JP2014172526A - 車両用ブレーキ液圧制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】マスタシリンダ圧センサやブレーキペダルセンサからの信号を用いずにブレーキアシスト制御の終了の判断を行うことができる車両用ブレーキ液圧制御装置を提供することを目的とする。
【解決手段】車両用ブレーキ液圧制御装置は、液圧源と車輪ブレーキとの間に設けられ、車輪ブレーキ内を増圧する場合に開弁される入口弁と、アンチロックブレーキ制御とブレーキアシスト制御とを実行可能な制御部とを備える。制御部は、ブレーキアシスト制御の実行によってアンチロックブレーキ制御が実行された場合には(S21:Yes、S23:Yes)、入口弁の開弁状態がフル開弁状態になったことを条件として(S24)、ブレーキアシスト制御の終了を判断する(S28)。
【選択図】図5

Description

本発明は、ブレーキアシスト機能を備えた車両用ブレーキ液圧制御装置に関する。
従来、車両用ブレーキ液圧制御装置として、マスタシリンダ圧センサによって検出したマスタシリンダ圧に基いてブレーキペダルの踏込量を算出し、当該踏込量が所定の閾値以下となった場合に、ブレーキアシスト制御を終了するものが知られている(特許文献1参照)。
特開2000−16260号公報
しかしながら、上記のような構成において、マスタシリンダ圧センサが故障した場合には、ブレーキアシスト制御の終了の判断ができなくなるという問題がある。また、例えばブレーキペダルの操作量を検出するブレーキペダルセンサを設けた場合も同様に、ブレーキペダルセンサの故障時に同様の問題が生じる。そのため、ブレーキアシスト制御の終了の判断を行うための別の手法が望まれていた。
そこで、本発明は、マスタシリンダ圧センサやブレーキペダルセンサからの信号を用いずにブレーキアシスト制御の終了の判断を行うことができる車両用ブレーキ液圧制御装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決する本発明は、液圧源と車輪ブレーキとの間に設けられ、車輪ブレーキ内を増圧する場合に開弁される入口弁と、アンチロックブレーキ制御とブレーキアシスト制御とを実行可能な制御部とを備える車両用ブレーキ液圧制御装置であって、前記制御部は、前記ブレーキアシスト制御の実行によって前記アンチロックブレーキ制御が実行された場合には、前記入口弁の開弁状態がフル開弁状態になったことを第1終了条件として、前記ブレーキアシスト制御の終了を判断することを特徴とする。
ここで、「フル開弁状態」とは、入口弁が最大に開弁した状態を含む他、最大に開弁した状態に近い状態(最大に開弁した状態から僅かに閉じた状態)も含む。
この構成によれば、入口弁の開弁状態がフル開弁状態になったことを第1終了条件としてブレーキアシスト制御の終了を判断するので、マスタシリンダ圧センサやブレーキペダルセンサからの信号を用いずにブレーキアシスト制御の終了の判断を行うことができる。
また、前記した構成において、前記制御部は、前記フル開弁状態が一定期間継続して満たされているという第2終了条件を判断し、前記第1終了条件に加えて、さらに前記第2終了条件が満たされている場合に、前記ブレーキアシスト制御の終了を判断するように構成することができる。
これによれば、第1終了条件に加えて、第2終了条件も判断するので、ブレーキアシスト制御を終了するか否かをより精度良く判断することができる。
また、前記した構成において、前記制御部は、前記入口弁の電流値が所定値以下である場合に、前記フル開弁状態であると判断するように構成することができる。
これによれば、例えば入口弁の開弁状態を検出するような特別なセンサを設けることなく、入口弁がフル開弁状態であるか否かの判断を行うことができる。
また、前記した構成において、前記制御部は、前記ブレーキアシスト制御におけるブレーキアシスト量を路面摩擦係数ごとに異なる値に設定するように構成することができる。
これによれば、路面摩擦係数ごと、ひいては路面摩擦係数に応じて変化する車輪ロック液圧ごとに適切なブレーキアシスト量を設定することで、ブレーキアシスト制御により確実にアンチロックブレーキ制御を開始させることができる。
また、前記した構成において、前記制御部は、前記ブレーキアシスト制御の終了を判断した後、前記車輪ブレーキ内のブレーキ液圧を徐々に減圧するように構成することができる。
これによれば、ブレーキアシスト制御の終了を判断した後に車輪ブレーキ内のブレーキ液圧を徐々に減圧するので、ブレーキの操作フィーリングを良好にすることができる。
また、前記した構成において、前記制御部は、前記ブレーキアシスト制御の終了を判断した後、前記ブレーキアシスト制御において設定したブレーキアシスト量を徐々に減少するように構成することができる。
これによれば、ブレーキアシスト制御の終了を判断した後にブレーキアシスト量を徐々に減少するので、ブレーキの操作フィーリングを良好にすることができる。
また、前記した構成において、前記制御部は、前記ブレーキアシスト制御におけるブレーキアシスト量を、前記アンチロックブレーキ制御に入ることができる値に設定するように構成することができる。
これによれば、ブレーキアシスト制御により確実にアンチロックブレーキ制御を開始させることができる。
本発明によれば、マスタシリンダ圧センサやブレーキペダルセンサからの信号を用いずにブレーキアシスト制御の終了の判断を行うことができる。
本発明の一実施形態に係る車両用ブレーキ液圧制御装置を備えた車両の構成図である。 車両用ブレーキ液圧制御装置のブレーキ液圧回路図である。 制御部の構成を示すブロック図である。 ブレーキアシスト制御を開始するまでの制御装置の動作を示すフローチャートである。 ブレーキアシスト制御を終了するまでの制御装置の動作を示すフローチャートである。 緊急ブレーキ操作をしたときの加速度、ホイールシリンダ圧、各タイマおよびブレーキアシストフラグの変化を示すタイムチャート(a)〜(f)である。 ブレーキアシスト制御を開始してから終了するまでの車輪速度、入口弁の電流、タイマ、前後加速度、ブレーキ液圧およびブレーキアシストフラグの変化を示すタイムチャート(a)〜(f)である。
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、車両用ブレーキ液圧制御装置100は、車両CRの各車輪Wに付与する制動力(ブレーキ液圧)を適宜制御するためのものであり、油路(液圧路)や各種部品が設けられた液圧ユニット10と、液圧ユニット10内の各種部品を適宜制御するための制御部20とを主に備えている。また、この車両用ブレーキ液圧制御装置100の制御部20には、各車輪Wの車輪速度を検出する車輪速センサ50や車両CRに加わる前後加速度を検出する前後加速度センサ30が接続されている。車輪速センサ50の検出結果は、制御部20に出力される。
制御部20は、例えば、CPU、RAM、ROMおよび入出力回路を備えており、車輪速センサ50などの各種センサからの入力と、ROMに記憶されたプログラムやデータに基づいて各演算処理を行うことによって、制御を実行する。また、ホイールシリンダHは、マスタシリンダMCおよび車両用ブレーキ液圧制御装置100により発生されたブレーキ液圧を各車輪Wに設けられた車輪ブレーキFR,FL,RR,RLの作動力に変換する液圧装置であり、それぞれ配管を介して液圧ユニット10に接続されている。
図2に示すように、液圧ユニット10は、運転者がブレーキペダルBPに加える踏力に応じたブレーキ液圧を発生する液圧源であるマスタシリンダMCと、車輪ブレーキFR,FL,RR,RLとの間に配置されている。液圧ユニット10は、ブレーキ液が流通する油路(液圧路)を有する基体であるポンプボディ10a、油路上に複数配置された入口弁1、出口弁2などから構成されている。マスタシリンダMCの二つの出力ポートM1,M2は、ポンプボディ10aの入口ポート121に接続され、ポンプボディ10aの出口ポート122が、各ホイールシリンダHに接続されている。そして、通常時はポンプボディ10a内の入口ポート121から出口ポート122までが連通した油路となっていることで、ブレーキペダルBPの踏力が各車輪ブレーキFL,RR,RL,FRに伝達されるようになっている。
ここで、出力ポートM1から始まる油路は、前輪左側の車輪ブレーキFLと後輪右側の車輪ブレーキRRに通じており、出力ポートM2から始まる油路は、前輪右側の車輪ブレーキFRと後輪左側の車輪ブレーキRLに通じている。なお、以下では、出力ポートM1から始まる油路を「第一系統」と称し、出力ポートM2から始まる油路を「第二系統」と称する。
液圧ユニット10には、その第一系統に各車輪ブレーキFL,RRに対応して二つの制御弁手段Vが設けられており、同様に、その第二系統に各車輪ブレーキRL,FRに対応して二つの制御弁手段Vが設けられている。また、この液圧ユニット10には、第一系統および第二系統のそれぞれに、リザーバ3、ポンプ4、オリフィス5a、調圧弁(レギュレータ)R、吸入弁7が設けられている。また、液圧ユニット10には、第一系統のポンプ4と第二系統のポンプ4とを駆動するための共通のモータ9が設けられている。このモータ9は、回転数制御可能なモータであり、本実施形態では、デューティ制御により回転数制御が行われる。また、本実施形態では、第二系統にのみ圧力センサ8が設けられている。
なお、以下では、マスタシリンダMCの出力ポートM1,M2から各調圧弁Rに至る油路を「出力液圧路A1」と称し、第一系統の調圧弁Rから車輪ブレーキFL,RRに至る油路および第二系統の調圧弁Rから車輪ブレーキRL,FRに至る油路をそれぞれ「車輪液圧路B」と称する。また、出力液圧路A1からポンプ4に至る油路を「吸入液圧路C」と称し、ポンプ4から車輪液圧路Bに至る油路を「吐出液圧路D」と称し、さらに、車輪液圧路Bから吸入液圧路Cに至る油路を「開放路E」と称する。
制御弁手段Vは、マスタシリンダMCまたはポンプ4から車輪ブレーキFL,RR,RL,FR(詳細には、ホイールシリンダH)への液圧の行き来を制御する弁であり、ホイールシリンダHの圧力を増加、保持または低下させることができる。そのため、制御弁手段Vは、入口弁1、出口弁2、チェック弁1aを備えて構成されている。
入口弁1は、各車輪ブレーキFL,RR,RL,FRとマスタシリンダMCとの間、すなわち車輪液圧路Bに設けられた常開型のリニアソレノイド弁(比例電磁弁)である。そのため、入口弁1に流す駆動電流値に応じて、入口弁1の上下流の差圧が調整可能となっている。すなわち、入口弁1の上流側が下流側に比べて比較的高い液圧になっている場合において、入口弁1に駆動電流を供給すると、入口弁1の上流側の液圧と下流側の液圧との差圧が、駆動電流に応じた差圧になるまで入口弁1が開いて、入口弁1の下流側が増圧される。
詳細は図示しないが、入口弁1の弁体は、付与される駆動電流に応じた電磁力によって車輪ブレーキFL,RR,RL,FRとは反対側(入口弁1の上流側)へ付勢されている。そのため、入口弁1の上流側の圧力が入口弁1の下流側の圧力より所定値(この所定値は、付与される電流による)以上高くなった場合には、上流側から下流側へ向けてブレーキ液が流れて、車輪ブレーキFL,RR,RL,FR内が増圧される。
出口弁2は、各車輪ブレーキFL,RR,RL,FRと各リザーバ3との間、すなわち車輪液圧路Bと開放路Eとの間に介設された常閉型の電磁弁である。出口弁2は、通常時に閉塞されているが、車輪Wがロックしそうになったときに制御部20により開放されることで、各車輪ブレーキFL,FR,RL,RRに作用するブレーキ液圧を各リザーバ3に逃がす。
チェック弁1aは、各入口弁1に並列に接続されている。このチェック弁1aは、各車輪ブレーキFL,FR,RL,RR側からマスタシリンダMC側へのブレーキ液の流入のみを許容する弁であり、ブレーキペダルBPからの入力が解除された場合に、入口弁1を閉じた状態にしたときにおいても、各車輪ブレーキFL,FR,RL,RR側からマスタシリンダMC側へのブレーキ液の流入を許容する。
リザーバ3は、開放路Eに設けられており、各出口弁2が開放されることによって逃がされるブレーキ液圧を貯留する機能を有している。また、リザーバ3とポンプ4との間には、リザーバ3側からポンプ4側へのブレーキ液の流れのみを許容するチェック弁3aが介設されている。
ポンプ4は、出力液圧路A1に通じる吸入液圧路Cと車輪液圧路Bに通じる吐出液圧路Dとの間に介設されており、リザーバ3で貯留されているブレーキ液を吸入して吐出液圧路Dに吐出する機能を有している。これにより、リザーバ3により吸収されたブレーキ液をマスタシリンダMCに戻すことができるとともに、後述するようにブレーキペダルBPの操作の有無に関わらずブレーキ液圧を発生して、車輪ブレーキFL,RR,RL,FRに制動力を発生することができる。
なお、ポンプ4によるブレーキ液の吐出量は、モータ9の回転数(デューティ比)に依存している。すなわち、モータ9の回転数(デューティ比)が大きくなると、ポンプ4によるブレーキ液の吐出量も大きくなる。
オリフィス5aは、ポンプ4から吐出されたブレーキ液の圧力の脈動を減衰させている。
調圧弁Rは、通常時に出力液圧路A1から車輪液圧路Bへのブレーキ液の流れを許容するとともに、ポンプ4が発生したブレーキ液圧によりホイールシリンダH側の圧力を増加するときには、この流れを遮断しつつ、吐出液圧路D、車輪液圧路Bおよび制御弁手段V(ホイールシリンダH)側の圧力を設定値以下に調節する機能を有し、切換弁6およびチェック弁6aを備えて構成されている。
切換弁6は、マスタシリンダMCに通じる出力液圧路A1と各車輪ブレーキFL,FR,RL,RRに通じる車輪液圧路Bとの間に介設された常開型のリニアソレノイド弁である。そのため、切換弁6に流す駆動電流の値に応じて、切換弁6の上下流の差圧が調整されることによって、吐出液圧路Dおよび車輪液圧路Bの圧力を設定値以下に調節可能となっている。
詳細は図示しないが、切換弁6の弁体は、付与される駆動電流に応じた電磁力によって車輪液圧路BおよびホイールシリンダH側へ付勢されており、車輪液圧路Bの圧力が出力液圧路A1の圧力より所定値(この所定値は、付与される電流による)以上高くなった場合には、車輪液圧路Bから出力液圧路A1へ向けてブレーキ液が逃げることで、車輪液圧路B側の圧力が所定圧に調整される。
チェック弁6aは、各切換弁6に並列に接続されている。このチェック弁6aは、出力液圧路A1から車輪液圧路Bへのブレーキ液の流れを許容する一方向弁である。
吸入弁7は、吸入液圧路Cに設けられた常閉型の電磁弁であり、吸入液圧路Cを開放する状態および遮断する状態を切り換えるものである。吸入弁7は、切換弁6が閉じるとき、例えば、ブレーキアシスト制御時において各車輪ブレーキFL,FR,RL,RRにブレーキ液圧を作用させるときに制御部20の制御により開放される。
圧力センサ8は、出力液圧路A1のブレーキ液圧を検出するものであり、その検出結果は制御部20に入力される。
次に、制御部20の詳細について説明する。なお、以下の説明では、アンチロックブレーキ制御をABS制御と称し、ブレーキアシスト制御をBA制御と称することとする。
図3に示すように、制御部20は、主に車輪速センサ50等から入力された信号に基づき、液圧ユニット10内の制御弁手段V、調圧弁R(切換弁6)および吸入弁7の開閉動作ならびにモータ9の動作を制御して、各車輪ブレーキFL,RR,RL,FRの動作を制御するものである。制御部20は、スリップ率演算部29Aと、ABS制御手段29Bと、計算手段21と、第1判断手段22と、第2判断手段23と、第3判断手段24と、BA制御手段25と、弁駆動部26と、モータ駆動部27と、記憶部28とを備えている。
スリップ率演算部29Aは、車輪速センサ50が検出した各車輪Wの回転角速度に基づき、公知の方法によりスリップ率を演算する部分である。スリップ率の計算方法について一例を挙げれば、スリップ率演算部29Aは、車輪Wの回転角速度を車輪外周の速度(車輪速度V1)に換算し、さらに、車体速度V0を推定する。車体速度V0の推定方法は、例えば各車輪のうち速度が最大の車輪速度V1など、路面に追従していると思われる車輪速度V1を車体速度V0とするなどして車体速度V0を推定する方法が挙げられる。車体速度V0と車輪速度V1が得られれば、スリップ率は、(V0−V1)×100/V0により求めることができる。
ABS制御手段29Bは、スリップ率演算部29Aが演算したスリップ率と、車輪速度に基いて算出する車輪加速度とに基づき、ABS制御を実行する手段である。ABS制御手段29Bは、スリップ率が所定値以上になり、かつ、車輪加速度が0以下であるときに、車輪Wのロックを防止すべく、制御弁手段駆動部26aを制御して、ホイールシリンダHを減圧する。すなわち、ABS制御手段29Bは、減圧制御を開始する場合には、制御弁手段駆動部26aに減圧の指示を出力する。制御弁手段駆動部26aは、減圧の指示を受けると、後述するように入口弁1を閉じて、出口弁2を開くことにより、ホイールシリンダH内のブレーキ液をリザーバ3に排出して、ホイールシリンダHを減圧する。
次いで、車輪加速度が0よりも大きくなったときには、ABS制御手段29Bは、入口弁1と出口弁2の双方を閉じてホイールシリンダH内のブレーキ液圧を保持する。すなわち、ABS制御手段29Bは、保持制御を開始する場合には、制御弁手段駆動部26aに保持の指示を出力する。制御弁手段駆動部26aは、保持の指示を受けると、後述するように入口弁1および出口弁2の双方を閉じることにより、ホイールシリンダ圧を保持する。
次いで、スリップ率が所定値未満となり、かつ、車輪加速度が0以下となったときには、ABS制御手段29Bは、入口弁1を開き、出口弁2を閉じることでホイールシリンダHを増圧する。すなわち、ABS制御手段29Bは、増圧制御を開始する場合には、制御弁手段駆動部26aに増圧の指示を出力する。制御弁手段駆動部26aは、増圧の指示を受けると、後述するように出口弁2を閉じ、入口弁1を開くことにより、ホイールシリンダH内のブレーキ液圧を増加させる。詳しくは、制御弁手段駆動部26aは、増圧時において、所定の増圧勾配となるように、入口弁1に流す電流を制御している。
計算手段21は、車輪速センサ50からの信号に基いて、4輪すべての車輪速度を算出した後、各車輪それぞれの車輪速度変化量を意味する値として車輪速度の微分値を計算する機能を有している。具体的に、計算手段21は、車輪速度の今回値から前回値を減算した値を単位変換した後(単位時間で割った後)、ローパスフィルタ処理をすることで、車輪速度の微分値を算出している。そのため、車輪の減速時における車輪速度の微分値は、負の値として算出されるようになっており、負の値である微分値が小さい(マイナス側に大きく振れている)ときに車輪速度変化量が大きいことになる。そして、計算手段21は、車輪速度の微分値を算出すると、算出した微分値を第1判断手段22と第2判断手段23とに出力する。
第1判断手段22は、前輪の車輪速度の微分値と後輪の車輪速度の微分値に基いて、前輪が後輪に先行して減速しているという第1条件を満たすか否かを判断する機能を有している。具体的に、第1判断手段22は、前輪の車輪速度の微分値が閾値(−α)以下で、かつ、前輪の車輪速度の微分値と後輪の車輪速度の微分値との差が閾値(−β)以下である場合に、第1条件を満たしていると判断するように構成されている。
つまり、第1判断手段22は、前輪の車輪速度変化量の大きさ(絶対値)が第2閾値αより大きく、かつ、前輪の車輪速度変化量と後輪の車輪速度変化量との差の大きさ(絶対値)が第3閾値βより大きい場合に、第1条件を満たしていると判断している。また、第1判断手段22は、第1条件の判断を、左右の前後輪について行っている。そして、第1判断手段22は、第1条件を満たしていると判断した場合には、そのことを示す信号を第3判断手段24に出力する。
第2判断手段23は、4輪の各車輪速度の微分値が所定期間T3の間継続して閾値(−θ)以下であるという第2条件を満たすか否かを判断する機能を有している。つまり、第2判断手段23は、各車輪速度変化量(減速度)の大きさ(絶対値)が、所定期間T3の間継続して第1閾値θより大きいという第2条件を満たすか否かを判断することで、運転者が減速する意思を継続しているか否かを判断している。そして、第2判断手段23は、各車輪速度の微分値が所定期間T3の間継続して閾値(−θ)以下であると判断した場合に第2条件を満たしたと判断して、そのことの示す信号をBA制御手段25に出力する。
第3判断手段24は、第1条件が所定時間T1の間継続して満たされているという第3条件を満たすか否かを判断する機能を有している。具体的に、第3判断手段24は、第1判断手段22から第1条件を満たしていることを示す信号を所定時間T1の間受け続けた場合に、第3条件を満たしていると判断して、そのことを示す信号をBA制御手段25に出力する。
BA制御手段25は、第2判断手段23から第2条件を満たしていることを示す信号を受けるとともに、第3判断手段24から第3条件を満たしていることを示す信号を受けた場合に、緊急ブレーキ操作がなされたと判断して、BA制御を実行する機能を有している。ここで、第3判断手段24から第3条件を満たしていることを示す信号が出力されている場合には、必ず第1条件が満たされているので、実質的に、BA制御手段25は、第1条件、第2条件および第3条件を満たしている場合に、緊急ブレーキ操作がなされたと判断して、BA制御を実行する構成となっている。
具体的に、BA制御手段25は、緊急ブレーキ操作がなされたと判定した場合にポンプ4(モータ9)、吸入弁7および調圧弁Rを制御して、調圧弁RよりもホイールシリンダH側(制御弁手段V側)、つまり、吐出液圧路Dのブレーキ液を加圧するBA制御を実行する。BA制御手段25は、緊急ブレーキ操作があった(ブレーキアシストが必要)と判断した場合で、マスタシリンダ圧が十分でない場合、例えば、運転者のブレーキペダルBPの踏力が不十分な場合には、制動力を補助するために、ホイールシリンダH内の液圧をポンプ4によって所定のブレーキアシスト量(液圧)を加えた液圧になるまで増圧させる。そのため、BA制御手段25は、モータ駆動部27にブレーキアシスト量に対応したモータ駆動の信号を出力し、吸入弁駆動部26cに吸入弁7を開く信号を出力し、調圧弁駆動部26bにブレーキアシスト量に対応した調圧目標値を指示する。
ここで、ブレーキアシスト量は、BA制御を開始したときにABS制御に入ることができる値に設定されている。具体的に、ブレーキアシスト量は、路面摩擦係数ごとに異なる値、詳しくは下記の式により設定されている。
Pb=Pr−Ps
Pb:ブレーキアシスト量
Pr:車輪ロック液圧
Ps:BA介入想定圧
ここで、車輪ロック液圧Prは、ABS制御が開始されるときのブレーキ液圧であり、実験やシミュレーション等によって路面摩擦係数ごとに異なる値、詳しくは路面摩擦係数が大きくなる程、大きな値となるように設定されている。また、BA介入想定圧Psは、BA制御が介入されると想定されるマスタシリンダ圧であり、車輪ロック液圧Prに所定の割合を乗算した値に設定されている。
そして、上述した式で算出されるブレーキアシスト量は、様々な路面摩擦係数に対応づけられて記憶部28に記憶されている。
また、BA制御手段25は、BA制御の開始時において、前後加速度センサ30からの信号に基いて路面摩擦係数を算出し、算出した路面摩擦係数に応じたブレーキアシスト量を記憶部28から取得するようになっている。さらに、BA制御手段25は、取得したブレーキアシスト量からモータ9の駆動量や調圧目標値を決定し、これらの値をモータ駆動の信号や調圧弁Rに流す駆動電流値(デューティ比)として出力する。
また、BA制御手段25は、BA制御の実行によってABS制御が実行された場合には、入口弁1の開弁状態がフル開弁状態になったことを第1終了条件として、BA制御の終了を判断する機能を有している。詳しくは、BA制御手段25は、入口弁1の電流値が所定値Ath以下である場合にフル開弁状態であると判断、つまり第1終了条件が満たされたと判断し、このフル開弁状態が一定期間T4の間継続して満たされているという第2終了条件が満たされているか否かを判断し、第1終了条件に加えて、さらに第2終了条件が満たされている場合に、BA制御の終了を判断している。
ここで、「フル開弁状態」とは、入口弁が最大に開弁した状態を含む他、最大に開弁した状態に近い状態(最大に開弁した状態から僅かに閉じた状態)も含む。なお、本実施形態では、所定値Athをゼロよりも僅かに大きな値に設定しており、これにより、本実施形態におけるフル開弁状態は、最大に開弁した状態から僅かに閉じた状態を基準として、この状態よりも開弁した状態となっている。
なお、一定期間T4は、制御サイクルよりも長い時間に設定されている。
また、BA制御手段25は、BA制御の終了を判断した後、車輪ブレーキ内のブレーキ液圧を徐々に減圧するように構成されている。具体的には、BA制御手段25は、BA制御の終了を判断した後、モータ9を停止して、調圧弁Rの調圧目標値を徐々に下げることで、車輪ブレーキ内のブレーキ液圧を徐々に減圧する。
弁駆動部26は、ABS制御手段29BやBA制御手段25の指示に基づいて、制御弁手段V、調圧弁Rおよび吸入弁7を制御する部分である。そのため、弁駆動部26は、制御弁手段駆動部26a、調圧弁駆動部26bおよび吸入弁駆動部26cを有する。
制御弁手段駆動部26aは、ABS制御手段29Bからの増圧、保持または減圧の指示に基づいて入口弁1および出口弁2を制御する。
調圧弁駆動部26bは、通常時は、調圧弁Rに電流を流さない。そして、BA制御手段25から調圧目標値の指示があった場合には、この指示に従い調圧弁Rにデューティ制御により駆動電流を供給する。調圧弁Rに駆動電流が供給されると、調圧弁RのマスタシリンダMC側と制御弁手段V(ホイールシリンダH)側との間には、この駆動電流に応じた差圧が形成可能となり、これ以上の差圧が発生すると調圧弁Rは開弁して駆動電流に応じた差圧を維持する。その結果、調圧弁Rと制御弁手段Vの間の吐出液圧路Dの液圧が調整される。
吸入弁駆動部26cは、通常時は、吸入弁7に電流を流さない。そして、BA制御手段25から指示があった場合には、この指示に従い吸入弁7に信号を出力する。これにより、吸入弁7が開いてマスタシリンダMCからポンプ4へブレーキ液が吸入されるようになっている。
モータ駆動部27は、BA制御手段25の指示に基づきモータ9の回転数を決定し、駆動するものである。すなわち、モータ駆動部27は、回転数制御によりモータ9を駆動するものであり、本実施形態では、デューティ制御により回転数制御を行う。
記憶部28には、前述した各閾値(−α,−β,−θ,T1〜T4)やブレーキアシスト量などが記憶されている。
次に、制御部20の動作を図4および図5を参照して説明する。
制御部20は、常時図4に示すフローチャートを繰り返し実行することでBA制御を開始するか否かを判断している。
まず、制御部20は、車輪速センサ50等から信号を取得し、4輪の各車輪速度を算出する(S1)。
ステップS1の後、制御部20は、各車輪速度に基いて、各車輪の車輪速度の微分値を算出し(S2)、さらに左右それぞれについての前後輪の車輪速度の微分値の差を算出する(S3)。ステップS3の後、制御部20は、前輪の車輪速度の微分値が閾値(−α)以下であり、かつ、前後輪の車輪速度の微分値の差が閾値(−β)以下であるか否か、つまり前輪が後輪に先行して減速しているという第1条件を満たしているか否かを判断する(S4)。
ステップS4において、制御部20は、第1条件を満たしていると判断すると(Yes)、タイマTM1をカウントアップし(S5)、第1条件を満たしていないと判断すると(No)、タイマTM1をクリアする(S6)。ステップS5またはステップS6の後、制御部20は、タイマTM1が所定時間T1以上であるか否かを判断することで、第1条件が所定時間T1の間継続して満たされているか否か、つまり第3条件を満たしているか否かを判断する(S7)。
ステップS7において第3条件を満たしていると判断した場合には(Yes)、制御部20は、タイマTM2をカウントアップする(S8)。ステップS8の後、制御部20は、タイマTM2が規定時間T2以下であるか否かを判断する(S9)。
ステップS9においてタイマTM2が規定時間T2以下であると判断した場合には(Yes)、制御部20は、4輪の車輪速度の微分値がすべて閾値(−θ)以下であるか否かを判断する(S10)。ステップS10において4輪の車輪速度の微分値がすべて閾値(−θ)以下であると判断した場合には(Yes)、制御部20は、タイマTM3をカウントアップする(S11)。
ステップS11の後、制御部20は、タイマTM3が所定期間T3以上であるか否かを判断する(S14)。つまり、制御部20は、ステップS9〜S12の処理を行うことで、実質、4輪の各車輪速度の微分値が所定期間T3の間継続して閾値(−θ)以下であるという第2条件を満たすか否かを判断している。
ステップS14において、制御部20は、第2条件を満たしていると判断した場合には(Yes)、BA制御を開始し(S15)、第2条件を満たしていないと判断した場合には(No)、BA制御を行わずに本制御を終了する。なお、制御部20は、BA制御を開始した場合には、BA制御のフラグを0から1に設定する。
また、制御部20は、ステップS7においてタイマTM1が所定時間T1未満であると判定した場合には(No)、タイマTM2,TM3をクリアする(S13)。これにより、例えば、一旦タイマTM1が所定時間T1以上になってステップS8以降の処理が行われてタイマTM2,TM3がそれぞれカウントアップされた場合であっても、それ以降においてステップS6の処理が何度か行われてタイマTM1が所定時間T1未満になると、タイマTM2,TM3がクリアされる。
また、制御部20は、ステップS9においてタイマTM2が規定時間T2を超えたと判断した場合や(No)、ステップS10において4輪の車輪速度の微分値のいずれかが閾値(−θ)を超えた場合には(No)、タイマTM3をクリアする(S12)。ここで、規定時間T2は、所定時間T1や所定期間T3よりも長い時間に設定されている。そして、ステップS9においてタイマTM2が規定時間T2を超えた場合に(No)、タイマTM3をクリアすることで、例えばステップS10で頻繁にNoと判定されてタイマTM3がなかなか所定期間T3に達しないような場合、すなわち運転者に減速の意思が継続されていないような場合においてBA制御に入るのを抑えることが可能となっている。
制御部20は、常時図5に示すフローチャートを繰り返し実行することでBA制御を終了するか継続するかを判断している。
まず、制御部20は、BA制御のフラグが1か否かを判断することで、BA制御中か否かを判断する(S21)。ステップS21において、制御部20は、BA制御中でないと判断すると(No)、本制御を終了し、BA制御中であると判断すると(Yes)、前後加速度から算出した路面摩擦係数に基いてブレーキアシスト量を設定する(S22)。
ステップS22の後、制御部20は、ABS制御中か否かを判断する(S23)。なお、ABS制御中か否かの判定は、例えばBA制御中か否かの判定と同様に、ABS制御のフラグが1か否かを判断することで行えばよい。
ステップS23においてABS制御中である場合には(Yes)、制御部20は、前輪に対応した入口弁1の電流値が所定値Ath以下であるか否かを判断する(S24)。ステップS24において、電流値が所定値Ath以下である場合には(Yes)、制御部20は、タイマTM4をカウントアップする(S25)。
ステップS25の後、制御部20は、タイマTM4が一定期間T4以上であるか否かを判断する(S27)。ステップS27においてタイマTM4が一定期間T4以上である場合には(Yes)、制御部20は、BA制御を終了すると判断し(S28)、モータ9を停止するとともに調圧弁Rの調圧目標値を徐々に下げて、車輪ブレーキ内のブレーキ液圧を徐々に減圧する。
また、制御部20は、ステップS23,S24においてNoと判断した場合には、タイマTM4をクリアする(S26)。また、制御部20は、ステップS26の後、または、ステップS27においてNoと判断した場合には、BA制御を継続する(S29)。
次に、制御部20によるBA制御の一例について図6および図7を参照して詳細に説明する。なお、図6においては、説明の便宜上、時間のスケールを図7よりも大きくして図示している。
図6(a),(e)に示すように、時刻t1において、運転者が緊急ブレーキ操作を行うと、ホイールシリンダ圧が上昇し始めるとともに、マイナスの加速度、つまり減速度(車輪速度変化量)が発生し始める。そして、時刻t2において、前輪の減速度が−α以下となり、かつ、前後輪の減速度の差(絶対値)がβより大きくなると、図6(b)に示すように、タイマTM1のカウントアップが開始される。
タイマTM1が所定時間T1に達すると(時刻t3)、図6(c)に示すように、タイマTM3のカウントアップが開始される(ここでは、4輪の車輪速度の微分値がすべて−θ以下であるものとする)。そして、タイマTM3が所定期間T3に達すると(時刻t4)、図6(e),(f)に示すように、BA制御が開始されて、ホイールシリンダ圧が通常よりも速い昇圧速度で上昇する。
その後、図6(a)に示すように、前後輪の減速度の差がβより小さくなると(時刻t5)、タイマTM1,TM2,TM3がクリアされる。
また、図7(f)に示すように、BA制御が開始されると(時刻t4)、図7(e)に実線で示すマスタシリンダ圧に所定のブレーキアシスト量(破線の値と実線の値の差分)が加えられることで、1点鎖線で示す前輪のホイールシリンダ圧がマスタシリンダ圧以上に増圧される。詳しくは、図7(d)に示す前後加速度に応じたブレーキアシスト量がマスタシリンダ圧に加えられる。
そして、この増圧により、図7(a)に示すように、前輪のスリップ率が所定値以上になると(時刻t6)、図7(b)に示すように前輪に対応した入口弁1の電流が増加されることで入口弁1が閉じられるとともに、出口弁が開放されることで、ABS制御における減圧制御が開始される。これにより、図7(e)に示すように、前輪のホイールシリンダ圧が減圧される。
ABS制御の減圧制御の後は、スリップ率の条件等に応じて保持制御(時刻t7〜t8間)や増圧制御(時刻t8〜t9間)が行われる。そして、ABS制御の初期の増圧制御(時刻t8〜t9間)においては、図7(b)に示すように、比較的大きめの電流値で入口弁1が制御される。
増圧制御の後は、同じようにスリップ率の条件等に応じて減圧制御(時刻t9〜t10間)、保持制御(時刻t10〜t11間)、増圧制御(時刻t11〜t14間)が行われる。そして、図7(b)に示すように、増圧制御において入口弁1の電流値が所定値Ath以下となると(時刻t12)、図7(c)に示すように、タイマTM4のカウントアップが開始される。
タイマTM4が一定期間T4に到達すると(時刻t13)、制御部20は、図7(f)に示すように、BA制御が終了したと判断して、フラグを0にする。その後、制御部20は、図7(e)に示すように、ブレーキアシスト量を徐々に減少させることで、前輪のホイールシリンダ圧を徐々に減圧させる。なお、時刻t12〜t13の間は、マスタシリンダ圧の減少に伴い、前輪のホイールシリンダ圧が徐々に減少している。
そして、ABS制御の終了条件が揃った場合には(時刻t14)、制御部20は、入口弁1の電流値を0にするとともに、タイマTM4をクリアする。
以上によれば、本実施形態において以下のような効果を得ることができる。
車輪速センサ50からの信号に基いて好適に緊急ブレーキが行われたか否かの判断を行うことができるので、マスタシリンダ圧センサやブレーキペダルセンサからの信号を用いずに緊急ブレーキの判断を行うことができる。
前輪の車輪速度の微分値が閾値(−α)以下であり、かつ、前後輪の車輪速度の微分値の差が閾値(−β)以下であるか否かを判断することで、第1条件を満たしているか否かを判断したので、第1条件を満たしているか否かの判断を精度良く行うことができる。
第1条件および第2条件に加えて第3条件も判断するので、緊急ブレーキ操作が行われたか否かをより精度良く判断することができる。
入口弁1の開弁状態がフル開弁状態になったことを条件としてBA制御の終了を判断するので、マスタシリンダ圧センサやブレーキペダルセンサからの信号を用いずにBA制御の終了の判断を行うことができる。
路面摩擦係数ごと、ひいては路面摩擦係数に応じて変化する車輪ロック液圧ごとに適切なブレーキアシスト量を設定するので、BA制御により確実にABS制御を開始させることができる。
入口弁1の電流値に基いてフル開弁状態であるか否かを判断するので、例えば入口弁の開弁状態を検出するような特別なセンサを設けることなく、入口弁1がフル開弁状態であるか否かの判断を行うことができる。
BA制御の終了を判断した後に車輪ブレーキ内のブレーキ液圧を徐々に減圧するので、ブレーキの操作フィーリングを良好にすることができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、以下に例示するように様々な形態で利用できる。
前記実施形態では、前輪に対応した入口弁1がフル開弁状態か否かを判断したが、本発明はこれに限定されず、例えばすべての車輪に対応した入口弁がフル開弁状態か否かを判断してもよい。
前記実施形態では、入口弁1を比例電磁弁としたが、本発明はこれに限定されず、例えばON・OFF弁であってもよい。なお、入口弁をON・OFF弁とする場合には、「フル開弁状態」は、単位時間当たりの開弁時間が最大となる状態やこれに近い状態を含む。
前記実施形態では、第1終了条件に加えて、さらに第2終了条件が満たされている場合に、BA制御の終了を判断したが、本発明はこれに限定されず、例えば第1終了条件のみでBA制御の終了を判断してもよい。
1 入口弁
20 制御部
100 車両用ブレーキ液圧制御装置
FL,FR,RL,RR 車輪ブレーキ
MC マスタシリンダ

Claims (7)

  1. 液圧源と車輪ブレーキとの間に設けられ、車輪ブレーキ内を増圧する場合に開弁される入口弁と、
    アンチロックブレーキ制御とブレーキアシスト制御とを実行可能な制御部とを備える車両用ブレーキ液圧制御装置であって、
    前記制御部は、
    前記ブレーキアシスト制御の実行によって前記アンチロックブレーキ制御が実行された場合には、前記入口弁の開弁状態がフル開弁状態になったことを第1終了条件として、前記ブレーキアシスト制御の終了を判断することを特徴とする車両用ブレーキ液圧制御装置。
  2. 前記制御部は、前記フル開弁状態が一定期間継続して満たされているという第2終了条件を判断し、前記第1終了条件に加えて、さらに前記第2終了条件が満たされている場合に、前記ブレーキアシスト制御の終了を判断することを特徴とする請求項1に記載の車両用ブレーキ液圧制御装置。
  3. 前記制御部は、前記入口弁の電流値が所定値以下である場合に、前記フル開弁状態であると判断することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用ブレーキ液圧制御装置。
  4. 前記制御部は、前記ブレーキアシスト制御におけるブレーキアシスト量を路面摩擦係数ごとに異なる値に設定することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の車両用ブレーキ液圧制御装置。
  5. 前記制御部は、前記ブレーキアシスト制御の終了を判断した後、前記車輪ブレーキ内のブレーキ液圧を徐々に減圧することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の車両用ブレーキ液圧制御装置。
  6. 前記制御部は、前記ブレーキアシスト制御の終了を判断した後、前記ブレーキアシスト制御において設定したブレーキアシスト量を徐々に減少することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の車両用ブレーキ液圧制御装置。
  7. 前記制御部は、前記ブレーキアシスト制御におけるブレーキアシスト量を、前記アンチロックブレーキ制御に入ることができる値に設定することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の車両用ブレーキ液圧制御装置。
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