JP2002347601A - ブレーキ装置 - Google Patents

ブレーキ装置

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JP2002347601A
JP2002347601A JP2001378583A JP2001378583A JP2002347601A JP 2002347601 A JP2002347601 A JP 2002347601A JP 2001378583 A JP2001378583 A JP 2001378583A JP 2001378583 A JP2001378583 A JP 2001378583A JP 2002347601 A JP2002347601 A JP 2002347601A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ブレーキシリンダをマスタ遮断弁によりマスタ
シリンダから遮断した状態で、加圧装置の作動によりブ
レーキが作動させられるブレーキ装置において、マスタ
遮断弁よりマスタシリンダ側の液圧に基づいて異常を検
出する。 【解決手段】マスタ遮断弁34の遮断状態において、加
圧装置96を設定時間の間作動させ、その後、加圧装置
96の作動を停止し、マスタ遮断弁34を連通状態に切
り換える。マスタ遮断弁34の加圧装置側からマスタシ
リンダ側に作動液が流出させられるため、マスタ圧セン
サ62による検出液圧は増加するはずである。それに対
して、マスタ圧センサ62による検出液圧の増加量が設
定量以下の場合には、加圧装置96とマスタ遮断弁34
との少なくとも一方が異常であるとされる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は加圧装置を備えたブ
レーキ装置に関するものであり、特に、加圧装置の異常
の検出に関するものである。
【0002】
【従来の技術】特開平11−59389号公報には、
(a)ブレーキ操作部材の操作に基づいて液圧が発生させ
られるマスタシリンダと、(b)液圧によりブレーキを作
動させるブレーキシリンダと、(c)これらブレーキシリ
ンダとマスタシリンダとの間に設けられ、これらを連通
させる状態と遮断する状態とをとり得るマスタ遮断弁
と、(d)前記ブレーキシリンダの液圧をそれぞれ検出す
るブレーキ液圧検出装置と、(e)動力により液圧を加圧
し、その加圧された作動液を前記マスタ遮断弁より前記
ブレーキシリンダ側に供給可能な加圧装置と、(f)前記
ブレーキ操作部材の操作状態であって、かつ、前記マス
タ遮断弁の連通状態におけるブレーキ液圧検出装置によ
る検出ブレーキ液圧と、前記ブレーキ操作部材の非操作
状態で、前記マスタ遮断弁の遮断状態であって、かつ、
前記加圧装置の作動状態におけるブレーキ液圧検出装置
による検出ブレーキ液圧とに基づいて前記加圧装置の異
常を検出する異常検出装置とを含むブレーキ装置が記載
されている。本ブレーキ装置においては、マスタ遮断弁
よりブレーキシリンダ側の液圧に基づいて異常が検出さ
れる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題、課題解決手段および効
果】本発明の課題は、ブレーキ装置の異常をマスタ遮断
弁よりマスタシリンダ側の液圧に基づいて検出可能とす
ることである。この課題は、ブレーキ装置を下記各態様
の構成のものとすることによって解決される。各態様
は、請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、
必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。
これは、あくまで、本明細書に記載の技術の理解を容易
にするためであり、本明細書に記載の技術的特徴および
それらの組み合わせが以下の各項に限定されると解釈さ
れるべきではない。また、1つの項に複数の事項が記載
されている場合、常に、すべての事項を一緒に採用しな
ければならないものではなく、一部の事項のみを取り出
して採用することも可能である。
【0004】以下の各項のうちの(1)項〜(6)項がそれぞ
れ請求項1〜6に対応し、(8)項が請求項7に対応し、
(12)項の(10)項に従属する部分が請求項8に対応し、(1
3)項が請求項9に対応する。
【0005】(1)ブレーキ操作部材の操作に基づいて液
圧が発生させられるマスタシリンダと、液圧によりブレ
ーキを作動させるブレーキシリンダと、これらブレーキ
シリンダとマスタシリンダとの間に設けられ、少なくと
もこれらを連通させる状態と遮断する状態とをとり得る
マスタ遮断弁と、そのマスタ遮断弁より前記マスタシリ
ンダ側の液圧を検出する液圧検出装置と、動力により作
動液を加圧し、その加圧された作動液を前記マスタ遮断
弁より前記ブレーキシリンダ側に供給可能な加圧装置
と、前記ブレーキ操作部材が非操作状態にあって、か
つ、前記マスタ遮断弁の遮断状態と連通状態との少なく
とも一方の状態において前記加圧装置が作動させられる
場合において、前記マスタ遮断弁の遮断状態と連通状態
との間の切換えに伴う前記液圧検出装置による検出液圧
の変化状態に基づいて前記加圧装置と前記マスタ遮断弁
との少なくとも一方の異常を検出する異常検出装置とを
含むことを特徴とするブレーキ装置。
【0006】本項に記載のブレーキ装置においては、マ
スタ遮断弁の遮断状態と連通状態との間の切り換えに伴
う液圧検出装置による検出液圧の変化状態に基づいて加
圧装置とマスタ遮断弁との少なくとも一方の異常が検出
される。加圧装置は、マスタ遮断弁の遮断状態と連通状
態との少なくとも一方において作動させられる。例え
ば、マスタ遮断弁の切り換え前後のうちの、少なくと
も、切換え以前の状態において作動させることが望まし
い。マスタシリンダは、運転者によるブレーキ操作部材
の操作によって加圧ピストンが前進させられて、液圧が
発生させられるものであっても、運転者による操作とは
関係なく、運転者によるブレーキ操作部材の操作状態が
操作状態検出装置によって検出されて、その検出された
操作状態に対応した大きさの液圧が発生させられるもの
であってもよい。いずれにしても、ブレーキ操作部材が
操作されていない状態においては、マスタシリンダに液
圧が発生させられることはないのであり、マスタ遮断弁
の加圧装置側よりマスタシリンダ側の方が液圧が低くな
る。マスタシリンダは低圧源として機能する。マスタ遮
断弁は、少なくとも連通状態と遮断状態とをとり得るも
のであればよく、連通状態において、前後の差圧を供給
電流に応じた大きさに連続的に制御可能なリニア液圧制
御弁としたり、供給電流のON・OFFにより連通状態
と遮断状態とに切り換え可能な電磁開閉弁としたりする
ことができる。
【0007】例えば、加圧装置の作動状態においてマス
タ遮断弁を遮断状態から連通状態に切り換えた場合に
は、液圧検出装置による検出液圧が増加するはずであ
る。それに対して、検出液圧が設定量以上増加しない場
合には加圧装置の加圧機能の低下異常とマスタ遮断弁の
遮断機能の低下異常(例えば、開故障)との少なくとも
一方であるとすることができる。加圧装置の加圧機能の
低下異常、マスタ遮断弁の遮断機能の低下異常等が生じ
ると、加圧装置により、ブレーキシリンダの液圧をマス
タシリンダの液圧より高くすることができなくなり、例
えば、ブレーキ操作部材が非操作状態にある場合に、ブ
レーキシリンダに液圧を発生させることができなくな
る。したがって、本項に記載のブレーキ装置において検
出される異常は、ブレーキ液圧制御不能異常、ブレーキ
液圧加圧不能異常であると考えることができる。なお、
液圧検出装置によれば、マスタシリンダの液圧を検出す
ることができるため、マスタ圧検出装置と称することが
できる。
【0008】また、加圧装置の作動状態においてマスタ
遮断弁を連通状態から遮断状態に切り換えた場合には、
液圧検出装置による検出液圧は低下するはずである。そ
れに対して低下しない場合には、マスタ遮断弁の開故障
であるとすることができる。この場合には、加圧装置は
マスタ遮断弁の連通状態においても遮断状態においても
作動状態にされるようにすることが望ましい。この場合
においても、マスタ遮断弁の連通状態において加圧装置
が作動状態にある場合に、液圧検出装置による検出液圧
が設定圧より低い場合には、加圧装置の加圧機能の低下
異常であるとすることができる。
【0009】(2)前記加圧装置の作動液供給部と前記ブ
レーキシリンダとの間に設けられ、これらを連通させる
状態と遮断する状態とに切り換え可能なブレーキ遮断弁
を含み、前記異常検出装置が、前記ブレーキ遮断弁の遮
断状態において、前記異常を検出するブレーキ遮断時異
常検出部を含む(1)項に記載のブレーキ装置。ブレーキ
遮断弁が遮断状態にされれば、加圧装置からブレーキシ
リンダへの作動液の流入を阻止することができ、異常検
出時にブレーキが作動させられることを阻止することが
できる。換言すれば、本項に記載のブレーキ装置におい
ては、ブレーキを作動させる必要がない場合であって
も、異常を検出することができるのであり、ブレーキ遮
断弁の遮断状態において加圧装置を作動させれば、ブレ
ーキシリンダに作動液が供給されることを回避すること
ができる。例えば、マスタ遮断弁とブレーキ遮断弁との
両方が閉状態とされれば、作動液供給部を含む閉回路が
形成される。したがって、マスタ遮断弁のブレーキシリ
ンダ側の液圧を加圧装置によって高くする場合には、ブ
レーキ遮断弁が開状態にある場合に比較して、閉回路が
形成された場合の方が、液圧を同じ高さまで増加させる
場合に、加圧装置の作動時間を短くすることができる。
異常検出に要する時間を短くすることができ、消費エネ
ルギの低減を図ることができる。ブレーキ遮断弁は、異
常検出専用に設けられたものとすることもできるが、ブ
レーキシリンダの液圧を制御可能な液圧制御弁としての
機能を備えたものとすることができる。換言すれば、ブ
レーキシリンダの液圧を別個に制御可能な個別液圧制御
装置の一構成要素である制御弁を異常検出の際に利用す
ることができるのである。
【0010】(3)前記液圧検出装置より前記マスタシリ
ンダ側に絞りが設けられた(1)項または(2)項に記載のブ
レーキ装置。マスタ遮断弁の連通状態において、液圧検
出装置側からマスタシリンダ側への作動液の流れが絞り
により抑制される。そのため、マスタ遮断弁の加圧装置
側からマスタシリンダ側に流出した作動液による液圧上
昇が十分な大きさとなり、液圧検出装置による検出液圧
に基づく加圧装置やマスタ遮断弁の異常検出の信頼性が
高くなる。絞りは、オリフィス,ノズル等固定絞りとす
ることができるが、可変絞りとすることもできる。例え
ば、供給電流に応じた開度で作動液の流れを抑制する流
量制御弁とすることができる。絞りを流量制御弁とした
場合には、後述する逆止弁が不要になる。作動液の流れ
を抑制する必要がある場合に開度を小さくし、流れを抑
制する必要がない場合に開度を最大にすればよい。絞り
は、液圧検出装置よりマスタシリンダ側に設ければよ
く、マスタ遮断弁とマスタシリンダとの間であっても、
マスタシリンダとマスタリザーバとの間であってもよ
い。
【0011】(4)前記絞りと並列に、前記マスタシリン
ダから前記液圧検出装置に向かう向きの作動液の流れを
許容し、逆向きの流れを阻止する逆止弁が設けられた
(3)項に記載のブレーキ装置。本項に記載のブレーキ装
置においては、絞りと並列に逆止弁が設けられる。逆止
弁は、マスタシリンダから液圧検出装置に向かう方向、
すなわち、マスタシリンダからブレーキシリンダに向か
う方向の流れを許容するものである。絞りおよび逆止弁
がマスタシリンダとマスタ遮断弁との間に設けられれ
ば、マスタシリンダからブレーキシリンダに向かう方向
の作動液の流れが抑制されることがないため、ブレーキ
操作部材が操作状態にされた場合にブレーキの効き遅れ
が生じることを回避することができる。また、絞りおよ
び逆止弁がマスタシリンダとマスタリザーバとの間に設
けられている場合には、マスタリザーバからマスタシリ
ンダに向かう方向の流れが許容される。加圧ピストンの
前進速度が大きくても、マスタシリンダの加圧室が負圧
になることが回避される。 (5)前記液圧検出装置より前記マスタシリンダ側に供給
電流の制御により開状態と閉状態とに切り換え可能な電
磁開閉弁が設けられた(1)項または(2)項に記載のブレー
キ装置。電磁開閉弁は、例えば、異常検出時に閉状態と
され、ブレーキ作動時に開状態とされるようにすること
ができる。異常検出時には、液圧検出装置側からマスタ
シリンダ側へ向かう方向の作動液の流れが阻止されるた
め、液圧検出装置による検出液圧に基づく加圧装置やマ
スタ遮断弁の異常検出の信頼性が高くなる。ブレーキ作
動時には、マスタシリンダ側からブレーキシリンダ側に
向かう方向と、ブレーキシリンダ側からマスタシリンダ
側に向かう方向との双方向の作動液の流れが許容される
ため、ブレーキの作動開始時、作動解除時に遅れが生じ
ることを回避することができる。特に、ブレーキ作動解
除時に、ブレーキシリンダ側の作動液をマスタシリンダ
側に速やかに戻すことができる。電磁開閉弁は、前述の
ように、マスタ遮断弁とマスタシリンダとの間に設けて
も、マスタシリンダとマスタリザーバとの間に設けても
よい。なお、本項に記載の電磁開閉弁がマスタシリンダ
より下流側に設けられた場合には、前述のマスタ遮断弁
を第1マスタ遮断弁と称し、本項に記載の電磁開閉弁を
第2マスタ遮断弁と称することができる。この場合に
は、第1マスタ遮断弁と第2マスタ遮断弁とが、第1マ
スタ遮断弁が第2マスタ遮断弁より下流側に位置する状
態で直列に設けられる。
【0012】(6)前記異常検出装置が、前記加圧装置の
作動状態において、前記マスタ遮断弁の連通状態から遮
断状態への切換えに伴う前記液圧検出装置による検出液
圧の低下状態に基づいて前記異常を検出するマスタ遮断
時異常検出部を含む(1)項ないし(5)項のいずれか1つに
記載のブレーキ装置。例えば、マスタ遮断弁の連通状態
において加圧装置を予め定められた設定時間の間作動さ
せ、その後、マスタ遮断弁を遮断状態に切り換える。液
圧検出装置による検出液圧は低下するが、低下後の液圧
が設定値以上の場合、低下勾配が設定勾配以下の場合等
には、マスタ遮断弁の開故障であるとすることができ
る。加圧装置は、マスタ遮断弁が連通状態にある間も遮
断状態にある間も作動状態にされるようにすることがで
きる。この場合において、マスタ遮断弁が遮断状態にあ
り、かつ、前述のブレーキ遮断状態にある場合には、作
動液供給部を含む閉回路の液圧が過大になるおそれがあ
る。そこで、加圧装置の作動液供給部とマスタシリンダ
との間に、マスタ遮断弁および液圧検出装置と並列に、
リリーフ弁を設けることが望ましい。リリーフ弁によれ
ば、加圧装置を長時間作動させても、閉回路の液圧が過
大になることを回避することができる。
【0013】(7)前記異常検出装置が、前記マスタ遮断
弁の連通状態において前記加圧装置が作動させられる状
態において、前記液圧検出装置による検出液圧が設定圧
以下である場合には、前記加圧装置が異常であるとする
(6)項に記載のブレーキ装置。マスタ遮断弁の連通状態
において加圧装置が作動状態にあれば、液圧検出装置に
よる検出液圧は設定圧以上になるはずである。この場合
には、マスタ遮断弁を経て加圧装置側からマスタシリン
ダ側へ作動液が流出する状態にあるため、設定圧は比較
的低い値である。本項に記載のブレーキ装置の特徴は、
独立して採用可能である。例えば、マスタ遮断弁を遮断
状態と連通状態とに切り換えなくても、マスタ遮断弁の
連通状態における液圧検出装置による検出液圧に基づい
て異常を検出することができる。
【0014】(8)前記異常検出装置が、前記マスタ遮断
弁の遮断状態において前記加圧装置が作動させられる場
合において、前記マスタ遮断弁の遮断状態から連通状態
への切換えに伴う前記液圧検出装置による検出液圧の増
加状態に基づいて前記異常を検出するマスタ連通時異常
検出部を含む(1)項ないし(7)項のいずれか1つに記載の
ブレーキ装置。例えば、マスタ遮断弁の遮断状態におい
て加圧装置を予め定められた設定時間の間作動させ、そ
の後、連通状態に切り換える。液圧検出装置による検出
液圧は増加するはずであるが、液圧検出装置による検出
液圧の増加勾配が設定勾配以下の場合、検出液圧の増加
量が設定量以下の場合、検出液圧が設定液圧以下の場合
等には、加圧装置が異常であるとすることができる。加
圧装置は、少なくともマスタ遮断弁の遮断状態において
作動状態にすればよく、連通状態においては作動状態に
あっても非作動状態にあってもよい。 (9)前記異常検出装置が、前記マスタ遮断弁が遮断状態
にあり、かつ、前記加圧装置が作動させられる状態にお
いて、前記液圧検出装置による検出液圧が設定圧以上で
ある場合には、前記マスタ遮断弁の遮断機能の低下異常
であるとする(8)項に記載のブレーキ装置。本項に記載
のブレーキ装置の特徴は、独立して採用可能である。例
えば、マスタ遮断弁を遮断状態と連通状態とに切り換え
なくても、遮断状態における液圧検出装置による検出液
圧に基づけば異常を検出することができる。
【0015】(10)前記マスタ遮断弁よりブレーキシリ
ンダ側に設けられ、(a)作動液を加圧状態で収容可能な
収容器と、(b)前記加圧装置と前記収容器との間の作動
液の流通を許容する状態と流通を阻止する状態とに切り
換え可能な切換弁とを含む作動液収容装置を含む(1)項
ないし(9)項のいずれか1つに記載のブレーキ装置。作
動液収容装置は、ブレーキ遮断弁とマスタ遮断弁との間
に設けることが望ましい。作動液供給部を含む閉回路内
に設けるのが望ましいのであり、閉回路内に蓄えられる
作動液量を多くすることができる。ブレーキ遮断弁の開
状態においては、ブレーキシリンダを収容器とすること
ができるのであり、収容器としてのブレーキシリンダと
切換弁としてのブレーキ遮断弁とによって作動液収容装
置が構成されると考えることができる。 (11)前記切換弁を、異常検出時に流通許容状態とし、
ブレーキ作動時に流通阻止状態とする切換弁制御装置を
設けた(10)項に記載のブレーキ装置。ブレーキ作動時に
収容器への流入が阻止されるようにすれば、作動液が無
駄に消費されることを回避し、ブレーキを速やかに作動
させることができる。 (12)前記異常検出装置が、前記切換弁の流通許容状態
における前記マスタ遮断弁の遮断状態から連通状態への
切り換えに伴う前記液圧検出装置による検出液圧の増加
状態に基づいて異常を検出する(10)項または(11)項に記
載のブレーキ装置。マスタ遮断弁の遮断状態において加
圧装置が作動させられる場合に、加圧装置から出力され
た作動液が収容器に供給されるようにすれば、マスタ遮
断弁を遮断状態から連通状態に切り換えた場合に、マス
タ遮断弁より加圧装置側の液通路の作動液と収容器の作
動液との両方がマスタシリンダ側に流出させられる。そ
のため、マスタシリンダ側に多量の作動液を流すことが
でき、収容器が設けられていない場合に比較して、液圧
検出装置による検出液圧の変化を大きくすることができ
る。収容器を、異常の検出に利用されるものとすれば、
作動液を収容する容積を大きくする必要はない。
【0016】(13)前記マスタ遮断弁が遮断状態から連
通状態に切り換えられた場合における前記液圧検出装置
による検出液圧の増加状態に基づいて前記加圧装置の加
圧特性を取得する加圧特性取得装置を含む(1)項ないし
(12)項のいずれか1つに記載のブレーキ装置。加圧装置
の作動状態において、マスタ遮断弁が遮断状態から連通
状態に切り換えられると、液圧検出装置による検出液圧
は加圧装置の加圧特性に応じて増加する。この液圧検出
装置による検出液圧の増加状態に基づけば加圧装置の加
圧特性を取得することができる。このように、異常検出
時に加圧特性を取得することができるのである。加圧装
置の加圧特性が、異常検出とともに取得されるようにす
れば、加圧特性取得のために加圧装置を作動させたり、
マスタ遮断弁を開閉させたりする必要がなくなり、消費
エネルギの低減を図ることができる。 (14)前記マスタ遮断弁が、前後の差圧を供給電流に応
じた大きさに制御可能な液圧制御弁であり、前記液圧制
御弁への供給電流の変化状態と、前記液圧検出装置によ
る検出液圧の増加状態とに基づいて前記液圧制御弁の制
御特性を取得する制御特性取得装置を含む(1)項ないし
(13)項のいずれか1つに記載のブレーキ装置。マスタ遮
断弁が遮断状態から連通状態に切り換えられる場合の供
給電流の変化状態と、液圧検出装置による検出液圧の変
化状態とに基づけば、液圧制御弁の制御特性を取得する
ことができる。それ以降、これらに基づいてブレーキシ
リンダの液圧を制御することができる。なお、マスタ遮
断弁は加圧装置の一構成要素と考えることもできる。こ
の場合には、加圧装置に、液圧発生装置と液圧制御弁と
してのマスタ遮断弁とが含まれると考えることができ
る。
【0017】(15)前記加圧装置とマスタ遮断弁との少
なくとも一方を制御することによって、前記ブレーキシ
リンダの液圧を制御するブレーキ液圧制御装置を含む
(1)項ないし(14)項のいずれか1つに記載のブレーキ装
置。加圧装置とマスタ遮断弁との少なくとも一方を制御
すれば、ブレーキシリンダの液圧を制御することができ
る。加圧装置が、ポンプとそのポンプを駆動するポンプ
モータとを含むポンプ装置を含む場合には、ポンプモー
タの制御によりポンプから吐出される作動液の液圧を制
御することができ、ポンプの吐出側に連通させられるブ
レーキシリンダの液圧を制御することができる。ポンプ
は、マスタシリンダやマスタリザーバの作動液を汲み上
げて加圧するものであっても、ブレーキシリンダの液圧
の減圧制御時にブレーキシリンダから流出させられた作
動液を蓄える減圧用リザーバの作動液を汲み上げて加圧
するものであってもよい。スリップ制御用の還流式ポン
プを利用することができるのである。
【0018】ポンプから吐出される作動液の液圧が制御
されない場合には、マスタ遮断弁の制御により、マスタ
遮断弁よりブレーキシリンダ側の液圧を制御することが
できる。マスタ遮断弁は、前述のように、供給電流のO
N・OFFにより開閉させられる電磁開閉弁であって
も、前後の差圧を供給電流に応じた大きさに制御可能な
液圧制御弁であってもよい。いずれにしても、加圧装置
から出力される作動液の液圧を利用してブレーキシリン
ダ液圧を制御する場合は、マスタシリンダに液圧が発生
させられていない状態、あるいは、マスタシリンダの液
圧より高い状態であるため、マスタ遮断弁は減圧制御弁
として機能することになる。加圧装置は、ポンプ装置を
含むものとすることは不可欠ではなく、液圧制御シリン
ダを含むものとすることができる。制御ピストンの前方
の加圧室の液圧がブレーキシリンダに供給されるように
するのであり、動力の制御によって制御ピストンに加え
られる駆動力が制御され、それによって、加圧室の液圧
を制御することができる。
【0019】(16)動力の供給により作動液を加圧する
液圧発生装置と、その液圧発生装置から出力された作動
液の低圧側への流れを許容する状態と阻止する状態とを
とり得る遮断弁とを含む動力式液圧源と、その遮断弁よ
り低圧側の液圧を検出する液圧検出装置と、前記遮断弁
の遮断状態と連通状態との少なくとも一方の状態におい
て前記液圧発生装置が作動させられる場合において、前
記遮断弁の遮断状態と連通状態との間の切り換えに伴う
前記液圧検出装置による検出液圧の変化状態に基づいて
前記動力式液圧源の異常を検出する異常検出装置とを含
むことを特徴とする液圧源装置。本項に記載の液圧源装
置においては、遮断弁の遮断状態と連通状態との間の切
り換えに伴う液圧検出装置による検出液圧の変化状態に
基づいて動力式液圧源の異常が検出される。液圧発生装
置や遮断弁の異常が検出されるのである。液圧発生装置
は、液圧を発生させる機能を備えたものであればよい
が、それに加えて、自らの出力液圧を制御する機能を備
えたものとすることができる。液圧発生装置の出力液圧
の制御は遮断弁の制御によっても可能である。また、遮
断弁より低圧側には、リザーバが直接接続されていて
も、前述のようにマスタシリンダが接続されていてもよ
い。本項に記載の液圧源装置は、(1)項ないし(15)項の
いずれかに記載の技術的特徴を採用することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態である
ブレーキ装置としての液圧ブレーキ装置について説明す
る。図1において、10がマスタシリンダであり、12
がブレーキ操作部材としてのブレーキペダルであり、1
4がブースタである。マスタシリンダ10は2つの加圧
ピストンを含むタンデム式のものであり、加圧ピストン
のそれぞれの前方の加圧室には、液通路16,18によ
ってそれぞれ前輪側、後輪側のブレーキシリンダ20,
22が接続されている。ブレーキペダル12が踏み込ま
れると、ブースタ14が作動させられ、加圧ピストンが
前進させられる。加圧室には、ブレーキ操作力がブース
タ14によって倍力された大きさの液圧が発生させられ
る。ブレーキシリンダ20,22の液圧によりブレーキ
23,24が作動させられ、前輪26,後輪27の回転
が抑制される。本実施形態において、液圧ブレーキ装置
は前輪側のブレーキ系統と後輪側のブレーキ系統との2
系統式とされている。前輪側のブレーキ系統と後輪側の
ブレーキ系統とでは構造は同じであるため、以下、前輪
側のブレーキ系統について説明し、後輪側のブレーキ系
統についての説明は省略する。
【0021】液通路16は主液通路30と分岐通路32
とを含むものであり、主液通路30にはマスタ遮断弁3
4が設けられ、分岐通路32には、それぞれ保持弁36
が設けられる。保持弁36と並列にブレーキシリンダ側
からマスタシリンダ側への作動液の流れを許容し逆向き
の流れを阻止する逆止弁37が設けられている。逆止弁
37によりブレーキ23の作動解除時に、ブレーキシリ
ンダ20の作動液をマスタシリンダ10に早急に戻すこ
とができる。また、ブレーキシリンダ20と減圧用リザ
ーバ38とが減圧通路39によって接続され、減圧通路
39に減圧弁40が設けられる。保持弁36および減圧
弁40等によって個別液圧制御弁装置42が構成され
る。保持弁36,減圧弁40は、コイルへの供給電流の
ON・OFFにより開閉させられる電磁開閉弁であり、
保持弁36は、電流が供給されない場合に開状態にある
常開弁であり、減圧弁40は、電流が供給されない場合
に閉状態にある常閉弁である。
【0022】マスタ遮断弁34は、図2に示すように、
弁子50と弁座52とを含むシーティング弁54と、コ
イル56を含むソレノイドとを含む。コイル56に電流
が供給されない間は、弁子50が弁座52からスプリン
グ58の付勢力によって離間させられる開状態にある。
コイル56に電流が供給されると、弁子50を弁座52
に着座させる方向の電磁駆動力F1が作用する。また、
シーティング弁54には、弁子50を弁座52から離間
させる方向に前後の差圧に応じた差圧作用力F2、スプ
リング58の付勢力F3が作用し、これら電磁駆動力F
1,差圧作用力F2,スプリングの付勢力F3の関係
(F1:F2+F3)によって弁子50の弁座52に対
する相対位置が決まる。この場合において、前後の差圧
はマスタ遮断弁34のブレーキシリンダ側の液圧とマス
タシリンダ側の液圧との差に対応するが、個別液圧制御
弁装置42が図示する原位置にある状態においては、ブ
レーキシリンダ20の液圧とマスタシリンダ10の液圧
との差に対応すると考えることができる。スプリング5
8の付勢力F3はほぼ一定であると考えることができる
ため、コイル56への供給電流の制御により、前後の差
圧が制御されるのであり、マスタシリンダ10の液圧に
対するブレーキシリンダ20の液圧の増分を制御するこ
とができる。コイル56への供給電流に応じて発生させ
られる電磁駆動力F1が、差圧作用力F2,スプリング
の付勢力F3に対して大きい場合には、シーティング弁
54は閉状態にある。この状態において、ブレーキシリ
ンダ20がマスタシリンダ10から遮断されるため、こ
の電磁液圧制御弁をマスタ遮断弁と称することができ
る。
【0023】マスタ遮断弁34と並列にマスタシリンダ
側からブレーキシリンダ側への作動液の流れを許容し、
逆向きの流れを阻止する逆止弁59が設けられ、マスタ
遮断弁34が閉状態にあっても、マスタシリンダ10の
液圧がブレーキシリンダ20の液圧より高くなると、マ
スタシリンダ10からブレーキシリンダ20への作動液
の流れが許容される。
【0024】主液通路30のマスタ遮断弁34よりマス
タシリンダ側には、流通制限装置60とマスタ圧センサ
62とが直列に設けられる。流通制限装置60は、互い
に並列に設けられたオリフィス64および逆止弁66を
含む。逆止弁66は、マスタシリンダ側からブレーキシ
リンダ側への作動液の流れを許容し、逆向きの流れを阻
止するものである。マスタ圧センサ62は流通制限装置
60のマスタ遮断弁側に設けられる。マスタ圧センサ6
2は、マスタシリンダ10の加圧室の液圧を検出するこ
とができるため、マスタ圧センサと称することができ
る。また、オリフィス64により、マスタ遮断弁36を
閉状態から開状態に切り換えた場合にブレーキシリンダ
側からマスタシリンダ側に向かって流れる作動液による
液圧上昇を十分な大きさにすることができ、マスタ圧セ
ンサ62による検出液圧の変化量を大きくすることがで
きる。
【0025】主液通路30のマスタ遮断弁34のブレー
キシリンダ側には作動液収容装置70が設けられてい
る。作動液収容装置70は、作動液を加圧状態で蓄える
収容器72と、供給電流のON・OFFにより開閉させ
られる切換弁74とを含む。切換弁74は電流が供給さ
れない間閉状態にある常閉弁であり、閉状態において
は、収容器72への作動液の流入が阻止される。切換弁
74は、異常検出時に開状態にされ、ブレーキ作動時に
閉状態に切り換えられる。収容器72には、異常検出時
に作動液が供給されるだけであるため、収容器72の容
積を大きくする必要はない。収容器72は、アキュムレ
ータ、ダンパ等を利用することができる。
【0026】減圧用リザーバ38からは、ポンプ通路8
0が伸び出させられ、主液通路30の作動液収容装置7
0のブレーキシリンダ側の接続部81に接続される。ポ
ンプ通路80の途中には、ポンプ82,逆止弁84,8
5,86およびダンパ88が設けられる。ポンプ82は
ポンプモータ90によって駆動される。ポンプ通路80
の2つの逆止弁84,85の間にはマスタシリンダ10
から伸び出させられた作動液供給通路92が接続されて
いる。本実施形態においては、作動液供給通路92が、
主液通路30の流通制限装置60よりマスタシリンダ側
の接続部130から伸び出させられている。作動液供給
通路92には流入制御弁94が設けられる。流入制御弁
94は、供給電流のON・OFFにより開閉させられる
電磁開閉弁であり、電流が供給されない場合に閉状態に
ある常閉弁である。ポンプ82の作動状態において流入
制御弁94が開状態にされると、マスタシリンダ10の
作動液がポンプ82によって汲み上げられる。減圧用リ
ザーバ38から汲み上げられる場合より、ポンプ82の
吐出圧が同じ場合のポンプモータ90の消費電力を低減
させることができる。これらポンプ82,ポンプモータ
90等によって加圧装置96が構成される。ポンプ82
は、2つのブレーキ系統の各々に設けられるが、本実施
形態においては、ポンプモータ90が2つの加圧装置9
6において共通とされる。
【0027】本ブレーキ装置はブレーキECU100に
よって制御される。ブレーキECUは、図3に示すよう
に、制御部102と複数の駆動回路とを含む。制御部1
02はコンピュータを主体とするものであって、CPU
104,ROM106,RAM108,入出力部110
等を含む。入出力部110には、ブレーキスイッチ11
2,踏力センサ114,マスタ圧センサ62,制御圧セ
ンサ118,車輪速センサ120,イグニッションスイ
ッチ122等が接続される。制御圧センサ118は、主
液通路30のマスタ遮断弁34よりブレーキシリンダ側
に設けられ、個別液圧制御弁装置42が原位置にある状
態では、マスタ遮断弁34により制御されたブレーキシ
リンダの液圧を検出する。また、駆動回路126を介し
て保持弁36,減圧弁40,マスタ遮断弁34,切換弁
74,流入制御弁94のコイルが接続されるとともに、
ポンプモータ90が接続される。ROM106には、ブ
レーキ液圧制御プログラム、イニシャルチェックプログ
ラム等が格納されている。
【0028】ブレーキペダル12が踏み込まれると、ブ
ースタ14が作動させられ、マスタシリンダ10に液圧
が発生させられる。マスタシリンダ10の作動液はマス
タ遮断弁34,保持弁36を経てブレーキシリンダ2
0,22に供給されて、ブレーキ23,24が作動させ
られる。主液通路30にはオリフィス64と並列に逆止
弁66が設けられるため、マスタシリンダ10の作動液
を速やかにブレーキシリンダ20,22に供給すること
ができる。
【0029】マスタ圧センサ62による検出液圧が予め
定められた設定値に達すると、マスタ遮断弁34のコイ
ル56に電流が供給され、加圧装置96が作動させられ
る。流入制御弁94が開状態にされて、ポンプ82によ
ってマスタシリンダ10の作動液が汲み上げられて主液
通路30に供給される。個別液圧制御弁装置42が図示
する原位置にある場合には、ポンプ82によって吐出さ
れる作動液はブレーキシリンダ20,22に供給される
のであり、ブレーキシリンダ20,22の液圧はマスタ
シリンダ10の液圧より高くされる。ブレーキシリンダ
20、22の液圧はマスタ遮断弁34の制御により制御
される。マスタシリンダ10の加圧室の液圧はブレーキ
シリンダ20,22の液圧より低いため、マスタシリン
ダ10は低圧源として機能するのであり、マスタ遮断弁
34は減圧制御弁として機能する。ポンプ82から吐出
される作動液が減圧されて、ブレーキシリンダ20,2
2に供給される。
【0030】設定値は、ブースタ14の助勢限界に対応
するマスタ圧とされ、ブレーキシリンダ20,22の液
圧は、ブースタ14の助勢限界後に、助勢限界前におけ
る場合と同じ倍力率でブレーキ操作力が倍力された場合
に対応する高さになるように制御される。なお、設定値
は、ブースタの助勢限界に対応する高さにすることは不
可欠ではなく、助勢限界とは関係ない値とすることもで
きる。
【0031】車輪26,27の少なくとも1輪の制動ス
リップが過大になるとアンチロック制御が開始される。
個別液圧制御弁装置42の制御により、各ブレーキシリ
ンダ20,22の液圧が、各車輪26,27のスリップ
状態が適正状態に保たれるように制御される。この場合
には、加圧装置96が作動状態にある場合と非作動状態
にある場合とがある。それに対して、ブレーキペダル1
2の非操作状態であって、駆動スリップが過大になると
トラクション制御が行われる。マスタ遮断弁34への供
給電流が予め定められた設定量とされて、ポンプ82の
作動により主液通路30に加圧された作動液が供給され
る。駆動輪としての前輪26のブレーキシリンダ20の
液圧が、加圧装置96の作動状態において、個別液圧制
御弁装置42の制御により、駆動スリップ状態が適正状
態に保たれるように制御される。マスタ遮断弁34への
供給電流は最大とすることができるが、ブレーキ液圧が
トラクション制御において必要な最大な大きさとなるよ
うに電流が供給されるようにすればよい。
【0032】加圧装置96の加圧機能が正常でなかった
り、マスタ遮断弁34に開故障が生じた場合等、すなわ
ち、ブレーキシリンダの液圧をマスタシリンダの液圧よ
り高くすることができない異常が生じた場合には、ブレ
ーキ液圧制御が行われることはない。マスタ遮断弁34
は、電流が供給されないことにより開状態に保たれ、個
別液圧制御弁装置は図示する原位置に保たれる。ブレー
キ23,24はマスタシリンダ10の液圧によって作動
させられる。
【0033】ブレーキ液圧の制御は、図4のフローチャ
ートに従って実行される。ステップ1(以下、S1と略
称する。他のステップについても同様とする)におい
て、ブレーキスイッチ112がON状態にあるか否かが
判定される。ON状態にある場合には、S2において、
イニシャルチェックの結果が異常であるか否かが検出さ
れる。正常である場合には、S3以降においてブレーキ
液圧が制御される。S3においてマスタ圧が設定値以上
であるか否かが判定され、設定値以下である場合には、
前述のように、S4において、加圧装置96は非作動状
態に保たれ、各制御弁は図示する原位置に保たれる。そ
れに対して、マスタ圧が設定圧以上になれば、S5〜7
において、流入制御弁94が開状態にされ、ポンプモー
タ90が作動させられ、マスタ遮断弁34が制御され
る。制御圧センサ118による検出液圧が、踏力センサ
114によって検出されたブレーキ操作力がブースタ1
4の助勢限界以前と同じ倍力率で増加された場合に対応
する高さとなるように、マスタ遮断弁34のコイル56
に電流が供給される。なお、ブレーキ液圧制御時におい
ては、切換弁74は閉状態のままである。
【0034】加圧装置96の異常やマスタ遮断弁34の
異常はイニシャルチェックにおいて検出される。イニシ
ャルチェックは、イグニッションスイッチ122がOF
FからONに切り換わった後の、最初にブレーキスイッ
チ112がOFFにされた場合に実行される。ブレーキ
ペダル12の非操作状態において行われるのであり、マ
スタシリンダ10に液圧が発生していない状態において
行われる。換言すれば、ブレーキスイッチ112のOF
F状態にあることがイニシャルチェックが行われる条件
なのである。なお、ブレーキスイッチ112がOFFに
あり、かつ、車両が停止状態にあること、シフト位置が
パーキング位置にあること等が満たされた場合にイニシ
ャルチェック条件が満たされたとすることもできる。ま
た、イニシャルチェックにおいては保持弁36が閉状態
に保たれる。加圧装置96を作動させても、ブレーキシ
リンダ20,22に高圧の作動液が供給されることがな
いため、イニシャルチェック時にブレーキが作動させら
れることを回避することができる。
【0035】イニシャルチェックにおいては、マスタ遮
断弁34の閉状態において、加圧装置96を予め定めら
れた設定時間の間作動させ、その後停止させて、マスタ
遮断弁34を開状態に切り換える。そして、マスタ遮断
弁34を開状態に切り換えてから設定時間が経過するま
での間に、マスタ圧センサ62による検出液圧の増加量
が設定量以上であれば、加圧装置96が正常で、かつ、
マスタ遮断弁34が正常であるとされる。マスタ遮断弁
34、保持弁36の両方が閉状態にされることによって
形成される閉回路128(液通路30,32,80の一
部および接続部81、作動液収容装置70等を含む)の
作動液が低圧側、すなわち、マスタシリンダ側に急激に
流出させられるのであり、図7の実線に示すように、マ
スタ圧センサ62による検出液圧は急激に増加する。
【0036】それに対して、マスタ圧センサ62による
検出液圧の増加量が設定量以下である場合(図7の破線
あるいは一点鎖線で示す場合)には、加圧装置96の加
圧機能の低下異常あるいはマスタ遮断弁34の遮断機能
の低下異常(開故障)であるとされる。閉回路128の
液圧が十分に高くなっていなかったのであり、加圧装置
96による加圧機能が十分でなかった場合や閉回路12
8が形成されていなかった場合等がある。設定量は、例
えば、加圧装置96による加圧時間、すなわち、閉回路
における加圧量等に基づいて決定することができる。閉
回路128における加圧量等に基づけば、マスタ遮断弁
34を開状態に切り換えた後のマスタ圧センサ62の液
圧を推定することができ、その推定される液圧に基づい
て設定量が決定されるのである。
【0037】閉回路128が形成されると、ポンプ82
の吐出圧が過大になるおそれがある。しかし、マスタ遮
断弁34においては、ブレーキシリンダ側の液圧とマス
タシリンダ側の液圧との差に応じた差圧作用力F2が電
磁駆動力F1からスプリング58の付勢力F3を引いた
大きさより大きくなる(F2>F1−F3)と、シーテ
ィング弁54が開状態に切り換えられて、マスタ遮断弁
34を経てブレーキシリンダ側からマスタシリンダ側に
作動液が流出させられる。したがって、ポンプ82の吐
出圧が過大になることが回避される。また、上述のよう
に、マスタ遮断弁34を経てブレーキシリンダ側からマ
スタシリンダ側に作動液が流出させられるため、主液通
路30のマスタ遮断弁34よりマスタシリンダ側の液
圧、すなわち、マスタ圧センサ62によって検出される
液圧は0ではなく、ポンプ82から吐出される作動液の
流量、オリフィス64の絞り効果、マスタ遮断弁34の
開弁圧等によって決まる大きさとなる。この場合の主液
通路30のマスタシリンダ側の液圧は予めわかっている
ため、検出する必要は必ずしもないが、検出して記憶し
ておいてもよい。例えば、記憶されている正常時の検出
液圧と各時点における検出液圧との比較により、ポンプ
82やマスタ遮断弁34の異常を検出することができる
のである。
【0038】本実施形態においては、マスタ遮断弁34
の閉状態から開状態への切り換えに伴うマスタ圧の増加
状態に基づいて加圧装置96の加圧特性やマスタ遮断弁
34の制御特性も取得される。マスタ遮断弁34のコイ
ル56への供給電流の減少状態とマスタ圧センサ62に
よる検出液圧の増加状態との関係に基づけば、マスタ遮
断弁34の制御特性や加圧装置96の加圧特性を取得す
ることができるのである。マスタ遮断弁34を制御する
際の制御ゲインを取得することができるのであり、次に
助勢制御が実行される際のゲインとして使用することが
できる。また、加圧装置96の加圧特性を取得できれ
ば、イニシャルチェックにおいて、加圧装置96の加圧
機能が正常であるか否かを検出する際の前述のマスタ圧
センサ62による検出液圧の増加量の設定量を決定した
り、マスタ遮断弁34の遮断状態における加圧装置96
の作動時間を決定したりするのに考慮することができ、
異常であるか正常であるかを精度よく検出することがで
きる。
【0039】イニシャルチェックは、図5のフローチャ
ートに従って実行される。S11において、イグニッシ
ョンスイッチ122がOFF状態からON状態に切り換
えられるのが待たれる。ON状態に切り換わった場合に
は、S12において初期設定が行われる。イニシャルチ
ェックに必要なフラグ等が初期値に設定されるのであ
る。S13においてブレーキスイッチ112が正常であ
るか否かが判定される。ブレーキスイッチ112におい
て断線が生じていないか否かが判定されるのである。ブ
レーキスイッチ112が正常である場合には、S14に
おいて、ブレーキスイッチ112がOFF状態にあるか
否かが検出される。イグニッションスイッチ122がO
N状態からOFF状態に切り換えられる場合には、ブレ
ーキペダル10が踏み込まれている場合が多いのであ
る。ブレーキスイッチ112がOFF状態に切り換えら
れると(イニシャルチェック条件が満たされると)、S
15においてイニシャルチェックが行われる。そして、
イニシャルチェック完了フラグがセット状態にあるか否
かが検出され、セット状態にあると判定された場合には
イニシャルチェックルーチンが終了させられる。
【0040】イニシャルチェックは、図6のフローチャ
ートで表されるイニシャルチェックプログラムの実行に
従って行われる。S21,22において、閉回路128
が一時的に形成されて、加圧装置96が作動させられ
る。保持弁36およびマスタ遮断弁34が閉状態とされ
て、ポンプモータ90が作動させられる。また、流入制
御弁94が開状態とされるため、ポンプ82によりマス
タシリンダ10の作動液が汲み上げられて加圧されて、
主液通路30のマスタ遮断弁34よりブレーキシリンダ
側に供給される。さらに、切換弁74が開状態にされる
ため、ポンプ82から吐出された作動液が収容器72に
供給される。
【0041】ポンプモータ90は、設定時間の間だけ作
動させられる。S23〜26において、カウンタCが0
にされて、カウントアップされるのであるが、カウンタ
Cのカウント値が設定時間Ta(図7参照)に対応する
数aになると、S26における判定がYESとなって、
S27においてポンプモータ90の作動が停止させら
れ、マスタ遮断弁34が開状態に切り換えられる。流入
制御弁94が閉状態に戻されるが、切換弁74は開状態
のままである。なお、加圧装置96の作動状態において
は、常にブレーキスイッチ112がON状態に切り換わ
ったか否かが検出され、ON状態に切り換わったことが
検出された場合には、S24における判定がYESとな
り、S40において、加圧装置96が非作動状態にされ
る。また、マスタ遮断弁34および保持弁36が開状態
にされて、流入制御弁94,切換弁74が閉状態にされ
る。
【0042】マスタ遮断弁34の遮断状態から連通状態
への切り換えに伴うマスタ圧が検出され、増加量が設定
量以上であるか否かが検出される。S28において、カ
ウンタC1が0にリセットされて、ΔPmaxが0にされ
る。その後、S29〜34において、設定時間Tb(図
7参照)の間、マスタ圧が読み取られ、マスタ遮断弁3
4を遮断状態から連通状態に切り換えてからの増加量Δ
PがRAM108に記憶される。原時点のマスタ圧から
マスタ遮断弁34が連通状態に切り換えられた時点のマ
スタ圧を引いた値が記憶されるのである。また、設定時
間Tb内の増加量の最大値ΔPmaxが求められる。今回
の増加量ΔPnがそれまでの最大値ΔPmaxより大きい場
合には、今回値ΔPnが最大値ΔPmaxとされ、今回値Δ
Pnが最大値ΔPmaxより小さい場合には、最大値ΔPma
xがそのままとされる。
【0043】設定時間Tbが経過した場合には、S34
の判定がYESとなり、S35において、設定時間Tb
内における増加量の最大値ΔPmaxが設定値ΔPsより
大きいか否かが判定される。最大値ΔPmaxが設定値Δ
Psより大きい場合には、S35における判定がYES
となり、S36において加圧装置96およびマスタ遮断
弁34が正常であるとされる。設定値ΔPs以下である
場合にはS35における判定がNOとなり、S38にお
いて異常であるとされる。加圧装置96の加圧機能の低
下異常と、マスタ遮断弁34の遮断機能の低下異常(例
えば、開故障)との少なくとも一方であると考えられ
る。
【0044】本実施形態においては、作動液収容装置7
0が閉回路内に接続されるため、マスタ遮断弁34の遮
断状態において加圧装置96から吐出された作動液が作
動液収容装置70に蓄えられる。そのため、マスタ遮断
弁34を開状態に切り換えた場合に、閉回路内の作動液
と収容器72内の作動液との両方がマスタシリンダ側に
流出させられることになるのであり、マスタシリンダ側
に流出させられる作動液の流量を多くすることができ
る。作動液収容装置70が設けられない場合に比較し
て、マスタ圧センサ62による検出液圧の変化量を大き
くすることができ、異常であるか正常であるかの検出精
度を向上させることができる。
【0045】また、S37において増加量ΔPnと、増
加量ΔPnが検出された時点のマスタ遮断弁34への供
給電流量との関係に基づいてマスタ遮断弁34の制御ゲ
インが取得される。制御ゲインは、加圧装置96,マス
タ遮断弁34が正常な場合に取得される。取得された制
御ゲインが、次の助勢制御から使用される。マスタ遮断
弁34の経時変化等に起因して制御ゲインが変化する
が、現時点の制御ゲインが取得され、それに基づいて供
給電流が制御されるため、ブレーキシリンダ液圧の制御
精度を向上させることができる。
【0046】いずれにしても、S39において、イニシ
ャルチェック完了フラグがセットされて、S40におい
て、イニシャルチェック開始前の状態に戻される。前述
のように、ブレーキスイッチ112がON状態になった
場合には、S14における判定がYESとなり、S40
が実行されるのであり、イニシャルチェック完了フラグ
がセットされることはない。
【0047】このように、本実施形態によれば、マスタ
遮断弁34のマスタシリンダ側の液圧に基づいて異常が
検出される。また、マスタ圧センサ62の検出液圧に基
づいて異常が検出されるため、異常の検出のための専用
のセンサを設ける必要がなく、異常の検出のためのコス
トアップを回避することができる。本実施形態において
は、ブレーキECU100のイニシャルチェックプログ
ラムを記憶し、実行する部分等によって異常検出装置が
構成される。異常検出装置はマスタ連通時異常検出部で
もある。
【0048】なお、上記実施形態においては、マスタ遮
断弁34が開状態に切り換えられてから設定時間の間、
マスタ圧の増加量が検出されるようにされていたが、こ
の間においても、ブレーキスイッチ112がON状態に
切り換えられたか否かが検出されるようにすることもで
きる。しかし、設定時間Tbは設定時間Taより短いた
め、ブレーキスイッチ112がON状態にされたか否か
を検出することは不可欠ではない。また、マスタ遮断弁
34の制御ゲインを取得することも不可欠ではない。加
圧装置96やマスタ遮断弁34が正常であるか否かが判
定されればよいのである。この場合には、図8のフロー
チャートに示すように、増加量ΔPnを記憶する必要は
なく、マスタ遮断弁34が開状態に切り換えられた後設
定時間Tbの間に増加量ΔPが設定値ΔPs以上になれ
ば(S31´:YES)正常であるとされる(S3
6)。
【0049】さらに、上記実施形態においては、作動液
収容装置70が設けられていたが、作動液収容装置70
を設けることは不可欠ではない。作動液収容装置70が
なくても、マスタ遮断弁34を閉状態から開状態に切り
換えた場合のマスタ圧の変化量に基づいて異常を検出す
ることができる。作動液収容装置70が設けられない場
合には、閉回路の加圧時間を設定時間Taより短くして
もよい。また、ブレーキシリンダを作動液収容装置70
として利用することもできる。車両が停止状態にあり、
かつ、パーキングブレーキの作動状態(シフトレバー位
置がパーキング)にある場合に、イニシャルチェックが
行われる場合には、ブレーキを作動させても差し支えな
いのである。また、マスタ遮断弁34は供給電流に応じ
て前後の差圧を連続的に制御可能なリニア液圧制御弁で
あったが、供給電流のON・OFFにより開閉させられ
る電磁開閉弁とすることができる。電磁開閉弁のデュー
ティ制御により、ブレーキシリンダ液圧を制御すること
ができる。
【0050】さらに、ポンプモータ90を2つのブレー
キ系統のポンプ82に対応して、それぞれ設ければ、前
輪側のブレーキ系統と後輪側のブレーキ系統とで、異な
る時期にそれぞれ加圧装置、マスタ遮断弁の異常を検出
することができる。また、マスタ圧センサ62,流通制
限装置60,作動液収容装置70等は、2つのブレーキ
系統の各々に設ける必要はなく、いずれか一方のみに設
けてもよい。
【0051】さらに、流通制限装置60自体を設けるこ
とは不可欠ではない。また、上記実施形態においては、
流通制限装置60が、互いに並列に設けられたオリフィ
ス64と逆止弁66とを含むものであったが、オリフィ
ス64だけでもよい(逆止弁66を設けることは不可欠
ではない)。さらに、オリフィス64の代わりに供給電
流に応じて開度を制御可能な流量制御弁とすることがで
きる。流量制御弁とすれば、ブレーキ作動時に主液通路
30の流路を広く(開度を大きく)し、イニシャルチェ
ック時に流路を狭くする(開度を小さくする)ことがで
きるのであり、逆止弁66を設ける必要がなくなる。さ
らに、流通制限装置60の代わりに電磁開閉弁とするこ
ともできる。ブレーキ作動時に開状態とし、イニシャル
チェック時に閉状態とする。
【0052】その一例を図9に示す。本実施形態におい
ては、主液通路30のマスタ圧センサ62の上流側の、
接続部130よりマスタシリンダ側の部分に電磁開閉弁
150が設けられる。電磁開閉弁150は電流が供給さ
れない場合に開状態にある常開弁であり、イニシャルチ
ェック時に電流が供給されることにより閉状態に切り換
えられる。電磁開閉弁150が閉状態にされれば、マス
タ遮断弁34の閉状態と開状態との切り換えに伴う液圧
変化の状態を良好に検出することができる。また、電磁
開閉弁150は、ブレーキ作動時には開状態にあるた
め、作動開始時には、マスタシリンダ10の液圧をブレ
ーキシリンダ22に早急に供給することができ、ブレー
キ作動解除時には、ブレーキシリンダ22の作動液をマ
スタシリンダ10に速やかに戻すことができる。また、
上記実施形態においては、前輪側、後輪側の両方のブレ
ーキ系統にそれぞれマスタ圧センサ62および電磁開閉
弁150が設けられていたが、本実施形態においては、
前輪側のブレーキ系統に設けられないで後輪側のブレー
キ系統に設けられる。さらに、上記実施形態においては
設けられていた作動液収容装置70が設けられていな
い。
【0053】イニシャルチェックは図10のフローチャ
ートで表されるイニシャルチェックプログラムの実行に
従って行われる。本実施形態においては、加圧装置96
が設定時間の間作動させられた後、S27aにおいてモ
ータ90が停止させられ、設定時間経過後に、S27b
においてマスタ遮断弁34が開状態に切り換えられると
ともに電磁開閉弁150が閉状態に切り換えられる。加
圧装置96が非作動状態に切り換えられた後にマスタ遮
断弁34が開状態に切り換えられるのであり、換言すれ
ば、マスタ遮断弁34が開状態に切り換えられる際には
加圧装置96は非作動状態にある。以下、上記実施形態
における場合と同様に、マスタ圧センサ62によって液
圧が検出される。イニシャルチェックが終了した場合ま
たは中止させられた場合には、S40において電磁開閉
弁150が開状態に戻される。また、S24において
は、イニシャルチェック条件が満たされるかどうかが判
定される。本実施形態においては、ブレーキスイッチ1
12がOFF状態にあり、かつ、車両が停止状態にある
こと、シフト位置がパーキング位置にあること等が満た
された場合にイニシャルチェック条件が満たされたとさ
れる。
【0054】さらに、本実施形態においては、保持弁3
6が開状態に保たれたままで、イニシャルチェックが行
われる。加圧装置96の作動によってブレーキシリンダ
22の液圧が増加させられるのであるが、車両は停止状
態にあるため、ブレーキ24が作動させられても差し支
えない。ブレーキシリンダ22が作動液収容装置70で
あると考えることができるのであり、マスタ遮断弁34
が閉状態から開状態に切り換えられた後に、ブレーキシ
リンダ22の作動液がマスタシリンダ側に流出させられ
る。また、本実施形態においては、電磁開閉弁150
が、主液通路30の作動液供給通路92との接続部13
0よりマスタシリンダ側の部分に設けられているため、
マスタ遮断弁34が閉状態から開状態に切り換えられた
場合には、流入制御弁94が閉状態にされる。加圧装置
96の作動液が流通制御弁94を経て液通路92に流出
させられることを回避するためである。ポンプモータ9
0が非作動状態にあるため、作動液が多量に流出させら
れることはないが、流出が防止された方が異常検出の上
で望ましい。
【0055】イニシャルチェック時の液圧の変化状態を
図11に示す。加圧装置96の作動状態、かつ、マスタ
遮断弁34の閉状態においては、制御圧センサ118に
よる出力値が増加させられる。その後、加圧装置96の
作動が停止させられ、設定時間経過後に、マスタ遮断弁
34が開状態にされ、電磁開閉弁150を閉状態にされ
ると、制御圧センサ118による検出値が低下し、マス
タ圧センサ62による検出値が増加する。この定常状態
において、マスタ圧センサ62の出力値P1と制御圧セ
ンサ118の出力値P2とは同じ大きさになる。イニシ
ャルチェックの終了後、電磁開閉弁150は開状態に切
り換えられる。電磁開閉弁150が開状態にされれば、
下流側の作動液がマスタシリンダ10に戻される。この
場合に、電磁開閉弁150が閉状態から開状態にゆっく
り切り換えられるようにすれば(軟着陸制御)、電磁開
閉弁150より下流側の液圧の急激な低下を抑制するこ
とができる。
【0056】なお、加圧装置96が作動状態にされる場
合には、上記各実施形態における場合と同様に、保持弁
36が閉状態とされてもよい。この場合には、閉回路1
28の液圧が加圧されることになる。また、マスタ遮断
弁34の閉状態において、加圧装置94は設定時間の間
作動させられるのではなく、制御圧センサ118の液圧
が設定値に達するまで作動させられるようにすることも
できる。さらに、電磁開閉弁150は流通制限装置の一
態様であると考えることもできる。
【0057】さらに、図12に示すように、流通制限装
置60等に限らず、マスタ圧センサ62も、主液通路3
0の接続部130よりマスタシリンダ側の部分に設けて
もよい。また、流通制限装置60や電磁開閉弁150等
は、図13に示すように、マスタシリンダ10とマスタ
リザーバ132とを接続するリザーバ通路170に設け
てもよい。マスタシリンダ10において加圧ピストンが
作動位置(前進位置)にある場合には、加圧室とリザー
バ132とは遮断されるが、加圧ピストンが後退端位置
にある状態においては、加圧室とリザーバ132とが連
通させられ、加圧室の作動液がリザーバ通路170を経
てリザーバ132に戻される。本実施形態においては、
イニシャルチェックがブレーキペダル12の非操作状態
において行われるため、加圧ピストンは後退端位置にあ
り、加圧室とリザーバ132とが連通状態にある。した
がって、流通制限装置60や電磁開閉弁150等をリザ
ーバ通路170に設ければ、マスタ遮断弁34が開状態
に切り換えられた場合に、加圧装置側の作動液がマスタ
シリンダ10を経てリザーバ132に流出させられるこ
とを抑制することができる。
【0058】図13に示すブレーキ装置においては、マ
スタ圧センサ62が主液通路30のマスタ遮断弁34と
マスタシリンダ10との間に設けられる。流通制限装置
等とマスタ圧センサ62とがマスタシリンダ10の両側
に設けられるのであり、流通制限装置等、マスタシリン
ダ10,マスタ圧センサ62が直列に設けられる。さら
に、図13に示すように、流通制限装置等とマスタ圧セ
ンサ62とは、2つのブレーキ系統のそれぞれに設ける
のではなく、前輪側、後輪側のいずれか一方のブレーキ
系統にのみ設けられるようにすることもできる。なお、
マスタ圧センサ62は、接続部130よりマスタシリン
ダ側に設けてもマスタ遮断弁側に設けてもよい。
【0059】流通制限装置は、図14に示すように、本
出願人によって先に出願された特願2000−4022
18号の明細書に記載された流出制限装置200とする
ことができる。流出制限装置200は、弁子202と弁
座204とを備えたシーティング弁206を含む。弁子
202は段付き形状を成したものであり、その段部とハ
ウジングとの間に、弁子202を弁座204から離間さ
せる方向に付勢するスプリング208が配設されてい
る。弁子202の大径部側の液圧室210にはリザーバ
通路170のマスタシリンダ側の部分が接続され、段部
によって形成される液圧室212には、リザーバ通路1
70のマスタシリンダ側の部分が液通路213を介して
接続される。液通路213にはオリフィス214が設け
られる。
【0060】図示する状態においては、シーティング弁
206は、弁子202が弁座204からスプリング20
8の付勢力によって離間させられた開状態にある。液圧
室212とリザーバ通路170のリザーバ側の部分とが
連通させられリザーバ通路170が連通状態にある。加
圧ピストンが後退端にある状態において、マスタシリン
ダ10の作動液はオリフィス214、液圧室212を経
てマスタリザーバ132に流出させられる。
【0061】それに対して、マスタシリンダ10からリ
ザーバ側に作動液が多量に流出させられると、液圧室2
10の液圧が液圧室212の液圧に対して高くなる。液
圧室210の液圧によって弁子202に作用する力がス
プリング208の付勢力より大きくなると、弁子202
が弁座204に着座させられ、シーティング弁206が
閉状態にされる。液圧室212には、オリフィス214
を介してマスタシリンダ10の液圧が伝達されるため、
マスタシリンダ10から流出させられる作動液の流量が
大きい場合、例えば、イニシャルチェック時等加圧装置
96の作動液がマスタ遮断弁34,マスタシリンダ10
を経てリザーバ側に流出させられる場合には、加圧室2
10と加圧室212との間に液圧差が生じ、シーティン
グ弁206が閉状態に切り換えられるのである。リザー
バ通路170が遮断状態とされ、マスタシリンダ10か
らリザーバ132への作動液の流出が阻止される。この
ように、流出制限装置200によれば、イニシャルチェ
ック時にマスタシリンダ10からリザーバ132への作
動液の流出を阻止することができるため、マスタ圧セン
サ62による検出液圧の変化量を大きくすることができ
る。なお、流出制限装置200は、パイロット圧により
開閉させられる(供給電流の制御によらないで開閉させ
られる)メカ式の開閉弁と称することもできる。
【0062】ブレーキ装置は、図15に示す液圧ブレー
キ装置とすることができる。本実施形態においては、2
つ逆止弁84,85の間に、作動液供給通路92に加え
てマスタリザーバ132から伸び出させられた作動液供
給通路250も接続される。作動液供給通路250には
流入制御弁252が設けられている。2つの流入制御弁
94、252を制御することによって、ポンプ82によ
って、マスタシリンダ10の作動液とマスタリザーバ1
32の作動液とが選択的に汲み上げられるようにするこ
とができる。
【0063】マスタシリンダ10から伸び出させられた
作動液供給通路92の方が流路面積が小さくされるのが
普通であるため、多量の作動液を汲み上げて供給する必
要がある場合には、マスタリザーバ132から汲み上げ
た方がよい。例えば、助勢制御時には、マスタシリンダ
10から汲み上げられるようにして、トラクション制御
時には、マスタリザーバ132から汲み上げられるよう
にする。その結果、トラクション制御時には、多量の作
動液を汲み上げることができ、ブレーキの作動遅れを小
さくすることができる。また、前述のように、ポンプ8
2の吐出圧を同じにする場合には、マスタシリンダ10
の作動液を汲み上げた方がポンプモータ90の消費エネ
ルギを低減することができるため、助勢制御時にはポン
プモータ90における消費エネルギの低減を図ることが
できる。イニシャルチェックは、マスタシリンダ10に
液圧が発生させられていない状態で行われるため、流入
制御弁94,252のいずれを開状態にしてもよいが、
流入制御弁252を開状態にした方が、多量に作動液を
汲み上げることができる。イニシャルチェックおよびブ
レーキ液圧制御等は上記実施形態における場合と同様に
行われる。
【0064】ブレーキ装置は図16に示す構造のものと
することができる。本液圧ブレーキ装置においては、ポ
ンプ通路80のポンプ82の吐出側とマスタシリンダ1
0との間、本実施形態においては、ポンプ82の吐出側
と作動液供給通路92の流入制御弁94よりマスタシリ
ンダ側の部分との間にリリーフ弁280が設けられてい
る。リリーフ弁280とマスタ遮断弁34、マスタ圧セ
ンサ62,流通制限装置60とが互いに並列に設けられ
るのである。ポンプ82の吐出圧がリリーフ圧以上にな
ると、リリーフ弁280を経て作動液がマスタシリンダ
側に流出させられる。リリーフ弁280によれば、ポン
プ82を長時間作動させても、ポンプ82の吐出圧が過
大になることを回避することができ、モータロックを回
避することができる。なお、ポンプ82がギヤポンプで
ある場合にはリリーフ弁280は不可欠ではない。吐出
圧が過大になることがないからである。
【0065】本実施形態においては、イニシャルチェッ
ク時に、マスタ遮断弁34が連通状態から遮断状態に切
り換えられる。また、マスタ遮断弁34が連通状態にあ
っても遮断状態にあってもポンプ82は連続して作動さ
せられる。マスタ遮断弁34の連通状態においては、ポ
ンプ82から吐出された作動液はマスタ遮断弁34を経
てマスタシリンダ側に供給され、その液圧がマスタ圧セ
ンサ62によって検出される。マスタ圧センサ62によ
る検出液圧が設定圧Ps1以上であれば、加圧装置96の
加圧機能は正常であることがわかる。この状態において
は、マスタ遮断弁34からマスタシリンダ10に向かう
方向に作動液が流れているため、マスタ圧センサ62に
よる検出液圧は、ポンプ82の吐出流量、オリフィス6
4の絞り効果等によって決まる高さになる。
【0066】マスタ圧センサ62による検出液圧が設定
圧Ps1以上になった場合に、マスタ遮断弁34が遮断状
態に切り換えられるのであるが、本実施形態において
は、マスタ遮断弁34のコイル56に、前後の差圧がリ
リーフ弁280のリリーフ圧より高くなるような電流が
供給される。そのため、ポンプ82から吐出された作動
液はリリーフ弁280を経てマスタシリンダ側に流出さ
せられ、マスタ遮断弁34を経て流出させられることは
ない。また、マスタ遮断弁34の遮断状態においてもポ
ンプ82は作動状態にあるため、リリーフ弁280を経
て流出させられた作動液はポンプ82によって汲み上げ
られる。リリーフ弁280を経て流出させられた作動液
が逆止弁66を経てマスタ圧センサ側に供給されること
はなく、マスタ圧センサ側の作動液はオリフィス64を
経てマスタシリンダ側に流出させられる。
【0067】マスタ圧センサ62による検出液圧は図1
8に示すように低下する。マスタ遮断弁34のコイル5
6への供給電流が開弁圧がリリーフ圧以上になる大きさ
まで増加した後に、検出液圧が急激に低下するのであ
る。本実施形態においては、マスタ遮断弁34が遮断状
態に切り換えられてから、厳密に言えば、コイル56へ
の電流の供給指令が出力されてから設定時間Te経過す
る間に、マスタ圧センサ62による検出液圧が設定圧P
s2以下まで低下しない場合には、マスタ遮断弁34の遮
断機能の低下異常(例えば開故障)が生じたとされるの
である。
【0068】図17のフローチャートにおいて、S41
〜47において、保持弁36の遮断状態、かつ、マスタ
遮断弁34の連通状態において加圧装置96が作動させ
られる。そして、設定時間Td内にマスタ圧センサ62
による検出液圧が設定圧Ps1より大きくなった場合(S
46:YES)には、加圧装置96が正常であるとさ
れ、設定時間Td内に設定圧以上にならなかった場合
(S46:NO,S47:YES)には、S48におい
て加圧装置96が異常であるとされる。加圧装置96が
正常である場合には、S49において、マスタ遮断弁3
4に電流が供給され、シーティング弁54が閉状態にさ
れる。ここでは、マスタ遮断弁34の開弁圧がリリーフ
弁280のリリーフ圧以上となる大きさの電流が供給さ
れる。そして、S50〜53において、設定時間Te経
過するまでの間にマスタ圧センサ62による検出液圧が
設定圧Ps2以下まで低下したか否かが検出される。設定
圧以下まで低下した場合には、S54においてマスタ遮
断弁34が正常であるとされ、設定時間Te内に設定圧
以下に低下しなかった場合には、S55においてマスタ
遮断弁34が異常であるとされる。加圧装置96または
マスタ遮断弁34が異常であるとされた場合には、S5
6において異常であるとされる。
【0069】なお、上記実施形態においては、マスタ遮
断弁34への供給電流が、差圧がリリーフ圧より大きく
なるように制御されるようにされていたが、そのように
することは不可欠ではない。図19のフローチャートに
示すように、S49´において、マスタ遮断弁34への
供給電流を設定勾配で増加させる。そして、S50´〜
52´において、供給電流が電流値IaからIbの間に
ある場合(Ia<I<Ib)に、マスタ圧が設定圧以下で
あるかどうかが検出される。設定圧以下である場合に
は、マスタ遮断弁34が正常であるとされる。供給電流
が電流値Ibを越えてもマスタ圧が設定圧以上の場合に
は、マスタ遮断弁34が異常であるとされる。図20に
示すように、マスタ遮断弁34への供給電流が電流値I
aからIbの間にマスタ圧が設定圧以下まで低下するは
ずなのである。
【0070】また、ポンプモータ90が前輪側のブレー
キ系統と後輪側のブレーキ系統とで別個に設けられてい
る場合には、前輪側と後輪側とのいずれか一方の加圧装
置の異常のみを検出することができる。さらに、マスタ
圧センサがいずれか一方のブレーキ系統のみにしか設け
られない場合もあり、その場合には、その系統の、マス
タ遮断弁、加圧装置の異常のみが検出されることにな
る。
【0071】また、加圧装置の構造は、上記実施形態に
おけるそれに限らない。例えば、図21に示す構造のも
のとすることができる。図21に示すように、加圧装置
300は、還流用ポンプ82を含む加圧装置96として
の第1加圧装置と、液圧制御シリンダを含む第2加圧装
置302とを含む。第2加圧装置302の液圧制御シリ
ンダについては、前述の特願2000−402218号
の明細書等に詳細に説明されている。液圧制御シリンダ
302は、液通路16,18の途中のマスタ遮断弁30
4、306よりブレーキシリンダ側に設けられる。マス
タ遮断弁304,306は、供給電流のON・OFFに
より開閉させられる電磁開閉弁である。マスタ遮断弁3
04,306と並列に、マスタシリンダ10からブレー
キシリンダ20,22に向かう方向の流れを許容し、逆
向きの流れを阻止する逆止弁308,310が設けられ
る。
【0072】液圧制御シリンダ302は、ハウジング3
14に液密かつ摺動可能に設けられた制御ピストン31
6,318を含む。制御ピストン316には、駆動モー
タ320の出力軸が運動変換装置321を含む駆動伝達
装置322を介して連携させられ、駆動モータ320の
作動により前進させられる。制御ピストン316,31
8の前方の加圧室324,326の作動液はそれぞれブ
レーキシリンダ20,22に供給される。加圧室32
4、326の液圧は、駆動モータ320によって制御ピ
ストン316に加えられる駆動力に応じた高さに制御さ
れ、駆動モータ320の制御により制御することができ
る。制御ピストン316の後方の液室328にはリザー
バ132がリザーバ通路330によって接続される。リ
ザーバ通路330に電磁開閉弁332が設けられる。
【0073】液通路18の主液通路30のマスタ遮断弁
306よりマスタシリンダ側にはマスタ圧センサ342
が設けられる。本実施形態においては、マスタ圧センサ
342が一方のブレーキ系統にしか設けられていないの
である。ブレーキ作動時には、マスタ遮断弁304、3
06の閉状態において、第2加圧装置302の駆動モー
タ320の制御により加圧室324,326の液圧が制
御される。電磁開閉弁332は、液圧制御シリンダ30
2の制御状態においては原則として開状態にされるが、
加圧室324,326の液圧を保持する場合には閉状態
に切り換えられる。制御ピストン316,318の後退
を阻止することができるため、その分、駆動モータ32
0における消費エネルギの低減を図ることができる。本
実施形態においては、マスタ遮断弁304,306の開
閉制御でなく、液圧制御シリンダ302における制御に
より、ブレーキシリンダ20,22の液圧が制御され
る。
【0074】イニシャルチェック時においては、保持弁
36の閉状態、かつ、マスタ遮断弁304、306の遮
断状態において、加圧室324,326の液圧が予め定
められた設定液圧になるように、駆動モータ320が制
御される。その後、駆動モータ320の作動が停止させ
られ、電磁開閉弁332が閉状態に切り換えられる。マ
スタ遮断弁306が連通状態に切り換えられるのである
が、その場合には、加圧室326の作動液がマスタシリ
ンダ側に流出させられ、マスタ圧センサ342による検
出液圧が増加する。マスタ圧センサ342による検出液
圧が設定圧以下であれば、第2加圧装置302が異常で
あるとされる。また、減圧用リザーバ38に作動液が蓄
えられた状態にある場合には、第1加圧装置96の異常
も上記各実施形態における場合と同様に検出することが
できる。この場合には第2加圧装置302は非作動状態
に保たれる。
【0075】さらに、本発明は、上記各実施形態の特徴
はそれぞれ組み合わせた態様で実施することもできる。
また、ブレーキ装置の構造は、上記各実施形態における
それに限らない等、種々の構造のブレーキ装置に適用す
ることができる等本発明は、前記〔発明が解決しようと
する課題、課題解決手段および効果〕に記載の態様の
他、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した
形態で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるブレーキ装置の回路
図である。
【図2】上記ブレーキ装置に含まれるマスタ遮断弁を表
す概念図である。
【図3】上記ブレーキ装置に含まれるブレーキECUの
周辺を表す図である。
【図4】上記ブレーキECUのROMに格納されたブレ
ーキ液圧制御プログラムを表すフローチャートである。
【図5】上記ブレーキECUのROMに格納されたイニ
シャルチェックプログラムを表すフローチャートであ
る。
【図6】上記イニシャルチェックプログラムの一部を表
すフローチャートである。
【図7】上記ブレーキ装置におけるイニシャルチェック
時のマスタ圧センサによる検出液圧の変化状態を示す図
である。
【図8】上記ブレーキECUのROMに格納された別の
イニシャルチェックプログラムの一部を表すフローチャ
ートである。
【図9】本発明の別の一実施形態であるブレーキ装置の
回路図の一部である。
【図10】上記イニシャルチェックプログラムの一部を
表すフローチャートである。
【図11】上記ブレーキ装置におけるイニシャルチェッ
ク時のマスタ圧センサによる検出液圧の変化状態等を示
す図である。
【図12】本発明の別の一実施形態であるブレーキ装置
の回路図の一部である。
【図13】本発明のさらに別の一実施形態であるブレー
キ装置の回路図の一部である。
【図14】本発明の別の一実施形態であるブレーキ装置
の回路図の一部である。
【図15】本発明のさらに別の一実施形態であるブレー
キ装置の回路図である。
【図16】本発明の別の一実施形態であるブレーキ装置
の回路図である。
【図17】上記ブレーキ装置に含まれるブレーキECU
のROMに格納されたイニシャルチェックプログラムの
一部を表すフローチャートである。
【図18】上記ブレーキ装置におけるイニシャルチェッ
ク時のマスタ圧センサによる検出液圧の変化状態を示す
図である。
【図19】上記ブレーキECUのROMに格納された別
のイニシャルチェックプログラムの一部を表すフローチ
ャートである。
【図20】上記ブレーキ装置におけるイニシャルチェッ
ク時のマスタ圧センサによる検出液圧の変化状態を示す
図である。
【図21】本発明の別の一実施形態であるブレーキ装置
の回路図である。
【符号の説明】
34マスタ遮断弁 62マスタ圧
センサ 36保持弁 60流通制限
装置 64オリフィス 66逆止弁 70作動液収容装置 72収容器 92作動液供給通路 94流入制御
弁 96加圧装置 128閉回路 150電磁開閉弁 200流通制
限装置 280リリーフ弁 302第2加
圧装置 304,306マスタ遮断弁
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Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ブレーキ操作部材の操作に基づいて液圧が
    発生させられるマスタシリンダと、 液圧によりブレーキを作動させるブレーキシリンダと、 これらブレーキシリンダとマスタシリンダとの間に設け
    られ、少なくともこれらを連通させる状態と遮断する状
    態とをとり得るマスタ遮断弁と、 そのマスタ遮断弁より前記マスタシリンダ側の液圧を検
    出する液圧検出装置と、 動力により作動液を加圧し、その加圧された作動液を前
    記マスタ遮断弁より前記ブレーキシリンダ側に供給可能
    な加圧装置と、 前記ブレーキ操作部材が非操作状態にあって、かつ、前
    記マスタ遮断弁の遮断状態と連通状態との少なくとも一
    方の状態において前記加圧装置が作動させられる場合に
    おいて、前記マスタ遮断弁の遮断状態と連通状態との間
    の切換えに伴う前記液圧検出装置による検出液圧の変化
    状態に基づいて前記加圧装置と前記マスタ遮断弁との少
    なくとも一方の異常を検出する異常検出装置とを含むこ
    とを特徴とするブレーキ装置。
  2. 【請求項2】前記加圧装置の作動液供給部と前記ブレー
    キシリンダとの間に設けられ、これらを連通させる状態
    と遮断する状態とをとり得るブレーキ遮断弁を含み、 前記異常検出装置が、前記ブレーキ遮断弁の遮断状態に
    おいて、前記異常を検出するブレーキ遮断時異常検出部
    を含む請求項1に記載のブレーキ装置。
  3. 【請求項3】前記液圧検出装置より前記マスタシリンダ
    側に絞りが設けられた請求項1または2に記載のブレー
    キ装置。
  4. 【請求項4】前記絞りと並列に、前記マスタシリンダか
    ら前記液圧検出装置に向かう向きの作動液の流れを許容
    し、逆向きの流れを阻止する逆止弁が設けられた請求項
    3に記載のブレーキ装置。
  5. 【請求項5】前記液圧検出装置より前記マスタシリンダ
    側に供給電流の制御により開状態と閉状態とに切り換え
    可能な電磁開閉弁が設けられた請求項1または2に記載
    のブレーキ装置。
  6. 【請求項6】前記異常検出装置が、前記加圧装置の作動
    状態において、前記マスタ遮断弁の連通状態から遮断状
    態への切換えに伴う前記液圧検出装置による検出液圧の
    低下状態に基づいて前記異常を検出するマスタ遮断時異
    常検出部を含む請求項1ないし5のいずれか1つに記載
    のブレーキ装置。
  7. 【請求項7】前記異常検出装置が、前記マスタ遮断弁の
    遮断状態において前記加圧装置が作動させられる場合に
    おいて、前記マスタ遮断弁の遮断状態から連通状態への
    切換えに伴う前記液圧検出装置による検出液圧の増加状
    態に基づいて前記異常を検出するマスタ連通時異常検出
    部を含む請求項1ないし6のいずれか1つに記載のブレ
    ーキ装置。
  8. 【請求項8】前記マスタ遮断弁よりブレーキシリンダ側
    に設けられ、(a)作動液を加圧状態で収容可能な収容器
    と、(b)前記加圧装置と前記収容器との間の作動液の流
    通を許容する状態と流通を阻止する状態とに切り換え可
    能な切換弁とを含む作動液収容装置を含み、 前記異常検出装置が、前記切換弁の流通許容状態におけ
    る前記マスタ遮断弁の遮断状態から連通状態への切り換
    えに伴う前記液圧検出装置による検出液圧の増加状態に
    基づいて前記異常を検出する請求項7に記載のブレーキ
    装置。
  9. 【請求項9】前記マスタ遮断弁が遮断状態から連通状態
    に切り換えられた場合における前記液圧検出装置による
    検出液圧の増加状態に基づいて前記加圧装置の加圧特性
    を取得する加圧特性取得装置を含む請求項1ないし7の
    いずれか1つに記載のブレーキ装置。
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