JPH0832697B2 - ポリグリシジルアミノ化合物の製造方法 - Google Patents

ポリグリシジルアミノ化合物の製造方法

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JPH0832697B2
JPH0832697B2 JP62081050A JP8105087A JPH0832697B2 JP H0832697 B2 JPH0832697 B2 JP H0832697B2 JP 62081050 A JP62081050 A JP 62081050A JP 8105087 A JP8105087 A JP 8105087A JP H0832697 B2 JPH0832697 B2 JP H0832697B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ジアミンとエピハロヒドリンとからポリグ
リシジルアミノ化合物を製造する方法に係わり、特に、
残存ハロゲン含有量が極めて少なく、低粘度であり、保
存安定性にすぐれ且つ淡色である高品位のポリグリシジ
ルアミノ化合物を製造する方法に関する。
〔従来の技術〕
一般式(1) H2NCH2-R-CH2NH2 (1) (式中、Rはフエニレン基またはシクロヘキシレン基を
表わす。) で表わされるジアミンと 一般式(2) (式中、R1は水素原子またはメチル基、Xは塩素原子ま
たは臭素原子を表わす。) で表わされるエピハロヒドリンとを反応させたのち、脱
ハロゲン化水素反応によつて一般式(3) (式中、RおよびR1は前記に同じ) で表わされるポリグリシジルアミノ化合物を製造する方
法は、例えば、特公昭61−6828および61−7198号公報に
既に開示されており、ここに開示された方法によつて、
当該ポリグリシジルアミノ化合物は工業的規模で製造さ
れ得る。ここで得られるポリグリシジルアミノ化合物
は、低粘度であり、作業性にすぐれ、且つ耐熱性、接着
性、剛性、機械的強さ等の諸物性に極めてすぐれた硬化
物を与えるエポキシ樹脂として有用であり、これらの特
徴を生かして注型用素材、炭素繊維コンポジツト用バイ
ンダー、航空宇宙産業用機造材、電気・電子部品用素
材、スポーツ用品、重合体架橋剤等の各種用途に広い分
野で使用されている。
しかし、近年、特にエレクトロニクス技術分野におい
て、可能な限り残存ハロゲンの含有量が低減されたエポ
キシ樹脂の供給が強く望まれている。しかるに、前記従
来の技術で得られるポリグリシジルアミノ化合物では、
加水分解性ハロゲンの残存量が相対的に多く、通常、千
ppm あるいはそれ以上の量で含まれており、前記従来
方法において操作上の工夫を加えても、加水分解性ハロ
ゲンの残存量を数百ppm以下に低減することは極めて困
難であつた。
さらには、前記従来の技術で得られるポリグリシジル
アミノ化合物中には、非加水分解性ハロゲンも相当量存
在し、上記加水分解性ハロゲンとともにこれらのハロゲ
ンの存在は、特にエレクトロニクス関連分野において当
該ポリグリシジルアミノ化合物を使用した場合、基材の
劣化や金属の腐触といつた致命的な欠陥の原因となる。
従つて、可能な限り残存ハロゲン含有量の低いポリグ
リシジルアミノ化合物を製造する技術の開発が強く望ま
れている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明者らは、上述のごとき残存ハロゲン含有量の低
いポリグリシジルアミノ化合物に関する強い要望に鑑
み、前記従来のポリグリシジルアミノ化合物の製造方法
の改善について鋭意検討を進め、ジアミンにエピハロヒ
ドリンを付加して得られるハロヒドリン体の脱ハロゲン
化水素反応の効率化に工夫を加えることによつて、所望
のハロゲン残存量の低いポリグリシジルアミノ化合物が
得られることを見出して本発明を完成した。
〔問題を解決するための手段〕
本発明は、一般式(1) H2NCH2-R-CH2NH2 (1) (式中、Rはフエニレン基またはシクロヘキシレン基を
表わす。) で表わされるジアミンと 一般式(2) (式中、R1は水素原子またはメチル基、Xは塩素原子ま
たは臭素原子を表わす。) で表わされるエピハロヒドリンとを反応させたのち、脱
ハロゲン化水素反応によつて一般式(3) (式中、RおよびR1は前記に同じ) で表わされるポリグリシジルアミノ化合物を製造する方
法において、 (I)ジアミンとジアミンに対して化学量論的に過剰の
エピハロヒドリンとを水の存在下に反応させる付加反応
工程、 (II)工程(I)で得られた付加反応生成物を相間移動
作用を有する化合物のすくなくとも1種の共存下にハロ
ゲン除去反応剤と反応させる第一次脱ハロゲン化水素反
応工程、 (III)工程(II)の反応生成物から未反応のエピハロ
ヒドリンを留去して得られる粗ポリグリシジルアミノ化
合物を相間移動作用を有する化合物のすくなくとも1種
の共存下にハロゲン除去反応剤で処理する第二次脱ハロ
ゲン化水素反応工程、および (IV)工程(II)および工程(III)で得られる脱ハロ
ゲン化水素反応生成物を水洗する工程 を全反応工程中に包含するポリグリシジルアミノ化合物
の製造方法である。
本発明の方法の主要な工程を構成する上記工程(II)
および工程(III)において、ハロゲン除去反応剤は相
間移動作用を有する化合物による触媒作用を受けて脱ハ
ロゲン化水素反応に極めて効果的に作用する。ここで用
いられるハロゲン除去反応剤としては、アルカリ金属ま
たはアルカリ土類金属の水酸化物;アルカリ金属または
アルカリ土類金属の炭酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、亜
リン酸塩またはチオシアン酸塩であるアルカリ金属また
はアルカリ土類金属の無機酸塩;酢酸カリウム、しゆう
酸ナトリウム、安息香酸カリウム等で例示される炭素数
1〜12の脂肪族または芳香族カルボン酸のアルカリ金属
またはアルカリ土類金属塩;ナトリウムメトキシド、ナ
トリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシド等で例示
される炭素数1〜10の脂肪族アルコールのアルカリ金属
アルコキシド;ナトリウムフエノキシド等で例示される
アルカリ金属フエノキシドが挙げられる。これらのハロ
ゲン除去反応剤は、所望に応じて2種以上を併用しても
よく、特に上記水酸化物と亜硫酸塩または亜リン酸塩と
の組合せは有効である。
また、相間移動作用を有する化合物とは、下記群で示
される化合物をいう。
群:オニウム塩化合物 群:クラウンエーテル類およびクリプタンド類である
大環状ポリエーテル化合物 群:ポリアルキレンオキサイド類とその末端アルキル
エーテル化物およびポリエーテルアミン類である直鎖状
ポリエーテル化合物 群:非プロトン性極性化合物 上記群の化合物は、具体的には、テトラメチルアン
モニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムクロリ
ド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド、メチル
トリオクチルアンモニウムクロリド、N−ラウリルピコ
リニウムクロリド等で例示される第四級アンモニウム
塩;テトラメチルホスホニウムクロリド、テトラエチル
ホスホニウムクロリド、テトラブチルホスホニウムブロ
ミド、トリベンジルエチルホスホニウムクロリド、トリ
ブチルエチルホスホニウムクロリド等で例示される第四
級ホスホニウム塩;トリメチルスルホニウムヨウデイ
ド、ジベンジルメチルスルホニウムブロミド等で例示さ
れる第三級スルホニウム塩を挙げることができる。
上記群の化合物は、具体的には、12−クラウン−
4、15−クラウン−5、ベンゾ−155−クラウン−5、1
8−クラウン−6、ジベンゾ−18−クラウン−6、ジシ
クロヘキシル−18−クラウン−6、ジベンゾピリジノ−
18−クラウン−6、ジベンゾ−24−クラウン−8等で例
示されるクラウンエーテル類およびジアザ−15−クラウ
ン、ジアザ−18−クラウン、〔2,2,2〕−クリプタン
ド、〔2,2,1〕−クリプタンド、〔2,1,1〕−クリプタン
ド、〔2,2,2〕−デシルクリプタンド、〔2,2,2〕−ベン
ゾクリプタンド、クリプトフイツクス222Bポリマー、ク
リプトフイツクス221Bポリマー等で例示されるクリプタ
ンド類を挙げることができる(「クリプトフイツクス」
はメルク社が販売するクリプタンド類の商品名であ
る)。
上記群の化合物は、具体的には、ポリエチレングリ
コール、ポリエチレングリコールジメチルエーテル、ポ
リオキシプロピレングリコール、ポリオキシプロピレン
グリコールジメチルエーテル等で例示されるポリアルキ
レンオキサイドとその末端アルキルエーテル化物および
トリス(3,6−ジオキサヘプチル)アミンで例示される
ポリエーテルアミン類を挙げることができる。
上記群の化合物は、具体的にはヘキサメチルリン酸
トリアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムア
ミド、ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、N−メ
チルピロリドン等で代表されるいわゆる非プロトン性極
性溶媒として知られる化合物を挙げることができる。
本発明の方法を実施するに当り、先ず、工程(I)に
おいて、式(1)で示されるジアミンに式(2)で示さ
れるエピハロヒドリンを付加反応させ、ハロヒドリン体
を生成せしめる。ここで用いられるジアミンとしては、
m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、こ
れらの混合物、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサ
ン、1,4−ビスアミノメチルシクロヘキサン、これらの
混合物が挙げられ、エピハロヒドリンとしては、エピク
ロルヒドリン、エピブロムヒドリン、β−メチルエピク
ロルヒドリンが挙げられるが、一般的にはエピクロルヒ
ドリンが用いられる。エピハロヒドリンはジアミンに対
して化学量的に過剰に用いられるが、通常、ジアミン1
モルに対して5.5〜15モルの範囲の量で用いられる。付
加反応系に存在させる水は、付加反応の促進と結晶性物
質の析出の抑制に寄与し、通常、ジアミン1モルに対し
て0.5〜15モルの範囲の量で用いられる。付加反応は発
熱反応であるところから、通常、エピハロヒドリンと水
との混合系にジアミンを徐々に添加し、反応系の温度が
60℃を超えることがないように制御しながら反応を行な
う。
付加反応を終了した工程(I)の反応生成物は、次い
で、ハロゲン除去反応剤と反応させて脱ハロゲン化水素
反応に付せられる。この工程(II)で用いられる相間移
動作用を有する化合物は、ハロゲン除去反応剤に作用し
てハロゲン除去反応剤を有機相に可溶化し、脱ハロゲン
化水素反応を促進する。この相間移動作用を有する化合
物の作用は極めて顕著であり、従来通常行なわれている
アルカリ単独での脱ハロゲン化水素反応に比べて、副反
応の抑制と本反応の完結に寄与するところが大きく、生
成物中の残存ハロゲン量を低減できる。工程(II)にお
けるハロゲン除去反応剤の使用量は、原料ジアミンを基
準にしてジアミン1モルに対して化学量論理である4モ
ルより過剰の量で選ばれるが、大幅に過剰に用いた場合
には生成したエポキシ基が消費されるところから、通
常、5モル以下の範囲で選ばれる。相間移動作用を有す
る化合物の使用量は、いわゆる触媒量でよく、通常、ジ
アミン1モルに対して10-4〜10-1モルの範囲で選ばれれ
ばよい。金属アルコキシドのごとく、系内の水分によつ
て反応が妨げられるハロゲン除去反応剤を使用する場合
には、工程(I)の終了後、反応系内の水分を十分に除
去する必要があるが、微量の水分は特に支障とはならな
い。工程(II)の第一次脱ハロゲン化水素反応工程は、
70℃を超えない温度、通常、20〜50℃の温度に維持され
るのが好ましい。
工程(II)を経た反応生成物には水を添加し、脱ハロ
ゲン化水素反応によつて生成した金属ハロゲン化物の分
離、除去を行なう。分液して得られる有機層から過剰の
エピハロヒドリンを留去する。
過剰のエピハロヒドリンを留去して得られた反応生成
物は、次いで、工程(IV)の水洗工程に付される。通
常、この水洗工程に際して反応生成物は有機溶剤に溶解
される。ここで用いられる溶剤としては、目的生成物で
あるポリグリシジルアミノ化合物に対して可溶性且つ不
活性であり、実質的に水と相溶性のない溶剤が選ばれ
る。具体的には、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳
香族炭化水素が好適に用いられる。溶剤の使用量は、ポ
リグリシジルアミノ化合物100重量部に対して30〜500重
量部、好ましくは50〜300重量部の範囲で選ばれる。
工程(IV)の水洗を行なうに際して使用する水の量
は、ポリグリシジルアミン100重量部に対して10〜200重
量部、好ましくは20〜100重量部の範囲で選ばれる。水
洗は2回以上行なうことによつて、洗浄効果がさらに向
上することは勿論である。
工程(II)の反応生成物から過剰のエピハロヒドリン
を留去したのち行なう上記水洗工程は、留去によつて完
全には除去し得ないエピハロヒドリンの分離、除去に効
果がある。これによつて、次工程の第二次脱ハロゲン化
水素反応工程が円滑に進むばかりでなく、最終製品の着
色を防止し、保存安定性を向上させ、残存ハロゲン量の
低下に寄与するところから、この水洗工程は欠くべから
ざるものである。
水洗工程(IV)を終えた反応生成物は、次いで工程
(III)の第二次脱ハロゲン化水素反応工程に付され
る。ここで用いられるハロゲン除去反応剤の量は、第一
次脱ハロゲン化水素反応工程(II)において生成した粗
ポリグリシジルアミノ化合物中に残存する全ハロゲン量
を基準にして定められ、通常、残存全ハロゲン1モルに
対して1〜2モルに相当する範囲で選ばれる。相間移動
作用を有する化合物の使用量も、同様に残存全ハロゲン
量を基準にして定められ、残存ハロゲン1モルに対して
10-4〜2モル、好ましくは、10-3〜10-1モルに相当する
範囲で選ばれる。工程(III)の第二次脱ハロゲン化水
素反応工程は、70℃を超えない温度、通常、20〜50℃の
温度範囲で行なわれるのが好ましい。
第二次脱ハロゲン化水素反応工程(III)を生成物
は、さらに、工程(IV)の水洗工程に付される。ここで
用いられる水の量は、前述の範囲で選ばれればよく、2
回以上の水洗によつて洗浄効果が向上することは勿論で
ある。
かくして得られた反応生成物から、水洗工程を行なう
際に用いた溶剤を除去することによつて、本発明の方法
は完結し、目的とするポリグリシジルアミノ化合物が得
られる。得られた最終製品は、淡色且つ低粘度であり、
保存安定性も極めて良好な残存ハロゲン含有量の極めて
低いポリグリシジルアミノ化合物であり、エレクトロニ
クス関連分野における厳しい要望にも十分応え得る高品
位のエポキシ樹脂として重用され得る。
以上詳述したごとく、本発明の方法は、ジアミンとエ
ピハロヒドリンとからポリグリシジルアミノ化合物を製
造する全行程中に前記工程(I)乃至(IV)を必須の工
程として包含するポリグリシジルアミノ化合物の製造方
法であるが、全行程中には、所望に応じて過工程その
他の工程が付加されることもある。
〔作用効果〕
ジアミンとエピハロヒドリンとからポリグリシジルア
ミノ化合物を製造すること自体は公知であり、ジアミン
にエピハロヒドリンを付加して得られるハロヒドリン体
からアルカリ、例えば苛性ソーダを用いて脱ハロゲン化
水素化し、所望のポリグリシジルアミノ化合物を製造す
ることは、広く行なわれている。しかし、従来行なわれ
ている方法では、例えば、使用するアルカリが有機層に
不溶であるため有機層における脱ハロゲン化水素反応を
十分に完結し得ない等諸々の理由によつて、ポリグリシ
ジルアミノ化合物中に残存するハロゲンを十分に低減す
るには、超え難い限界があるのが実情である。
しかるに、本発明の方法においては、ジアミンにエピ
ハロヒドリンを付加させて得られるハロヒドリン体の脱
ハロゲン化水素を主とする脱ハロゲン化水素反応を、相
間移動作用を有する化合物の共存下にハロゲン除去反応
剤を用いることによつて、両者の次のごとき相互作用に
もとづいて特異的に完結せしめることができ、ポリグリ
シジルアミノ化合物中に残存するハロゲンが著しく低減
され得たものと理解される。すなわち、相間移動作用を
有する化合物は、ハロゲン除去反応剤の金属カチオンに
相互作用し、ハロゲン除去反応剤を有機層に可溶化して
有機層へ相間移動させ得る。有機層へ移動した反応種
は、速やかにハロゲンを含有する基質と反応し、ハロゲ
ン化金属を放出すると、再び、相間移動作用を有する化
合物は、ハロゲン除去反応剤に作用して有機層への可溶
化を可能にする。このような循環機構にもとづいて、相
間移動作用を有する化合物は脱ハロゲン化水素反応を促
進する触媒機能を発揮するものと考えられる。
このようなハロゲン除去反応剤と相間移動作用を有す
る化合物との相互作用によつて、脱ハロゲン化水素反応
が穏和な条件下で速やかに行なわれ、従来技術では到底
達成し得なかつた水準にまでポリグリシジルアミノ化合
物中のハロゲン残存量を低減することが実現された。
本発明の方法におけるこのような特異な効果について
は、以下、実施例によつて具体的に説明する。
〔実施例〕
以下の実施例および比較例において、ヒーター付の内
容積2lのセパラブルフラスコを用い、これに真空シール
付攪拌器、冷却コイル、ジムロート冷却器および窒素ガ
ス導入管を配備した温度調節可能な反応器を使用した。
実施例および比較例における保存性とは、試料を70℃
で10日間加熱した後の増粘倍率をいう。
実施例1 反応器にエピクロルヒドリン740g(8モル)と水36g
(2モル)を加え、系に窒素気流(25ml/min)を流しつ
つ室温下から始めて3.5時間を要してメタキシリレンジ
アミン136g(1モル)を滴下した。滴下中及び滴下終了
後2時間に亘つて反応系の温度は35℃に保つた。次いで
ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド50%水溶液3.
6g(0.008モルに相当)を添加した後、48%苛性ソーダ
水溶液375g(4.5モルに相当)を30分を要して滴下し
た。さらに、3時間反応温度を35℃に保つて第1次脱ハ
ロゲン化水素反応を行なつた。反応終了後、水480g(30
モル)を加えて析出した食塩を溶解し、静置、分液し
た。油層に新たに水240g(15モル)を加えて洗浄し、分
液した。次いで、油層から未反応のエピクロルヒドリン
を減圧下90℃において留去した。得られた粗ポリグリシ
ジルメタキシリレンジアミンにトルエン644g(7モル)
を添加し、紙(No1)を用いて過した。液を水240
g(15モル)を用いて2回水洗した。油層を一部採取し
て工程分析を行なつた所、粗ポリグリシジルメタキシリ
レンジアミン中の全塩素6,700ppm、加水分解性塩素1,20
0ppmであつた。残りの油層に反応剤として苛性カリ3.8g
(0.07モル)、触媒としてヘキサメチルリン酸トリアミ
ド12.5g(0.07モル)及びポリエチレングリコール(商
品名「PEG−400」2.8g(0.007モル)を添加し、35℃に
おいて2時間を要して第2次脱ハロゲン化水素反応を行
なつた。次いで水240g(15モル)を用いて2回油層を水
洗した。得られた油層からトルエンを含む揮発分を減圧
下110℃を超えない温度で3時間かけて留去した。揮発
分を充分除いた後、熱時に桐山ロート(40φ)を用いて
過した。最終的に330g(収率91.6%)のポリグリシジ
ルメタキシリレンジアミンを得た。
製品分析の結果、全塩素3,300ppm、加水分解性塩素11
0ppm、粘度1,650mPas(25℃)、色数1(ガードナ
ー)、保存性1.3であつた。
因みに、上記実施例における第1次脱ハロゲン化水素
反応後の水洗工程を施す前の生成物について工程分析を
行なつたところ、全塩素7,300ppm、加水分解性塩素1,80
0ppmであつた。水洗工程後の工程分析値と比較すると、
水洗による含塩素率の低下の効果は明らかである。
比較例1 実施例1において、第1次脱ハロゲン化水素反応工程
でベンジルトリエチルアンモニウムクロリドを使用せ
ず、且つトルエンを添加した溶液を2回水洗したのち、
トルエンを含む揮発分を留去して最終製品を得る以外
は、実施例1の操作を繰り返した。
製品分析の結果、全塩素7,500ppm、加水分解性塩素は
1,200ppmであつたが、保存性は3.3、色数は2(ガード
ナー)であつた。因みに、水洗前の製品は、全塩素13,0
00ppm、加水分解性塩素4,400ppmであつた。実施例1の
結果と比較すると、第1次脱ハロゲン化水素反応におけ
る相間移動触媒の効果が判る。
比較例2 実施例1において、第1次脱ハロゲン化水素反応工程
および第2次脱ハロゲン化水素反応工程において相間移
動触媒を使用せず、且つ第2次ハロゲン化水素工程にお
いて苛性カリ3.8gに代えて苛性ソーダ12gを用いた以外
は、実施例1の操作を繰り返した。
製品分析の結果、全塩素6,000ppm、加水分解性塩素55
0ppmであつたが、保存性は2.1、色数は1〜2(ガード
ナー)であつた。実施例1の結果と比較すると、相間移
動触媒の効果が顕著である。
比較例3 実施例1において、第1次脱ハロゲン化水素反応工程
を終え、トルエンを添加した溶液を第2次脱ハロゲン化
水素工程を行なうことなく水洗し、トルエンを含む揮発
分を留去して最終製品を得る以外は、実施例1の操作を
繰り返した。
製品分析の結果、加水分解性塩素は800ppmであつた
が、保存性は1.9、色数は1であつた。実施例1の結果
と比較すると、第2次脱ハロゲン化水素反応以降の工程
による効果が明らかである。
比較例4 実施例1において、第1次脱ハロゲン化水素反応後水
洗工程を行なわず、それ以外は実施例1の操作を繰り返
した。
最終製品の分析の結果、全塩素4.100ppm、加水分解性
塩素260ppm、保存性1.6、色数1〜2であつた。実施例
1の結果と比較すると、水洗工程の効果が明らかであ
る。
実施例2 実施例1において、第2次脱ハロゲン化水素反応を行
なう前のトルエン溶液層に硫酸マグネシウムを添加し、
脱水処理を行なつた。脱水処理後の油層を工程分析した
ところ、全塩素6,300ppm、加水分解性塩素1,600ppmであ
つた。
第2次脱ハロゲン化水素反応において、反応剤として
カリウムt−ブトキシド7.2g(0.064モル)、相間移動
触媒としてジメチルスルホキシド5.0gおよびポリエチレ
ングリコール(商品名「PEG−400」)2.6g(0.064モ
ル)を用い、実施例1の操作を繰り返した。
製品分析の結果、得られたポリグリシジルメタキシリ
レンジアミンの粘度は2,200mPas(25℃)、全塩素530pp
m、加水分解性塩素40ppm、保存性2.2、色数2〜3であ
つた。
実施例3〜5 実施例1において、第1次脱ハロゲン化水素反応工程
における相間移動触媒と第2次脱ハロゲン化水素反応工
程における反応剤および相間移動触媒を表1に示す通り
に変える以外は、実施例1の操作を繰り返した。
製品分析の結果は表1に示す通りであつた。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1) H2NCH2-R-CH2NH2 (1) (式中、Rはフエニレン基またはシクロヘキシレン基を
    表わす。) で表わされるジアミンと 一般式(2) (式中、R1は水素原子またはメチル基、Xは塩素原子ま
    たは臭素原子を表わす。) で表わされるエピハロヒドリンとを反応させたのち、脱
    ハロゲン化水素反応によつて一般式(3) (式中、RおよびR1は前記に同じ) で表わされるポリグリシジルアミノ化合物を製造する方
    法において、 (I)ジアミンとジアミンに対して化学量論的に過剰の
    エピハロヒドリンとを水の存在下に反応させる付加反応
    工程 (II)工程(I)で得られた付加反応生成物を下記群で
    示される相間移動作用を有する化合物のすくなくとも1
    種の共存下にハロゲン除去反応剤と反応させる第一次脱
    ハロゲン化水素反応工程 (III)工程(II)の反応生成物から未反応のエピハロ
    ヒドリンを留去して得られる粗ポリグリシジルアミノ化
    合物を下記群で示される相間移動作用を有する化合物の
    すくなくとも1種の共存下にハロゲン除去反応剤で処理
    する第二次脱ハロゲン化水素反応工程、および (IV)工程(II)および工程(III)で得られる脱ハロ
    ゲン化水素反応生成物を水洗する工程 を全反応行程中に包含するポリグリシジルアミノ化合物
    の製造方法。 記 群:オニウム塩化合物 群:クラウンエーテル類およびクリプタンド類である
    大環状ポリエーテル化合物 群:ポリアルキレンオキサイド類とその末端アルキル
    エーテル化物およびポリエーテルアミン類である直鎖状
    ポリエーテル化合物 群:非プロトン性極性化合物
  2. 【請求項2】ハロゲン除去反応剤がアルカリ金属または
    アルカリ土類金属の水酸化物、アルカリ金属またはアル
    カリ土類金属の無機酸塩、脂肪族または芳香族カルボン
    酸のアルカリ金属またはアルカリ土類金属塩、アルカリ
    金属アルコキシドおよびアルカリ金属フエノキシドから
    なる群から選ばれるすくなくとも1種である特許請求の
    範囲第1項に記載の方法。
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