JP2011063202A - 車両の制動制御装置 - Google Patents

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Ryuzo Tsuruhara
Yutaka Hamamoto
豊 濱本
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Abstract

【課題】アンチロックブレーキ制御中に運転手によるブレーキ操作が変化しても、その変化に適切に対応した制動制御を実行できる車両の制動制御装置を提供する。
【解決手段】ECUは、ABS制御中にダブルブレーキが検出された場合(第6タイミングt16)、車輪に対応して設けられたホイールシリンダ内のWC圧の増圧速度が速くなるように、ホイールシリンダ内のWC圧を増圧させる際に開動作する増圧弁に対する指令電流値Idを調整する。
【選択図】図7

Description

本発明は、車両に搭載される車輪に対する制動力を制御するための車両の制動制御装置に関する。
一般に、車両には、運転手によるブレーキ操作に基づく車両制動時に、車輪のロックを抑制して車両の操舵性を確保するためのアンチロックブレーキ制御(「ABS制御」ともいう。)を実行し、ブレーキアクチュエータを駆動させる制動制御装置が設けられている。ブレーキアクチュエータは、運転手によるブレーキ操作に応じたマスタシリンダ圧を発生させるマスタシリンダと、車輪毎に設けられ、内部に発生したホイールシリンダ圧に応じた制動力を車輪に付与するためのホイールシリンダとを連通させる経路を備えている。この経路には、ホイールシリンダ内のホイールシリンダ圧(「WC圧」ともいう。)を増圧させる場合に開状態になる増圧弁(常開型の電磁弁)と、WC圧を減圧させる場合に開状態となる減圧弁(常閉型の電磁弁)とが設けられている。
そして、運転手によるブレーキ操作中にABS制御の開始条件が成立した場合、制動制御装置は、ABS制御を実行する。具体的には、制動制御装置は、ホイールシリンダ内のWC圧を減圧させるために、増圧弁を閉状態にすると共に減圧弁を開状態にする減圧制御を行なう。その後、制動制御装置は、ホイールシリンダ内のWC圧を徐々に増圧させるために、減圧弁を閉状態にすると共に増圧弁を閉状態から徐々に開状態にするリニア増圧制御を行なう。このとき、増圧弁に供給する指令電流値は、所定のマップに基づき設定される。なお、所定のマップとは、ホイールシリンダ内のWC圧とマスタシリンダ内のマスタシリンダ圧(「MC圧」ともいう。)との差圧との関係を示すマップである。
ところで、車両にマスタシリンダ内のMC圧やホイールシリンダ内のWC圧を検出するための圧力センサが設けられない場合、制動制御装置は、MC圧、WC圧及び差圧推定値を推定し、その推定結果に基づき増圧弁に供給する指令電流値を調整することになる。そのため、各圧力の推定精度が低い場合には、差圧推定値が実際の差圧と乖離し、ABS制御中において増圧弁を好適に制御できない。そこで、近年では、上記差圧推定値の推定精度を向上させる制動制御装置として、例えば特許文献1に記載の制動制御装置が提案されている。
すなわち、特許文献1に記載の制動制御装置は、マスタシリンダ内のMC圧の推定値(「推定MC圧」ともいう。)とホイールシリンダ内のWC圧の推定値(「推定WC圧」ともいう。)との差に対し、ブレーキ操作が開始されてからABS制御が開始されるまでのブレーキ操作時間に基づく補正値を加算し、該加算結果を差圧推定値とする。そして、制動制御装置は、差圧推定値に基づき増圧弁に供給する電流値を調整していた。
特開2007−91051号公報
ところで、制動制御装置がABS制御を実行する間に、運転手によるブレーキ操作が変化することがある。例えば運転手によるブレーキ操作量が増加した場合には、車輪の車輪速度の変化量、即ち車輪減速度の変化勾配が大きくなる。その結果、車輪の車輪速度が急激に増減する所謂ハンチング現象が発生する。この場合、特許文献1に記載の制動制御装置では、減圧制御及びリニア増圧制御の制御間隔に基づきハンチング現象が検出されると、減圧制御を開始する毎に上記差圧推定値に対して所定の補正値が積算され、該積算結果に基づき増圧弁に供給する電流値が調整される。その結果、ハンチング現象が次第に解消される。
ところが、特許文献1に記載の制動制御装置では、車両走行中に運転手が以下に示すようなブレーキ操作を行なった場合に問題が発生することが分かった。
すなわち、自動二輪車両では、図9に示すように、運転手は、ABS制御中にブレーキ操作を一旦解消した後、再びブレーキ操作を行なう所謂ダブルブレーキという操作を行なうことがある。ABS制御中にダブルブレーキが行なわれると、実際のMC圧は、ブレーキ操作が一旦解消された際に減圧されるのに対し、推定MC圧は、ABS制御が実行中であるためにほとんど変化しない。すなわち、推定MC圧が実際のMC圧よりも高圧となる結果、差圧推定値が実際の差圧よりも大きくなる。したがって、運転手の意図に反してホイールシリンダ内のWC圧の増圧速度、即ち車輪に付与される制動力の上昇速度が遅くなり、運転手に不快感を与えてしまうおそれがあった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、アンチロックブレーキ制御中に運転手によるブレーキ操作が変化しても、その変化に適切に対応した制動制御を実行できる車両の制動制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、車両の制動制御装置にかかる請求項1に記載の発明は、アンチロックブレーキ制御の開始条件が成立した場合に、車輪(FW,RW)に制動力を付与するためのホイールシリンダ(17f,17r)内のホイールシリンダ圧(Pwc)を減圧させる減圧制御及び増圧させる増圧制御が繰り返されるように、ブレーキ操作に応じたマスタシリンダ圧(Pmc)を発生するマスタシリンダ(20f,20r)と前記ホイールシリンダ(17f,17r)との間に配置され且つ前記増圧制御時に開動作する第1の電磁弁(24f,24r)と、前記減圧制御時に開動作する第2の電磁弁(25f,25r)とを制御する車両の制動制御装置において、前記マスタシリンダ(20f,20r)内のマスタシリンダ圧(Pmc)と前記ホイールシリンダ(17f,17r)内のホイールシリンダ圧(Pwc)との差圧推定値(ΔPd)を取得する差圧推定手段(16、S24)と、前記アンチロックブレーキ制御中においてブレーキ操作量が一旦減少した後に再び増加するダブルブレーキを検出するダブルブレーキ検出手段(16、S26)と、前記アンチロックブレーキ制御における前記増圧制御時には、前記ホイールシリンダ(17f,17r)内のホイールシリンダ圧(Pwc)を徐々に増圧させるために、前記第1の電磁弁(24f,24r)に供給する指令電流値(Id)を差圧推定値(ΔPd)に基づき調整する電磁弁制御手段(16、S32,S33)と、を備え、前記電磁弁制御手段(16、S32,S33)は、前記ダブルブレーキ検出手段(16、S26)によってダブルブレーキが検出された場合には、前記増圧制御時におけるホイールシリンダ圧(Pwc)の増圧速度が速くなるように前記第1の電磁弁(24f,24r)を制御することを要旨とする。
上記構成によれば、アンチロックブレーキ制御中にダブルブレーキが検出された場合には、差圧推定値が実際の差圧と大きく乖離している可能性が高いため、増圧制御時にはホイールシリンダ圧の増圧速度が速くなるように第1の電磁弁が制御される。そのため、アンチロックブレーキ制御中に運転手によるブレーキ操作が変化しても、その変化に適切に対応した制動制御を実行できる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車両の制動制御装置において、前記ダブルブレーキ検出手段(16、S26)によってダブルブレーキが検出された場合に、前記差圧推定手段(16、S24)によって推定された差圧推定値(ΔPd)が小さくなるように補正する差圧補正手段(16、S28,S29)をさらに備え、前記電磁弁制御手段(16、S32,S33)は、前記ダブルブレーキ検出手段(16、S26)によってダブルブレーキが検出された場合に、前記差圧補正手段(16、S28,S29)によって補正された差圧推定値(ΔPd)に基づき指令電流値(Id)を調整することを要旨とする。
上記構成によれば、アンチロックブレーキ制御中にダブルブレーキが検出された場合、差圧推定値は、小さくなるように補正される。このように補正された差圧推定値に応じた指令電流値が第1の電磁弁に供給されることにより、ホイールシリンダ圧の増圧速度を速くすることができる。そのため、運転手によるブレーキ操作対応に応じた制動力を車輪に付与することが可能となる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の車両の制動制御装置において、車輪(FW,RW)のスリップ状態を数値的に示すスリップ値(Slp)を演算するスリップ値演算手段(16、S28)をさらに備え、前記差圧補正手段(16、S28,S29)は、前記スリップ値演算手段(16、S28)によって演算されたスリップ値(Slp)が小さいほど大きな補正値(Pr)を設定し、前記差圧推定手段(16、S24)によって推定された差圧推定値(ΔPd)から前記補正値(Pr)を減算し、該減算結果を補正後の差圧推定値(ΔPd)とすることを要旨とする。
上記構成によれば、スリップ値が大きい場合には車両が低μ路を走行中である可能性があるため、補正値は小さい値に設定される。そのため、アンチロックブレーキ制御における増圧制御時には、ホイールシリンダ圧の急激な増圧、即ち車輪への制動力の急激な上昇が抑制され、結果として、車両の挙動が不安定になることが抑制される。一方、スリップ値が小さい場合には車両が高μ路を走行中である可能性があるため、補正値は大きな値に設定される。そのため、アンチロックブレーキ制御における増圧制御時には、ホイールシリンダ圧の増圧速度、即ち車輪への制動力の上昇速度が速められることにより、車両の速やかな減速に貢献可能である。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の車両の制動制御装置において、前記電磁弁制御手段(16、S32,S33)は、前記増圧制御時において前記ダブルブレーキ検出手段(16、S26)によってダブルブレーキが検出されていないときには、前記第1の電磁弁(24f,24r)に供給する指令電流値(Id)を徐々に小さくする制御を行ない、前記増圧制御時において前記ダブルブレーキ検出手段(16、S26)によってダブルブレーキが検出されたときには、前記第1の電磁弁(24f,24r)に供給する指令電流値(Id)を段階的に小さくする制御を行なうことを要旨とする。
上記構成によれば、アンチロックブレーキ制御中にダブルブレーキが検出された場合、ホイールシリンダ圧は段階的に増圧される、即ち車輪に対する制動力は段階的に上昇する。そのため、ブレーキ操作する運転手に、ブレーキ操作量の増加によって制動力が増加していることを確実に認識させることが可能となる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載の車両の制動制御装置において、車両の車体減速度(DVS)を取得する車体減速度取得手段(16、S22)をさらに備え、前記ダブルブレーキ検出手段(16、S26)は、前記車体減速度取得手段(16、S22)によって取得された車体減速度(DVS)に基づきダブルブレーキを検出することを要旨とする。
上記構成によれば、車体減速度の変化に基づきダブルブレーキが検出される。
本実施形態における車両の制動装置のブロック図。 差圧推定値に基づき指令電流値を設定するためのマップ。 車輪のスリップ量に基づき補正値を設定するためのマップ。 本実施形態における制動制御処理ルーチンを説明するフローチャート。 ABS制御処理ルーチンを説明するフローチャート。 ダブルブレーキ検出処理ルーチンを説明するフローチャート。 (a)(b)(c)(d)(e)はABS制御中における車体減速度、推定MC圧、推定WC圧、差圧推定値及び指令電流値の変化を示すタイミングチャート。 別の実施形態においてダブルブレーキ検出後における推定WC圧及び指令電流値の変化を示すタイミングチャート。 従来のABS制御時における車体減速度、MC圧及びWC圧の変化を示すタイミングチャート。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図7に従って説明する。なお、以下における本明細書中の説明においては、車両の進行方向(前進方向)を前方(車両前方)として説明する。
図1に示すように、本実施形態の自動二輪車両は、駆動輪である後輪RWに駆動力を付与するための図示しない駆動装置と、前輪FW及び後輪RWに制動力を付与するための制動装置11とを備えている。駆動装置は、運転手によるアクセル12の操作量に応じたトルクを発生させるべく駆動する図示しない駆動源(エンジンやモータなど)を備えており、該駆動源で発生したトルクに応じ車両が進行方向に向かって走行する。
制動装置11は、従動輪であって且つ操舵輪である前輪FWに制動力を付与するための前輪用液圧発生装置13fと、後輪RWに制動力を付与するための後輪用液圧発生装置13rとを備えている。また、制動装置11は、2つの液圧回路14f,14rを有するブレーキアクチュエータ15(図1では二点鎖線で囲まれた部分)と、該ブレーキアクチュエータ15を制御するための制動制御装置としての電子制御装置(「ECU」ともいう。)16とを備えている。前輪用液圧回路14fは、前輪用液圧発生装置13fに接続されると共に、前輪用ホイールシリンダ17fに接続されている。また、後輪用液圧回路14rは、後輪用液圧発生装置13rに接続されると共に、後輪用ホイールシリンダ17rに接続されている。
前輪用液圧発生装置13fは、運転手によるブレーキレバー18の操作、即ち自動二輪車両の右側ハンドル19にブレーキレバー18を接近させるような操作に応じたマスタシリンダ圧(「MC圧」ともいう。)が内部に発生する前輪用マスタシリンダ20fを備えている。また、前輪用液圧発生装置13fには、ブレーキレバー18の操作態様を検出するための前輪用ブレーキスイッチSW1が設けられており、該前輪用ブレーキスイッチSW1からは、ブレーキレバー18の操作の有無に応じた信号がECU16に出力される。
後輪用液圧発生装置13rは、運転手によるブレーキペダル21の操作、即ち自動二輪車両の右足置きの前方に配設されたブレーキペダル21の踏込み操作に応じたMC圧が内部に発生する後輪用マスタシリンダ20rを備えている。また、後輪用液圧発生装置13rには、ブレーキペダル21の操作態様を検出するための後輪用ブレーキスイッチSW2が設けられており、該後輪用ブレーキスイッチSW2からは、ブレーキペダル21の操作の有無に応じた信号がECU16に出力される。
そして、ブレーキレバー18やブレーキペダル21が運転手によって操作された場合、マスタシリンダ20f,20rからは、液圧回路14f,14rを介してホイールシリンダ17f,17r内にブレーキ液が供給される。その結果、各車輪FW,RWには、ホイールシリンダ17f,17r内のホイールシリンダ圧(「WC圧」ともいう。)に応じた制動力が付与される。
ブレーキアクチュエータ15において各液圧回路14f,14rには、マスタシリンダ20f,20rとホイールシリンダ17f,17rとの間に配置される常開型の電磁弁である増圧弁(第1の電磁弁)24f,24rと、常閉型の電磁弁である減圧弁(第2の電磁弁)25f,25rとがそれぞれ設けられている。各増圧弁24f,24rは、各ホイールシリンダ17f,17r内のWC圧を増圧させる場合には開状態となるようにそれぞれ作動、即ち開動作する一方、WC圧を保圧及び減圧させる場合には閉状態となるようにそれぞれ作動、即ち閉動作する。また、各減圧弁25f,25rは、各ホイールシリンダ17f,17r内のWC圧を増圧及び保圧させる場合にはそれぞれ閉動作する一方、WC圧を減圧させる場合にはそれぞれ開動作する。
なお、各増圧弁24f,24r及び各減圧弁25f,25rは、二位置型の電磁弁である。しかし、本実施形態では、後述するABS制御においてホイールシリンダ17f,17rを増圧させる場合には、そのWC圧が徐々に増圧されるように増圧弁24f,24rの開動作が調整される。すなわち、増圧弁24f,24rの図示しない電磁コイルに供給される指令電流値Id(図2参照)は、徐々に小さくなるように調整される。
また、各液圧回路14f,14rには、減圧弁25f,25rを介してホイールシリンダ17f,17r内から流出してきたブレーキ液を一時貯留するためのリザーバ26f,26rと、駆動モータ27(例えばブラシレスモータ)の回転によって作動するポンプ28f,28r(ピストンポンプやギヤポンプなど)とが設けられている。これら各ポンプ28f,28rは、リザーバ26f,26r内のブレーキ液をそれぞれ吸引し、液圧回路14f,14rにおいてマスタシリンダ20f,20rと増圧弁24f,24rとの間の接続部位31f,31rに向けてそれぞれ吐出する。
次に、本実施形態のECU16について説明する。
ECU16の入力側インターフェースには、各ブレーキスイッチSW1,SW2、各車輪FW,RWの車輪速度を検出するための車輪速度センサSE1,SE2、及び車両の前後方向における車体減速度(単に「車体減速度」ともいう。)を検出するための加速度センサSE3(「Gセンサ」ともいう。)が電気的に接続されている。また、ECU16の出力側インターフェースには、各弁24f,24r,25f,25r及び駆動モータ27などが電気的に接続されている。そして、ECU16は、各種センサSE1〜SE3及びブレーキスイッチSW1,SW2からの各種検出信号に基づき、各弁24f,24r,25f,25r及び駆動モータ27(即ち、ポンプ28f,28r)の作動を個別に制御する。なお、加速度センサSE3からは、車両が加速する場合には正の値となるような信号が出力される一方、車両が減速する場合には負の値となるような信号が出力される。
こうしたECU16は、CPU32、ROM33及びRAM34などから構成されるデジタルコンピュータ、各弁24f,24r,25f,25rを作動させるための図示しない弁用ドライバ回路、及び駆動モータ27を作動させるための図示しないモータ用ドライバ回路を有している。デジタルコンピュータのROM33には、各種制御処理(後述する制動制御処理等)、各種マップ(図2及び図3に示すマップ等)及び各種閾値(後述する車体速度閾値、車体減速度、第1判定閾値、第2判定閾値、終了判定時間閾値等)などが予め記憶されている。また、RAM34には、車両の図示しないイグニッションスイッチが「オン」である間、適宜書き換えられる各種の情報(後述する車輪速度、車体速度、車体減速度、差圧推定値、スリップ量、補正値、経過時間、各フラグ等)などがそれぞれ記憶される。
次に、ROM33に予め記憶される各種マップについて、図2及び図3に基づき説明する。
図2に示す第1マップは、後述するアンチロックブレーキ制御(「ABS制御」ともいう。)の実行時に増圧弁24f,24rの図示しない電磁コイルに供給する指令電流値Idを、差圧推定値ΔPdに基づき設定するためのマップである。図2に示すように、指令電流値Idは、差圧推定値ΔPdが「0(零)」である場合には「0(零)」と初期電流値I0との間の電流値に設定される。この初期電流値I0とは、増圧弁24f,24rの図示しないコイルスプリングから図示しない弁体に付与される付勢力とほぼ同等の大きさの電磁力を発生させるために必要な大きさである。そのため、指令電流値Idが初期電流値I0以下である場合、増圧弁24f,24rは開状態となる。また、指令電流値Idは、差圧推定値ΔPdが「0(零)」よりも大きい場合には差圧推定値ΔPdが大きくなるに連れて大きな値に設定される。そして、指令電流値Idは、差圧推定値ΔPdが最大差圧ΔPholdである場合には保持電流値Iholdに設定される。
なお、ここでいう差圧とは、マスタシリンダ20f,20r内のMC圧とホイールシリンダ17f,17r内のWC圧との差圧のことであり、差圧推定値ΔPdは、当該差圧の推定値である。また、指令電流値Idが保持電流値Ihold以上である場合、増圧弁24f,24rは閉状態になり、ホイールシリンダ17f,17rのWC圧の増圧が規制される。
図3に示す第2マップは、車輪FW,RWのスリップ値としてのスリップ量Slpに基づき後述する補正値Prを設定するためのマップである。図3に示すように、補正値Prは、車輪FW,RWのスリップ量Slpが大きいほど、即ち車両の走行する路面のμ値(摩擦係数)が小さいほど小さな値に設定される。
次に、本実施形態のECU16が実行する制動制御処理ルーチンについて、図4に示すフローチャートに基づき説明する。
さて、ECU16は、予め設定された所定周期(例えば「6msec. 」)毎に制動制御処理ルーチンを実行する。この制動制御処理ルーチンにおいて、ECU16は、各車輪速度センサSE1,SE2からの検出信号に基づき各車輪FW,RWの車輪速度VWF、VWRを演算する(ステップS10)。続いて、ECU16は、ステップS10で演算した各車輪速度VWF,VWRのうち少なくとも一方(例えば前輪FWの車輪速度VWF)に基づき車両の車体速度(「推定車体速度」ともいう。)VSを演算する(ステップS11)。
そして、ECU16は、運転手によるブレーキ操作時に車輪FW,RWのロックを抑制して車両の操舵性を確保するABS制御の開始条件が成立したか否かを判定するためのABS制御開始判定処理を実行する(ステップS12)。具体的には、ECU16は、車両の車体速度VSから車輪FW,RWの車輪速度VWF,VWRを減算し、該減算結果を車輪FW,RWのスリップ量(スリップ値)とする。また、ECU16は、ステップS10で演算した各車輪速度VWF,VWRを微分して各車輪FW,RWの車輪加速度を取得し、該車輪加速度に対して「−1」を乗算して各車輪FW,RWの車輪減速度を取得する。そして、ECU16は、車輪FW,RWの車輪減速度が予め設定された開始判定用減速度閾値以上であると共に、車輪FW,RWのスリップ量が予め設定されたスリップ閾値以上である場合に、ABS制御の開始条件が成立したと判断し、ABSフラグFLG1を「ON」にセットする。ただし、ECU16は、ABS制御の開始条件が不成立であると判断した場合にはABSフラグFLG1を「OFF」とする。
続いて、ECU16は、ABSフラグFLG1が「ON」であるか否かを判定する(ステップS13)。この判定結果が否定判定(FLG1=OFF)である場合、ECU16は、制動制御処理ルーチンを一旦終了する。一方、ステップS13の判定結果が肯定判定(FLG1=ON)である場合、ECU16は、対象車輪に対して図5で詳述するABS制御処理を実行し(ステップS14)、制動制御処理ルーチンを一旦終了する。なお、「対象車輪」とは、運転手によるブレーキ操作によって車輪減速度及びスリップ量が共に閾値以上となり、車輪がロックした又はロックしかけた車輪のことである。例えば、ブレーキレバー18が操作される場合には前輪FWが対象車輪であり、ブレーキペダル21が操作された場合には後輪RWが対象車輪である。
次に、上記ABS制御処理(ABS制御処理ルーチン)について、図5に示すフローチャート及び図7に示すタイミングチャートに基づき説明する。なお、図7は、ABS制御時における車両の車体減速度DVS、マスタシリンダ20f,20rの推定MC圧Pmc、ホイールシリンダ17f,17rの推定WC圧Pwc、差圧推定値ΔPd及び増圧弁24f,24rに対する指令電流値Idの変化を示すタイミングチャートである。
さて、ABS制御処理ルーチンにおいて、ECU16は、上記ステップS11で演算した車両の車体速度VSが予め設定された車体速度閾値KVS以上であるか否かを判定する(ステップS20)。この車体速度閾値KVSは、ABS制御を終了させるか否かを判断するための基準値であって、実験やシミュレーションなどによって予め設定される。ステップS20の判定結果が否定判定(VS<KVS)である場合、ECU16は、ABSフラグFLG1、後述するダブルブレーキフラグFLG2及び後述する解消判定フラグFLG3を「OFF」にセットし(ステップS21)、ABS制御処理ルーチンを終了する。すなわち、ECU16は、ABS制御を終了させる。
一方、ステップS20の判定結果が肯定判定(VS≧KVS)である場合、ECU16は、加速度センサSE3からの検出信号に基づき車両の車体加速度を演算し、該車体加速度に対して「−1」を乗算して車体減速度DVSを取得する(ステップS22)。したがって、本実施形態では、ECU16が、車体減速度取得手段としても機能する。続いて、ECU16は、ステップS22で取得した車体減速度DVSが予め設定された車体減速度閾値KDVS(例えば「0.5G」)以上であるか否かを判定する(ステップS23)。この車体減速度閾値KDVSは、後述するダブルブレーキ検出処理の実行を中止させるか否かを判断するための基準値であって、実験やシミュレーションなどによって予め設定される。ステップS23の判定結果が否定判定(DVS<KDVS)である場合、ECU16は、その処理を後述するステップS31に移行する。
一方、ステップS23の判定結果が肯定判定(DVS≧KDVS)である場合、ECU16は、マスタシリンダ20f,20rのMC圧とホイールシリンダ17f,17rのWC圧との差圧の推定値である差圧推定値ΔPdを取得する(ステップS24)。すなわち、図7(a)(b)のタイミングチャートに示すように、マスタシリンダ20f,20r内の実際のMC圧(図7では破線で示す。)は、車体減速度DVSと対応関係にあり、該車体減速度DVSが増加するに連れて増圧される。そのため、ブレーキ操作が開始されてからABS制御が開始されてから所定時間ΔTが経過するまでの間、実際のMC圧は、車体減速度DVSと略比例関係にある。そこで、本実施形態において、ECU16は、車体減速度DVSに所定の第1ゲインを乗算し、該乗算結果を推定MC圧Pmcとする。そして、ABS制御が開始されてから所定時間ΔTが経過した後では、ABS制御が継続される間、推定MC圧Pmcは維持される。
ただし、ブレーキ操作が開始されてからABS制御が開始されるまでの時間(「ABS準備時間」ともいう。)の長さによって、上記演算によって取得される推定MC圧Pmcは、実際のMC圧と異なることがある。そこで、上記演算によって取得される推定MC圧Pmcを、ABS準備時間によって補正してもよい。
また、ホイールシリンダ17f,17r内の実際のWC圧は、ABS制御開始前ではマスタシリンダ20f,20r内の実際のMC圧とほぼ同圧となる。また、図7(c)のタイミングチャートに示すように、ABS制御における減圧制御時における実際のWC圧の単位時間あたりの変化量、即ち減圧量は、減圧制御が開始されてからの経過時間とほぼ比例の関係となる。一方、ABS制御における増圧制御時における実際のWC圧の単位時間あたりの変化量、即ち増圧量は、増圧弁24f,24rの図示しない弁座に対する図示しない弁体が接近するほど少なくなる、即ち増圧弁24f,24rに対する指令電流値Idの大きさとほぼ反比例の関係となる。そこで、本実施形態において、ECU16は、増圧制御時には、指令電流値Idに基づきホイールシリンダ17f,17r内の推定WC圧Pwcを取得とする。また、ECU16は、減圧制御時には、上記所定周期に相当する時間に対して所定の第2ゲインを乗算する。そして、ECU16は、前回に演算された推定WC圧Pwcから乗算結果(=所定周期に相当する時間×第2ゲイン)を減算し、該減算結果を今回の推定WC圧Pwcとする。続いて、ECU16は、取得した推定MC圧Pmcと推定WC圧Pwcとの差圧を差圧推定値ΔPdとする。したがって、本実施形態では、ECU16が、差圧推定手段としても機能する。
図5のフローチャートに戻り、差圧推定値ΔPdが取得されると、ECU16は、図6で詳述するダブルブレーキ検出処理を実行する(ステップS25)。ダブルブレーキとは、ABS制御中において運転手がブレーキ操作を一旦解消した後、直ぐに再びブレーキ操作することである。すなわち、ステップS25では、ダブルブレーキが検出できた場合には後述するダブルブレーキフラグFLG2が「ON」にセットされる一方、ダブルブレーキが検出されない場合にはダブルブレーキフラグFLG2が「OFF」にセットされる。したがって、本実施形態では、ECU16が、ダブルブレーキ検出手段としても機能する。
続いて、ECU16は、ダブルブレーキフラグFLG2が「ON」であるか否かを判定する(ステップS26)。この判定結果が否定判定(FLG2=OFF)である場合、ECU16は、その処理を後述するステップS31に移行する。一方、ステップS26の判定結果が肯定判定(FLG2=ON)である場合、ECU16は、上記ステップS11で演算した車両の車体速度VSから上記ステップS10で演算した車輪FW,RWの車輪速度VWF,VWRを減算し、該減算結果を車輪FW,RWのスリップ量Slp(=VS―VWF(又はVWR))とする(ステップS27)。したがって、本実施形態では、ECU16が、車輪FW,RWのスリップ状態を数値的に示すスリップ量Slpを演算するスリップ値演算手段としても機能する。
そして、ECU16は、ステップS27で演算したスリップ量Slp(例えば前輪FWのスリップ量Slp)を上記第2マップに代入し、スリップ量Slpに応じた補正値Prを設定する(ステップS28)。続いて、ECU16は、ステップS24で演算した差圧推定値ΔPdからステップS28で設定した補正値Prを減算し、該減算結果を補正後の差圧推定値ΔPdとする(ステップS29)。したがって、本実施形態では、ECU16が、ダブルブレーキが検出された場合、差圧推定値ΔPdを小さくなるように補正する差圧補正手段としても機能する。そして、ECU16は、ダブルブレーキフラグFLG2を「OFF」にセットし(ステップS30)、その処理を次のステップS31に移行する。
ステップS31において、ECU16は、差圧推定値ΔPdを第1マップに代入し、当該差圧推定値ΔPdに応じた指令電流値Idを設定する。そして、ECU16は、増圧弁24f,24r及び減圧弁25f,25rを作動させるための出力処理を行なう(ステップS32)。すなわち、ECU16は、増圧制御時には、指令電流値IdがステップS31で設定した値となるように、増圧弁24f,24rに印加する電圧のDuty比を設定する。一方、ECU16は、減圧制御時には、指令電流値Idが保持電流値Ihold以上となるように、増圧弁24f,24rに印加する電圧のDuty比を設定する。また、ECU16は、減圧弁25f,25rを閉状態とする場合には、該減圧弁25f,25rに対して電流を供給しない。一方、ECU16は、減圧弁25f,25rを開状態とする場合には、該減圧弁25f,25rに電流を供給する。すなわち、ECU16は、減圧弁25f,25rに対して電流のON/OFF制御を行なう。したがって、本実施形態では、ECU16が、電磁弁制御手段としても機能する。その後、ECU16は、ABS制御処理ルーチンを終了する。
なお、本実施形態において、増圧弁24f,24rは、PWM(Pulse Width Modulation)制御される。そのため、増圧弁24f,24rに出力される駆動信号には、信号レベルが「Hi」である期間と「Low」である期間とが繰り返される。そして、駆動信号の一周期に相当する時間に対する信号レベルが「Hi」である期間の比率のことを、「Duty比」という。そのため、Duty比が大きくなると、一周期内において信号レベルが「Hi」である期間が長くなる結果、制御対象(例えば増圧弁24f)に対する指令電流値Idが大きくなる。
ここで、運転手によるブレーキレバー18の操作に伴うABS制御について、図7に示すタイミングチャートに基づき説明する。すなわち、運転手によるブレーキ操作が開始されると、図7(b)(c)に示すように、前輪用マスタシリンダ20f内の実際のMC圧(図7(b)では破線で示す。)及び推定MC圧Pmcが徐々に増圧されるのに伴い、前輪用ホイールシリンダ17f内の実際のWC圧及び推定WC圧Pwcが徐々に増圧される。その結果、図7(a)に示すように、前輪FWに対する制動力が徐々に大きくなり、ひいては車両の車体減速度DVSが徐々に大きくなる。このとき、図7(e)に示すように、ブレーキアクチュエータの各増圧弁24f,24rに対する各指令電流値Idは「0(零)」に設定される。
そして、第1タイミングt11が経過すると、前輪FWに対するABS制御の開始条件が成立し、前輪用ホイールシリンダ17f内の実際のWC圧及び推定WC圧Pwcの減圧制御が開始される。具体的には、前輪用液圧回路14fに設けられる増圧弁24fに印加する電圧のDuty比は、図7(e)に示すように、該増圧弁24fに対する指令電流値Idが保持電流値Ihold(又は保持電流値Ihold以上)となる比率に設定され、増圧弁24fは閉状態となる。また、前輪用液圧回路14fに設けられる減圧弁25fは、電流が供給されて開状態となる。すると、ポンプ28fの駆動に伴い、前輪用ホイールシリンダ17f内のブレーキ液は、減圧弁25fを介してリザーバ26f内に一時貯留される。その結果、図7(c)(d)に示すように、第1タイミングt11からの経過時間が長くなるに連れて、実際の差圧(図7では二点鎖線で示す。)及び差圧推定値ΔPdが大きくなると共に、前輪用ホイールシリンダ17f内の推定WC圧Pwcはそれぞれ減圧される。
このとき、ブレーキペダル21が操作されていない場合には、後輪RWに制動力が付与されないように、後輪用液圧回路14rに設けられる増圧弁24rが閉状態とされる。
その後、第2タイミングt12が経過すると、前輪FWのスリップ量Slpが小さくなり、前輪用ホイールシリンダ17f内のWC圧を増圧させる増圧制御が開始される。具体的には、減圧弁25fは、電流の供給が停止されて閉状態となる。また、増圧弁24fに対する指令電流値Idは、上記第1マップに基づき、第2タイミングt12での差圧推定値ΔPdに応じた電流値に設定される。すると、増圧弁24fに印加する電圧のDuty比は、設定された指令電流値Idに応じた比率に設定される。その後、増圧弁24fに対するDuty比が徐々に小さくなると、増圧弁24fに対する指令電流値Idが徐々に小さくなる(図7(e)参照)。その結果、差圧推定値ΔPdの低下に伴い、推定WC圧Pwcが増圧される(図7(c)(d)参照)。
このようにABS制御中においては、前輪FWのスリップ量Slpの変化に伴い、前輪用ホイールシリンダ17f内のWC圧に対する減圧制御及び増圧制御が繰り返し実行される。なお、減圧制御と増圧制御との間に、前輪用ホイールシリンダ17f内のWC圧を保圧させるための保圧制御を実行してもよい。
次に、上記ダブルブレーキ検出処理ルーチン(ダブルブレーキ検出処理)について、図6に示すフローチャート及び図7に示すタイミングチャートに基づき説明する。
さて、ダブルブレーキ検出処理ルーチンにおいて、ECU16は、解消判定フラグFLG3が「OFF」であるか否かを判定する(ステップS42)。この解消判定フラグFLG3は、ABS制御中に運転手がブレーキ操作を解消したか否かを判断するためのフラグである。ステップS42の判定結果が肯定判定(FLG3=OFF)である場合、ECU16は、ABS制御中において運転手によるブレーキ操作が未だ解消されていないと判断し、上記ステップS22で演算した車両の車体減速度DVSが第1判定閾値KD1未満になったか否かを判定する(ステップS43)。この第1判定閾値KD1は、車両の車体減速度DVSの変化から運転手によるブレーキ操作が解消されたか否かを判断するための基準値であって、実験やシミュレーションなどによって予め設定される。
そして、ステップS43の判定結果が否定判定(DVS≧KD1)である場合、ECU16は、運転手によるブレーキ操作が解消されていないと判断し、ダブルブレーキ検出処理ルーチンを終了する。一方、ステップS43の判定結果が肯定判定(DVS<KD1)である場合、ECU16は、解消判定フラグFLG3を「ON」にセットし(ステップS44)、ダブルブレーキ検出処理ルーチンを終了する。
すなわち、図7(a)のタイミングチャートに示すように、第3タイミングt13が経過すると、運転手によるブレーキレバー18の操作が解消され始め、車両の車体減速度DVSが小さくなり始める。ただし、第4タイミングt14が経過するまでの間は、車両の車体減速度DVSが第1判定閾値KD1以上であるため、解消判定フラグFLG3は「OFF」のままである。しかし、第4タイミングt14が経過すると、車両の車体減速度DVSが第1判定閾値KD1未満となるため、解消判定フラグFLG3が「ON」にセットされる。すると、ブレーキ操作の一時的な解消に伴い前輪用マスタシリンダ20f内の実際のMC圧及び前輪用ホイールシリンダ17f内の実際のWC圧が共に減圧され、結果として、車両の車体減速度DVSが小さくなる(図7(a)(b)(c)参照)。
しかし、第4タイミングt14が経過した後においては、ABS制御が未だ実行中であるため、推定MC圧Pmcはほとんど変化しない、即ち高圧の状態で保持される。その一方で、車体減速度DVSに基づき推定される前輪用ホイールシリンダ17f内の推定WC圧Pwcもまた小さい値に設定される。その結果、実際の差圧は、ブレーキ操作の解消に伴い小さくなるのに対し、差圧推定値ΔPdは、大きい値で維持される(図7(d)参照)。すなわち、ABS制御中に運転手によるブレーキ操作が一時的に解消されると、実際の差圧と差圧推定値ΔPdとの誤差が非常に大きくなる。
図6のフローチャートに戻り、ステップS42の判定結果が否定判定(FLG3=ON)である場合、ECU16は、ABS制御中に運転手によるブレーキ操作が一旦解消された状態が検出済みであるため、上記ステップS22で演算した車両の車体減速度DVSが予め設定された第2判定閾値KD2を超えたか否かを判定する(ステップS45)。この第2判定閾値KD2は、ABS制御中において運転手によるブレーキ操作が一旦解消された後、再びブレーキ操作がされたか否かを判断するための基準値であって、上記第1判定閾値KD1以上の値に予め設定される。そして、ステップS45の判定結果が否定判定(DVS≦KD2)である場合、ECU16は、ブレーキレバー18又はブレーキペダル21の再操作が行なわれていないと判断し、解消判定フラグFLG3が「ON」にセットされてからの経過時間T1が予め設定された終了判定時間閾値KT1(例えば500msec. )以上であるか否かを判定する(ステップS46)。この終了判定時間閾値KT1は、運転手によるブレーキ操作の終了に伴いABS制御を終了させるか否かを判断するための基準値であって、実験やシミュレーションなどによって予め設定される。
ステップS46の判定結果が否定判定(T1<KT1)である場合、ECU16は、ダブルブレーキ検出処理ルーチンを終了する。一方、ステップS46の判定結果が肯定判定(T1≧KT1)である場合、ECU16は、各フラグFLG1,FLG2,FLG3を「OFF」にそれぞれセットし(ステップS47)、ダブルブレーキ検出処理ルーチンを終了する。すなわち、経過時間T1が終了判定時間閾値KT1以上になった場合、ECU16は、運転手によってブレーキ操作が再び行なわれる可能性が低いと判断し、ABS制御の実行を終了させる。
その一方で、ステップS45の判定結果が肯定判定(DVS>KD2)である場合、ECU16は、運転手によってブレーキ操作が再び行なわれたと判断し、ダブルブレーキフラグFLG2を「ON」にセットする、即ちダブルブレーキを検出する(ステップS48)。続いて、ECU16は、解消判定フラグFLG3を「OFF」にセットし(ステップS49)、その後、ダブルブレーキ検出処理ルーチンを終了する。
ここで、図7(a)のタイミングチャートに示すように、ABS制御中にブレーキ操作が解消されてからの経過時間T1が終了判定時間閾値KT1以上となる前の第5タイミングt15が経過すると、車両の車体減速度DVSが徐々に大きくなり始める。そして、第6タイミングt16が経過すると、車両の車体減速度DVSが第2判定閾値KD2を超える。すなわち、ダブルブレーキが検出される。
ダブルブレーキの検出直前では、前輪用マスタシリンダ20f内の実際のMC圧と推定MC圧Pmcとの間に非常に大きな誤差があるため、差圧推定値ΔPdは、実際の差圧に比して非常に大きな値を示している(図7(d)参照)。しかし、ダブルブレーキが検出されると、差圧推定値ΔPdが補正される。すなわち、補正値Prは、ダブルブレーキが検出された時点の前輪FWのスリップ量Slpに応じた値に設定される(図3参照)。そして、差圧推定値ΔPdから補正値Prが減算され、該減算結果が補正後の差圧推定値ΔPdとなる。こうした補正後の差圧推定値ΔPdは、補正前の値に比して実際の差圧に近い値である。
すると、前輪用ホイールシリンダ17f内のWC圧に対する増圧制御が開始される。すなわち、増圧弁24fに印加する電圧のDuty比は、該増圧弁24fに対する指令電流値Idが補正後の差圧推定値ΔPdに応じた値となるように設定される。その後、増圧弁24fに印加する電圧のDuty比は、該増圧弁24fに対する指令電流値Idが徐々に小さくなるように調整される。その結果、前輪用ホイールシリンダ17f内のWC圧及び推定WC圧Pwcは、指令電流値Idの低下に伴い増圧される。また、差圧推定値ΔPdは、指令電流値Idの低下に伴い、実際の差圧と同じように低下していく(図7(d)参照)。
このとき、車両の運転手には、該運転手のブレーキ操作に伴って、前輪FWに対する制動力が大きくなったと認識させることができる。しかも、制動力の増加量は、差圧推定値ΔPdがダブルブレーキの検出に伴って補正されない場合に比して確実に多くなる(図7(c)参照)。そのため、運転手によるブレーキ操作量に応じた制動力が前輪FWに付与されていると、運転手に認識させることができる。
なお、ブレーキペダル21の操作に起因して実行される後輪RWに対するABS制御が実行される場合にも、前輪FWに対するABS制御の実行時と同じように、ダブルブレーキが検出された場合に差圧推定値ΔPdを補正することにより、後輪RWに対する制動力を好適に上昇させることができる。
したがって、本実施形態では、以下に示す効果を得ることができる。
(1)ABS制御中にダブルブレーキが検出された場合には、差圧推定値ΔPdが実際の差圧と大きく乖離している可能性が高い。そのため、増圧制御時には、ABS制御の対象車輪(例えば前輪FW)用のホイールシリンダ(例えば前輪用ホイールシリンダ17f)のWC圧の増圧速度が速くなるように増圧弁(例えば増圧弁24f)が制御される。したがって、ABS制御中に運転手によるブレーキ操作が変化しても、その変化に適切に対応した制動制御を実行でき、ひいては対象車輪に対して好適な制動力を付与できる。
(2)ダブルブレーキが検出された場合に差圧推定値ΔPdを補正しない場合、又は従来技術のようにブレーキ操作量の増加に伴い差圧推定値ΔPdを段階的に補正する場合には、ダブルブレーキ検出後における対象車輪に対する制動力の増加速度が低い。そのため、運転手は、ブレーキ操作量に応じた制動力が対象車輪に対して付与されないことに対し不快に感じることがある。特に自動二輪車両のように運転手の手でブレーキ操作を行なう場合には、対象車輪に対する制動力の増加量がブレーキ操作量の変化量に比して少ないことを、ブレーキレバー18を介して運転手が敏感に感じ取ってしまう。この点、本実施形態では、ダブルブレーキが検出された場合には、対象車輪に対する制動力の上昇速度が急激に増加するように増圧弁24f,24rに対する指令電流値Idが調整される。そのため、ABS制御中にダブルブレーキが行なわれた場合でも、運転手のブレーキ操作に応じた適切な制動力を対象車輪に付与できる。したがって、ダブルブレーキ時に、運転手が不快に感じることを抑制できる。
(3)ABS制御中にダブルブレーキが検出された場合、差圧推定値ΔPdは、小さくなるように補正される。すなわち、補正後の差圧推定値ΔPdは、補正前の差圧推定値ΔPdに比して実際の差圧に近い値になる。このように補正された補正後の差圧推定値ΔPdに応じた指令電流値Idが増圧弁24f,24rに供給されることにより、対象車輪(例えば前輪FW)用のホイールシリンダ(例えば前輪用ホイールシリンダ17f)内のWC圧の増圧速度を速くすることができる。そのため、運転手によるブレーキ操作対応に応じた制動力を対象車輪に付与することができる。
(4)ダブルブレーキが検出された時点におけるスリップ量Slpが大きい場合には車両が低μ路を走行中である可能性がある。そのため、対象車輪に対する制動力を急激に上昇させると、該対象車輪がスリップしやすくなり、車両の挙動が不安定になるおそれがある。この点、本実施形態では、スリップ量Slpが大きい場合、補正値Prは小さい値に設定される。したがって、ABS制御における増圧制御時には、対象車輪用のホイールシリンダ内のWC圧の急激な増圧、即ち対象車輪への制動力の急激な上昇が抑制され、結果として、低μ路を走行する車両の挙動が不安定になることを抑制できる。
一方、ダブルブレーキが検出された時点におけるスリップ量Slpが小さい場合には車両が高μ路を走行中である可能性があるため、補正値Prは、大きな値に設定される。したがって、増圧制御時には、対象車輪用のホイールシリンダ内のWC圧の増圧速度、即ち対象車輪への制動力の上昇速度が速められることにより、高μ路を走行する車両の速やかな減速に貢献できる。
(5)ブレーキスイッチSW1,SW2からは、運転手によるブレーキレバー18やブレーキペダル21の操作量が判定閾値を超えた場合にブレーキ操作された旨の信号がECU16に出力される。しかし、自動二輪車両のブレーキスイッチSW1,SW2は、それらの判定閾値の大きさが運転手自身で変更できるように構成されている。また、自動二輪車両は、雨晒しになる可能性が非常に高いため、自動二輪車両のブレーキスイッチSW1,SW2は、リーク状態に陥るおそれがある。そのため、ブレーキスイッチSW1,SW2からの検出信号に基づき、ダブルブレーキを検出することは非常に難しい。この点、本実施形態では、車両の車体減速度DVSの変化からダブルブレーキの検出が行なわれる。したがって、ブレーキスイッチSW1,SW2からの検出信号に基づきダブルブレーキの検出を行なう場合に比して、正確にダブルブレーキを検出できる。
(6)ABS制御中にブレーキ操作が一時的に解消されてからの経過時間T1が終了判定時間閾値KT1以上になった場合、再びブレーキ操作される可能性が低いため、ABS制御が終了される。そのため、運転手の意図に反してABS制御が継続されることを抑制でき、ひいては車輪に不必要に制動力が付与されることを抑制できる。
なお、実施形態は以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・実施形態において、ダブルブレーキが検出された場合には、対象車輪(例えば前輪FW)のホイールシリンダ(例えば前輪用ホイールシリンダ17f)内のWC圧を、段階的に強制的に増圧させてもよい。すなわち、図8に示すように、ダブルブレーキが検出された場合には、増圧弁24f,24rに対する指令電流値Idを、段階的に小さくさせる。すると、推定WC圧Pwcが段階的に増圧される。その結果、ホイールシリンダ内の実際のWC圧は、推定WC圧Pwcが時間の経過と共に徐々に増圧される場合に比して、対象車輪に対する制動力の増加を、ブレーキレバー18やブレーキペダル21を介して確実に認識させることができる。したがって、ABS制御中にダブルブレーキが検出された場合には、ブレーキレバー18又はブレーキペダル21の再操作に起因した対象車輪に対する制動力の増加を、ブレーキレバー18又はブレーキペダル21を介して運転手に確実に認識させることができる。
・実施形態において、第1判定閾値KD1及び第2判定閾値KD2を、ABS制御が開始された時点の車体減速度DVSに応じて設定してもよい。このように構成すると、ダブルブレーキの検出精度を向上させることができる。
・実施形態において、ブレーキスイッチSW1,SW2からの信号が正確である場合には、ブレーキスイッチSW1,SW2の信号に基づき、ダブルブレーキを検出するようにしてもよい。
・また、車輪FW,RWの車輪減速度を演算し、該車輪減速度の変化に基づきダブルブレーキを検出するようにしてもよい。この場合、ブレーキレバー18及びブレーキペダル21が共に操作されている場合であっても、前輪FW及び後輪RWの何れの車輪側でダブルブレーキがなされたかを判別できる。
・実施形態において、スリップ量閾値を予め複数(例えば2つ)設けておき、当該各スリップ量閾値と対象車輪(例えば前輪FW)のスリップ量Slpとの比較結果から、補正値Prを設定してもよい。例えば、補正値Prを、スリップ量Slpが各スリップ量閾値以下である場合には第1の補正値に設定し、スリップ量Slpが第1のスリップ量閾値よりも大きく且つ第2のスリップ量閾値未満である場合には第1の補正値とは異なる第2の補正値に設定し、スリップ量Slpが各スリップ量閾値以上である場合には第1及び第2の補正値とは異なる第3の補正値に設定してもよい。
また、補正値Prは、対象車輪(例えば前輪FW)のスリップ量Slpに関係なく一定値であってもよい。
・実施形態において、ダブルブレーキが検出された時点の車両の車体減速度DVSを微分して車体減速度DVSの変化量を取得し、補正値Prを、車体減速度DVSの変化量が大きいほど大きな値に設定してもよい。すなわち、車体減速度DVSの変化量が多い場合とは、運転手がより大きな制動力を対象車輪に付与したい場合と考えることができる。こうした場合には、車体減速度DVSの変化量が少ない場合に比して対象車輪用のホイールシリンダのWC圧の増圧速度を速めることにより、運転手によるブレーキ操作態様に応じた大きさの制動力を、対象車輪に対して速やかに付与することができる。
・実施形態において、増圧弁24f,24rは、リニア電磁弁であってもよい。
・実施形態において、車両を、進行方向前側に1つの前輪が配置され、且つ進行方向後側に2つの後輪が配置される自動三輪車両に具体化してもよい。また、車両を、進行方向前側に2つの前輪が配置され、且つ進行方向後側に1つの後輪が配置される自動三輪車両に具体化してもよい。
次に、上記実施形態及び別の実施形態から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)アンチロックブレーキ制御の開始条件が成立した場合に、ブレーキ操作に応じたマスタシリンダ圧(Pmc)を発生するマスタシリンダ(20f,20r)と車輪(FW,RW)に制動力を付与するためのホイールシリンダ(17f,17r)との間に配置され、且つ該ホイールシリンダ(17f,17r)内のホイールシリンダ圧(Pwc)を増圧させる場合に開状態となる第1の電磁弁(24f,24r)と、ホイールシリンダ圧(Pwc)を減圧させる場合に開状態となる第2の電磁弁(25f,25r)とを作動させ、ホイールシリンダ圧(Pwc)の減圧及び増圧を繰り返させる車両の制動制御方法において、前記マスタシリンダ(20f,20r)のマスタシリンダ圧(Pmc)と前記ホイールシリンダ(17f,17r)のホイールシリンダ圧(Pwc)との差圧推定値(ΔPd)を取得させる差圧推定ステップ(S24)と、前記アンチロックブレーキ制御中においてブレーキ操作量が一旦減少した後に再び増加するダブルブレーキを検出させるダブルブレーキ検出ステップ(S25)と、前記アンチロックブレーキ制御において前記ホイールシリンダ(17f,17r)のホイールシリンダ圧(Pwc)を増圧させる場合には、差圧推定値(ΔPd)に応じた指令電流値(Id)を前記第1の電磁弁(24f,24r)に供給させ、前記ホイールシリンダ(17f,17r)のホイールシリンダ圧(Pwc)を徐々に増圧させる電磁弁制御ステップ(S32,S33)と、を有し、前記電磁弁制御ステップ(S32,S33)では、前記ダブルブレーキ検出ステップ(S25)でダブルブレーキを検出した場合に、前記第1の電磁弁(24f,24r)の作動速度を調整し、前記ホイールシリンダ(17f,17r)のホイールシリンダ圧(Pwc)の増圧速度を速くさせることを特徴とする車両の制動制御方法。
16…制動制御装置、差圧推定手段、ダブルブレーキ検出手段、電磁弁制御手段、差圧補正手段、スリップ値演算手段、車体減速度取得手段としてのECU、17f,17r…ホイールシリンダ、20f,20r…マスタシリンダ、24f,24r…第1の電磁弁としての増圧弁、25f,25r…第2の電磁弁としての減圧弁、DVS…車体減速度、FW,RW…車輪、Id…指令電流値、Pmc…推定MC圧、Pr…補正値、Pwc…推定WC圧、Slp…スリップ値としてのスリップ量、ΔPd…差圧推定値。

Claims (5)

  1. アンチロックブレーキ制御の開始条件が成立した場合に、車輪(FW,RW)に制動力を付与するためのホイールシリンダ(17f,17r)内のホイールシリンダ圧(Pwc)を減圧させる減圧制御及び増圧させる増圧制御が繰り返されるように、ブレーキ操作に応じたマスタシリンダ圧(Pmc)を発生するマスタシリンダ(20f,20r)と前記ホイールシリンダ(17f,17r)との間に配置され且つ前記増圧制御時に開動作する第1の電磁弁(24f,24r)と、前記減圧制御時に開動作する第2の電磁弁(25f,25r)とを制御する車両の制動制御装置において、
    前記マスタシリンダ(20f,20r)内のマスタシリンダ圧(Pmc)と前記ホイールシリンダ(17f,17r)内のホイールシリンダ圧(Pwc)との差圧推定値(ΔPd)を取得する差圧推定手段(16、S24)と、
    前記アンチロックブレーキ制御中においてブレーキ操作量が一旦減少した後に再び増加するダブルブレーキを検出するダブルブレーキ検出手段(16、S26)と、
    前記アンチロックブレーキ制御における前記増圧制御時には、前記ホイールシリンダ(17f,17r)内のホイールシリンダ圧(Pwc)を徐々に増圧させるために、前記第1の電磁弁(24f,24r)に供給する指令電流値(Id)を差圧推定値(ΔPd)に基づき調整する電磁弁制御手段(16、S32,S33)と、を備え、
    前記電磁弁制御手段(16、S32,S33)は、前記ダブルブレーキ検出手段(16、S26)によってダブルブレーキが検出された場合には、前記増圧制御時におけるホイールシリンダ圧(Pwc)の増圧速度が速くなるように前記第1の電磁弁(24f,24r)を制御することを特徴とする車両の制動制御装置。
  2. 前記ダブルブレーキ検出手段(16、S26)によってダブルブレーキが検出された場合に、前記差圧推定手段(16、S24)によって推定された差圧推定値(ΔPd)が小さくなるように補正する差圧補正手段(16、S28,S29)をさらに備え、
    前記電磁弁制御手段(16、S32,S33)は、前記ダブルブレーキ検出手段(16、S26)によってダブルブレーキが検出された場合に、前記差圧補正手段(16、S28,S29)によって補正された差圧推定値(ΔPd)に基づき指令電流値(Id)を調整することを特徴とする請求項1に記載の車両の制動制御装置。
  3. 車輪(FW,RW)のスリップ状態を数値的に示すスリップ値(Slp)を演算するスリップ値演算手段(16、S28)をさらに備え、
    前記差圧補正手段(16、S28,S29)は、前記スリップ値演算手段(16、S28)によって演算されたスリップ値(Slp)が小さいほど大きな補正値(Pr)を設定し、前記差圧推定手段(16、S24)によって推定された差圧推定値(ΔPd)から前記補正値(Pr)を減算し、該減算結果を補正後の差圧推定値(ΔPd)とすることを特徴とする請求項2に記載の車両の制動制御装置。
  4. 前記電磁弁制御手段(16、S32,S33)は、
    前記増圧制御時において前記ダブルブレーキ検出手段(16、S26)によってダブルブレーキが検出されていないときには、前記第1の電磁弁(24f,24r)に供給する指令電流値(Id)を徐々に小さくする制御を行ない、
    前記増圧制御時において前記ダブルブレーキ検出手段(16、S26)によってダブルブレーキが検出されたときには、前記第1の電磁弁(24f,24r)に供給する指令電流値(Id)を段階的に小さくする制御を行なうことを特徴とする請求項1に記載の車両の制動制御装置。
  5. 車両の車体減速度(DVS)を取得する車体減速度取得手段(16、S22)をさらに備え、
    前記ダブルブレーキ検出手段(16、S26)は、前記車体減速度取得手段(16、S22)によって取得された車体減速度(DVS)に基づきダブルブレーキを検出することを特徴とする請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載の車両の制動制御装置。
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