JPH07149873A - 低分子量ポリ臭素化エポキシ化合物の製造方法 - Google Patents

低分子量ポリ臭素化エポキシ化合物の製造方法

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JPH07149873A
JPH07149873A JP30265793A JP30265793A JPH07149873A JP H07149873 A JPH07149873 A JP H07149873A JP 30265793 A JP30265793 A JP 30265793A JP 30265793 A JP30265793 A JP 30265793A JP H07149873 A JPH07149873 A JP H07149873A
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epichlorohydrin
reaction
alkali metal
metal hydroxide
mol
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Haruyuki Horie
治之 堀江
Yasuhiro Oda
康弘 小田
Takumi Kagawa
巧 香川
Hideo Akeyama
秀雄 朱山
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Tosoh Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】有機溶媒及び水に不溶な反応副生成物を低減し
た低分子量ポリ臭素化エポキシ化合物を製造する方法を
提供する。 【構成】第一工程としてエピクロロヒドリン過剰下、ア
ルカリ金属水酸化物を触媒として臭素化ビスフェノール
Aとエピクロロヒドリンの付加反応を行い、反応後過剰
のエピクロロヒドリンを系外に除去し、続いて、第二工
程として有機溶媒中、アルカリ金属水酸化物の存在下で
脱塩化水素反応を行う。 【化1】 (式中nは0.01〜0.05、iは1〜4
の整数である。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は合成樹脂の難燃化に有用
な低分子量ポリ臭素化エポキシ化合物の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、低分子量ポリエポキシ化合物を製
造する方法としては、過剰のエピクロロヒドリン存在
下、四級アンモニウム塩等を触媒として、多価フェノ−
ルにエピクロロヒドリンを付加させ、引続き次の段階で
エピクロロヒドリン過剰条件下、水酸化ナトリウム等の
アルカリ金属水酸化物の水溶液を用いて脱塩化水素反応
を行い、得られる反応液より残存するエピクロロヒドリ
ンを蒸留除去、次いで、有機溶媒中に生成物を溶解させ
水洗を行い塩を除去する方法が、特開昭47−3283
8号公報あるいは特公昭52−13840号公報等に記
載されている。一方、一般的な臭素化ポリエポキシ化合
物の製造法に関し、特公平2−21404号公報が開示
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来から知られている特開昭47−32838号公報ある
いは特公昭52−13840号公報等に従って製造を行
った場合、水および有機溶媒に不溶な副生物が生成し、
エピクロロヒドリン蒸留回収時の収率を低下させるばか
りでなく、反応容器内への不溶物の付着、後処理工程の
水洗時の分液性の悪化、さらには、不溶物の分離除去操
作が必要となる等の問題があり、工業規模での生産が困
難であった。
【0004】一方、特公平2−21404号公報記載の
方法によれば不溶物質の生成を抑制することはできる
が、一般式(I)におけるnが0.1を越えてしまい、
目的物である低分子量ポリエポキシ化合物を得ることは
困難である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、臭素化ビ
スフェノ−ルAとエピクロロヒドリンにより一般式
(I)で表される低分子量ポリ臭素化エポキシ化合物を
製造する方法における上記課題を解決するため鋭意研究
を重ねた結果、臭素化ビスフェノールAとエピクロロヒ
ドリンを反応させた後、過剰のエピクロロヒドリンを留
去し、次いでアルカリ金属水酸化物を用いて脱塩化水素
反応を行うことにより、有機溶媒及び水に不溶な反応副
生物が低減可能であることを見い出し、本発明に至っ
た。
【0006】すなわち本発明は、臭素化ビスフェノ−ル
Aとエピクロロヒドリンにより一般式(I)で表される
低分子量ポリ臭素化エポキシ化合物を製造する方法にお
いて、第一工程としてエピクロロヒドリン過剰下、アル
カリ金属水酸化物を触媒として反応を行った後、残存す
るエピクロロヒドリンを系外に除去し、続いて、第二工
程として有機溶媒中、アルカリ金属水酸化物の存在下で
脱塩化水素反応を行うことを特徴とする製造法に関す
る。
【0007】
【化2】
【0008】(式中nは0.01〜0.05、iは1〜
4の整数である。)以下、本発明を詳細に説明する。本
発明の第一工程では臭素化ビスフェノールAとエピクロ
ロヒドリンを反応させる。
【0009】使用するエピクロロヒドリンは臭素化ビス
フェノ−ルA1モルに対し、5〜30モルの範囲で用い
れば適用可能である。5モル未満の使用ではnの値が
0.05を越えてしまうので好ましくない。30モル以
上では反応速度の低下を招くばかりでなく、経済性の面
からも好ましくない。
【0010】第一工程で使用するアルカリ金属水酸化物
は臭素化ビスフェノールA1モルに対し0.1〜0.7
モル用い、20〜50重量%の水溶液として添加する。
0.7モルを越えるアルカリ金属水酸化物を用いた場合
には、一般式(I)で表されるnの値が大きくなり、更
に、不溶物の生成量が増加する。また、0.1モル未満
のアルカリ金属化合物の添加では、反応速度の著しい低
下をもたらす。
【0011】臭素化ビスフェノールA、エピクロロヒド
リン及びアルカリ金属水酸化物の水溶液は一括添加して
も良く、あるいはアルカリ金属水酸化物の水溶液を反応
中に滴下添加しても良い。
【0012】反応溶媒は過剰のエピクロロヒドリンを用
いているので不要であるが、適宜他の有機溶媒を加えて
も差し支えない。
【0013】反応溶液中の臭素化ビスフェノ−ルA濃度
は15〜55重量%が好ましい。
【0014】反応は常圧あるいは減圧下、反応温度は8
0℃〜エピクロロヒドリン還流条件で、0.5〜10時
間行う。
【0015】付加反応終了後、過剰エピクロロヒドリン
の蒸留除去を行い、臭素化ビスフェノ−ルAのエピクロ
ロヒドリン付加物を得る。蒸留は減圧下、最終的には1
00〜150℃、1〜10mmHgで行う。
【0016】続いて、有機溶媒とアルカリ金属水酸化物
の水溶液を上記生成物に添加し、第二工程である脱塩化
水素反応を行う。
【0017】常圧あるいは減圧下、80℃〜溶媒還流条
件下で行う。本反応は、脱塩化水素により生成する水、
及びアルカリ金属の水酸化物の水溶液を反応系内から除
去することにより進行、完了する。
【0018】使用する有機溶媒は第一工程で得られるエ
ピクロロヒドリン付加物に対して10〜500重量%、
好ましくは30〜300重量%である。
【0019】第二工程で使用するアルカリ金属水酸化物
は、20〜50重量%の水溶液として添加するのが好ま
しく、臭素化ビスフェノ−ルA1モルに対して、第一工
程で添加した量との合計で2.0モル、すなわち、フェ
ノール性水酸基に対して等量程度添加すれば良く、好ま
しくは第一工程での添加量との合計が2.0〜2.5モ
ルの範囲である。これより少ないと脱塩化水素反応は完
結せず、またこれより過剰の場合は一旦生成したエポキ
シ基の開環等の副反応を引き起こす場合がある。
【0020】本発明の有機溶媒は、反応に対して不活性
なものであればいかなるものでもかまわない。例えば、
メチルイソブチルケトン、トルエン、キシレンが好適の
ものとして挙げられる。
【0021】本発明で適用されるアルカリ金属の水酸化
物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸
化リチウム等が挙げられる。
【0022】脱塩化水素反応終了後、水洗により反応溶
液を中和、分液し、溶媒を回収することにより、不溶物
の発生、混入が著しく少ない、一般式(I)におけるn
=0.01〜0.05の低分子量ポリ臭素化エポキシ樹
脂が得られる。
【0023】
【発明の効果】本発明による低分子量ポリ臭素化エポキ
シ化合物は、不溶物の混入が著しく少ないため後処理工
程の水洗時の分液性を改良し、更に、樹脂組成物中に配
合した場合難燃性を付与するばかりでなく、機械強度、
耐熱性に優れた樹脂を提供することができる。
【0024】
【実施例】次に実施例により本発明を具体的に説明する
が、本発明は実施例のみに限定されるものではない。な
お、例中の各物性値は次の測定法に従って求めた。
【0025】(1)エポキシ当量 1g当量のエポキシ基を含む樹脂の重量であり、JIS
K−7236に準拠して求めた。
【0026】(2)フェノール性水酸基 試料1gをジオキサン50mlに溶解させる。これに指
示薬フェノールフタレインを添加し、0.1規定NaO
Hで滴定する。
【0027】(3)加水分解性塩素 試料3gを50mlのトルエンに溶解し、これに0.1
規定KOH−メタノール溶液20mlを加えて30分加
熱還流した後、室温まで冷却し、水50mlを加え、良
く撹拌する。分液、静定して水層を取り上げ、水層中の
塩素をイオンクロマトグラフィーにより定量すると全塩
素量が求められる。同じく試料をトルエンに溶解し、そ
のまま水を加えて分液、静定した後の水層中の塩素(無
機塩素)量を全塩素量から差し引いて加水分解性塩素量
を求めた。
【0028】実施例1 攪拌装置、還流装置及び水分分離器、温度計、滴下装置
を備えた1リットルの4つ口フラスコに、テトラブロモ
ビスフェノールA150g(0.276mol)とエピ
クロロヒドリン383g(4.14mol)を仕込み、
40℃まで昇温させた。次いで、50%の水酸化ナトリ
ウム水溶液9.9g(0.124mol)をフラスコ内
に一度に添加した後、反応混合物が還流する温度(10
0〜105℃)まで昇温し、同温で30分間反応を行っ
た。
【0029】次いで、残存するエピクロロヒドリンを減
圧下(110℃/5mmHg)回収した。エピクロロヒ
ドリンの回収率は理論回収量に対し99.1%(354
g)であった。残査をメチルイソブチルケトン324g
に溶解し、100℃に加熱した後、これに50%の水酸
化ナトリウム水溶液40.5g(0.506mol)を
30分間にわたって添加し、次いで、反応混合物が還流
するような状態になるように加熱し、3時間反応を行っ
た。この間、メチルイソブチルケトンと共沸する水を分
離除去し、メチルイソブチルケトンは反応器内へ戻し
た。反応は内温が117℃となり、フラスコ内より水が
除去できなくなった時点で終了した。
【0030】反応後冷却し水を加え、不溶物、副生した
食塩及び残存水酸化ナトリウムを水洗、ろ過により除去
した。次いで、溶媒を留去、冷却し、固体のポリ臭素化
エポキシ樹脂178gを得た。この臭素化エポキシ樹脂
はエポキシ当量340、フェノール性水酸基0.001
mmol/g以下、加水分解性塩素0.02%、n値は
0.024であった。また、水および有機溶剤に不溶な
反応副生物は0.3gであった。
【0031】実施例2 実施例1の第一工程である付加工程において、50%水
酸化ナトリウム水溶液の使用量を3.5g(0.044
mol)にし、反応時間を2時間に延ばした以外は、実
施例1と同様にして反応させた。このようにして得られ
た臭素化エポキシ樹脂はエポキシ当量335、フェノー
ル性水酸基0.001mmol/g以下、加水分解性塩
素0.02%、n値は0.016であった。また、水及
び有機溶剤に不溶な反応副生物は0.2gであった。
【0032】実施例3 実施例1の第一工程である付加工程において、エピクロ
ロヒドリンの添加量を204g(2.21mol)にし
た以外は、実施例1と同様に反応させた。このようにし
て得られた臭素化エポキシ樹脂はエポキシ当量342、
フェノール性水酸基0.001mmol/g以下、加水
分解性塩素0.02%、n値は0.041であった。ま
た、水及び有機溶剤に不溶な反応副生物は0.3gであ
った。
【0033】比較例1 実施例1と同様の反応装置に、テトラブロモビスフェノ
ールA150g(0.276mol)、エピクロロヒド
リン383g(4.14mol)を仕込み、40℃まで
昇温させた。その後、50%の水酸化ナトリウム水溶液
9.9g(0.124mol)をフラスコ内に一度に添
加した後、反応混合物が還流する温度まで昇温し、同温
で30分間第一工程である付加反応を行った。次いで、
50%の水酸化ナトリウム水溶液40.5g(0.50
6mol)を100℃において30分間にわたって添加
し、エピクロロヒドリン及び水を同時に還流させなが
ら、水だけを除去し脱塩化水素反応を行った。温度が1
17℃となり、水の生成がなくなった時点で反応を終了
させた。次に、過剰エピクロロヒドリンを減圧留去(1
10℃/5mmHg)し、その後生成物をメチルイソブ
チルケトン350gに溶解させ、実施例1と同様にして
ろ過、水洗を行い、メチルイソブチルケトンを留去し
た。このようにして得られた臭素化エポキシ樹脂はエポ
キシ当量338、フェノール性水酸基0.167mmo
l/g、加水分解性塩素0.04%、n値は0.027
であった。また、水および有機溶剤に不溶な反応副生物
は36gであった。
【0034】比較例2 実施例1の第一工程である付加工程において、エピクロ
ロヒドリンの添加量を51.1g(0.552mol)
にし、第一工程終了後のエピクロロヒドリン除去工程を
省略した以外は、実施例1と同様に反応させた。このよ
うにして得られた臭素化エポキシ樹脂は、エポキシ当量
401、フェノール性水酸基0.001mmol/g以
下、加水分解性塩素0.02%、n値は0.26であっ
た。また、水及び有機溶剤に不溶な反応副生物は0.4
gであった。
【0035】比較例3 比較例1と同様に、テトラブロモビスフェノールA、エ
ピクロロヒドリンおよびメチルイソブチルケトンを仕込
み、40℃まで昇温させた。その後、100℃において
50%の水酸化ナトリウム水溶液44.2g(0.55
2mol)を1時間で連続的に滴下し、次いで、反応混
合物を還流させながら水を除去し、温度が117℃とな
った時点で反応を終了した。得られた臭素化エポキシ樹
脂はエポキシ当量446、フェノール性水酸基0.13
2mmol/g、加水分解性塩素0.05%、n値は
0.37であった。また、水および有機溶剤に不溶な反
応副生物は41gであった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】臭素化ビスフェノ−ルAとエピクロロヒド
    リンにより一般式(I)で表される低分子量ポリ臭素化
    エポキシ化合物を製造する方法において、第一工程とし
    てエピクロロヒドリン過剰下、アルカリ金属水酸化物を
    触媒として反応を行った後、過剰のエピクロロヒドリン
    を系外に除去し、続いて、第二工程として有機溶媒中、
    アルカリ金属水酸化物の存在下で脱塩化水素反応を行う
    ことを特徴とする低分子量ポリ臭素化エポキシ化合物の
    製造方法。 【化1】 (式中nは0.01〜0.05、iは1〜4の整数であ
    る。)
JP30265793A 1993-12-02 1993-12-02 低分子量ポリ臭素化エポキシ化合物の製造方法 Pending JPH07149873A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100349313B1 (ko) * 1999-12-30 2002-08-21 엘지전선 주식회사 반도체 패키지용 저흡습 접착제 및 접착필름
CN103665320A (zh) * 2013-11-25 2014-03-26 苏州宏泉高压电容器有限公司 环氧树脂的制备方法
CN109735275A (zh) * 2018-12-27 2019-05-10 昆山市淀山湖宝波树脂涂料厂 一种改性环氧树脂

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