JP2003277468A - エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents

エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物

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Abstract

(57)【要約】 【課題】その硬化物の耐水性が優れ溶融粘度の低いエポ
キシ樹脂及びエポキシ樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】ビフェニル骨格の両末端にメチレン基を介
してβ−ナフトールが1位に2個結合した化合物とフェ
ノール化合物とを混合してアルカリ金属水酸化物の存在
下にてエピハロヒドリンと反応させることにより得られ
るエポキシ樹脂及びこれを含有するエポキシ樹脂組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は吸水率が低い硬化物
を与え、溶融粘度が低いエポキシ樹脂及びエポキシ樹脂
組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂は種々の硬化剤で硬化させ
ることにより、一般的に機械的性質、耐水性、耐薬品
性、耐熱性、電気的性質などに優れた硬化物となり、接
着剤、塗料、積層板、成形材料、注型材料などの幅広い
分野に利用されている。従来工業的に最も使用されてい
る液状エポキシ樹脂としてはビスフェノールAにエピク
ロルヒドリンを反応させて得られる化合物が知られてい
る。半導体封止材などの用途においては耐熱性が要求さ
れるためクレゾールノボラック型エポキシ樹脂が広く利
用されている。また、表面実装方式が一般的になり、半
導体パッケージも半田リフロー時に直接高温に晒される
ことが多くなるため封止材全体としての吸水率や線膨張
率を下げる為に、高フィラー充填が効果的な方法として
提案されている。高フィラー充填を可能にするためには
エポキシ樹脂の溶融粘度が低いことが必要条件となる。
この様な要求を満たすために最近ではテトラメチルビフ
ェノールのエポキシ化物などが広く用いられている。こ
の樹脂は結晶性であるため溶融状態において極めて低い
溶融粘度を示す。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記し
たようなテトラメチルビフェノールのエポキシ化物は、
溶融粘度は低く高フィラー充填は可能なものの、樹脂そ
のものの吸水率は決して低くない。一方近年の環境問題
に対する意識の向上につれ、半導体を実装する際に鉛フ
リー半田を使用する場合が増えてきた。鉛フリー半田は
従来の半田と比較して溶融温度が約20℃高い(約26
0℃)ため、半田リフロー時にパッケージクラックが生
じる可能性は従来の半導体封止材よりもはるかに高くな
った。この様な過酷な条件においては封止材に使用され
るエポキシ樹脂の溶融粘度を低減し高フィラー充填を可
能にするだけでは不十分であり、樹脂そのものの吸水率
をも下げる必要性が指摘されている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこうした実
状に鑑み、吸水率が低く、しかも溶融粘度の低いエポキ
シ樹脂を求めて鋭意検討した結果、特定の分子構造を有
するエポキシ樹脂がこれらの特性を満たすものであるこ
とを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0005】すなわち本発明は(1)(a)下記式
(1)
【0006】
【化3】
【0007】で表される化合物と(b)(a)成分以外
のフェノール化合物の混合物をアルカリ金属水酸化物の
存在下、エピハロヒドリンと反応させることにより得ら
れるエポキシ樹脂、(2)成分(b)の軟化点が40〜
130℃である上記(1)記載のエポキシ樹脂、(3)
成分(b)が下記式(2)
【0008】
【化4】
【0009】(式中、nは正数であり、平均値を表
す。)で表される化合物である上記(1)または(2)
記載のエポキシ樹脂、(4)成分(a)が5〜80重量
%、成分(b)が95〜20重量%である混合物を使用
する上記(1)〜(3)のいずれか1項に記載のエポキ
シ樹脂、(5)上記(1)〜(4)のいずれか1項に記
載のエポキシ樹脂及び硬化剤を含有するエポキシ樹脂組
成物、(6)硬化促進剤を含有する上記(5)記載のエ
ポキシ樹脂組成物、(7)無機充填剤を含有する上記
(5)または(6)記載のエポキシ樹脂組成物、(8)
上記(5)〜(7)のいずれか1項に記載のエポキシ樹
脂組成物を硬化してなる硬化物を提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明のエポキシ樹脂は、上記式
(1)の化合物(成分(a))と成分(a)以外のフェ
ノール化合物(成分(b))の混合物をエピハロヒドリ
ンと反応させ得ることができる。
【0011】式(1)で表される化合物は、例えば特開
平2002−20336号記載の方法に準じて得ること
ができる。具体的には、下記式(3)
【0012】
【化5】
【0013】(式中、Xは塩素原子、メトキシ基、水酸
基を表す。)で表される化合物と過剰のβ−ナフトール
を縮合反応させた後、未反応のβ−ナフトール及び高分
子量体を再結晶などによって除去することにより得るこ
とが出来る。
【0014】上記の縮合反応において、仕込み比率は通
常、式(3)で表される化合物1モルに対してβ−ナフ
トール2〜30モルであり、好ましくは3〜25モルで
ある。
【0015】Xが塩素の場合は、触媒は特に必要ではな
いが、メトキシ基又は、水酸基の場合は酸触媒を用い
る。用い得る酸触媒としては塩酸、硫酸、パラトルエン
スルホン酸などが挙げられるが、特にパラトルエンスル
ホン酸が好ましい。酸触媒の使用量としては前記式
(3)で表される化合物1モルに対し通常0.001〜
0.1重量部、好ましくは0.005〜0.05重量部
である。
【0016】上記の縮合反応は溶剤の存在下で行うこと
が好ましい。溶剤を使用する場合、用い得る溶剤として
はメタノール、エタノール、イソプロパノール、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン等が
挙げられる。溶剤の使用量としては前記式(3)で表さ
れる化合物とβ−ナフトールの合計重量に対して通常1
0〜300重量%、好ましくは20〜250重量%であ
る。
【0017】上記の縮合反応は前記式(3)で表される
化合物が完全に消失するまで行う。反応温度としては通
常40〜150℃、反応時間としては通常1〜10時間
である。縮合反応終了後、中和、水洗などにより酸触媒
を除去する。
【0018】得られた反応物は、前記式(3)で表され
る化合物と始めに仕込んだβ−ナフトールとの比率にも
よるが、前記式(1)で表される化合物を、通常5〜6
0重量%含み、その他に未反応β−ナフトールや異性
体、高分子量化物を含んでいる。この粗生成物から、溶
剤を用いて再結晶及び濾過による精製を行うことによっ
て前記式(1)で表される化合物を単離することが出来
る。この再結晶に使用できる溶剤としてはトルエン、メ
チルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケト
ン、n−ヘキサン、メタノール、エタノール等が挙げら
れるが、これらに限定されるものではない。
【0019】こうして得られた式(1)の化合物は結晶
性が高く、単独ではエポキシ化が困難である。従って、
成分(b)としては、結晶性の低いフェノール化合物を
選択するのが好ましい。成分(b)としては、フェノー
ルノボラック、クレゾールノボラック、ビスフェノール
Aノボラック、ナフトールとクレゾールをホルマリンで
重縮合した化合物、トリフェニルメタン型樹脂、フェノ
ールをジシクロペンタジエンで付加重合した化合物、フ
ェノールアラルキルノボラック等が挙げられるが、特に
硬化物の吸湿性や難燃性の面から前記式(2)で表され
るビフェニルノボラック型樹脂が特に好ましい。成分
(b)としては、軟化点が40〜130℃のものが好ま
しい。成分(b)の軟化点は、その分子量を制御するこ
とにより制御することができる。軟化点が低すぎる場
合、得られた樹脂をフレーク化、或いはマーブル化させ
ずらい場合があり、工業的に不利である可能性がある。
また、高すぎると樹脂の結晶性が失われる場合がある。
【0020】本発明において、成分(a)と成分(b)
との仕込み比率は通常5〜80重量%:95〜20重量
%であるが、特に10〜60重量%:90〜40重量%
が好ましい。
【0021】本発明のエポキシ樹脂は、成分(a)と成
分(b)の混合物をアルカリ金属水酸化物の存在下、エ
ピハロヒドリンと反応させて得ることができ、成分
(a)と成分(b)のほぼ全量がそれぞれ独立にエポキ
シ化される。本発明のエポキシ樹脂を得る反応におい
て、アルカリ金属水酸化物はその水溶液を使用してもよ
く、その場合は該アルカリ金属水酸化物の水溶液を連続
的に反応系内に添加すると共に減圧下、または常圧下連
続的に水及びエピハロヒドリンを流出させ、更に分液し
水は除去しエピハロヒドリンは反応系内に連続的に戻す
方法でもよい。
【0022】また成分(a)及び成分(b)とエピハロ
ヒドリンの混合物にテトラメチルアンモニウムクロライ
ド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、トリメチル
ベンジルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム
塩を触媒として添加し50〜150℃で0.5〜8時間
反応させて得られる成分(a)及び成分(b)の化合物
のハロヒドリンエーテル化物にアルカリ金属水酸化物の
固体または水溶液を加え、20〜120℃で1〜10時
間反応させ脱ハロゲン化水素(閉環)させる方法でもよ
い。
【0023】通常これらの反応において使用されるエピ
ハロヒドリンの量は成分(a)及び成分(b)の化合物
の水酸基1当量に対し通常0.8〜12モル、好ましく
は0.9〜11モルである。この際、反応を円滑に進行
させるためにメタノール、エタノールなどのアルコール
類、ジメチルスルホン、ジメチルスルホキシド等の非プ
ロトン性極性溶媒などを添加して反応を行うことが好ま
しい。
【0024】アルコール類を使用する場合、その使用量
はエピハロヒドリンの量に対し通常2〜20重量%、好
ましくは4〜15重量%である。また非プロトン性極性
溶媒を用いる場合はエピハロヒドリンの量に対し通常5
〜150重量%、好ましくは10〜140重量%であ
る。
【0025】これらのエポキシ化反応の反応物を水洗
後、または水洗無しに加熱減圧下でエピハロヒドリンや
溶媒等を除去する。また更に加水分解性ハロゲンの少な
いエポキシ樹脂とするために、回収したエポキシ樹脂を
トルエン、メチルイソブチルケトンなどの溶剤に溶解
し、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ
金属水酸化物の水溶液を加えて反応を行い、閉環を確実
なものにすることも出来る。この場合アルカリ金属水酸
化物の使用量はエポキシ化に使用した成分(a)及び成
分(b)の化合物の水酸基1当量に対して通常0.01
〜0.3モル、好ましくは0.05〜0.2モルであ
る。反応温度は通常50〜120℃、反応時間は通常
0.5〜2時間である。
【0026】反応終了後、生成した塩を濾過、水洗など
により除去し、更に加熱減圧下溶剤を留去することによ
り本発明のエポキシ樹脂が得られる。
【0027】以下、本発明のエポキシ樹脂組成物につい
て説明する。本発明のエポキシ樹脂組成物において、本
発明のエポキシ樹脂は単独でまたは他のエポキシ樹脂と
併用して使用することが出来る。併用する場合、本発明
のエポキシ樹脂の全エポキシ樹脂中に占める割合は30
重量%以上が好ましく、特に40重量%以上が好まし
い。
【0028】本発明のエポキシ樹脂と併用し得る他のエ
ポキシ樹脂の具体例としては、ノボラック型エポキシ樹
脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノール
F型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、トリフ
ェニルメタン型エポキシ樹脂などが挙げられるがこれら
は単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
【0029】本発明のエポキシ樹脂組成物が含有する硬
化剤としては、例えばアミン系化合物、酸無水物系化合
物、アミド系化合物、フェノ−ル系化合物などが挙げら
れる。用い得る硬化剤の具体例としては、ジアミノジフ
ェニルメタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテ
トラミン、ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジ
アミン、ジシアンジアミド、リノレン酸の2量体とエチ
レンジアミンとより合成されるポリアミド樹脂、無水フ
タル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無
水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテト
ラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサ
ヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル
酸、フェノ−ルノボラック、及びこれらの変性物、イミ
ダゾ−ル、BF−アミン錯体、グアニジン誘導体など
が挙げられるがこれらに限定されるものではない。これ
らは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
【0030】本発明のエポキシ樹脂組成物において硬化
剤の使用量は、エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対し
て0.7〜1.2当量が好ましい。エポキシ基1当量に
対して、0.7当量に満たない場合、あるいは1.2当
量を超える場合、いずれも硬化が不完全となり良好な硬
化物性が得られない恐れがある。
【0031】また本発明のエポキシ樹脂組成物において
は硬化促進剤を使用しても差し支えない。用い得る硬化
促進剤の具体例としては2−メチルイミダゾール、2−
エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾ
ール等のイミダゾ−ル類、2−(ジメチルアミノメチ
ル)フェノール、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,
0)ウンデセン−7等の第3級アミン類、トリフェニル
ホスフィン等のホスフィン類、オクチル酸スズ等の金属
化合物等が挙げられる。硬化促進剤はエポキシ樹脂10
0重量部に対して0.1〜5.0重量部が必要に応じ用
いられる。
【0032】本発明のエポキシ樹脂組成物は必要により
無機充填剤を含有しうる。用いうる無機充填剤の具体例
としてはシリカ、アルミナ、タルク等が挙げられる。無
機充填剤は本発明のエポキシ樹脂組成物中において0〜
90重量%を占める量が用いられる。更に本発明のエポ
キシ樹脂組成物には、シランカップリング剤、ステアリ
ン酸、パルミチン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸
カルシウム等の離型剤、顔料等の種々の配合剤を添加す
ることができる。
【0033】本発明のエポキシ樹脂組成物は、各成分を
均一に混合することにより得られる。本発明のエポキシ
樹脂組成物は従来知られている方法と同様の方法で容易
にその硬化物とすることができる。例えば本発明のエポ
キシ樹脂と硬化剤並びに必要により硬化促進剤、無機充
填剤及び配合剤とを必要に応じて押出機、ニ−ダ、ロ−
ル等を用いて均一になるまで充分に混合してエポキシ樹
脂組成物を得、そのエポキシ樹脂組成物を溶融後注型あ
るいはトランスファ−成型機などを用いて成型し、さら
に80〜200℃で2〜10時間加熱することにより硬
化物を得ることができる。
【0034】また本発明のエポキシ樹脂組成物をトルエ
ン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトン等の溶剤に溶解させ、ガラス繊維、カ
−ボン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アル
ミナ繊維、紙などの基材に含浸させ加熱半乾燥して得た
プリプレグを熱プレス成型して硬化物を得ることもでき
る。この際の溶剤は、本発明のエポキシ樹脂組成物と該
溶剤の混合物中で通常10〜70重量%、好ましくは1
5〜70重量%を占める量を用いる。
【0035】
【実施例】次に本発明を実施例により更に具体的に説明
するが、以下において部は特に断わりのない限り重量部
である。
【0036】合成例1 温度計、滴下ロート、冷却管、撹拌器を取り付けたフラ
スコに窒素ガスパージを施しながら前記式(3)で表さ
れ、Xが2つとも塩素原子である化合物62.8部、β
−ナフトール144部及びトルエン200部を仕込み撹
拌下で80℃まで昇温し、溶解させた。そのまま4時間
撹拌した。撹拌中結晶が析出し始めたがそのまま撹拌を
続けた。4時間後、室温まで冷却し、濾過、及び300
部のトルエンを用いて3回洗浄を行った。その後、得ら
れた結晶を300部のn−ヘキサン中で再結晶させ濾過
後更に300部のn−ヘキサンで3回洗浄し、乾燥後前
記式(1)で表されるナフトール化合物88部を得た。
得られたナフトール化合物は紫色の結晶であり、融点は
251℃であった。
【0037】実施例1 温度計、滴下ロート、冷却管、撹拌器を取り付けたフラ
スコに窒素ガスパージを施しながら合成例1で得られた
式(1)の化合物111部、前記式(2)で表されるビ
フェニルノボラック型フェノール樹脂(明和化成株式会
社製、MEH-7851SS、軟化点65℃)108部、エピクロ
ルヒドリン370部、ジメチルスルホキシド92.5部
を仕込み撹拌下で45℃まで昇温し、溶解させた。次い
でフレーク状水酸化ナトリウム40部を100分かけて
分割添加し、その後、更に45℃で2時間、70℃で1
時間反応させた。反応終了後、ロータリーエバポレータ
ーを使用して加熱減圧下、ジメチルスルホキシド及び過
剰のエピクロルヒドリン等を留去し残留物に550部の
メチルイソブチルケトンを加え溶解した。
【0038】このメチルイソブチルケトンの溶液を70
℃に加熱し30重量%の水酸化ナトリウム水溶液10部
を添加し、1時間反応させた後洗浄液が中性になるまで
水洗を繰り返した。更に水層は分離除去し、ロータリー
エバポレーターを使用して加熱減圧下、メチルイソブチ
ルケトンを留去することにより本発明のエポキシ樹脂
(A)255部を得た。得られたエポキシ樹脂は結晶状
態であり融点は105.4℃、150℃における溶融粘
度は0.0025Pa・s、エポキシ当量は285g/
eqであった。
【0039】実施例2、3 実施例1で得られたエポキシ樹脂(A)に対し硬化剤と
してフェノールノボラック(軟化点83℃、水酸基当量
106g/eq、150℃における溶融粘度Pa・
s)、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィン(TP
P)、充填材として球状シリカ(平均粒径30ミクロ
ン)及び破砕シリカ(平均粒径5ミクロン)を用いて表
1の「配合物の組成」の欄に示す重量比で配合し、70
℃で15分ロールで混練し、175℃、成型圧力70K
g/cmの条件でスパイラルフローを測定し、表1の
「組成物の物性」の欄に示した(実施例2)。また、充
填材を加えずに表1で表される組成物を180秒間トラ
ンスファー成型してその後160℃で2時間、更に18
0℃で8時間硬化せしめて試験片を作成し、下記の条件
で吸水率を測定し表1の「硬化物の物性」の欄に示した
(実施例3)。
【0040】 100℃の水中で20時間煮沸した後の重量増加量(重
量%)
【0041】 表1 実施例2 実施例3 配合物の組成 エポキシ樹脂(A) 14.5 100 フェノールノボラック 5.4 37 TPP 0.1 1 球状シリカ 57.2 破砕シリカ 22.8 組成物の物性 スパイラルフロー(cm) 103 硬化物の物性 吸水率(%) 0.82
【0042】このように本発明のエポキシ樹脂を用いた
エポキシ樹脂組成物は表1に示されるように極めて低い
粘度(フィラー含有量が80%と比較的高いにも関わら
すスパイラルフローが長いことから判断される)及びそ
の硬化物は優れた耐水性(吸水率が低いことから判断さ
れる)を示した。
【0043】
【発明の効果】本発明のエポキシ樹脂は従来一般的に使
用されてきたエポキシ樹脂と比較して溶融粘度が低く、
これを含有するエポキシ樹脂組成物は耐水性に優れた硬
化物を与える。従って、本発明のエポキシ樹脂組成物は
電気・電子材料、成型材料、注型材料、積層材料、塗
料、接着剤、レジスト、光学材料などの広範囲の用途に
きわめて有用である。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)下記式(1) 【化1】 で表されるで表される化合物と(b)(a)成分以外の
    フェノール化合物からなる混合物をアルカリ金属水酸化
    物の存在下、エピハロヒドリンと反応させることにより
    得られるエポキシ樹脂。
  2. 【請求項2】成分(b)の軟化点が40〜130℃であ
    る請求項1記載のエポキシ樹脂。
  3. 【請求項3】成分(b)が下記式(2) 【化2】 (式中、nは正数であり、平均値を表す。)で表される
    化合物である請求項1または2記載のエポキシ樹脂。
  4. 【請求項4】成分(a)が5〜80重量%、成分(b)
    が95〜20重量%である混合物を使用する請求項1〜
    3のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれか1項に記載のエポ
    キシ樹脂及び硬化剤を含有するエポキシ樹脂組成物。
  6. 【請求項6】硬化促進剤を含有する請求項5記載のエポ
    キシ樹脂組成物。
  7. 【請求項7】無機充填剤を含有する請求項5または6記
    載のエポキシ樹脂組成物。
  8. 【請求項8】請求項5〜7のいずれか1項に記載のエポ
    キシ樹脂組成物を硬化してなる硬化物。
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