JP2001171511A - ブレーキ液圧源装置および液圧ブレーキシステム - Google Patents

ブレーキ液圧源装置および液圧ブレーキシステム

Info

Publication number
JP2001171511A
JP2001171511A JP2000071699A JP2000071699A JP2001171511A JP 2001171511 A JP2001171511 A JP 2001171511A JP 2000071699 A JP2000071699 A JP 2000071699A JP 2000071699 A JP2000071699 A JP 2000071699A JP 2001171511 A JP2001171511 A JP 2001171511A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure
brake
negative pressure
force
master cylinder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000071699A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4366818B2 (ja
Inventor
Hiroshi Isono
宏 磯野
Kyoji Mizutani
恭司 水谷
Takeshi Hashimoto
健 橋本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2000071699A priority Critical patent/JP4366818B2/ja
Publication of JP2001171511A publication Critical patent/JP2001171511A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4366818B2 publication Critical patent/JP4366818B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Braking Systems And Boosters (AREA)
  • Regulating Braking Force (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】バキュームブースタと電気制御の液圧助勢装置
との両方を備えた液圧ブレーキシステムにおいて、バキ
ュームブースタによる助勢状態から液圧助勢装置による
助勢状態へ滑らかに移行させる。 【解決手段】バキュームブースタのブースタ負圧、ブレ
ーキペダルのペダル踏力Fp およびマスタシリンダのマ
スタシリンダ圧Pmcの間には図6に示す関係がある。こ
の事実に基づいて、マスタシリンダ圧の増加勾配が大き
い場合に、増加勾配が小さい場合よりブースタ負圧が大
きいと推定する第1負圧推定部と、ペダル踏力の増加勾
配が大きい場合に、増加勾配が小さい場合よりブースタ
負圧が小さいと推定する第2負圧推定部との少なくとも
一方を設ける。その少なくとも一方により推定されたブ
ースタ負圧に基づいてバキュームブースタの助勢限界到
達時点を推定し、液圧助勢装置の作動を開始させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ブレーキ操作部材
の操作力が、負圧により作動するバキュームブースタに
よって倍力され、マスタシリンダへの入力とされる形式
のブレーキ液圧源装置と、そのブレーキ液圧源装置を備
えた液圧ブレーキシステムとに関するものである。
【0002】
【従来の技術】運転者によりブレーキ操作部材に加えら
れるブレーキ操作力をバキュームブースタにより倍力
し、その倍力した力でマスタシリンダを作動させること
が広く行われている。また、本出願人は、特開平10−
236294号公報において、ポンプを備えた動力液圧
源の液圧に基づいて、ブレーキシリンダの液圧を、ブレ
ーキ操作力に対応する液圧より大きくする電気制御助勢
装置を提案した。この電気制御助勢装置は、バキューム
ブースタが助勢限界に達した後に作動するものである。
バキュームブースタは、ハウジング内に軸方向に移動可
能に設けられたパワーピストンと、そのパワーピストン
の前方に形成されてエンジンの吸気側に接続される低圧
室と、パワーピストンの後方に形成された変圧室と、ブ
レーキ操作部材と連携させられる入力部材と、マスタシ
リンダの加圧ピストンと連携させられる出力部材と、入
力部材と出力部材との相対移動に基づいて変圧室を低圧
室に連通させる後退位置と大気に連通させる前進位置と
いずれからも遮断する中間位置とに切り換わる切換弁と
を含むように構成される。したがって、変圧室の圧力が
大気圧より低い間は入力部材に加えられる入力としての
ブレーキ操作力の増大に伴って助勢力が増大し、助勢作
用をなすが、変圧室の圧力が大気圧に等しくなれば、も
はや助勢作用をなし得ない。この状態を助勢限界と称
し、バキュームブースタが助勢限界に達した後は、電気
制御助勢装置を作動させて、ブレーキ操作力の増分とマ
スタシリンダ圧の増分との関係をバキュームブースタの
助勢限界以前と変わりなくするのである。
【0003】ブースタの助勢限界は上記のように一義的
に決まるが、助勢限界時のブースタの助勢力、すなわち
限界助勢力は一義的には決まらない。前述のようにブー
スタの助勢力は低圧室と変圧室との圧力差で決まるのに
対して、低圧室の負圧はエンジンの吸気側負圧に依存し
ており、エンジンの作動状態に応じて変化するからであ
る。エンジンの吸気側負圧はエンジンの制御のために必
要であるため、吸気負圧センサにより検出されるのが普
通であり、もし、吸気負圧センサが設けられていなくて
も、エンジン回転数とスロットル開度等他の検出値に基
づいて比較的正確に推定することができる。それに対
し、バキュームブースタの低圧室の負圧であるブースタ
負圧の推定は容易ではない。バキュームブースタとエン
ジン吸気側との接続通路には逆止弁が設けられるのが普
通であり、ブースタ負圧は、前回バキュームブースタが
作動してから後の吸気側負圧の最大値に応じた大きさ、
すなわち吸気側負圧の最大値から逆止弁の開弁圧を差し
引いた大きさになっており、その上、バキュームブース
タの作動に伴って変化するからである。逆止弁とバキュ
ームブースタとの間に負圧を蓄えるバキュームタンクが
設けられる場合には、バキュームブースタの作動に伴う
ブースタ負圧の変化は小さくなるが、近年はバキューム
タンクが小形化されており、ブースタ負圧の変化は無視
し得ないことが多い。
【0004】前述の電気制御助勢装置を制御するために
は、バキュームブースタの状態、特にブースタ負圧を監
視することが望ましく、少なくとも、バキュームブース
タが助勢限界に達したこと、あるいは間もなく助勢限界
に達することを検出することが必要である。また、バキ
ュームブースタの状態あるいは助勢限界を知ることは、
電気制御助勢装置の制御のため以外にも必要になる。バ
キュームブースタとの関連で液圧ブレーキシステムを制
御する場合に一般的に必要になるのであり、その他、ブ
ースタ負圧の異常あるいはバキュームブースタの助勢限
界を運転者に報知する等の目的でも必要になる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効
果】そこで本出願人は、前記特開平10−236294
号公報において、バキュームブースタの作動状態の監視
あるいは助勢限界の検出のための手段をいくつか提案し
たが、本発明はさらに別の手段を得ることを課題として
なされたものである。本発明によって下記各態様のブレ
ーキ液圧源装置および液圧ブレーキシステムが得られ
る。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号
を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記
載する。これは、あくまでも本発明の理解を容易にする
ためであり、本明細書に記載の技術的特徴およびそれら
の組合わせが以下の各項に記載のものに限定されると解
釈されるべきではない。また、一つの項に複数の事項が
記載されている場合、それら複数の事項を常に一緒に採
用しなければならないわけではない。一部の事項のみを
選択して採用することも可能なのである。
【0006】(1)ブレーキ操作部材の操作力が、負圧
により作動するバキュームブースタによって倍力され、
その倍力された力でマスタシリンダが駆動されるブレー
キ液圧源装置において、前記マスタシリンダの出力の変
化率が大きい場合に、変化率が小さい場合より前記バキ
ュームブースタの負圧が大きいと推定する第1負圧推定
部と、前記ブレーキ操作部材の操作力の変化率が大きい
場合に、変化率が小さい場合より前記バキュームブース
タの負圧が小さいと推定する第2負圧推定部との少なく
とも一方を備えた負圧推定装置を設けたブレーキ液圧源
装置(請求項1)。ブレーキ操作部材には、例えば、運
転者の足により操作されるブレーキペダルあるいは手に
よって操作されるレバーがある。第1負圧推定部は以下
の事実に基づいてバキュームブースタの負圧(ブースタ
負圧と称する)を推定する。同じ速度でブレーキ操作が
行われた場合に、バキュームブースタの負圧(ブースタ
負圧と称する)が大きい場合には小さい場合に比較して
マスタシリンダ圧の増加勾配が大きくなる。これは、ブ
ースタ負圧が大きい場合にはブースタの助勢遅れが小さ
いためであると考えられる。そして、通常のブレーキ操
作においては、ブレーキ操作がほぼ一定の速度で行われ
るため、一般的に、マスタシリンダの出力状態の変化率
が大きい場合に、変化率が小さい場合よりバキュームブ
ースタの負圧が大きいと推定することは妥当なことであ
る。特に、運転者各人では、緊急時以外はブレーキ操作
部材の操作速度(ブレーキ操作速度と称する)がほぼ決
まっているため、各運転者に対しては上記推定は一層妥
当である。また、ブレーキ操作速度が大きく変化する場
合には、例えば、ブレーキ操作速度を複数段階に分け、
各段階内では、マスタシリンダの出力の変化率が大きい
場合に、変化率が小さい場合よりバキュームブースタの
負圧が大きいと推定されるようにすればよい。第2負圧
推定部は以下の事実に基づいてブースタ負圧を推定す
る。同じ速度でブレーキ操作が行われた場合に、ブース
タ負圧が小さい場合には大きい場合に比較してブレーキ
操作部材の操作力(ブレーキ操作力と称する)の増加勾
配が大きくなる。これは、ブースタ負圧が小さい場合に
はブースタの助勢遅れが大きいためであると考えられ
る。上述のブレーキ操作速度に関する説明はそのまま第
2負圧推定部にも当てはまる。バキュームブースタの負
圧は、ブレーキ操作部材が操作され、マスタシリンダの
出力の変化率あるいはブレーキ操作部材の操作力の変化
率が得られる際の負圧が推定されるのであるが、推定時
のブースタ負圧が大きければ、バキュームブースタの作
動開始時においてもブースタ負圧は大きく、作動開始時
の負圧の推定も可能である。 (2)前記第1負圧推定部が、前記バキュームブースタ
の負圧の推定に、前記マスタシリンダの出力自体を加味
する出力加味部を含む (1)項に記載のブレーキ液圧源装
置(請求項2)。マスタシリンダ出力の変化率に基づい
てブースタ負圧を推定するに当たって、マスタシリンダ
出力自体をも加味すれば、推定精度を向上させるとがで
きる。 (3)前記第1負圧推定部が、前記バキュームブースタ
の負圧の推定に、前記ブレーキ操作部材の操作力を加味
する操作力加味部を含む (1)項または (2)項に記載のブ
レーキ液圧源装置(請求項3)。マスタシリンダ出力の
変化率に基づいてブースタ負圧を推定するに当たって、
ブレーキ操作力をも加味すれば推定精度を向上させるこ
とができる。マスタシリンダ出力とブレーキ操作力とを
共に加味すれば一層向上させることができる。 (4)前記出力加味部および前記操作力加味部が、前記
ブレーキ操作部材の操作力と前記マスタシリンダの出力
との関係を加味する入出力関係加味部を構成する(3)項
に記載のブレーキ液圧源装置。 (5)前記入出力関係加味部が、前記操作力が予め定め
られた設定操作力未満である期間中におけるマスタシリ
ンダの出力の変化率を前記出力の変化率とする部分を含
む (4)項に記載のブレーキ液圧源装置(請求項4)。ブ
レーキ操作力が比較的小さい期間におけるマスタシリン
ダ出力の変化率とブースタ負圧との間には所定の関係が
あるため、ブレーキ操作力が設定操作力未満である期間
中におけるマスタシリンダ出力の変化率に基づいてブー
スタ負圧を推定することができる。 (6)前記入出力関係加味部が、前記操作力が予め定め
られた設定操作力以上である期間中におけるマスタシリ
ンダ出力の変化率を前記出力の変化率とする部分を含む
(4)項または (5)項に記載のブレーキ液圧源装置(請求
項5)。ブレーキ操作力が比較的大きい期間におけるマ
スタシリンダ出力の変化率とブースタ負圧との間には、
上記 (5)項の場合とは異なる所定の関係があるため、ブ
レーキ操作力が設定操作力以上である期間中におけるマ
スタシリンダ出力の変化率に基づいてブースタ負圧を推
定することができる。本項における設定操作力は、 (5)
項における設定操作力より大きくされることが望まし
い。ブレーキ操作力が中間的な大きさである期間におけ
るマスタシリンダ出力の変化率とブースタ負圧との間の
関係が一律ではないからである。本項の特徴が (5)項の
特徴と共に採用される場合には、例えば、それぞれにお
いて推定された負圧の平均値が負圧の推定値とされるよ
うにしたり、また、推定結果の利用目的に応じていずれ
か一方の推定値が選択的に利用されるようにしたりする
ことができる。 (7)前記第1負圧推定部が、前記ブレーキ操作部材の
操作力が設定操作力以上である状態と設定操作力未満で
ある状態とで出力信号が変化する操作力スイッチと、そ
の操作力スイッチの出力信号の変化時点以後における前
記マスタシリンダの出力の変化率の最大値が大きいほど
前記バキュームブースタの負圧を大きい値に推定する特
定時点変化率依拠推定部とを含む (1)項に記載のブレー
キ液圧源装置(請求項6)。本項の第1負圧推定部によ
れば、実施形態の項で詳述するように、ブースタ負圧を
特に良好に推定することができる。本項は (4)項あるい
は (6)項の一具体例であると言い得る。操作力スイッチ
の代わりに操作力センサを設け、特定時点変化率依拠推
定部を、操作力センサの検出値が設定操作力に達した時
点以降におけるマスタシリンダの出力の変化率の最大値
が大きいほどバキュームブースタの負圧を大きい値に推
定するものとすることも可能であり、その場合には、上
記 (6)項の態様の一例となる。 (8)前記第2負圧推定部が、前記バキュームブースタ
の負圧の推定に、前記ブレーキ操作部材の操作力自体を
加味するブレーキ操作力加味部を含む (1)項ないし (7)
項のいずれか1つに記載のブレーキ液圧源装置(請求項
7)。ブレーキ操作力の変化率に基づいてブースタ負圧
を推定するに当たって、ブレーキ操作力自体をも加味す
れば、推定精度を向上させることができる。 (9)前記ブレーキ操作力加味部が、前記マスタシリン
ダ出力が予め定められた設定出力未満である期間中にお
けるブレーキ操作部材の操作力の変化率を前記操作力の
変化率とする部分を含む (8)項に記載のブレーキ液圧源
装置。マスタシリンダ出力が比較的小さい期間における
ブレーキ操作力の変化率とブースタ負圧との間には所定
の関係があるため、マスタシリンダ出力が設定出力未満
である期間中におけるブレーキ操作力の変化率に基づい
てブースタ負圧を推定することができる。 (10)前記ブレーキ操作力加味部が、前記マスタシリ
ンダ出力が予め定められた設定出力以上である期間中に
おける変化率を前記操作力の変化率とする部分を含む
(8)項に記載のブレーキ液圧源装置。マスタシリンダ出
力が比較的大きい期間におけるブレーキ操作力の変化率
とブースタ負圧との間には所定の関係があるため、マス
タシリンダ出力が設定出力以上である期間中におけるブ
レーキ操作力の変化率に基づいてブースタ負圧を推定す
ることができる。本項における設定出力は、 (9)項にお
ける設定出力より大きくされることが望ましい。 (11)前記第2負圧推定部が、設定マスタシリンダ圧
到達時におけるブレーキ操作力と、その後のブレーキ操
作力の増加勾配の最大値である最大操作力勾配とに基づ
いてブースタ負圧を推定する (8)項に記載のブレーキ液
圧源装置。 (12)前記第2負圧推定部が、前記マスタシリンダ圧
が設定液圧以上である状態と設定液圧未満である状態と
で出力信号が変化するマスタシリンダ圧スイッチと、そ
のマスタシリンダ圧スイッチの出力信号の変化時点以降
における前記操作力の変化率の最大値が大きいほど前記
バキュームブースタの負圧を小さい値に推定する特定時
点変化率依拠推定部とを含む (1)項または (7)項に記載
のブレーキ液圧源装置(請求項8)。本項の第2負圧推
定部によれば、実施形態の項で詳述するように、ブース
タ負圧を特に良好に推定することができる。本項は (8)
項あるいは(10)項の一具体例であると言い得る。マスタ
シリンダ圧スイッチの代わりにマスタシリンダ圧センサ
を設け、特定時点変化率依拠推定部を、マスタシリンダ
圧センサの検出値が設定液圧に達した時点以降における
ブレーキ操作部材の操作力の変化率の最大値が大きいほ
どバキュームブースタの負圧を小さい値に推定するもの
とすることも可能であり、その場合には、上記(10)項の
態様の一例となる。 (13)ブレーキ操作部材の操作力が、負圧により作動
するバキュームブースタによって倍力され、その倍力さ
れた力でマスタシリンダが駆動されるブレーキ液圧源装
置において、前記マスタシリンダの液圧であるマスタシ
リンダ圧の変化率と、前記ブレーキ操作部材の操作力が
設定操作力まで増加した時点におけるマスタシリンダ圧
とに基づいて前記バキュームブースタの負圧を推定する
第1負圧推定部と、前記ブレーキ操作部材の操作力であ
るブレーキ操作力の変化率と、前記マスタシリンダ圧が
設定マスタシリンダ圧まで増加した時点における前記ブ
レーキ操作力とに基づいて前記バキュームブースタの負
圧を推定する第2負圧推定部との少なくとも一方を備え
た負圧推定装置を設けたブレーキ液圧源装置(請求項
9)。後に実施形態の項において詳細に説明するよう
に、マスタシリンダ圧の変化率とブレーキ操作力が設定
操作力まで増加した時点におけるマスタシリンダ圧との
間、あるいはブレーキ操作力の変化率とマスタシリンダ
圧が設定マスタシリンダ圧まで増加した時点におけるブ
レーキ操作力との間には、それぞれ一定の関係がある。
したがって、これら両関係の各々に基づいてブースタ負
圧を推定する第1負圧推定部と第2負圧推定部との少な
くとも一方を有する負圧推定装置を設ければ、ブースタ
負圧を良好に推定することができる。 (14)ブレーキ操作部材の操作力が、負圧により作動
するバキュームブースタによって倍力され、その倍力さ
れた力でマスタシリンダが駆動されるブレーキ液圧源装
置において、前記ブレーキ操作部材の操作力の増加勾配
に基づいて前記バキュームブースタが助勢限界に達した
ことを検出する助勢限界検出装置を設けたブレーキ液圧
源装置(請求項10)。バキュームブースタの助勢限界
到達前と後とではブレーキ操作力の増加勾配が異なるた
め、ブレーキ操作部材の操作力の増加勾配に基づいてバ
キュームブースタの助勢限界到達を検出することができ
る。 (15)前記助勢限界検出装置が、前記操作力の増加勾
配の急変時を助勢限界時として検出する(14)項に記載の
ブレーキ液圧源装置。バキュームブースタの助勢限界到
達時には、ブレーキ操作力の増加勾配が急変するため、
その事実に基づいて助勢限界到達を検出することができ
る。上記増加勾配の急変時は、例えば、その時点の前と
後とで増加勾配が設定量以上変化する時点として検出す
ることができ、設定量は相前後する増加勾配の差で設定
することも、比で設定することも可能である。 (16)前記助勢限界検出装置が、前記操作力の増加勾
配である操作力勾配をブレーキ操作力で割った無次元化
操作力勾配の急変時を助勢限界時として検出する(14)項
に記載のブレーキ液圧源装置(請求項11)。上記無次
元化操作力勾配の急変は、例えば、相前後する無次元化
操作力勾配の差や比を、設定無次元化操作力勾配差や設
定無次元化操作力勾配比と比較することによって検出す
ることができる。ブレーキ操作力の増加勾配はブレーキ
操作速度やブースタ負圧により変わるため、助勢限界到
達前後における増加勾配の差や比もブースタ負圧に応じ
て変わる。そのため、(15)項に関連して説明した設定増
加勾配差や設定増加勾配比を適切に設定することが難し
く、その分だけ助勢限界到達の検出精度が低くなること
を否めない。それに対し、無次元化操作力勾配はブレー
キ操作速度やブースタ負圧の影響が小さいため、適切な
設定無次元化勾配差や設定無次元化勾配比を設定するこ
とが容易であり、その分だけ助勢限界到達を正確に検出
することが可能となる。 (17)ブレーキ操作部材の操作力が、負圧により作動
するバキュームブースタによって倍力され、その倍力さ
れた力でマスタシリンダが駆動されるブレーキ液圧源装
置において、前記ブレーキ操作部材の操作速度と前記マ
スタシリンダの出力変化速度との関係に基づいて前記バ
キュームブースタの負圧を推定する速度依拠負圧推定部
を設けたブレーキ液圧源装置(請求項12)。マスタシ
リンダを駆動する力とマスタシリンダの出力とはほぼ対
応するが、ブレーキ操作部材の操作速度とマスタシリン
ダの出力変化速度とは対応するとは限らない。バキュー
ムブースタには無視できない作動遅れがあり、その作動
遅れは、ブースタ負圧が小さいほど大きく、ブレーキ操
作部材の操作速度が大きいほど大きい。ブレーキ操作部
材の操作速度とマスタシリンダの出力変化速度とバキュ
ームブースタの負圧との間には一定の関係があるのであ
り、したがって、ブレーキ操作部材の操作速度とマスタ
シリンダの出力変化速度とに基づいてバキュームブース
タの負圧を推定することができる。 (18)前記速度依拠負圧推定部が、第1基準時点にお
ける前記操作速度の同じ値に対する第2基準時点におけ
る前記出力変化速度が大きい場合に小さい場合に比較し
て前記負圧が大きいと推定する基準時点速度依拠負圧推
定部を含む(17)項に記載のブレーキ液圧源装置。バキュ
ームブースタの負圧が大きいほど、バキュームブースタ
の作動遅れが小さく、ブレーキ操作部材の操作力の増大
に対してマスタシリンダ圧は遅れ小さく増大し、操作速
度が同じであれば、出力変化速度は、バキュームブース
タの負圧が大きい場合に、小さい場合より大きくなる。
現実には、例えば、予め定められた第1基準時点におけ
る操作速度と、予め定められた第2基準時点における出
力変化速度と、バキュームブースタの負圧との関係が、
予めテーブルあるいは式によって表され、検出された操
作速度および出力変化速度とテーブルあるいは式とを用
いてバキュームブースタの負圧が推定される。これらテ
ーブルあるいは式は、同じ操作速度に対して、負圧が大
きいほど、出力変化速度が大きくなるように作成され
る。あるいは、第2基準時点における出力変化速度を第
1基準時点における操作速度で割ることにより、操作速
度の大きさの影響を除いた無次元化出力勾配とでも称す
べきものを求め、その値が大きいほどバキュームブース
タの負圧が大きいと推定されるようにすることもでき
る。 (19)前記基準時点速度依拠負圧推定部が、前記第1
基準時点における前記操作速度の同じ値に対する前記第
2基準時点における前記出力変化速度が大きい場合に小
さい場合に比較して、前記負圧を大きい値に推定する基
準時点速度依拠負圧値推定部を含む(18)項に記載のブレ
ーキ液圧源装置(請求項13)。本態様によれば、負圧
が値で推定される。 (20)前記第1基準時点と第2基準時点とが時間的に
同じ時点である(17)項ないし(19)項のいずれか1つに記
載のブレーキ液圧源装置。 (21)前記第1基準時点および前記第2基準時点が、
前記ブレーキ操作部材の操作量が予め定められた基準操
作量に達した時点である(20)項に記載のブレーキ液圧源
装置。 (22)前記第1基準時点および前記第2基準時点が、
前記マスタシリンダの出力が予め定められた基準出力値
に達した時点である(20)項に記載のブレーキ液圧源装
置。 (23)前記第1基準時点および前記第2基準時点が、
前記ブレーキ操作部材の操作開始後予め定められた基準
時間が経過した時点である(20)項に記載のブレーキ液圧
源装置。 (24)前記第1基準時点と第2基準時点とが時間的に
互いに異なる時点である(17)項ないし(19)項のいずれか
1つに記載のブレーキ液圧源装置。本項においては、第
1基準時点と第2基準時点とが時間的に互いに異なる時
点とされ、時を異にして取得される操作速度と出力変化
速度とに基づいてブースタ負圧が推定される。(18)項に
ついて説明したブースタ負圧を推定するためのテーブル
あるいは式は、第1,第2基準時点の設定に応じてブー
スタ負圧が推定されるように構成される。同じ操作速度
と同じ出力変化速度との組合わせであっても、第1,第
2基準時点の設定に応じてブースタ負圧は異なる大きさ
に推定されるのである。操作速度および出力変化速度に
基づいて無次元化出力勾配を求めてブースタ負圧を推定
する場合も同じであり、無次元化出力勾配の値が同じで
あっても、第1,第2基準時点の設定に応じてブースタ
負圧は異なる大きさに推定される。 (25)前記第1基準時点が、前記ブレーキ操作部材の
操作量、前記マスタシリンダの出力、および前記ブレー
キ操作部材の操作開始後の経過時間のうちの1つが予め
定められた設定値に達した時点である(24)項に記載のブ
レーキ液圧源装置。 (26)前記第2基準時点が、前記操作量,前記出力お
よび前記経過時間のうちの前記1つが、第1設定値とし
ての前記設定値とは異なる第2設定値に達した時点であ
る(25)項に記載のブレーキ液圧源装置。 (27)前記第2基準時点が、前記操作量,前記出力お
よび前記経過時間のうちの前記1つとは別の1つが、第
1設定値としての前記設定値とは異なる第2設定値に達
した時点である(25)項に記載のブレーキ液圧源装置。 (28)ブレーキ操作部材の操作力が、負圧により作動
するバキュームブースタによって倍力され、その倍力さ
れた力でマスタシリンダが駆動されるブレーキ液圧源装
置において、前記ブレーキ操作部材の操作速度と、前記
マスタシリンダの出力の前記ブレーキ操作部材の操作に
対する遅れ量との関係に基づいて前記バキュームブース
タの負圧を推定する遅れ量依拠負圧推定部を設けたブレ
ーキ液圧源装置(請求項14)。ブレーキ操作部材の操
作に対するマスタシリンダ圧の出力の遅れは、バキュー
ムブースタの負圧が小さいほど大きくなるとともに、ブ
レーキ操作部材の操作速度が大きいほど大きくなる。上
記マスタシリンダの出力の遅れ量とブレーキ操作部材の
操作速度とバキュームブースタの負圧との間には一定の
関係があるのであり、ブレーキ操作部材の操作速度とマ
スタシリンダの出力の遅れ量とに基づいてバキュームブ
ースタの負圧を推定することができる。 (29)前記遅れ量が、前記ブレーキ操作部材の操作量
が予め定められた設定操作量に達した時点に、遅れがな
い理想状態においてその操作量に対応する前記マスタシ
リンダの出力値と、実際の出力値との差である(28)項に
記載のブレーキ液圧源装置。遅れ量は、本項の態様の
他、例えば、(30)項に記載のように、時間により得ら
れ、あるいはブレーキ操作部材の操作ストロークにより
得られる。 (30)前記遅れ量が、遅れがない理想状態において基
準出力値に対応する基準操作量に、前記ブレーキ操作部
材の操作量が達した第1時点と、実際の出力値が前記基
準出力値に達した第2時点との間の経過時間である(28)
項に記載のブレーキ液圧源装置。 (31)ブレーキ操作部材の操作力が、負圧により作動
するバキュームブースタによって倍力され、その倍力さ
れた力でマスタシリンダが駆動されるブレーキ液圧源装
置と、そのブレーキ液圧源装置の液圧により作動するブ
レーキシリンダと、前記バキュームブースタが助勢限界
に達した後に、前記ブレーキシリンダの液圧を前記ブレ
ーキ操作部材の操作力の増加勾配に対応する増加勾配よ
り大きい勾配で増加させる電気制御助勢装置と、前記バ
キュームブースタの作動開始時の負圧と、前記ブレーキ
操作部材の操作力の変化率とに基づいて、前記電気制御
助勢装置の作動開始時期を決定する電気制御助勢開始時
期決定装置とを含む液圧ブレーキシステム(請求項1
5)。バキュームブースタ作動開始時のブースタ負圧が
判っている場合には、そのブースタ負圧とブレーキ操作
力の変化率とに基づいて、バキュームブースタの助勢限
界に対応するブレーキ操作力を推定することができ、電
気制御助勢装置の作動開始時期を適切に決定することが
できる。なお、上記「ブレーキシリンダの液圧をブレー
キ操作部材の操作力の増加勾配に対応する増加勾配より
大きい勾配で増加させる」ための装置として、後に実施
形態の項において詳述するように、バキュームブースタ
とマスタシリンダとの間に配設され、バキュームブース
タと並列に加圧ピストンを駆動する電気制御液圧ブース
タと称すべきものがあり、この装置は正に電気制御助勢
装置と称し得る。それに対し、同じく実施形態の項にお
いて後述するように、マスタシリンダから供給される作
動液をポンプにより加圧してブレーキシリンダに供給す
る形式の装置もあり、この装置は作動原理からすれば電
気制御助勢装置とは称しにくい。しかし、「ブレーキシ
リンダの液圧をブレーキ操作部材の操作力の増加勾配に
対応する増加勾配より大きい勾配で増加させる」という
機能の面から観れば、この装置も電気制御助勢装置と称
し得る。 (32)ブレーキ操作部材の操作力が、負圧により作動
するバキュームブースタによって倍力され、その倍力さ
れた力でマスタシリンダが駆動されるブレーキ液圧源装
置と、そのブレーキ液圧源装置の液圧により作動するブ
レーキシリンダと、前記バキュームブースタが助勢限界
に達した後に、前記ブレーキシリンダの液圧を前記ブレ
ーキ操作部材の操作力の増加勾配に対応する増圧勾配よ
り大きい勾配で増加させる電気制御助勢装置と、前記バ
キュームブースタの作動開始時の負圧と、前記ブレーキ
操作部材の操作力の変化率とに基づいて、前記電気制御
助勢装置の、前記ブレーキ操作部材の操作力の増加に対
する前記ブレーキシリンダの液圧の増加勾配である電気
制御助勢サーボ比を決定するサーボ比決定装置とを含む
液圧ブレーキシステム(請求項16)。バキュームブー
スタ作動開始時のブースタ負圧が判っている場合には、
そのブースタ負圧とブレーキ操作力の変化率とに基づい
て、バキュームブースタが助勢限界に達した後における
電気制御助勢装置の所要助勢サーボ比を適切に決定する
ことができる。 (33)前記バキュームブースタの負圧と、前記ブレー
キ操作部材の操作力の変化率とに基づいて、前記電気制
御助勢装置の作動開始時期を決定する電気制御助勢開始
時期決定装置を含む(32)項に記載の液圧ブレーキシステ
ム(請求項17)。本項の態様によれば、(32)項の態様
による効果と(31)項の態様による効果との両方を享受す
ることができる。 (34)ブレーキ操作部材の操作力が、負圧により作動
するバキュームブースタによって倍力され、その倍力さ
れた力でマスタシリンダが駆動されるブレーキ液圧源装
置と、そのブレーキ液圧源装置の液圧により作動するブ
レーキシリンダと、前記ブレーキ操作部材の操作力が予
め定められた設定操作力以上で、かつ、車両の減速度が
予め定められた設定減速度未満である場合に、前記ブレ
ーキシリンダの液圧を、前記ブレーキ液圧源装置の液圧
による場合に比較して高くする電気制御助勢装置とを含
む液圧ブレーキシステム(請求項18)。ブレーキ操作
力が設定操作力以上であるにもかかわらず、車両の減速
度が設定減速度未満である場合には、何らかの事情で、
ブレーキシリンダの液圧不足、ブレーキ摩擦材とブレー
キ回転体との摩擦係数不足等が発生したと推測される。
その場合には、電気制御助勢装置の助勢力を増すことに
より、それらの不足を補うことができ、電気制御助勢装
置の利用価値を高めることができる。 (35)前記設定減速度が、理論上期待し得る最大の減
速度である最大減速度であり、前記設定操作力が、当該
液圧ブレーキシステムが標準状態において前記最大減速
度を発生させるために必要な最大操作力であって、前記
電気制御助勢装置が、前記ブレーキシリンダの液圧を前
記最大減速度が発生するまで増加させるものである(34)
項に記載の液圧ブレーキシステム。乾燥したアスファル
ト路面上においては最大約1Gの減速度を発生させるこ
とができ、この1Gが理論上車両に発生させることがで
きる最大の減速度である。したがって、ブレーキシリン
ダの液圧を減速度1Gに相当する最大所要液圧より高く
することは無駄であり、この最大減速度を発生させるた
めに必要な最大マスタシリンダ圧および最大ブレーキ操
作力は液圧ブレーキシステムごとに決まっている。ただ
し、これは各液圧ブレーキシステム全体が標準状態にあ
る場合のことであって、実際には、ブースタ負圧,ブレ
ーキ摩擦材の摩擦係数の不足等により、液圧ブレーキシ
ステム全体が標準状態にあるとは限らず、最大ブレーキ
操作力が加えられたからといって最大減速度が得られる
とは限らない。それに対し、電気制御助勢装置を、最大
ブレーキ操作力が加えられた場合には、最大減速度が得
られる高さまでマスタシリンダ圧を増加させるものとす
れば、液圧ブレーキシステムは状態のいかんを問わず最
大減速度を生じさせるに足るものとなり、完全である。
なお、路面の摩擦係数が低い場合には、アンチロック制
御装置によりマスタシリンダ圧が路面の摩擦係数に見合
った大きさに制御されるようにすればよい。 (36)ブレーキ操作部材の操作力が、負圧により作動
するバキュームブースタによって倍力され、その倍力さ
れた力でマスタシリンダが駆動されるブレーキ液圧源装
置と、そのブレーキ液圧源装置の液圧により作動するブ
レーキシリンダと、前記バキュームブースタが助勢限界
に達した後に、前記ブレーキシリンダの液圧を前記ブレ
ーキ操作部材の操作力の増加勾配に対応する増加勾配よ
り大きい勾配で増加させる電気制御助勢装置と、その電
気制御助勢装置の作動中に前記ブレーキ操作部材の操作
力に対して減速度が不足している場合に、電気制御助勢
装置の助勢特性を高める助勢機能増大装置とを含む液圧
ブレーキシステム。電気制御助勢装置は、バキュームブ
ースタが助勢限界に達した後にバキュームブースタに変
わって助勢機能を果たすたものであるが、本項において
はさらに、ブレーキ操作力に対して車両の減速度が不足
している場合には、助勢機能増大装置により電気制御助
勢装置の助勢特性が高められ、減速度の不足が補われ
る。 (37)ブレーキ操作部材の操作力が、負圧により作動
するバキュームブースタによって倍力され、その倍力さ
れた力でマスタシリンダが駆動されるブレーキ液圧源装
置と、そのブレーキ液圧源装置の液圧により作動するブ
レーキシリンダと、前記ブレーキ操作部材の操作速度と
前記マスタシリンダの出力変化速度との関係に基づいて
前記バキュームブースタの負圧を推定する速度依拠負圧
推定部と、前記バキュームブースタが助勢限界に達した
後に、前記ブレーキシリンダの液圧を前記ブレーキ操作
部材の操作力の増加勾配に対応する増加勾配より大きい
勾配で増加させる電気制御助勢装置と、前記速度依拠負
圧推定部により推定されるバキュームブースタの負圧
と、前記ブレーキ操作部材の操作力の変化率とに基づい
て、前記電気制御助勢装置の作動開始時期を決定する電
気制御助勢開始時期決定装置と、速度依拠負圧推定部に
より推定されるバキュームブースタの負圧と、ブレーキ
操作部材の操作力の変化率とに基づいて、電気制御助勢
装置の、ブレーキ操作部材の操作力の増加に対する前記
ブレーキシリンダの液圧の増加勾配である電気制御助勢
サーボ比を決定するサーボ比決定装置との少なくとも一
方とを含む液圧ブレーキシステム。 (38)ブレーキ操作部材の操作力が、負圧により作動
するバキュームブースタによって倍力され、その倍力さ
れた力でマスタシリンダが駆動されるブレーキ液圧源装
置と、そのブレーキ液圧源装置の液圧により作動するブ
レーキシリンダと、前記ブレーキ操作部材の操作速度
と、前記マスタシリンダの出力の前記ブレーキ操作部材
の操作に対する遅れ量との関係に基づいて前記バキュー
ムブースタの負圧を推定する遅れ量依拠負圧推定部と、
前記バキュームブースタが助勢限界に達した後に、前記
ブレーキシリンダの液圧を前記ブレーキ操作部材の操作
力の増加勾配に対応する増加勾配より大きい勾配で増加
させる電気制御助勢装置と、前記遅れ量依拠負圧推定部
により推定されるバキュームブースタの負圧と、前記ブ
レーキ操作部材の操作力の変化率とに基づいて、前記電
気制御助勢装置の作動開始時期を決定する電気制御助勢
開始時期決定装置と、遅れ量依拠負圧推定部により推定
されるバキュームブースタの負圧と、ブレーキ操作部材
の操作力の変化率とに基づいて、電気制御助勢装置の、
ブレーキ操作部材の操作力の増加に対するブレーキシリ
ンダの液圧の増加勾配である電気制御助勢サーボ比を決
定するサーボ比決定装置との少なくとも一方とを含む液
圧ブレーキシステム。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて詳細に説明する。図1に示す液圧ブレーキシス
テムは、左,右の前輪10,12と左,右の後輪14,
16とを備えた四輪自動車に搭載されている。この液圧
ブレーキシステムにおいて、ブレーキペダルの踏込みに
基づいてマスタシリンダの加圧室に液圧を発生させ、ブ
レーキペダルの踏力をマスタシリンダとは別に発生させ
た液圧によって助勢する構成、ならびにアンチロック制
御を行うための構成は、未だ公開されていないが、本出
願人の出願に係る特願平11−123604号の明細書
に記載の液圧ブレーキシステムと同じであり、簡単に説
明する。
【0008】本液圧ブレーキシステムは、ブレーキ操作
部材としてブレーキペダル18を備えており、そのブレ
ーキペダル18はバキュームブースタ20(以下、ブー
スタ20と略称する)を介してタンデム型のマスタシリ
ンダ22に連結されている。ブースタ20は、図2に示
すように、中空のハウジング30を備えている。ハウジ
ング30内の空間は、パワーピストン32によりマスタ
シリンダ22の側の低圧室34とブレーキペダル18の
側の変圧室36とに仕切られている。低圧室34は、負
圧源としてのエンジンの吸気側であって、本実施形態で
は、インテークマニホルド(図示省略)であって、スロ
ットルバルブと複数のインテークバルブ側へエアを供給
するために分岐させられた部分との間の部分に接続され
ている。本実施形態においては、低圧室34の負圧がブ
ースタ負圧である。
【0009】パワーピストン32は、マスタシリンダ2
2の側において、ゴム製のリアクションディスク38を
介してブースタピストンロッド40と連携させられてい
る。ブースタピストンロッド40は、後述するように、
パワーピストン32の作動力をマスタシリンダ22の第
1加圧ピストンに伝達する。
【0010】低圧室34と変圧室36との間に切換弁4
2が設けられている。切換弁42は、オペレーティング
ロッド44とパワーピストン32との相対移動に基づい
て作動するものであり、コントロールバルブ46,エア
バルブ48,バキュームバルブ50およびコントロール
バルブスプリング52を備えている。エアバルブ48
は、コントロールバルブ46と共同して変圧室36の大
気に対する連通・遮断を制御するものであり、オペレー
ティングロッド44と連携させられている。エアバルブ
48は、オペレーティングロッド44により前記リアク
ションディスク38に押しつけられる入力ピストン54
と一体に形成されているのである。オペレーティングロ
ッド44のエアバルブ48側とは反対側の端部は、図1
に示すように、前記ブレーキペダル18に回動可能に連
結されている。コントロールバルブ46はコントロール
バルブスプリング52により、オペレーティングロッド
44に対してエアバルブ48に着座する向きに付勢され
ている。バキュームバルブ50は、コントロールバルブ
46と共同して変圧室36の低圧室34に対する連通・
遮断を制御するものであり、パワーピストン32と一体
的に移動可能に設けられている。
【0011】このように構成されたブースタ20におい
ては、非作動状態では、コントロールバルブ46が、エ
アバルブ48に着座する一方、バキュームバルブ50か
ら離間し、それにより、変圧室36が大気から遮断され
て低圧室34に連通させられる。したがって、この状態
では、低圧室34も変圧室36も共に等しい高さの負圧
(大気圧以下の圧力)となる。それに対して、作動状態
では、オペレーティングロッド44がパワーピストン3
2に対して相対的に前進し、コントロールバルブ46が
バキュームバルブ50に着座して変圧室36が低圧室3
4から遮断される。その後、オペレーティングロッド4
4がパワーピストン32に対してさらに前進させられれ
ば、エアバルブ48がコントロールバルブ46から離間
し、それにより、変圧室36が大気に連通させられる。
この状態では、変圧室36の負圧が減少して(大気圧に
接近して)低圧室34と変圧室36との間に差圧が発生
し、その差圧によってパワーピストン32が作動させら
れる。このパワーピストン32の作動力はブースタピス
トンロッド40を介してマスタシリンダ22の第1加圧
ピストンに伝達され、第1加圧ピストンからの反力がリ
アクションディスク38によりパワーピストン32と入
力ピストン54とに分配され、運転者は入力ピストン5
4に分配された反力をオペレーティングロッド44を介
して、マスタシリンダ22からの反力として知覚するこ
とができる。オペレーティングロッド44ないし入力ピ
ストン54がブースタ20の入力部材、ブースタピスト
ンロッド40が出力部材なのである。
【0012】図1に示すように、前記マスタシリンダ2
2のハウジング60は有底円筒状をなし、ハウジング6
0内には、それぞれ直径が異なる3つの円形穴62,6
4,66が直列にかつ同心に設けられ、最も直径が小さ
い円形穴64に第1加圧ピストン68および第2加圧ピ
ストン70が互いに直列に配列されている。これら加圧
ピストン68,70は円形穴64に摺動可能かつ液密に
嵌合され、それぞれの前方に第1,第2加圧室72,7
4が形成されている。第1,第2加圧ピストン68,7
0は有底円筒状をなし、それらの内部に配設された弾性
部材としての圧縮コイルスプリング76,78により、
図示の後退端位置に向かって付勢されている。
【0013】ハウジング60の開口部には、閉塞部材8
0が液密に取り付けられ、スナップリング等の固定部材
によりハウジング60に着脱可能に固定されてハウジン
グ60の開口を閉塞している。閉塞部材80は、第1加
圧ピストン68と当接することにより、第1加圧ピスト
ン68の後退限度を規定する。また、第2加圧ピストン
70の後退限度は、第1加圧ピストン68の後退限度の
規定と、図示しない部材によるスプリング76の初期長
さおよび初期荷重の規定との共同により規定されてい
る。
【0014】第1加圧ピストン68の後端面から後方へ
中空円筒状のピストンロッド82が延び出させられてお
り、閉塞部材80を実質的に液密かつ摺動可能に貫通し
てブースタ20側に臨まされている。前記ブースタ20
のブースタピストンロッド40の先端部は、ピストンロ
ッド82の内部に軸方向に相対移動可能に嵌合されてお
り、ブースタピストンロッド40からピストンロッド8
2にパワーピストン32の作動力が伝達され、その作動
力に基づいて第1,第2加圧室72,74にそれぞれ互
いに等しい高さの液圧が発生させられる。
【0015】閉塞部材80がハウジング60に嵌合され
ることにより、その閉塞部材80と第1加圧ピストン6
8との間に補助加圧室90が形成されている。この補助
加圧室90に圧力が発生させられると、第1加圧ピスト
ン68が前進する向きに押され、それにより、第1加圧
室72に圧力が発生させられる。第1加圧室72に圧力
が発生させられると、第2加圧ピストン70が前進する
向きに押され、それにより第2加圧室74にも圧力が発
生させられる。
【0016】第1,第2加圧室72,74は、第1,第
2加圧ピストン68,70が後退端位置にある状態にお
いて、ハウジング60に設けられた2個のリザーバ用ポ
ート92および第1,第2加圧ピストン68,70にそ
れぞれ設けられた連通路94により、リザーバ96に連
通させられる。第1,第2加圧ピストン68,70が、
後退端位置から小距離前進すれば、2個のリザーバ用ポ
ート92が遮断され、それにより第1,第2加圧室7
2,74が第1,第2加圧ピストン68,70の前進に
より昇圧可能となる。
【0017】第1加圧室72は、ハウジング60に設け
られたホイールシリンダ用ポート98および主通路10
0により、左,右前輪10,12の各回転をそれぞれ抑
制する2個のブレーキ102,104を作動させるブレ
ーキシリンダたるフロントホイールシリンダ106,1
08に接続されている。主通路100は、基幹通路11
0および2本の分岐通路112を有し、各分岐通路11
2の先端にそれぞれフロントホイールシリンダ106,
108が接続されている。
【0018】また、第2加圧室74は、ハウジング60
に設けられたホイールシリンダ用ポート114および主
通路116により、左,右後輪14,16の各回転をそ
れぞれ抑制する2個のブレーキ118,120を作動さ
せるブレーキシリンダたるリヤホイールシリンダ12
2,124に接続されている。主通路116は、基幹通
路126および2本の分岐通路128を有し、各分岐通
路128の先端にそれぞれリヤホイールシリンダ12
2,124が接続されている。本実施形態の液圧ブレー
キシステムは前後2系統式であるのである。
【0019】本実施形態の液圧ブレーキシステムには、
アンチロック制御を行うべく、ホイールシリンダ10
6,108,122,124の各々について電磁弁装置
130が設けられている。電磁弁装置130はそれぞ
れ、常開の電磁開閉弁である増圧弁132および常閉の
電磁開閉弁である減圧弁134を有し、これら増圧弁1
32,減圧弁134の開閉の組合わせにより、ホイール
シリンダ圧106,108,122,124の液圧であ
るホイールシリンダ圧が増大,減少,保持される。ホイ
ールシリンダ106,108,122,124から減圧
弁134を経てリザーバ136に排出された作動液は、
ポンプモータ138により駆動されるABS用ポンプ1
40により汲み上げられて主通路100,116に戻さ
れる。符号142はダンパ室、符号144はオリフィス
であり、それらによりABS用ポンプ140の脈動が軽
減される。アンチロック制御は、本発明とは直接関係が
ないため、更なる説明は省略する。
【0020】前記補助加圧室90は、ハウジング60に
設けられた増圧用ポート150によって常時増圧装置1
52に連通させられている。増圧装置152は、ポンプ
の一種であるギヤポンプにより構成された増圧用ポンプ
154と、その増圧用ポンプ154を駆動するポンプモ
ータ156と、圧力制御弁160とを含んでいる。増圧
用ポンプ154は、リザーバ96の作動液を汲み上げて
補助加圧室90に圧送する。増圧用ポンプ154の吐出
側には、作動液が増圧用ポンプ154側へ逆流すること
を防止する逆止弁162が設けられている。
【0021】増圧装置152には、さらに、増圧用ポン
プ154および圧力制御弁160をバイパスするバイパ
ス通路164が設けられ、バイパス通路164の途中に
は逆止弁166が設けられている。逆止弁166は、リ
ザーバ96から補助加圧室90に向かう作動液の流れは
常時許容する一方、その逆向きの流れは常時阻止する。
ブレーキペダル18が素早く踏み込まれたとき、リザー
バ96内の作動液が逆止弁166を経て補助加圧室90
に補給され、負圧の発生が防止される。
【0022】図3に圧力制御弁160を拡大して示す。
圧力制御弁160は、補助加圧室90の液圧を電磁的に
制御する。圧力制御弁160は、図示しないハウジング
と、補助加圧室90とリザーバ96との間における作動
液の流通状態を制御する弁子170およびそれが着座す
べき弁座172と、それら弁子170および弁座172
の相対移動を制御する磁気力を発生させるソレノイド1
74とを有している。
【0023】ソレノイド174が励磁されない非作用状
態(OFF状態)では、図3(a)に示すように、スプ
リング176の弾性力によって弁子170が弁座172
から離間させられ、それによって補助加圧室90とリザ
ーバ96との間における双方向の作動液の流れが許容さ
れる。その結果、ブレーキ操作が行われて第1加圧ピス
トン68が移動させられ、それに伴って補助加圧室90
の容積が変化すれば、それに伴い、補助加圧室90に対
する作動液の流入および流出が許容される。そのために
圧力制御弁160は常開弁とされている。
【0024】それに対し、ソレノイド174が励磁され
た作用状態(ON状態)では、図3(b)に示すよう
に、ソレノイド174の磁気力によりアーマチュア17
8が吸引され、弁子170が弁座172に着座させられ
る。補助加圧室90の液圧が小さい間は、圧力制御弁1
60は閉じているが、補助加圧室90の液圧が増大し、
ソレノイド174の磁気力に基づくソレノイド吸引力F
1 が、補助加圧室90の液圧に基づく力F2 とスプリン
グ176の弾性力F3 との和より小さくなれば、弁子1
70が弁座172から離間し、増圧用ポンプ154から
の作動液がリザーバ96に逃がされ、補助加圧室90の
液圧のそれ以上の増加が阻止される。スプリング176
の弾性力F3 を無視すれば、補助加圧室90にはソレノ
イド吸引力F1 に応じてリニアに増加する液圧が発生さ
せられることになる。
【0025】本液圧ブレーキシステムは、図4に示す電
子制御ユニット190(以下、ECU190と称する)
を備えている。ECU190はコンピュータ192を備
え、このコンピュータ192は、PU(プロセッシング
ユニット)194,ROM196,RAM198,I/
Oポート200を備えている。I/Oポート200に
は、踏力スイッチ202,マスタシリンダ圧センサ20
4および車輪速センサ206が接続されるとともに、前
記ポンプモータ138を始めとする各種アクチュエータ
が駆動回路208を介して接続されている。これら駆動
回路208とコンピュータ192とによりECU190
が構成されている。
【0026】踏力スイッチ202は、操作量の一種であ
る操作力たる踏力に応じて作動する操作力スイッチであ
る。踏力が設定踏力未満の状態と設定踏力以上の状態と
で出力信号が変化するように構成されているのであり、
ここでは設定踏力未満の状態でOFF信号、設定踏力以
上の状態でON信号を発するものとする。具体的には、
図1に示すように、ブレーキペダル18に固定のケーシ
ング212から作動子210が突出させられており、作
動レバー214により作動させられる。作動レバー21
4は、長手方向の一端部においてブレーキペダル18に
回動可能に取り付けられ、中間部に前記オペレーティン
グロッド44が回動可能に連結されている。したがっ
て、ブレーキペダル18が踏み込まれ、踏力が設定踏力
に達したとき、作動レバー214が作動子210を図示
しないスプリング等の付勢装置の付勢力に抗してケーシ
ング212内に押し込む。それにより、踏力スイッチ2
02の出力信号がOFFからONに変化する。
【0027】マスタシリンダ圧センサ204は、第1加
圧室72とホイールシリンダ106,108とを接続す
る主通路100の基幹通路110に設けられており、マ
スタシリンダ圧に応じたマスタシリンダ圧信号を出力す
る。車輪速センサ206は、左,右の各前輪10,12
および各後輪14,16の各々について設けられ、各輪
の車輪速に応じた車輪速信号を出力する。
【0028】コンピュータ192のROM196には、
助勢制御ルーチン,アンチロック制御ルーチン等が記憶
されており、それらルーチンがPU194によりRAM
198を使用しつつ実行されることによって、助勢制
御,アンチロック制御等が実行される。助勢制御は、ブ
ースタ20が助勢限界に達した後も、それ以前と変わり
ない比率(ブレーキペダル18の踏力に対する比率)で
マスタシリンダ圧およびホイールシリンダ圧が増加させ
られるように増圧装置152を制御するものであり、ブ
ースタ20が助勢限界に達した後、補助加圧室90に液
圧を発生させ、その液圧に基づく作動力により、ブース
タ20を介して伝達される踏力を倍力することにより実
現される。
【0029】この助勢制御を行うために、前記ROM1
96には図7に示す助勢制御ルーチンが記憶されてい
る。この助勢制御ルーチンにおいては、ブースタ20が
助勢限界に達するまでにステップ2(以下、S2で表
す。他のステップについても同様とする)のブースタ負
圧推定ルーチンの実行により、ブースタ負圧が推定さ
れ、その推定されたブースタ負圧に基づいて、助勢限界
時におけるマスタシリンダ圧である助勢限界時圧が、助
勢限界時圧決定ルーチンS4の実行により決定される。
その後、動的サーボ比決定ルーチンS6においてブース
タ20の動的サーボ比が決定され、補助加圧室圧制御ル
ーチンS8において、マスタシリンダ圧センサ204に
より検出される実マスタシリンダ圧が助勢限界時圧に達
した時点から、決定された動的サーボ比と増圧装置15
2による助勢サーボ比とが等しくなるように補助加圧室
90の増圧制御が行われる。
【0030】まず、ブースタ負圧推定ルーチンS2の内
容を詳細に説明する。ブースタ20の作動開始時におけ
るブースタ負圧と、踏力Fp が設定踏力に達した時点に
おけるマスタシリンダ出力と、設定踏力到達後における
マスタシリンダ出力の最大変化率との間には、所定の関
係があることが実験により判明した。そこで、本実施形
態においては、踏力スイッチ202の出力信号がOFF
からONに変化した時点(踏力Fp が設定踏力に達した
時点)にマスタシリンダ圧センサ204により検出され
たマスタシリンダ圧Pmcfon と、踏力Fp が設定踏力に
達した後におけるマスタシリンダ出力の変化率の最大値
としての最大マスタシリンダ圧勾配DPmcmax と、作動
開始時ブースタ負圧との関係が予め調べられ、図5のグ
ラフで表される関係が取得されて、テーブルとしてRO
M196に記憶されている。
【0031】マスタシリンダ圧Pmcfon と最大マスタシ
リンダ圧勾配DPmcmax と作動開始時ブースタ負圧との
間に図5の関係が成立する理由は、図6に基づいて次の
ように推測される。ブレーキペダル18が小さい速度で
踏み込まれる場合には、踏力とマスタシリンダ圧との間
には図6に実線と破線とで表される関係が成立する。実
線が作動開始時ブースタ負圧が大きい場合であり、破線
が作動開始時ブースタ負圧が小さい場合である。それに
対し、ブレーキペダル18が大きい速度で踏み込まれる
場合には、踏力とマスタシリンダ圧との間の関係は、そ
れぞれ図6において細線および二点鎖線で表されるもの
に変化する。この図から明らかなように、作動開始時ブ
ースタ負圧が大きいほど踏力スイッチON時のマスタシ
リンダ圧Pmcfon が大きく、同じ作動開始時ブースタ負
圧に対しては、踏力スイッチON時のマスタシリンダ圧
Pmcfon が小さいほど踏力スイッチON後における最大
マスタシリンダ圧勾配DPmcmax が大きくなる。前者は
自明のことであるが、後者は、同じ作動開始時ブースタ
負圧(例えば500mmHg)に対して、踏込速度が大きい
ほどブースタ20の作動遅れが大きくなり、踏力スイッ
チON時のマスタシリンダ圧Pmcfon が小さくなるとと
もに、後にブースタ20の作動遅れが急激に回復して最
大マスタシリンダ圧勾配DPmcmax が大きくなるためで
あると推測される。この推測が妥当であるか否かは現時
点では不明であるが、図5の関係が成立することは実験
により確かめられているので、本実施形態においては、
図5のグラフで表されるテーブルと、図8のフローチャ
ートで表されるブースタ負圧推定ルーチンの実行によ
り、作動開始時ブースタ負圧が推定される。
【0032】ブースタ負圧推定ルーチンの実行時には、
ステップ10(S10で表す。他のステップについても
同様とする)において踏力スイッチ202の出力信号が
ONであるか否かが判定され、当初はOFFであるため
S12の推定終了処理が行われて1回のブースタ負圧推
定ルーチンの実行が終了する。推定終了処理において
は、後述のフラグF1,F2のリセット、踏力スイッチ
ON時のマスタシリンダ圧Pmcfon を記憶するON時圧
メモリおよび最大マスタシリンダ圧勾配DPmcmax を記
憶する最大勾配メモリのクリア等が行われる。フラグF
1,F2,ON時圧メモリおよび最大勾配メモリは前記
RAM198に設けられている。
【0033】上記S10およびS12の実行が繰り返さ
れているうちに踏力スイッチ202の出力信号がONに
なれば、S10の判定がYESとなり、S14において
フラグF1がONにセットされているか否かが判定され
るが、S12においてOFFにリセットされているた
め、当初は判定がNOとなり、S16においてその時点
におけるマスタシリンダ圧が踏力スイッチON時のマス
タシリンダ圧Pmcfon としてON時圧メモリに記憶され
た後、S18においてフラグF1がONにされる。
【0034】したがって、次にS14が実行される際に
は判定がYESとなり、S20においてマスタシリンダ
圧勾配が演算される。この演算の最も単純なものは、相
前後する2つのマスタシリンダ圧の差を求めるものであ
る。本ブースタ負圧推定ルーチンは、助勢制御ルーチン
の一部として一定時間ごとに実行されるようになってい
るため、相前後する2つのマスタシリンダ圧の差は上記
一定時間内におけるマスタシリンダ圧の変化量であっ
て、時間に対するマスタシリンダ圧勾配の一種である。
マスタシリンダ圧勾配は、マスタシリンダ圧に含まれる
ノイズの影響を低減するためのステップを含む方法によ
り演算されるようにしてもよい。
【0035】続いて、S22において今回演算されたマ
スタシリンダ圧勾配が前回演算されたマスタシリンダ圧
勾配より大きいか否かにより、マスタシリダ圧勾配が増
大中であるか否かの判定が行われ、増大中であれば、S
24において、今回のマスタシリンダ圧勾配が前回のマ
スタシリンダ圧勾配の代わりに最大勾配メモリに記憶さ
れる。
【0036】S10,14,20,22,24が繰り返
されているうちに、マスタシリンダ圧勾配が減少に転じ
るため、S22の判定がNOとなり、S26においてフ
ラグF2がONにセットされているか否かが判定される
が、S12においてOFFにリセットされているため、
当初は判定がNOとなり、S28において、作動開始時
ブースタ負圧の推定演算が行われ、S30においてフラ
グF2がONにセットされる。フラグF2は、マスタシ
リンダ圧勾配が減少に転じた後1回だけS28が実行さ
れるようにするために設けられているのである。
【0037】上記S28における作動開始時ブースタ負
圧の演算は、S16において取得された踏力スイッチO
N時のマスタシリンダ圧Pmcfon と、S24において取
得された踏力スイッチON後における最大マスタシリン
ダ圧勾配DPmcmax と、前記図5のグラフで表されるテ
ーブルとに基づいて行われる。図5において、マスタシ
リンダ圧Pmcfon と最大マスタシリンダ圧勾配DPmcma
x とに対応する点のブースタ負圧が、テーブルのデータ
(上記点を囲む4点のデータ)に基づく比例計算により
求められるのである。
【0038】次に助勢限界時圧決定ルーチンS4につい
て説明する。上記のようにして求められる作動開始時ブ
ースタ負圧と、最大マスタシリンダ圧勾配DPmcmax
と、助勢限界時におけるマスタシリンダ圧である助勢限
界時圧Pmcs との間には、図9に示すように、各液圧ブ
レーキシステムに特有の関係がある。作動開始時ブース
タ負圧と助勢限界時におけるブースタ負圧との間にも、
また、助勢限界時ブースタ負圧と同時期におけるマスタ
シリンダ圧との間にも、各液圧ブレーキシステムに特有
の関係があるからである。そこで、本実施形態において
は、作動開始時ブースタ負圧と最大マスタシリンダ圧勾
配DPmcmax と助勢限界時圧Pmcs との間の関係が予め
調べられ、テーブル化されたものが前記ROM196に
記憶されており、このテーブルと、作動開始時ブースタ
負圧と上記最大マスタシリンダ圧勾配DPmcmax とか
ら、比例計算により助勢限界時圧Pmcs が演算される。
【0039】続いて、動的サーボ比決定ルーチンS6お
よび補助加圧室圧制御ルーチンS8について説明する。
補助加圧室圧制御ルーチンS8においては、補助加圧室
90の液圧である補助加圧室圧が、マスタシリンダ圧勾
配が助勢限界到達前と後とで変化しないように制御され
る。そのために、まず、動的サーボ比決定ルーチンS6
において、助勢限界到達前におけるブースタ20の動的
サーボ比αが決定される。この動的サーボ比αは次式で
表されるものである。 α=Amc×ΔPmc/ΔFb ただし、Amcは第1加圧ピストン68の第1加圧室72
側の受圧面積、ΔPmcはマスタシリンダ圧の増分、ΔF
b はブースタ20の作動力の増分である。低速のブレー
キ操作が行われる場合のブースタ20のサーボ比、すな
わち静的サーボ比は、パワーピストン32と入力ピスト
ン54とのリアクションディスク38に対する接触面積
に基づいて一義的に決まるが、通常のブレーキ操作時に
おける動的サーボ比αは、変圧室36への大気の流入遅
れと低圧室34の負圧変化とに起因して静的サーボ比よ
り小さくなる。この動的サーボ比αと最大マスタシリン
ダ圧勾配と作動開始時ブースタ負圧との関係も、各液圧
ブレーキシステムにおいてほぼ決まっており、本実施形
態においては、これらの図10に示す関係も予め調べら
れてテーブル化され、ROM196に記憶されている。
したがって、動的サーボ比決定ルーチンS6において
は、ブースタ負圧推定ルーチンS2において推定された
作動開始時ブースタ負圧および最大マスタシリンダ圧勾
配と、上記テーブルとにより、動的サーボ比αが決定さ
れ、これが後に助勢サーボ比として使用される。
【0040】以上の準備が完了した後、マスタシリンダ
圧センサ204により検出されたマスタシリンダ圧が、
S4で決定された助勢限界時圧に達すれば、ブースタ2
0が助勢限界に達したものとして、補助加圧室圧制御ル
ーチンS8が実行される。ポンプモータ156が起動さ
れて増圧用ポンプ154により作動液が補助加圧室90
に向かって圧送されるとともに、圧力制御弁160のソ
レノイド174の励磁電流が、次式が満たされるように
制御されるのである。 Passist={(Pmc−Pmcs )/α´}×{(α´−
1)×Amc/Aassist} ただし、Passistは補助加圧室圧、Pmcはマスタシリン
ダ圧、Pmcs は助勢限界時圧、Aassistは第1加圧ピス
トン68の補助加圧室90側の受圧面積であり、α´は
増圧装置152および補助加圧室90による助勢サーボ
比であって、助勢限界到達前のバキュームブースタの動
的サーボ比αに等しい。
【0041】上記励磁電流の制御は、例えば、次のよう
にして行われる。上式により目標加圧量Passistが決定
されたならば、その目標加圧量Passistに応じて、圧力
制御弁160のソレノイド174に供給すべき励磁電流
である目標電流値が決定される。目標加圧量とソレノイ
ド電流値との関係が、例えばテーブル化されてROM1
96に記憶されており、その関係に従って目標加圧量に
対応する目標電流値が決定され、ソレノイド174に供
給される。
【0042】以上の制御が行われることにより、本実施
形態においてはブースタ20が助勢限界に到達すると同
時に増圧装置152および補助加圧室90による電気制
御助勢が開始され、しかも、この電気制御助勢の助勢サ
ーボ比α´が助勢限界到達前におけるブースタ20によ
る動的サーボ比αと等しくされるため、マスタシリンダ
圧は助勢限界到達前と後とで変わらない勾配で増加し、
入力ピストン54およびオペレーティングロッド44に
対する反力も一定の勾配で増加する。そのため、運転者
にはブースタ20による倍力と、増圧装置152および
補助加圧室90による電気制御助勢との交替が殆どわか
らず、良好なブレーキ操作フィーリングが得られる。
【0043】また、ブースタ20の助勢限界到達時点を
決定するための検出装置として、マスタシリンダ圧セン
サ204と踏力スイッチ202とを必要とするのみであ
り、しかも、マスタシリンダ圧センサ204はブレーキ
液圧制御のために殆ど不可避的に設けられるものである
ため、実際に付加すべきものは踏力センサ202のみで
あって、安価に目的を達し得る利点もある。
【0044】さらに、ブースタ20の助勢限界到達時点
を決定するために、ブースタ20の作動開始時における
ブースタ負圧の推定が行われるのであるが、この推定
が、作動開始時におけるブースタ負圧と、踏力スイッチ
ON時のマスタシリンダ圧Pmcfon および踏力スイッチ
ON後の最大マスタシリンダ圧勾配DPmcmax との関係
に着目することにより、ブースタ20の作動遅れをも考
慮する新規な方法で行われるため、助勢限界到達時点が
正確に決定できる効果もある。
【0045】本発明の別の実施形態を説明する。この実
施形態におけるハード構成は上記実施形態におけるそれ
と殆ど同じであり、図11に示すように、踏力スイッチ
202が踏力センサ220(例えば、踏力スイッチ20
2の作動子をロードセルに変更したもの)に、また、マ
スタシリンダ圧センサ204がマスタシリンダ圧スイッ
チ222に変更されている点が相違点である。それに対
し、制御プログラムは図12,13に示すように変更さ
れている。図12の助勢制御ルーチンおよび図13のブ
ースタ負圧推定ルーチンの流れは、前記図7の助勢制御
ルーチンおよび図8のブースタ負圧推定ルーチンと酷似
しているので、対応するステップを、ダッシュ付きの同
じステップ番号で示して重複した説明は省略し、異なる
部分のみを以下に説明する。
【0046】まず、ブースタ負圧の推定を説明する。ブ
レーキ操作が行われてマスタシリンダ22の液圧が増加
させられる場合に、マスタシリンダ圧スイッチ222が
OFF状態からON状態に変わる時点の踏力である圧力
スイッチON時踏力Fpmcon と、その後の踏力の最大増
加勾配である最大踏力勾配DFmax と、作動開始時ブー
スタ負圧との間には、図14に示す関係がある。その理
由は図15に基づいて次のように推測される。図15
に、作動開始時ブースタ負圧が500mmHg,300mmHg
で、踏込速度が大,中,小である場合における踏力Fp
とマスタシリンダ圧Pmcとの関係を示す。この図から明
らかなように、ブースタ20の助勢限界到達前には、作
動開始時ブースタ負圧が小さいほど、また、踏込速度が
大きいほど、ブースタの作動遅れが大きいため、同じマ
スタシリンダ圧Pmcに対する踏力Fp が大きくなる。そ
して、マスタシリンダ圧Pmcがある大きさ(ここではマ
スタシリンダ圧スイッチがOFF状態からON状態に変
わる大きさ)に達した時点の踏力Fp (Fpmcon )が中
程度の大きさFpm2 である場合について見れば、作動開
始時ブースタ負圧が500mmHgである場合は「踏込速度
大」であるのに対し、作動開始時ブースタ負圧が300
mmHgである場合は「踏込速度中」であり、作動開始時ブ
ースタ負圧が大きい場合の方が小さい場合に比較して踏
込速度が大きくなっている。そして、踏込速度が大きけ
れば踏力Fp の時間に対する増加勾配DFp が大きくな
り、当然最大踏力勾配DFmax も大きくなる。また、同
じ作動開始時ブースタ負圧(例えば500mmHg)につい
て見れば、最大踏力勾配DFmax が大きいほどマスタシ
リンダ圧スイッチON時の踏力Fpmcon が大きくなる。
したがって、圧力スイッチON時踏力Fpmcon ,最大踏
力勾配DFmax および作動開始時ブースタ負圧の間に
は、図14に示す関係が成立すると推測される。そこ
で、本実施形態においては、図14に示す関係がテーブ
ル化されてROM196に記憶されており、このテーブ
ルと、マスタシリンダ圧スイッチ222の出力信号と、
踏力センサ220により検出される踏力とに基づいて、
図13のブースタ負圧推定ルーチンが実行され、作動開
始時ブースタ負圧が推定される。
【0047】ブースタ負圧推定ルーチンは、S10´,
14´および16´において圧力スイッチON時踏力F
pmcon が取得され、S20´,22´および24´にお
いて圧力スイッチON後の最大踏力勾配DFmax が取得
される点と、S28´において使用されるテーブルが図
14に示す圧力スイッチON時踏力Fpmcon と最大踏力
勾配DFmax との関係をテーブル化したものである点と
において図8のブースタ負圧推定ルーチンと異なり、他
の点は同じである。
【0048】上記ブースタ負圧推定ルーチンS2´の実
行に続いて、助勢限界時踏力決定ルーチンS4´が実行
される。このルーチンにおいては、ブースタ負圧推定ル
ーチンS2´で取得された最大踏力勾配DFmax および
作動開始時ブースタ負圧と、図16のグラフで表される
テーブルとに基づいて助勢限界時踏力Fpsが決定され
る。次に、動的サーボ比決定ルーチンS6´において、
最大踏力勾配DFmax および作動開始時ブースタ負圧と
図17に示すグラフで表されるテーブルとに基づいて動
的サーボ比αが決定される。
【0049】以上の準備が終了した後、踏力センサ22
0により検出される踏力が助勢限界時踏力決定ルーチン
S4´で決定された助勢限界時踏力Fpsに達すれば、補
助加圧室圧制御ルーチンS8´が実行される。ポンプモ
ータ156が起動されて増圧用ポンプ154により作動
液が補助加圧室90に向かって圧送されるとともに、圧
力制御弁160のソレノイド174の励磁電流が、次式
が満たされるように制御されるのである。 Passist=(Fp −Fps)×Rp ×(α´−1)/Amc ただし、Passistは補助加圧室圧、Fp は踏力、Fpsは
助勢限界時踏力、Rp はブレーキペダル18のレバー
比、Amcは第1加圧ピストン68の第1加圧室72側の
受圧面積であり、α´は増圧装置152および補助加圧
室90による助勢サーボ比であって、助勢限界到達前の
バキュームブースタの動的サーボ比αに等しい。このよ
うに制御されれば、運転者にはブースタ20による倍力
と、増圧装置152および補助加圧室90による電気制
御助勢との交替が殆どわからず、良好なブレーキ操作フ
ィーリングが得られる。
【0050】また、ブースタ20の助勢限界到達時点を
決定するための検出装置として、踏力センサ220とマ
スタシリンダ圧スイッチ222とを必要とするのみであ
り、安価に目的を達し得る利点もある。さらに、ブース
タ20の助勢限界到達時点を決定するために、ブースタ
20の作動開始時におけるブースタ負圧の推定が行われ
るのであるが、この推定が、作動開始時におけるブース
タ負圧と、圧力スイッチON時踏力Fpmcon および圧力
スイッチON後の最大踏力勾配DFmax との関係に着目
することにより、ブースタ20の作動遅れをも考慮する
新規な方法で行われるため、助勢限界到達時点が正確に
決定できる効果もある。
【0051】以上の説明から明らかなように、図1ない
し10に記載の実施形態における踏力スイッチ202お
よびマスタシリンダ圧センサ204と、コンピュータ1
92の図8のブースタ負圧推定ルーチンを実行する部分
とが入出力関係加味部を含む第1負圧推定部を構成して
おり、そのうち、コンピュータ192のS16およびS
28を実行する部分が出力加味部を構成し、踏力スイッ
チ202とコンピュータ192のS10を実行する部分
が操作力加味部を構成し、踏力スイッチ202とコンピ
ュータ192のS10,S14,S16,S18,S2
0を実行する部分が、操作力が設定操作力以上である期
間におけるマスタシリンダ圧の増加勾配を出力の変化率
として採用する部分を構成している。さらに、踏力スイ
ッチ202が操作力スイッチを構成し、コンピュータ1
92のS14,S20,S22,S24,S28を実行
する部分が特定時点変化率依拠推定部を構成している。
【0052】また、図11ないし17に記載の実施形態
における踏力センサ220およびマスタシリンダ圧スイ
ッチ222と、コンピュータ192の図13のブースタ
負圧推定ルーチンを実行する部分とが入出力関係加味部
を含む第2負圧推定部を構成しており、そのうちコンピ
ュータ192のS16´およびS28´を実行する部分
が操作力加味部を構成し、マスタシリンダ圧スイッチ2
22とコンピュータ192のS10´を実行する部分が
マスタシリンダ出力加味部を構成し、マスタシリンダ圧
スイッチ222とコンピュータ192のS10´,S1
4´,S16´,S18´,S20´を実行する部分
が、マスタシリンダ出力としてのマスタシリンダ圧がが
設定マスタシリンダ圧以上である期間におけるブレーキ
操作力としての踏力の増加勾配を操作力の変化率として
採用する部分を構成している。さらに、マスタシリンダ
圧スイッチ222とコンピュータ192のS14´,S
20´,S22´,S24´,S28´を実行する部分
が特定時点変化率依拠推定部を構成している。
【0053】そして、ブースタ20と、補助加圧室90
を備えたマスタシリンダ22と、増圧装置152と、上
記各実施形態における負圧推定装置とがブレーキ液圧源
装置を構成している。各負圧推定装置は、それぞれ第1
負圧推定部,第2負圧推定部の一方のみから成るのであ
るが、第1負圧推定部と第2負圧推定部との両方を備え
た負圧推定装置を構成することも可能である。
【0054】上記実施形態においては、踏力とマスタシ
リンダ圧とに基づいてブースタ20の助勢限界到達が推
定ないし検出されるようになっていたが、踏力センサ2
20を備えた液圧ブレーキシステムにおいては、踏力セ
ンサ220の出力信号のみからブースタ20の助勢限界
到達を検出することも可能である。その一例を以下に説
明する。ハード構成は図1および図11に記載のものを
使用する。
【0055】いま、増圧装置152および補助加圧室9
0が設けられていないと仮定して、ブレーキペダル18
がほぼ一定の速度で踏み込まれたとすれば、時間tの経
過に従って踏力Fp は図18に示すように変化する。ブ
ースタ20が助勢限界に達すれば、助勢力が増加しなく
なるため踏力Fp の増加勾配が急変する。この増加勾配
の急増を検出すればブースタ20の助勢限界到達を検出
することができる。この方法によれば、マスタシリンダ
圧の勾配変化に基づいてブースタ20の助勢限界到達を
検出する場合に比較して、信頼性が向上する効果が得ら
れる。マスタシリンダ圧Pmcの増加勾配DPmcも、図1
9に示すように、ブースタ20の助勢限界点Bを境にし
て変化するため、この変化に基づいてブースタ20の助
勢限界到達を検出することができる。しかし、図19か
ら明らかなように、マスタシリンダ圧Pmcの変化は減少
であって、運転者が、所望の減速度が得られるようにな
ったためにブレーキペダル18の踏込みを止めた場合と
似た変化である。そのため、この場合のマスタシリンダ
圧の変化と、ブースタ20の助勢限界到達に基づく変化
とを区別することが必要となり、それだけ助勢限界到達
の検出が難しくなり、あるいは助勢限界到達検出の信頼
性が低くなることを避け得ないのであるが、踏力Fp の
急変は、図18から明らかなように急増であるため、運
転者がブレーキペダル18の踏込みを止めた場合とは逆
向きの変化であり、それだけ助勢限界到達の検出が容易
であり、あるいは助勢限界到達検出の信頼性が高くな
る。
【0056】踏力自体の急増、すなわち踏力の増加勾配
DFp (=dFp /dt)の急増を検出することによ
り、助勢限界到達を検出することも可能である。しか
し、踏力の増加勾配DFp を踏力Fp で割った無次元化
踏力勾配に基づけば、助勢限界到達の検出が一層容易と
なる。具体的には、例えば、図18において、設定時間
毎に踏力Fpを検出し、相前後して検出された踏力Fn-
1 ,Fn の差DFn =(Fn −Fn-1 )を踏力Fn で割
った無次元化踏力勾配DFn /Fnを求め、その無次元
化踏力勾配DFn /Fn の急増を検出すれば、確実に勢
限界到達を検出できるのである。
【0057】さらに具体的には、図18において、助勢
限界点Aに跨がる時期、すなわち一定間隔の時点t0 〜
t4 の各時点にそれぞれ取得された4つの無次元化踏力
勾配DF1 /F1 ,DF2 /F2 ,DF3 /F3 ,DF
4 /F4 の間に、 (DF3 /F3 )/(DF1 /F1 )>J (DF4 /F4 )/(DF3 /F3 )<K の2つの不等式が成立すれば、無次元化踏力勾配DF2
/F2 が助勢限界点Aに対応する無次元化踏力勾配であ
り、時点t1 またはt2 が助勢限界到達時点であるとす
るのである。踏力勾配DFn 自体は、ブースタ負圧やブ
レーキ操作速度の大小の影響を受けるが、無次元化踏力
勾配DFn /Fn はそれらの影響を受けることが少な
い。そのため、上記しきい値J,Kを互いに相当異なる
大きさに設定しても、助勢限界点A近傍で上記2つの不
等式が確実に成立するようにすることができ、助勢限界
点Aを確実に検出することができるのである。
【0058】無次元化踏力勾配DFn /Fn は上記のよ
うにブースタ負圧やブレーキ操作速度の大小の影響を受
けることが少ないため、 (DF3 /F3 )−(DF1 /F1 )>L (DF4 /F4 )−(DF3 /F3 )<M の2つの不当式が成立した場合に,無次元化踏力勾配D
F2 /F2 が助勢限界点Aに対応する無次元化踏力勾配
であり、時点t1 またはt2 が助勢限界到達時点である
とすることも可能である。
【0059】以上の説明から明らかなように、本実施形
態において、踏力センサ220とコンピュータのブース
タ20の助勢限界を検出する部分とが、請求項10およ
び11にいう助勢限界検出装置を構成している。上記2
つの実施形態は、増圧装置152および補助加圧室90
が設けられていないと仮定して説明したが、これら助勢
限界検出装置により助勢限界到達が検出されるまでは増
圧装置152を作動させず、検出後に作動させることと
すれば、本実施形態の助勢限界検出装置と増圧装置15
2および補助加圧室90による電気制御助勢とを共に採
用することができる。
【0060】本発明のさらに別の実施形態を説明する。
この実施形態も、上記2つの実施形態と同様に踏力セン
サ220の出力信号のみからブースタ20の助勢限界到
達を検出するものである。本実施形態のハード構成は、
増圧装置152,補助加圧室90およびマスタシリンダ
圧センサ204が設けられない点以外は、図1の実施形
態と同じである。
【0061】図20に作動開始時ブースタ負圧が異なる
場合の踏力Fp とマスタシリンダ圧Pmcとの関係を示
し、図21に経過時間tと踏力Fp および踏力変化勾配
dFp/dtとの関係を示す。図21は運転者が同じ減
速度を得ることを意図した場合に、作動開始時ブースタ
負圧が異なることによって踏力Fp および踏力変化勾配
dFp /dtが変わる状態を示している。図21から明
らかなように、助勢限界を超えてブレーキ操作が行われ
る場合には、作動開始時ブースタ負圧の大きさによって
踏力変化勾配dFp /dtの変化状態が異なり、作動開
始時ブースタ負圧が小さいほど踏力変化勾配dFp /d
tの最大値が大きくなる。
【0062】したがって、例えば、踏力Fp の設定値で
ある設定踏力Fpkを助勢限界時における踏力近傍の大き
さに設定しておけば、実際の踏力Fp が設定踏力Fpkに
達した時点における踏力変化勾配dFp /dtである設
定時踏力変化勾配dFpk/dtの大きさから作動開始時
ブースタ負圧を推定することができる。その一例を図2
2に示す。図示の例は、設定時踏力変化勾配dFpk/d
tの大きさを3領域に分け、実際の設定時踏力変化勾配
dFpk/dtがどの領域に属するかにより作動開始時ブ
ースタ負圧を大,中,小の3段階に推定するものであ
る。勿論、段階数を2段階に減ずることも、4段階以上
に増すことも、連続的な値として推定することも可能で
ある。本実施形態は、第2負圧推定部の実施形態の1つ
である。
【0063】なお、踏力変化勾配dFp /dtの大きさ
は、それの取得時期により変わり、一定の設定踏力Fpk
に対して、図21に示すように、作動開始時ブースタ負
圧が異なる各々の場合に、それぞれ特徴的な大きさとし
て取得できない場合がある。その場合には、例えば、制
動開始時におけるエンジン回転数,スロットル開度,車
速等、作動開始前ブースタ負圧に影響を与える別の量の
少なくとも1つあるいはそれらの適宜の組み合わせに基
づいて、設定踏力Fpkが自動的に変更されるようにする
ことが望ましい。例えば、制動開始時におけるスロット
ル開度と、適切な設定踏力Fpkとの関係を予め調べてテ
ーブル化あるいは式化しておき、それらテーブルあるい
は式に基づいて設定踏力Fpkが自動的に設定されるよう
にするのである。適切な設定踏力Fpkとしては、例え
ば、各作動開始時ブースタ負圧において、踏力変化勾配
dFp /dtの最大値に対応する踏力、踏力変化勾配d
Fp/dtの変化勾配d2 Fp /dt2 が最大になる時
期の踏力等を選ぶことができる。
【0064】また、踏力Fp とマスタシリンダ圧Pmcと
の関係は、実際にはブレーキペダル18の踏込速度によ
っても変わる。そこで、ブレーキ操作開始時期から一定
時間経過後の踏力変化勾配dFp /dt等に基づいて踏
込速度を取得し、その取得した勾配に応じて設定踏力F
pkが自動的に設定されるようにすることが望ましい。こ
のようにすれば、作動開始時ブースタ負圧の推定に対す
る踏込速度の影響を軽減することができる。
【0065】以上の実施形態において、液圧ブレーキシ
ステム全体が正常であれば、車両の減速度が不足するこ
とはないが、例えば、ウォータフェード,ヒートフェー
ド等が発生してブレーキ摩擦材とブレーキ回転体との摩
擦係数が低下し、あるいは2系統のブレーキ装置の一方
が失陥し、あるいはブースタ20とエンジン吸気側を接
続する負圧ホースが外れる等の異常が発生した場合に
は、減速度が不足することがある。その場合には、ハー
ド構成は図1および図11に記載のものを使用し、増圧
装置152を正常時とは異なる特性で制御することによ
り、減速度の不足を補うことができる。
【0066】その一例は、図23に示すものである。こ
の実施形態は、上記異常が生じても、通常は特別な制御
を行わず、ブースタ20が助勢限界に達した後に増圧装
置152および補助加圧室90による電気制御助勢を行
うのみとし、踏力が予め定められた設定踏力に達したに
もかかわらず、実際の減速度が設定減速度に達しない場
合に、増圧装置152の増圧機能を向上させて実際の減
速度を設定減速度まで高めるものである。
【0067】具体的には、例えば、上記設定減速度を乾
燥アスファルト路上で期待し得る最大の減速度0.8G
以上の値、あるいは理論上期待し得る最大の減速度1.
0Gである最大減速度Gmax に設定し、設定踏力を液圧
ブレーキシステムが標準状態にあるときにそれら最大減
速度Gmax を得ることができる最大踏力Fpmaxに設定し
ておき、最大踏力Fpmaxでブレーキ操作が行われている
にもかかわらず実際の減速度が最大減速度Gmax に達し
ない場合には、増圧装置152の増圧機能を向上させて
(本実施形態では圧力制御弁160の励磁電流を大きく
して)、実際の減速度が最大減速度Gmax に等しくなる
ようにすればよい。この場合、前記図1および図11の
装置に、車両の減速度を実際に検出する減速度センサ、
あるいは車輪回転速度や車体の路面に対する相対移動速
度を検出する速度検出装置から供給される速度から減速
度を演算する手段、あるいは他の装置から減速度のデー
タを読み込む手段等を付加し、制御プログラムに上記制
御を可能にする設定減速度保証ルーチンを追加すればよ
い。
【0068】以上の説明から明らかなように、本実施形
態における電気制御助勢装置が請求項18にいう電気制
御助勢装置に相当する。
【0069】異常発生時に減速度の不足を補う別の実施
形態は、図24に示すものである。この実施形態は、上
記図23の実施形態におけると同様に、踏力と車両減速
度とを取得する手段を備えた液圧ブレーキシステムにお
いて、踏力と車両減速度とを2座標軸とする座標面を失
陥領域,電気制御助勢領域および特別増圧領域に分け、
踏力と車両減速度とを座標とする座標点がこれら3領域
のいずれにあるかにより、液圧ブレーキシステムの制御
特性を変更するものである。すなわち、上記座標点が電
気制御助勢領域にある場合には、液圧ブレーキシステム
全体が正常であるとして、前述の通常制御を行い、特別
増圧領域にある場合には、増圧装置152および補助加
圧室90を通常の電気制御助勢のためではなく、その時
点における踏力に見合った減速度にできる限り近い減速
度が得られるようにする特別増圧制御のために作動させ
るのである。座標点が失陥領域にある場合には、運転者
にブザー,ランプ,ディスプレイ等により液圧ブレーキ
システムの失陥を報知し、かつ、車両を走行不能の状態
にするか、あるいは設定速度以下でのみ走行できる状態
にする。座標点が特別増圧領域にある場合にもその事実
を運転者に知らせることが望ましい。
【0070】上記異常発生時に減速度の不足を補う2つ
の実施形態において、増圧装置152の作動中にアンチ
ロック制御が開始された場合に、増圧装置152の作動
が継続されるようにすることも可能であるが、消費エネ
ルギ低減の観点からは作動を停止させることが望まし
い。
【0071】以上の各実施形態においては、電気制御助
勢が増圧装置152および補助加圧室90により行われ
るようになっていたが、ポンプによってアンチロック制
御用のリザーバあるいはマスタシリンダから作動液を汲
み出してホイールシリンダに供給する形式の増圧装置に
よって行われるようにすることも可能である。その一例
を図25,26に示す。
【0072】本実施形態の液圧ブレーキシステムにおい
て、ブレーキペダル400の踏力は、ブースタ402に
より倍力され、その倍力された踏力に応じた液圧が液圧
源たるマスタシリンダ404に発生させられる。ブース
タ402はバキュームブースタであり、前記ブースタ2
0と同様に構成されている。また、マスタシリンダ40
4は、ハウジングに第1,第2加圧ピストン406,4
08が互いに直列にかつ個別に摺動可能に嵌合されるこ
とにより、ハウジング内に2つの互いに独立の加圧室が
形成されたタンデム型である。このマスタシリンダ40
4は、前記マスタシリンダ22とは異なり、補助加圧室
は有さず、ブースタ402のブースタピストンロッド
は、第1加圧ピストン406に軸方向に相対移動可能に
嵌合され、ブースタ402により倍力されたブレーキペ
ダル400の踏力は、第1加圧ピストン406に伝達さ
れる。
【0073】マスタシリンダ404の一方の加圧室に発
生させられた液圧は、主通路410により、左前輪41
2および右後輪414をそれぞれ制動するブレーキ41
6,418を作動させるブレーキシリンダたるフロント
ホイールシリンダ420,リヤホイールシリンダ422
に供給され、他方の加圧室に発生させられた液圧は、主
通路426により、右前輪428および左後輪430を
それぞれ制動するブレーキ432,434を作動させる
ブレーキシリンダたるフロントホイールシリンダ43
6,リヤホイールシリンダ438に供給される。本実施
形態の液圧ブレーキシステムは、ダイアゴナル2系統式
なのである。これら2つの系統は同様に構成されてお
り、左前輪−右後輪系統を代表的に説明し、右前輪−左
後輪系統については、その構成要素に左前輪−右後輪系
統の構成要素と同じ符号を付して対応関係を示し、説明
を省略する。
【0074】上記主通路410は、基幹通路440と2
本の分岐通路442とを有し、各分岐通路442の先端
にホイールシリンダ420,422が接続されており、
これら分岐通路442の途中にはそれぞれ、アンチロッ
ク制御を行うべく、電磁弁装置444が設けられてい
る。これら電磁弁装置444はそれぞれ、常開の電磁開
閉弁である増圧弁446および常閉の電磁開閉弁である
減圧弁448を有し、これら増圧弁446,減圧弁44
8の開閉の組合わせにより、ホイールシリンダ圧が増
大,減少,保持される。ホイールシリンダ420,42
2から減圧弁448を経てリザーバ450に排出された
作動液は、ポンプモータ452により駆動されるポンプ
454により汲み上げられて主通路410に戻される。
【0075】リザーバ450は、作動液を付勢手段とし
てのスプリングによって圧力下に収容するものであり、
ポンプ通路460により、ポンプ454の吸入側に接続
されている。ポンプ454の吸入側には逆止弁である吸
入弁462、吐出側には逆止弁である吐出弁464がそ
れぞれ設けられている。ポンプ454の吐出側を主通路
410に接続する補助通路466には、絞りとしてのオ
リフィス468と固定ダンパ470とがそれぞれ設けら
れており、それらにより、ポンプ454の脈動が軽減さ
れる。ポンプ454は、アンチロック制御中、作動液を
リザーバ450から汲み上げて主通路410に還流させ
る。
【0076】前記主通路410には、補助通路466と
の接続点とマスタシリンダ404との間の部分に圧力制
御弁480が設けられており、ホイールシリンダ42
0,422にマスタシリンダ圧より高い液圧を発生さ
せ、電気制御助勢が行われるようにされている。圧力制
御弁480の構成は、前記圧力制御弁160と同じであ
り、詳細な図示および構成の説明を省略し、作用を簡単
に説明する。
【0077】この圧力制御弁480においては、ソレノ
イドが励磁されない非作用状態では、スプリングの弾性
力によって弁子が弁座から離間させられ、それにより、
主通路410においてマスタシリンダ側とホイールシリ
ンダ側との間での双方向の作動液の流れが許容され、そ
の結果、ブレーキ操作が行われれば、ホイールシリンダ
圧がマスタシリンダ圧と共に変化させられる。圧力制御
弁480は、常開弁とされているのである。
【0078】ソレノイドが励磁される作用状態では、弁
子が弁座に着座させられる。ポンプ454の吐出圧、す
なわちホイールシリンダ圧が小さい間は圧力制御弁48
0は閉じており、ポンプ454からの作動液がマスタシ
リンダ404に逃げることが阻止され、ポンプ454の
吐出圧が増加し、ホイールシリンダ420,422にマ
スタシリンダ圧より高い液圧が発生させられる。ポンプ
454の吐出圧、すなわちホイールシリンダ圧が更に増
加すれば、圧力制御弁480が開き、ポンプ454から
の作動液がマスタシリンダ404に逃がされ、その結
果、ポンプ454の吐出圧、すなわちホイールシリンダ
圧がそれ以上増加することが防止される。ホイールシリ
ンダ420,422には、マスタシリンダ404に対し
て、ソレノイドの励磁により弁子を弁座に着座させる力
に基づく差圧分、高い液圧が発生させられることにな
る。本実施形態においては、圧力制御弁480,ポンプ
454,ポンプモータ452を含んで増圧装置が構成さ
れている。ポンプ454およびポンプモータ452は、
アンチロック制御と増圧との両方に用いられるのであ
る。
【0079】圧力制御弁480には、図25に示すよう
にバイパス通路486が設けられており、そのバイパス
通路486の途中に逆止弁488が設けられている。万
が一、ブレーキペダル400の踏込み時に圧力制御弁4
80内の可動部材に生ずる流体力によって圧力制御弁4
80が閉じることがあっても、マスタシリンダ404か
らホイールシリンダ420,422へ向かう作動液の流
れが確保されるようにするためである。圧力制御弁48
0にはさらに、それに並列にリリーフ弁490も設けら
れており、ポンプ454による吐出圧が過大となること
が防止される。
【0080】ポンプ454は、アンチロック制御中,助
勢制御中に作動し、助勢制御の実行中であれば、リザー
バ450から作動液を汲み上げ、その作動液を各ホイー
ルシリンダ420,422に吐出することによって各ホ
イールシリンダ420,422を増圧する。しかし、ア
ンチロック制御が実行されていない場合には、リザーバ
450に汲み上げるべき作動液が存在しないのが普通で
あり、助勢制御の実行を確保するためには、アンチロッ
ク制御の実行の有無を問わず、リザーバ450に作動液
を補給することが必要となる。そのため、本実施形態に
おいては、基幹通路440のうちマスタシリンダ404
と圧力制御弁480との間の部分から延びてリザーバ4
50に至る補給通路494が設けられている。
【0081】補給通路494の途中に流入制御弁496
が設けられている。流入制御弁496は、マスタシリン
ダ404からリザーバ450への作動液の補給が必要で
あるときには開状態となり、マスタシリンダ404から
リザーバ450への作動液の流れを許容し、一方、マス
タシリンダ404からリザーバ450への作動液の補給
が必要ではないときには閉状態となり、マスタシリンダ
404からリザーバ450への作動液の流れを阻止し、
マスタシリンダ404による昇圧を可能とする。本実施
形態においては、流入制御弁496が常閉の電磁開閉弁
とされている。助勢制御が行われるとき、流入制御弁4
96は、アンチロック制御が行われていなければ開か
れ、アンチロック制御が行われていてもリザーバ450
に作動液がなければ開かれ、リザーバ450に作動液が
あれば開かれないようにされる。
【0082】また、ポンプ通路460のうち補給通路4
94との接続点とリザーバ450との接続点との間の部
分に、補給通路494からリザーバ450に向かう作動
液の流れを阻止し、その逆向きの流れを許容する逆止弁
498が設けられている。そのため、主通路410のう
ち、圧力制御弁480より上流側の部分内の高圧の作動
液は、リザーバ450により低圧にされずに、ポンプ4
54により汲み上げられ、比較的少ない電気エネルギに
よりホイールシリンダ420,422の液圧を十分に高
くすることができる。
【0083】本液圧ブレーキシステムのECU500
は、図26に示すように、前記ECU190と同様に構
成されており、同じ作用を為す部分には同一の符号を付
して説明を省略する。コンピュータ192のI/Oポー
ト200には、踏力スイッチ502,マスタシリンダ圧
センサ504および車輪速センサ506が接続されてい
る。これらはそれぞれ、前記踏力スイッチ202,マス
タシリンダ圧センサ204および車輪速センサ206と
同様に構成されている。I/Oポート200にはまた、
駆動回路208を介して増圧弁446等の各種アクチュ
エータが接続されている。
【0084】コンピュータ192のROM196には、
助勢制御ルーチン,アンチロック制御ルーチン等が記憶
されており、PU194はRAM198を使用しつつ、
これらルーチンを実行する。本実施形態において助勢制
御は、ブースタ402が助勢限界に達した状態で行われ
る。例えば、前述のようにして推定されたブースタ負圧
に基づいて、マスタシリンダ圧の助勢限界値である助勢
限界時圧が求められ、マスタシリンダ圧センサ504に
より検出される実マスタシリンダ圧が助勢限界時圧以上
になれば、電気制御による助勢が開始される。
【0085】この助勢制御において、ホイールシリンダ
圧とマスタシリンダ圧との差圧(助勢用差圧と称する)
が、ブースタ402が助勢限界に達した後も達する前と
同じ勾配でホイールシリンダ圧が増大させられる大きさ
に制御される。この助勢制御は、例えば、前記実施形態
におけると同様にブースタ20のブースタ負圧,動的サ
ーボ比,助勢限界到達等の推定に基づいて、圧力制御弁
480への励磁電流を制御することにより行われるよう
にすることができる。
【0086】また、助勢制御が、図18を用いて説明し
たブースタ20の助勢限界到達検出に基づいて行われる
ようにすることも、ブースタ20の低圧室34と変圧室
36との少なくとも一方の圧力を検出する圧力センサ、
あるいは低圧室34と変圧室36との差圧を検出する差
圧検出装置等の検出結果に基づいて助勢限界到達を検出
し、その検出結果に基づいて行われるようにすることも
可能である。これらの場合には、例えば、次のようにし
て助勢制御を行うことができる。マスタシリンダ圧と助
勢用差圧との間、助勢用差圧とソレノイド174の励磁
電流との間等にはそれぞれ特定の関係があるため、それ
らの関係をそれぞれテーブル化してコンピュータ192
のROM196に記憶させておき、マスタシリンダ圧セ
ンサ504により検出されるマスタシリンダ圧に基づい
て上記助勢用差圧,励磁電流等が決定され、ポンプモー
タ452が起動されるとともに圧力制御弁480のソレ
ノイド174が励磁され、ホイールシリンダ420,4
22,436,438に作動液が供給されるようにする
のである。
【0087】上記助勢制御は、図25の液圧ブレーキシ
ステムのみならず、図1の液圧ブレーキシステムを始
め、他の形式のものにおいても実施することができる。
また、マスタシリンダあるいはリザーバから作動液を汲
み上げてホイールシリンダに供給し、ホイールシリンダ
圧をマスタシリンダ圧に対して増大させることにより助
勢制御が行われる液圧ブレーキシステムにおいて、踏力
スイッチに代えて踏力センサを設けるとともに、マスタ
シリンダ圧センサに代えてマスタシリンダ圧スイッチを
設け、踏力センサにより検出される踏力に基づいて助勢
用差圧を求め、その助勢用差圧に基づいて圧力制御弁の
ソレノイドの励磁電流を求めて助勢制御を行うようにし
てもよい。
【0088】本発明のさらに別の実施形態を図27ない
し図33に基づいて説明する。本実施形態は、ブレーキ
操作部材の操作速度とマスタシリンダの出力速度との関
係に基づいてバキュームブースタの負圧を推定する態様
の一例である。本実施形態の液圧ブレーキシステムのハ
ード構成は、図1ないし図10に示す実施形態のそれと
殆ど同じであり、図27に電子制御ユニット550(以
下、ECU550と称する)のみを示す。ECU550
は、前記ECU190と同様にコンピュータ192を主
体として構成されており、ECU190の構成要素と同
じ作用を為す構成要素には同一の符号を付して対応関係
を示し、説明を省略する。
【0089】コンピュータ192のI/Oポート200
には、ブレーキスイッチ552,踏力センサ554,マ
スタシリンダ圧センサ556および車輪速センサ558
が接続されている。ブレーキスイッチ552は、ブレー
キペダル18が踏み込まれず、非踏込位置ないし非作動
位置に位置する状態と、踏み込まれた状態とで出力信号
が変わるように構成されている。ブレーキペダル18
は、本実施形態においては、車体との間に配設されたリ
ターンスプリングによって後退方向へ付勢されており、
車体に設けられたストッパに当接し、リターンスプリン
グの付勢による回動を規制された位置が非踏込位置であ
る。ブレーキスイッチ552は、本実施形態において
は、ブレーキペダル18が非踏込位置に位置する状態に
おいてOFF信号を出力し、踏み込まれた状態において
ON信号を出力するように構成されている。踏力センサ
554,マスタシリンダ圧センサ556および車輪速セ
ンサ558はそれぞれ、前記各実施形態の踏力センサ2
20,マスタシリンダ圧センサ204,車輪速センサ2
06と同様に構成されている。コンピュータ192のR
OM196には、図28に示す助勢制御ルーチン,図2
9に示すブースタ負圧推定ルーチンおよび図30に示す
最大踏力変化速度取得ルーチン等が記憶されており、R
AM198には、図示は省略するが、これら助勢制御ル
ーチン等を実行するためのフラグ,メモリ等が設けられ
ている。
【0090】助勢制御ルーチンは、S40のブースタ負
圧推定ルーチンの実行により推定された作動開始時にお
けるブースタ負圧と、S42の最大踏力変化速度取得ル
ーチンの実行により取得された最大踏力変化速度とに基
づいてS44,S46が実行され、助勢限界時踏力およ
び動的サーボ比が決定され、それらに基づいてS48の
補助加圧室圧制御ルーチンが実行される。
【0091】ブースタ負圧推定ルーチンを説明する。ブ
レーキ操作が行われてマスタシリンダ22の液圧が増加
させられる場合、ブースタ20の作動遅れがないとすれ
ば、踏力Fとマスタシリンダ圧Pmcとの間には図31に
示す関係が成立する。また、踏力Fとマスタシリンダ圧
Pmcおよび操作速度たるブレーキペダル18の踏込速度
を表す踏力変化速度dFとマスタシリンダ22の出力変
化速度であるマスタシリンダ圧変化速度dPmcの時間に
対する変化の一例を図32に示す。そして、マスタシリ
ンダ圧が予め定められた基準出力値たる基準マスタシリ
ンダ圧Pmck に達した時点に取得される踏力変化速度d
Fpmckと、踏力が予め定められた基準操作量たる基準踏
力Fk に達した時点に取得されるマスタシリンダ圧変化
速度dPmcFkと、作動開始時ブースタ負圧との間には、
図33のグラフで表される関係が成立する。ブースタ2
0には無視できない作動遅れがあり、その作動遅れは、
作動開始時ブースタ負圧が小さいほど大きく、踏力変化
速度dFが大きいほど大きい。ブースタ20の作動遅れ
によりマスタシリンダ圧Pmcの増加が遅れ、その遅れは
作動開始時ブースタ負圧が小さいほど大きく、踏力変化
速度dFが大きいほど大きいのである。そのため、踏力
変化速度dFpmckが同じであれば、マスタシリンダ圧変
化速度dPmcFkは、作動開始時ブースタ負圧が大きい場
合に、小さい場合より大きくなり、踏力変化速度dFpm
ckに対して遅れがないマスタシリンダ圧変化速度dPmc
を基準とすれば、基準に近いマスタシリンダ圧変化速度
dPmcFkが得られる。図33のグラフで表される関係は
予め実験により調べられ、テーブルとしてROM196
に記憶されており、このテーブルと、基準マスタシリン
ダ圧到達時における踏力変化速度dFpmckと、基準踏力
到達時におけるマスタシリンダ圧変化速度dPmcFkとに
基づいて作動開始時ブースタ負圧が推定される。
【0092】ブースタ負圧推定ルーチンのS50におい
ては、ブレーキスイッチ552の信号がON信号である
か否か、すなわちブレーキペダル18が踏み込まれたか
否かの判定が行われる。ブレーキペダル18が踏み込ま
れておらず、ブレーキスイッチ552の信号がOFF信
号であれば、S50の判定はNOになってS80が実行
され、推定終了処理が行われる。フラグF11〜F13
のリセット,マスタシリンダ圧メモリ等のクリア等の処
理が行われるのである。
【0093】上記S50,S80の実行が繰り返されて
いるうちにブレーキペダル18が踏み込まれ、ブレーキ
スイッチ552の信号がON信号になれば、S50の判
定がYESになり、S52においてフラグF11がON
にセットされているか否かの判定が行われる。フラグF
11はONにセットされることにより、作動開始時ブー
スタ負圧が推定されたことを記憶するが、S80におい
てOFFにリセットされているため、当初は判定がNO
となり、S54が実行されてマスタシリンダ圧変化速度
dPmcおよび踏力変化速度dFが演算される。マスタシ
リンダ圧変化速度dPmcは、本実施形態では、S54が
実行される毎に、マスタシリンダ圧センサ556の検出
信号に基づいて得られるマスタシリンダ圧が読み込まれ
て、RAM198に設けられたマスタシリンダ圧メモリ
に記憶されるとともに、マスタシリンダ圧メモリに記憶
された複数のマスタシリンダ圧のうち、最新のマスタシ
リンダ圧から最も古いマスタシリンダ圧を引くことによ
り得られるマスタシリンダ圧差を時間で除することによ
り求められる。この時間は、最古のマスタシリンダ圧が
得られてから、最新のマスタシリンダ圧が得られるまで
の時間であり、ブースタ負圧推定ルーチンの実行サイク
ルタイムに基づいて得られる。なお、最新のマスタシリ
ンダ圧がマスタシリンダ圧メモリに記憶されるとき、最
古のマスタシリンダ圧は消去され、マスタシリンダ圧メ
モリには、常に予め定められた数のマスタシリンダ圧が
記憶されるようにされ、新たな最古のマスタシリンダ圧
と最新のマスタシリンダ圧との差が求められる。踏力変
化速度dFも同様に、踏力センサ554の検出信号に基
づいて得られる踏力が読み込まれ、踏力メモリに記憶さ
れた複数の踏力のうち、最新の踏力から最古の踏力を引
くことにより得られる差を時間で除することにより求め
られる。演算されたマスタシリンダ圧変化速度dPmcお
よび踏力変化速度dFはそれぞれ、RAM198に設け
られたマスタシリンダ圧変化速度メモリ,踏力変化速度
メモリに記憶される。
【0094】次いでS56が実行され、フラグF12が
ONにセットされているか否かの判定が行われる。フラ
グF12はONにセットされることにより、マスタシリ
ンダ圧が基準マスタシリンダ圧に達した時点での踏力変
化速度dFpmckが取得されたことを記憶するが、S80
においてリセットされており、S56の判定は当初はN
OになってS58が実行され、マスタシリンダ圧Pmcが
基準マスタシリンダ圧Pmck に達したか否かの判定が行
われる。マスタシリンダ圧Pmcが基準マスタシリンダ圧
Pmck に達していなければ、S58の判定はNOになっ
てS64が実行される。そして、フラグF13がONに
セットされているか否かの判定が行われる。フラグF1
3は、ONにセットされることにより、踏力Fが基準踏
力Fk に達した時点のマスタシリンダ圧変化速度dPmc
Fkが取得されたことを記憶するが、S80においてリセ
ットされており、S64の判定は当初はNOになってS
66が実行され、踏力Fが基準踏力Fk に到達したか否
かが判定される。踏力Fが基準踏力Fk に達していなけ
れば、S66の判定はNOになってS72が実行され、
フラグF12がONにセットされているか否かの判定が
行われる。フラグF12がセットされていなければ、S
72の判定はNOになってルーチンの実行は終了する。
【0095】例えば、マスタシリンダ圧Pmcが基準マス
タシリンダ圧Pmck に達するよりも、dt時間早く、踏
力Fが基準踏力Fk に達したとすれば、S58の判定が
YESになる前にS66の判定がYESになってS68
が実行され、S54において演算された最新のマスタシ
リンダ圧変化速度dPmcが、踏力Fが基準踏力Fk に達
した時点におけるマスタシリンダ圧変化速度dPmcFkで
あって、ブースタ負圧を推定するためのマスタシリンダ
圧変化速度dPmcFkとして、ブースタ負圧推定用マスタ
シリンダ圧変化速度メモリに記憶される。そして、S7
0においてフラグF13がセットされる。しかし、フラ
グ12がセットされていないため、S72の判定はNO
になり、ブースタ負圧の推定は行われず、ルーチンの実
行は終了する。
【0096】以後、マスタシリンダ圧Pmcが基準マスタ
シリンダ圧Pmck に達するまで、S50〜S58,S6
4,S72が繰り返し実行される。マスタシリンダ圧P
mcが基準マスタシリンダ圧Pmck に達すれば、S58の
判定がYESになってS60が実行され、S54におい
て演算された最新の踏力変化速度dFが、マスタシリン
ダ圧Pmcが基準マスタシリンダ圧Pmck に達した時点に
おける踏力変化速度dFpmckであって、ブースタ負圧を
推定するための踏力変化速度dFpmckとして、ブースタ
負圧推定用踏力変化速度メモリに記憶される。これら前
記ブースタ負圧推定用踏力変化速度メモリおよびブース
タ負圧推定用マスタシリンダ圧変化速度メモリは、RA
M198に設けられている。そして、S62においてフ
ラグF12がONにセットされる。
【0097】フラグF12,F13の両方がセットされ
れば、S72,S74の判定がいずれもYESになって
S76が実行され、ブースタ負圧が推定される。この推
定は、S60,S68においてそれぞれ、ブースタ負圧
推定用の踏力変化速度メモリおよびマスタシリンダ圧変
化速度メモリに記憶された踏力変化速度dFpmck,マス
タシリンダ圧変化速度dPmcFkおよびROM196に記
憶されたテーブルに基づいて行われる。図33におい
て、踏力変化速度dFpmckとマスタシリンダ圧変化速度
dPmcFkとに対応する点のブースタ負圧が、テーブルの
データ(上記点を囲む4点のデータ)に基づく比例計算
により求められるのである。そして、S78が実行さ
れ、フラグF11がONにセットされる。そのため、次
にS52が実行されるとき、その判定はYESになって
ルーチンの実行は終了する。ブースタ負圧の推定は、ブ
レーキペダル18の1回の踏込みにつき、1回のみ行わ
れるようにされているのである。
【0098】最大踏力変化速度取得ルーチンを説明す
る。まず、S90においてブレーキスイッチ552の信
号がON信号であるか否かが判定され、ON信号でなけ
ればS104が実行され、最大踏力変化速度取得終了処
理が行われる。フラグF14のリセット等が行われるの
である。ブレーキスイッチ552の信号がON信号にな
れば、S90の判定がYESになってS92が実行さ
れ、踏力の変化速度が演算される。この演算は、S54
の踏力変化速度の演算と同様に行われ、演算後、S94
が実行され、踏力変化速度が増大中であるか否かの判定
が行われる。この判定は、図13に示すブースタ負圧推
定ルーチンのS22´におけると同様に、今回演算され
た踏力変化速度が前回演算された踏力変化速度より大き
いか否かにより行われる。増大中であれば、S94の判
定はYESになり、S96において、今回の踏力変化速
度が前回の踏力変化速度の代わりに最大踏力変化速度メ
モリに記憶された後、S98においてフラグF14がO
FFにリセットされる。フラグF14は、ONにセット
されることにより、最大踏力変化速度が取得されたこと
を記憶する。
【0099】S90〜S98が繰り返されているうち
に、踏力変化速度が減少に転ずるため、S94の判定が
NOになってS100が実行され、フラグF14がON
にセットされているか否かが判定される。フラグF14
はS104等においてOFFにリセットされており、S
100の判定はNOになってS102が実行され、フラ
グF14がセットされる。
【0100】このようにブースタ負圧が推定され、S9
6において最大踏力変化速度が取得されたならば、それ
らを用いてS44,S46が実行され、助勢限界時踏力
および動的サーボ比が決定される。ブースタ負圧が推定
され、最大踏力変化速度が取得されたことは、フラグF
11,F14のセットによりわかる。助勢限界時踏力お
よび動的サーボ比の決定は、図11ないし図17に示す
実施形態におけると同様に行われる。それらの決定は、
本実施形態では、最大踏力変化速度を用いて行われる
が、最大踏力変化速度と助勢限界時踏力と作動開始時ブ
ースタ負圧との間には、図16に示す最大踏力勾配と助
勢限界時踏力と作動開始時ブースタ負圧との間に成立す
る関係と同じ傾向の関係が成立し、その関係が予め実験
により調べられ、テーブルとしてROM196に記憶さ
れており、最大踏力変化速度,作動開始時ブースタ負圧
およびテーブルを用いて助勢限界時踏力が決定される。
動的サーボ比についても同様である。なお、最大踏力変
化速度の取得は、助勢限界時踏力決定ルーチンおよび動
的サーボ比決定ルーチンにおいてそれぞれ行われるよう
にしてもよい。そして、助勢限界時踏力および動的サー
ボ比が決定されたならば、S48の補助加圧室圧制御ル
ーチンが、例えば、図12に示す実施形態と同様に実行
される。
【0101】以上の説明から明らかなように、本実施形
態においては、マスタシリンダ圧が基準マスタシリンダ
圧に達した時点が第1基準時点であり、踏力が基準踏力
に達した時点が第2基準時点であり、コンピュータ19
2のS60,S68,S76を実行する部分が基準時点
速度依拠負圧値推定部を構成している。
【0102】なお、上記実施形態において最大踏力変化
速度を取得する際、フラグF14のリセットは、S10
4においてのみ行うようにしてもよい。また、踏力変化
速度が増大から減少に転じ、最大踏力変化速度が得られ
たならば、以後、踏力変化速度の演算等は行われないよ
うにしてもよい。例えば、ブレーキスイッチ552の信
号がONになった後、踏力変化速度が演算される前にフ
ラグF14がONにセットされているか否かの判定を行
うようにする。S92の実行前にS100の判定を行う
のである。また、マスタシリンダの出力変化速度,ブレ
ーキペダルの踏込速度として、図1ないし図17に示す
各実施形態におけると同様に、一定時間内におけるマス
タシリンダ圧の変化量,踏力の変化量を取得するように
してもよい。さらに、最大踏力変化速度に代えて、最大
マスタシリンダ圧変化速度を取得し、ブースタ負圧,最
大マスタシリンダ圧変化速度に基づいて助勢限界時圧,
動的サーボ比を取得し、補助加圧室圧の制御を行うよう
にしてもよい。
【0103】第1基準時点および第2基準時点は、時間
的に同じ時点でもよく、ブレーキペダル18の踏込み開
始後、予め定められた基準時間が経過した時点としても
よい。その例を図34に示すブースタ負圧推定ルーチン
に基づいて説明する。本実施形態のブースタ負圧推定ル
ーチンのS110〜S114は、上記実施形態のS50
〜S54と同様に実行される。そして、S116におい
て、ブレーキペダル18の踏込みが開始されてから、す
なわちS110の判定がYESになってから予め定めら
れた基準時間が経過したか否かの判定が行われる。この
判定は、本実施形態では、コンピュータ192に設けら
れたタイマを用いて行われるが、S116の判定は当初
はNOであり、ルーチンの実行は終了する。
【0104】ブレーキペダル18の踏込みが開始されて
から基準時間が経過すれば、S116の判定はYESに
なってS118が実行され、ブースタ負圧が推定され
る。この推定は、S116の判定がYESになる直前の
S114において演算されたマスタシリンダ圧変化速度
および踏力変化速度であって、マスタシリンダ圧変化速
度メモリおよび踏力変化速度メモリにそれぞれ記憶され
ている変化速度とテーブルとを用いて行われる。本実施
形態においては、第1基準時点と第2基準時点とが時間
的に同じ時点であり、予め設定された基準時間が経過し
た時点において得られるマスタシリンダ圧変化速度と踏
力変化速度と作動開始時ブースタ負圧との間には、図示
は省略するが、図27ないし図33に示す実施形態にお
けるマスタシリンダ圧変化速度と踏力変化速度と作動開
始時ブースタ負圧との間に成立する関係と同じ傾向の関
係が成立し、その関係は予め調べられてテーブルとして
ROMに記憶されている。ブースタ負圧の推定後、S1
18においてフラグF15がセットされ、ブースタ負圧
が推定されたことが記憶される。そして、推定されたブ
ースタ負圧を用いて助勢限界時踏力,動的サーボ比が推
定され、それらを用いて補助加圧室圧の制御が行われ
る。
【0105】第1基準時点および第2基準時点は、ブレ
ーキ操作部材の操作量が予め定められた基準操作量に達
した時点、あるいはマスタシリンダの出力が予め定めら
れた基準出力値に達した時点でもよい。例えば、図34
に示す実施形態において、S116において基準時間が
経過したか否かを判定するのに代えて、ブレーキ操作部
材の操作量が予め定められた基準操作量に達したか否
か、あるいはマスタシリンダの出力が予め定められた基
準出力値に達したか否かの判定を行い、達したならば、
ブースタ負圧を推定するようにすればよい。
【0106】本発明のさらに別の実施形態を図35ない
し図37に基づいて説明する。本実施形態は、ブレーキ
操作部材の操作速度と、マスタシリンダの出力のブレー
キ操作部材の操作に対する遅れ量との関係に基づいてブ
ースタ負圧を推定する態様の一例であり、遅れ量は、ブ
レーキペダルの踏込開始から、マスタシリンダ圧が基準
マスタシリンダ圧に達するのに要した時間の基準時間に
対する差である遅れ時間を取得することにより取得され
る。本実施形態の液圧ブレーキシステムのハード構成
は、図27ないし図33に示す実施形態のそれと同じで
あり、図35に示すブースタ負圧推定ルーチンはコンピ
ュータ192のROM196に記憶されている。
【0107】遅れ時間dtと、踏力変化速度dFと、作
動開始時ブースタ負圧との間には、図36のグラフで表
される関係が成立する。遅れ時間を取得するための基準
となる時間である基準時間は、図37に実線で示すよう
に、ブースタ20の低圧室34に正規の負圧がある状態
において、ブレーキペダル18が基準速度で踏み込まれ
たときに、踏込開始から、マスタシリンダ圧Pmcが基準
マスタシリンダ圧Pmck に達するのに要する時間であ
る。正規の負圧は、通常の状態においてブースタ20に
得られる最大の負圧であり、基準速度は低い速度であ
る。したがって、このように基準時間を設定すれば、ブ
ースタ負圧が小さくても、踏力変化速度が大きくても、
図37に二点鎖線で示すように、マスタシリンダ圧の出
力に遅れが生じ、遅れ時間は、作動開始時ブースタ負圧
が小さいほど大きく、踏力変化速度が大きいほど大きく
なり、これら遅れ時間,作動開始時ブースタ負圧および
踏力変化速度の間に図36に示す関係が成立する。この
グラフで表される関係は、予め調べられてテーブルとし
てROM196に記憶されており、このテーブルと、遅
れ時間と、マスタシリンダ圧Pmcが基準マスタシリンダ
圧Pmck に達したときの踏力変化速度dFpmckとに基づ
いて作動開始時ブースタ負圧が推定される。
【0108】ブースタ負圧推定ルーチンのS130,S
132は、前記実施形態のS50,S52と同様に実行
され、ブレーキペダル18が踏み込まれれば、S134
において踏力変化速度が演算される。この演算は、前記
ブースタ負圧推定ルーチンのS54の踏力変化速度の演
算と同様に行われる。また、RAM198に設けられた
カウンタのカウント値Cが1増加させられ、ブレーキペ
ダル18が踏み込まれてからの時間が計測される。な
お、カウンタは、S144においてリセットされる。演
算後、S136が実行されてマスタシリンダ圧Pmcが基
準マスタシリンダ圧Pmck に達したか否かの判定が行わ
れる。この判定は当初はNOであり、ルーチンの実行は
終了する。
【0109】マスタシリンダ圧Pmcが基準マスタシリン
ダ圧Pmck に達すれば、S136の判定はYESになっ
てS138が実行され、遅れ時間dtが取得される。遅
れ時間dtは、ブレーキペダル18が踏み込まれてか
ら、すなわちS130の判定がYESになってから、S
136の判定がYESになるまでに要する時間から、基
準時間をひくことにより求められる。ブレーキペダル1
8が踏み込まれてから、マスタシリンダ圧Pmcが基準マ
スタシリンダ圧Pmck に達するまでの時間は、本実施形
態では、カウンタのカウント値Cから得られる。コンピ
ュータ192に設けられたタイマを用いて取得するよう
にしてもよい。ブレーキペダル踏込み時の時間をRAM
198に記憶し、マスタシリンダ圧Pmcが基準マスタシ
リンダ圧Pmck に達したときの時間から引くのである。
そして、S140が実行され、遅れ時間dtと、S13
4において演算された踏力変化速度dFpmckであって、
マスタシリンダ圧Pmcが基準マスタシリンダ圧Pmck に
達したときの踏力変化速度とROM196に記憶された
前記テーブルとに基づいてブースタ負圧が推定される。
推定後、S142が実行され、フラグF16がセットさ
れてルーチンの実行が終了する。本実施形態において
は、コンピュータ192のS130,S134〜S14
0を実行する部分が遅れ量依拠負圧推定部を構成してい
る。
【0110】ブースタ負圧の推定にマスタシリンダの出
力のブレーキ操作部材の操作に対する遅れ量を用いる別
の態様を図38ないし図40に基づいて説明する。本実
施形態においては、ブレーキペダル18の操作量である
踏力が、予め設定された設定操作量である設定踏力に達
した時点における理想マスタシリンダ圧と実マスタシリ
ンダ圧との差が遅れ量とされる。理想マスタシリンダ圧
は、図40に実線で示すように、遅れがない理想状態に
おいて踏力に対して得られるマスタシリンダ圧であり、
ブースタ20の作動遅れやブレーキペダル18の踏込速
度が大きいことによりマスタシリンダ圧の増加が遅れれ
ば、二点鎖線で示すように、踏力に対して得られる実際
のマスタシリンダ圧が理想マスタシリンダ圧より小さく
なる。このマスタシリンダ圧の増加遅れ量は、作動開始
時ブースタ負圧が小さいほど大きく、踏力変化速度が大
きいほど大きく、マスタシリンダ圧の増加遅れ量と、踏
力変化速度と、作動開始時ブースタ負圧との間には図3
9のグラフに示す関係が成立し、この関係は予め調べら
れてテーブルとしてROM196に記憶されている。ま
た、ROM196には、図38に示すブースタ負圧推定
ルーチン等が記憶されている。
【0111】ブースタ負圧推定ルーチンのS150,S
152は、図35に示すブースタ負圧推定ルーチンのS
130,S132と同様に実行され、S154において
踏力変化速度が演算された後、S156において踏力F
が設定踏力Fk に達したか否かの判定が行われる。踏力
Fが設定踏力Fk に達していなければ、S156の判定
はNOになってルーチンの実行は終了する。踏力Fが設
定踏力Fk に達していれば、S156の判定はYESに
なってS158が実行され、マスタシリンダ圧の増加遅
れ量が取得される。踏力Fが設定踏力Fk 以上になった
ときのマスタシリンダ圧が読み込まれ、その実マスタシ
リンダ圧を、設定踏力Fk に対して予め取得されてRO
M196に記憶されている理想マスタシリンダ圧から引
くことにより、マスタシリンダ圧の増加遅れ量が取得さ
れるのである。次いでS160が実行され、ブースタ負
圧の推定が行われる。この推定は、S158において取
得されたマスタシリンダ圧の増加遅れ量,踏力Fが設定
踏力Fk に達したときの踏力変化速度dFk (S156
がYESになる直前に演算されて踏力変化速度メモリに
記憶されている最新の踏力変化速度)およびROM19
6に記憶された前記テーブルを用いて行われ、ブースタ
負圧が推定されたならばS162が実行され、フラグF
17がセットされる。
【0112】ブースタ負圧の推定にマスタシリンダの出
力のブレーキ操作部材の操作に対する遅れ量を用いるさ
らに別の態様を図41ないし図43に基づいて説明す
る。本実施形態においては、遅れ量として、出力遅れに
よってブレーキペダル18の踏込みに生ずる余分なスト
ロークである作動遅れストロークが用いられる。図43
に示すように、ブレーキペダル18の踏込に対してマス
タシリンダ圧が遅れなく増加する理想状態において、マ
スタシリンダ圧が基準マスタシリンダ圧に達したときの
ストロークを基準ストロークとすれば、実際のブレーキ
ペダル18の踏込み時にマスタシリンダ圧が基準マスタ
シリンダ圧に達したときのストロークである実ストロー
クの基準ストロークに対する差が作動遅れストロークで
ある。ブレーキペダル18の踏込みに対してマスタシリ
ンダ圧の増加に遅れがあり、減速度の増加に遅れがあれ
ば、運転者は意図する減速度を得るべく、マスタシリン
ダ圧の増加に遅れがない場合より多くブレーキペダル1
8を踏み込むため、踏込ストロークが大きくなり、作動
遅れストロークが生ずる。作動開始時ブースタ負圧が小
さいほど、また、踏力変化速度が大きいほど、マスタシ
リンダ圧の出力遅れは大きく、作動遅れストロークは大
きくなり、作動遅れストロークと、踏力変化速度dFpm
ckと、作動開始時ブースタ負圧との間には、図42にグ
ラフで表す関係が得られる。この関係は予め調べられ、
テーブルとしてROM196に記憶されている。ROM
196にはまた、図41に示すブースタ負圧推定ルーチ
ンが記憶されている。さらに、本実施形態においては、
図示は省略するが、コンピュータ192のI/Oポート
200に、ブレーキペダル18の操作量の一種である踏
込ストロークを検出するストロークセンサがブレーキス
イッチ552等と共に接続されている。ストロークセン
サは、操作量検出装置の一種であり、例えば、エンコー
ダを含んで構成され、ブレーキペダル18の回動角度の
検出に基づいて踏込ストロークが検出されるものとされ
る。
【0113】ブースタ負圧推定ルーチンのS170〜S
174は、前記実施形態のS150〜S154と同様に
実行される。そして、S176においてマスタシリンダ
圧Pmcが基準マスタシリンダ圧Pmck に達したか否かの
判定が行われる。マスタシリンダ圧Pmcが基準マスタシ
リンダ圧Pmck に達していなければ、S176の判定は
NOになってルーチンの実行は終了する。マスタシリン
ダ圧Pmcが基準マスタシリンダ圧Pmck に達すれば、S
176の判定はYESになってS178が実行され、作
動遅れストロークが取得される。ストロークセンサの検
出信号に基づいて得られるブレーキペダル18の踏込ス
トロークが読み込まれ、その実踏込ストロークから理想
踏込ストロークを引くことにより、作動遅れストローク
が取得される。ここでは、理想踏込ストロークは、マス
タシリンダ圧Pmcが基準マスタシリンダ圧Pmck に遅れ
なく達したときのストロークであり、予め取得されてR
OM196に記憶されている。次いでS180が実行さ
れ、作動遅れストローク,S174において演算された
踏力変化速度およびROM196に記憶された前記テー
ブルに基づいてブースタ負圧が推定され、推定後、S1
82が実行され、フラグF18がONにセットされる。
なお、作動遅れストロークは、踏力が設定踏力に達した
ときに取得するようにしてもよい。
【0114】以上説明したいくつかの実施形態において
は、マスタシリンダ圧と踏力との一方の検出装置が、設
定値を境にして出力状態が変わるスイッチとされている
ため、安価で済む利点があるが、マスタシリンダ圧と踏
力との両方の検出装置を、それら両方の値を連続的に検
出可能なセンサとすることも可能であり、そうすればブ
ースタ20の作動状態(時々刻々のブースタ負圧,動的
サーボ比,助勢限界到達等)に関する一層多くの情報を
得ることが可能となり、一層正確な電気制御助勢を行う
ことが可能となる。また、センサは、検出対象量を無段
階に検出することが可能であり、当然スイッチの機能を
果たさせることも可能である。
【0115】前記各実施形態においては、複数種類の量
の間の関係がテーブル化されていたが、式で表してお
き、それらの式の演算により目的とする量が取得される
ようにすることも可能である。
【0116】また、ブレーキ操作部材の操作速度とマス
タシリンダの出力変化速度との関係に基づいてバキュー
ムブースタの負圧を推定するにあたり、第1基準時点と
第2基準時点とを時間的に互いに異なる時点とする場
合、第2基準時点を、ブレーキ操作部材の操作量,マス
タシリンダの出力,ブレーキ操作部材の操作開始後の経
過時間のうちの1つが、第1設定値とは異なる第2設定
値に達した時点としてもよい。例えば、図27ないし図
33に示す実施形態のブースタ負圧推定ルーチンにおい
て、マスタシリンダ圧が基準マスタシリンダ圧に達した
か否かを判定するのに代えて、ブレーキペダル18の踏
力が第1設定踏力に達したか否かを判定し、達したので
あれば踏力変化速度を取得し、ブレーキペダル18の踏
力が設定踏力に達したか否かを判定するのに代えて、第
1設定踏力とは異なる設定踏力であって、第1設定踏力
より大きい第2設定踏力に達したか否かを判定し、達し
たのであればマスタシリンダの出力変化速度を取得し、
それら踏力変化速度およびマスタシリンダの出力変化速
度に基づいてブースタ負圧を推定するのである。
【0117】さらに、ブースタ負圧を推定するととも
に、ブースタ負圧センサにより検出するようにしてもよ
い。推定と検出との両方を行えば、例えば、推定値と検
出値との不一致によりブースタ負圧センサの故障を検出
することができる。また、通常制動時にブレーキ操作部
材の操作に対して、ブースタの助勢量が不足する際にブ
ースタが助勢限界に達した場合と同様に助勢制御を行っ
て減速度の不足を補う制御を行う場合、ブースタ負圧を
推定する代わりにブースタ負圧センサにより検出するよ
うにしてもよい。
【0118】さらに、前後2系統式液圧ブレーキシステ
ムであって、マスタシリンダあるいはリザーバから作動
液を汲み上げてホイールシリンダに供給し、ホイールシ
リンダ圧をマスタシリンダ圧に対して増大させることに
より助勢制御が行われる液圧ブレーキシステム,そのブ
レーキ液圧源装置に本発明を適用してもよく、ダイアゴ
ナル2系統式液圧ブレーキシステムにおいて、マスタシ
リンダに補助加圧室を設け、その補助加圧室に液圧を発
生させることにより助勢制御が行われる液圧ブレーキシ
ステム,そのブレーキ液圧源装置に本発明を適用しても
よい。
【0119】以上、本発明のいくつかの実施形態を詳細
に説明したが、これらは例示に過ぎず、本発明は、前記
〔発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効
果〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識
に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるブレーキ液圧源装置
を含み、自身も本発明の一実施形態である液圧ブレーキ
システムの液圧回路部を示す回路図である。
【図2】上記ブレーキ液圧源装置の構成要素であるバキ
ュームブースタの正面断面図である。
【図3】上記ブレーキ液圧源装置の構成要素である圧力
制御弁を概略的に示す図である。
【図4】上記液圧ブレーキシステムの電気制御部を示す
ブロック図である。
【図5】上記ブレーキ液圧源装置におけるブースタ負圧
の推定を説明するためのグラフである。
【図6】上記グラフを説明するためのグラフである。
【図7】前記図4の電気制御部の構成要素であるコンピ
ュータによって実行される助勢制御ルーチンを表すフロ
ーチャートである。
【図8】上記フローチャートにおけるブースタ負圧推定
ルーチンの詳細を示すフロチャートである。
【図9】前記図7のフローチャートによる制御を説明す
るためのグラフである。
【図10】前記図7のフローチャートによる制御を説明
するための別のグラフである。
【図11】本発明の別の実施形態である液圧ブレーキシ
ステムの電気制御部を示すブロック図である。
【図12】上記図11の電気制御部の構成要素であるコ
ンピュータによって実行される助勢制御ルーチンを表す
フローチャートである。
【図13】上記フローチャートにおけるブースタ負圧推
定ルーチンの詳細を示すフロチャートである。
【図14】上記ブースタ負圧推定ルーチンによるブース
タ負圧の推定を説明するためのグラフである。
【図15】図14の関係が成立する理由を説明するため
の図である。
【図16】前記図12のフローチャートによる制御を説
明するためのグラフである。
【図17】前記図12のフローチャートによる制御を説
明するための別のグラフである。
【図18】本発明のさらに別の実施形態であるブレーキ
液圧源装置におけるバキュームブースタの助勢限界の検
出原理を説明するためのグラフである。
【図19】上記図18に示す助勢限界の検出原理の利点
を説明するためのグラフである。
【図20】本発明のさらに別の実施形態である液圧ブレ
ーキシステムにおける液圧制御を説明するためのグラフ
である。
【図21】図20と同じ実施形態を説明するための図で
ある。
【図22】図20と同じ実施形態を説明するための図で
ある。
【図23】本発明のさらに別の実施形態である液圧ブレ
ーキシステムにおける液圧制御を説明するためのグラフ
である。
【図24】本発明のさらに別の実施形態である液圧ブレ
ーキシステムにおける液圧制御を説明するためのグラフ
である。
【図25】本発明のさらに別の実施形態であるブレーキ
液圧源装置を含み、自身も本発明のさらに別の実施形態
である液圧ブレーキシステムの液圧回路部を示す回路図
である。
【図26】上記液圧ブレーキシステムの電気制御部を示
すブロック図である。
【図27】本発明のさらに別の実施形態である液圧ブレ
ーキシステムの電気制御部を示すブロック図である。
【図28】図27に示す電気制御部の構成要素であるコ
ンピュータによって実行される助勢制御ルーチンを表す
フローチャートである。
【図29】図28に示すフローチャートにおけるブース
タ負圧推定ルーチンの詳細を示すフロチャートである。
【図30】図28に示すフローチャートにおける最大踏
力変化速度取得ルーチンの詳細を示すフロチャートであ
る。
【図31】図27に示す電気制御部を有する液圧ブレー
キシステムにおける踏力とマスタシリンダ圧との関係を
示すグラフである。
【図32】上記踏力およびマスタシリンダ圧ならびに踏
力変化速度およびマスタシリンダ圧変化速度の時間に対
する変化を示すグラフである。
【図33】図28に示すルーチンの実行によるブースタ
負圧の推定を説明するためのグラフである。
【図34】本発明のさらに別の実施形態である液圧ブレ
ーキシステムの電気制御部の構成要素であるコンピュー
タによって実行されるブースタ負圧推定ルーチンを示す
フラグである。
【図35】本発明のさらに別の実施形態である液圧ブレ
ーキシステムの電気制御部の構成要素であるコンピュー
タによって実行されるブースタ負圧推定ルーチンを示す
フラグである。
【図36】図35に示すルーチンの実行によるブースタ
負圧の推定を説明するためのグラフである。
【図37】マスタシリンダの出力遅れにより生ずる遅れ
時間を説明するグラフである。
【図38】本発明のさらに別の実施形態である液圧ブレ
ーキシステムの電気制御部の構成要素であるコンピュー
タによって実行されるブースタ負圧推定ルーチンを示す
フラグである。
【図39】図38に示すルーチンの実行によるブースタ
負圧の推定を説明するためのグラフである。
【図40】マスタシリンダの出力遅れによる生ずるマス
タシリンダ圧の増加遅れを説明するグラフである。
【図41】本発明のさらに別の実施形態である液圧ブレ
ーキシステムの電気制御部の構成要素であるコンピュー
タによって実行されるブースタ負圧推定ルーチンを示す
フラグである。
【図42】図41に示すルーチンの実行によるブースタ
負圧の推定を説明するためのグラフである。
【図43】マスタシリンダの出力遅れによる生ずる作動
遅れストロークを説明するグラフである。
【符号の説明】
18:ブレーキペダル 20:バキュームブースタ
22:マスタシリンダ 32:パワーピストン 34:低圧室 36:変圧
室 42:切換弁 68:第1加圧ピストン 70:第2加圧ピストン
82:補助ピストン 90:補助加圧室 10
6,108:フロントホイールシリンダ 122,1
24:リヤホイールシリンダ 130:電磁弁装置
160:圧力制御弁 190:電子制御ユニット
202:踏力スイッチ 204:マスタシリンダ圧
センサ 220:踏力センサ 222:マスタシリ
ンダ圧スイッチ 500:電子制御ユニット 50
2:踏力スイッチ 504:マスタシリンダ圧センサ
550:電子制御ユニット 554:踏力センサ 556:マスタシリンダ圧センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋本 健 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 3D048 BB21 BB25 BB37 CC10 CC26 CC39 GG05 HH08 HH15 HH18 HH31 HH37 HH42 HH53 HH66 HH67 HH75 KK09 QQ07 RR01 RR06 RR25 RR35

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブレーキ操作部材の操作力が、負圧によ
    り作動するバキュームブースタによって倍力され、その
    倍力された力でマスタシリンダが駆動されるブレーキ液
    圧源装置において、 前記マスタシリンダの出力の変化率が大きい場合に、変
    化率が小さい場合より前記バキュームブースタの負圧が
    大きいと推定する第1負圧推定部と、 前記ブレーキ操作部材の操作力の変化率が大きい場合
    に、変化率が小さい場合より前記バキュームブースタの
    負圧が小さいと推定する第2負圧推定部との少なくとも
    一方を備えた負圧推定装置を設けたことを特徴とするブ
    レーキ液圧源装置。
  2. 【請求項2】 前記第1負圧推定部が、前記バキューム
    ブースタの負圧の推定に、前記マスタシリンダの出力自
    体を加味する出力加味部を含む請求項1に記載のブレー
    キ液圧源装置。
  3. 【請求項3】 前記第1負圧推定部が、前記バキューム
    ブースタの負圧の推定に、前記ブレーキ操作部材の操作
    力を加味する操作力加味部を含む請求項1または2に記
    載のブレーキ液圧源装置。
  4. 【請求項4】 前記出力加味部および前記操作力加味部
    が入出力関係加味部を構成しており、その入出力関係加
    味部が、前記操作力が予め定められた設定操作力未満で
    ある期間中におけるマスタシリンダの出力の変化率を前
    記出力の変化率とする部分を含む請求項3に記載のブレ
    ーキ液圧源装置。
  5. 【請求項5】 前記出力加味部および前記操作力加味部
    が入出力関係加味部を構成しており、その入出力関係加
    味部が、前記操作力が予め定められた設定操作力以上で
    ある期間中におけるマスタシリンダ出力の変化率を前記
    出力の変化率とする部分を含む請求項3または4に記載
    のブレーキ液圧源装置。
  6. 【請求項6】 前記第1負圧推定部が、 前記ブレーキ操作部材の操作力が設定操作力以上である
    状態と設定操作力未満である状態とで出力信号が変化す
    る操作力スイッチと、 その操作力スイッチの出力信号の変化時点以後における
    前記マスタシリンダの出力の変化率の最大値が大きいほ
    ど前記バキュームブースタの負圧を大きい値に推定する
    特定時点変化率依拠推定部とを含む請求項1に記載のブ
    レーキ液圧源装置。
  7. 【請求項7】 前記第2負圧推定部が、前記バキューム
    ブースタの負圧の推定に、前記ブレーキ操作部材の操作
    力自体を加味するブレーキ操作力加味部を含む請求項1
    ないし6のいずれか1つに記載のブレーキ液圧源装置。
  8. 【請求項8】 前記第2負圧推定部が、 前記マスタシリンダ圧が設定液圧以上である状態と設定
    液圧未満である状態とで出力信号が変化するマスタシリ
    ンダ圧スイッチと、 そのマスタシリンダ圧スイッチの出力信号の変化時点以
    降における前記操作力の変化率の最大値が大きいほど前
    記バキュームブースタの負圧を小さい値に推定する特定
    時点変化率依拠推定部とを含む請求項1に記載のブレー
    キ液圧源装置。
  9. 【請求項9】 ブレーキ操作部材の操作力が、負圧によ
    り作動するバキュームブースタによって倍力され、その
    倍力された力でマスタシリンダが駆動されるブレーキ液
    圧源装置において、 前記マスタシリンダの液圧であるマスタシリンダ圧の変
    化率と、前記ブレーキ操作部材の操作力が設定操作力ま
    で増加した時点におけるマスタシリンダ圧とに基づいて
    前記バキュームブースタの負圧を推定する第1負圧推定
    部と、 前記ブレーキ操作部材の操作力であるブレーキ操作力の
    変化率と、前記マスタシリンダ圧が設定マスタシリンダ
    圧まで増加した時点における前記ブレーキ操作力とに基
    づいて前記バキュームブースタの負圧を推定する第2負
    圧推定部との少なくとも一方を備えた負圧推定装置を設
    けたことを特徴とするブレーキ液圧源装置。
  10. 【請求項10】 ブレーキ操作部材の操作力が、負圧に
    より作動するバキュームブースタによって倍力され、そ
    の倍力された力でマスタシリンダが駆動されるブレーキ
    液圧源装置において、 前記ブレーキ操作部材の操作力の増加勾配に基づいて前
    記バキュームブースタが助勢限界に達したことを検出す
    る助勢限界検出装置を設けたことを特徴とするブレーキ
    液圧源装置。
  11. 【請求項11】 前記助勢限界検出装置が、前記操作力
    の増加勾配である操作力勾配をブレーキ操作力で割った
    無次元化操作力勾配の急変時を助勢限界時として検出す
    ることを特徴とする請求項10に記載のブレーキ液圧源
    装置。
  12. 【請求項12】 ブレーキ操作部材の操作力が、負圧に
    より作動するバキュームブースタによって倍力され、そ
    の倍力された力でマスタシリンダが駆動されるブレーキ
    液圧源装置において、 前記ブレーキ操作部材の操作速度と前記マスタシリンダ
    の出力変化速度との関係に基づいて前記バキュームブー
    スタの負圧を推定する速度依拠負圧推定部を設けたこと
    を特徴とするブレーキ液圧源装置。
  13. 【請求項13】 前記速度依拠負圧推定部が、予め定め
    られた第1基準時点における前記操作速度の同じ値に対
    する予め定められた第2基準時点における前記出力変化
    速度が大きい場合に小さい場合に比較して前記負圧が大
    きいと推定する基準時点速度依拠負圧推定部を含み、そ
    の基準時点速度依拠負圧推定部が、前記第1基準時点に
    おける前記操作速度の同じ値に対する前記第2基準時点
    における前記出力変化速度が大きい場合に小さい場合に
    比較して、前記負圧を大きい値に推定する基準時点速度
    依拠負圧値推定部を含むことを特徴とする請求項12に
    記載のブレーキ液圧源装置。
  14. 【請求項14】 ブレーキ操作部材の操作力が、負圧に
    より作動するバキュームブースタによって倍力され、そ
    の倍力された力でマスタシリンダが駆動されるブレーキ
    液圧源装置において、 前記ブレーキ操作部材の操作速度と、前記マスタシリン
    ダの出力の前記ブレーキ操作部材の操作に対する遅れ量
    との関係に基づいて前記バキュームブースタの負圧を推
    定する遅れ量依拠負圧推定部を設けたことを特徴とする
    ブレーキ液圧源装置。
  15. 【請求項15】 ブレーキ操作部材の操作力が、負圧に
    より作動するバキュームブースタによって倍力され、そ
    の倍力された力でマスタシリンダが駆動されるブレーキ
    液圧源装置と、 そのブレーキ液圧源装置の液圧により作動するブレーキ
    シリンダと、 前記バキュームブースタが助勢限界に達した後に、前記
    ブレーキシリンダの液圧を前記ブレーキ操作部材の操作
    力の増加勾配に対応する増加勾配より大きい勾配で増加
    させる電気制御助勢装置と、 前記バキュームブースタの作動開始時の負圧と、前記ブ
    レーキ操作部材の操作力の変化率とに基づいて、前記電
    気制御助勢装置の作動開始時期を決定する電気制御助勢
    開始時期決定装置とを含むことを特徴とする液圧ブレー
    キシステム。
  16. 【請求項16】 ブレーキ操作部材の操作力が、負圧に
    より作動するバキュームブースタによって倍力され、そ
    の倍力された力でマスタシリンダが駆動されるブレーキ
    液圧源装置と、 そのブレーキ液圧源装置の液圧により作動するブレーキ
    シリンダと、 前記バキュームブースタが助勢限界に達した後に、前記
    ブレーキシリンダの液圧を前記ブレーキ操作部材の操作
    力の増加勾配に対応する増圧勾配より大きい勾配で増加
    させる電気制御助勢装置と、 前記バキュームブースタの作動開始時の負圧と、前記ブ
    レーキ操作部材の操作力の変化率とに基づいて、前記電
    気制御助勢装置の、前記ブレーキ操作部材の操作力の増
    加に対する前記ブレーキシリンダの液圧の増加勾配であ
    る電気制御助勢サーボ比を決定するサーボ比決定装置と
    を含むことを特徴とする液圧ブレーキシステム。
  17. 【請求項17】 前記バキュームブースタの負圧と、前
    記ブレーキ操作部材の操作力の変化率とに基づいて、前
    記電気制御助勢装置の作動開始時期を決定する電気制御
    助勢開始時期決定装置を含む請求項16に記載の液圧ブ
    レーキシステム。
  18. 【請求項18】 ブレーキ操作部材の操作力が、負圧に
    より作動するバキュームブースタによって倍力され、そ
    の倍力された力でマスタシリンダが駆動されるブレーキ
    液圧源装置と、 そのブレーキ液圧源装置の液圧により作動するブレーキ
    シリンダと、 前記ブレーキ操作部材の操作力が予め定められた設定操
    作力以上で、かつ、車両の減速度が予め定められた設定
    減速度未満である場合に、前記ブレーキシリンダの液圧
    を、前記ブレーキ液圧源装置の液圧による場合に比較し
    て高くする電気制御助勢装置とを含むことを特徴とする
    液圧ブレーキシステム。
JP2000071699A 1999-10-07 2000-03-15 ブレーキ液圧源装置および液圧ブレーキシステム Expired - Fee Related JP4366818B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000071699A JP4366818B2 (ja) 1999-10-07 2000-03-15 ブレーキ液圧源装置および液圧ブレーキシステム

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11-286771 1999-10-07
JP28677199 1999-10-07
JP2000071699A JP4366818B2 (ja) 1999-10-07 2000-03-15 ブレーキ液圧源装置および液圧ブレーキシステム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001171511A true JP2001171511A (ja) 2001-06-26
JP4366818B2 JP4366818B2 (ja) 2009-11-18

Family

ID=26556447

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000071699A Expired - Fee Related JP4366818B2 (ja) 1999-10-07 2000-03-15 ブレーキ液圧源装置および液圧ブレーキシステム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4366818B2 (ja)

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002193090A (ja) * 2000-12-25 2002-07-10 Aisin Seiki Co Ltd 車両用ブレーキ装置
JP2009023394A (ja) * 2007-07-17 2009-02-05 Toyota Motor Corp ブレーキ油圧制御装置
JP2009120124A (ja) * 2007-11-16 2009-06-04 Toyota Motor Corp 車両用制動装置
JP2009220603A (ja) * 2008-03-13 2009-10-01 Hitachi Ltd 車両のブレーキ制御装置
JP2010116069A (ja) * 2008-11-13 2010-05-27 Toyota Motor Corp ブースタ装置および液圧ブレーキ装置
JP2010173470A (ja) * 2009-01-29 2010-08-12 Hitachi Automotive Systems Ltd 車両用ブレーキ装置の制御装置
JP2010234985A (ja) * 2009-03-31 2010-10-21 Advics Co Ltd ブレーキ装置
JP2010254075A (ja) * 2009-04-23 2010-11-11 Toyota Motor Corp 制動補助装置
WO2011065515A1 (en) 2009-11-30 2011-06-03 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Assistance-limit recognizing device, assistance-limit recognizing method, and vehicle brake system including the assistance-limit recognizing device
JP2011121535A (ja) * 2009-12-14 2011-06-23 Toyota Motor Corp ブレーキ制御装置
CN105015528A (zh) * 2015-07-20 2015-11-04 清华大学 一种电驱动车辆用液压制动力调节装置
CN115214593A (zh) * 2022-07-20 2022-10-21 广州汽车集团股份有限公司 卡滞故障的检测方法、装置、处理方法、控制系统及介质

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002193090A (ja) * 2000-12-25 2002-07-10 Aisin Seiki Co Ltd 車両用ブレーキ装置
JP2009023394A (ja) * 2007-07-17 2009-02-05 Toyota Motor Corp ブレーキ油圧制御装置
JP2009120124A (ja) * 2007-11-16 2009-06-04 Toyota Motor Corp 車両用制動装置
JP2009220603A (ja) * 2008-03-13 2009-10-01 Hitachi Ltd 車両のブレーキ制御装置
JP2010116069A (ja) * 2008-11-13 2010-05-27 Toyota Motor Corp ブースタ装置および液圧ブレーキ装置
JP2010173470A (ja) * 2009-01-29 2010-08-12 Hitachi Automotive Systems Ltd 車両用ブレーキ装置の制御装置
JP2010234985A (ja) * 2009-03-31 2010-10-21 Advics Co Ltd ブレーキ装置
JP2010254075A (ja) * 2009-04-23 2010-11-11 Toyota Motor Corp 制動補助装置
WO2011065515A1 (en) 2009-11-30 2011-06-03 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Assistance-limit recognizing device, assistance-limit recognizing method, and vehicle brake system including the assistance-limit recognizing device
DE112010004609T5 (de) 2009-11-30 2013-01-24 Advics Co., Ltd. Unterstützungslimit-Erkennungsvorrichtung, Unterstützungs-Erkennungsverfahren und einKraftfahrzeugbremssystem mit der Unterstützungslimit-Erkennungsvorrichtung
US8414090B2 (en) 2009-11-30 2013-04-09 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Assistance-limit recognizing device, assistance-limit recognizing method, and vehicle brake system including the assistance-limit recognizing device
JP2011121535A (ja) * 2009-12-14 2011-06-23 Toyota Motor Corp ブレーキ制御装置
CN105015528A (zh) * 2015-07-20 2015-11-04 清华大学 一种电驱动车辆用液压制动力调节装置
CN105015528B (zh) * 2015-07-20 2018-08-28 清华大学 一种电驱动车辆用液压制动力调节装置
CN115214593A (zh) * 2022-07-20 2022-10-21 广州汽车集团股份有限公司 卡滞故障的检测方法、装置、处理方法、控制系统及介质
CN115214593B (zh) * 2022-07-20 2023-11-17 广州汽车集团股份有限公司 卡滞故障的检测方法、装置、处理方法、控制系统及介质

Also Published As

Publication number Publication date
JP4366818B2 (ja) 2009-11-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4332962B2 (ja) 車両用ブレーキシステム
JP4482981B2 (ja) ブレーキ液圧制御装置
JP3851043B2 (ja) ブレーキ液圧制御装置
JP4543476B2 (ja) ブレーキ装置
JP4329205B2 (ja) 液圧ブレーキシステムの加圧装置異常検出装置
JP2001171511A (ja) ブレーキ液圧源装置および液圧ブレーキシステム
JP2001080497A (ja) 液圧ブレーキシステム
JP2008179191A (ja) 車両用ブレーキ制御装置
JP2001030889A (ja) ブレーキ装置
JP4099982B2 (ja) ブレーキ装置
JP3633191B2 (ja) ブレーキ装置
JPH1120670A (ja) ブレーキ装置
JP5227111B2 (ja) ブレーキ操作装置および液圧ブレーキシステム
JP2002002466A (ja) ブレーキ装置,積載状態検出方法および液圧制御方法
JPH10329678A (ja) ブレーキ装置
JP3539135B2 (ja) ブレーキ装置
US20210323517A1 (en) Hydraulic brake system
JP7414046B2 (ja) 車両用制動装置
JP3565002B2 (ja) 液圧制御装置および車両用液圧ブレーキシステム
JP4866379B2 (ja) バーハンドル車両用ブレーキ液圧制御装置
JPH1111295A (ja) ブレーキ装置
JP3536569B2 (ja) ブレーキ装置
JP2988669B2 (ja) 車両用液圧ブレーキ制御装置
JPH1120671A (ja) ブレーキ装置
JPH06344894A (ja) 液圧ブレーキ装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060719

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080331

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080513

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080708

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090804

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090817

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120904

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130904

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees