JP5747810B2 - 窒化物結晶の製造方法および結晶製造装置 - Google Patents
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Description
アモノサーマル法に用いられる結晶製造装置としては、例えば特許文献1に開示されるように、反応容器を耐圧性容器内に配置した状態で、反応容器内で種結晶上に目的とする単結晶を析出させるものが知られている。
従来の内筒容器を使用したアモノサーマル法では、反応容器内外の圧力バランスを保つための調整は極めて難しく、実際に運用することが難しかった。また、結晶成長中には圧力バランスが取れていたとしても結晶の取り出しまでの過程で反応容器が破損してしまうと繰返し使用ができなかったり、反応容器が潰れた場合には成長した結晶にダメージが及んだり、結晶を取り出すことができないなどの問題もあった。
本発明者らの検討では、反応容器の外側の圧力が上昇しやすく、その結果、反応容器内外での圧力バランスが崩れやすくなるとの課題を見出した。特に、結晶成長終了後に耐圧性容器内を冷却する場合など温度が変化する過程においては、圧力バランスが崩れやすく、この調整をするのが困難であることが判明した。
[1]反応容器に原料とアンモニア溶媒を充填して密閉した後、バルブを有する耐圧性容器内に該反応容器を設置し、さらに該耐圧性容器と該反応容器の間の空隙に第二溶媒を充填して前記耐圧性容器を密閉した後、該反応容器中で超臨界および/または亜臨界アンモニア雰囲気において結晶成長を行う窒化物結晶の製造方法であって、
該バルブを介して、前記反応容器の外側と内側の圧力差が小さくなるように調整する圧力調整工程を含むことを特徴とする、窒化物結晶の製造方法。
[2]前記第二溶媒がアンモニア溶媒である、[1]に記載の窒化物結晶の製造方法。
[3]前記圧力調整工程において、前記バルブを介して前記反応容器の外側の圧力を下げる、[1]または[2]に記載の窒化物結晶製造方法。
[4]前記耐圧性容器の内壁が少なくともNi又はCrを含む金属からなる、[1]〜[3]のいずれか1項に記載の窒化物結晶の製造方法。
[5]前記反応容器が、Rh、Pd、Ag、Ir、Pt、Au、Ta、TiおよびWからなる群から選ばれる少なくとも1種類の金属、または該金属を主成分とする合金からなる、[1]〜[4]のいずれか1項に記載の窒化物結晶の製造方法。
[6]前記バルブが2つ以上であって、少なくとも2つのバルブが直列に設置されている、[1]〜[5]のいずれか1項に記載の窒化物結晶の製造方法。
[7]耐圧性容器内の温度低下時に、下記(1)〜(4)の操作を繰り返して行う、[6]に記載の窒化物結晶の製造方法。
(1)耐圧性容器に遠い位置に設置されている第二バルブを閉じたまま、耐圧性容器
に近い位置に設置されている第一バルブを開くことにより、第一バルブと第二
バルブの間に耐圧性容器内のガスを導入し
(2)次いで、第一バルブを閉じ、
(3)さらに、第二バルブを開いて、第一バルブと第二バルブの間に充填されたガス
を第二バルブを通して排出し、
(4)第二バルブを閉じる。
[8]耐圧性容器内の温度上昇時に、下記(A)〜(D)の操作を繰り返して行う、[6]に記載の窒化物結晶の製造方法。
(A)耐圧性容器に近い位置に設置されている第一バルブを閉じたまま、耐圧性容器
に遠い位置に設置されている第二バルブを開くことにより、第一バルブと第二
バルブの間に高圧の第二溶媒を導入し
(B)次いで、第二バルブを閉じ、
(C)さらに、第一バルブを開いて、第一バルブと第二バルブの間に充填された第二
溶媒を第二バルブを通して耐圧性容器内に導入し、
(D)第一バルブを閉じる。
[9]耐圧性容器内の温度と圧力をモニタリングしながら、前記反応容器の外側と内側の圧力差が小さくなるようにするように調整する、[1]〜[8]のいずれか1項に記載の窒化物結晶の製造方法。
[10]前記圧力調整工程を結晶成長終了後に行う、[1]〜[9]のいずれか1項に記載の窒化物結晶の製造方法。
[11]反応容器内のアンモニウム溶媒が超臨界および/または亜臨界の状態で、前記圧力調整工程を行う、[1]〜[10]のいずれか1項に記載の窒化物結晶の製造方法。
[12]前記反応容器内の圧力が結晶成長時の圧力よりも50MPa以上低下したした後に、前記圧力調整工程を行う、[1]〜[11]のいずれか1項に記載の窒化物結晶の製造方法。
[13]バルブを2つ以上有し、前記バルブの少なくとも2つのバルブが直列に設置されている耐圧性容器を有する窒化物結晶の結晶製造装置。
また、本発明の窒化物結晶は均一で高品質であるために、発光デバイスや電子デバイス用の半導体結晶等として有用である。
結晶成長では結晶成長の核として種結晶を用いることが好ましい。種結晶としては、特に限定されないが、成長させる結晶と同種のものが好ましく用いられる。前記種結晶の具体例としては、例えば窒化ガリウム(GaN)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化インジウム(InN)またはこれらの混晶等の窒化物単結晶が挙げられる。
前記種結晶は、成長させる結晶との格子整合性などを考慮して決定することができる。例えば、種結晶としては、サファイア等の異種基板上にエピタキシャル成長させた後に剥離させて得た単結晶、Gaなどの金属からNaやLi、Biをフラックスとして結晶成長させて得た単結晶、液相エピタキシ法(LPE法)を用いて得たホモ/ヘテロエピタキシャル成長させた単結晶、溶液成長法に基づき作製された単結晶及びそれらを切断した結晶などを用いることができる。前記エピタキシャル成長の具体的な方法については特に制限されず、例えば、ハイドライド気相成長法(HVPE)法、有機金属化学気相堆積法(MOCVD法)、液相法、アモノサーマル法などを採用することができる。
用いる鉱化剤は、塩基性鉱化剤であっても、酸性鉱化剤であってもよい。塩基性鉱化剤としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属と窒素原子を含む化合物で、アルカリ土類金属アミド、希土類アミド、窒化アルカリ金属、窒化アルカリ土類金属、アジド化合物、その他ヒドラジン類の塩が挙げられる。好ましくは、アルカリ金属アミドで、具体例としてはナトリウムアミド(NaNH2)、カリウムアミド(KNH2)、リチウムアミド(LiNH2)が挙げられる。また、酸性鉱化剤としては、ハロゲン元素を含む化合物が好ましい。ハロゲン元素を含む鉱化剤の例としては、ハロゲン化アンモニウム、ハロゲン化水素、アンモニウムヘキサハロシリケート、及びヒドロカルビルアンモニウムフルオリドや、ハロゲン化テトラメチルアンモニウム、ハロゲン化テトラエチルアンモニウム、ハロゲン化ベンジルトリメチルアンモニウム、ハロゲン化ジプロピルアンモニウム、及びハロゲン化イソプロピルアンモニウムなどのアルキルアンモニウム塩、フッ化アルキルナトリウムのようなハロゲン化アルキル金属、ハロゲン化アルカリ土類金属、ハロゲン化金属等が例示される。このうち、好ましくはハロゲン元素を含む添加物(鉱化剤)であるハロゲン化アルカリ、アルカリ土類金属のハロゲン化物、金属のハロゲン化物、ハロゲン化アンモニウム、ハロゲン化水素であり、さらに好ましくはハロゲン化アルカリ、ハロゲン化アンモニウム、周期表13族金属のハロゲン化物、ハロゲン化水素であり、特に好ましくはハロゲン化アンモニウム、ハロゲン化ガリウム、ハロゲン化水素である。ハロゲン化アンモニウムとしては、例えば塩化アンモニウム(NH4Cl)、ヨウ化アンモニウム(NH4I)、臭化アンモニウム(NH4Br)、フッ化アンモニウム(NH4F)である。
前記鉱化剤に含まれるハロゲン元素の組み合わせは、塩素とフッ素、臭素とフッ素、ヨウ素とフッ素といった2元素の組み合わせであってもよいし、塩素と臭素とフッ素、塩素とヨウ素とフッ素、臭素とヨウ素とフッ素といった3元素の組み合わせであってもよいし、塩素と臭素とヨウ素とフッ素といった4元素の組み合わせであってもよい。本発明で用いる鉱化剤に含まれるハロゲン元素の組み合わせと濃度比(モル濃度比)は、成長させようとしている窒化物結晶の種類や形状やサイズ、種結晶の種類や形状やサイズ、使用する反応装置、採用する温度条件や圧力条件などにより、適宜決定することができる。
前記鉱化剤に含まれる水や酸素の量はできるだけ少ないことが望ましく、これらの含有量は1000ppm以下であることが好ましく、10ppm以下であることがより好ましく、1.0ppm以下であることがさらに好ましい。
なお、前記結晶成長を行う際には、反応容器にハロゲン化アルミニウム、ハロゲン化リン、ハロゲン化シリコン、ハロゲン化ゲルマニウム、ハロゲン化亜鉛、ハロゲン化ヒ素、ハロゲン化スズ、ハロゲン化アンチモン、ハロゲン化ビスマスなどを存在させておいてもよい。
超臨界状態にする場合、反応混合物は、一般に溶媒の臨界点よりも高い温度に保持する。アンモニア溶媒を用いた場合、臨界点は臨界温度132℃、臨界圧力11.35MPaであるが、反応容器の容積に対する充填率が高ければ、臨界温度以下の温度でも圧力は臨界圧力を遥かに越える。本発明において「超臨界状態」とは、このような臨界圧力を越えた状態を含む。反応混合物は、一定の容積の反応容器内に封入されているので、温度上昇は流体の圧力を増大させる。一般に、T>Tc(1つの溶媒の臨界温度)及びP>Pc(1つの溶媒の臨界圧力)であれば、流体は超臨界状態にある。
なお、前記の「反応温度」は、反応容器の外面に接するように設けられた熱電対、及び/又は外表面から一定の深さの穴に差し込まれた熱電対によって測定され、反応容器の内部温度へ換算して推定することができる。これら熱電対で測定された温度の平均値をもって平均温度とする。通常は、原料溶解領域の温度と結晶成長領域の温度の平均値を平均温度とする。
反応容器はアンモニア溶媒や鉱化剤などに対する耐腐食性に優れた材料からなることが必要であり、Rh、Pd、Ag、Ir、Pt、Au、Ta、TiおよびWからなる群から選ばれる少なくとも1種類の金属、または該金属を主成分とする合金からなることが好ましい。ここでいう該金属を主成分とする合金とは、合金におけるRh、Pd、Ag、Ir、Pt、Au、Ta、TiおよびWの合計含有量が合金の全重量の50%以上であることを意味し、好ましくは60%以上であり、より好ましくは70%以上である。反応容器は、上記金属群のうち、少なくともIr,PtまたはTaを含むことが好ましく、少なくともIrまたはPtを含むことがより好ましい。
第二溶媒を排出して圧力を下げる操作は、反応容器内の圧力に比べて反応容器と耐圧性容器の間の空隙の圧力が高いときに行う。例えば、窒化物結晶の成長が終わって耐圧性容器内の温度が低下する際にこのような状態が生じやすい。あるいは、窒化物結晶の成長中において反応速度を制御するために耐圧性容器内の温度を低下させる際にも、このような状態が生じることがある。第二溶媒を排出して圧力を下げる操作は、耐圧性容器内の温度と圧力をモニタリングしながら、バルブを開くタイミングを調整することにより行うことが好ましい。直列に配置された2つのバルブを用いて調整する場合は、下記(1)〜(4)の操作を繰り返して行うことが好ましい。単位時間内に(1)〜(4)を繰り返す回数を調整することによって、圧力降下の速度を調整することが可能である。圧力降下の速度を速くしたい場合は、単位時間内に(1)〜(4)を繰り返す回数を多くし、圧力降下の速度を遅くしたい場合は、単位時間内に(1)〜(4)を繰り返す回数を減らすように調整する。
(1)耐圧性容器に遠い位置に設置されている第二バルブを閉じたまま、耐圧性容器
に近い位置に設置されている第一バルブを開くことにより、第一バルブと第二
バルブの間に耐圧性容器内のガスを導入し
(2)次いで、第一バルブを閉じ、
(3)さらに、第二バルブを開いて、第一バルブと第二バルブの間に充填されたガス
を第二バルブを通して排出し、
(4)第二バルブを閉じる。
(A)耐圧性容器に近い位置に設置されている第一バルブを閉じたまま、耐圧性容器
に遠い位置に設置されている第二バルブを開くことにより、第一バルブと第二
バルブの間に高圧の第二溶媒を導入し
(B)次いで、第二バルブを閉じ、
(C)さらに、第一バルブを開いて、第一バルブと第二バルブの間に充填された第二
溶媒を第二バルブを通して耐圧性容器内に導入し、
(D)第一バルブを閉じる。
ここで、反応容器の外側と内側の圧力差を小さくする操作は、2つの圧力が略同一になるように調整する操作であることが好ましく、2つの圧力が全く同一になるように調整する操作であることがもっとも好ましいが、本発明の効果を十分に発揮できればよい。
図1に示す結晶製造装置を用いてアモノサーマル法にてGaN結晶の製造を行った。ここでは、内寸が直径30mm、長さが450mmのRENE41製オートレーブ1を耐圧性容器として使用し、内寸が直径25mm、長さが300mm、壁面厚が0.5mmのPt−Ir合金製の筒状容器を内筒2として使用した。内筒2をオートクレーブ1内に挿入してオートクレーブ蓋3をした状態で、オートクレーブ1と内筒2との間には第二溶媒を充填することができる空隙(オートクレーブ内容積−内筒容積)が約70cm3存在していた。
十分に乾燥した窒素雰囲気グローブボックス内にて多結晶GaN粒子を、内筒の下部領域(原料溶解領域)内に原料5として設置した。さらに下部の原料溶解領域と上部の結晶成長領域の間に白金製のバッフル板6(開口率20%)を設置した。種結晶4としてHVPE法により成長した六方晶系GaN単結晶(10mmx5mmx0.3mm)4枚とHVPE法によって自発核生成した粒子状結晶(約5mm×5mm×5mm)2個を用いた。これら種結晶4を直径0.2mmの白金ワイヤーにより白金製種子結晶支持枠に吊るし、内筒上部の結晶成長領域に設置した。真空ポンプを用いて内筒内を真空脱気して、内筒内を窒素ガスにて5回パージした後、鉱化剤としてHClガスをアンモニアに対する濃度が3mol%になるように液体窒素温度にて充填した。次にNH3を内筒の有効容積の約58%に相当する液体として充填(−33℃のNH3密度で換算)した後、内筒を密封した。
続いてオートクレーブ1を上下に2分割されたヒーター11,12で構成された電気炉内に収納した。熱電対16で測定したオートクレーブ外表面の結晶成長領域の温度が595℃、熱電対17で測定した原料溶解領域の温度が625℃(温度差30℃:平均温度610℃)になるように9時間かけて昇温し、設定温度に達した後、その温度にて4日間保持した。オートクレーブ内の圧力は236MPaであった。
オートクレーブには二個のバルブが設置されており、これらのバルブは直列に接続され、オートクレーブに近い側から第一バルブ9a、第二バルブ9bとする。第一バルブと第二バルブを閉じたときの第一バルブと第二バルブの間の閉鎖空間の容積は約0.2cm3である。結晶成長時には閉じていた両バルブのうち、まず第一バルブ9aを開いた。このとき圧力センサー8の読みにより圧力の低下量を確認した。次に、第一バルブ9aを閉じてから第二バルブ9bを開き、第一バルブ9aと第二バルブ9bの間に充填されたガスを、オートクレーブ外へ放出した。完全にガスを放出した後に第二バルブ9bを閉じた。本操作を複数回繰り返し、ガスを抜いた。ガスが放出されていることは25℃の水を入れたバブラー(図示せず)により確認された。オートクレーブ内に充填されていたアンモニアガスは水の中に速やかに溶解するが、アンモニアが分解されることにより生成する窒素および水素は、溶解せずにバブルが観察される。よって、ガス抜きにより放出されたガスの少なくとも一部は、窒素および/または水素であることが確認された。
内筒外のアンモニア以外のガス成分の放出がほぼ完了すると、バブラーで発生していたバブルは微少になり、アンモニアが主成分になったことが確認できた。ここでガス抜き作業を終了した。その後室温まで自然冷却した。
表1に実施例、比較例の結晶成長およびガス抜き条件を示した。
表1に記載されるように条件を変更したこと以外は、実施例1と同様にして結晶成長およびガス抜きを行った。
残存圧は2MPa以下であった。残存しているオートクレーブ内のアンモニアを、バルブを開けて放出した後に、オートクレーブの蓋を開けて内筒を取り出した。その結果、内筒の変形は、内筒の下半分(原料域)にわずかに見られたが、再利用に問題のない程度であった。内筒の変形率としては、結晶成長前の内筒の体積よりも0.7%収縮していた。
表1に記載されるように条件を変更したこと以外は、実施例1と同様にして結晶成長およびガス抜きを行った。
残存圧は2MPa以下であった。残存しているオートクレーブ内のアンモニアを、バルブを開けて放出した後に、オートクレーブの蓋を開けて内筒を取り出した。その結果、内筒の変形は、内筒の下半分(原料域)にわずかに見られたが、再利用に問題のない程度であった。内筒の変形率としては、結晶成長前の内筒の体積よりも0.4%収縮していた。
表1に記載されるように条件を変更したこと以外は、実施例1と同様にして結晶成長した。その後、自然冷却により室温まで冷却した。
このときの残存圧力は9MPaであった。オートクレーブ内(内筒の外側)のアンモニアおよびアンモニアが分解されて生じたガスを、バルブを開けてオートクレーブ外へ放出した後、オートクレーブを開けて内筒を取り出した。
その結果、内筒は育成域、原料域全体にわたり潰れており、内筒の体積の変形率は3%の収縮であった。
オートクレーブ内にNH3をオートクレーブの内の有効容積の約58%に相当する液体として充填(−33℃のNH3密度で換算)し、内筒を用いずにアンモニアの熱分解による残存圧力の確認を行った。表1に示した温度、圧力で24時間維持した後、自然冷却により室温まで冷却した。
その結果、残存圧力が14.5MPaあることが確認された。オートクレーブ内(内筒の外側)の残存圧を抜くためにバブラーを通してガスを放出したところ、水に溶解しないガス成分が大量にバブルを発生させたことから、オートクレーブ内のガスはアンモニアが熱分解されて生成した窒素および水素であることが類推された。
2 内筒
3 オートクレーブ蓋
4 種結晶
5 原料
6 バッフル板
8 圧力センサー
9a 第一バルブ
9b 第二バルブ
10 保温材
11 成長域(結晶成長領域)ヒーター
12 原料域(原料溶解領域)ヒーター
13 導管
14 排気管
15 マスフローメーター
16 熱電対1
17 熱電対2
18 破裂板
Claims (12)
- 反応容器に原料とアンモニア溶媒を充填して密閉した後、バルブを有する耐圧性容器内に該反応容器を設置し、さらに該耐圧性容器と該反応容器の間の空隙に第二溶媒を充填して前記耐圧性容器を密閉した後、該反応容器中で超臨界および/または亜臨界アンモニア雰囲気において結晶成長を行う窒化物結晶の製造方法であって、
前記バルブを介して、前記反応容器内の前記アンモニア溶媒が超臨界および/または亜臨界の状態である間に、前記反応容器の外側と内側の圧力差が小さくなるように調整する圧力調整工程を含むことを特徴とする、窒化物結晶の製造方法。 - 前記第二溶媒がアンモニア溶媒である、請求項1に記載の窒化物結晶の製造方法。
- 前記圧力調整工程において、前記バルブを介して前記反応容器の外側の圧力を下げる、請求項1または2に記載の窒化物結晶製造方法。
- 前記耐圧性容器の内壁が少なくともNi又はCrを含む金属からなる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の窒化物結晶の製造方法。
- 前記反応容器が、Rh、Pd、Ag、Ir、Pt、Au、Ta、TiおよびWからなる群から選ばれる少なくとも1種類の金属、または該金属を主成分とする合金からなる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の窒化物結晶の製造方法。
- 前記バルブが2つ以上であって、少なくとも2つのバルブが直列に設置されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の窒化物結晶の製造方法。
- 耐圧性容器内の温度低下時に、下記(1)〜(4)の操作を繰り返して行う、請求項6に記載の窒化物結晶の製造方法。
(1)耐圧性容器に遠い位置に設置されている第二バルブを閉じたまま、耐圧性容器
に近い位置に設置されている第一バルブを開くことにより、第一バルブと第二
バルブの間に耐圧性容器内のガスを導入し
(2)次いで、第一バルブを閉じ、
(3)さらに、第二バルブを開いて、第一バルブと第二バルブの間に充填されたガス
を第二バルブを通して排出し、
(4)第二バルブを閉じる。 - 耐圧性容器内の温度上昇時に、下記(A)〜(D)の操作を繰り返して行う、請求項6に記載の窒化物結晶の製造方法。
(A)耐圧性容器に近い位置に設置されている第一バルブを閉じたまま、耐圧性容器
に遠い位置に設置されている第二バルブを開くことにより、第一バルブと第二
バルブの間に高圧の第二溶媒を導入し
(B)次いで、第二バルブを閉じ、
(C)さらに、第一バルブを開いて、第一バルブと第二バルブの間に充填された第二
溶媒を第二バルブを通して耐圧性容器内に導入し、
(D)第一バルブを閉じる。 - 耐圧性容器内の温度と圧力をモニタリングしながら、前記反応容器の外側と内側の圧力差が小さくなるように調整する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の窒化物結晶の製造方法。
- 前記圧力調整工程を結晶成長終了後に行う、請求項1〜9のいずれか1項に記載の窒化物結晶の製造方法。
- 反応容器内のアンモニウム溶媒が超臨界および/または亜臨界の状態で、前記圧力調整工程を行う、請求項1〜10のいずれか1項に記載の窒化物結晶の製造方法。
- 前記反応容器内の圧力が結晶成長時の圧力よりも50MPa以上低下した後に、前記圧力調整工程を行う、請求項1〜11のいずれか1項に記載の窒化物結晶の製造方法。
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