JP3828609B2 - アンチロックブレーキ装置 - Google Patents

アンチロックブレーキ装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3828609B2
JP3828609B2 JP08128796A JP8128796A JP3828609B2 JP 3828609 B2 JP3828609 B2 JP 3828609B2 JP 08128796 A JP08128796 A JP 08128796A JP 8128796 A JP8128796 A JP 8128796A JP 3828609 B2 JP3828609 B2 JP 3828609B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure
master cylinder
brake
motor
hydraulic pressure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP08128796A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH09267736A (ja
Inventor
康史 青木
憲治 服部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP08128796A priority Critical patent/JP3828609B2/ja
Publication of JPH09267736A publication Critical patent/JPH09267736A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3828609B2 publication Critical patent/JP3828609B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車輪を制動するブレーキシリンダの制動力を減少させるべく該ブレーキシリンダからリザーバに排出した作動油を、ポンプモータで駆動されるオイルポンプでマスタシリンダに還流させるアンチロックブレーキ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
かかるアンチロックブレーキ装置は、一般にマスタシリンダとブレーキシリンダとの間に常開型電磁弁を備えるとともに、ブレーキシリンダとリザーバとの間に常閉型電磁弁を備えており、車輪がロックする虞がないときにはマスタシリンダ油圧をブレーキシリンダに直接伝達し、車輪がロックしそうになると常開型電磁弁を閉弁した状態で常閉型電磁弁を開弁することにより、ブレーキシリンダ油圧をリザーバに逃がして車輪速を回復させている。そしてブレーキシリンダからリザーバに排出された作動油は、リザーバとマスタシリンダとの間に介装されたオイルポンプによってマスタシリンダ側に還流する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来のアンチロックブレーキ装置は、車輪がロックしそうになってアンチロックブレーキ制御が開始されると同時にオイルポンプを駆動し、アンチロックブレーキ制御が終了してから一定時間が経過するとオイルポンプを停止するようになっており、その間オイルポンプはフル作動していた。その結果、オイルポンプが必要以上の仕事を行って無駄なネルギーを消費するだけでなく、振動や騒音の原因となる問題があった。
【0004】
これを図5に基づいて更に説明すると、オイルポンプはマスタシリンダ油圧Pmに抗して作動油を圧送するため、このオイルポンプを駆動するポンプモータのモータトルクTはマスタシリンダ油圧Pmに比例する。またポンプモータのモータ電流IはモータトルクTに比例するため、結局モータ電流Iはマスタシリンダ油圧Pmに比例する。一方、モータ回転数Nmはポンプモータの負荷(モータトルクT)に応じて変化し、モータトルクTが大きければモータ回転数Nmは小さく、モータトルクTが小さければモータ回転数Nmは大きくなる。従って、油圧ポンプの単位時間当たりの吐出量は、負荷が大きければ(マスタシリンダ油圧Pmが高ければ)少なくなり、負荷が小さければ(マスタシリンダ油圧Pmが低ければ)多くなる。
【0005】
従来のアンチロックブレーキ装置では、マスタシリンダ油圧Pmが最大になり、且つブレーキシリンダからの減圧作動油量が最大になっても必要な作動油の吐出量を確保できるようにオイルポンプの能力が設定されており、しかもオイルポンプは前記能力でフル作動していたため、マスタシリンダ油圧Pmが低い場合やブレーキシリンダからの減圧作動油量が少ない場合に、オイルポンプは必要以上の仕事を行って上記した問題が発生することになる。
【0006】
例えば、図5においてマスタシリンダ油圧Pmの最大値がPm1 であるとすると、そのマスタシリンダ油圧Pm1 で減圧作動油量が最大になっても支障が無いモータ回転数Nm1 を確保できるように、ポンプモータは電力W1 で運転されている。この状態で、減圧作動油量が前記最大値以下になり、或いはマスタシリンダ油圧Pmが前記最大値がPm1 以下になれば、モータ回転数Nmは前記Nm1 よりも高い不必要な高回転数で運転されて無駄なエネルギーが消費されることになる。
【0007】
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、アンチロックブレーキ装置のオイルポンプに必要且つ充分な仕事を行わせることにより、無駄なネルギー消費を回避するとともに振動や騒音の発生を防止することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1に記載された発明は、車輪を制動するブレーキシリンダの制動力を減少させるべく該ブレーキシリンダからリザーバに排出した作動油を、ポンプモータで駆動されるオイルポンプでマスタシリンダに還流させるアンチロックブレーキ装置において、ブレーキシリンダからリザーバに排出された作動油量を検出又は推定し、この作動油量に応じてポンプモータの回転数を制御し、またマスタシリンダ油圧及びブレーキシリンダ油圧の差圧と車輪のロック油圧とに基づいてマスタシリンダ油圧を推定して、この推定したマスタシリンダ油圧に応じてポンプモータへの供給電力を制御することを特徴とする。
【0009】
また請求項2に記載された発明は、請求項1の構成に加えて、車輪のロック油圧を路面摩擦係数に基づいて推定することを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を、添付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0011】
図1〜図4は本発明の第1実施例を示すもので、図1はアンチロックブレーキ装置の油圧回路図、図2はモータ回転数設定ルーチンのフローチャート、図3は作用を説明するタイムチャート、図4はブレーキシリンダ減圧量からモータ回転数を検索するマップである。
【0012】
図1に示すように、ブレーキペダル1の操作により油圧を発生するマスタシリンダ2は左右の前輪Wf,Wfのブレーキシリンダ3,3に連なる出力ポート4と、左右の後輪Wr,Wrのブレーキシリンダ5,5に連なる出力ポート6とを備える。各出力ポート4,6とそれぞれのブレーキシリンダ3,3;5,5との間に、実質的に同一の構造を備えたアンチロックブレーキ装置7…が介装される。以下、その代表として、出力ポート4と一方の前輪Wfのブレーキシリンダ3との間に介装されたアンチロックブレーキ装置7の構造を説明する。
【0013】
アンチロックブレーキ装置7は、マスタシリンダ2の出力ポート4及びブレーキシリンダ3間に設けたリニアソレノイド弁よりなる常開型電磁弁Voと、ブレーキシリンダ3と及びリザーバ8間に設けたソレノイド弁よりなる常閉型電磁弁Vcと、リザーバ8の作動油を出力ポート4とブレーキシリンダ3との間に戻すオイルポンプ9と、オイルポンプ9を駆動するポンプモータ12と、オイルポンプ9の上流側に設けた吸入弁10と、オイルポンプ9の下流側に設けた吐出弁11とを備える。
【0014】
それぞれの前輪Wf,Wf及び後輪Wr,Wrに設けた車輪速センサ13…からの信号が入力される電子制御ユニットUは、車体速と各車輪の車輪速とを算出し、車体速及び車輪速に基づいて何れかの車輪がロックしそうになったことが検出された場合に、その車輪の制動力を低減すべくアンチロックブレーキ装置7の常開型電磁弁Vo、常閉型電磁弁Vc及びオイルポンプ9の作動を制御する。
【0015】
リザーバ8はスプリング81 で付勢された断面積Aのピストン82 を備えており、このピストン82 のストロークStはストロークセンサ14により検出されて電子制御ユニットUに入力される。またポンプモータ12にはモータ回転数Nmを検出するモータ回転数センサ15と、モータ電圧Vmを検出する電圧センサ16とが設けられており、これらモータ回転数Mm及びモータ電圧Vbは電子制御ユニットUに入力される。更にマスタシリンダ2にはマスタシリンダ油圧Pmを検出するマスタシリンダ油圧センサ17が設けられており、このマスタシリンダ油圧Pmは電子制御ユニットUに入力される。
【0016】
尚、モータ回転数センサ15、電圧センサ16及びマスタシリンダ油圧センサ17のうち、モータ回転数センサ15は第1実施例で使用され、電圧センサ16及びマスタシリンダ油圧センサ17は第2実施例において使用される。
【0017】
次に、前述の構成を備えた本発明の実施例の作用を説明する。
【0018】
ドライバーがブレーキペダル1を踏むとマスタシリンダ2が発生した油圧(マスタシリンダ油圧Pm)が出力ポート4,6から出力される。アンチロックブレーキ制御が行われない通常時には、アンチロックブレーキ装置7…の常開型電磁弁Voは開弁しており且つ常閉型電磁弁Vcは閉弁しているため、前記マスタシリンダ油圧Pmはそのままブレーキシリンダ油圧Pbとしてブレーキシリンダ3,3;5,5に伝達されて車輪を制動する。
【0019】
例えば路面摩擦係数μが小さいために前記制動により車輪がロック傾向になって車輪速が車体速に対して低下すると、電子制御ユニットUからの指令により常開型電磁弁Voを閉弁するとともに常閉型電磁弁Vcを開弁する。これにより、マスタシリンダ油圧Pmは閉弁した常開型電磁弁Voに遮断されてブレーキシリンダ3,3;5,5に伝達されなくなり、且つブレーキシリンダ油圧Pbが開弁した常閉型電磁弁Vcを介してリザーバ8に排出されるため、ブレーキシリンダ油圧Pbが減圧される。このとき、リザーバ8に排出された作動油は、ポンプモータ12で駆動されるオイルポンプ9の作動によりマスタシリンダ2側に戻される。
【0020】
ブレーキシリンダ油圧Pbが所定値まで減圧されると、常閉型電磁弁Vcに対する通電を中止してブレーキシリンダ3,3;5,5とリザーバ8との連通を遮断することにより、ブレーキシリンダ油圧Pbの保持を行う。その結果、ブレーキシリンダ3,3;5,5の制動力が減少し、車輪のロック傾向により低下していた車輪速が回復に転じて車体速に近づくと、常開型電磁弁Voを所定開度に開弁することにより、ブレーキシリンダ油圧Pbを増圧する。このようにブレーキシリンダ油圧Pbの減圧モード(保持を含む)と増圧モードとを含むサイクルを繰り返し行うことにより、車輪のロックを防止しながら最大限の制動力を発生させることができる。
【0021】
次に、ポンプモータ12の制御を、図2のフローチャート及び図3のタイムチャートを参照しながら説明する。
【0022】
先ず、ステップS1で制動により車輪がロック傾向になって前述したアンチロックブレーキ制御が開始されると、ステップS2でアンチロックブレーキ制御の終了時にオイルポンプ12を所定のタイミングで停止させるためのタイマーTPOF を初期値にセットする。続いて、ステップS3でアンチロックブレーキ制御が減圧モードにあり、且つステップS4でその減圧モードが最初の減圧モードであれば、ステップS5でポンプモータ12の目標回転数Nmを予め設定した最大回転数NmMAX に設定し、その最大回転数NmMAX が得られるようにポンプモータ12を駆動する。そのときモータ回転数センサ15でポンプモータ12の実回転数Nmを検出することにより、その実回転数Nmが前記最大回転数NmMAX に収束するようにフィードバック制御を行い、これにより最初の減圧モードの間ポンプモータ12の実回転数Nmは最大回転数NmMAX に維持される。そして続くステップS6で、アンチロックブレーキ制御が減圧モードにあることを示す減圧フラグFLGを「1」にセットする。
【0023】
而して、最初の減圧モードが開始されると、ブレーキシリンダ3,3;5,5内の作動油を開弁した常閉型電磁弁Vcからリザーバ8に排出してブレーキシリンダ油圧Pbを減圧するとともに、その減圧モードの間ポンプモータ12を最大回転数NmMAX で駆動してリザーバ8の作動油をマスタシリンダ2に還流させる。しかしながら、ブレーキシリンダ3,3;5,5からリザーバ8に排出される作動油量はオイルポンプ9の吐出量よりも大きいため、減圧モード中にリザーバ8内の作動油量は増加する。
【0024】
ステップS3で最初の減圧モードが終わって最初の増圧モードに移行したとき、ステップS7で減圧フラグFLGが「1」にセットされていれば、ステップS8でストロークセンサ14で検出したリザーバ8のピストン82 のストロークStにピストン82 の断面積Aを乗算して、リザーバ8の容積増加量(つまり、作動油をブレーキシリンダ3,3;5,5からリザーバ8に排出したことによる減圧量)を算出する。続いて、ステップS9で、前記ステップS8で求めた減圧量に基づいて図4に示すマップからポンプモータ12の目標回転数Nmを検索する。そしてステップS10で減圧フラグFLGを「0」にリセットするとともに、ステップS6で前記マップに基づいて検索した目標回転数Nmが得られるようにポンプモータ12をフィードバック制御する。
【0025】
而して、減圧モードから増圧モードに移行したとき、ブレーキシリンダ3,3;5,5からリザーバ8への作動油の排出を規制した状態でオイルポンプ9を駆動することにより、リザーバ8内の作動油をマスタシリンダ2に圧送してリザーバ8内の作動油量を減少させることができる。このとき、前記マップに基づいて検索したポンプモータ12の目標回転数Nmは前記最大回転数NmMAX よりも小さな値であり、予め設定した時間T1 の経過時にリザーバ8内の作動油が完全に排出される値に設定されている。
【0026】
最初の増圧モードが終わり、ステップS3,S4で2番目の減圧モードに移行すると、ステップS11でブレーキシリンダ3,3;5,5の減圧量を算出し、ステップS12で前記算出した減圧量に基づいてマップ検索したポンプモータ12の目標回転数Nm′が前記ステップS8で検索した目標回転数Nmを上回ると、その都度目標回転数Nm′で大きな値に更新して行く。そして2番目の増圧モードに移行したとき、前述した最初の増圧モードの場合と同様に、予め設定した時間T1 の経過時にリザーバ8内の作動油が完全に排出されるように、2番目の増圧モードの期間はブレーキシリンダ3,3;5,5の減圧量に基づいて検索した目標回転数Nmでポンプモータ12を駆動する。
【0027】
やがて、ステップS1でアンチロックブレーキ制御が終了したとき、ステップS15で前記タイマーTPOF は初期値にセットされているので、ステップS16でタイマーTPOF をデクリメントする。そして所定時間が経過してステップS15でタイマーTPOF がタイムアップすると、ステップS17で目標回転数Nmを0に設定することによりポンプモータ12を停止する。このように、アンチロックブレーキ制御の終了後に所定時間だけ強制的にオイルポンプ9を駆動することにより、次回の減圧モードに備えてリザーバ8の内部を確実に空にしておくことができる。
【0028】
以上説明したように、ブレーキシリンダ3,3;5,5からリザーバ8に排出された作動油量に応じてオイルポンプ9を駆動するポンプモータ12のモータ回転数Nmを制御しているので、オイルポンプ9に必要且つ充分な仕事を行わせて無駄なエネルギーの消費を回避するとともに、騒音や振動の発生を最小限に抑えることができる。しかもアンチロックブレーキ制御の増圧モードにおいて、常に一定の時間T1 のうちにリザーバ8内の作動油をマスタシリンダ2に圧送することができるので、アンチロックブレーキ制御の応答性を向上させて路面摩擦係数μの急変に確実に対応することができる。
【0029】
次に、本発明の第2実施例を説明する。第1実施例ではモータ回転数Nmを直接検出することによりモータ回転数Nmをフィードバック制御しているが、第2実施例ではモータ回転数Nmを検出することなく、マスタシリンダ油圧Pmとモータ供給電力Wとの関係に基づいてモータ回転数Nmを制御している。
【0030】
図5に示すように、ポンプモータ12への供給電力Wをデューティ制御する場合、モータ電流IはモータトルクTに正比例し、またモータ回転数NmはモータトルクTの増加に応じて減少する。従って、モータトルクTとモータ回転数Nmとが決まれば供給電力Wを決定することができ、前記モータトルクTはマスタシリンダ油圧Pmと正比例関係にあることから、結局マスタシリンダ油圧Pmと必要なモータ回転数Nmとが決まれば供給電力Wを決定することができる。例えば、図5において、そのときのマスタシリンダ油圧がPm2 であり、必要なモータ回転数がNm2 であれば、供給電力はW2 になる。つまり、マスタシリンダ油圧Pm及びモータ回転数がNmをパラメータとするマップを用意しておけば、そのマップに基づいて供給電力Wを決定することができる。
【0031】
これを図6のフローチャートに基づいて説明すると、先ずステップS21において、油圧センサ17で検出したマスタシリンダ油圧Pmと、電圧センサ16で検出したモータ電圧Vmとを電子制御ユニットUに読み込み、続くステップS22においてポンプモータ12の目標回転数Nmとマスタシリンダ油圧Pmとに基づいて、モータ供給電力Wをマップ検索により決定する。そしてステップS23でモータ供給電力W及びモータ電圧Vmに基づいてポンプモータ12を駆動するデューティ比を決定することにより、モータ回転数Nmを制御する。
【0032】
ところで、ポンプモータ12の供給電力Wとデューティ比との関係は、モータ電圧Vmが一定であれば1対1に対応しているが、モータ電圧Vmが変化すれば対応関係も変化する。しかしながら、前記ステップS23でモータ電圧Vmを考慮してデューティ比を決定することにより、モータ回転数Nmを所望の値に正確に制御することができる。
【0033】
次に、本発明の第3実施例を説明する。第2実施例では油圧センサ17でマスタシリンダ油圧Pmを検出しているが、第3実施例ではマスタシリンダ油圧Pmを検出することなく、それを推定している。
【0034】
図7に示すように、第3実施例の常閉型電磁弁Vcは開度を任意に制御できるもので、マスタシリンダ2に連なる入力ポート21と、ブレーキシリンダ3,3;5,5に連なる出力ポート22とを形成したハウジング23を備える。入力ポート21に形成したバルブシート24に当接可能に対向するバルブボディ25は、弁軸26を介してハウジング23に内部に摺動自在に嵌合するコア27に連結される。バルブボディ25は、ハウジング23とコア27との間に縮設した弱いスプリング29でバルブシート24から離反する方向に付勢される。
【0035】
バルブボディ25をバルブシート24に着座する方向に付勢すべく、コア27を駆動するためのリニアソレノイド28がハウジング23に設けられる。リニアソレノイド28は電子制御ユニットUに接続されてデューティ制御され、コア27つまりバルブボディ25をバルブシート24に向けて任意の大きさの推力で付勢することができる。入力ポート21と出力ポート22との間には一方向弁30が介装される。
【0036】
アンチロックブレーキ制御が行われないとき、リニアソレノイド28は非励磁状態にあってバルブボディ25はバルブシート24から離間しており、マスタシリンダ油圧Pmは減圧されることなくブレーキシリンダ3,3;5,5に伝達される。アンチロックブレーキ制御の減圧モードでは、リニアソレノイド28が最大電流で励磁されてバルブボディ25がバルブシート24に着座し、マスタシリンダ油圧Pmは遮断されてブレーキシリンダ3,3;5,5に伝達されることはない。
【0037】
減圧モードに続く増圧モードでは、リニアソレノイド28の電流値が次第に減少し、それに伴って5がバルブボディ25がバルブシート24から次第に離反するため、ブレーキシリンダ油圧Pbがマスタシリンダ油圧Pmに向けて増加する。このとき、マスタシリンダ油圧Pmとブレーキシリンダ油圧Pbとの差圧ΔPは、バルブボディ25をバルブシート24に向けて押し付ける付勢力に応じて、換言するとリニアソレノイド28の電流値に応じて決定される。即ち、リニアソレノイド28の電流値に基づいて、マスタシリンダ油圧Pmとブレーキシリンダ油圧Pbとの差圧ΔPを知ることができる。
【0038】
また、制動時における車輪速の変化に基づいて路面摩擦係数μを推定する方法は種々提案されている。例えば、アンチロックブレーキ制御の減圧モードにおいて、車輪速度がブレーキシ リンダ油圧Pbの減圧により回復するまでの時間を測定すれば、その時間に応じて路面摩擦係数μを推定することができる。なぜならば、路面摩擦係数μが大きければ車輪が路面から大きな駆動力を受けるために車輪速度が速やかに回復し、路面摩擦係数μが小さければ車輪が路面から小さな駆動力しか受けないために車輪速度の回復が遅れるからである。
【0039】
このようにして路面摩擦係数μが推定されると、その車両のアンチロックブレーキ装置の仕様に基づいて、前記推定した路面摩擦係数μにおける車輪のロック油圧を知ることができる。そしてアンチロックブレーキ制御中におけるブレーキシリンダ油圧Pbは、前記ロック油圧に略一致するものとして推定することができる。
【0040】
而して、マスタシリンダ油圧Pmとブレーキシリンダ油圧Pbとの差圧ΔP(=Pm−Pb)を知り、且つブレーキシリンダ油圧Pbを知ることができるので、差圧ΔPにブレーキシリンダ油圧Pbを加算することによりマスタシリンダ油圧Pmを求めることができる。これにより、マスタシリンダ油圧Pmを検出する油圧センサ17を廃止することができる。
【0041】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
【0042】
例えば、ブレーキシリンダ3,5の減圧量をリザーバ8のピストン82 のストロークStに基づいて検出する代わりに、減圧モードの継続時間、即ち常閉型電磁弁Vcの開弁時間に基づいて推定することができる。なぜならば、ブレーキシリンダ3,5からリザーバ8への作動油の単位時間当たりの流量が略一定であるため、その流量に常閉型電磁弁Vcの開弁時間を乗算した値がブレーキシリンダ3,5の減圧量に相当するからである。
【0043】
【発明の効果】
以上のように発明によれば、ブレーキシリンダからリザーバに排出された作動油量を検出又は推定し、この作動油量に応じてポンプモータの回転数を制御するので、オイルポンプに必要且つ充分な仕事を行わせて無駄なネルギー消費を回避し、併せて振動や騒音の発生を効果的に防止することができる。
【0044】
たマスタシリンダ油圧を推定し、この推定したマスタシリンダ油圧に応じてポンプモータへの供給電力を制御するので、モータ回転数を検出することなく該モータ回転数を制御することができる。しかもマスタシリンダ油圧及びブレーキシリンダ油圧の差圧と車輪のロック油圧とに基づいて、マスタシリンダ油圧の前記推定を行うので、油圧センサを廃止して部品点数を削減することができる。
【0045】
また特に請求項2の発明によれば、車輪のロック油圧を路面摩擦係数に基づいて推定するので、前記ロック油圧を容易且つ確実に推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 アンチロックブレーキ装置の油圧回路図
【図2】 モータ回転数設定ルーチンのフローチャート
【図3】 作用を説明するタイムチャート
【図4】 ブレーキシリンダ減圧量からモータ回転数を検索するマップ
【図5】 マスタシリンダ油圧とモータ回転数との関係を示すグラフ
【図6】 モータ供給電力算出ルーチンのフローチャート
【図7】 常開型電磁弁の縦断面図
【符号の説明】
2 マスタシリンダ
3 ブレーキシリンダ
8 リザーバ
9 オイルポンプ
12 ポンプモータ
Nm モータ回転数(回転数)
Pm マスタシリンダ油圧
Pb ブレーキシリンダ油圧
1 時間
W 供給電力
Wf 前輪(車輪)
ΔP 差圧
μ 路面摩擦係数

Claims (2)

  1. 車輪(Wf)を制動するブレーキシリンダ(3)の制動力を減少させるべく該ブレーキシリンダ(3)からリザーバ(8)に排出した作動油を、ポンプモータ(12)で駆動されるオイルポンプ(9)でマスタシリンダ(2)に還流させるアンチロックブレーキ装置において、
    ブレーキシリンダ(3)からリザーバ(8)に排出された作動油量を検出又は推定し、この作動油量に応じてポンプモータ(12)の回転数(Nm)を制御し、
    またマスタシリンダ油圧(Pm)及びブレーキシリンダ油圧(Pb)の差圧(ΔP)と車輪(Wf)のロック油圧とに基づいてマスタシリンダ油圧(Pm)を推定して、この推定したマスタシリンダ油圧(Pm)に応じてポンプモータ(12)への供給電力(W)を制御することを特徴とするアンチロックブレーキ装置
  2. 車輪(Wf)のロック油圧を路面摩擦係数(μ)に基づいて推定することを特徴とする、請求項記載のアンチロックブレーキ装置。
JP08128796A 1996-04-03 1996-04-03 アンチロックブレーキ装置 Expired - Fee Related JP3828609B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP08128796A JP3828609B2 (ja) 1996-04-03 1996-04-03 アンチロックブレーキ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP08128796A JP3828609B2 (ja) 1996-04-03 1996-04-03 アンチロックブレーキ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09267736A JPH09267736A (ja) 1997-10-14
JP3828609B2 true JP3828609B2 (ja) 2006-10-04

Family

ID=13742170

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP08128796A Expired - Fee Related JP3828609B2 (ja) 1996-04-03 1996-04-03 アンチロックブレーキ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3828609B2 (ja)

Families Citing this family (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10232363B4 (de) * 2002-02-27 2014-01-09 Robert Bosch Gmbh Verfahren und Vorrichtung zur Ermittlung einer die an einem Ventil eines Bremskreises abfallende hydraulische Druckdifferenz repräsentierenden Größe
KR100987073B1 (ko) * 2005-06-23 2010-10-11 주식회사 만도 모터의 회전 속도를 제어하기 위한 차량용 미끄럼방지제동장치
JP4635896B2 (ja) * 2006-02-15 2011-02-23 株式会社アドヴィックス 車両用ブレーキ制御装置
US8235471B2 (en) 2006-06-28 2012-08-07 Advics Co., Ltd. Apparatus for controlling pump driving motor
JP4849224B2 (ja) * 2006-06-28 2012-01-11 株式会社アドヴィックス ポンプ駆動用モータの制御装置
US7931345B2 (en) * 2006-07-11 2011-04-26 Continental Teves Ag & Co. Ohg Motor vehicle brake system having a low pressure accumulator
JP4853148B2 (ja) * 2006-07-12 2012-01-11 株式会社アドヴィックス アンチスキッド制御装置
JP4915178B2 (ja) * 2006-09-01 2012-04-11 株式会社アドヴィックス アンチスキッド制御用モータの制御装置
JP4894693B2 (ja) * 2007-09-25 2012-03-14 株式会社アドヴィックス 車両の制動制御装置、及び車両の制動制御方法
JP5021591B2 (ja) * 2007-09-26 2012-09-12 株式会社アドヴィックス 自動二輪車のブレーキ液圧制御装置および車両のブレーキ液圧制御装置
US8132866B2 (en) 2007-09-26 2012-03-13 Advics Co., Ltd. Brake hydraulic pressure control apparatus for motorcycle and brake hydraulic pressure control apparatus for vehicle
JP5680325B2 (ja) * 2010-03-30 2015-03-04 富士重工業株式会社 車両の路外逸脱防止制御装置
JP5998649B2 (ja) * 2012-05-31 2016-09-28 株式会社アドヴィックス 制動制御装置
JP5988171B2 (ja) * 2013-11-29 2016-09-07 アイシン精機株式会社 車両挙動制御装置および車両挙動制御システム
JP6511312B2 (ja) * 2015-03-25 2019-05-15 ヴィオニア日信ブレーキシステムジャパン株式会社 車両用ブレーキ液圧制御装置
JP6511318B2 (ja) * 2015-03-31 2019-05-15 ヴィオニア日信ブレーキシステムジャパン株式会社 車両用ブレーキ液圧制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH09267736A (ja) 1997-10-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3828609B2 (ja) アンチロックブレーキ装置
JP4595941B2 (ja) 車輌の制動力制御装置
JPH06300013A (ja) 流体圧システムおよび車両用流体圧ブレーキシステムにおける故障検出方法
JPH09240451A (ja) 車両のブレーキ制御装置
JPH10152041A (ja) ブレーキ装置
JP3878771B2 (ja) ブレーキ装置
EP1083102A1 (en) Vehicle anti-lock brake control system
JP4043936B2 (ja) 車両用アンチロック制御装置
JP4083563B2 (ja) 車両用アンチロック制御装置
JP3633191B2 (ja) ブレーキ装置
JPH11227585A (ja) ブレーキ装置
US6925801B2 (en) Brake hydraulic pressure controller for a vehicle
JP3249564B2 (ja) アンチスキッドブレーキ制御装置におけるポンプモータの供給電圧制御装置およびポンプモータの供給電圧制御方法
JPH10329678A (ja) ブレーキ装置
JPH1076929A (ja) アンチスキッド制御装置
JP6473647B2 (ja) 車両用ブレーキ液圧制御装置
JP3144272B2 (ja) ブレーキ制御装置
JP2616191B2 (ja) 還流式アンチロック型ブレーキシステム
JP2004168078A (ja) 制動力制御装置
JP2900542B2 (ja) 車両用ブレーキ圧力制御装置
JPH10329676A (ja) ブレーキ装置
JP3887307B2 (ja) 電動モータ駆動装置
JP2000255401A (ja) ブレーキシステム
JPH1081223A (ja) ブレーキ制御装置
JP2010047145A (ja) ブレーキ操作装置および液圧ブレーキシステム

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20051209

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060111

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060306

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060621

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060707

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100714

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100714

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110714

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110714

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120714

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120714

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130714

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees