JP5023312B2 - 超臨界溶媒を用いた結晶製造方法、結晶成長装置、結晶およびデバイス - Google Patents

超臨界溶媒を用いた結晶製造方法、結晶成長装置、結晶およびデバイス Download PDF

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Description

本発明はソルボサーマル法による結晶の製造方法に関する。特に水を溶媒として水晶や酸化亜鉛(以下、酸化亜鉛の化学式「ZnO」をもって同義の用語として使用する)などの結晶成長を行うハイドロサーマル法(水熱合成法)や、アンモニアなどの窒素含有溶媒を用いて窒化ガリウム(以下、窒化ガリウムの化学式「GaN」をもって同義の用語として使用する)に代表される周期表第13族元素(以下「第13族元素」という)窒化物などの結晶成長を行うアモノサーマル法による高品質の塊状結晶の製造方法と結晶製造装置に関する。
ソルボサーマル法は超臨界状態の溶媒を用いた結晶製造方法の総称であり、使用する溶媒の種類によりハイドロサーマル法(水熱合成法)やアモノサーマル法などと呼ぶ。
ソルボサーマル法は、高温高圧の系に温度差を設け、この温度差により溶媒への結晶溶解度の差を利用して結晶成長を行うものである。
図4に、ソルボサーマル法の結晶製造装置の概略図を示す。符号3はオートクレーブであり、符号3aは蓋体、符号3bは容体を示す。符号4は結晶成長部、符号5は原料充填部、符号6はバッフル板、符号7は電気炉、符号8は熱電対、符号9は原料、符号10は種結晶、符号11ガスケット又はパッキン(以下、ガスケット等とする)をそれぞれ表わす。
高温高圧の系に温度差を設けるために、電気炉7を複数のゾーンに分け(図4では、2ゾーンに分かれている)ゾーン毎に出力を変更する。この温度差は、溶解度曲線が正の傾きを持つ(温度を高くすると溶解度が大きくなる)場合には、オートクレーブ3の上部に行くに従って、より低温になるように設定される。
この場合、オートクレーブ3の上部に行くに従って、溶媒の対流、すなわち結晶原料等である溶質の輸送流はより低温な領域に向かうことになる。また、オートクレーブ3の上面近傍、底面近傍は、側面とは異なり電気炉により直接加熱されないため、熱が逃げやすく低温になりやすい。このような低温部で過飽和状態になっている結晶原料等は、種結晶10上のみならず、種結晶を固定する保持部材(図示せず)、オートクレーブ3の内壁にも析出物として析出する問題があった。
従来は、結晶原料等の析出を防止するためオートクレーブの上部、下部外側への保温材等の設置、補助ヒーターの設置やオートクレーブに比して電気炉を大きくすることにより、オートクレーブの上部、下部から熱が逃げにくい構造にすることにより、結晶等の析出の防止を試みている。
その他、オートクレーブ中の種結晶の上方、即ち溶媒の対流の集束点近傍に、析出物捕集ネットを設け、種結晶上に析出しきらなかった残余の結晶原料を頂部内壁によって下方向に反転させた後、輸送流中の微結晶あるいは析出物を捕捉するとともに、この捕集ネット上に選択的に微結晶を析出させ、種結晶を固定する保持部材、オートクレーブ内壁への析出を防止している。(特許文献1参照、特許文献2参照)
しかしながら、上記の保温材の設置や電気炉の改良は結晶製造装置の大型化や複雑化を招く。また、捕集ネット等の設置は、種結晶など目的とする結晶成長場所以外への析出は成長結晶の収率低下を招くなどの課題がある。
ところで、ソルボサーマル法で成長する結晶は、電子、光学等の分野で使用される。例えば、水晶は、水晶振動子、水晶フィルタ、表面弾性波(SAW)デバイスなどに使用され、酸化亜鉛は、青紫、紫外発光素子(用基板)、表面弾性波(SAW)デバイス、ガスセンサー、圧電素子、透明導電体、バリスターなど多方面に用いられている。
また、窒化ガリウムに代表される第13族元素窒化物は、発光ダイオード及びレーザーダイオード等の電子素子に適用される物質として有用である。電子素子の製造方法は、現在サファイア又は炭化ケイ素等のような基板上にMOCVD(Metal-Organic Chemical Vapor Deposition)法などの気相エピタキシャル成長により作成されている。
しかし、この方法ではGaNの格子定数と熱膨張係数が異なる基板上にGaN結晶をヘテロエピタキシャル成長させるため、得られるGaN結晶に転位や格子欠陥が発生しやすく、青色レーザー等で応用可能な品質を得ることが困難であるという問題があり、近年、上記基板に代わる、ホモエピタキシャル基板用の高品質な窒化ガリウム塊状単結晶が期待されている。
一方、ハイドロサーマル法では、溶媒は水であるが鉱化剤として、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)などのアルカリ、リン酸(H3PO4)などの酸を溶解するためにアルカリ性または酸性の水溶液となる。アモノサーマル法では、溶媒はアンモニア等である。オートクレーブは、アルカリ溶液、酸溶液、アンモニア等による浸食が起こり、その結果得られた結晶にオートクレーブに含有されていた不純物が混入し、結晶の品質が低下するという問題があった。
製造される結晶は、電子、光学等の分野で使用されるため、不純物混入による品質低下は、製品歩留まりに影響する。特に、半導体基板としての用途においては、格子欠陥、転位密度の増大およびバンドギャップ内の不純物順位の形成要因となり得る遷移金属成分等の混入を防止し結晶を高純度化する必要がある。
従来は、オートクレーブの浸食を防止するために、オートクレーブ内表面を貴金属で被覆または貴金属のライナー構造とすることにより不純物の混入を防止している。(非特許文献1参照、特許文献2参照、特許文献3参照)あるいは、図5のようにオートクレーブ3中に、符号16で示すような貴金属製のコンテナーを別途用いた2重構造とすることにより、不純物の混入を防止している。(特許文献4参照)
しかしながら、オートクレーブもしくはコンテナーの封止は、蓋体と容体の間にガスケット等を使用するか、もしくは溶接により行うが、溶接の場合には、溶接作業に時間がかかる上に内表面すべてを貴金属で被覆等することが難しく、使用後の容器の再利用が難しい。また、ガスケット等を使用した封止の場合には、ガスケット等についても、貴金属製もしくは貴金属で被覆する必要がありコスト高となるという課題があった。
さらにアモノサーマル法は、ハイドロサーマル法とは異なり、常温常圧においては気体となるアンモニア溶媒を用いることから、製造装置にはアンモニア溶媒の充填・排出のためオートクレーブの上部もしくは下部にバルブ等の付属導管を有する場合があるが、本発明者等の検討によれば、結晶成長終了後にこれら導管等への結晶ならびに鉱化剤の析出によりアンモニア溶媒の排出に支障をきたし、工業的に煩雑であることが判明した。
また、導管内に結晶の析出が見られるということは、そこに超臨界溶媒であるアンモニアが接していたことを示し、また、導管部等が超臨界状態のアンモニアの高い浸食性に曝され不純物の混入源となっていることを示唆していることも見出した。オートクレーブ本体にはその高い浸食性に対して上述した貴金属等の耐浸食性材料によるライナー構造などによって対応可能であるが、導管およびバルブ内にまで貴金属等のライナー構造を施すことは大変困難であり、またコスト高になるなど好ましくない。
特開2004−315361号公報 特開2004−2152号公報 特開2003−165794号公報 特願2005−66543号公報 Chen et.al., J. Crystal Growth 209 (2000) 208頁
本発明は、以上のような従来技術における課題である析出物の付着防止のための結晶製造装置の大型化や複雑化を回避し、結晶の収率を向上させることを目的とするものである。また、結晶への不純物混入を防止するためのオートクレーブ等の反応容器への貴金属の使用を最小限にすることによりコストダウンし、かつ結晶を高純度化することを目的とする。
更に、導管、バルブを有する反応容器についても、本発明者らが見出した課題である導管やバルブの析出物による閉塞を防止し及び/または導管やバルブの内表面の侵食を防止し、かつ、結晶を高純度化させることを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、超臨界状態及び/又は亜臨界状態の溶媒を使用した結晶の製造において、溶媒と臨界密度が異なり、かつ、所定の条件を満足する物質を存在させることにより反応容器内での結晶及び/又は鉱化剤の析出位置の制御に対して予想以上に大きな効果を与え、結晶中への遷移金属成分などの不純物の混入を防止する効果があり、また、導管等を有する反応容器では結晶及び/又は鉱化剤の析出防止により導管やバルブの閉塞を防止する効果がみられることを見出し本発明に到達した。
即ち、本発明の第1の要旨は、反応容器中で超臨界状態及び/又は亜臨界状態の溶媒を用いて結晶を成長させる結晶製造方法において、反応容器中に下記式(1)を満足し、かつ、溶媒との臨界密度差が25%以上である物質(X)を存在させ、物質(X)の量を調整することにより、結晶の析出位置を制御することを特徴とする結晶製造方法に存する。また、該条件下で物質(X)の量を調整することにより、成長する結晶内に含まれる反応容器由来の金属元素量を制御することを特徴とする結晶製造方法にも存する。
Figure 0005023312
本発明の第2の要旨は、内表面の一部が非貴金属よりなる反応容器中で、超臨界状態及び/又は亜臨界状態の溶媒を使用して、結晶を成長させる結晶製造方法において、反応容器中に、溶媒との臨界密度差が25%以上あり、かつ、反応容器と実質的に反応しない物質(X')を存在させて、貴金属以外の内表面部分が物質(X')に覆われるようにして、結晶成長することを特徴とする結晶製造方法に存する。
本発明の第3の要旨は、超臨界状態および/または亜臨界状態の溶媒を用いる結晶製造装置において、溶媒と臨界密度の異なる物質を所定の割合で反応容器に添加するための計量機構を有する結晶製造装置に存する。
本発明の第4の要旨は、反応容器中で、超臨界状態及び/又は亜臨界状態の溶媒、並びに原料を用いて結晶を成長させる結晶製造方法で製造した周期表第13族元素の窒化物からなる結晶であって、Crの含有量が9×1014cm-3以下であり、かつ、Feの含有量が9×1016cm-3以下であることを特徴とする周期表第13族元素の窒化物からなる結晶に存する。
本発明の第5の要旨は、当該結晶を用いたデバイスに存する。
本発明の第1の要旨に示した結晶製造方法により、結晶製造装置の大型化、複雑化することなく、容器内の特定部位への結晶及び/又は鉱化剤の析出の制御を容易ならしめ、得られる結晶の収率を大きく向上することができる。また、導管やバルブを有する反応容器では、これら導管やバルブに結晶及び/又は鉱化剤の析出を防止することができるので、導管やバルブの閉塞せずに効率よく結晶製造を行うことができる。
本発明の第2の要旨に示した結晶製造方法により、反応容器内表面の貴金属以外の部分の浸食を原因とする反応容器に由来する遷移金属成分の結晶への混入を回避することができ、高純度化された結晶を電子、光学等の分野に広く適用できる。また、反応容器内表面全てを貴金属とする必要がない。また、導管等を有する反応容器では導管等の内表面を貴金属とする必要がなく、反応容器の構造が簡易化され、貴金属の使用量も抑えられコストダウンを図ることができる。
本発明の第3の要旨に示した結晶製造装置では、計量機構により溶媒と臨界密度の異なる物質を所定量添加することができるので、結晶及び/又は鉱化剤の析出位置の制御を可能とし、かつ、反応容器の浸食による結晶への不純物の混入を防ぎ高純度の結晶を収率よく得ることができる。
本発明の第4の要旨に示した結晶は、不純物が少なくて結晶性も高いため、格子欠陥や転位密度が低く、不純物準位の形成も少ない。
以下、本発明の結晶製造方法、結晶製造装置について詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施の形態の一例であり、これらの内容に特定されない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本発明は、ヘリウム(He)、窒素(N2)に代表される臨界密度が溶媒と異なる物質を反応容器中に所定量存在させることで、反応容器内壁上部もしくは内壁下部と超臨界状態および/または亜臨界状態の溶媒(以下、超臨界溶媒という)との接触を抑制し、反応容器に由来する遷移金属成分等の結晶への混入を回避し、また反応容器に付属する導管がある場合には導管への超臨界溶媒の進入を抑制することで、反応容器内の特定部位への結晶及び/又は鉱化剤の析出を制御して高純度の結晶を容易に得ることを特徴とする。
本発明における反応容器は、超臨界溶媒を用いた結晶成長に適用できるものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、オートクレーブであることが好ましい。以下では、反応容器の代表例としてオートクレーブを用いた態様を例に挙げて具体的に説明するが、本発明はこれらの態様に限定されるものではない。
最初に、アンモニア等の窒素含有溶媒を用いて第13族窒化物結晶を成長するアモノサーマル法を例に適宜図面を参照しながら説明する。
[装置]
背景技術の中でも前述したが、図4はソルボサーマル法の製造装置の概略図を示し、アモノサーマル法でも使用されている。符号3はオートクレーブ、符号4は結晶成長部、符号5は原料充填部、符号6はバッフル板、符号7は電気炉、符号8は熱電対、符号9は原料、符号10は種結晶をそれぞれ表わす。
オートクレーブの構造について説明する。オートクレーブは、通常、図4に示すように蓋体と容体のように分離されており、ガスケット等を用いて封止する(符号3aが蓋体、符号3bが容体、符号11がガスケット等)。また、熱電対等を挿入するための凹部(図示せず)を有していてもよい。また、図1、図2に示すように、導管を有するオートクレーブも含まれる(符号15が導管)。
オートクレーブは昇温反応中に超臨界アンモニアの超高圧に相当する圧力に耐え得るものであることが好ましい。形成する材料として、耐圧性を有し、耐浸食性を有するものであれば特に制限はないが、高温高圧に耐え、かつ、アンモニアに対する高い耐浸食性を示すNi系の合金、ステライト(デロロ・ステライト・カンパニー・インコーポレーテッドの登録商標)等のCo系合金を用いることが好ましい。より好ましくはNi系の合金であり、具体的には、Inconel625(Inconelはハンティントン アロイズ カナダ リミテッドの登録商標。以下同じ)、Nimonic90(Nimonicはスペシャル メタルズ ウィギン リミテッドの登録商標。以下同じ)、RENE41等が挙げられる。
これらの合金の組成比率は、系内の溶媒の温度・圧力の条件および系内に含まれる前記各種の鉱化剤およびそれらの反応物との反応性及び/又は酸化力・還元力、pHの条件に従い、適宜選択すればよい。これらをオートクレーブの内面を構成する材料として用いる方法としては、オートクレーブ自体をこれらの合金を用いて製造してもよく、内筒として薄膜を形成してオートクレーブ内に設置する方法でもよく、任意のオートクレーブの材料の内面にメッキ処理を施す方法でもよい。
オートクレーブの耐浸食性をより向上させるため、貴金属の優れた耐浸食性を利用して、貴金属をオートクレーブの内表面をライニングまたはコーティングしてもよい。また、オートクレーブの材質を貴金属とすることもできる。貴金属としてはPt、Au、Ir、Ru、Rh、Pd、Agならびに該貴金属を主成分とする合金が挙げられ、中でも優れた耐浸食性を有するPtを用いることが好ましい。
オートクレーブの内表面を貴金属でライニングまたはコーティングする場合、内表面全てをライニングまたはコーティングすることが困難である場合には、オートクレーブの上部の一部及び/又は下部の一部にライニングまたはコーティングすることができない部分が存してもよい。なお、貴金属以外の内表面部分を物質(X')で覆われる様にする前記第2の要旨の本発明では、オートクレーブ内表面の80%以上、好ましくは90%以上が貴金属であることが望ましいが、貴金属以外の表面部分が存在する必要がある。現実的にオートクレーブの封止を、溶接で行う場合には溶接部分の内表面全面を貴金属とすることが困難であり、また、ガスケット等を用いる場合にはガスケット等の表面が貴金属でないものを使用している場合には、少なくとも溶接部分またはガスケット等の貴金属以外の表面部分が存在することになる。また、導管を有するオートクレーブの場合には、導管の内表面が貴金属でないものも含まれる。
なお、本願明細書において、オートクレーブの上部とは、オートクレーブの中心部分より垂直方向に上の部分をいうが、容器の縦方向の長さの上部2割以下の部分であることが好ましく、より好ましくは容器の上面をいう。また、オートクレーブの下部とは、オートクレーブの中心部分より垂直方向に下の部分をいうが、容器の縦方向の長さの下部2割以下の部分、好ましくは容器の下面をいう。
図4のように、蓋体と容体からなるオートクレーブの封止に使用するガスケット等は、超臨界アンモニアの超高圧に相当する圧力に耐え得るものであればよい。例えば、Ni系合金など一般的な材質のものを使用することができる。
所要に応じて、オートクレーブ内にバッフル板(符号6)を設置して、GaN多結晶窒化物からなる原料を充填した原料充填部とGaN種結晶を配置する結晶成長部とに区画する。このバッフル板としては、その開孔率が2〜10%のものが好ましい。バッフル板の開孔率を制御することにより、超臨界溶媒の対流を制御し、成長条件下における結晶成長部でのGaNの過飽和度を適正に制御することが容易になる。
ここで、「過飽和」とは、溶解量が飽和状態より以上に増加した状態をいい、「過飽和度」とは、下記式(4)にあらわされるように、過飽和状態の溶解量と飽和状態の溶解量との比をいう。溶液成長法においては、原料充填部からの対流によるGaNの輸送により過飽和状態になっている結晶成長部のGaNの溶解量と、結晶成長部の飽和状態でのGaNの溶解量との比をいう。
Figure 0005023312
なお、本発明において、過飽和度は、原料窒化物の充填量、バッフル板の開孔率、原料充填部と結晶成長部との温度差等を適宜変更・選定することにより制御できる。
バッフル板は、前記オートクレーブの材質と同様でよいが、より耐浸食性をもたせ、結晶を高純度化するために、バッフル板の表面は、ニッケル(Ni)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)またはニオブ(Nb)であることが好ましく、より好ましくはパラジウム(Pd)、白金(Pt)、金(Au)等の貴金属である。もっとも好ましくは白金(Pt)である。
図1ならびに図2は、本発明の製造方法で用いられる導管を有する結晶製造装置の概略断面図で、それぞれ溶媒などを供給するための導管がオートクレーブの上部、下部に配置されたものである。符号1はバルブ、符号2は圧力計、符号3はオートクレーブ、符号4は結晶成長部、符号5は原料充填部、符号6はバッフル板、符号7は電気炉、符号8は熱電対、符号9は原料、符号10は種結晶、符号15が導管をそれぞれ表わす。ここで、オートクレーブの上部、下部とは、前記と同義である。
導管の形状は、円筒形だけではなく形状、長さなど任意の形状とすることができる。また、図1ではオートクレーブの上面中心に、図2ではオートクレーブ下面中心に導管が位置しているが、偏心していてもよく、またオートクレーブの上部、下部の側面に導管が位置していてもよい。
図1、図2には、導管15にバルブ1、圧力計2が図示されているが、特に必須のものではなく、オートクレーブが封止できればよい。ただし、バルブは封止作業の簡便化、圧力計は結晶成長時の圧力の監視などに有効である。
導管は、窒素含有溶媒に対して耐浸食性の材質のものを使用するのが好ましいが、一般的な材質の導管が使用できる。例えばSUS316(JIS規格)であり、Inconel625を使用するのがより好ましい。
バルブも、窒素含有溶媒に対して耐浸食性の材質のものを使用するのが好ましいが、一般的な材質のバルブが使用できる。例えばSUS316(JIS規格)等である。
圧力計も、窒素含有溶媒に対して耐浸食性の材質のものを使用するのが好ましいが、一般的な材質のバルブが使用できる。例えばSUS316(JIS規格)であり、Inconel625を使用するのがより好ましい。
なお、本発明の結晶製造に用いられる装置としては、超臨界状態及び/又は亜臨界状態の溶媒を用いて結晶成長を行う装置があれば、基本的には従来と同様の装置が使用できるが、後述する様に、溶媒と臨界密度の異なる物質をオートクレーブに添加する結晶製造方法においては、該物質を所定の割合でオートクレーブに添加する計量装置を有する結晶製造装置が用いられる。これにより、溶媒と臨界密度の異なる物質を所定量添加することが可能であるため、導管の閉塞防止やオートクレーブへの析出物の付着防止、結晶の高純度化やオートクレーブの浸食防止を効果的に行うことができる。
[結晶製造]
アモノサーマル法の場合は、製造する対象となる結晶は第13族窒化物結晶であり、原料中の第13族元素に依存するが、主としてB、Al、Ga、In等の第13族元素の単独金属の窒化物(例えば、GaN、AlN)の結晶または合金の窒化物(例えば、GaInN、GaAlN)の結晶であることが好ましく、窒化ガリウム結晶であることがさらに好ましい。
また、製造する結晶は単結晶でも多結晶でも良い。多結晶は、単結晶製造の原料とするための結晶原料の精製、不純物添加のドーパントなどに適用できる。また、単結晶は、電子デバイスやLEDなどの発光素子を作製するための基板に適用ができることからより好ましい。アモノサーマル法で得られる単結晶の大きさは、オートクレーブのサイズや種結晶のサイズ等の条件により異なるが、内径100mmのオートクレーブの場合φ3インチの大きさのものを得ることが可能である。
目的物が第13族窒素化合物結晶の場合、その製造原料は、通常、第13族窒化物結晶の多結晶原料であり、好ましくは窒化ガリウムを含有する原料である。多結晶原料は、完全な窒化物である必要はなく、条件によっては、第13族元素がメタルの状態(すなわちゼロ価)である金属成分を含有してもよく、例えば、結晶が窒化ガリウムである場合には、窒化ガリウムと金属ガリウムの混合物が挙げられる。
原料となる多結晶原料の製造方法は特に制限されない。例えば、アンモニアガスを流通させた反応容器内で、金属またはその酸化物もしくは水酸化物をアンモニアと反応させることにより生成した窒化物多結晶を用いることができる。また、より反応性の高い金属化合物原料として、ハロゲン化物、アミド化合物、イミド化合物、ガラザンなどの共有結合性M−N結合を有する化合物などを用いることができる。さらに、Gaなどの金属を高温高圧で窒素と反応させて作製した窒化物多結晶(例えばGaN)を用いることもできる。
上記多結晶原料は、これを結晶成長させて高品質の結晶を得るために、できるだけ水や酸素の混入を回避すべきである。そのために、多結晶原料中の酸素含有量は、通常5質量%以下、好ましくは2質量%以下、特に好ましくは0.5質量%以下である。多結晶原料への酸素の混入しやすさは、水分との反応性または吸収能との関連がある。多結晶原料の結晶性が悪いほど表面等にNH基などの活性基が多く存在し、それが水と反応して一部酸化物や水酸化物が生成する可能性があるためである。このため、多結晶原料としては、通常、できるだけ結晶性が高いものを使用することが望ましく、該結晶性は粉末X線回折の半値幅で見積もることができる。好ましい多結晶原料は、(100)の回折線(ヘキサゴナル型窒化ガリウムでは2θ=約32.5°)の半値幅が、通常0.25°以下、好ましくは0.20°以下、さらに好ましくは0.17°以下である。
結晶成長がアモノサーマル法による窒化物結晶の成長の場合、溶媒は窒素含有溶媒(例えば、ヒドラジンN24、アンモニアNH3、アミン類、メラミンからなる群より選ばれる少なくとも一つの化合物)または窒化物III−Vと混和できるすべての溶媒を充填することができるが、アンモニアNH3を溶媒に用いることが好ましい。
窒素含有溶媒を入れる前にオートクレーブ内を脱気することや、窒素などの不活性ガスを流通させながら、窒素含有溶媒を入れることも好適に用いられる。また、その際にオートクレーブを窒素含有溶媒の沸点以下に冷却してもよい。また、これらの溶媒が含む水や酸素の濃度は低いほうが好ましく、好ましくは1000ppm以下であり、より好ましくは100ppm以下さらに好ましくは10ppm以下である。なお溶媒は1種を用いても2種以上を混合して用いてもよい。
アンモニアを溶媒に使用する場合の純度は通常99.9%以上、好ましくは99.99%以上、さらに好ましくは99.999%以上、特に好ましくは99.9999%以上である。アンモニアは、一般に水との親和性が高いため、アンモニアをオートクレーブに充填する場合、水に由来する酸素をオートクレーブに持ち込みやすく、それが原因で生成する結晶の混入酸素量が多くなり、得られる窒素化合物結晶の結晶性が悪化するおそれがある。そのような観点からも、アンモニア溶媒に含まれる水や酸素の量はできるだけ少なくすることが望ましく、好ましくは1000ppm以下であり、さらに好ましくは100ppm以下であり、特に好ましくは10ppm以下である。
これらの溶媒は、結晶製造中に、亜臨界状態及び/又は超臨界状態で用いる。超臨界状態は、その臨界温度以上で維持される濃ガスを意味し、臨界温度とは圧力によってそのガスが液化させられ得ない温度である。超臨界状態では一般的には、粘度が低く、液体よりも容易に拡散されるが、液体と同様の溶媒和力を有する。亜臨界状態とは、臨界温度近傍で臨界密度とほぼ等しい密度を有する液体の状態を言う。例えば、原料充填部では、超臨界状態として原料を溶解し、結晶成長部は亜臨界状態となるように温度を変化させて超臨界状態と亜臨界状態の原料の溶解度差を利用した結晶成長も可能である。
結晶成長に際しては、結晶成長速度を上げることができる点から鉱化剤を用いるのが好ましい。鉱化剤(又は溶解剤とも称される)は溶媒における原料の溶解度を高めて結晶成長部へ結晶原料を移送するための物質であり当該分野において周知である。本明細書中の溶解には、物理溶解と化学溶解のどちらの場合をも含む。
鉱化剤は、通常、ハロゲン原子またはアルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属を含む化合物である。中でも生成する結晶が酸素を含まないようにする観点からは、アンモニウムイオンやアミドなどの形で窒素原子を含むものを鉱化剤として使用することが好ましい。これらの鉱化剤は、1種類を用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。窒化物結晶への不純物の混入を防ぐため、必要な場合は鉱化剤を精製、乾燥することが行われる。鉱化剤の純度は、通常95%以上、好ましくは98%以上、さらに好ましくは99%以上、得に好ましくは99.5%以上である。鉱化剤が含む水や酸素はできるだけ少なくすることが望ましく、好ましくは1000ppm以下であり、さらに好ましくは100ppm以下である。
鉱化剤は酸性鉱化剤、塩基性鉱化剤に分けられる。
塩基性鉱化剤としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属と窒素原子を含む化合物で、アルカリ土類金属アミド、希土類アミド、窒化アルカリ金属、窒化アルカリ土類金属、アジド化合物、その他ヒドラジン類の塩が挙げられる。好ましくは、アルカリ金属アミドで、具体例としてはナトリウムアミド(NaNH2)、カリウムアミド(KNH2)、リチウムアミド(LiNH2)が挙げられる。
また、酸性鉱化剤としては、ハロゲン原子を含む化合物で、ハロゲン化アンモニウム等が挙げられる、例えば塩化アンモニウム(NH4Cl)、ヨウ化アンモニウム(NH4I)、臭化アンモニウム(NH4Br)で、このうち、好ましくは塩化アンモニウム(NH4Cl)である。
アンモニアを溶媒に用いたアモノサーマル法の場合には、酸性鉱化剤は超臨界状態のアンモニア溶媒への溶解性が高く、またアンモニア中において窒化能を有し、かつPt等の貴金属に対する反応性が小さいので酸性鉱化剤がより好ましい。
鉱化剤と原料の使用割合は、鉱化剤/13族金属元素(モル比)が通常0.001〜100である。例えば、GaNの場合では、鉱化剤/Gaモル比として、通常0.001〜20の範囲が好ましく、原料、鉱化剤等の添加物の種類および目的とする結晶の大きさなどを考慮して適宜選択できる。
本発明では、所定の位置に結晶を成長させるため、種結晶を使用することが好ましい。本発明には、単結晶製造のみならず多結晶製造も含むが、種結晶を用いると種結晶上への単結晶の生成を促進させ、より大きな単結晶を得ることができる。種結晶の装填は通常、原料、鉱化剤等の添加物を充填すると同時または充填した後に行われ、オートクレーブ内表面を構成する貴金属と同様の貴金属製の治具に種結晶が固定される。必要な場合には、オートクレーブに装填した後、加熱脱気することも有効に用いられる。
オートクレーブ内における種結晶の装填位置は、ガスケットや導管の設置状況を考慮して決定する。例えば、図1のようにオートクレーブ上部にガスケット11が存在する場合は、種結晶の上端がガスケットの下端よりも下になるように設置する。種結晶の上端は、ガスケットの下端よりも2cm以上さらに下方に設置することが好ましく、3cm以上さらに下方に設置することがより好ましく、5cm以上さらに下方に設置することが特に好ましい。
また、本発明においては、結晶成長時にオートクレーブ内に存在させる物質(X)や物質(X’)の量を、種結晶の装填位置を考慮して決定することが好ましい。例えば、溶媒よりも臨界密度が小さな物質(X)又は物質(X’)を用いて、上部にガスケットを有するオートクレーブ内で結晶成長を行う場合は、結晶成長時に物質(X)又は物質(X’)がオートクレーブ内の上部に偏在していると仮定したときに、該物質がガスケットの下端よりも下まで装填される量を使用することが好ましい。より好ましくはガスケットの下端よりも2cm以上さらに下まで装填される量を使用し、さらに好ましくはガスケットの下端よりも3cm以上さらに下まで装填される量を使用し、特に好ましくはガスケットの下端よりも5cm以上さらに下まで装填される量を使用する。ただし、種結晶の上端には至らない量とするのが好ましい。また、オートクレーブ上部に非貴金属からなる内表面が存在している場合は、該非貴金属部分の下端を基準としてガスケットの場合と同様に物質(X)又は物質(X’)の量を決めることができる。
さらに、ガスケットや非貴金属部分がオートクレーブの下部にある場合は、該ガスケットや非金属部分の上端よりも種結晶の下端が上に位置するように装填したうえで、溶媒よりも臨界密度が大きな物質(X)又は物質(X’)を使用する。このとき、該物質がオートクレーブ内の下部に偏在していると仮定したときに、該物質がガスケットの上端よりも上まで装填される量を使用することが好ましい。より好ましくはガスケットの上端よりも2cm以上さらに上まで装填される量を使用し、さらに好ましくはガスケットの上端よりも3cm以上さらに上まで装填される量を使用し、特に好ましくはガスケットの上端よりも5cm以上さらに上まで装填される量を使用する。ただし、種結晶の下端には至らない量とするのが好ましい。また、オートクレーブ下部に非貴金属からなる内表面が存在している場合は、該非貴金属部分の上端を基準としてガスケットの場合と同様に物質(X)又は物質(X’)の量を決めることができる。
アモノサーマル法により、窒化物の単結晶を結晶成長させる場合には、目的とする窒化物の単結晶を用いることが望ましいが、必ずしも目的と同一の窒化物でなくてもよい。但し、その場合には、目的の窒化物と一致する、もしくは適合する格子定数及び/又は結晶格子を有する種結晶であるか、またはヘテロエピタキシー(すなわち若干の原子の結晶学的位置の一致)を保証するよう配位した単結晶材料片もしくは多結晶材料片から構成されている種結晶を用いることが好ましい。種結晶の具体例としては、例えば窒化ガリウム(GaN)の場合、GaNの単結晶の他、AlN等の窒化物単結晶、炭化ケイ素(SiC)の単結晶等が挙げられる。
種結晶は、アンモニア溶媒への溶解度および鉱化剤との反応性を考慮して決定することができる。例えば、GaNの種結晶としては、MOCVD法やHVPE法でサファイア等の異種基板上にエピタキシャル成長させた後に剥離させて得た単結晶、金属GaからNaやLi、Biをフラックスとして結晶成長させて得た単結晶、LPE法を用いて得たホモ/ヘテロエピタキシャル成長させた単結晶、本発明法を含む溶液成長法に基づき作製された単結晶およびそれらを切断した結晶などを用いることができる。
第1の本発明においては、オートクレーブ中に、下記式(1)を満足し、かつ溶媒と臨界密度差が25%以上である物質(X)を存在させ、第2の本発明においては、オートクレーブ中に、溶媒との超臨界密度差が25%以上であり、かつオートクレーブと実質的に反応しない物質(X')を存在させる。
Figure 0005023312
物質(X)及び物質(X')は、溶媒に対する臨界密度差により、オートクレーブ中で溶媒と偏在していると考えられる。物質(X)及び物質(X')を効果的に偏在させるためには、溶媒との臨界密度差は、好ましくは50%以上、さらに好ましくは70%以上である。ここで、溶媒との臨界密度差Δρ(A)とは、下記式(5)で規定される(但し、A=X,X')。
Figure 0005023312
物質(X)及び物質(X')は少なくとも原料溶解および結晶成長時には既に超臨界状態となるもので、溶媒より臨界温度ならびに臨界圧力の小さいものが好ましい。溶媒がアンモニアの場合は臨界温度が100℃以下、臨界圧力が10MPa以下であることが好ましい。
物質(X)は式(1)で示した様に、物質(X)への原料の溶解度は、溶媒への原料の溶解度の20%以下である。第1の本発明では、原料の物質(X)への溶解度が、溶媒への溶解度の20%以下であり、かつ物質(X)の溶媒との臨界密度差が25%以上であるので、物質(X)と溶媒が実質的に偏在し、かつ原料の大部分が溶媒に溶解し、物質(X)にほとんど溶解しない状態となる。しかも、物質(X)の存在量を所定量とすることで、オートクレーブ中で溶媒の存在する領域を調節し、溶媒の存在する領域で結晶成長を行うので、望ましくない領域での結晶成長や原料の析出を抑制し、結晶の析出位置を制御することができる。
従って、原料の物質(X)への溶解度は原料の溶媒への溶解度に対して、より小さいのが好ましく、好ましくは10%以下、より好ましくは5%以下である。
また、鉱化剤を用いる場合であって、鉱化剤が固体で、結晶成長中もしくは結晶成長後において鉱化剤が析出するような場合には、望ましくない領域での鉱化剤の析出を抑制、即ち、鉱化剤の析出位置を制御する点から、下記式(2)で示すように物質(X)への鉱化剤の溶解度が溶媒への鉱化剤の溶解度の20%以下であり、好ましくは10%以下、より好ましくは5%以下である。
Figure 0005023312
なお、本願明細書において、上記式(1)及び(2)を満足するか否かは、物質(X)への原料または鉱化剤の溶解度を直接測定することは困難であるため、オートクレーブ内で、物質(X)を使用しない場合に望ましくない領域内に析出した原料または鉱化剤の重量と物質(X)を使用した場合に望ましくない領域内に析出した原料または鉱化剤の重量を測定してその比を求める、即ち、(後者の重量)/(前者の重量)×100を算出し、その値が20%以下であれば、式(1)又は式(2)を満足すると決定できる。ここで、望ましくない領域は図1、図2を例に説明すると、図1ではオートクレーブ3中の種結晶10よりも上部分及び/又は原料9よりも下部分であり、図2では、オートクレーブ3中の種結晶10よりも下部分及び/又は原料9よりも上部分である。導管を有するオートクレーブの場合には導管中も含む。
一方、物質(X')は、オートクレーブと実質的に反応しない物質であることが必要である。実質的に反応しないとは、物質(X')によりオートクレーブが浸食されないことをいい、成長結晶中のオートクレーブに含まれる元素由来の不純物濃度が1%以下、好ましくは500ppm以下、より好ましくは100ppm以下であることをいう。例えば、溶媒がアンモニア、オートクレーブがインコネル製の場合には、クロム(Cr)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、タンタル(Ta)などが不純物として検出される。分析方法はGDMS(グロー放電質量分析)である。
第2の本発明では、貴金属以外の内表面部分が物質(X')に覆われる様にする。これによって、得られる成長結晶中のオートクレーブに含まれる元素由来の不純物濃度を小さくすることができる。
また、鉱化剤を用いる場合であって、鉱化剤が固体で、結晶成長中もしくは結晶成長後において鉱化剤が析出するような場合には、物質(X)と同様に物質(X')についても、望ましくない領域での鉱化剤の析出を抑制、即ち、鉱化剤の析出位置を制御する点から、下記式(3)で示すように物質(X')への鉱化剤の溶解度が溶媒への鉱化剤の溶解度の20%以下であり、好ましくは10%以下、より好ましくは5%以下である。
Figure 0005023312
物質(X)又は物質(X')と溶媒との臨界密度の大小関係は、オートクレーブに連結する導管の有無や、オートクレーブの内表面の材質等によって決定される。具体的には、導管を有するオートクレーブの場合であって、図1のように導管が上部に配されている場合には溶媒より臨界密度の小さい物質を、また、図2のように導管がオートクレーブ下部に配されている場合には溶媒より臨界密度の大きい物質を少なくとも一つ存在させる。導管が上部および下部に配されている場合には、溶媒より臨界密度の小さい物質と溶媒より臨界密度の大きい物質を併存させる。その結果、導管内部に物質(X)又は物質(X')が存在することになり、導管内部での結晶析出が抑制され、結晶析出位置を制御することとなる。
物質(X)を存在させる量は、望ましくない領域での結晶及び/又は鉱化剤の析出を抑制する、即ち、結晶の析出位置を制御するため、かかる領域を物質(X)で満たすのに必要な予め決定された量(所定量)であればよい。さらに、導管を有するオートクレーブを使用する場合は、結晶製造中に導管部分を物質(X)で覆うことができればよく、導管部の容積の1倍以上存在させればよい。具体的には、臨界密度の異なる物質(X)の臨界点での容積が導管部の容積の1倍以上になるように存在させる。好ましくは1.1倍以上であり、より好ましくは1.2倍以上である。
臨界点での容積とは、ボイルシャルルの法則により物質(X)の臨界圧力Pc(X)と臨界温度Tc(X)より、所定量を計算することができる。
ここで、導管部の容積とは、オートクレーブと導管の境界面と、導管上部のバルブ部分の間の導管の空間の容積を意味する。臨界密度の異なる物質が導管の容積の1倍未満である場合には、結晶及び/又は鉱化剤が析出して導管が閉塞したり、導管が浸食されて成長結晶に不純物が導入される原因となる。
一方、導管を有するオートクレーブの場合に、物質(X')は、導管と実質的に反応しないことが必要であり、導管と実質的に反応しないとは、上記オートクレーブの場合と同様に、成長結晶中に導管由来の不純物が含まれないことをいい、成長結晶中に導管に含まれる元素由来の不純物濃度が1%以下、好ましくは500ppm以下、より好ましくは100ppm以下であることをいう。導管にバルブ、圧力計を有する場合も同様である。分析法は、前述したものと同義である。また、物質(X)と同様に、結晶製造中に導管部分を物質(X’)で覆うことができればよく、導管部の容積の1倍以上存在させればよい。物質(X')の所定量も上記物質(X)と同様に計算できる。
物質(X)及び物質(X')としては、溶媒、原料及び又はオートクレーブの材質により、上記本発明の規定を満足するものであれば、特に限定されないが、溶媒がアンモニアである場合には、臨界密度の小さい物質としては、水素(86.7%)、ヘリウム(70.4%)が挙げられ、臨界密度の大きい物質としては、窒素(32.9%)、塩素(144.9%)等が挙げられる。但し、( )内はアンモニアとの臨界密度差を表す。
なお、溶媒がアンモニアであり、原料が窒化ガリウムである場合、前記式(1)で表される溶解度比は、水素、ヘリウム、窒素及び塩素のいずれも15%以下である。または、オートクレーブ内表面が白金等の貴金属からなるオートクレーブと実質的に反応しない物質である。
さらに、鉱化剤が塩化アンモニウムである場合、前記式(2)で表される溶解度比は、水素、ヘリウム、窒素及び塩素のいずれも15%以下である。
物質(X)及び物質(X')は、例えば、溶媒の分解、溶媒物質と原料の反応、鉱化剤の分解、鉱化剤と原料の反応により生成されることによりオートクレーブ中に存在させることもできる。溶媒としてアンモニアを用いた窒化ガリウム結晶の結晶成長では、原料の多結晶GaNと併せて金属Gaを用いることにより、金属Gaとアンモニアが反応し、アンモニアと臨界密度の異なる水素を発生させることができる。下記反応式(6)により、添加した金属Gaの1.5倍のmol量の水素(H2)が発生することから、予め原料中の金属Ga成分量を所定量とすることにより、アンモニアと臨界密度の異なる水素をオートクレーブ中で発生させて結晶及び/又は鉱化剤の析出位置を制御してもよい。また、発生する水素が不足する場合には、不足分を添加して結晶及び/又は鉱化剤の析出位置を制御してもよい。
2Ga+2NH3→2GaN+3H2 (6)
物質(X)及び物質(X')を添加する場合には、該物質を所定の割合でオートクレーブに添加する計量装置を有する結晶製造装置を用いて、予めオートクレーブ中に添加することもできる。オートクレーブ内に、溶媒物質と異なる臨界密度を有する物質を再現性良く添加するために、該当物質が常温で気体の場合には、図3のように、既知の内容量を有する計量用ボンベ12に所定圧力で一旦充填しオートクレーブに配管を接続してバルブ14を開放し、圧力が等価になったことを圧力計12で確認後バルブを閉めることにより添加することができる。添加量は、添加前と添加後のオートクレーブの重量差より求める、もしくは、圧力が等価であることからもボイル−シャルルの法則により計算することでも求められる。また、図6に示すように所定量をシリンジ16により計量し、オートクレーブに添加することも可能である。その他、マスフローコントローラー等の流量計を用いることでも再現性良く添加する事が出来る。
以下に、本発明の第1の要旨である結晶製造方法を具体的に説明する。
図1、図2に示すように、オートクレーブに鉱化剤と原料を充填し、バッフル板、種結晶を設置後、導管より溶媒を充填する。その後、臨界密度の異なる物質(X)を所定量添加する。この際、原料、溶媒等から物質(X)が系内で発生する場合には、物質(X)が所定量となるように原料、溶媒等の量を調整することができる。また系内での発生と添加の両方により所定量としてもよい。物質(X)はオートクレーブ中で、上部及び/又は下部に偏在するが、種結晶、原料に接触しないようにする必要がある。物質(X)は原料の溶解度が溶媒に比べて低いことにより、導管やオートクレーブの上部及び/又は下部への結晶及び/又は鉱化剤の析出を防止することができるが、物質(X)に種結晶、原料が接触すると、原料の溶解度が低下及び/又は種結晶への結晶成長も阻害される場合があるからである。
超臨界状態で結晶製造を行うため、一般に溶媒の臨界点よりも高い温度に保持する。アンモニアを溶媒として用いる場合、臨界点は臨界温度132℃、臨界圧力11.35MPaであるが、オートクレーブに対する充填率が高ければ、臨界温度以下の温度でも圧力は臨界圧力をはるかに越える。ここでいう超臨界状態とはこのような臨界圧力を越えた状態を含む。反応混合物は一定容積(容器容積)内に封入されているので、温度上昇は、流体の圧力を増大する。一般に、温度TはT>Tc(Tc:溶媒の臨界温度)および圧力P>Pc(Pc:溶媒の臨界圧力)であれば、超臨界状態にある。上記条件において、GaNの微結晶の生成が認められる。実際に、溶媒中に導入された多結晶原料の溶解度は、亜臨界条件と超臨界条件との間で極めて異なるので、超臨界条件では、GaN単結晶の十分な成長速度が得られる。反応時間は、特に、鉱化剤の反応性および熱力学的パラメータ、即ち、温度および圧力の数値に依存する。
アンモニア溶媒の場合、少なくともオートクレーブ内の温度範囲(すなわち反応容器3内の温度範囲)を、下限として通常150℃、好ましくは200℃、特に好ましくは300℃、上限として通常800℃、好ましくは700℃、特に好ましくは650℃の範囲とすることが望ましい。
オートクレーブは、重畳する2つのゾーン、即ち、バッフル板によって分離された下部の原料充填部および上部の結晶成長部に分割されている。これら2つのゾーン間の温度勾配△Tは、10〜100℃である。勾配の方向は、特に、温度の関数としての原料の溶解度に依存する。
結晶成長中には、オートクレーブは、約15MPa〜600MPaの範囲の圧力に保持する。溶媒がアンモニアである場合には、オートクレーブ内の圧力範囲は、下限として通常20MPa、好ましくは30MPa、特に好ましくは50MPa、上限として通常500MPa、好ましくは400MPa、特に好ましくは200MPaに保持することが望ましい。
オートクレーブ内の上記の温度範囲、圧力範囲を達成するためのアンモニア溶媒の注入の割合、すなわち充填率は、オートクレーブのフリー容積、すなわち、オートクレーブに原料、および種結晶を用いる場合には、種結晶とそれを設置する構造物の体積をオートクレーブの全容積から差し引いて残存する容積、またバッフル板を設置する場合には、さらにそのバッフル板の体積を差し引いて残存する容積のアンモニアの標準状態での液体密度(標準状態で気体の場合は沸点における液体密度)を基準として、通常20〜95%、好ましくは40〜90%、さらに好ましくは50〜85%とするのが望ましい。
所定の温度に達した後の反応時間については、窒化物結晶の種類、用いる原料、鉱化剤の種類、製造する結晶の大きさや量によっても異なるが、通常、数時間から数ヶ月とすることができる。反応中、反応温度は一定にしてもよいし、徐々に昇温または降温させることもできる。所望の結晶を生成させるための反応時間を経た後、降温させる。降温方法は特に限定されないが、ヒーターの加熱を停止してそのまま炉内にオートクレーブを設置したまま放冷してもかまわないし、オートクレーブを電気炉から取り外して空冷してもかまわない。必要であれば、冷媒を用いて急冷することも好適に用いられる。
導管から溶媒を排出後、さらに必要に応じて、真空状態にするなどしてオートクレーブ内の溶媒を十分に除去した後、乾燥し、オートクレーブを開けて結晶成長した窒素化合物結晶および未反応の原料や鉱化剤等の添加物を取り出すことができる。かくして、オートクレーブ中に物質(X)を所定量存在させることで、析出物による導管の閉塞、オートクレーブへの析出物の付着を防止することができる。
つぎに、本発明の第2の要旨の結晶製造方法を具体的に説明する。
オートクレーブ内表面の一部が貴金属であり、物質(X)の代わりに物質(X')を用い、物質(X')がオートクレーブ内表面の貴金属以外の部分を覆うようにして結晶製造を行う以外は、上記の第1の要旨の結晶製造方法と基本的には同様である。
本発明の第2の要旨の結晶製造方法では、反応容器の上部に非貴金属よりなる内表面を有している場合は、溶媒の臨界密度より小さい臨界密度を有する物質(X’)を用いて、非貴金属よりなる内表面よりも下方で結晶を成長させることができる。また、反応容器の下部に非貴金属よりなる内表面を有している場合は、溶媒の臨界密度より大きい臨界密度を有する物質(X’)を用いて、非貴金属よりなる内表面よりも上方で結晶を成長させることができる。反応容器の上部および下部の両方に非貴金属よりなる内表面を有している場合は、溶媒の臨界密度より小さい臨界密度を有する第1の物質(X’)と、溶媒の臨界密度より大きい臨界密度を有する第2の物質(X’)を併用して、上部の非貴金属よりなる内表面よりも下方であって、かつ、下部の非貴金属よりなる内表面よりも上方において結晶を成長させることができる。
例えば、図4のようにオートクレーブ3をガスケット11等で封止する場合に、蓋体3aの内表面やガスケット11等が貴金属ではない場合には、図4に示すように、種結晶10をガスケット等11の位置よりもバッフル板6に近づけ、ガスケットまたはガスケット等11と蓋体3aの内表面を覆う量の物質(X')をオートクレーブ中に存在させて結晶製造を行う。
反応容器が、その上部に非貴金属よりなる導管を有している場合は、溶媒の臨界密度より小さい臨界密度を有する物質(X’)を導管の容積の1倍以上存在させて、導管よりも下方で結晶を成長させることができる。また、反応容器が、その下部に非貴金属よりなる導管を有している場合は、溶媒の臨界密度より大きい臨界密度を有する物質(X’)を導管の容積の1倍以上存在させて、導管よりも上方で結晶を成長させることができる。ここで用いる物質(X’)は、導管と反応しない材料の中から選択される。また、物質(X’)の存在量は、導管の容積の1.0倍以上であることが好ましく、1.1倍以上であることがより好ましく、1.2倍以上であることがさらに好ましい。
このようにして成長した結晶は、溶媒によりオートクレーブ、また、ガスケット等や導管を有する場合には導管などが浸食されることがないので、製造結晶中にオートクレーブ等由来の不純物が導入されず、高純度な結晶が得られ、かつ、オートクレーブ等の浸食も防止できる。
次に、水を溶媒に用いて、酸化亜鉛(ZnO)、水晶等を成長するハイドロサーマル法を酸化亜鉛の結晶成長を例に説明する。基本的に、アモノサーマル法と同様であるが、以下のような違いを有する。
[装置]
ハイドロサーマル法の酸化亜鉛や水晶の結晶製造においても、同様の装置が使用可能である。酸化亜鉛を成長する際に、バッフル板を用いた時の開口率は、5〜15%のものが好ましい。アモノサーマル法によりGaNを結晶成長する場合と同様に、バッフル板の開孔率を制御することにより、成長条件下における結晶成長部での酸化亜鉛の過飽和度を適正に制御することが容易になる。
[結晶製造]
ハイドロサーマル法の場合は、製造する対象が酸化亜鉛、水晶などの酸化物である。酸化亜鉛を結晶成長するための原料として、ZnO粉末を使用するが、高品質の結晶を製造するためには、高純度であることが好ましく、具体的には99.999%以上あることが好ましい。そして、実際には、かかるZnO粉末を焼結体として、これを直接の原料として用いる。この焼結体の調製は単結晶の育成にも大きく影響を与えうる。焼結体を製造するためのZnOは平均1マイクロメーター程度のZnO粉末とし、焼結前にZnO粉末を白金製の形枠に入れ、プレス等で圧縮成型するのがよい。これにより、結晶成長時における微結晶の発生が抑制でき、微結晶の発生に伴う原料の無駄が回避できる。
ハイドロサーマル法による成長の場合、溶媒は水であり蒸留水が好ましい。溶媒である水は、結晶製造中に亜臨界状態及び/又は超臨界状態で用いる。
鉱化剤として、水酸化ナトリウム(NaOH)、炭酸カルシウム(Na2CO3)、水酸化カリウム(KOH)、水酸化リチウム(LiOH)などのアルカリ、リン酸(H3PO4)などの酸が挙げられる。酸化亜鉛単結晶の結晶成長の場合に、酸化亜鉛は六方晶系の結晶であるが、結晶成長条件によって軸方向の成長速度を制御することが可能である。c軸方向の成長促進は、成長時にカリウム(K)を共存させることによって達成される。このためには、前記のKOHを鉱化剤として使用することが好ましい。また、a軸方向の成長促進には、リチウム(Li)を共存させることが好ましく、このためには、前記のLiOHを鉱化剤として用いることが好ましい。
アモノサーマル法では、通常、鉱化剤を原料と混合して使用するが、ハイドロサーマル法の場合には、通常、上記鉱化剤を溶媒である水に予め溶解したアルカリ溶液、酸溶液としてオートクレーブに充填して使用する。このことから、これらのアルカリ溶液や酸溶液を溶媒や溶解液と呼ぶ場合もある。
種結晶は、目的とする結晶の単結晶を用いることが好ましく、酸化亜鉛であれば、酸化亜鉛、水晶であれば水晶である。その種結晶の形状は四角柱状、六角柱状、円柱状等の形を任意に用いることが可能である。酸化亜鉛の結晶成長の場合は。結晶全方位の結晶の品質を安定化するという観点で、六角柱状、又は、六角形の板状の種結晶を用いることが好ましい。種結晶の設置方向としては、任意のものが用いられるが、好ましくは、種結晶のc軸と酸化物溶媒の対流方向とのなす角度が、0〜180°(但し、0°と180°を除く)、特に好ましくは60°〜120°とする。このようにして配置された種結晶を用いることにより、得られるZnO単結晶は種結晶に対して偏心して結晶成長され、より大きな単結晶を得ることが可能となる。
溶媒と臨界密度の異なる物質(X)及び物質(X')としては、溶媒、原料及び又はオートクレーブの材質により、上記本発明の規定を満足するものであれば、アモノサーマル法と同様に、特に限定されないが、溶媒が水であるハイドロサーマル法である場合には、臨界密度の小さい物質としては、水素(90.4%)、ヘリウム(78.6%)が挙げられ、臨界密度の大きい物質としては、酸素(32.7%)等が挙げられる。但し、( )内は水との臨界密度差を表す。
また、溶媒が水である場合に、物質(X)については、前記式(1)で表される溶解度比は水素、ヘリウム、酸素のいずれも15%以下であり、物質(X')は、オートクレーブと実質的に反応しない物質である。式(1)で表される溶解度比及びオートクレーブに実質的に反応しないことも直接測定することが困難であるが、前述したアモノサーマル法同様の手法で求めることができる。
ハイドロサーマル法で使用する鉱化剤については、常温及び常圧で水に溶解した水溶液としてオートクレーブ中に充填する場合には、結晶成長後の鉱化剤の析出は通常は問題とならない。しかし、常温及び常圧で固体である鉱化剤を使用する場合には、前記式(2)、(3)で表される鉱化剤の溶解度比は水素、ヘリウム、酸素のいずれも15%以下である。アモノサーマル法と同様に、式(2)、式(3)で表される鉱化剤の溶解度比を直接測定することは困難であるが、アモノサーマル法と同様の手法で求めることができる。
本発明の酸化亜鉛の結晶成長では、鉱化剤を溶媒である水に溶解したアルカリ溶液または酸溶液の注入の割合は、オートクレーブ内のフリー容積、即ち該オートクレーブに原料であるZnO焼結体及びバッフル板等を設置した際に残存する容積の約60〜90%とするのが好ましい。結晶成長は高温高圧(通常300〜450℃、50〜150MPa)の超臨界状態で行なわれることが好ましい。この際、結晶成長部の温度を原料充填部の温度より約15〜50℃低くすることにより対流が発生し、原料充填部で溶けた原料が結晶成長部に輸送され種結晶に析出し結晶成長される。
結晶成長温度に関する結晶成長部と原料充填部における詳細については、結晶成長部の温度は300〜360℃、原料充填部温度は340〜400℃とするのが好ましい。そして、この状態のまま30〜200日間定常運転して結晶成長し、その後、加熱炉を停止して室温に下げ、ZnO単結晶を取り出す。得られた塊状単結晶は、塩酸(HCl)、硝酸(HNO3)等で洗浄することができる。得られる酸化亜鉛の結晶のサイズは、オートクレーブのサイズ等の条件により異なるが、例えば、直径φ200×高さ3000mmの中型オートクレーブを使用することで、約3インチの酸化亜鉛(ZnO)単結晶を容易に得ることができる。
本発明のハイドロサーマル法により成長した結晶もアモノサーマル法と同様に、溶媒によりオートクレーブ、ガスケット等、導管を有する場合には導管などが浸食されることがないので、製造結晶中にオートクレーブ等由来の不純物が導入されず、高純度な結晶が得られ、かつ、オートクレーブ等の浸食も防止できる。
これらの本発明の第1および第2の要旨に示す方法を採用することによって、Crの含有量が9×1014cm-3以下であり、かつ、Feの含有量が9×1016cm-3以下である周期表第13族元素の窒化物からなる結晶を得ることができる(本発明の第4の要旨)。本発明の結晶中のCrの含有量は5×1014cm-3以下であることが好ましく、1×1014cm-3以下であることがより好ましい。本発明の結晶中のFeの含有量は、1×1016cm-3以下であることが好ましく、3×1015cm-3以下であることがより好ましい。本発明の結晶中のNiの含有量は、5×1016cm-3以下であることが好ましく、2×1016cm-3以下であることがより好ましく、8×1015cm-3以下であることがさらに好ましい。
本発明の結晶は、デバイス、即ち発光素子や電子デバイスなどの用途に好適に用いられる。本発明の結晶が用いられる発光素子としては、発光ダイオード、レーザーダイオード、それらと蛍光体を組み合わせた発光素子などを挙げることができる。また、本発明の結晶が用いられる電子デバイスとしては、高周波素子、高耐圧高出力素子などを挙げることができる。高周波素子の例としては、トランジスター(HEMT、HBT)があり、高耐圧高出力素子の例としては、サイリスター(IGBT)がある。
本発明の結晶は、不純物濃度が極めて低いという特徴を有することから、上記のいずれの用途にも適している。中でも、不純物濃度が低いことが特に要求される電子デバイス用途に適している。特に、半絶縁性の半導体基板が必要とされる電子デバイスに好適に用いることができる。
本発明の結晶を所望の方向に切り出す(スライスする)ことにより、任意の結晶方位を有する半導体基板(ウェハ)を得ることができる。これによって、c面などの極性面や、m面やa面などの非極性面を有する半導体基板を得ることができる。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
(実施例1)
多結晶h−GaNを(六方晶系窒化ガリウム)を原料とし、溶媒としてアンモニアを用い、物質(X)としてヘリウムをオートクレーブに添加して、下記に従って、窒化ガリウムの結晶成長を行った。なお、アンモニアとヘリウムの臨界密度はそれぞれ0.234g・cm-3、0.0693g・cm-3で、該密度差は70.4%である。
図3に示す添加装置を用いてHeをオートクレーブに添加し、図1に示す結晶製造装置を用いて実施した。
導管内体積が2mlの導管を有する白金を内張り(ただし、蓋体、ガスケット等を含む上部約3%程度は白金で内張りされていない。)したInconel625製のオートクレーブ(約40ml、断面積2cm2)内に、原料である多結晶h−GaN(六方晶系窒化ガリウム)1.0gを入れ、さらに鉱化剤として十分に乾燥したNH4Cl 0.2gを入れた後、バッフル板および種結晶等の結晶成長部を設置し、素早く、バルブが装着されたオートクレーブの蓋を閉じ計量を行った。結晶成長部の設置の際には、種結晶の上端部がガスケットの下端よりも2cm下方に位置するように設置した。次いでオートクレーブに付属したバルブを介して導管を真空ポンプに通じるように操作し、バルブを開けて真空脱気した後、真空状態を維持しながらオートクレーブをドライアイスエタノール溶媒によって冷却し、一旦バルブを閉じた。次いで、NH3ボンベに通じるように操作した後、再びバルブを開け連続して外気に触れることなくNH3をオートクレーブに充填した。流量制御に基づき、NH3をオートクレーブの空洞部の約70%に相当する液体として充填(−33℃のNH3密度で換算)した後、再びバルブを閉じた。0.5MPaのHeを充填した100mlの計量用シリンジを接続し、He全量をシリンジによりオートクレーブに充填後、バルブを閉じオートクレーブの温度を室温に戻し、外表面を十分に乾燥させ充填したNH3の増加分の計量を行った。なお、導管とオートクレーブ内へのHeの導入量は、Heの臨界温度、臨界圧力で3.8mlであり、導管とオートクレーブ上部の白金で内張りされていない部分を十分に覆う容量が存在している。
続いて、オートクレーブを上下に2分割されたヒーターで構成された電気炉内に収納した。オートクレーブの下部外面の温度が530℃になるように6時間かけて昇温し、オートクレーブの下部外面の温度が530℃に達した後、その温度でさらに96時間保持した。オートクレーブの圧力は約140MPaであった。また保持中の温度幅は±10℃以下であった。その後、ヒーターによる加熱を止め、電気炉内で自然放冷した。オートクレーブの下部外面の温度がほぼ室温まで降下したことを確認した後、まずオートクレーブに付属したバルブを開放し、オートクレーブ内のNH3を取り除いた。その後オートクレーブを計量しNH3の排出を確認した後、一旦バルブを閉じ、真空ポンプに通ずるように操作した後、バルブを再び開放し、オートクレーブのNH3をほぼ完全に除去した。その後、オートクレーブの蓋を開け、内部を確認したところ、種結晶上に約0.3gの塊状窒化ガリウム結晶が析出していた。なお、導管付近への結晶及び/又は鉱化剤の析出は認められず、NH3の排出に支障はなかった。また、導管付近への結晶及び/又は鉱化剤の析出は認められないことから、前記式(1)で表される原料の溶解度は0、前記式(2)で表される鉱化剤の溶解度も0であると考えられ、前記式(1)、前記式(2)に相当する値はどちらも20%以下である。
得られた結晶について、蛍光X線分析装置で検出されたGa以外のNaより重い金属成分Cr、Fe、NiのSIMS(2次イオン質量分析)分析による定量を行った。その結果、Feが検出限界の3×1015cm-3以下、Niが検出限界の8×1015cm-3以下、Crが検出限界の5×1014cm-3以下であるヘキサゴナル型の結晶であることが確認された。また、得られた結晶について、XRD(X線回折分析)法による(0002)面についての半値幅の測定を行ったところ、753arcsecであった。
(実施例2)
多結晶h−GaNを(六方晶系窒化ガリウム)と金属Gaを原料とし、溶媒としてアンモニアを用い、下記に従って、窒化ガリウムの結晶成長を行った。なお、結晶成長中は、原料の金属Gaがアンモニアと反応して水素がオートクレーブ中に発生する。アンモニアと水素の臨界密度はそれぞれ0.234g・cm-3、0.03102g・cm-3で、該密度差は86.7%である。
実施例1で使用したものと同一の導管内体積が2mlの導管を有する白金を内張り(だし、蓋体、ガスケット等を含む上部約3%程度は白金で内張りされていない。)したInconel625製のオートクレーブ(約40ml、断面積2cm2)内に、多結晶h−GaN(六方晶系窒化ガリウム)原料の1.0gと、金属Gaを1.0g入れ、さらに鉱化剤として十分に乾燥したNH4Cl 0.4gを入れた後、バッフル板および種結晶等の結晶成長部を設置し、素早く、バルブが装着されたオートクレーブの蓋を閉じ計量を行った。結晶成長部の設置の際には、種結晶の上端部が、ガスケットの下端よりも2cm下方に位置するように設置した。次いでオートクレーブに付属したバルブを介して導管を真空ポンプに通じるように操作し、バルブを開けて真空脱気した後、真空状態を維持しながらオートクレーブをドライアイスエタノール溶媒によって冷却し、一旦バルブを閉じた。次いで、NH3タンクに通じるように操作した後、再びバルブを開け連続して外気に触れることなくNH3をオートクレーブに充填した。流量制御に基づき、NH3をオートクレーブの空洞部の約70%に相当する液体として充填(−33℃のNH3密度で換算)した後、バルブを閉じて、オートクレーブの温度を室温に戻し、外表面を十分に乾燥させ充填したNH3の増加分の計量を行った。
続いて、オートクレーブを上下に2分割されたヒーターで構成された電気炉内に収納した。オートクレーブの下部外面の温度が530℃になるように6時間かけて昇温し、オートクレーブの下部外面の温度が530℃に達した後、その温度でさらに72時間保持した。オートクレーブの圧力は約145MPaであった。また保持中の温度幅は±10℃以下であった。その後、ヒーターによる加熱を止め、電気炉内で自然放冷した。オートクレーブの下部外面の温度がほぼ室温まで降下したことを確認した後、まずオートクレーブに付属したバルブを開放し、オートクレーブ内のNH3を取り除いた。その後オートクレーブを計量しNH3の排出を確認した後、一旦バルブを閉じ、真空ポンプに通ずるように操作した後、バルブを再び開放し、オートクレーブ内のNH3をほぼ完全に除去した。その後、オートクレーブの蓋を開け、内部を確認したところ、種結晶上に約0.5gの塊状窒化ガリウム結晶が析出していた。なお、導管付近への結晶及び/又は鉱化剤の析出は認められず、NH3の排出に支障はなかった。
また、原料である金属Gaは全て消費されており、オートクレーブ中で発生した水素の量は、水素の臨界点において4.6mlであり、導管内体積が2mlであるため、十分に導管を覆っている。また、オートクレーブ内にも水素が2.6ml存在し、白金の内張りがされていない上部を覆う十分な量が発生していたと考えられる。このオートクレーブ中で発生した水素は、下記より物質(X)であり、また物質(X')にも該当する。
結晶成長後に導管付近への結晶及び/又は鉱化剤の析出は認められないことから、オートクレーブ中で発生した水素は、前記式(1)で表される原料の溶解度は0、前記式(2)で表される鉱化剤の溶解度も0であると考えられ、前記式(1)、前記式(2)に相当する値はどちらも20%以下であり、物質(X)である。
一方、得られた窒化ガリウム結晶を取り出してX線回折測定した結果、結晶形はヘキサゴナル型であった。得られた窒化ガリウム結晶を島津製作所(株)製の蛍光X線分析装置EDX700で元素分析を行ったところ、Gaのみが検出され、Ga以外のNaより重い金属成分は検出限界以下であった。このことから、得られた結晶は、不純物の少ない高純度な窒化ガリウム結晶であることがわかった。また、得られた結晶中にオートクレーブ由来のCr、Fe、Ni、Taなどの遷移金属成分を含まないことから、オートクレーブに発生した水素はオートクレーブと実質的に反応していないといえる。また、導管付近に鉱化剤の析出がみられないことから、前記式(3)で表される鉱化剤の溶解度比は0であると考えられ、前記式(3)に相当する値は20%以下であり、物質(X')でもある。
得られた結晶について実施例1と同じ分析を行ったところ、Feが3×1016cm-3、Niが検出限界の8×1015cm-3以下、Crが検出限界の5×1014cm-3以下であり、(0002)面についての半値幅は822arcsecであった。
(比較例1)
実施例1、実施例2と同じオートクレーブを用いて、溶媒と臨界密度の異なる物質を存在させることの効果を実証するため、原料に十分に乾燥させた多結晶h−GaN(六方晶系窒化ガリウム)原料のみを用いた系において、Heを存在させずに実施例と同一の手順で同じ成長を行った。
オートクレーブの下部に原料として、(ヘキサゴナル型窒化ガリウム)原料1.0gを入れた。さらに鉱化剤として十分に乾燥したNH4Cl 0.2gを入れた。バッフル板等の構造物を設置した後、オートクレーブを閉じ、オートクレーブを計量した。
続いて、オートクレーブに付属したバルブに配管を接続し、実施例と同様の手順でNH3をオートクレーブに充填した。流量制御に基づき、NH3をオートクレーブの空洞部の70%に相当する液体として充填(−33℃のNH3密度で換算)した後、バルブを閉じてオートクレーブを密閉した。次いでオートクレーブの温度を室温に戻し、外表面を十分に乾燥させ充填したNH3の増加分の計量を行った。
実施例2と同様の条件で昇温、反応を行い、炉内で自然放冷した。オートクレーブ下部外面の温度がほぼ室温まで降下したのを確認した後、まずオートクレーブに付属したバルブを開放したが、その後NH3の排出を確認のためオートクレーブを計量したが、充填後の昇温前の重量とほぼ変わらなかったため一旦バルブを閉じ、オートクレーブをドライアイスエタノール溶媒によって冷却し、オートクレーブ内のNH3をほぼ完全に液化させオートクレーブの蓋を開け、ドラフト内でNH3をほぼ完全に除去した。その後、内部を確認したところ、種結晶に約0.2gの塊状窒化ガリウム結晶が析出していた。また導管には白色のNH4Clの鉱化剤および針状の窒化ガリウム0.01gが詰まり閉塞していた。
X線回折を測定したところ結晶形はヘキサゴナル型であったが、島津製作所(株)製蛍光X線分析装置EDX700で元素分析を行ったところ、Ga以外のNaより重い金属成分として、Cr、Fe、Ni、Taが検出され、特にCrは酸化物換算で0.1wt%ほど検出された。また、実施例1と同様にしてSIMS分析による定量を行ったところ、Feが2.5×1017cm-3、Niが9×1015cm-3、Crが4×1015cm-3であり、実施例1で得られた結晶に比べてFe、Crの濃度が1桁以上高いことが確認された。さらに実施例1と同様にして(0002)面についての半値幅の測定を行ったところ2999arcsecであり、実施例1で得られた結晶に比べてかなり大きいことが確認された。
以上の実施例1と比較例1の結果から、本発明の方法では成長後の導管部への結晶及び鉱化剤の析出による閉塞が抑えられ(実施例1)、収率も向上した。また得られた窒化物結晶(実施例1および2)が、比較例1の方法で得られた窒化物結晶よりも結晶性が高く、不純物が少なく高品質であることが分かる。
また、本発明の方法で得られた窒化ガリウム結晶は、Cr、Fe、Ni、Taなどの遷移金属成分の混入が極めて少なく高純度であることがわかった。
本発明の製造方法で得られた窒素化合物結晶は、不純物が少なく、結晶性も高いため、格子欠陥や転位密度が低くなると共に不純物準位の形成もなく、VPEやMOCVD等で各種デバイスを製造するにあたり、エピタキシャル成長用基板として利用することができる。また、ハイドロサーマル法で得られる酸化亜鉛(ZnO)や水晶についても、不純物が少なく、結晶性が高いため、表面弾性波(SAW)デバイスなど各種デバイス用に電子、光学分野で利用することができる。
本発明で用いる上部に導管を有する結晶製造装置の概略断面図 本発明で用いる下部に導管を有する結晶製造装置の概略断面図 本発明の結晶製造装置で用いる計量用ボンベを使用する物質添加装置 ガスケット又はパッキンで封止したオートクレーブを使用する結晶製造装置の概略断面図 結晶成長用のコンテナーを使用したソルボサーマル法の結晶製造装置の概略断面図 本発明の結晶製造装置で用いる計量用のシリンジを使用する物質添加装置
符号の説明
1 バルブ
2 圧力計
3 オートクレーブ
3a 蓋体
3b 容体
4 結晶成長部
5 原料充填部
6 バッフル板
7 電気炉
8 熱電対
9 原料
10 種結晶
11 ガスケット又はパッキン
12 計量用ボンベ
13 圧力計
14 バルブ
15 導管
16 コンテナー
17 シリンジ

Claims (32)

  1. 導管を有する反応容器中で、超臨界状態及び/又は亜臨界状態の溶媒、並びに原料を用いて結晶を成長させる結晶製造方法において、
    該反応容器中に、下記式(1)を満足し、該溶媒との臨界密度差が25%以上である物質(X)を存在させ、かつ、
    該物質(X)の量を調整することにより導管内部での結晶析出を抑制することを特徴とする結晶製造方法。
    Figure 0005023312
  2. 該反応容器が、その上部に導管を有し、
    該物質(X)の臨界密度が該溶媒の臨界密度より小さく、かつ、
    該物質(X)を該導管の容積の1倍以上存在させて結晶成長する
    ことを特徴とする請求項に記載の結晶製造方法。
  3. 該反応容器が、その下部に導管を有し、
    該物質(X)の臨界密度が該溶媒の臨界密度より大きく、かつ
    該物質(X)を該導管の容積の1倍以上存在させて結晶成長する
    ことを特徴とする請求項に記載の結晶製造方法。
  4. 反応容器中で、超臨界状態及び/又は亜臨界状態の溶媒、種結晶、並びに原料を用いて結晶を成長させる結晶製造方法において、
    該反応容器中に、下記式(1)を満足し、該溶媒との臨界密度差が25%以上である物質(X)を存在させ、
    該物質(X)の臨界密度が該溶媒の臨界密度より小さく、かつ、
    該物質(X)の量を調整することにより反応容器の種結晶よりも上部分における結晶析出を抑制することを特徴とする結晶製造方法。
    Figure 0005023312
  5. 反応容器中で、超臨界状態及び/又は亜臨界状態の溶媒、種結晶、並びに原料を用いて結晶を成長させる結晶製造方法において、
    該反応容器中に、下記式(1)を満足し、該溶媒との臨界密度差が25%以上である物質(X)を存在させ、
    該物質(X)の臨界密度が該溶媒の臨界密度より大きく、かつ、
    該物質(X)の量を調整することにより反応容器の種結晶よりも下部分における結晶析出を抑制することを特徴とする結晶製造方法。
    Figure 0005023312
  6. 反応容器中で、超臨界状態及び/又は亜臨界状態の溶媒、並びに原料を用いて結晶を成長させる結晶製造方法において、
    該反応容器中に、下記式(1)を満足し、該溶媒との臨界密度差が25%以上である物質(X)を存在させ、かつ、
    該物質(X)の量を調整することにより、成長する結晶内に含まれる反応容器由来の金属元素量を制御することを特徴とする結晶製造方法。
    Figure 0005023312
  7. 該反応容器中で、下記式(2)を満足する鉱化剤を更に用いて結晶を成長させることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の結晶製造方法。
    Figure 0005023312
  8. 内表面の一部が非貴金属よりなる反応容器中で、超臨界状態及び/又は亜臨界状態の溶媒並びに原料を使用して、結晶を成長させる結晶製造方法において、
    反応容器中に、溶媒との臨界密度差が25%以上あり、かつ、反応容器と実質的に反応しない物質(X’)を存在させて、貴金属以外の内表面部分が物質(X’)に覆われるようにして、結晶成長することを特徴とする結晶製造方法。
  9. 内表面の一部が非貴金属よりなる反応容器中で、超臨界状態及び/又は亜臨界状態の溶媒並びに原料を使用して、結晶を成長させる結晶製造方法において、
    反応容器中にて、溶媒との臨界密度差が25%以上あり、かつ、反応容器と実質的に反応しない物質(X’)の量を調整することにより、成長する結晶内に含まれる反応容器由来の金属元素量を制御することを特徴とする結晶製造方法。
  10. 該反応容器中で、下記式(3)を満足する鉱化剤を更に用いて結晶を成長させることを特徴とする請求項又はに記載の結晶製造方法。
    Figure 0005023312
  11. 該反応容器の上部に非貴金属よりなる内表面を有しており、かつ、
    該物質(X’)の臨界密度が該溶媒の臨界密度より小さい
    ことを特徴とする請求項乃至10のいずれか1項に記載の結晶製造方法。
  12. 該反応容器の下部に非貴金属よりなる内表面を有しており、かつ、
    該物質(X’)の臨界密度が該溶媒の臨界密度より大きい
    ことを特徴とする請求項乃至10のいずれか1項に記載の結晶製造方法。
  13. 該反応容器が、その上部に非貴金属よりなる導管を有し、
    該物質(X’)の臨界密度が該溶媒の臨界密度より小さく、
    該物質(X’)が該導管と実質的に反応しない物質であり、かつ、
    該物質(X’)を該導管の容積の1倍以上存在させて結晶成長する
    ことを特徴とする請求項乃至10のいずれか1項に記載の結晶製造方法。
  14. 該反応容器が、その下部に非貴金属よりなる導管を有し、
    該物質(X’)の臨界密度が該溶媒の臨界密度より大きく、
    該物質(X’)が導管と実質的に反応しない物質であり、かつ
    該物質(X’)を導管の容積の1倍以上存在させて結晶成長する
    ことを特徴とする請求項乃至10のいずれか1項に記載の結晶製造方法。
  15. 該物質(X)又は該物質(X’)を該反応容器中に添加することを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の結晶製造方法。
  16. 該物質(X)又は該物質(X’)が水素、ヘリウム、窒素、塩素及び酸素からなる群から選ばれることを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1項に記載の結晶製造方法。
  17. 得られる結晶が単結晶であることを特徴とする請求項1乃至16のいずれか1項に記載の結晶製造方法。
  18. 得られる結晶が周期表第13族元素の窒化物、ZnO及び水晶のいずれかであることを特徴とする請求項1乃至17のいずれか1項に記載の結晶製造方法。
  19. 該溶媒が窒素含有溶媒であることを特徴とする請求項1乃至18のいずれか1項に記載の結晶製造方法。
  20. 該溶媒が水であることを特徴とする請求項1乃至18のいずれか1項に記載の結晶製造方法。
  21. 該溶媒が窒素含有溶媒であり、かつ、
    該物質(X)又は該物質(X’)が、水素及び/又はヘリウムであることを特徴とする請求項2、4、11又は13に記載の結晶製造方法。
  22. 該溶媒が窒素含有溶媒であり、かつ、
    該物質(X)又は該物質(X’)が、窒素及び/又は塩素であることを特徴とする請求項3、5、12又は14に記載の結晶製造方法。
  23. 該溶媒が水であり、かつ、
    該物質(X)又は該物質(X’)が、水素及び/又はヘリウムであることを特徴とする請求項2、4、11又は13に記載の結晶製造方法。
  24. 該溶媒が水であり、かつ、
    該物質(X)又は該物質(X’)が酸素であることを特徴とする請求項3、5、12又は14に記載の結晶製造方法。
  25. 該鉱化剤が酸性鉱化剤であることを特徴とする請求項又は10に記載の結晶製造方法。
  26. 該反応容器がオートクレーブであることを特徴とする請求項1乃至25に記載の結晶製造方法。
  27. 超臨界状態及び/又は亜臨界状態の溶媒を用いる結晶製造装置において、該溶媒と臨界密度の異なる物質を所定の割合で反応容器に添加するための計量機構を有する結晶製造装置。
  28. 反応容器がオートクレーブであることを特徴とする請求項27に記載の結晶製造装置。
  29. 反応容器中で、超臨界状態及び/又は亜臨界状態の溶媒、並びに原料を用いて結晶を成長させる結晶製造方法で製造した周期表第13族元素の窒化物からなる結晶であって、Crの含有量が9×1014cm-3以下であり、かつ、Feの含有量が9×1016cm-3以下であることを特徴とする周期表第13族元素の窒化物からなる結晶。
  30. Niの含有量が5×1016cm-3以下であることを特徴とする請求項29に記載の結晶。
  31. 該周期表第13族元素の窒化物が窒化ガリウムであることを特徴とする請求項29又は30に記載の結晶。
  32. 請求項31に記載の結晶を用いたデバイス。
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