JP2000210045A - 新規フレ―バ―賦与剤及びその製造方法 - Google Patents

新規フレ―バ―賦与剤及びその製造方法

Info

Publication number
JP2000210045A
JP2000210045A JP11011026A JP1102699A JP2000210045A JP 2000210045 A JP2000210045 A JP 2000210045A JP 11011026 A JP11011026 A JP 11011026A JP 1102699 A JP1102699 A JP 1102699A JP 2000210045 A JP2000210045 A JP 2000210045A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flavor
fragrance
liquid
animal
raw material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11011026A
Other languages
English (en)
Inventor
Satoru Shiraishi
悟 白石
Makoto Hayashi
誠 林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
T Hasegawa Co Ltd
Original Assignee
T Hasegawa Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by T Hasegawa Co Ltd filed Critical T Hasegawa Co Ltd
Priority to JP11011026A priority Critical patent/JP2000210045A/ja
Publication of JP2000210045A publication Critical patent/JP2000210045A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Seasonings (AREA)
  • Vaporization, Distillation, Condensation, Sublimation, And Cold Traps (AREA)
  • Fats And Perfumes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 気液向流接触装置を利用して回収される香気
成分は香気の強度が弱く、他の飲食品への賦香を目的と
する汎用性のあるフレーバー賦与剤として利用する程の
強度を有しない。さらに回収した香気成分に他の香料製
剤または香料物質を添加配合して香気強度を上げたた場
合には、後から添加した香料製剤または香料物質に基づ
く粗く刺激的な香気となる課題があった。 【解決手段】液状又はスラリー状とした動植物原材料か
ら気液向流接触装置を用いて香気成分を採取するに先立
って、該原材料に予め他の香料製剤および/または香料
物質を配合し均一に混合分散後、香気成分を回収するこ
とにより、まろやかで熟成感、天然感に富み且つ香気強
度の強いフレーバー賦与剤が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、天然動植物原材料
の香りをベースとして、且つフレーバー賦与剤として充
分な強度とバランスに優れた特性を有する新規フレーバ
ー賦与剤に関する。更に詳しくは、本発明は、回転円錐
と固定円錐が交互に組み合わせられた構造を有し、液体
原料を上部から回転円錐上に流下させ、下部から蒸気を
上昇させる気液向流接触装置を用いて液状又はスラリー
状とした動植物原材料から香気成分画分を採取するに先
立って、該動植物原材料に予め他の香料製剤および/ま
たは香料物質を配合することにより、天然動植物原材料
が本来有する香気特性をベースとしてナチュラル感に富
み、尚かつ着香料として充分に満足できる香気強度を有
する新規なフレーバー賦与剤に関する。
【0002】また本発明の他の目的は、前記した如き気
液向流接触装置を用いて、液状又はスラリー状とした動
植物原材料から香気成分画分を採取した後の残渣および
/または該残渣を水または含水アルコールで抽出して得
られる抽出物に前記フレーバー賦与剤を混合して得られ
る香気香味の優れた動植物エキスにも関する。
【0003】
【従来の技術】従来、焙煎コーヒー、緑茶、鰹節などの
動植物原料から回収香を採取するには水蒸気蒸留(常圧
または減圧)を行うのが一般的であった。しかしながら
水蒸気蒸留は長時間を要するため香気成分の熱による劣
化が激しく、これら動植物原料が本来有している新鮮な
香気を変化させることなく効率的に回収することは困難
であった。また、これによって得られる回収香は軽沸点
成分に偏り且つ香気濃度は低く、他の飲食品へのフレー
バー賦与剤として利用するには更に何らかの手段により
濃縮する必要があった。
【0004】かかる水蒸気蒸留の欠点を解決する手段と
して、回転円盤塔あるいは回転円錐塔を用いる香気成分
の回収方法が数多く提案されている。例えば、特公平7
−22646号公報には果汁の揮発成分の除去、グレー
プジュース等の果汁からの二酸化硫黄の除去、ぶどう酒
からアルコールを除去する低アルコールぶどう酒の製造
方法などが開示されている。
【0005】また特開平10−14525号公報には
水、アルコール、調味液の群から選ばれる一種あるいは
二種以上からなる液中に、固形の食品あるいはその微細
化物を分散させた懸濁液を気液向流接触装置に供して該
懸濁液の香気成分の50%以上を抽出し、凝縮させるこ
とにより抽出液として分離し、残った懸濁液から清澄液
を得た後、前記抽出液と前記清澄液を混合することを特
徴とする調味液の製造方法が開示されている。さらに特
開平10−179132号公報には気液向流接触装置を
利用した低アルコール清酒の製造方法も開示されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】これらの従来提案は、
気液向流接触装置を用いてワインや清酒のような液体か
ら香気成分を回収し、残った液を濃縮後、先に回収した
香気成分と混合するか、あるいは食品の粉砕物を水、ア
ルコール、調味液などに分散させた懸濁液を前記装置に
供して特定割合の香気成分を分離採取し、残った懸濁液
を濾過、清澄処理した清澄液に先に分離した香気成分を
戻して風味付けする技術であった。
【0007】これらの方法によれば、従来の水蒸気蒸留
等に比較して高品質の香気成分の回収が可能となった
が、その香気は依然として低沸点部分に偏ったものであ
り、元の食品の香気特性全体を再現するものではなく、
熟成感、ナチュラル感に大きく関与している高沸点成分
の欠落は致命的であり、更にその香気強度は、他の飲食
品にも配合できる汎用性のあるフレーバー賦与剤として
利用するにはとうてい満足できる程の強度を有するもの
ではなかった。
【0008】かかるフレーバー強度を補強する手段とし
て、通常は回収した香気成分に他の香料製剤または香料
物質を添加配合することが行われる。しかしながら後か
ら添加した香料製剤または香料物質は当然のことながら
その特性を主張する結果、粗く刺激的でシャープなフレ
ーバーとなり、折角の天然原材料由来のまろやかで自然
な感じの香気にしっくりと馴染まない人工的な香気がで
きあがる結果となってしまう宿命があった。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる欠
点を解決する手段を鋭意検討した。その結果、回転円錐
と固定円錐が交互に組み合わせられた構造を有し、液体
原料を上部から回転円錐上に流下させ、下部から蒸気を
上昇させる気液向流接触装置を用いて液状又はスラリー
状とした動植物原材料から香気成分を採取するに先立っ
て、該原材料に予め他の香料製剤および/または香料物
質を配合し、均一に混合分散後、気液向流接触装置を用
いて回収される香気成分は、あたかも天然の動植物原材
料の香気が一気に濃縮されて回収されたごとく、濃厚で
まろやかな熟成感に富み香気バランスに優れ且つ充分な
香気強度を有し、インパクトの強いフレーバー賦与剤が
得られることを見いだし本発明を完成した。
【0010】このような劇的な改善効果の理由は必ずし
も明かではないが、動植物原材料に香料製剤および/ま
たは香料物質を均一に混合し、暫時保存することによっ
て一層の熟成感が得られることから推察すれば、添加配
合した香料物質が該原材料中の様々な構成物質との相互
反応、或いは該原材料中に存在する酵素等によって、該
原材料の最も安定なバランスへと誘導される結果と考え
られる。
【0011】また更に、本発明者らは上記の香気成分回
収に伴って得られる残渣および/または該残渣を水また
は含水アルコールで抽出して得られる抽出物に前記フレ
ーバー賦与剤を混合することによって香気香味の優れた
動植物エキスが得られることを見いだした。以下、本発
明の態様を更に詳細に説明する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明で使用することのできる動
植物原材料としては、例えば米、麦、そば、トウモロコ
シ及びそれらの焙焼物等の穀類;さつまいも、里芋、じ
ゃがいも等のいも類;上白糖、黒砂糖、和三盆糖、水
飴、蜂蜜、メープルシロップ等の甘味料;醤油、食酢、
ソース、みりん等の調味料類;ペパーミント、クロー
ブ、シナモン、山椒、わさび、唐辛子、バジル、バニラ
ビーンズ、ブラックペパー等のハーブ類またはスパイス
類;緑茶、紅茶、ウーロン茶などの茶類;焙煎コーヒ
ー、ココア、アルコール飲料等の嗜好飲料類;ミルク、
バター、チーズ、ヨーグルト、発酵乳等の乳類;鰹節、
鯖節、煮干し、するめ、干し鮑、帆立煮干し、海老、蟹
類などの魚介類及びそれらの乾燥物または加工品;卵類
またはそれらの調理加工品;いちご、オレンジ、梅、レ
モン、グレープフルーツ、すいか、梨、パイナップル、
バナナ、ぶどう、パパイヤ、マンゴー、メロン、桃、り
んご、柚子等の果実類またはそれらの加工品;椎茸、松
茸、しめじ、まいたけ、マッシュルーム等のきのこ類;
アスパラガス、キャベツ、かぼちゃ、きゅうり、紫蘇、
春菊、しょうが、ニンニク、玉葱、セロリー、大根、た
けのこ、唐辛子、ピーマン、トマト、ニラ、人参、ネ
ギ、白菜、パセリ、ブロッコリー、ホースラディッシ
ュ、三つ葉、茗荷、モヤシ、わさび等の野菜類;牛肉、
鶏肉、豚肉等の獣、鳥肉類およびそれらの加工品;カレ
ー、ハンバーグ等の調理加工食品;オリーブ油、ゴマ
油、落花生油、牛脂、豚脂等の油脂類;あおさ、あおの
り、昆布、わかめ等の藻類;アーモンド、ピーナッツ、
ココナッツ、栗、ゴマなどの種実類;小豆、大豆等の豆
類;あんこ、米菓等菓子類等々の飲食品およびそれらの
様々な形態の加工品を挙げることができる。
【0013】これらの動植物原材料は液状、懸濁液また
はペースト状の場合にはそのまま、あるいは必要により
水、アルコールなどを用いて任意の濃度に調整して利用
することができる。また該原材料が固体または高粘凋の
場合には適宜細断、粉砕し、水、アルコールあるいは他
の液状原材料等を混合した後磨砕処理してペースト状と
して利用することができる。
【0014】本発明においてこれら食品原材料類に予め
添加配合することのできる他の香料製剤および/または
香料物質としては、特別の制約はなく、水溶性又は水に
難溶性の香料物質或いはそれらを調合して得られる香料
製剤を香料物質の種類、形態の如何を問わず任意に利用
することができる。
【0015】かかる香料物質および/または香料製剤の
具体例を挙げれば、例えば植物精油類、オレオレジン
類、合成香料化合物およびこれらの任意の混合物を挙げ
ることができる。更に具体的には、オレンジ油、レモン
油、グレープフルーツ油、ライム油、タンジェリン油、
マンダリン油およびベルガモット油等の公知の柑橘精油
類;ペパーミント油、スペアミント油、シンナモン油等
のごとき精油類;オールスパイス、アニスシード、バジ
ル、ローレル、カルダモン、セロリ、クローブ、クミ
ン、ディル、ガーリック、ジンジャー、メース、マスタ
ード、オニオン、パプリカ、パセリ、ローズマリー等の
公知のスパイス精油又はオレオレジン類;さらにリモネ
ン、リナロール、ネロール、シトロネロール、ゲラニオ
ール、シトラール、l−メントール、オイゲノール、シ
ンナミックアルデヒド、アネトール、ペリラアルデヒ
ド、バニリン、γ−ウンデカラクトン、カプロン酸アリ
ル、l−カルボン、マルトール等公知の合成香料化合物
およびこれらの天然精油、合成香料化合物を任意に組み
合わせて混合した調合香料製剤を挙げることができる。
【0016】これらの香料化合物および/または香料製
剤は前記の物質に限定されるものではなく、例えば、
[Steffen Arctander;Perfum
and Flavor Chemicals(Aro
ma Chemicals)I,II;Montcla
ir,N.J.(USA),1969]および[Ste
ffen Arctander;Perfum and
Flavor Materials of Natu
ral Origin;Erizabeth,N.J.
(USA),1960]ならびに[奥田治;香料化学総
覧I(1967),II(1968),III(197
9);廣川書店]、[藤巻正生ら;香料の事典(198
0);朝倉書店]等に記載された公知の天然香料及び合
成香料物質の単独またはそれらを混合した調合香料ある
いは各種動植物のエキス類、各種動植物抽出フレーバ
ー、発酵フレーバー、反応フレーバーの単独もしくは上
述のこれら全てを種々混合した調合香料を任意に利用す
ることができる。
【0017】本発明において、これらの天然香料及び合
成香料を予め動植物原材料に添加混合する場合に香料類
をそのまま添加混合して均一に分散させるが、該香料類
が油性或いは結晶状の場合には適当な溶剤或いは乳化剤
を用いて水溶性或いは水分散性の形態にしておくことが
望ましい。
【0018】かかる水溶性或いは水分散性の形態として
は、これらの天然または合成香料物質の単独あるいは調
合品を、例えばエタノール、グリセリン、プロピレング
リコール、カルビトール、ダイアセチン、トリアセチ
ン、ソルビット等のアルコール類および多価アルコール
に溶解した溶液とするか或いは更に蔗糖脂肪酸エステル
類、グリセリン脂肪酸エステル類等の界面活性剤を用い
て乳化あるいは可溶化させて利用することもできる。
【0019】また、前記の天然香料、合成香料、その他
の上述の文献記載の香料類からなる調合香料を、例えば
大豆油、菜種油、コーン油、オリーブ油、椰子油、サフ
ラワー油、ヒマワリ油、米油、牛脂、豚脂等の動植物油
脂類あるいは炭素数6〜12の中鎖飽和脂肪酸トリグリ
セリド等の油脂類に溶解して利用することもできる。
【0020】またさらに、これらの動植物油脂類に溶解
した天然香料及び合成香料またはそれらからなる調合香
料を蔗糖脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、アラ
ビアガム、トラガントガム、カゼイン、大豆レシチン、
卵黄レシチン、澱粉、化工澱粉、デキストリン、ローカ
ストビーンガム、サイクロデキストリン、ペクチンなど
の乳化剤もしくは乳化安定剤を用いて水、多価アルコー
ル類或いはこれらの混合物中に乳化乃至分散させて利用
することもできる。更に所望によりこれら乳化乃至分散
させた香料を噴霧乾燥、真空乾燥等の適宜な乾燥手段に
より粉末状または顆粒状として利用することもできる。
【0021】本発明においては、気液向流接触装置を用
いて動植物原材料から香気成分を回収する際に該原材料
に予め他の香料製剤および/または香料物質を配合する
が、かかる配合手段には特別制約はないが、均一に混合
されることが重要である。
【0022】該原材料が液体の場合は前記した如き香料
製剤の中から乳化状態或いは可溶化された水分散性の形
態を選択して配合し、均一に混合分散させる。また原材
料が固形の食品或いは天然物の場合は乾式または湿式粉
砕し、更に必要により原材料の約1〜20倍重量の水、
アルコールまたはその他の液状原材料を加えて磨砕処理
し、ペースト状とする。
【0023】これらの液状またはペースト状の動植物原
材料に対する香料製剤および/または香料物質等の香料
成分の配合量は、例えば、約0.01〜約10重量%、
好ましくは約0.1〜約2重量%程度である。添加混合
の方法は特別の制約はないが、通常は反転または回転攪
拌翼付き混合機、ハンマークラッシャー、アジテータ
ー、ホモミキサー、ホモジナイザー、コロイドミルその
他の混合機を用いて均一に混合する。
【0024】得られた香料成分配合動植物原材料を、気
液向流接触装置に供し、本発明の新規フレーバー賦与剤
を得ることができる。回収香気成分画分を採取する方法
は特別の制約はなく、例えば特公平7−22646号公
報に開示されている回転円錐と固定円錐が交互に組み合
わせられた構造を有し、液体原料を上部から回転円錐上
に流下させ、下部から蒸気を上昇させる気液向流接触装
置を用いて、従来公知の方法によって液状またはペース
ト状とした動植物原材料に本来的に存在していた香気成
分と、新たに添加配合した香料成分が渾然一体となっ
て、まろやかで熟成感に富み且つ極めて強い香気濃度を
有する新規なフレーバー賦与剤を得ることができる。
【0025】本発明の一実施態様を例示すれば、まず前
記の如き液状またはペースト状とした動植物原材料に他
の香料製剤および/または香料物質を配合し、均一に分
散させる。このようにして得られた液状またはペースト
状の動植物原材料を前記気液向流接触装置に供給し、該
原材料から気化する香気成分を回収することによって本
発明の新規なフレーバー賦与剤を得ることができる。
【0026】本発明における気液向流接触装置の操作条
件としては、該装置の処理能力、動植物原材料の種類お
よび濃度、香気の強度その他によって任意に選択するこ
とができる。一例を示せば、下記のごとくである。 原料供給速度:300〜700L/Hr 蒸気流量:5〜50kg/Hr 蒸発量:3〜35kg/Hr カラム底部温度:40〜100℃ カラム上部温度:40〜100℃ 真空度:大気圧〜−100kpa 次に実施例および比較例を挙げて本発明の実施の態様を
更に詳細に説明する。
【0027】
【実施例】実施例1.2mm以下の粒度に粉砕した焙煎
コーヒー豆50kgと水450kgを混合したスラリー
状の懸濁液にコーヒー香料(長谷川香料製香料製剤)
0.5kgを加え、30分間混合した後、90℃まで加
熱して気液向流接触装置に毎時500kgの流速で供給
し、装置の下部より蒸気供給量を毎時35kg、装置上
部温度を100℃、下部温度を100℃で連続的に処理
し、1時間を要してコーヒーフレーバー賦与剤25.5
kgを得た(本発明品1)。
【0028】比較例1.実施例1と同条件で調製したス
ラリー状の焙煎コーヒー懸濁液(コーヒー香料無配合)
を30分間混合した後、90℃まで加熱して気液向流接
触装置にて実施例1と同一条件で処理し、1時間を要し
て回収香料25.0kgを得た。得られた回収香料に実
施例1と同じコーヒー香料(香料製剤)0.5kgを添
加してよく混合し、比較品のコーヒーフレーバー賦与剤
25.5kgを得た(比較品1)。本発明品1および比
較品1を5%濃度の砂糖溶液にそれぞれ0.1重量%賦
香し、よく訓練された専門パネル15名により2点比較
法により官能評価を行った。その結果を表1に示す。本
発明品は全ての項目において比較品より顕著に優れてい
た。
【0029】
【表1】 評価項目 本発明品1 比較品1 自然なコーヒー香気が強い 13名 2名 粗く刺激的なコーヒー香気が強い 1名 14名 全体的にコーヒーとして調和感が 14名 1名 あり好ましい。
【0030】実施例2.実施例1の回収香料採取後のス
ラリー状残渣を遠心分離にて固液分離して得た分離液を
加圧濾過器にて清澄濾過して濾液350kgを得た。こ
の濾液に実施例1で得られた回収香料(本発明品1)7
重量%を混合して呈味性に優れたコーヒーエキスを得た
(本発明品2)。
【0031】比較例2.比較例1の回収香料採取後のス
ラリー状残渣を遠心分離にて固液分離して得た分離液を
加圧濾過器にて清澄濾過して濾液350kgを得た。こ
の濾液に比較例1で得られた回収香料(比較品1)7重
量%を混合してコーヒーエキスを得た(比較品2)。
【0032】本発明品2および比較品2を5%濃度の砂
糖溶液にそれぞれ0.5重量%賦香し、よく訓練された
専門パネル15名により2点比較法により官能評価を行
った。その結果を表2に示す。本発明品は全ての項目に
おいて比較品より顕著に優れていた。
【0033】
【表2】 評価項目 本発明品2 比較品2 自然なコーヒー香気が強い 13名 2名 粗く刺激的なコーヒー香気が強い 2名 13名 全体的にコーヒーとして調和感が 14名 1名 あり好ましい。
【0034】実施例3.1mm以下の粒度に粉砕した鰹
節粉末90kgと水510kgを混合したスラリー状の
懸濁液にスモークフレーバー(長谷川香料製香料製剤)
1.2kgを加え、1時間混合した後、80℃に加温し
て気液向流接触装置に毎時600kgの流速で供給し、
装置の下部より蒸気供給量を毎時12kg、装置上部温
度を80℃、下部温度を80℃、真空度−50KPaに
て連続的に処理し、1時間を要して鰹節フレーバー賦与
剤13.2kgを得た(本発明品3)。
【0035】比較例3.実施例3と同条件で調製したス
ラリー状の鰹節粉末の懸濁液(スモークフレーバー無添
加)を実施例3と同一条件で処理し、1時間を要して回
収香料12.0kgを得た。得られた回収香料に実施例
3と同じスモークフレーバー1.2kgを添加し、よく
混合して比較品の鰹節フレーバー賦与剤13.2kgを
得た(比較品3)。
【0036】本発明品3および比較品3を水に0.1重
量%賦香し、よく訓練された専門パネル15名により2
点比較法により官能評価を行った。その結果を表3に示
す。本発明品は全ての項目において比較品より顕著に優
れていた。
【0037】
【表3】 評価項目 本発明品3 比較品3 自然な鰹節感が強い 13名 2名 粗く刺激的な風味が強い 1名 14名 全体的に鰹節としての調和感 13名 2名 があり好ましい。
【0038】実施例4.実施例3の回収香料採取後のス
ラリー状残渣を遠心分離にて固液分離し、分離液と固形
残渣を得た。分離液を加圧濾過器にて清澄濾過した後、
屈折糖度(Bx)30度まで減圧濃縮し、濃縮物80k
gを得た。一方、遠心分離した固形残渣180kgに5
0%エタノール540kgを加え攪拌抽出してアルコー
ルエキス500kgを得た。実施例3の鰹節フレーバー
賦与剤(本発明品3)13kgに、前記濃縮物80kg
および前記アルコールエキス500kgを混合して本発
明の新規鰹節エキス593kgを得た(本発明品4)。
【0039】比較例4.比較例3の回収香料採取後のス
ラリー状残渣を実施例4と同様に処理して、糖度(B
x)30度の濃縮物とアルコールエキスを得た。比較例
3の鰹節フレーバー賦与剤(比較品3)13kgに、上
記濃縮物80kg、およびアルコールエキス500kg
を混合して比較品の鰹節エキス593kgを得た(比較
品4)。
【0040】本発明品4および比較品4をそれぞれ水に
0.5重量%賦香し、よく訓練された専門パネル15名
により2点比較法により官能評価を行った。その結果を
表4に示す。本発明品は全ての項目において比較品より
顕著に優れていた。
【0041】
【表4】 評価項目 本発明品4 比較品4 自然な鰹節的風味が強い 13名 2名 粗く刺激的な風味が強い 2名 13名 全体的に鰹節として調和感 13名 2名 があり好ましい。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、液状又はスラリー状と
した動植物原材料から気液向流接触装置を用いて香気成
分を採取するに先立って、該原材料に予め他の香料製剤
および/または香料物質を配合し均一に混合分散後、気
液向流接触装置を用いて香気成分を回収することによ
り、天然の動植物原材料の香気が濃縮されて回収された
ごとく、濃厚でまろやかな熟成感に富み香気バランスに
優れ且つ充分な香気強度を有し、インパクトの強いフレ
ーバー賦与剤が得られることが分かった。このような自
然で天然物本来の風味そのままでありながら極めて強度
のあるフレーバー賦与剤は、従来の方法即ち、天然物か
ら回収した香気成分に後から他の香料製剤または香料物
質を添加して香気を強化することによっては決して得ら
れないものである。香料製剤または香料物質を添加する
ことによってフレーバー強度は高められても、それは粗
あらしく、いかにも人工的で不自然なものになるこれま
でのフレーバー賦与剤の欠点が本発明によって一挙に解
決される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4B047 LB09 LG12 LG37 LG50 LP01 LP02 4D076 AA02 AA16 AA22 AA24 BA17 BB11 BB13 BB30 CD22 DA10 DA25 EA02X EA12X EA14X EA16X 4H059 AA04 BA12 BC10 BC23 BC42 BC44 CA02 CA11 CA12 CA51 CA72 CA96 DA09 DA22 EA35

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転円錐と固定円錐が交互に組み合わせら
    れた構造を有し、液体原料を上部から回転円錐上に流下
    させ、下部から蒸気を上昇させる気液向流接触装置を用
    いて動植物原材料から回収して得られる香気成分であっ
    て、該原材料に予め他の香料製剤および/または香料物
    質を配合することを特徴とする新規フレーバー賦与剤の
    製造方法
  2. 【請求項2】請求項1で得られる新規フレーバー賦与剤
  3. 【請求項3】請求項1で動植物原材料から香気成分を回
    収した後の残渣および/または該残渣を水または含水ア
    ルコールで抽出して得られる抽出物と請求項1で得られ
    るフレーバー賦与剤を混合することを特徴とする動植物
    エキス類
JP11011026A 1999-01-19 1999-01-19 新規フレ―バ―賦与剤及びその製造方法 Pending JP2000210045A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11011026A JP2000210045A (ja) 1999-01-19 1999-01-19 新規フレ―バ―賦与剤及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11011026A JP2000210045A (ja) 1999-01-19 1999-01-19 新規フレ―バ―賦与剤及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000210045A true JP2000210045A (ja) 2000-08-02

Family

ID=11766597

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11011026A Pending JP2000210045A (ja) 1999-01-19 1999-01-19 新規フレ―バ―賦与剤及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000210045A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003033137A (ja) * 2001-07-23 2003-02-04 T Hasegawa Co Ltd 新規フレーバー
JP2010259364A (ja) * 2009-05-07 2010-11-18 Sanei Gen Ffi Inc 嗜好性フレーバー及びその製造方法
JP2013226076A (ja) * 2012-04-26 2013-11-07 Ogawa & Co Ltd セイボリーエキスの製造方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003033137A (ja) * 2001-07-23 2003-02-04 T Hasegawa Co Ltd 新規フレーバー
JP4532030B2 (ja) * 2001-07-23 2010-08-25 長谷川香料株式会社 新規フレーバー
JP2010259364A (ja) * 2009-05-07 2010-11-18 Sanei Gen Ffi Inc 嗜好性フレーバー及びその製造方法
JP2013226076A (ja) * 2012-04-26 2013-11-07 Ogawa & Co Ltd セイボリーエキスの製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2011074613A1 (ja) 香味剤の製造方法および香味剤
WO2007004682A1 (ja) 加熱調理油性フレーバー及びその製造方法
JP5872187B2 (ja) 塩味増強剤
JP2736873B2 (ja) 野菜粒子含有液状調味料の製造方法
JP5546961B2 (ja) 水溶性抽出液の製造方法
JP7315519B2 (ja) 油脂由来風味付与剤の製造方法
JP4368272B2 (ja) 水中油型乳化香味調味料およびその製造方法
DE2436130C3 (de) Verfahren zur Herstellung von Extrakten, die die den Geruch und den Geschmack bildenden Bestandteile von Pflanzen bzw. Blüten und Nahrungsmitteln enthalten
JP2003135000A (ja) 新鮮な香味野菜フレーバーの製造方法
JP3842284B1 (ja) エキスの製造方法
JP2000210045A (ja) 新規フレ―バ―賦与剤及びその製造方法
JPH09143489A (ja) 動植物原料からのフレーバーの抽出方法
JP2013031434A (ja) 香味付与物の製造方法、香味付与物の製造装置、並びに香味付与飲料及び食品
JP5796296B2 (ja) 焙煎ごま含有食品
KR101257175B1 (ko) 고추씨를 이용한 브라운소스 및 그 제조방법
JP2950756B2 (ja) 調味素材およびその製造方法
JP2769644B2 (ja) 生ハーブを使用したカレールー及びカレーソース
JPH08205813A (ja) わさび風液状調味料
JP2665523B2 (ja) 魚節だしフレーバー
JPH02235997A (ja) 海藻類フレーバーの製造方法
JP7179433B2 (ja) ロタンドンを有効成分とする飲食品の塩味増強剤
JP7022922B1 (ja) 香味抽出物の製造方法
WO2024024800A1 (ja) アサイーを含む豆風味改善剤及びそれを含む豆加工食品
JP2002105485A (ja) 油溶性香料およびその製法
JP2673379B2 (ja) 風味の優れた魚節だしフレーバー