JP4106429B2 - 新規なバニラエキストラクトの製造法 - Google Patents

新規なバニラエキストラクトの製造法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、バニラエキストラクトの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
バニラエキストラクトは、食品や香粧品用の香料として広く用いられ、世界で最も需要の高いエキストラクトの一つである。バニラエキストラクト特有の香気は、キュアリング(収穫直後のバニラ青莢を加温して、熟成を促進させ、乾燥させる)工程を経て形成される。従ってバニラエキストラクトの製造は、キュアリング後のバニラ豆をアルコールなどの溶剤で抽出する方法が一般的であるが、このような方法によって得られるバニラエキストラクトは、香味が単調で芳醇なコク味とボリューム感に乏しく、また渋味・収斂味が生じて、嗜好性に欠けるという欠点があった。
一方、酵素を用いたバニラエキストラクトの製造法については、バニラ青莢粉砕物を酵素処理する方法が提案されている(特表平6−502685)。しかし、この方法はキュアリング工程を省くことによるコストダウンやバニリンの収量アップを目的とするものであって、キュアリング後のバニラ豆から前記優れた香味を有するバニラエキストラクトを製造するという目的とは全く異なっている。しかも、用いられている酵素もセルラーゼ、ペクチナーゼ、ヘミセルラーゼなどの植物細胞壁分解酵素であり、キュアリング後のバニラ豆をタンパク質分解酵素、渋味・苦み分解酵素又はヘスペリジン分解酵素で処理して、前記優れた香味を有するバニラエキストラクトを製造することについては示唆も開示もされていない。
【0003】
本発明の目的は、キュアリング後のバニラ豆を特定の酵素で処理して、芳醇なコク味とボリューム感が増強され、渋味・収斂味が低減された、嗜好性の高いバニラエキストラクトを提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、キュアリング後のバニラ豆からバニラエキストラクトを製造するにあたり、該バニラ豆又は該バニラ豆の抽出物を、タンパク質分解酵素、渋味・苦み分解酵素及びヘスペリジン分解酵素から選択される1種以上の酵素で処理することを特徴とするバニラエキストラクトの製造法である。
また本発明は、キュアリング後のバニラ豆又は該バニラ豆の抽出物を、タンパク質分解酵素、渋味・苦み分解酵素及びヘスペリジン分解酵素から選択される1種以上の酵素で処理することにより得られた、芳醇なコク味とボリューム感が増強され、渋味・収斂味が低減された、嗜好性の高いバニラエキストラクトである。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられるバニラ豆は、Vanilla planifolia 由来のブルボン豆、インドネシア豆、メキシコ豆、トンガ豆、バリ豆およびVanilla tahitiense 由来のタヒチ豆などが挙げられるが、産地や品種はとくに限定されない。
収穫されたバニラ豆(バニラ青莢)には匂いがないが、公知のキュアリングと呼ばれる発酵・乾燥工程を経た後、特有の香気が発現する。本発明では、キュアリング後のバニラ豆が用いられる。キュアリング後のバニラ豆には、長さや色などにより、エクストラ、ファースト、セカンド、サード、フォース、インフェリアのようにグレード分けされて供給されるが、これら以外に低価格で低品質の無選別品などもある。本発明では、これらのいかなるグレードの品質の豆でも用いることができる。すなわち、前記無選別品を用いても、芳醇なコク味とボリューム感が増強され、渋味・収斂味が低減された、嗜好性の高いバニラエキストラクトを製造することができ、また高品質の豆を用いると、前記嗜好性の高いバニラエキストラクトに加え、さらに高級感を有するバニラエキストラクトを製造することができる。
【0006】
本発明に用いられるキュアリング後のバニラ豆の抽出物は、いかなる方法により得られた抽出物でも良い。すなわち、バニラ豆はそのまま、裁断または粉砕したものなどあらゆる形態のものが用いられ、とくに限定はされない。また裁断または粉砕の仕方は、公知の方法で可能である。バニラ豆の抽出物としては、バニラ豆を、水、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノールなどの1価アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1、3−ブチレングリコール、1、2−ブチレングリコールなどの多価アルコール、アセトン、酢酸エチル、ヘキサン又はこれらの混合溶剤などに添加し、抽出して得られる抽出物、またこれら抽出物を濃縮して得られる濃縮抽出物、さらにこれら抽出物の溶剤部分を留去して得られるオレオレジンなどを例示することができる。また亜臨界または超臨界炭酸ガスなどで得られた抽出物も例示することができる。前記溶剤の中でも、水、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン及びこれらの混合物が好ましく、さらには水、エタノール、含水アルコールが好ましい。含水アルコールの水とアルコールとの混合割合は任意に選択すればよいが、通常は重量比で、水:アルコール=5:95〜95:5の範囲が好ましく、さらには20:80〜90:10が好ましい。
前記溶剤の使用量は、一般的には使用するバニラ豆1重量部に対して1〜20重量部、好ましくは2〜10重量部の範囲が挙げられる。
抽出条件は、とくに限定されないが、静置または攪拌下、温度10℃〜溶剤の沸点温度、好ましくは20〜60℃、さらに好ましくは30〜50℃、処理時間30分〜1ヶ月を挙げることができる。
亜臨界または超臨界炭酸ガス抽出の場合の処理条件は、例えば圧力100〜300Kg/cm2 、温度20〜60℃の二酸化炭素を用いて抽出し、常法により抽出ガスを分離槽に導いて抽出物を得ることができる。
得られた抽出物は、そのまま又は濃縮後、次の酵素処理工程に進むことが可能であるが、抽出後、遠心分離、ろ過などの固液分離手段により抽出液を得て、そのまま又は濃縮後、次の酵素処理工程に進むことも可能である。
【0007】
本発明に用いられる酵素は、タンパク質分解酵素、渋味・苦み分解酵素及びヘスペリジン分解酵素から選択される1種以上の酵素である。
タンパク質分解酵素は、プロテアーゼまたはペプチダーゼともよばれ、ペプチド結合の加水分解反応を触媒する酵素の総称である。この酵素には、セリンプロテアーゼ、システインプロテアーゼ、アスパルテイックプロテアーゼ、金属プロテアーゼなどのエンドペプチダーゼおよびアミノペプチダーゼ、ジペプチダーゼ、ジペプジルアミノペプチダーゼ、ジペプジルカルボキシペプチダーゼ、セリンカルボキシペプチダーゼ、金属カルボキシペプチダーゼなどのエキソペプチダーゼがあるが、好ましくはエンドペプチダーゼが挙げられる。前記酵素の中でも至適pHが、好ましくは酸性〜中性領域、さらに好ましくはpH=4.0〜6.5の範囲を有する酵素が挙げられる。
これら酵素は大部分が市販されており、容易に入手が可能である。例えば、オリエンターゼ ONS 、オリエンターゼ20A、オリエンターゼ90N 、オリエンターゼ10NL 、ヌクレイシン (以上、阪急バイオインダストリー社製)、フレーバーザイム1,000L、アルカラーゼ2.4L、ニュートラーゼ0.5L(以上、ノボノルディスクバイオインダストリー社製)、コクラーゼP(三共社製)、パパインW-40、プロテアーゼM「アマノ」、プロテアーゼA「アマノ」、プロテアーゼN「アマノ」、プロテアーゼP「アマノ」、ペプチダーゼR「アマノ」、ペプチダーゼ723、ヌクレアーゼ「アマノ」(以上、天野製薬社製)などが挙げられる。
【0008】
渋味・苦み分解酵素は、渋味成分、苦み成分または渋味・苦み成分を分解する反応を触媒する酵素の総称である。この酵素には、タンナーゼ、ナリンギナーゼ、クロロゲン酸エステラーゼなどがある。
タンナーゼは、渋味成分であるタンニン、m−ガロイル没食子酸、没食子酸メチルなどのエステル結合を加水分解する反応を触媒する酵素であり、アスペルギルス属やペニシリウム属などに属するタンナーゼ生産菌から得たタンナーゼが好適である。これら酵素は市販されており、容易に入手が可能である。例えば、タンナーゼ「三共」(三共社製)、タンナーゼ「キッコーマン」-KTFH(キッコーマン社製)が挙げられる。
ナリンギナーゼは、柑橘類の苦み成分であるナリンギンを分解する反応を触媒する酵素である。これら酵素は市販されており、容易に入手が可能である。例えば、ナリンギナーゼ「アマノ」(天野製薬社製)、クミタナーゼ(田辺製薬社製)が挙げられる。
クロロゲン酸エステラーゼは、果汁やコーヒーなどの渋味・苦み成分であるクロロゲン酸に代表されるヒドロキシシンナミック酸エステル系のポリフェノールを分解する反応を触媒する酵素である。市販されている酵素としては、例えばクロロゲン酸エステラーゼ(キッコーマン社製)が挙げられる。
【0009】
ヘスペリジン分解酵素は、ヘスペリジンをラムノースとヘスペリジン−7−グリコサイドに分解する反応を触媒する酵素である。市販されている酵素としては、例えばヘスペリジナーゼ「タナベ」2号(田辺製薬社製)が挙げられる。
【0010】
バニラ豆を前記の酵素で処理する場合、バニラ豆と、酵素と、溶剤とを混合するが、これらの混合順序はとくに限定されない。バニラ豆はそのまま、裁断または粉砕したものなどあらゆる形態のものが用いられ、とくに限定はされない。また裁断または粉砕は、公知の方法で可能であり、好ましくは後記溶剤中で行われる。溶剤としては、水、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノールなどの1価アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1、3−ブチレングリコール、1、2−ブチレングリコールなどの多価アルコール、アセトン、酢酸エチル、ヘキサン又はこれらの混合溶剤などが用いられる。前記溶剤の中でも、含水溶剤、水、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン及びこれらの混合物が好ましく、さらには水、含水溶剤が好ましく、とくには水、含水アルコールが好ましい。含水アルコールを含む含水溶剤の水と溶剤との混合割合は任意に選択すればよいが、通常は重量比で、水:溶剤=60:40〜100:0の範囲が好ましく、さらには80:20〜100:0、とくには90:10〜100:0が好ましい。
【0011】
前記溶剤の使用量は、一般的には使用するバニラ豆1重量部に対して1〜20重量部、好ましくは2〜10重量部の範囲が挙げられる。
前記酵素の使用量は、とくに限定されず、またその酵素活性によって異なるが、バニラ豆100重量部に対して0.001〜10重量部、好ましくは0.01〜5重量部である。
酵素処理条件は、酵素反応が進行する限りとくに限定されないが、温度10〜60℃、好ましくは20〜50℃、処理時間30分〜1週間を挙げることができる。なお、pH条件も酵素反応が進行する限りとくに限定されないが、好ましい範囲としては、例えばタンパク質分解酵素では、pH2〜10、さらに好ましくはpH3〜8、渋味・苦み分解酵素のタンナーゼは、pH3〜7、さらに好ましくはpH4〜7、同じくナリンギナーゼは、pH2〜6、さらに好ましくはpH3〜6、同じくクロロゲン酸エステラーゼは、pH3〜8、さらに好ましくはpH4〜8、ヘスペリジン分解酵素は、pH2〜6、さらに好ましくはpH3〜6を挙げることができる。
前記酵素処理において、バニラ豆は酵素の作用を受けると同時に、バニラ豆の香味成分も溶媒により抽出される。
【0012】
酵素処理終了後、酵素処理液は、例えば75〜95℃に加熱して、酵素を失活させることが好ましい。得られた酵素処理抽出物は、遠心分離などの方法によりバニラ豆などの固形物から分離され、バニラエキストラクトが製造される。
なお、前記酵素処理抽出物は、バニラ豆と分離する前に、さらにエタノールを加えて再抽出される場合もあり、このことによりバニラエキストラクトのトップ立ちの増強など、香りのバラエテイ化を図ることができる。この場合のエタノールの使用量は、再抽出時の溶剤組成中、エタノールが5〜50重量%になる量が好ましい。このエタノールによる再抽出法は、酵素処理を水又は、重量比で水:溶剤=95:5〜100:0の含水溶剤で行った場合に好ましく適用される。
【0013】
次にバニラ豆の抽出物を酵素で処理する場合について述べる。この場合、前記バニラ豆の抽出物に酵素を作用させるが、この時の溶剤としては、水および含水溶剤が好ましく挙げられる。この含水溶剤の水とアルコールなどの溶剤との混合割合は、好ましくは水:溶剤=70:30〜100:0、さらに好ましくは85:15〜100:0の範囲が挙げられる。
このような組成に調整する方法としては、最初からこのような組成の抽出溶剤を使用したり、また任意の溶媒による抽出物を減圧濃縮または減圧乾燥固化後、追加する溶剤の組成を調整する方法を例示することができる。
前記酵素の使用量は、とくに限定されず、またその酵素活性によって異なるが、バニラ豆抽出物を得るのに用いられたバニラ豆の重量に注目して、そのバニラ豆100重量部に対して0.001〜10重量部、好ましくは0.01〜5重量部である。
温度、pH、処理時間などの処理条件は、とくに限定されず、前記バニラ豆を酵素で処理する場合に記載した内容と同じである。
酵素処理終了後、酵素処理液は、例えば75〜95℃に加熱して、酵素を失活させることが好ましい。
【0014】
以上の方法で得られたバニラエキストラクトは、必要があれば濃縮液状、ペースト状、オイル状、粉末状その他の任意の形態にして、各種飲食品や化粧品などに利用する事ができる。とくに、水蒸気蒸留法、膜濃縮法、樹脂吸着法、減圧濃縮法、超臨界抽出法などの濃縮法を利用して、さらに優れたバニラエキストラクトを得ることも可能である。
本発明のバニラエキストラクトは、例えばアイスクリームなどの冷菓類、チョコレート、ビスケット、プリンなどの菓子類、各種飲料類、化粧品類、家庭用品類および医薬品類などに用いられる。
【0015】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。なお、本発明は実施例に限定されるものではない。
【0016】
実施例1
バニラ豆(ブルボン豆; 約1cmにカット)20gとイオン交換水98gにタンナーゼ「三共」(三共社製)0.2gを加えて、40℃で1日間の酵素処理を行った。続いて、熱失活後、その酵素処理物は、95容量%アルコール11gを加えて、40℃で1日間、再抽出した。そして、その抽出物は、遠心分離(5,200rpm×10分間)を行い、バニラ豆などをろ過して、バニラエキストラクトを79g調製した。
【0017】
実施例2
バニラ豆(ブルボン豆; 約1cmにカット)20gとアルコール水溶液(水:アルコール=93:7)98gにペプチダーゼ723(天野製薬社製)0.2gを加えて、40℃で1日間の酵素処理を行った。続いて、熱失活後、遠心分離(5,200rpm×10分間)を行い、バニラ豆などをろ過して、バニラエキストラクトを64g調製した。
【0018】
比較例1、2
実施例1、2で、酵素を使用しない以外は同様な操作を行って、バニラエキストラクトを調製した。
【0019】
香味評価1
実施例1および比較例1で調製したバニラエキストラクトを、アイスクリームの生地に各々1%づつ賦香し、本発明品1および比較品1を得た。専門パネラー10名によって、本発明品1と比較品1を2点比較法で評価した。その結果を表1に示す。なお、表中の数字は人数を示し、総合評価は味と匂いの両面から嗜好性を加味して行った。
【0020】
【表1】
Figure 0004106429
【0021】
香味評価2
実施例2および比較例2で調製したバニラエキストラクトを、アイスクリームの生地に各々1%づつ賦香し、本発明品2および比較品2を得た。専門パネラー10名によって、本発明品2と比較品2を2点比較法で評価した。その結果を表2に示す。なお、表中の数字は人数を示し、総合評価は味と匂いの両面から嗜好性を加味して行った。
【0022】
【表2】
Figure 0004106429
表1,2の結果から、本発明の実施例1と2のバニラエキストラクトが、比較例1と2の酵素未処理品より官能特性に優れていることがわかる。
【0023】
実施例3
バニラ豆(ブルボン豆; ミキサーで粉砕)560gとイオン交換水1,120gにナリンギナーゼ「アマノ」(天野製薬社製)5.7gと コクラーゼP(三共社製)0.8gを加えて、攪拌(160rpm)下、40℃で4時間酵素処理を行った。続いて、熱失活を施して酵素反応を終了させた。その後、その処理物中の591gは、同量の95容量%アルコールを加えて、25℃で3日間、再抽出した。そして、その抽出物は、遠心分離(7,000rpm×10分間)を行い、バニラ豆などをろ過して、バニラエキストラクトを894g調製した。
【0024】
香味評価3
実施例3で調製したバニラエキストラクトおよび市販のバニラエキストラクトを、アイスクリームの生地に1%づつ賦香して、発明品3および市販品を得た。専門パネラー5名によって、市販品を3点とする5点評価法によって評価し、得られた点数の平均値を表3に示す。なお、総合評価は味と匂いの両面から嗜好性を加味して行った。
【0025】
【表3】
Figure 0004106429
【0026】
実施例4
バニラ豆(インドネシア豆; 約5mmにカット)100gに50重量%アルコール400gを加えて、40℃で3日間、抽出した。その後、遠心分離(5,200rpm×5分間)し、ろ過して、抽出物353gを得た。その抽出物は、減圧濃縮後、アルコール濃度が5重量%になるようにイオン交換水を適量加えた。ついで、ヘスペリジナーゼ「タナベ」2号(田辺製薬社製)1.7gを加えて、40℃で6時間酵素処理を行った。続いて、熱失活後、その酵素処理物は、ろ過して、バニラエキストラクトを調製した。このバニラエキストラクトは、渋味・収斂味が低減して、芳醇なコク味や広がりのあるボリューム感が増強されていた。
【0027】
【発明の効果】
本発明により、芳醇なコク味とボリューム感が増強され、渋味・収斂味が低減された、嗜好性の高いバニラエキストラクトを得ることができる。

Claims (1)

  1. キュアリング後のバニラ豆からバニラエキストラクトを製造するにあたり、該バニラ豆又は該バニラ豆の抽出物を、タンパク質分解酵素、タンナーゼ、ナリンギナーゼ、クロロゲン酸エステラーゼ、及びヘスペリジン分解酵素から選択される1種以上の酵素で処理することを特徴とするバニラエキストラクトの製造法。
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