JP2673379B2 - 風味の優れた魚節だしフレーバー - Google Patents

風味の優れた魚節だしフレーバー

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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、魚節製造の際の荒節研磨整形時の研磨粉お
よび醗酵調味料とを加熱反応させ、ついで超臨界状態等
の二酸化炭素により抽出して得られた魚節だしフレーバ
ーに関する。ただし醗酵調味料が醤油を含むときは該調
味料は醤油以外の醗酵調味料を含有する。さらに詳しく
は、生臭味、油焼けが無くうま味に富んだ魚節だしフレ
ーバーに関する。
[従来の技術] 鰹をはじめとする魚節類の香気香味は、原料とする魚
種および製造方法によって大きく異なるが、共通する特
性として特有の生臭味あるいは油焼け臭を有する。この
ことは、例えば日常生活において生臭味のない旨い「か
つおだし」をとることの難しさによってもよく経験され
る。
鰹節類の香気成分を液化状態または亜臨界もしくは超
臨界状態の二炭化炭素で抽出する方法は既に知られてい
る。例えば特開昭59−232064号公報には、鰹節等の節類
や煮干品のごとき加工魚類を液化状態あるいは超臨界状
態の二酸化炭素で処理して前記加工魚類中の天然香気成
分を二酸化炭素中に抽出回収し、上記処理後の残渣から
呈味成分を有する呈味料を得、この呈味料に得られた天
然香気成分を賦香する調味料の製造方法が開示されてい
る。
また特公平第1−8990号公報は、鰹節製造の際の荒節
天然研磨整形時の研磨粉から亜臨界または超臨界状態の
二酸化炭素を抽剤として得られた鰹節エキスからなる調
味料を開示している。
[発明が解決しようとする課題] 上記の液化状態、亜臨界もしくは超臨界状態の二酸化
炭素を用いて抽出した調味料は、従来の水もしくは有機
溶剤抽出によって得られた鰹エキス等と比較すると香気
的にかなり優れているが、魚類加工品の不快な生臭味お
よび油脂の酸化臭(油焼け臭)を依然として随伴すると
いう課題を有している。
[課題を解決するための手段] 本発明は、魚節製造の際の荒節研磨整形時の研磨粉お
よび醗酵調味料とを加熱反応させ、ついで液化状態また
は亜臨界もしくは超臨界状態の二酸化炭素と接触せしめ
て共抽出して得られた香気香味成分からなる魚節だしフ
レーバーを提供する。ただし醗酵調味料が醤油を含むと
きは該調味料は醤油以外の醗酵調味料を含有する。
本発明者らは、魚節類の香気香味成分を抽出する際に
随伴する生臭味および油脂の酸化臭が防止された魚類を
提供すべく鋭意検討を進めた。
その結果、魚節類原料として荒節整形研磨時の研磨粉
を用い、これと味醂等の醗酵調味料とを加熱反応せしめ
た後、液化状態等の二酸化炭素により香気香味成分を共
抽出すると、生臭味および油脂の酸化臭がなく、嗜好性
に富んだ風味の良好な魚節だしフレーバーが得られるこ
とを見いだし本発明を完成した。
魚類の代表的な生臭味原因物質としては、トリメチル
アミン等のアミン類が知られている。またこれらの魚臭
抑制に関しても多くの研究がなされており、例えば酒
類、食酢、醤油、味噌等の調味料に魚臭抑制効果がある
ことが知られている[市邨学園短期大学自然学研究会
誌]10(1、2)、9−13('76);同11(2)、1−
5('77);同13(1)、1−7('78);同15(1−
2),1−10('81)]。
しかしながら、未加工の生魚と魚節類の生臭味原因物
質は必ずしも同一ではなく、また上記報告はこれら調味
料の魚節類抽出物の生臭味抑制効果について全く言及す
るものではなく、また示唆もしていない。更には、液化
状態または亜臨界状態もしくは超臨界状態の二酸化炭素
を用いて魚節類の香気香味成分を抽出する際に、醗酵調
味料と荒節研磨粉とを加熱反応させて得られた生成物の
共抽出実施により抽出物特有の生臭味、油脂の酸化臭等
の嫌みが劇的に解消され、いわゆるだし的風味の強い魚
節だしフレーバーが得られるということについては従来
全く知られていなかった。
本発明で用いる研磨粉(以下研磨粉という)は、各種
の魚、例えばカツオ、ソウダガツオ、ザバ、サンマ、ム
ロアジ、マグロ等の魚類を製造する際の中間体である荒
節を研磨整形する際に発生するものである。すなわち、
節類原料となる魚を数度の燻乾または焙乾処理して得ら
れた荒節を黴付けして節類を製造するが、この黴付け前
に荒節の表面を刃物あるいはグラインダー等により研磨
整形する。本発明の荒節研磨整形粉とは、上記研磨整形
する際に生ずる削り屑、グラインダー屑、粉末等を意味
する。
燻乾または焙乾を終了した荒節は、主としてその表面
部分に魚節類に特徴的な香気を醸しだす燻煙成分、およ
び魚体の脂肪等とこれら燻煙成分とが加熱反応変性した
芳香の強い脂肪分とが付着している。これらの表面部分
を削り取って得られた荒節研磨粉は、強い香気を有し、
魚節だしフレーバー採取原料として優れている。
本発明で用いる二酸化炭素は安価である、無害、無臭
である、化学的にも安定である、不燃性である等抽出流
体として好ましい特性を有している。また液化状態、亜
臨界状態もしくは超臨界状態のそれぞれの所望の状態、
処理条件により適宜その温度、圧力等を選択できる。例
えば、圧力75kg/cm2以上、温度32℃以上の超臨界状態の
二酸化炭素を好ましく例示できる。また、例えば圧力30
〜70kg/cm2、温度25℃の液化状態の二酸化炭素、あるい
は例えば圧力75kg/cm2、温度0〜30℃の亜臨界状態の二
酸化炭素も例示できる。
研磨粉と加熱反応せしめるべき醗酵調味料としては、
例えば米味噌、麦味噌および豆味噌等の味噌類;本味
醂、清酒、酒粕類;糖類原料に生もとに加えて醗酵させ
たアルコールを含む醗酵調味液等を例示できる。上記醗
酵調味料に濃口醤油、薄口醤油、溜醤油および醤油諸味
等の醤油類を混合することもできる。これらの醗酵調味
料は、単独でも適宜混合して用いてもよい。
次に本発明の実施態様を更に詳しく説明する。
研磨粉に醗酵調味料を研磨粉1重量部に対し約0.01〜
10重量部、好ましくは約0.05〜10重量部添加する。醗酵
調味料の添加量が上記範囲の下限よりも少ないと本発明
の目的とする生臭みおよび油焼け臭のないフレーバーを
得ることができず、上限よりも多い場合には特に効果が
増すものではない。醗酵調味料の添加方法は、研磨粉と
別個でもあるいは予め研磨粉と混合したものを仕込んで
もよい。
研磨粉と醗酵調味料との混合物を加熱反応せしめる条
件としては、一般に反応温度約50〜95℃好ましくは約55
℃〜90℃、反応時間約15分〜1時間が好ましく用いられ
る。反応条件が上記範囲の下限よりも弱い場合には、生
臭みおよび油焼け臭のないバランスのよいフレーバーを
得ることが難しい。反応条件は、研磨粉および醗酵調味
料の種類、形態等により適宜選択されるべきものであ
り、場合によっては上記反応条件よりも強い条件を適用
してもよい。反応終了後、所望により該加熱反応物を
過、遠心分離等により固−液分離して反応生成物質を含
む研磨粉の形態としてもよく、あるいは更にこの研磨粉
を乾燥してもよい。
ついで研磨粉と醗酵調味料との加熱反応物を含む研磨
粉を耐圧容器に仕込み、液化状態、好ましくはその温度
での蒸気圧以上に加圧された液化状態、または亜臨界状
態もしくは超臨界状態の二酸化炭素を耐圧容器に導入し
て接触せしめ、香気香味成分を該二酸化炭素で抽出す
る。
抽出条件は、荒節研磨粉の原材料となった魚の種類、
細分化の程度、組成によって適宜選択すればよく、一般
的には、温度約0〜90℃、圧力約30〜400kg/cm2の範囲
内で、使用する二酸化炭素の所望の状態に応じた温度お
よび圧力が採用される。抽出時間は、魚の種類、研磨粉
の形状、抽出流体の温度、圧力等によって適宜選択され
るべきものであるが、一般的には約10分〜24時間が採用
される。
抽出は、静置、浸漬、撹拌等、あるいはさらに一定量
の二酸化炭素を容器内に連続供給する方法等、各種の方
法を適宜採用できる。
本発明においては、上記液化状態また亜臨界状態もし
くは超臨界状態の二酸化炭素抽出の際、エントレーナー
としてメタノール、エタノール、グリセリンおよびプロ
ピレングリコール等のアルコール類を添加してもよい。
アルコール類は研磨粉および醗酵調味料の加熱反応物と
一緒に仕込んでも、また研磨粉および醗酵調味料を仕込
んだ容器内に抽出流体としての二酸化炭素を供給する際
に、加圧ポンプを用いてアルコール類を所望の供給量と
なるように供給しながら抽出を実施してもよい。次い
で、香気香味成分を溶解した二酸化炭素と研磨粉および
固形成分を含有する醗酵調味料の残渣とを分離する。得
られた二酸化炭素流体から香気香味成分を分離する方法
としては、等温法、等圧法あるいは抽出された溶質を吸
着剤により吸着する方法等、抽出条件に応じた適宜の分
離手段を採用できる。
上記のようにして得られた本発明の魚節だしフレーバ
ーは、そのままの状態で各種飲食品に添加してもよい。
また所望によりこの魚節だしフレーバーを食用油脂に溶
解して利用してもよく、殊に食用油脂と各種動植物材料
とを加熱処理して得られたいわゆる着香油あるいは風味
油と称される油脂類への配合により、一層優れた香味油
を得ることもできる。
また本発明の魚節だしフレーバーを含水アルコール類
で処理し、生成する不溶物を除去することによって、風
味がよくかつ水溶性の魚節だしフレーバーとすることが
でき、一層広い用途への利用が可能である。
本発明の魚節だしフレーバーおよびそれらの食用油脂
液を、食用界面活性剤類あるいはカゼイン、ゼラチン、
アラビアガム、澱粉、デキストリン等の動植物性保護コ
ロイド物質により乳化処理した乳化物の状態で利用して
もよく、さらには該乳化物を噴霧乾燥、真空乾燥等の乾
燥手段により粉末形態に加工して利用してもよい。
[発明の作用] 本発明によれば、従来の水もしくは有機溶媒を用いて
得られた魚節エキスまたは魚節フレーバー、あるいは魚
節類または研磨粉単独を超臨界状態等の二酸化炭素で抽
出した抽出物に共通して存在する魚節類または研磨粉特
有の生臭味あるいは油焼け臭の無い、極めて嗜好性に優
れた、濃厚で芳醇な熟成感を伴った、まろやかな風味の
魚節だしフレーバーが提供される。
その理由は必ずしも明らかでないが、研磨粉と醗酵調
味料との加熱反応を液化状態または亜臨界状態もしくは
超臨界状態の二酸化炭素を用いて共抽出することによっ
て初めて本発明の魚節だしフレーバーが得られるもので
あって、従来法の魚節または研磨粉単独を超臨界法ある
いはその近傍条件によって抽出した抽出物に、本発明で
用いる醗酵調味料を後から単純に混合しても得られるも
のではない。即ち、本発明によって得られる魚節だしフ
レーバーは油性であり、食用動植物性油脂に優れた相溶
性を示す。これに対し魚節類または研磨粉単独を超臨界
あるいはその近傍条件の二酸化炭素によって抽出した抽
出物に単に醤油、味醂、酒類等の醗酵調味料を添加して
も、抽出物はこれらに対する相溶性に乏しく、これが、
本発明で得られる魚節だしフレーバーが特に優れた嗜好
性に富むフレーバーである原因の1つになっているもの
と思われる。
また、味噌、醤油等製造の際に副生物として採取され
る味噌オイル、醤油オイル等を従来法で得られた抽出物
に添加しても、本発明の嗜好性に優れた魚節だしフレー
バーを得ることはできなかった。
さらには、研磨粉と醗酵調味料とのか混合物から、超
臨界状態等の二酸化炭素で抽出しても、本発明で得られ
るような濃厚で芳醇な熟成感を伴ったまろやかな風味を
有する抽出物は得られなかった。
以下実施例に基づき本発明をより詳細に説明する。
(実施例) 香気成分の測定方法: 抽出物10.0gに内部標準物質としてn−テトラデカン
の0.1%エーテル溶液1mlを添加し、減圧水蒸気蒸留を行
った。得られた留出液を食塩飽和後、エーテル抽出し、
エーテル層を脱水後エーテルを留去し、香気成分の濃縮
物を得た。この濃縮物を水素炎イオン化検出器を備えた
ガスクロマトグラフィーにより測定した。
ガスクロマトグラフィー測定前の上記操作は、抽出物
中に高沸点の油脂類を包含するため、これらから揮発性
香気成分を分離するために実施した。
参考例1 鰹荒節の整形時に排出された研磨粉1000gに醤油3500g
を添加し、80℃にて30分間撹拌混合する。ついで遠心分
離により固−液分離し、研磨粉と醤油との反応物質を含
む醤油含浸研磨粉を得た。得られた研磨粉を耐圧容器
(抽出槽)に仕込み、圧力150kg/cm2、温度40℃の超臨
界二酸化炭素を連続して8時間供給した。
抽出槽から流出した抽出物含有二酸化炭素を他の耐圧
容器(分離槽)に移し、大気圧まで減圧して抽出物を二
酸化炭素から分離し、油状の抽出物18gを得た。
得られた抽出物は、生臭味および油焼け臭が無く、強
く芳しい鰹だし的風味を有していた。
この抽出物のガスクロマトグラフィー測定結果を第1
図に示す。
実施例1 宗田鰹荒節の研磨粉1000g、醤油油500g、米味噌50gお
よび清酒100gを、撹拌しながら90℃で30分間加熱して、
研磨粉と醤油等の醗酵調味料との反応物質を含む研磨粉
と醗酵調味料との混合物を得た。得られた混合物を耐圧
容器(抽出槽)に仕込み、圧力200kg/cm2、温度50℃の
超臨界二酸化炭素を連続して4時間供給した。抽出槽か
ら流出した抽出物含有二酸化炭素を他の耐圧容器(分離
槽)ひ移し、40kg/cm2まで減圧して二酸化炭素を蒸発さ
せ、油状の鰹だし様フレーバー21gを得た。
得られた鰹だし様フレーバーは、生臭味の無い芳醇
な、強い鰹だし的風味を有していた。
実施例2 鰹荒節研磨粉500g、ムロ荒節研磨粉300g、サバ荒節研
磨粉100g、本味醂1000gおよび醤油オイル50gを撹拌しな
がら85℃で1時間加熱して、上記研磨粉と上記醗酵調味
料との反応物質を含む研磨粉と上記醗酵調味料との混合
物を得た。得られた混合物を耐圧容器(抽出槽)に仕込
み、圧力100kg/cm2、温度25℃の亜臨界二酸化炭素を連
続して6時間供給した。抽出槽から流出した抽出物含有
二酸化炭素を他の耐圧容器(分離槽)に導いて、40kg/c
m2まで減圧して二酸化炭素を蒸発させ、油状抽出物9gを
得た。
このものは、生臭味がなく、旨さのある芳醇な魚節だ
しフレーバーを有していた。
実施例3 鰹荒節研磨粉1000、醤油油250gおよび酒粕100gを混合
し、95℃で30分間撹拌しながら開放下で加熱した。つい
で遠心分離により固−液分離し、研磨粉、醤油および酒
粕との反応物質を含む醤油等を含浸させた固形物を得
た。
この固形物を耐圧容器(抽出槽)に仕込み、圧力150k
g/cm2、温度40℃の超臨界二酸化炭素を連続して供給す
ると共に、エタノールをエントレーナーとして、供給二
酸化炭素の1重量%を二酸化炭素と共に3時間供給し
た。
得られた抽出物含有二酸化炭素を他の耐圧容器(分離
槽)に導き、大気圧まで減圧して抽出物を二酸化炭素か
ら分離して、油状物とエタノールからなる混合物52gを
得た。
この混合物は、生臭味、油焼け臭がなく、濃厚な鰹だ
しフレーバーを有していた。
比較例1 参考例1において、鰹荒節研磨粉1000gと水3500gとの
混合物を直接耐圧容器(抽出槽)に仕込み超臨界二酸化
炭素により抽出操作を実施した他は参考例1と同様に操
作して油状の鰹だしフレーバー17gを得た。
この鰹だしフレーバーのガスクロマトグラフィー測定
結果を第2図に示す。
比較例2 参考例1において、鰹荒節研磨粉と醤油を直接耐圧容
器(抽出槽)に仕込み、超臨界二酸化炭素で抽出を実施
した他は参考例1と同様に操作して、油状の鰹だしフレ
ーバー18gを得た。
この鰹だしフレーバーのガスクロマトグラフィー測定
結果を第3図に示す。
第1図、第2図および第3図の比較から明らかなよう
に、参考例1で得られた抽出物は香気成分の絶対量が多
く、かつ内部標準ピーク後の成分が顕著に増加してい
る。また参考例1で得られた抽出物は、比較列1および
比較列2で得られた抽出物よりも香気のバランスが優れ
ていた。
比較例3 実施例1において、宗田鰹研磨粉、溜醤油、米味噌お
よび清酒を直接耐圧容器(抽出槽)に仕込み、超臨界炭
素で抽出を実施した他は実施例1と同様に操作して油状
の鰹だしフレーバーを得た。
この鰹だしフレーバーは、実施例1で得られた鰹だし
フレーバーよりもフレーバーのバランスおよび濃厚さに
おいて劣っていた。
[発明の効果] 本発明は、魚節類特有の生臭味あるいは油やけ臭が無
く、嗜好性の極めて優れた濃厚なこく味のあるだし汁的
風味を有する魚節だしフレーバーを提供する。
このため、例えば鰹節その他の魚節類エキスの香味矯
正および増強剤として有用である。また和風スープおよ
び吸い物の素、麺つゆ、佃煮、漬け物、惣菜類、即席麺
類、だし入り味噌、風味調味料、だしの素およびレトル
ト食品類等の広い食品加工分野において極めて効果的に
利用できる。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図および第3図は、それぞれ参考例1、比
較例1および比較例2で得られた抽出物のガスクロマト
グラフィー測定結果を示すチャートである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】魚節製造の際の荒節研磨整形時の研磨粉お
    よび醗酵調味料とを加熱反応させ、ただし醗酵調味料が
    醤油を含むときは該調味料は醤油以外の醗酵調味料をも
    含有する、ついで液化状態または亜臨界もしくは超臨界
    状態の二酸化炭素と接触せしめて共抽出して得られた香
    気香味成分からなる魚節だしフレーバー。
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