JP2011191110A - スティックスリップ検出装置および検出方法 - Google Patents

スティックスリップ検出装置および検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】制御の状態に対応してより正確にスティックスリップの状態が判断できるようにする。
【解決手段】例えば調節弁は、ポジショナを介して外部より制御され、また、弁が持つ調整機構により自律的に制御される。制御の結果、弁軸(可動部)の変位が変化する。また、弁軸の変位量に対応して調節弁を通過する流体の流量などの、プロセス変量が変化する。このような、弁軸の変位量やプロセス変量の測定結果(測定値)の変化量をもとに、診断動作制御部107は、診断部100の動作を制御する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、調節弁やガスガバナなどの接触摩擦部を有する摺動面をもつ装置の動作におけるスティックスリップを検出するスティックスリップ検出装置および検出方法に関する。
調節弁やガスガバナの故障は、摺動部分におけるスティックスリップの発生を検出することで、診断することが可能である。スティックスリップは、例えば、図10に示すように、ピストン1001とシリンダ1002との接触摺動部1003の状態によって発生するものである。例えば、このスティックスリップは、接触摺動部1003に異物が混入したときなどに発生する。従って、ピストン1001の変位を計測し、計測した変位の状態を監視することでスティックスリップを検出できる(特許文献1参照)。
ここで、特許文献1に記載されたスティックスリップ検出について簡単に説明する。この検出技術では、ピストン1001の変位を検出し、検出した変位より第1の状態量を算出し、また、検出した変位より第2の状態量を算出し、正常動作時の変位より得られる第1の状態量と第2の状態量との関係と、算出した第1の状態量および算出した第2の状態量の間の関係とを比較することで、スティックスリップを検出(判断)している。
例えば、第1の状態量として変位の1階差分値の絶対値の平均を用い、第2の状態量として変位の1階差分値の2乗平均の平方根を用いている。ピストン1001の変位を離散的に検出する場合、i番目に検出した変位をXiとすると、各状態量は以下の式(1)および式(2)ように表される(ただし、Nは状態量の算出に用いた変位データの数である)。
Figure 2011191110
変位の1階差分値の絶対値(|Xi+1−Xi|)の頻度分布は、図11Aおよび図11Bに示すようになる。図11Aは、正常時の状態を示し、差分値が大きくなるにつれ発生頻度が緩やかに減少している。一方、スティックスリップが発生している場合、大半の時間は固着状態にあり、時々滑り状態が発生している。このため、1階差分値の頻度は、図11Bに示すように、高い頻度で0に近い値を取る一方で(固着状態に対応)、低い頻度ながら比較的大きな値を取ることもある(滑り状態に対応)。このようなスティックスリップが発生している状態では、第1の状態量(1階差分値の絶対値平均)と第2の状態量(1階差分値の2乗平均の平方根)の比が正常時より大きくなるので、2つの状態量の比を監視することでスティックスリップの検出ができる。
特許第3254624号公報
しかしながら、上述した技術では、可動部(ピストン)の制御状態によっては、誤ってスティックスリップ状態であると判断する場合が発生するという問題がある。
上述した技術では、スティックスリップの検出対象の動作が固着状態と滑り状態の2つに分かれていることを、可動部の変位から算出される2つの状態量とこれらの関係から検出する。これは、可動部の変位のみを用いて判断していることになる。このため、可動部の動き(変位)がスティックスリップの状態と同様であれば、スティックスリップが実際には発生していなくてもスティックスリップと判断されることになる。しかしながら、これは、誤検知ということになる。
例えば、ポジショナによる弁軸位置の制御において、弁軸変位の制御指令値(設定値、セットポイント)が大きく変更される場合、制御指令値が変更されるときの弁(可動部)の変位の挙動は、スティックスリップの状態と同様となる場合がある。
図12の(a)に示すような、2つの値が交互に取られ、時系列信号が矩形波となっている変位に対する制御指令値が与えられると、これに対応し、調節弁の弁軸変位の応答は、図12の(b)に示すような時系列信号の変位測定値として測定される。このような変位測定値の1階差分値は、図12の(c)に示すようになる。この場合、図12の(c)に示されるように、1階差分値は大半の時間は0に近い値を取るが、制御指令値が変わった直後のみ大きな値を取る。
この挙動は、大半の時間は固着状態にあり、時々滑り状態となって速い動きをするというスティックスリップ現象の挙動と同様である。この結果、上述した技術では、図12の(a)に示すような制御を行っているときに、スティックスリップが発生しているものとして誤検知を起こしてしまう。このような誤検知は、弁の動作速度が速い場合に起きやすく、小型の弁で特に問題となる。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、制御の状態に対応してより正確にスティックスリップの状態が判断できるようにすることを目的とする。
本発明に係るスティックスリップ検出装置は、接触摺動部を有する可動部の変位を検出する変位検出手段と、変位より第1の状態量を算出する第1の演算手段と、変位より第2の状態量を算出する第2の演算手段と、予め求めてある可動部の正常動作時の変位より得られる第1の状態量と第2の状態量との関係を格納した特性記憶部と、特性記憶部に格納されている関係を利用して第1の演算手段が算出した第1の状態量より第2の状態量を推定して推定状態量を算出する状態量推定手段と、第2の演算手段が算出した第2の状態量と推定状態量とを比較することで可動部の異常を判断する診断演算手段とを有する可動部の異常を判断する診断部と、可動部の変位量および可動部の変位により変化するプロセス変量のいずれかの測定値の変化量をもとに診断部の動作を制御する診断動作制御部とを備える。
また、本発明に係るスティックスリップ検出装置は、接触摺動部を有する可動部の変位を検出する変位検出手段と、変位より第1の状態量を算出する第1の演算手段と、変位より第2の状態量を算出する第2の演算手段と、予め求めてある可動部の正常動作時の変位より得られる第1の状態量と第2の状態量との関係を格納した特性記憶部と、第1の演算手段が算出した第1の状態量および第2の演算手段が算出した第2の状態量の間の関係と、特性記憶部に格納された関係とを比較することで、可動部の異常を判断する診断演算手段とを有する可動部の異常を判断する診断部と、可動部の変位量および可動部の変位により変化するプロセス変量のいずれかの測定値の変化量をもとに診断部の動作を制御する診断動作制御部とを備える。
上記スティックスリップ検出装置において、診断動作制御部は、変位検出手段が検出した可動部の変位の変化量を算出する変化量算出手段と、この変化量算出手段が算出した変化量が予め設定されているしきい値を超えたことを検出して診断部の動作を制御する動作制御手段とを備えるようにすればよい。また、診断動作制御部は、プロセス変量の測定値の変化量を算出する変化量算出手段と、この変化量算出手段が算出した変化量が予め設定されているしきい値を超えたことを検出して診断部の動作を停止する動作制御手段とを備えるようにしてもよい。
上記スティックスリップ検出装置において、診断動作制御部は、第1の演算手段および第2の演算手段の動作を停止することで、診断部の動作を制御すればよい。また、診断動作制御部は、診断演算手段の動作を停止することで診断部の動作を制御してもよい。また、診断動作制御部は、診断演算手段による異常の判断をもとに、診断部の動作制御を開始し、可動部の変位量および可動部の変位により変化するプロセス変量のいずれかの測定値の変化量をもとに診断演算手段による異常の判断の正誤を判別するようにしてもよい。
また、本発明に係るスティックスリップ検出装置は、接触摺動部を有する可動部の変位を検出する変位検出手段と、変位より第1の状態量を算出する第1の演算手段と、変位より第2の状態量を算出する第2の演算手段と、予め求めてある可動部の正常動作時の変位より得られる第1の状態量と第2の状態量との関係を格納した特性記憶部と、特性記憶部に格納されている関係を利用し、第1の演算手段が算出した第1の状態量より第2の状態量を推定して推定状態量を算出する状態量推定手段と、第2の演算手段が算出した第2の状態量と推定状態量とを比較することで可動部の異常を判断する診断演算手段とを有する可動部の異常を判断する診断部と、可動部の変位量および可動部の変位により変化するプロセス変量のいずれかの測定値の変化量をもとに診断演算手段による異常の判断の正誤を判別する診断結果判別部とを備える。
また、本発明に係るスティックスリップ検出方法は、接触摺動部を有する可動部の変位を検出し、変位より第1の状態量を算出し、変位より第2の状態量を算出し、予め求めてある可動部の正常動作時の変位より得られる第1の状態量と第2の状態量との関係を利用し、算出した第1の状態量より第2の状態量を推定して推定状態量を算出し、算出した第2の状態量と推定状態量とを比較することで可動部の異常を判断し、可動部の変位量および可動部の変位により変化するプロセス変量のいずれかの測定値の変化量をもとに異常の判断動作を制御する。
また、本発明に係るスティックスリップ検出方法は、接触摺動部を有する可動部の変位を検出し、変位より第1の状態量を算出し、変位より第2の状態量を算出し、予め求めてある可動部の正常動作時の変位より得られる第1の状態量と第2の状態量との関係と、算出した第1の状態量および第2の状態量の間の関係とを比較することで、可動部の異常を判断し、可動部の変位量および可動部の変位により変化するプロセス変量のいずれかの測定値の変化量をもとに異常の判断動作を制御する。
上記スティックスリップ検出方法において、可動部の変位の変化量を算出し、算出した変化量が予め設定されているしきい値を超えたことにより異常の判断動作を停止するようにすればよい。また、プロセス変量の測定値の変化量を算出し、算出した変化量が予め設定されているしきい値を超えたことにより異常の判断動作を停止するようにしてもよい。また、可動部の変位量および可動部の変位により変化するプロセス変量のいずれかの測定値の変化量をもとに異常を判断の正誤を判別することで、異常の判断動作を停止してもよい。
また、本発明に係るスティックスリップ検出方法は、接触摺動部を有する可動部の変位を検出し、変位より第1の状態量を算出し、変位より第2の状態量を算出し、予め求めてある可動部の正常動作時の変位より得られる第1の状態量と第2の状態量との関係を利用し、算出した第1の状態量より第2の状態量を推定して推定状態量を算出し、算出した第2の状態量と推定状態量とを比較することで可動部の異常を判断し、可動部の変位量および可動部の変位により変化するプロセス変量のいずれかの測定値の変化量をもとに異常の判断の正誤を判別する。
以上説明したように、本発明によれば、可動部の変位量および可動部の変位により変化するプロセス変量のいずれかの測定値の変化量をもとに異常の判断動作を制御するようにしたので、制御の状態に対応してより正確にスティックスリップの状態が判断できるようなるという優れた効果が得られる。
図1は、本発明の実施の形態1におけるスティックスリップ検出装置の構成を示す構成図である。 図2は、本発明の実施の形態2におけるスティックスリップ検出装置の構成を示す構成図である。 図3は、本発明の実施の形態3におけるスティックスリップ検出装置の構成を示す構成図である。 図4は、本発明の実施の形態4におけるスティックスリップ検出装置の構成を示す構成図である。 図5は、本発明の実施の形態5におけるスティックスリップ検出装置の構成を示す構成図である。 図6は、本発明の実施の形態6におけるスティックスリップ検出装置の構成を示す構成図である。 図7は、本発明の実施の形態7におけるスティックスリップ検出装置の構成を示す構成図である。 図8は、本発明の実施の形態8におけるスティックスリップ検出装置の構成を示す構成図である。 図9は、本発明の実施の形態9におけるスティックスリップ検出装置の構成を示す構成図である。 図10は、摺動部分を有する装置の構成を示す構成図である。 図11Aは、往復摺動している部位より得られる変位信号の1階差分値の発生頻度分布を示すヒストグラムである。 図11Bは、往復摺動している部位より得られる変位信号の1階差分値の発生頻度分布を示すヒストグラムである。 図12は、制御指令値と変位測定値と変位測定値の1階差分値との変化を示すタイミングチャートである。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
[実施の形態1]
はじめに、本発明の実施の形態1について図1を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態におけるスティックスリップ検出装置の構成を示す構成図である。このスティックスリップ検出装置は、まず、例えば調節弁などの、接触摺動部を有する可動部の異常を判断する診断部100を備える。また、スティックスリップ検出装置は、弁体などの可動部の変位量または可動部の変位により変化するプロセス変量のいずれかの測定値の変化量をもとに、診断部100の動作を停止するなどの制御を行う診断動作制御部107を備える。
また、診断部100は、変位検出部101,第1状態量算出部(第1の演算手段)102,第2状態量算出部(第2の演算手段)103,特性記憶部104,第2状態量推定部105,および診断演算部106を備える。
変位検出部101は、弁体などの可動部の変位を検出(計測)する。第1状態量算出部102は、検出された可動部の変位より第1の状態量を算出する。第2状態量算出部103は、検出された可動部の変位より第2の状態量を算出する。特性記憶部104は、予め求めてある可動部の正常動作時の変位より得られる第1の状態量と第2の状態量との関係を格納している。第2状態量推定部105は、特性記憶部104に格納されている関係を利用し、第1状態量算出部102が算出した第1の状態量より第2の状態量を推定して推定状態量を算出する。診断演算部106は、第2状態量算出部103が算出した第2の状態量と推定状態量とを比較することで可動部の異常を判断する。
次に、診断動作制御部107についてより詳細に説明する。例えば調節弁は、ポジショナを介し、外部より自動的に制御され、また手動操作により制御される。また、自動弁のように、弁そのものが持つ調節機構により制御を行う場合もある。これらの制御の結果、弁軸が変位(変化)する。また、弁軸の変位量に対応して調節弁を通過する流体の流量などの、プロセス変量が変化する。このような、弁軸の変位量や流量などのプロセス変量などの測定結果(測定値)の変化量をもとに、診断動作制御部107は、診断部100の動作を制御する。
例えば、診断動作制御部107は、測定された弁軸の変位の変化の幅と予め設定されている基準値とを比較し、測定された弁軸変位の単位時間の変化幅が基準値を超えた場合、診断部100における異常の判断動作を停止する。
弁軸の変位を短時間で大きく変えるような制御が行われた場合は、正常な動作であってもスティックスリップが発生している場合と同様に判断される場合がある。これに対し、診断動作制御部107は、制御指令値の変化が反映される弁軸変位の測定値の単位時間の変化幅が基準値を超えると、診断部100の動作を停止するので、スティックスリップの誤検知が抑制できるようになる。
また、可動部である弁軸の変位は、流量などのプロセス変量の変化にも反映されるので、流量などのプロセス変量の測定値においても、上述同様に誤検知が制御できるようになる。ここで用いるプロセス変量は、可動部の変位によって直接制御される物理量であることが好ましい。例えば調節弁であれば、弁を通過する流体の流量や、流量を操作することで制御される物理量(例えば圧力、温度)である。また、直接制御される物理量でなくても、可動部の変位と連動し、強い相関関係にある物理量であれば、実施は可能である。一方,可動部の変位を変えても変化が見られない測定値、可動部の変位と相関が弱い測定値は利用できない。
ここで、基準値について簡単に説明する。
まず,制御指令値を外部から明示的に与えることができる診断対象の場合について説明する。スティックスリップ状態ではない正常な可動部(検出対象)に対し、A1とA2の2値の間で往復するような矩形波状の制御指令値を与える。制御指令値を切り替える時間間隔は、実際の動作時において起こりうる最も頻繁な指令値変更間隔と同程度にすることが望ましい。この制御指令値で可動部を動作させた結果測定される変位測定値から2つの状態量を算出し、特許文献1に記載の方法にあてはめて正常か異常かを判定する。この判定で異常と判定された場合は、与えた制御指令値による可動部の変位の変化量は誤検知を起こしうる値ということになるので、もう少しA1とA2の差を小さくして再度実験する。
このようにして、試験的に与えた制御指令値で動作させることで、A1とA2との幅(制御指令値変化量)をどの程度まで大きくすれば、異常と誤検知されるかが判定できる。また、制御指令値をこの変化量分だけ動かした時の可動部の変位量の変化量を、装置の仕様から求めるか、実験によって測定すれば、可動部変位の変化幅をどの程度まで大きくすれば、異常と誤検知されるかが得られる。従って、上述した試験動作により、異常と判断される可動部の変位量の変化量の下限を求め、この下限値を基準値とすればよい。このようにして決定した基準値を超える可動部の変位の変化量が検出された場合、上述したことより、診断部100はスティックスリップが発生したものと誤検知するものと考えられる。言い換えると、上記基準値を超える変位量の変化が検出された場合、診断動作制御部107が診断部100の動作を停止すれば、誤検知を抑制することができる。変位の変化量が基準値を超えている間、または、変位の変化量が基準値を超えた後、設定されている時間、診断部100の動作を停止すればよい。
また、可動部の変位の変化量を上記下限値の変化量とした時のプロセス変量の測定値の変化量を求め、これを基準値とすれば、基準値を超えるプロセス変量の測定値の変化量が検出された場合、上述同様に、診断動作制御部107が診断部100の動作を停止すれば、誤検知を抑制することができる。
一方、自力弁のように外部から制御指令値を与えられることなく動作する装置の場合は、上述したように制御指令値を介して基準値を決定することが、制御指令値が明示的に存在しないためにできない。このような場合、設置直後など、診断対象の装置が正常に動作していると思われる時の変位変化量を記憶しておくことで、基準値を決めることができる。例えば、2つの状態量と、これらの状態量を算出した区間における変位変化量の最大値を算出する。このときに、診断部によりスティックスリップが発生していると判断された場合は、算出された変位変化量は誤検知を起こしうる値ということになる。この誤検知と判断できるスティックスリップの発生判断がされたときに測定された変位の変化量の最大値の中で、最も小さな変位変化量を基準値とすることができる。
なお、正常な検出対象の数学モデルがあれば、上述した基準値の決定方法に代えて、コンピュータシミュレーションを用いて同様に基準値を決めることができる。ただしこの場合は、変位検出部101の誤差と同程度の外乱を加えた上で状態量を算出する必要がある。
ただし、基準値の決定においては、スティックスリップが実際に発生した時に誤って診断部を停止しないようにすることが重要となる。スティックスリップが発生して可動部が滑り状態となっている時には、測定される変位の変化量の値は正常時と比べて大きな値を示す。この値は通常、誤検知を起こしうる変化量の値よりは小さいので、問題となる可能性は低い。調節弁(バルブ)の場合で例示すると、スティックスリップによる可動部変位の変化量(滑り前と滑り後の変位の差)は、調節弁の最大変位量(弁の全開時と全閉時の変位の差)の0.5%〜2%程度、大きくても5%程度である。これに対し、誤検知を起こしている時の変化量は、最大変位量の20%〜100%程度、比較的小さい場合でも10%程度である。
このような中で、前述した基準値が過剰に小さい場合、スティックスリップが実際に発生している場合まで診断部を停止させる恐れがあるのは事実である。従って、変化量に対する基準値を決定する際には、基準値がスティックスリップ発生時にも取りうるような小さな値でないことを確認することが好ましい。
また、前述した基準値が、可動部変位やプロセス変量を測定する際のノイズや外乱の大きさに比べて同程度以下であると、ノイズや外乱の影響で誤って診断動作を停止させる恐れがある。従って、変化量に対する基準値を決定する際には、これら測定ノイズや外乱等によって通常起こりうる変化量より十分大きいことを確認することが好ましい。
なお、診断動作制御部107は、例えば、第1状態量算出部102および第2状態量算出部103における算出動作を停止することで、診断部100における判断の動作を停止すればよい。また、例えば、診断演算部106の動作を停止することで、診断部100における判断の動作を停止してもよい。また、診断動作制御部107は、上述したように診断部100の動作を停止した後、設定されている時間が経過した後、もしくは、弁軸(可動部)の変位やプロセス変量の単位時間あたり変化幅が所定の値より小さくなった後に、診断部100の動作を再開(開始)させる。
ここで、弁軸の変位およびプロセス変量の変化量と基準値を比較するまでには様々な時間遅れがある。遅延の原因としては、変化量の計算時間に起因する遅延、可動部変位の変化がプロセス変量に影響するまでの遅延(例えば調節弁から流量計まで流体が流れるのにかかる輸送遅れ)、プロセス変量の測定機器による遅延がある。このため、変化量が基準値を超えたことを検出した時点では、既に診断に適さない状態となっており、既に診断部100が誤検知をしている場合がある。このような場合、例えば、診断部100による診断結果が、上述した時間遅れに対応して遅延して出力されるようにするなど、診断部100の動作を遅延させればよい。例えば、第1状態量算出部102および第2状態量算出部103が、状態量の算出を遅延させて行えばよい。また、変位検出部101は、検出結果を一時記憶する一時記憶部を備えるようにし、上述した時間遅れに対応して検出結果を遅延させて出力してもよい。
また、診断演算部106が可動部に異常があると判断したときに、診断動作制御部107が、既に測定されている測定値の変化量が基準値を超えていたことを検出したら、診断部100からの異常判断の出力を停止してもよい。特に、診断演算部106による異常判断までに時間を要する場合、診断演算部106が可動部に異常があると判断したときに測定されるプロセス変量の測定値には、異常判断時の可動部の制御状態が反映されている場合がある。このような場合、診断演算部106が可動部に異常があると判断したときに、診断動作制御部107が、測定しているプロセス変量の測定値の変化量が基準値を超えていることを検出したら、診断部100からの異常判断の出力を停止してもよい。
上述したように、本実施の形態では、まず、接触摺動部を有する可動部の変位を検出し、次に、変位より第1の状態量を算出し、次に、算出した変位より第2の状態量を算出し、次に、予め求めてある可動部の正常動作時の変位より得られる第1の状態量と第2の状態量との関係を利用し、算出した第1の状態量より第2の状態量を推定して推定状態量を算出し、次に、算出した第2の状態量と推定状態量とを比較することで可動部の異常を判断し、加えて、可動部の変位量およびプロセス変量のいずれかの測定値の変化量をもとに異常の判断動作を停止するようにしたところに特徴がある。
この本実施の形態によれば、診断動作制御部107が、可動部の変位量およびプロセス変量のいずれかの測定値の変化量をもとに診断部100の動作を制御するようにしたので、スティックスリップの誤検知が抑制できるなど、制御の状態に対応してより正確にスティックスリップの状態が判断できるようになる。
[実施の形態2]
次に、本発明の実施の形態2について、図2を用いて説明する。図2は、本発明の実施の形態2におけるスティックスリップ検出装置の構成を示す構成図である。このスティックスリップ検出装置は、接触摺動部を有する可動部の異常を判断する診断部200、および可動部の変位量の測定値の変化量をもとに、診断部200の動作を停止するなどの制御を行う診断動作制御部207を備える。
診断部200は、変位検出部201,第1状態量算出部202(第1の演算手段),第2状態量算出部203(第2の演算手段),特性記憶部204,第2状態量推定部205,および診断演算部206を備える。また、診断動作制御部207は、変化量算出部271および動作制御部272を備える。
変位検出部201は、弁体などの可動部の変位を検出(計測)してデジタル信号の変位信号を出力する。変位検出部201は、第1状態量算出部202および第2状態量算出部203に対しては、設定されている遅延時間の後に、検出した変位信号を出力する。一方、変位検出部201は、変化量算出部271に対しては、検出した変位信号を直ちに出力する。
第1状態量算出部202は、検出された可動部の変位を示す計測値として変位検出部201より出力された変位信号より第1の状態量として1階差分値の二乗平均を算出する。また、第2状態量算出部203は、変位検出部201より出力された変位信号より第2の状態量として2階差分値の二乗平均を算出する。1階差分値の二乗平均および2階差分値の二乗平均は、以下の式(3)および式(4)を用いて算出すればよい。
Figure 2011191110
ただし、δxはΔtの間のxの差分であり、以下の式(5)により求める。また、δ2xはΔtの間のδxの差分であり、同様に求められる。
Figure 2011191110
特性記憶部204は、予め求めてある可動部の正常動作時の変位より得られる第1の状態量と第2の状態量との関係を格納している。例えば、特性記憶部204には、可動部の摺動が正常である状態の変位信号の1階差分値の二乗平均と2階差分値の二乗平均との関係(特性式)として、例えば、以下の式(6)に示すような、2つの定数A,Bにより1次近似した特性式が格納されている。
Figure 2011191110
第2状態量推定部205は、特性記憶部204に格納されている関係を利用し、第1状態量算出部202が算出した第1の状態量(1階差分値の二乗平均)より第2の状態量(2階差分値の二乗平均)を推定して推定状態量を算出する。例えば、第2状態量推定部205は、式(6)に第1状態量算出部202が算出した1階差分値の二乗平均を代入し、2階差分値に相当する推定状態量を算出する。
診断演算部206は、第2状態量算出部203が算出した第2の状態量と推定状態量とを比較することで可動部の異常を判断する。例えば、診断演算部206は、第2状態量算出部203が算出した2階差分値の二乗平均と、第2状態量推定部205が推定した推定状態量との差を求め、例えば、求めた差が所定の値より大きい場合にスティックスリップの発生が起きたものと判断する。
上述したように、診断部200がスティックスリップ(可動部の異常)を判断している中で、本実施の形態では、診断動作制御部207が、変位検出部201が検出(測定)した可動部の変位量の変化量をもとに第1状態量算出部202および第2状態量算出部203の動作を停止することで、診断部200の判断動作を停止する。
診断動作制御部207では、まず、変化量算出部271が、変位検出部201が検出した可動部の変位量(変位信号)より変化量を算出する。次に、動作制御部272が、設定されている基準値と算出された変化量とを比較し、算出された変化量の単位時間の変化幅が基準値を超えた場合、第1状態量算出部202および第2状態量算出部203における算出動作を停止する。例えば、動作制御部272が停止信号を出力することで、第1状態量算出部202および第2状態量算出部203の動作を停止する。
ここで、前述したように、変位検出部201は、第1状態量算出部202および第2状態量算出部203に対しては、設定されている遅延時間の後に変位信号を出力している。従って、動作制御部272が、基準値と算出された変化量との比較結果を出力した後、第1状態量算出部202および第2状態量算出部203に対して変位信号を出力させることができる。この結果、診断動作制御部207は、診断部200(診断演算部206)が判断動作をする前に、動作を停止させることができる。
以上のことにより、診断部200においては、スティックスリップの判断が停止され、可動部の制御状態に起因するスティックスリップの誤検知が抑制できるようになる。
ところで、上述では、変位検出部201より出力される変位信号がデジタル信号であり、第1の状態量として1階差分値の二乗平均を算出し、第2の状態量として2階差分値の二乗平均を算出したが、これに限るものではない。例えば、式(1)のように、第1の状態量として1階差分値の絶対値平均を算出し、第2の状態量として1階差分値の二乗平均の平方根を算出してもよい。また、変位信号がアナログ信号の場合、第1の状態量として1階微分値の二乗平均を算出し、第2の状態量として2階微分値の二乗平均を算出してもよい。
例えば、まず、第1状態量算出部202は、摺動する2つの物体(例えば、ピストンとシリンダ)の相対変位xを計測しているときの変位信号の1階微分値から、以下に示す式(7)に示すように、時間Tの間の二乗平均を求める。また、第2状態量算出部203は、変位信号の2階微分値から、以下の式(8)に示すように、時間Tの間の二乗平均を求める。
Figure 2011191110
一方、特性記憶部204には、摺動が正常である状態の変位信号の1階微分値の二乗平均と2階微分値の二乗平均との関係(特性式)として、例えば、最も簡単なものとして以下の式(9)に示すように、2つの定数A,Bにより1次近似した特性式が格納されている。
Figure 2011191110
第2状態量推定部205においては、式(9)で示した特性式を用い、計測値から得られた1階微分値の二乗平均より2階微分値の二乗平均を推定する。また、診断演算部206では、第2状態量推定部205が推定(算出)した2階微分値の二乗平均(推定状態量)と第2状態量算出部203が算出した2階微分値の二乗平均との差を求める。この差が所定の値より大きい場合に、診断演算部206は、スティックスリップが発生したものと判断する。なお、2階微分値の二乗平均より1階微分値の二乗平均を推定し、この推定1階微分値の二乗平均と変位より求めた実際の1階微分値の二乗平均とを比較してもよい。
[実施の形態3]
次に、本発明の実施の形態3について、図3を用いて説明する。図3は、本発明の実施の形態3におけるスティックスリップ検出装置の構成を示す構成図である。このスティックスリップ検出装置は、接触摺動部を有する可動部の異常を判断する診断部300、および可動部の変位量の測定値の変化量をもとに、診断部300の動作を停止するなどの制御を行う診断動作制御部307を備える。
診断部300は、変位検出部301,第1状態量算出部302(第1の演算手段),第2状態量算出部303(第2の演算手段),特性記憶部304,第2状態量推定部305,および診断演算部306を備える。また、診断動作制御部307は、変化量算出部371および動作制御部372を備える。
変位検出部301は、弁体などの可動部の変位を検出(計測)してデジタル信号の変位信号を出力する。変位検出部301は、第1状態量算出部302および第2状態量算出部303に対しては、設定されている遅延時間の後に、検出した変位信号を出力する。一方、変位検出部301は、変化量算出部371に対しては、検出した変位信号を直ちに出力する。
第1状態量算出部302は、検出された可動部の変位を示す計測値として変位検出部301より出力された変位信号より第1の状態量として1階差分値の二乗平均を算出する。また、第2状態量算出部303は、変位検出部301より出力された変位信号より第2の状態量として2階差分値の二乗平均を算出する。
特性記憶部304は、予め求めてある可動部の正常動作時の変位より得られる第1の状態量と第2の状態量との関係を格納している。例えば、特性記憶部304には、可動部の摺動が正常である状態の変位信号の1階差分値の二乗平均と2階差分値の二乗平均との関係(特性式)が格納されている。
第2状態量推定部305は、特性記憶部304に格納されている関係を利用し、第1状態量算出部302が算出した第1の状態量(1階差分値の二乗平均)より第2の状態量(2階差分値の二乗平均)を推定して推定状態量を算出する。
診断演算部306は、第2状態量算出部303が算出した第2の状態量と推定状態量とを比較することで可動部の異常を判断する。例えば、診断演算部306は、第2状態量算出部303が算出した2階差分値の二乗平均と、第2状態量推定部305が推定した推定状態量との差を求め、例えば、求めた差が所定の値より大きい場合にスティックスリップの発生が起きたものと判断する。
上述したように、診断部300がスティックスリップ(可動部の異常)を判断している中で、本実施の形態では、診断動作制御部307が、変位検出部301が検出(測定)した可動部の変位量の変化量をもとに診断演算部306の動作を停止することで、診断部300の判断動作を停止する。
診断動作制御部307では、まず、変化量算出部371が、変位検出部301が検出した可動部の変位量(変位信号)より変化量を算出する。次に、動作制御部372が、設定されている基準値と算出された変化量とを比較し、算出された変化量の単位時間の変化幅が基準値を超えた場合、診断演算部306の動作を停止する。例えば、動作制御部372が停止信号を出力することで、診断演算部306の動作を停止する。
ここで、前述したように、変位検出部301は、第1状態量算出部302および第2状態量算出部303に対しては、設定されている遅延時間の後に変位信号を出力している。従って、動作制御部372が、基準値と算出された変化量との比較結果を出力した後、第1状態量算出部302および第2状態量算出部303に対して変位信号を出力させることができる。この結果、診断動作制御部307は、診断部300(診断演算部306)が判断動作をする前に、動作を停止させることができる。
なお、本実施の形態では、変位検出部301が第1状態量算出部302および第2状態量算出部303に変位を出力する際に遅延させることで、診断動作制御部307が診断部300の判断動作を制御しているが、遅延を挿入する箇所はこの部分に限られるものではない。各状態量算出部が状態量を診断演算部306に出力するのを遅延させるのでも良く、また診断演算部306が診断結果を出力するのを遅延させるのでも同じことができる。
以上のことにより、診断部300においては、スティックスリップの判断が停止され、可動部の制御状態に起因するスティックスリップの誤検知が抑制できるようになる。
[実施の形態4]
次に、本発明の実施の形態4について、図4を用いて説明する。図4は、本発明の実施の形態4におけるスティックスリップ検出装置の構成を示す構成図である。このスティックスリップ検出装置は、まず、例えば調節弁などの、接触摺動部を有する可動部の異常を判断する診断部400を備える。また、スティックスリップ検出装置は、弁体などの可動部の変位量または可動部の変位により変化するプロセス変量のいずれかの測定値の変化量をもとに、診断部400の動作を停止するなどの制御を行う診断動作制御部407を備える。
診断部400は、変位検出部401,第1状態量算出部402(第1の演算手段),第2状態量算出部403(第2の演算手段),特性記憶部404,および診断演算部406を備える。
変位検出部401は、弁体などの可動部の変位を検出(計測)する。第1状態量算出部402は、検出された変位より第1の状態量を算出する。第2状態量算出部403は、検出された変位より第2の状態量を算出する。特性記憶部404は、予め求めてある可動部の正常動作時の変位より得られる第1の状態量と第2の状態量との関係を格納している。診断演算部406は、第1状態量算出部402が算出した第1の状態量および第2状態量算出部403が算出した第2の状態量の間の関係と、特性記憶部404に格納された関係とを比較することで、可動部の異常を判断する。
次に、診断動作制御部407についてより詳細に説明する。例えば、調節弁は、外部より外部より自動的に制御され、また弁自身が持つ調整機構により自立的に制御される。これらの制御の結果、弁軸(可動部)の変位が変化する。また、弁軸の変位量に対応して調節弁を通過する流体の流量などの、プロセス変量が変化する。このような、弁軸の変位量やプロセス変量などの測定結果(測定値)の変化量をもとに、診断動作制御部407は、診断部400の動作を制御する。
例えば、診断動作制御部407は、測定された弁軸の変位の変化の幅と予め設定されている基準値とを比較し、測定された弁軸の変位の変化の幅が基準値を超えた場合、診断部400における異常の判断動作を停止する。
弁軸の変位を短時間で大きく変えるような制御が行われた場合、正常な動作であってもスティックスリップが発生している場合と同様に判断される場合がある。これに対し、診断動作制御部407は、制御指令値の変化が反映される弁軸変位の測定値の単位時間の変化幅が基準値を超えると、診断部400の動作を停止するので、スティックスリップの誤検知が抑制できるようになる。これらの動作は、前述した実施の形態1と同様である。また、可動部である弁軸の変位は、流量などのプロセス変量の変化にも反映されるので、流量などのプロセス変量の測定値においても、上述同様である。
上述した本実施の形態においても、前述した実施の形態1と同様に、診断動作制御部407が、弁体などの可動部の変位量または可動部の変位により変化するプロセス変量のいずれかの測定値の変化量をもとに、診断部400の動作を制御するようにしたので、スティックスリップの誤検知が抑制できるなど、制御の状態に対応してより正確にスティックスリップの状態が判断できるようになる。また、弁軸の変位およびプロセス変量の変化量と基準値とを比較するまでに要する時間遅れへの対処についても、前述した実施の形態1と同様である。
[実施の形態5]
次に、本発明の実施の形態5について、図5を用いて説明する。図5は、本発明の実施の形態5におけるスティックスリップ検出装置の構成を示す構成図である。このスティックスリップ検出装置は、接触摺動部を有する可動部の異常を判断する診断部500、および可動部の変位量の測定値の変化量をもとに診断部500の動作を停止するなどの制御を行う診断動作制御部507を備える。
診断部500は、変位検出部501,第1状態量算出部502(第1の演算手段),第2状態量算出部503(第2の演算手段),特性記憶部504および診断演算部506を備える。また、診断動作制御部507は、変化量算出部571および動作制御部572を備える。
変位検出部501は、弁体などの可動部の変位を検出(計測)してデジタル信号の変位信号を出力する。変位検出部501は、第1状態量算出部502および第2状態量算出部503に対しては、設定されている遅延時間の後に、検出した変位信号を出力する。一方、変位検出部501は、変化量算出部571に対しては、検出した変位信号を直ちに出力する。
第1状態量算出部502は、検出された可動部の変位を示す計測値として変位検出部501より出力された変位信号より第1の状態量として1階差分値の二乗平均を算出する。また、第2状態量算出部503は、変位検出部501より出力された変位信号より第2の状態量として2階差分値の二乗平均を算出する。
特性記憶部504は、予め求めてある可動部の正常動作時の変位より得られる第1の状態量と第2の状態量との関係を格納している。診断演算部506は、第1状態量算出部502が算出した第1の状態量と第2状態量算出部503が算出した第2の状態量との関係を求め、求めた関係と、特定記憶部504に記憶されている関係とを比較することで、スティックスリップの発生を検出する。
上述したように、診断部500がスティックスリップ(可動部の異常)を判断している中で、本実施の形態では、診断動作制御部507が、変位検出部501が検出(測定)した可動部の変位量の変化量をもとに第1状態量算出部502および第2状態量算出部503の動作を停止することで、診断部500の判断動作を停止する。
診断動作制御部507では、まず、変化量算出部571が、変位検出部501が検出した可動部の変位量(変位信号)より変化量を算出する。次に、動作制御部572が、設定されている基準値と算出された変化量とを比較し、算出された変化量の単位時間の変化幅が基準値を超えた場合、第1状態量算出部502および第2状態量算出部503における算出動作を停止する。
ここで、前述したように、変位検出部501は、第1状態量算出部502および第2状態量算出部503に対しては、設定されている遅延時間の後に変位信号を出力している。従って、動作制御部572が、基準値と算出された変化量との比較結果を出力した後、第1状態量算出部502および第2状態量算出部503に対して変位信号を出力させることができる。この結果、診断動作制御部507は、診断部500(診断演算部506)が判断動作をする前に、動作を停止させることができる。
以上のことにより、診断部500においては、スティックスリップの判断が停止され、上述したような可動部の制御状態に起因するスティックスリップの誤検知が抑制できるようになる。
ところで、上述では、変位検出部501より出力される変位信号がデジタル信号であり、第1の状態量として1階差分値の二乗平均を算出し、第2の状態量として2階差分値の二乗平均を算出したが、これに限るものではない。式(1)のように、第1の状態量として1階差分値の絶対値平均を算出し、第2の状態量として1階差分値の二乗平均の平方根を算出してもよい。変位信号がアナログ信号の場合、第1の状態量として1階微分値の二乗平均を算出し、第2の状態量として2階微分値の二乗平均を算出してもよい。
[実施の形態6]
次に、本発明の実施の形態6について、図6を用いて説明する。図6は、本発明の実施の形態6におけるスティックスリップ検出装置の構成を示す構成図である。このスティックスリップ検出装置は、接触摺動部を有する可動部の異常を判断する診断部600、および可動部の変位量の測定値の変化量をもとに診断部600の動作を停止するなどの制御を行う診断動作制御部607を備える。
診断部600は、変位検出部601,第1状態量算出部602(第1の演算手段),第2状態量算出部603(第2の演算手段),特性記憶部604および診断演算部606を備える。また、診断動作制御部607は、変化量算出部671および動作制御部672を備える。
変位検出部601は、弁体などの可動部の変位を検出(計測)してデジタル信号の変位信号を出力する。変位検出部601は、第1状態量算出部602および第2状態量算出部603に対しては、設定されている遅延時間の後に、検出した変位信号を出力する。一方、変位検出部601は、変化量算出部671に対しては、検出した変位信号を直ちに出力する。
第1状態量算出部602は、検出された可動部の変位を示す計測値として変位検出部601より出力された変位信号より第1の状態量として1階差分値の二乗平均を算出する。また、第2状態量算出部603は、変位検出部601より出力された変位信号より第2の状態量として2階差分値の二乗平均を算出する。
特性記憶部604は、予め求めてある可動部の正常動作時の変位より得られる第1の状態量と第2の状態量との関係を格納している。診断演算部606は、第1状態量算出部602が算出した第1の状態量と第2状態量算出部603が算出した第2の状態量との関係を求め、求めた関係と、特定記憶部604に記憶されている関係とを比較することで、スティックスリップの発生を検出する。
上述したように、診断部600がスティックスリップ(可動部の異常)を判断している中で、本実施の形態では、診断動作制御部607が、変位検出部601により検出された可動部の変位量の変化量をもとに診断演算部606の動作を停止することで、診断部600の判断動作を停止する。
診断動作制御部607では、まず、変化量算出部671が、変位検出部601により検出された可動部の変位量(変位信号)より変化量を算出する。次に、動作制御部672が、設定されている基準値と算出された変化量とを比較し、算出された変化量の単位時間の変化幅が基準値を超えた場合、診断演算部606の動作を停止する。
ここで、前述したように、変位検出部601は、第1状態量算出部602および第2状態量算出部603に対しては、設定されている遅延時間の後に変位信号を出力している。従って、動作制御部672が、基準値と算出された変化量との比較結果を出力した後、第1状態量算出部602および第2状態量算出部603に対して変位信号を出力させることができる。この結果、診断動作制御部607は、診断部600(診断演算部606)が判断動作をする前に、動作を停止させることができる。
なお、本実施の形態の場合においても、遅延させる箇所は変位検出部601の出力に限定されない。前述した実施の形態3と同様に、各状態量算出部が状態量を診断演算部606に出力するのを遅延させても良く、また診断演算部606が診断結果を出力するのを遅延させるようにしても同様である。
以上のことにより、診断部600においては、スティックスリップの判断が停止され、上述したような可動部の制御状態に起因するスティックスリップの誤検知が抑制できるようになる。
[実施の形態7]
次に、本発明の実施の形態7について図7を用いて説明する。図7は、本発明の実施の形態7におけるスティックスリップ検出装置の構成を示す構成図である。このスティックスリップ検出装置は、接触摺動部を有する可動部の異常を判断する診断部200、および可動部の変位により変化するプロセス変量の測定値の変化量をもとに、診断部200の動作を停止するなどの制御を行う診断動作制御部707を備える。
診断部200は、変位検出部201,第1状態量算出部202(第1の演算手段),第2状態量算出部203(第2の演算手段),特性記憶部204,第2状態量推定部205,および診断演算部206を備える。これらの構成については、前述した実施の形態2と同様である。
本実施の形態では、診断動作制御部707が、プロセス変量測定値受信部771,変化量算出部772,および動作制御部773を備える。
プロセス変量測定値受信部771は、診断部200による診断対象となる例えば調節弁により制御されるプロセス変量の測定結果を受信する。以下、プロセス変量が流体の流量である場合について説明する。変化量算出部772は、プロセス変量測定値受信部771が受信している流量測定値の変化より、予め設定されている単位時間あたりの変化量を算出する。動作制御部773は、変化量算出部772が算出している変化量が、設定されている基準値を超えたら、第1状態量算出部202および第2状態量算出部203の動作を停止することで、診断部200の判断動作を停止する。
例えば、ある時刻t1で、調節弁の開度を0%から100%にするような制御が行われたとする。この制御の結果、調節弁の開度は、0%から100%の状態に変化する。この結果、調節弁より下流の流路における制御対処の流体の流量は、調節弁の開度に対応して増大するが、調節弁の開度を変えた影響が流量計の測定値に表れるまでには通常、時間遅れが存在するので、流量の増大はやや遅れて始まる。この時刻をt2とする。調節弁の開度がこのように急激に変化すると、前述したように、診断部200におけるスティックスリップの誤検知を招く。
ここで、本実施の形態では、まず、時刻t2より増大する流量測定値がプロセス変量測定値受信部771で受信される。変化量算出部772では、受信された流量測定値より、単位時間毎に1階差分値を算出する。流量測定値は制御の変化に対応して時系列的に変化し、算出される1階差分値は、時刻t2の時点で大きな値となる。この値が基準値を超えると、動作制御部773が、第1状態量算出部202および第2状態量算出部203に対し、時刻t2より所定の時間継続する動作停止信号を出力する。
一方、変位検出部201は、設定されている遅延時間の後に、第1状態量算出部202および第2状態量算出部203に対して検出した変位信号を出力している。このため、上述した動作停止信号が出力されるまでは、第1状態量算出部202および第2状態量算出部203に入力される変位信号に、動作停止信号の原因である急激な変位の変化が現れることがない。
また、上述した動作停止信号が第1状態量算出部202および第2状態量算出部203で受け付けられると、第1状態量算出部202および第2状態量算出部203では、算出動作を停止する。第1状態量算出部202および第2状態量算出部203では、動作停止信号を受け付けている間は、算出動作を停止する。
これらの結果、時刻t1で検出されている変位信号が変位検出部201より遅延出力されたときには、第1状態量算出部202および第2状態量算出部203には、動作停止信号により算出動作を停止していることになり、状態量の算出が停止している。言い換えると、スティックスリップと判断される変位信号の1階差分値の大きな値は、算出動作から除外されることになる。従って、動作制御部773により動作停止信号が出力されている所定の時間は、診断部200においてはスティックスリップの判断が停止され、スティックスリップの誤検知が抑制できるようになる。
また、可動部の変位により変化するプロセス変量の測定値の変化量をもとに誤検知を抑制するようにしているため、1つの診断動作制御部で、複数の診断対象および診断部の組に対して診断動作の制御を行うことが可能となる。例えば、複数の調節弁による流体制御結果が、1つの流量計に影響を与えている場合、この流量計により測定される流量(プロセス変量)の測定値の変化量をもとに、複数の調節弁におけるスティックスリップ検出(診断動作)の制御を行うことができる。このようにすることで、装置の個数を減らすことが可能となり、診断に要するコストの低減が可能となる。なお、1つの診断動作制御部で複数の診断部の動作を制御する場合,基準値は各診断部が診断する対象(例えば調節弁)ごとに決定する方が好ましいが、基準値が最も小さい対象に合わせて共通化することも可能である。
[実施の形態8]
次に、本発明の実施の形態8について図8を用いて説明する。図8は、本発明の実施の形態8におけるスティックスリップ検出装置の構成を示す構成図である。このスティックスリップ検出装置は、接触摺動部を有する可動部の異常を判断する診断部200を備える。診断部200は、前述した実施の形態2,7と同様である。
また、本実施の形態8におけるスティックスリップ検出装置は、可動部の変位により変化するプロセス変量(流量)の測定値の変化量をもとに診断部200の動作を停止するための判定信号を送出する診断動作制御外部システム807、および診断動作制御外部システム807より送出された判定信号をもとに診断部200の動作を停止する動作制御部876を備える。流量は、可動部を備える例えば調節弁の下流に配置された流量計809で測定され、流量計809で測定された流量値が、診断動作制御外部システム807に通知(送信)される。診断動作制御外部システム807より送出された判定信号は、ネットワーク808を介して接続する受信部875で受け付けられて動作制御部876に送られる。
本実施の形態では、診断動作制御外部システム807が、流量測定値受信部871,変化量算出部872,変化量判定部873,および送信部874を備える。なお、診断動作制御外部システム807は、可動部の制御状態を決定する外部制御システムと同じシステム内にあることが望ましいが、別システムとして実現されていても構わない。
流量測定値受信部871は、診断部200による診断対象となる例えば調節弁で制御される流体の流量測定値を流量計809から受信する。診断動作制御外部システム807が、流量計809の機器内部に組み込まれている場合は、流量測定値の取得は機器内のデータの受け渡しとして実現可能である。別システムとして実現されている場合は、流量計809と通信を行うことで、リアルタイムに流量測定値を受信できるようにする必要がある。変化量算出部872は、受信した流量測定値の変化より予め設定されている単位時間あたりの変化量を算出する。変化量判定部873は、変化量算出部872が算出している変化量が、設定されている基準値を超えたら、動作停止信号を出力する。送信部874は、変化量判定部873から出力された動作停止信号を、ネットワーク808を介して受信部875に送信する。
一方、変位検出部201は、設定されている遅延時間の後に、第1状態量算出部202および第2状態量算出部203に対して検出した変位信号を出力している。このため、上述した動作停止信号が出力されるまでは、第1状態量算出部202および第2状態量算出部203に入力される変位信号に、動作停止信号の原因である急激な変位の変化が現れることはない。
また、上述した動作停止信号が受信部875で受け付けられると、動作制御部876は、第1状態量算出部202および第2状態量算出部203の算出動作を停止する。受信部875が動作停止信号を受け付けている間は、動作制御部876は、第1状態量算出部202および第2状態量算出部203の算出動作を停止する。
これらの結果、既に検出されている変位信号が変位検出部201より遅延出力されたときには、第1状態量算出部202および第2状態量算出部203は、動作停止信号により算出動作を停止していることになり、状態量の算出が停止している。言い換えると、スティックスリップと判断される変位信号の1階差分値の大きな値は、算出動作から除外されることになる。従って、送信部874より動作停止信号が送信されている所定の時間は、診断部200においてはスティックスリップの判断が停止され、スティックスリップの誤検知が抑制できるようになる。
以上のことにより、診断部200においては、前述した実施の形態7と同様にスティックスリップの判断が停止され、前述したような可動部の制御状態に起因するスティックスリップの誤検知が抑制できるようになる。
[実施の形態9]
次に、本発明の実施の形態9について図9を用いて説明する。図9は、本発明の実施の形態におけるスティックスリップ検出装置の構成を示す構成図である。このスティックスリップ検出装置は、まず、例えば、調節弁などの接触摺動部を有する可動部の異常を判断する診断部100を備える。
また、スティックスリップ検出装置は、可動部である弁体の変位に対応して変化する流量の測定値の変化量をもとに、診断部100の判断の正誤の判別を行う診断動作制御部907を備える。流量は、可動部を備える例えば調節弁の下流に配置された流量計910で測定され、流量計910で測定された流量値が、診断動作制御部907に通知される。
診断部100は、変位検出部101,第1状態量算出部(第1の演算手段)102,第2状態量算出部(第2の演算手段)103,特性記憶部104,第2状態量推定部105,および診断演算部106を備える。診断部100は、前述した実施の形態1と同様である。
変位検出部101は、弁体などの可動部の変位を検出(計測)する。第1状態量算出部102は、検出された可動部の変位より第1の状態量を算出する。第2状態量算出部103は、検出された可動部の変位より第2の状態量を算出する。特性記憶部104は、予め求めてある可動部の正常動作時の変位より得られる第1の状態量と第2の状態量との関係を格納している。
第2状態量推定部105は、特性記憶部104に格納されている関係を利用し、第1状態量算出部102が算出した第1の状態量より第2の状態量を推定して推定状態量を算出する。診断演算部106は、第2状態量算出部103が算出した第2の状態量と推定状態量とを比較することで可動部の異常を判断し、異常が検出されたこと(異常検出信号)を出力する。
次に、診断動作制御部907について説明する。診断動作制御部907は、流量測定値受信部971,測定値記憶部972,変化量算出部973,変化量判定部974,変化量算出制御部975,および診断結果判別部976を備える。
流量測定値受信部971は、調節弁で制御される流体の流量測定値を流量計910から受信する。流量測定値受信部971は、流量計910から時系列に流量測定値を受信する。測定値記憶部972は、受信された流量測定値を時系列に記憶する。変化量算出部973は、測定値記憶部972に時系列に記憶されている流量測定値の変化より予め設定されている単位時間あたりの変化量を算出する。また、変化量算出部973は、変化量算出制御部975から開始指示信号を受け付けると、上述した算出動作を開始する。変化量判定部974は、変化量算出部973が算出している変化量が、設定されている基準値を超えたら、動作停止信号を出力する。
変化量算出制御部975は、診断演算部106より出力される異常検出信号を受け付け、変化量算出部973に開始指示信号を通知して変化量算出動作を開始させる。また、診断結果判別部976は、変化量判定部974より出力される動作停止信号の有無により、診断演算部106より出力されて受け付けられた異常検出信号の正誤を判別し、可動部における異常(スティックスリップ)発生を通知する。診断結果判別部976は、異常信号に加えて動作停止信号を受け付けると、受け付けた異常信号が誤判定であるとし、異常発生の通知を行わない。
上述した本実施の形態では、診断動作制御部907が、診断部100の各部の動作制御を行うのではなく、診断部100(診断演算部106)による異常の判断の正誤を判別するところに特徴がある。このようにした本実施の形態によれば、既に診断部100が設置されている環境に、診断部100に変更を加えることなく、診断動作制御部907を追加すればよいので、設備の大幅な変更が抑制できるようになる。
ここで、診断演算部106が可動部の異常の判断のもととなる変位検出部101による変位測定値(変位検出結果)の測定時点における可動部の変位の状態が、流量計910に測定される流量測定値に反映されるまでには、時間の遅れがある。これは、調節弁から流量計まで流体が流れるのにかかる輸送遅れ、および、流量計自身の測定遅延に起因する。また、検出された変位をもとにした異常の判断結果の算出にも、時間を要する。これは、異常の判断の基となる状態量の算出は、(1)〜(4)式や(7)〜(8)式で示したように、一定時間の変位データを必要とするからである。また、流量測定における遅れ時間と、判断結果算出時間とは、ほとんどの場合は異なっている。
このため、診断演算部106より出力される異常検出信号が変化量算出制御部975で受け付けられた後、変化量算出部973による変化量算出に用いる流量測定値は、算出対象となる測定時間の範囲を診断演算部106による判断結果の算出時間、および流量測定の遅れ時間を考慮して設定することが必要となる。
ここで、診断演算部106の判断結果は、時刻t1からt2の間に変位検出部101によって測定された変位に基づいているとする。また、可動部の変位の状態が流量測定値に反映されるまでにかかる時間(遅延)をTfとする。この場合、変化量算出部973による変化量算出には、時刻t1+Tfからt2+Tfまでの流量測定値を用いればよいことになる。
例えば、流量測定の遅れ時間に比較して判断結果の算出時間がより長い場合、変化量算出部973が、変化量算出制御部975より開始指示信号を受け付けた時点では、時刻t1+Tfは既に経過した後である。よって、変化量算出のためには、時刻t1+Tfから現在までに流量測定値受信部971が受信して測定値記憶部972に記憶されている流量測定値が必要となる。
また、例えば、判断結果の算出時間に比較して流量測定の遅れ時間がより長い場合、変化量算出部973が変化量算出制御部975より開始指示信号を受け付けた時点では、時刻t1+Tfにはまだなっていない。よって、時刻t1+Tfになるのを待って、流量測定値受信部971が受信している流量測定値を用いて変化量を算出すればよい。この場合、測定値記憶部972はなくてもよい。
いずれにおいても、判断結果の算出に用いた可動部変位を測定した時間は診断部の仕様から把握可能であり、また流量測定の遅れ時間などは計測可能な時間である。よって、上述した時間範囲を設定することが可能である。
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で、当分野において通常の知識を有する者により、各実施の形態の組み合わせを含めて多くの変形が実施可能であることは明白である。
例えば、上述した実施の形態9では、診断動作制御部が、診断演算部より異常信号を受け付けると、この異常の判断の正誤を判別するようにしたが、これに限るものではない。例えば、変化量の算出を常に行い、算出した変化量が設定されている基準値を超えている間は、異常の判断には適さない状態であることを示す信号を出力し続けるようにしてもよい。この信号が出力されている間に、診断演算部により異常が判断されれば、この異常の判断が誤判定であることが判別できる。
100…診断部、101…変位検出部、102…第1状態量算出部(第1の演算手段)、103…第2状態量算出部(第2の演算手段)、104…特性記憶部、105…第2状態量推定部、106…診断演算部、107…診断動作制御部。

Claims (14)

  1. 接触摺動部を有する可動部の変位を検出する変位検出手段と、
    前記変位より第1の状態量を算出する第1の演算手段と、
    前記変位より第2の状態量を算出する第2の演算手段と、
    予め求めてある前記可動部の正常動作時の変位より得られる第1の状態量と第2の状態量との関係を格納した特性記憶部と、
    前記特性記憶部に格納されている関係を利用し、前記第1の演算手段が算出した第1の状態量より前記第2の状態量を推定して推定状態量を算出する状態量推定手段と、
    前記第2の演算手段が算出した第2の状態量と前記推定状態量とを比較することで前記可動部の異常を判断する診断演算手段と
    を有する前記可動部の異常を判断する診断部と、
    前記可動部の変位量および前記可動部の変位により変化するプロセス変量のいずれかの測定値の変化量をもとに前記診断部の動作を制御する診断動作制御部と
    を備えることを特徴とするスティックスリップ検出装置。
  2. 接触摺動部を有する可動部の変位を検出する変位検出手段と、
    前記変位より第1の状態量を算出する第1の演算手段と、
    前記変位より第2の状態量を算出する第2の演算手段と、
    予め求めてある前記可動部の正常動作時の変位より得られる第1の状態量と第2の状態量との関係を格納した特性記憶部と、
    前記第1の演算手段が算出した第1の状態量および前記第2の演算手段が算出した第2の状態量の間の関係と、前記特性記憶部に格納された関係とを比較することで、前記可動部の異常を判断する診断演算手段と
    を有する前記可動部の異常を判断する診断部と、
    前記可動部の変位量および前記可動部の変位により変化するプロセス変量のいずれかの測定値の変化量をもとに前記診断部の動作を制御する診断動作制御部と
    を備えることを特徴とするスティックスリップ検出装置。
  3. 請求項1または2記載のスティックスリップ検出装置において、
    前記診断動作制御部は、
    前記変位検出手段が検出した前記可動部の変位の変化量を算出する変化量算出手段と、
    この変化量算出手段が算出した変化量が予め設定されているしきい値を超えたことを検出して前記診断部の動作を制御する動作制御手段と
    を備えることを特徴とするスティックスリップ検出装置。
  4. 請求項1または2記載のスティックスリップ検出装置において、
    前記診断動作制御部は、
    前記プロセス変量の測定値の変化量を算出する変化量算出手段と、
    この変化量算出手段が算出した変化量が予め設定されているしきい値を超えたことを検出して前記診断部の動作を停止する動作制御手段と
    を備えることを特徴とするスティックスリップ検出装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のスティックスリップ検出装置において、
    前記診断動作制御部は、前記第1の演算手段および前記第2の演算手段の動作を停止することで、前記診断部の動作を制御する
    ことを特徴とするスティックスリップ検出装置。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のスティックスリップ検出装置において、
    前記診断動作制御部は、前記診断演算手段の動作を停止することで前記診断部の動作を制御する
    ことを特徴とするスティックスリップ検出装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のスティックスリップ検出装置において、
    前記診断動作制御部は、
    診断演算手段による異常の判断をもとに、前記診断部の動作制御を開始し、
    前記可動部の変位量および前記可動部の変位により変化するプロセス変量のいずれかの測定値の変化量をもとに前記診断演算手段による異常の判断の正誤を判別する
    ことを特徴とするスティックスリップ検出装置。
  8. 接触摺動部を有する可動部の変位を検出する変位検出手段と、
    前記変位より第1の状態量を算出する第1の演算手段と、
    前記変位より第2の状態量を算出する第2の演算手段と、
    予め求めてある前記可動部の正常動作時の変位より得られる第1の状態量と第2の状態量との関係を格納した特性記憶部と、
    前記特性記憶部に格納されている関係を利用し、前記第1の演算手段が算出した第1の状態量より前記第2の状態量を推定して推定状態量を算出する状態量推定手段と、
    前記第2の演算手段が算出した第2の状態量と前記推定状態量とを比較することで前記可動部の異常を判断する診断演算手段と
    を有する前記可動部の異常を判断する診断部と、
    前記可動部の変位量および前記可動部の変位により変化するプロセス変量のいずれかの測定値の変化量をもとに前記診断演算手段による異常の判断の正誤を判別する診断動作制御部とを備えることを特徴とするスティックスリップ検出装置。
  9. 接触摺動部を有する可動部の変位を検出し、
    前記変位より第1の状態量を算出し、
    前記変位より第2の状態量を算出し、
    予め求めてある前記可動部の正常動作時の変位より得られる第1の状態量と第2の状態量との関係を利用し、算出した前記第1の状態量より前記第2の状態量を推定して推定状態量を算出し、
    算出した前記第2の状態量と前記推定状態量とを比較することで前記可動部の異常を判断し、
    前記可動部の変位量および前記可動部の変位により変化するプロセス変量のいずれかの測定値の変化量をもとに前記異常の判断動作を制御する
    ことを特徴とするスティックスリップ検出方法。
  10. 接触摺動部を有する可動部の変位を検出し、
    前記変位より第1の状態量を算出し、
    前記変位より第2の状態量を算出し、
    予め求めてある前記可動部の正常動作時の変位より得られる第1の状態量と第2の状態量との関係と、算出した前記第1の状態量および前記第2の状態量の間の関係とを比較することで、前記可動部の異常を判断し、
    前記可動部の変位量および前記可動部の変位により変化するプロセス変量のいずれかの測定値の変化量をもとに前記異常の判断動作を制御する
    ことを特徴とするスティックスリップ検出方法。
  11. 請求項9または10記載のスティックスリップ検出方法において、
    前記可動部の変位の変化量を算出し、
    算出した前記変化量が予め設定されているしきい値を超えたことにより前記異常の判断動作を停止する
    ことを特徴とするスティックスリップ検出方法。
  12. 請求項9または10記載のスティックスリップ検出方法において、
    前記プロセス変量の測定値の変化量を算出し、
    算出した前記変化量が予め設定されているしきい値を超えたことにより前記異常の判断動作を停止する
    ことを特徴とするスティックスリップ検出方法。
  13. 請求項9〜12のいずれか1項に記載のスティックスリップ検出方法において、
    前記可動部の変位量および前記可動部の変位により変化するプロセス変量のいずれかの測定値の変化量をもとに異常を判断の正誤を判別することで、前記異常の判断動作を停止する
    ことを特徴とするスティックスリップ検出方法。
  14. 接触摺動部を有する可動部の変位を検出し、
    前記変位より第1の状態量を算出し、
    前記変位より第2の状態量を算出し、
    予め求めてある前記可動部の正常動作時の変位より得られる第1の状態量と第2の状態量との関係を利用し、算出した前記第1の状態量より前記第2の状態量を推定して推定状態量を算出し、
    算出した前記第2の状態量と前記推定状態量とを比較することで前記可動部の異常を判断し、
    前記可動部の変位量および前記可動部の変位により変化するプロセス変量のいずれかの測定値の変化量をもとに前記異常の判断の正誤を判別することを特徴とするスティックスリップ検出方法。
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