JP5021591B2 - 自動二輪車のブレーキ液圧制御装置および車両のブレーキ液圧制御装置 - Google Patents

自動二輪車のブレーキ液圧制御装置および車両のブレーキ液圧制御装置 Download PDF

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本発明は、自動二輪車のブレーキ液圧制御装置および車両のブレーキ液圧制御装置に関するものである。
車両のブレーキ液圧制御装置の一形式としては、特許文献1に示されているものがある。車両のブレーキ液圧制御装置においては、ABS制御中に渡って液圧ポンプを駆動させておいて、減圧制御中は増圧弁を閉じ減圧弁を開くとともに、増圧制御中は減圧弁を閉じるとともに所望の増圧レートとなるように増圧弁を調整して、マスタシリンダ圧とホイールシリンダ圧との間の差圧を調整し、これによってホイールシリンダ圧を可変して制動力を制御している。具体的には、ABS制御中におけるマスタシリンダ圧(M/C圧)とホイールシリンダ圧(W/C圧)の差圧を適切に推定し、その差圧推定値となるように増圧制御中の増圧弁を調整している。差圧推定値は、車輪のロックが発生するホイールシリンダ圧(Pg)を考慮してホイールシリンダ圧推定初期値(Pw0)とホイールシリンダ圧推定値(Pw)との差から取得するようになっている。また、ABS制御中では、そのABS制御が開始されると、ABS制御が終了されるまで、ポンプが駆動されている。
特開2007−91051号公報
しかしながら、上述したABS制御の減圧制御中においては、増圧弁を閉じ減圧弁を開くとともにポンプを駆動させるため、マスタシリンダ圧がポンプの加圧分上昇する。逆に増圧制御中においては、ポンプを駆動しているが減圧弁を閉じ増圧弁を調整するため、マスタシリンダ圧が減少する。このように、ABS制御中においてマスタシリンダ圧が変動する。上述した車両の制御方法では、ABS制御中に渡ってマスタシリンダ圧推定値がほぼ一定であることを前提にして、差圧推定値を算出しているので、マスタシリンダ圧が変動する場合には、前述した車両の制御方法をそのまま適用しても差圧推定値を正確に算出することができないという問題があった。ひいては、適切なホイールシリンダ圧を付与できないで、適切に制動力を得ることができないという問題があった。
また、上述した車両のブレーキ液圧制御装置の制御方法を、車両と同様な構成の液圧ブレーキ装置に適用される自動二輪車のブレーキ液圧制御装置に適用することは可能である。しかし、自動二輪車の場合は、車両用と比べて、独立した2つ液圧回路にそれぞれ1つのマスタシリンダが設けられており、さらに各液圧回路の容積(ブレーキ液量)が少ないので、ABS制御中においてマスタシリンダ圧が大きく変動する。前述した車両の制御方法では、ABS制御中に渡ってマスタシリンダ圧推定値がほぼ一定であることを前提にして、差圧推定値を算出しているので、自動二輪車のようにマスタシリンダ圧が大きく変動する場合には、前述した車両の制御方法をそのまま適用しても差圧推定値を正確に算出することができないという問題があった。ひいては、適切なホイールシリンダ圧を付与できないで、適切に制動力を得ることができないという問題があった。
本発明は、上述した問題を解消するためになされたもので、自動二輪車のブレーキ液圧制御装置および車両のブレーキ液圧制御装置において、マスタシリンダ圧の変動に応じて差圧推定値を適切に補正して正確に算出し、適切にホイールシリンダ圧を付与して適切な制動力を得ることを目的とする。
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明の構成上の特徴は、運転者による前輪ブレーキ操作部材の操作に応じたブレーキ液圧であるマスタシリンダ圧を発生する前輪マスタシリンダと前輪ホイールシリンダとの間の前輪液圧回路に介装された前輪増圧弁と、前輪ホイールシリンダと前輪リザーバとの間の前輪液圧回路に介装された前輪減圧弁と、前輪リザーバから汲み上げたブレーキ液を前輪マスタシリンダと前輪増圧弁との間の前輪液圧回路に吐出する前輪液圧ポンプと、運転者による後輪ブレーキ操作部材の操作に応じたブレーキ液圧であるマスタシリンダ圧を発生する後輪マスタシリンダと後輪ホイールシリンダとの間の、前輪液圧回路とは独立した後輪液圧回路に介装された後輪増圧弁と、後輪ホイールシリンダと後輪リザーバとの間の後輪液圧回路に介装された後輪減圧弁と、後輪リザーバから汲み上げたブレーキ液を後輪マスタシリンダと後輪増圧弁との間の後輪液圧回路に吐出する後輪液圧ポンプと、を備えたブレーキアクチュエータに適用され、各増圧弁を閉状態に維持したまま各減圧弁を制御することで前記各ホイールシリンダ内のブレーキ液圧であるホイールシリンダ圧を減少せしめる減圧制御が実行された後に、各減圧弁を閉状態に維持したまま各増圧弁を制御することで各ホイールシリンダ圧を増大せしめる増圧制御をこの順番で繰り返し実行可能なABS制御を実行するABS制御手段と、を備えた自動二輪車のブレーキ液圧制御装置であって、ABS制御手段は、1回目のABS制御の開始時点でのホイールシリンダ圧の推定値であるホイールシリンダ圧推定初期値を利用してABS制御中に亘って変化するホイールシリンダ圧の推定値を取得するホイールシリンダ圧推定値取得手段と、ホイールシリンダ圧推定初期値を利用してマスタシリンダ圧の推定値を取得するマスタシリンダ圧推定値取得手段と、ABS制御中のブレーキ液の流動によるマスタシリンダ圧の変動に応じた値である反力補正量を取得する反力補正量取得手段と、マスタシリンダ圧推定値とホイールシリンダ圧推定値との差に反力補正量を加算してマスタシリンダ圧とホイールシリンダ圧との差圧の推定値を取得する差圧推定値取得手段と、差圧推定値に基づいて各増圧弁を制御する増圧弁制御手段と、を備え、反力補正量取得手段は、各増圧制御中において、各リザーバ内のブレーキ液の残量が各液圧ポンプの吐出流量以上である場合には、各ホイールシリンダへのブレーキ液の流入流量と液圧ポンプの吐出流量とから算出するマスタシリンダのブレーキ液量の推定値であるマスタシリンダ液量推定値に応じて反力補正量を算出して取得することである。
請求項2に係る発明の構成上の特徴は、運転者による前輪ブレーキ操作部材の操作に応じたブレーキ液圧であるマスタシリンダ圧を発生する前輪マスタシリンダと前輪ホイールシリンダとの間の前輪液圧回路に介装された前輪増圧弁と、前輪ホイールシリンダと前輪リザーバとの間の前輪液圧回路に介装された前輪減圧弁と、前輪リザーバから汲み上げたブレーキ液を前輪マスタシリンダと前輪増圧弁との間の前輪液圧回路に吐出する前輪液圧ポンプと、運転者による後輪ブレーキ操作部材の操作に応じたブレーキ液圧であるマスタシリンダ圧を発生する後輪マスタシリンダと後輪ホイールシリンダとの間の、前輪液圧回路とは独立した後輪液圧回路に介装された後輪増圧弁と、後輪ホイールシリンダと後輪リザーバとの間の後輪液圧回路に介装された後輪減圧弁と、後輪リザーバから汲み上げたブレーキ液を後輪マスタシリンダと後輪増圧弁との間の後輪液圧回路に吐出する後輪液圧ポンプと、を備えたブレーキアクチュエータに適用され、各増圧弁を閉状態に維持したまま各減圧弁を制御することで前記各ホイールシリンダ内のブレーキ液圧であるホイールシリンダ圧を減少せしめる減圧制御が実行された後に、各減圧弁を閉状態に維持したまま各増圧弁を制御することで各ホイールシリンダ圧を増大せしめる増圧制御をこの順番で繰り返し実行可能なABS制御を実行するABS制御手段と、を備えた自動二輪車のブレーキ液圧制御装置であって、ABS制御手段は、1回目のABS制御の開始時点でのホイールシリンダ圧の推定値であるホイールシリンダ圧推定初期値を利用してABS制御中に亘って変化するホイールシリンダ圧の推定値を取得するホイールシリンダ圧推定値取得手段と、ホイールシリンダ圧推定初期値を利用してマスタシリンダ圧の推定値を取得するマスタシリンダ圧推定値取得手段と、ABS制御中のブレーキ液の流動によるマスタシリンダ圧の変動に応じた値である反力補正量を取得する反力補正量取得手段と、マスタシリンダ圧推定値とホイールシリンダ圧推定値との差に反力補正量を加算してマスタシリンダ圧とホイールシリンダ圧との差圧の推定値を取得する差圧推定値取得手段と、差圧推定値に基づいて各増圧弁を制御する増圧弁制御手段と、を備え、反力補正量取得手段は、各増圧制御中において、各リザーバ内のブレーキ液の残量が各液圧ポンプの吐出流量より小さい場合には、各リザーバ内のブレーキ液の残量と各ホイールシリンダへのブレーキ液の流入流量とから算出するマスタシリンダのブレーキ液量の推定値であるマスタシリンダ液量推定値に応じて反力補正量を算出して取得することである。
請求項3に係る発明の構成上の特徴は、運転者による前輪ブレーキ操作部材の操作に応じたブレーキ液圧であるマスタシリンダ圧を発生する前輪マスタシリンダと前輪ホイールシリンダとの間の前輪液圧回路に介装された前輪増圧弁と、前輪ホイールシリンダと前輪リザーバとの間の前輪液圧回路に介装された前輪減圧弁と、前輪リザーバから汲み上げたブレーキ液を前輪マスタシリンダと前輪増圧弁との間の前輪液圧回路に吐出する前輪液圧ポンプと、運転者による後輪ブレーキ操作部材の操作に応じたブレーキ液圧であるマスタシリンダ圧を発生する後輪マスタシリンダと後輪ホイールシリンダとの間の、前輪液圧回路とは独立した後輪液圧回路に介装された後輪増圧弁と、後輪ホイールシリンダと後輪リザーバとの間の後輪液圧回路に介装された後輪減圧弁と、後輪リザーバから汲み上げたブレーキ液を後輪マスタシリンダと後輪増圧弁との間の後輪液圧回路に吐出する後輪液圧ポンプと、を備えたブレーキアクチュエータに適用され、各増圧弁を閉状態に維持したまま各減圧弁を制御することで前記各ホイールシリンダ内のブレーキ液圧であるホイールシリンダ圧を減少せしめる減圧制御が実行された後に、各減圧弁を閉状態に維持したまま各増圧弁を制御することで各ホイールシリンダ圧を増大せしめる増圧制御をこの順番で繰り返し実行可能なABS制御を実行するABS制御手段と、を備えた自動二輪車のブレーキ液圧制御装置であって、ABS制御手段は、1回目のABS制御の開始時点でのホイールシリンダ圧の推定値であるホイールシリンダ圧推定初期値を利用してABS制御中に亘って変化するホイールシリンダ圧の推定値を取得するホイールシリンダ圧推定値取得手段と、ホイールシリンダ圧推定初期値を利用してマスタシリンダ圧の推定値を取得するマスタシリンダ圧推定値取得手段と、ABS制御中のブレーキ液の流動によるマスタシリンダ圧の変動に応じた値である反力補正量を取得する反力補正量取得手段と、マスタシリンダ圧推定値とホイールシリンダ圧推定値との差に反力補正量を加算してマスタシリンダ圧とホイールシリンダ圧との差圧の推定値を取得する差圧推定値取得手段と、差圧推定値に基づいて各増圧弁を制御する増圧弁制御手段と、を備え、反力補正量取得手段は、各減圧制御中において、各リザーバ内のブレーキ液の残量と各ホイールシリンダからのブレーキ液の流出流量との和が各液圧ポンプの吐出流量以上である場合には、液圧ポンプの吐出流量から算出するマスタシリンダのブレーキ液量の推定値であるマスタシリンダ液量推定値に応じて反力補正量を算出して取得することである。
請求項4に係る発明の構成上の特徴は、運転者による前輪ブレーキ操作部材の操作に応じたブレーキ液圧であるマスタシリンダ圧を発生する前輪マスタシリンダと前輪ホイールシリンダとの間の前輪液圧回路に介装された前輪増圧弁と、前輪ホイールシリンダと前輪リザーバとの間の前輪液圧回路に介装された前輪減圧弁と、前輪リザーバから汲み上げたブレーキ液を前輪マスタシリンダと前輪増圧弁との間の前輪液圧回路に吐出する前輪液圧ポンプと、運転者による後輪ブレーキ操作部材の操作に応じたブレーキ液圧であるマスタシリンダ圧を発生する後輪マスタシリンダと後輪ホイールシリンダとの間の、前輪液圧回路とは独立した後輪液圧回路に介装された後輪増圧弁と、後輪ホイールシリンダと後輪リザーバとの間の後輪液圧回路に介装された後輪減圧弁と、後輪リザーバから汲み上げたブレーキ液を後輪マスタシリンダと後輪増圧弁との間の後輪液圧回路に吐出する後輪液圧ポンプと、を備えたブレーキアクチュエータに適用され、各増圧弁を閉状態に維持したまま各減圧弁を制御することで前記各ホイールシリンダ内のブレーキ液圧であるホイールシリンダ圧を減少せしめる減圧制御が実行された後に、各減圧弁を閉状態に維持したまま各増圧弁を制御することで各ホイールシリンダ圧を増大せしめる増圧制御をこの順番で繰り返し実行可能なABS制御を実行するABS制御手段と、を備えた自動二輪車のブレーキ液圧制御装置であって、ABS制御手段は、1回目のABS制御の開始時点でのホイールシリンダ圧の推定値であるホイールシリンダ圧推定初期値を利用してABS制御中に亘って変化するホイールシリンダ圧の推定値を取得するホイールシリンダ圧推定値取得手段と、ホイールシリンダ圧推定初期値を利用してマスタシリンダ圧の推定値を取得するマスタシリンダ圧推定値取得手段と、ABS制御中のブレーキ液の流動によるマスタシリンダ圧の変動に応じた値である反力補正量を取得する反力補正量取得手段と、マスタシリンダ圧推定値とホイールシリンダ圧推定値との差に反力補正量を加算してマスタシリンダ圧とホイールシリンダ圧との差圧の推定値を取得する差圧推定値取得手段と、差圧推定値に基づいて各増圧弁を制御する増圧弁制御手段と、を備え、反力補正量取得手段は、各減圧制御中において、各リザーバ内のブレーキ液の残量と各ホイールシリンダからのブレーキ液の流出流量との和が各液圧ポンプの吐出流量より小さい場合には、各リザーバ内のブレーキ液の残量と各ホイールシリンダからのブレーキ液の流出流量とから算出するマスタシリンダのブレーキ液量の推定値であるマスタシリンダ液量推定値に応じて反力補正量を算出して取得することである。
請求項5に係る発明の構成上の特徴は、請求項1乃至請求項4の何れか一項において、反力補正量取得手段は、マスタシリンダ液量推定値に反力補正係数を乗じて反力補正量を算出することである。
請求項6に係る発明の構成上の特徴は、請求項5において、反力補正係数は、ABS制御の開始時点のマスタシリンダ圧推定値が大きいほど大きい値に設定されることである。
請求項7に係る発明の構成上の特徴は、請求項5において、反力補正係数は、ブレーキ操作部材が足で操作されるブレーキペダルである場合に比べて、ブレーキ操作部材が手で操作されるブレーキレバーである場合のほうが小さめに設定されることである。
請求項8に係る発明の構成上の特徴は、請求項5において、反力補正係数は、前後輪同時にABS制御が行われる場合に比べて、前後輪のいずれか一輪に単独にABS制御が行われる場合のほうが大きめに設定されることである。
請求項9に係る発明の構成上の特徴は、請求項1乃至請求項8の何れか一項において、各ブレーキ操作部材が操作増しされた場合、差圧推定値取得手段は、差圧推定値を所定値だけ大きめに設定し、所定値は、操作増し後であって最初の減圧制御の開始時点で取得された反力補正量に設定されることである。
請求項10に係る発明の構成上の特徴は、運転者によるブレーキ操作部材の操作に応じたブレーキ液圧であるマスタシリンダ圧を発生するマスタシリンダとホイールシリンダとの間の液圧回路に介装された増圧弁と、ホイールシリンダとリザーバとの間の液圧回路に介装された減圧弁と、リザーバから汲み上げたブレーキ液をマスタシリンダと増圧弁との間の液圧回路に吐出する液圧ポンプと、を備えたブレーキアクチュエータに適用され、増圧弁を閉状態に維持したまま減圧弁を制御することでホイールシリンダ内のブレーキ液圧であるホイールシリンダ圧を減少せしめる減圧制御が実行された後に、減圧弁を閉状態に維持したまま増圧弁を制御することでホイールシリンダ圧を増大せしめる増圧制御をこの順番で繰り返し実行可能なABS制御を実行するABS制御手段と、を備えた車両のブレーキ液圧制御装置であって、ABS制御手段は、ABS制御の開始時点でのホイールシリンダ圧の推定値であるホイールシリンダ圧推定初期値を利用してABS制御中に亘って変化するホイールシリンダ圧の推定値を取得するホイールシリンダ圧推定値取得手段と、ホイールシリンダ圧推定初期値を利用してマスタシリンダ圧の推定値を取得するマスタシリンダ圧推定値取得手段と、ABS制御中のブレーキ液の流動によるマスタシリンダ圧の変動に応じた値である反力補正量を取得する反力補正量取得手段と、マスタシリンダ圧推定値とホイールシリンダ圧推定値との差に反力補正量を加算してマスタシリンダ圧とホイールシリンダ圧との差圧の推定値を取得する差圧推定値取得手段と、差圧推定値に基づいて増圧弁を制御する増圧弁制御手段と、を備え、反力補正量取得手段は、増圧制御中において、リザーバ内のブレーキ液の残量が液圧ポンプの吐出流量以上である場合には、ホイールシリンダへのブレーキ液の流入流量と液圧ポンプの吐出流量とから算出するマスタシリンダのブレーキ液量の推定値であるマスタシリンダ液量推定値に応じて反力補正量を算出して取得し、一方、リザーバ内のブレーキ液の残量が液圧ポンプの吐出流量より小さい場合には、リザーバ内のブレーキ液の残量とホイールシリンダへのブレーキ液の流入流量とから算出するマスタシリンダのブレーキ液量の推定値であるマスタシリンダ液量推定値に応じて反力補正量を算出して取得し、減圧制御中において、リザーバ内のブレーキ液の残量とホイールシリンダからのブレーキ液の流出流量との和が液圧ポンプの吐出流量以上である場合には、液圧ポンプの吐出流量から算出するマスタシリンダのブレーキ液量の推定値であるマスタシリンダ液量推定値に応じて反力補正量を算出して取得し、一方、リザーバ内のブレーキ液の残量とホイールシリンダからのブレーキ液の流出流量との和が液圧ポンプの吐出流量より小さい場合には、リザーバ内のブレーキ液の残量とホイールシリンダからのブレーキ液の流出流量とから算出するマスタシリンダのブレーキ液量の推定値であるマスタシリンダ液量推定値に応じて反力補正量を算出して取得し、反力補正量取得手段は、マスタシリンダ液量推定値に反力補正係数を乗じて反力補正量を算出し、反力補正係数は、ABS制御の開始時点のマスタシリンダ圧推定値が大きいほど大きい値に設定され、差圧推定値取得手段は、ブレーキ操作部材が操作増しされた場合、差圧推定値を、操作増し後であって最初の減圧制御の開始時点で取得された反力補正量に設定される所定値だけ大きめに設定することである。
上記のように構成した請求項1に係る発明においては、ホイールシリンダ圧推定値取得手段が、ABS制御の開始時点でのホイールシリンダ圧の推定値であるホイールシリンダ圧推定初期値を利用してABS制御中に亘って変化するホイールシリンダ圧の推定値を取得し、マスタシリンダ圧推定値取得手段が、ホイールシリンダ圧推定初期値を利用してマスタシリンダ圧の推定値を取得し、反力補正量取得手段が、ABS制御中のブレーキ液の流動によるマスタシリンダ圧の変動に応じた値である反力補正量を取得し、差圧推定値取得手段が、マスタシリンダ圧推定値とホイールシリンダ圧推定値との差に反力補正量を加算してマスタシリンダ圧とホイールシリンダ圧との差圧の推定値を取得し、増圧弁制御手段が、差圧推定値に基づいて各増圧弁を制御する。これにより、自動二輪車のようにマスタシリンダ圧が大きく変動する場合においても、マスタシリンダ圧の変動に応じた値である反力補正量を取得し、その取得した反力補正量を使用して、ABS制御中に渡ってほぼ一定であるマスタシリンダ圧推定値とホイールシリンダ圧推定値との差を補正して差圧推定値を正確に算出することができる。この結果、増圧弁を適切に制御することができ、適切にホイールシリンダ圧を付与して適切な制動力を得ることができる。
さらに、反力補正量取得手段は、各増圧制御中において、各リザーバ内のブレーキ液の残量が各液圧ポンプの吐出流量以上である場合には、各ホイールシリンダへのブレーキ液の流入流量と液圧ポンプの吐出流量とから算出するマスタシリンダのブレーキ液量の推定値であるマスタシリンダ液量推定値に応じて反力補正量を算出して取得する。これによれば、増圧制御中において、リザーバ内のブレーキ液の残量が液圧ポンプの吐出流量以上である場合、マスタシリンダ液量推定値に応じて反力補正量を適切に算出し差圧推定値を適切に算出することができる。
上記のように構成した請求項2に係る発明においては、ホイールシリンダ圧推定値取得手段が、ABS制御の開始時点でのホイールシリンダ圧の推定値であるホイールシリンダ圧推定初期値を利用してABS制御中に亘って変化するホイールシリンダ圧の推定値を取得し、マスタシリンダ圧推定値取得手段が、ホイールシリンダ圧推定初期値を利用してマスタシリンダ圧の推定値を取得し、反力補正量取得手段が、ABS制御中のブレーキ液の流動によるマスタシリンダ圧の変動に応じた値である反力補正量を取得し、差圧推定値取得手段が、マスタシリンダ圧推定値とホイールシリンダ圧推定値との差に反力補正量を加算してマスタシリンダ圧とホイールシリンダ圧との差圧の推定値を取得し、増圧弁制御手段が、差圧推定値に基づいて各増圧弁を制御する。これにより、自動二輪車のようにマスタシリンダ圧が大きく変動する場合においても、マスタシリンダ圧の変動に応じた値である反力補正量を取得し、その取得した反力補正量を使用して、ABS制御中に渡ってほぼ一定であるマスタシリンダ圧推定値とホイールシリンダ圧推定値との差を補正して差圧推定値を正確に算出することができる。この結果、増圧弁を適切に制御することができ、適切にホイールシリンダ圧を付与して適切な制動力を得ることができる。
さらに、反力補正量取得手段は、各増圧制御中において、各リザーバ内のブレーキ液の残量が各液圧ポンプの吐出流量より小さい場合には、各リザーバ内のブレーキ液の残量と各ホイールシリンダへのブレーキ液の流入流量とから算出するマスタシリンダのブレーキ液量の推定値であるマスタシリンダ液量推定値に応じて反力補正量を算出して取得する。これによれば、増圧制御中において、リザーバ内のブレーキ液の残量が液圧ポンプの吐出流量より小さい場合、マスタシリンダ液量推定値に応じて反力補正量を適切に算出し差圧推定値を適切に算出することができる。
上記のように構成した請求項3に係る発明においては、ホイールシリンダ圧推定値取得手段が、ABS制御の開始時点でのホイールシリンダ圧の推定値であるホイールシリンダ圧推定初期値を利用してABS制御中に亘って変化するホイールシリンダ圧の推定値を取得し、マスタシリンダ圧推定値取得手段が、ホイールシリンダ圧推定初期値を利用してマスタシリンダ圧の推定値を取得し、反力補正量取得手段が、ABS制御中のブレーキ液の流動によるマスタシリンダ圧の変動に応じた値である反力補正量を取得し、差圧推定値取得手段が、マスタシリンダ圧推定値とホイールシリンダ圧推定値との差に反力補正量を加算してマスタシリンダ圧とホイールシリンダ圧との差圧の推定値を取得し、増圧弁制御手段が、差圧推定値に基づいて各増圧弁を制御する。これにより、自動二輪車のようにマスタシリンダ圧が大きく変動する場合においても、マスタシリンダ圧の変動に応じた値である反力補正量を取得し、その取得した反力補正量を使用して、ABS制御中に渡ってほぼ一定であるマスタシリンダ圧推定値とホイールシリンダ圧推定値との差を補正して差圧推定値を正確に算出することができる。この結果、増圧弁を適切に制御することができ、適切にホイールシリンダ圧を付与して適切な制動力を得ることができる。
さらに、反力補正量取得手段は、各減圧制御中において、各リザーバ内のブレーキ液の残量と各ホイールシリンダからのブレーキ液の流出流量との和が各液圧ポンプの吐出流量以上である場合には、液圧ポンプの吐出流量から算出するマスタシリンダのブレーキ液量の推定値であるマスタシリンダ液量推定値に応じて反力補正量を算出して取得する。これによれば、減圧制御中において、リザーバ内のブレーキ液の残量とホイールシリンダからのブレーキ液の流出流量との和が液圧ポンプの吐出流量以上である場合、マスタシリンダ液量推定値に応じて反力補正量を適切に算出し差圧推定値を適切に算出することができる。
上記のように構成した請求項4に係る発明においては、ホイールシリンダ圧推定値取得手段が、ABS制御の開始時点でのホイールシリンダ圧の推定値であるホイールシリンダ圧推定初期値を利用してABS制御中に亘って変化するホイールシリンダ圧の推定値を取得し、マスタシリンダ圧推定値取得手段が、ホイールシリンダ圧推定初期値を利用してマスタシリンダ圧の推定値を取得し、反力補正量取得手段が、ABS制御中のブレーキ液の流動によるマスタシリンダ圧の変動に応じた値である反力補正量を取得し、差圧推定値取得手段が、マスタシリンダ圧推定値とホイールシリンダ圧推定値との差に反力補正量を加算してマスタシリンダ圧とホイールシリンダ圧との差圧の推定値を取得し、増圧弁制御手段が、差圧推定値に基づいて各増圧弁を制御する。これにより、自動二輪車のようにマスタシリンダ圧が大きく変動する場合においても、マスタシリンダ圧の変動に応じた値である反力補正量を取得し、その取得した反力補正量を使用して、ABS制御中に渡ってほぼ一定であるマスタシリンダ圧推定値とホイールシリンダ圧推定値との差を補正して差圧推定値を正確に算出することができる。この結果、増圧弁を適切に制御することができ、適切にホイールシリンダ圧を付与して適切な制動力を得ることができる。
さらに、反力補正量取得手段は、各減圧制御中において、各リザーバ内のブレーキ液の残量と各ホイールシリンダからのブレーキ液の流出流量との和が各液圧ポンプの吐出流量より小さい場合には、各リザーバ内のブレーキ液の残量と各ホイールシリンダからのブレーキ液の流出流量とから算出するマスタシリンダのブレーキ液量の推定値であるマスタシリンダ液量推定値に応じて反力補正量を算出して取得する。これによれば、減圧制御中において、リザーバ内のブレーキ液の残量とホイールシリンダからのブレーキ液の流出流量との和が液圧ポンプの吐出流量より小さい場合、マスタシリンダ液量推定値に応じて反力補正量を適切に算出し差圧推定値を適切に算出することができる。
上記のように構成した請求項5に係る発明においては、請求項1乃至請求項4の何れか一項に係る発明において、反力補正量取得手段は、マスタシリンダ液量推定値に反力補正係数を乗じて反力補正量を算出する。これによれば、マスタシリンダ液量に応じた適切な反力補正量を容易に得ることができる。
上記のように構成した請求項6に係る発明においては、請求項5に係る発明において、反力補正係数は、ABS制御の開始時点のマスタシリンダ圧推定値が大きいほど大きい値に設定される。これによれば、ブレーキ操作部材の操作開始時点からABS制御の開始時点までのブレーキ減速度の度合いに応じた適切な反力補正量を得ることができる。
上記のように構成した請求項7に係る発明においては、請求項5に係る発明において、反力補正係数は、ブレーキ操作部材が足で操作されるブレーキペダルである場合に比べて、ブレーキ操作部材が手で操作されるブレーキレバーである場合のほうが小さめに設定される。これによれば、ブレーキペダルが足で操作された場合、ブレーキレバーが手で操作された場合のいずれの場合にも、それらの場合に応じた適切な反力補正量を得ることができる。
上記のように構成した請求項8に係る発明においては、請求項5に係る発明において、反力補正係数は、前後輪同時にABS制御が行われる場合に比べて、前後輪のいずれか一輪に単独にABS制御が行われる場合のほうが大きめに設定される。これによれば、前後輪同時にABS制御が行われる場合、一輪に単独にABS制御が行われる場合のいずれの場合にも、それらの場合に応じた適切な反力補正量を得ることができる。
上記のように構成した請求項9に係る発明においては、請求項1乃至請求項8の何れか一項に係る発明において、各ブレーキ操作部材が操作増しされた場合、差圧推定値取得手段は、差圧推定値を所定値だけ大きめに設定する。これによれば、ABS制御中にブレーキ操作部材が操作増しされた場合でも、差圧推定値を正確に算出することができ、この結果、増圧弁を適切に制御することができ、適切にホイールシリンダ圧を付与して適切な制動力を得ることができる。
さらに、所定値は、操作増し後であって最初の減圧制御の開始時点で取得された反力補正量に設定される。これによれば、ABS制御中にブレーキ操作部材が操作増しされた場合でも、操作増しの大きさに応じた適切な反力補正量を得ることができる。
上記のように構成した請求項10に係る発明においては、ホイールシリンダ圧推定値取得手段が、ABS制御の開始時点でのホイールシリンダ圧の推定値であるホイールシリンダ圧推定初期値を利用してABS制御中に亘って変化するホイールシリンダ圧の推定値を取得し、マスタシリンダ圧推定値取得手段が、ホイールシリンダ圧推定初期値を利用してマスタシリンダ圧の推定値を取得し、反力補正量取得手段が、ABS制御中のブレーキ液の流動によるマスタシリンダ圧の変動に応じた値である反力補正量を取得し、差圧推定値取得手段が、マスタシリンダ圧推定値とホイールシリンダ圧推定値との差に反力補正量を加算してマスタシリンダ圧とホイールシリンダ圧との差圧の推定値を取得し、増圧弁制御手段が、差圧推定値に基づいて各増圧弁を制御する。これにより、車両のABS制御中においてマスタシリンダ圧が変動する場合においても、マスタシリンダ圧の変動に応じた値である反力補正量を取得し、その取得した反力補正量を使用して、ABS制御中に渡ってほぼ一定であるマスタシリンダ圧推定値とホイールシリンダ圧推定値との差を補正して差圧推定値を正確に算出することができる。この結果、増圧弁を適切に制御することができ、適切にホイールシリンダ圧を付与して適切な制動力を得ることができる。
さらに、上述した反力補正量取得手段によれば、増圧制御中において、リザーバ内のブレーキ液の残量が液圧ポンプの吐出流量以上である場合、マスタシリンダ液量推定値に応じて反力補正量を適切に算出し差圧推定値を適切に算出することができる。一方、増圧制御中において、リザーバ内のブレーキ液の残量が液圧ポンプの吐出流量より小さい場合、マスタシリンダ液量推定値に応じて反力補正量を適切に算出し差圧推定値を適切に算出することができる。さらに、減圧制御中において、リザーバ内のブレーキ液の残量とホイールシリンダからのブレーキ液の流出流量との和が液圧ポンプの吐出流量以上である場合、マスタシリンダ液量推定値に応じて反力補正量を適切に算出し差圧推定値を適切に算出することができる。一方、減圧制御中において、リザーバ内のブレーキ液の残量とホイールシリンダからのブレーキ液の流出流量との和が液圧ポンプの吐出流量より小さい場合、マスタシリンダ液量推定値に応じて反力補正量を適切に算出し差圧推定値を適切に算出することができる。さらに、反力補正量取得手段によれば、マスタシリンダ液量に応じた適切な反力補正量を容易に得ることができる。
また、反力補正係数は、ABS制御の開始時点のマスタシリンダ圧推定値が大きいほど大きい値に設定されるので、ブレーキ操作部材の操作開始時点からABS制御の開始時点までのブレーキ減速度の度合いに応じた適切な反力補正量を得ることができる。
また、上述した差圧推定値取得手段によれば、ABS制御中にブレーキ操作部材が操作増しされた場合でも、差圧推定値を正確に算出することができ、この結果、増圧弁を適切に制御することができ、適切にホイールシリンダ圧を付与して適切な制動力を得ることができる。また、所定値は、操作増し後であって最初の減圧制御の開始時点で取得された反力補正量に設定される。これによれば、ABS制御中にブレーキ操作部材が操作増しされた場合でも、操作増しの大きさに応じた適切な反力補正量を得ることができる。

以下、本発明に係る自動二輪車のブレーキ液圧制御装置を適用した自動二輪車の液圧ブレーキ装置の一実施の形態を図面を参照して説明する。図1は液圧ブレーキ装置の構成を示す概要図である。
液圧ブレーキ装置10は、自動二輪車を制動させるためのものであり、図1に示すように、自動二輪車の右ハンドルに配設されたブレーキレバー(前輪ブレーキ操作部材)11fと、ブレーキレバー11fに連結されて運転者によるブレーキレバー11fの操作力に応じたブレーキ液圧を発生する前輪マスタシリンダ12fと、自動二輪車の右ペダルに配設されたブレーキペダル(後輪ブレーキ操作部材)11rと、ブレーキペダル11rに連結されて運転者によるブレーキペダル11rの操作力に応じたブレーキ液圧を発生する後輪マスタシリンダ12rとを備えている。
液圧ブレーキ装置10は、前輪Wfに制動力を発生させる前輪ブレーキBRfと、後輪Wrに制動力を発生させる後輪ブレーキBRrとを備えている。前輪ブレーキBRfは、ディスクロータDRfとキャリパCLfから構成されたディスクブレーキである。キャリパCLfは、前輪Wfに制動力を発生可能な前輪ホイールシリンダWCfを備えている。後輪ブレーキBRrは、ディスクロータDRrとキャリパCLrから構成されたディスクブレーキである。キャリパCLrは、後輪Wrに制動力を発生可能な後輪ホイールシリンダWCrを備えている。
液圧ブレーキ装置10は、前輪マスタシリンダ12fと前輪ホイールシリンダWCfとを接続して前輪マスタシリンダ12fからのブレーキ液圧を前輪ホイールシリンダWCfに供給可能な前輪独立ブレーキ液圧回路(前輪液圧回路)13fと、後輪マスタシリンダ12rと後輪ホイールシリンダWCrとを接続して後輪マスタシリンダ12rからのブレーキ液圧を後輪ホイールシリンダWCrに供給可能な後輪独立ブレーキ液圧回路(後輪液圧回路)13rとを備えている。前輪独立ブレーキ液圧回路13fと後輪独立ブレーキ液圧回路13rとは、互いに独立した回路である。
液圧ブレーキ装置10は、各ホイールシリンダWCf,WCrに供給するブレーキ液圧を調整可能な前輪ブレーキ液圧調整部21,後輪ブレーキ液圧調整部22と還流ブレーキ液供給部23を備えたブレーキアクチュエータ14を備えている。
前輪ブレーキ液圧調整部21は、ブレーキアクチュエータ14内の前輪独立ブレーキ液圧回路13fの途中にそれぞれ介装された常開リニア電磁弁である増圧弁(前輪増圧弁)21aと2ポート2位置切換型の常閉電磁開閉弁である減圧弁(前輪減圧弁)21bとから構成されている。
増圧弁21aは、ブレーキECU15により連通状態(非差圧状態)と差圧状態を切り替え制御されるものである。増圧弁21aは非通電して通常連通状態とされているが、通電して差圧状態(閉じる側)にすることによりホイールシリンダWCf側の液圧をマスタシリンダ12f側の液圧よりも所定の制御差圧分高い圧力に保持することができる。この制御差圧はブレーキECU15により制御電流に応じて調圧されるようになっている。すなわち制御電流が0であれば制御差圧は0であり、制御電流が大きくなるにしたがって制御差圧が大きくなるようになっている。
減圧弁21bは、前輪ホイールシリンダWCfと前輪側リザーバ23dとの間に介装されており、ブレーキECU15の指令にしたがって前輪ホイールシリンダWCfと前輪側リザーバ23dとを連通または遮断できるようになっている。
これにより、増圧弁21aと減圧弁21bとが共に非励磁状態(図1に示す状態)にある場合、前輪マスタシリンダ12fと前輪ホイールシリンダWCfとが連通されるようになっている。すなわち、前輪ホイールシリンダWCf内のブレーキ液圧である前輪ホイールシリンダ圧が増圧制御(前輪増圧制御)されるようになっている。また、減圧弁21bを閉状態に維持したまま増圧弁21aの差圧を制御することで、前輪ホイールシリンダ圧が増圧制御(前輪増圧制御)されるようになっている。
また、増圧弁21aが励磁状態にあり減圧弁21bが非励磁状態にある場合、前輪ホイールシリンダ圧が保持される(すなわち、前輪ホイールシリンダ圧が保持制御(前輪保持制御)される)ようになっている。加えて、増圧弁21aと減圧弁21bとが共に励磁状態にある場合、前輪ホイールシリンダWCfと前輪側リザーバ23dとが連通されるようになっている。すなわち、前輪ホイールシリンダ圧が減圧制御(前輪減圧制御)されるようになっている。
後輪ブレーキ液圧調整部22は、ブレーキアクチュエータ14内の後輪独立ブレーキ液圧回路13rの途中にそれぞれ介装された常開リニア電磁弁である増圧弁(後輪増圧弁)22aと2ポート2位置切換型の常閉電磁開閉弁である減圧弁(後輪減圧弁)22bとから構成されている。増圧弁22aおよび減圧弁22bは、上述した前輪ブレーキ液圧調整部21の増圧弁21aおよび減圧弁21bと同様に構成されている。したがって、後輪ホイールシリンダWCr内のブレーキ液圧である後輪ホイールシリンダ圧が増圧制御(後輪増圧制御)・保持制御(後輪保持制御)・減圧制御(後輪減圧制御)され得るようになっている。
還流ブレーキ液供給部23は、前輪側ポンプ23a、後輪側ポンプ23b、電動モータ23c、前輪側リザーバ23d、後輪側リザーバ23eを含んで構成されている。前輪側ポンプ23aは、前輪側リザーバ23d内のブレーキ液を汲み上げて、そのブレーキ液を前輪マスタシリンダ12fと増圧弁21aとの間に供給するようになっている。後輪側ポンプ23bは、後輪側リザーバ23e内のブレーキ液を汲み上げて、そのブレーキ液を後輪マスタシリンダ12rと増圧弁22aとの間に供給するようになっている。これらポンプ23a,23bは、後述する前輪と後輪のいずれかに対してABS制御が開始されるのと同時に駆動開始されるようになっている。
前輪側リザーバ23dは、前輪ホイールシリンダWCfから減圧弁21bを介して抜いたブレーキ液を一旦溜めておく装置である。後輪側リザーバ23eは、後輪ホイールシリンダWCfrから減圧弁22bを介して抜いたブレーキ液を一旦溜めておく装置である。
以上、説明した構成により、ブレーキアクチュエータ14は、増圧弁21aと減圧弁21bとが共に非励磁状態にある場合、ブレーキレバー11fの操作力に応じた前輪ホイールシリンダ圧を前輪ホイールシリンダWCfに供給できるようになっている。同様に、ブレーキアクチュエータ14は、増圧弁22aと減圧弁22bとが共に非励磁状態にある場合、ブレーキペダル11rの操作力に応じた後輪ホイールシリンダ圧を後輪ホイールシリンダWCrに供給できるようになっている。
一方、ブレーキアクチュエータ14は、増圧弁21aと減圧弁21bを制御することで、ブレーキレバー11fの操作にかかわらず上述した減圧制御、保持制御、増圧制御により前輪ホイールシリンダ圧を適宜減圧、増圧できるようになっている。これにより、周知の前輪側ABS制御が達成できるようになっている。同様に、ブレーキアクチュエータ14は、増圧弁22aと減圧弁22bを制御することで、ブレーキペダル11rの操作にかかわらず上述した減圧制御、保持制御、増圧制御により後輪ホイールシリンダ圧を適宜減圧、増圧できるようになっている。これにより、周知の後輪側ABS制御が達成できるようになっている。
さらに、この液圧ブレーキ装置10は、前輪Wf、後輪Wrが所定角度回転する毎にパルスを有する信号をそれぞれ出力する車輪速度センサSf,Srと、ブレーキECU15とを備えている。
ブレーキECU15は、車輪速度センサSf,Srからの信号を入力するとともに、電動モータ23c(すなわちポンプ23a,23b)、電磁弁21a,21b,22a,22bに駆動信号を送出するようになっている。ブレーキECU15は、マイクロコンピュータ(図示省略)を有しており、マイクロコンピュータは、バスを介してそれぞれ接続された入出力インターフェース、CPU、RAMおよびROM(いずれも図示省略)を備えている。CPUは、図2〜9に示すフローチャートに対応したプログラムを実行して、ABS制御を実施する中で、差圧推定値を適切に算出し、その算出した差圧推定値に基づいて増圧弁・減圧弁の制御を実行する。RAMは同プログラムの実行に必要な変数を一時的に記憶するものであり、ROMは前記プログラムを記憶するものである。
次に、上記のように構成した液圧ブレーキ装置10の作動を図2〜図9のフローチャートに沿って説明する。ブレーキECU15は、自動二輪車のイグニションスイッチ(図示省略)がオン状態になると、図2に示すメインプログラムを所定の短時間(制御サイクル時間(例えば5msec))毎に繰り返して実行する。なお、フラグFAは0に設定される。
ブレーキECU15は、ステップ102において、上記前後輪Wf,Wrの車輪速度センサSf,Srからの出力である車輪速度信号に基づき、前後輪Wf,Wrの各車輪速度VWf,VWrを演算し、ステップ104において、これら車輪速度VWf,VWrの微分値である前後輪Wf,Wrの車輪加速度dVWf,dVWrを演算する。なお、図面および明細書において*は、前後輪に対応する添え字であって、f,rのいずれかであり、前、後を示している。
ブレーキECU15は、ステップ106において、先にステップ102で求めた前後輪Wf,Wrの車輪速度VWf,VWrに基づき、車体速度VBを演算する。例えば、車輪速度VWf,VWrのうち大きい方の値を車体速度VBとして演算する。
ブレーキECU15は、ステップ108において、ステップ106で演算した車体速度VBと、先にステップ102で演算した前後輪Wf,Wrの車輪速度VWf,VWrとに基づき、前後輪Wf,Wrのスリップ量ΔVWf(=VB−VWf),ΔVWr(=VB−VWr)をそれぞれ演算する。
そして、ブレーキECU15は、ステップ110において、前後各輪に対してABS制御を実行する。具体的には、ブレーキECU15は、図3に示すフローチャートに沿ってABS制御ルーチンを実行し、ABS制御の開始・終了を判定し、その判定結果に則した処理を実行する。
すなわち、運転者によってブレーキレバー11f(またはブレーキペダル11r)が操作されていない(ブレーキをかけていない)場合、または操作されていてもABS制御開始条件が成立していない場合には、フラグFAは0であるため、ブレーキECU15は、ステップ202,204でそれぞれ「YES」、「NO」と判定し、プログラムをステップ206に進めて、本ルーチンを一旦終了する。したがって、この場合には、ABS制御の実行を開始しないで、増圧弁21a(または22a)と減圧弁21b(または22b)とを共に非励磁状態とし前輪マスタシリンダ12f(または後輪マスタシリンダ12r)と前輪ホイールシリンダWCf(または後輪ホイールシリンダWCr)とを連通し、前輪ホイールシリンダWCf(または後輪ホイールシリンダWCr)と前輪側リザーバ23d(または後輪側リザーバ23e)とを遮断することにより、ブレーキペダル11rの操作力に応じた前輪ホイールシリンダ圧(または後輪ホイールシリンダ圧)を前輪ホイールシリンダWCf(または後輪ホイールシリンダWCr)に供給するようになっている。
なお、本実施の形態では、ABS制御開始条件は、車輪W*のスリップ量ΔVW*が後輪減圧開始閾値kVより大きいことである。また、フラグFAは、ABS制御を実行しているか否かを制御の種類を含めて示すものであり、0のとき減圧制御の不実行を示し、1のときABS制御の減圧制御を示し、2のときABS制御の保持制御を示し、3のときABS制御の増圧制御(パルス増出力の場合も含む。)を示す。
運転者によってブレーキレバー11f(またはブレーキペダル11r)が操作され、その上でABS制御開始条件が成立した場合には、フラグFAが0であってもABS制御開始条件が成立したため、ブレーキECU15は、ステップ202,204でそれぞれ「YES」と判定し、プログラムをステップ208に進めて、ABS制御実行ルーチン(後述する)を実行する。その後、プログラムをステップ206に進めて、本ルーチンを一旦終了する。したがって、この場合には、ABS制御が開始される。ABS制御の実行中は、フラグFAは1〜3のいずれかに設定されている。
さらに、ABS制御が開始された後であってABS制御開始条件の成立が継続している場合には、フラグFAは1〜3のいずれかでありABS制御終了条件が成立していないため、ブレーキECU15は、ステップ202,210でそれぞれ「NO」と判定し、プログラムをステップ208に進めて、ABS制御実行ルーチンを実行する。その後、プログラムをステップ206に進めて、本ルーチンを一旦終了する。したがって、この場合には、ABS制御終了条件が成立するまでこのABS制御の実行が継続される。
さらに、ABS制御の実行が継続されているなかで、ABS制御終了条件が成立すると、フラグFAは1〜3のいずれかでありかつABS制御終了条件が成立したため、ブレーキECU15は、ステップ202,210でそれぞれ「NO」、「YES」と判定し、プログラムをステップ212に進めて、フラグFAを0に設定し、ステップ214にて、ABS制御終了の指示を行う。その後、プログラムをステップ206に進めて、本ルーチンを一旦終了する。したがって、この場合には、ABS制御が終了される。なお、ABS制御終了条件は、例えば、ブレーキレバー11f(またはブレーキペダル11r)がオフ信号を出力しているとき(すなわち、運転者がブレーキレバー11fの操作を終了した時)、あるいは増圧弁21aが所定時間以上継続して非励磁状態に維持されているときに成立する。ABS制御終了の処理は、増圧弁21aと減圧弁21bともに非励磁状態にし、電動モータ23c(すなわち前輪側ポンプ23a)の駆動を停止することである。
次に、上述したステップ208でのABS制御の実行処理について詳述する。ABS制御は、ABS制御開始条件が成立した後であってABS制御終了条件が成立するまでの間において、各車輪ホイールシリンダ圧を減圧、保持、増圧させる減圧制御、保持制御、増圧制御をこの順番で繰り返し実行する制御である。なお、ABS制御は、減圧制御、増圧制御をこの順番で繰り返し実行するようにしてもよい。
ブレーキECU15は、具体的には、図4に示すフローチャートに沿ってABS制御実行ルーチンを実行し、ABS制御を実行する。まず、ABS制御の開始が判定された直後では、車輪W*のスリップ量ΔVW*が減圧開始閾値kVより大きいので、ブレーキECU15は、ステップ302で「YES」と判定しプログラムをステップ304に進める。
ここで、ブレーキECU15は、ステップ304にて、車輪加速度dVW*が判定値kdVより小さいか否かを判定する。車輪加速度dVW*が判定値kdVより小さい場合には、ステップ304で「YES」と判定し、フラグFAを1に設定し(ステップ306)、減圧制御を実行するように指示し(ステップ308)、その後本ルーチンを一旦終了する(ステップ310)。一方、車輪加速度dVW*が判定値kdV以上である場合には、まだ減圧制御が開始されておらずフラグFAは0であるため、ステップ304,312でそれぞれ「NO」と判定し、フラグFAを3に設定し(ステップ314)、増圧制御(パルス増制御)を実行するように指示し(ステップ316)、その後本ルーチンを一旦終了する(ステップ310)。
すなわち、ブレーキECU15は、ABS制御の開始が判定された後、最初に車輪W*のスリップ量ΔVW*が減圧開始閾値kVより大きくなった場合に、その時点に車輪加速度dVW*が判定値kdVより小さい場合には、直ちに減圧制御を開始する。一方、ABS制御の開始が判定された後、最初に後輪W*のスリップ量ΔVW*が減圧開始閾値kVより大きくなった場合に、その時点に車輪加速度dVW*が判定値kdV以上である場合には、パルス増制御を行い、車輪加速度dVW*が判定値kdVより小さくなるのを待って、減圧制御を開始する。
このように減圧制御が開始されると、車輪W*に付与されている制動力が急激に減少されるので、減圧制御中において車輪減速度は減少する(車輪加速度の変化率は増加傾向になる)。減圧制御が開始された時点以降であってスリップ量ΔVW*が減圧開始閾値kVより大きい状態で、判定値kdVより小さい値であった車輪加速度dVW*が判定値kdV以上となれば、ブレーキECU15は、ステップ302,304で「YES」,「NO」と判定する。ブレーキECU15は、この時点ではフラグFAは1であるので、ステップ312,318で「YES」,「NO」と判定し、車輪加速度dVW*が判定値kdVより大きい値である判定値kdV0より小さい場合には、ステップ320で「NO」と判定し、減圧制御を実行するように指示し(ステップ308)、その後本ルーチンを一旦終了する(ステップ310)。すなわち、ブレーキECU15は、判定値kdVより小さくなった車輪加速度dVW*が、再び増加に転じて判定値kdVより大きくなり、該判定値kdVより大きい値である判定値kdV0に達するまでは、減圧制御を継続する。
一方、車輪加速度dVW*がさらに増大し、車輪加速度dVW*が判定値kdV0以上となれば、ブレーキECU15は、ステップ320で「YES」と判定し、フラグFAを2に設定し(ステップ322)、保持制御を実行するように指示し(ステップ324)、その後本ルーチンを一旦終了する(ステップ310)。すなわち、ブレーキECU15は、減圧制御が開始された後で、一旦判定値kdVより小さくなった車輪加速度dVW*が判定値kdV0以上となれば、減圧制御から保持制御を開始する。
このように保持制御が開始されると、減少されながら付与されていた制動力が一定の値に保持されるので、保持制御中において車輪減速度は増大する(車輪加速度の変化率は減少傾向になる)。保持制御が開始された時点以降であってスリップ量ΔVW*が減圧開始閾値kVより大きい状態で、車輪加速度dVW*が判定値kdV0以上であれば、ブレーキECU15は、ステップ302,304で「YES」,「NO」と判定し、フラグFAが2であるためステップ312,318でそれぞれ「YES」と判定し、保持制御を実行するように指示し(ステップ324)、その後本ルーチンを一旦終了する(ステップ310)。すなわち、ブレーキECU15は、スリップ量ΔVW*が減圧開始閾値kV以下となるまでは、保持制御を継続する。
そして、保持制御が継続されているなかで、ABS制御を開始した以降に、車輪W*のスリップ量ΔVW*が減圧開始閾値kV以下となると、ブレーキECU15は、フラグFAが2であるため、ステップ302、326でそれぞれ「NO」と判定し、フラグFAを3に設定し(ステップ314)、増圧制御(パルス増制御)を実行するように指示し(ステップ316)、その後本ルーチンを一旦終了する(ステップ310)。これにより、ブレーキECU15は、増圧制御(本実施の形態ではパルス増出力制御)を開始し、その増圧制御を次の減圧制御が開始されるまで継続する。
次に、ブレーキECU15は、図2に示すステップ112にて、前輪(または後輪)のマスタシリンダ圧とホイールシリンダ圧との差圧の推定値である差圧推定値を算出する。具体的には、ブレーキECU15は、図5に示すフローチャートに沿って差圧推定値算出ルーチンを実行する。
ブレーキECU15は、ステップ402において、ABS制御の開始時点でのホイールシリンダ圧の推定値であるホイールシリンダ圧推定初期値を利用してABS制御中に亘って変化するホイールシリンダ圧の推定値(ホイールシリンダ圧推定値Pw)を算出して取得する(ホイールシリンダ圧推定値取得手段)。
具体的には、ブレーキECU15は、ABS制御が開始されると(1回目の減圧開始時点にて)、予め記憶しておいたホイールシリンダ圧推定初期値Pw0を読み込む。この初期値Pw0は、車輪にロックが発生するロック圧に設定されるのが好ましく、減速度の大きさなどを考慮して設定するのが好ましい。
ABS制御の開始以降においては、ブレーキECU15は、前回算出したホイールシリンダ圧推定値に基づいて制御の種類(すなわちその制御の増減率)から今回のホイールシリンダ圧推定値を算出する。すなわち、ABS制御開始直後の減圧制御では、前回算出した値(初期値も含む)に、減圧率(予め記憶されている値)×制御サイクル時間を加算した値が、今回のホイールシリンダ圧推定値である。保持制御では、その制御中は同一の値である。増圧制御では、前回算出した値に、増圧率(予め記憶されている値)×制御サイクル時間を加算した値が、今回のホイールシリンダ圧推定値である。
ブレーキECU15は、ステップ404において、ホイールシリンダ圧推定初期値Pw0を利用してマスタシリンダ圧の推定値(マスタシリンダ圧推定値Pm0)を算出して取得する(マスタシリンダ圧推定値取得手段)。ここでは、ABS制御中におけるマスタシリンダ圧は、1回目のABS制御の開始時点でのホイールシリンダ圧に近い範囲内で推移するとして、マスタシリンダ圧推定値Pm0は、ホイールシリンダ圧推定初期値Pw0と同じであるとする。
さらに、ブレーキECU15は、ステップ406において、ABS制御中のブレーキ液の流動によるマスタシリンダ圧の変動に応じた値である反力補正量Pmc1を算出して取得する(反力補正量取得手段)。具体的には、ブレーキECU15は、図6に示すフローチャートに沿って反力補正量算出ルーチンを実行する。
ブレーキECU15は、ステップ502において、ABS制御の減圧制御中、増圧制御中、保持制御中のいずれであるかを判定する。減圧制御中であればプログラムをステップ504に進め、増圧制御中であればプログラムをステップ514に進める。
ABS制御では、最初に減圧制御から開始され、その後増圧制御が開始され、以降この順番を繰り返し実行する。まず減圧制御中について説明すると、最初の減圧制御開始時点においては、リザーバ23d(または23e)内にはブレーキ液はないが、減圧弁が開状態とされるのでホイールシリンダWC*内からのブレーキ液の流出が開始される。このブレーキ液の流出量は、前回のホイールシリンダ圧推定値と今回のホイールシリンダ圧推定値との差から算出することができる。この場合、例えば、ホイールシリンダ圧と、ホイールシリンダから流出するブレーキ液の流量との関係のマップを使用すればよい。リザーバ蓄積量の初期値は0である。
減圧開始時点では、ホイールシリンダ圧が最も高く、減圧が進むに従ってホイールシリンダ圧は小さくなる。よって、減圧開始時点が最もブレーキ液の流出量が大きい。また、ポンプの吐出量は、その減圧開始時点のブレーキ液の流出流量より小さい値に設定されている。したがって、ブレーキECU15は、ステップ504で「YES」と判定する。すなわち、ブレーキECU15は、減圧制御中において、リザーバ23d内のブレーキ液の残量とホイールシリンダWCfからリザーバ23dへのブレーキ液の流出流量との和が液圧ポンプ23aの吐出流量以上である場合には、ステップ504で「YES」と判定する。
そして、ステップ506において、液圧ポンプの吐出流量から算出するマスタシリンダのブレーキ液量の推定値であるマスタシリンダ液量推定値を算出する。具体的には、マスタシリンダ液量推定値の前回値であるM/C液量(n−1)にポンプの吐出量を加算して、マスタシリンダ液量推定値の今回値であるM/C液量(n)を算出する。このM/C液量(n)を記憶する。これと同時に、リザーバ23d内のブレーキ液の蓄積量の前回値であるリザーバ蓄積量(n−1)に、今回のホイールシリンダWC*からのブレーキ液の流出量を加算し、ポンプの吐出量を減算して、ブレーキ液の蓄積量の今回値であるリザーバ蓄積量(n)を算出して記憶する。次回での計算に使用するためである。
そして、ブレーキECU15は、ステップ510において、後述するように今回算出したマスタシリンダ液量推定値(M/C液量(n))に応じて反力補正量を算出して取得する。
次に、減圧制御中において、リザーバ23d内のブレーキ液の残量とホイールシリンダWCfからリザーバ23dへのブレーキ液の流出流量との和が液圧ポンプ23aの吐出流量より小さい場合、例えば、減圧が進みホイールシリンダWCfからリザーバ23dへのブレーキ液の流出流量が少なくなり、リザーバ23d内のブレーキ液の残量も少なくなった場合などについて説明する。この場合、ブレーキECU15は、ステップ504で「NO」と判定する。
そして、ブレーキECU15は、ステップ512において、リザーバ23d内のブレーキ液の残量とホイールシリンダWCfからリザーバ23dへのブレーキ液の流出流量とから算出するマスタシリンダのブレーキ液量の推定値であるマスタシリンダ液量推定値を算出する。具体的には、マスタシリンダ液量推定値の前回値であるM/C液量(n−1)に、ホイールシリンダWCfからリザーバ23dへのブレーキ液の流出流量(W/C液減少量(上述と同様に算出される))とリザーバ23d内のブレーキ液の蓄積量の前回値であるリザーバ蓄積量(n−1)とを加算して、マスタシリンダ液量推定値の今回値であるM/C液量(n)を算出する。このM/C液量(n)を記憶する。これと同時に、ブレーキ液の蓄積量の今回値であるリザーバ蓄積量(n)を0に設定する。
そして、ブレーキECU15は、ステップ510において、後述するように今回算出したマスタシリンダ液量推定値(M/C液量(n))に応じて反力補正量を算出して取得する。
次に、増圧制御中において、リザーバ23d内のブレーキ液の残量が液圧ポンプ23aの吐出流量以上である場合、例えば、増圧制御が開始されて間もない場合であってリザーバ23d内にブレーキ液が比較的多く残っている場合などについて説明する。この場合、ブレーキECU15は、ステップ514で「YES」と判定する。
そして、ブレーキECU15は、ステップ516において、マスタシリンダ12fからホイールシリンダWCfへのブレーキ液の流入流量と液圧ポンプ23aの吐出流量とから算出するマスタシリンダのブレーキ液量の推定値であるマスタシリンダ液量推定値を算出する。具体的には、マスタシリンダ液量推定値の前回値であるM/C液量(n−1)から、マスタシリンダ12fからホイールシリンダWCfへのブレーキ液の流入流量(すなわちW/C液増大量)を減算し、ポンプの吐出量を加算して、マスタシリンダ液量推定値の今回値であるM/C液量(n)を算出する。このM/C液量(n)を記憶する。これと同時に、リザーバ23d内のブレーキ液の蓄積量の前回値であるリザーバ蓄積量(n−1)からポンプの吐出量を減算して、ブレーキ液の蓄積量の今回値であるリザーバ蓄積量(n)を算出して記憶する。次回での計算に使用するためである。
そして、ブレーキECU15は、ステップ510において、後述するように今回算出したマスタシリンダ液量推定値(M/C液量(n))に応じて反力補正量を算出して取得する。
さらに、増圧制御中において、リザーバ23d内のブレーキ液の残量が液圧ポンプ23aの吐出流量より小さい場合、例えば、リザーバ23d内のブレーキ液の残量がほとんどない場合などについて説明する。この場合、ブレーキECU15は、ステップ514で「NO」と判定する。
そして、ブレーキECU15は、ステップ518において、マスタシリンダ12fからホイールシリンダWCfへのブレーキ液の流入流量とリザーバ23d内のブレーキ液の残量とから算出するマスタシリンダのブレーキ液量の推定値であるマスタシリンダ液量推定値を算出する。具体的には、マスタシリンダ液量推定値の前回値であるM/C液量(n−1)から、マスタシリンダ12fからホイールシリンダWCfへのブレーキ液の流入流量(すなわちW/C液増大量)を減算し、リザーバ23d内の蓄積量の前回値を加算して、マスタシリンダ液量推定値の今回値であるM/C液量(n)を算出する。このM/C液量(n)を記憶する。これと同時に、ブレーキ液の蓄積量の今回値であるリザーバ蓄積量(n)を0に設定する。
そして、ブレーキECU15は、ステップ510において、後述するように今回算出したマスタシリンダ液量推定値(M/C液量(n))に応じて反力補正量を算出して取得する。
ブレーキECU15は、上述したように、ABS制御が開始されると減圧制御中であっても増圧制御中であっても連続してマスタシリンダのブレーキ液量の推定値であるマスタシリンダ液量推定値(M/C液量(n))、ブレーキ液の蓄積量の今回値であるリザーバ蓄積量(n)を算出する。
一方、ブレーキECU15は、ステップ508において、反力補正係数を算出する。具体的には、ブレーキECU15は、図7に示すフローチャートに沿って反力補正係数算出ルーチンを実行する。
ブレーキECU15は、ステップ602において、ブレーキレバー11fが操作されたか否かを判定する。ブレーキECU15は、ブレーキレバー11fの操作によりABS制御が開始された場合には(ステップ602で「YES」と判定し)、ステップ604において、先に記憶したABS制御(前輪)の開始時点のマスタシリンダ圧推定値(ホイールシリンダ圧推定初期値)と、図10に示すABS制御の開始時点のマスタシリンダ圧推定値と反力補正係数の関係を示すマップ(ブレーキレバー)とから反力補正係数を算出する。なお、ブレーキレバー11fの操作によりABS制御が開始されていない場合、プログラムをステップ606に進める。
ここで、反力補正係数は、ABS制御の開始時点のマスタシリンダ圧推定値(ホイールシリンダ圧推定初期値)が大きいほど大きい値に設定されることが好ましい。ここで、図10に示すように、ブレーキ操作部材がブレーキレバーの場合もブレーキペダルの場合も、反力補正係数は、ABS制御の開始時点のマスタシリンダ圧推定値(ホイールシリンダ圧推定初期値)が大きいほど大きい値に設定されている。これにより、ロック圧が高いほど反力補正係数が大きく設定されるので、ロック圧が高いほど反力補正量を大きい値に設定して、ABS制御の開始に繋がるブレーキ操作が急激である場合であっても、差圧推定値Pdを精度良く推定・取得することができる。
ブレーキECU15は、ステップ606において、ブレーキペダル11rが操作されたか否かを判定し、ブレーキペダル11rの操作によりABS制御が開始された場合には(ステップ606で「YES」と判定し)、ステップ608において、先に記憶したABS制御(後輪)の開始時点のマスタシリンダ圧推定値(ホイールシリンダ圧推定初期値)と、図10に示すABS制御の開始時点のマスタシリンダ圧推定値と反力補正係数の関係を示すマップ(ブレーキペダル)とから反力補正係数を算出する。なお、ブレーキペダル11rの操作によりABS制御が開始されていない場合、プログラムをステップ610に進める。
ここで、反力補正係数は、図10に示すように、ブレーキ操作部材が足で操作されるブレーキペダルである場合に比べて、ブレーキ操作部材が手で操作されるブレーキレバーである場合のほうが小さめに設定されることが好ましい。手に比べて足のほうが操作力が強いため、反力が強いので、反力補正量も大きめに設定する必要がある。これによれば、ブレーキペダルが足で操作された場合、ブレーキレバーが手で操作された場合のいずれの場合にも、それらの場合に応じた適切な反力補正量を得ることができる。
そして、ブレーキECU15は、ステップ610において、前後ブレーキ操作部材が同時に制動操作されているか否かを判定する。前後ブレーキ操作部材が同時に制動操作されていれば、ステップ604,608で取得した反力補正係数の定数a(a<1)を乗じて得た値を新しい反力補正係数と設定し、前後ブレーキ操作部材が単独に制動操作されていれば、ステップ604,608で取得した反力補正係数をそのまま使用する。これによれば、両方に制動操作されてABS制御が行われた場合に得る反力補正係数は、それぞれ単独で制動操作された場合に得た反力補正係数より小さい値として設定される。すなわち、前後輪同時に制動操作されてABS制御が行われる場合に比べて、前後輪のいずれか一輪に単独に制動操作されてABS制御が行われる場合のほうが大きめに設定されることができる。
ここで、本液圧ブレーキ装置10においては、前輪および後輪液圧回路13f,13rにそれぞれ前輪および後輪液圧ポンプ23a,23bが設けられ、両ポンプ23a,23bは共通の一つの電動モータ23cによって一定の回転数で駆動されている。よって、単独に制動操作され一方のみにABS制御が行われている場合は、前後両方に制動操作され両方にABS制御が行われた場合に比べると、ABS制御が行われている液圧回路の数(単独の場合は1つであり、両方の場合は2つである。)が少ないため電動モータ23cの負荷が小さくポンプの吐出圧が大きくなる。したがって、反力が大きくなるので、反力補正量(すなわち反力補正係数)も大きめに設定する必要がある。換言すると、前後両方に制動操作され両方にABS制御が行われた場合は、単独に制動操作され一方のみにABS制御が行われている場合に比べると、反力が小さくなるので、反力補正量(すなわち反力補正係数)も小さめに設定する必要がある。これによれば、前後輪同時にABS制御が行われる場合、一輪に単独にABS制御が行われる場合のいずれの場合にも、それらの場合に応じた適切な反力補正量を得ることができる。
その後、ブレーキECU15は、プログラムをステップ614に進めて本ルーチンを一旦終了する。
そして、ブレーキECU15は、プログラムを再び図6に示すステップ510に進めて、今回算出したM/C液量(n)にステップ508で取得した反力補正係数を乗じて反力補正量を算出する。これにより、マスタシリンダの液量に応じて反力補正量を設定することができる。マスタシリンダの液量が多ければ反力補正量を大きく設定し、マスタシリンダの液量が少なければ反力補正量を小さく設定することができる。
その後、ブレーキECU15は、プログラムをステップ520に進めて本ルーチンを一旦終了する。
ところで、上述したホイールシリンダ圧推定値Pw、マスタシリンダ圧推定値Pm、反力補正量Pmc1の一例を図11に示す。図11においては、ブレーキレバー11fが操作された場合を示しており、時刻t0に制動操作が開始され、時刻t1でABS制御が開始されたものとする。時刻t1でのホイールシリンダ圧推定値すなわちホイールシリンダ圧推定初期値はPw0である。
ホイールシリンダ圧推定値Pwは、ABS制御開始時点(時刻t1)から時刻t2まで減圧制御のため下降し、時刻t2に増圧制御に転じると、減圧制御が終了し再び減圧制御が開始される時刻t3まで上昇する。時刻t3以降においては、減圧制御、増圧制御が繰り返し実行され(減圧制御と増圧制御の間に保持制御が行われる場合もある。)、それに応じてホイールシリンダ圧推定値Pwが減増する。
また、マスタシリンダ圧推定値Pmは、ホイールシリンダ圧推定初期値はPw0付近に設定される。
一方、減圧制御中では、増圧弁21aが閉じておりマスタシリンダ12fへのポンプ23aからの吐出量に応じてマスタシリンダの液量推定値が増大するので、それに応じて反力補正量Pmc1は増大する。また、増圧制御中では、増圧弁21aが開いておりマスタシリンダ12fからのホイールシリンダWCfへの流量およびマスタシリンダ12fに存在するブレーキ液量に応じてマスタシリンダの液量推定値が減少するので、それに応じて反力補正量Pmc1は減少する。すなわち、ホイールシリンダ圧推定値Pwが増大すれば反力補正量Pmc1は減少し、ホイールシリンダ圧推定値Pwが減少すれば反力補正量Pmc1は増大する。
再び説明を図5のフローチャートに戻す。ブレーキECU15は、再び図5に示すステップ408にプログラムを進め、ステップ408において、操作増し補正量Pmc2を算出する。具体的には、ブレーキECU15は、図8に示すフローチャートに沿って操作増し補正量算出ルーチンを実行する。
ブレーキECU15は、ステップ702において、現時点が減圧制御開始時点であるか否かを判定し、ステップ704において、現時点までに操作増し(踏み増し、握り増し)があった否かを判定する。増し踏みが行われた時点(図11の時刻t11)以降、それまでに実差圧に近い値に設定されていた差圧推定値Pdが実差圧よりも小さくなる。この結果、時刻t11を含む増圧制御においてホイールシリンダ圧の急上昇が発生し、次に減圧制御を開始する時期(時刻t12)が早くなる。これにより、増圧制御が短期間で終了した後、直ちに次の減圧制御が開始されることになる。この結果、車輪速度が短期間で急激に増減する現象が発生する。このような現象を止めるためには、差圧推定値Pdを大きめに設定する必要がある。このような目的で差圧推定値Pdに加算される値が操作増し補正量Pmc2である。
なお、操作増し(踏み増し、握り増し)があった否かは、減圧制御の開始時点毎(例えば時刻t12)に、車輪加速度の急激な変化、かつ、それまでに実行されていた増圧制御の継続時間が所定時間より短い場合には、操作増しがあったと判定される。
ブレーキECU15は、操作増しがあったと判定すると、上述した反力補正量の前回値(n−1)を操作増し補正量として記憶し(ステップ706)、反力補正量の今回値(n)を0に設定する(ステップ708)。これによれば、差圧推定値を所定値だけ大きめに設定することができ、ABS制御中にブレーキ操作部材が操作増しされた場合(図11に示す時刻t11に)でも、差圧推定値を正確に算出することができ、この結果、増圧弁を適切に制御することができ、適切にホイールシリンダ圧を付与して適切な制動力を得ることができる。
そして、ブレーキECU15は、再び図5に示すステップ410にプログラムを進め、ステップ410において、マスタシリンダ圧推定値Pm0とホイールシリンダ圧推定値Pwとの差に反力補正量Pmc1と操作増し補正量Pmc2を加算してマスタシリンダ圧とホイールシリンダ圧との差圧の推定値である差圧推定値Pdを算出して取得する(差圧推定値取得手段)。
その後、ブレーキECU15は、プログラムをステップ412に進めて、本ルーチンを一旦終了する。
そして、ブレーキECU15は、上述した後輪および前輪ABS制御での各出力に基づいて、増圧弁21a,22a、減圧弁21b,22bを選択的に非駆動・駆動制御を実行し(ステップ114)、電動モータ23cの非駆動・駆動制御(すなわちポンプ23a,23bの非駆動・駆動制御)を実行する(ステップ116)。
ブレーキECU15は、ステップ114において、図9に示すフローチャートに沿ってソレノイド駆動ルーチンを実行する。ブレーキECU15は、ステップ802において、先に算出した差圧推定値Pdから増圧弁21aの指令電流値を算出する。このとき、差圧推定値と指令電流値との関係を示すマップを使用すればよい。ブレーキECU15は、ステップ804において、減圧制御では駆動状態、増圧制御では非駆動状態となるように減圧弁21bの指令電流値を算出する。そして、ブレーキECU15は、ステップ806において、ステップ802、804で算出した指令値で増圧弁21a,減圧弁21bを駆動する。その後、プログラムをステップ808に進めて本ルーチンを一旦終了する。
ブレーキECU15は、ステップ116において、ABS制御が開始されて終了されるまでは、電動モータ23cを駆動させ、ABS制御が行われていない場合には、電動モータ23cを非駆動させている。その後、ブレーキECU15は、プログラムをステップ118に進めて本プログラムを一旦終了する。
以上のように構成された結果、この実施の形態では、図12のタイムチャートに示すような作用効果が発揮される。図12では、実マスタシリンダ圧(実M/C圧)と実ホイールシリンダ圧(実W/C圧)を実測し、それら実測値から実差圧を算出し、実M/C圧、実W/C圧、実差圧を示している。さらに、上述した方法で算出した差圧推定値を示している。図12から明らかなように、増圧制御中においては、差圧推定値は実差圧とよく一致している。これにより、マスタシリンダ圧が変動しても、その変動に応じて差圧推定値を適切に補正することができ、適切に所望の増圧を行うことができる。なお、減圧制御中の差圧推定値は算出していないため、一定の値に設定されている。
また、比較例として従来の方法で算出した場合を図13で示す。図13でも、実マスタシリンダ圧(実M/C圧)と実ホイールシリンダ圧(実W/C圧)を実測し、それら実測値から実差圧を算出し、実M/C圧、実W/C圧、実差圧を示している。さらに、従来の方法で算出した差圧推定値を示している。図13から明らかなように、増圧制御中においては、差圧推定値は実差圧とほとんど一致していない。よって、マスタシリンダ圧が変動しても、その変動に応じて差圧推定値を適切に補正することができないで、適切に所望の増圧を行うことができない。
上述した説明から明らかなように、本実施の形態によれば、ホイールシリンダ圧推定値取得手段(ステップ402)が、ABS制御の開始時点でのホイールシリンダ圧の推定値であるホイールシリンダ圧推定初期値を利用してABS制御中に亘って変化するホイールシリンダ圧の推定値を取得し、マスタシリンダ圧推定値取得手段(ステップ404)が、ホイールシリンダ圧推定初期値を利用してマスタシリンダ圧の推定値を取得し、反力補正量取得手段(ステップ406)が、ABS制御中のブレーキ液の流動によるマスタシリンダ圧の変動に応じた値である反力補正量を取得し、差圧推定値取得手段(ステップ410)が、マスタシリンダ圧推定値とホイールシリンダ圧推定値との差に反力補正量を加算してマスタシリンダ圧とホイールシリンダ圧との差圧の推定値を取得し、増圧弁制御手段が、差圧推定値に基づいて各増圧弁を制御する。これにより、自動二輪車のようにマスタシリンダ圧が大きく変動する場合においても、マスタシリンダ圧の変動に応じた値である反力補正量を取得し、その取得した反力補正量を使用して、ABS制御中に渡ってほぼ一定であるマスタシリンダ圧推定値とホイールシリンダ圧推定値との差を補正して差圧推定値を正確に算出することができる。この結果、増圧弁を適切に制御することができ、適切にホイールシリンダ圧を付与して適切な制動力を得ることができる。
また、反力補正量取得手段は、各増圧制御中において、各リザーバ(23d,23e)内のブレーキ液の残量が各液圧ポンプ(23a,23b)の吐出流量以上である場合には、各ホイールシリンダ(WC*)へのブレーキ液の流入流量と液圧ポンプ(23a,23b)の吐出流量とから算出するマスタシリンダ(12f,12r)のブレーキ液量の推定値であるマスタシリンダ液量推定値に応じて反力補正量を算出して取得する(ステップ516)。これによれば、増圧制御中において、リザーバ内のブレーキ液の残量が液圧ポンプの吐出流量以上である場合、マスタシリンダ液量推定値に応じて反力補正量を適切に算出し差圧推定値を適切に算出することができる。
また、反力補正量取得手段は、各増圧制御中において、各リザーバ(23d,23e)内のブレーキ液の残量が各液圧ポンプ(23a,23b)の吐出流量より小さい場合には、各リザーバ内のブレーキ液の残量と各ホイールシリンダ(WC*)へのブレーキ液の流入流量とから算出するマスタシリンダ(12f,12r)のブレーキ液量の推定値であるマスタシリンダ液量推定値に応じて反力補正量を算出して取得する(ステップ518)。これによれば、増圧制御中において、リザーバ内のブレーキ液の残量が液圧ポンプの吐出流量より小さい場合、マスタシリンダ液量推定値に応じて反力補正量を適切に算出し差圧推定値を適切に算出することができる。
また、反力補正量取得手段は、各減圧制御中において、各リザーバ(23d,23e)内のブレーキ液の残量と各ホイールシリンダ(WC*)からのブレーキ液の流出流量との和が各液圧ポンプ(23a,23b)の吐出流量以上である場合には、液圧ポンプの吐出流量から算出するマスタシリンダ(12f,12r)のブレーキ液量の推定値であるマスタシリンダ液量推定値に応じて反力補正量を算出して取得する(ステップ506)。これによれば、減圧制御中において、リザーバ内のブレーキ液の残量とホイールシリンダからのブレーキ液の流出流量との和が液圧ポンプの吐出流量以上である場合、マスタシリンダ液量推定値に応じて反力補正量を適切に算出し差圧推定値を適切に算出することができる。
また、反力補正量取得手段は、各減圧制御中において、各リザーバ(23d,23e)内のブレーキ液の残量と各ホイールシリンダ(WC*)からのブレーキ液の流出流量との和が各液圧ポンプ(23a,23b)の吐出流量より小さい場合には、各リザーバ内のブレーキ液の残量と各ホイールシリンダからのブレーキ液の流出流量とから算出するマスタシリンダ(12f,12r)のブレーキ液量の推定値であるマスタシリンダ液量推定値に応じて反力補正量を算出して取得する(ステップ512)。これによれば、減圧制御中において、リザーバ内のブレーキ液の残量とホイールシリンダからのブレーキ液の流出流量との和が液圧ポンプの吐出流量より小さい場合、マスタシリンダ液量推定値に応じて反力補正量を適切に算出し差圧推定値を適切に算出することができる。
また、反力補正量取得手段は、マスタシリンダ液量推定値に反力補正係数を乗じて反力補正量を算出する(ステップ510)。これによれば、マスタシリンダ液量に応じた適切な反力補正量を容易に得ることができる。
また、反力補正係数は、ABS制御の開始時点のマスタシリンダ圧推定値が大きいほど大きい値に設定される(図10のマップ)。これによれば、ブレーキ操作部材の操作開始時点からABS制御の開始時点までのブレーキ減速度の度合いに応じた適切な反力補正量を得ることができる。
また、反力補正係数は、ブレーキ操作部材が足で操作されるブレーキペダルである場合に比べて、ブレーキ操作部材が手で操作されるブレーキレバーである場合のほうが小さめに設定される(図10のマップ)。これによれば、ブレーキペダルが足で操作された場合、ブレーキレバーが手で操作された場合のいずれの場合にも、それらの場合に応じた適切な反力補正量を得ることができる。
また、反力補正係数は、前後輪同時にABS制御が行われる場合に比べて、前後輪のいずれか一輪に単独にABS制御が行われる場合のほうが大きめに設定される(ステップ610,612)。これによれば、前後輪同時にABS制御が行われる場合、一輪に単独にABS制御が行われる場合のいずれの場合にも、それらの場合に応じた適切な反力補正量を得ることができる。
また、各ブレーキ操作部材が操作増しされた場合、差圧推定値取得手段は、差圧推定値を所定値だけ大きめに設定する(ステップ410)。これによれば、ABS制御中にブレーキ操作部材が操作増しされた場合でも、差圧推定値を正確に算出することができ、この結果、増圧弁を適切に制御することができ、適切にホイールシリンダ圧を付与して適切な制動力を得ることができる。
また、所定値は、操作増し後であって最初の減圧制御の開始時点で取得された反力補正量に設定される(ステップ706)。これによれば、ABS制御中にブレーキ操作部材が操作増しされた場合でも、操作増しの大きさに応じた適切な反力補正量を得ることができる。
なお、上述した増圧弁21a,22aは、2ポート2位置切換型の常開電磁開閉弁でもよく、この場合、増圧弁をPWM制御するようにすればよい。また、上述した減圧弁21b,22bは、リニア電磁弁でもよい。
なお、上述した実施の形態においては、本発明を自動二輪車のブレーキ液圧制御装置に適用したが、その他の車両(例えば四輪自動車)のブレーキ液圧制御装置に適用するようにしてもよい。四輪自動車においては、ブレーキ操作部材はブレーキペダルであり、マスタシリンダは例えばタンデム式で2つの出力ポートを有するものがある。マスタシリンダはブレーキペダルの踏力を助勢する負圧式ブースタが付設されていてもよい。マスタシリンダの2つの出力ポートにはそれぞれ独立した液圧回路が接続されている。液圧回路は、それぞれ2輪のホイールシリンダと連通している。例えば前2輪と後2輪、または前左輪・後右輪と前右輪・後左輪のホイールシリンダである。四輪自動車用のブレーキアクチュエータは、例えば各ホイールシリンダに対応させて1つずつ設けられた上述と同様の増圧弁・減圧弁と、各液圧回路に対応させて1つずつ設けられた上述と同様の液圧ポンプ、リザーバと、電動モータを1つ含んで構成されるようになっている。
このように構成された車両用のブレーキアクチュエータに適用される車両のブレーキ液圧制御装置は、増圧弁を閉状態に維持したまま減圧弁を制御することでホイールシリンダ内のブレーキ液圧であるホイールシリンダ圧を減少せしめる減圧制御が実行された後に、減圧弁を閉状態に維持したまま増圧弁を制御することでホイールシリンダ圧を増大せしめる増圧制御をこの順番で繰り返し実行可能なABS制御を実行するABS制御手段(15、ステップ110〜116)を備えている。このABS制御手段は、上述した自動二輪車のブレーキ液圧制御装置で行われている、ABS制御の開始時点でのホイールシリンダ圧の推定値であるホイールシリンダ圧推定初期値を利用してABS制御中に亘って変化するホイールシリンダ圧の推定値を取得するホイールシリンダ圧推定値取得手段(ステップ402)と、ホイールシリンダ圧推定初期値を利用してマスタシリンダ圧の推定値を取得するマスタシリンダ圧推定値取得手段(ステップ404)と、ABS制御中のブレーキ液の流動によるマスタシリンダ圧の変動に応じた値である反力補正量を取得する反力補正量取得手段(ステップ406)と、マスタシリンダ圧推定値とホイールシリンダ圧推定値との差に反力補正量を加算してマスタシリンダ圧とホイールシリンダ圧との差圧の推定値を取得する差圧推定値取得手段(ステップ410)と、差圧推定値に基づいて増圧弁を制御する増圧弁制御手段(ステップ114)と、備えている。
これによれば、車両のABS制御中においてマスタシリンダ圧が変動する場合においても、マスタシリンダ圧の変動に応じた値である反力補正量を取得し、その取得した反力補正量を使用して、ABS制御中に渡ってほぼ一定であるマスタシリンダ圧推定値とホイールシリンダ圧推定値との差を補正して差圧推定値を正確に算出することができる。この結果、増圧弁を適切に制御することができ、適切にホイールシリンダ圧を付与して適切な制動力を得ることができる。
さらに、反力補正量取得手段は、上述と同様に、増圧制御中において、リザーバ内のブレーキ液の残量が液圧ポンプの吐出流量以上である場合には、ホイールシリンダへのブレーキ液の流入流量と液圧ポンプの吐出流量とから算出するマスタシリンダのブレーキ液量の推定値であるマスタシリンダ液量推定値に応じて反力補正量を算出して取得し(ステップ516)、一方、リザーバ内のブレーキ液の残量が液圧ポンプの吐出流量より小さい場合には、リザーバ内のブレーキ液の残量とホイールシリンダへのブレーキ液の流入流量とから算出するマスタシリンダのブレーキ液量の推定値であるマスタシリンダ液量推定値に応じて反力補正量を算出して取得し(ステップ518)、減圧制御中において、リザーバ内のブレーキ液の残量とホイールシリンダからのブレーキ液の流出流量との和が液圧ポンプの吐出流量以上である場合には、液圧ポンプの吐出流量から算出するマスタシリンダのブレーキ液量の推定値であるマスタシリンダ液量推定値に応じて反力補正量を算出して取得し(ステップ506)、一方、リザーバ内のブレーキ液の残量とホイールシリンダからのブレーキ液の流出流量との和が液圧ポンプの吐出流量より小さい場合には、リザーバ内のブレーキ液の残量とホイールシリンダからのブレーキ液の流出流量とから算出する前記マスタシリンダのブレーキ液量の推定値であるマスタシリンダ液量推定値に応じて反力補正量を算出して取得する(ステップ512)。
これによれば、増圧制御中において、リザーバ内のブレーキ液の残量が液圧ポンプの吐出流量以上である場合、マスタシリンダ液量推定値に応じて反力補正量を適切に算出し差圧推定値を適切に算出することができる。一方、増圧制御中において、リザーバ内のブレーキ液の残量が液圧ポンプの吐出流量より小さい場合、マスタシリンダ液量推定値に応じて反力補正量を適切に算出し差圧推定値を適切に算出することができる。さらに、減圧制御中において、リザーバ内のブレーキ液の残量とホイールシリンダからのブレーキ液の流出流量との和が液圧ポンプの吐出流量以上である場合、マスタシリンダ液量推定値に応じて反力補正量を適切に算出し差圧推定値を適切に算出することができる。一方、減圧制御中において、リザーバ内のブレーキ液の残量とホイールシリンダからのブレーキ液の流出流量との和が液圧ポンプの吐出流量より小さい場合、マスタシリンダ液量推定値に応じて反力補正量を適切に算出し差圧推定値を適切に算出することができる。さらに、反力補正量取得手段によれば、マスタシリンダ液量に応じた適切な反力補正量を容易に得ることができる。
また、上述と同様に、反力補正係数は、ABS制御の開始時点のマスタシリンダ圧推定値が大きいほど大きい値に設定されるので、ブレーキ操作部材の操作開始時点からABS制御の開始時点までのブレーキ減速度の度合いに応じた適切な反力補正量を得ることができる。
また、上述と同様に、差圧推定値取得手段によれば、ABS制御中にブレーキ操作部材が操作増しされた場合でも、差圧推定値を正確に算出することができ、この結果、増圧弁を適切に制御することができ、適切にホイールシリンダ圧を付与して適切な制動力を得ることができる。また、所定値は、操作増し後であって最初の減圧制御の開始時点で取得された反力補正量に設定される。これによれば、ABS制御中にブレーキ操作部材が操作増しされた場合でも、操作増しの大きさに応じた適切な反力補正量を得ることができる。
本発明による自動二輪車のブレーキ液圧制御装置を自動二輪車の液圧ブレーキ装置に適用した一実施の形態の構成を示す概要図である。 図1に示すブレーキECUで実行される制御プログラムのメインプログラムである。 図1に示すブレーキECUで実行されるABS制御ルーチンのフローチャートである。 図1に示すブレーキECUで実行されるABS制御実行ルーチンのフローチャートである。 図1に示すブレーキECUで実行される差圧推定値算出ルーチンのフローチャートである。 図1に示すブレーキECUで実行される反力補正量算出ルーチンのフローチャートである。 図1に示すブレーキECUで実行される反力補正係数算出ルーチンのフローチャートである。 図1に示すブレーキECUで実行される操作増し補正量算出ルーチンのフローチャートである。 図1に示すブレーキECUで実行されるソレノイド駆動ルーチンのフローチャートである。 ABS制御開始時のマスタシリンダ圧推定値と反力補正係数との関係を示すマップである。ブレーキレバーのものとブレーキペダルのものが示されている。 本発明による実施の形態におけるホイールシリンダ圧推定値、マスタシリンダ圧推定値、反力補正量の算出結果を示すタイムチャートである。操作増しされた場合も含んでいる。 本発明による実施の形態における作用効果であり特に実差圧に対する差圧推定値の一致性を示すタイムチャートである。 従来技術による作用効果であり特に実差圧に対する差圧推定値の非一致性を示すタイムチャートである。
符号の説明
10…液圧ブレーキ装置、11f…ブレーキレバー、12f…前輪マスタシリンダ、11r…ブレーキペダル、12r…後輪マスタシリンダ、13f…前輪独立ブレーキ液圧回路、13r…後輪独立ブレーキ液圧回路、14…ブレーキアクチュエータ、15…ブレーキECU(ABS制御手段、ホイールシリンダ圧推定値取得手段、マスタシリンダ圧推定値取得手段、反力補正量取得手段、差圧推定値取得手段、増圧弁制御手段)、21…前輪ブレーキ液圧調整部、21a,22a…増圧弁、21b,22b…減圧弁、22…後輪ブレーキ液圧調整部、23…還流ブレーキ液供給部、23a…前輪側ポンプ、23b…後輪側ポンプ、23c…電動モータ、23d…前輪側リザーバ、23e…後輪側リザーバ、BRf…前輪ブレーキ、BRr…後輪ブレーキ、CLf,CLr…キャリパ、DRf,DRr…ディスクロータ、Sf,Sr…車輪速度センサ、Wf…前輪、Wr…後輪、WCr…後輪ホイールシリンダ、WCf…前輪ホイールシリンダ。

Claims (10)

  1. 運転者による前輪ブレーキ操作部材(11f)の操作に応じたブレーキ液圧であるマスタシリンダ圧を発生する前輪マスタシリンダ(12f)と前輪ホイールシリンダ(WCf)との間の前輪液圧回路(13f)に介装された前輪増圧弁(21a)と、
    前記前輪ホイールシリンダと前輪リザーバ(23d)との間の前記前輪液圧回路に介装された前輪減圧弁(21b)と、
    前記前輪リザーバから汲み上げたブレーキ液を前記前輪マスタシリンダと前記前輪増圧弁との間の前記前輪液圧回路に吐出する前輪液圧ポンプ(23a)と、
    運転者による後輪ブレーキ操作部材(11r)の操作に応じたブレーキ液圧であるマスタシリンダ圧を発生する後輪マスタシリンダ(12r)と後輪ホイールシリンダ(WCr)との間の、前記前輪液圧回路とは独立した後輪液圧回路(13r)に介装された後輪増圧弁(22a)と、
    前記後輪ホイールシリンダと後輪リザーバ(23e)との間の前記後輪液圧回路に介装された後輪減圧弁(22b)と、
    前記後輪リザーバから汲み上げたブレーキ液を前記後輪マスタシリンダと前記後輪増圧弁との間の前記後輪液圧回路に吐出する後輪液圧ポンプ(23b)と、
    を備えたブレーキアクチュエータ(14)に適用され、
    前記各増圧弁を閉状態に維持したまま前記各減圧弁を制御することで前記各ホイールシリンダ内のブレーキ液圧であるホイールシリンダ圧を減少せしめる減圧制御が実行された後に、前記各減圧弁を閉状態に維持したまま前記各増圧弁を制御することで前記各ホイールシリンダ圧を増大せしめる増圧制御をこの順番で繰り返し実行可能なABS制御を実行するABS制御手段(15、ステップ110〜116)と、を備えた自動二輪車のブレーキ液圧制御装置であって、
    前記ABS制御手段は、
    前記ABS制御の開始時点での前記ホイールシリンダ圧の推定値であるホイールシリンダ圧推定初期値を利用して前記ABS制御中に亘って変化する前記ホイールシリンダ圧の推定値を取得するホイールシリンダ圧推定値取得手段(ステップ402)と、
    前記ホイールシリンダ圧推定初期値を利用して前記マスタシリンダ圧の推定値を取得するマスタシリンダ圧推定値取得手段(ステップ404)と、
    前記ABS制御中のブレーキ液の流動によるマスタシリンダ圧の変動に応じた値である反力補正量を取得する反力補正量取得手段(ステップ406)と、
    前記マスタシリンダ圧推定値と前記ホイールシリンダ圧推定値との差に前記反力補正量を加算して前記マスタシリンダ圧と前記ホイールシリンダ圧との差圧の推定値を取得する差圧推定値取得手段(ステップ410)と、
    前記差圧推定値に基づいて前記各増圧弁を制御する増圧弁制御手段(ステップ114)と、
    を備え、
    前記反力補正量取得手段は、前記各増圧制御中において、前記各リザーバ内のブレーキ液の残量が前記各液圧ポンプの吐出流量以上である場合には、前記各ホイールシリンダへのブレーキ液の流入流量と前記液圧ポンプの吐出流量とから算出する前記マスタシリンダのブレーキ液量の推定値であるマスタシリンダ液量推定値に応じて前記反力補正量を算出して取得する(ステップ516)ことを特徴とする自動二輪車のブレーキ液圧制御装置。
  2. 運転者による前輪ブレーキ操作部材(11f)の操作に応じたブレーキ液圧であるマスタシリンダ圧を発生する前輪マスタシリンダ(12f)と前輪ホイールシリンダ(WCf)との間の前輪液圧回路(13f)に介装された前輪増圧弁(21a)と、
    前記前輪ホイールシリンダと前輪リザーバ(23d)との間の前記前輪液圧回路に介装された前輪減圧弁(21b)と、
    前記前輪リザーバから汲み上げたブレーキ液を前記前輪マスタシリンダと前記前輪増圧弁との間の前記前輪液圧回路に吐出する前輪液圧ポンプ(23a)と、
    運転者による後輪ブレーキ操作部材(11r)の操作に応じたブレーキ液圧であるマスタシリンダ圧を発生する後輪マスタシリンダ(12r)と後輪ホイールシリンダ(WCr)との間の、前記前輪液圧回路とは独立した後輪液圧回路(13r)に介装された後輪増圧弁(22a)と、
    前記後輪ホイールシリンダと後輪リザーバ(23e)との間の前記後輪液圧回路に介装された後輪減圧弁(22b)と、
    前記後輪リザーバから汲み上げたブレーキ液を前記後輪マスタシリンダと前記後輪増圧弁との間の前記後輪液圧回路に吐出する後輪液圧ポンプ(23b)と、
    を備えたブレーキアクチュエータ(14)に適用され、
    前記各増圧弁を閉状態に維持したまま前記各減圧弁を制御することで前記各ホイールシリンダ内のブレーキ液圧であるホイールシリンダ圧を減少せしめる減圧制御が実行された後に、前記各減圧弁を閉状態に維持したまま前記各増圧弁を制御することで前記各ホイールシリンダ圧を増大せしめる増圧制御をこの順番で繰り返し実行可能なABS制御を実行するABS制御手段(15、ステップ110〜116)と、を備えた自動二輪車のブレーキ液圧制御装置であって、
    前記ABS制御手段は、
    前記ABS制御の開始時点での前記ホイールシリンダ圧の推定値であるホイールシリンダ圧推定初期値を利用して前記ABS制御中に亘って変化する前記ホイールシリンダ圧の推定値を取得するホイールシリンダ圧推定値取得手段(ステップ402)と、
    前記ホイールシリンダ圧推定初期値を利用して前記マスタシリンダ圧の推定値を取得するマスタシリンダ圧推定値取得手段(ステップ404)と、
    前記ABS制御中のブレーキ液の流動によるマスタシリンダ圧の変動に応じた値である反力補正量を取得する反力補正量取得手段(ステップ406)と、
    前記マスタシリンダ圧推定値と前記ホイールシリンダ圧推定値との差に前記反力補正量を加算して前記マスタシリンダ圧と前記ホイールシリンダ圧との差圧の推定値を取得する差圧推定値取得手段(ステップ410)と、
    前記差圧推定値に基づいて前記各増圧弁を制御する増圧弁制御手段(ステップ114)と、
    を備え、
    前記反力補正量取得手段は、前記各増圧制御中において、前記各リザーバ内のブレーキ液の残量が前記各液圧ポンプの吐出流量より小さい場合には、前記各リザーバ内のブレーキ液の残量と前記各ホイールシリンダへのブレーキ液の流入流量とから算出する前記マスタシリンダのブレーキ液量の推定値であるマスタシリンダ液量推定値に応じて前記反力補正量を算出して取得する(ステップ518)ことを特徴とする自動二輪車のブレーキ液圧制御装置。
  3. 運転者による前輪ブレーキ操作部材(11f)の操作に応じたブレーキ液圧であるマスタシリンダ圧を発生する前輪マスタシリンダ(12f)と前輪ホイールシリンダ(WCf)との間の前輪液圧回路(13f)に介装された前輪増圧弁(21a)と、
    前記前輪ホイールシリンダと前輪リザーバ(23d)との間の前記前輪液圧回路に介装された前輪減圧弁(21b)と、
    前記前輪リザーバから汲み上げたブレーキ液を前記前輪マスタシリンダと前記前輪増圧弁との間の前記前輪液圧回路に吐出する前輪液圧ポンプ(23a)と、
    運転者による後輪ブレーキ操作部材(11r)の操作に応じたブレーキ液圧であるマスタシリンダ圧を発生する後輪マスタシリンダ(12r)と後輪ホイールシリンダ(WCr)との間の、前記前輪液圧回路とは独立した後輪液圧回路(13r)に介装された後輪増圧弁(22a)と、
    前記後輪ホイールシリンダと後輪リザーバ(23e)との間の前記後輪液圧回路に介装された後輪減圧弁(22b)と、
    前記後輪リザーバから汲み上げたブレーキ液を前記後輪マスタシリンダと前記後輪増圧弁との間の前記後輪液圧回路に吐出する後輪液圧ポンプ(23b)と、
    を備えたブレーキアクチュエータ(14)に適用され、
    前記各増圧弁を閉状態に維持したまま前記各減圧弁を制御することで前記各ホイールシリンダ内のブレーキ液圧であるホイールシリンダ圧を減少せしめる減圧制御が実行された後に、前記各減圧弁を閉状態に維持したまま前記各増圧弁を制御することで前記各ホイールシリンダ圧を増大せしめる増圧制御をこの順番で繰り返し実行可能なABS制御を実行するABS制御手段(15、ステップ110〜116)と、を備えた自動二輪車のブレーキ液圧制御装置であって、
    前記ABS制御手段は、
    前記ABS制御の開始時点での前記ホイールシリンダ圧の推定値であるホイールシリンダ圧推定初期値を利用して前記ABS制御中に亘って変化する前記ホイールシリンダ圧の推定値を取得するホイールシリンダ圧推定値取得手段(ステップ402)と、
    前記ホイールシリンダ圧推定初期値を利用して前記マスタシリンダ圧の推定値を取得するマスタシリンダ圧推定値取得手段(ステップ404)と、
    前記ABS制御中のブレーキ液の流動によるマスタシリンダ圧の変動に応じた値である反力補正量を取得する反力補正量取得手段(ステップ406)と、
    前記マスタシリンダ圧推定値と前記ホイールシリンダ圧推定値との差に前記反力補正量を加算して前記マスタシリンダ圧と前記ホイールシリンダ圧との差圧の推定値を取得する差圧推定値取得手段(ステップ410)と、
    前記差圧推定値に基づいて前記各増圧弁を制御する増圧弁制御手段(ステップ114)と、
    を備え、
    前記反力補正量取得手段は、前記各減圧制御中において、前記各リザーバ内のブレーキ液の残量と前記各ホイールシリンダからのブレーキ液の流出流量との和が前記各液圧ポンプの吐出流量以上である場合には、前記液圧ポンプの吐出流量から算出する前記マスタシリンダのブレーキ液量の推定値であるマスタシリンダ液量推定値に応じて前記反力補正量を算出して取得する(ステップ506)ことを特徴とする自動二輪車のブレーキ液圧制御装置。
  4. 運転者による前輪ブレーキ操作部材(11f)の操作に応じたブレーキ液圧であるマスタシリンダ圧を発生する前輪マスタシリンダ(12f)と前輪ホイールシリンダ(WCf)との間の前輪液圧回路(13f)に介装された前輪増圧弁(21a)と、
    前記前輪ホイールシリンダと前輪リザーバ(23d)との間の前記前輪液圧回路に介装された前輪減圧弁(21b)と、
    前記前輪リザーバから汲み上げたブレーキ液を前記前輪マスタシリンダと前記前輪増圧弁との間の前記前輪液圧回路に吐出する前輪液圧ポンプ(23a)と、
    運転者による後輪ブレーキ操作部材(11r)の操作に応じたブレーキ液圧であるマスタシリンダ圧を発生する後輪マスタシリンダ(12r)と後輪ホイールシリンダ(WCr)との間の、前記前輪液圧回路とは独立した後輪液圧回路(13r)に介装された後輪増圧弁(22a)と、
    前記後輪ホイールシリンダと後輪リザーバ(23e)との間の前記後輪液圧回路に介装された後輪減圧弁(22b)と、
    前記後輪リザーバから汲み上げたブレーキ液を前記後輪マスタシリンダと前記後輪増圧弁との間の前記後輪液圧回路に吐出する後輪液圧ポンプ(23b)と、
    を備えたブレーキアクチュエータ(14)に適用され、
    前記各増圧弁を閉状態に維持したまま前記各減圧弁を制御することで前記各ホイールシリンダ内のブレーキ液圧であるホイールシリンダ圧を減少せしめる減圧制御が実行された後に、前記各減圧弁を閉状態に維持したまま前記各増圧弁を制御することで前記各ホイールシリンダ圧を増大せしめる増圧制御をこの順番で繰り返し実行可能なABS制御を実行するABS制御手段(15、ステップ110〜116)と、を備えた自動二輪車のブレーキ液圧制御装置であって、
    前記ABS制御手段は、
    前記ABS制御の開始時点での前記ホイールシリンダ圧の推定値であるホイールシリンダ圧推定初期値を利用して前記ABS制御中に亘って変化する前記ホイールシリンダ圧の推定値を取得するホイールシリンダ圧推定値取得手段(ステップ402)と、
    前記ホイールシリンダ圧推定初期値を利用して前記マスタシリンダ圧の推定値を取得するマスタシリンダ圧推定値取得手段(ステップ404)と、
    前記ABS制御中のブレーキ液の流動によるマスタシリンダ圧の変動に応じた値である反力補正量を取得する反力補正量取得手段(ステップ406)と、
    前記マスタシリンダ圧推定値と前記ホイールシリンダ圧推定値との差に前記反力補正量を加算して前記マスタシリンダ圧と前記ホイールシリンダ圧との差圧の推定値を取得する差圧推定値取得手段(ステップ410)と、
    前記差圧推定値に基づいて前記各増圧弁を制御する増圧弁制御手段(ステップ114)と、
    を備え、
    前記反力補正量取得手段は、前記各減圧制御中において、前記各リザーバ内のブレーキ液の残量と前記各ホイールシリンダからのブレーキ液の流出流量との和が前記各液圧ポンプの吐出流量より小さい場合には、前記各リザーバ内のブレーキ液の残量と前記各ホイールシリンダからのブレーキ液の流出流量とから算出する前記マスタシリンダのブレーキ液量の推定値であるマスタシリンダ液量推定値に応じて前記反力補正量を算出して取得する(ステップ512)ことを特徴とする自動二輪車のブレーキ液圧制御装置。
  5. 請求項1乃至請求項4の何れか一項において、前記反力補正量取得手段は、前記マスタシリンダ液量推定値に反力補正係数を乗じて前記反力補正量を算出する(ステップ510)ことを特徴とする自動二輪車のブレーキ液圧制御装置。
  6. 請求項5において、前記反力補正係数は、前記ABS制御の開始時点の前記マスタシリンダ圧推定値が大きいほど大きい値に設定される(図10のマップ)ことを特徴とする自動二輪車のブレーキ液圧制御装置。
  7. 請求項5において、前記反力補正係数は、前記ブレーキ操作部材が足で操作されるブレーキペダルである場合に比べて、前記ブレーキ操作部材が手で操作されるブレーキレバーである場合のほうが小さめに設定される(図10のマップ)ことを特徴とする自動二輪車のブレーキ液圧制御装置。
  8. 請求項5において、前記反力補正係数は、前後輪同時に前記ABS制御が行われる場合に比べて、前記前後輪のいずれか一輪に単独に前記ABS制御が行われる場合のほうが大きめに設定される(ステップ610,612)ことを特徴とする自動二輪車のブレーキ液圧制御装置。
  9. 請求項1乃至請求項8の何れか一項において、前記各ブレーキ操作部材が操作増しされた場合、前記差圧推定値取得手段は、前記差圧推定値を所定値だけ大きめに設定し(ステップ410)、
    前記所定値は、操作増し後であって最初の前記減圧制御の開始時点で取得された前記反力補正量に設定される(ステップ706)ことを特徴とする自動二輪車のブレーキ液圧制御装置。
  10. 運転者によるブレーキ操作部材(11f)の操作に応じたブレーキ液圧であるマスタシリンダ圧を発生するマスタシリンダ(12f)とホイールシリンダ(WCf)との間の液圧回路(13f)に介装された増圧弁(21a)と、
    前記ホイールシリンダとリザーバ(23d)との間の前記液圧回路に介装された減圧弁(21b)と、
    前記リザーバから汲み上げたブレーキ液を前記マスタシリンダと前記増圧弁との間の前記液圧回路に吐出する液圧ポンプ(23a)と、
    を備えたブレーキアクチュエータ(14)に適用され、
    前記増圧弁を閉状態に維持したまま前記減圧弁を制御することで前記ホイールシリンダ内のブレーキ液圧であるホイールシリンダ圧を減少せしめる減圧制御が実行された後に、前記減圧弁を閉状態に維持したまま前記増圧弁を制御することで前記ホイールシリンダ圧を増大せしめる増圧制御をこの順番で繰り返し実行可能なABS制御を実行するABS制御手段(15、ステップ110〜116)と、を備えた車両のブレーキ液圧制御装置であって、
    前記ABS制御手段は、
    前記ABS制御の開始時点での前記ホイールシリンダ圧の推定値であるホイールシリンダ圧推定初期値を利用して前記ABS制御中に亘って変化する前記ホイールシリンダ圧の推定値を取得するホイールシリンダ圧推定値取得手段(ステップ402)と、
    前記ホイールシリンダ圧推定初期値を利用して前記マスタシリンダ圧の推定値を取得するマスタシリンダ圧推定値取得手段(ステップ404)と、
    前記ABS制御中のブレーキ液の流動によるマスタシリンダ圧の変動に応じた値である反力補正量を取得する反力補正量取得手段(ステップ406)と、
    前記マスタシリンダ圧推定値と前記ホイールシリンダ圧推定値との差に前記反力補正量を加算して前記マスタシリンダ圧と前記ホイールシリンダ圧との差圧の推定値を取得する差圧推定値取得手段(ステップ410)と、
    前記差圧推定値に基づいて前記増圧弁を制御する増圧弁制御手段(ステップ114)と、
    を備え、
    前記反力補正量取得手段は、
    前記増圧制御中において、前記リザーバ内のブレーキ液の残量が前記液圧ポンプの吐出流量以上である場合には、前記ホイールシリンダへのブレーキ液の流入流量と前記液圧ポンプの吐出流量とから算出する前記マスタシリンダのブレーキ液量の推定値であるマスタシリンダ液量推定値に応じて前記反力補正量を算出して取得し(ステップ516)、一方、前記リザーバ内のブレーキ液の残量が前記液圧ポンプの吐出流量より小さい場合には、前記リザーバ内のブレーキ液の残量と前記ホイールシリンダへのブレーキ液の流入流量とから算出する前記マスタシリンダのブレーキ液量の推定値であるマスタシリンダ液量推定値に応じて前記反力補正量を算出して取得し(ステップ518)、
    前記減圧制御中において、前記リザーバ内のブレーキ液の残量と前記ホイールシリンダからのブレーキ液の流出流量との和が前記液圧ポンプの吐出流量以上である場合には、前記液圧ポンプの吐出流量から算出する前記マスタシリンダのブレーキ液量の推定値であるマスタシリンダ液量推定値に応じて前記反力補正量を算出して取得し(ステップ506)、一方、前記リザーバ内のブレーキ液の残量と前記ホイールシリンダからのブレーキ液の流出流量との和が前記液圧ポンプの吐出流量より小さい場合には、前記リザーバ内のブレーキ液の残量と前記ホイールシリンダからのブレーキ液の流出流量とから算出する前記マスタシリンダのブレーキ液量の推定値であるマスタシリンダ液量推定値に応じて前記反力補正量を算出して取得し(ステップ512)、
    前記反力補正量取得手段は、前記マスタシリンダ液量推定値に反力補正係数を乗じて前記反力補正量を算出し(ステップ510)、
    前記反力補正係数は、前記ABS制御の開始時点の前記マスタシリンダ圧推定値が大きいほど大きい値に設定され(図10のマップ)、
    前記差圧推定値取得手段は、前記ブレーキ操作部材が操作増しされた場合、前記差圧推定値を、操作増し後であって最初の前記減圧制御の開始時点で取得された前記反力補正量に設定される(ステップ706)所定値だけ大きめに設定する(ステップ410)ことを特徴とする車両のブレーキ液圧制御装置。
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