JP5028818B2 - テトラグリシジルアミノ化合物の製造方法 - Google Patents

テトラグリシジルアミノ化合物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ジアミンとエピハロヒドリンとからテトラグリシジルアミノ化合物を製造する方法に関する。特に、収率向上および相間移動作用を有する化合物の使用量の削減がなされ加水分解性ハロゲン含有量が少ないテトラグリシジルアミノ化合物を製造する方法に関する。さらには、操作の簡略化、工程数削減、工程時間短縮、廃水量削減がなされ、生産効率向上、生産コスト削減が果たされたテトラグリシジルアミノ化合物を製造する方法に関する。
一般式(1)
H2NCH2-R-CH2NH2 (1)
(式(1)中、Rはフェニレン基またはシクロヘキシレン基を表わす。)
で表わされるジアミンと一般式(2)
Figure 0005028818

(式(2)中、R1は水素原子またはメチル基、Xは塩素原子または臭素原子を表わす。)
で表わされるエピハロヒドリンとを反応させたのち、閉環反応によって一般式(3)
Figure 0005028818
(式(3)中、RおよびR1は前記に同じである。)
で表わされるテトラグリシジルアミノ化合物を製造する方法は、既に開示されている(特許文献1および2参照。)。
特許文献1においては、主にエレクトロニクス関連分野用の可能な限り加水分解性ハロゲン特に加水分解性塩素の含有量が低減されたテトラグリシジルアミノ化合物の製造方法について述べられている。
特許文献1では、相間移動作用を有する化合物の少なくとも一種の共存下に閉環反応を行い、エピハロヒドリンを留去回収した後の反応生成物を有機溶媒に溶解し、複数回にもわたる水洗を行い、次いで相間移動作用を有する化合物の少なくとも一種の共存下に再閉環反応を行い、複数回にもわたる水洗を行うことを特徴としている。
この方法では確かに加水分解性塩素の含有量が低減されたテトラグリシジルアミノ化合物が得られるが、度重なる分液操作によりテトラグリシジルアミノ化合物が損失し収率が低下する、有機溶媒中で再閉環を行っているため相間移動作用を有する化合物の使用量が多大、度重なる水洗によって工程数が増加する、工程時間が長くなる、分液等の操作が非常に煩雑、廃水量が多大といった欠点があり、結果として生産効率の低下、生産コストの上昇につながっており、簡便なるテトラグリシジルアミノ化合物の製造方法が望まれていた。
また、特許文献2においては、付加反応時に発生する多量の反応熱によって反応が暴走する危険性を排除すると共に、加水分解性ハロゲンの含有量が少なく、低粘度であり、かつ保存安定性が改善されたテトラグリシジルアミノ化合物の製造方法について述べられている。
特許文献2では、閉環反応によって副生した金属ハロゲン化物をろ過で除去した後、希薄なアルカリ金属水酸化物水溶液を添加し再閉環を行い、金属ハロゲン化物等の固形物が存在する場合は再度ろ過し、静置分液後にアルカリ金属水酸化物を含む水層を除去し、有機層は水洗を行った後、エピハロヒドリンを留去することを特徴としている。
この方法は、副生した金属ハロゲン化物をろ過により除去しているので操作が煩雑かつテトラグリシジルアミノ化合物が損失し収率が低下しやすい、エピハロヒドリン溶媒下で二回閉環を行っているが相間移動作用を有する化合物を使用していないので加水分解性ハロゲン含有量の減少効果が低い、、および再閉環反応後の有機層とアルカリ金属水酸化物を含む水層を分離する際に温度制御をしていないのでアルカリ金属水酸化物に不安定なエピハロヒドリンが重合し温度上昇を起こし製品品質が悪化するおそれがある等の問題点を有している。
以上のことより、再閉環反応における相間移動作用を有する化合物の使用量が少なくエピハロヒドリン溶媒で二回閉環を行う場合の簡便でかつ加水分解性ハロゲン含有量の少ないテトラグリシジルアミノ化合物を好収率で得る製造方法が望まれていた。
特公平8-32697号公報 特開昭53-119834号公報
本発明の目的は、従来技術における上記したような課題を解決し、収率向上および相間移動作用を有する化合物の使用量の削減がなされ、加水分解性ハロゲン含有量が少ないテトラグリシジルアミノ化合物を製造する方法を提供することにある。さらには、操作の簡略化、工程数削減、工程時間短縮、廃水量削減がなされ、生産効率向上、生産コスト削減が果たされたテトラグリシジルアミノ化合物を製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討した結果、エピハロヒドリン溶媒中で相間移動作用を有する化合物の共存下にアルカリ金属水酸化物と反応させる閉環反応を行い、閉環反応で副生したアルカリ金属ハロゲン化物は水に溶解させ除去し、再度エピハロヒドリン溶媒中で相間移動作用を有する化合物の共存下にアルカリ金属水酸化物と反応させる再閉環反応を行い、有機層とアルカリ金属水酸化物を分離した後アルカリ金属水酸化物を除去し、未反応のエピハロヒドリンを留去して得られる粗テトラグリシジルアミノ化合物を有機溶媒に溶解して水洗することにより、上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
一般式(1)
H2NCH2-R-CH2NH2 (1)
(式(1)中、Rはフェニレン基またはシクロヘキシレン基を表わす。)
で表わされるジアミンと一般式(2)
Figure 0005028818
(式(2)中、R1は水素原子またはメチル基、Xは塩素原子または臭素原子を表わす。)
で表わされるエピハロヒドリンとを反応させたのち、閉環反応によって一般式(3)
Figure 0005028818
(式(3)中、RおよびR1は前記に同じである。)
で表わされるテトラグリシジルアミノ化合物を製造する方法であって、
(A)ジアミンとジアミンに対して化学量論的に過剰のエピハロヒドリンとを水の存在下に反応させる付加反応工程、
(B) 工程(A)で得られた付加反応生成物を相間移動作用を有する化合物の共存下にアルカリ金属水酸化物と反応させる閉環反応工程、
(C) 工程(B)で副生したアルカリ金属ハロゲン化物を水に溶解させ分液除去し粗テトラグリシジルアミノ化合物を含む有機層(1)を得る工程、
(D) 工程(C)で得られた有機層(1)をエピハロヒドリン溶媒中で相間移動作用を有する化合物の共存下にアルカリ金属水酸化物と反応させる再閉環反応工程、
(E) 工程(D)で得られた反応生成液においてアルカリ金属水酸化物を分離除去し粗テトラグリシジルアミノ化合物を含む有機層(2)を得る工程、および
(F) 工程(E)で得られた有機層(2)から未反応のエピハロヒドリンを留去して得られる粗テトラグリシジルアミノ化合物を有機溶媒に溶解して水洗する工程
を含むことを特徴とするテトラグリシジルアミノ化合物の製造方法に関するものである。
本発明のテトラグリシジルアミノ化合物の製造方法は、収率向上および相間移動作用を有する化合物の使用量の削減がなされ、加水分解性ハロゲン含有量が少なくなる効果を奏する。さらには、操作の簡略化、工程数削減、工程時間短縮、廃水量削減がなされ、生産効率向上、生産コスト削減が果たされる効果を奏する。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の方法を実施するに当り、先ず、工程(A)において、式(1)で示されるジアミンに式(2)で示されるエピハロヒドリンを付加反応させ、ハロヒドリン体を生成せしめる。ここで用いられるジアミンとしては、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン、これらの混合物、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、これらの混合物が挙げられる。好ましくはメタキシリレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンである。
エピハロヒドリンとしては、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、β−メチルエピクロロヒドリンが挙げられるが、一般的にはエピクロロヒドリンが用いられる。
エピハロヒドリンはジアミンに対して化学量論的に過剰に用いられるが、通常、ジアミン1モルに対して5.5〜15モルの範囲の量で用いられる。エピハロヒドリンの量が5.5モル未満では溶媒として作用するエピハロヒドリンが少なくなり、反応混合物の粘度が高くなるため撹拌が困難になる上に、最終的に得られるテトラグリシジルアミノ化合物の粘度が高く、黄色に着色する等の欠点があり好ましくなく、逆に15モルを超えても経済的に不利であるため好ましくない。特に好ましくは6.5〜10モルの範囲である。
付加反応系に存在させる水は、付加反応の促進と結晶性物質の析出の抑制に寄与し、通常、ジアミン1モルに対して0.5〜15モルの範囲の量で用いられる。水の量が0.5モル未満では、付加反応が促進されず、かつジアミンの添加中に結晶性物質が析出し、結晶性物質の溶解時の発熱によって温度調節が困難になるので好ましくなく、逆に15モルを超えても副反応が起こりやすく最終的に得られるテトラグリシジルアミノ化合物の品質が悪化したり、エピハロヒドリンの損失が多くなる等の欠点があり好ましくない。特に好ましくは1〜5モルの範囲である。
付加反応は発熱反応であるところから、通常、エピハロヒドリンと水との混合系にジアミンを徐々に添加し、反応系の温度が60℃を超えることがないように制御しながら反応を行う。好ましくは40℃以下である。ジアミン添加後の反応時間は1〜5時間の範囲であり、好ましくは2〜3時間である。付加反応終了後、ハロヒドリン体が変質しないように、過剰のエピハロヒドリンを加熱減圧下に留去することもできる。
付加反応を終了した工程(A)の反応生成物は、次いで、相間移動作用を有する化合物の共存下にアルカリ金属水酸化物と反応させる工程(B)の閉環反応に付せられる。アルカリ金属水酸化物としては、通常水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムが用いられるが、好ましくは水酸化ナトリウムである。アルカリ金属水酸化物は、固形、水溶液のいずれも用いることができるが、取り扱いの容易さの観点から好ましくは水溶液である。通常は一般的に流通している20%、25%および48%水酸化ナトリウム水溶液が用いられるが、特に好ましくは48%水酸化ナトリウム水溶液である。
閉環反応におけるアルカリ金属水酸化物の使用量は、特に制限はないが通常はジアミン1モルに対して3.5〜6モルの範囲で選ばれる。6モルを超えると生成したエポキシ基が消費されたり、エピハロヒドリンが変質するので好ましくない。また3.5モル未満でも副生する金属ハロゲン化物が少なくなり、金属ハロゲン化物を水に溶解させた際に金属ハロゲン化物を含む廃水の比重が有機層に比較して小さくなり有機層が下層になるので廃水を除去する操作が非常に煩雑となり好ましくない。好ましくは3.7〜4.8モルの範囲であり、経済性、求めるテトラグリシジルアミノ化合物中の加水分解性ハロゲン含有量の仕様、再閉環で使用するアルカリ金属水酸化物の量を考慮して、特に好ましくは、4〜4.5モルの範囲である。
相間移動作用を有する化合物の使用量は、いわゆる触媒量でよく、通常、ジアミン1モルに対して0.0001〜0.05モルの範囲で選ばれる。さらに0.001〜0.02モルの範囲が好ましく、特に0.004〜0.01の範囲が好ましい。相間移動作用を有する化合物は、アルカリ金属水酸化物に作用してアルカリ金属水酸化物を有機層に可溶化し、閉環反応を促進する。相間移動作用を有する化合物の使用量が0.0001モル未満であると閉環反応を促進する効果が少なくなるので好ましくなく、逆に0.05モルを越えても経済的に不利になるので好ましくない。
また、相間移動作用を有する化合物とは、下記第1群〜第4群からなる群から選ばれる化合物をいう。
第1群:オニウム塩化合物
第2群:大環状ポリエーテル化合物
第3群:直鎖状ポリエーテル化合物
第4群:非プロトン性極性化合物
相間移動作用を有する化合物は二種以上用いることもできるが、経済的な観点から一種のみが好ましい。
上記第1群のオニウム塩化合物は、具体的には、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラエチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムクロリド、トリラウリルメチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド、メチルトリオクチルアンモニウムクロリド、N−ラウリルピコリニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラプロピルアンモニウムハイドロオキシド、テトラブチルアンモニウムハイドロオキシド等で例示される第四級アンモニウム塩;テトラメチルホスホニウムクロリド、テトラエチルホスホニウムクロリド、テトラブチルホスホニウムブロミド、トリベンジルエチルホスホニウムクロリド、トリブチルエチルホスホニウムクロリド等で例示される第四級ホスホニウム塩;トリメチルスルホニウムヨウデイド、ジベンジルメチルスルホニウムブロミド等で例示される第三級スルホニウム塩を挙げることができる。
好ましくは第四級アンモニウム塩であり、特に好ましくはベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリドである。
上記第2群の大環状ポリエーテル化合物は、具体的には、12−クラウン−4、15−クラウン−5、ベンゾ−155−クラウン−5、18−クラウン−6、ジベンゾ−18−クラウン−6、ジシクロヘキシル−18−クラウン−6、ジベンゾピリジノ−18−クラウン−6、ジベンゾ−24−クラウン−8等で例示されるクラウンエーテル類およびジアザ−15−クラウン、ジアザ−18−クラウン、〔2,2,2〕−クリプタンド、〔2,2,1〕−クリプタンド、〔2,1,1〕−クリプタンド、〔2,2,2〕−デシルクリプタンド、〔2,2,2〕−ベンゾクリプタンド、クリプトフィックス222Bポリマー、クリプトフィックス221Bポリマー等で例示されるクリプタンド類を挙げることができる(「クリプトフィックス」はメルク社が販売するクリプタンド類の商品名である)。
好ましくはクラウンエーテル類であり、特に好ましくは18−クラウン−6である。
上記第3群の直鎖状ポリエーテル化合物は、具体的には、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールジメチルエーテル、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシプロピレングリコールジメチルエーテル等で例示されるポリアルキレンオキサイドとその末端アルキルエーテル化物およびトリス(3,6−ジオキサヘプチル)アミンで例示されるポリエーテルアミン類を挙げることができる。
好ましくはポリアルキレンオキサイドとその末端アルキルエーテル化物であり、特に好ましくはポリエチレングリコールである。
上記第4群の非プロトン性極性化合物は、具体的にはヘキサメチルリン酸トリアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、N−メチルピロリドン等で代表されるいわゆる非プロトン性極性溶媒として知られる化合物を挙げることができる。
好ましくはヘキサメチルリン酸トリアミドである。
閉環反応は付加反応ほどではないが発熱反応であるところから、通常、付加反応を終了した工程(A)の反応生成物に相間移動作用を有する化合物を添加後、アルカリ金属水酸化物を徐々に添加し、反応系の温度が60℃を超えることがないように制御しながら反応を行う。好ましくは30〜40℃の範囲である。アルカリ金属水酸化物添加後の反応時間は、アルカリ金属水酸化物の使用量、求める加水分解性ハロゲン含有量の仕様、再閉環反応の条件によって異なるが、通常は0.5〜5時間の範囲であり、好ましくは1〜3時間である。
工程(B)を経た反応生成物に、工程(B)で副生したアルカリ金属ハロゲン化物を水に溶解させ分液除去し粗テトラグリシジルアミノ化合物を含む有機層(1)を得る工程(C)を実施する。
工程(C)を終了した粗テトラグリシジルアミノ化合物を含む有機層(1)は、次いで、エピハロヒドリン溶媒中で相間移動作用を有する化合物の共存下にアルカリ金属水酸化物と反応させる工程(D)の再閉環反応に付せられる。再閉環反応で用いることのできるアルカリ金属水酸化物、相間移動作用を有する化合物は、工程(B)の閉環反応と同様である。アルカリ金属水酸化物は、固形、水溶液のいずれも用いることができるが、取り扱いの容易さの観点から好ましくは水溶液である。通常は一般的に流通している20%、25%および48%水酸化ナトリウム水溶液が用いられるが、特に好ましくは20%水酸化ナトリウム水溶液である。閉環反応で48%水酸化ナトリウム水溶液を用いている場合、適宜水で希釈して使用することも可能である。相間移動作用を有する化合物は二種以上用いることもできるが、経済的な観点から一種のみが好ましい。
再閉環反応におけるアルカリ金属水酸化物の使用量は、特に制限はないが工程(B)の閉環反応に使用したアルカリ金属水酸化物の使用量によって異なる。閉環反応においてジアミン1モルに対して3.5〜6モルのアルカリ金属水酸化物を用いた場合は、通常2.5〜0.01モルの範囲で選ばれる。2.5モルを超えると生成したエポキシ基が消費されたり、エピハロヒドリンが変質するので好ましくない。また0.01モル未満でも得られるテトラグリシジルアミノ化合物中の加水分解性ハロゲン含有量が増加するので好ましくない。閉環反応で用いるアルカリ金属水酸化物が好ましい範囲の3.7〜4.8モルの範囲である場合、好ましくは1.5〜0.1モルの範囲である。閉環反応で用いるアルカリ金属水酸化物が特に好ましい範囲の4〜4.5モルの範囲である場合、特に好ましくは0.8〜0.3モルの範囲である。
エピハロヒドリン溶媒中で再閉環反応を行うことにより、相間移動作用を有する化合物の量は、いわゆる触媒量でよく、通常、ジアミン1モルに対して0.00001〜0.01モルの範囲で選ばれる。相間移動作用を有する化合物は、アルカリ金属水酸化物に作用してアルカリ金属水酸化物を有機層(1)に可溶化し、再閉環反応を促進する。
特許文献1の如く再閉環をトルエン等の有機溶媒中で行う場合、相間移動作用を有する化合物の量はジアミン1モルに対して0.06〜0.07モルと多量であるが、本方法の場合、通常は0.0005〜0.005モルの範囲で十分に再閉環反応を促進でき、非常に少量である。
この理由は明確ではないが、特公平8-32697号公報で用いられているトルエンが親油性であり、水は殆ど溶解しないのに対して、エピハロヒドリンはわずかながらも親水性があることに起因しているものと思われる(例えば20℃における水のエピクロロヒドリンに対する溶解度1.47wt%)。
再閉環反応でのアルカリ金属水酸化物の添加方法は、徐々に添加する方法および一括で添加する方法のいずれも採用することが可能である。閉環反応で用いたアルカリ金属水酸化物の量がジアミン1モルに対して4モル未満の場合、再閉環で添加するアルカリ金属水酸化物の量も多くなりかつ未閉環のハロヒドリン体が多く残留しているため、再閉環時の発熱も無視できなくなり、アルカリ金属水酸化物を徐々に添加する方法が好ましい。一方、閉環反応で用いたアルカリ金属水酸化物の量がジアミン1モルに対して4モル以上の場合、再閉環で添加するアルカリ金属水酸化物の量も少なくなりかつ未閉環のハロヒドリン体は少なく発熱は無視できる程度なので、アルカリ金属水酸化物は一括もしくは短時間で添加することが可能である。
反応系の温度は60℃を超えることがないように制御しながら反応を行う。好ましくは30〜40℃の範囲である。アルカリ金属水酸化物添加後の反応時間は、アルカリ金属水酸化物の使用量、求める加水分解性ハロゲン含有量の仕様、閉環反応の条件によって異なるが、通常は0.5〜3時間の範囲であり、好ましくは1〜2時間である。
工程(D)を終了した反応生成液はアルカリ金属水酸化物を分離除去し粗テトラグリシジルアミノ化合物を含む有機層(2)を得る工程(E)に付せられる。
有機層(2)とアルカリ金属水酸化物を分離除去するには、アルカリ金属水酸化物が固形の場合は水を添加した後、アルカリ金属水酸化物が水溶液の場合はそのままで、分液によって行う。
アルカリ金属水酸化物を分離した後は、有機層(2)に水を加えて洗浄し、分液するのが好ましい。この場合の水の量は、ジアミン1モルに対して5〜30モルが好ましい。
工程(E)において、反応規模によっても異なるが反応規模が大きくなるほど、温度を30℃以上40℃以下に制御して行うことが好ましい。特に好ましくは33℃以上37℃以下である。
アルカリ金属水酸化物水溶液を使用している場合、制御温度が30℃未満であると水の表面張力が増大し、分液性が悪化して収率が下がる原因となるので好ましくない。逆に40℃を越えた場合、分液性は良好になるものの生成したエポキシ基が消費されたり、エピハロヒドリンが変質する場合があるので好ましくない。
この温度制御により、アルカリ金属水酸化物に不安定なエピハロヒドリンが重合して温度上昇を起こすことを防止でき、品質良好なテトラグリシジルアミノ化合物を好収率で製造することができる。
工程(E)により得られた有機層(2)は未反応のエピハロヒドリンを留去して得られる粗テトラグリシジルアミノ化合物を有機溶媒に溶解して水洗する工程(F)に付せられる。未反応のエピハロヒドリンの留去は加熱減圧下に行う。この場合、反応系の温度が100℃を超えることがないように制御しながら行う。好ましくは90℃以下である。回収されたエピハロヒドリンは再利用することが可能である。
エピハロヒドリンを留去して得られた粗テトラグリシジルアミノ化合物は、次いで水洗を行う。この水洗工程に際して粗テトラグリシジルアミノ化合物は、粘度を下げ水洗効率を上げるために有機溶媒に溶解される。
ここで用いられる有機溶媒としては、比重が水より小さく、テトラグリシジルアミノ化合物に対して不活性かつテトラグリシジルアミノ化合物を溶解し、実質的に水と相溶性のないものが選ばれる。具体的には環状脂肪族炭化水素および芳香族炭化水素であり、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、オルソキシレン、メタキシレン、パラキシレン、混合キシレン、エチルベンゼン、メシチレン等が好適に用いられる。特に好ましくはベンゼン、トルエン、メタキシレン等の芳香族炭化水素である。これらの有機溶媒は場合によっては二種以上を併用することも可能である。
有機溶媒の使用量は、ジアミン1モルに対して1〜20モルの範囲で選ばれればよいが、実用上、3〜7モルの範囲が好ましい。
工程(F)の水洗を行うに際して使用する水の量は、ジアミン1モルに対して5〜30モルの範囲で選ばれればよいが、実用上、10〜20モルの範囲が好ましい。
粗テトラグリシジルアミノ化合物中に残留するアルカリ金属ハロゲン化物や水溶性の有機物を除去するには一回の水洗で十分であり、操作の簡略化、工程数削減、工程時間短縮、廃水量削減がなされるので好ましい。
かくして得られた反応生成物から、水洗工程を行う際に用いた有機溶媒を加熱減圧下に留去することによって、本発明の方法は完結し、目的とするテトラグリシジルアミノ化合物が得られる。この場合、反応系の温度が110℃を超えることがないように制御しながら行う。好ましくは100℃以下である。回収された有機溶媒は再利用することが可能である。
得られる最終製品は、淡色かつ1500〜2500mPa・s(25℃)と低粘度であり、保存中の粘度上昇も少なく保存安定性も良好、加水分解性ハロゲン含有量100〜300ppmと低減されたテトラグリシジルアミノ化合物であり、注型用素材、炭素繊維コンポジット用バインダー、航空宇宙産業用機材、スポーツ用品、重合体架橋剤、接着剤等の各種用途はもとより電気・電子部品用素材にも十分な仕様をもつものである。
以下、実施例及び比較例を以て本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。テトラグリシジルアミノ化合物の製造条件、製造方法は例示であり、適宜変更することができるし、使用した各種の装置も例示であり、適宜変更することができる。
実施例中、テトラグリシジルアミノ化合物の評価方法は下記の通りである。
<加水分解性塩素>
テトラグリシジルアミノ化合物0.5gを精秤し、20mlの1/10規定水酸化カリウム−メタノール溶液に溶解した後、70℃において15分間に加水分解される塩素量を1/250規定硝酸銀水溶液で電位差滴定し、加水分解性塩素とした。
<粘度>
25℃において、TV-20形粘度計コーンプレートタイプ(東機産業株式会社製)を用いて測定した。
<ガードナー色数>
JIS K 5600-2-1:1999に従って測定した。
<保存性(増粘倍率)>
テトラグリシジルアミノ化合物を100℃で24時間加熱した場合の粘度を初期値と比較した増粘倍率を求め、保存性の評価に用いた。増粘倍率が小さいほど保存性が良好である。
<実施例1>
冷却および加熱装置、攪拌機を備えた20Lの反応器にエピクロロヒドリン7402g(80モル)と水360g(20モル)を加え、系に窒素を流しながら反応液の温度を35℃に昇温した。メタキシリレンジアミン1362g(10モル)を反応液の温度を35℃に保ちながら1時間で滴下した。さらに2時間反応温度を35℃に保って付加反応を完結させた。次いで、50%ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド水溶液30.3g(ベンジルトリエチルアンモニウムクロリドとして0.067モル)を添加した後、48%水酸化ナトリウム水溶液3333g(水酸化ナトリウムとして40モル)を反応液の温度を35℃に保ちながら25分で滴下した。さらに2時間反応温度を35℃に保って閉環反応を行った。閉環反応終了後、水5405g(300モル)を加えて閉環反応により副生した塩化ナトリウムを溶解し、1時間静置し分液し、塩化ナトリウムを含んだ廃水を抜き出した。得られた有機層に50%ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド水溶液6.1g(ベンジルトリエチルアンモニウムクロリドとして0.013モル)を添加した後、20%水酸化ナトリウム水溶液1600g(水酸化ナトリウムとして8モル)を反応液の温度を35℃に保ちながら5分で滴下した。さらに1時間反応温度を35℃に保って再閉環反応を行った。再閉環反応終了後、反応液の温度を35℃に制御しながら1時間静置し分液した。有機層と分離した水酸化ナトリウム水溶液を抜き出し、有機層に水2702g(150モル)を加えて洗浄し、分液した。次いで有機層から過剰のエピクロロヒドリンを減圧下90℃を超えない温度で3時間かけて留去した。得られた粗テトラグリシジルメタキシリレンジアミンにトルエン6450g(70モル)を添加し、溶解した。有機層に水2702g(150モル)を加えて水洗した後、1時間静置し分液した。水溶性の有機物等を含んだ廃水を抜き出した後、有機層からトルエンを減圧下100℃を超えない温度で3時間かけて留去した。冷却後、50メッシュのSUS金網を用いて夾雑物を取り除き、目的物のテトラグリシジルメタキシリレンジアミン(テトラグリシジルアミノ化合物(1))を3496g(メタキシリレンジアミン基準収率97.0%)得た。作業時間を含めた全工程時間の合計は、21時間であった。
下記比較例1と比較すると全工程時間は7時間も短く、工程数は3つ少なくなった。水洗分液時の損失が少なくなっているため、収率が向上している。また塩化ナトリウムを含んだ廃水以外の合計廃水量は約60%減少した。アルカリ金属水酸化物、相間移動作用を有する化合物の種類および使用量も減少しており、総合的に見ると生産効率向上、生産コスト削減が比較例1より大幅に達成されている。
テトラグリシジルアミノ化合物(1)を分析した結果、加水分解性塩素150ppm、粘度1590mPa・s、ガードナー色数1、保存性(増粘倍率)1.16であった。
<比較例1>
冷却および加熱装置、攪拌機を備えた20Lの反応器にエピクロロヒドリン7402g(80モル)と水360g(20モル)を加え、系に窒素を流しながら反応液の温度を35℃に昇温した。メタキシリレンジアミン1362g(10モル)を反応液の温度を35℃に保ちながら1時間で滴下した。さらに2時間反応温度を35℃に保って付加反応を完結させた。次いで、50%ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド水溶液36.4g(ベンジルトリエチルアンモニウムクロリドとして0.08モル)を添加した後、48%水酸化ナトリウム水溶液4000g(水酸化ナトリウムとして48モル)を反応液の温度を35℃に保ちながら30分で滴下した。さらに2時間反応温度を35℃に保って閉環反応を行った。閉環反応終了後、水5405g(300モル)を加えて閉環反応により副生した塩化ナトリウムを溶解し、1時間静置し分液した。塩化ナトリウムを含んだ廃水を抜き出した後、有機層に水2702g(150モル)を加えて洗浄し、分液した。次いで有機層から過剰のエピクロロヒドリンを減圧下90℃を超えない温度で3時間かけて留去した。得られた粗テトラグリシジルメタキシリレンジアミンにトルエン6450g(70モル)を添加し、溶解した。有機層を水2702g(150モル)を用いて二回水洗した。二回の水洗・分液および廃水の抜き出しには合計4時間を要し、操作も非常に煩雑であった。水洗後の有機層に水酸化カリウム39g(0.7モル)、水156g(8.7モル、水酸化カリウムが20%水溶液になる量)、相間移動作用を有する化合物としてヘキサメチルリン酸トリアミド125g(0.7モル)およびポリエチレングリコール28g(0.07モル)を添加し、2時間反応温度を35℃に保って再閉環反応を行った。次いで有機層を水2702g(150モル)を用いて二回水洗した。二回の水洗・分液および廃水の抜き出しには合計4時間を要し、操作も非常に煩雑であった。有機層からトルエンを減圧下100℃を超えない温度で3時間かけて留去した。冷却後、50メッシュのSUS金網を用いて夾雑物を取り除き、目的物のテトラグリシジルメタキシリレンジアミン(テトラグリシジルアミノ化合物(比1))を3316g(メタキシリレンジアミン基準収率92.0%)得た。作業時間を含めた全工程時間の合計は、28時間であった。
テトラグリシジルアミノ化合物(比1)を分析した結果、加水分解性塩素210ppm、粘度1680mPa・s、ガードナー色数1、保存性(増粘倍率)1.28であった。
<比較例2>
冷却および加熱装置、攪拌機を備えた20Lの反応器にエピクロロヒドリン7402g(80モル)と水360g(20モル)を加え、系に窒素を流しながら反応液の温度を35℃に昇温した。メタキシリレンジアミン1362g(10モル)を反応液の温度を35℃に保ちながら1時間で滴下した。さらに2時間反応温度を35℃に保って付加反応を完結させた。次いで、48%水酸化ナトリウム水溶液4000g(水酸化ナトリウムとして48モル)を反応液の温度を35℃に保ちながら30分で滴下した。さらに2時間反応温度を35℃に保って閉環反応を行った。閉環反応終了後、閉環反応により副生した塩化ナトリウムを200メッシュのSUS金網を用いてろ過した。ろ液は1時間静置し分液し塩化ナトリウムを含んだ廃水を抜き出した。有機層を反応器に戻した後、20%水酸化ナトリウム水溶液1600g(水酸化ナトリウムとして8モル)を反応液の温度を35℃に保ちながら5分で滴下した。さらに1時間反応温度を35℃に保って再閉環反応を行った。再閉環反応終了後、特に反応液の温度制御をせずに1時間静置し分液したところ、エピクロロヒドリンの重合により反応液の温度は徐々に上昇し、最高温度は65℃となり品質悪化の一因となった。有機層と分離した水酸化ナトリウム水溶液を抜き出し、有機層を水2702g(150モル)を用いて二回水洗した。次いで有機層から過剰のエピクロロヒドリンを減圧下90℃を超えない温度で3時間かけて留去した。冷却後、50メッシュのSUS金網を用いて夾雑物を取り除き、目的物のテトラグリシジルメタキシリレンジアミン(テトラグリシジルアミノ化合物(比2))を3082g(メタキシリレンジアミン基準収率85.5%)得た。実施例1と比較して収率が低いのは閉環反応で副生した塩化ナトリウムをろ過するときの損失が大きいのが主な原因である。
テトラグリシジルアミノ化合物(比2)を分析した結果、加水分解性塩素840ppm、粘度2040mPa・s、ガードナー色数2、保存性(増粘倍率)1.95であった。二回閉環を実施している割には加水分解性塩素も多い等、品質的に満足できないものであった。
<実施例2>
実施例1において、閉環反応で用いる50%ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド水溶液を28.1g(ベンジルトリエチルアンモニウムクロリドとして0.062モル)、48%水酸化ナトリウム水溶液を3083g(水酸化ナトリウムとして37モル)、再閉環反応で用いる50%ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド水溶液を8.3g(ベンジルトリエチルアンモニウムクロリドとして0.018モル)、20%水酸化ナトリウム水溶液を2200g(水酸化ナトリウムとして11モル)に変更した以外は、実施例1の操作を繰り返し、目的物のテトラグリシジルメタキシリレンジアミン(テトラグリシジルアミノ化合物(2))を3489g(メタキシリレンジアミン基準収率96.8%)得た。テトラグリシジルアミノ化合物(2)を分析した結果、加水分解性塩素230ppm、粘度1620mPa・s、ガードナー色数1、保存性(増粘倍率)1.18であった。
<実施例3>
実施例1において、閉環反応で用いるベンジルトリエチルアンモニウムクロリド50%水溶液を34.1g(ベンジルトリエチルアンモニウムクロリドとして0.075モル)、48%水酸化ナトリウム水溶液を3750g(水酸化ナトリウムとして45モル)、再閉環反応で用いる50%ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド水溶液を2.3g(ベンジルトリエチルアンモニウムクロリドとして0.005モル)、20%水酸化ナトリウム水溶液を600g(水酸化ナトリウムとして3モル)に変更した以外は、実施例1の操作を繰り返し、目的物のテトラグリシジルメタキシリレンジアミン(テトラグリシジルアミノ化合物(3))を3507g(メタキシリレンジアミン基準収率97.3%)得た。テトラグリシジルアミノ化合物(3)を分析した結果、加水分解性塩素130ppm、粘度1600mPa・s、ガードナー色数1、保存性(増粘倍率)1.17であった。
<実施例4>
実施例1において、メタキシリレンジアミンを1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンに変更した以外は、実施例1の操作を繰り返し、目的物のテトラグリシジル1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン(テトラグリシジルアミノ化合物(4))を3532g(1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン基準収率96.5%)得た。テトラグリシジルアミノ化合物(4)を分析した結果、加水分解性塩素250ppm、粘度1850mPa・s、ガードナー色数1、保存性(増粘倍率)1.25であった。
<実施例5>
実施例1において、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリドを18−クラウン−6に変更した以外は、実施例1の操作を繰り返し、目的物のテトラグリシジルメタキシリレンジアミン(テトラグリシジルアミノ化合物(5))を3511g(メタキシリレンジアミン基準収率97.4%)得た。テトラグリシジルアミノ化合物(5)を分析した結果、加水分解性塩素140ppm、粘度1600mPa・s、ガードナー色数1、保存性(増粘倍率)1.16であった。

Claims (4)

  1. 一般式(1)
    H2NCH2-R-CH2NH2 (1)
    (式(1)中、Rはフェニレン基またはシクロヘキシレン基を表わす。)
    で表わされるジアミンと一般式(2)
    Figure 0005028818

    (式(2)中、R1は水素原子またはメチル基、Xは塩素原子または臭素原子を表わす。)
    で表わされるエピハロヒドリンとを反応させたのち、閉環反応によって一般式(3)
    Figure 0005028818
    (式(3)中、RおよびR1は前記に同じである。)
    で表わされるテトラグリシジルアミノ化合物を製造する方法であって、
    (A) ジアミンとジアミンに対して化学量論的に過剰のエピハロヒドリンとを水の存在下に反応させる付加反応工程、
    (B) 工程(A)で得られた付加反応生成物を相間移動作用を有する化合物の共存下にアルカリ金属水酸化物と反応させる閉環反応工程、
    (C) 工程(B)で副生したアルカリ金属ハロゲン化物を水に溶解させ分液除去し粗テトラグリシジルアミノ化合物を含む有機層(1)を得る工程、
    (D) 工程(C)で得られた有機層(1)をエピハロヒドリン溶媒中で相間移動作用を有する化合物の共存下にアルカリ金属水酸化物と反応させる再閉環反応工程、
    (E) 工程(D)で得られた反応生成液においてアルカリ金属水酸化物を分離除去し粗テトラグリシジルアミノ化合物を含む有機層(2)を得る工程、および
    (F) 工程(E)で得られた有機層(2)から未反応のエピハロヒドリンを留去して得られる粗テトラグリシジルアミノ化合物を有機溶媒に溶解して水洗する工程
    を含むことを特徴とするテトラグリシジルアミノ化合物の製造方法。
  2. 相間移動作用を有する化合物が、下記第1群〜第4群からなる群から選ばれる一種のみである請求項1記載のテトラグリシジルアミノ化合物の製造方法。
    第1群:オニウム塩化合物
    第2群:大環状ポリエーテル化合物
    第3群:直鎖状ポリエーテル化合物
    第4群:非プロトン性極性化合物
  3. 工程(E)を30℃以上40℃以下に制御して行うことを特徴とする請求項1記載のテトラグリシジルアミノ化合物の製造方法。
  4. 工程(F)の水洗の回数が一回である請求項1記載のテトラグリシジルアミノ化合物の製造方法。
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