JP5047816B2 - プラスチック光ファイバテープ - Google Patents
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Description
上記プラスチック光ファイバテープは、内視鏡や光センサとしての医療分野、あるいは監視カメラや光センサとしての計測分野で使用されるイメージ光ファイバや先端部に超小型カメラを取り付けたケーブル或いはセンシング用光ファイバ等の線状物の先端部の先方を照明するライトガイドなどとして使用されている。
殊に摺動を伴う部位で使用される場合では、プラスチック光ファイバテープにおいても、銅箔をエッチングした回路を、 絶縁特性や耐熱性に優れた樹脂でサンドイッチした構造の、繰り返し屈曲のあるいわゆるフレキシブルプリント配線板のような使われ方が要求される。
例えば、前記特許文献1においては、鞘成分がポリ弗化ビニリデン系共重合体からなり該鞘が相互に融着されていることを特徴とするプラスチック光ファイバシートが提案されており、表1にフィラメント間融着幅が大きいほど引張強力にすぐれ小さいほど耐屈曲性にすぐれることが開示されているが、耐屈曲性の判断基準に関する記載は無く繰り返し屈曲に対する耐性についての記載もない。また、本発明者が、特許文献1記載の構造のプラスチック光ファイバシート(芯はポリメチルメタクリレートで直径230μm、鞘層はビニリデンフロライド80モル%とテトラフロロエチレン20モル%の共重合体で厚み10μmの16芯構造)を作成し、後述する実施例記載の方法で屈曲試験を行ったところ1万回で0.5dBmの減衰を示し改良すべき点があった。
一方、プラスチック光ファイバケーブルにおいて、ビニリデンフロライド構造単位を50重量%以上含有するビニリデンフロライド系樹脂にカーボンブラックを添加した被複樹脂組成物を鞘層の外側に3μm〜300μmの厚さで密着被覆してなる光遮蔽層を有するプラスチック光ファイバが提案されている(特許文献3参照)。
本発明の三は、本発明の一のプラスチック光ファイバテープを通信媒体とし、発光ダイオードアレイ又はレーザアレイを発光素子として、フォトダイオードアレイを受光素子とした光伝送装置である。
上記プラスチック光ファイバにおいて、芯はポリメチルメタクリレート(以下、「PMMA」ともいう。)系樹脂が好ましい。本発明でいうところのポリメチルメタクリレート系樹脂とは、モノマー成分としてメタクリル酸メチルを80質量%以上含有する透明な重合体であり、メタクリル酸メチルの単独重合体の他に、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリル酸、メタクリル酸、及びマレイミドからなる群から選択されるー成分以上とメタクリル酸メチルとの共重合体を意味する。
が、230℃、荷重3.8Kg、オリフィスの直径2mm、長さ8mmの条件で、0.1
〜45g/10分の範囲のものを好ましく使用することができる。
上記プラスチック光ファイバは、芯を取り囲み該芯を構成するポリメチルメタクリレート系樹脂よりも屈折率の低い透明樹脂からなる少なくとも1層以上の鞘層を有する。
鞘層を構成する透明樹脂としては、ビニリデンフロライド系樹脂、例えばビニリデンフロライドとテトラフロロエチレンの共重合体やビニリデンフロライドとヘキサフロロプロペンの共重合体、ビニリデンフロライドとテトラフロロエチレンとヘキサフロロプロペンの共重合体などが好ましく用いられる。そのほか、フルオロアルキルメタクリレ−ト系樹脂も鞘樹脂として好ましい。フルオロアルキルメタクリレートとしては下記一般式(1)で示される化合物であり、当該一般式で示されるフルオロアルキルメタクリレートモノマーの1種類以上と、他の共重合可能なフルオロアルキルアクリレートやアルキルメタクリレートやアルキルアクリレートなどとの共重合体である。中でも、ビニリデンフロライド成分が40〜62モル%、テトラフロロエチレン成分が28〜40モル%、ヘキサフロロプロペン成分が8〜22モル%からなる共重合体は曲げ弾性率が小さく好ましい。
該樹脂組成物として特に好ましいものは、ビニリデンフロライド系樹脂の中にカーボンブラックを均一に添加した樹脂であり、ビニリデンフロライド系樹脂としてはショアD硬度が55以上の樹脂がよい。ここで、ショアD硬度は、ASTM D2240を用いて測定される値である。
これらの製造方法の中でも、プラスチック光ファイバテープを一段の複合紡糸により製造する方法が好ましく、特許文献1記載のように、複合紡糸ダイで複数本のプラスチック光ファイバを同時に紡糸し、U字状のリングからなる集合ガイドに集合させテープ状に融着させ、その後、延伸熱処理して製造する方法があげられる。
本発明のプラスチック光ファイバテープは、繰り返し屈曲性や遮光性が必要とされる装置内、装置間の光インターコネクション媒体として好ましく利用することができる。
芯を構成する透明樹脂としてポリメチルメタクリレート、鞘層を構成する透明樹脂としてテトラフロロエチレン32モル%とヘキサフロロプロピレン11モル%とビニリデンフロライド57モル%の共重合体(ショアD硬度41)、光遮蔽樹脂組成物としてとしてビニリデンフロライド80モル%とテトラフロロエチレン20モル%の共重合体(ショアD硬度60)に、5000ppmのカーボンブラックを添加した樹脂組成物を使用し、円周状に並んだ紡糸用口金を有する複合紡糸ダイで9本のプラスチック光ファイバを3層同時に235℃で紡糸し、U字状のリングに集合させて融着させることでテープ状に結合させ、その後、2.0倍に延伸熱処理して、芯直径100μm、鞘層厚10μm、光遮蔽樹脂層厚65μmのプラスチック光ファイバ(断面積に占める芯の断面積の割合が16%)9本を、光遮蔽樹脂層の融着によりテープ状に結合したプラスチック光ファイバテープを製造した。
まず、該プラスチック光ファイバテープの長さを2mとって、屈曲箇所を中間点にした。プラスチック光ファイバテープの光入射側端部において、テープを構成するプラスチック光ファイバ9本の両端を束ねて円周状にした状態で657nmの赤色LED光源を入射し、同様に束ねた光出射側端部から出射された光パワーをHAKTRONICS社製photom205でモニターしながら、該光ファイバテープを信越エンジニアリング社製FPC屈曲試験機SEK−31C4Sを使用し、屈曲半径2mm、ストローク15mm、サイクルタイム120回/分で屈曲試験を実施した。その結果、屈曲回数10万回後の出射光量に変化はなかった。
芯を構成する透明樹脂としてポリメチルメタクリレート、鞘層を構成する透明樹脂としてテトラフロロエチレン32モル%とヘキサフロロプロピレン11モル%とビニリデンフロライド57モル%の共重合体(ショアD硬度41)、光遮蔽樹脂組成物としてとしてビニリデンフロライド80モル%とテトラフロロエチレン20モル%の共重合体(ショアD硬度60)に11000ppmのカーボンブラックを添加した樹脂組成物を使用し、円周状に並んだ紡糸用口金を有する複合紡糸ダイで9本のプラスチック光ファイバを3層同時に235℃で紡糸し、U字状のリングに集合させて融着させることでテープ状に結合させ、その後、2.0倍に延伸熱処理して、芯直径50μm、鞘層厚5μm、光遮蔽樹脂層厚33μmのプラスチック光ファイバ(断面積に占める芯の断面積の割合が16%)9本を、光遮蔽樹脂層の融着によりでテープ状に結合したプラスチック光ファイバテープを製造した。
上記プラスチック光ファイバテープについて、屈曲試験と遮光測定を実施した。
実施例1と同じ条件で、屈曲試験を実施した結果、屈曲回数12万回後の出射光量に変化はなかった。次に、実施例1と同じ条件で、遮光測定を実施した。その結果、内側の3本から出射された光パワーは−65dBmであり、十分な遮光性能があった。
実施例1において、光遮蔽樹脂組成物にカーボンブラックを添加しない以外は同条件でプラスチック光ファイバテープを製造した。
上記プラスチック光ファイバテープについて、屈曲試験と遮光測定を実施した。
芯を構成する透明樹脂としてポリメチルメタクリレート、鞘層を構成する透明樹脂としてテトラフロロエチレン32モル%とヘキサフロロプロピレン11モル%とビニリデンフロライド57モル%の共重合体(ショアD硬度41)、光遮蔽樹脂組成物としてとしてビニリデンフロライド80モル%とテトラフロロエチレン20モル%の共重合体(ショアD硬度60)に11000ppmのカーボンブラックを添加した樹脂組成物を使用し、円周状に並んだ紡糸用口金を有する複合紡糸ダイで9本のプラスチック光ファイバを3層同時に235℃で紡糸し、U字状のリングに集合させて融着させることでテープ状に結合させ、その後、2.0倍に延伸熱処理して、芯直径240μm、鞘層厚5μm、光遮蔽樹脂層厚5μmのプラスチック光ファイバ(断面積に占める芯の断面積の割合が85%)9本を、光遮蔽樹脂層の融着によりでテープ状に結合したプラスチック光ファイバテープを製造した。
上記プラスチック光ファイバテープについて、屈曲試験と遮光測定を実施した。
実施例1と同じ条件で、屈曲試験を実施した結果、屈曲回数1万回後の出射光量は0.5dBm減衰した。次に、実施例1と同じ条件で、遮光測定を実施した。その結果、内側の3本から出射された光パワーは−64dBmであり、十分な遮光性能があった。
2 鞘層
3 光遮蔽樹脂層
4 プラスチック光ファイバテープ
Claims (3)
- 単芯プラスチック光ファイバを並列に複数本並べてテープ状に結合させたプラスチック光ファイバテープであって、該単芯プラスチック光ファイバがポリメチルメタクリレート系樹脂からなる直径40μm以上120μm以下の芯と該芯を取り囲み該芯を構成するポリメチルメタクリレート系樹脂よりも屈折率の低い透明樹脂からなる少なくとも1層以上の鞘層と該鞘層を取り囲み、黒色色素を100〜50000ppm含むビニリデンフロライド系樹脂組成物からなる厚みが30μm以上130 μm以下の光遮蔽樹脂層とからなり、該単芯プラスチック光ファイバの断面積に占める該芯の断面積の割合が、2%〜25%であり、該光遮蔽樹脂層同士で結合したことを特徴とするプラスチック光ファイバテープ。
- 請求項1に記載したプラスチック光ファイバテープを一段の複合紡糸により製造する方法。
- 請求項1に記載したプラスチック光ファイバテープを通信媒体とし、発光ダイオードアレイ又はレーザアレイを発光素子として、フォトダイオードアレイを受光素子とした光伝送装置。
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