JP4329205B2 - 液圧ブレーキシステムの加圧装置異常検出装置 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、液圧ブレーキシステムの加圧装置の異常を検出する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
上述の加圧装置異常検出装置の一例が特開平10−236294号公報に記載されている。この公報に記載の加圧装置異常検出装置は、加圧装置としてのバキュームブースタ(以下、単に、ブースタと略称する)の異常を検出する装置であり、(a)ブレーキ操作部材の操作力がブースタによって倍力された大きさに対応する液圧を発生させるマスタシリンダの液圧を検出するマスタシリンダ液圧検出装置と、(b)ブースタの変圧室の圧力を検出するブースタ圧力検出装置と、(c)ブレーキ操作部材が操作状態にある状態におけるマスタシリンダ液圧検出装置による検出液圧と、ブースタ圧力検出装置による検出圧力との関係に基づいて、ブースタが異常であるか否かを判定する判定装置とを含むものである。
ブースタの変圧室の圧力はブレーキ操作力の増加に伴って大気圧に近づく。そのため、変圧室の圧力はマスタシリンダ液圧の増加に伴って増加させられることになり、ブースタが正常である場合におけるこれらマスタシリンダ液圧と変圧室の圧力との関係(範囲)は予め決まる。そこで、実際にマスタシリンダ液圧検出装置によって検出された検出液圧とブースタ圧力検出装置によって検出された検出圧力との関係が上述の範囲内にない場合にはブースタが異常であると判定することができる。このように、ブースタが異常であるか否かの判定がブレーキ操作部材が操作状態にある場合に行われていたのである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効果】
しかし、上記公報に記載のブースタ異常検出装置においては、ブレーキ操作部材が非操作状態にある場合にブースタの異常を検出することができなかった。ブースタはブレーキ操作部材の操作に伴って作動状態にされるからである。そこで、本発明の課題は、ブレーキ操作部材が非操作状態にある状態において異常の検出を行い得るようにすることにある。
本課題は、異常検出装置を下記各態様のものとすることによって解決される。各態様は、請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまで本発明の理解を容易にするためであり、本明細書に記載の技術的特徴およびそれらの組合わせが以下の各項に限定されると解釈されるべきではない。また、1つの項に複数の事項が記載されている場合、常に、すべての事項を一緒に採用しなければならないものではなく、一部の事項のみを取り出して採用することも可能である。
(1)液圧ブレーキシステムの加圧装置の異常を検出する装置であって、
ブレーキ操作部材の操作状態においてその操作力に応じた液圧と前記加圧装置の出力液圧に応じた液圧との和の液圧を検出可能な液圧検出装置と、
前記ブレーキ操作部材が非操作状態にあり、かつ、前記液圧検出装置による検出液圧の大きさが、前記加圧装置の作動状態で決まるしきい値より小さい場合に、前記加圧装置が異常であると判定する判定装置と
を含む加圧装置異常検出装置(請求項1)。
本加圧装置異常検出装置においては、ブレーキ操作部材が非操作状態にある状態における液圧検出装置による検出液圧に基づいて異常判定が行われる。ブレーキ操作部材が非操作状態にある状態においてはブレーキ操作部材の操作に応じた液圧が発生させられることはないが、加圧装置が作動状態にあれば、液圧検出装置によって加圧装置の作動に応じた液圧が検出される。ブレーキ操作部材が非操作状態にある状態で液圧を検出すれば、検出液圧からブレーキ操作に応じた液圧を除くことができるのであり、ブレーキ操作部材が操作状態になくても加圧装置の異常判定を行うことができる。
しきい値は、液圧検出時の加圧装置の作動状態が予め定められた設定状態になるように制御される場合には予め決めておくことができるが、その都度変わる場合には、その液圧検出時における加圧装置の作動状態に基づいて決定することが望ましい。例えば、実液圧が推定液圧に基づいて決まるしきい値(設定液圧)より小さい場合に異常であると判定することができる。
また、しきい値は、加圧装置の作動状態に応じた大きさに決定される。例えば、加圧装置がポンプとポンプを駆動する電動モータとを含む場合には、電動モータに流れる電流や回転回数等に基づいてしきい値を決定することができる。また、加圧装置から出力される作動液の液圧を制御する液圧制御弁を含む場合には、液圧制御弁の制御状態(供給電流量,電流のON/OFF状態等)に基づいてしきい値を決定することもできる。
なお、ブレーキ操作部材の操作に応じた液圧には、ブレーキ操作力自体に対応した液圧のみならず、前述のように、操作力が倍力装置等によって倍力された大きさに対応する液圧等も含まれる。
(2)前記判定装置が、前記加圧装置を、それの作動状態が予め定められた設定作動状態となるように制御する加圧装置制御装置を含む(1)項に記載の加圧装置異常検出装置。
(3)前記判定装置が、前記液圧検出装置による検出液圧の大きさが、前記加圧装置の始動から予め定められた設定時間内に、前記しきい値より大きくならなかった場合に、前記加圧装置が異常であると判定する手段を含む(1)項または(2)項に記載の加圧装置異常検出装置(請求項2)。
(4)前記加圧装置が、ポンプ装置と、そのポンプ装置の出力液圧を供給電流に応じた大きさに制御可能な電磁液圧制御弁とを備え、前記判定装置が、前記電磁液圧制御弁への供給電流を制御することにより前記出力液圧を制御する手段と、前記液圧検出装置による検出液圧の大きさが、前記電磁液圧制御弁への供給電流で決まる設定範囲内にない場合に、前記加圧装置が異常であると判定する手段とを含む(1)項ないし(3)項のいずれか1つに記載の加圧装置異常検出装置(請求項3)。
(5)さらに、当該加圧装置異常検出装置が搭載された車両の走行速度を検出する走行速度検出装置を含み、
前記判定装置が、前記走行速度検出装置によって検出された走行速度が予め定められた第1設定速度以下である状態における液圧検出装置の検出液圧に基づいて、異常か否かの判定を行う低速時判定部を含む(1)項ないし(4)のいずれか1つに記載の加圧装置異常検出装置。
走行速度が第1設定速度以下である状態においては、ブレーキ操作部材が操作状態にされる可能性が低いと考えられる。そのため、走行速度が第1設定速度以下である状態においては、ブレーキ操作部材が非操作状態にある状態において異常判定を行うことができる。
走行速度検出装置は、車両の駆動装置の出力軸の回転数に基づいて走行速度を検出する装置としても、車輪の回転速度に基づいて走行速度を検出する装置等としてもよい。
(6)さらに、当該加圧装置異常検出装置が搭載された車両が走行不能な走行不能状態にあるか走行が可能な走行可能状態にあるかを検出する走行可否検出装置と、
前記ブレーキ操作部材が操作状態にあるか非操作状態にあるかを検出するブレーキ操作状態検出装置とを含み、
前記判定装置が、前記走行可否検出装置による走行不能状態から走行可能状態への移行検出後に、前記ブレーキ操作状態検出装置により前記ブレーキ操作部材が非操作状態にあると最初に検出された場合における前記液圧検出装置の検出液圧に基づいて、異常か否かの判定を行う走行許可移行後判定部を含む(1)項ないし(5)項のいずれか1つに記載の加圧装置異常検出装置。
走行不能状態から走行可能状態への移行直後の最初にブレーキ操作部材が非操作状態にあると検出された場合に、加圧装置の異常判定が行われる。走行可能状態への移行時に、ブレーキ操作部材が非操作状態にある場合には移行直後に異常判定が行われ、ブレーキ操作部材が操作状態にある場合には、移行後のブレーキ操作が最初に解除された場合に行われることになる。
車両の走行不能状態から走行可能状態へは、運転者の操作に応じて移行させられる場合や予め定められた条件が満たされた場合に移行させられる場合等がある。運転者の操作としては、例えば、車両のメインスイッチ(キースイッチ,イグニションスイッチ)等の操作が該当する。この操作は、車両の駆動装置の起動指示操作に該当する場合もある。予め定められた条件としては、例えば、運転席に加えられる荷重が予め定められた設定量以上増加したこと等が該当する。
(7)前記液圧検出装置が、前記加圧装置からその加圧装置により加圧された作動液が増圧通路を経て供給される対象装置までに設けられたものであり、
当該加圧装置異常検出装置が、前記増圧通路の前記液圧検出装置より対象装置側の部分に設けられ、前記加圧装置と前記対象装置とを連通させる連通状態とその連通を抑制する連通抑制状態とに切り換え可能な連通抑制装置を含み、
前記判定装置が、前記連通抑制装置が連通抑制状態にある状態における前記液圧検出装置の検出液圧に基づいて、異常か否かの判定を行う抑制状態判定部を含む(1)項ないし(6)項のいずれか1つに記載の加圧装置異常検出装置(請求項5)。
連通抑制装置は、加圧装置と対象装置とを連通させる連通状態とその連通を抑制する連通抑制状態とに切り換え可能なものであり、連通抑制状態には、増圧通路を遮断する遮断状態や、増圧通路を絞る絞り状態が含まれる。以下、本明細書に記載の連通抑制装置についても同様とする。
増圧通路が連通状態にある場合には、対象装置には加圧装置によって加圧された作動液が供給されるが、連通抑制状態にある場合には作動液の供給が抑制される。液圧検出装置によって、連通抑制状態にある場合に液圧を検出すれば、連通状態にある場合に検出するより、加圧装置の作動状態に応じた液圧を精度よく検出することができる。特に、遮断状態にあり、加圧装置を対象装置から遮断した状態で液圧を検出すれば、加圧装置の作動に伴う液圧上昇に影響を及ぼす要素を少なくすることができ、加圧装置の作動状態に応じた液圧を精度よく検出することができる。
対象装置がブレーキシリンダである場合において、ブレーキ操作部材が非操作状態にあれば、ブレーキシリンダに加圧された作動液を供給する必要がないため、異常検出の際に対象装置を加圧装置から遮断しても差し支えないのである。
また、連通抑制装置は、異常検出のために専用に設けられた装置であっても、対象装置の液圧制御のため等異常検出以外の目的のために設けられた制御弁を利用するものであってもよい。
(8)前記判定装置が、前記連通抑制装置の連通抑制状態から連通状態への切換時点から予め定められた設定時間以内に、前記ブレーキ操作状態検出装置によって前記ブレーキ操作部材が操作状態であると検出されたか否かに応じて、異常判定を行う(7)項に記載の加圧装置異常検出装置(請求項6)。
例えば、ブレーキ操作状態検出装置が、ブレーキ操作部材の操作ストロークが設定量以上である場合に操作状態にあると検出する装置であり、連通抑制装置が連通を遮断する遮断装置である場合において、加圧装置と対象装置とが遮断されている場合には、ブレーキ操作部材に操作力が加えられても、操作ストロークを設定量以上にすることができない場合がある。この場合には、実際には、操作状態にあっても非操作状態にあると検出されてしまう。そこで、非操作状態にあると検出された場合であっても、遮断装置を連通状態に切り換えた後の設定時間内に操作状態にあると検出された場合には、液圧検出時にブレーキ操作部材が操作状態にあったと考えるのが妥当である。
この場合において、液圧検出装置による検出液圧がブレーキ操作に応じて発生させられた液圧であったと考えれば、検出液圧が、それに基づく判定が正常であるとされる大きさであっても(例えば、しきい値以上であっても)、異常であると判定することができる。
また、液圧検出装置による検出液圧が、ブレーキ操作に応じた液圧と加圧装置の作動に応じた液圧との両方に対応する大きさであるか否かを判定し、これら両方に対応する大きさである場合に正常であると判定することができる。この場合のブレーキ操作は、通常の操作力で行われたと仮定する。
なお、液圧検出装置による検出液圧は、ブレーキ操作部材が操作状態にある状態において検出された液圧であるため、検出液圧に基づく異常判定自体が行われないようにすることもできる。
(9)前記連通抑制装置が、ブレーキ操作部材の操作に応じた液圧を発生させるマスタシリンダと前記対象装置とを接続するブレーキ通路の途中に設けられた(7)項または(8)項に記載の加圧装置異常検出装置。
前述の増圧通路と本項に記載のブレーキ通路との少なくとも一部が共通とされ、その共通部分に連通抑制装置が設けられる。また、液圧検出装置も共通部分の液圧を検出可能な位置に設けられる。
連通抑制装置が連通抑制状態にある状態では、マスタシリンダの液圧の対象装置への伝達が抑制されるため、ブレーキ操作部材に操作力が加えられても操作ストロークを設定量以上にできない場合がある。それに対して、連通状態に切り換えれば、作動液を対象装置に供給することが可能となり、操作ストロークを設定量以上にすることができる。本態様は、連通抑制装置が遮断装置である場合に特に有効である。遮断状態においてはマスタシリンダからの作動液の対象装置への供給が完全に阻止されるため、ブレーキ操作部材に操作力が加えられても操作ストロークを設定量以上にできない事態が特に発生し易いからである。
(10)当該加圧装置異常検出装置が、前記液圧検出装置による検出液圧が、それに基づく判定が正常であるとされる大きさである場合に、前記連通抑制装置を連通抑制状態から連通状態に切り換える連通抑制装置制御装置を含む(7)項ないし(9)項のいずれか1つに記載の加圧装置異常検出装置。
検出液圧が、正常であると判定される大きさである場合(例えば、前述のしきい値以上である場合)に、連通抑制装置を連通状態に切り換える。異常であると判定される大きさである場合(例えば、しきい値以下である場合)にブレーキ操作部材が操作状態にあったか否かを検出する必要がないからである。
(11)さらに、当該加圧装置異常検出装置の異常検出作動中に、前記ブレーキ操作部材が非操作状態から操作状態にされた場合には、その異常検出作動を中止させるブレーキ操作時異常検出中止部を含む(1)項ないし(10)項のいずれか1つに記載の加圧装置異常検出装置(請求項7)。
異常検出作動中にブレーキ操作部材が非操作状態から操作状態にされた場合に、異常検出作動を継続して行うと、異常であるか否かの判定が誤って行われるおそれがある。それに対して、異常検出作動を中止させれば、誤って判定が行われることを回避することができ、異常検出装置の信頼性を向上させることができる。
(12)さらに、当該加圧装置異常検出装置の異常検出作動中に、前記走行速度検出装置によって検出された走行速度が第2設定速度以上になった場合には、その異常検出作動を中止させる走行時異常検出中止部を含む(5)項ないし(11)項のいずれか1つに記載の加圧装置異常検出装置{(5項に従属する部分が請求項4}。
走行速度が第2設定速度以上になると、ブレーキ操作部材が操作状態にされる可能性が高くなる。異常検出中にブレーキ操作部材が操作状態にされるおそれがあるのであり、異常検出作動を中止させることが望ましい。また、車両の走行安全上、異常検出作動を中止させることが望ましい。
なお、第2設定速度は前述の第1設定速度と同じ大きさとしても、第1設定速度とは異なった大きさとしてもよい。
(13)前記判定装置が、前記加圧装置の作動状態が互いに異なる複数の場合における前記液圧検出装置によるそれぞれの検出液圧に基づいて、異常か否かの判定を行うものである(1)項ないし(12)項のいずれか1つに記載の加圧装置異常検出装置(請求項8)。
本項に記載の加圧装置異常検出装置においては、2組以上の、加圧装置の作動状態とその作動状態にある場合における検出液圧との関係に基づいて異常か否かが判定される。その結果、1組の加圧装置の作動状態と検出液圧との関係に基づく場合より、異常か否かの検出精度を向上させることができる。
また、液圧検出装置によって検出される液圧は加圧装置の作動に応じた高さ(出力)であり、加圧装置の作動状態は加圧装置の制御状態(入力)によって決まる。そのため、本項に記載の加圧装置異常検出装置によれば、加圧装置における入力と出力との関係が予め定められた関係にあるか否かを検出することも可能となる。
(14)前記判定装置が、前記加圧装置を予め定められた第1設定状態に制御する第1制御部と、前記加圧装置を前記第1設定状態とは異なる第2設定状態に制御する第2制御部とを含む(13)項に記載の加圧装置異常検出装置。
判定装置は、第1制御部,第2制御部の2つの制御部を含むものであっても、第1制御部および第2制御部に加えて、第3制御部,第4制御部・・・・等を含むもの、すなわち、3つ以上の制御部を含むものであってもよい。
また、1回の異常検出時において、加圧装置が2つ以上の制御部によって制御されるようにしても、異常検出時毎に異なる制御部によって制御されるようにしてもよい。
(15)前記判定装置が、前記液圧検出装置によって検出された液圧の値を記憶する検出液圧記憶部を含み、その検出液圧記憶部に記憶された検出液圧であって、今回の異常検出時以外の、前記加圧装置が今回の異常検出時とは異なる作動状態にある場合に検出された液圧値を前記2つ以上の検出液圧のうちの1つ以上として、異常か否かの判定を行う(13)項または(14)項に記載の加圧装置異常検出装置。
1回の異常検出時に加圧装置の作動状態が変更され、それぞれにおいて液圧が検出されるようにされている場合には、異常検出に要する時間が長くなる。それに対して、今回の異常検出時以外の加圧装置が異なる作動状態にある場合における検出液圧を使用すれば、その分、1回の異常検出に要する時間を短縮することができる。
具体的には、加圧装置が、前回の異常検出時と今回の異常検出時とで異なる状態に制御されるようにすれば、今回の異常検出時の検出液圧と前回の検出液圧とに基づいて異常か否かを判定することができる。また、異常検出時以外における液圧検出装置による検出液圧に基づいて異常を検出することも可能であるが、いずれの場合においても、加圧装置の作動状態と対応付けて記憶されるようにすることが望ましい。
(16)前記判定装置が、前記加圧装置が非作動状態にある場合における前記液圧検出装置による検出液圧に基づいて異常か否かを判定する非作動時異常判定部と、前記ブレーキ操作部材が操作状態にある場合における前記液圧検出装置による検出液圧に基づいて異常か否かを判定する非ブレーキ操作時異常判定部との少なくとも一方を含む(1)項ないし(15)項のいずれか1つに記載の加圧装置異常検出装置(請求項9)。
(a)ブレーキ操作部材が非操作状態にあり、かつ、加圧装置が作動状態にある場合における検出液圧に基づく異常判定結果と、(b)加圧装置が非作動状態にある(ブレーキ操作部材が操作状態にある)場合の異常判定結果と非ブレーキ操作状態にある(加圧装置は作動状態にあっても非作動状態にあってもよい)場合における異常判定結果との少なくとも一方とに基づいて異常か否かが判定される。例えば、(a)の結果と(b)の結果とのいずれか一方が異常である場合に異常であると判定したり、(a)の結果と(b)の結果との両方が異常である場合に異常であると判定したりすることができる。
このように、複合的に異常か否かが判定されるようにすれば、異常か否かの検出精度を向上させることができる。また、異常箇所を細かに検出できる場合もある。
(17)前記判定装置が、前記加圧装置の作動状態を表す量と、前記液圧検出装置による検出液圧と、当該加圧装置異常検出装置が搭載された車両の減速度との3つの物理量のうちの任意の2つ以上の物理量から成る複数の組のうちの2組以上の各々において、それらの組の各々に属する2つ以上の物理量の関係に基づいて、異常か否かの判定を行う複合型異常検出部を含む(1)項ないし(16)項のいずれか1つに記載の加圧装置異常検出装置(請求項10)。
本項に記載の加圧装置異常検出装置においては、複合型異常検出部によって、(検出液圧,作動状態)、(検出液圧,減速度)、(検出液圧,作動状態,減速度)、(作動状態,減速度)のうちの2つ以上の組のそれぞれにおける関係に基づいて異常か否かが判定される。
ブレーキ操作部材が非操作状態にあり、かつ、加圧装置が作動状態にある場合には、上述の組の各々における2つ以上の物理量の関係が予め決まる。例えば、加圧装置の制御状態(作動状態:入力)と加圧装置の液圧(検出液圧:出力)とは予め定められる関係がある。また、加圧装置の液圧を含む液圧によってブレーキが作動させられる場合には、加圧装置の液圧(検出液圧)が増加すれば車両の減速度は大きくなる。したがって、上述の3つの物理量のうちの2つ以上の関係に基づけば、異常か否かを検出することができる。
なお、(4) 項に記載の加圧装置異常検出装置において、対象装置がブレーキシリンダである場合には連通抑制装置は連通状態にすることが望ましい。減速度を検出するためには、ブレーキシリンダに作動液が供給されることが望ましいからである。
(18)液圧ブレーキシステムの加圧装置の異常を検出する装置であって、
ブレーキ操作部材の操作に応じた液圧と前記加圧装置の作動に応じた液圧との両方を検出可能な液圧検出装置と、
(a)前記ブレーキ操作部材が非操作状態にあり、かつ、前記加圧装置が作動状態にある場合における前記液圧検出装置による検出液圧と、(b)前記ブレーキ操作部材が操作状態にあり、かつ、前記加圧装置が作動状態にある場合における前記液圧検出装置による検出液圧と、(c)前記ブレーキ操作部材が操作状態にあり、かつ、前記加圧装置が非作動状態にある場合における前記液圧検出装置による検出液圧とのうちの2つ以上に基づいて、前記加圧装置が異常か否かを判定する判定装置と
を含む加圧装置異常検出装置。
(1)項ないし(17)項のいずれか1つに記載の技術的特徴を、本項に記載の加圧装置異常検出装置に適用することができる。
(19)液圧ブレーキシステムの加圧装置の異常を検出する装置であって、
ブレーキ操作部材の操作に応じた液圧と前記加圧装置の作動に応じた液圧との両方を検出可能な液圧検出装置と、
前記加圧装置の状態を表す量と、前記液圧検出装置による検出液圧と、当該加圧装置異常検出装置が搭載された車両の減速度と、前記ブレーキ操作部材の操作状態との3つの物理量のうちの任意の2つ以上の物理量から成る複数の組の各々において、各々の組に属する2つ以上の物理量の関係に基づいて、前記加圧装置が異常か否かの判定を行う判定装置と
を含む加圧装置異常検出装置。
上記加圧装置の状態には、加圧装置が作動状態にある場合も非作動状態にある場合も含まれる。また、検出液圧や車両減速度は、ブレーキ操作部材が操作状態にある場合に検出された値であっても、非操作状態にある場合に検出された値であってもよく、加圧装置が作動状態にある場合に検出された値であっても非作動状態にある場合に検出された値であってもよい。
なお、本項に記載の加圧装置異常検出装置には、(1) 項ないし(18)項のいずれか1つに記載の技術的特徴を採用することができる。
(20)前記加圧装置から複数の増圧通路が延び出し、それら複数の増圧通路の各々に対応して前記液圧検出装置が設けられ、前記判定装置が、それら複数の液圧検出装置の各々によって検出された液圧の差に基づいて前記加圧装置の異常判定を行う液圧差依拠異常判定部を含む(1)項ないし(19)項のいずれか1つに記載の加圧装置異常検出装置(請求項11)。
加圧装置の異常の有無を、1つの液圧検出装置によって検出された液圧のみに基づいて検出するより、複数の液圧検出装置によって検出された液圧の差も考慮して検出した方が、検出精度を向上させることができる。
複数の増圧通路の液圧が互いに同じになるようにされている場合において、複数の液圧検出装置によって検出された液圧の差が設定圧以上である場合は、加圧装置が異常であると判定することができる。複数の増圧通路の液圧が各々異なるようにされている場合においても同様に、複数の液圧検出装置によって検出される液圧の差が、予め生じると推定される液圧差に基づいて決まる設定差圧以上であれば、異常であると判定することができる。
加圧装置に含まれる加圧部は複数個であっても1つであってもよい。加圧装置が複数の加圧部を含み、それら複数の加圧部の各々から1本ずつの増圧通路が延び出し、複数の加圧部が互いに同じ作動状態にされた場合において、複数の増圧通路各々に設けられた液圧検出装置による検出液圧が同じでない場合には、少なくとも1つの加圧部が異常であると判定することができる。
加圧装置が、1つの加圧部と、その加圧部から延び出した複数の増圧通路の、液圧検出装置が設けられた位置より加圧装置とは反対側の部分に設けられ、増圧通路各々における作動液の流れを許容する許容状態と作動液の流れを抑制する抑制状態とに切り換え可能な複数の流通抑制装置とを含み、複数の流通抑制装置がそれぞれ抑制状態とされた場合において、複数の液圧検出装置による検出液圧が同じでない場合には、加圧装置に含まれる複数の流通抑制装置のうちの少なくとも1つが異常であると検出することができる。
(21)(a)2つの加圧室を備え、その2つの加圧室の各々にブレーキ操作部材の操作力に応じた液圧を発生させるマスタシリンダと、(b)前記2つの加圧室のうちの一方の加圧室から延び出した第1ブレーキ通路に接続された第1のブレーキシリンダ群および他方の加圧室から延び出した第2ブレーキ通路に接続された第2のブレーキシリンダ群と、(c)前記ブレーキ操作部材が非操作状態にある場合においても、作動液を加圧して前記第1ブレーキ通路に供給可能な第1の加圧装置および前記第2ブレーキ通路に供給可能な第2の加圧装置とを含む液圧ブレーキシステムの前記2つの第1,第2の加圧装置の異常を検出する装置であって、
前記第1,第2ブレーキ通路にそれぞれ設けられた第1,第2の液圧検出装置と、
前記ブレーキ操作部材が非操作状態にあり、前記2つの第1,第2加圧装置が同じ作動状態である状態における前記2つの第1,第2液圧検出装置各々による検出液圧の差に基づいて、前記2つの第1,第2の加圧装置の少なくとも一方が異常であるか否かを判定する判定装置と
を含む加圧装置異常検出装置。
2系統式の液圧ブレーキシステムがX配管式である場合には、マスタシリンダの一方の加圧室と第1ブレーキシリンダ群(右前輪のブレーキシリンダおよび左後輪のブレーキシリンダ)とを接続する第1ブレーキ通路に第1液圧検出装置が設けられ、他方の加圧室と第2ブレーキシリンダ群(右後輪のブレーキシリンダおよび左前輪のブレーキシリンダ)とを接続する第2ブレーキ通路に第2液圧検出装置が設けられる。X配管式である場合には、第1ブレーキ通路と第2ブレーキ通路とにおいては、液圧が同じになるようにされているのが普通である。そのため、これらの差が、設定差圧以上である場合には、2つの加圧装置の少なくとも一方が異常であるとすることができる。
(1)項ないし(20)項のいずれか1つに記載の技術的特徴を、本項に記載の加圧装置異常検出装置に適用することができる。
(22)前記加圧装置が、作動液を汲み上げて加圧するポンプと、そのポンプを駆動するポンプモータとを含む(1)項ないし(21)項のいずれか1つに記載の加圧装置異常検出装置。
〔発明の実施の形態〕において後に詳述するが、ポンプはマスタシリンダの作動液を汲み上げるものであっても、作動液を大気圧で収容するリザーバの作動液を汲み上げるものであってもよい。
また、加圧装置の作動状態は、ポンプの作動状態によって決まるのであり、ポンプモータの制御により作動状態を制御することができる。
(23)前記加圧装置が、当該加圧装置の出力液圧を制御可能な電磁液圧制御弁を含む(1)項ないし(22)項のいずれか1つに記載の加圧装置異常検出装置。
加圧装置の作動状態が電磁液圧制御弁の状態によって決まるのであり、作動状態は、例えば、電磁液圧制御弁への供給電流の制御により制御することができる。
(24) 液圧ブレーキシステムの加圧装置の異常を検出する装置であって、
その加圧装置の駆動力とブレーキ操作部材の操作力とに基づいて前進させられる加圧ピストンを備えたマスタシリンダの、その加圧ピストンの前方に設けられた加圧室の液圧を検出するマスタシリンダ圧検出装置と、
前記ブレーキ操作部材が非操作状態にあり、かつ、前記加圧装置が作動状態にある状態における前記マスタシリンダ圧検出装置によって検出されたマスタシリンダ圧の大きさが、前記加圧装置の作動状態で決まるしきい値より小さい場合に、前記加圧装置が異常であると判定する判定装置と
を含む加圧装置異常検出装置(請求項12)。
本項に記載の加圧装置異常検出装置については、〔発明の実施の形態〕の第1実施形態において詳述する。ブレーキ操作部材が非操作状態にある場合には、加圧ピストンにはブレーキ操作部材の操作力が加えられず、加圧装置の駆動力が加えられるのみである。そのため、加圧ピストンの前方の加圧室の液圧は、加圧装置の駆動力に応じた大きさとなる。
なお、マスタシリンダ圧検出装置は、加圧室の液圧と一対一に対応する液圧を検出する装置であり、加圧室の液圧を直接検出する装置であっても、加圧室に連通する部分の液圧を検出する装置であってもよい。
また、(1)項ないし(23)項のいずれか1つに記載の技術的特徴を、本項に記載の異常検出装置に適用することができる。
(25)マスタシリンダが、前記加圧ピストンの後方に設けられ、前記加圧装置に接続された後方加圧室を含む(24)項に記載の異常検出装置。
ブレーキ操作部材が操作されれば、加圧ピストンが前進させられ、前方加圧室の液圧が大きくなる。また、加圧装置により、後方加圧室の液圧が大きくされれば、それに応じて加圧ピストンが前進させられ、前方加圧室の液圧が大きくなる。前方加圧室の液圧はブレーキ操作に応じた液圧と加圧装置の作動に応じた液圧とに応じた大きさとなる。
(26)前記判定装置が、前記液圧検出装置による検出液圧の大きさが、前記加圧装置の始動から設定時間内に、前記しきい値より大きくならなかった場合に、前記加圧装置が異常であると判定する手段を含む(24)項または(25)項に記載の加圧装置異常検出装置(請求項13)。
(27)前記加圧装置が、ポンプ装置と、そのポンプ装置の出力液圧を供給電流に応じた大きさに制御可能な電磁液圧制御弁とを備え、前記判定装置が、前記電磁液圧制御弁への供給電流を制御することにより前記駆動力を制御する手段と、前記マスタシリンダ圧検出装置による検出液圧の大きさが、前記電磁液圧制御弁への供給電流で決まる設定範囲内にない場合に、前記加圧装置が異常であると判定する手段とを含む(24)項ないし(26)項のいずれか1つに記載の加圧装置異常検出装置(請求項14)。
(28)ブレーキ操作部材の操作力に応じた液圧を発生させるマスタシリンダから作動液を汲み上げ、加圧して、マスタシリンダから延び出たブレーキ通路に供給する加圧装置の異常を検出する装置であって、
前記ブレーキ通路に接続された液圧検出装置と、
前記ブレーキ通路に設けられ、前記液圧検出装置および前記加圧装置を前記マスタシリンダと連通させる連通状態とその連通を抑制する連通抑制状態とに切り換え可能な連通抑制装置と、
前記ブレーキ操作部材が非操作状態にあり、前記連通抑制装置が連通抑制状態にあり、かつ、前記加圧装置が作動状態にある状態における前記液圧検出装置の検出液圧の大きさが、前記加圧装置の作動状態で決まるしきい値より小さい場合に、前記加圧装置が異常でると判定する判定装置と
を含む加圧装置異常検出装置(請求項15)。
本項に記載の加圧装置異常検出装置については、〔発明の実施の形態〕の第2,3実施形態において詳述する。ブレーキ操作部材が非操作状態にある場合には、マスタシリンダには圧力が発生させられていないため、加圧装置によって汲み上げられる作動液の液圧はほぼ大気圧である。したがって、液圧検出装置によって検出される液圧は加圧装置の作動に応じた液圧となる。
また、連通抑制装置が連通抑制状態にされれば、液圧検出装置および加圧装置と、圧力が発生させられていないマスタシリンダとの連通を抑制することができ、加圧装置の作動液のマスタシリンダへの流出を抑制することができる。そのため、液圧検出装置によって加圧装置の作動状態に応じた液圧が精度よく検出されるようにすることができ、異常検出装置の信頼性を向上させることができる。連通抑制装置を遮断状態にすれば、加圧装置の作動液のマスタシリンダへの流出を阻止することができ、液圧の検出精度をさらに向上させることができる。
(1)項ないし(27)項のいずれか1つに記載の技術的特徴を、本項に記載の異常検出装置に適用することができる。
(29)前記判定装置が、前記液圧検出装置による検出液圧の大きさが、前記加圧装置の始動から設定時間内に、前記しきい値より大きくならなかった場合に、前記加圧装置が異常であると判定する手段を含む(28)項に記載の加圧装置異常検出装置(請求項16)。
(30)前記加圧装置が、ポンプ装置と、そのポンプ装置の出力液圧を供給電流に応じた大きさに制御可能な電磁液圧制御弁とを備え、前記判定装置が、前記電磁液圧制御弁への供給電流を制御することにより前記出力液圧を制御する手段と、前記液圧検出装置による検出液圧の大きさが、前記電磁液圧制御弁への供給電流で決まる設定範囲内にない場合に、前記加圧装置が異常であると判定する手段とを含む(28)項または(29)項に記載の加圧装置異常検出装置(請求項17)。
(31)作動液を加圧して、ブレーキ操作部材の操作力に応じた液圧を発生させるマスタシリンダから延び出たブレーキ通路に供給する加圧装置の異常を検出する異常検出装置であって、
前記ブレーキ通路に接続された液圧検出装置と、
前記ブレーキ通路に設けられ、前記液圧検出装置および前記加圧装置を前記マスタシリンダと連通させる連通状態とその連通を抑制する連通抑制状態とに切り換え可能な連通抑制装置と、
前記ブレーキ操作部材が非操作状態にあり、前記連通抑制装置が連通抑制状態にあり、かつ、前記加圧装置が作動状態にある状態における前記液圧検出装置の検出液圧に基づいて、前記加圧装置が異常か否かを判定する判定装置と
を含む加圧装置異常検出装置。
加圧装置は、マスタシリンダの作動液を汲み上げるものであっても、作動液をほぼ大気圧で収容するリザーバの作動液を汲み上げるものであっても、これらのいずれか一方を選択的に汲み上げるものであってもよい。いずれにしても、ブレーキ操作部材が非操作状態にある状態における液圧検出装置による検出液圧に基づいて加圧装置の異常を検出することができる。
加圧装置はマスタシリンダの加圧室に接続され、加圧室を経てブレーキ通路に作動液を供給するものでもよく、ブレーキ通路に直接接続され、加圧室を経ないで作動液をブレーキ通路に供給するものでもよい。
(1)項ないし(30)項のいずれか1つに記載の技術的特徴を、本項に記載の異常検出装置に適用することができる。
(32)ブレーキシリンダに作動液を供給する加圧装置と、
その加圧装置の作動状態と出力液圧との関係を記憶する制御テーブル記憶部と、その制御テーブル記憶部に記憶された制御テーブルに従って前記加圧装置を制御することによって前記ブレーキシリンダの液圧を制御する加圧装置制御部とを含む液圧制御装置と、
前記加圧装置が互いに異なる複数の作動状態にある場合のそれぞれにおける、前記加圧装置の出力液圧に基づいて前記加圧装置が異常か否かを判定する異常判定装置と
を含む液圧ブレーキシステムにおいて、
前記液圧制御装置が、前記異常判定装置によって前記加圧装置が正常であると判定された場合に、その異常判定時に検出された2つ以上の加圧装置の出力液圧に基づいて前記制御テーブルを補正する制御テーブル補正部を含む液圧ブレーキシステム。
本項に記載の液圧ブレーキシステムにおいては、異常判定時に検出された検出液圧に基づいて制御テーブルが補正される。加圧装置の経時的変化、その時点における環境等に基づいて、加圧装置への作動状態が同じであっても出力液圧が同じであるとは限らないが、異常検出時に検出されたこれらの関係に基づいて補正されれば、ブレーキ液圧の制御精度の低下を抑制することができる。
【0004】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の具体的な実施の形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明する。
図1には、本発明の第1実施形態である異常検出装置によって異常が検出される加圧装置を含む車両用の液圧ブレーキシステムが示されている。この液圧ブレーキシステムにおいて、10は、ブレーキ操作部材としてのブレーキペダルであり、ブレーキペダル10がバキュームブースタ12(以下、単に「ブースタ」という。)を介してタンデム型のマスタシリンダ14に連結されている。
ブースタ12は、よく知られているように、負圧室と、その負圧室と大気とに選択的に連通させられる変圧室との差圧に基づいて作動させられるパワーピストンの作動力により、ブレーキペダル10の踏力であるブレーキ操作力を倍力してマスタシリンダ14に伝達する。
【0005】
マスタシリンダ14は、有底円筒状のハウジング20を備えている。このハウジング20には第1ないし第3円筒穴22,24,26が、そのハウジング20の開口部側から底部側に向かって順にかつ次第に小径となるように形成されている。
第2円筒穴24にはスリーブ30が実質的に液密に嵌合されている。このスリーブ30の両端部のうちハウジング20の底部に近い端部は、第2円筒穴24と第3円筒穴26との間における段付面に当接させられている。さらに、このスリーブ30は、スナップリング等、図示しない固定部材により、上記段付面に当接した位置から移動することが阻止されている。このスリーブ30の内周面である円筒穴31に第1加圧ピストン32と第2加圧ピストン34とが互いに直列に嵌合されている。それら2個の加圧ピストン32,34は共に、有底円筒状を成すとともに、実質的に液密にかつ摺動可能に円筒穴31に嵌合されている。この嵌合により、各加圧ピストン32,34の前方にそれぞれ前方加圧室36,38が形成されている。各加圧ピストン32,34はハウジング20内に、各加圧ピストン32,34の底部の内面が、対応する各前方加圧室36,38に向かう向きに配置されている。各加圧ピストン32,34は、対応する各前方加圧室36,38内に配設された弾性部材としての各スプリング40,42により、図示の後退端位置に向かって付勢されている。第1加圧ピストン32に対応するスプリング40の初期長さ(伸長可能な長さ)と初期荷重とが、図示しない部材により規定されており、このことと、第1加圧ピストン32の後退端位置が後述の閉塞部材44により規定されることとの共同により、第2加圧ピストン34の後退端位置が規定されている。
【0006】
第1円筒穴22には閉塞部材44がハウジング20の開口部を実質的に液密に閉塞する状態で取り付けられている。この閉塞部材44は、第1円筒面22と第2円筒面24との間における段付面に当接することにより、ハウジング20の底部に接近する限度が規定される一方、スナップリング等、図示しない固定部材により、ハウジング20から離脱することが阻止されている。この閉塞部材44は、第1加圧ピストン32が当接させられることにより、その第1加圧ピストン32の後退限度を規定する。第1加圧ピストン32の後端面から後方に補助ピストン46が延び出させられており、閉塞部材44を実質的に液密かつ摺動可能に貫通してブースタ12の側に臨まされている。マスタシリンダ14は、この補助ピストン46においてブースタ12のパワーピストンの作動力を受けて作動させられるようになっており、その作動力に基づき、2つの前方加圧室36,38にそれぞれ互いに等しい高さの液圧を発生させる。
【0007】
閉塞部材44がハウジング20に嵌合されることにより、その閉塞部材44と第1加圧ピストン32との間に後方加圧室50が形成されている。この後方加圧室50に圧力が発生させられると、第1加圧ピストン32が前進する向きに加圧され、それにより、前方加圧室36に圧力が発生させられる。前方加圧室36に圧力が発生させられると、第2加圧ピストン34が前進する向きに加圧され、それにより、前方加圧室38にも圧力が発生させられる。
【0008】
ハウジング20には、2個のリザーバ用ポート52と、1個の増圧用ポート54と、2個のブレーキシリンダ用ポート56とが形成されている。
2個のリザーバ用ポート52は、2個の前方加圧室36,38を、作動液を大気圧で収容するリザーバ58に連通させる。それら2個のリザーバ用ポート52は、2個の加圧ピストン32,34にそれぞれ対応して設けられており、各リザーバ用ポート52は、スリーブ30を半径方向に貫通する各連通路62と、図示の後退端位置にある各加圧ピストン32,34の円筒部を半径方向に貫通する各連通路63とを経て、各前方加圧室36,38に接続されている。各加圧ピストン32,34が、それの後退端位置から少し前進すると、各連通路63が、スリーブ30の円筒穴31のうち連通路62が形成されていない部分により、各リザーバ用ポート52から遮断され、それにより、各前方加圧室36,38が各加圧ピストン32,34の前進により昇圧可能とされる。
【0009】
1個の増圧用ポート54は、ハウジング20に、後方加圧室50に常時連通する位置に形成されていて、その後方加圧室50を加圧装置64に連通させる。加圧装置64は、ギヤ式の増圧用ポンプ66と、その増圧用ポンプ66を駆動するポンプモータ68と、圧力制御弁70とを含む。増圧用ポンプ66の吸入側はリザーバ58に、吐出側は増圧用ポート54にそれぞれ接続されていて、増圧用ポンプ66により、作動液がリザーバ58から汲み上げられて加圧されて後方加圧室50に供給される。増圧用ポンプ66の吐出側には、作動液が増圧用ポンプ66に逆流することを防止する逆止弁72が設けられている。
【0010】
圧力制御弁70は、図2に示すように、後方加圧室50の液圧を電磁的に制御する形式のものである。圧力制御弁70は、後方加圧室50とリザーバ58とを接続する液通路78の途中に設けられたものであり、図示しないハウジングと、液通路78における作動液の流通状態を制御する弁子80およびそれが着座すべき弁座82と、それら弁子80を弁座82に着座させる向きの磁気力を発生させるコイル84とを有している。
【0011】
この圧力制御弁70においては、コイル84が励磁されない非作用状態(OFF状態)では、スプリング86の弾性力によって弁子80が弁座82から離間させられ、それにより、後方加圧室50とリザーバ58との間における双方向の作動液の流れが許容される。ブレーキ操作が行われて第1加圧ピストン32が作動させられ、それに伴って後方加圧室50の容積が変化すれば、それに伴い、後方加圧室50とリザーバ58との間の作動液の流入および流出が許容される。
それに対し、コイル84が励磁される作用状態(ON状態)では、コイル84の磁気力によりアーマチュア88が吸引され、弁子80が弁座82に接近させられる。このとき、弁子80には、コイル84の磁気力に基づく吸引力F1 と、圧力制御弁70の前後の差圧(前後の差圧は、後方加圧室50の液圧とリザーバ58の液圧との差圧であると考えることができるが、リザーバ58の液圧はほぼ大気圧であるため、前後の差圧は後方加圧室50の液圧とほぼ同じであると考えることができる)に基づく力F2 とスプリング86の弾性力F3 との和とが互いに逆向きに作用する。弁子80の弁座82に対する相対位置は、これらの力F1 〜F3 の関係によって決まり、後方加圧室50の液圧は、これらの関係に基づいて決まる。
【0012】
後方加圧室50の液圧が吸引力F1 に対して小さく、式
F2 ≦F1 −F3
が成立する領域では、弁子80が弁座82に着座し、増圧用ポンプ66から吐出された作動液により後方加圧室50の液圧が増加する。後方加圧室50の液圧が吸引力F1 に対して大きく、式
F2 >F1 −F3
が成立する領域では、弁子80が弁座82から離間し、後方加圧室50の液圧が減圧させられる。吸引力F1 はコイル84への供給電流Iの増加に伴ってリニアに増加するようにされている。その結果、後方加圧室50には、スプリング86の弾性力F3 を無視すれば、供給電流Iの増加に伴ってリニアに増加する液圧が発生させられることになる。
【0013】
なお、液通路78を減圧通路と称し、圧力制御弁70を減圧制御弁と称することもできる。圧力制御弁70の制御により後方加圧室50の作動液がリザーバ58に流出させられ、後方加圧室50の液圧が減圧させられる。また、後方加圧室50の液圧が減圧させられれば、加圧ピストン32が後退させられ、後述するブレーキシリンダの液圧も減圧させられるからである。
また、図1に示すように、増圧用ポンプ66と圧力制御弁70とを一緒にバイパスするバイパス通路が設けられ、そのバイパス通路の途中に、リザーバ58から後方加圧室50に向かう作動液の流れは許容する一方、その逆向きの流れは阻止する逆止弁89が設けられている。逆止弁89によれば、リザーバ58から後方加圧室50へ圧力制御弁70を経る経路のみならずその逆止弁89を経る経路からも作動液の流れが許容されるため、ブレーキペダル10の操作速度が早く後方加圧室50の容積が直ちに増加しても、それに応じて作動液を早急に供給し得、ブレーキ操作に起因して後方加圧室50に負圧が生じることが回避される。ただし、圧力制御弁70は常開弁であるため、バイパス通路および逆止弁89は不可欠ではない。
【0014】
前記2個のブレーキシリンダ用ポート56は、ハウジング20に、常時2個の前方加圧室36,38にそれぞれ連通する位置において形成されていて、それら2個の前方加圧室36,38を、互いに独立した2つのブレーキ系統にそれぞれ接続する。本液圧ブレーキシステムは、前後2系統式であり、一方のブレーキ系統は、左右の前輪FL,FRの回転をそれぞれ抑制する2個のブレーキ90を作動させる2個のブレーキシリンダ92を有しており、他方のブレーキ系統は、左右の後輪RL,RRの回転をそれぞれ抑制する2個のブレーキ90を作動させる2個のブレーキシリンダ92を有している。以下、それらブレーキ系統を説明するが、それらブレーキ系統は構成が同じであるため、左前輪FLおよび右前輪FRに関連するブレーキ系統のみを代表的に説明し、他のブレーキ系統については説明を省略する。
【0015】
マスタシリンダ14の前方加圧室36は主液通路94により左前輪FLのブレーキシリンダ92と右前輪FRのブレーキシリンダ92とに接続されている。主液通路94は、前方加圧室36から延び出た後に二股状に分岐させられており、1本の基幹通路96と2本の分岐通路98,98とが互いに接続されて構成されている。各分岐通路98の先端にはブレーキシリンダ92が接続されている。主液通路94のうちマスタシリンダ14とブレーキシリンダ92との間の部分にはポンプ通路102の一端が接続されている。そのポンプ通路102の途中にはABS用ポンプ104が設けられている。2つのブレーキ圧力系統における2つのABS用ポンプ104,104は、それらに共通のポンプモータ106により一緒に駆動される。
【0016】
各分岐通路98の途中には、ポンプ通路102との接続点よりブレーキシリンダ92の側において、常開の電磁開閉弁である保持弁110が設けられている。保持弁110は、それのコイル112(図4参照)が励磁されて閉状態となり、その状態で、ABS用ポンプ104からブレーキシリンダ92へ向かう作動液の流れを阻止し、それにより、ブレーキシリンダ液圧が保持される状態を実現する。各保持弁110にはバイパス通路114が接続され、各バイパス通路114には作動液戻り用の逆止弁116が設けられている。
【0017】
各分岐通路98のうち保持弁110とブレーキシリンダ92との間の部分からリザーバ通路118が延びてリザーバ120に至っている。各リザーバ通路118の途中には常閉の電磁開閉弁である減圧弁130が設けられている。減圧弁130は、それのコイル132(図4参照)が励磁されて開状態となり、その状態では、ブレーキシリンダ92からリザーバ120へ向かう作動液の流れを許容し、それにより、ブレーキシリンダ液圧が減圧される状態を実現する。
【0018】
リザーバ120は、ハウジングにリザーバピストン134が実質的に液密かつ摺動可能に嵌合されて構成されるとともに、その嵌合によりリザーバピストン134の前方に形成されたリザーバ室136において作動液を付勢手段としてのスプリング138によって圧力下に収容するものである。リザーバ室136は前記ポンプ通路102により前記主液通路94に接続されている。
【0019】
ポンプ通路102はABS用ポンプ104により吸入通路140と吐出通路142とに仕切られており、それら通路140,142には、共に逆止弁である吸入弁144と吐出弁146とがそれぞれ設けられている。ポンプ通路102には、さらに、ダンパ室148と絞りとしてのオリフィス150とが互いに直列にABS用ポンプ104の吐出側に設けられており、それにより、ABS用ポンプ104の脈動が軽減される。
【0020】
次にこの液圧ブレーキシステムの電気的構成を説明する。
この液圧ブレーキシステムは、図4に示すように、液圧制御装置160を備えている。液圧制御装置160は、CPU162,ROM164およびRAM166を含むコンピュータを主体として構成されており、そのROM164に格納されている助勢制御ルーチン,アンチロック制御ルーチン,イニシャルチェックルーチン等がCPU162によりRAM166を使用しつつ実行されることにより、助勢制御,アンチロック制御,イニシャルチェック等が実行される。
【0021】
液圧制御装置160の入力部168には、イグニションスイッチ201,ストップスイッチ202,操作力センサ203,マスタシリンダ圧センサ204,電流センサ205,減速度センサ206および複数個の車輪速センサ208が接続されている。イグニションスイッチ201は、運転者の操作によりON状態とOFF状態とに切り換えられるスイッチであり、車両の駆動装置の起動を指示するスイッチでもある。このスイッチのON状態とOFF状態との切り換えにより、車両の走行不能状態と走行可能状態とが切り換えられることになる。ストップスイッチ202は、ブレーキペダル10のストロークが予め定められた設定量以上になるとOFF状態からON状態に切り換わるスイッチである。本実施形態においては、ストップスイッチ202によってブレーキペダル10が操作状態にあるか非操作状態にあるかが検出される。操作力センサ203は、運転者によって加えられるブレーキペダル10の操作力を検出するものであり、マスタシリンダ圧センサ204は、マスタシリンダ14の前方加圧室36の液圧を検出するセンサであるが、前方加圧室36の液圧は、ブレーキペダル10の操作力に応じた液圧(操作力がブースタ12によって倍力された大きさに対応した液圧)と加圧装置64による駆動力に対応した液圧との和の大きさである。電流センサ205は、圧力制御弁70のコイル84に流れる電流を検出するものであり、減速度センサ206は、車両の減速度を検出ものである。車輪速センサ208は、各輪毎に設けられ、各輪の車輪速を規定する車輪速信号を出力する。本実施形態においては、車輪速度に基づいて車両の走行速度が検出されるようにされているが、車輪速センサとは別個に車速センサを設けることもできる。車速センサは、例えば、駆動源の出力軸の回転数等に基づいて走行速度を検出するものとすることができる。
【0022】
液圧制御装置160の出力部210には、2つのブレーキ系統に共通に、増圧用ポンプ66を駆動するポンプモータ68と、2個のABS用ポンプ104を駆動するポンプモータ106とが図示しない駆動回路を介して接続されるとともに、圧力制御弁70のコイル84と、保持弁110のコイル112と、減圧弁130のコイル132とが駆動回路を介して接続されている。
【0023】
以上のように構成された液圧ブレーキシステムにおける作動について説明する。
ブレーキペダル10が非操作状態にある場合は、各電磁弁のコイルへは電流は供給されず、増圧用ポンプ66は非作動状態に保たれる。ブレーキペダル10が操作されると、それに応じて加圧ピストン32,34が前進させられ、前方加圧室36,38には、それぞれ操作力に応じた液圧が発生させられる。液圧はブレーキシリンダ92に伝達され、ブレーキ90が作動させられる。この場合に、マスタシリンダ圧センサ204によって検出される液圧は、ブレーキ操作力に応じた液圧である。
マスタシリンダの液圧(以下、マスタ圧と略称する)がブースタ12の助勢限界に対応する液圧P0 に達すると、助勢制御が行われる。助勢制御は、ブレーキ操作力に対するブレーキシリンダ液圧の倍力率がブースタ12の助勢限界の前後で変わらないようにする制御であり、ブースタ12の助勢限界後にブレーキ操作力を助勢する制御であるため、助勢限界後倍力制御または助勢制御と称することもできる。
【0024】
助勢制御においては、増圧用ポンプ66が作動状態にされるとともに、圧力制御弁70の制御により後方液圧室50の液圧が制御され、ブレーキシリンダ92の液圧が目標液圧に近づけられる。ブレーキシリンダの目標液圧は、倍力率がブースタ12の助勢限界後において助勢限界前と同じ大きさになるように決定される。この場合に、マスタシリンダ圧センサ204によって検出される液圧は、ブレーキ操作力に応じた液圧と後方加圧室50の液圧に応じた液圧との和の大きさであり、ブレーキシリンダ92の液圧と同じであるとすることができる。本実施形態においては、倍力率が一定の大きさに保たれた場合の、マスタシリンダ圧センサ204によって検出される液圧と圧力制御弁70への供給電流との関係を表す図3のマップで表されるテーブルがROM164に予め記憶されており、そのテーブルに従って決まる量の電流が供給されるのである。図3において、実線La は助勢制御時のマスタ圧と供給電流との関係を示す。また、破線Lb はブレーキペダル10が踏み込まれていない状態において、加圧装置64が作動状態にある場合におけるマスタ圧と供給電流との関係を示す。この破線Lb で表される関係を示すテーブルも記憶されている。
それに対して、ブレーキシリンダ92の液圧が路面の摩擦係数に対して過大になると、アンチロック制御が開始される。保持弁110,減圧弁130が開閉させられることにより、ブレーキシリンダ92の液圧が車輪の制動スリップ状態が適正状態に保たれるように制御される。
【0025】
次に、イニシャルチェックについて説明する。
イニシャルチェックにおいては、センサ,電磁弁,コンピュータ等(以下、センサ等と略称する)のチェックと加圧装置64のチェックとの両方が行われる。センサ等のチェックは、イグニションスイッチ201がOFFからONに切り換わった時点に行われるが、本発明とは関係がないため説明を省略する。
加圧装置64のチェックは、イグニションスイッチ201がOFFからONに切り換えられた後の、最初にブレーキペダル10が非操作状態にあると検出された場合に行われる。イグニションスイッチ201がOFFからONに切り換えられる時点においてブレーキペダル10が操作されていた場合には、その後、操作が解除された場合に行われるのである。前述のように、マスタシリンダ圧センサ204によって検出される液圧は、加圧装置64の駆動力に応じた液圧とブレーキペダル10の操作力に応じた液圧との両方であるが、ブレーキペダル10が操作されていない場合には、加圧装置64の駆動力に対応する液圧のみを検出することができる。
【0026】
加圧装置64のチェックは、保持弁110を閉状態とし、圧力制御弁70を閉状態とした状態において、ポンプモータ68の駆動により増圧用ポンプ66を作動させる。そして、予め定められた設定時間内に前方加圧室36の液圧が設定圧以上にならない場合は、増圧装置64が異常であると判定する。
設定時間内に設定圧以上になれば、保持弁110を開状態に切り換え、設定時間内にストップスイッチ202がONになったか否かが判定される。液圧検出時にブレーキペダル10が操作状態にあったか否かが検出されるのである。加圧装置64のチェックは、ブレーキペダル10が操作されていないことが前提に行われるのであるが、チェック中にブレーキペダル10が操作されても、保持弁110が閉状態にある場合には、ストップスイッチ202がONに切り換わらないことがある。ストップスイッチ202がONになるまでストロークを出せないが、ブレーキペダル10に操作力が加えられている場合があるのである。設定時間内にストップスイッチ202がONにならなかった場合には、ブレーキペダル10が踏み込まれていなかったと確認することができ、加圧装置64が正常であると判定されるのである。
【0027】
図5のフローチャートに示すイニシャルチェックプログラムは、予め定められた設定時間毎に実行される。ステップ1(以下、S1と略称する。他のステップについても同様とする)において、イグニションスイッチ201がOFFからONにされたか否かが判定され、S2においてON状態にあるか否かが判定される。イグニションスイッチ201がOFF状態にある場合には、S1,2における判定がNOとなり、S3においてイニシャルチェック完了フラグがリセットされ、イニシャルチェックが行われることはない。イニシャルチェック完了フラグについては後述するが、加圧装置64のチェックが完了した場合またはストップスイッチ202において断線が検出された場合にセットされるフラグである。
イグニションスイッチ202がOFFからONに切り換えられると、S1における判定がYESとなり、S4において、センサ等のチェック(チェック1)が行われる。その後、S5において、ストップスイッチ202において断線が生じていないか否かが検査され、断線が生じていない場合には、S6において、ストップスイッチ202がOFFか否か、走行速度が設定速度以下であるか否かが判定される。ブレーキペダル10が操作されておらず、かつ、走行速度が設定速度以下である場合には、判定がYESとなり、S7において、加圧装置64のチェック(チェック2)が行われる。低速走行中においては運転者がブレーキ操作を行う必要が殆どないと推定されるため、加圧装置64のチェックを行っても安全なのである。また、異常検出中にブレーキ操作が行われることも殆どないと考えることができる。
なお、走行速度が設定速度以下であるか否かを判定することは不可欠なことではない。
【0028】
S7の加圧装置64のチェックにおいては、図6のS71〜73において、保持弁110のコイル112がONにされて閉状態に切り換えられ、ポンプモータ68が作動状態にされ、圧力制御弁70(NOリニア弁)のコイル84に最大の電流が供給されて閉状態にされる。ポンプ66が対象装置としてのブレーキシリンダ92からも、低圧源としてのリザーバ58からも遮断された状態で、作動状態にされるのである。ポンプモータ68は、作動状態が予め定められた設定状態になるように作動させられる。
S74において、ストップスイッチ202がOFFであるか否か、走行速度が設定速度以下であるか否かが判定され、ブレーキペダル10が非操作状態にあり、かつ、走行速度が設定速度以下である場合には、判定がYESとなり、S75において、マスタ圧が設定圧α1 より大きいか否か、S76において、ポンプモータ68の作動が開始されてから設定時間Ts1が経過したか否かが判定される。設定時間Ts1が経過するまでに、設定圧α1 より大きくならなかった場合には、S77において加圧装置64が異常であると判定され、S78においてチェック完了フラグがセットされる。そして、S79において、保持弁110が開状態に戻され、圧力制御弁70が開状態に戻される。また、ポンプモータ68の作動が停止させられる。
なお、S74における走行速度の設定速度は、S6における設定速度と同じであっても異なっていてもよい。
【0029】
設定圧α1 は、ポンプモータ68を設定作動状態で設定時間Ts1作動させた場合に、マスタ圧が達すると推定される大きさとされる。本実施形態においては、保持弁110も圧力制御弁70も閉状態にされるため、設定時間Ts1を短くすることができる。また、ポンプ66からの吐出圧の上昇に影響を与える要素が少なくなるため、加圧装置64の作動に応じた液圧を精度よく検出することができる。
【0030】
それに対して、設定時間Ts1経過するまでに、設定圧α1 より大きくなった場合には、S75における判定がYESとなり、S80において保持弁110が開状態にされる。S81において、ストップスイッチ202がONであるか否かが判定され、S82において、設定時間Ts2が経過したか否かが判定される。設定時間Ts2が経過するまでにストップスイッチ202がONになった場合には、マスタ圧が設定圧α1 以上になったのは、加圧装置64の作動によるものではなく、ブレーキペダル10の操作によるものであると考えられるため、S77において、加圧装置64が異常であるとされる。設定時間Ts2は、ブレーキペダル10に操作力が加えられていた状態において保持弁110を開状態に切り換えた後、ストップスイッチ202がON状態に切り換わる(設定量以上のストロークが得られる)のに必要な時間である。
それに対して、設定時間Ts2が経過する以前にストップスイッチ202がONにならなかった場合には、S83において、正常であるとされる。その後、同様に、S78,79において、チェック完了処理が行われる。
また、S74において、ストップスイッチ202がON状態であると検出された場合、または、走行速度が設定速度以上であることが検出された場合には、判定がNOとなり、S75以降が実行されることがなく、イニシャルチェック完了フラグはリセット状態に保たれる。異常の検出が中止されるのであり、それによって、異常検出装置の信頼性を向上させることができる。
【0031】
その後、イグニションスイッチ201がON状態にある間、S1における判定がNO、S2における判定がYESとなり、S8が実行されるが、イニシャルチェック完了フラグがセットされている場合には、判定がYESとなり、S7が実行されることはない。また、イニシャルチェック完了フラグがリセット状態のままである場合には、S8における判定がNOとなり、S6以降が実行される。イグニションスイッチ201がOFFからONに切り換わった後、イニシャルックが完了するまで、S1,2,8,6,7の実行が繰り返し行われる。
それに対して、ストップスイッチ202において断線が生じている場合には、S5における判定がYESとなり、S9において、断線状態にあると判定される。この場合にも、イニシャルチェック完了フラグはセットされる。
【0032】
イニシャルチェックにより、加圧装置64の異常が検出された場合には、ポンプ66の作動を禁止するとともに圧力制御弁70への供給電流を0にする。後方加圧室50は開状態にある圧力制御弁70を介してマスタリザーバ58に連通させられる。ブレーキペダル10の操作に応じてマスタリザーバ58から作動液が供給されるため、後方加圧室50の液圧が負圧になることが回避される。前方加圧室36,38には、ブレーキペダル10の操作に応じた液圧が発生させられ、ブレーキシリンダ92に伝達され、ブレーキ90が作動させられる。
【0033】
以上のように、本実施形態においては、ブレーキペダル10の非操作状態におけるマスタシリンダ圧センサ204の検出液圧に基づいて加圧装置64の異常が検出される。ブレーキペダル10が非操作状態である状態において異常の検出が行われることになるため、信頼性を向上させることができる。また、マスタシリンダ圧センサ204の検出液圧からブレーキ操作力に対応する液圧を除いた液圧は、加圧装置64の作動状態に応じた値であるため、加圧装置64の作動状態を直接的に検出することができ、異常検出精度の向上を図ることができる。さらに、従来の異常検出装置においては、2つのセンサの検出値に基づいて異常か否かの判定が行われるようにされていたが、本実施形態によれば、マスタシリンダ圧センサ1つの検出値に基づいて判定を行うことができる。
【0034】
また、マスタ圧が設定圧α1 以上であっても、保持弁110を開状態に切り換え、ブレーキペダル10が操作されていなかったことが確認された後に正常であると判定されるため、信頼性を向上させることができる。さらに、ポンプモータ68が作動状態にされる場合には、保持弁110,圧力制御弁70が閉状態にされるため、ポンプ66の作動に伴う液圧上昇に影響を及ぼす要素を少なくすることができる。ポンプ66によって加圧された作動液の液圧を精度よく検出することができ、異常か否かの判定を精度よく検出することができる。また、走行速度が低く、殆どブレーキ操作が行われない状態で異常が検出されるため、異常検出精度を向上させることができる。さらに、安全上でも有効である。また、イグニションスイッチ201がONにされた後の、比較的早い時期に異常の検出を行うことができ、異常検出装置の信頼性を高めることができる。
【0035】
以上のように、本実施形態においては、液圧制御装置160のイニシャルチェックプログラムを記憶する部分,実行する部分等により判定装置が構成され、判定装置,マスタシリンダ圧センサ204等により異常検出装置が構成される。また、車輪速センサ208等により走行速度検出装置が構成され、判定装置のうちの、S6,7を記憶する部分,実行する部分等により低速時判定部が構成される。さらに、イグニションスイッチ201および液圧制御装置160のそれの状態を検出する部分等により走行可否検出装置が構成され、ストップスイッチ202および液圧制御装置160のそれの状態を検出する部分等によりブレーキ操作状態検出装置が構成され、判定装置のうちのS1,7を記憶する部分,実行する部分等により走行許可移行後判定部が構成される。また、保持弁110により連通抑制装置が構成され、判定装置のうちのS71,75,76等を記憶する部分,実行する部分等により抑制状態判定部が構成される。さらに、液圧制御装置160のS74における判定がNOの場合に、S75以降の実行が禁止される部分等により、ブレーキ操作時異常検出中止部,走行時異常検出中止部が構成される。
【0036】
なお、上記実施形態においては、S81において、ストップスイッチ202がON状態にあると検出された場合には、S77において、異常であると判定されるようにされていたが、異常か否かの判定を行わず、イニシャルチェック完了フラグがリセット状態に保たれるようにすることもできる。ブレーキ操作中に検出されたマスタ圧に基づいて異常判定を行うことは望ましくないからである。
また、S81において、ストップスイッチ202がON状態にあると検出された場合には、さらに、マスタ圧が設定圧α1 より大きい設定圧(ブレーキ操作に応じた液圧とポンプ66の作動に応じた液圧との和に基づく大きさ)α2 より大きいか否かを判定し、設定圧α2 より大きい場合は正常であるとすることもできる。この場合には、ブレーキ操作に応じた液圧は、通常のブレーキ操作力に応じた液圧としたり、操作力センサ203による検出操作力に応じた液圧としたりすることができる。さらに、操作力センサ203による検出操作力が設定値以上であるか否かを判定し、設定値以上である場合には正常であるとすることもできる。
さらに、異常検出を、低速走行時に行うこと、保持弁110,圧力制御弁70が閉状態にされた状態で行うこと等は不可欠ではない。保持弁110は、完全に閉状態にしなくても、作動液の流れが抑制される状態で行われてもよい。その場合には、保持弁110を開状態において流量を制御可能なものとすることもできる。また、S80〜82が実行されるようにすることも不可欠ではない。
【0037】
また、異常検出が行われる場合に圧力制御弁70への供給電流Iを最大値とするのではなく、予め定められた電流値Ia , Ib とし、それぞれの場合におけるマスタシリンダ圧センサ204による検出マスタ圧に基づいて異常が検出されるようにすることもできる。2組以上の電流値とマスタ圧との関係に基づいて検出されるようにすることができるのである。
図7のフローチャートに示すように、S71,72においては、上記実施形態における場合と同様に、保持弁110が閉状態とされ、ポンプモータ68が作動状態とされるのであるが、S73* においては、圧力制御弁70への供給電流Iが電流値Ia とされる。加圧装置64の状態が予め定められた第1設定状態とされるのである。そして、S101において、ストップスイッチ202がOFF状態にあるか否か、走行速度が設定速度以下であるか否かが判定され、S102において、圧力制御弁70に電流値Ia の電流が供給されてから設定時間Ts3以上経過したか否かが判定される。設定時間が経過するのが待たれるのであるが、設定時間経過前にストップスイッチ202がON状態に切り換えられた場合または走行速度が設定速度以上になった場合には、S101における判定がNOとなり、S79において、保持弁110が開状態とされ、ポンプモータ68が停止させられ、圧力制御弁70への供給電流が0とされる。
【0038】
設定時間Ts3が経過した場合には、S104においてマスタ圧Pa が検出され、S105において、そのマスタ圧Pa が第1設定範囲内にあるか(α2 〜β2 )否かが判定される。第1設定範囲内にある場合には判定がYESとなり、S106〜110において圧力制御弁70への供給電流が電流値Ib とされて加圧装置64が第2状態とされる。この状態においてマスタ圧が検出され、マスタ圧Pb が第2設定範囲内にあるか否かが判定される。この場合には、設定時間が時間Ts4とされ、第2設定範囲が(α3 〜β3 )に設定される。
マスタ圧Pb が第2設定範囲内にある場合には、S110における判定がYESとなり、S111において加圧装置が正常であるとされる。そして、S112において正常時処理が行われる。
【0039】
本実施形態においては、図8に示すように制御テーブルが補正される。圧力制御弁70へそれぞれ電流値Ia , Ib の電流が供給された場合のマスタ圧Pa , Pb に基づいて、加圧装置64が作動状態にあって、ブレーキペダル10が非操作状態にある場合におけるマスタ圧と供給電流との関係Lb (破線)が一点鎖線Lb ′で示す関係に補正される。また、それと同様に(同じ勾配となるように)、助勢制御における関係La (実線)も二点鎖線La ′で表される関係に補正される。
その後、S78,79において、前述の場合と同様に異常検出終了処理が行われる。
【0040】
それに対して、マスタ圧Pa が第1設定範囲内にない場合またはマスタ圧Pb が第2設定範囲内にない場合には、S105,110のいずれかの判定がNOとなり、S114において異常であると判定される。
例えば、圧力制御弁70が供給電流に応じて正常に作動していない場合,マスタシリンダ圧センサ204の異常等が考えられる。マスタシリンダ圧センサ204の異常はチェック1において検出されるのであるが、チェック1においては、出力の有無の程度しか検出されない場合がある。それに対して、チェック2においては、検出値が妥当な大きさであるか否かを検出することができる。S105(S110)においてマスタシリンダ圧センサ204による検出液圧Pa (Pb)が設定範囲の上限圧β2 (β3 )より大きい場合には、センサの出力値が過大であるとし、設定範囲の下限圧α2 (α3 )より小さい場合には、出力値が過小であるとすることができるのである。
【0041】
以上のように、本実施形態においては、2組の圧力制御弁70への供給電流値Iとマスタ圧との関係に基づいて異常が検出されるため、1組の供給電流とマスタ圧との関係に基づいて検出される場合に比較して、異常の検出精度を向上させることができる。供給電流Iとマスタ圧Pとの関係である制御ゲインが正常な範囲内にあるか否かを検出することができるのである。
また、加圧装置64が正常であるとされた場合には、制御テーブルが、異常検出時における供給電流(Ia ,Ib )と検出液圧(Pa ,Pb )とに基づいて変更されるため、ブレーキ液圧の制御精度を向上させることができる。制御ゲインが適正値に変更されるのである。供給電流と出力液圧との関係は常に一定であるとは限らず、圧力制御弁70の経時変化やその時点における環境等によって変わる場合があるが、これらの変化に応じて関係を補正することは有益なことである。さらに、異常検出時に、異常検出のために検出されたデータを利用して補正されるのであり、わざわざ、検出する必要がなくなるという利点もある。
【0042】
なお、上記実施形態においては、1回の異常検出時に、圧力制御弁70への供給電流が電流Ia ,Ib に変更され、それぞれの状態に基づいてマスタ圧が検出されるようにされていたが、今回の異常検出時における検出液圧と、今回の異常検出時以外の場合であって、今回の異常検出時とは圧力制御弁70への供給電流が異なる場合において検出された液圧とに基づいて異常か否かが判定されるようにしてもよい。例えば、今回の異常検出時における検出液圧と前回の異常検出時における検出液圧とに基づいて異常か否かを判定することができる。異常検出が行われる場合における圧力制御弁70への供給電流を、交互に、Ia とIb とに変更すればよい。このようにすれば、異常検出に要する時間を短縮することができる。
【0043】
また、2組の供給電流Iとマスタ圧Pとに限らず、3組以上の関係に基づいて異常か否かが判定されるようにすることもできる。この場合には、制御テーブルの補正が3つ以上の点に基づいて行われることになる。3つ以上の点を結ぶ線は直線になるとは限らないが、曲線(n次曲線)で表される関係に補正したり、3つ以上の点を結ぶ折れ線に近似する直線で表される関係に補正したりすることができる。その他、補正の態様は上記実施形態におけるそれに限らない。例えば、圧力制御弁70への供給電流が同じ場合における設計値(マスタ圧)と異常検出時に検出された検出値とに基づいて補正値を決定したり、複数回の異常検出時に検出された検出値に基づいて(例えば、前回の検出値と今回の検出値とに基づいて)補正値を決定したりすることができるのであり、設定値と1回以上の検出値とに基づいて、または、2回以上の検出値に基づいて補正することができるのである。この場合において、複数の値のうちの中間値を補正値としたり、平均値を補正値としたり、最も設計値に近い値または遠い値を補正値としたりすることもできる。
【0044】
さらに、上記各実施形態においては、圧力制御弁70への供給電流が、ブレーキ操作力の倍力率が一定の大きさに保たれるように制御されるようにされており、供給電流とマスタ圧との関係(図3の実線La )を表すテーブルがROMに記憶されていたが、供給電流の制御態様は、上記実施形態におけるそれに限らない。後方加圧室50の液圧と供給電流との関係を表すテーブルが記憶され、これらの関係に基づいて制御されるようにすることができる。この場合には、マスタシリンダ14の液圧やブレーキ操作力等に基づいて助勢圧(後方加圧室50の液圧)の目標値が求められ、助勢圧が得られるように電流が供給されることになる。このように、助勢圧と供給電流との関係に基づけば、倍力率を一定にする制御以外の制御を行うことも可能となる。また、図3の破線Lb の関係は、助勢圧と供給電流との関係に対応し、この関係を表すテーブルのみが記憶されればよいことになる。
【0045】
さらに、2組以上の供給電流値Iと検出液圧との関係のうちの1組以上はブレーキペダル10が操作状態にある場合における関係とすることもできる。
また、S102,108においては、それぞれ、設定時間Ts3,Ts4が経過したか否かが判定されるようにされていたが、〔マスタ圧の変化勾配が0より大きい状態から0以下の状態になったか否か〕、〔マスタ圧の増加勾配がピーク値を越えたか否か〕等が判定されるようにすることもできる。いずれにしても、加圧装置64の作動状態の変更に伴ってマスタ圧が変化したことが確認された場合に、マスタ圧が検出されるようにすればよいのである。
【0046】
さらに、ブレーキペダル10が操作状態にある場合におけるマスタ圧に基づいて異常か否かが判定されるようにすることもできる。図9のフローチャートで表される異常検出プログラムにおけるように、チェック1,2を含むイニシャルチェックが終了した後に、S121において、ブレーキペダル10が操作状態にあるか否かが判定され、操作状態にある場合には、判定がYESとなり、S122において、チェック3が行われる。
【0047】
チェック3においては、S150において、マスタ圧Pと減速度Gとが検出され、S151において、これらの関係が、図11のテーブルの領域a,bに属するか否かが判定される。領域a,bに属する場合には、正常でないため、判定がNOとなり、S152において異常であるとされ、それ以外の領域に属する場合には、マスタ圧と減速度との関係は正常であるとされる。アンチロック制御等が行われていない場合には、保持弁110は開状態にあるため、マスタ圧の増加に伴ってブレーキ液圧は増加させられる。そのため、加圧装置64が作動状態にあっても非作動状態にあっても、ブレーキ液圧(マスタ圧)にほぼ比例して減速度は大きくなるはずである。この場合において、減速度がマスタ圧に対して大き過ぎる場合にも小さ過ぎる場合にも異常なのである。例えば、減速度がマスタ圧に対して過大である領域a(マスタ圧が減速度に対して過小である領域)に属する場合には、マスタシリンダ圧センサ204の出力値が過小であり、減速度がマスタ圧に対して過小である領域b(マスタ圧が過大である領域)に属する場合には、マスタシリンダ圧センサ204の出力が過大であるとすることができる。なお、領域bに属する場合には、効き低下異常が生じていることがわかる。
【0048】
マスタ圧と減速度との関係が正常である場合には、S153においてマスタ圧がブースタ助勢制御の開始圧P0 以上であるか否かが判定される。ブースタ助勢制御が行われているか否かが判定されるのであり、加圧装置64が作動状態にあるか否かが判定される。
助勢制御が行われている場合(加圧装置64が作動状態にある場合)には判定がYESとなり、S154において、マスタ圧P,供給電流I,操作力Fが検出され、S155において、これらの関係が図12の領域c,d,eに属するか否かが判定される。マスタ圧Pと供給電流Iとの関係が領域c,dに属するか否か、マスタ圧Pと操作力Fとの関係が領域eに属するか否かが判定されるのである。いずれの領域にも属さない場合には、S156において正常であるとされる。この場合には、マスタ圧Pと減速度Gとの関係も、助勢制御時の、マスタ圧Pと供給電流Iとの関係も、操作力Fとマスタ圧Pとの関係も正常であるため、S156において加圧装置64が正常であるとされるのである。
【0049】
それに対して領域c,d,eのいずれかに属する場合には、判定がNOとなり、S152において異常であると判定される。例えば、領域cに属する場合には、マスタシリンダ圧センサ204の出力値が過大である場合、電流センサ205の出力値が過小である場合、圧力制御弁70の作動不良に起因して制御圧より大きな液圧が発生させられた場合等が考えられる。領域dに属する場合には、マスタシリンダ圧センサ204の出力値が過小である場合、電流センサ205の出力が過大である場合、圧力制御弁70の作動不良に起因して制御圧より低い液圧しか発生させられない場合等が考えられる。領域eに属する場合には、マスタシリンダ圧センサ204の出力が過大である場合、圧力制御弁70の作動不良である場合等が考えられる。
【0050】
助勢制御前、すなわち、加圧装置64が非作動状態にある場合には、S153における判定がNOとなり、S157において、マスタ圧とブレーキ操作力とが検出され、S158において、図12の領域fに属するか否かが判定される。この場合には、加圧装置64は非作動状態にあるため、ブレーキ操作力の増加に従ってマスタ圧は増加させられるはずである。また、バキュームブースタ12においてサーボ失陥が生じた場合には、実線Lc に示すように、マスタ圧がブレーキ操作力に対して過小になるが、このバキュームブースタ12の異常は、加圧装置64の異常ではないため、本実施形態においては検出されることはない。しかし、加圧装置64の異常検出時に合わせて検出されるようにすることを排除するわけではない。
領域f以外に属する場合には、S156において加圧装置は正常であるとされる。それに対して、領域fに属する場合には、S152において異常であるとされる。例えば、マスタシリンダ圧センサ204の出力が過大であると考えられる。
【0051】
このように、本実施形態においては、▲1▼加圧装置64が作動状態にあって、かつ、非ブレーキ操作状態にある場合、▲2▼加圧装置64が作動状態にあってブレーキ操作状態にある場合、▲3▼加圧装置64が非作動状態にあって、かつ、ブレーキ操作状態にある場合の、いずれかの場合に異常であると判定された場合に、加圧装置64が異常であるとされる。そのため、異常であることをできる限り早期に検出することが可能となる。また、通常のブレーキ操作時にも異常検出が行われるため、その分、異常検出の機会を多くすることができる。さらに、異常検出のための保持弁110を閉状態にする制御等が不要となり、エネルギの無駄な消費量を少なくすることができる。また、上記各実施形態において、保持弁110が開状態に保たれた状態で異常検出が行われる場合には、マスタ圧と減速度との関係,供給電流と減速度との関係等に基づいて異常か否かを判定することも可能である。
なお、本実施形態においては、上述の▲1▼〜▲3▼のいずれか1つの場合に異常であるとされた場合には、加圧装置64が異常であると判定されるようにされていたが、2つ以上の場合において異常であるとされた場合に加圧装置64が異常であると判定されるようにすることもできる。
【0052】
また、本発明に係る異常検出装置は、図13に示す構造の液圧ブレーキシステムの加圧装置の異常を検出することもできる(第2実施形態)。
図13において、310はブレーキ操作部材としてのブレーキペダルであり、そのブレーキペダル310はバキュームブースタ(以下、ブースタと略称する)312を介してマスタシリンダ314に連結されている。マスタシリンダ314はタンデム型であり、ハウジングに2つの加圧ピストンが互いに直列にかつ各々摺動可能に嵌合され、それにより、ハウジング内の各加圧ピストンの前方において2つの加圧室が互いに独立して形成される。マスタシリンダ314は、ブレーキペダル310の踏力であるブレーキ操作力に応じてそれら加圧室にそれぞれ等しい高さの液圧を機械的に発生させる。
ブースタ312は、上記実施形態における場合と同様に、負圧室と変圧室とを含むものであり、ブースタ312が助勢限界に達した時点から、ブレーキ力を助勢する助勢制御が行われる。
【0053】
この液圧ブレーキシステムは前後2系統式であり、マスタシリンダ314の一方の加圧室には、左右前輪のそれぞれのブレーキ354を作動させるブレーキシリンダ356が接続されている。また、他方の加圧室には、左右後輪のそれぞれのブレーキ358を作動させるブレーキシリンダ360が接続されている。
【0054】
前輪側の液圧系統において、マスタシリンダ314と、前記左右前輪FL,FRのブレーキシリンダ356とは、主液通路364によって接続されている。主液通路364は、マスタシリンダ14から延び出た後に二股状に分岐させられており、1本の基幹通路366と2本の分岐通路368とが互いに接続されて構成されている。基幹通路66の途中には圧力制御弁370が設けられ、各分岐通路368の先端に上述のブレーキシリンダ356がそれぞれ接続されている。主液通路364のうち圧力制御弁370とブレーキシリンダ356との間の部分にはポンプ通路372が接続され、その途中にポンプ374が設けられている。ポンプ374は、ポンプモータ376によって駆動される。ポンプ374およびポンプモータ376等により加圧装置378が構成される。
【0055】
圧力制御弁370は、上記実施形態における圧力制御弁70と構造が同じであるため説明を省略する。ただし、圧力制御弁370においては、ブレーキシリンダ356とマスタシリンダ314との差圧に応じた差圧作用力F2 が弁子80に作用する向きで、液通路366に設けられている。
この圧力制御弁370には、バイパス通路392が設けられており、そのバイパス通路392の途中にバイパス弁394が逆止弁として設けられている。万が一、ブレーキペダル310の踏み込み時に圧力制御弁370内の可動部材に生ずる流体力により圧力制御弁370が閉じてしまったり、圧力制御弁370が機械的に閉じたままになってしまった場合でも、マスタシリンダ314からブレーキシリンダ356へ向かう作動液の流れが確保されるようにするためである。
【0056】
各分岐通路368の途中には、ポンプ通路372との接続点よりブレーキシリンダ356側において、常開の電磁開閉弁である保持弁400が設けられている。各保持弁400にはバイパス通路402が接続され、各バイパス通路402には作動液戻り用のバイパス弁404が逆止弁として設けられている。
また、分岐通路368のブレーキシリンダ356と保持弁400との間の部分からリザーバ通路406が延びてリザーバ408に至っている。各リザーバ通路406の途中には常閉の電磁開閉弁である減圧弁410が設けられている。
リザーバ408は、前記ポンプ通路372により前記主液通路364に接続される。
【0057】
ポンプ通路372には、ポンプ374の他に、吸入弁424,吐出弁426,ダンパ室428等が設けられている。
ポンプ通路372の吸入弁424とリザーバ408との間の部分は、補給通路430により、主液通路64のうちマスタシリンダ314と圧力制御弁370との間の部分に接続されている。補給通路430の途中には常閉の電磁開閉弁である流入制御弁432が設けられている。ポンプ通路372のうち補給通路430との接続点とリザーバ408との間の部分には逆止弁434が設けられている。この逆止弁434は、流入制御弁432が開状態にある場合に作動液がマスタシリンダ314からリザーバ408に流入することを阻止するために設けられている。この逆止弁434により、マスタシリンダ314からの作動液が高圧のままでポンプ374に吸入されることになる。
【0058】
ソフトウェアの構成は上記実施形態における場合と同じであるため、詳細な説明は省略する。液圧制御装置450の入力部には、上記実施形態における場合と同様に、イグニションスイッチ201,ストップスイッチ202,操作力センサ203,電流センサ205,減速度センサ206,マスタシリンダ圧センサ452,車輪速センサ454等が接続されているが、マスタシリンダ圧センサ452が後輪側の基幹通路366の圧力制御弁370と保持弁400との間の部分に設けられている。そのため、圧力制御弁370が開状態にある場合には、マスタシリンダ314の液圧が検出されるが、閉状態にある場合、すなわち、加圧装置378が作動状態にある場合には、加圧装置378の吐出圧が検出される。しかし、ポンプ374は、マスタシリンダ314の作動液を汲み上げて加圧するものであるため、加圧装置378の吐出圧は、マスタシリンダ314の作動液の液圧とポンプ374の作動状態に応じた液圧とを合わせた大きさとなる。
【0059】
以上のように構成された液圧ブレーキシステムにおいて、非ブレーキ操作状態にある場合には、すべての電磁制御弁のコイルへは電流は供給されず、ポンプモータ376は非作動状態に保たれる。
ブレーキペダル310が操作されると、マスタシリンダ314には、操作力に応じた液圧が発生させられ、その液圧がブレーキシリンダ356,360に伝達され、ブレーキ354,358が作動させられる。
マスタシリンダ圧センサ452による検出液圧がブースタ312の助勢限界に対応する液圧(開始圧)に達すると、助勢制御が行われる。助勢制御においては、流入制御弁432が開状態にされ、ポンプ374が作動状態にされる。マスタシリンダ14の作動液がポンプ374によって汲み上げられてブレーキシリンダ356,360に供給される。ブレーキシリンダの液圧は圧力制御弁370の制御により制御される。
アンチロック制御においては、保持弁400,減圧弁410の開閉により、各車輪の制動スリップ状態が適正状態に保たれるように、ブレーキシリンダ液圧が制御される。
【0060】
イニシャルチェックは、上記実施形態における場合と同様に行われる。ただし、本実施形態においては、異常検出の際には、保持弁400が閉状態にされ、モータ376が作動状態にされ、圧力制御弁370が閉状態にされるのに加えて流入制御弁432も開状態にされる。ポンプ374によってマスタシリンダ314の作動液が汲み上げられることになるが、ブレーキペダル310が操作されていないため、マスタシリンダ314の液圧は大気圧である。
この状態で、マスタシリンダ圧センサ452によって液圧が検出され、その液圧が設定圧以上であるか否かに基づいて加圧装置378が異常であるか否かが、上記各実施形態における場合と同様に制御される。
なお、圧力制御弁370への供給電流を変更してそれぞれの状態においてマスタ圧が検出され、これら複数の供給電流とマスタ圧との関係に基づいて異常か否かが判定されるようにしたり、ブレーキ操作状態における供給電流,マスタ圧,ブレーキ操作力の関係に基づいて異常か否かが判定されるようにすることもできる。また、マスタシリンダ圧センサ452は前輪側の系統の対応する部分に設けてもよい。
【0061】
さらに、本発明に係る異常検出装置は、図14の構造の液圧ブレーキシステムの加圧装置の異常を検出することもできる(第3実施形態)。
この液圧ブレーキシステムは、X配管である。マスタシリンダ314の一方の加圧室には、第1主液通路500を介して左前輪のブレーキ502のブレーキシリンダ504および右後輪のブレーキ506のブレーキシリンダ508が接続(第1系統)され、他方の加圧室には第2主液通路509を介して右前輪のブレーキ510のブレーキシリンダ512および左後輪のブレーキ514のブレーキシリンダ516が接続(第2系統)されている。また、2つの加圧装置のうち、第1系統側に設けられた加圧装置を第1加圧装置520とし、第2系統側に設けられた加圧装置を第2加圧装置522とする。
【0062】
また、液圧制御装置530の入力部には、前記各実施形態における場合と同様に、イグニションスイッチ201,ストップスイッチ202,操作力センサ203,電流センサ205,減速度センサ206,車輪速センサ532が接続されるとともに、2つのマスタシリンダ圧センサ534,536が接続されている。マスタシリンダ圧センサ534,536は、図13に示す液圧ブレーキシステムにおける場合と同様に、それぞれ、第1主液通路500,第2主液通路509の圧力制御弁370と保持弁400との間に設けられている。X配管のそれぞれの系統に1つずつ設けられているのである。
【0063】
イニシャルチェックは、ほぼ上記実施形態における場合と同様に行われるのであるが、X配管の各々の第1,第2主液通路500,509の液圧差も考慮される。X配管の場合には、各々の主液通路の圧力は本来同じになるはずである。そのため、マスタシリンダ圧センサ534,536の検出液圧の差ΔPが設定差圧ΔPs より大きい場合には、第1,第2加圧装置520,522の少なくとも一方が異常であるとすることができる。
【0064】
本実施形態においては、図15のフローチャートにおいて、S75において、第1系統に設けられたマスタシリンダ圧センサ534の検出液圧が設定圧α1 以上であるか否かが判定される。そして、設定圧α1 以上である場合には、S82′において、2つのマスタシリンダ圧センサ534,536の検出液圧の差圧ΔPの絶対値が設定差圧ΔPs より大きいか否かが判定され、設定差圧ΔPs 以下である場合には、判定がNOとなり、S83において正常であると判定される。それに対して、設定差圧ΔPs より大きい場合には、判定がYESとなり、S77において、異常であると判定される。
このように、1つのマスタシリンダ圧センサ536による検出液圧のみならず2つのマスタシリンダ圧センサ534,536の液圧差も考慮して異常判定が行われるようにすれば、異常検出精度を向上させることができる。本実施形態においては、液圧制御装置530のうちのS82′を記憶する部分,実行する部分等により、液圧差依拠異常判定部が構成される。
なお、S75においては、マスタシリンダ圧センサ536の検出液圧が設定圧α1 より大きいか否かが判定されるようにすることもできる。
【0065】
また、上記各実施形態においては加圧装置は、マスタシリンダ314の作動液を汲み上げて加圧する装置であったが、マスタリザーバの作動液を汲み上げて加圧する装置とすることもできる。この場合には、マスタシリンダ圧センサによって検出される検出液圧にはブレーキ操作部材の操作力に応じた液圧が含まれないため、ブレーキ操作中における検出液圧に基づいても、ブレーキ操作の影響が含まれることはない。
以上、本発明は、前記〔発明が解決しようとする課題,課題解決手段および発明の効果〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形,改良を施した形態で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である異常検出装置によって異常が検出される加圧装置を含む液圧ブレーキシステムの回路図である。
【図2】上記液圧ブレーキシステムに含まれる圧力制御弁を示す概念図である。
【図3】上記圧力制御弁の制御マップを表すテーブルである。
【図4】上記液圧ブレーキシステムの液圧制御装置周辺を表す図である。
【図5】上記液圧制御装置のROMに格納されたイニシャルチェックプログラムを表すフローチャートである。
【図6】上記イニシャルチェックプログラムの一部を表すフローチャートである。
【図7】本発明の別の一実施形態である異常検出装置が含まれる液圧ブレーキシステムの液圧制御装置のROMに記憶された異常検出プログラムを表すフローチャートの一部である。
【図8】上記液圧制御装置のROMに記憶された圧力制御弁の制御テーブルを示す図である。
【図9】本発明のさらに別の一実施形態である異常検出装置が含まれる液圧ブレーキシステムの液圧制御装置のROMに記憶された異常検出プログラムを表すフローチャートである。
【図10】上記異常検出プログラムの一部を表すフローチャートである。
【図11】上記液圧制御装置のROMに記憶された異常検出テーブルを表す図である。
【図12】上記液圧制御装置のROMに記憶された異常検出テーブルを表す図である。
【図13】本発明の別の一実施形態である異常検出装置によって異常が検出される加圧装置を含む液圧ブレーキシステムの回路図である。
【図14】本発明のさらに別の一実施形態である異常検出装置によって異常が検出される加圧装置を含む液圧ブレーキシステムの回路図である。
【図15】上記液圧ブレーキシステムに含まれる液圧制御装置のROMに格納されたイニシャルチェックプログラムの一部を表すフローチャートである。
【符号の説明】
14,314 マスタシリンダ
70,370 圧力制御弁
66,374 ポンプ
68,376 ポンプモータ
110,400 保持弁
160,450,530 液圧制御装置
201 イグニションスイッチ
202 ストップスイッチ
204,452,534,536 マスタシリンダ圧センサ
208,454,532 車輪速センサ
Claims (17)
- 液圧ブレーキシステムの加圧装置の異常を検出する装置であって、
ブレーキ操作部材の操作状態においてその操作力に応じた液圧と前記加圧装置の出力液圧に応じた液圧との和の液圧を検出可能な液圧検出装置と、
前記ブレーキ操作部材が非操作状態にあり、かつ、前記液圧検出装置による検出液圧の大きさが、前記加圧装置の作動状態で決まるしきい値より小さい場合に、前記加圧装置が異常であると判定する判定装置と
を含む加圧装置異常検出装置。 - 前記判定装置が、前記液圧検出装置による検出液圧の大きさが、前記加圧装置の始動から予め定められた設定時間内に、前記しきい値より大きくならなかった場合に、前記加圧装置が異常であると判定する手段を含む請求項1に記載の加圧装置異常検出装置。
- 前記加圧装置が、ポンプ装置と、そのポンプ装置の出力液圧を供給電流に応じた大きさに制御可能な電磁液圧制御弁とを備え、前記判定装置が、前記電磁液圧制御弁への供給電流を制御することにより前記出力液圧を制御する手段と、前記液圧検出装置による検出液圧の大きさが、前記電磁液圧制御弁への供給電流で決まる設定範囲内にない場合に、前記加圧装置が異常であると判定する手段とを含む請求項1に記載の加圧装置異常検出装置。
- 前記液圧ブレーキシステムが、さらに、当該加圧装置異常検出装置が搭載された車両の走行速度を検出する走行速度検出装置を含み、
前記判定装置が、前記走行速度検出装置によって検出された走行速度が予め定められた第1設定速度以下である状態における前記液圧検出装置の検出液圧に基づいて、異常か否かの判定を行う低速時判定部を含み、当該加圧装置異常検出装置が、前記低速時判定部による異常検出中に、前記走行速度検出装置によって検出された走行速度が第2設定速度以上になった場合には、その異常検出作動を中止させる走行時異常検出中止部を含む請求項1ないし3のいずれか1つに記載の加圧装置異常検出装置。 - 前記液圧検出装置が、前記加圧装置から、その加圧装置により加圧された作動液が増圧通路を経て供給される対象装置までに設けられたものであり、
当該加圧装置異常検出装置が、前記増圧通路の前記液圧検出装置より対象装置側の部分に設けられ、前記加圧装置と前記対象装置とを連通させる連通状態とその連通を抑制する連通抑制状態とに切り換え可能な連通抑制装置を含み、
前記判定装置が、前記連通抑制装置が連通抑制状態にある状態における前記液圧検出装置の検出液圧に基づいて、異常か否かの判定を行う抑制状態判定部を含むことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の加圧装置異常検出装置。 - 当該加圧装置異常検出装置が、前記ブレーキ操作部材が操作状態にあるか非操作状態にあるかを検出するブレーキ操作状態検出装置を含み、前記判定装置が、前記連通抑制装置の連通抑制状態から連通状態への切換時点から予め定められた設定時間以内に、前記ブレーキ操作状態検出装置によって前記ブレーキ操作部材が操作状態であると検出されたか否かに基づいて、異常か否かの判定を行う請求項5に記載の加圧装置異常検出装置。
- さらに、当該加圧装置異常検出装置の異常検出作動中に、前記ブレーキ操作部材が非操作状態から操作状態にされた場合には、その異常検出作動を中止させるブレーキ操作時異常検出中止部を含む請求項1ないし6のいずれか1つに記載の加圧装置異常検出装置。
- 前記判定装置が、前記加圧装置の作動状態が互いに異なる複数の状態である場合における前記液圧検出装置によるそれぞれの検出液圧に基づいて、異常か否かの判定を行うものである請求項1ないし7のいずれか1つに記載の異常検出装置。
- 前記判定装置が、さらに、前記ブレーキ操作部材が操作状態にある場合における前記液圧検出装置の検出液圧に基づいて異常か否かの判定を行うブレーキ操作時異常判定部を含む請求項1ないし8のいずれか1つに記載の加圧装置異常検出装置。
- 前記判定装置が、前記加圧装置の作動状態を表す量と、前記液圧検出装置による検出液圧と、当該加圧装置異常検出装置が搭載された車両の減速度との3つの物理量のうちの任意の2つ以上の物理量から成る複数の組のうちの2組以上の各々において、それらの組の各々に属する2つ以上の物理量の関係に基づいて、異常か否かの判定を行う複合型異常検出部を含む請求項1ないし9のいずれか1つに記載の加圧装置異常検出装置。
- 前記加圧装置から複数の増圧通路が延び出し、それら複数の増圧通路の各々に対応して前記液圧検出装置が設けられ、前記判定装置が、それら複数の液圧検出装置の各々によって検出された液圧の差に基づいて前記加圧装置が異常か否かの判定を行う液圧差依拠異常判定部を含む請求項1ないし10のいずれか1つに記載の加圧装置異常検出装置。
- 液圧ブレーキシステムの加圧装置の異常を検出する装置であって、
その加圧装置の駆動力とブレーキ操作部材の操作力とに基づいて前進させられる加圧ピストンを備えたマスタシリンダの、その加圧ピストンの前方に設けられた加圧室の液圧を検出するマスタシリンダ圧検出装置と、
前記ブレーキ操作部材が非操作状態にあり、かつ、前記加圧装置が作動状態にある状態における前記マスタシリンダ圧検出装置によって検出されたマスタシリンダ圧の大きさが、前記加圧装置の作動状態で決まるしきい値より小さい場合に、前記加圧装置が異常であると判定する判定装置と
を含む加圧装置異常検出装置。 - 前記判定装置が、前記液圧検出装置による検出液圧の大きさが、前記加圧装置の始動から設定時間内に、前記しきい値より大きくならなかった場合に、前記加圧装置が異常であると判定する手段を含む請求項13に記載の加圧装置異常検出装置。
- 前記加圧装置が、ポンプ装置と、そのポンプ装置の出力液圧を供給電流に応じた大きさに制御可能な電磁液圧制御弁とを備え、前記判定装置が、前記電磁液圧制御弁への供給電流を制御することにより前記駆動力を制御する手段と、前記マスタシリンダ圧検出装置による検出液圧の大きさが、前記電磁液圧制御弁への供給電流で決まる設定範囲内にない場合に、前記加圧装置が異常であると判定する手段とを含む請求項13に記載の加圧装置異常検出装置。
- ブレーキ操作部材の操作力に応じた液圧を発生させるマスタシリンダから作動液を汲み上げ、加圧して、マスタシリンダから延び出たブレーキ通路に供給する加圧装置の異常を検出する装置であって、
前記ブレーキ通路に接続された液圧検出装置と、
前記ブレーキ通路に設けられ、前記液圧検出装置および前記加圧装置を前記マスタシリンダと連通させる連通状態とその連通を抑制する連通抑制状態とに切り換え可能な連通抑制装置と、
前記ブレーキ操作部材が非操作状態にあり、前記連通抑制装置が連通抑制状態にあり、かつ、前記加圧装置が作動状態にある状態における前記液圧検出装置の検出液圧の大きさが、前記加圧装置の作動状態で決まるしきい値より小さい場合に、前記加圧装置が異常でると判定する判定装置と
を含む加圧装置異常検出装置。 - 前記判定装置が、前記液圧検出装置による検出液圧の大きさが、前記加圧装置の始動から設定時間内に、前記しきい値より大きくならなかった場合に、前記加圧装置が異常であると判定する手段を含む請求項15に記載の加圧装置異常検出装置。
- 前記加圧装置が、ポンプ装置と、そのポンプ装置の出力液圧を供給電流に応じた大きさに制御可能な電磁液圧制御弁とを備え、前記判定装置が、前記電磁液圧制御弁への供給電流を制御することにより前記出力液圧を制御する手段と、前記液圧検出装置による検出液圧の大きさが、前記電磁液圧制御弁への供給電流で決まる設定範囲内にない場合に、前記加圧装置が異常であると判定する手段とを含む請求項15に記載の加圧装置異常検出装置。
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