JP5450012B2 - バニラエキスの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、新規なバニラエキスの製造方法に関し、さらに詳しくは、濃厚芳醇で天然感に富み、マイルドな熟成感を有する嗜好性に優れたバニラエキスを効率よく抽出することができるバニラエキスの製造方法に関する。
バニラ抽出物は、洋菓子や果実酒など、様々な飲食品の香気香味付与剤として古くから広く利用されている重要な抽出物の1種である。天然バニラ抽出物は、バニラビーンズを含水エタノールなどの有機溶媒で抽出処理して得られるバニラエキスの形で市場に供給されている。このようなバニラエキスの中で最も多く流通しているものは、細断したバニラビーンズを約20質量%〜約95質量%の含水エタノールで抽出することにより、水溶性抽出物の形として得られたものである。
バニラビーンズからバニラエキスを製造する際には、通常、その抽出効率を高めるため、バニラビーンズを1mm〜10mm程度の長さに輪切りした細断物(短軸方向への細断物)、ミキサーなどの物理的手段により粉砕した粉砕物、凍結粉砕した粉砕物などを使用してバニラエキスが抽出されている。
バニラエキスを抽出する際に、超臨界炭酸ガス、非極性有機溶媒、低極性有機溶媒などを抽出溶媒として使用した場合、これらの溶媒は拡散性、流動性が高く、また、水溶性である多糖類などを抽出しないため、バニラビーンズをミキサー粉砕や凍結粉砕して得た粉砕物を使用しても、問題なくバニラエキスの抽出が可能である。
しかしながら、含水エタノールを抽出溶媒とする、いわゆる含水エタノール抽出においては、通常、バニラビーンズを輪切りにした細断物を使用することが多い。その理由は、バニラビーンズの莢の組織自体は弾力性があり、かつ、その表面は固いものであるが、内部には風味成分の他に油脂、多糖類などを多量に含んでいるため、含水エタノール抽出において粉砕物を使用した場合、風味成分とともにこれらの油脂、多糖類も同時に抽出され、それらが渾然一体となって乳化状態となり、ペースト状になってしまうからである。そして、その結果、抽出処理後の分離、濾過が不能となるか、又は分離、濾過が可能であっても、きわめて困難で長時間を要することになり、作業効率が大幅に低下する。
また、含水エタノール抽出において、バニラビーンズの粉砕物を使用した場合、渋み、雑味、えぐ味なども同時に抽出されてしまい、風味的に良好なエキスが得られないなど、問題点が多い。
一方、バニラビーンズを1mm〜10mm程度の長さに輪切りした細断物を使用して含水エタノール抽出を行った場合、バニラ自体の組織が濾過助剤的な役割を果たすため、油脂や多糖類は抽出されにくいものの、風味成分の抽出効率が低く、抽出にきわめて長い時間を要してしまうことが多い。このように、バニラビーンズを輪切りした細断物を使用した含水エタノール抽出は、風味成分の抽出効率が低いため、抽出の作業時間が長くなり、コスト高となってしまうという問題点があった。
これらの問題点を解決する方法として、例えば、バニラビーンズを水及び/又は水溶性有機溶媒で抽出してバニラエキスを製造する際、超音波を照射することを特徴とするバニラエキスの製造方法(特許文献1)、バニラビーンズの細断物を水及び/又は水溶性有機溶媒で抽出し、バニラエキスを製造する方法において、バニラビーンズを長軸方向に割いた後、短軸方向へ細断するか又は短軸方向へ細断した後、長軸方向へ細断することによって得られる細断物を使用することを特徴とするバニラエキスの製造方法(特許文献2)などが提案されている。
これらの方法は、前記問題点を解決するものであり、それまでの従来方法に比べて高い抽出効率を達成することができるものの、さらに効率よく風味成分を抽出することができる方法が求められていた。
特開平8−168355号公報 特許第3769453号公報
したがって、本発明の目的は、バニラの風味成分の抽出効率が高く、かつ、バニラの莢の内部にある油脂や多糖類の抽出を防いで高い作業効率を得ることができるバニラエキスの製造方法を提供することである。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を行ったところ、バニラビーンズの原形を保ったまま細胞組織が破壊できれば、上記問題を解決できると考え、そこで、バニラビーンズの抽出前処理として、衝撃波を応用できないかと着想し、鋭意検討を行った。その結果、驚くべきことに、バニラビーンズに衝撃波を与えると、バニラビーンズの原形を保ったまま細胞組織が破壊されるため、風味成分の抽出効率が飛躍的に向上し、バニラの莢の内部にある油脂や多糖類の抽出が防止され、かつ、原型を保ったバニラビーンズが濾過助剤的役割を果たし、分離、濾過が極めて容易であることを見いだし、本発明を完成するに至った。
かくして、本発明は、バニラビーンズに衝撃波を与えてバニラビーンズの細胞組織を破壊し、次いで、そのバニラビーンズを水及び/又は水溶性有機溶媒で抽出することを特徴とするバニラエキスの製造方法である。この製造方法において、衝撃波の圧力は、特に100MPa以上500MPa以下とすることが好ましい。
また、本発明は、前記の製造方法によって得られるバニラエキスを提供するものである。
さらに、本発明は、衝撃波によって破壊した細胞組織を有するバニラビーンズを提供するものである。
本発明によれば、バニラの風味成分の抽出効率が高く、かつ、バニラの莢の内部にある油脂や多糖類の抽出を防いで高い作業効率を実現したバニラエキスの製造方法が提供される。
また、その製造方法によって、濃厚芳醇で天然感に富み、マイルドな熟成感を有し、嗜好性に優れたバニラエキスを得ることができる。
さらに、本発明によれば、バニラの莢の内部にある油脂や多糖類の抽出を防ぎつつ、バニラの風味成分を効率よく抽出して、本発明の上記バニラエキスを得ることを可能にするバニラビーンズが提供される。
バニラビーンズを1cmの長さに短軸方向にカットしたもの(衝撃波未処理:参考品1)の外観図である。 水中衝撃波処理(導爆線からの距離5cm)を3回行った後のバニラビーンズ(参考品3)の外観図である。 バニラビーンズを1cmの長さに短軸方向にカットしたもの(衝撃波未処理:参考品1)の走査型電子顕微鏡写真である。 水中衝撃波処理(導爆線からの距離5cm)を3回行った後のバニラビーンズ(参考品3)の走査型電子顕微鏡写真である。
前述したように、本発明の製造方法は、まず、バニラビーンズに衝撃波を与えてバニラビーンズの細胞組織を破壊する工程から構成される。これにより、バニラビーンズの原形(カットした状態の形を含む。)を保ったまま細胞組織が破壊されるため、香味成分の抽出効率が向上し、かつ、原形を保ったバニラビーンズが濾過助剤の役割を果たすため、油脂や多糖類などは抽出されず、作業効率を高めることが可能となる。この場合に使用する原料のバニラビーンズとしては、市場で一般的に入手できるものであれば、特に品種などは問わず、いずれのものを用いてもよい。このようなバニラビーンズとしては、例えば、ブルボンバニラビーンズ、メキシカンバニラビーンズ、インドネシアバニラビーンズ、タヒチバニラビーンズ及びその他のハイブリッド種などを挙げることができる。これらは1種又は2種以上を混合して用いることができる。
通常、バニラビーンズは、キュアリングと呼ばれる工程、すなわち、発酵、熟成、乾燥からなる一連の工程を経た後、大きさ、品種などに応じて、グレード分けされて供給されるが、本発明では、いかなるグレードのものを用いてもよい。
衝撃波を与える際、バニラビーンズは原形のままでよいが、適当な形状、大きさにカットしたものでもよく、特に制限されない。
バニラビーンズの衝撃波処理は、バニラビーンズの莢の細胞組織を破壊するのに必要なレベルの衝撃波をバニラビーンズに与える処理であり、例えば、バニラビーンズと衝撃波発生源を準備し、両者の間を伝達媒体で満たし、衝撃波発生源から衝撃波を発生させることにより、バニラビーンズに衝撃波を与えて、バニラビーンズの莢の細胞組織を破壊することで行うことができる。
なお、衝撃波は、伝達媒体中において高速(音速を超える速度)で伝播する強い圧力変化の波であり、圧力、温度、密度などの物理的因子を瞬間的に急激に変化させる性質を有するものである。自然界では火山の爆発や落雷など、蓄積されたエネルギーが解放された瞬間に発生することが知られている。また、衝撃波は人工的には爆薬の爆発や大電流の放電により発生させることができ、土木工事における岩石やコンクリートの破壊、難接合材料の爆発圧着、金属の抜き打ち、木材の改質、医療における腎臓結石の破壊などに応用されている。
衝撃波発生源は、バニラビーンズに衝撃波を与えるために、その衝撃波を発生させるものである。この衝撃波発生源としては、例えば、化学的エネルギーを利用するものとして、爆発を利用して衝撃波を発生させる爆薬などが挙げられ、電気的エネルギーを利用するものとして、電気パルスを利用して衝撃波を発生させる電気パルス発生装置などが挙げられ、機械的エネルギーを利用するものとして、液体中への金属球の打ち込みを利用して衝撃波を発生させる手法などが挙げられる。もちろん、衝撃波発生源は、上記した化学的、電気的、機械的エネルギー以外の他のエネルギーを利用して衝撃波を発生させるものであってもよい。
伝達媒体は、衝撃波を伝達させるためのもの(衝撃波伝達媒体)であり、すなわち、衝撃波に伴う圧力を伝達させるためのもの(圧力伝達媒体)である。この伝達媒体は、例えば、気体、液体などの圧縮性流体や、ゴムなどの弾性体である。
本発明において、バニラビーンズに衝撃波を与える際の具体的な態様としては、例えば、水を衝撃波の伝達媒体とし、水を満たした水槽を準備して、その中にバニラビーンズと、衝撃波発生源を適切な間隔をおいて設置する。その際、バニラビーンズを衝撃波の伝達媒体(水)と接触しないようにするため、保護材として、市販のポリパックやポリカーボネート瓶などの容器にバニラビーンズを充填して、それらを金属性のかごなどに入れて、固定して設置する。この保護材の素材としては、衝撃波による容器の変形、破損などを防止するため、特に、ポリカーボネート、ポリイミド、アクリルニトリル・ブタジエン・スチレン・コポリマーが好ましい。
衝撃波発生源としては、電気雷管を接着させた導爆線が例示できる。導爆線中には、通常、ペンスリット(PETN)と呼ばれる爆薬が1.0g/m含まれており、導火線と同じ要領で爆薬の発破時に用いられる。この導爆線は、どんなに長くても、その他端まで爆轟を確実に伝達する。
バニラビーンズに与えられる衝撃波の圧力は、導爆線からバニラビーンズまでの距離により変化するため、バニラビーンズにかかる衝撃波の圧力をバニラビーンズ全体で均等にするため、例えば、両者の位置関係は導爆線とバニラビーンズの距離が一定間隔となるように両者を平行に設置することが好ましい。
バニラビーンズと衝撃波発生源を、適切な間隔をおいて設置した後、電気雷管に電気を流して爆発させ、それにより導爆線を起爆させることにより、導爆線から衝撃波を発生させる。これにより、導爆線からの衝撃波は、水などの媒体中を伝播し、ポリパックやポリカーボネート瓶などの保護材を介してバニラビーンズの細胞組織を破壊する。
バニラビーンズに与えられる衝撃波の圧力は、導爆線からの距離を変えることにより任意に設定することができる。参考として、伝達媒体として水を選択し、電気雷管を接着させた導爆線(ペンスリット1.0g/m含有)からなる上記衝撃波発生源を使用した場合における、その導爆線からの距離と衝撃波の圧力の関係を表1に示す。
Figure 0005450012
本発明において、バニラビーンズの細胞組織を破壊するために、バニラビーンズに加わる衝撃波の圧力としては、バニラビーンズの大きさなどを考慮して、その細胞組織が十分に破壊されるような値とすればよいが、一般には、100MPa以上500MPa以下、好ましくは120MPa以上300MPa以下を例示することができる。この圧力が100MPaより低い場合には、バニラビーンズの細胞組織の破壊が十分ではなく、そのため、バニラの風味成分の抽出効率が、衝撃波未処理のものに比較して、あまり変わらなくなるおそれがある。一方、圧力が500MPaより高いと、バニラビーンズの細胞組織が破壊されすぎて、その結果、脂質や多糖類も抽出されてしまい、抽出後の分離濾過等の作業が困難になり、作業効率が低下するおそれがある。
バニラビーンズに衝撃波を与える回数は、バニラビーンズの細胞組織の破壊状況を見ながら適宜決定すればよく、1回に限らず、2回以上であっても一向に差し支えない。例えば、導爆線を起爆させることにより、導爆線から衝撃波を発生させ、水を媒体として衝撃波を伝播する方法では、バニラビーンズに衝撃波が短時間のみ与えられるため、2〜10回程度の複数回、衝撃波を与えることにより、効果的に細胞組織を破壊し、抽出効率を上げることができる。
本発明では、衝撃波を与えてバニラビーンズの細胞組織を破壊した後、該バニラビーンズを水及び/又は水溶性有機溶媒で抽出する。抽出の方法は、特に限定されるものではなく、種々の方法で行うことができる。例えば、衝撃波処理をしたバニラビーンズを抽出溶媒に静置又は撹拌して行う。
本発明において、バニラビーンズを水及び/又は水溶性有機溶媒で抽出する場合は、適当な大きさにカットしたバニラビーンズを使用することが好ましい。バニラビーンズは、外径5mm〜10mm程度、長さ10cm〜20cm程度の細長い莢であるため、原形のままでは、抽出の際に浮遊しづらく、攪拌や送液などの操作が困難な場合もあるためである。具体的には、衝撃波を与える前に、予め1mm〜10mm程度の長さにバニラビーンズを短軸方向にカットしておくか、衝撃波を与えた後、1mm〜10mm程度の長さに短軸方向にカットすることが好ましい。また、カットしていないバニラビーンズを長軸方向に割いた後、短軸方向へ細断するか又は短軸方向へ細断した後、長軸方向へ細断することによって得られる細断物を使用して、水及び/又は水溶性有機溶媒で抽出することは特に好ましい。
抽出する際には、水及び/又は水溶性有機溶媒を抽出溶媒として使用する。水溶性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノールなどのアルコール類;アセトンのようなケトン類;及びエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、1,2−ブチレングリコールなどの多価アルコール類の中から選ばれる一種もしくは複数種の混合物を例示することができる。これらの中では、アルコール類もしくは多価アルコール類が好ましく、殊にエタノール、プロピレングリコール及びグリセリンの中から選ばれる一種もしくは複数種の混合物を、より好ましいものとして例示することができる。
本発明では、水あるいは水溶性有機溶媒を単独で抽出溶媒として用いることもできるが、水溶性有機溶媒と水とを混合して使用するのが好ましい。その場合、混合溶媒の水含有率は、通常、20〜80質量%程度の範囲内が好ましい。
水及び/又は水溶性有機溶媒の使用量は、一般的には、使用するバニラビーンズ1質量部に対して2〜50質量部程度、好ましくは5〜20質量部程度の範囲が挙げられる。
抽出条件は、通常、室温〜90℃、好ましくは、30〜70℃であって、少なくとも10分間、好ましくは1時間〜1年間である。抽出の温度が室温より低いか、あるいは10分間未満である場合は、バニラビーンズからバニラエキスを十分に抽出することができない。一方、温度が90℃を超えると、バニラの香味香気成分が蒸発したり、変質したりしてしまうため好ましくない。
上記抽出後、濾過、遠心分離などを行って、バニラビーンズの不溶性固形分を除去することにより、本発明のバニラエキスを得ることができる。
本発明を実施する際の一般的な一実施態様としては、衝撃波を与えた後のバニラビーンズに水及び/又は水溶性有機溶媒を添加して、開放系もしくは密閉系で、室温〜90℃の温度において10分間〜3ヵ月間、静置もしくは撹拌抽出し、冷却後、不溶性固形分を遠心分離、濾過などの固液分離操作によって除去することにより、本発明のバニラエキスを得る態様が例示される。
一般に、天然物を水及び/又は水溶性有機溶媒で抽出処理して得られる抽出物は、貯蔵中に沈殿物を生成するおそれがあるため、かかる沈殿物の生成を防止するために、従来からプロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、砂糖、果糖、ブドウ糖などの多価アルコール類や糖類を抽出物に添加することが、しばしば行われている。本発明の方法によって得られるバニラエキスに対しても、バニラエキス100質量部あたり約5〜約10質量部の割合で上記例示の如き多価アルコール類又は糖類を添加することもできる。
このようにして得られたバニラエキスは、バニラビーンズを輪切りにした細断物(短軸方向への細断物)を使用して従来の抽出処理で得たバニラエキスに比べて、バニラの風味成分の抽出効率が高い。また、衝撃波処理したバニラビーンズは原形を保ったまま細胞組織が破壊されているため、バニラビーンズの粉砕物を使用して抽出するときのように、分離濾過が困難となることもない。また、本発明で得られたバニラエキスは、粉砕物を使用して抽出したバニラエキスにある渋味、えぐ味などの雑味もなく、濃厚芳醇で天然感に富み、マイルドな熟成感を有し、嗜好性に優れた風味を有している。
かくして、本発明のバニラエキスは、各種製品の香気香味付与剤に添加して利用することができ、その添加量は、利用目的あるいは香気香味付与剤の種類によっても異なるが、一般的には、香気香味付与剤全体量に対して、約0.1〜約5質量%の範囲を例示することができる。
本発明によれば、バニラエキスを有効成分とする香気香味付与剤を提供することができ、該付与剤を利用して飲食品類、香粧品類、保健・衛生・医薬品類などに特徴あるバニラエキスの香気香味を付与することができる。
例えば、果汁飲料類、果実酒類、乳飲料類、炭酸飲料類などの飲料類;アイスクリーム類、シャーベット類、アイスキャンディーなどの冷菓類;和洋菓子類、ジャム類、チューインガム類、パン類、コーヒー、ココア、紅茶、お茶、タバコなどの嗜好品類;和風スープ類、洋風スープ類などのスープ類;風味調味料、各種インスタント飲料・食品類、各種スナック食品類などに、本発明のバニラエキスの適当量を添加することにより、ユニークな香気香味が付与された飲食品類を提供することができる。
また、例えば、シャンプー類、ヘアリンス類、ヘアコンディショナー類、ヘアパック類、ヘアスプレー類、スタイリング剤類、ヘアクリーム類、ポマード類、その他の毛髪用化粧料基剤;オシロイ、口紅、その他の化粧料基剤や化粧料洗剤基剤などに本発明のバニラエキスの適当量を添加することにより、ユニークな香気が付与された香粧品類を提供することができる。
さらに、ユニークな香気が付与された洗濯用洗剤類、消毒用洗剤類、室内芳香剤などの保健・衛生材料類;医薬品の服用を容易にするための矯味、賦香剤などの保健・衛生・医薬品類を提供することができる。
以下に実施例、比較例を挙げて、本発明をさらに詳しく説明する。
[実施例1]
マダガスカル産バニラビーンズ(ブラックビーンズ)を短軸方向に1cmの長さにカットして、細断物を得た(参考品1)。参考品1(120g)をポリカーボネート製の容器(内径約10cm×高さ約15cm)に充填し、完全に密閉して、さらに補強した後、金属製のかごの中に入れて、固定して設置し、一方で、電気雷管を接着させた導爆線(ペンスリット1.0g/m含有)を、バニラビーンズを封入した上記容器から5cmの距離となるよう設置し、これらを、水を満たした水槽の中に沈めた。その後、導爆線を爆発させて衝撃波処理を行った。爆発処理回数については、1回のみの場合のほか、爆発処理を3回、5回、10回繰り返し行って、衝撃波処理したバニラビーンズを調製した(順に参考品2〜5)。
また、参考品1と同じマダガスカル産バニラビーンズを長軸方向に割いた後、約1cmの長さに短軸方向にカットしたもの(参考品6)及び80℃に凍結した後、粉砕したもの(スクリーン1.0mm)(参考品7)を調製した。
参考品1の外観の写真を図1に、参考品3の外観の写真を図2に示す。また、参考品1の走査型電子顕微鏡写真を図3に、参考品3の走査型電子顕微鏡写真を図4に示す。
次いで、500mlフラスコに、それぞれの参考品50g及び50%(w/w)エタノール250gを仕込み、内温40±1℃で4時間静置抽出(1時間毎に1分攪拌)した。抽出終了後25℃に冷却し、サラシ布でデカント分離した後、No.2濾紙(アドバンテック東洋株式会社製)55mmにセルロースパウダー(ダイヤフロック:今野商会社製)3gをプレコートしたヌッチェにて、減圧度15.0KPaで吸引濾過してバニラエキスを得た(本発明品1〜4及び比較品1〜2。参考品7からはエキスを得ることができなかったため、比較品としていない。)。
得られたバニラエキスについて、以下の方法にて、バニリン含量及び吸光度(430nm)を測定した。また、上記濾過に際して、その所要時間(秒)を測定した。結果を表2に示す。
(バニリン含量の測定方法)
HPLC法:
カラム:Inertsil ODS−80A(4.6×250mm)5μm
(GLScience社製)
溶離液:メタノール:水:酢酸=400:600:5
注入量:10μl
流速 :0.6ml/min
検出条件:UV280nm
(バニリンの吸光度の測定方法)
バニラエキス2mlを50%(w/w)エタノールにて100mlに定容し(吸光度が適当な値の範囲(約0.3〜約1.0)に入らない場合は適宜希釈倍率を変更)、430nmの吸光度を測定して、測定値に希釈倍率をかけた値をそのエキスの吸光度とした。
Figure 0005450012
バニリン含量及び吸光度(430nm)については、表2に示したとおり、同じ抽出時間にもかかわらず、本発明品は、バニリン含量、吸光度ともに、いずれの比較品よりも大きな値を示した。このことから、本発明方法によれば、バニラエキスが効率よく抽出されることがわかる。また、衝撃波処理回数が多くなるほど、それらの値が大きくなる傾向があり、特に吸光度において、その傾向が強く見られた。これは、回数を増やすにつれて、バニラビーンズの細胞組織の破壊が、より一層進んだことにより、細胞組織中に含まれているバニラの風味の元になる化合物が抽出されやすくなったことによるものと考えられる。
一方、濾過時間については、本発明品は、衝撃波処理したバニラビーンズでも、短軸方向にのみカットしたバニラビーンズと大差なかったが、長軸方向と短軸方向にカットしたバニラビーンズはやや濾過性が悪かった。また、凍結粉砕した参考品7は、原料と溶剤がペースト状になってしまい、分離及び濾過が困難であったため、実験を途中で中止した。このことから、本発明方法によれば、バニラの莢の内部にある油脂や多糖類の抽出を防止して、風味成分の選択的な抽出ができることがわかる。
[実施例2]
(風味評価)
生クリーム30質量部、脱脂濃縮乳30質量部、卵黄(生)2質量部、グラニュー糖15質量部及び水33質量部を混合し、乳脂肪約10質量%のアイスクリーム生地を調製した。次いで、このアイスクリーム生地に、実施例1で得られたバニラエキスを、それぞれ0.5質量%添加して、アイスクリームを調製した。このアイスクリームについて、よく訓練された10名のパネラーにより官能評価を行った。パネラー10名の平均的な官能評価を表3に示した。
Figure 0005450012
表3に示したとおり、本発明品のバニラエキスを添加したアイスクリームは、天然バニラ特有の濃厚芳醇な天然感に富み、かつ、マイルドな熟成感があり、さらに、渋味、えぐ味などの雑味がなく、優れた風味を有していた。このことから、本発明方法によれば、バニラ特有の風味や香味の元になる化合物を多く含み、雑味などの元になる化合物を少なく含むバニラエキスが得られることがわかる。また、バニラビーンズへの衝撃波処理の回数が増えるに伴い、荒々しい莢感を想起させる力強さが増加し、良好であった。これは、回数を増やすにつれて、細胞組織の破壊が、より一層進んだことにより、莢感を想起させる化合物が多く抽出されたことによるものと考えられる。
[実施例3]
(衝撃波の圧力と抽出効率)
実施例1と同様な操作により、導爆線とバニラビーンズを封入した容器からの距離を10cmとなるよう設置して、衝撃波を1回与えたバニラビーンズ(参考品8)、距離を10cmとして衝撃波を5回与えたバニラビーンズ(参考品9)、距離を15cmとして衝撃波を1回与えたバニラビーンズ(参考品10)、距離を15cmとして衝撃波を5回与えたバニラビーンズ(参考品11)、距離を20cmとして衝撃波を1回与えたバニラビーンズ(参考品12)、距離を20cmとして衝撃波を5回与えたバニラビーンズ(参考品13)をそれぞれ調製した。
次いで、実施例1と同様に、200mlフラスコに、参考品2、4及び上記調製したそれぞれの参考品20g及び50%(w/w)エタノール100gを仕込み、内温40±1℃で4時間静置抽出(1時間毎に1分攪拌)した。抽出終了後25℃に冷却し、サラシ布でデカント分離した後、No.2濾紙(アドバンテック東洋株式会社製)55mmにセルロースパウダー(ダイヤフロック:今野商会社製)3gをプレコートしたヌッチェにて、減圧度15.0kPaで吸引濾過してバニラエキスを得た(本発明品1、3、5〜10及び比較品1〜2)。得られたバニラエキスについて、バニリン含量及び吸光度(430nm)を測定した。結果を表4に示す。
Figure 0005450012
表4に示したとおり、衝撃波の圧力が184MPa及び120MPaの場合は、衝撃波処理によりバニリン含量、吸光度とも大きな値となるとともに、処理回数1回に比べて5回の方がバニリン含量、吸光度の値が大きくなる傾向が見られた。
一方、衝撃波の圧力が50MPa及び70MPaでは、衝撃波処理により吸光度は高くなる傾向は見られるものの、バニリン含量については衝撃波処理回数が1回の場合も、5回の場合も、衝撃波処理を行っていない比較品1とほとんど変わらなかった。
したがって、バニラビーンズの衝撃波処理には、最低でも100MPa程度の圧力とするのが効果的であり、おおよそ100MPa以上の場合は処理回数に伴い抽出効率は上がるが、おおよそ100MPa以下では処理の回数を増やしても、それほど効果が上がらないものと考えられた。
[実施例4]
(抽出時間の短縮の確認)
参考品1〜6のバニラビーンズのそれぞれ100g及び70%(w/w)エタノール500gをフラスコに仕込み、フラスコ内の温度40±1℃で静置抽出し、経時的にサンプリングして、それぞれのエキス中のバニリン含量を測定した(HPLC法)。そのバニリン含量が、バニラビーンズ中に含まれるバニリン含量(ソックスレー抽出法にて測定)の80質量%となるまでに-要する抽出時間を表5に示した。
Figure 0005450012
表5から明らかなように、衝撃波処理したバニラビーンズでは、同じ量のバニリンを抽出するための時間が短縮され、衝撃波処理の回数が増えるに伴い、抽出時間が短縮されることが認められた。これは、衝撃波処理の回数が増えるに伴い、細胞組織の破壊が進み、バニリンが抽出しやすくなったことによるものと考えられる。
[実施例5]
(低温長時間抽出法による比較)
参考品1、2、4、8、9のバニラビーンズのそれぞれ100g及び50%(w/w)エタノール500gをフラスコに仕込み、フラスコ内の温度40±1℃で30日間静置抽出した(1日に1分間攪拌)。抽出終了後、30℃以下に冷却し、さらし布によりデカント分離した後、No.2濾紙(アドバンテック東洋株式会社製)55mmにセルロースパウダー(ダイヤフロック:今野商会社製)7gをプレコートしたヌッチェにて、減圧度15.0kPaで吸引濾過してバニラエキスを得た(本発明品11〜14、比較品3)。次いで、牛乳60質量部、水34質量部及びグラニュー糖6質量部を混合した液体基材に、得られたバニラエキスをそれぞれ0.5質量%添加し、よく訓練された10名のパネラーにより官能評価を行った。パネラー10名の平均的な官能評価を表6に示した。
Figure 0005450012
表6に示したとおり、バニラビーンズの衝撃波処理の回数を増やすことにより、ボディ感の強さが向上していく傾向が見られ、バニラビーンズの衝撃波処理が、抽出されたエキスの風味向上寄与することが示された。これは、回数を増やすにつれて、細胞組織の破壊が、より一層進んだことにより、ボディ感を想起させる化合物が多く抽出されたことによるものと考えられる。
[実施例6]
(衝撃波処理したバニラビーンズの物性)
実施例1で得た参考品1〜5について、それぞれ5個のサンプルを用意し、シードを取り除いた後、果実硬度計(083014果実硬度計(KM−1型)、藤原製作所製)を用いて各サンプル(莢の部分)の硬度を測定し、それらの平均値を参考品1〜5の硬度として求めた。結果を表7に示す。
Figure 0005450012
表7からわかるように、衝撃波の処理回数が多くなるほど、バニラビーンズの
硬度が小さくなる傾向が見られた。

Claims (3)

  1. バニラビーンズに衝撃波を与えてバニラビーンズの細胞組織を破壊し、次いで、そのバニラビーンズを水及び/又は水溶性有機溶媒で抽出することを特徴とするバニラエキスの製造方法。
  2. 衝撃波の圧力が100MPa以上500MPa以下であることを特徴とする請求項1に記載のバニラエキスの製造方法。
  3. 衝撃波によって破壊された細胞組織を有するバニラビーンズ。







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