JP5042508B2 - 抽出物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、各種抽出用材料(例えば、魚節、海産物類、畜肉、ガラ類、コーヒー類、茶類、又は果実類など)からエキス又はフレーバー等の抽出物を抽出する方法、すなわち、抽出物(例えば、エキス又はフレーバー)の製造方法に関する。
エキス又はフレーバーを抽出するための材料として、例えば、魚節、海産物類、畜肉、ガラ類、コーヒー類、茶類、又は果実類などが使用されている。
魚節、海産物類に由来するエキス又はフレーバーの製造方法としては、例えば「水産物原料を水蒸気蒸留して該原料中の香り成分を得る工程、及び該水蒸気蒸留によって得られた香り成分を逆浸透膜によって濃縮して該水産物原料のアロマを得る工程を包含する、香味の優れた水産物の抽出物の製造方法」(特許文献1)が公知である。
畜肉類、ガラ類に由来するエキス又はフレーバーの製造方法としては、例えば、原料を常圧熱水加熱抽出して得られるエキスと抽出残渣を酵素処理して得られるエキスを混合する方法(特許文献2)が公知である。
植物系材料に由来するエキス又はフレーバーの製造方法としては、例えば、「焙煎コーヒーを水蒸気蒸留して得られる凝縮水を分画する方法」(特許文献3)、「果汁あるいはコーヒーを蒸留して得た香気成分含有蒸留液を、逆相分配型吸着剤と接触させた後、溶剤で抽出する方法」(特許文献4)、又は「茶葉を水蒸気蒸留して得られる留出液を茶葉と接触させ、加熱蒸留臭を除去する茶葉フレーバーの製法」(特許文献5)が公知である。
特開2004−89141号公報 特開平2−42955号公報 特開平2−203750号公報 特開平3−91456号公報 特開平8−116882号公報
しかしながら、これらの公知製造方法では力価及び品質面などでいくつか課題が挙げられる。各種抽出用材料から工業的にエキス又はフレーバーを抽出する際、素材本来が持つ良好な香り・風味を高力価で抽出することは極めて困難である。また、従来法でも抽出直後はある程度、良好な香り・風味を有するが、ろ過、濃縮、又は殺菌時などのエキス又はフレーバーの製造プロセス中において、香り・風味の消失・弱化が起こってしまうという課題も存在する。例えば、従来の水蒸気蒸留にて得た蒸留液は力価が非常に弱く、蒸留後、濃縮、分画、又は溶剤による抽出が必要不可欠で、得られた香気成分も変質したり、所望する香気成分以外の雑成分まで抽出され、香気の異質化がおきたりする問題があった。
従って、本発明の課題は、素材本来が持つ良好な香り・風味を高力価で抽出することができ、高品質なエキス又はフレーバーを得ることができる製造方法を提供することにある。
前記課題は、本発明による、被抽出物を前処理用ガスの雰囲気下で加圧処理した後に、抽出操作を行うことを特徴とする、抽出物の製造方法により解決することができる。
また、本発明は、被抽出物を抽出助剤とともに前処理用ガスの雰囲気下で加圧処理した後に、抽出操作を行うことを特徴とする、抽出物の製造方法に関する。
本発明の製造方法の好ましい態様によれば、前記抽出操作が、水蒸気蒸留、超臨界炭酸ガス抽出、液化炭酸ガス抽出、アルコール抽出、及び熱水抽出からなる群から選んだ少なくとも1つの抽出操作である。
本発明の製造方法の別の好ましい態様によれば、前記抽出操作を複数回実施し、各抽出操作で得られた抽出物を混合する。
本発明の製造方法の更に別の好ましい態様によれば、前記抽出操作を2回実施し、2回目の抽出操作が熱水抽出である。
本発明の製造方法の更に別の好ましい態様によれば、被抽出物が、動物系材料又は植物系材料である。
本発明の製造方法の更に別の好ましい態様によれば、被抽出物を前処理用ガス雰囲気下、0.5〜50MPaで5〜1000時間加圧処理した後に、抽出操作を行う。
本発明は、前記製造方法で得られた抽出物に関する。
本明細書における「抽出物」には、例えば、エキス又はフレーバーが含まれる。
本発明によれば、各種抽出用材料から、素材本来が持つ良好な香り・風味を高力価で抽出することができ、高品質なエキス又はフレーバーを得ることができる。
例えば、水蒸気蒸留法において、前処理として、被抽出物を前処理用ガスの雰囲気下で加圧処理を行った後に、水蒸気蒸留することにより、前述の2次処理(例えば、濃縮、分画、又は溶剤による抽出)を行うことなく、高力価で良質なフレーバーを得ることができる。また、所望するトップの軽いフレッシュな香気成分とボディー感のある重い香気成分とを回収することができ、バランスの良好なフレーバーを得ることができる。
本発明の製造方法は、
(1)被抽出物を前処理用ガスの雰囲気下で加圧処理する工程(以下、ガス雰囲気下加圧工程と称する)、及び
(2)前記工程(1)の処理を実施した処理物を用いて、抽出操作を実施する工程(以下、抽出工程と称する)
を含む。
本発明の製造方法に用いることのできる被処理物は、エキス又はフレーバーの製造に用いることのできる材料である限り、特に限定されるものではなく、例えば、動物系材料又は植物系材料のいずれも用いることができる。前記動物系材料としては、例えば、魚節[例えば、かつお節、サバ節、うるめ節、イワシ節(いりこ節)、ムロ節、又はサンマ節]、海産物類(例えば、エビ、カニ、イカ、タコ等の水産物及びその加工品、帆立貝、アサリ、牡蠣等の貝類及びその加工品)、畜肉類、ガラ類(例えば、牛、豚、鶏、その他鳥獣類の肉、骨、皮)、乳製品(例えば、チーズ、バター)を挙げることができる。また、植物系材料としては、コーヒー類、茶類(例えば、緑茶、ウーロン茶、紅茶)、果実類(例えば、オレンジ、レモン)、穀物類若しくは焙煎穀物類(例えば、麦)、香辛料類(例えば、コショウ、ショウガ、シナモン、ニンニク)、ビーンズ類(例えば、カカオ、バニラ)、ナッツ類(例えば、アーモンド、らっかせい、マカデミアナッツ)、ハーブ類(例えば、ハッカ、カモミール、ラベンダー)、海草類(例えば、昆布)を挙げることができる。
ガス雰囲気下加圧工程で使用する前処理用ガスは、特に限定されるものではないが、例えば、炭酸ガス、エチレン、又は窒素を挙げることができる。これらのガスは、1種類のみを単独で使用することもできるし、或いは、2種類以上を適宜組み合わせて使用することもできる。
ガス雰囲気下加圧工程では、以下の手順に限定されるものではないが、例えば、被処理物を、前処理用ガスを充填可能で、且つ加圧可能な耐圧容器に入れ、適当な圧力で所定時間加圧することにより実施することができる。
ガス雰囲気下加圧工程で用いる被処理物は、後述の抽出工程における抽出効率が向上するように、前処理、例えば、細分化処理(例えば、切断、粉砕、切削、ミンチ)を予め実施することができる。
被処理物は、それ単独で耐圧容器に入れた状態で加圧処理することもできるが、適当な抽出助材(エントレーナー)を一緒に用いることが好ましい。前記抽出助剤としては、例えば、水(又は緩衝液)、有機溶剤(例えば、エタノール、グリセリン、プロピレングリコールなど)、又はそれらの混合物(割合は任意)を用いることができ、水系溶媒が好ましい。本明細書において、水系溶媒とは、少なくとも水を含む溶媒[好ましくは2%(W/W)以上、より好ましくは5%(W/W)以上の水を含む溶媒]を意味する。抽出助剤の組成を変更することで、品質の異なるエキス又はフレーバーが得ることができ、目的とする品質を得るために、抽出助剤の組成を任意に調整することができる。その組成は特に限定されるものではないが、被処理物に対して、重量比で、好ましくは0〜3倍、より好ましくは0〜2倍、更に好ましくは0〜1倍、更に好ましくは0〜0.9倍、特に好ましくは0〜0.8倍の抽出助剤を用いることができる。
前処理用ガスを充填可能で、且つ加圧可能な耐圧容器としては、例えば、その素材、大きさ、又は形状等は特に限定されるものではなく、例えば、被処理物の量や加圧圧力などの処理条件に応じて適宜選択することができる。
ガス雰囲気下加圧工程において加圧する圧力は、特に限定されるものではないが、通常、0.5〜50MPaであり、1〜6MPaであることが好ましい。
ガス雰囲気下加圧工程における加圧時間は、特に限定されるものではないが、通常、5〜1000時間であり、好ましくは5〜500時間であり、より好ましくは10〜160時間である。
ガス雰囲気下加圧工程は、任意の回数で実施することができ、例えば、1回だけ実施することもできるし、複数回実施することもできる。複数回実施する場合には、同一条件で複数回実施することもできるし、実施条件(例えば、前処理用ガス若しくは抽出助剤の種類、加圧圧力、又は加圧時間)を変更して実施することもできる。
抽出工程では、前記ガス雰囲気下加圧工程で得られた処理物を用いて、抽出操作を実施する。前記抽出操作としては、公知の各種抽出方法(例えば、水蒸気蒸留、超臨界炭酸ガス抽出、液化炭酸ガス抽出、アルコール抽出、又は熱水抽出)を単独で、あるいは、組み合わせて使用することができる。
水蒸気蒸留(減圧下の蒸留を含む)を行う場合、その実施条件は、例えば、被抽出物の種類若しくは量、又はガス雰囲気下加圧工程の実施条件などに応じて適宜決定することができる。例えば、抽出温度は50〜100℃で、抽出時間は10〜180分間で、得量は0.1〜10(重量比)で実施することができる。
超臨界炭酸ガス抽出を行う場合、その実施条件は、例えば、被抽出物の種類若しくは量、又はガス雰囲気下加圧工程の実施条件などに応じて適宜決定することができる。例えば、抽出圧力は10〜30MPaで、抽出時間は6〜24時間で実施することができる。
液化炭酸ガス抽出を行う場合、その実施条件は、例えば、被抽出物の種類若しくは量、又はガス雰囲気下加圧工程の実施条件などに応じて適宜決定することができる。例えば、抽出圧力は5〜7MPaで、抽出時間は6〜24時間で実施することができる。
アルコール抽出を行う場合、その実施条件は、例えば、被抽出物の種類若しくは量、又はガス雰囲気下加圧工程の実施条件などに応じて適宜決定することができる。抽出に用いることのできるアルコールとしては、例えば、エタノール、プロプレングリコールを挙げることができるが、特に制限はない。アルコール濃度(組成)は水に対し、5〜95部、好ましくは30〜60部で実施することができる。抽出時の被抽出物濃度は0.5〜50部、好ましくは20〜40部で実施することができる。温度は0〜95℃、好ましくは50℃〜75℃で実施することができる。
熱水抽出を行う場合、その実施条件は、例えば、被抽出物の種類若しくは量、又はガス雰囲気下加圧工程の実施条件などに応じて適宜決定することができる。抽出温度は50〜100℃、好ましくは、75〜95℃で実施することができる。時間は温度によって異なるが、0.5〜120分、好ましくは1〜60分で実施することができる。抽出時の濃度は、水100部に対し、被抽出物0.5〜100部、好ましくは1〜30部にて実施することができる。
抽出工程における抽出操作は、任意の回数で実施することができ、例えば、1回だけ実施することもできるし、複数回実施することもできる。複数回実施する場合には、同一条件で複数回実施することもできるし、実施条件(例えば、抽出温度、抽出時間、もしくは抽出時の濃度)を変更して実施することもできる。また、異なる抽出操作を変えて(例えば、1回目を水蒸気蒸留、2回目を熱水抽出)実施することもできる。
本発明方法によって高品質なエキス又はフレーバーを得ることができるメカニズムは、現時点で完全に解明されているわけではないが、本発明者は以下のメカニズムに基づくものと考えている。すなわち、被抽出物を前処理用ガスの雰囲気下で加圧処理を行うことにより、被抽出物からフレーバーが表面に一部溶出し、その後の抽出操作時にフレーバーが抽出されやすくなったと推定している。なお、本発明が、この推定に限定されるものではない。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
《実施例1:鰹節エキスの製造(水蒸気蒸留+熱水抽出)》
一般的な鰹荒本節を用いて粗砕機にて粉砕し、粉砕節を取得した。前記粉砕鰹節100部に抽出助剤として水を80部加え、混合し、密閉の加圧容器に入れ、炭酸ガスを充填し、3MPaにて24時間処理を行った。前記ガス処理粉砕鰹節180部を水蒸気蒸留機を使用し、蒸発温度が85℃になるように減圧し、蒸留を行い、80部の液体を得た。更に、蒸留後の残渣を用いて、残渣重量の10倍量のイオン交換樹脂処理水(以下、水と記載)を添加し、85℃にて60分間、抽出した後、濾布にて固液分離し、減圧濃縮機にて蒸発温度が60℃になるように減圧し、ブリックス(Brix)40%まで濃縮し50部の濃縮物を得た。蒸留液80部と濃縮物50部を混合し、本発明の鰹節エキスを得た。
比較のために、炭酸ガス雰囲気下での加圧処理を未実施の粉砕鰹節を用いて、水蒸気蒸留以降の前記操作を繰り返し、比較用鰹節エキスを得た。本発明の鰹節エキスと比較用鰹節エキスとを比較評価した結果を表1に示す。表1〜表7において、同等は+、やや優れているは++、優れている時は+++、非常に優れている時は++++、やや劣る時は−、劣る時は−−、非常に劣る時は−−−とし評価した。表1に示すとおり、本発明の鰹節エキスの方が、比較用鰹節エキスよりも、香り、風味、呈味に非常に優れ、品質も良好だと評価された。
《表1》
香り 風味 呈味
比較用鰹節エキス + + +
本発明の鰹節エキス ++++ ++++ +++
《実施例2:鰹節エキスの製造(水蒸気蒸留)》
一般的な鰹荒本節を用いて粗砕機にて粉砕し、粉砕節を取得した。前記粉砕鰹節100部に抽出助剤として水を80部加え、混合し、密閉の加圧容器に入れ、炭酸ガスを充填し、5MPaにて24時間処理を行った。前記ガス処理粉砕鰹節180部を水蒸気蒸留機を使用し、蒸発温度が70℃になるように減圧し、蒸留を行い、80部の液体として本発明の鰹節エキスを得た。
比較のために、炭酸ガス雰囲気下での加圧処理を未実施の粉砕鰹節を用いて、水蒸気蒸留以降の前記操作を繰り返し、比較用鰹節エキスを得た。本発明の鰹節エキスと比較用鰹節エキスとを比較評価した結果を表2に示す。表2に示すとおり、本発明の鰹節エキスの方が、比較用鰹節エキスよりも、非常に力価が強く、品質も良好だと評価された。
《表2》
香り 風味 呈味
比較用鰹節エキス + + +
本発明の鰹節エキス ++++ ++++ +
《実施例3:鰹節エキスの製造(熱水抽出)》
一般的な鰹荒本節を用いて粗砕機にて粉砕し、粉砕節を取得した。前記粉砕鰹節100部に抽出助剤として水を50部、95%(w/w)エタノールを30部加え、混合し、密閉の加圧容器に入れ、炭酸ガスを充填し、3MPaにて24時間処理を行った。前記ガス処理粉砕鰹節25部をイオン交換樹脂処理水(以下、水と記載)100部に添加し、85℃にて60分間、抽出した後、濾布にて固液分離し、抽出液として本発明の鰹節エキスを得た。
比較のために、炭酸ガス雰囲気下での加圧処理を未実施の粉砕鰹節を用いて、熱水(85℃)抽出以降の前記操作を繰り返し、比較用鰹節エキスを得た。本発明の鰹節エキスと比較用鰹節エキスとを比較評価した結果を表3に示す。表3に示すとおり、本発明の鰹節エキスの方が、比較用鰹節エキスよりも、やや力価が強く、品質も良好だと評価された。
《表3》
香り 風味 呈味
比較用鰹節エキス + + +
本発明の鰹節エキス ++ ++ ++
《実施例4:鰹節エキスの製造(アルコール抽出)》
一般的な鰹荒本節を用いて粗砕機にて粉砕し、粉砕節を取得した。前記粉砕鰹節100部に抽出助剤として95%(w/w)エタノール(以下、アルコールと記載)を50部加え、混合し、密閉の加圧容器に入れ、炭酸ガスを充填し、3MPaにて8時間処理を行った。前記ガス処理粉砕鰹節25部をアルコール100部に添加し、30℃にて60分間、抽出した後、濾布にて固液分離し、抽出液として本発明の鰹節エキスを得た。
比較のために、炭酸ガス雰囲気下での加圧処理を未実施の粉砕鰹節を用いて、アルコール抽出以降の前記操作を繰り返し、比較用鰹節エキスを得た。本発明の鰹節エキスと比較用鰹節エキスとを比較評価した結果を表4に示す。表4に示すとおり、本発明の鰹節エキスの方が、比較用鰹節エキスよりも、力価が強く、品質も良好だと評価された。
《表4》
香り 風味 呈味
比較用鰹節エキス + + +
本発明の鰹節エキス +++ +++ +++
《実施例5:鶏肉エキスの製造》
鶏胸肉及び鶏腿肉を1:1にて5mmにミンチにし、ミンチ肉100部を密閉の加圧容器に入れ、炭酸ガスを充填し、1.5MPaにて16時間処理を行った。ガス加圧処理を実施したミンチ肉に10倍量の水を加え、加熱して沸騰させ、沸騰後、微沸にて90分間、加熱抽出を行うことにより、本発明の鶏肉エキスを得た。
比較のために、炭酸ガス雰囲気下での加圧処理を未実施のミンチ肉を用いて、熱水抽出以降の前記操作を繰り返し、比較用鶏肉エキスを得た。評価結果を表5に示す。表5に示すとおり、本発明の鶏肉エキスの方が、比較用鶏肉エキスよりも、力価が強く、品質も良好だと評価された。
《表5》
香り 風味 呈味
比較用鶏肉エキス + + +
本発明の鶏肉エキス ++ ++ +++
《実施例6:紅茶エキスの製造》
紅茶葉をミキサーにて粉砕し、その粉砕品200gに水/エタノール混合液(水50g及びエタノール100g)を加え、よく混合した後、得られた混合品をステンレス製耐圧容器に入れた。炭酸ガスを耐圧容器に吹き込み、圧力2.0MPaにて40時間放置することにより、加圧処理を実施した。加圧処理後、脱気し、紅茶加圧処理品を取り出した。この処理品を液化炭酸ガス抽出(5.0MPa,17時間)を行い、液化炭酸ガス抽出液約60gを得た。液化炭酸ガス抽出の抽出残渣に、30℃温水300gを加えた後、搾汁し、温水抽出液約180gを得た。得られた液化炭酸ガス抽出液と温水抽出液とを混合した後、ろ過し、本発明の紅茶エキス240gを得た。
比較のために、炭酸ガス雰囲気下での加圧処理を未実施の粉砕紅茶葉を用いて、液化炭酸ガス抽出以降の前記操作を繰り返し、比較用紅茶エキスを得た。評価結果を表6に示す。
《表6》
香り 風味 呈味
比較用紅茶エキス + + +
本発明の紅茶エキス +++ ++++ ++++
《実施例7:バニラエキスの製造》
バニラビーンズをチョッパーにて粉砕し、その粉砕品400gに水/エタノール混合液(水50g及びエタノール200g)を加え、よく混合した後、得られた混合品をステンレス製耐圧容器に入れた。炭酸ガスを耐圧容器に吹き込み、圧力3.0MPaにて120時間放置することにより、加圧処理を実施した。加圧処理後、脱気し、バニラ加圧処理品を取り出した。この処理品を液化炭酸ガス抽出(5.0MPa,17時間)を行い、液化炭酸ガス抽出液約250gを得た。液化炭酸ガス抽出の抽出残渣に、50%エタノール400gを加えた後、搾汁し、含水エタノール抽出液約290gを得た。得られた液化炭酸ガス抽出液と含水エタノール抽出液とを混合した後、ろ過し、本発明のバニラエキス540gを得た。
比較のために、炭酸ガス雰囲気下での加圧処理を未実施の粉砕バニラビーンズを用いて、液化炭酸ガス抽出以降の前記操作を繰り返し、比較用バニラエキスを得た。評価結果を表7に示す。
《表7》
香り 風味 呈味
比較用バニラエキス + + +
本発明のバニラエキス ++++ ++++ ++++
本発明は、抽出物(例えば、エキス又はフレーバー)の製造の用途に適用することができる。

Claims (8)

  1. 被抽出物を、炭酸ガス、エチレン、又は窒素から選択される前処理用ガスの雰囲気下で、0.5〜50MPaで10〜1000時間加圧処理した後、脱気し、その後、抽出操作を行うことを特徴とする、抽出物の製造方法。
  2. 被抽出物を抽出助剤とともに前処理用ガスの雰囲気下で加圧処理した後に、抽出操作を行うことを特徴とする、抽出物の製造方法。
  3. 前記抽出操作が、水蒸気蒸留、超臨界炭酸ガス抽出、液化炭酸ガス抽出、アルコール抽出、及び熱水抽出からなる群から選んだ少なくとも1つの抽出操作である、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記抽出操作を複数回実施し、各抽出操作で得られた抽出物を混合する、請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 前記抽出操作を2回実施し、2回目の抽出操作が熱水抽出である、請求項4に記載の製造方法。
  6. 被抽出物が、動物系材料である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の抽出物の製造方法。
  7. 被抽出物が、植物系材料である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の抽出物の製造方法。
  8. 被抽出物に対する抽出助剤の量が、重量比として0〜3倍である、請求項1〜7のいずれかに記載の抽出物の製造方法。
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