JP5024268B2 - 画像読取装置 - Google Patents

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Description

本発明は、原稿載置台に載置された原稿の画像を読み取る画像読取装置に関し、詳しくは、外光の影響を補正可能な画像読取装置に関する。
従来より、原稿載置台に載置された原稿に発光手段を介して光を照射し、その原稿に反射された反射光を複数の走査線に対して順次検出することによって上記原稿の画像を読み取る画像読取装置が考えられている。この種の画像読取装置では、原稿の周囲に当該画像読取装置の外部からの光(いわゆる外光)が入射すると、上記反射光の検出結果に影響が及ぶ。そこで、原稿載置台の近傍に光量検出センサを設け、その光量検出センサによって検出された外光レベルに応じて輝度/濃度変換テーブルデータを選択して、上記反射光の検出結果を補正することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−185796号公報
ところが、上記公報では、外光レベルを原稿載置台の近傍に固定された1つの光量検出センサによって検出している。これに対して、外光レベルは、周囲の照明や影の状態によって原稿載置台の副走査方向の位置に応じて変化する場合があり、その場合、上記公報のように1点で外光レベルを検出していては上記反射光の検出結果を良好に補正することができない。そこで、本発明は、原稿からの反射光の検出結果を、副走査方向の外光レベルの変化に応じても良好に補正可能な画像読取装置を提供すること目的としてなされた。
上記目的を達するためになされた本発明の画像読取装置は、プラテンガラスによって構成され、表面に原稿が載置される透明な原稿載置台と、該原稿載置台に載置された原稿を覆うカバーと、主走査方向に沿って配置され、上記原稿載置台の裏面側からその原稿載置台に載置された原稿に光を照射する発光手段、及び、上記主走査方向に沿って上記発光手段よりも長い範囲に亘って1列に配置された複数の受光素子、を一体に保持し、上記原稿載置台の裏面側を上記主走査方向と直交する副走査方向に移動される画像読取ヘッドと、を備え、上記画像読取ヘッドは、上記主走査方向に沿って配置された複数の受光素子のうちの上記発光手段と対向する受光素子によって構成され、上記発光手段により照射されて上記原稿に反射された反射光を、上記主走査方向に平行な複数の走査線に対して1ライン毎に順次検出する反射光検出手段と、上記プラテンガラスに対向し上記カバーに覆われる領域で、かつ上記原稿と対向しない位置に配置され、上記主走査方向に沿って配置された複数の受光素子のうちの上記発光手段と対向しない受光素子によって構成され、上記原稿に反射された反射光が入射する範囲外に設けられて外光の光量を1ライン毎に上記反射光検出手段と同一のラインで検出する外光検出手段と、を有し、更に、上記画像読取ヘッドを上記副走査方向に移動させることによって、上記反射光検出手段によって反射光が受光される上記原稿の走査位置を、上記副走査方向に移動させる移動手段と、当該ラインの反射光検出時に上記外光検出手段が検出した検出結果に応じて、上記反射光検出手段が当該ラインに対して検出した反射光の検出結果を補正する反射光補正手段と、を備えることを特徴としている。
このように構成された本発明の画像読取装置では、原稿載置台に載置された原稿に発光手段が光を照射すると、反射光検出手段を構成する受光素子は、上記原稿に反射された反射光を、主走査方向に平行な複数の走査線に対して1ライン毎に順次検出する。また、上記反射光検出手段を構成する受光素子と同列に配置された外光検出手段としての受光素子は、上記原稿に反射された反射光が入射する範囲外に設けられており、上記反射光の検出がなされる各走査線に対応する外光の光量を1ライン毎に上記反射光検出手段と同一のラインで検出する。このため、その外光検出手段の検出結果に応じて、上記反射光検出手段が検出した反射光の検出結果を反射光補正手段が補正することにより、その反射光の検出結果を副走査方向の外光レベルの変化に応じて良好に補正することができる。
しかも、外光検出手段は、原稿を覆うカバーに覆われる位置に配置されているので、原稿画像の読み取りに影響する外光が一層正確に検出でき、延いては、上記反射光の検出結果を一層良好に補正することができる。また、外光検出手段は原稿と対向しない位置に配置されているので、反射光検出手段による原稿の読み取りはその原稿の全範囲に亘って良好に行うことができる。また、移動手段は、発光手段も反射光検出手段及び外光検出手段と一体に移動させるので、装置の構成を一層簡略化することができる。更に、本発明では、走査線の1ライン毎に反射光の検出とその検出結果を補正するための外光の検出とが同時になされるので、蛍光灯等のフリッカのように瞬間的な外光の変動の影響も良好に補正することができる。
そして、更にこの場合、上記カバーは、副走査方向に平行な軸を中心に開閉可能に設けられ、上記原稿載置台は、原稿を載置する際にその載置位置の基準となる原稿基準位置を上記主走査方向の一端に備え、上記外光検出手段としての受光素子は、上記反射光検出手段としての受光素子に対して、上記主走査方向に上記軸から離れた側の一端、または、上記主走査方向に上記原稿基準位置から離れた側の一端に配置されてもよい。上記カバーが上記軸を中心に開閉可能な場合、その軸から離れるほど上記反射光が外光の影響を受け易くなる。また、原稿が原稿基準位置を基準として原稿載置台に載置される場合、その原稿基準位置から離れるほど上記反射光が外光の影響を受け易くなる。そこで、このように、原稿の周囲の中でも最も外光の影響を受け易い部分に外光検出手段を配置すれば、上記反射光の検出結果を一層良好に補正することができる。
(画像読取装置の構成)
以下に本発明の実施の形態について、図面と共に説明する。なお、図1は、本発明が適用された画像読取装置1の構成を表す外観図であり、図2は、その画像読取装置1における装置本体3の上部構成を表す平面図である。
本実施の形態の画像読取装置1は、いわゆるフラットベッド型のスキャナ装置として構成されており、原稿載置台の一例としての第一の読取面11と第二の読取面12とを上部に備える装置本体3と、装置本体3の上方に開閉可能に設けられたカバーの一例としての本体カバー5と、からなる。
装置本体3の上面は、図1(a)に示すように、本体カバー5が閉じられた状態で、本体カバー5により被覆される。なお、図1(a)は、本体カバー5が閉じられた状態での画像読取装置1の構成を表す外観図であり、図1(b)は、本体カバー5が開かれた状態での画像読取装置1の構成を表す外観図である。図1(a),(b)に示すように、本体カバー5は左右方向(図1における左右方向)の軸を中心に開閉可能に設けられている。
また、図1に示すように、装置本体3は、その前方に各種スイッチを備える操作部15を備えており、利用者が操作部15を操作することにより、操作部15から入力される指令に応じた処理を実行する。更に、図2に示すように、第一の読取面11の、本体カバー5の蝶番に近い側の端縁11a(後述の枠体部31との境界)、及び、第二の読取面12に近い側の端縁11b(後述の位置決め材17との境界)は、それぞれ、原稿P(図3参照)を載置する際にその載置位置の基準となる原稿基準位置を構成している。
図3は、画像読取装置1の長手方向に沿う断面の構成を表す概略断面図である。図3に示すように、本実施の形態の画像読取装置1を構成する装置本体3は、上記第一の読取面11と第二の読取面12とを構成するプラテンガラス13と、そのプラテンガラス13を支持する筐体20と、第一の読取面11に載置される原稿Pの位置決めを行うための位置決め材17と、白基準部材19と、画像読取ヘッドの一例としてのイメージセンサ21と、イメージセンサ21を後述のように移動させる移動手段の一例としてのモータ23及びベルト機構部25と、を備えている。
また、図2に示すように、プラテンガラス13の後端部(図2における上側)及び右端部(図2における右側)は、筐体20の上端縁から筐体20の底面に概略平行にその中央に向けて延設された枠体部31により上方から下方に押し付けられ、筐体20に固定されている。また、プラテンガラス13の前方左端部は、枠体部31の前方左端部の縁から延設されたガラス固定部33により、上方から下方に押し付けられ、筐体20より剥離しないように固定されている。
なお、プラテンガラス13の表面は、筐体20に対して着脱自在に設けられた位置決め材17によって、第一の読取面11と第二の読取面12とに分割されている。第一の読取面11は、利用者によって表面に載置された原稿Pを読み取るための領域であり、当該画像読取装置1の右側領域に設けられている。一方、第二の読取面12は、本体カバー5に設けられた原稿搬送装置40により搬送されてきた原稿Pを読み取るための領域であり、当該画像読取装置1の左側領域に設けられている。
また、イメージセンサ21は、筐体20内部の第一及び第二の読取面11,12の裏面(すなわちプラテンガラス13の裏面)において、左右方向(副走査方向)に移動可能に収容されている。このイメージセンサ21は、ベルト機構部25が備える一対のローラ25aに巻回されたベルト25bに固定されており、モータ23が発生する動力により回転するベルト25bと共に、画像読取装置1の左右方向に移動する。
なお、図3(a)は、本体カバー5に設けられた原稿搬送装置40を用いて、読取対象の原稿Pを第二の読取面12上に搬送しながら、その原稿Pを読み取る際のイメージセンサ21の固定位置を表した説明図であり、図3(b)は、第一の読取面11上に載置された原稿Pを読み取る際のイメージセンサ21の走査態様を示した説明図である。
本体カバー5に設けられた原稿搬送装置40の動作によって、第二の読取面12上に搬送されてきた原稿Pを読み取る際、イメージセンサ21は、第二の読取面12下に移動されて、固定される。また、第一の読取面11上の原稿Pを読み取る際、イメージセンサ21は、モータ23及びベルト機構部25の動作により、第一の読取面11の裏面側を左右方向に移動される。
本体カバー5は、前述のように原稿搬送装置40を具備しており、次のように、給紙トレイ41に載置された原稿Pを、第二の読取面12上に搬送し、その第二の読取面12上でイメージセンサ21により読み取られた原稿Pを排紙トレイ42に排出する。
原稿搬送装置40は、搬送路の始点に、給紙ローラ44,45を備えており、給紙トレイ41に載置された原稿Pはこの給紙ローラ44,45によって、搬送路下流に搬送される。給紙ローラ44,45により搬送されてきた原稿Pは、搬送ローラ47,48により更に搬送路下流に搬送される。
搬送ローラ47,48よる搬送路下流側には、第二の読取面12と所定の空隙を有した状態で、その第二の読取面12に対向する上板49が設けられている。搬送ローラ47,48より搬送されてきた原稿Pは、この上板49と第二の読取面12との間を通過して、それより更に搬送路下流に設けられた一対の搬送ローラ51,52によって搬送され、続いて、一対の排紙ローラ53,54によって、排紙トレイ42に排紙される。
次に、図4(a)は、イメージセンサ21の構成を表す斜視図であり、図4(b)はそのb−b線断面図、図4(c)は図4(a)のc−c線断面図である。図4に示すように、イメージセンサ21は、画像読取装置1の前後方向(主走査方向)に沿って長尺の直方体状に構成された保持手段の一例としての筐体26に、発光手段の一例としての導光板27と、レンズ28と、そのレンズ28によって集光された光を検出する受光素子29とを保持して構成されている。
また、レンズ28と受光素子29とは、プラテンガラス13の前後方向の長さと同程度の長さに亘って主走査方向に沿って1列に配置され、原稿Pと対向しない位置にも配置されているが、導光板27は、主走査方向に沿ってレンズ28,受光素子29よりも短い範囲に亘って配置されている。
このため、導光板27と対向する反射光検出手段の一例としての受光素子29は、図4(b)に示すように導光板27から照射されて原稿Pに反射された反射光を検出する。これに対して、導光板27と対向しない外光検出手段の一例としての受光素子29は、図4(c)に示すように上記反射光が入射せず、例えば本体カバー5が開いているときなどに画像読取装置1の外部から入射する外光を検出する。なお、導光板27と対向しない受光素子29は、複数(例えば10個程度)設けられている。
ここで、図5に示すように、導光板27と対向しない受光素子29は、原稿Pとも対向しない。また、導光板27や原稿Pと対向する受光素子29であっても、図5に示すA部のように、原稿Pの前側端縁に近い受光素子29には原稿Pからの反射光と共に外光も入射する。このため、外光が入射した受光素子29の検出結果を他の受光素子29の検出結果と同様に処理すると、上記外光が入射した分だけ原稿Pの画像が明るいものと認識されてしまう。そこで、本実施の形態では、次のような制御によって上記外光に対する補正を行っている。
(画像読取装置の制御系及びその処理)
図6は、画像読取装置1の制御系の構成を表すブロック図である。図6に示すように、イメージセンサ21の導光板27及び受光素子29は、前述の操作部15,モータ23,原稿搬送装置40と共に、CPU,ROM,RAMを備えたマイクロコンピュータからなる電子制御回路100に接続されている。また、電子制御回路100には、読み取った画像データを図示しないパーソナルコンピュータ等に送信するためのインタフェース105も接続されている。
次に、この電子制御回路100における処理について説明する。図7は、画像読取装置1の起動時に電子制御回路100が上記ROMに記憶されたプログラムに基づいて実行する処理のメインルーチンを表す説明図である。
図7に示すように、この処理では、先ず、S1(Sはステップを表す:以下同様)にて、操作部15からの各種設定入力を受け付け、続くS2にて、同じく操作部15からのスキャン開始の指示を受け付ける。そして、スキャン開始の指示がなされると、処理はS3へ移行し、外光検出が必要か否かが判断される。このS3では、例えば、原稿搬送装置40を用いたいわゆるADF読取がS1にて指示された場合は外光検出が不要と判断され、モータ23を介してイメージセンサ21を走査するいわゆるFB読取がS1にて指示された場合は外光検出が必要と判断される。
この他にも、S3の判断形態としては、本体カバー5の開閉状態を検出するセンサがある場合、FB読取であってもそのセンサが閉状態を検出した場合は不要、開状態を検出した場合は必要と判断する形態や、FB読取の形態としてブックモードが操作部15を介して指定された場合はセンサの有無及びその検出結果に関わらず必要と判断する形態などが考えられる。また、導光板27と対向しない受光素子29や、それ以外の外光検出用のセンサによって本体カバー5の開閉を検出してもよく、S3,S4を省略して後述の外光検出・補正スキャン処理(S5)を常時実行してもよい。
そして、外光検出が不要と判断された場合は(S3:N)、S4にて通常のスキャン処理が実行された後、処理が終了する。一方、外光検出が必要と判断された場合は(S3:Y)、S5にて次のような外光検出・補正スキャン処理が実行されて処理が終了する。
図8は、この外光検出・補正スキャン処理を詳細に表すフローチャートである。なお、このルーチンの実行中は、導光板27が点灯される。図8に示すように、この処理では、先ずS51にて、スキャンラインカウンタnが1に初期化される。続くS52では、導光板27と対向する各受光素子29の検出結果が読み込まれることにより、nライン目(処理開始時にはn=1のため1ライン目)の原稿画像がスキャンされる。続くS53では、導光板27と対向しない複数の受光素子29の検出結果の平均値が外光出力として算出される。そして、更に続くS54では、S53にて算出されたnライン目の外光出力に基づき、nライン目の外光補正データが次のように算出される。
すなわち、このS54では、先ず、外光が全くない場合の外光出力として予め上記ROMに記憶された外光暗出力が、S53にて算出された外光出力から差し引かれ、その差に対して例えば図9の実施例1または2に挙げるような外光係数値を乗ずることによって、次式のように外光補正データが算出される。
外光補正データ=(外光出力−外光暗出力)×外光係数値
なお、図9の実施例1は、主に本体カバー5の蝶番から遠い側から外光が入射する場合を想定しており、実施例2は、原稿Pの前後方向両側端縁から外光が入射する場合を想定している。前者は主走査方向に沿って本体カバー5の蝶番に近付くにつれて外光の影響が小さくなると推定しており、後者は主走査方向に沿って原稿Pの中心に近付くにつれて外光の影響が小さくなると推定している。いずれの実施例の外光係数値を使用するかは、画像読取装置1の機種の特性に応じて予め固定されていてもよく、前述のS3にて外光検出が必要と判断された理由に応じて選択されてもよい。更に、実施例1,2以外の態様で変化する外光係数値、若しくは、主走査方向の位置に関わらず固定値とされた外光係数値が使用されてもよいことはいうまでもない。
このように、S54にてnライン目の外光補正データが算出されると、続くS55では、そのnライン目の外光補正データを用いて、S52で得られたnライン目の原稿画像検出結果(以下、nライン目の原稿データともいう)が次のように補正される。
例えば、図10(a)に示す原稿Pを走査線Lに沿って読み取った場合に外光が入ると、本来ならば図10(b)に×で示されるようにして得られる輝度値が、○で示すように変化する場合がある。この例では、本体カバー5の蝶番から遠い位置において、Bで示す領域では中間色の紙が外光の影響により白色として認識され、Cで示す領域では黒色の図形が灰色として認識されてしまっている。そこで、S54で得られた外光補正データ(図10に■で図示)をS52で得られた原稿データの輝度値(○)から減算することにより、その原稿データを外光のない正常画像(×)に近付けることができる。なお、このS54,S55の処理が反射光補正手段に相当する。
続くS56では、スキャンラインカウンタnの値が1つインクリメントされた値に更新され、続くS57では、そのスキャンラインカウンタnの値が最後のライン(走査線)に対応するNに達したか否かが判断される。そして、n=Nでない場合は(S57:N)、処理はS52へ移行して次のラインに対して前述の処理が実行され、n=Nとなると(S57:Y)、処理が一旦終了する。なお、このようにして外光に対する補正がなされた原稿データには、必要に応じて、シェーディング補正,濃淡処理(γ補正等),画像処理(平滑・強調フィルタ等)などが施される。これらシェーディング補正等の後から外光に対する補正がなされてもよいが、このようにシェーディング補正等の前に外光に対する補正を行う場合、画質を向上させると共に処理を簡素化することができる。また、上記処理はASIC等のハードウェアによってなされてもよい。
(本実施の形態効果及びその変形例)
以上のように、本実施の形態では、導光板27と対向しない受光素子29によって検出された外光出力に応じて、導光板27と対向する受光素子29によって検出された原稿データを補正しているので、その原稿データを副走査方向の外光レベルの変化に応じて良好に補正することができる。また、外光検出のためのプレスキャンも不要となる。しかも、本実施の形態では、原稿データの検出とその原稿データを補正するための外光の検出とが走査線の1ライン毎に同時になされるので、蛍光灯等のフリッカのように瞬間的な外光の変動の影響も良好に補正することができる。
更に、本実施の形態では、導光板27と対向しない外光検出用の受光素子29が、本体カバー5に覆われる位置に配置されているので、原稿Pの読み取りに影響する外光が一層正確に検出でき、延いては、原稿データを一層良好に補正することができる。しかも、本実施の形態では、導光板27と対向しない受光素子29は、導光板27と対向する受光素子29に対して、本体カバー5の蝶番及び第一の読取面11の端縁11a(原稿基準位置)から主走査方向に遠い側に設けられている。このように、本実施の形態では、外光検出用の受光素子29が外光の影響を受け易い部分に配置されているので、上記原稿データを一層良好に補正することができる。
なお、本発明は上記実施の形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施することができる。例えば、図11に示すイメージセンサ121のように、導光板27と対向しない外光検出用のレンズ28,受光素子29(図11ではレンズ28のみ図示)は、導光板27と対向する原稿読取用のレンズ28,受光素子29に対して主走査方向の両端に設けられてもよい。この場合も、外光の影響を受け易い主走査方向両端に外光検出用の受光素子29が配置されるので、上記原稿データを良好に補正することができる。また、その場合、外光係数値としては、図9の実施例2に示すように原稿Pの両端で値が上昇するような分布を有するものを使用するのが望ましい。
また、上記実施の形態では、外光検出がなされる走査線と、その外光検出結果(外光出力)に基づいて補正される原稿データが読み取られる走査線とが一致しているが、両走査線は必ずしも一致していなくてもよい。図12は、1ライン前に検出された外光出力に基づいて原稿データが補正される場合の外光検出・補正スキャン処理を表すフローチャートである。
図12に示すように、この処理では、先ず、S61にて、1ライン目の原稿画像がスキャンされてn=0のラインのデータとされる。続くS62では、そのn=0のラインの外光出力がS53と同様に算出され、S63にて、n=0のラインの外光補正データがS54と同様に算出される。
続くS65では、S51と同様にスキャンラインカウンタnが初期化され、S66にて、S52と同様にnライン目がスキャンされる。続くS67では、図13に示す外光補正データ算出ルーチンが起動されて、続くS68の処理と並行して実行される。図13に示すように、この外光補正データ算出ルーチンは、S53,S54と同様のS671,S673により、nライン目の外光出力が算出されて(S671)、その外光出力に基づきnライン目の外光補正データが算出されて終了する(S673)。一方、S68では、n−1ライン目の外光補正データを用いてnライン目の原稿データが前述のように補正される。通常は、このS68の処理中に、上記外光補正データ算出ルーチンも終了する。
続くS71では、スキャンラインカウンタnの値が1つインクリメントされた値に更新され、S72では、そのスキャンラインカウンタnの値が最後のライン(走査線)に対応するNに達したか否かが判断される。そして、n=Nでない場合は(S72:N)、処理はS66へ移行して次のラインに対して前述の処理が実行され、n=Nとなると(S72:Y)、処理が一旦終了する。この場合、手前のラインに対する外光出力を用いて原稿データを補正することにより、原稿データを長期間保持する必要がなくなり、電子制御回路100に必要とされるRAMのメモリ容量を軽減することができる。また、原稿データの補正(S68)と外光補正データの算出(S671,S673)とが並行して実行されるので処理を効率化することもできる。
なお、図12の処理では1つ手前のラインに対する外光出力を用いて原稿データを補正しているが、複数ライン手前の外光出力を用いて原稿データを補正してもよく、次の図14に示す処理のように、手前の複数のラインに対する外光出力の平均値を用いて原稿データを補正していもよい。
図14に示すように、この処理では、先ず、S81にて、1ライン目の原稿画像がスキャンされてn=0のライン及びn=−1のラインのデータとされる。続くS82では、そのn=0のライン及びn=−1のラインの外光出力がS53と同様に算出され、S83にて、そのn=0ラインの外光出力及びn=−1のラインの外光出力が、電子制御回路100のRAMに画定された外光記憶領域に記憶される。続くS84では、その外光記憶領域に記憶された外光出力の平均に基づいて、外光補正データがS54と同様に算出される。
続くS85では、S51と同様にスキャンラインカウンタnが初期化され、S86にて、S52と同様にnライン目がスキャンされる。続くS87では、図15に示す外光補正データ算出ルーチンが起動されて、続くS88の処理と並行して実行される。図15に示すように、この外光補正データ算出ルーチンでは、S871にてS53と同様にnライン目の外光出力が算出される。続くS873では、その外光出力nライン目の外光出力とn−1ライン目の外光出力とが、それまで上記外光出力記憶領域に記憶されていた外光出力と入れ替えて記憶されることによって外光出力記憶領域が更新される。そして、更に続くS874では、S84と同様に、外光記憶領域に記憶された外光出力の平均値に基づいて外光補正データが算出されて、処理が終了する。一方、S88では、その時点(並行する上記外光補正データ算出ルーチンの開始前)で算出されている外光補正データを用いてnライン目の原稿データが前述のように補正される。通常は、このS88の処理中に、上記外光補正データ算出ルーチンも終了する。
続くS91では、スキャンラインカウンタnの値が1つインクリメントされた値に更新され、S92では、そのスキャンラインカウンタnの値が最後のライン(走査線)に対応するNに達したか否かが判断される。そして、n=Nでない場合は(S92:N)、処理はS86へ移行して次のラインに対して前述の処理が実行され、n=Nとなると(S92:Y)、処理が一旦終了する。この場合、複数のラインに対する外光出力の平均値を用いて原稿データを補正することにより、外光の一時的な変動の影響を排除して上記原稿データを一層良好に補正することができる。
また、次の図16に示す処理のように、外光出力の算出は数ライン置きに実行されてもよい。図16に示すように、この処理では、先ず、S101にて、0ライン目の外光が検出される。すなわち、通常のスキャンでは読み飛ばされる例えば原稿の先端から3mmのライン(0ライン目)に対して、導光板27と対向しない外光検出用の受光素子29の出力が読み込まれるのである。続くS102では、その0ライン目の外光出力がS53と同様に算出され、S103にて、その0ライン目の外光出力に基づいて外光補正データがS54と同様に算出される。
続くS105では、スキャンラインカウンタnが1に初期化されると共に、外光検出ラインカウンタgnが3に初期化され、S106にて、S52と同様にnライン目がスキャンされる。続くS107では、図17に示す外光補正データ算出ルーチンが起動されて、続くS108の処理と並行して実行される。図17に示すように、この外光補正データ算出ルーチンでは、S1071にて、gn=1であるか否かが判断される。gn≠1の場合は(S1071:N)、処理はそのまま終了する。一方、gn=1の場合は(S1071:Y)、S53,S54と同様のS1072,S1073により、nライン目の外光出力が算出されて(S1072)、その外光出力に基づきnライン目の外光補正データが算出される(S1073)。続くS1074では、外光検出ラインカウンタgnが4に初期化されて処理が終了する。なお、図15の処理開始時には、gn=3であるため(S105参照)、このルーチンではS1071にて否定判断されてそのまま処理が終了する。
一方、S108では、その時点(並行する上記外光補正データ算出ルーチンの開始前)で算出されている外光補正データを用いてnライン目の原稿データが前述のように補正される。通常は、このS108の処理中に、上記外光補正データ算出ルーチンも終了する。
続くS110では、スキャンラインカウンタnの値が1つインクリメントされた値に更新されると共に外光検出ラインカウンタgnの値が1つデクリメントされた値に更新され、S111では、スキャンラインカウンタnの値が最後のライン(走査線)に対応するNに達したか否かが判断される。そして、n=Nでない場合は(S111:N)、処理はS106へ移行して次のラインに対して前述の処理が実行され、n=Nとなると(S111:Y)、処理が一旦終了する。
この場合、S111終了時の外光検出ラインカウンタgnの値は2→1→3→2→…と循環的に変化し、3ライン毎に(S1071:Y)、外光補正データが算出される(S1074)。このため、電子制御回路100の負荷を一層軽減することができる。なお、本実施の形態では、S101にて0ライン目の外光を検出しているが、前述のS61と同様に1ライン目をスキャンしてn=0のラインのデータとしてもよく、逆に、前述のS61,S81においてS101と同様に0ライン目の外光を検出してもよい。
また、上記各実施の形態では、発光手段としての導光板27と受光素子29とを一体に移動させているが、いずれか一方のみが移動することによって走査位置が変化されてもよく、ミラー等が移動することによって走査位置が変化されてもよい。但し、上記各実施の形態では、発光素子としての導光板27も反射光検出手段としての受光素子29も外光検出手段としての受光素子29も一体に移動するので、装置の構成を一層簡略化することができる。更に、受光素子29が主走査方向に沿って導光板27よりも長い範囲に亘って1列に配置されることによって反射光検出手段及び外光検出手段が構成されているので、装置の構成を更に一層簡略化することができる。
また、外光検出手段としての受光素子29は反射光検出手段としての受光素子29と必ずしも同列に配設する必要はなく、例えば外光検出手段としての受光素子29は反射光検出手段としての受光素子29より1ライン先の外光を検出するように配置されてもよい。この場合、図12,図13に示した処理を一層良好に適用することができる。更に、本発明は、CIS,CCDのいずれのタイプの画像読取装置または画像読取ヘッドにも適用することができ、発光手段としてもLED,CCFL等種々のものが適用できる。
本発明が適用された画像読取装置の構成を表す外観図である。 その画像読取装置における装置本体の上部構成を表す平面図である。 その画像読取装置の長手方向に沿う断面の構成を表す概略断面図である。 その画像読取装置のイメージセンサの構成を表す斜視図及び断面図である。 そのイメージセンサにおける外光の影響を表す説明図である。 上記画像形成装置の制御系の構成を表すブロック図である。 その制御系における処理のメインルーチンを表すフローチャートである。 その処理中の外光検出・補正スキャン処理を表すフローチャートである。 その処理で使用される外光係数値を例示する説明図である。 その処理の効果を表す説明図である。 上記イメージセンサの変形例を表す斜視図である。 上記外光検出・補正スキャン処理の変形例を表すフローチャートである。 その処理中の外光補正データ算出ルーチンを表すフローチャートである。 上記外光検出・補正スキャン処理の他の変形例を表すフローチャートである。 その処理中の外光補正データ算出ルーチンを表すフローチャートである。 上記外光検出・補正スキャン処理の更に他の変形例を表すフローチャートである。 その処理中の外光補正データ算出ルーチンを表すフローチャートである。
符号の説明
1…画像読取装置 3…装置本体 5…本体カバー
11…第一の読取面 11a,11b…端縁 13…プラテンガラス
15…操作部 17…位置決め材 20…筐体
21,121…イメージセンサ 23…モータ 25…ベルト機構部
26…筐体 27…導光板 28…レンズ
29…受光素子 31…枠体部 100…電子制御回路
L…走査線 P…原稿

Claims (2)

  1. プラテンガラスによって構成され、表面に原稿が載置される透明な原稿載置台と、
    該原稿載置台に載置された原稿を覆うカバーと、
    主走査方向に沿って配置され、上記原稿載置台の裏面側からその原稿載置台に載置された原稿に光を照射する発光手段、及び、上記主走査方向に沿って上記発光手段よりも長い範囲に亘って1列に配置された複数の受光素子、を一体に保持し、上記原稿載置台の裏面側を上記主走査方向と直交する副走査方向に移動される画像読取ヘッドと、
    を備え、
    上記画像読取ヘッドは、
    上記主走査方向に沿って配置された複数の受光素子のうちの上記発光手段と対向する受光素子によって構成され、上記発光手段により照射されて上記原稿に反射された反射光を、上記主走査方向に平行な複数の走査線に対して1ライン毎に順次検出する反射光検出手段と、
    上記プラテンガラスに対向し上記カバーに覆われる領域で、かつ上記原稿と対向しない位置に配置され、上記主走査方向に沿って配置された複数の受光素子のうちの上記発光手段と対向しない受光素子によって構成され、上記原稿に反射された反射光が入射する範囲外に設けられて外光の光量を1ライン毎に上記反射光検出手段と同一のラインで検出する外光検出手段と、
    を有し、
    更に、
    上記画像読取ヘッドを上記副走査方向に移動させることによって、上記反射光検出手段によって反射光が受光される上記原稿の走査位置を、上記副走査方向に移動させる移動手段と、
    当該ラインの反射光検出時に上記外光検出手段が検出した検出結果に応じて、上記反射光検出手段が当該ラインに対して検出した反射光の検出結果を補正する反射光補正手段と、
    を備えることを特徴とする画像読取装置。
  2. 上記カバーは、副走査方向に平行な軸を中心に開閉可能に設けられ、
    上記原稿載置台は、原稿を載置する際にその載置位置の基準となる原稿基準位置を上記主走査方向の一端に備え、
    上記外光検出手段としての受光素子は、上記反射光検出手段としての受光素子に対して、上記主走査方向に上記軸から離れた側の一端、または、上記主走査方向に上記原稿基準位置から離れた側の一端に配置されたことを特徴とする請求項1記載の画像読取装置。
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