JP5028818B2 - テトラグリシジルアミノ化合物の製造方法 - Google Patents
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Description
H2NCH2-R-CH2NH2 (1)
(式(1)中、Rはフェニレン基またはシクロヘキシレン基を表わす。)
で表わされるジアミンと一般式(2)
(式(2)中、R1は水素原子またはメチル基、Xは塩素原子または臭素原子を表わす。)
で表わされるエピハロヒドリンとを反応させたのち、閉環反応によって一般式(3)
で表わされるテトラグリシジルアミノ化合物を製造する方法は、既に開示されている(特許文献1および2参照。)。
以上のことより、再閉環反応における相間移動作用を有する化合物の使用量が少なくエピハロヒドリン溶媒で二回閉環を行う場合の簡便でかつ加水分解性ハロゲン含有量の少ないテトラグリシジルアミノ化合物を好収率で得る製造方法が望まれていた。
一般式(1)
H2NCH2-R-CH2NH2 (1)
(式(1)中、Rはフェニレン基またはシクロヘキシレン基を表わす。)
で表わされるジアミンと一般式(2)
で表わされるエピハロヒドリンとを反応させたのち、閉環反応によって一般式(3)
で表わされるテトラグリシジルアミノ化合物を製造する方法であって、
(A)ジアミンとジアミンに対して化学量論的に過剰のエピハロヒドリンとを水の存在下に反応させる付加反応工程、
(B) 工程(A)で得られた付加反応生成物を相間移動作用を有する化合物の共存下にアルカリ金属水酸化物と反応させる閉環反応工程、
(C) 工程(B)で副生したアルカリ金属ハロゲン化物を水に溶解させ分液除去し粗テトラグリシジルアミノ化合物を含む有機層(1)を得る工程、
(D) 工程(C)で得られた有機層(1)をエピハロヒドリン溶媒中で相間移動作用を有する化合物の共存下にアルカリ金属水酸化物と反応させる再閉環反応工程、
(E) 工程(D)で得られた反応生成液においてアルカリ金属水酸化物を分離除去し粗テトラグリシジルアミノ化合物を含む有機層(2)を得る工程、および
(F) 工程(E)で得られた有機層(2)から未反応のエピハロヒドリンを留去して得られる粗テトラグリシジルアミノ化合物を有機溶媒に溶解して水洗する工程
を含むことを特徴とするテトラグリシジルアミノ化合物の製造方法に関するものである。
本発明の方法を実施するに当り、先ず、工程(A)において、式(1)で示されるジアミンに式(2)で示されるエピハロヒドリンを付加反応させ、ハロヒドリン体を生成せしめる。ここで用いられるジアミンとしては、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン、これらの混合物、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、これらの混合物が挙げられる。好ましくはメタキシリレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンである。
エピハロヒドリンはジアミンに対して化学量論的に過剰に用いられるが、通常、ジアミン1モルに対して5.5〜15モルの範囲の量で用いられる。エピハロヒドリンの量が5.5モル未満では溶媒として作用するエピハロヒドリンが少なくなり、反応混合物の粘度が高くなるため撹拌が困難になる上に、最終的に得られるテトラグリシジルアミノ化合物の粘度が高く、黄色に着色する等の欠点があり好ましくなく、逆に15モルを超えても経済的に不利であるため好ましくない。特に好ましくは6.5〜10モルの範囲である。
第1群:オニウム塩化合物
第2群:大環状ポリエーテル化合物
第3群:直鎖状ポリエーテル化合物
第4群:非プロトン性極性化合物
相間移動作用を有する化合物は二種以上用いることもできるが、経済的な観点から一種のみが好ましい。
好ましくは第四級アンモニウム塩であり、特に好ましくはベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリドである。
好ましくはクラウンエーテル類であり、特に好ましくは18−クラウン−6である。
好ましくはポリアルキレンオキサイドとその末端アルキルエーテル化物であり、特に好ましくはポリエチレングリコールである。
好ましくはヘキサメチルリン酸トリアミドである。
特許文献1の如く再閉環をトルエン等の有機溶媒中で行う場合、相間移動作用を有する化合物の量はジアミン1モルに対して0.06〜0.07モルと多量であるが、本方法の場合、通常は0.0005〜0.005モルの範囲で十分に再閉環反応を促進でき、非常に少量である。
この理由は明確ではないが、特公平8-32697号公報で用いられているトルエンが親油性であり、水は殆ど溶解しないのに対して、エピハロヒドリンはわずかながらも親水性があることに起因しているものと思われる(例えば20℃における水のエピクロロヒドリンに対する溶解度1.47wt%)。
反応系の温度は60℃を超えることがないように制御しながら反応を行う。好ましくは30〜40℃の範囲である。アルカリ金属水酸化物添加後の反応時間は、アルカリ金属水酸化物の使用量、求める加水分解性ハロゲン含有量の仕様、閉環反応の条件によって異なるが、通常は0.5〜3時間の範囲であり、好ましくは1〜2時間である。
有機層(2)とアルカリ金属水酸化物を分離除去するには、アルカリ金属水酸化物が固形の場合は水を添加した後、アルカリ金属水酸化物が水溶液の場合はそのままで、分液によって行う。
アルカリ金属水酸化物を分離した後は、有機層(2)に水を加えて洗浄し、分液するのが好ましい。この場合の水の量は、ジアミン1モルに対して5〜30モルが好ましい。
工程(E)において、反応規模によっても異なるが反応規模が大きくなるほど、温度を30℃以上40℃以下に制御して行うことが好ましい。特に好ましくは33℃以上37℃以下である。
アルカリ金属水酸化物水溶液を使用している場合、制御温度が30℃未満であると水の表面張力が増大し、分液性が悪化して収率が下がる原因となるので好ましくない。逆に40℃を越えた場合、分液性は良好になるものの生成したエポキシ基が消費されたり、エピハロヒドリンが変質する場合があるので好ましくない。
この温度制御により、アルカリ金属水酸化物に不安定なエピハロヒドリンが重合して温度上昇を起こすことを防止でき、品質良好なテトラグリシジルアミノ化合物を好収率で製造することができる。
ここで用いられる有機溶媒としては、比重が水より小さく、テトラグリシジルアミノ化合物に対して不活性かつテトラグリシジルアミノ化合物を溶解し、実質的に水と相溶性のないものが選ばれる。具体的には環状脂肪族炭化水素および芳香族炭化水素であり、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、オルソキシレン、メタキシレン、パラキシレン、混合キシレン、エチルベンゼン、メシチレン等が好適に用いられる。特に好ましくはベンゼン、トルエン、メタキシレン等の芳香族炭化水素である。これらの有機溶媒は場合によっては二種以上を併用することも可能である。
有機溶媒の使用量は、ジアミン1モルに対して1〜20モルの範囲で選ばれればよいが、実用上、3〜7モルの範囲が好ましい。
粗テトラグリシジルアミノ化合物中に残留するアルカリ金属ハロゲン化物や水溶性の有機物を除去するには一回の水洗で十分であり、操作の簡略化、工程数削減、工程時間短縮、廃水量削減がなされるので好ましい。
得られる最終製品は、淡色かつ1500〜2500mPa・s(25℃)と低粘度であり、保存中の粘度上昇も少なく保存安定性も良好、加水分解性ハロゲン含有量100〜300ppmと低減されたテトラグリシジルアミノ化合物であり、注型用素材、炭素繊維コンポジット用バインダー、航空宇宙産業用機材、スポーツ用品、重合体架橋剤、接着剤等の各種用途はもとより電気・電子部品用素材にも十分な仕様をもつものである。
<加水分解性塩素>
テトラグリシジルアミノ化合物0.5gを精秤し、20mlの1/10規定水酸化カリウム−メタノール溶液に溶解した後、70℃において15分間に加水分解される塩素量を1/250規定硝酸銀水溶液で電位差滴定し、加水分解性塩素とした。
<粘度>
25℃において、TV-20形粘度計コーンプレートタイプ(東機産業株式会社製)を用いて測定した。
<ガードナー色数>
JIS K 5600-2-1:1999に従って測定した。
<保存性(増粘倍率)>
テトラグリシジルアミノ化合物を100℃で24時間加熱した場合の粘度を初期値と比較した増粘倍率を求め、保存性の評価に用いた。増粘倍率が小さいほど保存性が良好である。
冷却および加熱装置、攪拌機を備えた20Lの反応器にエピクロロヒドリン7402g(80モル)と水360g(20モル)を加え、系に窒素を流しながら反応液の温度を35℃に昇温した。メタキシリレンジアミン1362g(10モル)を反応液の温度を35℃に保ちながら1時間で滴下した。さらに2時間反応温度を35℃に保って付加反応を完結させた。次いで、50%ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド水溶液30.3g(ベンジルトリエチルアンモニウムクロリドとして0.067モル)を添加した後、48%水酸化ナトリウム水溶液3333g(水酸化ナトリウムとして40モル)を反応液の温度を35℃に保ちながら25分で滴下した。さらに2時間反応温度を35℃に保って閉環反応を行った。閉環反応終了後、水5405g(300モル)を加えて閉環反応により副生した塩化ナトリウムを溶解し、1時間静置し分液し、塩化ナトリウムを含んだ廃水を抜き出した。得られた有機層に50%ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド水溶液6.1g(ベンジルトリエチルアンモニウムクロリドとして0.013モル)を添加した後、20%水酸化ナトリウム水溶液1600g(水酸化ナトリウムとして8モル)を反応液の温度を35℃に保ちながら5分で滴下した。さらに1時間反応温度を35℃に保って再閉環反応を行った。再閉環反応終了後、反応液の温度を35℃に制御しながら1時間静置し分液した。有機層と分離した水酸化ナトリウム水溶液を抜き出し、有機層に水2702g(150モル)を加えて洗浄し、分液した。次いで有機層から過剰のエピクロロヒドリンを減圧下90℃を超えない温度で3時間かけて留去した。得られた粗テトラグリシジルメタキシリレンジアミンにトルエン6450g(70モル)を添加し、溶解した。有機層に水2702g(150モル)を加えて水洗した後、1時間静置し分液した。水溶性の有機物等を含んだ廃水を抜き出した後、有機層からトルエンを減圧下100℃を超えない温度で3時間かけて留去した。冷却後、50メッシュのSUS金網を用いて夾雑物を取り除き、目的物のテトラグリシジルメタキシリレンジアミン(テトラグリシジルアミノ化合物(1))を3496g(メタキシリレンジアミン基準収率97.0%)得た。作業時間を含めた全工程時間の合計は、21時間であった。
下記比較例1と比較すると全工程時間は7時間も短く、工程数は3つ少なくなった。水洗分液時の損失が少なくなっているため、収率が向上している。また塩化ナトリウムを含んだ廃水以外の合計廃水量は約60%減少した。アルカリ金属水酸化物、相間移動作用を有する化合物の種類および使用量も減少しており、総合的に見ると生産効率向上、生産コスト削減が比較例1より大幅に達成されている。
テトラグリシジルアミノ化合物(1)を分析した結果、加水分解性塩素150ppm、粘度1590mPa・s、ガードナー色数1、保存性(増粘倍率)1.16であった。
冷却および加熱装置、攪拌機を備えた20Lの反応器にエピクロロヒドリン7402g(80モル)と水360g(20モル)を加え、系に窒素を流しながら反応液の温度を35℃に昇温した。メタキシリレンジアミン1362g(10モル)を反応液の温度を35℃に保ちながら1時間で滴下した。さらに2時間反応温度を35℃に保って付加反応を完結させた。次いで、50%ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド水溶液36.4g(ベンジルトリエチルアンモニウムクロリドとして0.08モル)を添加した後、48%水酸化ナトリウム水溶液4000g(水酸化ナトリウムとして48モル)を反応液の温度を35℃に保ちながら30分で滴下した。さらに2時間反応温度を35℃に保って閉環反応を行った。閉環反応終了後、水5405g(300モル)を加えて閉環反応により副生した塩化ナトリウムを溶解し、1時間静置し分液した。塩化ナトリウムを含んだ廃水を抜き出した後、有機層に水2702g(150モル)を加えて洗浄し、分液した。次いで有機層から過剰のエピクロロヒドリンを減圧下90℃を超えない温度で3時間かけて留去した。得られた粗テトラグリシジルメタキシリレンジアミンにトルエン6450g(70モル)を添加し、溶解した。有機層を水2702g(150モル)を用いて二回水洗した。二回の水洗・分液および廃水の抜き出しには合計4時間を要し、操作も非常に煩雑であった。水洗後の有機層に水酸化カリウム39g(0.7モル)、水156g(8.7モル、水酸化カリウムが20%水溶液になる量)、相間移動作用を有する化合物としてヘキサメチルリン酸トリアミド125g(0.7モル)およびポリエチレングリコール28g(0.07モル)を添加し、2時間反応温度を35℃に保って再閉環反応を行った。次いで有機層を水2702g(150モル)を用いて二回水洗した。二回の水洗・分液および廃水の抜き出しには合計4時間を要し、操作も非常に煩雑であった。有機層からトルエンを減圧下100℃を超えない温度で3時間かけて留去した。冷却後、50メッシュのSUS金網を用いて夾雑物を取り除き、目的物のテトラグリシジルメタキシリレンジアミン(テトラグリシジルアミノ化合物(比1))を3316g(メタキシリレンジアミン基準収率92.0%)得た。作業時間を含めた全工程時間の合計は、28時間であった。
テトラグリシジルアミノ化合物(比1)を分析した結果、加水分解性塩素210ppm、粘度1680mPa・s、ガードナー色数1、保存性(増粘倍率)1.28であった。
冷却および加熱装置、攪拌機を備えた20Lの反応器にエピクロロヒドリン7402g(80モル)と水360g(20モル)を加え、系に窒素を流しながら反応液の温度を35℃に昇温した。メタキシリレンジアミン1362g(10モル)を反応液の温度を35℃に保ちながら1時間で滴下した。さらに2時間反応温度を35℃に保って付加反応を完結させた。次いで、48%水酸化ナトリウム水溶液4000g(水酸化ナトリウムとして48モル)を反応液の温度を35℃に保ちながら30分で滴下した。さらに2時間反応温度を35℃に保って閉環反応を行った。閉環反応終了後、閉環反応により副生した塩化ナトリウムを200メッシュのSUS金網を用いてろ過した。ろ液は1時間静置し分液し塩化ナトリウムを含んだ廃水を抜き出した。有機層を反応器に戻した後、20%水酸化ナトリウム水溶液1600g(水酸化ナトリウムとして8モル)を反応液の温度を35℃に保ちながら5分で滴下した。さらに1時間反応温度を35℃に保って再閉環反応を行った。再閉環反応終了後、特に反応液の温度制御をせずに1時間静置し分液したところ、エピクロロヒドリンの重合により反応液の温度は徐々に上昇し、最高温度は65℃となり品質悪化の一因となった。有機層と分離した水酸化ナトリウム水溶液を抜き出し、有機層を水2702g(150モル)を用いて二回水洗した。次いで有機層から過剰のエピクロロヒドリンを減圧下90℃を超えない温度で3時間かけて留去した。冷却後、50メッシュのSUS金網を用いて夾雑物を取り除き、目的物のテトラグリシジルメタキシリレンジアミン(テトラグリシジルアミノ化合物(比2))を3082g(メタキシリレンジアミン基準収率85.5%)得た。実施例1と比較して収率が低いのは閉環反応で副生した塩化ナトリウムをろ過するときの損失が大きいのが主な原因である。
テトラグリシジルアミノ化合物(比2)を分析した結果、加水分解性塩素840ppm、粘度2040mPa・s、ガードナー色数2、保存性(増粘倍率)1.95であった。二回閉環を実施している割には加水分解性塩素も多い等、品質的に満足できないものであった。
実施例1において、閉環反応で用いる50%ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド水溶液を28.1g(ベンジルトリエチルアンモニウムクロリドとして0.062モル)、48%水酸化ナトリウム水溶液を3083g(水酸化ナトリウムとして37モル)、再閉環反応で用いる50%ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド水溶液を8.3g(ベンジルトリエチルアンモニウムクロリドとして0.018モル)、20%水酸化ナトリウム水溶液を2200g(水酸化ナトリウムとして11モル)に変更した以外は、実施例1の操作を繰り返し、目的物のテトラグリシジルメタキシリレンジアミン(テトラグリシジルアミノ化合物(2))を3489g(メタキシリレンジアミン基準収率96.8%)得た。テトラグリシジルアミノ化合物(2)を分析した結果、加水分解性塩素230ppm、粘度1620mPa・s、ガードナー色数1、保存性(増粘倍率)1.18であった。
実施例1において、閉環反応で用いるベンジルトリエチルアンモニウムクロリド50%水溶液を34.1g(ベンジルトリエチルアンモニウムクロリドとして0.075モル)、48%水酸化ナトリウム水溶液を3750g(水酸化ナトリウムとして45モル)、再閉環反応で用いる50%ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド水溶液を2.3g(ベンジルトリエチルアンモニウムクロリドとして0.005モル)、20%水酸化ナトリウム水溶液を600g(水酸化ナトリウムとして3モル)に変更した以外は、実施例1の操作を繰り返し、目的物のテトラグリシジルメタキシリレンジアミン(テトラグリシジルアミノ化合物(3))を3507g(メタキシリレンジアミン基準収率97.3%)得た。テトラグリシジルアミノ化合物(3)を分析した結果、加水分解性塩素130ppm、粘度1600mPa・s、ガードナー色数1、保存性(増粘倍率)1.17であった。
実施例1において、メタキシリレンジアミンを1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンに変更した以外は、実施例1の操作を繰り返し、目的物のテトラグリシジル1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン(テトラグリシジルアミノ化合物(4))を3532g(1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン基準収率96.5%)得た。テトラグリシジルアミノ化合物(4)を分析した結果、加水分解性塩素250ppm、粘度1850mPa・s、ガードナー色数1、保存性(増粘倍率)1.25であった。
実施例1において、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリドを18−クラウン−6に変更した以外は、実施例1の操作を繰り返し、目的物のテトラグリシジルメタキシリレンジアミン(テトラグリシジルアミノ化合物(5))を3511g(メタキシリレンジアミン基準収率97.4%)得た。テトラグリシジルアミノ化合物(5)を分析した結果、加水分解性塩素140ppm、粘度1600mPa・s、ガードナー色数1、保存性(増粘倍率)1.16であった。
Claims (4)
- 一般式(1)
H2NCH2-R-CH2NH2 (1)
(式(1)中、Rはフェニレン基またはシクロヘキシレン基を表わす。)
で表わされるジアミンと一般式(2)
(式(2)中、R1は水素原子またはメチル基、Xは塩素原子または臭素原子を表わす。)
で表わされるエピハロヒドリンとを反応させたのち、閉環反応によって一般式(3)
で表わされるテトラグリシジルアミノ化合物を製造する方法であって、
(A) ジアミンとジアミンに対して化学量論的に過剰のエピハロヒドリンとを水の存在下に反応させる付加反応工程、
(B) 工程(A)で得られた付加反応生成物を相間移動作用を有する化合物の共存下にアルカリ金属水酸化物と反応させる閉環反応工程、
(C) 工程(B)で副生したアルカリ金属ハロゲン化物を水に溶解させ分液除去し粗テトラグリシジルアミノ化合物を含む有機層(1)を得る工程、
(D) 工程(C)で得られた有機層(1)をエピハロヒドリン溶媒中で相間移動作用を有する化合物の共存下にアルカリ金属水酸化物と反応させる再閉環反応工程、
(E) 工程(D)で得られた反応生成液においてアルカリ金属水酸化物を分離除去し粗テトラグリシジルアミノ化合物を含む有機層(2)を得る工程、および
(F) 工程(E)で得られた有機層(2)から未反応のエピハロヒドリンを留去して得られる粗テトラグリシジルアミノ化合物を有機溶媒に溶解して水洗する工程
を含むことを特徴とするテトラグリシジルアミノ化合物の製造方法。 - 相間移動作用を有する化合物が、下記第1群〜第4群からなる群から選ばれる一種のみである請求項1記載のテトラグリシジルアミノ化合物の製造方法。
第1群:オニウム塩化合物
第2群:大環状ポリエーテル化合物
第3群:直鎖状ポリエーテル化合物
第4群:非プロトン性極性化合物 - 工程(E)を30℃以上40℃以下に制御して行うことを特徴とする請求項1記載のテトラグリシジルアミノ化合物の製造方法。
- 工程(F)の水洗の回数が一回である請求項1記載のテトラグリシジルアミノ化合物の製造方法。
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