JP5095545B2 - 多芯プラスチック光ファイバ素線及びケーブル - Google Patents

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Description

本発明は、車載用配線、FA機器配線、パソコン配線などの光信号伝送や、光電センサーなどに使用される、多芯プラスチック光ファイバ素線及びケーブルに関する。
プラスチック光ファイバとしては、光透過性の観点からポリメチルメタクリレート系樹脂からなる芯を備えたものが一般的であるが、ポリメチルメタクリレート系樹脂のガラス転移点(Tg)は110℃程度であるため、高温での耐熱性を満足すべく、ポリメチルメタクリレート系樹脂の極限的な性能の引き出しが求められている。この耐熱性を向上させるためには、できるだけ高融点の鞘樹脂を使用することが望ましい。
ポリメチルメタクリレート系樹脂からなる芯を有する単芯プラスチック光ファイバの鞘樹脂については、高開口数で110℃で耐熱性を有するものとして、テトラフロロエチレン成分が55モル%を超え70モル%以下、ヘキサフロロプロペン成分が10〜16モル%、ビニリデンフロライド成分が20〜35モル%からなる共重合体が提案されている(特許文献1参照)。
また、ポリメチルメタクリレート系樹脂からなる芯を有する多芯プラスチック光ファイバの鞘樹脂については、テトラフロロエチレン成分が28モル%を超え40モル%以下、ヘキサフロロプロペン成分が8〜22モル%、ビニリデンフロライド成分が40〜62モル%からなる共重合体が提案されている(特許文献2参照)。
特開2001−174646号公報 特開平11−237513号公報
ところで、単芯プラスチック光ファイバにおいて、高融点でメルトフローインデックスが小さい鞘樹脂をポリメチルメタクリレート系樹脂と同時に紡糸するには、複合紡糸ダイ、芯樹脂、鞘樹脂の温度を制御することでようやく可能であった。先述したように、特許文献1に記載の鞘樹脂を鞘樹脂層として使用した単芯プラスチック光ファイバは提案されていたが、同様の鞘樹脂を鞘樹脂層として使用した多芯プラスチック光ファイバはこれまで提案されていなかった。
本発明の目的は、曲げによる光ロスが小さく、耐熱耐湿性があり、光ファイバ素線と保護層の接着力が強い多芯プラスチック光ファイバ素線及びケーブルを提供することである。
本発明者が上記課題を検討した結果、複合紡糸ダイの温度を高めに設定することで、単芯プラスチック光ファイバに用いられている上記鞘樹脂を鞘樹脂層として使用した多芯プラスチック光ファイバの紡糸は可能となったが、後述する比較例で示すように最外周に配置された芯の光透過率が低下することが判明した。
そこで、さらなる検討の結果、多芯プラスチック光ファイバ素線として、芯と第一鞘樹脂層と第二鞘樹脂層とからなる素線であって、第一鞘樹脂層が低屈折率かつ高融点の第一共重合体で構成され、第二鞘樹脂層が、屈折率が第一共重合体と同等であり、メルトフローインデックスが第一共重合体より大きく、かつ、第一共重合体より低い融点を有する第二共重合体で構成される、素線で解決できることを見出し、本発明に至った。すなわち、本発明は以下に関する。
[1]ポリメチルメタクリレート系樹脂からなり第一鞘樹脂層で被覆されたファイバ状の芯が、第二鞘樹脂層中に7〜10000本存在する、多芯プラスチック光ファイバ素線であって、第一鞘樹脂層が、55モル%を超え70モル%以下のテトラフロロエチレン成分、10〜16モル%のヘキサフロロプロペン成分及び20〜35モル%のビニリデンフロライド成分からなる、融点が150〜190℃、屈折率が1.35〜1.37、メルトフローインデックスが1〜7g/10分の第一共重合体で構成され、第二鞘樹脂層が、28〜40モル%のテトラフロロエチレン成分、8〜22モル%のヘキサフロロプロペン成分及び40〜62モル%のビニリデンフロライド成分からなる、融点が第一共重合体より低く、屈折率が1.35〜1.37、メルトフローインデックスが第一共重合体より大きい第二共重合体で構成される、多芯プラスチック光ファイバ素線。
[2][1]に記載の多芯プラスチック光ファイバ素線であって、長手方向に垂直な断面において、素線外周に最も近接した芯から素線外周までの最短距離が、素線の直径の1〜4%である、多芯プラスチック光ファイバ素線。
[3][1]又は[2]に記載の多芯プラスチック光ファイバ素線の外側に、厚さ20μm〜700μmのナイロン樹脂からなる保護層を備える、多芯プラスチック光ファイバケーブル。
本発明の多芯プラスチック光ファイバ素線及びケーブルは、曲げによる光ロスが小さく、耐熱耐湿性があり、光ファイバ素線と保護層の接着力が強い。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明について詳細に説明する。
図1に後述する比較例1の多芯プラスチック光ファイバケーブルの長手方向に垂直な断面を模式的に示す。図中、1は芯(島部)、2は鞘樹脂層(海部)で、芯及び鞘樹脂層により構成される素線にさらに被覆層3を設けたものがプラスチック光ファイバケーブル4である。5は素線外周に最も近接した芯から素線外周までの最短距離を示す。
次に、図2に本発明のプラスチック光ファイバケーブルの一例の長手方向に垂直な断面を模式的に示す。図中、1は芯(島部)、2a,2bはそれぞれ第一,第二鞘樹脂層(海部)で、芯及び鞘樹脂層により構成される素線にさらに被覆層(保護層)3を設けたものが本発明のプラスチック光ファイバケーブル4である。5は素線外周に最も近接した芯から素線外周までの最短距離を示す。
本発明のプラスチック光ファイバ素線は、ポリメチルメタクリレート系樹脂からなり第一鞘樹脂層で被覆されたファイバ状の芯が、第二鞘樹脂層中に7〜10000本存在する、多芯プラスチック光ファイバ素線である。
芯の数は7〜10000本であり、37〜3000本が好ましい。芯が7本以上であれば、曲げた時の光ロスが少なく、10000本以下であれば全光量の損失が少ない。素線の長手方向に垂直な断面における全ての芯の占める面積の比率は50%〜85%が好ましい。
多芯プラスチック光ファイバを信号伝送に使用する場合、大切なことは、効率よく光を受光することである。そのためには、光が入射する部分は芯の充填率が高くなるように整然と芯を配置する必要がある。中央の1本の芯を配置が安定するように6本の芯で取り囲んだ7芯、さらにその外側を12本の芯で同心円状に囲んだ19芯、さらに外側を順次同心円状に取り囲んだ37芯、61芯、91芯のように最も外側の芯が六角形を形成するように芯が配置するのがよい。芯の配置は芯の本数が大きくなるほど円状に近づいていく。
本発明で芯を形成する芯樹脂として用いられるポリメチルメタクリレート系樹脂としては、メチルメタクリレート単独重合体や、メチルメタクリレートを50重量%以上含んだ共重合体があげられる。該共重合体において、メチルメタクリレートと共重合可能な成分としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチルなどのアクリル酸エステル類、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸シクロヘキシルなどのメタクリル酸エステル類、イソプロピルマレイミドのようなマレイミド類、アクリル酸、メタクリル酸、スチレンなどがあり、これらの中から一種以上を適宜選択して用いることができる。
第一鞘樹脂層は、55モル%を超え70モル%以下のテトラフロロエチレン成分、10〜16モル%のヘキサフロロプロペン成分及び20〜35モル%のビニリデンフロライド成分からなる、融点が150〜190℃、ナトリウムD線で20℃で測定した屈折率が1.35〜1.37、メルトフローインデックス(230℃、荷重3.8kg、オリフィスの直径2mm、長さ8mm)が1〜7g/10分の第一共重合体(以下、「第一鞘樹脂」と称する)で構成されており、23℃におけるショアD硬度(ASTMD2240)が50〜59であることが好ましい。
第二鞘樹脂層は、28〜40モル%のテトラフロロエチレン成分、8〜22モル%のヘキサフロロプロペン成分及び40〜62モル%のビニリデンフロライド成分からなる、融点が第一鞘樹脂より低く、ナトリウムD線で20℃で測定した屈折率が1.35〜1.37、メルトフローインデックス(230℃、荷重3.8kg、オリフィスの直径2mm、長さ8mm)が第一鞘樹脂より大きい第二共重合体(以下、「第二鞘樹脂」と称する)で構成されており、融点が120〜140℃、23℃におけるショアD硬度(ASTMD2240)が38〜45、メルトフローインデックス(230℃、荷重3.8kg、オリフィスの直径2mm、長さ8mm)が7〜100g/10分であることが好ましい。なお、第一鞘樹脂及び第二鞘樹脂の融点は、JIS D4591に従って測定した値とする。
ここで、第一鞘樹脂及び/又は第二鞘樹脂のメルトフローインデックスが小さいほど最も外側の芯の影響を受けて、互いに隣接する島部と島部の中間に対応する位置の素線外周が角となり、素線外周が多角形になる傾向がある。後述する比較例1の多芯プラスチック光ファイバ素線では、第一鞘樹脂のメルトフローインデックスが小さいのでファイバ素線の周囲が若干多角形ぎみとなる。第二鞘樹脂層の効果としては、第二鞘樹脂のメルトフローインデックスを大きくすることにより、これを防止し滑らかな真円に近い素線外周とすることができる。素線の長手方向に垂直な断面における全ての芯の占める面積の比率は50%〜85%、第一鞘樹脂層の占める面積の比率は5%〜40%、第二鞘樹脂層の占める面積の比率は5%〜40%が好ましい。
すべての島部に対して、第一鞘樹脂層と第二鞘樹脂層に樹脂を供給する供給部の断面積を同じにした複合紡糸ダイで3層同時に紡糸した場合は、島部は第二鞘樹脂からなる海部にほぼ均一な分布となる。そこで、一例として最外周の島部に導入する第二鞘樹脂供給部の断面積をそれより内側の島部に導入する第二鞘樹脂供給部の断面積の2〜4倍とした複合紡糸ダイとし、押し出し圧力を制御しながら紡糸することで、素線外周に最も近接した芯から素線外周までの最短距離を光ファイバ素線の直径の1〜4%にすることができる。こうすることにより、光が入射する部分は芯の充填率が高く光量が多く取れ、素線の外周部が厚くなり亀裂が入り憎くなり曲げに強い素線となる。
なお、「素線外周に最も近接した芯」とは、重心が最も素線外周側に位置した芯を意味するものとする。「最短距離」とは、素線外周に最も近接した芯の第一鞘樹脂層との界面から素線外周までの最短距離を意味するものとする。「光ファイバ素線の直径」とは、光ファイバ素線の長手方向に垂直な断面が真円のときはその直径を意味し、断面が真円でないときは同一面積を有する真円を想定し、その直径とする。また、「光ファイバ素線の直径」について、素線が長手方向において変化しない場合には、任意の断面の直径を意味し、長手方向において変化する場合には、長手方向における最大及び最小の直径の平均値とする。
芯と鞘樹脂層との密着性については、ポリメチルメタクリレート系樹脂からなる芯の周囲をテトラフロロエチレン成分が28〜40モル%、ヘキサフロロプロペン成分が8〜22モル%、ビニリデンフロライド成分が40〜62モル%からなる共重合体からなる鞘樹脂で取り囲んだだけの多芯プラスチック光ファイバの場合は、硝子に柔らかい吸盤が密着するのと同じように、芯に鞘樹脂層が面と面で貼り付いているものであるため、多芯プラスチック光ファイバが断線するようなことは無いが、素線の状態で2mm以下程度の曲げ半径で急俊に曲げたような場合には、ファイバは座屈したように変形するという問題が生じることが判明している。
本発明の鞘樹脂においても、芯と鞘樹脂層との密着性は同じ機構であるため素線の状態で2mm以下程度の曲げ半径で急峻に曲げたような場合には、ファイバは座屈したように変形するという問題が生じることが予想される。しかし、素線外周に最も近接した芯から素線外周までの最短距離を光ファイバ素線の直径の1%以上とすることによって、1mmの曲げ半径で曲げた場合でも、光ロスは一旦大きくなるが、開放すれば回復する。
本発明において、多芯プラスチック光ファイバ素線の直径は、0.2mm〜3.0mmであることが好ましい。多芯プラスチック光ファイバ素線の直径が0.2mmより小さいと、素線を紡糸するのが極めて難しくなる。3.0mmより大きいと素線が剛直となり扱いにくい。
ナイロン樹脂を被覆層として直接本発明のプラスチック光ファイバ素線に被覆した場合には、本発明にかかる第二鞘樹脂とナイロン樹脂とが強く密着し、一体的に扱うことができる。そのため、ナイロン樹脂からなる被覆層(以下、「ナイロン被覆層」と称する)と素線とを一体的にコネクタ処理することが好ましく、ナイロン被覆層の厚さが100μm程度あれば、ファイバが瞬時的に115〜120℃程度の温度になったとしても、ファイバの配向緩和による膨張を抑えるべくナイロン被覆層がしっかりと形状を保持し、結果的にファイバ形状の維持と機械強度の保持を行うことができる。
プラスチック光ファイバケーブルの製造にあたっては、クロスヘッドダイにより熱溶融したナイロン樹脂を素線に被覆して形成する方法を好ましく使用することができる。ナイロン樹脂としては、ナイロン12、ナイロン6−12共重合体、又はナイロン11が適している。なお、被覆層に用いる樹脂組成物には、必要に応じてワックスなどの添加物を微量添加しても良い。被覆層の厚みは20μm〜700μmが好ましい。
[比較例1]
芯を構成する透明樹脂としてポリメチルメタクリレート、鞘樹脂層を構成する透明樹脂としてテトラフロロエチレン57モル%、ヘキサフロロプロペン13モル%、ビニリデンフロライド30モル%からなり、融点が155℃、ナトリウムD線で20℃で測定した屈折率が1.36、23℃におけるショアD硬度(ASTMD2240)が54、メルトフローインデックス(230℃、荷重3.8kg、オリフィスの直径2mm、長さ8mm)が6g/10分である樹脂を使用し、1本のファイバ中の芯数が37本である素線を製造した。
最外周の島部に導入する鞘樹脂供給部の断面積をそれより内側の島部に導入する鞘樹脂供給部の断面積の3倍とした複合紡糸ダイで2層同時に248℃で紡糸し、2.0倍に延伸熱処理して、素線の直径(海径)1000μm(長手方向に垂直な断面における全ての芯の占める面積の比率65%、素線外周に最も近接した芯から素線外周までの最短距離8μm)の素線にした。メルトフローインデックスが小さいため、素線外周は滑らかな円ではなく最外周の島部の個数18個の影響を受けた多角形ぎみであった。また、図3に示した顕微鏡写真(長さ2mに切り取り、片端よりハロゲンランプ光を入射し、他端からの入射光を観察したもの)よりわかるように、最外周の島部の透過率が低下していた。
次いで、被覆層として、ナイロン12をクロスヘッドダイにより、被覆温度210℃で上記素線に被覆し、外径が1.5mmのプラスチック光ファイバケーブルを製造した。
製造したプラスチック光ファイバケーブルについて、屈曲試験と、耐熱耐湿性の信頼性試験と、素線と被覆層の接着力について引き抜き試験を実施した。
屈曲試験は製造したプラスチック光ファイバケーブルの長さを3mとって、屈曲箇所を中間点にした。両端にコネクタをつけて、ハクトロニクス社製オプティカルパワーメター「PHOTOM205」に接続し、650nmの赤色LED光源から光を入射させて、出射光のパワー変化を測定した。半径100mmで360°巻きつけた時の光パワーを基準にして、半径3mmで360°巻きつけた時に−0.1dBの変化であった。半径1mmで−1.1dBであったが、自然開放すると−0.3dBへ回復した。
また、製造したプラスチック光ファイバケーブル7mのサンプルで耐熱耐湿性の信頼性のテストを行った。用いた装置はハクトロニクス社製オプティカルパワーメター「PHOTOM205」である。テスト前の出射光量が−14.7dBmであったものを、105℃に500時間置いたものは−14.7dBmで変化はなかった。同様に、テスト前の出射光量が−14.6dBmであったものを、85℃、85%の湿度下に500時間置いたものも−14.6dBmで変化はなかった。
製造したプラスチック光ファイバケーブルの素線とナイロン12被覆の間の引抜き強度を測定した。まず50mmの長さのプラスチック光ファイバケーブルをとり、片端から5mmずつ注意深く被覆層をはぎとり、片側10mmずつ全部で長さ20mmの被覆層をはぎとり、30mmについては被覆層を残した。被覆層を取り除いたプラスチック光ファイバ素線部を直径1.1mmの孔を明けた厚さ5mmのアクリル板に貫通させ、その素線を引きながら、ナイロン被覆層とプラスチック光ファイバ素線が引き抜かれる強度を測定した。その結果、素線が伸び始める6kg以上の強度を有していた。
[実施例1]
芯を構成する透明樹脂としてポリメチルメタクリレート、第一鞘樹脂層を構成する第一鞘樹脂としてテトラフロロエチレン57モル%、ヘキサフロロプロペン13モル%、ビニリデンフロライド30モル%からなり、融点が155℃、ナトリウムD線で20℃で測定した屈折率が1.36、23℃におけるショアD硬度(ASTMD2240)が54、メルトフローインデックス(230℃、荷重3.8kg、オリフィスの直径2mm、長さ8mm)が6g/10分である樹脂、第二鞘樹脂層を構成する第二鞘樹脂としてテトラフロロエチレン32モル%、ヘキサフロロプロペン11モル%、ビニリデンフロライド57モル%からなり、融点が121℃、ナトリウムD線で20℃で測定した屈折率が1.36、23℃におけるショアD硬度(ASTMD2240)が41、メルトフローインデックス(230℃、荷重3.8kg、オリフィスの直径2mm、長さ8mm)が8g/10分である樹脂を使用し、1本のファイバ中の芯数が37本である素線を製造した。
最外周の島部に導入する第二鞘樹脂供給部の断面積をそれより内側の島部に導入する第二鞘樹脂供給部の断面積の3倍とした複合紡糸ダイで3層同時に248℃で紡糸し、2.0倍に延伸熱処理して、素線の直径(海径)1000μm(長手方向に垂直な断面における全ての芯の占める面積の比率65%、第一鞘樹脂層の占める面積の比率15%、第二鞘樹脂層の占める面積の比率20%、素線外周に最も近接した芯から素線外周までの最短距離25μm)の素線にした。素線外周は概ね滑らかな円であった。また、図4に示した顕微鏡写真(長さ2mに切り取り、片端よりハロゲンランプ光を入射し、他端からの入射光を観察したもの)よりわかるように、最外周の島部の透過率の低下は認められなかった。
次いで、被覆層として、ナイロン12をクロスヘッドダイにより、被覆温度210℃で上記素線に被覆し、外径が1.5mmのプラスチック光ファイバケーブルを製造した。
上記製造したプラスチック光ファイバケーブルについて、屈曲試験と、耐熱耐湿性の信頼性試験と、素線と被覆層の接着力について引き抜き試験を実施した。
屈曲試験は製造したプラスチック光ファイバケーブルの長さを3mとって、屈曲箇所を中間点にした。両端にコネクタをつけて、ハクトロニクス社製オプティカルパワーメター「PHOTOM205」に接続し、650nmの赤色LED光源から光を入射させて、出射光のパワー変化を測定した。半径100mmで360°巻きつけた時の光パワーを基準にして、半径3mmで360°巻きつけた時に−0.1dBの変化であった。半径1mmで−1.1dBであったが、自然開放すると−0.3dBへ回復した。
また、製造したプラスチック光ファイバケーブル7mのサンプルで耐熱耐湿性の信頼性のテストを行った。用いた装置はハクトロニクス社製オプティカルパワーメター「PHOTOM205」である。テスト前の出射光量が−14.9dBmであったものを、105℃に500時間置いたものは−14.8dBmであった。同様に、テスト前の出射光量が−14.8dBmであったものを、85℃、85%の湿度下に500時間置いたものも−14.8dBmで変化はなかった。
製造したプラスチック光ファイバケーブルの素線とナイロン12被覆層の間の引抜き強度を測定した。まず50mmの長さのプラスチック光ファイバケーブルをとり、片端から5mmずつ注意深く被覆層をはぎとり、片側10mmずつ全部で長さ20mmの被覆層をはぎとり、30mmについては被覆層を残した。被覆層を取り除いたプラスチック光ファイバ素線部を直径1.1mmの孔を明けた厚さ5mmのアクリル板に貫通させ、その素線を引きながら、ナイロン被覆層とプラスチック光ファイバ素線が引き抜かれる強度を測定した。その結果、素線が伸び始める6kg以上の強度を有していた。
本発明の多芯プラスチック光ファイバ素線及びケーブルは、車載用配線、FA機器配線、パソコン配線などの光信号伝送や、光電センサーなどに好適に使用できる。
比較例1のプラスチック光ファイバケーブルの長手方向に垂直な断面図である。 本願発明の一例のプラスチック光ファイバケーブルの長手方向に垂直な断面図である。 比較例1のプラスチック光ファイバ素線の光の透過状態を示す顕微鏡写真である。 実施例1のプラスチック光ファイバ素線の光の透過状態を示す顕微鏡写真である。
符号の説明
1…芯(島部)、2…鞘樹脂層(海部)、2a…第一鞘樹脂層(海部)、2b…第二鞘樹脂層(海部)、3…被覆層(保護層)、4…プラスチック光ファイバケーブル、5…素線外周に最も近接した芯から素線外周までの最短距離。

Claims (3)

  1. ポリメチルメタクリレート系樹脂からなり第一鞘樹脂層で被覆されたファイバ状の芯が、第二鞘樹脂層中に7〜10000本存在する、多芯プラスチック光ファイバ素線であって、
    第一鞘樹脂層が、55モル%を超え70モル%以下のテトラフロロエチレン成分、10〜16モル%のヘキサフロロプロペン成分及び20〜35モル%のビニリデンフロライド成分からなる、融点が150〜190℃、屈折率が1.35〜1.37、メルトフローインデックスが1〜7g/10分の第一共重合体で構成され、
    第二鞘樹脂層が、28〜40モル%のテトラフロロエチレン成分、8〜22モル%のヘキサフロロプロペン成分及び40〜62モル%のビニリデンフロライド成分からなる、融点が第一共重合体より低く、屈折率が1.35〜1.37、メルトフローインデックスが第一共重合体より大きい第二共重合体で構成される、多芯プラスチック光ファイバ素線。
  2. 請求項1に記載の多芯プラスチック光ファイバ素線であって、
    長手方向に垂直な断面において、素線外周に最も近接した芯から素線外周までの最短距離が、素線の直径の1〜4%である、多芯プラスチック光ファイバ素線。
  3. 請求項1又は2に記載の多芯プラスチック光ファイバ素線の外側に、厚さ20μm〜700μmのナイロン樹脂からなる保護層を備える、多芯プラスチック光ファイバケーブル。

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