69は、作動口68への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す作動口通過情報を生成する。作動口68への遊技球の通過は第2始動入賞口63の拡開機構を拡開させるか否かを決定する開放抽選の契機となる。作動口68を遊技球が通過すると、開放抽選の結果を示す図柄である普通図柄が普通図柄表示装置59に変動表示される。普通図柄表示装置59は第1大入賞口91の右方に設けられる。所定時間の経過後に普通図柄の変動表示が所定の当り態様にて停止すると、第2始動入賞口63の普通電動役物65が所定時間拡開する。通常状態においては、普通図柄が当り態様で停止する確率は低確率に設定されるが、時短中にはその確率が高確率に変動する。そのため、通常状態においては第2始動入賞口63の普通電動役物65が開放される確率も低いが、時短中にはその開放される確率が高くなる。また時短中においては、普通図柄の変動表示時間が短縮されるとともに、普通電動役物65が開放状態となる時間が相対的に長くなるよう設定される。このように、時短中以外は普通電動役物65が開放されにくいのに対し、時短中は普通電動役物65が開放されやすく、しかも開放される回数や開放時間も増加する。したがって、時短中であるか否かで第2始動入賞口63への入球容易性が大きく異なり、その結果時短中であるか否かによって始動入賞口への入賞に対する出玉に大きな差が生じる。時短中は遊技者が出玉をほとんど減らさずに遊技を進行させることができるので、時短中であるか否かに応じて異なる遊技性を実現することができる。このように、時短中は第1始動入賞口62を狙って打球するよりも第2始動入賞口63を狙って打球する方が入球可能性が高まるので、図柄変動および抽選の回数も多くすることができる。
演出表示装置60の周囲には、センター飾り64が設けられる。センター飾り64は、遊技球の流路、演出表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。遊技効果ランプ90がセンター飾り64の上部および下部に設けられ、点滅等することで演出の役割を果たす。第1の遊技に対応する第1特図保留ランプ20は第1特別図柄表示装置70の上方に設けられ、第2の遊技に対応する第2特図保留ランプ21は第2特別図柄表示装置71の上方に設けられ、普通図柄変動に対応する普図保留ランプ22は普通図柄表示装置59の下方に設けられる。第1特図保留ランプ20および第2特図保留ランプ21は、それぞれ2個のランプからなり、それぞれの点灯個数または点滅個数によって第1の遊技および第2の遊技のそれぞれにおける当否抽選値の保留数を表示する。本実施例では、第1の遊技における当否抽選値の保留数は最大4個であり、第2の遊技における当否抽選値の保留数もまた最大4個である。
第1特図保留ランプ20における当否抽選値の保留数は、第1特別図柄192の変動中、第1特別遊技の実行中、第2特別遊技の実行中のうちいずれかの間に第1始動入賞口62へ入賞した抽選結果の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。第2特図保留ランプ21における当否抽選値の保留数は、第2特別図柄193の変動中、第1特別遊技の実行中、第2特別遊技の実行中のうちいずれかの間に第2始動入賞口63へ入賞した抽選結果の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。普図保留ランプ22もまた2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄の変動中に作動口68を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。操作ボタン82は、遊技者が遊技機側所定の指示を入力するために操作するボタンである。操作ボタン82は、上球皿15近傍の外壁面に設けられる。
遊技者が発射ハンドル17を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿15に貯留された遊技球が1球ずつ内レール56と外レール54に案内されて遊技領域52へ発射される。遊技者が発射ハンドル17の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。本実施例では、その時間間隔が1分間あたり100球の遊技球が打ち出されるよう設計されている。遊技領域52の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車に当りながらその当り方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口72や第1始動入賞口62、第2始動入賞口63、第1大入賞口91、第2大入賞口92の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿15または下球皿16に払い出される。一般入賞口72等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口58に落入した遊技球はアウト球として処理される。なお、各入賞口は遊技球が通過するゲートタイプのものを含み、本願において「落入」「入球」「入賞」というときは「通過」を含むものとする。
遊技球が第1始動入賞口62に入球すると、第1特別図柄表示装置70において第1特別図柄192が変動表示され、演出表示装置60の表示領域194において装飾図柄190が変動表示される。遊技球が第2始動入賞口63に入球すると、第2特別図柄表示装置71において第2特別図柄193が変動表示され、演出表示装置60の表示領域194において装飾図柄190が変動表示される。第1特別図柄192、第2特別図柄193、装飾図柄190の変動表示は、表示に先だって決定された表示時間の経過後に停止される。停止時の第1特別図柄192または第2特別図柄193と装飾図柄190とが大当りを示す図柄である場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、第1大入賞口91または第2大入賞口92の開閉動作が開始される。大当りである場合、スロットマシンのゲームを模した装飾図柄190は、3つの図柄を一致させるような表示態様をとる。特別遊技においては、大入賞口が約30秒間開放された後、または10球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。このような大入賞口の開閉が所定回数(本実施例では最大16回)繰り返される。すなわち、大入賞口の開放開始から所定時間(30秒)または所定数(10球以上)の入球が特別遊技を構成する単位遊技の終了条件とされている。
特別遊技が終了した後の通常遊技においては、原則として、特定遊技の一つである変動時間短縮遊技(以下、適宜「時短」という)が開始される。変動時間短縮遊技においては、特別図柄および装飾図柄の変動時間が通常より短縮される。特別図柄および装飾図柄の変動時間は、所定の変動回数の変動表示がなされた後で元の変動時間に戻される。すなわち、時短は、所定の終期、例えば第1特別図柄192と第2特別図柄193の変動表示の合計が所定の終了条件回数、例えば100回に達するまで継続される。特別遊技が発生した場合であってそのときの当り停止図柄が特定の態様であった場合、特別遊技の終了後に特定遊技の一つである確率変動遊技(以下、適宜「確変」という)がさらに開始される。確率変動遊技においては、通常の確率状態より当りの確率が高い抽選が行われ、比較的早期に新たな特別遊技が発生する。
第1特別図柄192、第2特別図柄193および装飾図柄190の時短中は、特定遊技の一つである入球容易状態が実施される。入球容易状態は、普通図柄の時短、開放抽選の確率変動、普通電動役物65の開放延長が実施されることにより第2始動入賞口63への入球容易性が高められる状態である。普通図柄の時短は、普通図柄の変動時間が通常状態より短縮される状態である。開放抽選の確率変動は、開放抽選の当り確率を通常状態より高める状態である。普通電動役物65の開放延長は、普通電動役物65の開放時間を通常状態よりも長くする状態である。このように、入球容易状態においては、一定時間あたりの普通図柄の変動回数が通常状態よりも増加する可能性が高まる上、第2始動入賞口63への入球容易性も増すため、第2始動入賞口63への入球数が増加する可能性も高い。したがって、第1特別図柄192、第2特別図柄193および装飾図柄190の時短および入球容易状態により、その期間中は第2始動入賞口63への入球による賞球を得られる機会が増加する結果、持ち玉をほとんど減らさずに遊技し続けることが可能となる。
なお、本実施例における入球容易状態は、普通図柄の時短、開放抽選の確率変動、普通電動役物65の開放延長という3つの機能を用いて第2始動入賞口63への入球容易性を高める。ただし、変形例としては、これら3つの機能のうち、1つまたは2つの機能を用いて第2始動入賞口63への入球容易性を高める構成としてもよい。このように3つの機能のうち一部だけを用いても第2始動入賞口63への入球容易性を高めることは可能である。また、3つの機能のうち少なくともいずれかを、実施する期間と実施しない期間とで遊技状態に応じて切り替える構成としてもよい。
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。電源スイッチ40はぱちんこ遊技機10の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板102は、ぱちんこ遊技機10の全体動作を制御し、特に第1始動入賞口62や第2始動入賞口63へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板104は、液晶ユニット42を備え、演出表示装置60における表示内容や遊技効果ランプ90の点灯を制御し、特にメイン基板102による抽選結果に応じて表示内容を変動させ、その演出の進行に沿って可動役物140や遊技効果ランプ90の点灯を作動させる。メイン基板102およびサブ基板104は、遊技制御装置100を構成する。裏セット機構39は、賞球タンク44や賞球の流路、賞球を払い出す払出ユニット43等を含む。払出ユニット43は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク44から供給される遊技球を上球皿15へ払い出す。払出制御基板45は、払出ユニット43による払出動作を制御する。発射装置46は、上球皿15の貯留球を遊技領域52へ1球ずつ発射する。発射制御基板47は、発射装置46の発射動作を制御する。電源ユニット48は、ぱちんこ遊技機10の各部へ電力を供給する。
図3は、本実施例におけるぱちんこ遊技機10の機能ブロックを示す。ぱちんこ遊技機10において、遊技制御装置100は、第1始動入賞口62、第2始動入賞口63、第1大入賞口91、第2大入賞口92、一般入賞口72、作動口68、第1特別図柄表示装置70、第2特別図柄表示装置71、演出表示装置60、普通図柄表示装置59、操作ボタン82、スピーカ18、遊技効果ランプ90のそれぞれと電気的に接続されており、各種制御信号の送受信を可能とする。遊技制御装置100は、遊技の基本動作だけでなく、図柄変動表示や電飾等の演出的動作も制御する。遊技制御装置100は、遊技の基本動作を含むぱちんこ遊技機10の全体動作を制御するメイン基板102と、図柄の演出等を制御するサブ基板104とに機能を分担させた形態で構成される。遊技制御装置100は、ハードウエア的にはデータやプログラムを格納するROMやRAM、演算処理に用いるCPU等の素子を含んで構成される。
ただし、メイン基板102とサブ基板104の間におけるデータの送受信はメイン基板102からサブ基板104への一方向であるため、そのような一方向でのデータ送受信にて全体動作が実現されるよう各構成がメイン基板102とサブ基板104に配置される。このようにメイン基板102からサブ基板104へのデータ送信の一方向性が保たれるため、サブ基板104に含まれる構成からメイン基板102に含まれる構成へはデータを送信することができず、データ送信の要求もできない。したがって、メイン基板102で生成された情報は、メイン基板102がサブ基板104へ一方的に送信しない限りサブ基板104から参照することはできない。
本実施例におけるメイン基板102は、入球判定手段110、当否抽選手段112、図柄決定手段114、変動パターン決定手段115、保留制御手段116、メイン表示制御手段118、特別遊技制御手段120、特図調整手段156、特定遊技実行手段122、開閉制御手段124、特別遊技作動条件保持手段176を備える。本実施例におけるサブ基板104は、演出パターン記憶手段130、図柄態様決定手段131、演出決定手段132、演出動作制御手段134、特殊条件記憶手段202、特殊条件判定手段204を備える。なお、メイン基板102に含まれる各機能ブロックは、いずれかがメイン基板102ではなくサブ基板104に搭載されるかたちで構成されてもよい。同様に、サブ基板104に含まれる各機能ブロックは、いずれかがサブ基板104ではなくメイン基板102に搭載されるかたちで構成されてもよい。
入球判定手段110は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段110は、第1始動入賞情報を受け取ると遊技球が第1始動入賞口62に入賞したと判断し、第2始動入賞情報を受け取ると遊技球が第2始動入賞口63に入賞したと判断する。入球判定手段110は、第1大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が第1大入賞口91に入賞したと判断し、第2大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が第2大入賞口92に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口72に入賞したと判断する。入球判定手段110は、作動口通過情報を受け取ると遊技球が作動口68を通過したと判断する。
当否抽選手段112は、第1始動入賞口62への入球に対応する第1の抽選を実行する第1抽選手段161、第2始動入賞口63への入球に対応する第2の抽選を実行する第2抽選手段162、作動口68への入球に対応する普図抽選手段163を含む。第1の抽選の結果は、第1特別図柄表示装置70において第1特別図柄192の形で変動表示され、演出表示装置60の表示領域194において装飾図柄190の形で変動表示される。第2の抽選の結果は、第2特別図柄表示装置71において第2特別図柄193の形で変動表示され、演出表示装置60の表示領域194において装飾図柄190の形で変動表示される。第1抽選手段161および第2抽選手段162は、図柄変動を開始するにあたり、その図柄変動に対応する抽選の結果を演出決定手段132へ送信する。
第1抽選手段161は、第1始動入賞口62への入球を契機に、第1の抽選のために乱数の値を第1抽選値として取得する。第2抽選手段162は、第2始動入賞口63への入球を契機に、第2の抽選のために乱数の値を第2抽選値として取得する。なお、以下の説明において第1抽選値と第2抽選値とを特に区別しない場合には、両抽選値を適宜「当否抽選値」と総称する。
第1抽選手段161および第2抽選手段162は、それぞれ第1始動入賞口62、第2始動入賞口63への遊技球の入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するために乱数の値を当否抽選値として取得する。例えば、当否抽選値は「0」から「65535」までの値範囲から取得される。なお、本願にいう「乱数」は、数学的に発生させる乱数でなくてもよく、ハードウエア乱数やソフトウエア乱数などにより発生させる疑似乱数でもよい。当否抽選手段112は、当否判定で参照する当否テーブルを複数保持する。複数の当否テーブルには、当りまたは外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられた当りの範囲設定に応じて当否確率が定まる。
第1抽選手段161および第2抽選手段162は、通常状態では通常確率による当否判定のための当否テーブル(以下、適宜「通常当否テーブル」という)を参照し、確変状態では通常確率より当りの確率が高くなる当否テーブル(以下、適宜「確変当否テーブル」という)を参照する。本実施例では、通常当否テーブルにおいては当否抽選値が0〜199の範囲に該当したときにのみ大当りとなる。確変当否テーブルにおいては大当りの範囲が拡大され、当否抽選値が0〜199の範囲に該当する場合だけでなく、200〜1999の範囲に該当する場合にも大当りとなる。このように、大当りに該当する範囲は遊技状態に応じて変化する。
第1抽選手段161および第2抽選手段162は、複数の当否テーブルのうちいずれかを参照し、当否抽選値が当りであるか否かを判定する。第1抽選手段161による判定結果は第1特別図柄表示装置70において第1特別図柄192の形で変動表示され、第2抽選手段162による判定結果は第2特別図柄表示装置71において第2特別図柄193の形で変動表示される。また、当否抽選手段112による判定結果を演出的に示す装飾図柄が演出表示装置60において変動表示される。普図抽選手段163は、作動口68を遊技球が通過したときに抽選値を取得することにより抽選を実行する。普図抽選手段163による抽選の結果は、普通図柄表示装置59において普通図柄の形で変動表示される。
なお、第1抽選手段161および第2抽選手段162は、第1始動入賞口62または第2始動入賞口63への入球時にも、事前判定処理として、抽選値が当否判定におけるいずれの抽選値範囲に該当するかの事前当否判定を実行する。そして、その判定結果をサブ基板104(例えば特殊条件判定手段204)へ送信する。事前当否判定の結果は送信バッファに一時保存された後、事前当否判定の対象とした抽選値に対応する図柄変動表示が直ちに開始されるか否かにかかわらずサブ基板104へ送信されて、送信バッファから消去または後に上書きされる。そのため、サブ基板104側にとっては図柄変動開始の順番が巡ってくる前にあらかじめ当否結果を推測的に認識できる、いわゆる「先読み」と呼ばれる処理が実現される。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する当否判定を、特に事前当否判定と区別するために、「本判定としての当否判定」とも呼ぶ。
図柄決定手段114は、第1図柄決定手段164、第2図柄決定手段165、普図決定手段166を含む。第1図柄決定手段164は、第1特別図柄192を決定するための図柄抽選値を取得し、第1抽選手段161による当否判定結果と図柄抽選値とに応じて第1特別図柄192の停止図柄を決定する。第2図柄決定手段165は、第2特別図柄193を決定するための図柄抽選値を取得し、第2抽選手段162による当否判定結果と図柄抽選値とに応じて第2特別図柄193の停止図柄を決定する。停止図柄は、図柄変動の終了時に表示すべき図柄である。第1図柄決定手段164および第2図柄決定手段165は、それぞれ第1特別図柄192、第2特別図柄193の停止図柄を決定するために参照する図柄範囲テーブルを保持する。図柄決定手段114は、図柄変動を開始するにあたり、決定した停止図柄を示すデータをメイン表示制御手段118、図柄態様決定手段131、演出決定手段132へ送出する。
なお、第1図柄決定手段164および第2図柄決定手段165は、第1始動入賞口62または第2始動入賞口63への入球時にも、事前判定処理として、図柄抽選値がいずれの図柄範囲に該当するかの事前図柄判定を実行する。そして、その判定結果を、事前図柄判定の対象とした抽選値に対応する図柄変動表示が直ちに開始されるか否かにかかわらずサブ基板104(例えば特殊条件判定手段204)へ送信する。
第1図柄決定手段164および第2図柄決定手段165は、事前図柄判定において、特別図柄の停止図柄の範囲を決定するために参照する複数の事前図柄判定テーブルを保持する。第1図柄決定手段164および第2図柄決定手段165は、事前当否判定の結果が大当りの場合は、大当り用の事前図柄判定テーブルを参照して、図柄抽選値が属する図柄範囲を判定する。この大当り用の事前図柄判定テーブルは、複数種類の大当りと、各大当りに対応する図柄抽選値の範囲とを対応づけて定める。すなわち、事前当否判定の結果が大当りの場合、事前図柄判定の結果は大当りの種類を示す。したがって、上述の事前当否判定の結果および事前図柄判定の結果により、サブ基板104(例えば特殊条件判定手段204)は、将来時点での大当りの発生有無と、発生する大当りの種類を予め判定できる。
このように、本実施例の第1抽選手段161および第1図柄決定手段164は、第1始動入賞口62への入球時に、事前判定処理として、事前当否判定および事前図柄判定を実行する。同様に、本実施例の第2抽選手段162および第2図柄決定手段165は、第2始動入賞口63への入球時に、事前判定処理として、事前当否判定および事前図柄判定を実行する。そして、事前判定処理の結果データ(以下、「事前判定結果」とも呼ぶ。)として、当否範囲、図柄範囲のそれぞれを示すデータを設定してサブ基板104へ送信する。なお、本実施例における事前判定処理および本判定処理は、第1始動入賞口62および第2始動入賞口63への入球順に実行される。
普図決定手段166は、遊技球が作動口68を通過した場合に、普通図柄を決定するための抽選乱数を取得し、その抽選乱数に応じて普通図柄の停止図柄を決定する。停止図柄は、図柄変動の終了時に表示すべき図柄である。普図決定手段166は、普通図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルを保持する。決定された停止図柄が所定の図柄となった場合に普通図柄が当りに該当したと判定され、その停止図柄にて普通図柄の変動表示が停止された後に、開閉制御手段124が第2始動入賞口63の普通電動役物65を所定時間拡開する。
変動パターン決定手段115は、第1変動パターン決定手段167、第2変動パターン決定手段168、第1変動パターン記憶手段200、第2変動パターン記憶手段201を含む。第1変動パターン記憶手段200は、第1特別図柄192を変動表示させるときの変動開始から停止までの変動態様が定められた複数種の変動パターンを記憶する。第2変動パターン記憶手段201は、第2特別図柄193を変動表示させるときの変動開始から停止までの変動態様が定められた複数種の変動パターンを記憶する。複数種の変動パターンは、長短様々な変動時間をもつとともに、その変動時間にて複数の図柄で構成される装飾図柄による図柄変動も実行されることを前提として規定される。各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄および装飾図柄の変動が停止される。
第1変動パターン記憶手段200および第2変動パターン記憶手段201は、それぞれ変動パターンを決定するために参照すべき複数のパターン選択テーブルを保持する。複数のパターン選択テーブルには、複数の変動パターンと抽選値との対応関係としてそれぞれ異なる関係が定められている。
第1変動パターン決定手段167および第2変動パターン決定手段168は、それぞれ変動パターンを決定するためのパターン抽選値を取得する。第1変動パターン決定手段167および第2変動パターン決定手段168は、それぞれ遊技状態に応じたパターン選択テーブルにしたがい、当否抽選の結果とパターン抽選値に応じて複数種の変動パターンからいずれかの変動パターンを選択する。変動パターン決定手段115は、決定した変動パターンを示すデータをメイン表示制御手段118、図柄態様決定手段131、演出決定手段132へ送出する。
本実施例の第1変動パターン記憶手段200および第2変動パターン記憶手段201は、特別遊技の終了直後に実行される8回の図柄変動に亘る期間(以下、「限定期間」とも呼ぶ。)において、変動パターンを決定するための特殊パターン選択テーブルを保持する。特殊パターン選択テーブルは、第1の遊技における最大保留数と第2の遊技における最大保留数との合計回数内の図柄変動、すなわち限定期間においてのみ参照されるパターン選択テーブルであるとも言える。本実施例の特殊パターン選択テーブルは、1回の図柄の変動表示時間を一律に2秒と定める。この変動表示時間は、他の遊技状態で参照される他のパターン選択テーブルにおいて定められた平均変動表示時間、もしくは、特殊パターン選択テーブルの設定値とともに他のパターン選択テーブルの設定値も含めた平均変動表示時間よりも短い時間として定められたものであり、例えば1秒であってもよい。第1変動パターン決定手段167および第2変動パターン決定手段168は、限定期間においては特殊パターン選択テーブルを参照して、パターン抽選値に対応する変動パターンを選択する。この場合、いずれの変動パターンを選択しても、変動表示時間は2秒となる。
保留制御手段116は、第1保留手段169、第2保留手段170、普図保留手段171を含む。第1保留手段169は、第1抽選手段161により取得された当否抽選値(第1抽選値)を保留球として保持する。第2保留手段170は、第2抽選手段162により取得された当否抽選値(第2抽選値)を保留球として保持する。普図保留手段171は、普図抽選手段163により取得された当否抽選値を保留球として保持する。当否抽選値は、その保留数が所定の上限に達するまで蓄積される。いずれの当否抽選値についても保留数の上限は4である。
本実施例では、第1保留手段169に保留された抽選値と第2保留手段170に保留された抽選値とは、第1始動入賞口62および第2始動入賞口63への入球順に消化されて図柄変動が表示される。そのため、第1保留手段169および第2保留手段170は、入球順序の管理方法として、第1の抽選および第2の抽選の両方に亘る入球順序を示す情報を個々の抽選の結果とともに保持してもよい。入球順序を示す情報は、例えば合計8個中の何番目の入球かを示す情報であり、言い換えれば、図柄変動の開始順序を示す情報である。なお、他の記憶手段が入球順序情報を保持してもよい。
メイン表示制御手段118は、第1特図制御手段172、第2特図制御手段173、普図制御手段174を含む。第1特図制御手段172は、第1抽選手段161による抽選の結果として決定された変動パターンにしたがって第1特別図柄192の変動表示として第1特別図柄表示装置70に表示させる。第2特図制御手段173は、第2抽選手段162による抽選の結果として決定された変動パターンにしたがって第2特別図柄193の変動表示として第2特別図柄表示装置71に表示させる。第1特図制御手段172および第2特図制御手段173は、第1特別図柄192および第2特別図柄193の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出動作制御手段134へ送信する。これにより、メイン表示制御手段118および演出動作制御手段134による変動表示が同期し、連動が保たれる。普図制御手段174は、普図抽選手段163による抽選の結果を普通図柄の変動表示として普通図柄表示装置59に表示させる。
特別遊技作動条件保持手段176は、第1大入賞口91や第2大入賞口92の開放を伴う単位遊技を複数回含む特別遊技へ移行するための特別遊技作動条件を保持する。特別遊技作動条件は、当否抽選が特別遊技へ移行する旨を示す結果すなわち大当りとなり、その抽選に対応する図柄変動が停止したことを条件の内容とする。
特別遊技作動条件保持手段176は、特別遊技の終了後に確変状態へ移行させるための条件である確変特別遊技移行条件を保持する。確変特別遊技移行条件が成立するか否かは、当否抽選手段112による当否抽選の結果や図柄決定手段114が決定した特別図柄の種類によって判定される。
特別遊技制御手段120は、当否抽選手段112による当否抽選結果が特別遊技への移行を示す大当りであった場合に、特別遊技の実行処理を制御する。特別遊技は、大入賞口の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、複数回の単位遊技で構成される。特別遊技制御手段120は、単位遊技の継続回数が、大当りの種類に応じて定まる上限回数に達していなければ、現在の単位遊技の終了後に次の単位遊技を開始させ、1回の単位遊技において大入賞口を約30秒間開放させる。そして、上限回数の単位遊技を消化した場合に特別遊技を終了させる。
特定遊技実行手段122は、遊技状態を通常状態から特定遊技状態へ移行させる制御と、特定遊技状態から通常状態へ戻す制御を実行する。本実施例における特定遊技には、当否抽選の当選確率を通常確率の状態から高確率の状態へ切り替える確変と、図柄変動時間を通常時間より短時間へ切り替える時短とがある。
特定遊技実行手段122は、当否抽選値が確変状態へ移行すべき値であった場合に、特別遊技後の遊技状態を確変状態へ移行させる。確変状態は原則として次の大当りが発生するまで続行され、その間は当否抽選手段112による当り判定の確率が高い値のまま維持される。また、特定遊技実行手段122は、当否抽選値の如何に関わらず、特別遊技後に遊技状態を時短の状態へ移行させる。時短は、特別遊技後の特別図柄の変動回数が所定回数、例えば100回に至るまで継続される。ただし、確変中における時短は、確変と同様に次の大当りが発生するまで継続される。
開閉制御手段124は、第2始動入賞口63の普通電動役物65や第1大入賞口91、第2大入賞口92の開閉を制御する。開閉制御手段124は、普通図柄が特定の態様で停止されると、普通電動役物ソレノイド76に開放指示を送り、第2始動入賞口63の普通電動役物65を開放させる。開閉制御手段124は、特別遊技において、大入賞口ソレノイド80または大入賞口ソレノイド81に開放指示を送り、第1大入賞口91または第2大入賞口92を開放させる。また開閉制御手段124は、通常特別遊技後の確変状態および時短状態においては第2始動入賞口63の拡開機構を通常状態に比べて長い時間拡開させる開放延長を実行する。
特図調整手段156は、第1特別図柄192および第2特別図柄193のうち、一方を変動表示させる間は他方の変動表示の開始を待機させる。本実施例において、特図調整手段156は、第1特別図柄192の変動表示と第2特別図柄193の変動表示とを第1始動入賞口62および第2始動入賞口63への入球順に実行する。例えば、第1保留手段169および第2保留手段170に、抽選結果とともに保持された入球順序を参照して、次の図柄変動の対象とする抽選結果を決定してもよい。特図調整手段156は、第1特別図柄192および第2特別図柄193のうち、一方が当り態様で停止されたときは他方の変動表示の開始を待機させる。この場合、特別遊技を実行する間は特別図柄の変動表示は開始されないので、遊技者は特別遊技に集中することができる。
演出パターン記憶手段130は、装飾図柄190の変動において演出表示装置60に表示させる演出的な画像内容とその表示過程が定められた複数の演出パターンを保持する。演出パターンには、装飾図柄190の変動表示における変動開始から停止までの変動過程と演出過程が定められた複数の変動演出パターンと、装飾図柄の変動表示とは別に表示されて大当りへの期待度の高さを予告的に示唆する複数の予告演出パターンとが含まれる。
また、演出パターン記憶手段130は、特別遊技において演出表示装置60に表示させる大当り演出の画像内容とその表示過程が定められた複数の演出パターン(以下、「特別演出パターン」とも呼ぶ。)を保持する。特別演出パターンには、特別遊技の実行開始を示す演出であり、特別遊技の開始から大入賞口の最初の開放までの間に表示されるデモンストレーション演出(以下、「開始デモ演出」とも呼ぶ。)が含まれる。また、特別遊技の実行終了を示す演出であり、大入賞口の最後の閉鎖から特別遊技の終了までの間に表示されるデモンストレーション演出(以下、「終了デモ演出」とも呼ぶ。)も含まれる。
演出決定手段132は、通常演出決定手段133、特別演出決定手段135、賞球計数手段206を含む。通常演出決定手段133は、通常遊技中における当否抽選手段112による抽選の結果、特別図柄の停止図柄、特別図柄の変動パターンに応じて変動演出パターンを決定する。通常演出決定手段133は、変動演出パターンを決定するために参照すべきパターンテーブルを保持する。通常演出決定手段133は、決定した変動演出パターンおよび予告演出パターンを含む演出パターンを示す情報を演出動作制御手段134へ送る。
特別演出決定手段135は、当否抽選手段112による当否抽選の結果が大当りとなり特別遊技へ移行された場合、その特別遊技における特別演出パターンを決定する。特別演出決定手段135は、演出パターンを決定するために参照すべきパターンテーブルを保持する。特別演出決定手段135は、決定した演出パターンを示す情報を演出動作制御手段134へ送る。なお、特別演出決定手段135は、特別遊技のラウンド数を計数して、その計数結果を演出動作制御手段134へ送り、演出表示装置60に表示させる。
賞球計数手段206は、特別遊技において遊技者が獲得した賞球数、本実施例では第1大入賞口91もしくは第2大入賞口92への遊技球の入球に伴って払い出された賞球数を計数する。賞球計数手段206は、賞球数の計数結果を演出動作制御手段134へ送り、演出表示装置60に表示させる。なお、賞球計数手段206は、賞球数を示す情報をメイン基板102から受け付けて、その情報に基づき賞球数を判定してもよい。
変動演出パターンには、通常の外れの図柄組合せを表示するときのパターンと、あと一つ図柄が揃えば大当りとなるリーチ状態を経て外れの図柄組合せを表示するときのパターンと、リーチ状態を経て大当りの図柄組合せを表示するときのパターンが含まれる。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれる。各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段132は、特別図柄の変動パターンに応じて、変動時間が等しい演出画像の変動演出パターンを選択する。
図柄態様決定手段131は、装飾図柄の停止図柄の組合せとその配置を、当否抽選手段112による抽選の結果、特別図柄の停止図柄、特別図柄の変動パターン、装飾図柄の変動演出パターンに応じて決定する。図柄態様決定手段131は、決定した停止図柄の組合せを示す情報を演出動作制御手段134へ送信する。図柄態様決定手段131は、装飾図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルを保持する。
装飾図柄の停止図柄は、3つの図柄の組合せとして形成され、例えば当否抽選手段112による判定結果が特別遊技への移行(大当り)を示す場合は「777」や「111」のように3つの図柄が揃った組合せが選択される。この場合、装飾図柄として揃える数字には、特別図柄と同じ数字が選ばれるのが好ましい。例えば、特別図柄が「3」の場合は装飾図柄が「333」となる。当否抽選手段112による判定結果が特別遊技へ移行しない旨を示す場合は、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組合せが選択される。ただし、当否判定結果が特別遊技へ移行しない旨を示す場合であって、リーチ付きの外れを示す特別図柄の変動パターンや装飾図柄の変動演出パターンが選択された場合は、「191」や「727」のように一つだけ図柄が揃っていない組合せを選択する。
予告演出パターンは、特定のキャラクタやモチーフの画像、アニメーション、映像などを一時的に画面表示させる演出パターンや、特定の音声を出力する演出パターンである。予告演出パターンによる演出は、図柄変動と並行して実行され、その図柄変動が大当り態様にて停止する期待度が高いことを予告的に示唆する。例えば、キャラクタの画像を一つだけ画面に表示させるだけの通常予告演出や、多数のキャラクタの群れを画面の一端から他端へ通過させるように表示させる群予告演出がある。また、予告演出の表示過程を複数段階に分け、表示させる段階数を可変にして段階数が多いほど大当りへの期待度が高くなるように設定されるステップアップ予告演出がさらに含まれる。
予告演出パターンには、装飾図柄190の表示態様がリーチ状態となった後のタイミングで演出が実行されて図柄の最終的な停止態様を予告するパターンと、装飾図柄190が一つも停止していないタイミングで演出が実行されてリーチ状態となることを同時に予告するパターンとが含まれる。
演出決定手段132は、当否抽選の結果に応じて演出表示装置60に予告演出を表示させるか否かを所定の予告抽選により決定するとともに、表示させるべき予告演出パターンを決定する。演出決定手段132は、予告演出を表示させるか否かを決定するために参照すべき予告決定テーブルと、予告演出パターンの種類を選択するときに参照すべき予告種類テーブルとを保持する。予告決定テーブルは、当否抽選の結果に応じて異なる欄が参照されるように設定されており、当否抽選が当りの場合は外れの場合よりも高い確率で予告演出を表示させるよう、当否抽選の結果と予告演出を表示するか否かの対応関係が定められる。これにより、予告演出が表示されること自体で大当りへの期待度の高さを示唆することができる。
演出動作制御手段134は、当否抽選手段112による当否抽選の結果として、選択された変動演出パターンデータにしたがって演出表示装置60へ装飾図柄を含む演出画像を変動表示させる。また、予告演出を表示させる旨が演出決定手段132により決定された場合、選択された予告演出パターンにしたがった予告演出を演出表示装置60へ表示させる。演出動作制御手段134は、特別遊技について設定された特別演出パターンデータにしたがって、演出表示装置60へ演出画像を表示させる。演出動作制御手段134は、さらに遊技効果ランプ90の点灯および消灯などの演出処理を制御し、またスピーカ18からの音声出力などの演出処理を制御する。
次に、本実施例における特徴的な遊技の進行制御および演出制御について説明する。図4は、本実施例のぱちんこ遊技機10における大当りの種類を示す。大当りAおよび大当りBは、第2始動入賞口63への入球を契機とした第2抽選手段162による当否判定の結果が大当りとなり、第2図柄決定手段165により特定の停止図柄が決定されたことが発生条件となる。また、大当りAおよび大当りBでは、第2大入賞口92が開放されるため、遊技者は第2大入賞口92を狙っていわゆる右打ちを行う必要がある。その一方、大当りC,大当りD,および大当りEは、第1始動入賞口62への入球を契機とした第1抽選手段161による当否判定の結果が大当りとなり、第1図柄決定手段164により特定の停止図柄が決定されたことが発生条件となる。大当りC,大当りD,および大当りEでは、第1大入賞口91が開放される。
演出パターン記憶手段130は、大当りA〜Eのそれぞれについての特別演出パターンのデータを保持する。それぞれの特別演出パターンには、後述する特殊演出の未実行時に表示させるべき開始デモと終了デモとが初期値として予め設定されている。
本実施例では、短い間隔で複数の大当りが発生する場合に、それぞれの大当りに伴う特別遊技を、外観上、1つの特別遊技であるかのように見せる特殊演出を実行する。以下では説明の簡明化のため、複数の大当りとして2つの大当りを想定する。しかし、3つ以上の大当りが短い間隔で発生する場合も、同様の特殊演出により、これら3つ以上の大当りを1つの特別遊技であるかのように見せることができることは言うまでもない。また、2つの大当りのうち、時間軸上において先に発生する大当りを「先の大当り」とも呼び、時間軸上において後に発生する大当りを「後の大当り」とも呼ぶ。さらに、先の大当りに伴う特別遊技を「先の特別遊技」とも呼び、後の大当りに伴う特別遊技を「後の特別遊技」とも呼ぶ。特殊演出は、先の特別遊技が、その終了後も、後の大当りに亘って継続するように見せる演出であるとも言える。
本実施例において特殊演出の対象とする先の大当りは、確変への移行を伴う大当りAもしくは大当りBである。特殊演出の対象とする後の大当りもまた、大当りAもしくは大当りBである。すなわち、同一種類の大入賞口(第2大入賞口92)の開放契機となる大当りの組み合わせを特殊演出の実行条件とする。
本実施例の特殊演出には、先の特別遊技における終了デモ演出である特殊終了デモ演出と、先の特別遊技と後の特別遊技間の通常遊技における予告演出である特殊予告演出と、後の特別遊技における開始デモ演出である特殊開始デモ演出とが含まれる。また、特殊演出の種類として、先の特別遊技の終了後、確実に後の特別遊技が開始されることを示す確定演出と、50%等の所定確率で後の特別遊技が開始されることを示すチャンス演出とを含む。確定演出とチャンス演出は、演出画像の内容や音声出力の内容が互いに異なる。特殊終了デモ演出、特殊変動演出、および特殊開始デモ演出は、確定演出用とチャンス演出用のそれぞれが定められている。
演出パターン記憶手段130は、確定演出用の特殊終了デモ演出、確定演出用の特殊予告演出、確定演出用の特殊開始デモ演出それぞれのデータを保持する。また、チャンス演出用の特殊終了デモ演出、チャンス演出用の特殊変動演出、チャンス演出用の特殊開始デモ演出それぞれのデータも保持する。チャンス演出用の各データは、先の特別遊技が終了せずに継続することを示唆する内容が定められたものである。具体的には、特殊終了デモ演出との間で、演出内容(画像やアニメーション、音声等)に共通性を有し、外観上、一貫したストーリーを構成する特殊変動演出と特殊開始デモ演出が定められている。確定演出用の各データも同様であるが、先の特別遊技が終了せずに継続することを一層確定的に示す(例えば、確定的なメッセージ・画像を出力する)点でチャンス演出用のデータとは異なる。なお、いずれの特殊終了デモ演出においても、特別遊技が終了した旨のメッセージは表示されない、同様に、いずれの特殊開始デモ演出においても、特別遊技が開始した旨のメッセージは表示されない。
特殊予告演出は、上述した限定期間における予告演出でもある。したがって、特殊予告演出のデータにおいては、限定期間における第1特別図柄192および第2特別図柄193の変動時間にあわせて、予告演出の実行時間を平均実行時間よりも短く、本実施例では2秒に設定する。
本実施例の特殊演出には、先の特別遊技と後の特別遊技間の通常遊技における図柄変動演出である特殊変動演出がさらに含まれる。演出パターン記憶手段130は、この特殊変動演出のデータをさらに保持する。特殊変動演出のデータにおいては、装飾図柄190が、演出表示装置60の表示領域194の隅に配置され、また、他の変動演出における表示サイズよりも小さく表示される。すなわち、特殊変動演出のデータは、遊技者からの装飾図柄190の視認性を通常時よりも低下させるよう図柄変動演出の態様を定めたものである。なお、特殊予告演出のデータと同様に、装飾図柄190の変動時間を平均変動時間よりも短く、本実施例では2秒に設定する。
特殊条件記憶手段202は、特殊演出を実行する条件としての特殊演出実行条件を保持する。特殊演出実行条件は、大当りAもしくは大当りBに伴う特別遊技が実行中であること、かつ、当該特別遊技の終了時点において大当りAもしくは大当りBが最先の大当りとして保留されていることを条件の内容とする。
特殊条件判定手段204は、当否抽選手段112から送信された事前当否判定の結果を受け付けるとともに、図柄決定手段114から送信された事前図柄判定の結果を受け付ける。特殊条件判定手段204は、大当りAもしくは大当りBに伴う特別遊技において、当該特別遊技の終了直前までに受け付けた事前当否判定の結果および事前図柄判定の結果を参照して大当りの保留状況を確認して、特殊演出実行条件の成立有無を判定する。具体的には、事前当否判定の結果および事前図柄判定の結果の受付順、言い換えれば、これらの生成契機となった遊技球の入球順(保留順)に、大当りAもしくは大当りBの存在有無を判定する。
特殊条件判定手段204は、大当りAもしくは大当りBが最先の大当りとして保留されていると判定した場合、確定演出を実行するか否かを決定するための抽選値を取得する。この抽選値が所定の値範囲内の場合、所定の記憶領域に格納されるフラグデータであり、確定演出を実行させるための確定演出フラグをオンに設定する。その一方で、抽選値が所定の値範囲外である場合、所定の記憶領域に格納されるフラグデータであり、チャンス演出を実行させるためのチャンス演出フラグをオンに設定する。
また、特殊条件判定手段204は、保留された事前当否判定の結果が全て外れである場合、チャンス演出を実行するか否かを決定するための抽選値を取得する。この抽選値が所定の範囲内の場合、チャンス演出フラグをオンに設定する。その一方で、抽選値が所定の値範囲外である場合、いずれのフラグも設定せず、特殊演出を非実行とする。大当りAもしくは大当りBが最先の大当りとして保留されている場合にチャンス演出フラグをオンにする確率と、保留内容の全てが外れである場合にチャンス演出フラグをオンにする確率との関係により、チャンス演出時に後の大当りが発生する確率、言い換えればチャンス演出の信頼度が決定される。上述したように、本実施例では信頼度が50%に設定される。
演出決定手段132の通常演出決定手段133は、限定期間において確定演出フラグがオンの場合、特殊変動演出と、確定演出用の特殊予告演出を選択する。また、限定期間においてチャンス演出フラグがオンの場合、特殊変動演出と、チャンス演出用の特殊予告演出を選択する。なお、限定期間において確定演出フラグとチャンス演出フラグのいずれもがオフの場合、通常演出決定手段133は、通常の図柄変動演出と通常の予告演出を選択する。ただし、限定期間においては第1特別図柄192および第2特別図柄193の変動表示時間が短縮されるため、短縮された変動表示時間に対応する通常の図柄変動演出と通常の予告演出を選択する。
演出決定手段132の特別演出決定手段135は、確定演出フラグがオンの場合、先の特別遊技の終了デモ演出を、確定演出用の特殊終了デモ演出へ変更するとともに、後の特別遊技の開始デモ演出を、確定演出用の特殊開始デモ演出へ変更する。同様に、チャンス演出フラグがオンの場合、先の特別遊技の終了デモ演出を、チャンス演出用の特殊終了デモ演出へ変更するとともに、後の特別遊技の開始デモ演出を、チャンス演出用の特殊開始デモ演出へ変更する。また、特別演出決定手段135は、確定演出フラグまたはチャンス演出フラグがオンの場合、先の特別遊技からの累積ラウンド数を計数して、その計数結果を演出動作制御手段134へ送る。
演出決定手段132の賞球計数手段206は、確定演出フラグまたはチャンス演出フラグがオンの場合、先の特別遊技からの累積賞球数を計数して、その計数結果を演出動作制御手段134へ送る。
図5は、本実施例における特別遊技と演出との関係を模式的に示す。同図では、左から右へ時間が経過することとしている。図5の(a)は、従来機種での関係を示す。特別遊技の終了後には通常の演出、言い換えれば、特別遊技中の演出内容と一貫したストーリーを構成しない演出が実行され、3変動目に大当り変動としてスーパーリーチ変動等が実行されて大当りが発生し、特別遊技が開始される。この場合、特別遊技の終了後、短期間のうちに別の特別遊技が発生したとしても、これら2つの特別遊技を1つの特別遊技として遊技者は認識しにくい。
図5の(b)は、本実施例のぱちんこ遊技機10において特殊演出が非実行の場合を示す。特別遊技後の限定期間(8回の図柄変動が終了するまでの期間)には、特殊パターン選択テーブルが選択されて、1回当りの図柄変動の表示時間が短縮される。限定期間の終了後は、通常のパターン選択テーブルが選択されるため、図柄変動の表示時間も元に戻る。
図5の(c)は、本実施例のぱちんこ遊技機10において特殊演出が実行される場合を示す。本実施例の特殊演出では、特殊終了デモ演出〜特殊予告演出〜特殊開始デモ演出の一連の実行により、先の特別遊技から後の特別遊技に亘る演出において一貫したストーリーが構築され、先の特別遊技が終了せずに後の特別遊技に亘り継続しているかのごとく遊技者に感得させることができる。なお、図5の(c)では、後の特別遊技の終了後、短縮演出を実行することとしているが、特殊演出実行条件が再度成立した場合は、ここでも特殊演出を実行することになる。
図5の(d)は、本実施例のぱちんこ遊技機10において特殊演出が実行される場合を示す。同図では、いわゆるガセ演出としての特殊演出を示している。すなわち、限定期間中は特殊変動演出および特殊予告演出が表示されるものの後の大当りは発生せず、限定期間の終了に伴い特殊演出も終了する。このように、信頼度が100%未満(本実施例では50%)のチャンス演出を設けることにより、遊技者の期待感を煽り、遊技の興趣を一層高めることができる。
図6は、本実施例における特殊演出の表示画面を示す。図6の(a)〜(e)は、図5の(c)に対応する。図6の(a)は、先の特別遊技における特殊終了デモ演出の表示内容を示しており、先の特別遊技における最終ラウンドである「16ラウンド」と、先の特別遊技における獲得出玉「2500」が表示されている。また、味方キャラクタと敵キャラクタが表示されている。図6の(b)は、先の特別遊技終了後の通常遊技における1変動目を示し、図6の(c)は、先の特別遊技終了後の通常遊技における2変動目を示す。特殊変動演出として、装飾図柄190の変動は、演出表示装置60の表示領域194の隅に小さく表示される。また、特殊予告演出として、図6(a)と同一のキャラクタによるバトル演出が表示される。これにより、先の特別遊技が終了することなく継続していることを遊技者に示唆する。
図6の(d)は、先の特別遊技終了後の通常遊技における3変動目を示しており、いわゆる当り変動としての特殊演出が表示されている。すなわち、特殊変動演出として、装飾図柄190の停止図柄が揃って大当りを示しており、特殊予告演出として、味方キャラクタの勝利を示している。図6の(e)は、後の特別遊技における特殊開始デモ演出を示す。図6の(e)では、先の特別遊技からの累積ラウンド数「17ラウンド」と、先の特別有利からの獲得出玉の累積「2500」が表示されている。また図6の(e)と共通するキャラクタが表示される。これにより、あたかも先の特別遊技が、バトル演出を挟んでそのまま延長されているかのごとく遊技者に感得させやすくなる。
すなわち、本実施例の特殊演出においては、(1)先の特別遊技の演出内容と一貫したストーリーを構成する特殊予告演出を表示させ、(2)図柄変動の視認性を低下させた特殊変動演出を表示させ、(3)特殊パターン選択テーブルへの切替により図柄変動の表示時間を短縮し、(4)先の特別遊技で開放される大入賞口と、後の特別遊技で開放される大入賞口を一致させ、(5)先の特別遊技から後の特別遊技に跨っての累積賞球数・累積ラウンド数を表示させる。これにより、複数の特別遊技を1つの特別遊技であるかのように遊技者に認識させやすくする。例えば、2つの大当りAによる2つの16ラウンド特別遊技が、1つの32ラウンド特別遊技であるかのように遊技者に感得させることにより、1回の大当りによる出玉量を見かけ上多くし、遊技の興趣の向上させる。
また、特殊演出の契機となる大当りAおよび大当りBに伴う特別遊技では遊技者は右打ちを行う必要がある一方で、第1始動入賞口62および第2始動入賞口63は中央に配置されている。このため、大当りAおよび大当りBに伴う特別遊技中の始動入賞口への入球数は抑制されやすくなる。これにより、通常の特別遊技の実行期間に対してその数倍を超えるレベルの、あまりにも長期間に亘り、1つの特別遊技が継続するかのような特殊演出は回避しやすくなる。
以上の構成による動作および制御の過程を以下説明する。
図7は、ぱちんこ遊技機における基本的な動作過程を示すフローチャートである。まず、遊技球が第1始動入賞口62、第2始動入賞口63、一般入賞口72、第1大入賞口91、第2大入賞口92などへ入賞した場合の処理を実行し(S10)、通常遊技中であれば(S12のY)、図柄変動などの通常遊技の制御処理を実行し(S14)、通常遊技中でなければ(S12のN)、特別遊技の制御処理を実行する(S16)。その後、S10の入賞処理においてセットされた賞球数にて各種入賞に応じた賞球払出を処理する(S18)。
図8は、図7におけるS10の入賞処理を詳細に示すフローチャートである。第1始動入賞口62または第2始動入賞口63に入球があった場合(S20のY)、始動入賞口に対応する賞球数をセットする(S22)。第1始動入賞口62への入球であれば第1保留手段169による保留数が4未満であるか否かを参照し、第2始動入賞口63への入球であれば第2保留手段170による保留数が4未満であるか否かを参照し、それぞれにさらなる保留が可能な状態であれば(S24のY)、当否抽選値を取得する(S26)。そして、その当否抽選値に基づいて当否判定する事前判定処理を実行し(S28)、当否抽選値を第1保留手段169または第2保留手段170に保留する(S30)。S20において第1始動入賞口62または第2始動入賞口63への入球がない場合はS22からS30までの処理をスキップする(S20のN)。S24において保留数が上限に達していてさらなる保留が不可能な場合はS26からS30までの処理をスキップする(S24のN)。以上のS20からS30までの処理が始動入賞口への入球に対する入賞処理である。
なお、本実施例では第1の遊技(第1抽選手段161と第1図柄決定手段164)と第2の遊技(第2抽選手段162と第2図柄決定手段165)の双方において事前判定として当否判定を実行する例としているが、変形例としては第1の遊技における事前判定と第2の遊技における事前判定とを異なる態様としてもよい。例えば、当否判定、図柄決定、パターン決定のうちいずれを事前判定として実行するかについての態様を第1の遊技と第2の遊技とで相違させてもよい。または、いずれか一方のみが事前判定を実行してその判定結果を送信する態様としてもよいし、確変中か否かといった遊技状態に応じていずれが事前判定を実行するかを切り替えてもよい。あるいは、第1の遊技と第2の遊技の双方において遊技状態に応じて事前判定を実行するか否かを決定する態様としてもよい。また、メイン基板102が事前判定結果をサブ基板104に送信しつつ、サブ基板104側で遊技状態に応じてその判定結果を利用するか否かを切り替えてもよい。
一般入賞口72に入球があった場合は(S32のY)、一般入賞口72に対応する賞球数をセットし(S34)、一般入賞口72への入球がないときはS34をスキップする(S32のN)。第1大入賞口91または第2大入賞口92に入球があった場合は(S36のY)、第1大入賞口91または第2大入賞口92に対応する賞球数をセットする(S38)。また、演出決定手段132は、演出表示装置60に表示中の獲得賞球数を更新する(S39)。第1大入賞口91および第2大入賞口92への入球がないときはS38およびS39をスキップする(S36のN)。
図9は、図8におけるS28の事前判定処理を詳細に示すフローチャートである。まず、事前当否判定テーブルを参照して事前当否判定を実行し(S40)、その判定結果として当否範囲を示す値を設定し(S42)、事前図柄判定テーブルを参照して事前図柄判定を実行し(S44)、その判定結果として図柄範囲を示す値を設定する(S46)。メイン基板102の当否抽選手段112および図柄決定手段114は、以上のように事前判定結果の値を設定すると、保留される当否抽選値の種別(第1当否抽選値であるか第2当否抽選値か)を示す情報や、保留の個数を示す入賞情報とともに事前判定結果を特殊条件判定手段204へ送信する。具体的には、送信バッファに一時保存されて、サブ基板104側へ送信される(S52)。
図10は、図7におけるS14の通常遊技制御処理の全体的な過程を示すフローチャートである。この通常遊技制御処理では、メイン基板102における特別図柄変動処理の実行と(S152)、サブ基板104における装飾図柄変動処理の実行とが(S154)、繰り返し処理されることとなる。
図11は、図10におけるS152の特別図柄変動処理の実行処理を詳細に示すフローチャートである。まだ図柄変動表示が開始されておらず(S60のN)、第1保留手段169または第2保留手段170により抽選値が保留され(S62のY)、第2保留手段170による保留が第1保留手段169による保留以前になされた場合(S63のY)、第2抽選手段162は第2保留手段170から抽選値を読み出して、第2の遊技における当否を判定する(S64)。第2図柄決定手段165は、第2特別図柄193を決定する(S66)。第2変動パターン決定手段168は、パターン選択テーブルの選択処理を実行し(S67)、選択したテーブルを参照して第2特別図柄193の変動パターンを決定する(S68)。そして、決定した結果とともに変動開始コマンドをサブ基板104へ送信するとともに、第2特別図柄193の図柄変動を開始する(S77)。
第1保留手段169による保留が第2保留手段170による保留以前になされた場合(S63のN)、第1抽選手段161は第1保留手段169から抽選値を読み出して、第1の遊技における当否を判定する(S72)。第1図柄決定手段164は、第1特別図柄192を決定する(S74)。第1変動パターン決定手段167は、パターン選択テーブルの選択処理を実行し(S75)、選択したテーブルを参照して第1特別図柄192の変動パターンを決定する(S76)。そして、決定した結果とともに変動開始コマンドをサブ基板104へ送信するとともに、第1特別図柄192の図柄変動を開始する(S77)。第1保留手段169と第2保留手段170のいずれにおいても抽選値の保留がなされていない場合はS63からS77までの処理をスキップする(S62のN)。
すでに図柄変動表示が開始されている場合(S60のY)、特別図柄の図柄変動表示を処理し(S78)、所定の変動時間が経過して図柄表示の停止タイミングに達したときは(S80のY)、変動停止コマンドをサブ基板104へ送信して表示中の図柄変動をあらかじめ決定された停止図柄にて停止し(S82)、本図のフローを終了する。図柄表示の停止タイミングに達していない場合はS82の処理をスキップして本図のフローを終了する(S80のN)。
図12は、図11におけるS67およびS75のテーブル選択処理を詳細に示すフローチャートである。特別遊技終了後の限定期間においては(S84のY)、第1変動パターン決定手段167および第2変動パターン決定手段168は、複数種類のパターン選択テーブルのうち、図柄変動の表示時間が平均変動時間よりも短く設定された特殊パターン選択テーブルを選択する(S86)。限定期間外であれば(S84のN)、特殊パターン選択テーブルとは異なる通常のパターン選択テーブルを選択する(S88)。
図13は、図10におけるS154の装飾図柄変動処理の実行処理を詳細に示すフローチャートである。サブ基板104の演出決定手段132がメイン基板102から変動開始コマンドを受信した場合(S180のY)、受信した特別図柄の停止図柄、変動パターン、当否判定結果に応じて装飾図柄の停止態様を決定し(S182)、変動演出パターンを決定する。すなわち、確定演出フラグがオンであれば(S184のY)、確定演出用の特殊予告演出パターンを選択するとともに(S186)、特殊変動演出パターンを選択する(S188)。
また、確定演出フラグがオフで(S184のN)、チャンス演出フラグがオンであれば(S190のY)、チャンス演出用の特殊予告演出パターンを選択するとともに(S192)、特殊変動演出パターンを選択する(S188)。チャンス演出フラグもオフであれば(S190のN)、特殊演出とは異なる通常の変動演出パターンを選択するとともに(S194)、特殊演出とは異なる通常の予告演出パターンを選択する(S196)。その後、装飾図柄の変動表示を開始する(S202)。メイン基板102から変動開始コマンドを受信しなかった場合はS182からS202をスキップする(S180のN)。
図14は、図13の後続処理を示すフローチャートである。すでに装飾図柄の変動表示が開始済みであれば(S210のY)、その図柄変動や予告演出の表示処理を実行し(S212)、メイン基板102から変動停止コマンドを受信したときは(S214のY)、図13のS182で決定された停止態様にて装飾図柄を停止表示させることで図柄変動表示を停止する(S216)。特別遊技終了後において8回の図柄変動、すなわち保留の上限数分の図柄変動が終了すると(S220のY)、演出決定手段132は、チャンス演出フラグをオフに設定する(S222)。特別遊技終了後において8回の図柄変動が未終了であれば(S220のN)、S222をスキップする。変動停止コマンドをメイン基板102から受信していないときはS216からS222をスキップし(S214のN)、変動表示が開始済みでないときはS212からS222をスキップする(S210のN)。
図15は、図7におけるS16の特別遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。当否抽選の結果が大当りであった場合(S90のY)、すでに特別遊技が開始済みであって(S92のY)、大入賞口66が開放済でなければ(S98のN)、大入賞口66の開放処理を実行する(S100)。このとき、設定された大当り演出の表示も開始する。大入賞口66が開放済みであれば(S98のY)、大入賞口66の閉鎖処理を実行する(S102)。その結果、大入賞口66が閉鎖状態になっていれば(S104のY)、S106へ移行する。閉鎖状態でなければ(S104のN)、S106以降の処理をスキップして本処理を一旦終了する。一方、S92において特別遊技が開始済みでない場合は(S92のN)、特別遊技を開始して(S94)、後述の開始時処理を実行し(S95)、開始デモ演出の表示を開始し(S96)、本処理を一旦終了する。
S106においては、特別遊技中の演出であるデモ演出中であるか否かを判定する。なお、ここでいう「デモ演出」は、開始デモ演出および終了デモ演出を含む。デモ演出中でなければ(S106のN)、後述する終了フラグを参照して特別遊技終了条件が満たされるか否かを判定する。特別遊技終了条件が満たされていれば(S110のY)、後述の先読み処理を実行し(S111)、終了フラグをオフにしたうえで(S112)、終了デモ演出の表示を開始する(S114)。特別遊技終了条件が満たされていなければ(S110のN)、本処理を一旦終了する。S106にてデモ演出中であると判定され(S106のY)、終了デモ演出が終了した場合(S116のY)、特別遊技を終了し(S118)、特定遊技、すなわち確変、時短、および入球容易状態を開始する(S120)。終了デモ演出が終了していない場合は(S116のN)、S118およびS120の処理をスキップする。大当りでない場合は(S90のN)、S92以降のフローをスキップする。
図16は、図15におけるS95の開始時処理を詳細に示すフローチャートである。確定演出フラグがオンの場合(S210のY)、演出決定手段132は、特別遊技に初期設定された開始デモを確定演出用の特殊開始デモ演出へ切り替える(S212)。さらに、表示用の賞球数データとして先の特別遊技からの累積賞球数を設定し、表示用のラウンド数データとして先の特別遊技からの累積ラウンド数を設定し(S214)、確定演出フラグをオフに戻す(S216)。確定演出フラグがオフで(S210のN)、チャンス演出フラグがオンの場合(S218のY)、演出決定手段132は、特別遊技に初期設定された開始デモをチャンス演出用の特殊開始デモ演出へ切り替える(S220)。さらに、表示用の賞球数データとして先の特別遊技からの累積賞球数を設定し、表示用のラウンド数データとして先の特別遊技からの累積ラウンド数を設定し(S222)、チャンス演出フラグをオフに戻す(S224)。チャンス演出フラグもオフの場合(S218のN)、演出決定手段132は、開始デモの内容を変更することなく、表示用の賞球数データおよびラウンド数データに初期値(例えば、賞球数0、1ラウンド)を設定する(S226)。
図17は、図15におけるS100の開放処理を詳細に示すフローチャートである。設定された開閉パターンに基づく大入賞口66の開放タイミングとなったとき(S122のY)、開閉制御手段124は、通過フラグを一律にオフにするとともに開閉パターンの動作を設定し(S124)、大入賞口66を開放させる(S126)。また、現在の単位遊技の繰り返し回数に対応した大当り演出、または繰り返し回数が異なる回数になることに対応した大当り演出を設定して開始する。開放タイミングでないときは(S122のN)、S124およびS126の処理をスキップする。
図18は、図15におけるS102の閉鎖処理を詳細に示すフローチャートである。設定された開閉パターンに基づく大入賞口66の閉鎖タイミングとなったとき、開閉制御手段124は大入賞口66を閉鎖させる。すなわち、特別遊技中において、入球数による終了条件が満たされるか(S130のY)、入球数による終了条件が満たされなくとも(S130のN)、開放時間による終了条件が満たされれば(S132のY)、大入賞口66を閉鎖する(S134)。開放時間による終了条件も満たされなければ(S132のN)、S134以降のフローをスキップする。
なお、16ラウンド大当り(例えば大当りA)における入球数による終了条件は大入賞口66への10球以上の入球であり、開放時間による終了条件は、大入賞口66の開放開始から開閉パターンに沿った設定時間の経過である。16ラウンド大当りの場合は、その開放開始から30秒の経過である。このとき、継続上限回数に達していれば(S136のY)、終了フラグをオンにする(S138)。継続上限回数に達していなければ(S136のN)、S138の処理をスキップする。16ラウンド大当りの場合の継続上限回数は16回であり、8ラウンド大当り(例えば大当りB)の場合の継続上限回数は8回である。入球数による終了条件および開放時間による終了条件のいずれも満たされていなければ(S130のN,S132のN)、S134以降の処理をスキップする。
図19は、図15におけるS111の先読み処理を詳細に示すフローチャートである。実行中の特別遊技が所定の先の大当り(大当りAもしくは大当りB)の発生を契機とする特別遊技であった場合(S230のY)、特殊条件判定手段204は、事前判定結果を参照して、大当りの保留状況を判定する。所定の後の大当り(大当りAもしくは大当りB)が保留され、複数の大当りが保留されている場合には最先の大当りが後の大当りであるとき(S232のY)、特殊条件判定手段204は、確定演出の実行有無を決定するための抽選を実行する。確定演出に当選した場合は(S234のY)、確定演出フラグをオンに設定する(S236)。これに伴って、演出決定手段132は、特別遊技に初期設定された終了デモを確定演出用の特殊終了デモ演出へ切り替えるとともに(S238)、ラウンド数および賞球数を所定の記憶領域へ一時的に格納する(S240)。
確定演出に当選しなかった場合は(S234のN)、チャンス演出フラグをオンに設定する(S242)。これに伴って、演出決定手段132は、特別遊技に初期設定された終了デモをチャンス演出用の特殊終了デモ演出へ切り替えるとともに(S244)、ラウンド数および賞球数を所定の記憶領域へ一時的に格納する(S240)。後の大当りが最先に保留されておらず(S232のN)、保留球の全てが外れの場合(S246のY)、チャンス演出の実行有無を決定するための抽選を実行する。チャンス演出に当選した場合は(S248のY)、S242以降の処理を実行する。チャンス演出に当選しなかった場合は(S248のN)、本図のフローを終了する。保留内の最先の大当りが後の大当りとは異なる大当り(大当りC〜E)である場合(S246のN)、および、実行中の特別遊技が先の大当りにもとづく特別遊技でなかった場合も(S230のN)、本図のフローを終了する。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例はあくまで例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
第1の変形例を説明する。上記実施例では特殊演出実行条件として、先の大当りおよび後の大当りが大当りAもしくは大当りBであることとした。変形例としては、同じ特別演出を実行する大当りAであっても、特殊演出の対象とする大当りA−α群と、特殊演出の対象外とする大当りA−β群とに細分化してもよい。同様に、同じ特別演出を実行する大当りBであっても、特殊演出の対象とする大当りB−α群と、特殊演出の対象外とする大当りB−β群とに細分化してもよい。また、大当りA(大当りB)がα群とβ群のいずれであるかは、図柄抽選値が属する値範囲により識別されてもよい。
第1の変形例では、特殊条件判定手段204は、先の大当りが大当りA−α群もしくは大当りB−β群であり、かつ、後の大当りも大当りA−α群もしくは大当りB−β群である場合に、特殊演出実行条件が成立したと判定する。この変形例によれば、遊技者からは同じ種類の大当りに見えても、あるときには特殊演出が実行される一方で、別のときには特殊演出が非実行になるため、単調な遊技性を一層回避しやすくなり、遊技の興趣を高めることができる。
第2の変形例を説明する。上記実施例では、特殊条件判定手段204は、特殊演出実行条件の成立有無を特別遊技における終了デモ演出の開始時点で判定した。変形例としては、特殊演出実行条件の成立有無を特別遊技における開始デモ演出の実行時点(開始時点・実行中・終了時点)で判定してもよく、所定ラウンドの単位遊技の実行時点(開始時点・実行中・終了時点)で判定してもよく、終了デモ演出の実行中や終了時点で判定してもよい。
例えば、特殊演出実行条件の成立有無を開始デモ演出の実行時点で判定する場合、その判定結果に応じて、その時点以降の特別演出を変更してもよい。具体的には、先の特別遊技の開始デモ演出の実行時点で特殊演出実行条件が成立している場合、先の特別遊技の終了デモ演出に加えて、単位遊技中の演出内容を特殊演出用の演出内容に切り替えてもよい。開始デモ演出の開始時点に判定する場合はさらに、先の特別遊技における開始デモ演出の内容を特殊演出用の演出内容に切り替えてもよい。なお、特殊演出用の演出内容は、特別遊技の単位遊技が上限回数を超えて実行されることを示唆し、もしくは確定的に示す内容であってもよい。
第3の変形例を説明する。上記実施例では言及していないが、特殊条件判定手段204は、特殊演出実行条件の成立有無を判定する時点では非確変状態であっても、確変当否テーブルの設定内容および確変時に参照される図柄範囲テーブルの設定内容を参照して、特殊演出実行条件の成立有無を判定してもよい。なお、特殊演出の対象である大当りAおよび大当りBは確変への移行を伴うものであるため、常に、確変当否テーブルの設定内容および確変時に参照される図柄範囲テーブルの設定内容を参照してもよい。これにより、大当りの保留状況を一層適切に判定でき、特殊演出実行条件の成立有無を一層適切に判定できる。
上述した実施例および変形例の任意の組み合わせもまた本発明の実施の形態として有用である。組み合わせによって生じる新たな実施の形態は、組み合わされる実施例および変形例それぞれの効果をあわせもつ。
請求項に記載の各構成要件が果たすべき機能は、実施例および変形例において示された各構成要素の単体もしくはそれらの連係によって実現されることも当業者には理解されるところである。例えば、請求項に記載の「特殊変動演出パターン」は、実施例に記載の特殊変動演出パターンと、特殊予告演出パターンとの組み合わせにより実現されてもよい。